JP2016010973A - 記録装置、記録方法、及びプログラム - Google Patents

記録装置、記録方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】隣接する色味や明度が異なるインクによる画像領域の境界で生じる滲みや混色による画像の劣化防止を生産性の低下とコストの上昇を抑えた簡素な手段で実現する。
【解決手段】被記録媒体50の表面に、複数の境界インクドット100C1からなる境界インク領域を作像する。境界インク領域にUVを照射して硬化させた後、境界内領域に、複数の第1層のシアンインクドット101C、複数の第1層のマゼンタインクドット101M、及び複数の第1層のイエローインクドット101Yからなる第1層のカラーインク領域を作像する。第1層カラーインク領域にUVを照射して硬化させた後、第1層のカラーインク領域上に、複数のシアンインクドット102C、複数のマゼンタインクドット102M、及び複数のイエローインクドット102Yからなる第2層のカラーインク領域を作像する。
【選択図】図3

Description

本発明は、被記録媒体にインクを付着させて画像等を記録するインクジェット方式の記録装置、記録方法、及びプログラムに関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写機、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)からなる記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置が知られている。
また、インクジェット記録装置の中には、被記録媒体上に吐出して着弾させた紫外線硬化インクに紫外線(UV;ultraviolet)を照射することで、紫外線硬化インクを硬化定着させて画像を得る、いわゆるUVインクジェットプリンタと呼ばれるものがある。UVインクジェットプリンタは、ヘッドキャリッジに搭載されたヘッドが、ヘッドキャリッジを被記録媒体に沿って移動させながら、被記録媒体上に紫外線硬化インクを吐出して着弾させる。インクを着弾された被記録媒体は、紫外線光源によって紫外線照射され、被記録媒体上の紫外線硬化インクが硬化安定することによって画像が印刷されるようになっている。
しかし、UVインクジェットプリンタにより、非浸透メディア(例えばガラス、金属、プラスチック、コート紙)へカラー画像を作像する時に、着弾した異なる色のインク同士がUV照射前の未硬化状態の境界近傍で滲んでしまうと、混色した不明瞭な画像や、予期せぬ色味に変わった異常画像となる不具合がある。
それを避けるためであれば、各色のインクを吐出して画像を作像する度にUV照射し硬化させるプロセスを色数分繰り返してゆけば、硬化した画像領域に新たな別のインク滴を着弾させても互いが滲んで混色することは防げる。
しかし、各色のインクを着弾させる度にUV照射を行って(硬化,定着)させていては、そのための時間が掛かり過ぎるため生産性が落ちる。また、初期に着弾したインクに対し、後から着弾したインクを硬化させるために照射するUVを重畳し照射することになり、初期段階で硬化したインクにとってはUVの照射(積算)光量が必要以上になるため、過度なUV照射によるインク黄変や、硬化し過ぎによる被記録媒体との界面での剥離を引き起こすなどの画像劣化に繋がる可能性がある。
このような問題に対処した発明として、特許文献1に記載された画像形成方法がある。この発明では、被記録媒体に着弾した直後のインク液滴土同士が被記録媒体表面上で定着前に合体することにより動いて、本来のインク液滴の着弾位置からずれて定着する現象や、インク液滴の形状が変形してその形状が崩れてしまう現象を着弾干渉と称し、その着弾干渉が被記録媒体上で起こると同色インク同士の場合は濃度ムラとして視認され、線品質が劣化し、異色インク間の場合は混色にじみが発生してしまう問題を解決する。
この画像形成方法は、「画像データに基づいて形成される画像によって被覆される被記録媒体上の画像形成領域及び該画像形成領域の周辺領域に、前記被記録媒体上に形成される画像を構成するドットの広がりを抑える拡散防止剤と、重合開始剤と、高沸点有機溶媒と、を含有する第1の液を付着させる第1の液付着工程と、前記第1の液付着工程の後に、前記画像データに基づいて前記被記録媒体上の前記画像形成領域に輻射線硬化型重合性化合物と、色材と、を含有する第2の液を打滴する第2の液打滴工程と、前記第1の液付着工程の後であり前記第2の液打滴工程の前に、前記被記録媒体上の前記画像形成領域の周辺領域における前記画像形成領域の外縁の外側に、輻射線硬化型重合性化合物を含有し、透明或いは前記被記録媒体と同系色を有する第3の液を打滴する第3の液打滴工程と、記被記録媒体上の前記第1の液、前記第2の液及び前記第3の液に輻射線を照射する輻射線照射工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法。」(請求項1)である。
ここで云う第1の液;処理液は、滲み、着弾干渉の発生の更なる抑制という観点から、下記(i)〜(iii)の条件を満たすものが使用される。
(i)25℃での粘度が100mPa・s以下、又は60℃での粘度が100mPa・s以下であること。
(ii)沸点が100℃よりも高い高沸点有機溶媒を含有すること。
(iii)第2の液;KCMYインクが処理液上に着弾した後に、KCMYインクの広がり(KCMYインクによって形成されるドットの広がり)を抑える拡散防止剤及び重合開始剤を含有していること。
よって、第1の液上に画像データに基づいて打滴される第2の液を着弾させることで、第1の液の成分である高沸点有機溶媒及び拡散防止剤により、第2の液の着弾干渉を防止することが可能になる。その際に、第2の液の打滴領域と、第2の液の打滴領域の周辺領域とを第1の液の付着領域とすることで、第1の液の液面が平坦な部分に第2の液が着弾し、第2の液の着弾位置のずれが防止され、第2の液によって形成されるドットの位置ずれが発生せずに好ましい画像を得ることが出来る。
ここで、第2の液の着弾位置ずれとは、第2の液の飛翔方向のばらつきによるものではなく、第1の液の境界部の傾斜を持つ部分に第2の液が着弾するときに、第2の液が第1の液の傾斜部上で移動する現象をいう。
また、第1の液を付着させた領域のうち、第2の液が存在しない画像形成領域の周辺領域には、透明或いは被記録媒体と同系色の第3の液を打滴し、これらの液に輻射線を照射して確実に硬化させるので、余分な液体が被記録媒体上に残留することを防止出来る。
また、第1の液を付着させる第1の液の付着領域には、画像データに基づいて第2の液が打滴される画像形成領域及びその周辺領域が含まれており、例えば、形成される画像に中抜き部分がある場合には、中抜き部分にも第1の液の付着領域が存在する。
このように、特許文献1に記載された画像形成装置及び画像形成方法によれば、画像データに基づいて打滴される第2の液の打滴領域と第2の液の打滴領域の周辺領域とを第1の液の付着領域とすることで、第1の液の液面が平坦な部分に第2の液が着弾し、第2の液の着弾位置のずれが防止されるので、好ましい画像を得ることが出来る。また、第1の液を付着させた領域のうち、第2の液が存在しない領域に透明或いは被記録媒体と同系色の第3の液を打滴して、第1の液、第2の液及び第3の液に輻射線を照射してこれらを確実に硬化させることができ、余分な液体が被記録媒体上に残留しないようにしている。これにより、特に高速印刷時におけるメディア上の着弾干渉による画像劣化の発生を防ぎ、メディア上に好ましい画像を形成することが出来るとされる。
しかし、この画像形成装置及び画像形成方法には、下記(1)〜(3)の問題がある。
(1)第1の液を打滴するプロセスが必要なため、生産性が低下する。
(2)第1の液のコスト分が生産物のコストを高めてしまう。
(3)第1の液の嵩が、第2の液の打滴領域と、第3の液の打滴領域に必要なため、その分画像の嵩が高くなってしまい、第2の液と第3の液が打滴されていない(被記録媒体
が直に見える)領域との段差が目立ってしまう。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、隣接する色味や明度が異なるインクによる画像領域の境界で生じる滲みや混色による画像の劣化防止を生産性の低下とコストの上昇を抑えた簡素な手段で実現することである。
本発明は、複数種類のインクを被記録媒体上又は被記録媒体上に着弾させたインク上に着弾させ記録インク領域を形成する第1の液滴吐出手段と、前記第1の液滴吐出手段が前記記録インク領域を形成する前に、前記複数種類のインクの混合比が異なる記録インク領域の間に、境界用インクを着弾させて境界インク領域を形成する第2の液滴吐出手段と、前記第1の液滴吐出手段が前記記録インク領域を形成する前に、前記境界インク領域を定着させる境界インク領域定着手段と、前記記録インク領域を定着させる記録インク領域定着手段と、を有する記録装置である。
本発明によれば、隣接する色味や明度が異なるインクによる画像領域の境界で生じる滲みや混色による画像の劣化防止を生産性の低下とコストの上昇を抑えた簡素な手段で実現することが出来る。
本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第1の例を示す図である。 図1に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンを示す図である。 図2に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの第1の例を示す図である。 図2に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの第2の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第2の例を示す図である。 図5に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 図6に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第3の例を示す図である。 図8に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 図9に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第4の例を示す図である。 図11に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 図12に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第5の例、並びに第1層のカラーインク領域のドットパターン及び第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。 境界インクドットの嵩、並びに第1層及び第2層のカラーインクドットの嵩の関係について示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の主走査方向の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置による境界用インクドットの吐出及び硬化プロセスを説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置によるカラーインクドットの吐出及び硬化プロセスを説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る記録装置の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る記録装置の制御部の構成を説明するためのブロック図である。 図22に示す制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 画像データから画像領域パターン及び境界パターンを生成する処理を示すフローチャートである。 モノクロの多階調画像の階調数を低減した近似階調パターンを示す図である。 図25に示す近似階調パターンから抽出した境界パターンを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録装置により形成される三次元造形物の断面の概略構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録装置により形成される三次元造形物の積層造形工程の概略を示す図である。 三次元造形物の水平な着色面に生ずる問題点について説明するための図である。 三次元造形物の垂直な着色面に生ずる問題点について説明するための図である。 図27に示す三次元造形物の水平な着色面に形成されるバリア層の例を示す図である。 図27に示す三次元造形物の垂直な着色面に形成されるバリア層の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る記録装置による三次元造形物の積層造形工程の処理フローを示す図である。 図33の処理フローで生成される三次元造形データ及び各層の記録情報について説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈境界インク領域のドットパターンの第1の例〉
図1は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第1の例を示す図である。ここで、図1Aは平面図であり、図1Bは断面図である。また、この図において、X軸は主走査方向、Y軸は副走査方向である。この主走査方向及び副走査方向は後記の図2〜図20について共通である。また、後記の図12〜図14においても、各図Aは平面図であり、各図Bは断面図である。なお、第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置の構成の詳細、並びに主走査方向、副走査方向の詳細については後述する。
図示のように、被記録媒体50の表面に、境界用インクとしての透明UV硬化型インクによる嵩のある複数の境界インクドット(透明インクドット)100C1からなる境界インク領域が作像されている。ここでは、境界インク領域は太い点線により描画された菱形が、主走査方向に5個繋がったような形状を有する。そして、その菱形の内部に5個の境界内領域50−cが形成され、外部に境界外領域50−oが形成される。隣接する境界インクドット100C1同士は接触せず、隙間が形成されている。
〈第1層のカラーインク領域のドットパターン〉
図2は、図1に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。
境界インク領域にUV(紫外線)を照射して硬化(定着)させた後、境界内領域50−cに、複数種類の記録用インクとしての複数色のカラーインクを着弾させて、記録インク領域としての第1層のカラーインク領域を作像する。第1層のカラーインク領域を構成する各色のカラーインクドットは、境界インクドット100C1の中心と重ならないように打滴される。
ここでは、図の左側から順に、複数の第1層のシアンインクドット101Cからなる第1層のシアンインク領域、複数の第1層のマゼンタインクドット101Mからなる第1層のマゼンタインク領域、複数の第1層のイエローインクドット101Yからなる第1層のイエローインク領域、複数の第1層のマゼンタインクドット101Mからなる第1層のマゼンタインク領域、複数の第1層のシアンインクドット101C及び複数の第1層のマゼンタインクドット101Mの組み合わせからなる第1層のシアン・マゼンタインク領域が形成されている。
隣接する異なる色のカラーインク領域の間には境界インクドット100C1があるため、異なる色のカラーインク領域を構成するカラーインクドット同士は接触しない。ここでは、黒インク領域が無い例を示したが、有っても構わない。
〈第2層のカラーインク領域のドットパターンの第1の例〉
図3は、図2に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの第1の例を示す図である。
第1層のカラーインク領域にUVを照射して硬化させた後、第1層のカラーインク領域上に第2層のカラーインク領域を形成する。第2層のカラーインク領域を構成する第2層のカラーインクドットは、第1層のカラーインク領域を構成する第1層のカラーインクドットに対して、主走査方向及び副走査方向に1/2ピッチ分ずらして配置する。また、第2層のカラーインクドットのうち、境界内領域50−cの最も外側に配置されるカラーインクドットは、境界インクドット100C1と一部が重なるものの、完全に境界インクドット100C1で形成された嵩のある境界の内部に納まるように打滴されている。
図では、左側から順に、第1層のシアンインク領域上に複数の第2層のシアンインクドット102Cからなる第2層のシアンインク領域、第1層のマゼンタインク領域上に複数の第2層マゼンタインクドット102Mからなる第2層のマゼンタインク領域、第1層のイエローインク領域上に複数の第2層イエローインクドット102Yからなる第2層のイエローインク領域、第1層のマゼンタインク領域上に複数の第2層マゼンタインクドット102M及び複数の第2層イエローインクドット102Yの組み合わせからなる第2層のマゼンタ・イエローインク領域、第1層のシアン・マゼンタインク領域上に複数の第2層シアンインクドット102C及び複数の第2層マゼンタインクドット102Mの組み合わせからなる第2層のシアン・マゼンタインク領域が形成されている。第2層のカラーインク領域においても、隣接する異なるカラーインク領域のインクドット同士は境界インクドット100C1を境に接していない状態となる。
〈第2層のカラーインク領域のドットパターンの第2の例〉
図4は、図2に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの第2の例を示す図である。
この図に示す第2層のカラーインク領域は、図3に示す第2層のカラーインク領域よりもカラーインクドットの打滴する領域が広くなっている。即ち、第2層のカラーインク領域を構成する各カラーインクドットを第1層のカラーインクドットとは主走査方向及び副走査方向に1/2ピッチ分ずらし、さらに嵩のある境界インクドット同士で形成された境界のドット間の中央に打滴したことにより、図3における第2層のカラーインク領域よりも1ドット分広げて形成したものである。
より詳しくは、境界インクドット101Cと斜め45度方向の中央で重ならせながらも、左側から順に、複数の第2層のシアンインクドット102Cからなる第2層のシアンインク領域、複数の第2層マゼンタインクドット102Mからなる第2層のマゼンタインク領域、複数の第2層イエローインクドット102Yからなる第2層のイエローインク領域、複数の第2層のマゼンタインクドット102M及び複数の第2層のイエローインクドット102Yの組み合わせからなる第2層のマゼンタ・イエローインク領域、複数の第2層のシアンインクドット102C及び複数の第2層のマゼンタインクドット102Mの組み合わせからなる第2層のシアン・マゼンタインク領域が形成されている。
図4Bに示すように、第2層のカラーインク領域は、下層の境界インクドット100C1の頂点を境にして分離されているので、極限まで接近している異なる色のカラーインク領域のインクドット同士が滲みを起こすことが防止される。
このようにぎりぎりの領域まで彩度や明度の異なるカラーインクドット同士を接近させてカラーインク領域を形成するには、予め十分に滲みを起こさない透明インク領域の嵩となる条件を確認した上で実施する必要はあるが、カラーインク領域同士の境界を極力狭くすることが出来るため、隙間の目立たない画像を得ることが出来る。
〈境界インク領域のドットパターンの第2の例〉
図5は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第2の例を示す図である。
図1に示したように、境界インクドット100C1の密度が低く、隣接する境界インクドット100C1の間に隙間が形成される場合には、境界内領域50−cに打滴した各色のカラーインクドットのインクが隙間から漏れ出す可能性がある。
そこで、図5に示すドットパターンの第2の例では、境界内領域50−cの閉塞性を高めるため、隣接する境界インクドット100C1の間に隙間ができないようにした。このドットパターンは、図1に示すドットパターンにおける5箇所の境界内領域50−cの隙間を境界インク領域の外側から塞ぐように境界インクドット100C1を追加したものと言える。5箇所の境界内領域50−cは嵩のある境界インクドット100C1で囲まれるため、境界内領域50−cに打滴した各色のカラーインクドットのインクの漏出を防止することが出来る。
〈第1層のカラーインク領域のドットパターン〉
図6は、図5に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンを示す図である。
境界インク領域にUVを照射して硬化させた後、境界内領域50−cに第1層のカラーインク領域を作像する。第1層のカラーインク領域を構成する各色のカラーインクドットは、境界インクドット100C1と重ならないように配置されている。
ここでは、図2と同様に、図の左側から順に、複数の第1層のシアンインクドット101Cからなる第1層のシアンインク領域、複数の第1層のマゼンタインクドット101Mからなる第1層のマゼンタインク領域、複数の第1層のイエローインクドット101Yからなる第1層のイエローインク領域、複数の第1層のマゼンタインクドット101Mからなる第1層のマゼンタインク領域、複数の第1層のシアンインクドット101C及び複数の第1層のマゼンタインクドット101Mの組み合わせからなる第1層のシアン・マゼンタインク領域が形成されている。
図2と同様に、隣接する異なる色のカラーインク領域の間には境界インクドット100Cがあるため、異なる色のカラーインク領域を構成するカラーインクドット同士は接触しない。ここでは、黒インク領域が無い例を示したが、有っても構わない。また、シアン、マゼンタ、イエローに限らず、その他の色相のインクであっても構わない。
〈第2層のカラーインク領域のドットパターン〉
図7は、図6に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。
図示のように、図4と同様、5箇所の第2層のカラーインク領域を構成する各カラーインクドットを第1層のカラーインクドットとは主走査方向及び副走査方向に1/2ピッチ分ずらし、さらに嵩のある境界インクドット100C1同士で形成された境界インクのドット間の中央に打滴したことで、第2層のカラーインク領域を図3における第2層のカラーインク領域よりも1ドット分広げて形成している。さらに、境界内領域50−cの閉塞性が高まっているため、極限まで接近した異なるカラーインク領域のインクドット同士が滲みを起こすのを防ぐことが出来る。
〈境界インク領域のドットパターンの第3の例〉
図8は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第3の例を示す図である。
この図に示す境界インク領域のドットパターンを構成する境界小径インクドット100C2は、図5に示す境界インクドット100C1のドットピッチを1/2に狭め、かつ着弾するドット径もその分小径化したものである。
このドットパターンによれば、ドットパターンの第2の例(図5)と同様、境界インク領域を連続した境界線による閉鎖領域にすることが出来る。また、ドットパターンの第2の例の1/2の面積で境界インク領域を形成することが出来るので、境界用インクの使用量を低減することが出来る。
〈第1層のカラーインク領域のドットパターン及び第2層のカラーインク領域のドットパターン〉
図9は、図8に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンを示す図であり、図10は、図9に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。
図9、図10に示すように、図8に示す境界内領域50−cにカラーインクドットを打滴することで、異なる色のカラーインク領域を図6、図7における異なる色のカラーインク領域よりも接近させることが出来る。そして、その状態でも異なる色のインクドット同士が滲みを起こすのを防ぐことが出来る。従って、カラーインクドット同士の境界を極力狭く目立たなくすることが出来るため、隙間の目立たない画像を得ることが出来る。
〈境界インク領域のドットパターンの第4の例、並びに第1層のカラーインク領域のドットパターン及び第2層のカラーインク領域のドットパターン〉
図11は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第4の例を示す図である。また、図12は、図11に示す境界内領域に形成される第1層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図であり、図13は、図12に示す第1層のカラーインク領域上に形成される第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。
図11に示すように、境界インク領域のドットパターンの第4の例では、境界インク領域が被記録媒体50上の隣接するカラーインク領域の間以外(カラーインク領域以外の全面)を網羅するように複数の境界インクドット100C1を打滴した。
これにより、図13に示すように、被記録媒体50の印刷面側の表面全体におけるインクドットの有無の違いがなくなるため、図3B、図4B、図7B、図10Bのような画像面上での段差を生じることなく平滑性の高い画像を得ることが出来る。
〈境界インク領域のドットパターンの第5の例、並びに第1層のカラーインク領域のドットパターン及び第2層のカラーインク領域のドットパターン〉
図14は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置により被記録媒体の表面に形成される境界インク領域のドットパターンの第5の例、並びに第1層のカラーインク領域のドットパターン及び第2層のカラーインク領域のドットパターンの例を示す図である。
この図に示す境界インク領域のドットパターンは、図13に示す境界インクドット100C1の上に境界インクドット100C1を1/2ピッチずらして配置したものである。この図に示すパターンによれば、境界インク領域の高さとカラーインク領域の高さが揃うため、図13に示すドットパターンよりも更に平滑性の高い画像が得られる。
〈インクドットの嵩の関係〉
図15は、境界インクドットの嵩、並びに第1層及び第2層のカラーインクドットの嵩の関係について示す図である。
境界インクドット100C1を境として,左側に複数の第1層のシアンインクドット101Cからなる第1層のシアンインク領域、及び複数の第2層のシアンインクドット102Cからなる第2層のシアンインク領域があり、右側に複数の第1層のマゼンタインクドット101Mからなる第1層のマゼンタ・シアンインク領域、及び複数の第2層のマゼンタインクドット102Mからなる第2層のマゼンタインク領域がある。
境界インクドット100C1の嵩をHc、第1層のカラーインクドットの最大の嵩をH1、その上、或いは第1層のカラーインク領域のドットピッチの隙間を埋めるように重ねて打滴された(第1層を含めた)第2層のカラーインクドットの最大の嵩をH2とする。つまり、H2がカラーインク領域におけるインクドットの最大高さである。
この場合、H2をHc以下とすることで、境界インク領域を挟んで両側に彩度や明度の異なる色の画像領域(カラーインク領域)が隣接しても、互いに溢れ出て滲むことが無いようにすることが出来る。
なお、この境界インクドット100C1の嵩:Hcを得るためには、境界用インク(透明インク)打滴する1回分の液滴量を多くすることで、嵩を短時間に(最小1回の走査で)稼ぐ方法でもよい。
しかし、その分ドット径が大きく広がってしまうため、隣接するカラーインク領域が狭くなってしまい、境界インク領域が太く目立ってしまう不具合も生じる。そこで、これを避けるため、繰り返し同じ位置で「画像領域(カラーインク領域)」での打滴の液滴量と比較してやや多くなる程度で重ねて打滴することにより嵩を稼ぐ方法が好ましい。
そのようにすることで、ドット径が小さいながらも十分嵩のあるHcを得ることができ、また境界インクドットの断面形状も図示の境界インクドット100C1の液滴断面のように、同じ位置に重ねて打滴されたインクが、UVで硬化するまでの間に紡錘状に垂れ下がり、より鋭利な先端形状となるため、目立ちにくくなる効果も得られる。
この図に示す境界インクドット100C1の嵩:Hc、第1層のカラーインクドットの嵩:H1、及び第2層のカラーインクドットの嵩:H2の関係(Hc≧H2>H1)は、前述した図3B、図4B、図7B、及び図13Bに対して適用することが出来る。また、図10Bにおける境界小径インクドット100C2の嵩、第1層のカラーインクドットの嵩、及び第2層のカラーインクドットの嵩についても適用することが出来る。
〈第1の実施形態に係る記録装置〉
図16は本発明の第1の実施形態に係る記録装置の斜視図である。この記録装置はUV硬化型インクジェット記録装置である。
このUV硬化型インクジェット記録装置は、液滴吐出手段としてのインクジェットヘッドにより、UV硬化型インクを被記録媒体50の表面の所望の位置に滴下させることにより作像する。次いで、その表面に対し活性光線照射手段(定着手段)としてのUVランプ8にてUV照射を行う。このUV照射により、吐出されたUV硬化型インクのモノマーに含有する光硬化開始剤が架橋反応し、ポリマーとして硬化することにより、被記録媒体50に定着することで画像形成を行う。
土台となる堅牢なベース1上に被記録媒体50を載置し、搬送するための載置台9を±X方向(主走査方向。主走査とはヘッドに対してX軸方向に被記録媒体50を搬送しながら被記録媒体50にインクの打滴などを行うことである。)に動作させるX軸リニアモータ7が取り付けられている。
この図は、載置台9上の被記録媒体50が後述するヘッドユニット6の下を通過する主走査タイミングで、上記ヘッドユニット6よりUV硬化型インクを吐出することにより、複数の境界インクドット100C1或いは境界小径インクドット100C2からなる境界インク領域を形成し、さらに各色の第1層の複数のカラーインクドット(101C、101M、101Y)からなるカラーインク領域を形成した状態を示している。
ベース1上にはX軸リニアモータ7と直交する方向に門形のビーム2が設けられ、±Y方向(副走査方向)に動作するY軸リニアモータ3が取り付けられている。そして、Y軸HP(ホームポジション)より、順次−Y方向に副走査(主走査方向に作像した後、新たな作像領域を主走査するためにヘッドがインクを吐出しない間に更に−Y方向へ改行すること)するY軸走査キャリア4がある。
また、このUV硬化型インクジェット記録装置は、被記録媒体50の厚みに応じて、z軸ヘッドステージモータ5a(図22)の回転により±Z軸方向に昇降するZ軸ヘッドステージ5を備えている。Z軸ヘッドステージ5には多種(多色)のインクを個別に吐出させるIJ(インクジェット)ヘッドを一体に保持するヘッドユニット6と、UVランプ8が隣接して一体に取り付けられている。
ここでは、IJヘッドは、図の左手前側から透明IJヘッド10、黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14の順で配列されている。ただし、透明IJヘッド10以外の配置順はこの図の配置順と異なっていても構わない。
ここで、透明IJヘッド10、黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14は、それぞれ透明UV硬化型インク、黒透明UV硬化型インク、シアン透明UV硬化型インク、マゼンタ透明UV硬化型インク、イエロー透明UV硬化型インクを吐出する。即ち、透明IJヘッド10は第1の液滴吐出手段として機能し、黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14は第2の液滴吐出手段として機能する。
ここでは、ヘッドユニット6と、UVランプ8がZ軸ヘッドステージ5に一体に取り付けられているため、ヘッドユニット6とUVランプ8の位置関係は常に一定になっているが、ヘッドユニット6がインクを吐出するX軸方向での吐出走査タイミングとUVランプ8がUVを照射するX軸方向の走査タイミングとは必ずしも同時でなくとも構わない。即ち、例えばインクを吐出する際には早い速度で載置台9を−X方向へ移動させ、一度元のX軸HPの有る+X方向へ移動させてホームポジションに戻り、再度−X方向へ移動させてUV照射のみを行うことで、UVによる硬化反応に必要十分な積算光量を確保したUV照射を実行することも出来る。
図17は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置の主走査方向の断面図である。
この図には、UVランプ8と各種IJヘッドの配列と、載置台9に搭載された印刷中の被記録媒体50が図示されている。
IJヘッドの配列は以下のとおりである。UVランプ8のすぐ右隣には透明IJヘッド10があり、順に黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14が設けられている。
図18は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置の平面図である。
前述のとおり、多種(多色)のインクを個別に吐出するIJヘッドを一体に保持するヘッドユニット6と、UVランプ8とが隣接してZ軸ヘッドステージ5に一体に取り付けられている。この図は、ヘッドユニット6のY軸方向の位置はY軸リニアモータ3上で位置制御されているY軸走査キャリア4により、Y軸HPに位置する状態を示している。
〈境界用インクドットの吐出及び硬化プロセス〉
図19は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置による境界用インクドットの吐出及び硬化プロセスを説明するための図である。
この図は、図17に示した装置断面図にて、被記録媒体50へ透明IJヘッド10より透明UV硬化型インクを吐出して境界インクドット100C1或いは境界小径インクドット100C2を着弾させた直後に左隣に設置されたUVランプ8からUVを照射し、順次硬化させることにより、境界インク領域或いは境界小径インク領域が形成されている途中の状態を示している。
〈カラーインクドットの吐出及び硬化プロセス〉
図20は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置によるカラーインクドットの吐出及び硬化プロセスを説明するための図である。
この図は、図19で示した被記録媒体50上に境界インク領域或いは小径境界インク領域が形成された後に、その境界内領域50−cに、黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14により、それぞれ複数の黒インクドット101Bk、シアンインクドット101C、マゼンタインクドット101M、イエローインクドット101Yからなるカラーインク領域が適宜作像されている途中の状態を示している。
〈第2の実施形態に係る記録装置〉
図21は、本発明の第2の実施形態に係る記録装置の平面図である。この図において、図17と同一又は対応する部分には図17と同じ参照符号が付されている。
この記録装置では、透明IJヘッド10は透明IJヘッドユニット6Aに搭載されており、透明IJヘッドユニット6Aは透明IJヘッド用Y軸走査キャリア4Aに取り付けられている。また、カラーIJヘッド(黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14)はカラーIJヘッドユニット6Bに搭載されており、カラーIJヘッドユニット6BはカラーIJヘッド用Y軸走査キャリア4Bに取り付けられている。また、カラーIJヘッド用Y軸走査キャリア4Bは、透明IJヘッド用Y軸走査キャリア4Aに対して+Y方向に配置されている。
つまり、透明IJヘッド10と、カラーIJヘッドとが異なる副走査方向位置に配置され、かつ独立して副走査が可能、即ち被記録媒体50の表面に対向しつつY軸方向へ個別に移動可能に構成されている。また、境界インク領域定着手段としての透明IJ用UVランプ8Aと、記録インク領域定着手段としてのカラーIJ用UVランプ8Bとを、別個の手段として、透明IJヘッド10、カラーIJヘッド(黒IJヘッド11、シアンIJヘッド12、マゼンタIJヘッド13、イエローIJヘッド14)に対応させた。それ以外は第1の実施形態と同じである。
この記録装置によれば、まず透明IJヘッド10を搭載した透明IJヘッドユニット6Aが十分先行して被記録媒体50上に境界インクドット100C1又は境界小径インクドット100C2を打滴し、その直ぐ左側に配置した透明IJ用UVランプ8Aを点灯して、境界インクドット100C1又は境界小径インクドット100C2を速やかに硬化させることで境界インク領域を形成する。
そして、透明IJヘッド用Y軸走査キャリア4Aを順次−Y方向へ移動させ、その後すぐにカラーIJヘッド用Y軸走査キャリア4Bを独立して追従させ、境界内領域へカラーインクドットを打滴し、カラーIJヘッドユニット6Bの直ぐ左側に配置したカラーIJ用UVランプ8Bを点灯することで、速やかに硬化したカラーインク領域を形成していく。
第1の実施形態では、一つのヘッドユニット6の上に透明IJヘッド10と、カラーIJヘッドが一体に配列され、かつ境界インク領域定着手段及び記録インク領域定着手段を兼用するUVランプ8が1灯しか無いため、場合によっては(1主走査毎に透明インク打滴直後にUV照射し、カラーインク領域にドットカラーインクドットを打滴する時)嵩のある境界インク領域がまだ完全に閉塞されていない(一部が開放された)状態のまま境界内領域50−cにカラーインクドットを打滴しなければならず、ここでインク滲みを起こす不具合が生じる可能性があるのに対し、本実施形態ではそれを解決することが出来る。
また、本実施形態では、透明IJヘッドユニット6Aと、カラーIJヘッドユニット6Bが独立してY軸リニアモータ3上を移動可能なので、互いのY軸方向の間隔を任意に設定することも可能である。従って、その間隔を十分に広げておくことによって、先行して形成される境界インク領域の境界内領域50−cの範囲を十分広く形成(確保)した後に、カラーIJヘッドユニット6Bが走査するように設定することが出来る。このように設定すれば、境界内領域50−cが確実に閉塞された状態になってから、カラーインクドットを打滴することが出来るため、滲みを防ぐ作用を高めることが出来る。
〈記録装置の制御部の構成〉
図22は、本発明の第1の実施形態に係る記録装置の制御部の構成を説明するためのブロック図である。
この制御部200は、装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)204と、各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号処理を行うASIC205とを備えている。
また、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置であるホスト装置90側とのデータや信号の送受を行うためのホストI/F(インタフェース)206を備えている。
また、制御部200は、ヘッドユニット6を駆動制御するためのヘッド駆動制御部207及びヘッドドライバ208と、UVランプ8を駆動するためのUVランプ駆動部209とを備えている。
また、制御部200は、Y軸リニアモータ3を駆動するためのY軸リニアモータ駆動部210、X軸リニアモータ7を駆動するためのX軸リニアモータ駆動部211、Z軸ヘッドステージ5を昇降させるz軸ヘッドステージモータ5aを駆動するためのz軸ヘッドステージモータ駆動部212、各種センサ320からの検知信号を入力するためのI/O213を備えている。
また、制御部200には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル310が接続されている。
なお、第2の実施形態に係る記録装置の制御部は、この図におけるヘッドユニット6が透明IJヘッドユニット6AとカラーIJヘッドユニット6Bに分かれており、UVランプ8が透明IJ用UVランプ8AとカラーIJ用UVランプ8Bに分かれており、透明用とカラー用が個別に移動可能に構成されている。
〈記録装置の制御部の動作〉
以上の構成を備えた制御部200の動作について説明する。図23は、制御部200の動作の一例を示すフローチャートである。
一般的な記録装置では入力された画像データから黒、シアン、マゼンタ、イエロー等からなる分解された画像領域パターンを生成し、各色の画像形成に関わる印刷プロセスを経て画像を形成する。
これに対して、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置では、その前に画像データから境界インク領域を形成するための打滴制御データである境界パターンを生成し、境界パターンに基づいて境界用インクを打滴することで、境界インク領域を作像する。このとき、境界パターンは、互いに滲みにより画像劣化を引き起こす可能性のある色の組み合わせの異なる色空間毎の(パレット状の)画像領域を画像データから認識して生成する。図23に示すフローチャートは、その境界パターンを生成する手順を含む処理である。
まずCPU201は、ホストI/F206がホスト装置90から受信した画像データの取り込みを行う(ステップS1、画像データ取り込み)。次にCPU201又はASIC205は、ステップS1で取得した画像データから、明度や彩度の差が、各色(黒、シアン、マゼンタ、イエロー)のグレースケールの階調が所定の閾値以上に異なる(パレット状)の色空間毎に分解された領域を生成するために、色空間の分割を行う(ステップS2、色空間の分割)。次いで、CPU201又はASIC205は、色空間毎に分解された
領域の境界から、境界線のみ抽出し、境界パターン生成を行う(ステップS3、境界パターン生成)。
次に、ステップS3で生成された境界パターンに基づいて、透明IJヘッド10により透明インクドットを打滴することで、境界インク領域を作像する(ステップS4、境界パターン印刷)。
次に、UVランプ8によるUV照射により、境界インク領域の硬化(定着)を行うために、UV照射による硬化処理を行う(ステップS5、境界インク領域定着)。次いで、所望の「境界パターン印刷」が完了したか否かを判断し(ステップS6)、未完であれば(ステップS6:No)、ステップS4に戻り、完了していれば(ステップS6:Yes)、ステップS7に進む。
ステップS7では、シアン、マゼンタ、イエロー等のドット組み合わせからなるカラーインクドットをカラーIJヘッドから吐出させるための画像領域パターンの生成を行う(画像領域パターン生成)。次に、画像領域パターンに基づいて、各色のIJヘッドを駆動し、各色のカラーインクドットを打滴して、各色のカラーインク領域を作像する(ステップS8、画像領域パターン印刷)。
次に、UVランプ8によるUV照射にて、各色のカラーインク領域の硬化(定着)を行うために、UV照射による硬化処理を行う(ステップS9、カラーインク領域定着)。
次いで、所望の「画像領域パターン印刷」が完了したか否かを判断し(ステップS10)、未完であれば(ステップS10:No)、ステップS8に戻り、完了していれば(ステップS10:Yes)、この図に示す処理を終了させる。
〈画像データから画像領域パターン及び境界領域パターンを生成する処理〉
図24は、画像データから画像領域パターン及び境界パターンを生成する処理を示すフローチャートである。
このフローは、画像領域パターンを構成するCMYK出力データを生成する処理であるステップS11と、境界パターンを生成する処理であるステップS12からなる。
ステップS11は、既知の処理であり、RGB形式の入力画像データをL*a*b形式の標準色信号に変換する処理(ステップS11−1)、標準色信号に対してガマット圧縮を行い、L*´a*´b*´形式の標準色信号に変換する処理(ステップS11−2)、L*´a*´b*´形式の標準色信号をCMY信号に変換する処理(ステップS11−3)、CMY信号に対して墨処理を行い、C´M´Y´K信号に変換する処理(ステップS11−4)、C´M´Y´K信号に対して総量規制を行い、cmyk信号に変換する処理(ステップS11−5)、cmyk信号に対してγ変換を行い、c´m´y´k信号に変換する処理(ステップS11−6)からなる。
ステップS12は、本実施形態に特有の処理であり、c´m´y´k信号の階調数を低減して近似階調パターンを生成する処理(ステップS12−1)と、近似階調パターンから境界パターンを生成する処理(ステップS12−2)からなる。
なお、図24では、画像データから通常の画像形成を行うためのCMYK出力データを生成するプロセス(ステップS11)に加え、本件で特徴とする境界パターンを生成し境界出力データを生成するプロセス(ステップS12)を示しているが、この例で示すCMYK出力データを生成するプロセスに限らず他の手法でもよい。
〈モノクロの多階調画像から境界パターンを生成する処理〉
図25は、モノクロの多階調画像の階調数を低減した近似階調パターンを示す図であり、図26は、図25に示す近似階調パターンから抽出した境界パターンを示す図である。
異なる色の境界のみならず、同一色相であっても、極端に異なる明度の領域間では境界で生じる滲みや混色による画像劣化が生じるため、多階調の画像データから階調数を低減し、その近似階調の画像パターンから更に境界パターンを抽出することも可能である。
そこで例として、モノクロ256階調のオリジナル画像データから8階調に階調数を低減し、それぞれの近似階調で区分した画像の例として、図25に示す近似階調パターンを生成した。そして、この近似階調パターンから境界を示す画像のみを抽出することで、図26に示す境界パターンを生成した。
まずこの境界パターンに基づいて被記録媒体に印刷を行ってから、しかるべき多階調の画像データに基づく画像形成を行うことにより、明度(画像濃度)の異なる境界部での滲みが低減出来る。
以上詳細に説明したように、本発明の第1の実施形態に係る記録装置及び第2の実施形態に係る記録装置は下記(1)〜(10)の特徴を備えている。
(1)記録用インクの混合比が異なる画像領域、即ち、色味や明度が異なる画像領域間に境界インク領域を予め形成することにより、記録用インク同士の色滲みが生じることなく明瞭に画像形成を行うことが出来る。
(2)従来方法のような3つの液打滴工程を必要とせずに、境界用インクと記録用インクの2種のインクの打滴工程で同様の作用が得られる。このため、工程数の低減によるインク種とヘッドの個数を少なくすることにより,装置コストの低減と、装置の簡素化が可能となる。
(3)境界用インクとして重合開始剤(UV硬化剤)を含有するインクを使用し、定着手段として活性光線照射手段(UVランプ8,8A,8B)を用いたことで、着弾直後の液状モノマーに含まれているUVに対して感応性のある光硬化剤がUV照射により硬化したポリマーに変わるため、被記録媒体50の表面に嵩のある境界を短時間で形成することが出来る。
(4)境界用インクとして重合開始剤を含有するインクを使用し、定着手段として活性光線照射手段を用いたことで、記録用インクの種類が例えば水系顔料インクや、有機溶剤などを含有するソルベントインク等の滲みを起こし易い種類のインクであっても滲みを防ぐ効果が得られる。
従って、記録用インクは、従来方法のような「少なくとも輻射線硬化型重合性化合物と、色材と、を含有する第2の液」、即ちUVインクでなくとも良いため、対応する記録用インクの汎用性を広げることが出来る。
(5)境界インク領域のインクドットのドット配列が連続した境界線による閉塞領域となるようにドットパターンを生成することにより、隣接する色味や明度が異なる画像領域間のインク同士が滲みだして混色することを確実に防ぐ作用が高まり、更なる色滲みの少ない高画質な画像が得られる。
(6)第2の実施形態に係る記録装置によれば、まず透明IJヘッド10を搭載する透明IJヘッドユニット6Aが十分先行して被記録媒体50上に境界インクドット100C1を打滴し、その直ぐ左側に配置した透明IJ用UVランプ8Aを点灯することで、速やかに硬化した境界インク領域を形成することが出来る。
そして、境界インク領域を形成しながら順次−Y方向へ副走査し、その後すぐ+Y方向に配置されたカラーIJヘッドユニット6Bが独立して追従するように、境界内領域50−c内にカラーインクドットを打滴し、その直ぐ左側に配置したカラーIJ用UVランプ8Bを点灯することで、速やかに硬化したカラーインク領域を形成していくことが出来る。
つまり、一枚の被記録媒体50上に境界インク領域を形成しつつも、追いかけて画像領域を形成することが出来るため、一旦「境界インク領域」形成のプロセスを完了させてからでないと次工程の画像領域の作像プロセスを行うことができないような時間的な無駄を省くことが出来る。
(7)第1の実施形態に係る記録装置では、一つのヘッドユニット6の上に透明IJヘッド10、各カラーIJヘッド11〜14が一体に配列され、更にUVランプ8が1灯しか無い。このため、場合によっては(1主走査毎に透明インク打滴直後にUV硬化させ、画像領域に記録用インクを打滴する時)嵩のある境界インク領域がまだ完全に閉塞されていない(一部が開放された)状態のまま境界内領域50−cにカラーインクドット101を打滴しなければならない。この場合、ここでインク滲みを起こす不具合を生じる。
これに対して、第2の実施形態に係る記録装置によれば、透明IJヘッドユニット6Aと、カラーIJヘッドユニット6Bが独立してY軸リニアモータ3上を駆動出来るので、互いのY軸方向の間隔を任意に設定することが出来る。従って、その間隔を十分に広げておくことによって、先行して形成される透明IJヘッド10による境界インク領域の境界内領域50−cの範囲を十分広く形成(確保)した後にカラーIJヘッドユニット6Bが走査するように動作させることが出来る。これにより、境界内領域50−cが確実に閉塞された状態になってから、カラーインクドットを打滴することが出来るため、滲みを防ぐ作用を高めることが出来る。
(8)境界用インクドットのドット径及び主走査方向又は副走査方向の少なくとも一方のドットピッチを、カラーインクドットのドット径及び主走査方向又は副走査方向の少なくとも一方のドットピッチよりも小さくした。これにより、境界領域(線)の幅を細くし、隣接する色味や明度が異なる画像領域間に、双方の記録用インクを目留めすることが可能となり、境界の直近までそれらのインクのドットを打滴することが可能となるため、「境界」がより一層目立ちにくくなり、更なる良好な画像が得られる。
即ち、境界インクドット100C1よりもドット径及びドットピッチを1/2に狭めた境界小径インクドット100C2を打滴するため、「境界インク領域」のドット配列が「連続した境界線」による「閉塞領域」となるようにパターンを生成することを1/2の面積で形成することが出来る。このため、より近くまで隣接する異なるカラーインク領域のインクドット同士が滲みを起こすのを防ぎ、カラーインクドット同士の境界を極力狭く目立たせなくさせることが出来るため、隙間の目立たない画像を得ることが出来る。
(9)境界インク領域のインク嵩Hcを隣接する画像領域のインク嵩H以下となるように境界インク領域及び画像領域を形成することにより、境界としての機能を満足しつつも、隣接する色味や明度が異なる画像領域間双方の記録用インク同士が滲み出すことを防ぐ効果が高まる。
(10)境界インク領域のドットパターンの第4の例及び第5の例では、境界インク領域が被記録媒体50上のカラーインク領域以外(カラーインク領域の外側全面)を網羅するように複数の境界インクドット100C1を打滴した。これにより、被記録媒体50の印刷面側の表面全体におけるインクドットの有無の違いがなくなるため、平滑性の高い画像を得ることが出来る。
〈第3の実施形態に係る記録装置により形成される三次元造形物〉
図27は、本発明の第3の実施形態に係る記録装置により形成される三次元造形物の断面の概略構成を示す図であり、図28は、本発明の第3の実施形態に係る記録装置により形成される三次元造形物の積層造形工程の概略を示す図である。
図27に示すように、三次元造形物は、土台301の上に積層されており、三次元造形物の形状を決定する造形層302と、造形層302の表面の着色を担う表層とに分けられる。表層は、下地層303、バリア層304、着色層305の順に配置されている。
そして、円311で囲まれた部分のような造形物において表面が垂直に切り立った部位では、各層が並んで垂直方向に積層されており、円312で囲まれた部分のような造形物の頭頂部(上端の平坦な部分)では、各層が水平方向に積層されている。
図28に示すように、各層は、ヘッドを移動(主走査)させながら、造形層用、下地層用、バリア層用、Y/M/C/Kの着色層用のインク滴を吐出することにより同時に形成される。この図は造形物において垂直に切り立った部位及びその内側の部位が形成された状態を示している。ここで、下地層用インクには白インクを使用し、バリア層用インクには透明インクを使用する。造形層用インクは、造形物の表面に露出させないため、どのようなインクを使用してもよい。
なお、図28では、造形層用、下地層用、バリア層用が1つずつ、着色層用が4つの計7つのインクジェットヘッドを図示したが、特色インク(R/G/B等)を使用する場合にはインク種が増えることになる。逆に、造形層用のインクを表層で使用されるインクのいずれかと共通化することで、インク種を減らすこともできる。また、図では着色層を最表面層として形成しているが、造形物表面に光沢性を付与するため、バリア層で使用した透明インク層を更に上から積層してもよい。
〈三次元構造物の着色面に生ずる問題点〉
図29は、三次元造形物の水平な着色面に生ずる問題点について説明するための図であり、図30は、三次元造形物の垂直な着色面に生ずる問題点について説明するための図である。これらの問題点は、図27においてバリア層304が存在しない公知の構成の三次元造形物において生ずる問題点であり、本発明の実施形態に係る記録装置により解決される問題点である。
水平な着色面の場合、図29に示すように、下地層の上面に高低差があると、着色層用インク滴が低い方へ流れていくため、下地層の露出や着色層用インクの混色による濁りが発生する。着色層用インク滴の吐出タイミングのずれや吐出方向の曲がりがあると、これらが強調される。
また、垂直な着色面の場合、図30に示すように、壁面表層に当たる部位に打ち込まれた着色層用インク滴が、壁面から下に流れて行き、その内側の壁面下地層が露出する、あるいは下地層用インクが一緒に流れ出る場合もある。
図29も図30も一例ではあるが、実際に吐出状態やメカ変動等により、最表層の着色層の隙間から下地層の白インクが露出することは多く、その結果として、2次元画像においてハーフトーン処理で空隙を作ったのと同じように画像濃度や彩度が低下することになる。
ただし、ハーフトーン処理と異なり、このような意図しない着弾滴の流れ出しによる白地の露出では、露出位置そのものが制御されていないため、均一に濃度が低下せずに、局部的な粗密が発生してしまう。意図しないが故に、予め着色データをカラーマッチング補正することも出来ず、不均一な粗密によって粒状感も悪くなってしまう。
そこで、本実施形態に係る記録装置は、下地層を形成する白インクの流出や露出を抑えるため、着色層と下地層との間に、透明インクによるバリア層を形成する。造形物を色鮮やかに着色するには下地の白インク層は必要であり、一方で、2次元印刷と異なり、下地層(白インク層)が必ずしも平滑面とは限らないことから、発色に影響を及ぼしにくい透明インクによるバリア層を設け、白インクの流れ出しを防止すると共に、着色層用インクが着弾する面を平滑にするものである。以下、水平な着色面に形成するバリア層、垂直な着色面に形成するバリア層の順に説明する。
〈三次元造形物の水平な着色面のバリア層〉
図31は、図27に示す三次元造形物の水平な着色面に形成されるバリア層の例を示す図である。
図示のように、水平な着色面にバリア層304を形成する場合、下地層303の形成に打ち込んだ白インク滴303aよりも大きい滴の透明インク滴304aを使用し、下地層303を被覆する。この時使用する透明インクの粘度が低いものであると、より速やかに広がるので、粘度は低い方が好ましい。粘度の調整は、インクを処方する際の溶剤の選択/分量で調整できる他、単純に加温によって粘度を下げることも可能である。
〈三次元造形物の垂直な着色面のバリア層〉
図32は、図27に示す三次元造形物の垂直な着色面に形成されるバリア層の例を示す図である。
図示のように、垂直な着色面においては、白インク滴303aにより形成される下地層303と、着色層用インク滴305aにより形成される着色層305とを隔てるように、透明インク滴304aによるバリア層304を形成する。この時、図示のように、透明インク滴304aを他のインク滴(造形層用インク滴302a、白インク滴303a、着色層用インク滴305a)より小さく、かつ高解像度に打滴することが好ましい。
図31のように、バリア層304を水平方向に形成する場合は、透明インク滴304aが重力に引かれて広がることにより、バリア層304の厚さは抑えられるが、垂直方向の場合、その広がった分がそのままバリア層304の厚さになってしまうため、着色層305と下地層303との間が広がり過ぎてしまう場合がある。
着色層305と下地層303との間隔が広くなると、バリア層304内での乱反射により、「着色部の濃度や彩度が低下する」、「下地が露出すべき場所での着色部位との凹凸段差が目立つ等」の恐れがあるため、出来るだけ透明インクによるバリア層304は薄く形成したい。
そのためには、より小さい滴で高解像度に打滴するのが適している。小さい滴を使用する場合、一回の記録動作では隙間が生じる危険性があるので、先にバリア部分のみを形成し、後から着色部位/下地部位を形成するように、記録動作を分けてもよい。
透明インクは透明故に、活性化エネルギー光線(UV光等)をインクの隅々にまで透過させるので、自身は着色層用インクよりも速やかに硬化し、硬化後も他のインクを硬化させる為の光線を通しやすいので、先に打滴してバリア層304を形成するのに向いている。
なお、角度を持つ斜面の場合は、その角度に応じてバリア層304の形成方法を切り替えればよい。例えば、45度以上の切り立った斜面では垂直方向向けのバリア層を形成し、45度以下の緩やかな斜面では水平方向向けのバリア層を形成すればよい。
〈記録装置の概略構成〉
本実施形態に係る記録装置の概略構成は、図16乃至図20を参照して説明した第1の実施形態に係る記録装置におけるインクジェットヘッド(透明/Y/M/C/K)を、図28を参照して説明したように、例えば造形層用/下地層用/透明/Y/M/C/Kに変更したものである。
〈記録装置の制御部の構成〉
本実施形態に係る制御部の構成は図22に示した第1の実施形態に係る記録装置の制御部200と同じである。本実施形態では、I/O213に後述する3D(3次元)スキャナなどからの立体情報、及びデジタルカメラなどからの色情報が入力される。
造形作業そのものは、一層(レイヤー)分の記録/硬化を行った後、層厚に相当する量の距離分、z軸ヘッドステージ5を上げて次の層の造形を行う。これを繰り返し、必要な高さ分の造形を行う。なお、z軸ヘッドステージ5の高さ調整は、造形物の品質に影響がなければ、一層毎でなくてもよい。
〈三次元造形物の積層造形工程の処理フロー〉
図33は、本発明の第3の実施形態に係る記録装置による三次元造形物の積層造形工程の処理フローを示す図であり、図34は、図33の処理フローで生成される三次元造形データ及び各層の記録情報について説明するための図である。
この図の処理フローでは、三次元造形データは、3Dスキャナで取り込んだ造形物(オリジナル)の複製データを用いているが、三次元CAD等で作成した人工データ、二次元画像に特定の法則で厚みを持たせた加工データ等を使用することもできる。
まず、3Dスキャナ60からのデータと、デジタルカメラ70からのデータに基づいて、三次元造形データを作成する(ステップS21)。三次元造形データは、立体情報(3D座標データ)と着色情報からなる。
3D座標データは、図34に示すように、造形物を上面から見た場合の縦横座標と高さ情報で構成され、(縦,横,高さ)=(x,y,z)の三次元座標値で各グリッド(分割単位)の座標が管理される。また、着色情報は、造形部を上面から見た場合の縦横座標と色情報で構成され、(縦,横,色)=(x,y,c)の三次元座標値で管理されている。
次に、(縦,横,高さ)=(x,y,z)の三次元座標値で管理されているモデルに対して、色情報が付加され、層(レイヤー)毎の記録情報を作成する(ステップS22)。
すなわち、図34に示すように、例えば、(x1,y1,z1)〜(x1,y1,z0)〜(xn,y1,z0)〜(xn,y1,z1)の4点で囲まれた範囲は「色A」というように、表面部分の色情報を付与していく。なお、三次元CADや、その他の三次元データ生成ツールによりでデータを作成している場合は、直接色を指定したり、テクスチャデータを貼り付けたりするといったことも可能である。
次に、ステップS22で作成された第1層の記録情報の各画素について、土台の外縁からの画素数(距離)に基づいて、当該画素が着色部位であるか、バリア部位であるか、下地部位であるか、造形部位であるかを判定し、判定結果に基づいて、作像に使用するインクを決定する。
すなわち、画素(x,y)が外縁からa画素以内であれば(ステップS23:Yes)、画素(x、y)は着色部位(最表層〜所定の範囲a)であると判定し、色インクで作像することを決定する(ステップS24)。
また、画素(x,y)が外縁からa画素以内ではなく、b(b>a)画素以内であれば(ステップS23:No→S25:Yes)、画素(x、y)はバリア部位(着色部位の内側〜所定の範囲b)であると判定し、透明インクで作像することを決定する(ステップS26)。
また、画素(x,y)が外縁からa画素以内でもb画素以内でもなく、c(c>b)画素以内であれば(ステップS23:No→S25:No→S27:Yes)、画素(x、y)は下地部位(バリア部位の内側〜所定の範囲c)であると判定し、白インクで作像することを決定する(ステップS28)。
また、画素(x,y)が外縁からa画素以内でもb画素以内でもなくc画素以内でもなければ(ステップS23:No→S25:No→S27:No)、画素(x、y)は造形部位(下地部位の内側)であると判定し、造形インクで作像することを決定する(ステップS29)。
ステップS24、S26、S28、S29のどれかを実行したら、作像に使用する打滴インク情報をセットする(ステップS30)。なお、各部位の幅(a,b−a,c−b)は同じ値になるとは限らない。各インクの発色特性に応じて、1以上の最適な値を設定することができる。
次いで、層内の全ての画素について、打滴インク情報のセットを行うまで、ステップS23〜S30を繰り返し(ステップS31:No→S23〜S30)、それが完了したら(ステップS31:Yes)、全ての記録層分の画素について打滴インク情報のセットが完了したか否かを判定する(ステップS32)。
判定の結果、完了していなかった場合は(ステップS32:No)、次の層の記録情報を作成し(ステップS22)、上述したステップS23以降の処理を繰り返す。一方、完了していた場合は(ステップS32:Yes)、三次元作像を行い(ステップS33)、この図に示す処理を終了する。
なお、この図では、ステップS22で一層分の記録情報を作成し、ステップS23〜S30で一層分の打滴インク情報をセットし、それらのステップを層の数分繰り返しているが、ステップS22で全層分の記録情報を作成することもできる。この場合、ステップS22とS23との間に層を選択するステップを設ければよい。
以上詳細に説明したように、本発明の第3の実施形態に係る記録装置は下記(1)〜(4)の特徴を備えている。
(1)三次元造形物の造形と着色を同時に行う場合、最表面の着色層とその下地層となる白インク層との間に、透明なバリア層を形成することで、白インクの滲み出しの無い鮮やかな着色が可能となる。
(2)水平な着色面に対してバリア層を形成するときは、下地層の形成に打ち込んだ白インク滴よりも大きい滴の透明インク滴を使用することで、バリア層を容易に平滑にすることができる。また、透明インクの粘度が低いものとすることにより、より速やかに下地層を被覆することができる。
(3)垂直な着色面に対してバリア層を形成するときは、透明インク滴を他のインク滴より小さく、かつ高解像度に打滴することにより、下地層と着色層との間の広がり過ぎに起因する着色層の濃度や彩度の低下を防止することができる。
(4)透明インクによるバリア層は下地層との境界だけでなく、着色層用インク同士の境界として使用することもできる。色境界部の混色が問題となる場合は、混色防止目的に透明インクによるバリア層を形成してもよい。
8,8A,8B…UVランプ、10…透明IJヘッド、11…黒IJヘッド、12…シアンIJヘッド、13…マゼンタIJヘッド、14…イエローIJヘッド、50…被記録媒体、50−c…境界内領域、100C1…境界インクドット、100C2…境界小径インクドット、101Bk…黒インクドット、101C,102C…シアンインクドット、101M,102M…マゼンタインクドット、101Y,102Y…イエローインクドット、301…土台、302…造形層、302a…造形層用インク滴、303…下地層、303a…白インク滴、304…バリア層、304a…透明インク滴、305…着色層、305a…着色層用インク滴。
特許第4827450号公報

Claims (11)

  1. 複数種類のインクを被記録媒体上又は被記録媒体上に着弾させたインク上に着弾させ記録インク領域を形成する第1の液滴吐出手段と、
    前記第1の液滴吐出手段が前記記録インク領域を形成する前に、前記複数種類のインクの混合比が異なる記録インク領域の間に、境界用インクを着弾させて境界インク領域を形成する第2の液滴吐出手段と、
    前記第1の液滴吐出手段が前記記録インク領域を形成する前に、前記境界インク領域を定着させる境界インク領域定着手段と、
    前記記録インク領域を定着させる記録インク領域定着手段と、
    を有する記録装置。
  2. 請求項1に記載された記録装置において、
    前記境界用インクは、重合開始剤を含有し、前記境界インク領域定着手段は、活性光線照射手段である、記録装置。
  3. 請求項1に記載された記録装置において、
    前記境界インク領域は、インクドットの配列が連続した境界線による閉塞領域を形成する、記録装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された記録装置において、
    前記境界インク領域のインクドットのピッチは、前記記録インク領域のインクドットのピッチよりも小さい、記録装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された記録装置において、
    前記境界インク領域の嵩は、前記記録インク領域の嵩以上である、記録装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された記録装置において、
    前記第2の液滴吐出手段は、前記記録インク領域以外の全面に境界用インクを着弾させる、記録装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載された記録装置において、
    前記第1の液滴吐出手段と、前記第2の液滴吐出手段とは、前記被記録媒体の表面に対向しつつ所定の方向へ独立して移動可能である、記録装置。
  8. 請求項7に記載された記録装置において、
    前記記録インク領域定着手段、前記境界インク領域定着手段は、それぞれ前記第1の液滴吐出手段、前記第2の液滴吐出手段に対応する別個の定着手段である、記録装置。
  9. 請求項1に記載された記録装置において、
    前記複数種類のインクは、白インクを含む、記録装置。
  10. 複数種類のインクを被記録媒体上又は被記録媒体上に着弾させたインク上に着弾させ記録インク領域を形成する第1の液滴吐出工程と、
    前記第1の液滴吐出工程を実行する前に、前記複数種類のインクの混合比が異なるインク領域の境界に、境界用インクを着弾させて境界インク領域を形成する第2の液滴吐出工程と、
    前記第2の液滴吐出工程を実行した後、前記第1の液滴吐出工程を実行する前に、前記境界インク領域を定着させる境界インク領域定着工程と、
    前記記録インク領域を定着させる記録インク領域定着工程と、
    を有する記録方法。
  11. コンピュータにより制御される記録装置に、請求項10に記載された記録方法の各工程を実行させるためのプログラム。
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