以下、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置(ゲーム制御装置の一例)、ゲームシステム(ゲーム制御装置の一例)及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。
〔ゲーム装置の構成〕
本発明の一実施の形態に係るゲーム制御装置としてのゲーム装置は、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機(据置型または携帯型)、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)等により構成することができる。本実施の形態では、ゲーム装置をスマートフォンとする例について以下に説明する。
スマートフォンは、携帯電話端末と携帯情報端末とを融合させた携帯端末であり、その記憶装置に、ゲームサーバからダウンロード等したゲームプログラムをインストールすれば、スマートフォンのCPU(Central Processing Unit)がゲームプログラムを実行することによって、ユーザが各種ゲームを遊戯することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るゲーム装置10の外観の一例を示す平面図である。また、図2は、ゲーム装置10のハード構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置10は、本体部12と、タッチパネル部13(表示部の一例)と、ボタン操作部14(ホームボタン14a、ボリュームボタン14b、スリープボタン14c)と、音声入力部15と、音声出力部16a・16bとを具備している。
タッチパネル部13は、本体部12の筐体の一面に設けられた接触入力式の画像表示部である。このタッチパネル部13は、液晶ディスプレイ等からなる表示部とタッチインターフェースを備えた位置入力部とを組み合せて構成され、操作者(ユーザ)の指やペンを指示体として画面に接触させることによって接触位置が検出されるので、直感的な入力操作が可能となっている。本実施の形態のタッチパネル部13は、投影型の静電容量方式のマルチタッチスクリーンとして構成されており、多点同時検出が可能となっている。なお、タッチパネル部13としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式または表面型の静電容量方式などのその他の方式を採用することもできる。
ボタン操作部14は、ホームボタン14a、ボリュームボタン14b及びスリープボタン14cなどからなり、タッチパネル部13での操作以外の基本操作をボタン操作により可能とする。ホームボタン14aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の下方に設けられ、当該ボタンが押されるとタッチパネル部13にホーム画面が表示されるようになっている。ボリュームボタン14bは、例えば本体部12の側面に設けられており、当該ボタンの上部が押されると音量が増加し、その下部が押されると音量が減少するようになっている。スリープボタン14cは、例えば本体部12の上部に設けられ、当該ボタンが押されるとゲーム装置10がスリープ状態に遷移する一方、スリープ状態のときに当該ボタンが押されるとスリープ状態から復帰させることができるようになっている。
音声入力部15は、本体部12に内蔵されたマイクロフォンからなり、例えば本体部12の下面に設けられたマイク用開口から集音できるようになっている。この音声入力部15は、電話通信する場合や録音を行う場合などに用いられる。
音声出力部16aは、例えば本体部12におけるタッチパネル部13の上方に設けられ、電話通信時の受話スピーカとなる。また、音声出力部16bは、本体部12に内蔵されており、例えば本体部12の下面に設けられた出力口からゲーム実行時の効果音などを出力するようになっている。
なお、ゲーム装置10の本体部12には、ヘッドセットジャック、給電用またはパーソナルコンピュータとの接続用のコネクタ、内臓カメラ用のレンズ等も設けられているが、これらについては説明を省略する。
また、図2に示すように、ゲーム装置10は、主に、制御部17と、補助記憶装置18と、通信制御部19とを備えている。
制御部17は、CPU21と、主記憶装置としてのROM(Read Only Memory)22及びRAM(Random Access Memory)23と、画像処理部24と、タッチ入力検出部25と、サウンド処理部26とを備えており、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスライン27を介して相互に接続されている。なお、バスライン27と各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
CPU21は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM22は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM23は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU21に対する作業領域を確保する。
画像処理部24は、CPU21からの画像表示命令に基づいてタッチパネル部13を駆動し、当該タッチパネル部13の画面に画像を表示させる。また、画像処理部24はタッチ入力検出部25を備えている。このタッチ入力検出部25は、指やペン等の指示体がタッチパネル部13の画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の接触位置がCPU21に認識されるようになっている。また、画像処理部24は、タッチパネル部13の画面に表示されている所定の検出対象領域に指等が接触したとき、当該検出対象領域が選択されたことを示す選択信号をCPU21へと供給する。これによって、タッチパネル部13の画面上の検出対象領域が選択されたことが、CPU21に認識されるようになっている。
サウンド処理部26は、音声入力部15から音声が入力されたときにアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換するとともに、CPU21からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部16a又は16bに出力する。
補助記憶装置18は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置18としては、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリドライブ等を用いることができる。
通信制御部19は、通信インタフェース19aを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能および携帯電話として音声データを送受信するための通信制御機能等を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、無線LAN(Local Area Network)接続機能、無線LANや携帯電話回線網を介したインターネット接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信制御部19は、CPU21からの命令に基づいてゲーム装置10を無線LANやインターネット等に接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU21へ供給する。
なお、ゲーム装置10には、その他にもCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像装置(カメラ)、GPS(Global Positioning System)信号受信回路、3軸加速度センサなどが備えられていてもよい。
上記構成のゲーム装置10において、補助記憶装置18に記憶されているゲームプログラムがRAM23へロードされ、ロードされたゲームプログラムがCPU21で実行されることにより、様々なゲームが実行可能である。また、ゲーム装置10を、無線LAN通信、インターネット通信、距離無線通信または有線通信などにより他のゲーム装置10と接続し、両者間で同期をとりながらデータのやり取りを行うことによって、対戦型のゲームを実行することも可能である。
〔ゲームの一例〕
本実施の形態のゲーム装置10が制御するゲームは、野球、サッカー、テニス、バレーボール等のスポーツシミュレーションゲーム、戦闘を題材とした戦闘ゲーム等、様々なゲームを挙げることができる。その一例として、ここでは、投手キャラクタが投球したボールを打者キャラクタが打撃する野球ゲームについて説明する。
図3は、ユーザが打撃に関する操作を行うためのゲーム画面G10の一例を示している。ゲーム画面G10には、ユーザの操作対象である打者キャラクタC10、対戦相手の投手キャラクタC20等が表示される。対戦相手の投手キャラクタC20は、コンピュータ対戦モードではCPU21が自動制御し、通信対戦モードでは相手ユーザによって操作される。
また、ゲーム画面G10には、ホームベースHB、ストライクゾーンSZ等が表示される。さらに、ゲーム画面G10には、ゲーム進行情報(現在のイニング、スコア、ボールカウント、ランナーの情報等)、現在打席に立っている打者キャラクタC10の情報(選手名、打順、能力パラメータ、打率、本塁打数等)、現在マウンドに上がっている投手キャラクタC20の情報(選手名、能力パラメータ、防御率、勝利数等)が表示されるようにしてもよい。
図4に例示するように、打撃操作を行うユーザは、投球コースの予想を行い、タッチパネル部13におけるストライクゾーンSZ内の任意の箇所に指F(またはペン等)をタッチすると、その箇所に基準点RPが設定される。この基準点RPは、画面上で視覚化される。
その後、図5に例示するように、前記の基準点RPを指Fでタッチしたまま、指Fを任意の方向に引いて(いわゆるドラッグ操作をして)、指Fの指示位置CP(接触位置)を基準点RPから移動させると、基準点RPと移動後の指示位置CPとを通る直線の方向に延びる細長い作用付与部G11が生成される。この作用付与部G11は、ミートカーソル、バットカーソル等と呼称してもよい。この作用付与部G11を投球されたボールに重ねて打撃操作(後述する指Fを画面から離す操作)をすれば、ボールを打撃できる。
作用付与部G11は、生成された時点で、画面上で視覚化されることが好ましいが、可視化されるタイミングは、後述する指Fを画面から離したときでもよい。画面上で可視化される作用付与部G11は、投球されたボールが見えるように、半透明で表示される。
図5の例では、作用付与部G11は、基準点RPを中心として、指Fを引いた方向およびその反対方向の両方向に延びており、当該両方向の端部(長さ方向の両端)はストライクゾーンSZの外部にまで延びている。作用付与部G11の長さ方向の両端は、画面の端まで延びていてもよい(ゲーム空間内では無限に延びていてもよい)。但し、バットの届く範囲には限界があることから、打撃可能な範囲は、ストライクゾーンSZ内だけ(またはストライクゾーンSZおよびその周辺のボールゾーンの一部)に限定することができる。例えば、ストライクゾーンSZ内にきたボールであれば打撃可能(バットにボールを当てることが可能)であるが、ストライクゾーンSZの外側のボールゾーンでは打撃不可能(バットを振っても空振り)とする。
あるいは、後述するように、作用付与部G11は、所定の長さに固定されていてもよいし、指Fを引いた距離(指示位置CPの基準点RPからの移動距離)によってその長さが変動するようにしてもよい。
また、作用付与部G11の幅(延設方向と直交する方向の長さ)は、指Fを引いた距離(指示位置CPの基準点RPからの移動距離)によって変動する。具体的には、指Fを引いた距離が大きいほど、作用付与部G11の幅が狭く設定される。例えば、図6の例では、図5の場合よりも指Fを長く引いているので、作用付与部G11の幅は、図5の場合よりも図6の場合の方が狭く設定される。そして、作用付与部G11の幅が狭いほど、作用付与部G11に重なったボールに対する打撃力が大きくなる。すなわち、指Fを引く距離(指示位置CPの移動距離)が大きいほど、作用付与部G11の幅が狭く設定されるので、ボールを作用付与部G11で捉え難くなるデメリットが生じる一方、作用付与部G11の幅が狭いほど、打撃力が大きくなるというメリットが生じるようにしている。ユーザは、前記のメリットおよびデメリットを比較考量して、指Fを引く距離を調整し、作用付与部G11の幅を設定することが要求される。
投手キャラクタC20は自動で投球を開始する。すなわち、ゲーム装置10のCPU21が、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づく自動制御で、投手キャラクタC20の投球動作を制御する。なお、ユーザ同士の対戦の場合は、相手ユーザの投球に関する操作に基づいて、投手キャラクタC20が投球を開始する。
図7は、投手キャラクタC20がボールオブジェクトBL(以下、単にボールBLと称する)を投球した直後のゲーム画面G10の一例を示す。投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間(例えば0.1秒)が経過した後から、図7に例示するように、ホームベースHBの上方領域(ストライクゾーンSZが存在する平面上)に、ボールBLが到達する予定位置を示す到達点領域G13が表示される。例えば、到達点領域G13の外周の大きさは、ボールBLの外周の大きさと同じであり、ボールBLがストライクゾーンSZに到達したタイミングにおいて、ボールBLが到達点領域G13と重なる。なお、ボールBLと到達点領域G13との大きさを異ならせてもよい。到達点領域G13は、着弾点等とも称される。到達点領域G13は、移動するボールBLの表示を遮ることがないように、半透明表示となっている。
上述のように、投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間が経過した後から、到達点領域G13が表示されるが、このタイミングでは、到達点領域G13は、必ずしもホームベースHB上方における最終的なボールBLの到達位置を示すものではない。すなわち、変化球が投球された場合、到達点領域G13は、ボールBLの軌道変化に伴って徐々に移動し、ボールBLがホームベースHB上方を通過するタイミングで、最終的な到達位置に達する。このとき、ボールBLと到達点領域G13とが重なる。なお、前述のように、到達点領域G13は半透明であるため、投球されたボールBLが到達点領域G13に重なったときに、ボールBL自体が見えなくなるということはない。
図8には、一例として、右投げの投手キャラクタC20がカーブ(または、左投げの投手キャラクタC20がシンカー)を投球した場合のボールBLの移動に伴って、到達点領域G13が移動する状態を示している。なお、図8では、ボールBLおよび到達点領域G13の表示及び挙動を説明するため、ボールBL、到達点領域G13、ストライクゾーンSZおよび作用付与部G11以外の画像は省略している。
ゲーム空間を移動する例えば3次元オブジェクトであるボールBLの位置は、ホームベースHB上方のストライクゾーンSZが存在する平面上に投影され、到達点領域G13として表示される。特に、変化球の場合、ボールBLの進行方向(z軸方向)に対して垂直な平面(xy平面)上において、水平方向(x軸方向)および/または垂直方向(y軸方向)にボールBLの座標位置が変化するので、このボールBLの位置変化が、到達点領域G13の位置変化として反映(投影)される。なお、直球の場合、ボールBLの移動に伴う到達点領域G13の位置変化はない、または重力により垂直方向に若干落ちる分の位置変化にとどまる。
従って、投手キャラクタC20からボールBLがリリースされた後において、ユーザは、ゲーム画面G10に表示される到達点領域G13の移動方向や移動速度に注意することで、ストライクゾーンSZにボールBLが到達(通過)する位置を予測することができる。
なお、到達点領域G13を画面に表示する構成は必須ではなく、到達点領域G13を画面に表示しない構成も可能である。到達点領域G13を画面に表示しない場合、表示するよりも打撃操作の難易度が高くなる。
図8の例では、ボールBLの軌道が変化する方向に、作用付与部G11が延びており、作用付与部G11の位置を変更することなく、ボールBLを捉えることができる。前述のように、作用付与部G11は、基準点RPから指Fを移動させ後の指示位置CPと、基準点RPとを通る方向に延設される。従って、ユーザは、球種(ボールBLの軌道変化)を予想して、予想したボールBLの軌道の変化に合わせるように、基準点RPから所定方向に指Fを引く(指示位置CPを移動させる)ドラッグ操作を行えばよい。
ユーザは、投球コースを予想してストライクゾーンSZ内の任意の位置を指Fでタッチし(これにより基準点RPが設けられ)、球種(ボールBLの軌道変化)を予想して、基準点RPから所定方向に指Fを引く。この投球コースおよび球種の予想が的中すれば、ボールBLの軌道が変化しても、作用付与部G11でボールBLを捉えることができる。すなわち、本実施の形態の打撃の操作方法は、投球コースおよび球種の予想機能を具備している。従来のミートカーソルを利用したゲームの場合は、例えば円形等、形状が一定であるミートカーソルを到達点領域G13に合わせる必要があり、特にゲームの初心者にとっては、この操作自体の難易度が高かった。これに対して、図8の場合であれば、ボールBLの軌道の変化方向(xy平面上の変化方向)と重なるように作用付与部G11が位置しているので、従来よりもボールBLを捉える難易度が低くなる。しかし、仮に、作用付与部G11の形状が、画面上で約90度ずれた方向に延びる、右上がりの帯状になっている場合には、ボールBLの軌道の変化方向と作用付与部G11の延設方向とは略直交することとなるので、この場合のボールBLを捉える難易度は従来のゲームとあまり変わらないことになる。従って、上記構成の場合、特に、ボールBLの軌道変化の方向に対するユーザの予想が当たっていた場合にボールBLを捉える難易度が低くなると言えるので、ボールBLの軌道変化の予想(すなわち、球種の予想)に対する面白さも実現できる。本構成では、ボールBLがストライクゾーンSZのどの位置に到達するのかを予想するコース予想にとどまらず、作用付与部G11により、帯状に延びる領域としてボールBLの軌道が変化するコースを予想するものとも言える。このように、本実施の形態のゲームは、ボールBLの軌道の変化方向をも考慮したコース予想に対する面白さも実現できることから、ゲームの初心者だけでなく、熟練者にとっても趣興性の高いものとなる。なお、この構成は、ユーザが予想したコースを変更できない(生成された作用付与部G11を移動できない)例を示しているが、以下、図9等で説明するように、作用付与部G11の移動によりコース変更できる構成をとることができ、その場合はさらに遊戯性の幅が広がる。
図9に例示するように、作用付与部G11は、基準点RPを中心として、コンパスのように回転させることができる。具体的には、作用付与部G11の生成後において、ユーザが、作用付与部G11の延設方向以外の方向に、指Fの指示位置CPを移動させれば(すなわちドラッグすれば)、基準点RPを中心として作用付与部G11が回転する。そして、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線の方向に、作用付与部G11が延設される。
これにより、ユーザによる投球コースまたは球種予想の予想が外れた場合でも、ユーザが作用付与部G11を回転させる操作を行うことにより、作用付与部G11にボールBLあるいは、ボールBLが飛んでくるであろうと予想される軌道を重ねることができるようになる。作用付与部G11を回転させれば、ストライクゾーンSZのほぼ全域をカバーできる。
本実施の形態のゲームの場合、投球されたボールBLが変化球であっても、その変化の軌道に合わせるように細長い作用付与部G11を向けることで、従来のミートカーソルのようにボールとの重なりがピンポイントではないことから、比較的、打撃がし易くなる。すなわち、本実施の形態の打撃操作は、ボールBLの軌道が変化する変化球であっても、ボールBLを打撃し易い新規な打撃操作方法を実現する。例えば、ユーザが次の投球をカーブ(右投手の場合)と予想していた場合、当初は、図9の一点鎖線で示す作用付与部G11で投球を待っていることになるが、投手キャラクタC20がボールBLを投球した後、そのボールBLの軌道から、シュートであると判断すれば、急遽、作用付与部G11を回転させ(図9のように、画面に接触させた指Fを左に移動させることで)、シュートのボールBLの軌道に、作用付与部G11を合わせることができる。
上記のように作用付与部G11は回転可能であるものの、その回転は基準点RPを中心としたものであるので、基準点RPを設定する位置が重要となる。前述のように、ユーザは、投球コースを予想して、投球されたボールBLがストライクゾーンに到達すると予想した位置付近に指Fを接触させて基準点RPを設定する。投球コースの予想が的中すれば、作用付与部G11の回転操作等は不要になるので、より打撃が容易になる。
ユーザは、投球されたボールBLと作用付与部G11とが重なるタイミングを見計らって、指Fをタッチパネル部13から離す(タッチオフする)ことにより、打撃が可能である。図10に例示するように、指Fをタッチパネル部13から離せば、打者キャラクタC10がバットオブジェクトBT(以下、単にバットBTと称する)を振る。
作用付与部G11はストライクゾーンSZが存在する平面(xy平面)と同一平面に存在し、ボールBLの中心部(重心部)がストライクゾーンSZに到達するタイミングを含む所定期間が、打撃可能期間(作用可能期間の一例)である。この打撃可能期間において、指Fをタッチパネル部13から離せば、ボールBLと作用付与部G11とが、ボールBLの進行方向(z軸方向)において重なり得る。ここで、打撃可能期間の一例としては、ボールBLの中心部がストライクゾーンSZに到達する(すなわち、ボールBLと到達点領域G13とが重なる)フレームおよびそれよりも前3フレームおよび後ろ3フレームの合計7フレームの期間を、打撃可能期間とすることができる。ここで、1フレームの期間は、例えば1/60秒である。よって、打撃可能期間は、ボールBLと到達点領域G13とがちょうど重なるタイミング(ボールBLの中心部がストライクゾーンSZに到達するタイミング)を期間の中間とする、7/60秒の期間とすることができる。これは一例であり、打撃可能期間を、例えば、ボールBLと到達点領域G13とが重なるフレームおよびその前後1フレームの合計3フレームの期間(3/60秒)としたり、その前後2フレームの合計5フレームの期間(5/60秒)としたりしてもよい。あるいは、ボールBLと到達点領域G13とが重なるフレームのみ(1/60秒)を、打撃可能期間としてもよい。
指Fがタッチパネル部13から離れたタイミングにおいて、ボールBLと作用付与部G11との重なりの状態が判断され、当該判断結果に基づいて、ボールBLの打撃の内容が決定される。例えば、ボールBLと作用付与部G11との少なくとも一部が重なっている場合、ボールBLの中心部と作用付与部G11の中心部との間の距離が小さいほど、打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃結果を決定する。
上記の打撃結果の決定に代えて、または上記に加えて、ボールBLと作用付与部G11との少なくとも一部が重なっている場合、ボールBLの中心と基準点RPとの間の距離が小さいほど、打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃結果を決定してもよい。ユーザは投球コースを予想して、ストライクゾーンSZ内に基準点RPを指定するので、ストライクゾーンSZに到達したボールBLが基準点RPに近いほど、ユーザの予想の的中度が高いと言える。このユーザの予想の的中度を打撃結果に反映すべく、前記のとおりボールBLの中心と基準点RPとの間の距離が小さいほど、打撃力がより大きくなり、強い打球が打てるようにするのである。
また、前述のように、作用付与部G11の幅が小さいほど打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃結果を決定する。
一方、ボールBLと作用付与部G11とが重なっていない場合、空振りとなる。
このように、本実施の形態のゲームでは、ユーザが指一本で、簡単に打撃に関する操作を行うことができるので、特に、簡易な操作性が要求されるスマートフォン等の携帯型のゲーム装置に最適である。
なお、上記のゲーム例では、打撃までの一連の操作で、ユーザは指Fを画面に接触したままであるが、必ずしも最後まで指Fを画面に接触させておく必要はなく、下記のように2ステップ(基準点RPを設定するステップおよび作用付与部G11を生成するステップ)に分けて操作するバリエーションも可能である。
すなわち、図3に例示するように画面に基準点が設定されていない状態で、ユーザがストライクゾーンSZの任意の箇所へ指Fを接触させる。指Fを接触させてから所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、接触位置に基準点RPが設定される(または、指Fを接触させたときに設けられた基準点RPの設定が確定する)。このようにして基準点RPが設定された後に、画面から指Fを離しても、画面上の基準点RPはそのまま維持される。一方、所定時間が経過する前に指Fを画面から離した場合には、基準点RPが設定されない(または、指Fを接触させたときに設けられた基準点RPの設定が解除される)。
その後、ユーザが、画面の任意の箇所に、再度、指Fでタッチし、その指Fを任意の方向に引く(指示位置CPを移動させる)と、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る方向に作用付与部G11が生成される。その他は上述のゲーム例と同様である。
また、上記のゲーム例では、ユーザがストライクゾーンSZの任意の箇所に基準点RPを設定できるようにしているが、表示部の所定の位置に基準点を固定してもよい。例えば、基準点RPは、予めストライクゾーンSZの中心部に設定されているものとすることができる(図21参照)。その詳細は後述する。
また、上記のゲーム例では、図3等に示すようにゲーム画面G10は1画面構成であるが、図11に例示するように、ゲーム画面G10を、主ゲーム画面領域G10a(第1画面領域)と、操作画面領域G10b(第2画面領域)と、を含む複数画面構成としてもよい。ゲームの実行画面が表示される主ゲーム画面領域G10aの表示内容は、図3に示す画面と同様である。操作画面領域G10bは、打撃に関する操作を行うための領域であって、操作画面領域G10bでの操作状態が、主ゲーム画面領域G10aに連動するかたちで反映される。
操作画面領域G10bには、主ゲーム画面領域G10aのストライクゾーンSZと対応するストライクゾーンSZ´が表示されている。ストライクゾーンSZとストライクゾーンSZ´とは同じ大きさとしてもよいし、両者の大きさを異ならせてもよい。例えば、操作画面領域G10bでのタッチ操作等をし易くするために、ストライクゾーンSZよりもストライクゾーンSZ´を大きくしてもよい。逆に、主ゲーム画面領域G10aの表示領域を確保するために、ストライクゾーンSZよりもストライクゾーンSZ´を小さくしてもよい。
複数画面構成においては、操作画面領域G10bでの操作に連動して、主ゲーム画面領域G10aに、前記操作の結果が反映されることを除いては、上述したゲーム例と同様である。複数画面構成のゲーム画面における操作の一例を、図12に示す。図12は、図5に示した操作と同様の操作を、複数画面構成において行っている画面例である。図12に示すように、操作画面領域G10bのストライクゾーンSZ´内の任意の箇所に指Fをタッチして任意の方向にドラッグする。これにより、操作画面領域G10bにおける最初にタッチした位置に対応する主ゲーム画面領域G10aの位置に基準点RPが設定される。また、操作画面領域G10bにおける移動後の指示位置CPに対応する主ゲーム画面領域G10aの位置と基準点RPとを通る方向に、作用付与部G11が生成される。
なお、主ゲーム画面領域G10aのストライクゾーンSZと操作画面領域G10bのストライクゾーンSZ´の大きさを異ならせている場合、両者の大きさの比率に基づいて、操作画面領域G10bにおける操作が主ゲーム画面領域G10aに反映される。例えば、操作画面領域G10bのストライクゾーンSZ´を、主ゲーム画面領域G10aのストライクゾーンSZの水平(x軸)方向および垂直(y軸)方向のそれぞれの長さを2倍にした大きさとした場合、操作画面領域G10bでの指Fの移動距離(ドラッグした距離)は、主ゲーム画面領域G10aにおいてはx軸方向およびy軸方向とも1/2倍になる。
その他、作用付与部G11を回転させる操作、指Fをタッチパネル部13から離して打撃する操作等も、操作画面領域G10bにおける操作が主ゲーム画面領域G10aに反映される。
なお、図12では、主ゲーム画面領域G10aに表示される基準点RPおよび作用付与部G11とそれぞれ対応する基準点RP´および作用付与部G11´を、操作画面領域G10bにも表示させている。これは、ボールBLが投球される前の段階では、ユーザが操作画面領域G10bを見ながら作用付与部G11を設定する操作を行うので、操作画面領域G10bに、基準点RP´および作用付与部G11´を表示することにより、ユーザが操作し易すくなるためである。但し、操作画面領域G10bにおける基準点RP´および作用付与部G11´の表示を、省略してもよい。
この複数画面構成では、主ゲーム画面領域G10aとは別に設けられた操作画面領域G10bで、指Fをタッチする操作等が行われるので、ゲームの実行画面が表示される主ゲーム画面領域G10aを見るユーザの視線が指Fで遮られることがない。従って、投球されたボールBLが指Fで隠れて見づらくなることはなく、視認性および操作性に優れたゲームを実現できる。
ところで、上記では、接触操作可能な表示部の一例であるタッチパネル部13を具備するゲーム装置10におけるゲーム例を示したが、接触操作式ではない表示部にゲーム画面を表示するゲーム装置(据置型のゲーム専用機、パーソナルコンピュータ等)では、次のようなゲーム仕様とすればよい。すなわち、表示部の画面に、指示体の一例としてのカーソル等(ユーザがコントローラやマウス等で操作できる画面上の位置を示す指標)を表示する。そして、ユーザが画面に指を直接接触させて位置を指示する代わりに、ユーザがコントローラやマウス等の操作部(ポインティングデバイス)を操作してカーソルを任意の位置に配した状態で、クリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)を行うことにより、位置を指示する。また、前述の画面をドラッグして指示位置CPを移動させる操作は、マウス等によるドラッグ操作とする。このように、接触操作ではなくコントローラ、マウス、ボタン等を用いた操作であっても、上記と同様のゲームを実現できる。
〔ゲーム装置の基本的な機能的構成〕
図13は、ゲーム装置10の基本的な構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施の形態に係るゲーム装置10は、入力管理手段110、実行手段120、出力管理手段130、キャラクタ管理手段140、ユーザ情報管理手段150、通信管理手段160等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。
入力管理手段110は、タッチ入力検出部25等を介した操作に関する情報を、実行手段120に出力する。実行手段120は、操作に関する情報等に基づいて、各種演算やデータ処理を実行する。本野球ゲームでは、例えば、ユーザによる画面への接触操作に基づいて、実行手段120が、作用付与部G11の生成処理等を実行する。実行手段120によって実行された処理結果の情報は、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)の所定の領域に記憶される。出力管理手段130は、画像処理部24およびサウンド処理部26を介した各種出力を制御する。例えば、出力管理手段130は、画像処理部24を制御して、図3ないし図12等に示すゲーム画面G10を表示部に表示させる。
キャラクタ管理手段140は、キャラクタデータベース(以下、キャラクタDBと称する)に基づいて、ゲーム内の全ての選手キャラクタを管理する機能を有する。キャラクタDBは、RAM23または補助記憶装置18に記憶されている。あるいは、キャラクタDBは、ゲームサーバに存在し、ゲーム装置10がゲームサーバにアクセスして必要な選手キャラクタの情報を、ゲームサーバを介してダウンロードするようにしてもよい。
野球ゲームおけるキャラクタDBには、各選手キャラクタを一意に識別する識別情報(選手ID)と対応付けて、選手名、ポジション(守備位置)、能力に関するパラメータ、キャラクタの画像等の情報が記憶される。野手キャラクタの能力に関するパラメータとしては、例えば、巧打力、長打力、走力、守備力等がある。投手キャラクタの能力に関するパラメータとしては、例えば、球速、球威、制球力、投球可能な球種等がある。球速は、投手キャラクタがストレートを投げた場合の最高球速である。球威は、投球されたボールの威力を示すパラメータである。制球力は、投手キャラクタのコントロールの良さの指標となるパラメータである。投球可能な球種は、いわゆる投手キャラクタの持ち球(「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」等)である。能力に関するパラメータは、各選手キャラクタに応じて異なった値が設定されている。
巧打力、長打力、走力、守備力、球威、制球力等の能力には、能力値(パラメータ値)または能力レベルが設定されている。例えば、選手キャラクタの能力値として、0〜100の何れかの値が設定されており、値が大きいほど能力が高い。
ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームに関する情報を記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶して管理する。ユーザ情報管理手段150が管理する項目は、ゲームの種類や内容によって異なる。例えば、ゲームサーバにアクセスしてオンラインモードで遊戯できるゲームの場合、ユーザ情報管理手段150は、各ユーザを一意に識別するユーザIDと対応付けて、ログインID、パスワード、ユーザ名等の情報を、記憶装置に記憶する。また、ユーザ情報管理手段150は、ユーザのゲームレベル、獲得したポイント、ユーザの仲間(フレンド)に関する情報、ゲーム中の情報、ゲーム後のセーブデータ等の各種情報も、記憶装置に記憶して管理する。
通信管理手段160は、通信制御部19を介して、ゲームサーバ、他のユーザのゲーム装置10等との間の情報通信を管理する機能を有する。
〔ゲーム装置の主要な機能的構成(第1の実施の形態)〕
本実施の形態のゲーム制御装置は、表示部内を移動する移動体に作用を与えるゲームを制御する。
ここで、前記「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。「移動体」の一例としては、スポーツシミュレーションゲームにおけるボールが挙げられる。移動体の他の例としては、アクションゲームにおける戦闘機やミサイル等のキャラクタまたはアイテムが挙げられる。その他にも、昆虫等を捕獲するゲームにおける移動する昆虫、鳥、魚、動物等のキャラクタ(モンスター等の架空のキャラクタであってもよい)を移動体として挙げることができる。
また、前記「作用」とは、例えば、移動体に力を及ぼす、または移動体との関係をもつことにより当該移動体に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、移動体を打撃する(打ち返す)、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。あるいは、移動体のパラメータや属性を変えるものであってもよい。例えば、移動体の色や大きさ、能力を変えることも作用の一例に相当する。
本実施の形態のゲーム制御装置が制御するゲームは、野球、サッカー、テニス、バレーボール等のスポーツシミュレーションゲーム、戦闘を題材とした戦闘ゲーム等、様々なゲームを挙げることができるが、以下、主に、野球ゲームを例に挙げて説明し、必要に応じて野球ゲーム以外への適用例についても補足する。
本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10の主要な機能的構成を、図14の機能ブロック図等を参照して以下に説明する。
ゲーム装置10は、主に、基準点設定手段121、作用付与部生成手段122、作用付与手段123等を備えている。これらの各手段は、ゲーム装置10のCPU21が本実施の形態に係るプログラムを実行することにより実現されるものである。なお、基準点設定手段121、作用付与部生成手段122および作用付与手段123は、図13に示した実行手段120の有する機能の一部である。
図14に示す基準点設定手段121は、表示部に基準点RPを設定する機能を有する。ユーザにとって、画面上のどの部分が基準点RPであるのかを明確化するために、基準点RPは可視化される。ここで、「ユーザ」とは、例えば、ゲーム制御装置(例えば、ゲーム装置、端末装置)を操作する人であり、ゲームの遊戯者ともいえる。
この基準点RPは、表示部内の任意の箇所に設定することができる。例えば、図4に例示するように、ユーザによって指示された表示部内の位置を基準点RPとしてもよい。基準点RPが設定されていない状態で、ユーザによって表示部内の位置が最初に指示された場合、基準点設定手段121は、その指示位置を基準点RPとして設定する。そして、基準点設定手段121は、ゲーム空間内における基準点RPの位置情報(グローバル座標の情報)を、記憶装置(RAM23、補助記憶装置18等)に記憶する。
なお、基準点RPを設定可能な領域を、表示部内の所定領域に限定してもよい。例えば、野球ゲームでは、基準点RPを設定可能な領域を、ストライクゾーンSZ内に限定する。これは、野球ゲームでは、ストライクゾーンSZに向かって投球されたボールBLをストライクゾーンSZまたはその付近において打撃することになるので、ストライクゾーンSZ内に作用付与部G11が生成されるようにすべく、基準点RPの設定可能な領域をストライクゾーンSZ内に限定するのである。
あるいは、後述するように、表示部の所定の位置に基準点を固定的に設定してもよい。
図14に示す作用付与部生成手段122は、指示体によって指示された前記表示部内の指示位置CPが移動した後、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて作用付与部G11を生成する機能を有する。
ここで、前記「指示体」とは、例えば、表示部の画面内の位置を指示する操作に用いられるものである。表示部をタッチパネル部13等の接触操作可能な構成とした場合、ユーザの指やペン等の物理的な物体が指示体の一例に相当する。また、接触操作式ではない表示部の場合には、画面に表示されるカーソル等であって、ユーザがコントローラやマウス等の操作部で操作できる、画面上の位置を示す指標が指示体の一例に相当する。この場合、表示部における任意の位置を、指示体が指示する一例としては、カーソルを表示部内の任意の位置に配した状態でクリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)が該当する。
また、前記「作用付与部」とは、例えば、移動体と重なった場合に当該移動体に作用を与えることができるゲーム画面内またはゲーム空間内に設けられる領域である。例えば野球ゲームにおいて、移動体の一例としての投球されたボールに重ねて当該ボールを打撃するためのミートカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えばサッカーゲームのPK戦において、移動体の一例としてのキックされたボールに重ねて当該ボールをキャッチするためのゴールキーパーカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えばテニスゲームにおいて、移動体の一例としてのサーブされたボールに重ねて当該ボールを打ち返すためのラケットカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えば、虫や仮想のキャラクタを捕獲するゲームを想定した場合には、虫やキャラクタを捕獲するための網、袋、箱、棒等を模したカーソルが、作用付与部の一例に相当する。これらはあくまで一例であり、ゲームの種類・内容に応じて様々な作用付与部を適用できる。
ユーザが、指示体により表示部内の位置を指示した後、その指示位置CPを移動させると、作用付与部生成手段122は、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部G11を生成する。ここで、「移動後の指示位置に関する情報」および「基準点に関する情報」には、図5に例示するように、1つのゲーム画面G10の中に存在する移動後の指示位置CPおよび基準点RPの情報(座標情報)は勿論のこと、図12に例示するように、複数画面構成の操作画面領域G10bにおける情報(操作画面領域G10bにおける座標情報)も含む。前述のように、複数画面構成の場合、実際に作用付与部G11が生成されるのは主ゲーム画面領域G10aであるが、操作画面領域G10bでの操作に連動して、主ゲーム画面領域G10aに、前記操作の結果が反映されるので、操作画面領域G10bにおける位置情報に基づいて、主ゲーム画面領域G10aに作用付与部G11を生成できる。
例えば、図5に例示するように、ユーザが指FでストライクゾーンSZ内を指示し、指Fを引いて指示位置CPを移動させれば、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る方向に延びる、細長い作用付与部を生成する。ここで、図5の例では、作用付与部G11は、基準点RPを中心として、指Fを引いた方向およびその反対方向の両方向に延びている。そして、作用付与部G11の両端(長さ方向の両端)は画面の端まで延びていてもよいし、所定の長さに固定されていてもよい(図22参照)。
また、作用付与部G11は、指Fを引いた距離(指示位置CPの移動距離)によってその長さが変動するようにしてもよい。例えば、ユーザが指Fで指示した最初の指示位置CPに基準点RPが設定され、指示位置CPを移動させることにより作用付与部G11が生成される場合、指示位置CPの基準点RPからの移動距離に応じて、作用付与部G11の長さが変化する。図15および図16にその一例を示す。
図15および図16に例示するように、基準点RPにある指Fを引いて、基準点RPから指示位置CPを移動させた場合、作用付与部G11は、基準点RPを中心として、指Fを引いた方向およびその反対方向の両方向に設定される。作用付与部G11の一方の端部は移動後の指示位置CPと一致するので、作用付与部G11の延設方向の長さLは、指示位置CPの基準点RPからの移動距離の2倍となる。図16の場合、図15の場合よりも指示位置CPの基準点RPからの移動距離が長いので、作用付与部G11の長さLは、図16の場合の方が図15の場合よりも長く設定される。
前述のように、作用付与部G11の幅W(延設方向と直交する方向の長さ)は、指Fを引いた距離(指示位置CPの基準点RPからの移動距離)によって変動させてもよい。図16の場合、図15の場合よりも指示位置CPの移動距離が長いので、作用付与部G11の幅Wは、図16の場合の方が図15の場合よりも狭く設定される。その一方、作用付与部G11の幅Wが狭いほど、作用付与部G11おける作用力(野球の場合打撃力)が大きくなるようにし、前述のようにメリットとデメリットを設けておくことが好ましい。
また、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部G11を生成するバリエーションとしては、次のようなものがある。作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとを含む作用付与部G11を生成してもよい。例えば、図17に示すように、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとを両方とも含む楕円形の作用付与部G11を生成する。
なお、作用付与部の形状は、長方形や楕円形に限らず、例えば、三角形、菱形等、任意の形状とすることができる。
あるいは、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとの間に作用付与部G11を生成してもよい。例えば、図18に示すように、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとの何れにも接触しない作用付与部G11を、両者間に生成する。あるいは、図17および図18に示す作用付与部G11のバリエーションとして、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPと基準点RPとの何れか一方を含む(他方には接触しない)作用付与部G11を生成してもよい。
図14に示す作用付与手段123は、前記作用付与部G11の生成後に、前記指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体と前記作用付与部G11との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記移動体に与える作用の内容を決定する機能を有する。
ここで、前記「指示の解除」とは、例えば、接触操作可能なタッチパネル部13等の表示部に対する操作の場合、指等の指示体が表示部から離接(タッチオフ)することである。また、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、コントローラやマウスのクリックやドラッグ等の操作状態を解除することが、指示の解除の一例に相当する。
前記「作用の内容」とは、例えば、作用の種類(打撃、回転、捕捉、破壊、変形、パラメータや属性の変更等)、その大きさや方向である。また、移動体に対して作用を与えない(移動体に何ら影響を及ぼさない)ということも、作用の内容に含まれる。
前述のように、作用付与部G11は、指示体によって指示された表示部内の指示位置を移動させることによって生成される。そして、ユーザは、移動体(例えば投球されたボールBL)と作用付与部G11とが重なるタイミングを見計らって、指示体による指示を解除する。例えば、指示体の一例としての指Fをタッチパネル部13から離す。この指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、作用付与手段123は、移動体と作用付与部との重なりの状態を判断する。なお、指示体が表示部から離接(タッチオフ)したことの判定は、次の例のようにして行うことができる。前述のとおり、ゲーム装置10は、所定のサンプリング時間(例えば、1/60秒)毎に、指示体がタッチパネル部13に接触している位置の情報を、タッチ入力検出部25を介して取得している。よって、ゲーム装置10は、指示体がタッチパネル部13に接触している状態を検出後、所定期間以上、タッチパネル部13に接触していない状態を検出した場合に、指F等の指示体が表示部から離接したと判定できる。
図19および図20は、ストライクゾーンSZが存在するxy平面においてボールBLと作用付与部G11との位置関係を説明する説明図である。作用付与部G11は、例えば、ストライクゾーンSZが存在するxy平面内に存在する。指示体による指示が解除されたタイミングが、ボールBLがストライクゾーンSZに到達するタイミングよりも早すぎたり遅すぎたりした場合、z軸方向(投手キャラクタC20とストライクゾーンSZとを結ぶ方向)においてボールBLと作用付与部G11とが重ならない。したがって、ボールBLと作用付与部G11とがz軸方向で重なり得る打撃可能期間内にユーザが指示体による指示を解除せず、当該打撃可能期間外で指示を解除した場合、作用付与手段123は、ボールBLと作用付与部G11とが重なっていないと判断する。前述のように、打撃可能期間は、例えば、ボールBLの中心部がストライクゾーンSZに到達するタイミングを期間の中間とする7/60秒の期間とすることができる。打撃可能期間内にユーザが指示体による指示を解除した場合であっても、ボールBLを打撃するためには、xy平面におけるボールBLと作用付与部G11との位置関係において、ボールBLと作用付与部G11とが重なっている必要がある。
例えば、作用付与手段123は、図19に示すように、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと作用付与部G11との少なくとも一部が重なっていると判断した場合、打撃成功の判定をする。この場合、ボールBLと作用付与部G11との重なりの状態に応じて、打撃の内容(打球のパラメータ等)を決定する。例えば、作用付与部G11は、ボールBLの中心部BLaと作用付与部G11の中心部G11aとの間の距離が小さいほど、打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃結果を決定する。ここで、作用付与部G11の中心部G11aとは、図19に示すように、作用付与部G11の幅Wの中心を通る、延設方向に延びる中心線とすることができる。
また、図19に例示するように、作用付与部G11は、中心部G11aを含む第1領域G11bと、中心部G11aから離れた第2領域G11c(第1領域G11bの外側の領域)とを含む構成とすることができる。第1領域G11bは第2領域G11cよりも作用力(打撃力)が大きい領域であり、ボールBLの少なくとも一部が第1領域G11bと重なった場合、第2領域G11cよりも打球の速度または飛距離の大きい打球になる。また、ボールBLの中心部BLaと作用付与部G11の中心部G11aとの間の距離が小さいほど、より強い打球となり、ヒットやホームランの確率が高まる。
作用付与部G11の第2領域G11cは、凡打領域とすることができる。ボールBLが第1領域G11bと重ならず、第2領域G11cとのみ重なった場合、第1領域G11bよりも弱い打球となり、ヒットになり難い。
あるいは、作用付与部G11の第2領域G11cは、打球がファールボールになる領域としてもよい。この場合、ボールBLが第1領域G11bと重ならず、第2領域G11cにのみ重なった場合、強制的に打球がファールになるようにする。この場合、ユーザは、敢えて、ボールBLが第2領域G11cにのみ重なるようにすることにより、ボールBLをカットする(打球をファールボールにして逃げる)という打撃操作が可能となる。
一方、作用付与手段123は、図20に示すように、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと作用付与部G11とが重なっていないと判断した場合、打撃失敗の判定をする。この場合、作用付与手段123は、作用の内容を空振り(移動体に作用を与えない)に決定する。
あるいは、作用付与手段123は、前記指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体と前記基準点RPとの間の距離が小さいほど、前記作用付与部G11に重なった前記移動体に対する作用力を大きくする構成としてもよい。この構成は、特に、ユーザの操作によって表示部内の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置が基準点RPとして設定される場合において適用することが好ましい。その理由は次のとおりである。ユーザは移動体の移動コースを予想して、基準点RPとなる表示部内の位置を指示体により指定するので、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、移動体が基準点RPに近いほど、ユーザの予想の的中度が高いと言える。このように、前記の移動体と基準点RPとの間の距離は、ユーザの予想の的中度の指標となる。これを移動体に与える作用の内容として反映すべく、前記指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体と前記基準点RPとの間の距離が小さいほど、前記作用付与部G11に重なった前記移動体に対する作用力を大きくするのである。
野球ゲームにおいては、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと前記基準点RPとが重なる場合において、ボールBLと基準点RPとの間の距離(例えば、ボールBLの中心と基準点RPとの間の距離)が小さいほど、打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるように打撃の内容を決定することができる。
従って、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと基準点RPとが重なる場合において、ボールBLの中心部BLaと作用付与部G11の中心部G11aとの間の距離が小さいほど、および/または、ボールBLの中心部BLaと基準点RPとの間の距離が小さいほど、打撃力が大きくなり、打球の速度や飛距離が大きくなるように、あるいは対戦相手の守備のミスの発生確率が大きくなるようにすることができる。
本実施の形態の構成によれば、ユーザが指示位置CPを移動させれば、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部G11が生成される。例えば、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る方向に作用付与部G11が生成される。従って、ユーザは、移動体の軌道の変化を予想して、移動体の軌道が変化する方向に作用付与部が生成されるように、指示位置を移動させることができる。例えば、野球ゲームにおいて、ユーザが、フォークボール等の垂直方向に変化する変化球を予想した場合、ボールの軌道の変化に合わせるように、基準点RPの下方に指示位置CPを指定し、さらに下方に移動させればよい。これにより、少なくとも垂直方向に延びる作用付与部G11が生成されるので、垂直方向に変化する移動体を作用付与部で捉え易くなる。本構成により、移動体の軌道が変化しても、移動体に作用を与えるための操作がし易い新規な操作方法を提供することができる。野球ゲームの場合、ボールBLの軌道が変化する変化球であっても、ボールBLを打撃し易い新規な打撃操作方法を提供することができる。
また、前記基準点設定手段121は、前記表示部内の位置が前記指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置CPを前記基準点RPとして設定する機能を有する。
例えば、野球ゲームでは、図3に例示するように、基準点RPが設定されていない状態において、図4に例示するように、ストライクゾーンSZ内の任意の位置が、指F等の指示体により指示された場合、指示体の指示位置CPの情報が、タッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。基準点設定手段121は、前記指示位置CPの情報(座標情報)を取得し、基準点RPとして設定する。そして、基準点設定手段121は、ゲーム画面G10に基準点RPを表示させると共に、基準点RPの情報をRAM23に記憶する。
この構成では、ユーザは、先ず、指示体で表示部内の位置を指定すれば、この指示位置CPが基準点RPとなる。そして、前述のように、指示位置CPを移動させることにより、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて作用付与部G11が生成される。このように、ユーザによる操作(表示部内の位置を指示体で指示する操作)により、基準点RPを表示部内の任意の位置に、ユーザの意思により設定することができるので、ユーザは、移動体の軌道変化の予想だけではなく、移動コースの予想も可能となる。
すなわち、ユーザは、移動後の指示位置CPだけでなく、基準点RPの位置も、ユーザ自らの操作により決定できるので、ユーザが表示部内の任意の位置および方向に作用付与部G11を設定することが可能となる。よって、ユーザが移動体の移動コース(例えば野球ゲームでは投球コース)を予想して、予想した位置に作用付与部を生成するという移動コースの予想機能を実現できる。ユーザによる移動コースの予想が可能となることにより、ゲーム性を高めることができる。
また、前記作用付与部生成手段122は、前記指示位置CPに前記基準点RPが設定された後に、前記指示体による指示が解除されることなく前記指示位置CPが移動した場合、前記作用付与部G11を生成する。
例えば、接触操作可能な表示部の一例であるタッチパネル部13の場合、図4に例示するように、指Fがタッチパネル部13に接触してストライクゾーンSZ内に基準点RPが設定された後に、図5に例示するように、ユーザが指Fをタッチパネル部13に接触した状態で移動させる。すなわち、指Fとタッチパネル部13との接触状態を保持したままで、指Fを移動(スライド)させる。これにより、指Fの指示位置CP(接触位置)が移動する情報がタッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。例えば、所定のサンプリング時間(例えば、1/60秒)毎に、指Fがタッチパネル部13に接触している指示位置CPの座標がタッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。この指示位置の情報は、最新の情報のみを順次RAM23に上書きしながら記憶してもよいし、サンプリング時間毎に取得した指示位置の情報を、時系列的に全てRAM23に記憶してもよい。指示位置CPの移動が停止した場合に、移動後の指示位置CPが確定し、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて作用付与部G11を生成する。
この構成では、先ず、ユーザが指示体で表示部内の位置を指定すれば、この指示位置CPに前記基準点RPが設定され、その後、ユーザが指示体による指示を解除することなく指示位置CPを移動させるという一連の操作により、作用付与部G11が生成される。従って、表示部において、ユーザが予想した移動体の移動コースを指示体で指示し、その後、ユーザが予想した軌道変化の方向に指示位置CPを移動させるという簡単な一連の操作で、移動体の移動コースおよび軌道変化を予想することができる。
例えば、表示部に対する接触操作が可能な野球ゲームでは、表示部において、ユーザが予想した投球コースに指Fを接触させ、その指Fをユーザが予想した軌道変化の方向に移動させるという簡単な一連の操作で、投球コースおよび球種(ボールの軌道変化)を予想することができる。
そして、指示体による指示を解除すれば、移動体に作用を与えることもできる(野球ゲームの場合、打撃ができる)ので、作用付与部の生成から移動体に作用を与えるまでの操作を、指示体による指示、指示位置の移動、指示の解除という簡単な一連の操作で実現できる。
また、前記基準点設定手段121は、前記基準点RPを、前記表示部の所定の位置に予め設定するようにしてもよい。
基準点RPの座標情報は、ゲームプログラムにおいて予め決められており、RAM23等に記憶される。基準点設定手段121は、予め決められた基準点RPの座標情報に基づいて、ユーザの操作を伴うことなく表示部の所定の位置に前記基準点RPを設定する。
例えば、図21に示すように、基準点RPは、予めストライクゾーンSZの中心部に設定されているものとすることができる。この場合、図22に例示するように、ユーザが、画面の任意の箇所(基準点RPと異なる箇所でも、基準点RPでもよい)に指Fでタッチし、その指Fを任意の方向に引く(指示位置CPを移動させる)と、例えば、移動後の指示位置CPとストライクゾーンSZの中心部に設けられた基準点RPとを通る方向に作用付与部G11が生成される。すなわち、固定的に予め設けられた基準点RPの位置に関わらず、ユーザは、表示部内の任意の位置を指示体によって指示し、指示位置CPを移動させることによって、作用付与部G11が生成される。この場合、前述のとおり、作用付与部生成手段122は、指示体によって指示された表示部内の指示位置CPが移動した後、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて、作用付与部G11を生成する。また、その他も上述したゲーム例と同様である。
本構成のように基準点を表示部の所定の位置に予め設定することにより、前述の移動体の移動コースの予想機能を省略し、ゲームを簡略化することができる。
なお、基準点RPの位置は、複数(例えば、内角寄り、真ん中、外角寄りの3つ)存在し、ユーザがその中から基準点RPを選択できるようにしてもよい。この場合は、ユーザは移動体の移動コースを大まかに予想することができる。
図22に例示するように、ストライクゾーンSZの中心部に基準点RPを予め設定する場合、指示体によって指示された表示部内の指示位置CPが移動した後、基準点RPを中心として、例えば、略ストライクゾーンSZの対角線の長さの作用付与部G11が生成されるようにしてもよい。すなわち、作用付与部G11の延設方向の長さを、略ストライクゾーンSZの対角線の長さに固定する。この場合、前述のように、基準点RPを中心として作用付与部G11を回転させた場合、ストライクゾーンSZの全体を作用付与部G11でカバーすることができる。このように、作用付与部G11の延設方向の長さを固定することにより、作用付与可能な範囲(野球ゲームの場合、バットの届く範囲)を明確化することができる。
また、前述のように、前記作用付与部生成手段122は、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて、移動後の前記指示位置CPと前記基準点RPとを通る直線の方向に延びる前記作用付与部G11を生成する機能を有する。
例えば、図5に示すように、移動後の指示位置CPと基準点RPとを貫通するライン状の作用付与部G11が、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線の方向に延びる作用付与部G11の一例である。また、図15ないし図18、図22に例示した何れの作用付与部G11も、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線の方向に延びる作用付与部G11に含まれる。すなわち、作用付与部G11は、必ずしも移動後の指示位置CPおよび基準点RPを含むものでなくてもよく、その延設方向が、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線の方向であればよい。
この構成では、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線の方向に延びる作用付与部G11が設定されるので、生成される作用付与部G11の延設方向をイメージし易すく、操作性に優れている。すなわち、ユーザは、移動体の軌道の変化を予想して、移動体の軌道が変化する方向に作用付与部G11が延びるようにしたい場合、移動後の指示位置CPと基準点RPとを通る直線をイメージして指示位置CPを移動させれば、所望の作用付与部G11を容易に設定することができる。
なお、バリエーションとしては、作用付与部生成手段122は、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて、移動後の前記指示位置CPと前記基準点RPとを通る所定の曲線の方向に延びる前記作用付与部G11を生成するようにしてもよい。この場合、曲線の曲率が一定であれば、ユーザはその曲率を考慮して指示位置CPを移動させれば、所望の作用付与部G11を設定可能である。バリエーションとしては、ユーザが曲線の曲率を指定(または複数の曲率の中から選択)できるようにしてもよい。
また、前述のように、前記作用付与部生成手段122は、前記指示位置CPの移動距離が大きいほど、前記作用付与部G11の幅を狭く設定する構成とすることができる。
ここで、前記「作用付与部の幅」とは、作用付与部G11における延設方向と直交する方向の長さである。作用付与部G11は、移動後の前記指示位置CPに関する情報と前記基準点RPに関する情報とに基づいて生成されるので、生成直後における作用付与部の幅とは、例えば、移動後の前記指示位置と前記基準点とを通る方向(延設方向)と直交する方向の長さである。
例えば、指示位置CPの移動距離と作用付与部G11の幅との関係を数式(関数)で表した関係情報が予め記憶装置(RAM23等)に記憶されており、作用付与部生成手段122は、前記関係情報に基づいて、指示位置CPの移動距離に応じた幅の作用付与部G11を設定することができる。
あるいは、指示位置CPの移動距離と作用付与部G11の幅との関係をテーブル化した関係情報が予め記憶装置(RAM23等)に記憶されており、作用付与部生成手段122は、前記関係情報に基づいて、指示位置CPの移動距離に応じた幅の作用付与部G11を設定することができる。
また、前述のように、前記作用付与手段123は、前記作用付与部G11の幅が狭いほど、前記作用付与部G11に重なった前記移動体に対する作用力を大きくする構成とすることができる。
例えば、作用付与部G11の幅(または指示位置CPの移動距離)と、作用力(または作用力に影響を与える変数)との関係を数式(関数)で表した関係情報が予め記憶装置(RAM23等)に記憶されており、作用付与手段123は、前記関係情報に基づいて、作用付与部G11の幅(または指示位置CPの移動距離)に応じて作用力を変動させる。
あるいは、作用付与部G11の幅(または指示位置CPの移動距離)と、作用力(または作用力に影響を与える変数)との関係をテーブル化した関係情報が予め記憶装置(RAM23等)に記憶されており、作用付与手段123は、前記関係情報に基づいて、作用付与部G11の幅(または指示位置CPの移動距離)に応じて作用力を変動させる。
例えば、野球ゲームの場合は、作用付与部G11の幅が狭いほど、打撃力(打撃の強度)が大きくなるようにすることができる。これにより、作用付与部G11の幅が狭いほど、強い力で打ち返したり、より遠くへ打ち返すようにしたりできる。また、例えば、サッカーゲームでは、作用付与部G11の幅が狭いほど、ゴールキーパーがボールをキャッチする捕獲力が大きくなるようにすることができる。これにより、作用付与部G11の幅が狭いほどより強い力で確実にボールを捕獲できる。また、例えば、ミサイルや戦闘機を破壊する戦闘ゲームの場合、作用付与部G11の幅が狭いほど、破壊力が大きくなるようにすることができる。これにより、作用付与部G11の幅が狭いほど、より強い力で確実にミサイル等を打ち砕くことができる。
例えば、図6の例では、図5の場合よりも指Fを長く引いている(指示位置CPの移動距離が大きい)ので、作用付与部G11の幅は、図5の場合よりも図6の場合の方が狭く設定され、ボールを作用付与部G11で捉え難くなるというデメリットが生じる一方、作用付与部G11の幅が狭いほど、打撃力が大きくなるというメリットが生じる。図15と図16との関係も同様である。
本実施の形態の構成では、作用付与部G11が生成される際に、指示位置CPの移動距離をユーザ自身が調整することにより、作用付与部G11の幅および作用付与部G11の作用力を変動させることができる。指示位置CPの移動距離が大きいほど、前記作用付与部G11の幅が狭く設定されるので、移動体を作用付与部G11で捉え難くなるというデメリットが生じる一方、作用付与部G11の幅が狭いほど、作用付与部G11に重なった移動体に対する作用力(例えば、野球ゲームの打撃力等)が大きくなるというメリットが生じる。従って、ユーザは前記のメリットおよびデメリットを比較考量して、作用付与部G11の幅を設定することが要求され、よりゲーム性が高まる。
また、図23に例示するように、本実施の形態のゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、前述の基準点設定手段121、作用付与部生成手段122および作用付与手段123の他に、回転手段124をさらに備えていることが好ましい。
前記回転手段124は、前記作用付与部G11の生成後に、前記指示位置CPの移動に伴って、前記基準点RPを中心として前記作用付与部G11を回転させる機能を有する。
前述のように、作用付与部生成手段122は、指示体によって指示された表示部内の指示位置CPが移動した後、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて、作用付与部G11を生成する。その後、例えば、ユーザが、指Fとタッチパネル部13との接触状態を保持したままで、指Fを移動させることにより、指示位置CPを移動させた場合、指示位置CPが移動する情報(指示位置の座標が変化する情報)がタッチ入力検出部25を介してゲーム装置10に入力される。回転手段124は、この指示位置CPの移動を検出した場合、指示位置CPの移動に連動して、例えば、図9に示すように、移動後の指示位置CPと基準点RPとを結ぶ方向が作用付与部G11の延設方向となるように、基準点RPを中心として作用付与部G11を回転させる。
なお、ユーザが作用付与部G11の延設方向、すなわち、指示位置CPと基準点RPとを結ぶ方向に指示位置CPを移動させた場合には、移動の前後で指示位置CPと基準点RPとを結ぶ方向に変化が生じないので、作用付与部G11の回転は生じない。つまり、指示位置CPと基準点RPとを結ぶ方向とは異なる方向に、指示位置CPを移動させた場合に、作用付与部G11が回転する。
前記作用付与部G11を回転させる操作は、指示体による指示の解除が行われるまで何度でも行うことができる。
この構成では、ユーザによる移動体の軌道の変化の予想または移動コースの予想が外れた場合でも、ユーザが作用付与部G11を回転させる操作を行うことにより、作用付与部G11に移動体を重ねることができるようになり、作用付与部G11を操作するアクションゲームとしてのゲーム性が高まる。
ここで、本実施の形態のゲーム制御装置を野球ゲームに適用した好ましい構成を示す。ゲーム制御装置の一例としてのゲーム装置10は、表示部(例えば、タッチパネル部13)に対する接触操作により、ストライクゾーンSZに向かって投球されたボールBLに作用付与部G11を重ねて打撃する野球ゲームを制御する。図23に例示するように、このゲーム装置10は、基準点設定手段121と、作用付与部生成手段122と、作用付与手段123と、回転手段124とを備える。図4に例示するように、基準点設定手段121は、前記表示部における前記ストライクゾーンSZ内の任意の位置に指示体(例えば指F)が接触した場合に、当該指示体の接触位置(指示位置CPの一例)に基準点RPを設定する。また、図5および図6に例示するように、作用付与部生成手段122は、前記基準点RPの設定後に、前記指示体が前記表示部に接触した状態で移動することによって前記接触位置が移動した後、移動後の前記接触位置と前記基準点RPとを通る直線の方向に延びる、前記接触位置の移動距離が大きいほど幅の狭い前記作用付与部G11を生成する。また、図9に例示するように、回転手段124は、前記作用付与部G11の生成後に、前記指示体が前記表示部に接触した状態で移動することによる前記接触位置の移動に伴って、前記基準点RPを中心として前記作用付与部G11を回転させる。また、作用付与手段123は、前記作作用付与部G11部の生成後に、前記指示体が前記表示部より離れたタイミングにおいて、前記ボールBLと前記作用付与部G11との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記ボールBLの打撃の内容を決定する。そして、前記作用付与手段123は、前記作用付与部G11の幅が狭いほど、前記ボールBLの打撃力を大きくする。
ここで、本実施の形態のゲーム装置10の動作の一例を、図24ないし図27のフローチャートを参照しながら以下に説明する。図24および図25は、野球ゲームを制御するゲーム装置10の動作の一例を示すフローチャートである。また、図26は、作用付与部G11の生成処理の一例を示すフローチャートである。また、図27は、打撃内容の決定処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、接触操作可能な表示部を具備するゲーム装置10の動作例を説明する。
この野球ゲームにおいて、ユーザが打撃操作を行う場合、先ず、ユーザが表示部におけるストライクゾーンSZ内の任意の位置に、指F等の指示体を接触させる操作を行う。ゲーム装置10のCPU21が指示体による指示を検出した場合(図24のS100でYES)、図4に例示するように、基準点設定手段121は、ストライクゾーンSZ内の指示体の指示位置CPに基準点RPを設定する(S102)。これにより、画面には基準点RPが表示される。また、設定された基準点RPに関する情報(座標情報等)は、RAM23に記憶される。
この基準点RPの設定後、ユーザは、指示体を表示部に接触させた状態で移動させることにより、指示位置CPを移動させる操作を行う。ゲーム装置10のCPU21が、指示位置CPの移動を検出した場合(S104でYES)、図5または図6に例示するように、作用付与部生成手段122は、移動後の指示位置CPに関する情報と基準点RPに関する情報とに基づいて、作用付与部G11を生成する(S106)。
ここで、作用付与部G11の生成処理の一例を、図26を参照しながら次に説明する。作用付与部生成手段122は、基準点RPに関する情報を取得すると共に(S130)、移動後の指示位置CPに関する情報を取得する(S132)。そして、作用付与部生成手段122は、指示位置CPの移動距離を取得する(S134)。ここで、指示位置CPの移動距離は、基準点RPの座標から移動後の指示位置CPの座標までの距離を計算することにより取得できる。
なお、図22に例示するように、指示位置CPの移動の開始が基準点RPではない場合、ゲーム装置10のCPU21は、少なくとも、指示位置CPの移動開始時の座標と、移動が終了した時点の座標とをRAM23に記憶し、両座標に基づいて指示位置CPの移動距離を算出すればよい。
図26に戻って説明を続けると、作用付与部生成手段122は、指示位置CPの移動距離に基づいて、作用付与部G11の幅を決定する(S136)。具体的には、作用付与部生成手段122は、指示位置CPの移動距離(例えば、表示部に接触させた指Fを引く距離)が大きいほど作用付与部G11の幅を狭くする(図5および図6参照)。
そして、作用付与部生成手段122は、移動後の前記指示位置CPと前記基準点RPとを通る直線の方向に延びる細長い作用付与部G11を生成する(S138)。この場合、前記ステップS136で決定した作用付与部G11の幅に設定する。
図24に戻って説明を続けると、ユーザが、指示位置CPを移動させることなく指示を解除した場合(S104でNO、S108でYES)、ステップS102で設定した基準点RPの設定を解除する(S110)。これにより、画面から基準点RPが消去される。その後、ステップS100に戻る。
なお、バリエーションとしては、前述したように、指Fを接触させてから所定時間(例えば0.3秒)が経過すると、接触位置に基準点RPが設定され、画面から指Fを離しても、画面上の基準点RPはそのまま維持されるようにしてもよい。
次に、前記ステップS106により作用付与部G11が生成された後の処理例を説明する。投手キャラクタC20の動作はAIプログラム等によりゲーム装置10のCPU21が自動制御している。ゲーム装置10のCPU21は、投手キャラクタC20のパラメータに基づいて、投球コース、球種を決定し、投手キャラクタC20に投球を開始させる(S112)。例えば、前記ステップS106の実行後、所定時間(例えば、3秒)が経過すれば、自動的に、投手キャラクタC20に投球動作を開始させる。そして、ゲーム装置10のCPU21は、投手キャラクタC20が投球したボールBLをストライクゾーンSZに向かって移動させる(S114)。
また、ゲーム装置10のCPU21は、図7に例示するように、投手キャラクタC20がボールBLをリリースした直後から、またはリリースから所定時間(例えば0.1秒)が経過した後から、ストライクゾーンSZまたはその付近に到達点領域G13を表示する(S116)。前述のように、到達点領域G13は、ボールBLが到達する予定位置を示すものであり、変化球が投球された場合、到達点領域G13は、ボールBLの軌道変化に伴って徐々に移動する(図8参照)。
図25に例示するように、作用付与部G11が生成された状態で、ユーザが指示位置CPを移動(すなわち、指示体を表示部に接触させた状態で移動)させた場合(S118でYES)、回転手段124は、指示位置CPの移動に伴って、前記基準点RPを中心として前記作用付与部G11を回転させる(S120)。なお、図24および図25のフローチャートでは省略しているが、作用付与部G11の回転は、投球前でも可能である。
本実施の形態の打撃操作の場合、投球されたボールBLが変化球であっても、その変化の軌道に合わせるように細長い作用付与部G11を向けることで、従来のミートカーソルのようにボールとの重なりがピンポイントではないことから、比較的、打撃がし易くなる。これにより、ボールBLの軌道が変化する変化球であっても、ボールBLを打撃する操作がし易い新規な打撃操作方法を提供することができる。
上記のように作用付与部G11は回転可能であるものの、その回転は基準点RPを中心としたものであるので、基準点RPを設定する位置が重要となる。そこで、ユーザは、投球コースを予想して、投球されたボールBLがストライクゾーンSZに到達すると予想した位置付近に指示体を接触させて基準点RPを設定すればよい。投球コースの予想が的中すれば、作用付与部G11の回転操作等は不要になるので、より打撃が容易になる。
また、作用付与部G11の生成の際、ユーザは、ボールBLの軌道の変化(すなわち、球種)を予想して、ボールBLの軌道が変化する方向に作用付与部G11が生成されるように、指示位置CPを移動させることができる。例えば、ユーザが、フォークボール等の垂直方向に変化する変化球を予想した場合、ボールBLの軌道の変化に合わせるように、基準点RPの下方に指示位置CPを移動させればよい。これにより、垂直方向に延びる作用付与部G11が生成されるので、垂直方向に変化するボールBLを作用付与部G11で捉え易くなる。
但し、仮に、投球コースや球種の予想が外れた場合でも、前述のように基準点RPを中心として作用付与部G11を回転させることにより、ボールBLを打撃することが可能である。
ユーザは、投球されたボールBLと作用付与部G11とが重なるタイミングを見計らって、指示体を表示部(表示部における作用付与部G11)から離す(指示を解除する)ことにより、打撃が可能である。作用付与手段123は、指示体による指示が解除されたことを検出した場合(S122でYES)、指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと作用付与部G11との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記ボールの打撃の内容を決定する(S124)。
ここで、打撃内容の決定処理の一例を、図27を参照しながら次に説明する。作用付与手段123は、指示が解除されたタイミングにおいて、ボールBLと作用付与部G11との少なくとも一部が重なっているか否かを判断する(S140)。ここで、作用付与手段123は、ボールBLと作用付与部G11とが重なっていない(離間している)と判断した場合(S140でNO)、打撃内容を空振りに決定する(S142)。
一方、作用付与手段123は、ボールBLと作用付与部G11との少なくとも一部が重なっていると判断した場合(S140でYES)、ボールBLの中心部BLaと作用付与部G11の中心部G11aとの間の距離を取得(算出)する(S144)。そして、作用付与手段123は、ボールBLの中心部BLaと作用付与部G11の中心部G11aとの間の距離が小さいほど、打撃力を大きくする(S146)。さらに、作用付与手段123は、作用付与部G11の幅が狭いほど、打撃力を大きくする(S148)。そして、作用付与手段123は、打撃力が大きいほど、打球の速度や飛距離が大きくなるように打球のパラメータを決定する(S150)。
図25に戻って説明を続けると、ゲーム装置10のCPU21は、ステップS124で決定された打撃結果を画面に表示する(S128)。一方、ユーザがバットスイング操作(すなわち、指示を解除する操作)をせずにボールを見送った場合(S126でYES)、ゲーム装置10のCPU21は、打者キャラクタC10がボールを見送ったことによる結果を画面に表示する(S128)。図3等の画面では、ボールカウントやアウトカウント等の表示を省略しているが、例えば、見送ったボールBLがストライクゾーンSZを通過した場合には「ストライク」、ストライクゾーンSZを外れた場合には「ボール」とし、ボールカウントの表示を更新する。ゲーム装置10は、以上の処理を1球毎に行う。
本構成により、作用付与部G11の生成(投球コースおよび球種の予想)から打撃するまでを、ユーザの指F等の指示体を表示部に接触させ、接触位置を移動させ、接触を解除するという、表示部に対する簡単な一連の操作で実現できる。このような操作方法は、特にスマートフォンやタブレット型コンピュータ等の携帯型の接触操作式のゲーム装置に好適である。
また、作用付与部G11が生成される際に、指示位置CPの移動距離をユーザ自身が調整することにより、作用付与部G11の幅および打撃力を変動させることができる。すなわち、指示位置CPの移動距離が大きいほど、作用付与部G11の幅が狭く設定されるので、ボールを作用付与部G11で捉え難くなるデメリットが生じる一方、作用付与部G11の幅が狭いほど、打撃力が大きくなるというメリットが生じる。ここで、「打撃力が大きくなる」とは、打撃後のボールの飛距離を伸ばす、長打になる確率を大きくする、あるいは守備側の捕球ミスの確率を大きくする等の、打撃力が大きくなった結果により生じるメリットを含む。従って、ユーザは前記のメリットおよびデメリットを比較考量して、作用付与部の幅を設定することが要求され、興趣性の高いゲームを実現できる。
〔ゲーム制御装置の他の構成例(第2の実施の形態)〕
前述の実施の形態では、ゲーム制御装置を、ユーザが操作するゲーム装置10にて実現する例を示したが、これに限定されるものではなく、ゲーム制御装置を各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
ゲーム制御装置をサーバとして構成する例について説明する。ゲーム制御装置としてのサーバが組み込まれたゲームシステムの構成例を、図28に示している。同図に示すように、ゲームシステム1は、インターネットなどのネットワークN上に設置されたサーバ30と、ネットワークNを介してサーバ30と通信可能に接続できる各ユーザの端末装置50(50−1、50−2、…50−n)とによって構成される。
このゲームシステム1の例において、サーバ30は、ゲームサービスを受ける各ユーザの端末装置50からのネットワークNを介したアクセスを受け付けて、各ユーザのゲーム情報を記憶装置に蓄積して管理し、各ユーザにネットワークNを介したゲームサービスを提供する。
サーバ30によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲーム用のプログラム(アプリケーションソフトウェア)がサーバ30に実装されており、端末装置50でゲームを実行するのではなく、端末装置50でのゲーム操作入力に応じてサーバ30でゲームを実行し、その実行結果を各ユーザの端末装置50に送信する形態がある。例えば、各ユーザの端末装置50に搭載されたウェブブラウザによってゲームがプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ30が提供する。あるいは、サーバ30でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式で端末装置50に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをサーバ30が提供する。
なお、端末装置50にゲームプログラムの一部をインストールし、端末装置50においても部分的にゲーム実行処理が行われるようにしてもよい。
サーバ30および端末装置50のハード構成は、CPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信インタフェース等を備えた、一般的なコンピュータの構成とすることができる。端末装置50としては、スマートフォン、携帯電話端末、PHS端末、PDA、PC、タブレット型コンピュータ、通信機能を有するゲーム装置(据置型または携帯型のゲーム装置)または双方向の通信機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)など、ネットワークN経由でサーバ30に接続してゲームサービスの提供を受けることができる様々な端末が適用できる。
前記のクラウドゲーミング等では、ユーザの端末装置50は、基本的に、操作入力機能と、ゲーム画面やサウンドの出力機能を有する入出力装置として動作し、実体的機能はサーバ30側にある。よって、例えば、図28に示すように、サーバ30が、前述の実施の形態で説明した、基準点設定手段121、作用付与部生成手段122、作用付与手段123等を備える構成とすることができる。なお、図28では、基準点設定手段121、作用付与部生成手段122、作用付与手段123のみを備えている例を示しているが、回転手段124等をサーバ30の構成要素として含めてもよい。この構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、サーバ30と端末装置50とは互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信制御部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、同様のハード構成を有する。よって、サーバ30と端末装置50とを含むゲームシステム1において、上述の各実施の形態で説明したゲーム装置10が具備していた手段121〜124等の全部または一部は、サーバまたは端末装置の何れか一方が備えていればよい。このシステム構成でも、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。すなわち、本実施の形態のゲームシステム1は、例えば、以下に示す構成とすることができる。
すなわち、ゲームシステム1は、サーバ30と、当該サーバ30と通信可能な端末装置50と、を含み、表示部内を移動する移動体に作用を与えるゲームを制御する。このゲームシステム1は、前記表示部に基準点を設定する基準点設定手段121と、指示体によって指示された前記表示部内の指示位置が移動した後、移動後の前記指示位置に関する情報と前記基準点に関する情報とに基づいて作用付与部を生成する作用付与部生成手段122と、前記作用付与部の生成後に、前記指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体と前記作用付与部との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記移動体に与える作用の内容を決定する作用付与手段123と、の各手段を前記サーバ30又は前記端末装置50のいずれか一方が備える。
このゲームシステム1の構成により、前述のゲーム装置10と同様の作用効果を奏する。すなわち、移動体の軌道が変化しても、移動体に作用を与えるための操作がし易い新規な操作方法を提供することができる。
ところで、各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置10またはゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10、サーバ30、端末装置50のRAMや補助記憶装置、あるいはゲーム装置10、サーバ30、端末装置50とは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
また、前述の各実施の形態で説明した各構成は、適宜組み合わせて適用することができる。
また、本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム制御装置またはゲームシステムを構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
すなわち、本実施の形態のプログラムは、コンピュータを前述のゲーム制御装置(またはゲームシステム)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(またはゲームシステム)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。
本実施の形態のプログラムをコンピュータが実行することにより、前述のとおり、移動体の軌道が変化しても、移動体に作用を与えるための操作がし易い新規な操作方法を提供することができる。また、前述の各実施の形態と同様の作用効果を奏する。
〔第3の実施の形態〕
上述の各実施の形態では、本発明の一態様のゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムについて、野球ゲームへの適用例を中心に、その他、サッカーゲームやテニスゲーム等のスポーツゲームに適用可能な例について説明した。このように、本発明の一態様のゲーム制御装置等は、移動体の一例としてのボールBL等を打撃や捕獲等する様々なスポーツゲームに適用できることは勿論のこと、その他の様々なゲームにも適用できる。その一例を以下に説明する。
まず、ユーザの基地、城等の自陣に向かって攻めてくる敵キャラクタ(移動体の一例)を、個々に攻撃して自陣に攻め入れられるのを防ぐ防御ゲームへの適用例を説明する。
このような防御ゲームにおいて、移動体の一例としての敵キャラクタとしては、空を飛んでくる鳥、飛行機、戦闘機、ミサイル、恐竜、モンスター等、地上を移動する戦車、車両、兵士、恐竜、モンスター等、海上または海中を移動する船、潜水艦、魚雷、恐竜、モンスター等を挙げることができる。
前述の基準点には、例えば自陣内の武器として、大砲、レーザ砲、捕獲網の発射装置等が設けられる。この基準点は、自陣内の固定位置に予め設けられていてもよいし、ユーザが指示体により指示した自陣内の任意の位置に、基準点が設けられるようにしてもよい。ユーザは、前記基準点RPに設けられる武器を使用して、個々の敵キャラクタに的を付けて破壊、捕獲等の作用を与える。
バリエーションとして、自陣内に基準点を複数設けることができるようにしてもよい。この場合、基準点は、自陣内の固定位置に予め複数設けられていてもよい。あるいは、ユーザが自陣内の任意の位置を複数指定することにより、基準点が複数設けられるようにしてもよい。この場合、ユーザは、複数の基準点のそれぞれに設けられる大砲等の武器を、順次、使用して次々と敵キャラクタに攻撃をしかけることができる。
次に、前記基準点に設けられる武器の使用方法の一例を説明すると、前述の野球ゲームと同様にユーザが指示位置を移動させれば、移動後の指示位置に関する情報と基準点に関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部が生成される。ユーザは、敵キャラクタと作用付与部とが重なったタイミングで指示体による指示を解除すれば、敵キャラクタに作用を与えることができる。また、前述の野球ゲームと同様に、ユーザが指等の指示位置を移動させれば、作用付与部は基準点を中心として回転するので、任意の方向の敵キャラクタを攻撃することができる。
この作用付与部は、指示位置の移動距離が大きいほど、砲弾の大きさや強さ、レーザ光のエネルギーの強さ、捕獲網の捕獲力等が大きくなるというメリットが生じるようにすることができる。その一方で、指示位置の移動距離が大きいほど、作用付与部の幅が狭くなるというデメリットを設けてもよい。
敵キャラクタ(移動体の一例)に対する作用としては、破壊、捕獲等の他に、敵キャラクタの攻撃(または防御)能力を低減させる、敵キャラクタの移動速度を低減させる等のパラメータの変更であってもよい。敵キャラクタに対する作用の他の例としては、属性の変更であってもよい。例えば、ユーザの基地に対する攻撃能力の大きい順にA属性、B属性、…があり、敵キャラクタにはこれらの属性の何れかが設定されており、A属性の敵キャラクタへの攻撃が成功すれば、B属性に変わる等がこれに該当する。
また、大砲の砲弾の数やレーザ光の出射数に、上限を設けてもよい。前記上限は、ユーザのゲームレベル、ユーザの所有するポイント、ユーザと所定関係(例えば仲間関係)にある他のユーザの人数等により変動するようにしてもよい。また、大砲の砲弾等を使用した後、所定時間が経過すると砲弾等が補充される(例えば、1分経過毎に1砲弾が補充される)という自動補充(回復)機能を具備していてもよい。
その他のゲームへの適用例としては、前述した虫や仮想のキャラクタを捕獲するゲームを挙げることができる。このような捕獲ゲームにおいて、移動体の一例としては、空を飛んでいる虫、鳥、仮想のキャラクタ(モンスター等)、地上を移動している虫、動物、モンスター等、水中を移動している魚、モンスター等を挙げることができる。この捕獲ゲームにおいて、虫等の移動体は、表示部内を自由に(様々な方向に)移動するものとすることができる。以下、移動体を虫として説明する。
前述の野球ゲームと同様に、表示部内において、ユーザが指示位置を移動させれば、移動後の指示位置に関する情報と基準点に関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部が生成される。この作用付与部は、虫を捕獲するための網、袋、箱、棒等を模したカーソルとなる。ここで、基準点は、表示部内の所定の位置に予め設定されるようにしてもよいし、ユーザが指示体により指示した任意の位置に設定されるようにしてもよい。ユーザは、捕獲対象の虫と作用付与部(網等を模したカーソル)とが重なったタイミングで指示体による指示を解除すれば、虫を捕獲することができる。また、前述の野球ゲームと同様に、ユーザが指等の指示位置を移動させれば、作用付与部は基準点を中心として回転するので、任意の方向に移動する虫を捕獲することができる。
また、作用付与部は、指示位置の移動距離が大きいほど、捕獲力が大きくなって網等に入った虫を逃がし難いというメリットが生じるようにすることができる。その一方で、指示位置の移動距離が大きいほど、作用付与部の幅が狭くなり、虫を捉え難くなるというデメリットを設けてもよい。
これらのゲームはほんの一例であり、本発明の一態様のゲーム制御装置、ゲームシステム、プログラムは、表示部内を移動する移動体に作用を与えるゲームであれば、その他の様々なゲームにも適用できる。
〔付記〕
以上の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。
1)本発明の一態様によるゲーム制御装置(10、30、50)は、表示部(13)内を移動する移動体(例えばボールBL)に作用を与えるゲームを制御するゲーム制御装置(10、30、50)であって、前記表示部(13)に基準点(RP)を設定(例えばS102の処理)する基準点設定手段(121)と、指示体(例えば指F)によって指示された前記表示部(13)内の指示位置(CP)が移動した後(例えばS104のYESの処理)、移動後の前記指示位置(CP)に関する情報と前記基準点(RP)に関する情報とに基づいて作用付与部(G11)を生成(例えばS106の処理)する作用付与部生成手段(122)と、前記作用付与部(G11)の生成後に、前記指示体(F)による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体(BL)と前記作用付与部(G11)との重なりの状態を判断(例えばS140の処理)し、当該判断結果に基づいて、前記移動体(BL)に与える作用の内容を決定(例えばS146の処理)する作用付与手段(123)と、を備える。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
本構成のゲーム制御装置は、表示部内を移動する移動体に作用を与えるゲームを制御する。ここで、前記「移動体」とは、例えば、ゲーム画面内またはゲーム空間内を移動するキャラクタ、アイテムまたはオブジェクトである。「移動体」の一例としては、スポーツシミュレーションゲームにおけるボールが挙げられる。移動体の他の例としては、アクションゲームにおける戦闘機やミサイル等のキャラクタまたはアイテムが挙げられる。その他にも、昆虫等を捕獲するゲームにおける移動する昆虫、鳥、魚、動物等のキャラクタ(モンスター等の架空のキャラクタであってもよい)を移動体として挙げることができる。また、前記「作用」とは、例えば、移動体に力を及ぼす、または移動体との関係をもつことにより当該移動体に対して影響を与えることである。「作用」の一例としては、移動体を打撃する(打ち返す)、回転を加える、捕捉する、破壊する、変形させる等がある。あるいは、移動体のパラメータや属性を変えるものであってもよい。例えば、移動体の色や大きさ、能力を変えることも作用の一例に相当する。
基準点設定手段は、表示部に基準点を設定する。この基準点は、表示部内の任意の箇所に設定することができる。例えば、後述する2)の構成のように、ユーザによって指示された位置を基準点としてもよい。あるいは、後述する4)の構成のように、前記表示部の所定の位置に基準点を固定的に設定してもよい。
作用付与部生成手段は、指示体によって指示された前記表示部内の指示位置が移動した後、移動後の前記指示位置に関する情報と前記基準点に関する情報とに基づいて作用付与部を生成する。ここで、前記「指示体」とは、例えば、表示部の画面内の位置を指示する操作に用いられるものである。表示部をタッチパネル等の接触操作可能な構成とした場合、ユーザの指やペン等の物理的な物体が指示体の一例に相当する。また、接触操作式ではない表示部の場合には、画面に表示されるカーソル等であって、ユーザがコントローラやマウス等の操作部で操作できる、画面上の位置を示す指標が指示体の一例に相当する。この場合、表示部における任意の位置を、指示体が指示する一例としては、カーソルを表示部内の任意の位置に配した状態でクリックする操作(クリックに相当するボタン操作等)が該当する。
また、前記「作用付与部」とは、例えば、移動体と重なった場合に当該移動体に作用を与えることができるゲーム画面内またはゲーム空間内に設けられる領域である。例えば野球ゲームにおいて、移動体の一例としての投球されたボールに重ねて当該ボールを打撃するためのミートカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えばサッカーゲームのPK戦において、移動体の一例としてのキックされたボールに重ねて当該ボールをキャッチするためのゴールキーパーカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えばテニスゲームにおいて、移動体の一例としてのサーブされたボールに重ねて当該ボールを打ち返すためのラケットカーソルが、作用付与部の一例に相当する。また、例えば、虫や仮想のキャラクタを捕獲するゲームを想定した場合には、虫やキャラクタを捕獲するための網、袋、箱、棒等を模したカーソルが、作用付与部の一例に相当する。これらはあくまで一例であり、ゲームの種類・内容に応じて様々な作用付与部を適用できる。
ユーザは、指示体により表示部内の位置を指示した後、指示位置を移動させる。すると、作用付与部生成手段は、移動後の前記指示位置に関する情報と前記基準点に関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部を生成する。例えば、作用付与部生成手段は、移動後の指示位置と基準点とを通る方向に延びる作用付与部を生成する。あるいは、作用付与部生成手段は、移動後の指示位置と基準点とを含む作用付与部を生成する。あるいは、作用付与部生成手段は、移動後の指示位置と基準点との間に作用付与部を生成する。なお、作用付与部の形状は、例えば、長方形、楕円形、三角形、菱形等、任意の形状とすることができる。
例えば、野球ゲームでは、ユーザが指示体でストライクゾーン内を指示し、指示体による指示位置を移動させれば、作用付与部生成手段は、移動後の指示位置と基準点(例えば、最初の指示位置またはストライクゾーン内の固定位置)とを通る方向に延びる、作用付与部としての細長いミートカーソルを生成する。
作用付与手段は、前記作用付与部の生成後に、前記指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体と前記作用付与部との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記移動体に与える作用の内容を決定する。ここで、前記「指示の解除」とは、例えば、接触操作可能な表示部に対する操作の場合、指等の指示体が表示部から離接(タッチオフ)することである。また、接触操作ではなく、画面に表示されるカーソル等の指示体を用いて操作する場合、コントローラやマウスのクリックやドラッグ等の操作状態を解除することが、指示の解除の一例に相当する。また、前記「作用の内容」とは、例えば、作用の種類(打撃、回転、捕捉、破壊、変形、パラメータや属性の変更等)、その大きさや方向である。また、移動体に対して作用を与えない(移動体に何ら影響を及ぼさない)ということも、作用の内容に含まれる。
前述のように、作用付与部は、指示体によって指示された表示部内の指示位置を移動させることによって生成される。そして、ユーザは、移動体と作用付与部とが重なるタイミングを見計らって、指示体による指示を解除する。この指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、作用付与手段は、移動体と作用付与部との重なりの状態を判断する。例えば、作用付与手段は、前記指示が解除されたタイミングにおいて、移動体と作用付与部とが重なっていないと判断した場合、移動体に作用を与えないことを決定する。また、例えば、作用付与手段は、前記指示が解除されたタイミングにおいて、移動体と作用付与部との少なくとも一部が重なっている場合、その重なりの状態に応じて、移動体に与える作用の内容を決定する。例えば、移動体の中心部と作用付与部の中心部との間の距離が小さいほど、作用付与部に重なった移動体に対する作用力が大きくなるように作用の内容を決定する。野球ゲームを例に挙げると、移動体の一例としてのボールの中心部と作用付与部の中心部との間の距離が小さいほど、打球の速度や飛距離が大きくなるように、打撃の内容を決定する。
あるいは、前記の作用の内容の決定に代えて、またはそれに加えて、作用付与手段は、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、移動体と基準点との間の距離が小さいほど、作用付与部に重なった移動体に対する作用力が大きくなるように作用の内容を決定する構成としてもよい。この構成は、特に、ユーザの操作によって表示部内の位置が指示体により指示された場合に、当該指示体の指示位置が基準点RPとして設定される、後述する2)の構成に適用することが好ましい。その理由は次のとおりである。ユーザは移動体の移動コースを予想して、基準点となる表示部内の位置を指示体により指定するので、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、移動体が基準点に近いほど、ユーザの予想の的中度が高いと言える。すなわち、前記の移動体と基準点との間の距離は、ユーザの予想の的中度を示す指標となる。これを移動体に与える作用の内容として反映すべく、指示体による指示が解除されたタイミングにおいて、移動体と基準点との間の距離が小さいほど、作用付与部に重なった移動体に対する作用力を大きくするのである。
以上のように、1)の構成によれば、ユーザが指示位置を移動させれば、移動後の指示位置に関する情報と基準点に関する情報とに基づいて、表示部内に作用付与部が生成される。例えば、移動後の指示位置と基準点とを通る方向に作用付与部が生成される(移動後の指示位置と基準点とを含む作用付与部や、移動後の指示位置と基準点との間に生成される作用付与部も、移動後の指示位置と基準点とを通る方向に生成される作用付与部の一例である)。従って、ユーザは、移動体の軌道の変化を予想して、移動体の軌道が変化する方向に作用付与部が生成されるように、指示位置を移動させることができる。例えば、野球ゲームにおいて、ユーザが、フォークボール等の垂直方向に変化する変化球を予想した場合、ボールの軌道の変化に合わせるように、基準点の下方に指示位置を指定し、さらに下方に移動させればよい。これにより、少なくとも垂直方向に延びる作用付与部が生成されるので、垂直方向に変化する移動体を作用付与部で捉え易くなる。本構成により、移動体の軌道が変化しても、移動体に作用を与えるための操作がし易い新規な操作方法を提供することができる。
2)上記の1)の構成において、前記基準点設定手段(121)は、前記表示部(13)内の位置が前記指示体(F)により指示(例えばS100のYESの処理)された場合に、当該指示体(F)の指示位置(CP)を前記基準点(RP)として設定(例えばS102の処理)することが好ましい。
この構成では、ユーザは、先ず、指示体で表示部内の位置を指定すれば、この指定位置が基準点となる。そして、前述のように、指定位置を移動させることにより、移動後の指示位置に関する情報と基準点に関する情報とに基づいて作用付与部が生成される。このように、ユーザによる操作(表示部内の位置を指示体で指示する操作)により、基準点を表示部内の任意の位置に、ユーザの意思により設定することができるので、ユーザは、移動体の軌道変化だけではなく、移動コースの予想も可能となる。すなわち、移動後の指示位置だけでなく、基準点の位置もユーザ自らの操作により決定できることにより、ユーザが表示部内の任意の位置に作用付与部を設定することが可能となる。よって、ユーザが移動体の移動コース(例えば野球ゲームでは投球コース)を予想して、予想した位置に作用付与部を生成するという移動コースの予想機能を実現できるのである。ユーザによる移動コースの予想が可能となることにより、ゲーム性を高めることができる。
なお、基準点が設定されていない状態で、表示部内の位置が指示体により最初に指示された場合、その指示位置に基準点が設定されるが、その後、指示位置を移動させることなく指示体による指示が解除された場合、基準点の設定も解除されるようにしてもよい。この場合、改めて、表示部内の位置が指示体により指示された場合、その指示位置に基準点が設定される。
あるいは、表示部内の最初の指示位置に基準点が設定された後、その指示位置を移動させることなく指示体による指示が解除された場合であっても、一旦設定された基準点は解除されないようにすることもできる。
例えば、基準点が設定されていない状態で、表示部内の位置が指示体により最初に指示され、所定時間(例えば0.3秒)が経過した場合には、その指示位置に基準点が設定される。このようにして基準点が設定された後に、指示体による指示が解除されても、画面上の基準点はそのまま維持されるものとする。一方、所定時間が経過する前に指示体による指示が解除された場合には、基準点が設定されないようにする。
3)上記の2)の構成において、前記作用付与部生成手段(122)は、前記指示位置(CP)に前記基準点(RP)が設定された後に、前記指示体(F)による指示が解除されることなく前記指示位置(CP)が移動(例えばS104のYESの処理)した場合、前記作用付与部(G11)を生成(例えばS106の処理)することが好ましい。
この構成では、先ず、ユーザが指示体で表示部内の位置を指定すれば、この指定位置に前記基準点が設定され、その後、ユーザが指示体による指示を解除することなく指定位置を移動させるという一連の操作により、作用付与部が生成される。従って、表示部において、ユーザが予想した移動体の移動コースを指示体で指示し、その後、ユーザが予想した軌道変化の方向に指示位置を移動させるという簡単な一連の操作で、移動体の移動コースおよび軌道変化を予想することができる。
一例を挙げると、表示部に対する接触操作が可能な野球ゲームでは、表示部において、ユーザが予想した投球コースに指を接触させ、その指をユーザが予想した軌道変化の方向に移動させるという簡単な一連の操作で、投球コースおよび球種(ボールの軌道変化)を予想することができる。
そして、指示体による指示を解除すれば、移動体に作用を与えることもできるので、作用付与部の生成から移動体に作用を与えるまでの操作を、指示体による指示、指示位置の移動、指示の解除という簡単な一連の操作で実現できる。
4)上記の1)の構成において、前記基準点設定手段(121)は、前記基準点(RP)を、前記表示部(13)の所定の位置に予め設定することが好ましい。
この構成では、基準点が表示部の所定の位置に予め設定されている。例えば、野球ゲームでは、予めストライクゾーンの中心部に、基準点が設定されている。また、例えばサッカーゲームでは、予めサッカーゴールの開口の中心部に、基準点が設定されている。これにより、ユーザがどの位置に基準点を設定するのかを考える必要がなく、前述の移動体の移動コースの予想機能を省略し、ゲームを簡略化することができる。
5)上記の1)ないし4)の何れかの構成において、前記作用付与部生成手段(122)は、移動後の前記指示位置(CP)に関する情報と前記基準点(RP)に関する情報とに基づいて、移動後の前記指示位置(CP)と前記基準点(RP)とを通る直線の方向に延びる前記作用付与部(G11)を生成(例えばS138の処理)することが好ましい。
この構成では、移動後の指示位置と基準点とを通る直線の方向に延びる作用付与部が設定されるので、生成される作用付与部の延設方向をイメージし易すく、操作性に優れている。すなわち、ユーザは、移動体の軌道の変化を予想して、移動体の軌道が変化する方向に作用付与部が延びるようにしたい場合、移動後の指示位置と基準点とを通る直線をイメージして指示位置を移動させれば、所望の作用付与部を容易に設定することができる。
6)上記の1)ないし5)の何れかの構成において、前記作用付与部生成手段(122)は、前記指示位置(CP)の移動距離が大きいほど、前記作用付与部(G11)の幅を狭く設定(例えばS136の処理)し、前記作用付与手段(123)は、前記作用付与部(G11)の幅が狭いほど、前記作用付与部(G11)に重なった前記移動体(BL)に対する作用力を大きくする(例えばS148の処理)ことが好ましい。
ここで、前記「作用付与部の幅」とは、作用付与部における延設方向と直交する方向の長さである。作用付与部は、移動後の前記指示位置に関する情報と前記基準点に関する情報とに基づいて生成されるので、生成直後における作用付与部の幅とは、移動後の前記指示位置と前記基準点とを通る方向(延設方向)と直交する方向の長さである。
この構成では、作用付与部が生成される際に、指示位置の移動距離をユーザ自身が調整することにより、作用付与部の幅および作用付与部の作用力を変動させることができる。指示位置の移動距離が大きいほど、前記作用付与部の幅が狭く設定されるので、移動体を作用付与部で捉え難くなるというデメリットが生じる一方、作用付与部の幅が狭いほど、作用付与部に重なった移動体に対する作用力(例えば、野球ゲームの打撃の強度等)が大きくなるというメリットが生じる。従って、ユーザは前記のメリットおよびデメリットを比較考量して、作用付与部の幅を設定することが要求され、よりゲーム性が高まる。
7)上記の1)ないし6)の何れかの構成において、前記作用付与部(G11)の生成後に、前記指示位置(CP)の移動に伴って、前記基準点(RP)を中心として前記作用付与部(G11)を回転(例えばS120の処理)させる回転手段(124)をさらに備えることが好ましい。
この構成では、作用付与部の生成後において、ユーザが指示位置を移動させれば、基準点を中心として作用付与部を回転させることができる。例えば、指示位置と基準点とを結ぶ方向以外の方向に、当該指示位置を移動させることにより、移動後の指示位置と基準点とを結ぶ方向が作用付与部の延設方向となるように、基準点を中心として作用付与部が回転する。これにより、ユーザによる移動体の軌道の変化の予想または移動コースの予想が外れた場合でも、ユーザが作用付与部を回転させる操作を行うことにより、作用付与部に移動体を重ねることができるようになり、作用付与部を操作するアクションゲームとしてのゲーム性が高まる。
8)本発明の他の一態様によるゲーム制御装置(10、30、50)は、表示部(13)に対する接触操作により、ストライクゾーン(SZ)に向かって投球されたボールオブジェクト(BL)に作用付与部(G11)を重ねて打撃する野球ゲームを制御するゲーム制御装置(10、30、50)であって、前記表示部(13)における前記ストライクゾーン(SZ)内の任意の位置に指示体(F)が接触(例えばS100のYESの処理)した場合に、当該指示体(F)の接触位置に基準点(RP)を設定(例えばS102の処理)する基準点設定手段(121)と、前記基準点(RP)の設定後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)に接触した状態で移動することによって前記接触位置が移動(例えばS104のYESの処理)した後、移動後の前記接触位置と前記基準点(RP)とを通る直線の方向に延びる、前記接触位置の移動距離が大きいほど幅の狭い前記作用付与部(G11)を生成(例えばS106の処理)する作用付与部生成手段(122)と、前記作用付与部(G11)の生成後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)に接触した状態で移動することによる前記接触位置の移動に伴って、前記基準点(RP)を中心として前記作用付与部(G11)を回転(例えばS120の処理)させる回転手段(124)と、前記作用付与部(G11)の生成後に、前記指示体(F)が前記表示部(13)より離れたタイミングにおいて、前記ボールオブジェクト(BL)と前記作用付与部(G11)との重なりの状態を判断(例えばS140の処理)し、当該判断結果に基づいて、前記ボールオブジェクト(BL)の打撃の内容を決定(例えばS150の処理)する作用付与手段(123)と、を備え、前記作用付与手段(123)は、前記作用付与部(G11)の幅が狭いほど、前記ボールオブジェクト(BL)の打撃力を大きくする(例えばS148の処理)。
この構成のゲーム制御装置は、表示部に対する接触操作により、ストライクゾーンに向かって投球されたボールオブジェクト(単に、「ボール」と称する)に作用付与部を重ねて打撃する野球ゲームを制御する。この野球ゲームにおいて、ユーザが打撃操作を行う場合、先ず、ユーザが表示部におけるストライクゾーン内の任意の位置に、指等の指示体を接触させる。これにより、基準点設定手段は、ストライクゾーン内の指示体の接触位置に基準点を設定する。この基準点の設定後、ユーザは、指示体を表示部に接触させた状態で移動させることにより、接触位置を移動させる操作を行う。すると、作用付与部生成手段は、移動後の前記接触位置と前記基準点とを通る直線の方向に延びる細長い作用付与部を生成する。
前記作用付与部の生成後に、ユーザが接触位置を移動(すなわち、指示体を表示部に接触させた状態で移動)させた場合、回転手段は、接触位置の移動に伴って、前記基準点を中心として前記作用付与部を回転させる。これにより、ユーザは、接触位置を移動させる操作により、基準点を中心として前記作用付与部を回転させることができる。
このため、投球されたボールが変化球であっても、その変化の軌道に合わせるように細長い作用付与部を向けることで、従来のミートカーソルのようにボールとの重なりがピンポイントではないことから、比較的、打撃がし易くなる。本構成により、ボールの軌道が変化する変化球であっても、ボールを打撃する操作がし易い新規な打撃操作方法を提供することができる。
上記のように作用付与部は回転可能であるものの、その回転は基準点を中心としたものであるので、基準点を設定する位置が重要となる。ユーザは、投球コースを予想して、投球されたボールがストライクゾーンに到達すると予想した位置付近に指示体を接触させて基準点を設定する。投球コースの予想が的中すれば、作用付与部の回転操作等は不要になるので、より打撃が容易になる。
また、作用付与部の生成の際、ユーザは、ボールの軌道の変化(すなわち、球種)を予想して、ボールの軌道が変化する方向に作用付与部が生成されるように、接触位置を移動させることができる。例えば、ユーザが、フォークボール等の垂直方向に変化する変化球を予想した場合、ボールの軌道の変化に合わせるように、基準点の下方に接触位置を移動させればよい。これにより、垂直方向に延びる作用付与部が生成されるので、垂直方向に変化するボールを作用付与部で捉え易くなる。
但し、仮に、投球コースや球種の予想が外れた場合でも、前述のように基準点を中心として作用付与部を回転させることにより、ボールを打撃することが可能である。
ユーザは、投球されたボールと作用付与部とが重なるタイミングを見計らって、指示体を表示部(表示部における作用付与部)から離す(タッチオフする)ことにより、打撃が可能である。この指示体が表示部より離れたタイミングにおいて、作用付与手段は、ボールと作用付与部との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記ボールの打撃の内容を決定する。例えば、ボールと作用付与部との少なくとも一部が重なっている場合、ボールの中心部と作用付与部の中心部との間の距離が小さいほど、打球の速度や飛距離が大きくなるように打撃結果を決定する。一方、ボールと作用付与部とが重なっていない場合、空振りとする。
本構成により、作用付与部の生成(投球コースおよび球種の予想)からボールを打撃するまでを、ユーザの指等の指示体を表示部に接触させ、接触位置を移動させ、接触を解除するという、表示部に対する簡単な一連の操作で実現できる。
また、作用付与部が生成される際に、接触位置の移動距離をユーザ自身が調整することにより、作用付与部の幅および作用付与部による打撃力を変動させることができる。すなわち、接触位置の移動距離が大きいほど、作用付与部の幅が狭く設定されるので、ボールを作用付与部で捉え難くなるデメリットが生じる一方、作用付与部の幅が狭いほど、打撃力が大きくなるというメリットが生じる。ここで、「打撃力が大きくなる」とは、打撃後のボールの飛距離を伸ばす、長打になる確率を大きくする、あるいは守備側の捕球ミスの確率を大きくする等の、打撃力が大きくなった結果により生じるメリットを含む。従って、ユーザは前記のメリットおよびデメリットを比較考量して、作用付与部の幅を設定することが要求され、興趣性の高いゲームを実現できる。
9)本発明の他の一態様によるゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、前記サーバ(30)と通信可能な端末装置(50)と、を含み、表示部(13)内を移動する移動体(BL)に作用を与えるゲームを制御するゲームシステムであって、前記表示部(13)に基準点(RP)を設定する基準点設定手段(121)と、指示体(F)によって指示された前記表示部(13)内の指示位置(CP)が移動した後、移動後の前記指示位置(CP)に関する情報と前記基準点(RP)に関する情報とに基づいて作用付与部(G11)を生成する作用付与部生成手段(122)と、前記作用付与部(G11)の生成後に、前記指示体(F)による指示が解除されたタイミングにおいて、前記移動体(BL)と前記作用付与部(G11)との重なりの状態を判断し、当該判断結果に基づいて、前記移動体(BL)に与える作用の内容を決定する作用付与手段(123)と、の各手段を前記サーバ(30)又は前記端末装置(50)のいずれか一方が備える。
10)本発明の他の一態様によるプログラムは、コンピュータを請求項1ないし8の何れか1項に記載のゲーム制御装置(10、30、50)として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記ゲーム制御装置(10、30、50)が備えている各手段として機能させるためのプログラムである。