JP2016010285A - 送電機器及び非接触電力伝送装置 - Google Patents

送電機器及び非接触電力伝送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】異物の過度な発熱を抑制することができる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供すること。
【解決手段】送電機器11は、設置面に沿う方向を軸線方向Yとして1次側コア13に捲回された1次側コイル14と、1次側コア13及び1次側コイル14が収容されたケース30とを有する送電ユニット15を備えている。ケース30は、1次側コア13における軸線方向Yの端面である第1端面13aと対向する第1壁部30aと、1次側コア13の幅方向Xの端面である第2端面13bと対向する第2壁部30bとを備えている。第1壁部30aは、軸線方向Yにおいて異物が第1端面13aに対して第1距離L1以上近づくことを抑制し、第2壁部30bは、幅方向Xにおいて異物が第2端面13bに対して第2距離L2以上近づくことを抑制している。
【選択図】図3

Description

本発明は、送電機器及び非接触電力伝送装置に関する。
電源コードや送電ケーブルを用いない非接触電力伝送装置として、例えば、交流電力が入力される1次側コイルを有する送電機器と、1次側コイルから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイルを有する受電機器とを備えているものが知られている。例えば特許文献1の非接触電力伝送装置においては、1次側コイルと2次側コイルとが磁場共鳴することにより、送電機器から受電機器に非接触で交流電力が伝送される。また、例えば特許文献2には、2次側コイルが車両に搭載されており、1次側コイルは、その軸線方向が車両の進行方向と一致するように配置されていることが記載されている。
特開2009−106136号公報 特開2010−172084号公報
ここで、送電機器は、1次側コイルが収容されているものであって設置面に設置されるケースを備えている場合がある。この場合、1次側コイルは、例えばケース内において、設置面に沿う方向を軸線方向として配置される場合がある。かかる構成において、例えば1次側コイルの周辺に金属製の異物が存在すると、1次側コイルにて発生する磁束が上記異物を貫くことによって、異物が発熱する場合がある。異物が過度に発熱すると、ケースの変形などといった不都合が生じ得る。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は異物の過度な発熱を抑制することができる送電機器及び非接触電力伝送装置を提供することである。
上記目的を達成する送電機器は、コアに捲回され交流電力が入力される1次側コイルを備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに対して非接触で前記交流電力を送電可能なものであって、前記1次側コイルが収容されているものであって設置面に設置されるケースを備え、前記1次側コイルは、前記設置面に沿う方向を軸線方向として前記コアに捲回され、前記ケースは、前記軸線方向における前記コアの端面である第1端面と対向する第1壁部と、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記コアの端面である第2端面と対向する第2壁部と、を備え、前記第1壁部は、異物と当接することにより、前記軸線方向において異物が前記第1端面に対して第1距離以上近づくのを抑制し、前記第2壁部は、異物と当接することにより、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向において異物が前記第2端面に対して第2距離以上近づくのを抑制し、前記第1距離は前記第2距離よりも長く設定されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、比較的磁束密度の高い箇所である第1端面に対して異物が第1距離以上近づくことが抑制されている。当該第1距離は、異物が第2端面に対して近づくことが抑制される第2距離よりも長い。これにより、磁束密度が高い第1端面の近くに異物が配置されることによって生じ得る異物の過度な発熱を抑制することができる。
上記送電機器について、前記第1壁部は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向に延び、且つ、前記設置面から鉛直方向上方に向かうに従って前記コアの中心に近づくように傾斜し、前記第2壁部は、前記軸線方向に延び、且つ、前記設置面から鉛直方向上方に向かうに従って前記コアの中心に近づくように傾斜し、前記第1距離は、前記軸線方向における前記第1壁部の外面の下端と前記第1端面との距離であり、前記第2距離は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記第2壁部の外面の下端と前記第2端面との距離であるとよい。かかる構成によれば、設置面上に沿ってケースに近づいてくる異物は、第1壁部の外面の下端又は第2壁部の外面の下端に当接し、それ以上コアに近づくことが抑制される。また、第1壁部又は第2壁部に落下した異物は、各壁部の傾斜に沿って各壁部の外面の下端に誘導される。これにより、第1壁部に落下した異物は、第1端面に対して第1距離以上近づくことが抑制され、第2壁部に落下した異物は、第2端面に対して第2距離以上近づくことが抑制される。よって、設置面上に沿ってケースに近づいてくる異物や、第1壁部又は第2壁部に落下してくる異物を、各端面から好適に離すことができるとともに、ケースの小型化を図ることができる。
上記送電機器について、前記設置面に対する前記第1壁部の傾斜角度は、前記設置面に対する前記第2壁部の傾斜角度よりも小さく設定されているとよい。かかる構成によれば、ケースの上方から落下してくる異物が第1壁部に当たる確率を高めることができるとともに、ケースの更なる小型化を図ることができる。
ここで、ケースの上方から落下してくる異物を第1壁部又は第2壁部で受ける確率を高くする観点、及び、ケースの小型化の観点に着目すれば、各壁部の傾斜角度は小さい方が好ましい。しかしながら、傾斜角度が小さくなると、第1壁部が第1端面と当接したり、第2壁部が第2端面と当接したりする。
これに対して、上述した通り、軸線方向における第1端面と第1壁部の外面の下端との離間距離である第1距離は、設置面に沿い且つ軸線方向と直交する方向における第2端面と第2壁部の外面の下端との離間距離である第2距離よりも長い。このため、第1壁部の傾斜角度を第2壁部の傾斜角度よりも小さくしても、第1壁部と第1端面とが当接しにくい。これにより、第1壁部と第1端面との当接を回避しつつ、第1壁部の傾斜角度を、第2壁部の傾斜角度よりも小さくすることができる。
上記送電機器について、前記第1壁部及び前記第2壁部は、鉛直方向に起立し、前記第1距離は、前記軸線方向における前記第1壁部の外面と前記第1端面との最小距離であり、前記第2距離は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記第2壁部の外面と前記第2端面との最小距離であるとよい。かかる構成によれば、設置面上に沿ってケースに近づいてくる異物は、第1壁部の外面又は第2壁部の外面に当接し、それ以上コアに近づくことが抑制される。これにより、異物が第1端面から第1距離以上近づくことを抑制することができ、且つ、異物が第2端面から第2距離以上近づくことを抑制することができる。よって、上述した効果を奏する。
なお、本構成は、第1壁部が第1端面に対して平行な状態で鉛直方向に起立し、第2壁部が第2端面に対して平行な状態で鉛直方向に起立している態様を含む。この場合、「前記軸線方向における前記第1壁部の外面と前記第1端面との最小距離」とは、軸線方向における第1壁部の外面と第1端面との距離であり、当該距離は、設置面に沿い且つ軸線方向と直交する方向に応じて変動しない一定距離である。同様に、「前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記第2壁部の外面と前記第2端面との最小距離」とは、設置面に沿い且つ軸線方向と直交する方向における第2壁部の外面と第2端面との距離であり、当該距離は、軸線方向に応じて変動しない一定距離である。
上記目的を達成する非接触電力伝送装置は、上述した送電機器と、前記受電機器と、を備えていることを特徴とする。かかる構成によれば、非接触電力伝送装置において異物の過度な発熱を抑制することができる。
この発明によれば、異物の過度な発熱を抑制することができる。
送電機器及び非接触電力伝送装置の概要を模式的に示す斜視図。 送電機器及び非接触電力伝送装置の電気的構成を示すブロック図。 送電ユニットの平面図。 図3の4−4線端面図。 図3の5−5線断面図。 別例の送電ユニットの端面図。 別例の送電ユニットの断面図。 別例の送電ユニットの斜視図。 別例の送電ユニットの平面図。
以下、送電機器(送電装置)及び非接触電力伝送装置(非接触電力伝送システム)の一実施形態について説明する。なお、図4については、受電ユニット25の端面図も合わせて示し、図5については、受電ユニット25の断面図も合わせて示す。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、地上、詳細には車両100が設置される設置面Pに設けられた送電機器11(地上側設備)と、車両100に搭載された受電機器21(車両側機器)とを備えている。
送電機器11は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能な交流電源12を備えている。交流電源12は、設置面P、詳細には設置面Pにおいて車両100が駐車される駐車スペースSの周辺に配置されている。交流電源12は、インフラとしての系統電源から入力される系統電力を交流電力に変換し、その変換された交流電力を出力可能に構成されている。
交流電源12から出力された交流電力は、非接触で受電機器21に伝送され、受電機器21に設けられた蓄電部としての車両用バッテリ22の充電に用いられる。具体的には、図2に示すように、送電機器11は、1次側コア13に捲回された1次側コイル14を有する送電ユニット15(送電器)と、送電ユニット15及び交流電源12を接続するケーブル16とを備えている。図1に示すように、送電ユニット15は、設置面Pにおける駐車スペースS内に配置されている。交流電源12から出力される交流電力は、ケーブル16を介して、送電ユニット15(1次側コイル14)に入力される。
また、図2に示すように、受電機器21は、2次側コア23に捲回されているものであって1次側コイル14から非接触で交流電力を受電可能な2次側コイル24を有する受電ユニット25(受電器)を備えている。受電ユニット25は、車両100における設置面Pと対向する部位、詳細には車両100の底部に配置されている。
送電ユニット15及び受電ユニット25は磁場共鳴可能に構成されている。例えば、送電ユニット15は、1次側コイル14と、その1次側コイル14に対して直列又は並列に接続された1次側コンデンサ(図示略)とを含む共振回路を有している。受電ユニット25は、2次側コイル24と、その2次側コイル24に対して直列又は並列に接続された2次側コンデンサ(図示略)とを含む共振回路を有している。両者の共振周波数は同一に設定されている。
かかる構成によれば、送電ユニット15及び受電ユニット25が磁場共鳴可能な位置に配置されている状況において交流電力が送電ユニット15に入力された場合、送電ユニット15の共振回路と受電ユニット25の共振回路とが磁場共鳴する。これにより、受電ユニット25は、送電ユニット15から交流電力を受電する。
ちなみに、交流電源12から出力される交流電力の周波数は、送電ユニット15と受電ユニット25との間の電力伝送が可能となるよう、送電ユニット15の共振回路及び受電ユニット25の共振回路の共振周波数に対応させて設定されている。例えば、交流電力の周波数は、各共振回路の共振周波数と同一に設定されている。なお、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で、交流電力の周波数と、各共振回路の共振周波数とが、ずれていてもよい。
図2に示すように、受電ユニット25にて受電された交流電力は、受電機器21に設けられた整流器26によって整流されて、車両用バッテリ22に入力される。これにより、車両用バッテリ22が充電される。
次に、本実施形態の送電ユニット15について詳細に説明する。図3〜図5に示すように、送電ユニット15は、1次側コア13及び1次側コイル14が収容されているケース30を備えている。ケース30は、磁束の流れを阻害しないように非磁性体(例えば樹脂等)で形成されている。ケース30は設置面Pに設置されている。
ケース30に収容されている1次側コア13は、鉛直方向上方からみて長方形の板状であり、板厚方向と鉛直方向とが一致する態様でケース30内に配置されている。この場合、1次側コア13における板厚方向と直交する面である板面は、設置面Pに対して平行である。なお、鉛直方向とは、車両100の車高方向とも言えるし、設置面Pと直交する方向とも言える。
1次側コア13は例えばフェライトで形成されている。但し、これに限られず、1次側コア13の具体的な材料は、ダストコアやケイ素鋼板等、任意である。
1次側コイル14は、1次側コア13の長手方向を軸線方向として、1次側コア13に対して捲回されている。1次側コイル14の軸線方向は設置面Pに沿っている。
送電ユニット15と同様に、受電ユニット25の2次側コア23は鉛直方向上方から見て長方形の板状であり、板厚方向と鉛直方向とが一致する態様で配置されている。そして、2次側コイル24は、2次側コア23の長手方向を軸線方向として、2次側コア23に捲回されている。2次側コイル24の軸線方向は設置面Pに沿っている。
かかる構成によれば、図4の破線に示すように、各コイル14,24の軸線方向が一致している状態で、送電ユニット15と受電ユニット25とが鉛直方向に対向すると、磁束が流れる磁路Mが形成される。当該磁路Mが形成されることによって、1次側コイル14から2次側コイル24への電力伝送が行われる。
なお、説明の便宜上、以降の説明において、1次側コイル14の軸線方向を単に軸線方向Yといい、設置面Pに沿い且つ軸線方向Yと直交する方向を、単に幅方向Xという。本実施形態では、幅方向Xは1次側コア13の短手方向であり、軸線方向Yは1次側コア13の長手方向である。
ここで、上記のように磁路Mが形成される構成においては、1次側コア13の軸線方向Yの端面である第1端面13a(図4参照)における磁束密度が、1次側コア13の幅方向Xの端面である第2端面13b(図5参照)における磁束密度よりも高くなる。このため、仮に第1端面13a付近に金属製の異物が存在すると、当該異物が過度に発熱するおそれがある。
これに対して、本実施形態のケース30は、上記磁束密度の違いに対応させて形成されている。以下、ケース30の詳細な構成について説明する。
ケース30は、全体として四角錐台形状であり、設置面Pから鉛直方向上方に向かうに従って徐々に先細りとなっている。
ケース30は、四角錐台の側面を構成する4つの壁部を備えている。詳細には、ケース30は、第1端面13aと対向する第1壁部30aと、第2端面13bと対向する第2壁部30bとを備えている。互いに対向配置された2つの第1端面13aに対応させて、第1壁部30aは2つ存在しており、両第1壁部30aは互いに対向配置されている。同様に、互いに対向配置された2つの第2端面13bに対応させて、第2壁部30bは2つ存在し、両第2壁部30bは互いに対向配置されている。第1壁部30aは幅方向Xに延びており、第2壁部30bは軸線方向Yに延びている。
各壁部30a,30bは、設置面Pに対して傾斜している。詳細には、第1壁部30a及び第2壁部30bは、設置面Pから鉛直方向上方に向かうに従って1次側コア13の中心に近づくように傾斜している。換言すれば、互いに対向配置された両第1壁部30aは、設置面Pから鉛直方向上方に向かうに従って互いに近づくように傾斜し、互いに対向配置された両第2壁部30bは、設置面Pから鉛直方向上方に向かうに従って互いに近づくように傾斜している。
図4に示すように、軸線方向Yにおける第1壁部30a(厳密には第1壁部30aの外面30aa)の下端と第1端面13aとの距離を第1距離L1とする。本実施形態において、第1距離L1は、軸線方向Yにおける第1壁部30aの外面30aaと第1端面13aとの最大距離である。また、図5に示すように、幅方向Xにおける第2壁部30b(厳密には第2壁部30bの外面30ba)の下端と第2端面13bとの距離を第2距離L2とする。本実施形態において、第2距離L2は、幅方向Xにおける第2壁部30bの外面30baと第2端面13bとの最大距離である。そして、第1距離L1は第2距離L2よりも長く設定されている。
換言すれば、第2壁部30bは、第2端面13bに対して幅方向Xに第2距離L2(厳密には第2距離L2から第2壁部30bの厚さを差し引いた距離)だけ離れた位置から起立していると言える。同様に、第1壁部30aは、第1端面13aに対して軸線方向Yに第2距離L2よりも長い第1距離L1(厳密には第1距離L1から第1壁部30aの厚さを差し引いた距離)だけ離れた位置から起立していると言える。
図4及び図5に示すように、設置面Pに対する第1壁部30aの傾斜角度である第1傾斜角度θ1は、設置面Pに対する第2壁部30bの傾斜角度である第2傾斜角度θ2よりも小さく設定されている。詳細には、第1傾斜角度θ1は、第1壁部30aと第1端面13aとが当接しない範囲内で小さくなるように設定されており、第2傾斜角度θ2は、第2壁部30bと第2端面13bとが当接しない範囲内で小さくなるように設定されている。この場合、第1端面13aに対する第1壁部30aの起立位置が、第2端面13bに対する第2壁部30bの起立位置よりも離れていることに対応させて、第1傾斜角度θ1は第2傾斜角度θ2よりも小さくなっている。第1傾斜角度θ1が第2傾斜角度θ2よりも小さい関係上、図3に示すように、軸線方向Yにおける第1壁部30aの長さY1は、幅方向Xにおける第2壁部30bの長さX1よりも長くなっている。
なお、図3に示すように、ケース30、詳細には両第1壁部30aの一方には、ケーブル16が挿通可能な貫通孔31が形成されている。ケーブル16と1次側コイル14とは、貫通孔31を介して接続されている。
次に本実施形態の作用について説明する。
図4及び図5に示すように、仮に異物200が設置面P上に沿ってケース30に近づいてきた場合、異物200はケース30の下端、詳細には第1壁部30aの外面30aaの下端又は第2壁部30bの外面30baの下端に当接して、それ以上第1端面13a又は第2端面13bに近づくことが抑制される。
また、第1壁部30aは傾斜しているため、図4に示すように、仮に異物200が第1壁部30aに落下した場合、当該異物200は、第1壁部30aの傾斜に沿って滑り落ちて、設置面Pに配置される。第2壁部30bについても同様である。すなわち、壁部30a,30bに落下した異物200は、端面13a,13bから距離L1,L2以上離れた位置まで誘導される。
以上のことから、第1壁部30aによって、異物200が第1端面13aに対して第1距離L1以上近づくことが抑制されており、第2壁部30bによって、異物200が第2端面13bに対して第2距離L2以上近づくことが抑制されている。この場合、第1壁部30aは、異物200と当接することにより、軸線方向Yにおいて異物200が第1端面13aに対して第1距離L1以上近づくことを抑制していると言える。同様に、第2壁部30bは、異物200と当接することにより、幅方向Xにおいて異物200が第2端面13bに対して第2距離L2以上近づくことを抑制していると言える。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)送電機器11は、設置面Pに沿う方向を軸線方向Yとして1次側コア13に捲回された1次側コイル14と、1次側コア13及び1次側コイル14が収容されたケース30とを有する送電ユニット15を備えている。ケース30は、1次側コア13における軸線方向Yの端面である第1端面13aと対向するものであって軸線方向Yにおいて異物200が第1端面13aに対して第1距離L1以上近づくことを抑制する第1壁部30aを備えている。ケース30は、1次側コア13の幅方向Xの端面である第2端面13bと対向するものであって幅方向Xにおいて異物200が第2端面13bに対して第2距離L2以上近づくことを抑制する第2壁部30bを備えている。そして、第1距離L1は第2距離L2よりも長く設定されている。
かかる構成によれば、比較的磁束密度の高い箇所である第1端面13aに対して異物200が第1距離L1以上近づくことが抑制されている。当該第1距離L1は、異物200が第2端面13bに対して近づくことが抑制される第2距離L2よりも長い。これにより、磁束密度が高い第1端面13aの近くに異物200が配置されることによって生じ得る異物200の過度な発熱を抑制することができる。一方、第2距離L2は第1距離L1よりも短く設定されているため、ケース30の幅方向Xの寸法が短くなっている。これにより、ケース30の小型化を図ることができる。以上のことから、異物200の過度な発熱を抑制しつつ、ケース30の小型化を図ることができる。
(2)詳細には、第1壁部30aは、第1端面13aから軸線方向Yに第1距離L1(厳密には第1距離L1から第1壁部30aの厚さを差し引いた距離)だけ離れた位置から起立し、且つ、幅方向Xに延びている。第2壁部30bは、第2端面13bから幅方向Xに第2距離L2(厳密には第2距離L2から第2壁部30bの厚さを差し引いた距離)だけ離れた位置から起立し、且つ、軸線方向Yに延びている。かかる構成によれば、設置面P上に沿ってケース30に近づいてくる異物200は、第1壁部30aの外面30aaの下端又は第2壁部30bの外面30baの下端に当接し、それ以上1次側コア13に近づくことが抑制される。これにより、(1)の効果を奏する。
(3)第1壁部30a及び第2壁部30bは、設置面Pから鉛直方向上方に向かうに従って1次側コア13の中心に近づくように傾斜している。かかる構成によれば、壁部30a,30bに落下した異物200は、壁部30a,30bの傾斜に沿って壁部30a,30bの外面30aa,30baの下端に誘導される。これにより、壁部30a,30bに落下した異物200を端面13a,13bから離すことができる。また、壁部30a,30bが傾斜している分だけ、ケース30の小型化(容積削減)を図ることができる。
(4)設置面Pに対する第1壁部30aの傾斜角度である第1傾斜角度θ1は、設置面Pに対する第2壁部30bの傾斜角度である第2傾斜角度θ2よりも小さい。これにより、ケース30の更なる小型化を図ることができる。また、第1傾斜角度θ1が第2傾斜角度θ2よりも小さい分だけ、軸線方向Yにおける第1壁部30aの長さY1が、幅方向Xにおける第2壁部30bの長さX1よりも長くなる。これにより、ケース30の上方から落下してくる異物200が、ケース30の上壁部ではなく第1壁部30aに当たる確率が高くなるため、ケース30の上方から落下する異物200を、第1壁部30aの外面30aaの下端に誘導させ易くなっている。
ここで、上記効果の観点に着目すれば、各傾斜角度θ1,θ2は小さければ小さい方が好ましい。しかしながら、各傾斜角度θ1,θ2を小さくすると、壁部30a,30bと端面13a,13bとが当接する。この点、本実施形態によれば、軸線方向Yにおける第1壁部30a(厳密には第1壁部30aの外面30aa)の下端と第1端面13aとの離間距離である第1距離L1は、幅方向Xにおける第2壁部30b(厳密には第2壁部30bの外面30ba)の下端と第2端面13bとの離間距離である第2距離L2よりも長く設定されている。このため、第1傾斜角度θ1を第2傾斜角度θ2よりも小さくしても、第1壁部30aが第1端面13aに当接しにくい。よって、第1傾斜角度θ1を第2傾斜角度θ2よりも小さくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図6及び図7に示すように、送電ユニット15は、直方体形状のケース40を備えていてもよい。図6に示すように、ケース40における第1端面13aと対向する第1壁部40aは、第1端面13aと平行な状態で鉛直方向に起立している。図7に示すように、ケース40における第2端面13bと対向する第2壁部40bは、第2端面13bと平行な状態で鉛直方向に起立している。この場合、図6に示すように、第1距離L1は、軸線方向Yにおける第1壁部40a(厳密には第1壁部40aの外面40aa)と第1端面13aとの距離であり、図7に示すように、第2距離L2は、幅方向Xにおける第2壁部40b(厳密には第2壁部40bの外面40ba)と第2端面13bとの距離である。かかる構成であっても、(1)の効果を奏する。すなわち、第1壁部及び第2壁部は、設置面Pに対して傾斜していてもよいし、鉛直方向に起立していてもよい。
○ 第1壁部40aは、第1端面13aに対して軸線方向Yに第1距離L1だけ離れた位置よりも第1端面13aに近づいた位置に配置されてもよい。この場合、第1壁部40aは、その外面40aaから軸線方向Yに向けて突出し、且つ、幅方向Xに延びた突条を有しているとよい。当該突条の突出寸法は、突条の先端に当接する異物200が第1端面13aに対して第1距離L1だけ離れるように第1壁部40aの起立位置や厚さ等を考慮して設定されているとよい。これにより、第1壁部40aの上記突条が異物200と当接することにより、異物200が第1端面13aに対して第1距離L1以上近づくことを抑制できる。
また、第2壁部40bは、第2端面13bに対して幅方向Xに第2距離L2だけ離れた位置よりも第2端面13bに近づいた位置に配置されてもよい。この場合、第2壁部40bは、その外面40baから幅方向Xに突出し、且つ、軸線方向Yに延びた突条を有しているとよい。当該突条の突出寸法は、突条の先端に当接する異物200が第2端面13bに対して第2距離L2だけ離れるように第2壁部40bの起立位置や厚さ等を考慮して設定されているとよい。これにより、第2壁部40bの上記突条が異物200と当接することにより、異物200が第2端面13bに対して第2距離L2以上近づくことを抑制できる。つまり、壁部40a,40bが突条を有する構成においては、壁部40a,40bの起立位置は、端面13a,13bから距離L1,L2だけ離れた位置に限られない。なお、第1壁部40a及び第2壁部40bのうちいずれか一方が突条を有する構成でもよい。
○ 鉛直方向に起立している第1壁部は、第1端面13aと平行でなくてもよいし、鉛直方向に起立している第2壁部は第2端面13bと平行でなくてもよい。この場合、第1距離は、軸線方向Yにおける第1壁部の外面と第1端面13aとの最小距離であるとよく、第2距離は、幅方向Xにおける第2壁部の外面と第2端面13bとの最小距離であるとよい。
○ 図8及び図9に示すように、送電ユニット15は、底面と上面とが楕円の錐台である楕円錐台形状のケース50を備えていてもよい。この場合、ケース50は、楕円の長手方向が軸線方向Yと一致し、楕円の短手方向が幅方向Xと一致する態様で配置されるとよい。この場合、ケース50における第1端面13aと対向する部位が第1壁部50aであり、第2端面13bと対向する部位が第2壁部50bである。
かかる構成においては、図9に示すように、軸線方向Yにおける第1端面13aと第1壁部50a(厳密には第1壁部50aの外面50aa)の下端との最小距離L1minが、幅方向Xにおける第2端面13bと第2壁部50b(厳密には第2壁部50bの外面50ba)の下端との最小距離L2minよりも長く設定されているとよい。これにより、(1)の効果を奏する。
すなわち、軸線方向Yにおける第1端面13aと第1壁部の外面との距離が幅方向Xに応じて変動する場合には、当該距離の最小距離を第1距離として採用するとよい。一方、幅方向Xにおける第2端面13bと第2壁部の外面との距離が軸線方向Yに応じて変動する場合には、当該距離の最小距離を第2距離として採用するとよい。
○ 第1壁部は、第1端面13aから離れる方向に凸となった形状であってもよい。例えば第1壁部は、幅方向Xから見て「く」の字状に折れ曲がった形状であってもよい。この場合、第1距離L1は、第1壁部の外面の頂点(詳細には第1壁部の外面における傾斜が切り替わる変曲点)から第1端面13aまでの距離である。なお、第1壁部は、折れ曲がった形状に限られず、湾曲形状でもよい。
また、第1壁部は、第1端面13aに近づく方向に凸となった形状でもよい。この場合、第1距離L1は、軸線方向Yにおける第1壁部の外面の下端又は上端から第1端面13aまでの距離である。
すなわち、軸線方向Yおける第1壁部の外面と第1端面13aとの距離が鉛直方向に応じて変動する場合には、上記距離の最大距離を第1距離L1とする。第2壁部及び第2距離L2についても同様である。
○ ケース30の表面全体を、当該ケース30を構成する基材よりも滑り易い(換言すれば摩擦係数が小さい)コーティング材料でコーティングしてもよい。これにより、より好適に、ケース30の上方から落下してくる異物200を設置面Pに誘導することができる。なお、コーティング箇所は、ケース30の表面全体に限られず、例えば第1壁部30aの外面30aa及び第2壁部30bの外面30baの少なくとも一方のみであってもよい。
○ 各コア13,23の形状は、板状に限られず任意であり、例えば円柱状でもよい。
○ 実施形態では、2つの第1壁部30aの双方が傾斜していたが、いずれか一方のみでもよい。同様に、2つの第2壁部30bの双方が傾斜していたが、いずれか一方のみでもよい。
○ 第1傾斜角度θ1と第2傾斜角度θ2とは同一であってもよい。
○ 1次側コイル14は、1次側コア13の短手方向を軸線方向Yとして捲回されていてもよい。2次側コイル24についても同様である。
○ 1次側コンデンサは、ケース30内に収容されていてもよいし、ケース30外にあってもよい。
○ 送電ユニット15の共振回路の共振周波数と、受電ユニット25の共振回路の共振周波数とは、電力伝送が可能な範囲内で異なっていてもよい。
○ 交流電源12を省略してもよい。この場合、ケーブル16は、系統電源と送電ユニット15とを接続する。
○ 1次側コンデンサ及び2次側コンデンサを省略してもよい。この場合、各コイル14,24の寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 受電機器21の搭載対象は任意であり、例えばロボットや電動車いす等でもよい。
○ 実施形態では、非接触の電力伝送を実現させるために磁場共鳴を用いたが、これに限られず、電磁誘導を用いてもよい。
○ 実施形態では、受電ユニット25によって受電された交流電力は車両用バッテリ22の充電に用いられたが、これに限られず、別の用途に用いられてもよい。
○ 送電ユニット15は、1次側コイル14及び1次側コンデンサを含む共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する1次側結合コイルとを有してもよい。同様に、受電ユニット25は、2次側コイル24及び2次側コンデンサを含む共振回路と、その共振回路と電磁誘導で結合する2次側結合コイルとを有してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記受電機器は車両に搭載されており、前記2次側コイルを有する受電ユニットは、前記車両の底部に配置されている請求項5に記載の非接触電力伝送装置。
(ロ)前記第1壁部は、その外面が異物と当接することにより、前記軸線方向において異物が前記第1端面に対して前記第1距離以上近づくのを抑制し、前記第2壁部は、その外面が異物と当接することにより、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向において異物が前記第2端面に対して前記第2距離以上近づくのを抑制する請求項1に記載の送電機器。
なお、本構成において、仮に、軸線方向における第1壁部の外面と第1端面との距離が、設置面に沿い且つ軸線方向と直交する方向に応じて変動する場合には、第1距離は上記距離の最小値である。同様に、仮に、設置面に沿い且つ軸線方向と直交する方向における第2端面と第2壁部の外面との距離が軸線方向に応じて変動する場合には、第2距離は上記距離の最小値である。
(ハ)前記第1壁部は、その外面から前記軸線方向に突出するものであって前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向に延びた突条を有し、該突条が異物と当接することにより、前記軸線方向において異物が前記第1端面に対して前記第1距離以上近づくのを抑制する請求項1に記載の送電機器。
(ニ)前記第2壁部は、その外面から前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向に突出するものであって前記軸線方向に延びた突条を有し、該突条が異物と当接することにより、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向において異物が前記第2端面に対して前記第2距離以上近づくのを抑制する請求項1又は(ハ)に記載の送電機器。
10…非接触電力伝送装置、11…送電機器、12…交流電源、13…1次側コア、13a…第1端面、13b…第2端面、14…1次側コイル、15…送電ユニット、21…受電機器、23…2次側コア、24…2次側コイル、25…受電ユニット、30,40,50…ケース、30a,40a,50a…第1壁部、30aa,40aa,50aa…第1壁部の外面、30b,40b,50b…第2壁部、30ba,40ba,50ba…第2壁部の外面、100…車両、200…異物、P…設置面、L1…第1距離、L2…第2距離、θ1,θ2…傾斜角度。

Claims (5)

  1. コアに捲回され交流電力が入力される1次側コイルを備え、2次側コイルを有する受電機器の前記2次側コイルに対して非接触で前記交流電力を送電可能な送電機器において、
    前記1次側コイルが収容されているものであって設置面に設置されるケースを備え、
    前記1次側コイルは、前記設置面に沿う方向を軸線方向として前記コアに捲回され、
    前記ケースは、
    前記軸線方向における前記コアの端面である第1端面と対向する第1壁部と、
    前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記コアの端面である第2端面と対向する第2壁部と、
    を備え、
    前記第1壁部は、異物と当接することにより、前記軸線方向において異物が前記第1端面に対して第1距離以上近づくのを抑制し、
    前記第2壁部は、異物と当接することにより、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向において異物が前記第2端面に対して第2距離以上近づくのを抑制し、
    前記第1距離は前記第2距離よりも長く設定されていることを特徴とする送電機器。
  2. 前記第1壁部は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向に延び、且つ、前記設置面から鉛直方向上方に向かうに従って前記コアの中心に近づくように傾斜し、
    前記第2壁部は、前記軸線方向に延び、且つ、前記設置面から鉛直方向上方に向かうに従って前記コアの中心に近づくように傾斜し、
    前記第1距離は、前記軸線方向における前記第1壁部の外面の下端と前記第1端面との距離であり、
    前記第2距離は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記第2壁部の外面の下端と前記第2端面との距離である請求項1に記載の送電機器。
  3. 前記設置面に対する前記第1壁部の傾斜角度は、前記設置面に対する前記第2壁部の傾斜角度よりも小さく設定されている請求項2に記載の送電機器。
  4. 前記第1壁部及び前記第2壁部は、鉛直方向に起立し、
    前記第1距離は、前記軸線方向における前記第1壁部の外面と前記第1端面との最小距離であり、
    前記第2距離は、前記設置面に沿い且つ前記軸線方向と直交する方向における前記第2壁部の外面と前記第2端面との最小距離である請求項1に記載の送電機器。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項の送電機器と、
    前記受電機器と、
    を備えていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113178953A (zh) * 2020-01-24 2021-07-27 Tdk株式会社 送电线圈单元、受电线圈单元以及无线电力传输系统

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