(画像形成装置の全体構成)
図1に示される如く、本実施の形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像及び白黒画像を選択的に形成するものであり、第1筐体10Aと、第1筐体10Aに接続された第2筐体10Bと、を備えている。第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から供給される画像データに対して画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが設けられている。
なお、第1特別色および第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)が例示される。また、以下の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号としての数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明する。また、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16K(総称する場合「画像形成ユニット16」という)が、各トナーカートリッジ14に対応するように設けられている。
画像形成ユニット16毎に設けられた露光装置40V、40W、40Y、40M、40C、40K(総称する場合、「露光装置40」という)は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取る。そして、この画像データに応じて変調した光ビームLを後述の像保持体18V、18W、18Y、18M、18C、18K(総称する場合「像保持体18」という)へ照射するように構成されている。
各画像形成ユニット16では、各露光装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電するコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器と、露光装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤の一例であるトナーで現像する現像装置と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去するブレードと、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置とが設けられている。なお、スコロトロン帯電器、現像装置、ブレード、および除電装置は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
また、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36K(総称する場合、「一次転写ロール36」という)とを含んで構成されている。
中間転写ベルト34は、モータ(図示省略)で駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられている。そして、駆動ロール38により、一方向(図1における反時計回り方向)に循環移動されるようになっている。
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
転写部32の下方には、用紙等の媒体の一例としての記録媒体Pが収容される記録媒体収容部48が複数設けられている。記録媒体収容部48の各々は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図1における正面視右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、制御手段(図示省略)の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図1における正面視左側に折り返す。そして、さらに、第2折返部60Bで図1における正面視右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される別の記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
転写位置Tの下流側には、トナー像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送する搬送ベルト80が第2筐体10Bに設けられている。
複数の搬送ベルト70および搬送ベルト80のそれぞれは環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70(搬送ベルト80)を一方向(図1における時計回り方向)に循環移動させる。
搬送ベルト80の下流側には、記録媒体Pの表面に転写されたトナー像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着ユニット82が設けられている。
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー像を定着させる定着部Nが形成されている。
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89および従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、
従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
駆動ロール89および従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
図1に示されるように、定着ユニット82の下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを下流側へ搬送する搬送ベルト108が設けられている。
搬送ベルト108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図1における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図1における下側)に配置されている。
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させる、たとえばアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図1に示す紙面奥側)に配置されている。
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する画像読取装置(内蔵イメージセンサ200)が設けられている。なお、内蔵イメージセンサ200については、詳細を後述する。
また、前記トナー濃度欠陥は、以下の要因が考えられる。
(要因1) 画像形成装置10が設置された空間(部屋)の温度や湿度の変化によるトナー濃度の変化(環境変化及び機差)
(要因2) 部品の経時劣化によるトナー濃度の変化
(要因3) 部品の機差によるトナー濃度の機差
(要因4) 色変換誤差
内蔵イメージセンサ200の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
一方、両面に画像を形成させる場合は、内蔵イメージセンサ200から送出された記録媒体Pは、内蔵イメージセンサ200の下流側に設けられた反転経路194に搬送されるようになっている。
反転経路194には、搬送経路60から分岐する分岐パス194Aと、分岐パス194Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス194Bと、用紙搬送パス194Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス194Cとが設けられている。
この構成により、反転パス194Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
(内蔵イメージセンサ200)
本実施の形態に係る画像形成装置10は、内蔵イメージセンサ200を備えている。内蔵イメージセンサ200は、画像形成ユニット16によって記録媒体Pに形成された画像に異常があるか否かを検出するため等に用いられるものである。
この場合の内蔵イメージセンサ200は、画像形成ユニット16の階調再現性や色再現性の計測手段としての機能を有する。また、当該計測手段としての機能を正常に維持するために、定期または不定期に内蔵イメージセンサ200の校正(キャリブレーション)が実行される場合がある。
以下の説明では、画像形成装置10の長さ方向(記録媒体Pの搬送方向である副走査方向)をX方向、装置の高さ方向をY方向、装置の奥行き方向(主走査方向)をZ方向ということとする(図1及び図2参照)。
図2に示されるように、画像読取装置の一例である内蔵イメージセンサ200は、画像が記録された記録媒体Pに向けて光を照射する照明部202と、照明部202から照射されて記録媒体Pで反射された光を読取部の一例としてのCCDセンサ204に結像する結像光学系206を備えた結像部208と、内蔵イメージセンサ200の使用時やキャリブレーション時の各種基準等が設けられた設定部210とを備えている。
なお、本実施の形態に係るCCDセンサ204は、各々主走査方向に対応する方向に沿って配置された複数の受光素子(たとえばフォトダイオード)を含んで構成された、赤用イメージセンサ、緑用イメージセンサおよび青用イメージセンサを備える。各色用イメージセンサは、受光素子の受光面に各色成分の光を透過させるフィルタを設けている。各色用イメージセンサは、受光素子が受光した光の各色成分の光量に応じて蓄積した電荷を信号として外部に出力する。
照明部202は、記録媒体Pの搬送経路60の上側に配置されており、Z方向(主走査方向)に長手とされた一対の第1ランプ212Aおよび第2ランプ212B(以下、総称する場合は、「ランプ212」という場合がある)を有する。
ランプ212としては、たとえば蛍光ランプ、キセノンランプや、主走査方向に沿って配列された複数の白色LED等が用いられるが、本実施の形態では、複数の白色LED(図示省略)を用いている。また、本実施の形態では、白色LEDを1列あるいは複数列搭載したLED基板(図示省略)を主走査方向に複数並べて、ランプ212が構成されている。むろん、複数の白色LEDを搭載する基板は単一の基板であってもよい。
さらに、ランプ212の照射範囲の長さは搬送される最大の記録媒体Pの幅よりも大とされている。ランプ212は、記録媒体Pにて反射されて結像部208に向かう光軸OA(設計上の光軸)に対し対称に配置されている。より具体的には、ランプ212は、記録媒体Pへの照射角がそれぞれ、たとえば45°以上50°以下となるように光軸OAに対し対称に配置されている。
詳細には、一対のランプ212は、記録媒体Pの搬送経路60に沿って並べられ、記録媒体Pの搬送方向の上流側に配置された第1ランプ212Aと、第1ランプ212Aに対して記録媒体Pの搬送方向の下流側に配置された第2ランプ212Bと、を備えている。
そして、第1ランプ212Aおよび第2ランプ212Bから照射される光が、第1ランプ212Aと第2ランプ212Bとの間の搬送経路60上の透明なウィンドウガラス286の照射位置Dに照射されるように構成されている。ウィンドウガラス286において、ランプ212から光が照射される照射領域は、設定部210上で記録媒体Pの画像形成領域が通過する領域に重なる領域であって、搬送経路60上の記録媒体Pに形成された画像がCCDセンサ204によって読み取られる領域として予め定められた領域(画像読取領域)を含んで構成されている。
また、結像光学系206は、光軸OAに沿って導かれた光をX方向(本実施の形態では記録媒体Pの搬送方向下流側)に反射する第1ミラー214と、第1ミラー214が反射した光を上向きに反射する第2ミラー216と、第2ミラー216が反射した光を記録媒体Pの搬送方向上流側に反射する第3ミラー218と、第3ミラー218が反射した光をCCDセンサ204に集光(結像)するレンズ220と、を主要部として構成されている。CCDセンサ204は、光軸OAに対し記録媒体Pの搬送方向上流側に配置されている。
第1ミラー214のZ方向の長さは、最大の記録媒体Pの幅よりも大とされている。そして、第1ミラー214、第2ミラー216、第3ミラー218は、結像光学系206に入射された記録媒体Pの反射光をそれぞれZ方向(主走査方向)に絞りながら(集光しつつ)反射するようになっている。これにより、略円柱状のレンズ220に対し記録媒体Pの幅方向各部からの反射光を入射させる構成である。
内蔵イメージセンサ200は、CCDセンサ204が、結像された光すなわち画像濃度に応じた信号を、画像形成装置10の制御装置20(図1、図4参照)に出力(フィードバック)するように構成されている。なお、画像形成装置10の制御装置20とは別に、内蔵イメージセンサ200を制御する制御装置を別に設けてもよい。「別に設ける」とは、構造的に基板が別々であることに加え、基板が共通で制御する部品が分離されていること、を含む。
制御装置20は、内蔵イメージセンサ200から入力された信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正する処理を実施する。画像を補正する処理の一例としては、画像形成装置10の階調調整LUT(ルックアップテーブル)の修正が挙げられる。
なお、補正の他の例としては、内蔵イメージセンサ200から入力された信号に基づく露光装置40による照射光の強度、画像の形成位置などの補正、現像電位や転写電流値の補正がある。
また、結像光学系206における第3ミラー218とレンズ220との間には、光量絞り部224(224L、224S、224U))が設けられている。光量絞り部224は、光路をZ方向に横切ってCCDセンサ204に結像する光の光量をY方向(主走査方向との交差方向)に絞ると共に、外部から操作することで光量絞り量を調整自在に構成されている。光量絞り部224による光量絞り量は、経時によりランプ212の発光量が変化してもCCDセンサ204に結像される光量が予め定めた量以上となるように調整されるようになっている。
また、内蔵イメージセンサ200は、後述する基準ロール226を回転させるためのモータである基準ロール回転モータ22(図4参照)を制御する回路基板262が設けられた制御回路100を備えている。
設定部210は、Z方向に長手の基準ロール226を備えている。基準ロール226は周方向に予め定められた数の面が形成された多角形筒状に形成されるが、図3に示すように、本実施の形態に係る基準ロール226では、10面を有する多角形筒状とされている。
図2及び図3に示される如く、基準ロール226は、記録媒体Pの画像検出を行う際に搬送経路60側に向けられる検出基準面228(基本色は黒色)と、内蔵イメージセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合に搬送経路側に向けられる退避面230と、を備えている。
また、基準ロール226は、後述する色域補正処理等で用いる各色の基準面(白色基準面232、黄色基準面234、シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)と、複数の検査パターンが形成された複合検査面236と、を備えている。なお、以下で各色の基準面を区別しない場合には、単に「色基準面」という場合がある。
基準ロール226は、回転軸226Aの周りに回転することで、搬送経路60側に向けるべき面を切り替える構成とされている。この基準ロール226の面の切り替えは、回路基板262に設けられた制御回路100によって行われる。
また、基準ロール226は、十角形筒状に形成されることで、各面の周方向中央と面間の角部との回転中心に対する距離差が小さく抑えられている。これにより、基準ロール226の各面とランプ212の照射位置(ウィンドウガラス286)との距離を小さく抑えながら、基準ロール226の面間の角部が照明部202と干渉しない構成とされている。
検出基準面228は、周方向の幅が他の面よりも小とされており、搬送される記録媒体Pの被検出(被読み取り)面をランプ212による照射位置に位置決めする位置基準面とされている。基準ロール226の周方向の面を12面以上とし、検出基準面228の周方向両側の面を上記した各基準としての機能を有しない案内面とする場合もある。
退避面230は、周方向の幅が他の面よりも大とされている。この退避面230は、内蔵イメージセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合に、記録媒体Pを案内する案内面であり、検出基準面228よりも回転軸226Aの軸心からの距離が小とされている。これにより、内蔵イメージセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行わない場合には、内蔵イメージセンサ200による記録媒体Pの画像検出を行う場合よりも、照明部202(ウィンドウガラス286)との間隔が広い搬送経路が形成されるようになっている。
複合検査面236は、基準ロール226の回転方向(記録媒体Pの搬送方向)の位置を補正するための位置調整パターンと、フォーカス検出パターンと、深度検出パターンとが同一面に配置されて形成されている。
白色基準面232は、ランプ212あるいはCCDセンサ204に起因する主走査方向の明度むらの補正、つまり、いわゆるシェーディング補正を行うための基準面であり、たとえば白色フィルムが貼着されて構成されている。ランプ212からの照射光が白色基準面232に照射されると、白色基準面232で反射された反射光が読取信号として結像光学系206を介しCCDセンサ204に入力される構成となっている。
本実施の形態における上記白色基準面232も含めた各色基準面(白色基準面232、黄色基準面234、シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)は、ランプ212あるいはCCDセンサ204に起因する主走査方向の色相・彩度むらを補正するための基準面(色見本)として用いられる。各色基準面は、たとえば各色のフィルムが貼着されて構成されている。ランプ212からの照射光が各色基準面に照射されると、各色基準面で反射された反射光が読取信号として結像光学系206を介しCCDセンサ204に入力される構成となっている。
図4は、本実施の形態に係る画像形成装置10における制御系を示すブロック図である。
制御装置20は、上述したように、内蔵イメージセンサ200からの信号に基づいて、画像形成ユニット16において形成される画像を補正する機能を備えている。また、制御装置20は、内蔵イメージセンサ200のキャリブレーション(たとえば、上述のCCDセンサ204のキャリブレーション等)を制御する機能も備えている。
より具体的には、制御装置20は図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、NVM(Non Volatile Memory)20F、および入出力ポート20Dを備えている。そして、それぞれがアドレスバス、データバス、および制御バス等のバス20Eを介して互いに接続されている。
ROM20Bには各種プログラムが記憶されており、CPU20Aが当該プログラムをROM20Bから読み込み、RAM20Cに展開して実行することにより、各種制御が行われるようになっている。
NVM20Fは、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。
入出力ポート20Dには、ユーザ・インタフェース(UI)パネル30、調光回路370、制御回路100、および読取信号処理部350が接続されている。
UIパネル30は、一例として、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成されている。そして、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザがタッチパネルに触れることにより情報や指示が受け付けられる。なお、本実施の形態では、UIパネル30を適用した形態例を挙げて説明しているが、これに限らず、液晶ディスプレイなどの表示部とテンキーや操作ボタンなどが設けられた操作部とが別々に設けられた形態としてもよい。
調光回路370は、後述する各色基準面の調光読み取りの実行に際し、ランプ212を構成する白色LEDに流す電流を制御してランプ212の明るさを連続的に変える回路である。なお、本実施の形態において「調光読み取り」とは、白色LEDに流す電流を予め定められた段階で変えてランプ212を調光し、各段階の調光状態において各色基準面からの反射光をCCDセンサ204で読み取ることをいう。
また、制御回路100は、上述したように、基準ロール226の各面(検出基準面228、退避面230、複合検査面236、各色基準面)の切り替えを制御する。具体的には、制御装置20の指示に基づいて制御回路100に接続された基準ロール回転モータ22の駆動を制御する。
一方、読取信号処理部350は、制御装置20の指示に従って、少なくとも読取信号処理部350に接続された内蔵イメージセンサ200の各種キャリブレーション、色域補正処理を行う。
内蔵イメージセンサ200のキャリブレーションとしては、例えば、CCDセンサ204の出力上下限値の補正を行うオフセットおよびゲイン補正が挙げられる。
また、白色基準面232を読み取った画像データのプロファイルを基に当該画像データの主走査方向の明度分布を補正するシェーディング補正が挙げられる。
さらに、各色基準面を読み取った画像データのプロファイルを基に行う当該画像データに対する主走査方向の色相・彩度むら補正等が挙げられる。
本実施の形態に係る読取信号処理部350を構成する上記各部は、入出力ポート20Dを介して入力されるCPU20Aからの制御信号(図示省略)によって制御される。
ところで、内蔵イメージセンサ200では、補正(キャリブレーション)の一態様として、記録媒体Pに形成された画像を読み取った読取値等に基づく画像データに対し、色味の補正、すなわち、明度に加えて色相・彩度の補正が行われる場合がある。
これは、同じ画像を読み取った読取値であっても、照明部202あるいはCCDセンサ204等の機差や経時変化等により内蔵イメージセンサ200ごとに色相・彩度の差が生ずるからである。
つまり、たとえばCCDセンサ204のフィルタの製造偏差に起因する感度の違い、あるいはフィルタの経時変化に伴う感度の変化等によって、内蔵イメージセンサ200ごとに画像データとしての当該読取値に機差や経時的な変化が生ずることがあるからである。
上記補正の一方法として、印画紙等に形成された色特性が既知の各成分色の階調パッチ画像を含むテストチャートを用いる方法がある。当該テストチャートを内蔵イメージセンサ200等で読み取ることにより測色し、測色して取得した画像データを、テストチャートに対応する目標となる基準画像データへ変換するための色変換係数を算出する方法である。
内蔵イメージセンサ200は、CCDセンサ204による読み取りを実行する際、読み取られた画像データ等に対し、算出された色変換係数で補正を施した画像データを出力する。しかしながら、この方法では、補正のつど複数色についてのテストチャートを用いなければならないという煩わしさがある。また、色差を厳密に管理する必要のあるテストチャート自体が高価であるし、さらにテストチャートの色差が経時的に変化(たとえば、
変色)する場合もある。
そこで、本実施の形態に係る画像形成装置10では、キャリブレーション処理の一態様として、各色基準面を用いて明度・色相・彩度(つまり色域)の補正を行っている。この場合、CCDセンサ204の感度調整や読取値を直接補正している。
なお、ランプ212からの照射光を調光しつつ各色基準面に照射し、その反射光をCCDセンサ204で読み取った読取値(以下、この読取値を「調光読取値」という場合がある)を取得し、当該調光読取値に基づいて、画像形成装置10等で形成された画像を内蔵イメージセンサ200で読み取る場合の、当該内蔵イメージセンサ200毎の色域の機差等を補正するようにしてもよい。
ここで問題となるのが、各色基準面に付着する塵埃である。この塵埃の存在によって適正な補正が妨げられることになるため、事前に塵埃の付着の有無を確認する必要がある。
一方、前述した光軸OA(図3参照)に沿った光路上には、ウィンドウガラス286が設けられており、このウィンドウガラス286に塵埃が付着することがある。
塵埃の付着の有無、付着した塵埃の位置に関して、例えば、白色基準面232に黒ゴミが付着している場合は、CCDセンサ204による検出信号に、塵埃の有無によって顕著な差が現れるため、当該黒ゴミの検出は容易である。
また、塵埃の検出をウィンドウガラス286に限定するのであれば、前記白色基準面232と、検出基準面228を併用することで、白ゴミ、黒ゴミの判別は可能である。この場合、(ランプ212を点灯することが好ましい。ランプ212を消灯したとき、光がなく真っ暗になると、読取値が0となるからである。
しかしながら、本実施の形態に適用される基準ロールには、無彩色の色基準面(白色基準面232,検出基準面228(黒色)に加え、有彩色の色基準面(黄色基準面234、シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)を備えており、特に、有彩色の色基準面に対する、塵埃の付着の有無、並びに、場所の判別について確立されていない。言い換えれば、有彩色の色基準面に塵埃が付着した場合、顕著な濃度差がでない場合があり、塵埃の付着の有無、並びに、場所の判別が、無彩色の基準面に比べて困難となっている。
そこで、本実施の形態では、各基準面における塵埃(白ゴミ、黒ゴミ)の付着の有無の判別、並びに、存在する塵埃が基準面なのか、ウィンドウガラス286なのかの判別を実行可能なアルゴリズムを確立した。
図5は、本実施の形態の制御装置20で実行される、塵埃特定制御に特化した機能ブロックである。なお、図5は、制御装置20の主としてCPU20Aにおいて実行される機能の内、塵埃特定制御に特化して機能別にブロック化したものであり、制御装置20のハード構成を限定するものではない。また、塵埃特定制御専用の制御装置(例えば、ASIC)を具備するようにしてもよい。
図5に示される如く、塵埃特定制御に係る制御装置20は、情報収集部250と解析処理部252とを備える。
UIパネル30は、情報収集部250の受付部254に接続されており、受付部254がUIパネル30の操作により塵埃特定制御の実行指示を受けると、基準面選択部256を起動する。
基準面選択部256は、駆動パルス信号出力部258及び処理状況監視部260に接続されている。基準面選択部256は、起動すると予め定めた順番で基準面を選択する。選択の順番に特に決まりはないが、基準ロール226の周方向の配置順序に沿うのが効率的であり、一例として、白色基準面232→緑色基準面233→黄色基準面234→青色基準面235→シアン色基準面237→検出基準面228(黒色)→マゼンタ色基準面239→赤色基準面231、或いはその逆方向順にすればよい。この場合、次の工程(画像読取工程)に適用される検出基準面228(黒色)の選択順序の最後としてもよい。
なお、無彩色の色基準面→有彩色の色基準面の順番、或いは、有彩色の色基準面→無彩色の色基準面の順番であってもよい。
基準面選択部256で選択した基準面選択情報は、駆動パルス信号出力部258及び処理状況監視部260へ送出される。
駆動パルス信号出力部258では、制御回路100に対して、基準ロール回転モータ22を回転させるための駆動パルス信号を出力する。これにより、制御回路100では、基準ロール回転モータ22を駆動し、選択された基準面をOA光軸上に配置(ウィンドウガラス286に対峙)させる。
制御回路100では、当該基準ロール回転モータ22の駆動状況を認識しており、選択された基準面が位置決めされる位置決め完了信号を位置決め確認部261へ出力する。なお、位置決め確認部261は、基準ロール回転モータ22の周囲に、各基準面が光軸OA上に位置決めされたことを検出する回転位置センサを配置し、当該回転位置センサからの信号を受け付けるようにしてもよい。
位置決め確認部261は、前記処理状況監視部260及び選択基準面読取指示部264に接続されている。位置決め確認部261は、処理状況監視部260に対して、特定の基準面の位置決め完了情報を出力すると共に、選択基準面読取指示部264に対して、CCDセンサ204による読み取り実行の開始を指示する。
読み取り実行の開始指示を受けた選択基準面読取指示部264は、読取信号処理部350を制御して、CCDセンサ204により、位置決めされた基準面の画像を読み取る。
読取信号処理部350では、CCDセンサ204によって読み取った基準面の画像情報を読取画像情報収集部268へ送出する。
また、読取信号処理部350では、読み取り処理の終了毎に当該終了情報を選択基準面読取指示部264へフィードバックしている。選択基準面読取指示部264では、読取信号処理部350に対して、予め定めた回数(N回)だけ読取実行を指示する。なお、本実施の形態では、1つの基準面に対する読取回数Nを5回としている。
また、この画像読取は、RGBの各色成分毎に実行される。詳細は後述するが、塵埃判別には、塵埃の種類(白ゴミ又は黒ゴミ)に応じて、基準面の色に対して、補色の関係となる色成分を用いる(白ゴミ)、或いは補色の関係とならない色成分を用いる(黒ゴミ)ようにしている。
白ゴミ、黒ゴミとは、相対的に反射率の違いを示しており、白ゴミは相対的に高反射率、黒ゴミは相対的に低反射率を意味する。例えば、グレー(中間階調)を境界として、当該グレーよりも反射率が低い領域を黒ゴミ、前記グレーよりも反射率が高い領域を白ゴミとしてもよい。グレーは何れに属してもよい。
選択基準面読取指示部264では、読取信号処理部350に対して、N回の読み取り指示が終了した時点で、読取画像情報収集部268に対して、演算指示を出力する。
読取画像情報収集部268では、当該演算指示を受けたとき、N回分(本実施の形態では、5回分)の読取画像情報を収集しており、当該N回分の読取画像情報の強度(濃度値)を単純に加算して、当該加算データを差分データ演算部270へ送出するようになっている。また、読取画像情報収集部268では、1回の加算演算(各基準面毎の加算演算)が終了する毎に前記処理状況監視部260へ終了信号を送出する。
処理状況監視部260では、前記基準面選択部256から基準面選択情報を受け、前記位置決め確認部261から位置決め終了情報を受け、前記読取画像情報収集部268から演算終了情報を受けることで、各基準面に対する画像読取工程を監視し、次の基準面に対する画像読取工程時期を把握して、次基準面選択指示を基準面選択部256へ送出するようになっている。
差分データ演算部270では、加算演算したデータを、隣接する情報(画素)に対する差分データに変換し、標準化データ演算部272へ送出する。
標準化データ演算部272では、差分データから、各色成分(赤(r)、緑(g)、青(b))毎の標準化データを演算し、データ格納部274に格納する。これにより、データ格納部274には、各基準面毎の標準化データが格納される。例えば、検出基準面228(黒色)の標準化データとして、Kr、Kg、Kbが演算され、白色基準面232の標準化データとして、Wr、Wg、Wbが演算される。有彩色基準面も同様である。
色成分毎に標準化データを得て、塵埃の付着が最も顕著に表現される色成分を選択する。例えば、黄色基準面234における白ゴミは、黄色基準面234の色(黄色)と補色の関係にある青色成分(b成分)が塵埃の付着が最も顕著に表現される。
一方、黄色基準面234における黒ゴミは、黄色基準面234の色(黄色)と補色の関係にない赤色成分(r成分)が塵埃の付着が最も顕著に表現される。
なお、黄色基準面234に関して、補色の関係にない色成分として緑色成分(G成分)を用いてもよい。
データ格納部274では、全てのデータ、すなわち、無彩色の色基準面(白色基準面232,検出基準面228(黒色)に加え、有彩色の色基準面(黄色基準面234、シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)のデータが揃うと、データが揃ったことを示す信号(格納完了信号)を処理状況監視部260へ送出する。
処理状況監視部260では、格納完了信号を受けると、データ読出部276に対して、データ格納部274から各基準面の標準化データの読み出しを指示する(読出指示)。
データ読出部276では、読出指示を受けると、データ格納部274から各基準面の標準化データを読み出し、当該各基準面の標準化データを解析処理部252の解析部278ヘ送出する。
解析部278では、例えば、複数の色基準面間での標準化データの照合を行う。照合とは、塵埃と想定する出力の有無、複数の基準での位置の一致性の判断を含む。
解析部278は、解析結果判定部280に接続され、解析結果に基づく判定、すなわち、塵埃の有無、種類、位置を判定する。
例えば、図11に示す図表は、黄色基準面234と検出基準面228(黒色)との照合、並びに、黄色基準面234と白色基準面232との照合の結果と、その判定の結果とを一覧にしたものである(詳細後述)。
解析結果判定部280は、報知情報出力部282に接続されている。報知情報出力部282は、解析結果判定部280を受けて、ユーザに報知するべきメッセージを選択し、UIパネル30の表示面に当該メッセージを表示する。
例えば、『ウィンドウガラスの座標(x,y)を中心に面積sの白ゴミが付着しています。』や、『白色基準面の座標(x,y)を中心に面積sの黒ゴミが付着しています。』といったメッセージを表示する。座標は、数値でもよいし、「対角線上」とか「左上角部」といった曖昧な表現であってもよい。また、面積は、数値でもよいし、画素数であってもよい。
以下に、本実施の形態の作用を説明する。
まず、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各露光装置40に送られる。
各露光装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像が形成される。
図1に示されるように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの像保持体18に形成された各色のトナー像は、6つの一次転写ロール36V、
36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
記録媒体P上の各色のトナー像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
湾曲が矯正された記録媒体Pは、内蔵イメージセンサ200によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、内蔵イメージセンサ200を通過後に、記録媒体Pが反転経路194で反転される。そして、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー像が形成される。
なお、本実施の形態に係る画像形成装置10では、第1特別色および第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、露光装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着自在に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色および第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色および第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
次に、内蔵イメージセンサ200では、記録媒体Pに定着されたトナー像のトナー濃度欠陥(前述の要因1〜要因4参照)、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する。
トナー濃度欠陥は、環境変化及び機差、部品の経時劣化、部品の機差(要因1〜要因3)に対して、トナー像を内蔵イメージセンサ200により読み取って、画像形成部へフィードバックして補正する。
また、トナー濃度欠陥は、色変換誤差(要因4)に対して、例えば、画像形成時に受付た画像データ(RGB)を、中間的にL*a*b*色空間等に変換して、トナー像であるcmykに変換しており、この色変換処理の際に、再現しきれば色が存在する場合がある。そこで、トナー像を内蔵イメージセンサ200により読み取って、画像形成部へフィードバックして、適正な色変換となるように補正する。
また、画像欠陥は、周囲の画像データによって補間するためのフィードバック補正を実行し、画像位置欠陥においては、画像位置を変更するためのフィードバック補正を実行する。
ところで、内蔵イメージセンサ200によるフィードバック補正は、CCDセンサ204により、色味(明度、色相、彩度)が適正に読み取られることが前提である。
しかし、CCDセンサ204のフィルタの製造偏差に起因する感度の違い、あるいはフィルタの経時変化に伴う感度の変化等によって、内蔵イメージセンサ200ごとに画像データとしての当該読取値に機差や経時的な変化が生ずることがある。
そこで、内蔵イメージセンサ200では、キャリブレーション処理の一態様として、各色基準面を用いて明度・色相・彩度(つまり色域)の補正を行っている。この場合、CCDセンサ204の感度調整や読取値を直接補正している。
なお、ランプ212からの照射光を調光しつつ各色基準面に照射し、その反射光をCCDセンサ204で読み取った読取値(以下、この読取値を「調光読取値」という場合がある)を取得し、当該調光読取値に基づいて、画像形成装置10等で形成された画像を内蔵イメージセンサ200で読み取る場合の、当該内蔵イメージセンサ200毎の色域の機差等を補正するようにしてもよい。
(塵埃の検出)
内蔵イメージセンサ200のキャリブレーション処理の際、各色基準面及び/又はウィンドウガラス286に付着する塵埃の付着の有無を確認する必要がある。
本実施の形態では、各基準面における塵埃(白ゴミ、黒ゴミ)の付着の有無の判別、並びに、存在する塵埃が基準面なのか、ウィンドウガラス286なのかの判別を実行可能なアルゴリズムを確立した。
図6は、制御装置20で実行される、塵埃特定制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップ400では、基準面を選択する。選択する順序に特に定めはないが、効率的には、回転方向順序が好ましい。すなわち、一例として、白色基準面232→緑色基準面233→黄色基準面234→青色基準面235→シアン色基準面237→検出基準面228(黒色)→マゼンタ色基準面239→赤色基準面231、或いはその逆方向順で選択する。
ステップ400で基準面が選択すると、次のステップ402では、選択された基準面をウィンドウガラス286に対峙させるべく、基準ロール回転モータ22を駆動し、位置決めを実行する。
次のステップ404では、位置決めが完了したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ406へ移行して画像読取の開始を指示して、ステップ408へ移行する。
ステップ408では、内蔵イメージセンサ200のCCDセンサ204により画像読取処理を実行し、1回の読取処理毎に、ステップ410へ移行する。
ステップ410では、読取回数がN回(本実施の形態では、5回)に達したか否かが判断され、否定判定された場合はステップ406へ戻り、上記工程(読取処理)を繰り返す。また、ステップ410で肯定判定されると、N回の読取処理が終了したと判断し、ステップ412へ移行する。
ステップ412では、N回分の読取情報(RGB色成分別)を加算して加算データを取得し、次いでステップ414へ移行して、加算データに基づき差分データを取得するための演算を実行する。
次のステップ416では、差分データに基づき標準化データを取得するための演算を実行して、ステップ418へ移行する。
ステップ418では、標準化データを格納し、ステップ420へ移行する。ステップ420では、全基準面の標準化データの格納が終了したか否かが判断され、否定判定された場合は、標準化データが格納されていない基準面が存在すると判断し、ステップ400へ戻り、上記工程を繰り返す。
また、ステップ420で肯定判定された場合は、全ての基準面の標準化データの格納が終了したと判断し、塵埃検出のための処理の起点であるステップ422へ移行する。
ステップ422では、検出する塵埃の種類(白ゴミ、黒ゴミ)を選択し、次いでステップ424へ移行して、解析対象の有彩色基準面を選択し、ステップ426へ移行する。
ステップ426では、選択された有彩色基準面における特定の色成分の標準化データを読み出し、ステップ428へ移行する。
ステップ428では、選択された塵埃の種類を検出する無彩色基準面(白色又は黒色)における前記特定の色成分と同一の色成分の標準化データを読み出し、ステップ430へ移行する。
ステップ430では、標準化データの照合が実行され、次いでステップ432において、標準化データの照合結果により塵埃を検出したか否かが判断される。
このステップ432で肯定判定されると、ステップ434へ移行して、検出した塵埃の場所(基準面上又はウィンドウガラス面上)の判別を行い、次いでステップ436へ移行して塵埃情報を報知(例えば、メッセージ表示)して、ステップ438へ移行する。ステップ438では、付着した塵埃に基づく校正処理を実行し、ステップ440へ移行する。
ユーザに報知するべきメッセージは、UIパネル30の表示面に表示され、例えば、『ウィンドウガラスの座標(x,y)を中心に面積sの白ゴミが付着しています。』や、『白色基準面の座標(x,y)を中心に面積sの黒ゴミが付着しています。』といったメッセージが表示される。座標に限らず、「対角線上」とか「左上角部」といった曖昧な表現であってもよい。
また、前記ステップ432で否定判定された場合は、塵埃は検出されなかったと判断され、ステップ440へ移行する。
ステップ440では、処理を継続するか否かが判断される。ステップ440で肯定判定された場合は、ステップ432へ戻り、上記工程を繰り返す。
ここの処理の継続とは、同一の基準面におけるゴミの種類の変更、異なる基準面への変更の双方が含まれる。例えば、最初に黄色基準面234が選択されて、白ゴミ検出処理の実行が終了した場合の処理の継続は、同じ黄色基準面234における黒ゴミ検出処理である。
また、黄色基準面234が選択されて、白ゴミ検出処理及び黒ゴミ検出処理の実行が終了した場合の処理の継続は、次の色の基準面(例えば、青色基準面235)の白ゴミ検出処理又は黒ゴミ検出処理である。
一方、ステップ440で否定判定された場合は、全ての処理が終了したと判断し、このルーチンは終了する。
以下、黄色基準面234を例にとり、図6のフローチャートによる塵埃特定制御における、準化データの照合及び塵埃検出から報知までの制御(主としてステップ426〜ステップ438)に対して、より具体的、かつ詳細な手順について説明する。
(実施例1)
「黄色基準面234と検出基準面228(黒色)とによる白ゴミ検出」
図7は、黄色基準面234と、検出基準面228(黒色)とによる白ゴミ検出、並びに校正実行制御ルーチンを示すフローチャートである。
図7のステップ450Wでは、黄色基準面234の青色成分の標準化データYbを読み出し、次いでステップ452Wへ移行して検出基準面228(黒色)の青色成分の標準化データKbを読み出し、ステップ454Wへ移行する。
ステップ454Wでは、標準化データYbの解析の結果、「塵埃有り」の判定か否かが判断される。
このステップ454Wで肯定判定された場合はステップ456Wへ移行し、否定判定された場合はステップ458Wへ移行し、それぞれのステップ456W、458Wにおいて、標準化データKbの解析の結果、「塵埃有り」の判定か否かが判断される。
ここで、ステップ454Wで肯定判定、かつステップ456Wで肯定判定されると、ステップ460Wへ移行して、標準化データYbと標準化データKbで塵埃の位置が一致しているか否かが判断される。
上記ステップ454W、456W、458W、並びにステップ460Wの判断の結果、以下の判定結果1〜4(ステップ462W、464W、466W、468W)と正常判定の5種類に区分される。
(判定結果1) 標準化データYbで塵埃を検出せず、標準化データKbで塵埃を検出したため、検出基準面228(黒色)に白ゴミが付着していると判定する(ステップ454W→ステップ458W→ステップ462W)。
(判定結果2) 標準化データYb及び標準化データKbの双方で塵埃を検出し、かつこの双方の塵埃の位置が一致しているため、ウィンドウガラス286面に白ゴミが付着していると判定する(ステップ454W→ステップ456W→ステップ460W→ステップ464W)。
(判定結果3) 標準化データYb及び標準化データKbの双方で塵埃を検出するが、この双方の塵埃の位置が一致していないため、黄色基準面234及び検出基準面228(黒色)の双方に白ゴミが付着していると判定する(ステップ454W→ステップ456W→ステップ460W→ステップ466W)。
(判定結果4) 標準化データYbで塵埃を検出し、標準化データKbで塵埃を検出しないため、黄色基準面234に白ゴミが付着していると判定する(ステップ454W→ステップ456W→ステップ468W)。
なお、標準化データYb及び標準化データKbの双方で塵埃を検出しない場合は、当然、正常判定(塵埃無し)となる(ステップ454W→ステップ458W→ステップ480W)。
判定(ステップ462W、464W、466W、468W)が終了すると、それぞれステップ470Wへ移行する。また、正常判定の場合、ステップ458Wからステップ480Wへ移行する。
ステップ470Wでは、塵埃(白ゴミ)の付着画像位置、大きさを演算し、次いで、ステップ472Wへ移行して、校正処理可能か否かが判断される。例えば、塵埃が校正に影響を与えない、或いは、予め定めた影響度合い以下であると判断された場合は、校正処理可能と判断され、ステップ474Wへ移行する。
また、ステップ472Wで否定判定、すなわち、校正処理不可と判断されると、ステップ476Wへ移行して、判定に関する情報と塵埃除去を促すメッセージを表示して、このルーチンは終了する。
ステップ474Wでは、画像形成手段の画像形成条件の補正量を算出する目的で意匠され、画像形成手段から印刷されるテストチャートと塵埃との重なり具合を表示し、次いでステップ478Wへ移行して、校正処理可否の指示を待つ。
このステップ478Wで校正処理可能の指示があると、ステップ480Wへ移行して、校正処理を実行し、このルーチンは終了する。また、前記ステップ478Wで校正処理不可の指示があると、校正処理は実行されず、このルーチンは終了する。
(判定結果の検証)
図8は、黄色基準面234に白ゴミが付着しているときの標準化データ特性図である。図8(A)は黄色基準面234のB成分の読取信号から標準化データYbが生成されるまでの流れ、図8(B)は検出基準面228(黒色)のB成分の読取信号から標準化データYbが生成されるまでの流れを示している。
図8(A)の上段の特性図は、黄色基準面234における5回分の読取データを加算した結果であり、画素番号50前後にノイズAが顕著に現れているのがわかる。
図8(A)の中段の特性図は、差分データであり、前記ノイズAは、隣接する画素の読取信号に対して特筆する程度に出力差があることがわかる。
図8(A)の下段の特性図は、差分データから得た標準化データであり、ノイズAが塵埃によるものと判断される。
次に、図8(B)の上段の特性図は、検出基準面228(黒色)における5回分の読取データを加算した結果であり、画素番号50前後を含み、顕著なノイズは発生していないのがわかる。
図8(B)の中段の特性図は、差分データであり、隣接する画素の読取信号に対して特筆する程度に出力差はないことがわかる。
図8(B)の下段の特性図は、差分データから得た標準化データであり、塵埃は存在しないと判断される。
この図8(A)と図8(B)の結果から、黄色基準面234に白ゴミ付着と判定される(図7の判定結果4)。
次に、図9は、ウィンドウガラス286に白ゴミが付着しているときの標準化データ特性図である。図9(A)は黄色基準面234のB成分の読取信号から標準化データYbが生成されるまでの流れ、図9(B)は検出基準面228(黒色)のB成分の読取信号から標準化データYbが生成されるまでの流れを示している。
図9(A)の上段の特性図は、黄色基準面234における5回分の読取データを加算した結果であり、画素番号50前後にノイズBが顕著に現れているのがわかる。
図9(A)の中段の特性図は、差分データであり、前記ノイズBは、隣接する画素の読取信号に対して特筆する程度に出力差があることがわかる。
図9(A)の下段の特性図は、差分データから得た標準化データであり、ノイズBが塵埃によるものと判断される。
次に、図9(B)の上段の特性図は、検出基準面228(黒色)における5回分の読取データを加算した結果であり、画素番号50前後にノイズB’が顕著に現れているのがわかる。
図9(A)の中段の特性図は、差分データであり、前記ノイズB’は、隣接する画素の読取信号に対して特筆する程度に出力差があることがわかる。
図9(A)の下段の特性図は、差分データから得た標準化データであり、ノイズB’が塵埃によるものと判断される。
この図9(A)と図9(B)の結果から、同じ位置(画素番号50前後)にノイズB、ノイズB’があることで、黄色基準面234と検出基準面228(黒色)の双方に白ゴミ付着とは考えにくく、ノイズBとノイズB’とは同一の塵埃に起因すると推測する方が妥当である。結果として、ウィンドウガラス286(すなわち、光路上)に白ゴミ付着と判定される(図7の判定結果2)。
(実施例2)
「黄色基準面234と白色基準面232とによる黒ゴミ検出」
図10は、黄色基準面234と、白色基準面232とによる黒ゴミ検出、並びに校正処理実行制御ルーチンを示すフローチャートである。
図10のステップ450Kでは、黄色基準面234の赤色成分の標準化データYrを読み出し、次いでステップ452Kへ移行して白色基準面232の赤色成分の標準化データWrを読み出し、ステップ454Kへ移行する。
ステップ454Kでは、標準化データYrの解析の結果、「塵埃有り」の判定か否かが判断される。
このステップ454Kで肯定判定された場合はステップ456Kへ移行し、否定判定された場合はステップ458Kへ移行し、それぞれのステップ456K、458Kにおいて、標準化データWrの解析の結果、「塵埃有り」の判定か否かが判断される。
ここで、ステップ454Kで肯定判定、かつステップ456Kで肯定判定されると、ステップ460Kへ移行して、標準化データYrと標準化データWrで塵埃の位置が一致しているか否かが判断される。
上記ステップ454K、456K、458K、並びにステップ460Kの判断の結果、以下の判定結果1〜4(ステップ462K、464K、466K、468K)と正常判定の5種類に区分される。
(判定結果1) 標準化データYrで塵埃を検出せず、標準化データWrで塵埃を検出したため、白色基準面232に黒ゴミが付着していると判定する(ステップ454K→ステップ458K→ステップ462K)。
(判定結果2) 標準化データYr及び標準化データWrの双方で塵埃を検出し、かつこの双方の塵埃の位置が一致しているため、ウィンドウガラス286面に黒ゴミが付着していると判定する(ステップ454K→ステップ456K→ステップ460K→ステップ464K)。
(判定結果3) 標準化データYr及び標準化データWrの双方で塵埃を検出するが、この双方の塵埃の位置が一致していないため、黄色基準面234及び白色基準面232の双方に黒ゴミが付着していると判定する(ステップ454K→ステップ456K→ステップ460K→ステップ466K)。
(判定結果4) 標準化データYrで塵埃を検出し、標準化データWrで塵埃を検出しないため、黄色基準面234に黒ゴミが付着していると判定する(ステップ454K→ステップ456K→ステップ468K)。
なお、標準化データYr及び標準化データWrの双方で塵埃を検出しない場合は、当然、正常判定(塵埃無し)となる(ステップ454K→ステップ458K→ステップ480K)。
判定(ステップ462K、464K、466K、468K)が終了すると、それぞれステップ470Kへ移行する。また、正常判定の場合、ステップ458Kからステップ480Kへ移行する。
ステップ470Kでは、塵埃(黒ゴミ)の付着画像位置、大きさを演算し、次いで、ステップ472Kへ移行して校正処理可能か否かが判断される。例えば、塵埃が校正に影響を与えない、或いは、予め定めた影響度合い以下であると判断された場合は、校正処理可能と判断され、ステップ474Kへ移行する。
また、ステップ472Kで否定判定、すなわち、校正処理不可と判断されると、ステップ476へ移行して、判定に関する情報と塵埃除去を促すメッセージを表示して、このルーチンは終了する。
ステップ474Kでは、テストチャートと塵埃との重なり具合を表示し、次いでステップ478Kへ移行して、校正処理可否の指示を待つ。
このステップ478Kで校正処理可能の指示があると、ステップ480Kへ移行して、校正処理を実行し、このルーチンは終了する。また、前記ステップ478Kで校正処理不可の指示があると、校正処理は実行されず、このルーチンは終了する。
図11は、標準化データYb、Kb、並びに標準化データYr、Wrの解析に基づく、図7の判定結果1〜4、並びに図10の判定結果1〜4との対応を示す図表であり、本実施の形態によれば、有彩色の基準面に付着した塵埃の有無を確実に判別可能である。
(実施例3)
「各色基準面と黒ゴミ検出に最適な色成分、白ゴミ検出に最適な色成分」
表1は、本実施の形態で適用される各色の基準面(黄色基準面234、シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)における塵埃(黒ゴミ、白ゴミ)の有無や位置を判別するために適用される色成分を一覧としたものである。
いずれの色基準面においても、黒ゴミ判別の場合は補色の関係となる色成分が選択され、白ゴミ判別の場合は補色の関係とならない色成分が選択される。
この実験例3で示す色成分選択一覧表を用いることで、前記実験例1及び実験例2で示した黄色基準面234以外の色基準面(シアン色基準面237、マゼンタ色基準面239、赤色基準面231、緑色基準面233、および青色基準面235)においても、確実に白ゴミ、黒ゴミに分類される塵埃の有無、及び塵埃が存在する場合の位置を判別可能である。
なお、上記実施の形態においては、無彩色の色基準面として白色基準面を用いた形態を例示して説明したが、これに限られない。例えば、黒色基準面、グレー色基準面等を用いた形態としてもよい。また、有彩色の色基準面として、黄色基準面、マゼンタ色基準面、シアン色基準面、赤色基準面、緑色基準面、青色基準面を用いた形態を例示して説明したが、これに限られない。要求される色域補正の精度等を勘案して、一つまたは複数の他の色基準面を追加した形態としてもよい。