JP2016009147A - 投写型表示装置 - Google Patents

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慎一郎 近久
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Abstract

【課題】投写画像の外周に現れる迷光をより軽減できる投写型表示装置を提供する。【解決手段】光源と、光源が発する光から生成した前記照明光を前記デジタルマイクロミラーデバイスへ導く照明光学系と、画像光を投写型表示装置の外へ導く投写レンズと、照明光または画像光の光路上に配置され、照明光または画像光の光束の外周の少なくとも一部を覆う形状であり、照明光または画像光に含まれる特定の波長光を遮断し、該特定の波長光を除く他の波長光を透過させるマスク部と、を有し、デジタルマイクロミラーデバイスは、画像光の形成に有効な領域である有効領域の外周に照射された、照明光の反射を抑制するための遮光体を備え、遮光体が特定の波長光を反射する構成である。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成素子としてDMD(Digital Micro-mirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス)を用いるDLP(Digital Light Processing)方式の投写型表示装置に関する。
DLP方式の投写型表示装置では、光源から発せられた光(照明光)が照明光学系によって画像形成素子であるDMDまで導かれる。照明光学系は、一般的に、光源から発せられた光の輝度分布を均一にするインテグレータと、インテグレータから出射された光(照明光)をDMD面まで導く、レンズやミラー等から成るリレー光学系とを備えている。また、照明光学系には、必要に応じて光源とインテグレータとの間にカラーホイール等の色分離手段が配置される。
DMDは、照射された照明光を画像信号に基づいて光変調することで、該画像信号で示される画像光を形成する。DMDで形成された画像光は投写レンズを通してスクリーン上に拡大投写される。本明細書では、上記光源、照明光学系、DMD、投写レンズを含む、画像光をスクリーン上に投写するための機構を「光学エンジン部」と称す。
上述したDLP方式の投写型表示装置では、DMD面における画像光の形成に有効な領域である有効領域と、DMD面に対する照明光の照射領域(照明領域)とを正確に一致させる必要がある。これは、有効領域と照明領域とが一致しないと、有効領域の一部(端部)に照明光が照射されずに、画像信号で示される画像の一部が表示されない表示不良が生じるからである。
しかしながら、実際の照明光学系では、該照明光学系を構成する上記インテグレータ、レンズ、ミラー等の取り付け誤差等により、有効領域と照明領域とにズレが生じてしまう。そこで、多くのDLP方式の投写型表示装置では、上記表示不良を防止するため、DMDの有効領域よりも照明領域が広くなるように照明光学系が設計されている。
但し、DMDの有効領域よりも照明領域が広い構成では、有効領域の外周で反射した照明光が投写レンズを通してスクリーンへ到達し、投写画像の外周に迷光として現れる、別な課題が発生する。
このような投写画像の外周に現れる迷光を軽減するための技術は、例えば特許文献1(特開2007−316208号公報)で提案されている。特許文献1には、照明光の光路上において、DMDの直前に板金等から成る遮光板を配置し、該遮光板によりDMD面に照射する照明光を整形する構成が記載されている。
なお、上述したDMDの有効領域と照明領域とを一致させるための技術は、例えば特許文献2(特開2008−003215号公報)で提案されている。特許文献2には、インテグレータの出射面側に照明光を整形する遮光板を配置し、該遮光板をネジ及びコイルバネを用いて枠状ホルダ内で保持すると共に、該ネジにより遮光板の位置を微調整可能にした構成が記載されている。
特開2007−316208号公報 特開2008−003215号公報
上述した特許文献1に記載された技術では、DMDの直前に照明光を整形するための遮光板を配置することで、有効領域よりも広い照明領域を有効領域の形状や大きさに近づけることができる。そのため、有効領域の外周で反射する照明光が低減し、投写画像の外周に現れる迷光も軽減される。
しかしながら、特許文献1に記載された技術でも、遮光板の取り付け誤差等を考慮して有効領域よりも照明領域を僅かに広く設定する必要がある。そのため、特許文献1に記載された技術では、上記投写画像の外周に現れる迷光を十分に軽減できているとは言えない。
一方、特許文献2に記載された技術は、遮光板の位置を微調整することでDMDの有効領域と照明領域とを一致させることができる。しかしながら、そのような構成は、遮光板の位置を微調整可能にする複雑な機構が必要であり、調整のための作業工程も必要になる。そのため、投写型表示装置のコストが上昇してしまう課題がある。また、特許文献2は、上述したように有効領域と照明領域とを一致させるための構成を提案したものであり、上記投写画像の外周に現れる迷光を軽減するための手法を何も示していない。
本発明は上述したような背景技術の問題を解決するためになされたものであり、投写画像の外周に現れる迷光をより軽減できる投写型表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の投写型表示装置は、照射された照明光を画像信号に基づいて光変調した画像光を形成するデジタルマイクロミラーデバイスを、画像形成素子として備える投写型表示装置であって、
光源と、
前記光源が発する光から生成した前記照明光を前記デジタルマイクロミラーデバイスへ導く照明光学系と、
前記画像光を前記投写型表示装置の外へ導く投写レンズと、
前記照明光または前記画像光の光路上に配置され、前記照明光または前記画像光の光束の外周の少なくとも一部を覆う形状であり、前記照明光または前記画像光に含まれる特定の波長光を遮断し、該特定の波長光を除く他の波長光を透過させるマスク部と、
を有し、
前記デジタルマイクロミラーデバイスは、
前記画像光の形成に有効な領域である有効領域の外周に照射された、前記照明光の反射を抑制するための遮光体を備え、
前記遮光体が前記特定の波長光を反射する構成である。
本発明によれば、投写画像の外周に現れる迷光をより軽減できる。
本発明の投写型表示装置の一構成例を示す模式図である。 画像表示部の外周に遮光体を備えたDMDの一構成例を示す平面図である。 スクリーン上に投写される画像及び迷光の様子を示す模式図である。
次に本発明について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の投写型表示装置の一構成例を示す模式図である。図1は、画像形成素子として上記DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)を有する、DLP方式の投写型表示装置が備える光学エンジン部の一構成例を示している。
図1に示すように、光学エンジン部は、光源部1、照明光学系2、DMD3及び投写レンズ4を備える。
光源部1には、ランプ、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)等の半導体装置、蛍光体、あるいはそれらを組み合わせた、所要輝度の光を発する発光装置が用いられる。
照明光学系2は、インテグレータ21及びリレー光学系22を備える。光源部1とインテグレータ21との間には、光源部1から出射された光を、赤色光、青色光及び緑色光等に分離する、カラーホイール等の不図示の色分離手段を備えていてもよい。
インテグレータ21は、光源から発せられた光の輝度分布を均一にして照明光を形成する。インテグレータ21には、例えば一端から入射された光をその内部の反射面で複数回反射させながら他端まで伝搬することで輝度分布を均一にする、中空柱状のライトトンネルまたは中実柱状のロッドインテグレータが用いられる。インテグレータ21には、マトリクス状に配置された複数のレンズから成るレンズアレイにより光束を分割・重畳することで輝度分布を均一にするアレイ型インテグレータを用いてもよい。
リレー光学系22は、第1のレンズ101、第2のレンズ102、第3のレンズ103、第1の反射ミラー104、第2の反射ミラー105及びTIR(Total Internal Reflection)プリズム106を備える。
第1の反射ミラー104及び第2の反射ミラー105は、インテグレータ21から出射された照明光の光路を折り返して照明光学系2全体を小型化する目的で配置された平面ミラーである。そのため、第1の反射ミラー104及び第2の反射ミラー105が無くても、照明光学系2の光学特性はほとんど変化しない。
第1のレンズ101、第2のレンズ102及び第3のレンズ103は、インテグレータ21から出射された照明光を集光・拡散してDMD3面の照明領域で結像する。
TIRプリズム106は、第2の反射ミラー105で反射された照明光または第3のレンズ103から出射された照明光をDMD3面の照明領域へ導くと共に、DMD3で形成された画像光を投写レンズ4へ導く。
DMD3は、有効領域に照射された照明光を、不図示の信号処理装置から供給される画像信号に基づいて光変調することで、該画像信号で示される画像光を形成する。
投写レンズ4は、TIRプリズム106を通して入射される、DMD3で形成された画像光を投写型表示装置の外へ導く。また、投写レンズ4は、DMD3面の像を不図示のスクリーン上に拡大投写する。
このような構成において、次に本発明の投写型表示装置の特徴について説明する。
近年のDMD3には、有効領域31よりも広い範囲に照明光が照射されることを考慮して、有効領域31の外周に、照明光の反射を抑制するための遮光体32を備えた構成がある(図2参照)。このような遮光体32を備えたDMD3を画像形成素子として用いれば、有効領域31の外周における照明光の反射が抑制されて、投写画像の外周に現れる迷光が軽減される。
しかしながら、現状のDMD3が備える遮光体32は、照明光の反射を完全に抑制できるものではなく、該照明光に含まれる特定の波長光、具体的には赤色光を反射してしまうことがある。その場合、図3で示すようにスクリーン上に投写された投写画像33の外周に赤色の迷光34が発生する。
照明光学系2で形成される照明領域は、各レンズの色収差によって色光毎にサイズが異なり、波長が最も短い青色光の照明領域が最も小さく、緑色光、赤色光の順に大きくなる傾向がある。そのため、照明領域をDMD3の有効領域31よりも広くする場合、青色光の照明領域が有効領域31よりも広くなるように照明光学系2が設計される。したがって、DMD3に設けられた遮光体32が赤色光を反射すると、投写画像の外周に現れる迷光34の範囲もより広がってしまう。
そこで、本発明では、画像形成素子として上記遮光体32を備えるDMD3を用いると共に、該遮光体32で反射する特定の波長光(赤色光)による迷光34を抑制するためのマスク部110を照明光の光路上に設ける。マスク部110には、上記特定の波長光(赤色光)を遮断し、該特定の波長光を除いたその他の波長光(緑色光、青色光等)を透過させるフィルタを用いる。なお、マスク部110が上記特定の波長光(赤色光)を反射すると、新たな迷光の発生要因となるため、マスク部110には該赤色光を吸収するフィルタを用いることが望ましい。マスク部110は、例えば所要の波長光を吸収する光吸収物質を基体(ガラス等)中に分散させた、透過波長が制御可能な周知のカラーフィルタ等で実現すればよい。
投写画像33の外周に現れる迷光34は、光学エンジン部の構成に依存して発生する範囲や強さが変化する。そのため、マスク部110は、光学エンジン部の構成や迷光34に応じて開口形状を設定すればよく、該迷光34が軽減するように、照明光の光束の外周の少なくとも一部を覆う形状とする。なお、マスク部110の開口形状は、照明光の光束の外周の全周を覆う形状としてもよい。
さらに、マスク部110をインテグレータ21の出射面やDMD3表面等の結像面の近傍に配置すると、該マスク部110の開口形状に整形された透過光が照明光としてDMD3に照射されるため、投写画像33で色ムラやカゲ等が発生するおそれがある。そこで、本発明では、マスク部110を照明光学系2において光源部1の像が結像される位置若しくはその近傍に配置する。図1に示した照明光学系2の場合、第2のレンズ102付近において光源部1の像が結像される構成であるため、マスク部110は第2のレンズ102の直前または直後に配置すればよい。光源部1の像が結像される位置は、インテグレータ21の出射面やDMD3表面等の結像面の近傍とはならない。このため、上述の配置により、投写画像33で色ムラやカゲ等が発生するおそれはない。
上述したように、遮光体32を備えるDMD3を画像形成素子として用いることで、有効領域31よりも広い範囲に照明光が照射されても、有効領域31の外周では照明光の反射が遮光体32によって抑制される。さらに、遮光体32が反射する特定の波長光(赤色光)を遮断するマスク部110を照明光の光路上に設けることで、遮光体32に対する該特定の波長光(赤色光)の照射が抑制される。
そのため、本発明では、例えば特許文献1に記載された背景技術よりもDMD3の有効領域31の外周で反射する照明光が大きく低減される。したがって、投写画像33の外周に現れる迷光34をより軽減することができる。
ところで、上述した照明光学系2において光源部1の像が結像される位置若しくはその近傍には、マスク部110に代えて板金等から成る遮光板を配置しても、該遮光板によりDMD3へ照射する照明光の光量を調整(低減)すれば、上記迷光34を軽減することが可能である。
しかしながら、そのような構成では、遮光板によって照明光の有効な光束の一部が遮断されるため、照明光学系2の照明効率が低下してしまう。また、照明効率の低下と迷光34の改善効果とはトレードオフの関係にあるため、照明効率の低下と迷光34の改善効果の双方のバランスを考慮して遮光板の開口形状を決定する必要がある。
本発明では、特定の波長光(赤色光)のみを遮断するマスク部110を用いるため、該マスク部110で遮断されない他の波長光(緑色光、青色光等)がDMD3の照明領域へ照射される。そのため、照明光学系2における照明効率の低下が抑制される。また、照明効率の低下が抑制されることで、マスク部110で遮断する領域を遮光板よりも広く設定できる。したがって、遮光板を用いるよりも迷光34の改善効果の向上が期待できる。
なお、上記説明では、マスク部110を照明光学系2において光源部1の像が結像される位置若しくはその近傍に配置する例を示したが、マスク部110は投写レンズ4内の画像光の光路上において光源部1の像が結像される位置若しくはその近傍に配置することも可能である。その場合、マスク部110は、遮光体32で反射された、該画像光の外周の特定の波長光(赤色光)を遮断(吸収)するように、該画像光の光束の外周の少なくとも一部を覆う形状とすればよい。なお、マスク部110の開口形状は、画像光の光束の外周の全周を覆う形状としてもよい。
但し、マスク部110を投写レンズ4内に配置する構成では、該投写レンズ4がズーム機能やレンズシフト機能を有する場合に、ズーム動作やシフト動作に連動してマスク部110の位置や開口形状を変化させる必要がある。これは、マスク部110の位置や該マスク部110の開口形状を固定とすると、投写レンズ4のズーム動作やシフト動作に応じて投写画像33の明るさや迷光34の現れる範囲が変わるからである。
そこで、投写レンズ4内にマスク部110を配置する場合は、ズーム動作やシフト動作に連動して、画像光の光路と平行な方向あるいは垂直な方向へマスク部110を移動させるための運動機構、並びにマスク部110の開口形状を変化させるための可変機構を含む可動手段を投写レンズ4に備える構成とする。マスク部110を移動させるための運動機構や開口形状を変化させるための可変機構は、周知のどのような機械的構造で実現してもよい。
上述したように、マスク部110を投写レンズ4内に配置する構成では、投写レンズ4内に可動手段を備える必要があり、さらに投写レンズ4の交換が可能な投写型表示装置では、交換用の全ての投写レンズ4に可動手段を備える必要がある。
一方、マスク部110を照明光学系2に配置する構成では、投写レンズ4によるズーム動作やシフト動作の影響を考慮する必要がなく、マスク部110を移動させたり開口形状を変化させたりする必要もない。
したがって、マスク部110は、投写レンズ4内よりも照明光学系2に配置することが望ましい。マスク部110を照明光学系2に配置すれば、マスク部110を簡易な構成で実現できるため、投写型表示装置のコストの上昇が抑制される。
1 光源部
2 照明光学系
3 DMD
4 投写レンズ
21 インテグレータ
22 リレー光学系
31 有効領域
32 遮光体
33 投写画像
34 迷光
101 第1のレンズ
102 第2のレンズ
103 第3のレンズ
104 第1の反射ミラー
105 第2の反射ミラー
106 TIRプリズム
110 マスク部

Claims (5)

  1. 照射された照明光を画像信号に基づいて光変調した画像光を形成するデジタルマイクロミラーデバイスを、画像形成素子として備える投写型表示装置であって、
    光源と、
    前記光源が発する光から生成した前記照明光を前記デジタルマイクロミラーデバイスへ導く照明光学系と、
    前記画像光を前記投写型表示装置の外へ導く投写レンズと、
    前記照明光または前記画像光の光路上に配置され、前記照明光または前記画像光の光束の外周の少なくとも一部を覆う形状であり、前記照明光または前記画像光に含まれる特定の波長光を遮断し、該特定の波長光を除く他の波長光を透過させるマスク部と、
    を有し、
    前記デジタルマイクロミラーデバイスは、
    前記画像光の形成に有効な領域である有効領域の外周に照射された、前記照明光の反射を抑制するための遮光体を備え、
    前記遮光体が前記特定の波長光を反射する投写型表示装置。
  2. 請求項1に記載の投写型表示装置において、
    前記マスク部は、
    前記特定の波長光を吸収するフィルタである投写型表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の投写型表示装置において、
    前記マスク部が、前記照明光学系において前記光源の像が結像される位置若しくはその近傍に配置された投写型表示装置。
  4. 請求項1または2に記載の投写型表示装置において、
    前記マスク部が、前記投写レンズにおいて前記光源の像が結像される位置若しくはその近傍に配置された投写型表示装置。
  5. 請求項4に記載の投写型表示装置において、
    前記投写レンズは、
    ズーム動作やシフト動作に連動して、前記マスク部を移動させるための運動機構、並びに前記マスク部の開口形状を変化させるための可変機構を含む可動手段を有する投写型表示装置。
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