JP2016009016A - 光ファイバ線条体の布設用器具および布設方法、ならびにこれに用いられる切断工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹部24、25または凸部23を有する部材表面30aに沿って、布設用器具10を用いて光ファイバ線条体11を布設する方法。布設用器具10は、支点部7において互いに回動可能に連結した一対の挟持体と、これらを付勢する付勢体3とを備えている。挟持体は互いに異なる方向に延出する第1および第2の押圧片5,6を有する。凹部24、25の内面24a,24cに対しては、第2の押圧片6,6により光ファイバ線条体11を押し当てる。凸部23の外面23a,23bに対しては、第1の押圧片5,5により光ファイバ線条体11を押し当てる。凹部24、25または凸部23に沿う形状となった光ファイバ線条体11を、テープ状の固定具28によって当該面に貼付け固定する。
【選択図】図9
Description
屋内配線においても、1つの部屋から他の部屋への配線のために、光ファイバ線条体を廊下等に引き出してから他の部屋に引き込む配線形態がとられることがある。
このような光ファイバ線条体の配線では、エアコンのダクト等の空隙を利用して配線する、あるいは壁に穴を空けて光配線用の配管を設けて配線する、等の配線形態がとられている。
エアコンのダクト等がない場合や、壁に穴を空けることができない場合には、窓の戸と窓枠との隙間や、ドアとドア枠の隙間などに光ファイバ線条体を配線することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
光ファイバ線条体は、粘着テープなどにより窓枠等の内面に固定される。
光ファイバ線条体が凹凸に沿う形状とならなければ、窓の戸が光ファイバ線条体に当たってしまうことになり、通信品質に悪影響が及んだり、美観の面で好ましくないなどの問題がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、光ファイバ線条体を窓枠等の凹凸に沿うように配線することができる布設用器具および布設方法、ならびにこれに用いられる切断工具を提供することを目的とする。
前記凹部の内面は、向かい合う一対の内側面であり、これら内側面には、前記光ファイバ線条体が、前記離間方向に付勢された前記第2の押圧片によりそれぞれ押し当てられ、前記凸部の外面は、前記凸部の一方および他方の外側面であり、これら外側面には、前記光ファイバ線条体が、前記接近方向に付勢された前記第1の押圧片によりそれぞれ押し当てられることが好ましい。
前記布設用器具によって、前記光ファイバ線条体を前記凹部内面または前記凸部外面に押し当てるに先だって、押え面を有する補助治具によって前記光ファイバ線条体を前記凹部内面または前記凸部外面に押し当てることができる。
前記固定具は、固定具母材を切断工具によって切り取ることによって得られたものであり、前記切断工具は、前記固定具母材を載置する基台と、前記基台上の固定具母材を切断する切断刃と、前記切断刃による切断の際の前記固定具母材の位置を定める位置決め機構と、を備え、前記位置決め機構は、互いに接近および離間する方向に相対移動可能な第1および第2調整部、を有し、前記第1および第2調整部は、それぞれ前記光ファイバ線条体の厚さとほぼ同じ厚さ寸法を有し、前記貼付けの対象面の寸法に合わせて位置調整された前記第1および第2調整部の位置に基づいて、前記基台上で前記固定具母材を切断することにより前記固定具を得ることができる。
前記部材表面は、前記部材と他の部材との隙間に面していてもよい。
従って、光ファイバ線条体の通信品質に悪影響が及んだり、美観を損なうなどの不都合は生じない。
図1に示すように、布設用器具10は、向かい合う一対の挟持体1,2と、これらを付勢するバネ3(付勢体)とを備えている。
挟持体1,2は、曲げ長板状に形成され、相手側の挟持体から離れる方向に延出して形成された側方延出部4,4と、側方延出部4の外端から略前方に延出する把持片5,5(第1押圧片)と、側方延出部4の内端から略後方に延出する操作片6,6(第2押圧片)と、を備えている。
挟持体1,2が、図1(b)に実線で示す閉状態P1にあるときには、把持片5,5は延出方向に行くほど互いに近づき、先端部5a,5aどうしが近接(または当接)している。一方、操作片6,6は、延出方向に行くほど互いに離間している。
支点部7は、第1挟持体1の操作片6の内面に形成された支点凸部7aと、第2挟持体2の操作片6の内面に形成された支点凹部7bとからなる。支点凸部7aおよび支点凹部7bは、それぞれ断面円弧状に形成することができ、支点凸部7aは支点凹部7bに嵌合可能である。
挟持体1,2は、支点凸部7aと支点凹部7bとが嵌合することで連結し、この嵌合箇所を支点として、把持片5,5が互いに接近および離間する方向に回動可能である。
挟持体1,2は、プラスチック製とするのが好ましい。
延出部9.9は、少なくとも先端部が操作片6,6の支点部7より基端側の箇所の外面に当接し、この箇所を互いに近づく方向に付勢している。
操作片6,6の、支点部7より前方の箇所がバネ3に付勢されているため、挟持体1,2は、把持片5,5が互いに近づく方(すなわち操作片6,6が互いに離れる方向)に付勢され、図1(b)に実線で示す閉状態P1が維持されている。
バネ3は、例えば金属からなる。
図2(a)に示すように、布設用器具10は、窓枠30の隔壁23およびその両外側面に沿う光ファイバ線条体11を、把持片5,5によって挟み込むことができる。
図2(b)に示すように、布設用器具10は、窓枠30の溝部24に配置された光ファイバ線条体11を、操作片6,6によって溝部24の一方または両方の内側面に押し当てることができる。
本体部13は、平面視長方形に形成され、一方の面13aは平坦に形成されている。
先端突出部14は、本体部13の前端から本体部13の長さ方向に突出する平面視略矩形の板状とされており、一方の面14aは、本体部13の面13aと面一となっている。
後端突出部15は、本体部13の後端から本体部13の長さ方向に突出する平面視略矩形の板状とされており、一方の面15aは、本体部13の面13aと面一となっている。
面13a,14a,15aを押え面12aと総称する。
光ファイバ線条体11は、例えば光ファイバケーブル、光ファイバコードである。光ファイバ線条体11は、例えば、光ファイバと、これに沿う抗張力線とを外被で覆った構造とされ、扁平な形状とされている。光ファイバとしては、空孔付き光ファイバ(例えばホールアシスト型光ファイバ)が好適である。ホールアシスト型光ファイバは、導波方向に沿う空孔を有する光ファイバである。
光ファイバ線条体11としては、例えば、いわゆる隙間配線インドア光ケーブルを使用できる。
側板21,22は、底板20に対して垂直に形成されており、互いに平行とされている。
隔壁23は、側板21,22に平行に、底板20の底面から垂直に突出して形成されている。隔壁23は、側板21,22のいずれからも離れた位置に形成されている。
隔壁23によって、側板21,22間の空間は2つの溝部24,25(凹部)に区画される。側板21と隔壁23との間の空間を第1溝部24といい、側板22と隔壁23との間の空間を第2溝部25という。
光ファイバ線条体11を、基部26の表面に、窓枠30の延在方向(図4(a)の上下方向)に対して傾斜した方向に配置して、仮固定具27によって固定する。仮固定具27は、例えば一方の面に粘着層を有する粘着テープである。平面視において、窓枠30の延在方向に対する光ファイバ線条体11の傾斜角度αは、例えば30〜60°である。
これによって、光ファイバ線条体11は、第1内側面24aに沿い、底面24bに達する形状となる。
これによって、光ファイバ線条体11は、第1内側面24aおよび底面24bに沿う形状となる。
図示例では、第1内側面24aと第2内側面24cとは向かい合っているため、第1布設用器具10(10A)は、一方の操作片6で第2内側面24cに反力をとって、他方の操作片6で光ファイバ線条体11を第1内側面24aに押し当てることによって、その姿勢を安定に維持している。
また、十分な大きさの固定具28によって、光ファイバ線条体11を基部26の表面に貼り付ける。図示例では、平面視矩形の固定具28(28A)が用いられている。
固定具28としては、アルミニウムなどの金属や樹脂などからなる基材の一方の面に粘着層を形成した粘着テープを使用できる。
これによって、光ファイバ線条体11は、第2内側面24c(外側面23a)および底面24bに沿う形状となる。
図示例では、第2布設用器具10(10B)は、一方の操作片6で第1内側面24aに反力をとって、他方の操作片6で光ファイバ線条体11を第2内側面24c(外側面23a)に押し当てており、これによって、その姿勢を安定に維持している。
光ファイバ線条体11は、隔壁23の端面23cにも当接している。
これによって、光ファイバ線条体11は、第1内側面25a(外側面23b)および底面25bに沿う形状となる。
図示例では、第3布設用器具10(10C)は、把持片5,5が隔壁23を両面から挟み込むことによって、その姿勢を安定に維持している。
なお、この段階では、第1布設用器具10(10A)は取り外してもよい。
固定具28としては、光ファイバ線条体11の貼付け対象となる面の寸法に合わせた寸法のものを用いるのが好ましい。
図示例では、第1内側面24aに用いられている固定具28(28B)の高さ方向の寸法は、第1内側面24aの高さから光ファイバ線条体11の厚さを減じた寸法またはこれよりやや小さい寸法とすることができる。
底面24bに用いられている固定具28(28C)幅方向の寸法は、底面24bの幅から光ファイバ線条体11の厚さの2倍を減じた寸法またはこれよりやや小さい寸法とすることができる。
図11は、固定具28を、貼付け対象面に応じた大きさに切り取るための切断工具40を示すもので、切断工具40は、基台31と、基台31上の固定具28を切断する切断刃32と、貼付け対象面の寸法を測定する寸法測定具33(切断位置決め機構)とを備えている。
寸法測定具33は、測定具本体34(本体部)と、測定具本体34の長さ方向に移動可能な測定部材36と、測定具本体34の先端に取り付けられた板状の第1調整部37とを有する。
測定部材36は、その外面から外方に突出する第2調整部38を有する。第2調整部38の厚さは、光ファイバ線条体11の厚さとほぼ同じであることが好ましい。第2調整部38の厚さ方向は、測定具本体34の長さ方向と一致していることが望ましい。
基台31には、寸法測定具33を基台31上に位置決めする凹凸などを有する位置決め構造が設けられていることが望ましい。
なお、第1および第2調整部37,38の厚さは、光ファイバ線条体11の厚さと完全に同じでなくてもよく、例えば20%以下の誤差があってもよい。また、それ以上の誤差があっても、固定具母材41を切断する際に、その誤差に応じた固定具母材41の位置調整ができれば問題はない。
図12(a)に示すように、第2溝部25の底面の幅寸法を測定するには、寸法測定具33を用い、第1調整部37の外面37aを側板22の内側面に当接させるとともに、測定部材36の第2調整部38の外面38aを隔壁23の側面(側板22側の側面)に当接させる。
第1調整部材37の外面37aが側板22の内側面に当接するため、測定具本体34の始点位置は第1調整部37の厚さ分だけ内方寄り(図12(a)の右寄り)になる。
第1および第2調整部37,38の厚さは光ファイバ線条体11の厚さにほぼ等しいため、第1および第2調整部37,38の内面どうしの距離は、第2溝部25の底面の幅から光ファイバ線条体11の厚さの2倍を減じた値となる。
次いで、図12(c)に示すように、寸法測定具33によって把握された所定の幅寸法に合わせて、固定具42の一部を切除する。詳しくは、固定具28の幅寸法が、第1および第2調整部37,38の内面どうしの距離に等しくなるように、固定具42の一部を切除する。
第1および第2調整部37,38の内面どうしの距離は、第2溝部25の底面の幅から光ファイバ線条体11の厚さの2倍を減じた値であるため、この距離に合わせて固定具母材41を切断すれば、第2溝部25の幅寸法に応じた適切な幅寸法を有する固定具28が得られる。
第1調整部37の外面37aが第1溝部24の底面に当接するため、測定具本体34の始点位置は第1調整部37の厚さ分だけ測定部材36側にずれた位置になる。
第1調整部37の厚さは光ファイバ線条体11の厚さにほぼ等しいため、第1調整部37の内面37bと、第2調整部38の内面38bとの距離は、第1溝部24の内側面の高さから光ファイバ線条体11の厚さを減じた値となる。
第1および第2調整部37,38の内面どうしの距離は、第1溝部24の内側面の高さから光ファイバ線条体11の厚さを減じた値であるため、この距離に合わせて固定具母材41を切断すれば、第1溝部24の内側面の高さ寸法に応じた適切な高さ寸法を有する固定具28が得られる。
従って、光ファイバ線条体11が窓枠30の表面から離れることにより、窓の戸50が光ファイバ線条体11に当たって通信品質に悪影響が及んだり、美観を損なうなどの不都合は生じない。
Claims (7)
- 凹部または凸部を有する部材表面に沿って、布設用器具を用いて光ファイバ線条体を布設する方法であって、
前記布設用器具は、支点部において互いに回動可能に連結した一対の挟持体と、これらを付勢する付勢体とを備え、
前記挟持体は、それぞれ前記支点部を基準として互いに異なる方向に延出する第1および第2の押圧片を有し、
前記付勢体は、前記第1の押圧片どうしが互いに接近し、かつ前記第2の押圧片どうしが互いに離間する方向に前記挟持体を付勢しており、
前記凹部の内面に対しては、前記付勢された前記一対の挟持体の第2の押圧片により前記光ファイバ線条体を押し当てることによって、前記光ファイバ線条体を当該面に沿う形状とし、
前記凸部の外面に対しては、前記付勢された前記一対の挟持体の第1の押圧片により前記光ファイバ線条体を押し当てることによって、前記光ファイバ線条体を当該面に沿う形状とし、
前記凹部または凸部に沿う形状となった光ファイバ線条体を、テープ状の固定具によって当該面に貼付け固定することを特徴とする光ファイバ線条体の布設方法。 - 前記凹部の内面は、向かい合う一対の内側面であり、これら内側面には、前記光ファイバ線条体が、前記離間方向に付勢された前記第2の押圧片によりそれぞれ押し当てられ、
前記凸部の外面は、前記凸部の一方および他方の外側面であり、これら外側面には、前記光ファイバ線条体が、前記接近方向に付勢された前記第1の押圧片によりそれぞれ押し当てられることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ線条体の布設方法。 - 前記布設用器具によって、前記光ファイバ線条体を前記凹部内面または前記凸部外面に押し当てるに先だって、
押え面を有する補助治具によって前記光ファイバ線条体を前記凹部内面または前記凸部外面に押し当てることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ線条体の布設方法。 - 前記固定具は、固定具母材を切断工具によって切り取ることによって得られたものであり、
前記切断工具は、前記固定具母材を載置する基台と、前記基台上の固定具母材を切断する切断刃と、前記切断刃による切断の際の前記固定具母材の位置を定める位置決め機構と、を備え、
前記位置決め機構は、互いに接近および離間する方向に相対移動可能な第1および第2調整部、を有し、
前記第1および第2調整部は、それぞれ前記光ファイバ線条体の厚さとほぼ同じ厚さ寸法を有し、
前記貼付けの対象面の寸法に合わせて位置調整された前記第1および第2調整部の位置に基づいて、前記基台上で前記固定具母材を切断することにより前記固定具を得ることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光ファイバ線条体の布設方法。 - 前記部材表面は、前記部材と他の部材との隙間に面していることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光ファイバ線条体の布設方法。
- 凹部または凸部を有する部材表面に沿って光ファイバ線条体を布設するために用いられる布設用器具であって、
支点部において互いに回動可能に連結した一対の挟持体と、これらを付勢する付勢体とを備え、
前記挟持体は、それぞれ前記支点部を基準として互いに異なる方向に延出する第1および第2の押圧片を有し、
前記付勢体は、前記第1の押圧片どうしが互いに接近し、かつ前記第2の押圧片どうしが互いに離間する方向に前記挟持体を付勢していることを特徴とする光ファイバ線条体の布設用器具。 - 凹部または凸部を有する部材表面に布設される光ファイバ線条体を、前記凹部内面または前記凸部外面に貼付け固定するテープ状の固定具を、固定具母材の切り取りによって得る切断工具であって、
前記固定具母材を載置する基台と、前記基台上の固定具母材を切断する切断刃と、前記切断刃による切断の際の前記固定具母材の位置を定める位置決め機構と、を備え、
前記位置決め機構は、互いに接近および離間する方向に相対移動可能な第1および第2調整部、を有し、
前記第1および第2調整部は、それぞれ前記光ファイバ線条体の厚さとほぼ同じ厚さ寸法を有し、
前記切断刃は、前記貼付けの対象面の寸法に合わせて位置調整された前記第1および第2調整部の位置に基づいて前記固定具母材を切断可能であることを特徴とする切断工具。
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