JP2016008846A - 棒状磁性体の検査方法 - Google Patents

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Jun Totsuka
巡 戸塚
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小澤 哲也
Tetsuya Ozawa
哲也 小澤
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Abstract

【課題】構造物の表面に対して非平行に埋設されている棒状磁性体の異常の有無及び/又はその程度を非破壊で検査することが可能な棒状磁性体の検査方法を提供すること。【解決手段】非磁性体12の表面に対して非平行に埋設されており、かつ、少なくとも一端が非磁性体12から露出している棒状磁性体10にコイル14を近接させ、コイル14を用いて棒状磁性体10に磁場を印加し、棒状磁性体10を磁化させる。次に、棒状磁性体10の露出端に磁気センサ18を近接させ、磁気センサ18を用いて露出端から発生する磁界強度を測定する。さらに、棒状磁性体10について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の棒状磁性体10と同一素材及び同一形状からなる参照磁性体について棒状磁性体10と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、棒状磁性体10の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する。【選択図】図1

Description

本発明は、棒状磁性体の検査方法に関し、さらに詳しくは、コンクリートなどの非磁性体に埋没している鋼製ボルトなどの棒状磁性体の異常の有無及び/又は異常の程度を簡便に検査することが可能な棒状磁性体の検査方法に関する。
構造物の強度を高めたり、あるいは、基礎の上に構造物を設置するために、コンクリート、プラスチック、木材などの非磁性体の中に鋼材を埋め込むことが行われる。しかしながら、構造物の内部に埋め込まれた鋼材は、外部から侵入する水分によって次第に腐食したり、あるいは、外部から加わる衝撃によって破損することがある。このような鋼材の腐食や破損を放置すると、構造物の強度が著しく低下する。そのため、構造物内の鋼材を磁気的に非破壊で検査する方法に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、
(a)コンクリートポールに埋設されている主鉄筋の長手方向に沿ってセンサを移動させながら磁界を発生させ、この磁界により主鉄筋に渦電流を発生させ、
(b)この渦電流で発生する磁界を受信コイルで検知する
コンクリート構造物内の鉄筋破断位置検知方法が開示されている。
同文献には、リサージュ波形のY軸投影波形の大きさから、主鉄筋の破断の有無を検知できる点が記載されている。
特許文献2には、
(a)非磁性体下の強磁性体に直流磁界を付与して強磁性体を長手方向に磁化させ、
(b)MIセンサ又はフラックスゲート型センサを用いて、非磁性体の表面上で強磁性体の長手方向に沿って強磁性体の長手方向と直角な方向の磁束密度成分を測定する
非破壊検査方法が開示されている。
同文献には、このような方法により、熟練を要することなく正確に異常の有無を判定することができる点が記載されている。
特許文献1、2に記載の方法を用いると、構造物の表面に対して平行に埋設されている棒状磁性体の欠陥を非破壊で検査することができる。
しかしながら、特許文献1、2の方法では、構造物の表面に対して垂直に埋設されている棒状磁性体の欠陥を非破壊で検査することができない。また、特許文献1、2の方法で異常を検出できるのは、断面形状が一様でかつ真っ直ぐな棒状磁性体に限られ、曲がりや段付部がある棒状磁性体の異常の有無及び/又はその程度を正確に検出することは出来ない。
特開2001−349956号公報 特開2006−177747号公報
本発明が解決しようとする課題は、構造物の表面に対して非平行に埋設されている棒状磁性体の異常の有無及び/又は異常の程度を非破壊で検査することが可能な棒状磁性体の検査方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、構造物に埋設された棒状磁性体に曲がりや段付部がある場合であっても、棒状磁性体の異常の有無及び/又は異常の程度を正確に検出することが可能な棒状磁性体の検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る棒状磁性体の検査方法の1番目は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)にコイルを近接させ、前記コイルを用いて前記棒状磁性体(A)に磁場を印加し、前記棒状磁性体(A)を磁化させる。
(2)前記棒状磁性体(A)の露出端(A)に磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(A)から発生する磁界強度を測定する。
(3)前記棒状磁性体(A)について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の前記棒状磁性体(A)と同一素材及び同一形状からなる参照磁性体について前記棒状磁性体(A)と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する。
本発明に係る棒状磁性体の検査方法の2番目は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1’)非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)の露出端(A)に棒状磁性体(B)を接合して接合体とし、前記棒状磁性体(B)に前記コイルを近接させ、前記コイルを用いて前記接合体に磁場を印加し、前記接合体を磁化させる。
(2’)前記棒状磁性体(B)の露出端(B)に前記磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(B)から発生する磁界強度を測定する。
(3’)前記接合体について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の前記棒状磁性体(A)及び前記前記棒状磁性体(B)と同一素材及び同一形状からなる参照接合体について前記接合体と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する。
非磁性体に埋設されている棒状磁性体の端部にコイルを近接させ、コイルを用いて棒状磁性体に磁場を印加すると、棒状磁性体が磁化される。この時、棒状磁性体に腐食や破損が生じていると、棒状磁性体の破損の程度に応じて、棒状磁性体の内部で発生する反磁界の大きさが変化する。そのため、棒状磁性体の磁界強度と参照磁性体の磁界強度とを比較すれば、異常の有無及び/又はその程度を判別することができる。
本発明に係る方法は、棒状磁性体の長手方向に沿って励磁コイル及び磁気センサを走査させる必要がないので、非磁性体の表面に対して垂直に埋設されている棒状磁性体であっても、異常の有無及び/又はその程度を検出することができる。
また、棒状磁性体に曲がりや段付部がある場合であっても、参照磁性体の磁界強度と比較することにより、棒状磁性体の異常の有無及び/又はその程度を正確に検出することができる。
本発明に係る棒状磁性体の検査方法の模式図である。 鉄棒の長さと鉄棒端の磁界強度との関係を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 棒状磁性体の検査方法(1)]
本発明の第1の実施の形態に係る棒状磁性体の検査方法は、磁化工程と、測定工程と、判別工程とを備えている。
[1.1. 磁化工程]
まず、非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)にコイルを近接させ、前記コイルを用いて前記棒状磁性体(A)に磁場を印加し、前記棒状磁性体(A)を磁化させる(磁化工程)。
[1.1.1. 非磁性体]
「非磁性体」とは、強磁性体以外の材料をいう。本発明において、非磁性体の材料、形状、大きさ、寸法等は、特に限定されない。
非磁性体の材料としては、例えば、コンクリート、プラスチック、木材、Alなどの非磁性金属などがある。
[1.1.2. 棒状磁性体(A)]
本発明において、「磁性体」とは、強磁性体をいう。
本発明において、「棒状」とは、次の(a)式及び(b)式を満たす部材をいう。
L/D≧4 ・・・(a)
1≦Smax/Smin≦2・・・(b)
但し、
Lは、仮想円筒の長さ、
Dは、仮想円筒の直径、
maxは、棒状磁性体(A)の断面の面積の最大値、
minは、棒状磁性体(A)の断面の面積の最小値。
「仮想円筒」とは、棒状磁性体(A)に外接する最小体積の円筒をいう。
「棒状磁性体(A)の断面」とは、棒状磁性体(A)の長さ方向(棒状磁性体(A)が伸びている方向)に対して垂直な断面をいう。
すなわち、本発明において、「棒状磁性体(A)」は、断面が一様で、かつ、真っ直ぐな部材だけでなく、(a)式及び(b)式を満たす限りにおいて、曲線状に曲がった湾曲部、L字型に折れ曲がった屈曲部、断面形状が連続的又は不連続的に変化する段付部などを持つ部材も含まれる。
換言すれば、「棒状磁性体(A)」とは、その露出端(A)が(a)式を満たす仮想円筒の端面にあるものをい、露出端(A)が仮想円筒の側面にあるものを含まない。
棒状磁性体(A)が(a)式及び(b)式を満たす場合、正常部の長さに応じて連続的に変化する出力が得られる(後述する図2参照)。そのため、単なる異常の有無だけでなく、どの程度の異常が起こっているかを判別することができる。すなわち、腐食又は断線により損なわれた部分は、出力信号の減少の程度に対応している。
L/D比が小さすぎると、仮想円筒の長さ方向の反磁界係数が過度に大きくなり、棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又はその程度を正確に検出するのが困難となる。従って、L/D比は4以上である必要がある。
本発明に係る方法は、断面形状が一様である棒状磁性体(A)(Smax=Smin)だけでなく、断面形状が一様でない棒状磁性体(A)(Smax>Smin)であっても適用することができる。しかしながら、Smax/Smin比が大きくなりすぎると、大径部の反磁界係数が過度に大きくなり、棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又はその程度を正確に検出するのが困難となる。従って、Smax/Smin比は、2以下である必要がある。
棒状磁性体(A)は、非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している。
「非磁性体の表面に対して非平行となるように非磁性体に埋設されている」とは、仮想円筒の中心軸と非磁性体の表面の法線とのなす角が90°未満となるように、棒状磁性体(A)が非磁性体に埋設されていることをいう。棒状磁性体(A)又は仮想円筒は、必ずしも非磁性体の表面に対して垂直に埋設されている必要はなく、非磁性体の表面に対して斜め方向に埋設されていても良い。
「少なくとも一端が前記非磁性体から露出している」とは、少なくとも棒状磁性体(A)の一方の端面(露出端(A))が非磁性体の表面から露出していること(換言すれば、仮想円筒の一方の端面が露出していること)をいう。コイルによる磁化が可能である限りにおいて、棒状磁性体(A)の先端部分は、非磁性体の表面から突き出している必要はない。棒状磁性体(A)の端面と非磁性体の表面が同一平面上にある場合であっても、コイルによる磁化を行うことができる。
非磁性体に埋設された棒状磁性体としては、例えば、コンクリートに埋め込まれた鋼製ボルトなどがある。
[1.1.3. コイル]
コイルは、棒状磁性体(A)に磁場を印加し、棒状磁性体(A)を磁化させるためのものである。棒状磁性体(A)の磁化が可能である限りにおいて、コイルの長さ、直径、巻き数等は、特に限定されない。通常、棒状磁性体(A)の材料や形状などに応じて、棒状磁性体(A)を磁化させるのに必要な磁場の大きさは異なるが、コイルの巻き数を最適化すれば、必要な磁場を発生させることができる。
棒状磁性体(A)の先端部分が非磁性体の表面から突き出している場合、コイルの中に棒状磁性体(A)の先端部分を挿入するのが好ましい。
一方、棒状磁性体(A)の先端部分が非磁性体の表面から十分に突き出していない場合には、棒状磁性体(A)の中心軸がコイルの中に入るようにコイルを棒状磁性体(A)に近接させるだけで良い。このような方法であっても、コイルの巻き数及び直径、並びに、コイルに印加する電流値を最適化することにより、棒状磁性体(A)を磁化させることができる。
[1.2. 測定工程]
次に、前記棒状磁性体(A)の露出端(A)に磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(A)から発生する磁界強度を測定する(測定工程)。
コイルを用いて棒状磁性体(A)を磁化すると、棒状磁性体(A)の露出端(A)から、磁化の強さに応じた磁束が漏れ出す。この漏れ磁束の大きさ(磁界強度)を磁気センサで検出する。
本発明において、磁気センサの種類は、特に限定されるものではなく、種々の磁気センサを用いることができる。
磁気センサとしては、例えば、
(1)nmサイズの強磁性金属粒子と、非磁性・絶縁性材料からなる粒界相を備えた金属−絶縁体系ナノグラニュラー材料からなるGMR膜と、前記GMR膜の両端に配置された軟磁性材料からなる薄膜ヨークとを備えたグラニュラーインギャップ型センサ、
(2)ホールセンサ、
などがある。
これらの中でも、グラニュラーインギャップ型センサは、他のセンサに比べて磁界感度が高いので、磁界強度を検出するための磁気センサとして好適である。
[1.3. 判別工程]
次に、前記棒状磁性体(A)について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の前記棒状磁性体(A)と同一素材及び同一形状からなる参照磁性体について前記棒状磁性体(A)と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する(判別工程)。
本実施の形態において、「参照磁性体」とは、劣化が生じる前の棒状磁性体(A)(すなわち、新品の棒状磁性体(A))と同一素材及び同一形状からなる部材をいう。
参照磁性体の磁界強度は、評価対象である棒状磁性体(A)と同一条件下で測定される。参照磁性体の磁界強度の測定は、検査対象である棒状磁性体(A)の磁界強度の測定前、又は、測定後のいずれの段階で行っても良い。
棒状磁性体(A)の磁界強度は、材料だけでなく、形状にも影響される。一般に、棒状磁性体(A)の長さが長くなるほど、反磁界係数が小さくなるので、磁界強度は大きくなる。しかしながら、棒状磁性体(A)が腐食したり、あるいは、途中で折れている場合には、棒状磁性体(A)の反磁界係数が変化する。その結果、棒状磁性体(A)の形状変化が大きくなるほど、棒状磁性体(A)の磁界強度が大きく変化する。この磁界強度と参照磁性体の磁界強度とを比較することにより、棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又はその程度を判別することができる。
[1.4. 具体例]
図1に、本発明に係る棒状磁性体の検査方法の模式図を示す。図1において、棒状磁性体10は、その一端が非磁性体12に埋設されており、その他端は、非磁性体12の表面から突き出している。棒状磁性体10の先端部分は、コイル14の中に挿入されており、コイル14の両端は、電流源16に接続されている。さらに、磁気センサ18は、棒状磁性体10の露出端に近接して配置されており、磁気センサ18は、磁界強度測定器20に接続されている。
この状態で電流源16を介してコイル14に電流を流すと、棒状磁性体10にコイル14で発生させた磁場が印加され、棒状磁性体10が磁化する。棒状磁性体10が磁化すると、露出端から磁化の強さに対応する磁束が漏れ出す。この漏れ磁束の大きさ(磁界強度)を、磁気センサ18で検出する。
[2. 棒状磁性体の検査方法(2)]
本発明の第2の実施の形態に係る棒状磁性体の検査方法は、磁化工程と、測定工程と、判別工程とを備えている。
[2.1. 磁化工程]
まず、非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)の露出端(A)に棒状磁性体(B)を接合して接合体とし、前記棒状磁性体(B)に前記コイルを近接させ、前記コイルを用いて前記接合体に磁場を印加し、前記接合体を磁化させる(磁化工程)。
[2.1.1. 非磁性体]
非磁性体については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.1.2. 棒状磁性体(A)、棒状磁性体(B)、及び接合体]
本実施の形態において、棒状磁性体(A)の露出端(A)に棒状磁性体(B)を接合して接合体とする。この点が第1の実施の形態とは異なる。
棒状磁性体(A)の端部が非磁性体の表面から突き出していない場合であっても、コイルを近接させることにより、棒状磁性体(A)を磁化させることができる。しかしながら、棒状磁性体(A)が設置されている環境によっては、コイルの位置決め及び棒状磁性体(A)の磁化が難しい場合がある。
これに対し、棒状磁性体(A)に棒状磁性体(B)を接合すると、コイルの位置決め及び棒状磁性体(A)の磁化が容易化する。
棒状磁性体(A)については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
棒状磁性体(B)の材料は、棒状磁性体(A)の材料と同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。棒状磁性体(B)の形状は、必ずしも上述した(a)式及び(b)式を満たしている必要はない。但し、接合体は、上述した(a)式及び(b)式を満たしている必要がある。棒状磁性体(B)に関するその他の点については、棒状磁性体(A)と同様であるので、説明を省略する。
棒状磁性体(A)と棒状磁性体(B)の接合方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択することができる。接合方法としては、例えば、溶接法などがある。
[2.1.3. コイル]
コイルは、接合体に磁場を印加し、接合体を磁化させるためのものである。また、接合体を磁化させる際には、コイルを棒状磁性体(B)(すなわち、接合体の上端部分)に近接させる。この点が、第1の実施の形態とは異なる。
コイルに関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.2. 測定工程]
次に、前記棒状磁性体(B)の露出端(B)に前記磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(B)から発生する磁界強度を測定する(測定工程)。
本実施の形態において、接合体の磁界強度を測定する際には、磁気センサを棒状磁性体(B)の露出端(B)(すなわち、接合体の端面)に近接させる。また、磁気センサで検出される磁界強度は、接合体全体の磁界強度である。この点が、第1の実施の形態とは異なる。
測定工程に関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[2.3. 判別工程]
次に、前記接合体について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の前記前記棒状磁性体(A)及び前記棒状磁性体(B)と同一素材及び同一形状からなる参照接合体について前記接合体と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する(判別工程)。
本実施の形態において、「参照接合体」とは、劣化が生じる前の棒状磁性体(A)(すなわち、新品の棒状磁性体(A))及び棒状磁性体(B)と同一素材及び同一形状からなる接合体をいう。また、棒状磁性体(A)の異常の判別は、接合体の磁界強度と参照接合体の磁界強度とを比較することにより行う。この点が、第1の実施の形態とは異なる。
判別工程に関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[3. 作用]
非磁性体に埋設されている棒状磁性体(A)の端部にコイルを近接させ、コイルを用いて棒状磁性体(A)に磁場を印加すると、棒状磁性体(A)が磁化される。この時、棒状磁性体(A)に腐食や破損が生じていると、棒状磁性体(A)の破損の程度に応じて、棒状磁性体(A)の内部で発生する反磁界の大きさが変化する。そのため、棒状磁性体(A)の磁界強度と参照磁性体の磁界強度とを比較すれば、異常の有無及び/又はその程度を判別することができる。
本発明に係る方法は、棒状磁性体(A)の長手方向に沿って励磁コイル及び磁気センサを走査させる必要がないので、非磁性体の表面に対して垂直に埋設されている棒状磁性体(A)であっても、異常の有無及び/又はその程度を検出することができる。
また、棒状磁性体(A)に曲がりや段付部がある場合であっても、参照磁性体の磁界強度と比較することにより、棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又はその程度を正確に検出することができる。
さらに、上記の効果は、棒状磁性体(A)に棒状磁性体(B)を接合し、接合体の磁化及び磁界強度の測定を行う場合にも同様に得られる。
鋼鉄のような磁性体を電磁コイルで磁化させる場合、磁化させる磁性体の形状によって生じる反磁界の影響により、磁化される大きさが変化する。棒状の磁性体を磁化する場合は、その形状が細長いものほど、長手方向の反磁界の影響が小さくなり、両端に現れる磁界が大きくなる。
そこで、コンクリートやプラスチックなどに埋設された鋼鉄製のスタッドボルトの一端を電磁コイルによって磁化させ、一端から発生する磁界強度を測定することにより、埋没している部分の金属部分の形状変化を推定することができる。
トンネルの天井部を支えているボルトがコンクリート内部で折れていたことにより、ボルトが抜けて事故を引き起こした事例がある。本発明に係る方法を用いれば、埋没している部分の長さを推定することができるため、折損などの欠陥を非破壊的に測定することが可能となる。
(実施例1)
[1. 検査方法]
棒状磁性体には、直径:10mm、長さ:50〜140mmであるS45C製の鉄棒を用いた。電磁コイルには、直径:12mmのボビンに直径:0.6mmのホルマル線を300巻した、長さ:30mmのコイルを用いた。鉄棒の先端部分をコイル内に挿入し、コイルに所定の電流を印加した。鉄棒の端面から発生する磁界強度をグラニュラーインギャップ(GIG)型の薄膜磁気センサを用いて測定した。
[2. 結果]
図2に、鉄棒の長さと鉄棒端の磁界強度との関係を示す。図2より、鉄棒の長さが長くなるほど、磁界強度が増加していることがわかる。これにより、埋没している部分の長さを推定したり、途中で破断しているか否かを検査することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る棒状磁性体の検査方法は、コンクリートに埋め込まれたボルトの検査方法などに用いることができる。
10 棒状磁性体
12 非磁性体
14 コイル
18 磁気センサ

Claims (3)

  1. 以下の構成を備えた棒状磁性体の検査方法。
    (1)非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)にコイルを近接させ、前記コイルを用いて前記棒状磁性体(A)に磁場を印加し、前記棒状磁性体(A)を磁化させる。
    (2)前記棒状磁性体(A)の露出端(A)に磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(A)から発生する磁界強度を測定する。
    (3)前記棒状磁性体(A)について測定された磁界強度と、劣化が生ずる前の前記棒状磁性体(A)と同一素材及び同一形状からなる参照磁性体について前記棒状磁性体(A)と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する。
  2. 以下の構成を備えた棒状磁性体の検査方法。
    (1’)非磁性体の表面に対して非平行となるように前記非磁性体に埋設されており、かつ、少なくとも一端が前記非磁性体から露出している棒状磁性体(A)の露出端(A)に棒状磁性体(B)を接合して接合体とし、前記棒状磁性体(B)に前記コイルを近接させ、前記コイルを用いて前記接合体に磁場を印加し、前記接合体を磁化させる。
    (2’)前記棒状磁性体(B)の露出端(B)に前記磁気センサを近接させ、前記磁気センサを用いて前記露出端(B)から発生する磁界強度を測定する。
    (3’)前記接合体について測定された磁界強度と、劣化が生じる前の前記前記棒状磁性体(A)及び前記棒状磁性体(B)と同一素材及び同一形状からなる参照接合体について前記接合体と同一条件下で測定された磁界強度とを比較し、前記棒状磁性体(A)の異常の有無及び/又は異常の程度を判別する。
  3. 前記磁気センサは、
    nmサイズの強磁性金属粒子と、非磁性・絶縁性材料からなる粒界相を備えた金属−絶縁体系ナノグラニュラー材料からなるGMR膜と、
    前記GMR膜の両端に配置された軟磁性材料からなる薄膜ヨークと
    を備えたグラニュラーインギャップ型センサである請求項1又は2に記載の棒状磁性体の検査方法。
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