JP2016008701A - 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 - Google Patents

電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動式直動アクチュエータのギヤ減速機構での歯打ち音の低減化を図ることである。【解決手段】電動モータ24のロータ軸25の回転をギヤ減速機構30により減速して出力し、その出力により回転・直動変換機構50を作動させて外輪部材21を直線駆動する。ギヤ減速機構30を形成する中間ギヤ33を大径ギヤ34が小径ギヤ35に設けられたボス部36に嵌合されて軸方向に対向配置された複列ギヤとし、そのボス部36と大径ギヤ34の嵌合面における一方に凹部39を設け、他方にその凹部39内に配置される突出部40を設け、その凹部39と突出部40の対向部間に設けられる回転方向隙間43に弾性部材41を組み込んで、この弾性部材41の弾性変形によって歯打ち音の低減を図る。【選択図】図5

Description

この発明は、ブレーキパッド等の被駆動部材を直線駆動する電動式直動アクチュエータおよびその電動式直動アクチュエータを用いた電動式ブレーキ装置に関する。
電動モータを駆動源とする電動式直動アクチュエータとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。その特許文献1に記載された電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータのロータ軸の回転をギヤ減速機構により減速し、そのギヤ減速機構の出力ギヤから出力される回転を回転・直動変換機構によりハウジングの内径面に沿ってスライド可能な外輪部材の直線運動に変換して、外輪部材を軸方向に移動させるようにしている。
ここで、上記電動式直動アクチュエータを用いる電動式ブレーキ装置においては、電動式直動アクチュエータの外輪部材でブレーキパッドをディスクロータに向けて押圧移動させ、そのディスクロータに対するブレーキパッドの押し付けによりディスクロータに制動力を付与している。
特開2009−197863号公報
ところで、上記特許文献1に記載された電動式直動アクチュエータにおいては、ギヤの噛み合い部にバックラッシが存在するため、ギヤの回転による動力の伝達時、駆動トルクや負荷トルクが変動すると、歯打ち音が生じる。そのため、その歯打ち音の低減化を図る上において改善すべき点が残されている。
この発明の課題は、上記電動式直動アクチュエータのギヤ減速機構での歯打ち音の低減を図ることである。
上記の課題を解決するため、この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、電動モータと、その電動モータのロータ軸の回転を複数段の減速ギヤ列により順次減速して出力ギヤから出力するギヤ減速機構と、そのギヤ減速機構の出力ギヤの回転を軸方向に移動可能とされたスライド部材の軸方向への直線運動に変換する回転・直動変換機構とを有してなり、前記ギヤ減速機構が、大径ギヤと小径ギヤを軸方向に対向配置した複列ギヤを中間ギヤとして備えて成る電動式直動アクチュエータにおいて、前記中間ギヤにおける大径ギヤと小径ギヤの一方に設けられたボス部に他方の前記大径ギヤまたは前記小径ギヤが嵌合されて軸方向に対向配置され、前記ボス部と他方の大径ギヤまたは小径ギヤの嵌合面における一方に扇形の凹部を設け、他方にその凹部内に回転方向隙間をもって配置される突出部を設け、前記回転方向隙間に前記弾性部材を組み込んだ構成を採用したのである。
ここで、回転方向隙間は、突出部の周方向両端側に設けるようにしてもよく、あるいは、周方向の一端側にのみ設けるようにしてもよい。突出部の周方向両端側に回転方向隙間を設ける場合は、それぞれの回転方向隙間に弾性部材を組み込んで、突出部を回転方向隙間の中立位置に保持する。
一方、突出部の周方向の一端側にのみ回転方向隙間を設ける場合は、その回転方向隙間に弾性部材を組み込んで、大径ギヤと小径ギヤのそれぞれを各ギヤに噛合する相手方ギヤとの噛み合い方向に向けて付勢して歯の噛合部におけるバックラッシを除去する。
弾性部材は、圧縮スプリング、引張りスプリング、ゴムのいずれでもよい。
この発明に係る電動式ブレーキ装置においては、電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでディスクロータを押圧して、そのディスクロータに制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、前記電動式直動アクチュエータがこの発明に係る上述の電動式直動アクチュエータからなり、その電動式直動アクチュエータのスライド部材で前記ブレーキパッドを直線駆動させる構成を採用したのである。
上記の構成からなる電動式ブレーキ装置において、電動式直動アクチュエータの電動モータを駆動すると、その電動モータのロータ軸の回転はギヤ減速機構で減速されて出力ギヤから出力され、その出力ギヤの回転は回転・直動変換機構によりスライド部材の直線運動に変換される。このため、スライド部材が前進し、そのスライド部材に連結されたブレーキパッドがディスクロータに押し付けられ、ディスクロータが制動される。
この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいて、電動モータを停止すると、ギヤ減速機構におけるギヤの噛合部にバックラッシが形成されるため、振動が付与されると、バックラッシ分の相対回転移動が生じて、歯面が互いに衝突し、歯打ち音が発生する可能性がある。
このとき、中間ギヤにおいては、凹部と、その凹部内に組み込まれた突出部の周方向の対向部間に回転方向隙間が形成され、その回転方向隙間に弾性部材が組み込まれているため、噛み合う相手方ギヤとの間でバックラッシ分の相対回転移動が生じた場合、弾性部材が弾性変形する。その弾性変形により衝突力が吸収されて、歯面の衝突によって発生する歯打ち音が低減される。
一方、ギヤ減速機構のギヤの回転による動力伝達時、電動モータの回転数の変化によって駆動トルクに変動が生じると、ギヤの噛み合い部でバックラッシの位置が変化するため、歯面が衝突、離反を繰り返す。この場合においても、弾性部材が弾性変形して、衝突時における衝撃を吸収し、歯打ち音を低減する。
この発明に係る電動式直動アクチュエータにおいては、上記のように、中間ギヤにおける小径ギヤのボス部と大径ギヤの嵌合面における一方に扇形の凹部を設け、他方にその凹部内に回転方向隙間をもって配置される突出部を設け、その突出部と凹部の周方向の対向部間に設けられた回転方向隙間に弾性部材を介在させたことにより、大径ギヤと小径ギヤが噛み合う相手方ギヤの噛合部において、バックラッシに起因して相対回転移動が生じると、弾性部材が弾性変形して、歯面の衝突による衝撃を吸収するため、歯打ち音の低減を図ることができる。
この発明に係る電動式直動アクチュエータの実施の形態を示す縦断面図 図1のII−II線に沿った断面図 図1のIII−IIIに沿った断面図 図1に示すギヤ減速機構部を拡大して示す断面図 図4のV−V線に沿った断面図 図5のVI−VI線に沿った断面図 制動負荷時における中間ギヤのトルク伝達状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図 制動解除時における中間ギヤのトルク伝達状態を示し、(a)は縦断面図、(b)は横断面図 (a)、(b)は弾性部材の他の例を示す縦断面図 中間ギヤにおけるトルク伝達部に単一の弾性部材を組み込んだ状態の縦断面図 (a)乃至(c)は図10に示すトルク伝達部の作用説明図 この発明に係る電動式ブレーキ装置の実施の形態を示す縦断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、図12に示す電動式ブレーキ装置に採用された電動式直動アクチュエータAを示す。
図12に示す電動式ブレーキ装置においては、図示省略した車輪と一体に回転するディスクロータ10の外周囲にキャリパ11を設け、そのキャリパ11の一端部にディスクロータ10のアウタ側面の外周部と軸方向で対向する爪部12を設け、その爪部12でアウタ側ブレーキパッド13を支持している。
また、ディスクロータ10のインナ側面の外周部にインナ側ブレーキパッド14を対向配置し、そのインナ側ブレーキパッド14をキャリパ11の他側部に設けられた電動式直動アクチュエータAによりディスクロータ10に向けて移動させるようにしている。
ディスクロータ10のインナ側面の外周部にはマウント17が設けられている。マウント17は図示省略したナックルに支持されて固定の配置とされている。図2に示すように、マウント17の両側部には対向一対のピン支持片18が設けられ、そのピン支持片18のそれぞれ端部にディスクロータ10に対して直交方向に延びるスライドピン19が設けられ、そのスライドピン19のそれぞれによってキャリパ11がスライド自在に支持されている。
また、マウント17は、図では詳細に示されていないが、アウタ側ブレーキパッド13およびインナ側ブレーキパッド14のそれぞれを回転不能(回り止め)とする状態でディスクロータ10に向けて移動可能に支持している。
図1に示すように、電動式直動アクチュエータAはハウジング20を有する。ハウジング20は、図12に示すキャリパ11に一体的に設けられて筒状をなし、その内側にはスライド部材としての外輪部材21がスライド自在に組み込まれている。
ハウジング20の一端には径方向外方に向けてベースプレート22が設けられ、そのベースプレート22の外側面およびハウジング20の一端開口がカバー23によって覆われており、上記ベースプレート22とカバー23とでギヤケースを形成している。
ベースプレート22には電動モータ24が支持され、その電動モータ24のロータ軸25の回転は、ベースプレート22とカバー23とで形成されるギヤケース内のギヤ減速機構30により減速されて出力される。
図1および図2に示すように、ギヤ減速機構30は、電動モータ24のロータ軸25に取付けられた入力ギヤ31の回転を一次減速ギヤ列Gおよび二次減速ギヤ列Gにより順次減速して出力ギヤ32から出力する構成とされている。
入力ギヤ31と出力ギヤ32との間に設けられた中間ギヤ33は、大径ギヤ34と小径ギヤ35を軸方向に対向配置した複列ギヤからなり、上記大径ギヤ34が入力ギヤ31に噛合して一次減速ギヤ列Gを形成し、小径ギヤ35が出力ギヤ32と噛合して二次減速ギヤ列Gを形成している。
図4に示すように、小径ギヤ35はボス部36を有し、そのボス部36に大径ギヤ34が嵌合されて軸方向に対向配置され、上記ボス部36の端部に取り付けた止め輪37によって大径ギヤ34が抜止めされている。また、止め輪37と大径ギヤ34間にワッシャ38が組み込まれている。
中間ギヤ33は、ベースプレート22とカバー23とで両端部が支持されたギヤ軸44上に設けられ、そのギヤ軸44との間に組み込まれた複数の転がり軸受45を介して回転自在に支持されている。
図5に示すように、大径ギヤ34の内径面には扇形の凹部39が形成されている。一方、ボス部36の外径面には上記凹部39内に配置される突出部40が設けられ、その突出部40の周方向両端側に設けられた空隙部のそれぞれに弾性部材41が組み込まれている。弾性部材41として、ここでは、圧縮スプリングが採用され、その弾性部材41によって突出部40は凹部39の中立位置に保持されている。
また、図6に示すように、突出部40の周方向両端には一対のストッパ42が設けられ、そのストッパ42と凹部39の周方向の両端面間に回転方向隙間43が設けられている。図5に示すδは回転方向隙間43の大きさを示し、その大きさδは、入力ギヤ31と大径ギヤ34の噛合部あるいは小径ギヤ35と出力ギヤ32の噛合部に形成されるバックラッシに相当する大きさとされている。図6に示すように、凹部39内のストッパ42は、突出部40の小径ギヤ35側に形成され、大径ギヤ34側の凹部39内に弾性部材41が組み込まれている。
ギヤ減速機構30の出力ギヤ32の回転は、図1に示す回転・直動変換機構50によって外輪部材21の直線運動に変換される。
回転・直動変換機構50は、出力ギヤ32を軸端部で支持して、その出力ギヤ32と一体に回転する回転軸51を外輪部材21の軸心上に配置し、その回転軸51と外輪部材21との間に遊星ローラ52を組み込み、その遊星ローラ52の外周に外輪部材21の内周に設けられた断面V字形の螺旋突条53に噛合する螺旋溝54を形成し、上記回転軸51の回転により遊星ローラ52を自転させつつ公転させて外輪部材21を軸方向に直線運動させるようにしている。
ここで、遊星ローラ52の外周に形成された螺旋溝54は外輪部材21の内周に設けられた螺旋突条53とリード角が相違してピッチが同一とされ、そのリード角の相違によって外輪部材21を軸方向に移動させるようにしているが、上記螺旋溝54に代えて、複数の円周溝を螺旋突条53と同一のピッチで形成してもよい。
回転軸51は、ハウジング20の一端部内に組み込まれた軸受部材55の中心部に形成された軸挿入孔56内に挿通され、その軸挿入孔56内に組み込まれた複数の転がり軸受57によって回転自在に支持されている。一方、軸受部材55は、ハウジング20の一端部内周に設けられた内向きフランジ58によってハウジング20の一端開口側に向けて移動するのが防止されている。
また、遊星ローラ52は、図1および図3に示すように、回転軸51と外輪部材21の間に組み込まれたキャリヤ60によって回転自在に支持されている。キャリヤ60は、回転軸51を中心にして回転可能に支持された対向一対のディスク61a、61bを軸方向の両端に有し、その一対のディスク61a、61bに軸方向で対向する一対の軸挿入孔62が周方向に間隔をおいて複数形成され、その複数の軸挿入孔62のそれぞれにローラ軸63の両端部が挿入され、そのローラ軸63のそれぞれで遊星ローラ52が回転自在に支持されている。
軸挿入孔62は、径方向に長い長孔とされ、その軸挿入孔62によって複数のローラ軸63のそれぞれが径方向に移動自在に支持されており、一対のディスク61a、61bを貫通して外部に臨むローラ軸63の軸両端部に弾性リング64が掛け渡されている。弾性リング64は拡径された状態でローラ軸63の軸両端部に掛け渡されて縮径方向の弾性力が付与され、その弾性力によって遊星ローラ52が回転軸51の外径面に圧接されている。
キャリヤ60における一対のディスク61a、61bのうち、軸受部材55側に位置するインナ側ディスク61bと遊星ローラ52の軸方向の対向部間には、遊星ローラ52側から順に、スラスト軸受65、加圧板66および受圧板67が組み込まれ、加圧板66と受圧板67は球面座68を介して接触している。また、受圧板67とローラ軸63の嵌合面間には隙間が設けられ、その隙間の範囲内においてローラ軸63と加圧板66は調心自在とされている。
また、インナ側ディスク61bと回転軸51を回転自在に支持する前述の軸受部材55間にはバックアッププレート69とスラスト軸受70とが組み込まれ、外輪部材21から遊星ローラ52を介してキャリヤ60に負荷される軸方向の反力を上記スラスト軸受70で支持するようになっている。
図1に示すように、外輪部材21のアウタ側端部内には押圧部材71が嵌合されている。押圧部材71の先端面には回り止め溝72が形成され、その回り止め溝72と図12に示すインナ側ブレーキパッド14のパッドホルダ15に設けられた回り止め突起16の係合によって外輪部材21はインナ側ブレーキパッド14に対して回り止めされている。
ハウジング20と外輪部材21のアウタ側端部間にはブーツ73が取り付けられ、そのブーツ73によってハウジング20のアウタ側の開口端と外輪部材21の先端部間が密閉されている。
実施の形態で示す電動式ブレーキ装置は上記の構成からなり、図12は、ディスクロータ10に対する制動力の解除状態を示し、一対のブレーキパッド13、14はディスクロータ10に対して離反している。
上記のような制動力の解除状態において、図1に示す電動モータ24を駆動すると、その電動モータ24のロータ軸25の回転が入力ギヤ31から中間ギヤ33の大径ギヤ34に伝達されて、大径ギヤ34が図5の矢印イで示す方向(制動方向)に回転(正回転)する。
大径ギヤ34の正回転により凹部39の回転方向後行側の端面と突出部40間に組み込まれた弾性部材41が弾性変形し、さらに回転が進むと、上記後行側の端面が、図7に示すように、ストッパ42に当接して、大径ギヤ34の回転が小径ギヤ35に伝達される。また、小径ギヤ35の回転は出力ギヤ32に伝達され、図1に示す回転軸51が減速回転される。
回転軸51の外径面には、複数の遊星ローラ52のそれぞれ外径面が弾性接触しているため、上記回転軸51の回転により遊星ローラ52が回転軸51との接触摩擦により、自転しつつ公転する。
このとき、遊星ローラ52の外径面に形成された螺旋溝54は外輪部材21の内径面に設けられた螺旋突条53に噛合しているため、その螺旋溝54と螺旋突条53の噛合によって、外輪部材21が軸方向に移動し、その外輪部材21に当接されたインナ側ブレーキパッド14がディスクロータ10に当接して、そのディスクロータ10を軸方向に押圧し始める。その押圧力の反力により爪部12に支持されたアウタ側ブレーキパッド13がディスクロータ10に接近する方向に向けてキャリパ11が移動し、アウタ側ブレーキパッド13がディスクロータ10に当接して、そのアウタ側ブレーキパッド13がインナ側ブレーキパッド14とでディスクロータ10の外周部を軸方向両側から強く挟持し、ディスクロータ10に制動力が負荷される。
ディスクロータ10の制動後、電動モータ24のロータ軸25を逆回転させると、中間ギヤ33の大径ギヤ34が図5の矢印ロで示す方向(制動解除方向)に回転し、その回転により凹部39の回転方向の後行側の端面と突出部40の対向部間に組み込まれた弾性部材41が弾性変形し、さらに回転が進むと、上記後行側の端面が、図8に示すように、ストッパ42に当接して、大径ギヤ34の回転が小径ギヤ35に伝達される。
小径ギヤ35の回転は出力ギヤ32に伝達され、図1に示す回転軸51が前述と逆方向に減速回転され、回転・直動変換機構50の作動によって外輪部材21が図12に示す位置まで後退動し、アウタ側ブレーキパッド13およびインナ側ブレーキパッド14がディスクロータ10の挟持を解除し、制動力の解除状態とされる。
ここで、電動モータ24のロータ軸25の回転を減速して回転軸51に伝達するギヤ減速機構30には、一次減速ギヤ列Gおよび二次減速ギヤ列Gにおけるギヤの噛み合い部にバックラッシが存在するため、ギヤ減速機構30の停止時、振動が負荷されると、ギヤの噛合部において、歯面が衝突、離反を繰り返し、歯打ち音が発生する。
このとき、中間ギヤ33を形成する大径ギヤ34と小径ギヤ35の嵌合部におけるトルク伝達部においては、図5および図6に示すように、小径ギヤ35のボス部36に設けられた突出部40の両側のストッパ42と大径ギヤ34の内径面に設けられた扇形凹部39の周方向の両端面間にバックラッシ分に相当する回転方向隙間43が設けられており、しかも、突出部40はその周方向の両端側に組み込まれた一対の弾性部材41によって回転方向隙間43の中立位置に保持されているため、ギヤ減速機構30の停止時、振動によりギヤの噛合部でバックラッシ分に相当する相対回転移動が生じると、大径ギヤ34と小径ギヤ35が相対回転して弾性部材41が弾性変形し、ギヤ噛合部での歯面の衝突時の衝撃力が弱められ、歯打ち音が低減される。
また、ギヤ減速機構30によるトルク伝達時においても、電動モータ24の回転変動やギヤにおける歯面ピッチの誤差等により、ギヤの噛合部における歯面の相互において、接触、離反を繰り返す。このような場合においても、歯面の接触時に弾性部材41が弾性変形して衝撃を吸収し、歯打ち音を低減する。
図5および図6に示すように、大径ギヤ34の扇形凹部39内において突出部40の周方向両端側に一対の弾性部材41を組み込むことにより、ギヤの正転および逆転の両方向の回転に対して歯打ち音の低減効果を発揮する。
図12に示される電動式ブレーキ装置に採用される直動アクチュエータAにおいては、ブレーキパッド13、14をディスクロータ10に対して当接、離反させるクリアランスの開閉時、ブレーキパッド14からの反力トルクはギヤ減速機構30に作用しないため、ブレーキパッド14をディスクロータ10から離反させるクリアランス開放時に逆方向の回転トルクが作用し、突出部40の周方向両端側に一対の弾性部材41を設けることによって歯打ち音の低減効果が発揮される。
図5および図6においては、弾性部材41として圧縮スプリングを用いたが、弾性部材41は圧縮スプリングに限定されるものではない。例えば、図9(a)に示すように、引張りスプリングを弾性部材41として用いるようにしてもよく、あるいは、(b)に示すように、ゴムを弾性部材41として用いるようにしてもよい。
また、図5および図6においては、突出部40の周方向両端側に一対の弾性部材41を組み込むようにしたが、電動式ブレーキ装置に採用される電動式アクチュエータAにおいては、制動力負荷時および解除時に一定方向のトルクが作用するのみであるため、図10に示すように、突出部40の周方向一端側にのみ弾性部材41を組み込むようにしてもよい。
電動式ブレーキ装置においては、ディスクロータにインナ側ブレーキパッド14を押し付けた際の反力が電動式直動アクチュエータAに作用して、ギヤ減速機構30は制動解除方向に回されるトルクが作用し、このトルクに打ち勝つように電動モータ24にトルクを発生させ、必要な制動力が得られるようにしている。
一方、制動力を解除する場合も、解除方向にブレーキパッド14からの反力によるトルクを受けながらモータトルクを弱めるため、常に制動解除方向のトルクが作用する。
このように、電動式ブレーキ装置に採用される電動式直動アクチュエータAにおいては、制動力が負荷されている際は常に一定方向のトルクが作用しているため、ギヤの噛合部においては、歯面の片側が接触している状態にある。このような場合において、図10に示すように、突出部40の片側に弾性部材41を介在させた場合は、トルクを伝達する歯面同士の接触状態が、電動モータ24の回転変動やギヤにおける歯面ピッチ誤差等により僅かに離れたり接触したりを繰り返した場合においても、歯面の接触時に弾性部材41の弾性変形により衝撃を吸収し、歯打ち音が低減される。
また、ギヤ減速機構30の停止時においては、中間ギヤ33の大径ギヤ34および小径ギヤ35が弾性部材41により噛み合う相手方ギヤに向けて付勢されるため、噛合部におけるバックラッシは0になり、振動の付与によって歯打ち音が生じるようなことはない。
ここで、図11(a)乃至(c)は、突出部40の片側に弾性部材41を介在したギヤ減速機構30の作用説明図である。トルク負荷時は、(a)の(I)に示すように、電動モータ24によって回転駆動される入力ギヤ31の回転は大径ギヤ34に伝達される。その大径ギヤ34の回転により、(II)に示すように、凹部39の回転方向後行側の端面が弾性部材41を押圧し、その押圧により弾性変形して上記端面がストッパ42に当接し、大径ギヤ34の回転が小径ギヤ35に伝達される。また、小径ギヤ35の回転は出力ギヤ32に伝達され、その伝達時、(III)に示すように、小径ギヤ35の歯面の回転方向後行側にバックラッシが形成される状態となる。
電動モータ24の回転変動時は、図11(b)の(I)に示すように、入力ギヤ31と大径ギヤ34の歯面間にバックラッシlが形成され、(II)に示す弾性部材41の復元弾性により大径ギヤ34が小径ギヤ35に対して上記バックラッシを無くす方向に相対回転する。このとき、小径ギヤ35と出力ギヤ32は、(III)に示すように、バックラッシのない状態の噛み合い状態であり、歯打ち音が生じるようなことはない。
電動モータ24のトルク減少時、電動モータ24の回転速度が速くなり、あるいは、ギヤおける歯面のピッチ誤差があると、図11(c)の(I)に示すように、入力ギヤ31と大径ギヤ34の歯面間にバックラッシlが形成される。このとき、(II)に示す弾性部材41の復元弾性により大径ギヤ34が小径ギヤ35に対して上記バックラッシを無くす方向に相対回転する。
このように、図11(a)乃至(c)のいずれの状態においてもバックラッシのない状態でトルク伝達されることになる。
なお、図5においては、大径ギヤ34の内径面に凹部39を設け、小径ギヤ35のボス部36に突出部40を設けるようにしたが、小径ギヤ35のボス部36に凹部を設け、大径ギヤ34の内径面に突出部を設けるようにしてもよい。さらに、大径ギヤ34にボス部を設け、そのボス部に小径ギヤ35を嵌合した場合、小径ギヤ35の内径面に凹部39を設け、大径ギヤ34のボス部に突出部40を設けてもよいし、大径ギヤ34のボス部に凹部を設け、小径ギヤ35の内径面に突出部を設けるようにしてもよい。
図1では、出力ギヤ32の回転をスライド部材としての外輪部材21の直線運動に変換する回転・直動変換機構50として、遊星ローラ52を自転させつつ公転させ、その遊星ローラ52の外周に形成された螺旋溝または円周溝と外輪部材21の内周に設けられた螺旋突条53の噛み合いによる遊星ローラねじ機構を示したが、回転・直動変換機構50はこれに限定されず、ボールねじ機構であってもよく、あるいは、ボールランプ機構であってもよい。
10 ディスクロータ
13 ブレーキパッド
14 ブレーキパッド
21 外輪部材(スライド部材)
24 電動モータ
25 ロータ軸
30 ギヤ減速機構
31 入力ギヤ
32 出力ギヤ
33 中間ギヤ
34 大径ギヤ
35 小径ギヤ
36 ボス部
39 凹部
40 突出部
41 弾性部材
42 ストッパ
43 回転方向隙間
50 回転・直動変換機構

Claims (5)

  1. 電動モータ(24)と、その電動モータ(24)のロータ軸(25)の回転を複数段の減速ギヤ列(G、G)により順次減速して出力ギヤ(32)から出力するギヤ減速機構(30)と、そのギヤ減速機構(30)の出力ギヤの回転を軸方向に移動可能とされたスライド部材(21)の軸方向への直線運動に変換する回転・直動変換機構(50)とを有してなり、前記ギヤ減速機構(30)が、大径ギヤ(34)と小径ギヤ(35)を軸方向に対向配置した複列ギヤを中間ギヤ(33)として備えて成る電動式直動アクチュエータにおいて、
    前記中間ギヤ(33)における大径ギヤ(34)と小径ギヤ(35)の一方に設けられたボス部(36)に他方の前記大径ギヤ(34)または小径ギヤ(35)が嵌合されて軸方向に対向配置され、前記ボス部(36)と他方の大径ギヤ(34)または小径ギヤ(35)の嵌合面における一方に扇形の凹部(39)を設け、他方にその凹部(39)内に回転方向隙間(43)をもって配置される突出部(40)を設け、前記回転方向隙間(43)に弾性部材(41)を組み込んだことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
  2. 前記突出部(40)の周方向両端側に回転方向隙間(43)を設け、それぞれの回転方向隙間(43)に弾性部材(41)を組み込んで前記突出部(40)を回転方向の中立位置に保持した請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
  3. 前記突出部(40)の周方向一側に回転方向隙間(43)を設け、その回転方向隙間(43)に弾性部材(41)を組み込んで、大径ギヤ(34)と小径ギヤ(35)のそれぞれを各ギヤに噛合する相手方ギヤに向けて付勢して歯の噛合部におけるバックラッシを除去した請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
  4. 前記弾性部材(41)が、圧縮スプリング、引張りスプリング、ゴムの一種からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電動式直動アクチュエータ。
  5. 電動式直動アクチュエータによりブレーキパッド(13、14)を直線駆動し、そのブレーキパッド(13、14)でディスクロータ(10)を押圧して、そのディスクロータ(10)に制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、
    前記電動式直動アクチュエータが請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電動式直動アクチュエータからなり、その電動式直動アクチュエータにおけるスライド部材(21)でブレーキパッド(13、14)を直線駆動することを特徴とする電動式ブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023053305A1 (ja) * 2021-09-29 2023-04-06 本田技研工業株式会社 パワーユニット

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