JP2016008413A - アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法 - Google Patents

アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016008413A
JP2016008413A JP2014128999A JP2014128999A JP2016008413A JP 2016008413 A JP2016008413 A JP 2016008413A JP 2014128999 A JP2014128999 A JP 2014128999A JP 2014128999 A JP2014128999 A JP 2014128999A JP 2016008413 A JP2016008413 A JP 2016008413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
asphalt pavement
porous layer
layer
road surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014128999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6204278B2 (ja
Inventor
裕 織田
Yutaka Oda
裕 織田
神谷 隆
Takashi Kamiya
隆 神谷
正則 高木
Masanori Takagi
正則 高木
秀一郎 小林
Hideichiro Kobayashi
秀一郎 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAHAGI DORO KK
Yahagi Construction Co Ltd
Original Assignee
YAHAGI DORO KK
Yahagi Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by YAHAGI DORO KK, Yahagi Construction Co Ltd filed Critical YAHAGI DORO KK
Priority to JP2014128999A priority Critical patent/JP6204278B2/ja
Publication of JP2016008413A publication Critical patent/JP2016008413A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6204278B2 publication Critical patent/JP6204278B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

【課題】多孔質層の空隙に充填された微粒体の飛散を抑制することができるアスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法を提供する。【解決手段】アスファルト舗装体12は、アスファルト混合体を基体とする多孔質層14と、多孔質層14の空隙に充填された微粒体21と、多孔質層14の空隙において、微粒体21よりも表層15側に充填された粒体22と、多孔質層14の表層15において粒体22を固定する水溶性樹脂23と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法に関する。
従来、透水性を有する多孔質の舗装体の空隙に微粒体を充填することによって、降雨等の水分を微粒体の周囲に保持するとともに、晴天時にその水を毛細管現象による揚水作用によって路面から気化させることにより、路面の温度上昇を継続的に抑制するアスファルト舗装体がある。また、このような微粒体を含む舗装体を上下2層とし、下層には微粒体をそのまま充填する一方で、上層においては充填される微粒体をセメントで固化することにより、微粒体の飛散を抑制する技術がある(例えば、特許文献1)。
特開2008−31679号公報
ところで、上記特許文献1のように毛細管現象による揚水作用を発揮する微粒体は平均粒径が80〜200μm程度と非常に小さいため、特に路面への負荷が高い場所などで路面が削られると、微粒体がわずかながら飛散してしまう、という課題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、多孔質層の空隙に充填された微粒体の飛散を抑制することができるアスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するアスファルト舗装体は、アスファルト混合体を基体とする多孔質層と、前記多孔質層の空隙に充填された微粒体と、前記多孔質層の空隙において、前記微粒体よりも表層側に充填された粒体と、前記多孔質層の前記表層において、前記粒体を固定する水溶性樹脂と、を備える。
この構成によれば、微粒体よりも表層側に充填された粒体を水溶性樹脂によって固定することによって、微粒体を多孔質層の空隙内にとじこめることができる。また、多孔質層の空隙において微粒体よりも表層側に充填する粒体の粒径を微粒体よりも大きくすることによって、路面が削られた場合にも粒体の飛散が抑制される。したがって、多孔質層の空隙に充填された微粒体の飛散を抑制することができる。
上記アスファルト舗装体において、前記微粒体の平均粒径が80〜200μmであり、前記粒体の粒度範囲が0.08〜0.4mmであることが好ましい。
多孔質層に充填される粒体の径が大きいと、飛散はしにくいものの、毛細管現象による揚水作用が発揮されないために、微粒体の周囲に保持された水を路面から蒸散させることができない。一方、粒体の粒径が過度に小さいと、保水力が高くなる一方で、水溶性樹脂で固定した場合に空隙が微小になり、路面における透水性(排水性)が低下してしまう。その点、上記構成によれば、粒体の粒度範囲は0.08〜0.4mmであるので、路面における透水性を確保しつつ、毛細管現象による揚水作用を発揮して、微粒体の周囲に保持された水をスムーズに路面から蒸散させることができる。したがって、微粒体の飛散を抑制しつつ、路面の温度上昇を効果的に抑制することができる。
上記アスファルト舗装体は、前記多孔質層において、空隙に前記粒体及び前記水溶性樹脂を含む前記表層の厚さが0.5cm以上、1cm以下であることが好ましい。
粒径が小さい微粒体は、粒体よりも保水力が高く、また、毛細管現象による揚水作用が活発であるので、路面に近い位置に配置しておくことによって保持した水を継続的に気化させて、路面の温度上昇効果を長時間発揮することができる。一方、粒体が充填された表層が薄すぎると、表層が削られたときに微粒体が露出して飛散してしまうおそれがある。その点、上記構成によれば、多孔質層において粒体及び水溶性樹脂を含む表層の厚さが0.5cm以上、1cm以下であるので、微粒体を路面近くに配置して水の気化を促進しつつ、水溶性樹脂によって固定された表層の強度を確保して微粒体及び粒体の飛散を抑制することができる。
上記課題を解決するアスファルト舗装路面構造は、上記アスファルト舗装体と、前記アスファルト舗装体を支持する保水性を有する路盤と、を備える。
この構成によれば、上記アスファルト舗装体と同様の作用効果を得ることができる。
上記課題を解決するアスファルト舗装体の形成方法は、アスファルト混合体を基体とする多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、前記多孔質層の空隙に微粒体を充填する微粒体充填工程と、前記多孔質層の空隙において、前記微粒体よりも表層側に粒体を充填する粒体充填工程と、前記多孔質層の前記表層において、水溶性樹脂によって前記粒体を固定する粒体固定工程と、を備える。
この構成によれば、上記アスファルト舗装体と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、アスファルト舗装体において、多孔質層の空隙に充填された微粒体の飛散を抑制することができる。
アスファルト舗装体及びアスファルト舗装路面構造の一実施形態を断面で示す模式図。 アスファルト舗装体の施工フロー。 アスファルト舗装体の表層に散布する水溶性樹脂の配合率を示すグラフ。 微粒珪砂の保水性に関する試験結果を示すグラフ。 珪砂層の吸水時間の試験結果を示すグラフ。
以下、アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法の一実施形態を図面に従って説明する。本実施形態のアスファルト舗装体及びアスファルト舗装路面構造は、主に歩行者用道路、軽車両通過道路、地域道路及び幹線道路などにおいて好適に適用できるものである。
図1に示すように、本実施形態のアスファルト舗装路面構造11は、アスファルト舗装体12と、アスファルト舗装体12を支持する保水性を有する路盤13と、を備える。路盤13は、通常舗装の路盤材料を用いてもよいが、例えば粒度調整砕石またはクラッシャーランなどの透水性舗装用の路盤材料を用いて、強度及び耐久性の他、適度な透水性及び貯水性を備えることが好ましい。
アスファルト舗装体12は、アスファルト混合体を基体とする多孔質層14と、多孔質層14の空隙に充填された微粒体21と、多孔質層14の空隙において微粒体21よりも表層15側に充填された粒体22と、多孔質層14の表層15において粒体22を固定する水溶性樹脂23と、を備える。
多孔質層14は、例えば骨材24とアスファルトとの混合物からなる開粒度アスファルトが基体を構成する。多孔質層14は、容積百分率で18〜25%程度の空隙率で、厚さ4〜5cm程度に形成されることが好ましい。また、路盤13を含んだアスファルト舗装路面構造11の厚さは14〜25cm程度であることが多い。
微粒体21は、例えば鉱物性の微粒珪砂であり、平均粒径が80〜200μm程度のものを用いることが好ましい。なお、このような粒径を備える微粒珪砂の好例として、愛知県瀬戸市で算出されるものの品質を表1に示す。
粒体22は、微粒体21よりも粒径が大きい粒体であり、例えば6号珪砂(粒度範囲0.2〜0.4mm)や7号珪砂(粒度範囲0.08〜0.3mm)などを用いることが好ましい。
水溶性樹脂23は、例えば水溶性エポキシ樹脂など、水による希釈が可能であり、施工後1晩程度で硬化するものが好ましい。水溶性樹脂23は、表層15に浸透して粒体22の表面を被覆することによって、粒体22と粒体22との間に空隙を残しつつ、粒体22を多孔質層14の骨材24に固定する。また、粒体22を被覆した水溶性樹脂23が硬化することによって、骨材24同士が接着されることにもなり、表層15の強度が向上する。
多孔質層14において、粒体22が充填された表層15は、水溶性樹脂23で粒体22としての珪砂を固定することによって樹脂珪砂層を形成する。なお、アスファルト舗装路面構造11において樹脂珪砂層と路盤13との間において微粒体21としての微粒珪砂が充填された領域のことを微粒珪砂層16という。また、多孔質層14において、空隙に粒体22及び水溶性樹脂23を含む表層15の厚さは、0.5cm以上、1cm以下であることが好ましい。
次に、アスファルト舗装体12の形成方法について、アスファルト舗装体12の施工フローに基づいて説明する。
まず、図2に示すように、路盤13上にアスファルト混合体を敷設して、アスファルト混合体を基体とする多孔質層14を形成する(多孔質層形成工程S11)。
次に、多孔質層14の表層側0.5〜1cmを残して、多孔質層14の空隙に微粒体21を充填する(微粒体充填工程S12)。このとき、微粒体21と水とを重量比1:1程度で混合したものを散布して、多孔質層14の空隙に自然流下させると、施工性がよい。また、このような微粒体21と水との混合物を多孔質層14の空隙に充填した後に振動を加えると、隙間無く微粒体21を充填することが可能になる。
続いて、多孔質層14の空隙において、微粒体21よりも表層側に残した空隙に粒体22を充填する(粒体充填工程S13)。そして、多孔質層14の表面をレーキ等で均した後、水で希釈した水溶性樹脂23を散布剤として散布することによって、多孔質層14の表層15において、粒体22を水溶性樹脂23によって固定する(粒体固定工程S14)。このとき、水で希釈した水溶性樹脂23に顔料を混合して散布すれば、路面に着色することができる。
なお、粒体固定工程S14において、水溶性樹脂23としてエポキシ樹脂を用いるとともに、顔料を混合して調合した散布剤の散布量が0.83kg/mであるときの、エポキシ樹脂の水による希釈率(散布剤における質量%)について、図3に示す。
図3に示すように、エポキシ樹脂の希釈率を30%にすると、エポキシ樹脂の配合率(質量%)は約75%になり、エポキシ樹脂の希釈率を40%にすると、エポキシ樹脂の配合率(質量%)は約70%になる。また、エポキシ樹脂の希釈率を50%にすると、エポキシ樹脂の配合率(質量%)は約65%になり、エポキシ樹脂の希釈率を60%にすると、エポキシ樹脂の配合率(質量%)は約61%になる。
そして、エポキシ樹脂の希釈率が50%以上になると、エポキシ樹脂が硬化した後に粒体22が剥がれやすくなる、という現象が観察された。そのため、水溶性樹脂23としてエポキシ樹脂を用いる場合、水による希釈率は40%以下にすることが好ましい。
また、粒径の小さい微粒体21を水溶性樹脂23で固化すると、微粒体21と微粒体21の間の空隙が微小になって透水性が低下するおそれがある。そのため、水溶性樹脂23を散布する場合には、微粒体21が充填された層まで水溶性樹脂23が浸透しないように散布量を調整することが好ましい。例えば、水溶性樹脂23を含む散布剤の散布量は、0.5〜1.0kg/mであることが好ましい。
次に、以上のように構成されたアスファルト舗装体12及びアスファルト舗装路面構造11の作用について説明する。
アスファルト舗装路面構造11においては、路面を形成するアスファルト舗装体12が多孔質層14であることから、骨材24、粒体22及び微粒体21の隙間を通じて雨水等の水がスムーズに浸透し、路面の排水が速やかに行われる。
また、微粒体21は表1に品質を示す細骨材と比較して粒子径が小さく、毛細管力が大きいため、路面から浸透した水は、微粒体21が形成する空隙に保水される。なお、細骨材とは、10mmふるいを全て通過し、5mmふるいを通過するものが重量で85%以上含まれる骨材であって、標準的には、5mmふるいを通過するものが重量で90〜100%、0.15mmふるいを通過するものが重量で2〜10%の骨材である。
図4には、表1に示す細骨材と微粒体21としての微粒珪砂を試験体として保水性を比較するために行った試験の結果を示す。この試験においては、直径7.5cmで高さ200cmの円筒状の容器に、表1に示す細骨材と微粒珪砂を乾燥状態でそれぞれ充填し、上面から8リットルの水道水を注入した。そして、水の注入完了後、底面から2cmのみ水に浸した状態で2週間放置した後の含水比(水の重量/試験体の乾燥重量)を底面より高さ5cmを基準として、上方に10cm間隔で測定したものである。
図4に示すように、微粒珪砂は、細骨材と比較して、各高さ位置において細骨材の2〜3倍程度の含水比を示し、特に高さ位置45〜85cmでは7〜9倍の含水比を示している。また、細骨材は高さ位置が高くなるにつれて含水比が低下し、高さ位置25cmで含水比10%程度である。
これに対して、微粒珪砂は高さ位置5〜45cmまで含水比が45%前後でほぼ同等であり、それ以上の高さ位置においては徐々に含水比が低下するものの、高さ位置75cmにおいても含水比40%程度を維持している。この試験結果が示すように、微粒珪砂は微細な連続空隙を形成することによって高い保水力を有するとともに、毛細管現象による揚水作用が高いといえる。
そのため、降雨時等には路面から浸透した水が多孔質層14に充填された微粒体21の周囲や保水性を備える路盤13に保持されるとともに、晴天時等に路面から水が蒸発すると、多孔質層14や路盤13に保持された水が揚水されて、路面側に供給される。
そして、特に夏季など、路面温度が上昇したときには、多孔質層14に保持された水を路面から蒸発させることによって路面温度を低下させることが可能になる。また、多孔質層14や路盤13に保持された水を揚水して路面側に供給することにより、路面の温度低減効果を長時間継続することが可能になる。
ここで、多孔質層14の表層15に粒体22として充填される珪砂は、粒体の粒度範囲が小さいほど揚水効果が高いため、路面温度の低減効果が高い。例えば、表層15に4号珪砂(粒度範囲0.6〜1.2mm)を充填した場合には、粒度が大きく、毛細管現象による揚水作用が十分に得られない。また、表層15に5号珪砂(粒度範囲0.3〜0.8mm)を充填した場合には、毛細管現象による揚水作用はあるものの、揚水速度が十分でなく、温度の低減効果が十分でない。すなわち、多孔質層14に充填する微粒体21及び粒体22は、毛細管現象による揚水作用を発揮することができる程度の小さい粒径であることが望まれる。
一方、表層15に8号珪砂(粒度範囲0.05〜0.2mm)を充填した場合には、揚水効果は高いものの、珪砂の間の空隙が小さく、水溶性樹脂23を含む散布剤の浸透性が悪い。また、珪砂の間の空隙が小さくなりすぎるため、路面における透水性が確保できない。したがって、多孔質層14の表層15に充填される粒体22は、水溶性樹脂23で固化した場合に、路面からの透水性を確保できる程度の大きさの粒径であることが望まれる。
その点、表層15に粒体22として充填する珪砂を6号珪砂(粒度範囲0.2〜0.4mm)または7号珪砂(粒度範囲0.08〜0.3mm)にすると、路面の透水性を確保しつつ、十分な揚水作用を得ることができる。
なお、路面における温度の低減効果を継続的に発揮するためには、夏季等に日射による熱を吸収した路面の温度が60度程度になって水の蒸発量が大きくなった場合にも、表層15において、微粒珪砂層16が保持した水を所定の速度で路面に向けて揚水する必要がある。
図5には、円筒状の容器の中に微粒珪砂を充填した微粒珪砂層(層厚42〜52mm)を設け、さらにその上層に珪砂を充填した珪砂層(層厚5〜15mm)を設けて微粒珪砂層と珪砂層の合計厚を57mmとし、微粒珪砂層の底面から7mmのみを水に浸した場合の吸水時間(揚水時間)を測定した試験の結果を示す。この試験においては、珪砂層として、6号珪砂及び7号珪砂をそれぞれ層厚が0mm、5mm、10mm、15mmとなるように設けた試験体を作成した上で、各珪砂層を水溶性のエポキシ樹脂によって固定し、各試験体の表面全体が湿潤状態になるまでの時間を吸水時間として測定した。なお、珪砂層の層厚が0mmの試験体は、珪砂に替えて微粒珪砂を充填したもので、他の試験体と層厚を合わせた微粒珪砂層のみからなる。
図5に示すように、6号珪砂と7号珪砂とで吸水時間を比較すると、粒度範囲の小さい7号珪砂の方が6号珪砂よりも吸水時間が若干短いものの、両者の間で大きな差はなく、いずれも珪砂層の層厚が10mm以下であれば、微粒珪砂のみの層と同等程度の吸水速度が得られた。
したがって、本実施形態のように多孔質層14において粒体22を含む表層15の厚さを1cm以下とすれば、表層15において揚水速度を低下させることなく、微粒珪砂層16または路盤13に保持した水を路面側に供給することが可能になる。ただし、表層15の厚さを0.5cm未満にすると、車両の通過等により表層15が削られたときに微粒珪砂層16が露出して微粒体21が飛散してしまうおそれがあるため、表層15の厚さは0.5cm以上であることが好ましい。
そして、本実施形態のアスファルト舗装体12によれば、降雨時等においては路面における良好な透水性を確保しつつ、路面から浸透した水を空隙に保持して、晴天時等に路面から保持した水を蒸散させることによって、気化熱によって路面の温度上昇を抑制することが可能になる。また、アスファルト舗装路面構造11の路盤13が保水性を有することにより、さらに、路盤13に保持した水も揚水して路面から蒸散させることができるので、路面の温度上昇効果を持続させることが可能になる。
本実施形態に対する比較例として、多孔質層14の表層を粒体22または微粒体21を含むセメントで固化した場合には、時間の経過とともに表面に白い生成物が出現する白華現象や、乾湿による色相の変化による発色ムラなどが生じるため、美観に影響を与えるおそれがある。その点、外観に与える影響がほとんどない水溶性樹脂23によって粒体22を固定することによって、路面の美観を保つことが可能である。また、セメントで固化する場合には路面の均質な着色が困難であるのに対して、水溶性樹脂23を用いる場合には、顔料を混合することによって路面を容易に着色することができるので、路面の美観を向上させることが可能である。
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)微粒体21よりも表層15側に充填された粒体22を水溶性樹脂23によって固定することによって、微粒体21を多孔質層14の空隙内にとじこめることができる。また、多孔質層14の空隙において微粒体21よりも表層15側に充填する粒体22の粒径を微粒体21よりも大きくすることによって、路面が削られた場合にも粒体22の飛散が抑制される。したがって、多孔質層14の空隙に充填された微粒体21の飛散を抑制することができる。
(2)多孔質層14に充填される粒体22の径が大きいと、飛散はしにくいものの、毛細管現象による揚水作用が発揮されないために、微粒体21の周囲に保持された水を路面から蒸散させることができない。一方、粒体22の粒径が過度に小さいと、保水力が高くなる一方で、水溶性樹脂23で固定した場合に空隙が微小になり、路面における透水性(排水性)が低下してしまう。その点、上記実施形態によれば、粒体22の粒度範囲は0.08〜0.4mmであるので、路面における透水性を確保しつつ、毛細管現象による揚水作用を発揮して、微粒体21の周囲に保持された水をスムーズに路面から蒸散させることができる。したがって、微粒体21の飛散を抑制しつつ、路面の温度上昇を効果的に抑制することができる。
(3)粒径が小さい微粒体21は、粒体22よりも保水力が高く、また、毛細管現象による揚水作用が活発であるので、路面に近い位置に配置しておくことによって保持した水を継続的に気化させて、路面の温度上昇効果を長時間発揮することができる。一方、粒体22が充填された表層15が薄すぎると、表層15が削られたときに微粒体21が露出して飛散してしまうおそれがある。その点、上記実施形態によれば、多孔質層14において粒体22及び水溶性樹脂23を含む表層15の厚さは0.5cm以上、1cm以下であるので、微粒体21を路面近くに配置して水の気化を促進しつつ、水溶性樹脂23によって固定された表層15の強度を確保して微粒体21及び粒体22の飛散を抑制することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。また、下記変更例は、任意に組み合わせることができる。
・アスファルト舗装体12の形成方法は、アスファルト舗装路面構造11の補修に用いることもできる。例えば、上記実施形態と異なるアスファルト舗装体において、表面が部分的に削れて多孔質層14の骨材24が脱落したような箇所を補修する際に、アスファルト混合体からなる基体を補修した後に微粒体21を充填し、さらのその表層に粒体22を充填した上で、粒体22に水溶性樹脂23を散布する。このようにすれば、硬化した水溶性樹脂23の作用により、路面に対する負荷が高い箇所の補修に際して、その路面を補強しつつ、路面の透水性を確保することができる。
・水溶性樹脂23による粒体22の固化は、水で希釈した水溶性樹脂23の散布の他、水で希釈した水溶性樹脂23を塗布したり、水で希釈した水溶性樹脂23を粒体22に混合した混合物を多孔質層14の空隙に擦り込んだりすることによって行うこともできる。ただし、水溶性樹脂23を散布する場合には、塗布等する場合よりも作業効率が高く、また、水溶性樹脂23と粒体22を含む混合物を空隙に擦り込む場合よりも粒体22間の空隙を均等に形成することができるので、より好ましい。
・粒体22及び水溶性樹脂23を含む表層15と微粒体21としての微粒珪砂が充填された微粒珪砂層16との間に、水溶性樹脂23によって固化されない粒体22が充填された中間層(珪砂層)が存在してもよい。
・微粒体21の平均粒径を含む品質は上記実施形態に例示したものに限らず、十分な保水性と揚水作用が確保できれば、任意の微粒体21を用いることができる。
・粒体22の粒度範囲を含む品質は上記実施形態に例示したものに限らず、水溶性樹脂で固化した状態で適度な透水性と揚水作用が確保できれば、任意の粒体22を用いることができる。
・粒体22を固定する水溶性樹脂23はエポキシ樹脂には限らず、硬化時のムラが少なく、硬化後の吸水性及び保水性が確保できるものであれば、任意の水溶性樹脂を採用することができる。
・多孔質層14において粒体22及び水溶性樹脂23を含む表層15の厚さは、十分な強度を確保できる場合には、0.5cm未満であってもよい。
・多孔質層14において粒体22及び水溶性樹脂23を含む表層15の厚さは、十分な揚水作用が確保できる場合には、1cmより厚くてもよい。
11…アスファルト舗装路面構造、12…アスファルト舗装体、13…路盤、14…多孔質層、15…表層、21…微粒体、22…粒体、23…水溶性樹脂。

Claims (5)

  1. アスファルト混合体を基体とする多孔質層と、
    前記多孔質層の空隙に充填された微粒体と、
    前記多孔質層の空隙において、前記微粒体よりも表層側に充填された粒体と、
    前記多孔質層の前記表層において、前記粒体を固定する水溶性樹脂と、
    を備えるアスファルト舗装体。
  2. 前記微粒体の平均粒径が80〜200μmであり、
    前記粒体の粒度範囲が0.08〜0.4mmである
    請求項1に記載のアスファルト舗装体。
  3. 前記多孔質層において、空隙に前記粒体及び前記水溶性樹脂を含む前記表層の厚さが0.5cm以上、1cm以下である
    請求項1または請求項2に記載のアスファルト舗装体。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のアスファルト舗装体と、
    前記アスファルト舗装体を支持する保水性を有する路盤と、
    を備えるアスファルト舗装路面構造。
  5. アスファルト混合体を基体とする多孔質層を形成する多孔質層形成工程と、
    前記多孔質層の空隙に微粒体を充填する微粒体充填工程と、
    前記多孔質層の空隙において、前記微粒体よりも表層側に粒体を充填する粒体充填工程と、
    前記多孔質層の前記表層において、水溶性樹脂によって前記粒体を固定する粒体固定工程と、
    を備えるアスファルト舗装体の形成方法。
JP2014128999A 2014-06-24 2014-06-24 アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法 Active JP6204278B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128999A JP6204278B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014128999A JP6204278B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016008413A true JP2016008413A (ja) 2016-01-18
JP6204278B2 JP6204278B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=55226177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014128999A Active JP6204278B2 (ja) 2014-06-24 2014-06-24 アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6204278B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7095959B2 (ja) 2017-07-26 2022-07-05 矢作建設工業株式会社 路面の処理方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005008782A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Toa Doro Kogyo Co Ltd アスファルト乳剤組成物
JP2007063861A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Nisshin Kasei Kk 保水性舗装の施工方法
JP2008031679A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Yahagi Doro Kk 路面温度の上昇抑制機能を備えたアスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造およびアスファルト舗装体の形成方法
JP2009155939A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Taisei Rotec Corp 透水型保水性舗装およびその施工方法
JP2011196149A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Eco-Bond Co Ltd 透水性あるいは排水性機能を有する舗装体に親水性を付与する方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005008782A (ja) * 2003-06-20 2005-01-13 Toa Doro Kogyo Co Ltd アスファルト乳剤組成物
JP2007063861A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Nisshin Kasei Kk 保水性舗装の施工方法
JP2008031679A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Yahagi Doro Kk 路面温度の上昇抑制機能を備えたアスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造およびアスファルト舗装体の形成方法
JP2009155939A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Taisei Rotec Corp 透水型保水性舗装およびその施工方法
JP2011196149A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Eco-Bond Co Ltd 透水性あるいは排水性機能を有する舗装体に親水性を付与する方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7095959B2 (ja) 2017-07-26 2022-07-05 矢作建設工業株式会社 路面の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6204278B2 (ja) 2017-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2833027C (en) Water-permeable and water-absorbing eco-pavement
CN110041005B (zh) 一种透水混凝土用增强剂及其制备方法和施工工艺
JP6284874B2 (ja) アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法
JP4801656B2 (ja) 透水型保水性舗装およびその施工方法
JP6204278B2 (ja) アスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造及びアスファルト舗装体の形成方法
JP5769999B2 (ja) 舗装構造
JP4769139B2 (ja) 路面温度の上昇抑制機能を備えたアスファルト舗装体およびアスファルト舗装路面構造
JP2006283381A (ja) 遮熱性・保水性舗装
JP2008156944A (ja) 道路舗装構造
JP2003147717A (ja) 路面温度の上昇抑制機能を備えたアスファルト舗装体、アスファルト舗装路面構造およびアスファルト舗装体の形成方法
JP2007063861A (ja) 保水性舗装の施工方法
JP4785817B2 (ja) 舗装構造
CN101691730B (zh) 一种复合式路面面层结构及其施工方法
JP5308967B2 (ja) 舗装構造物および舗装施工方法
JP2009035939A (ja) 舗装用保水性注入材ならびに舗装体
JP2015036496A (ja) グランド又はコートの構造及び施工方法
JP2007224535A (ja) 舗装方法
CN1202312C (zh) 排水性混凝土的道路铺筑施工方法
JP5349890B2 (ja) 緑化舗装工法および緑化舗装構造
JP5389845B2 (ja) 舗装体システム
JP2006219821A (ja) 舗装方法
JP3160569U (ja) 貯水型透水性舗装構造
JP2005213861A (ja) 保水性舗装材及びこれを用いた舗装構造体
JP3192252U (ja) 多孔質粉粒体
JP2004257002A (ja) 路面温度上昇抑制舗装体およびその施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170831

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6204278

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250