以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形が行われてもよい。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 構成例
ここでは、図1〜図6を用いて、本実施形態に係る包装箱1の構成例を説明する。図1は、本実施形態に係る包装箱1を展開した状態(箱原板10)を例示する。図2は、本実施形態に係る包装箱1を模式的に例示する斜視図である。図3は、本実施形態に係る包装箱1を模式的に例示する底面図である。図4は、本実施形態に係る包装箱1の内側から底面部40を見た状態を模式的に例示する。図5は、本実施形態に係る包装箱1の開封状態を模式的に例示する斜視図である。また、図6は、実施の形態に係る包装箱1の本体部2の内部を模式的に例示する。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図1の上下方向を「上下」と、図1の左右方向を「左右」とも称することとする。また、包装箱1の各構成要素について、図1の紙面手前側方向を向いた面を各構成要素の表面と称し、図1の紙面奥側方向を向いた面を各構成要素の裏面と称することとする。
本実施形態では、図1で例示される予め裁断された紙製の平坦な箱原板10を折り曲げて糊付けすることで、図2〜図6に示すような直方体状の包装箱1が形成される。この箱原板10(包装箱1)は、コートボール紙、カード紙等の紙を主な原料として作製されてよい。なお、箱原板10を組み立てる方法については後述で詳細に説明する。
(側壁)
まず、包装箱1の各構成要素のうち、各側壁11〜14について説明する。本実施形態に係る包装箱1は、図1及び図6に例示されるように、前側壁11、前側壁の右側に位置する右側壁12、前側壁11の左側に位置する左側壁13、及び前側壁11に対向する後側壁14を備える。
前側壁11は、図1及び図2に例示されるように、包装箱1の手前側に配置され、矩形状に形成されている。この前側壁11の中央のやや上側には、下側に湾曲した円弧状の切断線113Cと、上側に湾曲した円弧状の切断線113Dと、が設けられている。切断線113C及び切断線113Dはそれぞれ互いに両端で連結されている。そのため、切断線113C及び切断線113Dに沿って前側壁11の一領域を切り取ると、楕円状の開口部113Eが形成される。
そして、本実施形態に係る前側壁11には、この開口部113Eを挟むように、破断線113A及び破断線113Bが設けられている。この破断線113A及び破断線113Bは、後述する包装箱1の開封のために設けられており、同一直線上に配置されている。この破断線113A及び破断線113Bは、本発明の「第1破断線」に相当する。破断線113Aは、開口部113Eの右側の端部から前側壁11の右側の端辺(折線116B)まで横方向に沿って延びている。また、破断線113Bは、開口部113Eの左側の端部から前側壁11の左側の端辺(折線118B)まで横方向に沿って延びている。そのため、この破断線113A及び破断線113Bに沿って破断すると、前側壁11は、本体側前側壁部111及び蓋側前側壁部112の上下に分割される。
この前側壁11の右側の端辺は、同一直線上に配置された折線116A及び折線116Bによって定められる。この折線116A及び折線116Bの間には、蓋側前側壁部112の領域において、右側壁12側に突出する切断線117Aが設けられている。同様に、前側壁11の左側の端辺は、同一直線上に配置された折線118A及び折線118Bによって定められる。この折線118A及び折線118Bの間には、蓋側前側壁部112の領域において、左側壁13側に突出する切断線117Bが設けられている。切断線117A及び切断線117Bは同じ高さに設けられており、この切断線117A及び切断線117Bに沿って箱原板10を切断することで、後述する凹部(119A、119B)が形成される。
また、本実施形態に係る包装箱1では、図1、図5、及び図6で例示されるように、この前側壁11の左右方向の両側に、互いに対向する右側壁12及び左側壁13が設けられている。具体的には、図1に例示されるように、右側壁12は、矩形状に形成されており、折線(116A、116B)を介して、前側壁11の右側の端辺に連結している。同様に、左側壁13は、右側壁12とほぼ同じ形状の矩形状に形成されており、折線(118A、118B)を介して、前側壁11の左側の短辺に連結している。そして、これら折線(116A、116B)及び折線(118A、118B)に沿って右側壁12及び左側壁13を折り曲げると、図5及び図6で例示されるように、右側壁12及び左側壁13は、互いに対向するように配置される。なお、図6の左右方向は、本発明の「横方向」に相当する。
本実施形態に係る右側壁12には、図1に例示されるように、前側壁11側に向けて下方に傾斜する破断線123が設けられている。この破断線123は、本発明の「第2破断線」に相当する。破断線123の左側の端部は、破断線113Aの右側の端部と連続している。そのため、包装箱1の開封の際には、右側壁12は、前側壁11に連続して破断されるように構成されている。なお、この破断線123に沿って破断すると、右側壁12は、本体側右側壁部121及び蓋側右側壁部122の上下に分割される。
同様に、本実施形態に係る左側壁13には、前側壁11側に向けて下方に傾斜する破断線133が設けられている。この破断線133は、本発明の「第3破断線」に相当する。破断線133の右側の端部は、破断線113Bの左側の端部と連続している。そのため、包装箱1の開封の際には、左側壁13は、前側壁11に連続して破断されるように構成されている。なお、この破断線133に沿って破断すると、左側壁13は、本体側左側壁部131及び蓋側左側壁部132の上下に分割される。
更に、本実施形態に係る包装箱1では、図1及び図6に例示されるように、前側壁11とは反対側に位置する、右側壁12及び左側壁13の端辺に、後側壁14が設けられている。具体的には、図1で例示されるように、後側壁14は、前側壁11とほぼ同じ形状の矩形状に形成されており、折線136を介して、左側壁13の左側の端辺に連結している。そして、折線(118A、118B)に沿って折り曲げた後に、更に、この折線136に沿って箱原板10を折り曲げることにより、後側壁14は、図6で例示されるように、前側壁11の縦方向に対向するように配置される。なお、図6の上下方向は、本発明の「縦方向」に相当する。
本実施形態に係る後側壁14には、図1に例示されるように、横方向に沿って延びる折線143が設けられている。この折線143は、右側壁12の破断線123及び左側壁13の破断線133と連続している。そのため、後側壁14の折線143は、前側壁11の破断線(113A、113B)よりも高い位置に配置される。なお、この折線143は、図5に例示されるように、包装箱1を開封した後に本体部2及び蓋部3を連結するヒンジになる部分であり、本発明の「ヒンジ部」に相当する。後側壁14の領域は、この折線143によって、本体側後側壁部141及び蓋側後側壁部142の上下に分けることができる。
ここで、包装箱1の各方向の長さについて説明する。図1で例示されるように、右側壁12、左側壁13、及び後側壁14それぞれの高さ(図1の上下方向の長さ)は、前側壁11の高さ(図1の上下方向の長さ)と同じである。各側壁11〜14の高さは、上下方向に配置された一対の折線によって規定される。例えば、前側壁11の高さは、折線114と折線115との間の長さに相当する。この各側壁11〜14の高さが包装箱1の高さに相当する。
また、右側壁12の幅(図1の左右方向の長さ)は、左側壁13の幅(図1の左右方向の長さ)と同じである。右側壁12及び左側壁13の幅はそれぞれ、左右方向に配置された一対の折線によって規定される。この右側壁12及び左側壁13それぞれの幅は、包装箱1の縦方向の長さに相当し、前側壁11と後側壁14との間の距離を規定する。
更に、後側壁14の幅(図1の左右方向の長さ)は、前側壁11の幅(図1の左右方向の長さ)と同じである。前側壁11及び後側壁14の幅はそれぞれ、左右方向に配置された一対の折線によって規定される。この前側壁11及び後側壁14それぞれの幅は、包装箱1の横方向の長さに相当し、右側壁12と左側壁13との間の距離を規定する。本実施形態では、前側壁11及び後側壁14それぞれの幅は、右側壁12及び左側壁13それぞれの幅よりも長く構成されている。そのため、図2で例示されるように、本実施形態に係る包装箱1は、横方向に長い角柱状に形成される。
(天面部)
次に、包装箱1の天面部30について説明する。本実施形態に係る箱原板10では、図1に例示されるように、前側壁11の上端には折線114を介して矩形状の第1天板20が連設しており、後側壁14の上端には折線(144A、144B)を介して矩形状の第2天板21が連設している。図2に例示されるように、包装箱1の天面部30は、この第1天板20及び第2天板21によって構成される。
具体的には、図1に例示されるように、第1天板20の上端中央付近には、差込片201が設けられている。差込片201は折線202を介して第1天板20に連結しており、差込片201の左右方向の両端には、切断線(203A、203B)に沿った切り込みによって、円弧状に湾曲した突出部(204A、204B)が形成されている。そのため、差込片201の左右方向の長さは、両突出部(204A、204B)の分だけ、折線202よりも長く構成されている。
一方、第2天板21の下端中央付近には、差込口212が設けられている。第2天板21の下端は同一直線上に配置された折線144A及び折線144Bに画定される。差込口212は、この折線144A及び折線144Bに沿った切断線211Aと、切断線211Aの両端にそれぞれ配置され、後側壁14側に向いて延びる切断線(211B、211C)とによって形成される。
ここで、第1天板20の上下方向の長さは、換言すると、折線114及び折線202の間の長さは、包装箱1の縦方向の長さに対応している。そのため、折線114に沿って第1天板20を折り曲げると、差込片201は、差込口212の位置にくるように構成されている。
また、切断線211Aの左右方向の長さは、折線202の左右方向の長さに対応している。そして、各切断線(211B、211C)の長さは、各突出部(204A、204B)の長さに対応している。そのため、図5に例示されるように、本実施形態に係る包装箱1では、差込片201を差込口212に差し込むことができる。
そして、本実施形態では、差込口212の両端(切断線211B及び切断線211Cの部分)がそれぞれ後側壁14の方に折れ曲がっている。そのため、差込片201の左右方向の長さは、折線144A及び折線144Bに沿う差込口212の部分(切断線211A)の左右方向の長さよりも、長くなっている。
これにより、差込片201を差込口212に差し込んだ後に、第1天板20を上方に引き上げようとすると、差込片201の両突出部(204A、204B)は、折線144A及び折線144Bに沿う、切断線211Aの両側の部分に引っ掛かる。したがって、本実施形態によれば、第1天板20の差込片201を差込口212に差し込むことによって天面部30側で包装箱1を閉じた後は、包装箱1を天面部30側から開封し難くすることができる。
なお、右側壁12の上端には、折線124を介して、矩形状の第1上蓋フラップ22が連設している。同様に、左側壁13の上端には、折線134を介して、矩形状の第2上蓋フラップ23が連設している。図5で例示されるように、この第1上蓋フラップ22及び第2上蓋フラップ23はそれぞれ、折線124及び折線134に沿って折られ、第1天板20及び第2天板21よりも包装箱1の内側に配置される。すなわち、第1上蓋フラップ22及び第2上蓋フラップ23はそれぞれ、包装箱1の天面部30側の内蓋として利用される。
(底面部)
次に、包装箱1の底面部について説明する。本実施形態に係る箱原板10では、図1に例示されるように、前側壁11の下端には折線115を介して第1底板24が連設しており、後側壁14の下端には折線145を介して第2底板25が連設している。また、右側壁12の下端には折線125を介して台形状の第1底フラップ26が連設しており、左側壁13の下端には折線135を介して台形状の第2底フラップ27が連設している。図3及び図4に例示されるように、包装箱1の底面部40は、この第1底板24、第2底板25、第1底フラップ26、及び第2底フラップ27によって構成されている。
具体的には、図1に例示されるように、第1底板24は、矩形状の第1領域241と、この第1領域241に破断線245を介して連結する矩形状の第2領域242と、を備えている。破断線245は第1底板24のほぼ中央に設けられており、第1領域241の横幅(左右方向の長さ)と第2領域242の横幅(左右方向の長さ)とはほぼ同じ長さに構成されている。
第2領域242の縦幅(図1の上下方向の長さ)は、前側壁11と後側壁14との間の距離の半分程度の長さになるように構成されており、第1領域241の縦幅(図1の上下方向の長さ)は、第2領域242の縦幅よりも長くなるように構成されている。第1領域241の第2領域242から縦方向に突出した部分には、斜め方向に延びる折線246が設けられており、この折線246から第2領域242側には三角状の係合部247が形成されている。
また、第2領域242の第1底フラップ26側の端には、凡そ45度の角度で傾斜する折線244が設けられている。そして、この折線244を介して、糊付片243が第2領域242に連結している。後述する図8に例示されるように、この糊付片243は、折線244に沿って折り曲げた場合に、第1底板24(折線115)をはみ出さない形状に構成されている。この糊付片243は、第1底フラップ26に糊付けされる部分として利用される。
第2底板25は、第1底板24とほぼ同様に構成される。すなわち、第2底板25の第1領域251、第2領域252、糊付片253、折線254、破断線255、折線256、及び係合部257はそれぞれ、第1底板24の第1領域241、第2領域242、糊付片243、折線244、破断線245、折線246、及び係合部247と同様に構成される。そのため、説明を省略する。なお、第2底板25の糊付片253は、第2底フラップ27に糊付けされる部分として利用される。
これらによって底面部40を形成する際には、第1底板24及び第2底板25はそれぞれ、折線115及び折線145に沿って折り曲げられる。また、第1底フラップ26及び第2底フラップ27はそれぞれ、折線125及び折線135に沿って折り曲げられる。更に、図3で例示されるように、第1底板24の糊付片243の裏面が第1底フラップ26の表面に糊付けされ、第2底板25の糊付片253の裏面が第2底フラップ27の表面に糊付けされる。
ここで、第1底板24の第2領域242及び第2底板25の第2領域252の縦幅は、前側壁11及び後側壁14の間の距離の半分程度の長さになるように構成されている。そのため、この状態では、図3で例示されるように、第1底板24の第2領域242における後側壁14側の辺248と、第2底板25の第2領域252における前側壁11側の辺258とが、ほぼ同一直線上に配置される。
そして、両第1領域(241、251)はそれぞれ、両第2領域(242、252)よりも縦幅が長くなるように構成されている。そのため、図3及び図4に例示されるように、第1底板24の第1領域241の上端部は、第2底板25の第2領域252の上側、即ち、包装箱1の内側に入り込むように配置される。ここで、第1領域241の上端部とは、第2領域242から縦方向に突出した部分を指している。また、第2底板25の第2領域252の上側とは、この第2底板25の裏面側を指している。同様に、第2底板25の第1領域251の上端部は、第1底板24の第2領域242の上側、即ち、包装箱1の内側に入り込むように配置される。
これによって、図4で例示されるように、第1底板24及び第2底板25は、両係合部(247、257)が互いに係合した状態になる。ここで、第1底板24及び第1底フラップ26は、糊付片243によって、互いに連結されている。また、第2底板25及び第2底フラップ27は、糊付片253によって、互いに連結されている。そのため、両係合部(247、257)を互いに係合させると、包装箱1の下端部は、第1底板24、第2底板25、第1底フラップ26、及び第2底フラップ27によって閉じた状態になる。本実施形態では、このようにして、各側壁11〜14の高さ方向の下端に底面部40が形成される。
なお、本実施形態に係る包装箱1では、図5及び図6に例示されるように、このように形成される底面部40と各側壁11〜14とによって、収納物を収納するための収納空間が形成されている。すなわち、各側壁11〜14及び底面部40を含む包装箱1の一領域が本発明の箱体に相当する。
(補強板)
次に、包装箱1の補強板15について説明する。本実施形態では、図1に例示されるように、後側壁14の左端には折線151を介して補強板15が連設されている。補強板15は、後側壁14の左端から延びており、各折線(151、173、174)に沿って折り曲げられることで、前側壁11、右側壁12、及び左側壁13を内側から支持するように構成される。具体的には、補強板15は、右側壁12を内側から支持する右内壁部16と、前側壁11を内側から支持する前内壁部17と、左側壁13を内側から支持する左内壁部18と、を備えている。
右内壁部16は、折線151及び折線173の間に配置されており、前内壁部17側にいくにつれて、上下方向の長さが短くなるように構成されている。後述するとおり、包装箱1を組み立てた場合には、右側壁12の端辺126は、折線151に一致又は近接するように配置される。そのため、図5及び図6で例示されるように、組み立てた状態の包装箱1では、右内壁部16は、右側壁12(特に、本体側右側壁部121)に当接するように配置される。なお、右内壁部16の横幅(図1の左右方向の長さ)は、右側壁12の横幅(図1の左右方向の長さ)に対応するように構成される。
右内壁部16の上端側には、破断線162を介して、糊付片161が連結している。この糊付片161は、後側壁14に設けられた折線143よりも上側に配置されているため、右側壁12の蓋側右側壁部122に糊付けされる。また、破断線162は、折線143から連続して延びており、上方に一度大きく湾曲している。そのため、右内壁部16の上端は、折線143の設けられている高さから一度上方に大きく傾斜し、その後、緩やかに下方に傾斜するように構成されている。そして、右内壁部16の左端側の上端、すなわち、後述する前内壁部17の上端は、高さ方向(図1の上下方向)において、後側壁14の折線143よりも低く、前側壁11の破断線(113A、113B)よりも高い位置になるように設けられる。
前内壁部17は、折線173及び折線174の間に配置されており、折線173を介して右内壁部16の左端に連結している。そのため、図5及び図6で例示されるように、組み立てた状態の包装箱1では、前内壁部17は、前側壁11(特に、本体側前側壁部111)に当接するように配置される。なお、前内壁部17の横幅(図1の左右方向の長さ)は、前側壁11の横幅(図1の左右方向の長さ)に対応するように構成される。
前内壁部17の左右方向の両端に配置される折線173及び折線174の上端にはそれぞれ、切断線171A及び切断線171Bが設けられている。切断線171Aは、右内壁部16側に円弧状に湾曲している。同様に、切断線171Bは、左内壁部18側に円弧状に湾曲している。そのため、切断線171A及び切断線171Bに沿って切り込みを入れることによって、前内壁部17の上端側における左右方向の両端には、円弧状に突出する凸部172A及び凸部172Bが形成される。
左内壁部18は、折線174よりも左側に配置されており、折線174を介して前内壁部17の左端に連結している。そのため、図5及び図6で例示されるように、組み立てた状態の包装箱1では、左内壁部18は、左側壁13(特に、本体側左側壁部131)に当接するように配置される。左内壁部18の上端は、右内壁部16の上端とほぼ左右対称となるように、緩やかに上方に傾斜している。
なお、左内壁部18の横幅(図1の左右方向の長さ)は、実施の形態に応じて適宜設定されてもよい。例えば、本実施形態のように、左内壁部18の横幅は、左側壁13の横幅(図1の左右方向の長さ)に対応するように構成されてもよい。また、例えば、左内壁部18の横幅は、左内壁部18の左側の端辺152が左側壁13と後側壁14との境界である折線136に到達しない程度に、左側壁13の横幅よりも短くなるように構成されてもよい。この場合、左内壁部18は、左側壁13の前側壁11側の一部分を支持することになる。更に、例えば、左内壁部18の横幅は、左側壁13の横幅よりも長くなるように構成されてもよい。この場合、左内壁部18の一領域は、後側壁14側に折り込まれ、少なくとも後側壁14の一領域を支持するように構成されてもよい。
本実施形態では、このような補強板15において、左側の端辺152から横方向に延びる直線状の切断線191が設けられている。そして、この切断線191に沿って補強板15に切り込みを入れることによって、補強板15の下端側の一領域は、他の部分から部分的に切り離されて、矩形状の仕切片19として構成される。本実施形態では、この仕切片19を利用することによって、包装箱1内に形成される収納空間を分割することができる。なお、補強板15の折線151側の端辺が本発明の「第1端辺」に相当し、補強板15の左側の端辺152が本発明の「第2端辺」に相当する。
具体的には、本実施形態に係る切断線191は、端辺152から前内壁部17の左右方向の中央付近まで到達するように延びている。そのため、仕切片19の長さ(図1の左右方向の長さ)は、前側壁11と後側壁14との間の距離よりも長くなるように構成されている。したがって、仕切片19は、前側壁11と後側壁14との間の距離に対応する長さ(図1の左右方向の長さ)を有する仕切部192と、後側壁14に糊付けされる糊付部193と、を備えるように構成することができる。
また、切断線191が前内壁部17に到達するように伸びているため、仕切片19は前内壁部17に隣接するように配置される。すなわち、仕切片19の右端は、折線175を介して、前内壁部17に連結している。そのため、折線175に沿って仕切片19を折り曲げると、図5及び図6に例示されるように、仕切片19の仕切部192は、前側壁11側から後側壁14側に延びる。そして、折線194に沿って仕切片19を折り曲げて、糊付部193の裏面を後側壁14の裏面に糊付けすることができる。これによって、包装箱1の収納空間は、左右方向に2つの空間(空間A1及び空間A2)に分割される。
なお、各空間(A1、A2)に収納される収納物は、実施の形態に応じて適宜選択することができる。また、各空間(A1、A2)に収納される収納物の形状は、円柱状、角柱状等、実施の形態に応じて適宜選択することができる。例えば、各空間(A1、A2)には、矩形状の扁平な袋体が複数個、起立した状態で収納されてもよい。
(開封状態)
次に、包装箱1の開封状態について説明する。本実施形態では、上述のとおり、前側壁11、右側壁12、及び左側壁13に設けられた各破断線(113A、113B、123、133)は連続している。そのため、各破断線(113A、113B、123、133)に沿って各側壁11〜13を破断することで、図5に例示されるように、包装箱1を開封することができる。
例えば、ユーザは、開口部113Eに指をかけて前側壁11の蓋側前側壁部112を上方に引き上げることで、包装箱1の前側壁11を破断線(113A、113B)に沿って破断することができる。ここで、右側壁12に設けられた破断線123は、破断線113Aと連続している。また、左側壁13に設けられた破断線133は、破断線113Bと連続している。そのため、ユーザは、前側壁11を破断線(113A、113B)に沿って破断した後に、前側壁11の蓋側前側壁部112を更に上方に引き上げることで、右側壁12及び左側壁13をそれぞれ破断線(123、133)に沿って破断することができる。
各破断線(113A、113B、123、133)に沿って各側壁11〜13を破断すると、包装箱1は、収納物を保持する本体部2と、この本体部2の開口を閉じるための蓋部3と、に分割される。蓋部3は、後側壁14に設けられる折線143を介して本体部2と連結され、この折線143を回転軸として回動可能に構成される。
なお、本実施形態では、本体部2は、本体側前側壁部111、本体側右側壁部121、本体側左側壁部131、本体側後側壁部141、及び底面部40によって構成される。一方、蓋部3は、蓋側前側壁部112、蓋側右側壁部122、蓋側左側壁部132、蓋側後側壁部142、及び天面部30によって構成される。また、この開封の際、補強板15は破断線162に沿って破断される。これにより、本体側右側壁部121を内側から支持する右内壁部16と蓋側右側壁部122に糊付けされた糊付片161とが切り離される。
ここで、補強板15は本体部2側に配置される。そして、上述のとおり、前内壁部17の上端は、前側壁11の破断線(113A、113B)よりも高い位置になるように設けられる。そのため、図5及び図6に例示されるように、包装箱1を開封すると、前内壁部17の上端側の一領域が、露出領域176として、本体側前側壁部111より上方に露出する。
この露出領域176には、一対の凸部(172A、172B)が含まれている。各凸部(172A、172B)は、前側壁11の左右方向の各端辺(折線116B、折線118B)から突出するように形成される。また、蓋側前側壁部112の左右方向の各端辺には、一対の凹部(119A、119B)が形成される。
この各凹部(119A、119B)は、各凸部(172A、172B)に対応するように配置される。すなわち、蓋側前側壁部112の下端部が本体側前側壁部111の上端部に当接するように蓋部3を本体部2側に移動させた際に、各凹部(119A、119B)は、各凸部(172A、172B)が係止するように配置される。
そのため、蓋部3を本体部2側に移動させて、蓋部3側に設けられた各凹部(119A、119B)に本体部2側に設けられた各凸部(172A、172B)を係止させることで、本体部2の開口を蓋部3で閉じることができる。したがって、本実施形態に係る包装箱1では、各破断線(113A、113B、123、133)に沿って各側壁11〜13を破断することで開封した後であっても、蓋部3によって本体部2の収納空間を閉じることができる。
また、本実施形態では、右内壁部16及び左内壁部18それぞれの上端側の一領域も、露出領域176と同様に、本体側右側壁部121及び本体側左側壁部131それぞれから上方に露出している。すなわち、各内壁部16〜18は、本体部2の開口部の上下にわたって配置される。そのため、本実施形態では、補強板15によって本体部2の開口部を補強することができる。そして、更に、この各内壁部16〜18の露出領域を蓋部3の導入部分として活用することで、蓋部3によって本体部2の収納空間を閉じやすくすることができる。
なお、各破断線(113A、113B、123、133)は、実施の形態に応じて適宜形成されてよく、例えば、ミシン目状の切れ込みによって形成されてよい。ここで、蓋部3は本体部2から分離可能に構成されてもよい。この場合、本体部2及び蓋部3を連結するヒンジ部となる折線143は、ミシン目等により構成される破断線として構成されてもよい。これにより、包装箱1は、折線143に沿って破断し易い、換言すると、本体部2と蓋部3とを分離可能に構成される。ただし、包装箱1を開封した勢いで本体部2と蓋部3とを分離してしまわないように、折線143(破断線)は、各破断線(113A、113B、123、133)よりも破断し難いように構成されてもよい。
§2 組み立て方法
次に、図7〜図10を用いて、箱原板10を組み立てて、上記包装箱1を形成する方法を説明する。ただし、以下で説明する組み立て方法は、図1で例示される箱原板10を組み立てる方法の一例に過ぎず、実施の形態に応じて、適宜、工程の省略、置換、及び追加が可能である。なお、上述のとおり、以下の説明では、説明の便宜のため、包装箱1の各構成要素について、図1の紙面手前側方向を向いた面を各構成要素の表面と称し、図1の紙面奥側方向を向いた面を各構成要素の裏面と称する。図7〜図10は、前側壁11の裏面が紙面手前側を向いた状態を例示している。
まず、1枚のシートを打ち抜いて図1で例示される箱原板10を形成する。そして、各切断線に沿って、箱原板10の所定の領域を切断する。この工程において、切断線(113C、113D)に沿って切断することで、開口部113Eが形成される。切断線(117A、117B)に沿って切断することで、両凹部(119A、119B)が形成される。切断線(171A、171B)に沿って切断することで、両凸部(172A、172B)が形成される。切断線191に沿って切断することで、補強板15に仕切片19が形成される。切断線(203A、203B)に沿って切断することで、差込片201の左右方向両側に一対の突出部(204A、204B)が形成される。切断線(211A、211B、211C)に沿って切断することで、差込口212が形成される。
なお、各折線に沿って箱原板10を折り曲げやすくするため、この工程で形成される箱原板10には、各折線に沿って予め折り目を形成してもよい。この予め折り目を形成する工程は、以下で説明する工程に含まれる箱原板10の折り曲げ作業よりも前に少なくとも実施される。これにより、以下の工程に含まれる箱原板10の折り曲げ作業を容易にすることができる。
次に、各破断線に沿って、箱原板10の所定の領域にミシン目状等の切れ込みを入れる。この工程において、破断線(113A、113B、123、133)に沿ってミシン目状等の切れ込みを入れることで、包装箱1を開封するための破断部が形成される。また、破断線162に沿ってミシン目状等の切れ込みを入れることで、包装箱1を開封する際に糊付片161を右内壁部16から切り離すための破断部が形成される。更に、破断線(245、255)に沿ってミシン目状等の切れ込みを入れることで、底面部40からの不正開封を発見するための破断部が形成される。
次に、箱原板10の各部分を各折線に沿って折り、必要に応じて各部分を糊付けすることで、包装箱1の形を形成していく。なお、箱原板10の糊付けに利用する糊には、公知の糊が利用可能である。利用する糊は、特に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
この工程における糊付する面及び各部分を折る順番は、実施の形態に応じて、適宜決定されてよい。例えば、この工程は、以下のような手順で行われてもよい。
まず、図7で例示されるように、折線173に沿って補強板15を山折りし、仕切片19の糊付部193の裏面を後側壁14の本体側後側壁部141の裏面に糊付けする。なお、山折りとは、図1の紙面手前側方向を向いた各部分の表面が凸になるように折ることである。
次に、図8で例示されるように、底面部40を形成する第1底板24、第2底板25、第1底フラップ26、及び第2底フラップ27をそれぞれ折線(115、145、125、135)に沿って山折りにする。そして、第1底板24の糊付片243及び第2底板25の糊付片253をそれぞれ折線(244、254)に沿って谷折りする。なお、谷折りとは、図1の紙面奥側方向を向いた裏面が凸になるように折ることである。
次に、露出領域176を除いた前内壁部17の表面の一領域に糊をつける。同様に、本体側左側壁部131の上方に露出する領域を除いた左内壁部18の表面の一領域に糊をつける。また、糊付片253の裏面に糊をつける。そして、図9で例示されるように、折線136に沿って後側壁14を山折する。
これによって、前内壁部17の表面の一領域は、前側壁11の本体側前側壁部111の裏面に糊付けされる。また、左内壁部18の表面の一領域は、左側壁13の本体側左側壁部131の裏面に糊付けされる。更に、糊付片253の裏面は、第2底フラップ27の表面に糊付けされる。
なお、前内壁部17の糊付は省略されてもよい。また、後側壁14を山折りした際には、補強板15の前内壁部17は前側壁11に当接する。この際に、前内壁部17の各凸部(172A、172B)を蓋側前側壁部112の各凹部(119A、119B)に差し込んでもよい。
最後に、糊付片161の表面に糊をつける。また、糊付片243の裏面に糊をつける。そして、図10で例示されるように、折線(116A、116B)に沿って右側壁12を山折りする。これによって、糊付片161の表面は、右側壁12の蓋側右側壁部122の裏面に糊付けされる。また、糊付片243の裏面は、第1底フラップ26の表面に糊付けされる。
以上のように組み立てることによって、図10に例示されるような、折り畳まれた状態の包装箱1が完成する。なお、以上の各工程は、手動で行われてもよいし、組み立て装置によって自動で行われてもよい。この箱原板10を組み立てる組み立て装置として、公知の組み立て装置を利用することができる。
なお、この包装箱1は、図2に例示される状態で利用される。そのため、包装箱1に収納物を収納する際には、包装箱1は、図10に例示される折り畳まれた状態から図2に例示される状態に引き起こされることになる。
ここで、仕切片19は、後側壁14に糊付部193で糊付けされている。そのため、包装箱1を図2に例示される状態に引き起こすと、仕切片19は、折線175に沿って山折りされ、かつ、折線194に沿って谷折りされる。そして、図6に例示されるように、仕切片19は、仕切部192によって、収納空間を左右2つの空間(空間A1及び空間A2)に分割する状態になる。したがって、図10に例示される折り畳まれた状態の包装箱1を作製した後は、仕切片19を糊付する等の特別な工程を必要とすることなく、包装箱1を引き起こすと同時に、収納空間を分割した状態を形成することができる。
また、図10に例示される折り畳まれた状態から図2に例示される状態に包装箱1を引き起こすと、右側壁12は、折線(116A、116B)を軸として回動し、前側壁11の方に倒れた状態から引き起こされることになる。この右側壁12が引き起こされる際には、第1底板24の糊付片243と第1底フラップ26とが糊付けされているため、第1底板24と第1底フラップ26とは連動して引き起こされる。同様に、左側壁13が引き起こされる際には、第2底板25と第2底フラップ27とが連動して引き起こされる。
そして、図2に例示される状態まで包装箱1を引き起こすと、第1底板24の第1領域241の上端部分は第2底板25の第2領域252の方に入り込み、第2底板25の第1領域251の上端部分は第1底板24の第2領域242の方に入り込む。これにより、図3及び図4に例示されるように、第1底板24の係合部247と第2底板25の係合部257とが互いに係合して、底面部40が形成される。
この底面部40が形成された状態では、第1底板24の係合部247と第2底板25の係合部257とが互いに係合しているため、包装箱1は、元の折り畳まれた状態には戻り難くなっている。したがって、底面部40から包装箱1を不正に開封する場合には、第1底板24の係合部247と第2底板25の係合部257との係合を解除するための強い力が、底面部40に加えられることになる。
この両係合部(247、257)の係合を解除するための力は、特に、両係合部(247、257)付近に作用する。そこで、これら両係合部(247、257)付近に設けられた第1底板24の破断線245及び第2底板25の破断線255の少なくとも一方を、この際に底面部40にかかり得る力よりも小さな力で破断されるように構成してもよい。これによって、底面部40から包装箱1を不正に開封する場合には、第1底板24の破断線245及び第2底板25の破断線255の少なくとも一方が破断されるようになる。そのため、当該構成によれば、包装箱1の不正開封を特定することが可能になる。なお、本実施形態では、底面部40からの不正開封を防止するため、折線(246、256)に沿って各係合部(247、257)を折ることで、第1底板24の係合部247と第2底板25の係合部257との係合をより強固にすることができる。
底面部40が形成されると、図6に例示されるように、2つの空間(A1、A2)に分割された収納空間が本体部2側に形成される。そこで、各空間(A1、A2)に収納物を収納し、第1上蓋フラップ22及び第2上蓋フラップ23を折り曲げて内蓋を形成する。そして、第2天板21を折り曲げた後に第1天板20を折り曲げて、差込片201を差込口212に差し込む。これによって、収納物を収納した包装箱1が完成する。
本実施形態に係る包装箱1は以上のようにして組み立てられる。したがって、包装箱1を生産する業者は、図10に例示される状態まで包装箱1を組み立てて、収納物をこの包装箱1に収納して販売する業者に引き渡してもよい。これによって、収納物を販売する業者側では、糊付等の工程が不要になり、簡易な工程で収納物を収納した包装箱1を形成することができる。
[作用・効果]
以上のとおり、本実施形態によれば、補強板15の一領域を部分的に切り離すことで、収納空間を2つの空間(A1、A2)に分割する仕切片19が構成される。そのため、本実施形態では、部品点数を増やさずに、包装箱1の収納空間を分割することが可能である。したがって、箱体の各側壁11〜14を補強するための補強板15を備える包装箱1であって、簡易な構成で収納空間を分割可能な包装箱1を提供することができる。
また、本実施形態では、仕切片19を形成するために必要な工程は、補強板15の第2端部から直線状に延びる切断線191に沿って切り込みを入れることに過ぎない。そのため、非常に簡単な工程でこの仕切片19を作製することができる。すなわち、それほど製造コストを増やすことなく、補強板15を有する包装箱1を、更に仕切片19を有する包装箱1に改変することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。また、上記包装箱1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が行われてもよい。上記包装箱1の各構成要素の形状及び大きさも、実施の形態に応じて、適宜、設定されてもよい。
例えば、上記実施形態では、箱原板10の状態において、後側壁14は左側壁13に連結されている。しかしながら、このような例に限定されなくてもよく、後側壁14は右側壁12に連結されてもよい。この場合、補強板15は、後側壁14の左側の端辺ではなく、右側の端辺に連結してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、仕切片19は、前側壁11側から延びて後側壁14に糊付けされることで、包装箱1の収納空間を左右の2つの空間(A1、A2)に分割している。しかしながら、仕切片19が収納空間を分割する例はこのような例に限定されなくてもよい。例えば、仕切片19は、右側壁12側から左側壁13側に延びるように構成され、包装箱1の収納空間を前後の複数の空間に分割してもよい。すなわち、仕切片19は、各側壁11〜14のうちのいずれか対向する2つの側壁間の長さよりも長く形成されて、この2つの側壁間で延びることで収納空間を分割するように構成されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、仕切片19は、互いに対向する前側壁11及び後側壁14の間で延びて収納空間を分割している。しかしながら、仕切片19が収納空間を分割する例はこのような例に限定されなくてもよい。例えば、仕切片19は、前側壁11側から左側壁13側に延びる等、隣接する2つの側壁間で延びて収納空間を分割してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、仕切片19は左右方向の略中央に配置されており、左右の2つの空間(A1、A2)はほぼ同じ大きさに形成されている。しかしながら、仕切片19の配置はこのような例に限定されなくてもよく、各空間(A1、A2)は、大きさが互いに異なるように形成されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、補強板15に形成される仕切片19の数は1つである。しかしながら、補強板15に形成される仕切片19の数は複数であってもよく、収納空間は3つ以上に分割されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、切断線191は、端辺152から前内壁部17まで達するように設けられている。しかしながら、切断線191の設置範囲は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、切断線191は、端辺152から右内壁部16に到達するように設けられてもよい。この場合、右側壁12側から左側壁13側に延びるように仕切片19を構成することができ、収納空間を前後の2つの空間に分割することができる。
また、例えば、上記実施形態では、補強板15の端辺152から切り込みを入れることで、仕切片19が形成されている。しかしながら、補強板15に仕切片19を形成する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、補強板15の中央付近の一部をくり抜いて、仕切片19が形成されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、箱原板10は、1枚のシートで形成されている。しかしながら、箱原板10は、1枚のシートで形成されなくてもよく、複数枚のシートで形成されてもよい。例えば、補強板15は、箱原板10から別体に形成されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、包装箱1の上端を閉じる蓋として、天面部30が形成されている。しかしながら、包装箱1の状態を閉じる必要がない場合には、この天面部30は省略されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、天面部30は、第1天板20、第2天板21、第1上蓋フラップ22、及び第2上蓋フラップ23によって構成されている。底面部40は、第1底板24、第2底板25、第1底フラップ26、及び第2底フラップ27によって構成されている。しかしながら、包装箱1の天面部30及び底面部40を構成する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜選択されてもよい。例えば、包装箱1の天面部30及び底面部40は、サック箱(キャラメル箱)と同様に差込フラップにより形成されてもよいし、シールエンドカートン(4枚フラップカートン)と同様に各フラップを接着することで形成されてもよい。また、包装箱1の底面部40は、地獄底(底地獄、アメリカンロック等とも称される)のように、四方に配置されたフラップを組み立てることで形成されてもよい。以下では、図11を用いて、その一例を説明する。
図11は、サック箱として形成される包装箱の箱原板10Aを例示する。なお、上記実施形態に係る箱原板10と同様の構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する。
この箱原板10Aでは、包装箱の天面部は、天板50、差込フラップ51、第1上蓋フラップ52、及び第2上蓋フラップ53によって構成される。具体的には、第1上蓋フラップ52は、切断線501に沿って箱原板10Aを切断することで、天板50から切り離される。同様に、第2上蓋フラップ53は、切断線502に沿って箱原板10Aを切断することで、天板50から切り離される。そして、各側壁11〜14を組み立てた後に、両上蓋フラップ(52、53)をそれぞれ折線(124、134)に沿って山折りすることで、天面部の内蓋を形成することができる。そして、差込フラップ51を折線505に沿って山折りし、かつ、天板50を折線114に沿って山折りする。このとき、差込フラップ51が後側壁14よりも前側壁11側に配置されるように、換言すると、差込フラップ51を包装箱の内部に差し込むようにする。これにより、包装箱の天面部が形成され、包装箱の天面側が封された状態になる。
なお、この箱原板10Aでは、折線505の両側に、一対の切れ目(503、504)が設けられている。そのため、差込フラップ51の左右方向の両側は変形しやすくなっている。これにより、差込フラップ51を包装箱の内部に差し込みやすいようにすることができる。
また、差込フラップ51を差し込んだ後に、差込フラップ51の表面を後側壁14(蓋側後側壁部142)の裏面に糊付けしてもよい。これにより、包装箱の天面側をより強固に封することができる。
底面部についても同様である。すなわち、この箱原板10Aでは、包装箱の底面部は、底板60、差込フラップ61、第1底フラップ62、及び第2底フラップ63によって構成される。両底フラップ(62、63)をそれぞれ、切断線(601、602)に沿って底板60から切り離し、折線(125、135)に沿って山折りすることで、底面部の内蓋を形成することができる。また、差込フラップ61を折線605に沿って山折りし、かつ、底板60を折線115に沿って山折りする。このとき、差込フラップ61を包装箱1の内側に差し込むようにする。これにより、包装箱の底面部が形成され、包装箱の底面側が封された状態になる。なお、上記天面部と同様に、折線605の両側に、一対の切れ目(603、604)が設けられている。これにより、差込フラップ61を包装箱の内部に差し込みやすいようにすることができる。