JP2016007112A - ロータの焼きばめ方法 - Google Patents

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Tetsuo Makita
哲郎 蒔田
宣秀 樋野本
Nobuhide Hinomoto
宣秀 樋野本
薫 綿貫
Kaoru Watanuki
薫 綿貫
篤彦 小野
Atsuhiko Ono
篤彦 小野
正和 後藤
Masakazu Goto
正和 後藤
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清 安富
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Abstract

【課題】焼きばめ後に後処理することなく且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下を生じることなく、軸の変形を防止して軸ブレを低減するロータの焼きばめ方法を得ることである。【解決手段】ロータコア1を加熱してロータコア1の軸孔1aの径を拡大し、径が拡大した軸孔1aに軸3を挿入した後に、ロータコア1を冷却して、軸3にロータコア1を固定するロータの焼きばめ方法であって、少なくとも、軸孔1aへの軸3の挿入開始から、軸3にロータコア1が固定されるまでの間、軸3を回転させるものである。【選択図】図2

Description

本発明は、モータに用いられるロータにおいて、ロータコアを駆動軸に固定する焼きばめ方法に関するものである。
工作機械用モータの一種である主軸モータは、軸回転の高精度化および低振動化が要求され、軸端の振れ(軸ブレ)には10μm以下であることが必要となっている。
通常、ロータの製造における、ロータコアの駆動軸(軸)への固定は、加熱して拡径されたロータコアの軸孔に駆動軸を挿入した後にロータコアを冷却する、焼きばめによって行われている。しかし、焼きばめによる固定では、駆動軸に曲がり等の変形が生じるとの問題があり、ロータが軸ブレすることが知られている。
このような問題を解決するものとして、加熱した油中にロータ(ロータコア)を浸した状態でロータコアを加熱して、その内径(軸孔)を拡径する。次に、ロータコアの内径に挿入された常温の駆動軸をロータコアと略同一温度になるまで油中に保持した後、ロータコアと駆動軸とを冷却することにより、ロータコアを駆動軸に焼きばめで固定する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータ加熱コイルで誘導加熱して所定の温度になったロータ(ロータコア)の内径に駆動軸を挿入する。次に、ロータコアの内径に挿入された駆動軸を、駆動軸加熱コイルで誘導加熱して、駆動軸の温度をロータコアの温度と略同一になるまで上げた後、ロータコアと駆動軸とを冷却することにより、ロータコアを駆動軸に焼きばめで固定する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−87949号公報(第3頁、第1図) 特開2007−152517号公報(第4頁、第1図)
特許文献1に記載の焼きばめ方法では、駆動軸の加熱が油からの伝熱によるので、ロータコアの温度と略同一の温度に達するまでにかなりの時間を要するとともに、エネルギの利用効率が良くないとの問題があった。
また、焼きばめ終了後に、ロータに付着した油を除去する洗浄工程が必要である。すなわち、余分な工程が必要であり、特に洗浄には時間がかかるので、生産性が低下するとの問題があった。それと、洗浄用の溶剤や洗浄するためのエネルギが必要であり、製造コストが増加するとの問題があった。
特許文献2に記載の焼きばめ方法では、駆動軸の加熱が、軸端部で行われるので、軸端部が短いものでは、駆動軸全体を加熱するのに、長時間が必要であり、生産性が低下するとの問題があった。
また、駆動軸を加熱するための設備が必要であり、装置コストが増加するとの問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、油加熱等の特殊な加熱方法を使用することなく、焼きばめ後の後処理が不要であり、それと、軸を加熱するための特別な加熱機構の追加が不要であるとともに、軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下がない、軸の変形を防止して軸ブレを低減することができるロータの焼きばめ方法を得ることである。
本発明に係わる第1のロータの焼きばめ方法は、少なくとも、ロータコアの軸孔への軸の挿入開始から、軸にロータコアが固定されるまでの間、軸またはロータコアを回転させるものである。
本発明に係わる第2のロータの焼きばめ方法は、少なくとも、ロータコアの軸孔への軸の挿入開始から、軸にロータコアが固定されるまでの間、軸およびロータコアを回転させており、ロータコアの回転方向が軸の回転方向と逆であるものである。
本発明に係わる第3のロータの焼きばめ方法は、ロータコアの軸孔に挿入された軸に、挿入直後からロータコアの温度と軸の温度とが同じになるまでの間、衝撃を加えるものである。
本発明に係わる第4のロータの焼きばめ方法は、ロータコアの軸孔に挿入された軸に、挿入直後からロータコアの温度と軸の温度とが同じになるまでの間、振動を加えるものである。
本発明に係わる第5のロータの焼きばめ方法は、ロータコアの外周にダミーコアを装着した状態で加熱するとともに、ロータコアにダミーコアを装着した状態でロータコアの冷却を行うものである。
本発明に係わる第6のロータの焼きばめ方法は、ロータコアの外周に断熱ジャケットを装着した状態で加熱するとともに、ロータコアに断熱ジャケットを装着した状態でロータコアの冷却を行うものである。
本発明に係わるロータの焼きばめ方法は、少なくとも、ロータコアの軸孔への軸の挿入開始から、軸にロータコアが固定されるまでの間、軸およびロータコアの少なくとも一方を回転させているので、または、ロータコアの軸孔に挿入された軸に、挿入直後からロータコアの温度と軸の温度とが同じになるまでの間、衝撃または振動を加えているので、または、ロータコアにダミーコアまたは断熱ジャケットを装着した状態でロータコアの冷却を行うものであるので、油加熱等の特殊な加熱方法を用いることなく、且つ焼きばめ後に後処理することなく、軸の変形を防止して軸ブレを低減することができる。また、軸を加熱するための特別な加熱機構を追加することなく、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、軸の変形を防止して軸ブレを低減することができる。
従来のロータの焼きばめ方法において、ロータに軸ぶれが発生する機構を説明する模式図である。 本発明の実施の形態1のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態2のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法に用いられる焼きばめ固定装置にあるロータコア回転機構を軸方向から見た断面模式図である。 本発明の実施の形態4のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態5のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態6のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態7のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。 本発明の実施の形態8のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
従来の、加熱されたロータコアの軸孔に駆動軸(軸と記す)を挿入した後にロータコアを冷却してロータコアを軸に固定する焼きばめ方法において、軸が変形して、ロータに軸ぶれが発生する機構について説明する。
図1は、従来のロータの焼きばめ方法において、ロータに軸ぶれが発生する機構を説明する模式図である。
図1は、断面図となっている。
図1(a)は、加熱されたロータコア1の径が大きくなった軸孔1aに、軸3を挿入する状態を示している。
ロータコア1は、例えば、ドーナツ状の鋼板を積層し加圧して一体化した円筒状であり、軸孔1aは、挿入する軸3よりも、しめしろ分だけ小さくしてある。
まず、焼きばめにより、ロータ4に軸ブレが発生する第1の要因について説明する。
図1(b)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されると、軸3における高温のロータコア1の内周面と接触する部分(接触部分と記す)3aでは、ロータコア1からの熱伝導により急激な線膨張が起こる。
また、軸3における接触部分3aの反対側の部分(反対側部分と記す)3bでは、ロータコア1との間に空気層があるので温度上昇が遅く、接触部分3aに比べると線膨張は小さくなる。
その結果、軸3が湾曲した状態で、ロータコア1と嵌合する。
この状態でロータ4が冷却されると、図1(c)に示すように、湾曲した軸3にロータコア1が固定され、ロータ4は、ロータ4の中心線Crと軸端部の中心線Ctとがずれて、軸ブレが発生すると考えられる。
次に、焼きばめにより、ロータ4に軸ブレが発生する第2の要因について説明する。
図1(d)に示すように、熱膨張したロータコア1は冷えるにつれて、径方向の収縮(矢印Dで示す)および軸方向の収縮(矢印A1,A2で示す)が発生する。
そして、図1(e)に示すように、ロータコア1の径方向の収縮で生じる圧縮応力に基づく摩擦力が、ロータコア1の軸方向の収縮に対する抵抗力となるので、ロータコア1と軸3の間に軸方向の応力(矢印Sで示す)が残留する。
ロータコア1の中央付近の軸方向の収縮A2に比べて、ロータコア1の端部付近の軸方向の収縮A1が大きいので、特に、端部付近に大きな応力が残留する。そして、この軸3に残留する応力Sが中心軸Crに対し非対称だと、軸ブレが発生すると考えられる。
実際に、焼きばめが完了したロータのロータコアを分解して、軸の表面を観察すると、ロータコアが軸に食込んだ痕が見られる。
特に軸ブレが大きいロータでは、食込み痕が顕著な部分と薄い部分とが軸表面に局在しており、締付けが強い部分では、ロータコアの軸方向収縮に伴う残留応力が大きく、締付けが弱い部分では、ロータコアの軸方向収縮に伴う残留応力が小さくなっていると考えられる。このような残留応力の偏在が、軸ブレが発生する原因と考えられる。
ロータ製造の現場では、軸ブレが発生した場合、固定後の軸の付け根付近にタガネを当てハンマーで叩いて衝撃を与え、軸ブレを修正するコーキング作業が行われている。
発明者らは、このような方法で軸ブレを修正したロータを分解して、軸の3次元形状を測定したところ、軸自体は変形しておらず、軸ブレの修正が、ハンマーによる衝撃で、軸のロータコアを固定している部分に残っている残留応力が開放されることに基づくということを見出した。
本発明は、上記に示した、軸ブレが発生する要因および軸ブレが修正される要因に基づきなされたものであり、次に、各実施の形態にて本発明を説明する。
実施の形態1.
図2は、本発明の実施の形態1のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図2も、断面図となっている。
最初に、図2(a)を用いて、本発明の実施の形態1のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置150について説明する。
図2(a)に示すように、本実施の形態で用いられる焼きばめ固定装置150は、ロータコア1を加熱する誘導加熱炉2と、ロータコア1を載せるロータ受台41と、ロータ受台41を誘導加熱炉2に出入させるロータコアスライド機構42と、軸3の一端部を保持する軸チャッキング機構44を有しており、且つ軸3を回転させるとともに軸3が延在する方向(水平方向)で往復動する軸回転・スライド機構43と、軸回転・スライド機構43を支持するとともにガイドする第1の軸スライド軸45とを備えている。
そして、ロータ受台41は、ガラス繊維等の非導電性の耐熱素材で形成されている。
次に、本発明の実施の形態1のロータの焼きばめ方法について説明する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、まず、図2(a)に示すように、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
誘導加熱炉2の加熱において、ロータコア1の中心軸方向に沿って温度分布があると、温度が低い位置の軸孔1aの径が狭くなり、先に、温度が低い位置でのロータコア1の内周面が挿入された軸3を締付ける。例えば、ロータコア1の中央部より両端部の温度が低くなると、ロータコア1の両端部の内周面が軸3を先に締付けて、ロータコア1の中央部の内周面による軸3の締付けが遅くれるので、好ましくない。このような状態を回避すべく、誘導加熱炉2の温度コントロールプロファイルを、ロータコア1が均一に加熱されるように設定する。
また、ロータコア1を加熱する間に、スタート位置にある軸回転・スライド機構43に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
それと、後述する工程における、軸3がロータコア1の軸孔1aに挿入されていく間、軸3とロータコア1の内周面との接触箇所が偏らないように、ロータ受台41とロータコアスライド機構42と軸回転・スライド機構43と軸チャッキング機構44と第1の軸スライド軸45との、相互の平行度と高さ位置と水平位置とを調整する。
次に、図2(b)に示すように、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、図2(c)に示すように、軸回転・スライド機構43で軸3を回転する。軸回転・スライド機構43を、第1の軸スライド軸45でガイドしてロータコア1の方向に水平移動する。そして、回転している軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入する。
次に、図2(d)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1を自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。このとき、軸3にロータコア1が固定されるまで、軸3の回転を継続する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法に用いられる焼きばめ固定装置150では、軸3にロータコア1が固定されると、自動的に軸回転・スライド機構43が停止するように、軸回転・スライド機構43にトルクセンサ(図示せず)を内蔵するのが好ましい。
そして、本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、予めロータコア1が軸3に固定された時の回転トルク値を設定しておき、軸3のトルクが設定値以上に到達した時点で軸回転・スライド機構43による軸3の回転を停止するようにするのが望ましい。
次に、図2(e)に示すように、軸回転・スライド機構43による軸3の回転が停止した後、軸チャッキング機構44から軸3を外す。そして、軸回転・スライド機構43を、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4から離れる方向に移動して、元の位置に戻す。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、軸3のロータコア1の軸孔1aへの挿入開始から、ロータコア1が冷えて軸3に固定されるまでの間、軸3はロータコア1の内周面と接触しながら回転を続ける。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、ロータコア1の内周面と接触する軸3の部分が線接触となり、この線接触部分が、常に軸の円周方向で移動するので、軸3が局所的に昇温することはなく、軸3が湾曲する変形が発生せず、ロータの軸ブレが防止できる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図3も、断面図となっている。
最初に、図3(a)を用いて、本発明の実施の形態2のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置200について説明する。
図3(a)に示すように、本実施の形態で用いられる焼きばめ固定装置200は、実施の形態1の焼きばめ固定装置150に用いられているのと同様の、誘導加熱炉2とロータ受台41とスライド機構42とが用いられる。
また、本実施の形態の焼きばめ固定装置200は、固定台(図示せず)に固定されている軸回転機構53が用いられており、軸スライド軸はない。軸回転機構53には軸チャッキング機構44が設けられている。また、ロータコアスライド機構42は、軸回転機構53がある位置まで延在している。
次に、本発明の実施の形態2のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ロータコア1を加熱する間に、軸回転機構53に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、図3(b)に示すように、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、図3(c)に示すように、さらに、ロータコア1を、軸回転機構53の方向に水平移動する。そして、ロータコア1の軸孔1aに、軸回転機構53で回転している軸3を挿入する。
次に、図3(d)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1を自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。このとき、軸3にロータコア1が固定されるまで、軸3の回転を継続する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法でも、予め、ロータコア1が軸3に固定された時の回転トルク値を設定しておき、軸3のトルクが設定値以上に到達した時点で軸回転機構53による軸3の回転を停止するようにしてある。
次に、図3(e)に示すように、軸回転機構53による軸3の回転が停止した後、軸チャッキング機構44から軸3を外す。そして、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4を、軸回転機構53から離れる方向に移動する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法でも、軸3のロータコア1の軸孔1aへの挿入開始から、ロータコア1が冷えて軸3に固定されるまでの間、軸3はロータコア1の内周面と接触しながら回転を続ける。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、ロータコア1の内周面と接触する軸3の部分が線接触となり、この線接触部分が、常に軸の円周方向で移動するので、軸3が局所的に昇温することはなく、軸3が湾曲する変形が発生せず、ロータの軸ブレが防止できる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
また、軸回転機構53を水平方向に移動させる必要がなく、軸スライド軸が不要であるので、装置構成が少なくてすみ、装置コストを低減できる。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図4も、断面図となっている。
最初に、図4(a)を用いて、本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置300について説明する。
図4(a)に示すように、本実施の形態で用いられる焼きばめ固定装置300は、実施の形態1の焼きばめ固定装置150に用いられているのと同様の、誘導加熱炉2とロータ受台41とロータコアスライド機構42とが用いられる。
また、本実施の形態の焼きばめ固定装置300は、ロータコア1を回転する機構(ロータコア回転機構と記す)60を備えている。
図5は、本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法に用いられる焼きばめ固定装置にあるロータコア回転機構を軸方向から見た断面模式図である。
図5には、ロータコア1およびロータコア1の軸孔1aに挿入されている軸3も示している。
図4(a)と図5とに示すように、ロータコア回転機構60は、ロータコア1を載置する2本のローラ61と、2本のローラ61の少なくとも1つに設けられたローラ61を回転さすローラ駆動部62とで形成されている。
ローラ61は、載置する加熱されたロータコア1の温度を下げ難くする必要があり、熱伝導率が低くいことと十分な耐熱性を有することが要求される。また、回転中にロータコア1がスリップしないよう摩擦係数が大きいことが要求される。
そこで、ローラ61には、バイトン(デュポン社製)等の高耐熱フッ素ゴムのローラが用いられる。
また、本実施の形態の焼きばめ固定装置300は、軸チャッキング機構44を有するとともに水平方向で往復動する軸スライド機構63と、軸スライド機構63を、支持するとともにガイドする第2の軸スライド軸65とを備えている。
また、ロータコア回転機構60は、ロータコアスライド機構42における誘導加熱炉2の反対側の端部と軸スライド機構63との間に配置されている。
次に、本発明の実施の形態3のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ロータコア1を加熱する間に、軸スライド機構63に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、図4(b)に示すように、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、図4(c)に示すように、ロータコア1をロータコア回転機構60のローラ61に載せる。
次に、図4(d)に示すように、ロータコア回転機構60でロータコア1を回転する。そして、軸スライド機構63を、第2の軸スライド軸65でガイドしてロータコア回転機構60の方向に移動し、回転しているロータコア1の軸孔1aに軸3を挿入する。
次に、図4(e)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1を自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。このとき、軸3にロータコア1が固定されるまで、ロータコア1の回転を継続する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法でも、予めロータコア1が軸3に固定された時の回転トルク値を設定しておき、軸3のトルクが設定値以上に到達した時点でロータコア回転機構60によるロータコア1の回転を停止するようにしてある。
次に、図4(f)に示すように、ロータコア回転機構60によるロータコア1の回転が停止した後、軸チャッキング機構44から軸3を外す。そして、軸スライド機構63を、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4から離れる方向に移動させて、元の位置に戻す。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法でも、軸3のロータコア1の軸孔1aへの挿入開始から、ロータコア1が冷えて軸3に固定されるまでの間、ロータコア1が、その内周面を軸3と接触しながら回転を続ける。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、ロータコア1の内周面と接触する軸3の部分が線接触となり、この線接触部分が、常に軸3の円周方向で移動するので、軸3が局所的に昇温することはなく、軸3が湾曲する変形が発生せず、ロータの軸ブレが防止できる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図6も、断面図となっている。
最初に、図6(a)を用いて、本発明の実施の形態4のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置400について説明する。
図6(a)に示すように、本実施の形態のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置400は、軸スライド機構63に替えて軸回転・スライド機構43を用い、第2の軸スライド軸65に替えて第1の軸スライド軸45を用いた以外、実施の形態3の焼きばめ固定装置300と同様である。
次に、本発明の実施の形態4のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ロータコア1を加熱する間に、軸回転・スライド機構43に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、図6(b)に示すように、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、図6(c)に示すように、ロータコア1をロータコア回転機構60のローラ61に載せる。
次に、図6(d)に示すように、ロータコア回転機構60でロータコア1を回転するとともに、軸回転・スライド機構43で軸3を回転する。そして、軸回転・スライド機構43を、第1の軸スライド軸45でガイドしてロータコア回転機構60の方向に移動し、回転しているロータコア1の軸孔1aに、回転している軸3を挿入する。
このとき、ロータコア1の回転方向は軸3の回転方向と逆にしている。
次に、図6(e)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1を自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。このとき、軸3にロータコア1が固定されるまで、ロータコア1の回転と軸3の回転とを継続する。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法でも、予め、ロータコア1が軸3に固定された時の回転トルク値を設定しておき、軸3のトルクが設定値以上に到達した時点で、ロータコア回転機構60によるロータコア1の回転と、軸回転・スライド機構43による軸3の回転とを停止するようにしてある。
次に、図6(f)に示すように、ロータコア回転機構60によるロータコア1の回転と軸回転・スライド機構43による軸3の回転とが停止した後、軸チャッキング機構44から軸3を外す。そして、軸回転・スライド機構43を、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4から離れる方向に移動させて、元の位置に戻す。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、軸3のロータコア1の軸孔1aへの挿入開始から、ロータコア1が冷えて軸3に固定されるまでの間、軸3とロータコア1の内周面とが接触した状態で、軸3とロータコア1とが、回転を続ける。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、ロータコア1の内周面と接触する軸3の部分が線接触となり、この線接触部分が、常に軸3の円周方向で移動するので、軸3が局所的に昇温することはなく、軸3が湾曲する変形が発生せず、ロータの軸ブレが防止できる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
また、本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、線接触となるロータコア1の内周面と接触する軸3の部分の移動速度を速くできるので、ロータの軸ブレを防止する効果がさらに向上している。
実施の形態5.
図7は、本発明の実施の形態5のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
最初に、図7を用いて、本発明の実施の形態5のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置について説明する。
図示しないが、本実施の形態の焼きばめ固定装置は、実施の形態1の焼きばめ固定装置150に用いられているのと同様の、誘導加熱炉2とロータ受台41とロータコアスライド機構42とが用いられる。また、実施の形態3の焼きばめ固定装置300に用いられているのと同様の、軸スライド機構63と第2の軸スライド軸65とが用いられる。
また、図7に示すように、本実施の形態の焼きばめ固定装置は、軸衝撃機構80を備えている。軸衝撃機構80は、衝撃発生部81と軸3に接触する衝撃伝達部82とで構成されている。衝撃発生部81としては、例えば、連続衝撃式ピストンバイブレーターFAL−18K(FINDEVA AG社製)が挙げられる。
次に、本発明の実施の形態5のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ロータコア1を加熱する間に、例えば、軸スライド機構63に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、軸スライド機構63を、第2の軸スライド軸65でガイドしてロータコア1の方向に移動し、ロータコア1の軸孔1aに軸3を挿入する。
次に、図7に示すように、軸衝撃機構80の衝撃発生部81で発生した衝撃を、軸3に接触した衝撃伝達部81を介して、ロータコア1の軸孔1aに挿入されている軸3に加える。軸3に加えられる衝撃の方向を矢印Mで示す。
衝撃は継続して付与されるが、衝撃付与は、自然放冷あるいは風冷等の手段で冷却されてロータコア1の温度と軸3の温度とが同じになるまで、例えば、ロータコア1の温度が50℃以下になるまで、継続するのが望ましい。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、高温のロータコア1が冷えて軸方向に収縮する間に軸3に連続的に衝撃を加える。すると、軸3を締付けるロータコア1の面に生じる摩擦力に打ち勝って軸3が収縮していく際に発生する応力が、衝撃によって連続的に開放される。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、軸3に応力が残留するのを防ぎ、残留応力により発生する軸ブレを低減することができる。それゆえ、従来、実施していた、焼きばめ後の軸ブレの修正作業が不要となる。
つまり、焼きばめ後に、油を除去する洗浄等や軸ブレ修正等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法において、軸3に加える衝撃強さは、軸3とロータコア1との固定面に発生する応力を開放するに足る大きさが必要であるが、その上限は、軸3に傷を発生させないレベルの衝撃強さである。
例えば、本実施の形態で例示している連続衝撃式ピストンバイブレーターの標準設定の振動力は112Nでる。この値は、従来のコーキングに使用するハンマーとタガネによる衝撃(10〜50kN)よりも弱いが、振動数を20Hz程度として連続的に衝撃を加えると、軸3を傷つけずに、応力が残留するのを防止できる。
本実施の形態では、軸3に衝撃を加えている間、軸3とロータコア1とは、回転していない。しかし、ロータコア1が軸3に固定されるまで、軸3およびロータコア1の少なくとも一方を、ロータの中心線を軸心として回転させても良い。軸3およびロータコア1の両方が回転している場合、軸3の回転方向とロータコア1の回転方向とは、逆にする。
このようにすると、軸ブレ防止効果がさらに向上する。
実施の形態6.
図8は、本発明の実施の形態6のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
最初に、図8を用いて、本発明の実施の形態6のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置について説明する。
図8に示すように、本実施の形態でロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置は、軸衝撃機構80に替えて超音波振動付加機構90を用いた以外、実施の形態5の焼きばめ固定装置と同様である。
また、超音波振動付加機構90は、超音波振動発生部91と超音波ホーン部92と軸3に接触する接続部93とで構成されている。
次に、本発明の実施の形態6のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、ロータコア1を載せたロータ受台41をロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ロータコア1を加熱する間に、例えば、軸スライド機構63に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、所定の温度に加熱されたロータコア1を載せたロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。
次に、第2の軸スライド軸65で軸スライド機構63をロータコア1の方向に移動して、ロータコア1の軸孔1aに軸3を挿入する。
次に、図8に示すように、超音波振動付加機構90の超音波振動発生部91で発生した超音波振動を、超音波ホーン部92と軸3に接触した接続部93を介して、ロータコア1の軸孔1aに挿入されている軸3に加える。
超音波振動は継続して付与されるが、超音波振動の付与は、自然放冷あるいは風冷等の手段で冷却されてロータコア1の温度と軸3の温度とが同じになるまで、例えば、ロータコア1の温度が50℃以下になるまで、継続するのが望ましい。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、高温のロータコア1が冷えて軸方向に収縮する間、軸3に超音波振動を加える。すると、ロータコア1の内周面と軸3との摩擦が低減して、ロータコア1の収縮にともなって軸3との間に生じる応力が減少する。
また、超音波振動により、軸3には周波数の2乗に比例した加速度が伝達される。すると、高速の繰返し衝撃加重が加わるハンマリング効果により大きな振動応力が発生するので、残留した応力が開放される。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、軸3に応力が残留するのを防ぎ、残留応力により発生する軸ブレを低減することができる。それゆえ、従来、実施していた、焼きばめ後の軸ブレの修正作業が不要となる。
つまり、焼きばめ後に、油を除去する洗浄等や軸ブレ修正等の後処理をすることなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
本実施の形態においても、軸3に超音波振動を加えている間、軸3とロータコア1とは、回転していない。しかし、ロータコア1が軸3に固定されるまで、軸3およびロータコア1の少なくとも一方を、ロータの中心線を軸心として回転させても良い。軸3およびロータコア1の両方が回転している場合、軸3の回転方向とロータコア1の回転方向とは、逆にする。
このようにすると、軸ブレ防止効果がさらに向上する。
実施の形態7.
図9は、本発明の実施の形態7のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図9も、断面図となっている。
最初に、図9(b)を用いて、本発明の実施の形態7のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置700について説明する。
図9(b)に示すように、本実施の形態のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置700は、実施の形態1の焼きばめ固定装置150に用いられているのと同様の、誘導加熱炉2とロータ受台41とロータコアスライド機構42とが用いられる。また、実施の形態3の焼きばめ固定装置300に用いられているのと同様の、軸スライド機構63と第2の軸スライド軸65とが用いられる。
次に、本発明の実施の形態7のロータの焼きばめ方法について説明する。
まず、図9(a)に示すように、ロータコア1の外周部にダミーコア101を被せて装着する。
次に、図9(b)に示すように、ロータコア1が内周部に挿入されたダミーコア101が載っているロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置された、ダミーコア101が装着されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、ダミーコア101が装着されたロータコア1を加熱する間に、軸スライド機構63に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、図9(c)に示すように、所定の温度に加熱されたダミーコア101が載っているロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。このとき、ダミーコア101の内周部には、所定の温度に加熱されたロータコア1が挿入されている。
次に、図9(d)に示すように、軸スライド機構63を、第2の軸スライド軸65でガイドしてロータコア1の方向に水平移動し、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入する。
次に、図9(e)に示すように、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1とダミーコア101とを自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。
また、軸3が軸孔1aに挿入された後、軸チャッキング機構44から軸3を外して、軸スライド機構63を、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4から離れる方向に移動させて、元の位置に戻す。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、ロータコア1にダミーコア101が装着されており、見かけの熱容量を増加させているので、軸3への伝熱によるロータコア1の急冷と、それにともなって発生するロータコア1の急激な収縮を防止できる。
すなわち、本実施の形態のロータの焼きばめ方法は、ロータコア1が冷却収縮するのにともなって発生する軸3とロータコア1との間の残留応力を低減できるので、残留応力およびその偏りによって発生する軸ブレを小さくできる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
本実施の形態において、ダミーコア101はロータコア1で使用するものと同一の鋼板を積層して形成されている。それと、ダミーコア101の内径は、ロータコア1の外径と略同一であり、且つロータコア1から脱着することが可能な程度の最小のクリアランスを有している。
本実施の形態では、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入する手段として、第2の軸スライド軸65と軸スライド機構63とを用いているが、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入できれば、これに限定されない。
実施の形態8.
図10は、本発明の実施の形態8のロータの焼きばめ方法を説明する模式図である。
図10も、断面図となっている。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法で用いられる焼きばめ固定装置(図示せず)は、実施の形態7の焼きばめ固定装置700と同様である。
次に、本発明の実施の形態8のロータの焼きばめ方法について説明する。
図10に示すように、まず、断熱ジャケット111をロータコア1の外周部に被せて、装着する。
図示しないが、この後の工程は、ダミーコア101に替えて断熱ジャケット111が用いられている以外、実施の形態7のロータの焼きばめ方法と同様であり、以下に述べる。
まず、ロータコア1を内包した断熱ジャケット111が載っているロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の内に移動する。そして、誘導加熱炉2の内に配置された、断熱ジャケット111が装着されたロータコア1を、誘導加熱炉2で、予め設定された温度コントロールプロファイルに従って加熱して、ロータコア1における軸孔1aの径を拡大する。
また、断熱ジャケット111が装着されたロータコア1を加熱する間に、軸スライド機構63に設置されている軸チャッキング機構44に軸3の一端部を保持する。
次に、所定の温度に加熱された断熱ジャケット111が載っているロータ受台41を、ロータコアスライド機構42により、誘導加熱炉2の外に移動する。このとき、断熱ジャケット111には、所定の温度に加熱されたロータコア1を内包している。
次に、軸スライド機構63を、第2の軸スライド軸65でガイドして、ロータコア1の方向に水平移動し、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入する。
次に、軸3が軸孔1aに挿入されたロータコア1と断熱ジャケット111とを自然冷却して、ロータコア1を収縮させる。そして、軸孔1aの径を挿入された軸3の外径と同じにして、軸3にロータコア1を固定する。
また、軸3が軸孔1aに挿入された後、軸チャッキング機構44から軸3を外して、軸スライド機構63を、軸3にロータコア1が固定されて形成されたロータ4から離れる方向に移動させて、元の位置に戻す。
本実施の形態のロータの焼きばめ方法では、ロータコア1に断熱ジャケット111が装着され、ロータコア1が断熱されており、ロータコア1の冷却速度を遅くできるので、ロータコア1が冷却収縮するのに伴って発生する軸3とロータコア1との間の残留応力を低減して、残留応力およびその偏りによって発生する軸ブレを小さくできる。
つまり、焼きばめ後に油を除去する洗浄等の後処理することなしに、且つ軸が短い場合の加熱時間増加による生産性低下をまねくことなく、ロータの軸ブレを防止できる。
本実施の形態で用いられる断熱ジャケット111は、ガラス繊維等の耐熱素材からなるもので、ロータコア1を隙間なく内包するよう、ロータコア1と同じ内径の円筒形状を有している。例えば、断熱ジャケット111には、ロックウール保温筒(タクミ産業社製)が挙げられる。
本実施の形態でも、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入する手段として、第2の軸スライド軸65と軸スライド機構63とを用いているが、軸3をロータコア1の軸孔1aに挿入できれば、これに限定されない。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
本発明のロータの焼きばめ方法は、ロータの軸ブレを防止できるので、高精度化および低振動化が要求されるモータの製造方法に用いられる。
1 ロータコア、1a 軸孔、2 誘導加熱炉、3 軸、3a 接触部分、
3b 反対側部分、4 ロータ、41 ロータ受台、42 ロータコアスライド機構、
43 軸回転・スライド機構、44 軸チャッキング機構、45 第1の軸スライド軸、53 軸回転機構、60 ロータコア回転機構、61 ローラ、62 ローラ駆動部、
63 軸スライド機構、65 第2の軸スライド軸、80 軸衝撃機構、
81 衝撃発生部、82 軸衝撃伝達部、90 超音波振動付加機構、
91 超音波振動発生部、92 超音波ホーン部、93 接続部、101 ダミーコア、111 断熱ジャケット、
150,200,300,400,700 焼きばめ固定装置。

Claims (7)

  1. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    少なくとも、上記軸孔への上記軸の挿入開始から、上記軸に上記ロータコアが固定されるまでの間、上記軸または上記ロータコアを回転させるロータの焼きばめ方法。
  2. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    少なくとも、上記軸孔への上記軸の挿入開始から、上記軸に上記ロータコアが固定されるまでの間、上記軸および上記ロータコアを回転させており、上記ロータコアの回転方向が上記軸の回転方向と逆であるロータの焼きばめ方法。
  3. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    上記軸孔に挿入された上記軸に、挿入直後から上記ロータコアの温度と上記軸の温度とが同じになるまでの間、衝撃を加えるロータの焼きばめ方法。
  4. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    上記軸孔に挿入された上記軸に、挿入直後から上記ロータコアの温度と上記軸の温度とが同じになるまでの間、振動を加えるロータの焼きばめ方法。
  5. 上記振動が超音波振動であることを特徴とする請求項4に記載のロータの焼きばめ方法。
  6. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    上記ロータコアの外周にダミーコアを装着した状態で加熱するとともに、上記ロータコアに上記ダミーコアを装着した状態で上記ロータコアの冷却を行うロータの焼きばめ方法。
  7. ロータコアを加熱して上記ロータコアの軸孔の径を拡大し、上記径が拡大した上記軸孔に軸を挿入した後に、上記ロータコアを冷却して、上記軸に上記ロータコアを固定するロータの焼きばめ方法であって、
    上記ロータコアの外周に断熱ジャケットを装着した状態で加熱するとともに、上記ロータコアに上記断熱ジャケットを装着した状態で上記ロータコアの冷却を行うロータの焼きばめ方法。
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