JP2016006766A - 誘導加熱式加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な電磁誘導加熱を行うことで、加工の仕上がりの向上を図る。【解決手段】加工装置10は、耐熱性のヘッド本体12の内部に、複数の誘導コイル20と圧着ローラ30が組み込まれた構成となっている。前記誘導コイル20は、ヘッド本体12に対して上下動可能な耐熱プレート18の底面18Aに配置されており、外部電源48又は内部電源38から高周波電流が供給される。また、圧着ローラ30は、軸32によって、前記ヘッド本体12に対して回転可能に支持されている。ヘッド本体12に設けられた取手14を作業者が持ってヘッド本体12を移動させると、誘導コイル20によって発熱した金属プレート28を介し、加工対象40が加熱される。このとき、ヘッド本体12を移動させているため、誘導コイル20から生じる磁界が移動し、加熱ムラがなくなる。加熱後の加工対象40は、圧着ローラ30で圧接される。【選択図】図1
Description
本発明は、電磁誘導加熱を利用した誘導加熱式加工装置に関し、更に具体的には、加熱ムラの改善に関するものである。
電磁誘導加熱を使用した素材(ないし材料)、特に異種素材の接着に関する背景技術としては、例えば、下記特許文献1に記載の電磁誘導加熱接着方法及びその装置がある。当該技術によれば、電磁誘導加熱ヘッドによってワーク内の発熱体を発熱させることでワークを接着する電磁誘導加熱方法に用いる装置として、前記ワークを搬送する搬送手段,該搬送手段によって搬送されるワークを圧着するための複数の圧着手段,該圧着手段と交互に設けられており、圧着されたワークの発熱体に対して電磁波を照射するための複数の電磁誘導加熱ヘッド,を備えた電磁誘導加熱圧着装置が開示されている。
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術では、電磁誘導加熱ヘッドの位置を固定し、ワークを搬送して、ワークが所定の位置にきたら電磁誘導加熱ヘッドを圧着させることとしている。すなわち、磁界が固定している。このような固定磁界では、発熱体金属の品質のバラツキによる加熱温度のムラ,コイル品質のムラ,電圧変化による加熱ムラ,コイルと発熱体金属の距離ムラ,操作する人の感覚の差異等によって、均一な加熱ができなくなり、品質の低下を招くおそれがある。
本発明は、以上のような点に着目したもので、ムラなく均一な電磁誘導加熱を行うことで、加工の仕上がりの向上を図ることができる誘導加熱式の加熱装置を提供することを、その目的とする。
本発明は、加工対象を加熱したのち、所望の加工を施す誘導加熱式加工装置であって、耐熱性を有しており、一つ以上の誘導コイルが設けられたヘッド本体と、前記誘導コイルによって加熱された加工対象に対し、所定の加工を施す加工手段と、を備えるとともに、前記誘導コイルへの通電により生じる磁界が、前記加工対象に対し、移動ないし回転の少なくとも一方が可能であることを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記ヘッド本体及び前記加工手段が、前記加工対象に対して移動可能であることを特徴とする。他の形態は、前記誘導コイルが、前記ヘッド本体に対して回転可能に支持されていることを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体に対して回転可能に支持された一つ以上のローラの表面に、前記誘導コイルが配置されていることを特徴とする。更に他の形態は、前記誘導コイルが、前記ヘッド本体に対して移動可能であることを特徴とする。更に他の形態は、前記誘導コイルが複数設けられるとともに、該複数の誘導コイルへの通電を切り換えるための切換手段を備えており、該切換手段によって、前記複数の誘導コイルへの通電を切り換えることにより、磁界を移動させることを特徴とする。
更に他の形態は、前記加工手段が、前記ヘッド本体と一体に形成されていることを特徴とする。更に他の形態は、前記加工手段が、前記ヘッド本体に対して回転可能に支持されており、前記誘導コイルで加熱された加工対象を圧着する圧着ローラであることを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体に、操作用の取手を設けたことを特徴とする。
更に他の形態は、前記加工手段が、前記ヘッド本体と別体に形成されていることを特徴とする。更に他の形態は、前記加工手段が、前記加工対象の上を移動するための移動手段を備えており、前記ヘッド本体を、前記移動手段に取り付けることで、前記ヘッド本体も前記加工対象の上を移動することを特徴とする。
更に他の形態は、前記加工手段が、前記誘導コイルで加熱した後の加工対象を圧接する圧接手段であることを特徴とする。あるいは、前記加工手段が、前記誘導コイルで加熱した後の加工対象を削る切削手段であることを特徴とする。
更に他の形態は、前記ヘッド本体に、長尺の延長手段が着脱可能に取り付けられることを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体と前記延長手段を、前記ヘッド本体に設けた誘導コイル側が加工対象に接触するように付勢する付勢手段を介して接続することを特徴とする。更に他の形態は、前記延長手段が伸縮可能であることを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体が、該ヘッド本体の誘導コイルに高周波電流を供給する電源とコードにより接続されるとともに、前記コードを着脱可能なコネクタを有することを特徴とする。更に他の形態は、前記コードに、通電のON/OFFを切り換えるスイッチを設けたことを特徴とする。
更に他の形態は、前記加工対象が金属を含まないときに、該ヘッド本体の表面側に、前記加工対象に接触させる範囲で金属層を設けたことを特徴とする。更に他の形態は、前記加工対象の上での前記ヘッド本体の移動を補助するために、前記ヘッド本体に、前記誘導コイルと前記加工対象の間に位置するように、耐熱性のシートを設けたことを特徴とする。
更に他の形態は、前記ヘッド本体が、前記加工対象の被加熱面の形状に沿う形状面を有しており、該形状面に沿って前記誘導コイルを複数配置したことを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体が曲面部を有しており、該曲面部に複数の誘導コイルを配置したことを特徴とする。更に他の形態は、前記ヘッド本体に、前記誘導コイルを着脱可能に装着するコネクタを設けたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、耐熱性を有しており、一つ以上の誘導コイルが設けられたヘッド本体と、前記誘導コイルによって加熱された加工対象に対し、所定の加工を施す加工手段と、を備えるとともに、前記誘導コイルへの通電により生じる磁界が、前記加工対象に対し、移動,移行,回転のいずれか、あるいは、これらの組み合わせにより変化可能であることとした。このため、磁界が変化することで、ムラなく均一な電磁誘導加熱が可能となり、加工の仕上がりの向上を図ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1を参照しながら本発明の実施例1を説明する。本発明は、様々な加工対象への所望の加工(接着、剥離等)に適用可能であり、その装置の形態も、携帯型,半自動型,自動型等さまざまであるが、本実施例では、小規模な加工に適した携帯型かつ手動型を例に挙げて説明する。図1(A)は、本実施例の誘導加熱式加工装置の外観斜視図,図1(B)は側面図,図1(C)は前記(A)を底面側から見た平面図である。
図1(A)〜(C)に示すように、本実施例の誘導加熱式加工装置(以下「加工装置」とする)10は、誘導コイル20が収納されたヘッド本体12と、加工対象を圧着する圧着ローラ30が一体に構成された構造となっている。前記ヘッド本体12は、図示の例では、底面が開放した略直方体状であって、上面12Aには、操作用の取手14が設けられている。該取手14の先端には、ボタン16が設けられている。前記ボタン16は、コード36を介して接続された外部電源48からの電力の供給のON/OFFを切り替えるためのものである。なお、図1(A)の例では、外部電源48から電力を供給することとしたが、図1(B)に点線で示すように内部電源38を設け、該内部電源38から前記誘導コイル20に電力を供給するようにしてよい。
また、前記ヘッド本体12の内部には、前記誘導コイル20が設けられた耐熱プレート18が設けられている。該耐熱プレート18は、耐熱性の素材により形成されており、図示の例では、略コ字状であって、底面18Aの内側に、略長方形の平面渦巻状の誘導コイル20が適宜間隔で2つ設けられている。また、前記耐熱プレート18の一対の側面18B,18Cには、ピン22が設けられており、前記ヘッド本体12の一対の側面12B,12Cに設けられた長穴24に収納されている。前記長穴24は、前記側面12B,12Cに2つずつ形成されており、長穴24の長軸がヘッド本体12の上下方向となっている。このため、前記長穴24に沿って前記ピン22がスライドすることにより、前記耐熱プレート18が上下動可能となっている。このような耐熱プレート18の底面18Aには、加工対象上での移動をスムースにするために、必要に応じて、フッ素樹脂シートなどの耐熱性シート26が設けられている。
また、加工対象が金属ではなく、金属を含むものでもない場合には、前記耐熱プレート底面18Aに、図1(B)に点線で示すように、金属プレート28を装着して利用することが可能となっている。前記外部電源48または内部電源38から、前記誘導コイル20に高周波電流を流すと強力な磁場が発生するので、その近くに配置された金属は、電磁誘導により渦電流が発生し、抵抗により金属が発熱する。この原理は、電磁誘導加熱として公知である。なお、前記ヘッド本体12の内側には、前記誘導コイル20の上部に、図1(B)に示すように、電磁波を遮断するためのフェライト板46が、必要に応じて取り付けられる。これは、電磁波の拡散防止のほか、作業者に対する安全対策も兼ねている。
前記ヘッド本体12の内部の後方(図1の右側)には、前記誘導コイル20によって加熱された加工対象に対し、圧着処理を施すための圧着ローラ30が設けられている。該圧着ローラ30は、前記ヘッド本体12の一対の側面12B,12C間にわたって設けられており、その両端面に設けられた軸32を、前記側面12B,12Cに設けられた長穴34に収納することで、回転可能かつ上下動可能に支持される。なお、図1(A)に示すように、前記長穴34に前記軸32を付勢するスプリング42を設けるか、あるいは、ヘッド本体12の内部に前記軸32を付勢するスプリング44を設けることで、加工対象40に凹凸面があっても圧着が可能となる。
以上のような構成の加工装置10を、図示しない作業者が、前記取手14を持って手動で図1(B)に矢印F1で示す方向に移動させることにより、誘導コイル20により加工対象40が加熱され、その加熱された加工対象40に前記圧着ローラ30が接触するようになるので、加熱から圧着までの加工を連続して行うことができる。また、本実施例の加工装置10を移動させて使用することにより、物理的に磁界が移動する(移行磁界を形成する)。このため、誘導コイルの位置を固定して、固定磁界により発熱させる場合に比べて、発熱体金属(例えば金属プレート28や、加工対象40に含まれる金属)の品質のバラツキによる加熱温度のムラ,コイル品質のムラ,電圧変化による加熱ムラ,コイルと発熱体金属の距離ムラ,操作する人の感覚の差異等によるムラのある加熱を防止できる。また、複数の誘導コイル20を用いているため、より均一な加熱ができる。
このように、実施例1によれば、磁界を物理的に移動させることで、均一な加熱が可能であり、高品質な加工が可能となる。また、本実施例では、耐熱プレート18の底面18Aに、耐熱性シート26を設けて、加工対象40に対するヘッド本体12の滑りをよくすることとしたので、スムースな加熱が可能である。更に、誘導コイル20を設けた耐熱プレート18を、ヘッド本体12に対して上下動可能に取り付けたので、加工対象の多少の凹凸や湾曲にも対応可能である。また、圧着ローラ30の軸32を付勢するスプリング42又は44を設けることで、加工対象40に凹凸面があっても良好に圧着ができる。また、前記誘導コイル20の上部をフェライト板46で覆うことで、安全対策と電磁波の拡散防止を図ることができる。なお、前記圧着ローラ30によってヘッド本体12が自動で走行するような構成とし、作業者は、方向のみをコントロールするようにしてもよい。前記圧着ローラ30の駆動を自動にすることで、作業者ごとに加工の仕上がりにバラツキが生じるのを防ぐことができる。
次に、図2を参照しながら本発明の実施例2を説明する。なお、上述した実施例1と同一ないし対応する構成要素には、同一の符号を用いることとする(以下の実施例についても同様)。上述した実施例1は、ヘッド本体12を移動させることによって、誘導コイル20により生じる磁界を移動させることとしたが、本実施例は、更に、誘導コイルを回転させて、磁界の回転も生じさせる例である。本実施例も、物理的に磁界を移動させる「移行磁界」であるという点では、前記実施例1と同様である。図2(A)は、本実施例の加工装置の側面図,(B)は磁界発生ロールを示す側面図,(C)は前記磁界発生ロールの平面図,(D)は磁界発生ロールの他の例を示す平面図である。
図2(A)に示すように、本実施例の加工装置50は、ヘッド本体12の内側に、磁界発生ロール52A,52Bの軸56が回転可能に支持されている。前記磁界発生ロール52A,52Bは、図2(B)に示すように、略円柱状の回転ロール54の表面に、複数の誘導コイル60を設けた構成となっている。前記ヘッド本体12の上部内側には、前記誘導コイル60から発生する電磁波の拡散を防止するためのフェライト板57等が設けられている。図2(B)及び(C)に示す例では、前記回転ロール54の表面に、前記軸56の軸方向に沿って略等間隔で複数設けられた突起58を中心に、平面渦巻状に誘導コイル60が形成されている。このような、磁界発生ロール52A,52Bの表面は、前記誘導コイル60が直に加工対象に接触しないように、耐熱性シート62等により覆われている。また、図2(D)に示す磁界発生ロール52Cのように、回転ロール54の表面に、軸方向に複数個の誘導コイル60を並べた列を、複数列設けるようにしてもよい。なお、前記誘導コイル60と回転ロール54の間にも、図2(B)に示すように、安全対策と電磁波の遮蔽を兼ねてフェライト64等を設けるようにしてもよい。
前記磁界発生ロール52A,52Bは、その両端面に設けられた軸56を、前記ヘッド本体12の側面12B,12Cに形成した長穴24に収納することにより、回転可能かつ上下動可能にヘッド本体12の内側に支持される。なお、図示しないが、加工対象が金属ではなく、金属を含むものでもない場合に備え、前記ヘッド本体12の底面に、前記実施例1と同様な金属プレートを着脱可能な構成としてもよい。また、本実施例においても、前記実施例1と同様に、圧着ローラ30の軸32を、スプリング等により付勢し、加工対象40の凹凸面があっても圧着可能な構成としてもよい。
本実施例によれば、図2(A)に矢印F2で示すようにヘッド本体12を動かすことにより、ヘッド本体12に支持された複数の誘導コイル60により生じる磁界が移動するとともに、該誘導コイル60が設けられた回転ロール54が回転することにより、磁界が回転する。すなわち、本実施例によれば、磁界が回転しながら移動することになるため、上述した実施例1よりも更に、均一な加熱が可能となる。他の基本的な作用・効果は、上述した実施例1と同様である。なお、複数の誘導コイル60のうち、加工対象40に面した誘導コイルのみに通電するように制御したり、あるいは、加工対象40に面した誘導コイルのみに通電する構造としたりしてもよい。例えば、図2(B)に示す例では、紙面の下側に加工対象40があるとすれば、加工対象に面した誘導コイル60A〜60Cのみに通電し、他の誘導コイル60には通電しないという具合である。このように、通電を制御することで、移動及び回転する磁界を有効活用することができる。
次に、図3を参照しながら本発明の実施例3を説明する。上述した実施例1及び実施例2は、誘導コイルと加工手段である圧着ロールをヘッド本体に一体に形成したが、本実施例は、ヘッド本体と加工手段を別構成とした例である。図3(A)は、本実施例の加工装置の側面図,図3(B)は正面図,図3(C)及び(D)はヘッド本体の冷却機構の具体例を示す図である。図3(A)及び(B)に示すように、本実施例の加工装置70は、内部に図示しない誘導コイルが設けられたヘッド本体72と、圧接ロール74により構成されている。前記ヘッド本体72内に設けられる誘導コイルは、上述した実施例1と同様にヘッド本体72内に固定されていてもよいし、前記実施例2と同様に、回転可能に支持されていてもよい。なお、本実施例では、加工装置70をアスファルト舗装に用いることとしており、加工対象に金属が含まれないため、前記実施例1で図1(B)に示したように、金属プレート28をヘッド本体72の底面に装着して使用する。
図3(C)及び(D)には、前記ヘッド本体72の冷却機構の具体例が示されている。まず、図3(C)に示すヘッド本体72Aでは、内部の底面73A近くに、誘導コイル88を乗せるための台84が設けられており、該台84には複数の通気用の貫通孔86が形成されている。前記台84に設置された誘導コイル88の一方の端部はリード線90Aに接続され、他方の端部はリード線90Bに接続され、これらリード線90A,90Bは、コード94にまとめられて、図示しない外部電源に接続される。また、前記底面73Aと前記台84の間には、冷却するためのファン96が設けられ、前記ヘッド本体72Aの側面73B,73Cには、通気口98が設けられている。前記ファン96の駆動により、ヘッド本体72Aにたまった熱を、前記貫通孔86及び前記通気口98を介して外部に排出する。すなわち、図3(C)に示す例は、空冷式である。
また、図3(D)に示すヘッド本体72Bのように、水冷式とすることも可能である。同図に示す例では、前記底面73Aと前記台84の間には、冷却するための冷却水ないし冷却用エマルジョン等を通すための冷却用配管102が設けられている。前記冷却用配管102に冷却水又は冷却エマルジョン等を流すことにより、ヘッド本体72Aの底面73A側にたまった熱を、前記貫通孔86及び前記通気口98を介して外部に排出することができる。前記冷却水や冷却用エマルジョンは、図示しない外部タンク等から供給されることとなっている。
前記圧接ロール74は、軸76を中心に回転可能であって、ハンドル78により手押しする構成となっている。前記ハンドル78の下端には、前記圧接ロール74の前方にフレーム80が設けられており、該フレーム80の先端の連結部82を介して、前記ヘッド本体72が取り付けられている。すなわち、前記ハンドル78を押して圧接ロール74を移動させると、前記ヘッド本体72も同方向に移動可能な構成となっている。本実施例の加工装置70でアスファルト舗装をする際には、図3(A)に示すように、アスファルト混合物100を路盤に敷いた後、まず、ヘッド本体72の内部の誘導コイル88に通電し、図示しない金属プレートを発熱させる。そして、アスファルト混合物100を加熱しながら、ハンドル78を押して加工装置70を移動させると、加熱されたアスファルト混合物100の上を圧接ロール74が通過して、締め固める。本実施例では、加工手段である圧接ロール74がヘッド本体72と別体に構成されているが、上述した実施例1及び実施例2と同様の効果が得られる。なお、ここでは、アスファルトの舗装に本実施例を適用したが、アスファルトの補修に適用することを妨げるものではない。また、前記ヘッド本体72は、前記連結部82に対して着脱可能であり、加工部位や施工場所によって適したヘッドに交換可能となっている。本実施例も、誘導コイルを物理的に移動させる移行磁界という点においては、上述した実施例1及び実施例2と同様である。
次に、図4を参照しながら本発明の実施例4を説明する。図4は、本実施例の加工装置の全体構成を示す側面図である。本実施例も、上述した実施例3と同様に、誘導コイルが設けられたヘッド本体と加工手段を別体に構成した例である。また、本実施例では、加工手段が自動で走行する構成となっている。すなわち、誘導コイルが機械的に移動させられて移行磁界を形成する。図4に示すように、本実施例の加工装置110は、図示しない誘導コイルを備えたヘッド本体124と、加工手段である切削用の爪128が設けられた車両112が別構成となっている。前記ヘッド本体124の誘導コイルの構成については、前記実施例3と同様であるが、本実施例では、アスファルトの輻射熱でコイルが高温になるため、ヘッド本体124に図3(C)又は(D)に示すような冷却機構を設けるようにしてもよい。
前記車両112は、タイヤ114,116と、電源や発電機を備えた電源ボックス118Aを備えており、自動走行可能な構成となっている。また、前記車両112には、前記ヘッド本体124の冷却機構用の冷却水や冷却用エマルジョンのためのタンク118Bが必要に応じて設けられる。前記車両112のフロント120の上部には、アーム122の一端が取り付けられ、該アーム122の他端側には、前記ヘッド本体124が設けられる。また、前記フロント120の下方には、フレーム126を介して、切削用の爪128が設けられている。更に、前記フレーム126には、前記爪128によって削られたアスファルト130を除去するための除去手段134が設けられている。該除去手段134は、前記フレーム126に対して着脱可能であってもよい。本実施例では、前記車両112の駆動により、ヘッド本体124でアスファルト130が加熱されて軟化したところを、前記爪128で剥がす(ないし削る)構成となっており、アスファルト補修の再生基盤132を容易に造ることができる。なお、本実施例において、前記フレーム126に圧接ロールを取り付けるようにすれば、上述した実施例3のようなアスファルト舗装(ない補修)を、車両112の自動走行により行うことも可能となる。
次に、図5を参照しながら、本発明の実施例5を説明する。本実施例は、上述した実施例2の加工装置50を、コンクリートにシートを接着するのに用いた例である。図5(A)は、接着対象のシートの積層構造を示す断面図,図5(B)は前記シートをコンクリートに接着する様子を示す図である。図5(A)に示すように、本実施例で使用する接着対象のシート150には、あらかじめアルミシート152が接着される。該アルミシート152は、アルミニウム層154の表裏に接着剤層156,158を設けた構成となっており、一方の接着剤層(図示の例では、接着剤層156)を前記シート150に接着する。そして、図5(B)に示すように、他方の接着剤層(図示の例では、接着剤層158)をコンクリート160に貼り、シート150側から加工装置50で加熱及び圧着する。
前記加工装置50の誘導コイル60に高周波電流を流すと、アルミニウム層154が電磁誘導により発熱する。すると、アルミニウム層154の表裏の接着剤層156,158も加熱され、接着剤層158側がコンクリート160に接着する。このとき、前記加工装置50を図5(B)に矢印で示すように動かすことで、加熱後に、続けて圧着ロール30により圧着することができる。本実施例においても、磁界が移動しつつ、回転もするため、加熱ムラがなく、シート150をコンクリート160に均一に接着することが可能となる。
次に、図6を参照しながら、本発明の実施例6を説明する。上述した実施例1〜5は、いずれも誘導コイル側を、物理的・機械的に移動させる(ないしは滑らせる)か、回転させることで磁界を変化させる「移行磁界」の例を示した。一方、本実施例は、複数の誘導コイルへの通電を電気的に切り換えることで、電気的に磁界を変化させる「移動磁界」を形成するものである。図6(A)はヘッド本体に設けられた誘導コイルの配置を示す平面図,(B)及び(C)は前記誘導コイルへの通電の切り換えを示す図である。
図6(A)に示す耐熱プレート170には複数の誘導コイル172が設けられている。図示の例では、横に5つ、縦に9つ、合計45個の誘導コイル172が等間隔で配列されている。前記耐熱プレート170は、それ自体をアプリケータとして使用してもよいし、あるいは、図1の加工装置10のヘッド本体12に、耐熱プレート18及び誘導コイル20の代わりに設けるようにしてもよい。本実施例では、複数の誘導コイル172が、列ごと、行ごと、あるいは、個別に、図示しない切換装置により、コイルへの通電が切り換え可能となっている。例えば、図6(B)に示すように、複数の誘導コイル172にランダムに通電している状態(図中、太線で示した誘導コイル172Aが通電中)から、図6(C)に示すように、別の誘導コイル172Aにランダムに通電している状態に切り換えることにより、電気的切換により、磁界が移動する(移動磁界を形成する)。このように、電気的リレーによって磁界を移動させることによっても、加熱ムラをなくす等、上述した実施例1と同様の効果が得られる。また、前記誘導コイル172を備えた耐熱プレート170を、例えば、実施例1の耐熱プレート18の代わりに用いることで、電気的リレーによる移動磁界と、物理的移動による移行磁界を組み合わせることができるため、一層均一な加熱を行うことができる。
<変形例> 図7には、本実施例の変形例が示されている。図7(A)に示す例は、耐熱プレート174に、横2個、縦4個、合計8個の誘導コイル176が等間隔で設けられた例である。また、図7(B)に示す例は、耐熱プレート178に、横5個の行と、横6個の行が、互い違いになるように全部で6行設けられており、合計で33個の誘導コイル180が設けられた例である。前記耐熱プレート174,178のいずれも、前記図6に示した例と同様に、電気的リレーにより、通電する誘導コイルを切り換えることで、電気的に磁界を移動させることができる(移動磁界)。特に、図7(B)に示す例では、誘導コイル180を互い違いに配置することにより、いっそう加熱ムラを低減することができる。更に、図7(C)に示すように、前記図6と同様に誘導コイル184A〜184Dが配列された4つの耐熱プレート182A〜182Dを用意し、加工対象の面積に応じて、耐熱プレート182A〜182Dを任意に連結して利用するようにしてもよい。この場合も、各耐熱プレート182A〜182Dごとに通電の切り換えが可能であることはもちろん、各誘導コイル184A〜184Dへの通電の仕方も、前記実施例6と同様に適宜切換可能としてよい。
次に、図8を参照しながら、本発明の実施例7を説明する。本実施例は、上述した実施例1の応用例である。図8に示すように、ヘッド本体12´に対して伸縮可能なロッド212が取り付け可能な構成となっている。前記ヘッド本体12´の構成は、上述した実施例1のヘッド本体12と基本的には同じである。前記ヘッド本体12´は、コード202によって電源48(高周波電源)に接続されているが、前記コード202には必要に応じて中間スイッチ206が設けられている。更に、前記ヘッド本体12´には、前記コード202を着脱可能に接続するコネクタ204が設けられている。また、前記ヘッド本体12´には、他のコネクタ210Aが設けられており、コイルヘッド208側に設けたコネクタ210Bと着脱可能に結合する。誘導コイル211は前記コイルヘッド208に設けられている。すなわち、本実施例では、誘導コイル211が、ヘッド本体12´に対して着脱可能となっている。
前記ヘッド本体12´と前記ロッド212の先端は、バネ蝶番などの連結部材214を介して連結されている。前記連結部材214を用いることにより、壁や床などの対象物に前記ヘッド本体12´を当てる際に、該ヘッド本体12´の誘導コイル211側全体が、前記壁や床に接触する。すなわち、前記ヘッド本体12´とロッド212のなす角度が90°より小さくなると、前記ヘッド本体12´が前記ロッド212に対して直交するように付勢される。このため、ロッド212の操作により、ヘッド本体12´を壁に対して上下させたり、床に対して往復させたりして、ヘッド本体12´とロッド212のなす角度が変化しても、当該角度の変化に合わせて常にヘッド本体12´を対象物に接触させることができる。このような構成としたので、天井等の高所に対しての施工でも、足場を組む必要がなく都合がよい。また、床に対して施工する場合も、かがむ必要がないため、都合がよい。なお、本実施例では、伸縮可能なロッド212の先端にヘッド本体12´を取付け可能としたが、他の長尺物(掃除機の柄や選択竿やモップの柄など)の先端に設けることを妨げるものではない。
次に、図9(A)及び(B)を参照しながら、本発明の実施例8を説明する。本実施例は、ヘッド本体のコイル面の形態に係るものである。加熱対象物の端の部分は、一般的に加熱されやすいため、ヘッド本体のコイル面の端の温度が上がりすぎないように工夫するとよい。例えば、図9(A)に示すヘッド本体220の内側には、複数の誘導コイル222A,222Bが設けられているが、中央部分には径の大きい誘導コイル222Aを配置し、端の部分には径の小さい誘導コイル222Bが配置されている。あるいは、図9(B)に示すヘッド本体230では、コイル234が設けられる面が曲面232に形成されている。このため、端部において対象物との間隔が大きくなり、端部が加熱されすぎない。
次に、図9(C)及び(D)を参照しながら、本発明の実施例9を説明する。本実施例は、例えば、建築・土木の現場等において、金属板の端に樹脂板を接合する場合に、本発明の加工装置を適用した例を示す。図9(C)に示すように、本実施例のヘッド本体250は、金属板260の表裏面に接触する一対の主面252,254と、前記金属板260の端部に接触する接続部256により、略コ字状に構成されている。前記一対の主面252,254と前記接続部256には、それぞれ誘導コイル258が設けられている。このような金属板260の端部の形状に沿った面を有するヘッド本体250を、例えば、金属板260の端に当てて、上端から下端に向けて徐々に移動させると、ヘッド本体250で加熱した直後は、150℃〜200℃に加熱されていても、ヘッド本体250を移動させるにつれ徐々に温度が下がる。しかしながら、ホットメルト接着剤は、通常、60℃以上であれば接着は可能であるので、前記ヘッド本体250を滑らせて加熱した後、60℃以下になる前に、図9(D)に示すように、あらかじめ接着剤264(ホットメルト接着剤)を塗布した樹脂シート262を、金属板260の端部を包むように貼り付ける。あるいは、金属板260側に接着剤264を塗布して、前記樹脂シート262を貼り付けるようにしてもよい。また、前記金属板260の端部に、図示しない石膏ボード等を直交するように貼り付けるようにしてもよい。本実施例のヘッド本体250を用いることにより、熟練の職人が不足している現場において、素人でも仕上がりが良好な施工を行うことができる。
次に、図10を参照しながら、本発明の実施例10を説明する。上述した実施例では、誘導コイルを設けたヘッド本体が移動可能であるか、誘導コイルがヘッド本体に対して回転するか、複数の誘導コイルへの通電を切り換えることにより磁界を変化させることとした。これらに対し、本実施例は、誘導コイルがヘッド本体に対して移動可能な構成としたものである。図10(A)に示す加工装置300は、ハンドル304を備えたヘッド本体(ないしアプリケータ)302と、該ヘッド本体302に対して着脱可能なコイルケース306により構成されている。図10(B)は前記図10(A)のコイルケース306を側面から見た図,図10(C)は前記図10(B)を#A−#A線に沿って切断し矢印方向に見た断面図,図10(D)は前記図10(B)のコイルケースを底面側から見た平面図である。前記図10(B)〜(D)に示すように、コイルケース306の内部には、その長手方向に沿ってコイル収納部308が形成されている。該コイル収納部308の底面は、開口している。また、前記コイル収納部308の対向する長辺の厚み略中央部には、誘導コイルの移動をガイドするためのガイド溝310が一対設けられている。
一方、誘導コイル320は、図10(D)に示すプレート321の両面に設けられており、前記プレート321の対向する縁部に、前記ガイド溝310に嵌る一対のスライド片322が形成されている。該スライド片322が前記ガイド溝310に沿って動くことで、誘導コイル320が、コイルケース306の長手方向に移動可能である。なお、誘導コイル320の移動は、例えば、ヘッド本体302内に図示しない小型モータを設けるとともに、前記ヘッド本体302に図示しないスイッチ等を設けることにより、自動で行うようにしてもよい。あるいは、前記スライド片322を、前記コイルケース306の側面から突出するように延長し、その突出部分を操作して手動で往復移動させるようにしてもよい。本実施例による加工装置300によれば、ヘッド本体302を移動させずに、被加工対象に押し当てている場合でも、自動又は手動により誘導コイル320を移動させて磁界を変化させることができる。
なお、図示の例では、プレート321の表裏に誘導コイル320を設けることとしたが、これも一例であり、表面と裏面のいずれか一方の面に誘導コイルを設けるようにしてもよいし、他の実施例に示すように複数の誘導コイルを配置するようにしてもよい。更に、複数の誘導コイルを設けた場合には、上述した実施例に示すように、通電の切り換えによる移動磁界を付加してもよい。あるいは、コイルケース306内で誘導コイル320を移動させながら、ヘッド本体302を手動又は自動で移動させることを妨げるものではない。なお、モータを用いて往復移動させる場合には、当然、速度制御を可能としてよい。また、前記ヘッド本体302に対するコイルケース306の取り付けは、例えば、ボルト・ネジ等により行う。また、前記コイルケース306の形状や大きさは必要に応じて変更してよく、該コイルケース306に収納する誘導コイルの種類も用途に応じて適宜変更してよい。なお、本実施例では、前記ヘッド本体302に対して前記コイルケース306を着脱可能な構成としたが、着脱しない構成とすることを妨げるものではない。本実施例においても、移行磁界により加熱ムラを防ぎ、均一化する効果を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。材質についても同様に、前記実施例5では、アルミニウムシート152を用いることとしたが、これも一例であり、他の公知の各種の金属を用いてもよい。
(2)前記実施例1及び実施例2では、ヘッド本体12に取手14を設けたハンディタイプとしたが、これも一例であり、実施例3や実施例4に示すように、ヘッド本体を加工装置等に取り付けるようにしてもよい。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。材質についても同様に、前記実施例5では、アルミニウムシート152を用いることとしたが、これも一例であり、他の公知の各種の金属を用いてもよい。
(2)前記実施例1及び実施例2では、ヘッド本体12に取手14を設けたハンディタイプとしたが、これも一例であり、実施例3や実施例4に示すように、ヘッド本体を加工装置等に取り付けるようにしてもよい。
(3)前記実施例で示した加圧や切削等の加工も一例であり、対象物の加熱後に行うことが適した加工であれば、他の公知の各種の加工に本発明は適用可能である。
(4)前記実施例2では、誘導コイル60の回転も、ヘッド本体12の移動も手動で行うこととしたが、いずれか一方もしくは両方を自動で行うようにしてもよい。例えば、図11(A)に示す加工装置270では、ヘッド本体272に内蔵された誘導コイルの回転も自動で行われ、ヘッド本体272の移動自体も自動で行われる構成となっている。このように、双方を自動とすることで、作業者による仕上がりのムラを防止することができる。
(4)前記実施例2では、誘導コイル60の回転も、ヘッド本体12の移動も手動で行うこととしたが、いずれか一方もしくは両方を自動で行うようにしてもよい。例えば、図11(A)に示す加工装置270では、ヘッド本体272に内蔵された誘導コイルの回転も自動で行われ、ヘッド本体272の移動自体も自動で行われる構成となっている。このように、双方を自動とすることで、作業者による仕上がりのムラを防止することができる。
(5)前記実施例1で示した電源との接続形態も一例であり、同様の効果を奏するように適宜設計変更してよい。例えば、加工装置が大型の場合には、電源を内蔵するという具合である。
(6)前記実施例1では、加熱後の圧着を圧着ローラ30で行うこととしたが、これも一例であり、図11(C)に示す加工装置10´のように、圧着ローラ30に替えて、複数の圧着板290を設けるようにしてもよい。図示の例では、4つの圧着板290が設けられている。これら圧着板290としては、例えば、弾性を有するゴム(ウレタンゴム等),樹脂(シリコン樹脂等),木材等の板状のものが用いられる。なお、図示の例では、前記圧着板290を4枚としたが、製造物,施工内容,接着剤の溶融温度等により、1枚としてもよく、その枚数は適宜増減してよい。また、図示の例では、板状のものを用いたが、立方体や直方体状の圧着材を用いてよい。例えば、前記圧着材としては、軟質ゴム,シリコンゴム,低発泡樹脂,軟質樹脂等が用いられる。また、寸法も必要に応じて適宜変更可能であるが、例えば、図11(C)に示す例に適用する場合であれば、厚さ10〜30mm、幅は誘導コイル20のコイル幅と同程度、長さは30〜100mm程度にするという具合である。
(7)前記実施例2では、磁界発生ロール52A、52Bが回転するため、この回転を自動で行うようにすれば、ヘッド本体12自体を移動させなくても、磁界が回転するため、加熱ムラの防止が可能である。むろん、磁界発生ロール52A,52Bを自動で回転する構成とした場合であっても、ヘッド本体12自体を移動させることを妨げるものではない。
(6)前記実施例1では、加熱後の圧着を圧着ローラ30で行うこととしたが、これも一例であり、図11(C)に示す加工装置10´のように、圧着ローラ30に替えて、複数の圧着板290を設けるようにしてもよい。図示の例では、4つの圧着板290が設けられている。これら圧着板290としては、例えば、弾性を有するゴム(ウレタンゴム等),樹脂(シリコン樹脂等),木材等の板状のものが用いられる。なお、図示の例では、前記圧着板290を4枚としたが、製造物,施工内容,接着剤の溶融温度等により、1枚としてもよく、その枚数は適宜増減してよい。また、図示の例では、板状のものを用いたが、立方体や直方体状の圧着材を用いてよい。例えば、前記圧着材としては、軟質ゴム,シリコンゴム,低発泡樹脂,軟質樹脂等が用いられる。また、寸法も必要に応じて適宜変更可能であるが、例えば、図11(C)に示す例に適用する場合であれば、厚さ10〜30mm、幅は誘導コイル20のコイル幅と同程度、長さは30〜100mm程度にするという具合である。
(7)前記実施例2では、磁界発生ロール52A、52Bが回転するため、この回転を自動で行うようにすれば、ヘッド本体12自体を移動させなくても、磁界が回転するため、加熱ムラの防止が可能である。むろん、磁界発生ロール52A,52Bを自動で回転する構成とした場合であっても、ヘッド本体12自体を移動させることを妨げるものではない。
(8)前記実施例6で示した誘導コイル172の数や配置は一例であり、必要に応じて適宜増減してよい。また、複数のコイル172の全てを、電源に対して並列に接続してもよいし、いくつかを直接に接続するなど、適宜変更可能である。図7に示す例についても同様である。
(9)本発明の加工装置は、携帯型,手押し車型,半自動型機,ロボット機(全自動機)等、加工対象や場所に応じて、各種の態様を採用しうる。例えば、小規模室内の場合には、携帯型機,手押し車型機,半自動型機が適しており、中規模室内の場合は、上記小規模室内の場合に加えて、ロボット機も適している。また、大規模室内(ビル,ホテル,会議場等の大広間など)の場合には、半自動型機,ロボット機が適している。例えば、前記実施例1では、携帯型で、かつ、ヘッド本体12を手動で移動させることとしたが、これも一例であり、ヘッド本体12自体がモータによって自動で移動する構成としてもよい。他の実施例についても同様である。
(9)本発明の加工装置は、携帯型,手押し車型,半自動型機,ロボット機(全自動機)等、加工対象や場所に応じて、各種の態様を採用しうる。例えば、小規模室内の場合には、携帯型機,手押し車型機,半自動型機が適しており、中規模室内の場合は、上記小規模室内の場合に加えて、ロボット機も適している。また、大規模室内(ビル,ホテル,会議場等の大広間など)の場合には、半自動型機,ロボット機が適している。例えば、前記実施例1では、携帯型で、かつ、ヘッド本体12を手動で移動させることとしたが、これも一例であり、ヘッド本体12自体がモータによって自動で移動する構成としてもよい。他の実施例についても同様である。
(10)本発明の加工装置は、上述した実施例で示した用途のほか、例えば、道路,建築内装,構築物の施工工程,解体・剥離工程に適用可能である。例えば、建築の場合には、床・壁・天井等の接着や、補修,解体,分離等に適用でき、土木の場合には、トンネル,橋,道路,軌道,桟橋,堤防,壁等の構築物の加工に適用できる。図11(B)には、加工装置280により床にシートを貼る場合の、ヘッド本体282の移動手順が示されている。このほか、展示物,電化製品,建材等の製品の接着・解体・分離や、LNG等のタンク・配管、建築物等の断熱材の取付や解体や、下水道等の補強工事や、高圧鉄塔等の補強工事等にも適用可能である。むろん、ここで示した例に限定されるものではなく、本発明は他の公知の各種の分野・用途に適用可能である。
本発明によれば、耐熱性を有しており、一つ以上の誘導コイルが設けられたヘッド本体と、前記誘導コイルによって加熱された加工対象に対し、所定の加工を施す加工手段と、を備えるとともに、前記誘導コイルへの通電により生じる磁界が、前記加工対象に対し、移動,移行,回転のいずれか、あるいは、これらの組み合わせにより変化可能であることとした。このため、磁界が変化することにより、ムラなく均一な電磁誘導加熱が可能となり、加工の仕上がりの向上を図ることができるため、加熱後に加工を行うための加工装置の用途に適用できる。
10,10´:誘導加熱式加工装置(加工装置)
12,12´:ヘッド本体
12A:上面
12B,12C:側面
14:取手
16:ボタン
18:耐熱プレート
18A:底面
18B,18C:側面
20:誘導コイル
22:ピン
24:長穴
26:耐熱性シート
28:金属プレート
30:圧着ローラ
32:軸
34:長穴
36:コード
38:内部電源
40:加工対象
42,44:スプリング
46:フェライト板
48:外部電源
50:誘導加熱式加工装置(加工装置)
52A〜52C:磁界発生ロール
54:回転ロール
56:軸
57:フェライト板
58:突起
60,60A〜60C:誘導コイル
62:耐熱性シート
64:フェライト
70:加工装置
72,72A,72B:ヘッド本体
73A:底面
73B,73C:側面
74:圧接ロール
76:軸
78:ハンドル
80:フレーム
82:連結部
84:台
86:貫通孔
88:誘導コイル
90A,90B:リード線
94:コード
96:ファン
98:通気口
100:アスファルト混合物
102:冷却用配管
110:誘導加熱式加工装置(加工装置)
112:車両
114,116:タイヤ
118A:電源ボックス
118B:タンク
120:フロント
122:アーム
124:ヘッド本体
126:フレーム
128:爪
130:アスファルト
132:再生基盤
134:除去手段
150:シート
152:アルミシート
154:アルミニウム層
156,158:接着剤層
160:コンクリート
170,174,178:耐熱プレート
172,172A,176,180:誘導コイル
182A〜182D:耐熱プレート
184A〜184D:誘導コイル
200:加工装置
202:コード
204:コネクタ
206:中間スイッチ
208:コイルヘッド
210A,210B:コネクタ
211:誘導コイル
212:ロッド
214:連結部材
220,230:ヘッド本体
222A,222B:誘導コイル
232:曲面
234:誘導コイル
250:ヘッド本体
252,254:主面
256:接続部
258:誘導コイル
260:金属板
262:樹脂シート
264:接着剤
270,280:加工装置
272,282:ヘッド本体
290:圧着板
300:加工装置
302:ヘッド本体(ないしアプリケータ)
304:ハンドル
306:コイルケース
308:コイル収納部
310:ガイド溝
320:誘導コイル
321:プレート
322:スライド片
12,12´:ヘッド本体
12A:上面
12B,12C:側面
14:取手
16:ボタン
18:耐熱プレート
18A:底面
18B,18C:側面
20:誘導コイル
22:ピン
24:長穴
26:耐熱性シート
28:金属プレート
30:圧着ローラ
32:軸
34:長穴
36:コード
38:内部電源
40:加工対象
42,44:スプリング
46:フェライト板
48:外部電源
50:誘導加熱式加工装置(加工装置)
52A〜52C:磁界発生ロール
54:回転ロール
56:軸
57:フェライト板
58:突起
60,60A〜60C:誘導コイル
62:耐熱性シート
64:フェライト
70:加工装置
72,72A,72B:ヘッド本体
73A:底面
73B,73C:側面
74:圧接ロール
76:軸
78:ハンドル
80:フレーム
82:連結部
84:台
86:貫通孔
88:誘導コイル
90A,90B:リード線
94:コード
96:ファン
98:通気口
100:アスファルト混合物
102:冷却用配管
110:誘導加熱式加工装置(加工装置)
112:車両
114,116:タイヤ
118A:電源ボックス
118B:タンク
120:フロント
122:アーム
124:ヘッド本体
126:フレーム
128:爪
130:アスファルト
132:再生基盤
134:除去手段
150:シート
152:アルミシート
154:アルミニウム層
156,158:接着剤層
160:コンクリート
170,174,178:耐熱プレート
172,172A,176,180:誘導コイル
182A〜182D:耐熱プレート
184A〜184D:誘導コイル
200:加工装置
202:コード
204:コネクタ
206:中間スイッチ
208:コイルヘッド
210A,210B:コネクタ
211:誘導コイル
212:ロッド
214:連結部材
220,230:ヘッド本体
222A,222B:誘導コイル
232:曲面
234:誘導コイル
250:ヘッド本体
252,254:主面
256:接続部
258:誘導コイル
260:金属板
262:樹脂シート
264:接着剤
270,280:加工装置
272,282:ヘッド本体
290:圧着板
300:加工装置
302:ヘッド本体(ないしアプリケータ)
304:ハンドル
306:コイルケース
308:コイル収納部
310:ガイド溝
320:誘導コイル
321:プレート
322:スライド片
Claims (23)
- 加工対象を加熱したのち、所望の加工を施す誘導加熱式加工装置であって、
耐熱性を有しており、一つ以上の誘導コイルが設けられたヘッド本体と、
前記誘導コイルによって加熱された加工対象に対し、所定の加工を施す加工手段と、
を備えるとともに、
前記誘導コイルへの通電により生じる磁界が、前記加工対象に対し、移動ないし回転の少なくとも一方が可能であることを特徴とする誘導加熱式加工装置。 - 前記ヘッド本体及び前記加工手段が、前記加工対象に対して移動可能であることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記誘導コイルが、
前記ヘッド本体に対して回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記ヘッド本体に対して回転可能に支持された一つ以上のローラの表面に、前記誘導コイルが配置されていることを特徴とする請求項3記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記誘導コイルが、
前記ヘッド本体に対して移動可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記誘導コイルが複数設けられるとともに、
該複数の誘導コイルへの通電を切り換えるための切換手段を備えており、
該切換手段によって、前記複数の誘導コイルへの通電を切り換えることにより、磁界を移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記加工手段が、前記ヘッド本体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記加工手段が、
前記ヘッド本体に対して回転可能に支持されており、前記誘導コイルで加熱された加工対象を圧着する圧着ローラであることを特徴とする請求項7記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記ヘッド本体に、操作用の取手を設けたことを特徴とする請求項7又は8記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記加工手段が、前記ヘッド本体と別体に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記加工手段が、前記加工対象の上を移動するための移動手段を備えており、
前記ヘッド本体を、前記移動手段に取り付けることで、
前記ヘッド本体も前記加工対象の上を移動することを特徴とする請求項10記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記加工手段が、
前記誘導コイルで加熱した後の加工対象を圧接する圧接手段であることを特徴とする請求項10又は11記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記加工手段が、
前記誘導コイルで加熱した後の加工対象を削る切削手段であることを特徴とする請求項10又は11記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記ヘッド本体に、長尺の延長手段が着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記ヘッド本体と前記延長手段を、前記ヘッド本体に設けた誘導コイル側が加工対象に接触するように付勢する付勢手段を介して接続することを特徴とする請求項14記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記延長手段が伸縮可能であることを特徴とする請求項14又は15記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記ヘッド本体が、
該ヘッド本体の誘導コイルに高周波電流を供給する電源とコードにより接続されるとともに、
前記コードを着脱可能なコネクタを有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記コードに、通電のON/OFFを切り換えるスイッチを設けたことを特徴とする請求項17記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記加工対象が金属を含まないときに、
該ヘッド本体の表面側に、前記加工対象に接触させる範囲で金属層を設けたことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記加工対象の上での前記ヘッド本体の移動を補助するために、
前記ヘッド本体に、
前記誘導コイルと前記加工対象の間に位置するように、耐熱性のシートを設けたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。 - 前記ヘッド本体が、前記加工対象の被加熱面の形状に沿う形状面を有しており、該形状面に沿って前記誘導コイルを複数配置したことを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記ヘッド本体が曲面部を有しており、該曲面部に複数の誘導コイルを配置したことを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
- 前記ヘッド本体に、前記誘導コイルを着脱可能に装着するコネクタを設けたことを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の誘導加熱式加工装置。
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CN113933348A (zh) * | 2020-06-29 | 2022-01-14 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种热波检测的自适应均匀化感应加热系统及方法 |
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