JP2016006699A - プロセス分析モデルと実際のプロセス動作とのオンライン整合 - Google Patents

プロセス分析モデルと実際のプロセス動作とのオンライン整合 Download PDF

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Abstract

【課題】バッチモデルについて、オンラインバッチ処理の現在の動作状態に関する確かな決定を可能にするバッチモデルおよび分析システムを提供する。
【解決手段】単純で計算上安価な技法を使用して、進行中、現在実行中またはオンラインのバッチ処理から収集されたデータをバッチプロセス用に形成されたバッチモデルと整合させる。このデータ整合技法により、潜在構造射影(PLS)および主成分分析(PCA)技法といった他の統計処理技法がオンラインバッチデータに適用され、現在実行中のバッチの品質に関する分析が実行できるようになる。これらの分析が、ユーザがバッチモデルに基づいて現時点におけるバッチの品質、およびバッチランの終了時に所望のバッチ出力品質基準に達する可能性を決定できるようにする有用な情報を、バッチオペレータ等のユーザに提供する。
【選択図】図3

Description

本特許は、一般にプロセス制御システムに関し、詳細には、オンラインまたは進行中のバッチプロセスの品質の分析と予測を支援するバッチモデリングシステムで使用されるデータ整合技法の実装に関する。
化学、石油、または他のプロセスなどで使用されるようなプロセス制御システムは、アナログ、デジタル、またはアナログ/デジタル複合バス経由で少なくとも1つのホストまたはオペレータワークステーションと1つもしくは複数の現場装置とに通信可能に連結された1つもしくは複数のプロセスコントローラおよび入出力(I/O)装置を概して含む。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、および送信器(温度、圧力、および流量センサなど)といった現場装置は、バルブの開閉やプロセス制御パラメータの測定など、プロセス内のプロセス制御機能を実行する。プロセスコントローラは、現場装置によって計測されたプロセス測定値を表す信号を受信し、この情報を処理して制御ルーチンを実施した後、バスまたは他の通信回線を通じて現場装置に送られる制御信号を生成して、このプロセスの動作を制御する。このようにして、プロセスコントローラは、現場装置を使用して、バスおよび/または他の通信リンクを介して制御ストラテジを実行および調整することができる。
現場装置およびコントローラからのプロセス情報は、プロセスの現状の参照(グラフィカルユーザインタフェース経由などで)、プロセスの評価、あるいはプロセスの動作の修正(視覚的なオブジェクトダイアグラム経由などで)など、プロセスに関する所望の機能をオペレータが実行できるように、オペレータワークステーション(プロセッサベースのシステムなど)によって実行される1つもしくは複数のアプリケーション(すなわち、ソフトウエアルーチン、プログラムなど)で利用できるようにしてもよい。多数のプロセス制御システムが、概してパーソナルコンピュータやラップトップなどを使用して実装され、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して、プロセス制御システム内のコントローラ、オペレータワークステーション、およびその他のシステムと通信可能に連結されている1つもしくは複数のアプリケーションステーション(ワークステーションなど)も含む。各アプリケーションステーションは、プロセス変数の値、そのプロセスと関連した品質パラメータの値、プロセス故障検出情報、および/またはプロセスステータス情報を含むプロセス制御情報を表示するグラフィカルユーザインタフェースを含み得る。
グラフィカルユーザインタフェースでのプロセス情報の表示は、そのプロセスと関連した各プロセス変数の値の表示に限られるのが典型的である。加えて、プロセス制御システムによっては、いくつかのプロセス変数間の単純な関係を特徴付けることによって、そのプロセスと関連した品質基準を判断するものもある。しかし、そのプロセスの最終製品が所定の品質管理基準に適合しない場合には、そのプロセス変数および他のプロセス変数が、最終製品のバッチ、プロセスおよび/またはアセンブリの完了後にしか分析することができない。プロセスの完了後、直ちにプロセス変数および/または品質変数を参照することにより、以降の製品の製造または処理を改善できるものの、これらの改善によって、規格外の現在の完成品を改善することはできない。
この課題は、バッチプロセスで、すなわちバッチプロセスを実施するバッチプロセス制御システムで特に深刻である。周知のとおり、バッチプロセスは、さまざまな数のステージまたはステップを経て、共通の原材料のセットを「バッチ」として処理するように動作し、製品を生産するというのが典型的である。バッチプロセスを構成する複数のステージ
またはステップは、タンクなど同じ器材で実行され得る一方、他の器材で実行され得るステージまたはステップもある。同じ原材料に対し、バッチプロセスの異なるステージやステップで、時間とともに異なる処理が施されているため、一般的な器材内では、バッチプロセスのどのステージやステップであっても、バッチ内の材料が所望するあるいは充分な品質基準を有する最終製品が生産される可能性が高い方法で処理されているかどうかを正確に判断することが困難であるケースが多い。すなわち、処理されている材料の温度、圧力、密度、pHまたは他のパラメータが、バッチの動作中に時間とともに変化するため、材料が同じ箇所に残っていても、バッチプロセスがバッチラン中の任意の特定時期に、所望の品質基準を有する最終製品を生産する可能性が高い方法で動作しているかどうかを判断するのは困難であることが多い。
現在動作中のバッチが正常に進行しているか、または所望の仕様内(であり、したがって所望の品質基準を有する最終製品が得られる可能性が高い)かどうかを判断する1つの既知の方法では、「進行中バッチの動作中に測定されるさまざまなプロセス変数測定値を、「黄金バッチ」の動作中に測定される同様の測定値と比較する。この場合における黄金バッチとは、以前に実行された既定のバッチのことであり、正常かつ期待されるバッチの動作を表し、所望の品質基準を満たす最終製品が得られるバッチランとして選択されたバッチのことである。ただし、プロセスのバッチランは、時間的な長さ、すなわちバッチを完了するのに要する時間が多様であるのが典型的であり、そのため、黄金バッチ内のどの時間が、現在測定されている進行中バッチのパラメータに最も該当するかを知ることは困難である。さらに、バッチプロセス変数は、選択された黄金バッチのバッチプロセス変数と比較して、バッチ動作中に最終製品の品質に有意な低下を伴うことなく大きく変動することが多い。そのため、すべてのケースで使用可能な特定バッチランを、その他すべてのバッチランの比較対象とすべき黄金バッチとして特定することは、実際に不可能ではないにしても、困難であることが多い。
黄金バッチの使用に伴う課題の1つを克服する、進行中のバッチプロセスの結果を分析するという方法は、そのバッチの統計モデルを作成することを伴う。この技法は、バッチプロセスの幾度かの異なるバッチランから、プロセス変数のセット(バッチパラメータ)ごとにデータを収集することと、それらのバッチランごとに品質基準を特定または測定することとを含む。その後、収集されたバッチパラメータと品質データとを使用して、バッチの統計モデルが作成され、この統計モデルが、所望の品質基準をもたらすバッチの「正常な」動作を表す。次にこのバッチの統計モデルを使用して、特定バッチランの実行中に測定されるさまざまなプロセス変数測定値が、モデルを構築する目的で使用されるバッチラン内の同じ測定値と統計的にどのように関連しているかを分析することができる。例えばこの統計モデルは、測定された各プロセス変数の平均または中間値と、バッチ実行中の任意の特定時期に測定され、現在測定されているプロセス変数と比較できるプロセス変数と関連した標準偏差とを提供する目的で使用され得る。さらにこの統計モデルは、バッチの現在の状態が、バッチの終了時に生産されるバッチ製品の最終品質にどのように影響するか、または、バッチの終了時に生産されるバッチ製品の最終品質にどのように関連するかを予測する目的でも使用され得る。
一般に、このタイプのバッチモデリングには、送信器、制御ループ、アナライザ、仮想センサ、計算ブロック、手入力などさまざまなソースから莫大な量のデータを収集する必要がある。そのデータの大半は、連続的なデータヒストリアンに記憶される。ただし、有意な量のデータ、特に手入力データは、プロセス管理システムと関係するのが通例である。これらのタイプのシステムの両方から抽出したデータは、モデル構築要件を満たすために統合される必要がある。さらに、上記のとおり、バッチプロセスは通常、技術およびモデリングの観点から見ていくつかの有意に異なるステージ、ステップまたはフェーズをたどる。そのため、バッチプロセスはフェーズ別に下位分割されるのが典型的であり、モデルはフェーズごとに構成され得る。このケースでは、数多くのバッチランから取得した同じフェーズまたはステージのデータが、そのフェーズまたはステージの統計モデルを構築するためにグループ化される。かかるデータ構成の目的は、プロセスの非線形性を排除または低減することである。ステージ、フェーズまたは他のベースで別々のバッチモデルを構築するもう1つの理由は、バッチのさまざまな異なるステージで異なるプロセスパラメータがアクティブであり、モデリングに使用されるからである。そのため、ステージモデルは、特定の各ステージで該当するパラメータのセットだけで構成することにより、各バッチステージで該当するプロセスパラメータだけを受容または考慮することができる。例えばあるステージでは、主要バッチ量に添加材が加えられることがあり、それらの添加材に関するプロセスパラメータは、どの先行バッチステージでも考慮される必要がなく、添加材が加えられるバッチステージに関して考慮される必要がある。
ただし、この統計バッチモデルを作成するに当たっては、異なるバッチランが、異なる時間の長さにわたるのが典型的であるという事実に依然として対処する必要がある。この現象は、バッチラン内で手動処理を行っているオペレータと関連した異なる待ち時間、加熱時間や他の処理時間の延長や短縮を必要とする異なる周囲条件、バッチ実行中の処理時間の延長または短縮を招く原材料組成物の変更など、いくつかの要因に基づいている。実際、特定のプロセス変数に関するデータ傾向は、バッチランが異なれば、かかる時間の長さも異なるため、異なるバッチプロセスランにおける共通のバッチランドマークが、互いに対してタイムシフトされた位置を有するのが通常である。ただし、有効な統計モデルを作成するには、バッチのステージ、動作、またはフェーズごとのデータを、そのモデルを作成する目的で使用される他のバッチの同じステージ、動作またはフェーズの比較可能データと整合する必要がある。そのため、測定されたバッチランに基づいてバッチプロセスの統計モデルを作成する前に、異なるバッチランから抽出したバッチデータを共通のタイムフレームに整合する必要がある。
バッチプロセスの幾度かの異なるバッチランから取得したバッチデータを整合する目的で使用される従来の技法は、インジケータ変数を使用して特定バッチランの進行状況を表すものである。最良のインジケータ変数は、滑らかで連続的かつ単調であり、バッチデータセット内の他の全プロセス変数の範囲にわたるのが典型的である。時間的に整合したバッチランを作成するために、その後すべてのプロセス変数を対象にバッチデータが収集され、インジケータ変数について時間が調整される。この技法では、どの特定時期におけるどのバッチランに関しても、一定の進行度または完了率が、インジケータ変数の最終値に対するインジケータ変数の現在値の割合によって決定される。
さまざまな異なるバッチランから抽出したバッチデータを整合する別の公知の方法は、ダイナミックタイムワーピング(DTW)技法を使用するもので、これは音声認識から借用された技術である。DTWは、バッチランの異なる変数について、それぞれのプロセス変数軌跡間の距離を最小化する。その際DTWは、タイムワーピング分析時にすべてのプロセス変数を考慮し、バッチデータを整合するに当たって有効な手法であると判断された。所望であれば、DTWは、上記のようにインジケータ変数を使用すること、あるいは作成された追加変数と、バッチ完了時間の一部分と定義された変数とを使用することができる。このインジケータ変数は、DTW計算の頑健性を高めるため、および過剰な期間にわたる極小値への収束を防ぐために、元の処理変数セットに加えられる。いずれにせよ、バッチランの所定時間または「正規化された」時間に一致させるためのバッチデータのタイムスケールを圧縮または拡張するために、DTW技法は、バッチデータに適用されると、一般にバッチランの総時間を基に特定バッチラン内でデータのタイムスケールを傾ける。他のバッチランから取得したデータを伴う各バッチラン内のデータを共通なタイムスケールに整合するために、データセットのバッチランは、正規化された時間にすべて変える。その後、この共通のタイムスケールまたは正規化されたタイムスケールにスケーリングされたバッチデータからバッチモデルが作成される。
統計モデルが作成されると、以降のバッチランは、そのバッチ用のデータを収集し、測定または収集されたそのデータをそのモデルデータと比較することにより、そのモデルと比較することができる。ただし、各新規バッチランから取得したデータをそのバッチモデルと適切に比較するには、新規バッチデータの時間をスケーリング(すなわち圧縮または拡張)して、バッチモデルによって使用される正規化された時間に一致させる必要がある。進行中バッチの実行時間は、そのバッチが実行を完了するまでわからないため、進行中またはオンラインのバッチから受信したバッチデータをタイムスケールすることは、そのバッチランが完了するまで困難である。このように、新規バッチラン用のバッチデータは、バッチランが実行を完了した後でしか、作成されたバッチモデルと比較または分析することができない。ただし、バッチを実行する目的で使用される制御パラメータを変更してバッチ内で欠陥または他の品質低下を補償できるのは、バッチランがまだ動作している間だけなので、バッチランから収集されたデータが、バッチランの動作中にバッチモデルを使用して比較または分析できるのであれば、その方が有益である。さらに、そのバッチランが許容されない品質基準を有する最終製品をもたらす可能性が高いかどうかを、バッチの完了前に把握できることは有用である。特に、バッチランの処理時に、バッチランが所望の品質基準を有する最終製品を生み出す可能性が低いことを早めに把握しておけば、そのバッチランを制止または停止することができ、未完了のバッチを破棄して処理時間とエネルギーを節約し、所望の出力をもたらす他のバッチの処理に器材を使用することができる。
このように、バッチプロセスのランを分析するための産業用オンラインシステムを実施する際の実質的な障壁は、オンラインバッチ処理から収集されたバッチデータを正規化する方法を把握できないまま、(バッチモデルを作成する目的で使用されるバッチランの期間の違いを補償するために)正規化されたバッチラン時間をバッチモデル内で使用したために生じる。この課題を解決するために、DTWの一オンライン実施形態が、バッチステージの終了ポイントまで、バッチランがスキャンされる度にプロセス変数軌跡を予測する。ただし、これらの軌跡の予測は通常、将来のバッチランと一致しない。また、このオンラインDTW手順では、毎回新たにスキャンを実行して分析中の変数の完全な軌跡を作成するため、この技法を肥大化し、プロセッサの使用という点から見て高価になり、プロセス制御システムでオンライン実施するには複雑になり過ぎるという点も重要である。そのため、オンラインバッチ分析用途で実施されている最も一般的な手法は、分析中のオンラインバッチ、およびバッチモデルの構築時に使用される整合済みバッチが等しい期間を有するか、ヒューリスティックルールのセットを使用してバッチの動作中にバッチデータを整合するものと仮定している。ただし、現在のバッチが、バッチモデルを作成する目的で使用された整合済みバッチの正規化された時間と同じ時間の長さであろうという仮定は、誤っているのが通例であり、不毛な分析結果につながる。さらに、簡略化されたヒューリスティックルールは、ほとんどの用途に対して不十分であるのが典型的である。そのため、これらの技法は、誤った結果を生成する。
本発明は、バッチモデルについて、オンラインバッチ処理の現在の動作状態に関する確かな判断を可能にするバッチモデル分析システムを提供する。
バッチモデルについて、オンラインバッチ処理の現在の動作状態に関する確かな判断を可能にするために、バッチモデルおよび分析システムは、シンプルで計算上安価な技法を使用して、進行中、現在実行中またはオンラインのバッチプロセスから収集されたデータ
を、バッチプロセス用に形成されたバッチモデルと整合させる。オンラインバッチ処理の現在の動作状態に関する確かな判断を可能にする。このデータ整合技法により、部分最小二乗法や潜在構造射影(PLS)、そして主成分分析(PCA)技法など、さらなる統計処理技法がオンラインバッチデータに適用され、現在実行中のバッチの品質に関する分析が実行できるようになる。これらの分析が、ひいては、ユーザがバッチモデルに基づいて現時点におけるバッチの品質、およびバッチランの終了時に所望のバッチ出力品質基準に達する可能性を決定できるようにする有用な情報を、バッチオペレータ等のユーザに提供する。さらに、これらの分析技法により、バッチの出力が最終的に所望または許容される品質測定値を有しないであろうという理由から、バッチの動作を継続するのではなく、バッチを停止または破棄して始めからやり直す方が良いかどうかを、バッチの現在の動作状態に基づいてユーザが判断できるようになる可能性がある。また、これらの分析技法は、バッチランの完了時に所望のバッチ品質を得るために、以降のバッチランのステージでバッチの処理を変更して、所望されないバッチの特徴を補償する方法を、ユーザが判断できるようにさせる可能性もある。
バッチプロセスを実施する目的で使用され得るコントローラと現場装置とを有するプロセス制御ネットワークのダイアグラムである。 バッチプロセスを分析するためのオンラインバッチ分析システムを実装し得る動作管理システム例を含むプロセス制御システム例を表すブロック図である。 バッチプロセス用の統計バッチモデルを判断する方法例のフローチャートである。 バッチプロセスランと関連するプロセス変数測定値と品質変数測定値とを含むバッチプロセスのバッチラン例のデータ構造を表すダイアグラムである。 バッチランごとのプロセス変数とそれぞれの品質変数とを含む、バッチプロセスの幾度かの異なるバッチラン用のバッチデータを表すデータ構造のダイアグラムである。 プロセス変数とそれぞれの品質変数とを含む、バッチプロセスの幾度かの異なるバッチラン用のバッチデータを表すデータ構造のダイアグラムであって、バッチランから収集したデータがオフライン整合プロセスで整合された後の状態を表すダイアグラムである。 図6の整合済みバッチデータから取得した特定のバッチ変数の軌跡を表すグラフを示す。 統計バッチモデルに関するオンラインバッチランの位置の推定値を判断し、その推定位置に基づいてバッチランのオンラインバッチ分析を実行する技法を実装する目的で使用され得るルーチンまたは方法のフローチャートを示す。 オンラインバッチデータの整合対象となる複数のスキャンに分割された特定のバッチ変数の処理変数軌跡を示す。 図9のそのプロセス変数のモデル軌跡に対するオンラインバッチ内のプロセス変数の位置に関する推定値を決定する方法を表すグラフを示す。 統計スキャン期間にわたって単調に変化するプロセス変数と、警報目的で使用されるその変数の上側および下側の境界を表すグラフを示す。 統計的なプロセスモデルを構築する目的で使用され得るモデルスキャン混合の方法を表すグラフを示す 先行技術に基づくオンラインバッチ分析の方法によって求められた品質予測のグラフを示す。 本明細書に記載されるオンラインバッチ分析の方法によって求められた品質予測のグラフを示す。 バッチまたはバッチステージの終了時に判断された測定品質を補償するためにバッチまたはバッチステージ完了後に実行された逆計算を使用して、図14に描かれている本明細書に記載のオンラインバッチ分析の方法によって求められた品質予測のグラフを示す。
図1は、データヒストリアン12と、各々がディスプレイスクリーン14を有する1つもしくは複数のホストワークステーションまたはコンピュータ13(任意のタイプのパーソナルコンピュータやワークステーションなどであってよい)とに接続されたプロセスコントローラ11を含む例プロセス制御システム10を表す。コントローラ11は、入力/出力(I/O)カード26と28とを介して現場装置15〜22にも接続されており、現場装置15〜22を使用してバッチプロセスの1つもしくは複数のバッチランを実施するために動作し得る。データヒストリアン12は、任意の所望タイプのメモリと、データを記憶するための所望または公知のソフトウェア、ハードウェアまたはファームウェアを有する任意の所望タイプのデータ収集ユニットであってよい。データヒストリアン12は、ワークステーション13の1つの一部であっても、それとは別であってもよい(図1に図示)。例えば、エマーソン・プロセス・マネジメント社が販売しているDeltaV(登録商標)コントローラなどであり得るコントローラ11は、イーサネット(登録商標)接続またはその他任意の所望の通信回路ネットワーク23を介してホストコンピュータ13とデータヒストリアン12とに、通信可能に接続されている。コントローラ11はまた、4〜20台の標準的なMA装置、および/またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(商標)プロトコルなどの高性能通信プロトコルと関連した所望のハードウェアおよびソフトウェアを使用して現場装置15〜22にも通信可能に接続されている。
現場装置15〜22は、センサ、バルブ、送信器、ポジショナなど、任意のタイプの装置であってよく、一方I/Oカード26および28は、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに適合する任意のタイプのI/O装置であってよい。図1に図示されている実施形態では、現場装置15〜18が、アナログ回線またはアナログ・デジタル複合回線経由でI/Oカード26と通信する4〜20台の標準的なMA装置またはHART装置であるのに対し、現場装置19〜22は、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus現場装置など、Fieldbus通信プロトコルを使用してI/Oカード28にデジタルバス経由で通信する高性能装置である。当然のことながら、現場装置15〜22は、今後開発される標準規格やプロトコルを含む、その他任意の所望の標準規格またはプロトコルにも適合し得る。
コントローラ11は、制御ループを含み得る、(メモリ32に記憶された)1つもしくは複数のプロセス制御ルーチンを実施または監督するプロセッサ30を含み、装置15〜22、ホストコンピュータ13およびデータヒストリアン12と通信して、任意の所望の方法でプロセスを制御する。本明細書に記載されるいかなる制御ルーチンまたはモジュールも、所望される場合には、異なるコントローラまたは他の装置によって実施つまり実行される制御ルーチンまたはモジュールの一部を有し得る点に留意すべきである。同様に、プロセス制御システム10内で実装される、本明細書に記載の制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等を含め、任意の形態を取り得る。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、はしご論理、連続機能チャート、機能ブロックダイアグラム、またはその他任意のソフトウェアプログラミング言語または設計パラダイムを使用するなど、任意の所望のソフトウェアフォーマットで実施され得る。同様に、制御ルーチンは、1つもしくは複数のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはその他任意のハードウェアまたはファームウェア要素などにハードコードされ得る。こうして、コントローラ11は、制御ストラテジまたは制御ルーチンを任意の所望の方法で実施するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、コントローラ11は、一般に機能ブロックと呼ばれるものを使用して制御ストラテジを実施する。各機能ブロックは、制御ルーチン全体のオブジェクトまたは他の部分(サブルーチンなど)であり、他の機能ブロックと(リンクと呼ばれる通信を介して)連動して、プロセス制御システム10内でプロセス制御ループを実装する。機能ブロックは、送信器、センサまたは他のプロセスパラメータ測定装置などと関連した入力機能、PID、ファジー論理、制御などを実行する制御ルーチンなどと関連した制御機能、バルブなど、ある装置の動作を制御する出力機能のうちの1つを実行して、プロセス制御システム10内でいくつかの物理的な機能を実行するのが典型的である。当然のことながら、混成および他のタイプの機能ブロックが存在する。機能ブロックは、コントローラ11内に記憶されており、コントローラ11によって実行され得るのが典型的な使用事例だが、標準的な4〜20台のMA装置、およびHART装置などある種の高性能現場装置と関連していたり、Fieldbus装置の典型例として、現場装置の中に記憶されており、現場装置自体によって実装されたりすることもある。
図1の分解ブロック40によって図示されるとおり、コントローラ11は、ルーチン42および44として図示されるいくつかの単一ループ制御ルーチンを含み得るとともに、所望であれば、複数入出力の制御ルーチンなど、制御ループ46として図示されている1つもしくは複数の高度な制御ループを実装し得る。かかる各ループは、制御モジュールと呼ばれるのが典型的である。単一ループ制御ルーチン42および44は、適切なアナログ入力(AI)およびアナログ出力(AO)機能ブロックにそれぞれ接続された単一入出力のファジー論理制御ブロックと単一入出力PID制御ブロックとを使用して単一ループ制御を実行するものとして図示されており、これらはバルブなどのプロセス制御装置と、温度および圧力送信器などの測定装置と、またはプロセス制御システム10内のその他任意の装置と関連し得る。高度な制御ループ46は、1つもしくは複数のAI機能ブロックに通信可能に接続された入力と、1つもしくは複数のAO機能ブロックに通信可能に接続された出力とを含むものとして図示されているが、高度な制御ブロック48の入力および出力は、他のタイプの入力を受信し、他のタイプの制御出力を提供するために、その他任意の所望の機能ブロックまたは制御要素に接続され得る。高度な制御ブロック48は、任意のタイプのモデル予測制御(MPC)ブロック、ニューラルネットワークモデリングまたは制御ブロック、多変量ファジー論理制御ブロック、リアルタイムオプティマイザブロックなど、あるいは適宜調整された制御ブロックなどであり得る。高度な制御ブロック48など、図1に図示される機能ブロックは、コントローラ11によって実行することができ、ワークステーション13の1つや、場合によっては現場装置19〜22の1つなど、その他任意の処理装置に位置し、それらによって実行することもできることが理解されよう。
さらに、図1に図示するとおり、1つもしくは複数のプロセス分析ルーチン50が、プロセス制御システム10のさまざまなデバイスに記憶され、それらによって実行され得る。プロセス分析ルーチン50は、1つもしくは複数のコンピュータ可読メモリ52に記憶されており、ワークステーション13のプロセッサ54で実行されるものとして図示されているが、他の装置で記憶および実行される可能性もある。各プロセス分析ルーチン50は、制御ルーチン42、44、46など1つもしくは複数の制御ルーチンに、および/または1つもしくは複数の測定されたプロセス変数測定値を受信するデータヒストリアン12に通信可能に連結されている。各プロセス分析ルーチン50は、統計的なプロセスモデルを構築し、そのモデルに基づいて進行中またはオンラインのバッチ処理を分析する目的で使用され得る。分析ルーチン50はまた、プロセス制御システム10により実施されており、オンラインまたは進行中のバッチに関する情報をバッチオペレータなどのユーザに表示することもある。
図2は、プロセス監視および品質予測システム(PMS)とも呼ばれる動作管理システ
ム(OMS)102を含むプロセス制御環境100のさらなる実施例を図示するブロック図である。このシステムは、オンラインバッチ処理のモデリングおよび分析システムを実装する目的で使用され得る。OMS 102は、プロセス制御システム106を含むプラント104内に位置し、例えば図1のプロセス制御ネットワーク10の一部または全部を含み得る。プラント例104は、製造施設、処理設備、オートメーション設備、および/またはその他任意のタイプのプロセス制御構造またはシステムでもあり得る。いくつかの実施例では、プラント104が異なる箇所に位置する複数の設備を含み得る。図1のプラント104は単一のプロセス制御システム106を含むものとして図示されているが、プラント104は他にもプロセス制御システムを含み得る。
データバス110を介してコントローラ108に通信可能に連結されているプロセス制御システム106は、プロセス内の物理的な機能を実行したり、プロセス変数を測定したりするなど、プロセス機能を実施するための任意の数の現場装置(入力および/または出力装置など)を含み得る。これらの現場装置は、入力情報を受信し、出力情報を生成し、かつ/またはプロセスを制御することのできる任意のタイプのプロセス制御コンポーネントを含み得る。例えば、これらの現場装置は、プロセスを制御するためのバルブ、ポンプ、ファン、ヒーター、クーラー、および/またはミキサーなどの入力装置を含み得る。さらに、これらの現場装置は、例えば、プロセスの部分内のプロセス変数を測定するための温度計、圧力計、圧力計、濃度計、液面計、流量計および/または蒸気センサなどの出力装置も含み得る。入力装置は、コントローラ108から命令を受信して1つもしくは複数の指定されたコマンドを実行し、プロセスに変化をもたらし得る。さらに、これらの出力装置は、プロセスデータ、環境データ、および/または入力装置データを測定し、測定されたデータをプロセス制御情報としてコントローラ108に送信する。このプロセス制御情報は、各現場装置からの測定出力結果に対応する変数の値(測定されたプロセス変数および/または測定された品質変数など)を含み得る。
図2に図示された実施例では、コントローラ108がデータバス110を介してプロセス制御システム106内の現場装置と通信し得る。この装置は、プロセス制御システム106内の中間通信コンポーネントに連結され得る。これらの通信コンポーネントは、コマンド領域にある現場装置をデータバス110と通信可能に連結するためのフィールド結合ボックスを含み得る。加えて、通信コンポーネントは、現場装置および/またはフィールド結合ボックスへの通信経路を構成するための整理キャビネットを含み得る。さらに通信コンポーネントは、現場装置からデータを受信し、そのデータをコントローラ例108によって受信可能な通信メディアに変換するためのI/Oカードを含み得る。これらのI/Oカードは、コントローラ108からのデータを、対応する現場装置によって処理できるデータ形式に変換し得る。一実施例では、データバス110が、Fieldbusプロトコルまたは他のタイプの有線のおよび/または無線通信プロトコル(ProfibusプロトコルやHARTプロトコルなど)を使用して実装され得る。
図1のコントローラ108は、1つもしくは複数の制御ルーチンを管理して、プロセス制御システム106内の現場装置を管理する。制御ルーチンは、プロセス監視アプリケーション、アラーム管理アプリケーション、プロセストレンド分析および/または履歴管理アプリケーション、バッチ処理および/またはキャンペーン管理アプリケーション、統計アプリケーション、ストリーミングビデオアプリケーション、高度な制御アプリケーションなどを含み得る。さらに、コントローラ108は、OMS 102にプロセス制御情報の転送もし得る。制御ルーチンは、プロセス制御システム106が特定の品質しきい値内で所望の製品の指定量を確実に生産する目的で実施され得る。例えば、プロセス制御システム106は、バッチの最終ステージで製品を生産するバッチシステムとして構成され得る。他の実施例では、プロセス制御システム106が、製品を絶え間なく生産する連続プロセス製造システムを含み得る。
コントローラ108からのプロセス制御情報は、プロセス制御システム106内の現場装置を起点とする、測定されたプロセス変数および/または品質変数に対応する値を含み得る。他の実施例では、OMS 102が、プロセス制御情報内の値を解析して、対応する変数に変換し得る。測定されたプロセス変数は、プロセスの部分および/または現場装置の特徴を測定する現場装置を起点とするプロセス制御情報と関連している場合がある。測定された品質変数は、完成品の少なくとも一部分と関係しているプロセスの特徴を測定することに関連するプロセス制御情報と関連している場合がある。
例えば、プロセスプラントは、流体内である濃度の化学物質を生み出すタンクで化学反応を実行し得る。本実施例では、流体内の化学物質の濃度が品質変数であり得る。流体の温度とタンクへの流体流速がプロセス変数であり得る。OMS 102は、プロセス制御のモデリングおよび/または監視により、タンク内の流体の濃度がタンク内の流体の温度とタンクへの流体流量とに基づいていると判断し得る。そのため、その濃度は品質変数であるだけでなく、流体流量および流体温度も濃度の品質にも寄与または影響する。換言すれば、測定されたプロセス変数は、測定された品質変数の品質に寄与または影響する。OMS 102は統計処理を使用して、各プロセス変数が品質変数に及ぼす影響または寄与の大きさを決定し得る。
加えて、OMS 102は、測定されたプロセス変数間の関係および/またはプロセス制御システム106と関連した品質変数間の関係をモデル化および/または判断し得る。測定されたプロセスおよび/または品質変数間のこれらの関係は、1つもしくは複数の計算された品質変数を生成し得る。計算された品質変数は、1つもしくは複数の測定されたプロセス変数、測定された品質変数、および/または他の計算された品質変数の多変量および/または線形代数の組み合わせであり得る。さらに、OMS 102は、測定されたプロセス変数、測定された品質変数、および/または計算された品質変数の組み合わせから全体品質変数を決定し得る。全体品質変数は、プロセス全体の品質判断および/またはプロセスの最終製品の予測品質に対応し得る。
図2に図示するとおり、OM 102は、記述モデリング、予測モデリング、および/または最適化を利用してプロセス制御システム106のステータスまたは品質に関するフィードバックを生成する分析プロセッサ114を含む。分析プロセッサ114は、プロセス動作の欠陥を検出、特定、および/または診断し、品質変数に対する欠陥の影響および/またはプロセス制御システム106の最終製品の品質と関連した全体品質変数を予測し得る。さらに、分析プロセッサ114は、品質変数および/またはプロセス変数を統計的および/または論理的に組み合せて、プロセスの全体品質と関連した全体品質変数にすることによってプロセスの品質を監視し得る。分析プロセッサ114はその後、全体品質変数および/または他の品質変数と関連した値をそれぞれのしきい値と比較し得る。これらのしきい値は、異なる時期におけるプロセス内の全体品質変数の所定品質制限に基づき得る。例えば、プロセスと関連した全体品質変数が一定の時間の長さにわたってしきい値を超えると、最終製品の予測最終品質が、完成品と関連した品質基準を満たさない場合がある。
全体品質変数および/または他の品質変数がそれぞれのしきい値から逸脱する場合には、分析プロセッサ114が、全体品質変数と関連した既説明および/または未説明の変動(または分散)を示すプロセス概要チャートおよび/またはプロセス変動グラフ内で誤り表示を生成する場合があり、かつ/またはプロセスの欠陥を生成した変数を示す場合がある。分析プロセッサ例114は、測定されたプロセス変数、測定された品質変数、および/または計算された品質変数の現在および/または過去の値を表示し得るプロセス品質グラフ(組み合わせグラフ、マイクロチャート、プロセス変動グラフ、変数トレンドグラフ、グラフィックスなど)をオペレータが生成できるようにする機能を提供することにより、その分析結果を管理して1つもしくは複数のプロセスの欠陥の原因を特定する。さらに、場合によっては分析プロセッサ114が、プロセスの動作中にこれらのグラフを生成し、さらなるプロセス制御情報がOMS 102によって受信されたときに各々のグラフと関連した多変量統計を継続的に更新および/または再計算する。
バッチプロセスを対象とするこれらの機能を実行するには、OMS 102がいくつかの異なるバッチランの各々について、いくつかの異なるプロセス変数を対象とするバッチプロセスデータを収集する。このデータは、コントローラ108または制御ネットワーク110内の現場装置から、プロセスの異なるバッチランを実行するためのプロセスデータをすでに収集し記憶した可能性のあるデータヒストリアン(図1のヒストリアン12など)から、またはその他任意のデータソースから収集され得る。OMS 102はその後、このデータを処理して1つもしくは複数の統計バッチモデルを生成し、例えば、OMS 102のコンピュータ可読メモリや図1のいずれかのワークステーション13のメモリ52などのメモリにその統計バッチモデルを記憶する。その後、該統計バッチモデルを必要に応じて取り出し、進行中またはオンラインのバッチランを今後分析する際に利用することができる。特に、OMS 102は、記憶されたバッチモデルを使用して、特定バッチランのオンラインまたは進行中の動作時に、収集されたデータを分析したり、ユーザが分析できるようにしたりし得る。
しかし、バッチがオンラインで動作している間にバッチランからのデータを分析するには、バッチモデルに対するオンラインバッチの動作状態または動作ステージをOMS 102がまず正確に判断する必要がある。すなわち、オンラインバッチのパラメータのいずれかが異常であったり、バッチモデル内の同じパラメータに関する仕様から逸脱していたりするかどうか、あるいはオンラインバッチの出力が所望の品質基準を満たすかどうかといった、そのオンラインバッチに関する他の要因を判断できるように、OMS 102が、オンラインバッチデータと比較するバッチモデルのポイントを判断する必要がある。実際、統計バッチモデルを使用するオンラインデータの分析では、そのオンラインデータに最も該当する統計バッチモデル内のポイントを最初に決定する必要がある。そのオンラインデータが統計バッチモデルと整合した後にようやく、オンラインバッチがどのようにバッチモデルと比較されるかを図示する画面をオペレータに提供したり、統計分析を実行して、バッチが正常あるいは限度内で動作しているか、バッチが異常動作をしているか、および/または、バッチの出力が、所望の一貫性や濃度といった所望の品質基準を満たすと予測されるかどうかを判断したり、といったさらなる分析を実行することができる。
一例として、現在のオンラインバッチのデータがバッチモデル内で特定時点に整合されると、OMS 102の分析プロセッサ114が一連の異なるグラフまたは他の表示データを提供して、ユーザが現在の動作状態やオンラインバッチランの存続性を判断できるようにし得る。これらのグラフまたは表示データの一部については後述するが、他の表示データ、分析結果または情報は、オペレータや保守担当者などのユーザにも提供され得る点が理解されよう。
一例として、分析プロセッサ114は、全体品質変数または欠陥を誘発している品質変数に対するプロセス変数および/または品質変数の寄与率を計算することにより、寄与率グラフを生成し得る。プロセス変数および/または品質変数の寄与率は、全体品質と関連した変動および/または欠陥と関連した品質変数への寄与率として、既説明および/または未説明の各変数の変動として表示され得る。
さらに、分析プロセッサ114は、定義済みしきい値よりも変動が大きい可能性がある選択済みプロセスおよび/または品質変数のいずれかを対象とする変数トレンドグラフを
生成し得る。変数トレンドグラフは、その変数と関連した値を、プロセスの実行時間にわたり、モデル変数値などの、以前のプロセスにおける同様の時間の変数の値と関連させて示し得る。寄与率グラフおよび/または変数トレンドグラフを生成することにより、分析プロセス114は、そのプロセスに対して可能な修正措置を特定して、バッチプロセスで検出された欠陥を仲介することもあり得る。変数トレンドグラフは、同じタイムスケールに整合された現在値と関連した変動(標準偏差など)を有するバッチモデルを作成する目的で使用されるバッチのデータの履歴プロットを重ね合わせることにより、オペレータがプロセス欠陥の原因を特定するのを支援し得る。
分析プロセッサ114は、プロセスの全体品質に対する修正措置が実施されている場合には、その効果を判断するための品質予測グラフも生成し得る。その修正措置によって全体品質が維持されるか、指定されたしきい値内にまで改善される場合には、分析プロセッサ114がOMS 102にその修正措置を実行するように命令し得る。あるいは、分析プロセッサ114がコントローラ108に命令を送信して、プロセスの修正措置を実施し得る。
さらに、分析プロセッサ例114は、全体品質変数および/またはその他任意の品質変数と関連した欠陥を特定すると、マイクロチャートを生成し得る。このマイクロチャートは、バッチモデルによって予測された各変数の平均値および/または標準偏差と関連した,指定された時期(プロセスの欠陥と関連した時期など)におけるプロセスの値および/または品質変数を含み得る。加えて、このマイクロチャートは、各々のプロセスと関連した以前の値および/またはモデルと関連した品質変数を示すスパークラインを含み得る。このマイクロチャートから、分析プロセッサ例114は、オペレータがプロセスに対する1つもしくは複数の修正措置を特定および/または選択すること、および/または、いずれかの修正措置によって全体品質変数が指定された限度の範囲内に収まると予測されるようにプロセスが改善されるかどうかを判断することを可能にし得る。
OMS102は、オンラインデータプロセッサ116を介して、プロセス変動グラフ、寄与率グラフ、変数トレンドグラフ、品質予測グラフ、および/またはマイクロチャートを含むプロセス制御データへのアクセス権と制御権を管理する。加えて、オンラインデータプロセッサ116は、プロセス制御データを参照し、プロセス制御データを変更および/または改変し、かつ/またはプロセス制御システム106内に現場装置に対する命令を生成するためのアクセス権をプロセス制御オペレータに提供する。
オンライン分析へのアクセス権を提供するために、ローカルエリアネットワーク124(LAN)を介してオンラインデータプロセッサ116に通信可能に連結されたルータ120とローカルワークステーション122とを含む様子が図2のプラント104に図示されている。さらに、ルータ120は、プラント104内のその他任意のワークステーション(図示せず)をLAN 124および/またはオンラインデータプロセッサ116に通信可能に連結し得る。ワイヤレスで他のワークステーションに無線および/または有線接続を介して通信可能に連結され得るルータ120は、LAN 124および/またはオンラインデータプロセッサ116へのアクセスハブとして、任意のタイプの無線および/または有線のルータを含み得る。
LAN 124は、任意の所望の通信メディアとプロトコルとを使用して実装され得る。例えば、LAN 124は、有線または無線のイーサネット(登録商標)通信方式に基づき得る。ただし、その他任意の適切な通信メディアとプロトコルとも使用できる可能性がある。さらに、LANは1つだけ示されているが、ワークステーション122内の複数のLANおよび適切な通信ハードウェアを使用して、ワークステーション122とそれぞれの類似ワークステーション(図示せず)との間で冗長通信経路を設けてもよい。
LAN 124はまた、リモートワークステーション130および/または132からの通信がプラント104に対して許可されるかどうかを1つもしくは複数のルールに基づいて判断するファイアウォール128に通信可能に連結されているものとして図示されている。リモートワークステーション130および132は、プラント104内にいないオペレータに、プラント104内のリソースへのアクセス権を提供し得る。リモートワークステーション130および132は、ワイドエリアネットワーク(WAN)134を介してファイアウォール128に通信可能に連結されている。
ワークステーション122、130および/または132は、OMS 102によって実行されるオンライン分析に基づいてプロセス制御システム106内の1つもしくは複数のプロセスを参照、改変および/または修正するように構成され得るか、本明細書に記載されているオンラインプロセス分析アプリケーションおよび方法を直接実施し得る。例えば、ワークステーション122、130および/または132は、OMS 102によって生成されたプロセス制御情報をフォーマットおよび/または表示するユーザインタフェース136を含み得る。別の実施例として、ユーザインタフェース136は、生成されたグラフおよび/またはチャート、またはプロセス制御グラフおよび/またはチャートを生成するためのデータをOMS 102から受信し得る。それぞれのワークステーション122、130および/または132でグラフおよび/またはチャートデータを受信すると、ユーザインタフェース136は、オペレータにとって比較的理解しやすいグラフおよび/またはチャート138を表示し得る。図2の構成例は、ユーザインタフェース136を伴うワークステーション132を図示している。ただし、ワークステーション122および/または130は、ユーザインタフェース136を含み得る。
加えて、ユーザインタフェース136は、プロセス制御システム106内、および/またはプラント104内のその他任意のプロセス制御システム内で、本明細書に記載されているオンライン分析によって判断された何らかのプロセス制御欠陥が発生したことをプロセス制御オペレータに警報し得る。さらに、ユーザインタフェース136は、プロセスの欠陥の発生源を特定し、最終製品の品質に対するプロセスの欠陥の影響を予測するための分析プロセスをプロセス制御オペレータに案内し得る。ユーザインタフェース136は、プロセスの実行中にオペレータにプロセス制御統計情報を提供することがあり、それによってオペレータは、プロセスを調整して、いかなる欠陥も修正を図ることができる。プロセス実行中に欠陥を修正することにより、オペレータは、最終製品の品質を維持し得る。
加えて、ユーザインタフェース136は、例OMS102を介して、検出、分析、修正措置、および品質予測情報を表示し得る。例えば、ユーザインタフェース136は、プロセス概要チャート、プロセス変動グラフ、マイクロチャート、寄与率グラフ、変数トレンドグラフおよび/または品質予測グラフ(グラフ138など)を表示し得る。オペレータは、これらのグラフ138を参照して、付加的なグラフ138を選択し、多変量および/または統計プロセス情報を参照してプロセス欠陥の原因を特定し得る。加えて、ユーザインタフェース136は、プロセスの欠陥に対して可能な修正措置も表示し得る。その後ユーザインタフェース136により、オペレータは1つもしくは複数の修正措置を選択することができ得る。修正が選択されると、ユーザインタフェース136はその修正措置をOMS 102に送信し得る。その後OMS 102が、コントローラ108に命令を送信して、プロセス制御システム106で適切な修正を行う。
図1のワークステーション122、130および/または132は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、サーバ、コントローラ、携帯情報端末(PDA)、マイクロコンピュータなどを含む任意のコンピュータ装置を含み得る。ワークステーション122、130および/または132は、任意の適切なコンピュータシステムまたは演算システムを使用して実装され得る。例えば、ワークステーション122、130および/または132は、シングルプロセッサパーソナルコンピュータ、シングルまたはマルチプロセッサワークステーションなどを使用して実装できる可能性がある。
図1のプロセス制御環境10および図2の100は、以下でさらに詳述する方法および装置例が好都合に使用され得るシステムのタイプを図示する目的で設けられている。ただし、本明細書に記載の方法例および装置例は、所望される場合には、図1および図2に示されるプロセス制御環境例10または100および/またはプロセス制御システム106よりも複雑または単純な他のシステムで、および/またはプロセス制御アクティビティ、事業管理アクティビティ、通信アクティビティなどと関連して使用されるシステムで好都合に使用され得る。
現在は、多数のプロセス制御システムが、プロセス制御情報の分析的および/または統計分析を提供している。しかし、これらのシステムは、一般にオフラインツールを実装して、最終製品の品質に影響し得るプロセス制御欠陥の原因と潜在的な修正措置を特定している。これらのオフラインツールは、プロセス研究、実験室研究、実務研究、トラブルシューティング、プロセス改良分析、および/またはシックスシグマ分析を含み得る。これらのツールは、以降の製品のためにプロセスを修正し得るものの、故障が発生したときにプロセス品質を矯正および/または修正することができない。このように、これらのオフラインツールはプロセス制御条件に対応するものであり、プロセスを修正できるまで、品質に問題のある製品を生産することになり得る。
一方、本明細書に記載されているオンラインのバッチプロセス制御システム分析例は、プロセスの実行または進行中にオペレータがプロセスの欠陥を修正できるようにする処理中の故障検出、分析および/または修正情報を提供する目的で、プロセス制御システム内で使用され得る。換言すれば、プロセス修正措置は、予測された故障に応じて、故障が発生したとき、あるいは故障が発生した略直後に実施することができる。本明細書に記載されている方法および装置例は、プロセス欠陥を予測および/または修正して、バッチおよび/または連続プロセスのプロセス品質を改善する目的で使用され得るが、特にバッチプロセスに関して記載される。加えて/あるいは、これらの方法および装置例は、製品品質を予測し、対応するプロセス誤りを修正すること、および/または検出されたプロセスの欠陥を修正することによって製品品質を修正する目的で使用され得る。
図3は、バッチプロセス用の統計バッチモデルを構築し、その後その統計バッチモデルを使用してオンラインバッチプロセスランから取得したデータを分析する目的で使用する、(図1のルーチン50を実行し得る)OMS 102によって実施され得る方法のフロー図例150を示す。ブロック152で、OMS 102が特定のバッチのバッチデータを収集する。このバッチデータは、例えば、原材料組成物などの入力変数、温度、流量、レベルまたはその他プロセス変数測定値などの進行中のプロセス変数、推定されたプロセス変数、湿度や周囲温度などの環境データ、1つもしくは複数の実験室分析などでオフラインで測定または取得されるデータを含む実験室データなど、プロセスの特定バッチラン用のいくつかの異なるプロセス変数の測定値、計算値または推定プロセス変数値を含み得る。このデータは、バッチが動作しているときにオンラインで収集され得るか、以前に実行されたバッチのデータヒストリアン(図1のヒストリアン12など)から収集または取得され得る。所望であれば、ユーザまたはオペレータが、特定のバッチラン、すなわちデータヒストリアンに記憶されるデータを選択し、モデリングプロセスで使用してもよい。データが収集されたバッチランがブロック152で完了した後、および/またはバッチの異なるさまざまなステージ、動作またはフェーズの終了時に、ブロック154でOMS 102が、そのバッチラン用の品質測定値または品質データを収集する。品質データは、バッチの出力、あるいはバッチのステージ、動作またはフェーズのいずれかの出力の品質に関するあらゆる測定値または指標、具体的には、物質の一貫性、特定の化学物質または要素の濃度、pH、物質の組成または比率、および/またはバッチランが所望または許容される出力を生み出すことに成功したことを示す他の品質データなどを含み得る。当然のことながら、収集される特定の品質データは、製造されている製品のタイプに依存し、この品質データは、オンラインで測定されたり、実験室分析によって判断されたり、目視点検(およびユーザによる入力)によって判断されたり、他のパラメータに基づいて計算されたり、またはその他任意の公知の方法で判断されたりし得る。さらに、この品質データは、バッチヒストリアンに記憶されている場合にはそこから、またはオンラインプロセスあるいはオフライン実験室分析を介して取得され得る。
図4は、測定されたプロセス変数202と、計算されたか他の方法で測定または決定された品質変数204を含むバッチラン例(バッチ#1など)を対象とするデータ構造200を表し、このデータ構造は、バッチラン終了時に複数の測定または観察を介して取得された1つもしくは複数の全体品質変数を含み得る。周知のとおり、バッチ処理は、比較的多数の製品および/または製品の部分が制御ルーチンによって制御される1つもしくは複数の箇所で並行して作成されるタイプの製品製造である。さらに、バッチプロセスは、1つもしくは複数のプロセスステージを含み、各ステージが1つもしくは複数の動作を含み、各動作が1つもしくは複数のフェーズを含むのが典型的である。そのため、測定されたプロセス変数例202は、単一のフェーズ、動作あるいはステージから取得したプロセス変数(プロセスパラメータとも呼ばれる)、またはバッチプロセスの複数のフェーズ、動作またはステージにわたるプロセス変数を含み得る。例えば、図4に図示される変数P1は、流体流量(プロセス変数など)に対応し得るのに対し、変数P2〜P8は、温度、圧力、別の流量などに対応し得る。変数204は、濃度などの品質変数に対応し得る。図4のバッチプロセスは、8つの測定プロセス変数202と2つの品質変数204とを含むものとして図示されているが、他の実施例では、このバッチプロセスが含み得るプロセス変数および/または品質変数は、それより多い場合もあれば、少ない場合もある。加えて、バッチプロセスデータは、z軸(図4に「時間」と明記)に沿って示される期間にわたって収集される。
図4のデータグラフ200は、プロセス変数202の一部がバッチプロセス中の特定時間にわたってのみ該当することを示す。例えば、プロセス変数P1は、バッチの開始時からバッチの中間ポイント(つまりデータが収集されたバッチのステージ、動作またはフェーズ)まで該当する。このように、変数P1が流体流量と関連している場合、流体はバッチの開始時からバッチの中間点までバッチプロセス内で流れている可能性がある。このポイント以降は、バッチが流体流を利用しない可能性があることから、変数P1は、そのポイントでバッチプロセスに該当しなくなる。対照的に、図4の変数P4は、バッチプロセス全体で該当する。
例示的品質変数204は、バッチプロセス全体と関連していたり、バッチプロセスの特定のフェーズまたはステージと関連していたりし得る。品質変数204は、測定されたプロセス変数202間および/または他の品質変数204間の多変量、統計および/または代数関係の結果である場合や、任意の公知の方法で測定または判断される場合、あるいはユーザによって入力される場合がある。例えば、品質変数Q1は、バッチプロセスから生じた製品の組成品質に対応し得る。組成品質Q1は、プロセス制御システム106内で直接測定可能でない場合であっても品質変数である。その代わり、組成品質Q1は、測定された変数202の多変量組み合わせからモデル化および/または決定されたり、実験室分析によって決定されたりする場合がある。
図3に戻ると、OMS 102は次にブロック156で、そのバッチ用の統計モデルを作成するためのプロセスの十分なバッチランを実行するためのバッチデータが収集された
かどうかを判断する。収集されていない場合、ブロック156でブロック152に制御が戻され、バッチプロセスをもう1度実行するためのさらなるプロセス変数データを収集する。当然のことながら、所望であれば、ユーザは、そのバッチモデルを作成する際に使用する1回以上のバッチランを事前に選択したり、(許容される性能の範囲外であるか、バッチモデルを作成する際に使用するには許容されなくなる可能性のある他の問題を有する)特定のバッチランが統計バッチモデルを作成する際に使用されるのを防止したりしてもよい。いずれにせよ、ブロック156で、十分なバッチランを実行できるだけのデータが収集されたと判断されると、ブロック158で、記憶されたバッチモデルから取得されたバッチデータが整合される。
このポイントを図示するために、図5は、図3のブロック152〜156で取得され得るバッチラン例のセットと関連しており、ブロック158の開始時にメモリに記憶されているデータ構造300を表す。図示するとおり、データ構造300は、幾度かのバッチランの各々で使用されるプロセス変数302とそれぞれの品質変数304とを含む。バッチラン(バッチ1〜Nなど)は、この特定のバッチプロセスが、順に実行される4つのステージ(ステージ1〜4など)を含むことを示す。例えば、ステージ1が、バッチ内の化学物質の組み合わせと混合に対応し得るのに対し、ステージ2はバッチ内のそれらの混合化学物質の焼成に対応し得る。これらのステージは、動作、フェーズおよび/またはレベルにさらに下位分割され得る。加えて、品質変数304は、各バッチステージ、フェーズ、動作またはレベルで測定されたプロセス変数302に対応し得るとともに/またはバッチの終了に対応し得る。
図5のデータグラフ例は、個々の各バッチの期間が異なる場合があり、バッチの各ステージの開始時期と終了時期がバッチ間でも異なる場合があることを示す。例えば、バッチ2はバッチ1より短い時間で完了するが、バッチ3および4はバッチ1より長い時間で完了する。さらに、バッチ1は、ステージ1を完了するのにバッチ2よりも長い時間を要する。
図3に戻ると、ブロック158は、図5のバッチデータを整合して、バッチモデルの作成を可能にする。場合によっては、このデータは、各変数(図示せず)の該当する期間を、対応するステージの時間の長さと比例しているものとして表すことによって整合され得る。そのため、バッチおよび/またはステージ終了までの時間の変動は、各バッチ内の測定プロセス変数302を使用して解消され得る。別の実施例では、上述の既知のDTW方法が、一定または正規化されたタイムフレームにバッチデータを整合する目的で使用され得る。そのタイムフレームとしては、例えば、すべてのバッチの中間タイムフレーム、すべてのバッチの平均タイムフレーム、または制御バッチあるいは選択されたバッチと関連したタイムフレームなど他のタイムフレームを含み得る。整合されると、そのバッチデータは図6のデータ構造350に図示されるように現れ、そこで各バッチのタイムフレームが正規化されてまったく同じになり、ステージのすべてが互いに整合し、バッチモデルで使用される正規化されたタイムフレームと一致させるために、各バッチ内の実際のデータポイントを、時間を拡張または圧縮することによって合わせる。当然のことながら、すべてのステージを別個に整合させるために、各ステージ(フェーズまたは動作)内の時間は、それらのステージ(フェーズまたは動作)の時間に基づき、その特定のステージ(フェーズまたは動作)の正規化された時間との合わされ方が異なり得る。いずれにせよ、DTW方法など、任意の公知の方法が、バッチデータを処理したり、統計モデルを構築したりする前に異なるバッチランから取得されたバッチデータ時間を整合する目的で使用され得る。
理解されるとおり、図6のデータ構造を作成するために異なるバッチラン内でタイムフレームが拡張および圧縮されるため、正規化されたデータの異なるステージの各々が提供
されたり、正規化されたデータの異なるステージの各々に関連したりし得るバッチランごとのデータポイントは、多い場合もあれば少ない場合もある。所望であれば、バッチモデルを作成する目的で使用されるバッチの各々が同数のデータポイントを有するように、またはバッチモデルの正規化されたタイムフレーム内で同じ時間ごとにデータポイントが存在するように、このデータを(線形または非線形補間を使用するなどして)一定の数またはセットの正規化されたデータポイントに変換してもよい。当然のことながら、上記のとおり、そのデータ内のポイントの値は、直線補間を使用した複数のポイント間での補間によって、または非線形補間など、その他任意の所望の補間によって取得してもよい。さらに、さまざまなバッチラン用に収集される各データポイントは、平均値や中間値など、連続的に収集された生データポイントセットの統計データポイントであり得ることが理解されよう。そのため、例えば、バッチラン用の単一データポイントが、メモリに記憶されるポイントの数を減らし、モデル処理と関連した処理時間を減らすために、10、100などの生データポイントの統計的組み合わせとして作成され得る。当然のことながら、バッチランで特定の統計データポイントを作成する目的で使用される生データポイントの数は、バッチ内などで時間の長さ全体と比較される生データの測定頻度に基づき得る。
図6に図示するとおり、異なるバッチランから取得されたバッチデータが整合されると、ブロック160(図3)でその整合データから統計バッチモデルが作成され、ステップ152〜156で異なるバッチランから収集されたデータによって定義されるバッチプロセスの正常動作または期待される動作を統計的観点から定義する。統計バッチモデルを作成する1つの方法により、バッチラン内でプロセス変数ごとに1つもしくは複数のモデルプロセス変数軌跡が作成され、かかる各モデルプロセス変数軌跡は、プロセス変数がバッチ動作に該当する期間にわたり、プロセス変数の正常動作または期待される動作を特定または明示する。この期間は、例えば、バッチ、1つもしくは複数のバッチステージ、フェーズ、動作、レベルなどの長さ全体であり得る。例えば、各モデルプロセス変数軌跡は、モデルの正規化されたタイムフレーム中の各時間位置における(収集されたバッチデータから計算された)プロセス変数の平均値または中間値など、プロセス変数の期待値と定義され得る。加えて、所望であれば、各モデルプロセス変数軌跡は、その特定時期におけるその変数のバッチデータの典型的な変動を示すために、任意の特定時期における収集されたバッチデータと関連する1つもしくは複数の標準偏差を含み得る。モデルプロセス変数の軌跡例360が図7に図示されている。このモデルプロセス変数軌跡360は、正規化されたバッチ時間(実線362で明示)にわたるプロセス変数の平均値と、正規化されたバッチ時間(点線364で明示)にわたるバッチデータの第1の上側および下側の標準偏差とを含む。当然のことながら、線362および364は、そのモデルの正規化された期間全体にわたる異なるバッチランの収集バッチデータから統計的に決定され得る。当然のことながら、図7に示すようなモデルプロセス変数軌跡は、それらのプロセス変数がモデリング目的や比較目的で、該当する任意の期間にわたり、バッチプロセス内の測定または計算されたプロセス変数ごとに作成され得る。さらに、線362が、各ポイントにおけるバッチ変数の平均値を示し、線364が各ポイントにおけるバッチ変数値の第1の標準偏差を図示するのに対し、モデルプロセス変数軌跡は、例えば、中間値、第2の標準偏差または他の分散決定値などを含むプロセス変数値の他の統計的測定値を使用して作成され得る。
図3を再び参照すると、ブロック160は、PCA(主要コンポーネント分析)モデルやPLS(潜在構造射影)モデルなど、他の統計モデルを追加的または代替的に構築する。周知のとおり、PCAモデリング技法は、バッチデータ用の主要コンポーネントのセットを構築する。その後これらのコンポーネントは、オンラインバッチから取得されたデータなど、他のバッチデータを分析する目的で使用することができる。さらに、PLSモデリング技法は、PLS(潜在構造射影)計算を実行して、そのバッチラン用に収集または決定されたプロセス変数データと、そのモデルで使用されるバッチラン用に測定、計算、または決定された品質変数とを関連付ける。PLSモデルはその後、測定されたバッチ内の変数の統計値を基に、将来のバッチの品質変数を予測する目的で使用することができる。PCAおよびPCAモデリング技法は既知であることから、本明細書では詳述しない。当然のことながら、所望であれば、統計バッチモデルの他のタイプを図6の整合バッチデータから作成することができる。いずれにせよ、1つもしくは複数の統計バッチモデルが作成された後、ブロック162はこれらのモデルを、今後の使用のために、図1のメモリ52などのコンピュータ可読メモリに記憶する。
次に図8を参照すると、フローチャート400は、図3の方法で作成されたバッチモデルに基づいて新規または進行中のバッチプロセスランを対象とするバッチデータのオンライン分析を実行する方法例を表している。一般に、オンラインプロセス管理の目的は、誤りまたは他のバッチの問題を補償または修正できるようにするため、またはそのバッチが許容される最終製品をもたらさないであろうという判断を極力速やかに下すために、バッチランのいかなる異常動作も検出し、異常の発生源を特定することである。後者のケースでは、その後オペレータは、バッチランが停止されなかった場合(まだバッチで使用されていない)原材料と、バッチランを最後まで実施する目的で使用されていたであろうエネルギーとを保存するため、ならびに許容される最終製品をもたらすその他のバッチランによって使用される器材を解放させるために、そのバッチランを停止して最初からやり直すことができる。
ブロック402で、OMS 102は、例えば、分析で使用されるプロセス変数のセットごとに、バッチプロセス測定データ、実験室分析データおよび手入力データの統計スキャンを進行中またはオンラインのバッチから自動的に収集、フィルタリングおよび前処理する。繰り返しになるが、バッチモデルと同様、オンラインバッチランから受信または収集された生データの複数の値が、単一の測定されたオンラインバッチデータポイントを作成する目的で統計的に結合される場合があり、本明細書では統計スキャンと呼ばれることがある(そのため統計スキャンは、生データスキャンか、幾度かの生データスキャンの平均または他の統計的組み合わせのどちらでもあり得る)。ブロック404でOMS 102は、以下に詳述する技法を使用して、収集されたオンラインスキャンデータに最も対応するモデル統計スキャンを見つけることにより、(データの統計スキャンであり得る)現在のバッチデータポイントを、そのバッチ用に作成されたバッチモデルと整合する。現在またはオンラインのバッチデータがバッチモデルと整合すると、OMS 102は、ブロック406に示すとおり、オンラインバッチデータに対して任意の所望の分析を実行することができる。
例えば、ブロック406Aでは、OMS 102が、現在のオンラインバッチデータをバッチプロセス変数モデルの軌跡と比較し、上記の画面またはユーザディスプレイのいずれかを提供することができる。さらにブロック406Bで、欠陥を検出するために現在のオンラインバッチ処理が同じ統計スキャンでバッチモデルと比較される方法を判断するために、PCA分析を使用してオンラインバッチ処理の動作が監視または分析され得る。一実施例では、オンラインバッチデータが、バッチモデルに整合されるときに主要コンポーネント空間に投影され、T2およびQ統計のUCLがテストされ得る。最後に、総分散に対するプロセス変数の寄与率が定義され得る。T2およびQ統計を計算することは既知であるため、本明細書では詳述しない。さらに、ブロック406CでOMS 102は、バッチプロセス用に構築されたPLSバッチモデルに基づくPLS技法などを使用して、バッチ品質予測を実行し得る。
さらに、ブロック410で、OMS 102はブロック406の分析を使用して、そのバッチに関する1つもしくは複数のエラーを検出し、ブロック412で、これらの分析によって検出された潜在的欠陥または課題に対する警報をユーザに発し得る。さらに、所望
であれば、OMS 102が、バッチ内で発生した、粗悪な最終製品につながったり、分析データに関してその他任意の動作を実行したりし得る欠陥または問題を修正または補償するために、現在のバッチの最終製品の品質基準に関する予測をユーザに提供し、今後のステージ、フェーズまたは動作の制御を変える方法に関する推奨事項を提示してもよい。図8に点線で示すとおり、OMS 12は、オンラインデータ整合とモデルベースの分析とを実行し、ユーザディスプレイを提供しながらも、オンラインバッチデータを収集し続ける。そのため、フローチャート400の方法が、各データ収集スキャンの後ブロックに分析を実行する必要および/または406、408または410のステップを表示する必要はないが、所望であれば実施してもよい。
モデル構築のための履歴データ整合は、例えばブロック406と408で構築されるT2およびQ統計に大きな結果をもたらすため、ブロック404で実行される整合は、適切な分析のために極めて重要である。一実施例では、図3のブロック160でバッチモデル用に構築されたバッチプロセスモデル軌跡における最も類似性の高いポイントにオンラインデータを一致させるために、オンラインDTW手順がブロック404で適用され得る。特に、後述する方法を使用してオンライン動作中にバッチ進行データ(すなわちオンラインバッチデータ)をバッチモデルに整合することにより、プロセスの非線形性と動的な挙動が軽減される。本質的には、バッチモデルにオンラインデータを整合するこの方法は、すべてのバッチまたはステージモデルが、統計スキャンと呼ばれる所定の時間間隔のセットを対象とする特定セットのモデルパラメータを有するという仮定に依存している。かかる各スキャンは、所定数の生データまたは統計データポイントを含む場合があり、バッチまたはステージモデル内の各スキャンは、同数の統計データまたは生データポイントを含む場合がある。図9は、複数の(時間的に)等しい統計スキャンに分割されるモデルプロセス変数Xm(図3のブロック160で構築されたバッチモデルから取得)の例のモデルプロセス変数の軌跡502を表す。図9に点線で示されるスキャン位置は、複数のデータポイントをそのスキャン位置に有しているか、またはそのスキャン位置と関連したタイムフレームにわたって延在し得る。該当するバッチプロセス変数モデルの軌跡のすべてが同じスキャン期間に分割されるのが好ましい。
モデルプロセス変数軌跡が統計スキャン期間または位置に分割されると、整合技法により、バッチプロセス変数のすべての現在値に基づいて、現在のバッチ状態に最も適合する単一のスキャン位置の選択が試行される。データが整合されているときにはオンラインデータが不完全であるので、オンラインデータとモデル軌跡データとの間でのこの整合は、バッチ分析で使用されるのが典型的であるオフラインのデータ整合技法とは異なる。結果的にバッチは実行し終えないため、整合技法の実行中はオンラインバッチの総時間が不明である。このように、オフラインDTW技法は、バッチまたはバッチの一部分(ステージ、動作またはフェーズなど)の総時間長に基づいてバッチデータを時間的に一致させたり正規化したりするのが通例であるものの、オンライン整合技法からは、バッチまたはバッチの該当部分の総時間長がわからないため、その方法でこのデータを正規化することはできない。
オンラインまたはリアルタイム分析を提供する目的で使用することのできる計算上単純な方法でオンライン整合を達成するために、典型的なDTWオンライン動作に対して改変が施され、一般に以下のように動作する。基本的には、この技法の目標は、最も最近収集したオンラインバッチランのデータポイント(統計データポイントであり得る)を、バッチモデルにおけるモデルプロセス変数軌跡と比較することにより、オンラインバッチの最もあり得る位置を決定して、バッチモデル内のどのスキャンまたはスキャン位置がオンラインバッチの現在位置である可能性が最も高いかを判断することである。一般にこの技法は、各新規オンラインデータ位置(統計データポイントの行列であるのが典型的であり、各変数値はプロセス変数値である可能性がある)を使用して、バッチモデルにおけるいく
つかのスキャン位置の各々について総距離を決定する。計算された距離はその後、どのモデルスキャン位置が、オンラインプロセスが現在整合している可能性が最も高いスキャン位置であるかを判断する目的で使用される。
さらに詳しくは、スキャン期間にわたる総距離は、そのモデルで考慮されているプロセス変数ごとに決定されたプロセス変数距離の組み合わせから計算される。各プロセス変数距離は、バッチモデル内の最後に特定された(すなわち最も最近決定された)スキャン位置におけるプロセス変数の現在値と、プロセスモデルにおけるスキャン位置の1つにおけるプロセス変数のモデル軌跡の値との間の誤差または差と決定される。一般に、プロセス変数距離が計算されるスキャン位置は、現在のスキャン位置(すなわち、最後に収集されたオンラインバッチランのデータポイントに基づいてオンラインバッチランと関連しれていると判断されたスキャン位置)と、現在のスキャン位置の直後から予測スキャンの水平線までの連続的なスキャン位置のセットとを含む。上記のとおり、プロセス変数距離は、考慮されているスキャン位置ごとに、バッチモデルに含まれるすべての該当するプロセス変数について計算される。異なるプロセス変数について計算されたプロセス変数距離はその後、スキャンベースでスキャン時に結合されて、考慮されているスキャン位置ごとに結合された距離を作成し、最小のかかる結合距離つまり総距離を有するスキャン位置が、オンラインバッチランのスキャン位置である可能性が最も高い位置と決定される。
一実施例では、プロセス変数距離ごとにユークリッド距離が決定され、このユークリッド距離は、プロセス変数のオンラインバッチ軌跡と、そのプロセス変数のモデルプロセス変数軌跡との間の距離の測定値である。さらに詳しくは、このユークリッド距離は、最後に決定されたオンラインバッチランのスキャン位置における、現在のオンラインバッチ変数値から、あらかじめ設定された数の(h)未来に向かうスキャン位置の1つにまで延在している。特定のスキャン位置のプロセス変数ごとに計算されるプロセス変数距離は、その後二乗されて合計され、スキャン位置ごとに二乗プロセス変数距離の合計を求める。その後、関連した二乗プロセス変数距離の合計が最も小さいスキャン位置が、オンラインプロセスが関連している可能性が最も高いスキャン位置として、またはオンラインプロセスが現在整合しているスキャン位置として選択される。
この技法は、図10を使用してグラフで図示することができる。この図は、プロセス変数Xについて、図9のモデルプロセス変数軌跡502(バッチモデルから取得した平均処理変数軌跡など)を表しており、再度Xmと表記される。図10は、測定されたプロセス変数またはオンラインプロセス変数Xについて決定された軌跡504も図示している。この軌跡は、当然のことながらバッチモデルのプロセス変数Xmに対応する。特に、線504は、本明細書に記載される技法を使用して以前に決定された、測定されたプロセス変数またはオンラインプロセス変数Xの軌跡を表す。この場合、kとマークされたスキャン位置(点線)は、オンラインバッチランから最後に測定されたプロセス変数のセットを受信した結果、オンラインバッチに最良に適合するか、位置である可能性が最も高い位置であると決定されたスキャン位置であり、スキャンk+1は、スキャンkの直後に続くスキャン位置であるという具合である。
オンラインバッチランから取得したバッチプロセス変数の新しいセットまたは最も最近測定されたセットの値の位置を決定するために、この技法により、バッチモデルにおいて現在該当する測定プロセス変数のすべてについて、最も最近測定または決定されたバッチ変数値に基づいて、そのバッチの位置である可能性が最も高いと思われるモデルスキャン位置(k、k+1、k+2など)が決定される。この最新のオンラインバッチ測定値のセットは、本明細書では「現在の」バッチデータポイントと呼ばれる。一般に、図10を参照すると、この技法により、プロセス変数Xの現在のプロセス変数値から、オンラインバッチランの位置であると最も最近決定されたスキャン位置におけるプロセスモデル軌跡X
mの値までの距離を表す値が決定される。図10の拡大部分を参照すると、最も最近決定されたスキャン位置kにおけるポイント510は、測定プロセス変数Xの現在値である。ポイント512は、現在値の直前におけるオンラインプロセス変数Xの値であり、スキャン位置kがオンラインバッチの位置である可能性が最も高いと決定された根拠となった値である。ここでは、プロセス変数Xの現在値と関連したスキャン位置がまだ決定されていないため、オンラインバッチ軌跡がポイント512に接続されることに注意されたい。さらに、ポイント510とポイント512との差によって図示されるとおり、変数Xの現在のプロセスデータおよびこの変数の以前の値は大きさが異なる。
いずれにせよ、ユークリッド距離のセットd0、d1、d2、…dhは、ポイント510(現在のデータポイント)からスキャン位置k、k+1、k+2、…k+hにおけるモデルプロセス変数軌跡のポイントまで計算される。これらの距離は、スキャン位置k(オンラインプロセスで最も最近決定された位置)におけるプロセス変数Xの現在のオンラインプロセス変数値と、現在のスキャン位置およびあらかじめ設定された数の未来に向かうスキャン位置の各々のプロセス変数モデルの軌跡Xmとの間の差または誤差を表す。この場合、計算されている距離は、図10のグラフのユークリッド距離である。図10が、対応するプロセスモデル変数の軌跡Xmと、単一のプロセス変数Xとに関するこれらの距離計算値を表す一方、そのモデルで使用されるプロセス変数、またはバッチプロセスにおけるその特定時点(ステージ、動作、フェーズなど)で該当するプロセス変数の各々について、同様の計算値が決定される。
次に、この技法により、スキャンベースでスキャンのプロセス変数ごとに決定された二乗距離の合計が計算される。すなわち、プロセス変数ごとの(現在のスキャン位置と関連した)距離d0が二乗され、これらの二乗距離がいっしょに加算されて、スキャン位置kと関連した第1の合計が求められる。すなわち、プロセス変数ごとの(k+1スキャン位置と関連した)距離d1が二乗され、これらの二乗距離がいっしょに加算されて、スキャン位置k+1と関連した第2の合計が求められる。この合計プロセスは、考慮されているスキャン位置(k+3…k+h)ごとに繰り返される。当然のことながら、距離d0、d1などは、バッチランのプロセス変数の現在の測定値と、各スキャン位置におけるそれらのプロセス変数のモデル軌跡値との間の誤差を表すため、これらの距離は、すべての場合に正の大きさを取得するために二乗される。同様の方法で、二乗距離d0、d1などの代わりに距離d0、d1などの絶対値が決定できる可能性がある。いずれにせよ、(二乗されたか、距離の絶対値を有する)距離の最小合計値により、現在のオンラインバッチの位置である可能性が最も高いスキャン位置(k、k+1、k+2、...k+h)が定義される。故に、距離の最小合計値が、オンラインプロセスがそのモデルに関してモデルスキャン位置にあると決定されるモデルスキャン位置を選択する目的で使用される。
この技法により、現在のスキャン位置(k)が合計および二乗されたプロセス変数距離の最小計算値と関連しており、そのためにオンラインバッチが、測定された変数またはオンライン変数の最終セットから移動または進行しなかったと任意の特定時期に判断され得ることが理解されよう。その一方で、この技法により、オンラインバッチランの最良推定位置が、時間的に先である次のスキャン位置(k+1)か、時間的に先である複数のスキャン位置(スキャン位置k+2、スキャン位置k+3など)であると判断され得る。こうしてこの技法により、オンラインバッチの現在の最良推定位置が最終整合決定以降に複数のスキャン位置を移動またはジャンプしたことが実際に判断され得る。ただし、モデリングと予測非線形性につながることから、どのポイントであっても、オンラインバッチの整合方法がスキャン位置(スキャン位置k−1、k−2など)で後退することはできない。すなわち、オンラインバッチがそのバッチモデルに関して特定のスキャン位置に到達したと整合技法によって判断されたら、以降または今後の推定が(以前のモデルスキャン位置へと)時間的に後退することはできない。ただしこの技法により、現在のモデルスキャン位置kにおけるオンラインバッチ位置推定が、必要とされる任意の時間の長さにわたって維持され得る。この後者のケースでは、スキャン位置kと関連していると以前に判断された以前の収集オンラインデータポイントが今後の計算ですべて無視され得るか、現在のデータポイントが、同じスキャン位置と関連していると判断された以前の収集データポイントと統計的に結合され得る。そのため、図10の実施例では、データポイント510がスキャンkと関連しているとこの技法によって判断されると、(オンラインバッチ軌跡が位置512ではなく510に接続するように)データポイント512が破棄され得るか、データポイント510がデータポイント512と統計的に結合されて、スキャン位置kにおけるオンラインバッチ変数Xの新しい測定値が求められ得る。
いずれにせよ、上記の距離計算値は、二乗距離のセットの合計と表現される場合があり、一実施例では、
e(k、j)=[M(k)−x(j)]W[M(k)−X(j)] k=k、k+1、k+2…k+h …(1)
という行列形式で表され得る。式中、
e(k、j)−(現在のスキャン位置k=kにおける)サンプル測定時刻jにおけるオンライン変数プロセス測定値のセットと、スキャン位置k(k=k、k+1、...k+h)におけるそれらの変数のモデル軌跡値との間の二乗距離の合計を表すスカラー、
M(k)−スキャン位置k(k=k、k+1、...、k+h)におけるバッチモデル軌跡変数の行列(プロセス変数ごとに1つ)
X(j)−(現在のスキャン位置k=kにおける)サンプル測定時間jにおけるオンライン変数値の行列、
j−現在または最新のバッチのサンプル時間、
k−最後に決定されたオンラインバッチの整合対象スキャン位置がk=kである、モデル軌跡上のスキャン位置、
h−モデル整合水平線、
W−距離計算時に相対的重要度を各変数Xに定義するモデル構築例用に定義されたパラメータの重みの行列(対角行列)である。
ここで、W行列は、一部のプロセス変数に対して決定されたユークリッド距離に対する比重を他のプロセス変数よりも多少大きくする目的で使用され得る重み付けパラメータの対角行列であり、これにより、距離計算をカスタマイズして、バッチモデルとの相関性が高いことがわかっているプロセス変数や、オンラインバッチの現在位置に関する良好な指標を好ましく評価する(または信頼度を高める)ことができる。当然のことながら、すべてのプロセス変数を等しく重み付けするために、W行列を均一行列に設定することも可能である。
等式(1)から理解されるとおり、(個々のプロセス変数距離の平方和である)距離eは、最新のバッチサンプルjについて、各参照モデル軌跡を基に、最も最近決定されたスキャン位置kまで計算され、さらには次の連続するhスキャン位置またはバッチモデルにおける先のスキャン(すなわちk+1、k+2…k+h)まで計算される。
上記距離計算の改変または代替としては、オンラインデータをプロセスモデルに一致させることにおいて、オンライン軌跡からの派生軌跡(すなわち傾斜)およびモデル軌跡を説明するのが望ましい場合がある。特に、この距離計算は、現在のバッチ軌跡の傾斜とモデル軌跡との一致に完全または部分的に基づいて次のスキャン位置を選択するために、現在決定された処理変数軌跡の傾斜と、考慮されている各スキャン位置におけるプロセス変数のモデル軌跡との差を含み得る。この場合、各オンライン軌跡からの派生軌跡および各関連しているモデル軌跡は、上記のとおり等式(1)で決定されたユークリッド距離で使用される位置と同じモデルスキャン位置について計算される。現在のオンラインプロセス
変数値の傾斜が、図10でスキャン位置k−1におけるオンラインバッチ軌跡からポイント510にかけて引かれた点線によって表されており、モデル軌跡上の一部のスキャン位置(スキャン位置k+2、k+5、k+7など)と関連した傾斜も図10にグラフ表示されている。この派生軌跡距離計算は、一実施例において、
d(k、j)=[M(k)−M(k−1)−(X(j)−X(j−1))]W[M(k)−M(k−1)−(X(j)−X(j−1))] …(2)
で表され、式中、
M(k)−スキャン位置kにおけるバッチモデル軌跡変数値(プロセス変数ごとの値)の行列、
M(k−1)−スキャン位置k−1におけるバッチモデル軌跡変数値(プロセス変数ごとの値)の行列、
X(j)−(スキャン位置k=kにおける)サンプル測定時間jにおけるオンライン変数値の行列、
X(j−1)−決定されたスキャン位置k=k−1と関連したサンプル測定時間と定義されたサンプル測定時間j−1におけるオンライン変数値の行列、
j−現在のバッチの測定されたサンプル時間、
k−参照軌跡における最終整合スキャン位置、
h−モデル整合水平線
W−計算時に使用される各プロセス変数に相対的重要度を与えるためにモデル構築において定義され得るパラメータの重みの対角行列である。
総距離D(k、j)は、ユークリッド距離と派生距離との重み付け合計として、
D(k、j)=αe(k、j)+βd(k、j) 0≦α、β≦1 …(3)
と定義される。ここで、アルファ(α)およびベータ(β)は、距離計算全体における2つの距離計算値(ユークリッド距離と派生距離)の相対的重要度を定義する重み付け係数である。これらの重み付け係数は、オペレータやユーザなどがモデル適合技法などを使用して任意の所望の方法で選択され得る。計算値を正規化する1つのケースでは、α足すβが1であり得る。さらに所望であれば、αもまたはβのどちらかがゼロに設定され得る。
さらには、上記オンライン距離計算値に安定性と頑健性を加えるために、オプションのバッチ進行正規化時間変数を作成して、変数パラメータセットに含めてもよい。換言すれば、上記先行技術による方法の1つなどのインジケータ変数整合方法が、インジケータ変数を処理変数セットに含めることによって使用されてもよく、このインジケータ変数が、ユークリッド距離および/または傾斜差の決定時に変数の1つとして追加されてもよい。あるいは、上記の距離計算値は、オンラインバッチランのモデルスキャン位置である可能性が最も高い位置を決定するために、(所望であれば適切な重み付けを使用して)インジケータ技法計算と結合させてもよい。それにより、決定されたインジケータ変数整合が、オンラインバッチプロセスランのプロセス変数値と、いくつかのモデルスキャン位置の各々におけるそれらのプロセス変数のモデル軌跡値との差と組み合わせて使用され、オンラインバッチプロセスランが、そのいくつかのモデルスキャン位置のどれと整合しているかを決定することができる。
さらに、プロセスの安定性をさらに高め、モデルスキャンを速く通過しすぎる(平坦なプロセス変数軌跡を有するバッチプロセスなどで起こり得る)ことを避けるために、距離計算にペナルティを加えて、モデルスキャン位置速く通過しすぎることに対して判断にバイアスをかけてもよい。さらに詳しくは、同じ箇所や同じスキャン位置に留まることよりも、スキャン位置を前方に移動することに対するペナルティを距離計算に含めることの方が望ましい場合がある。さらに、複数のスキャン位置を前方に移動すると、このペナルティの大きさつまり程度が増加し得る。換言すれば、1回の動きで2つのスキャン位置を前方に移動することに対するペナルティは、単一のスキャン位置を前方に移動することの2倍にしてもよいし、単一のスキャン位置前方に移動することに対するペナルティの2倍を上回るか下回るようにして、任意の1回の決定で最小数のスキャン位置を移動することを好ましく評価するようにペナルティを課してもよい。このタイプのペナルティ計算は、オンラインバッチの新規スキャン位置について、同じスキャン位置に留まるような決定になる可能性が高くなるか、異なるスキャン位置を対象とする距離計算値が、違う方法で互いに類似つまり近似である場合に、前方に移動するスキャン位置の数を減らす可能性が高くなる方法で距離計算にバイアスをかける。後者は多くの事例で起こり得る。換言すれば、複数のスキャン位置と関連した二乗距離の合計が概ね同じである場合に(または、さらに未来に向かうスキャン位置の距離が現在のスキャン位置の距離よりも短い場合でも)、同じスキャン位置に留まる判断にバイアスをかけ、異動するスキャン位置の数をできるだけ少なくするペナルティ変数を有するのが望ましい場合がある。このペナルティ変数を適用する理由はまさしく、モデル内の特定のスキャン位置をオンラインバッチ処理の現在位置として選択するという判断が下されると、バッチモデルで後戻りさせることができないからである。そのため、このペナルティ評価は、時間的な前方への移動(スキャン位置)を確実に正当化するために、整合方法を安定させる。
スキャン位置kを速やかに通過することにペナルティを課す方法を示す1つの方法は、等式(3)の距離数式を、
D(k、j)=(1+|γ(i+δ)|)D(k、j) 0≦γ; k=k+1 i=0、1、...、h; 0≦δ<1 …(4)
と改変することであり、解は次の条件を満たす指数kである。

ここで、ペナルティ変数γ(i+δ)は、i(ペナルティが決定されている、未来に向かうスキャン位置の数)が増加するにつれて、サイズの増量が増すように改変された基本ペナルティγとして確立されてもよい。第2のペナルティ変数δは、一定であっても、iが増加するにつれて変化してもよい。
いずれにせよ、上記重み付け行列Wにより、オンラインバッチの位置との関連が強いプロセス変数に対して重み付けを大きくしたり、距離計算における影響を強めたりすることができるため、オンラインバッチ処理の現在位置の決定への影響を他のプロセス変数よりも強めることができる。また、この方法によってDTW方法とインジケータ変数整合技法とを統合してもよく、各々またはすべてのバッチステージの終了時におけるモデルスキャン位置を用いて、オンラインバッチプロセスランの整合を再計算(逆計算と呼ばれる)してもよい。これは主に品質予測のために適用できる。特に、本明細書に記載されている方法は、バッチステージの終了時に決定された測定バッチ品質変数に基づいて、各バッチステージの終了時におけるいくつかのモデルスキャン位置の各々で、オンラインバッチプロセスランの整合を再計算し得る。
本明細書に記載されているDTW整合アルゴリズムは、変化するプロセス軌跡、状態、または他の動作モードを伴う連続プロセスでも使用され得る。この場合、整合アルゴリズムは、急速またはステージ的に変化するプロセス軌跡、状態または他の動作モードを有する連続プロセスにおけるモード変更を検出して、連続プロセスにおいて変化するモードまたはプロセス状態をより良好に特定するものであり得る。さらに詳しくは、この整合技法は、別個の方法モードを、プロセスが作動している可能性のあるモードの1つとして特定する目的で使用される場合があり、検出されたモードまたは状態の変化により、現在の条件下でそのプロセスを分析する目的で異なるモデルを使用することになる場合がある。
当然のことながら、上記の距離計算値は、所望であれば、異なる差を計算したり、距離計算値内で考慮される他の要因を追加したりするように改変することができる。さらに、理解されるとおり、これらの計算は、図1のルーチン50、図2のOMS 102など任意のオンラインバッチ分析ルーチン内で実行され得る。
上記のオンライン整合方法が1スキャン分ずれただけで、バッチの移行ポイントが有意な統計偏差をもたらし得るという事実など、テストを基に、オンラインバッチ軌跡の同期に関するいくつかの課題が特定された。さらに、トレーニングセットの全バッチにわたって密集してもいる安定したバッチを対象とする変化の遅いデータ信号が、極めて小さなモデルスキャン標準偏差を生むことがあり、それがノイズ空間を横断して偽警報を発することがある。さらに、単調に変化する信号の統計スキャンの開始時または終了時におけるオンラインデータ値が、その分析のシグマ境界を超えて誤警報を発する場合がある。ただし、これらの課題を低減するために、オフラインのモデル構築技法に、モデルの頑健性を高め、上記のオンラインDTWアルゴリズムの効果を大幅に改善するいくつかの改変を施すことができる。
特に、実現可能なモデル同期の精度について、オンラインサンプルは、モデルスキャンの開始時または終了時付近にあり得る。各モデルスキャンは、100か所といった一定数の統計バッチデータポイントの組み合わせであり得ることは理解されよう。そのため、上記のオンラインDTW方法は、サンプルを正しいモデルスキャンと整合する可能性があるが、スキャン期間にわたって単調に変化する信号の場合には、統計偏差が依然として生じる可能性がある。特に、測定されたサンプルは、正しいスキャンと関連している一方で、モデルスキャンにおける早い時期や遅い時期と関連している場合があり、測定された信号は、スキャン期間全体にわたって単調に変化しているため、測定された信号は、上側または下側シグマレベル(スキャン対象モデルの標準偏差など)から逸脱する場合があり、そのためにアラームが起動する場合がある。図11はこの概念を表している。ここでは、単一の統計スキャン期間600が図示されており、連続的な単調データ信号602が貫通している。いくつかの生データ測定値(場合によっては統計データ測定値、その各々はいくつかの生データ測定値の組み合わせである)がスキャン期間600中に収集されるため、バッチモデルに記憶されるスキャン期間600と関連した値は、統計スキャン期間600中に収集されるさまざまなデータポイントの平均となるであろう。この値が、線604によって表されている。さらに、信号602は単調であることから、エラーを検出する目的で使用される比較的小さい上側および下側のシグマ(分散など)を有するであろう。これらの値は線606Aと606Bとによって表されている。こうして、測定されたデータポイント610は、実際には、スキャン期間600の開始時に整合し得るとともに、線602とまさに完全に一致し得る。ただし、上記の整合方法は、ポイント610を正しいスキャン期間600と関連付ける一方で、データポイント610がスキャン期間600に対して計算された下側シグマレベル608Bを下に逸脱すると依然として判断され、結果的にエラーを検出する。スキャン期間600の後方で逸脱するポイント612でも同様のことが起こり、上側シグマレベル606Aより上に逸脱する。
この課題の矯正を支援する目的で使用され得る方法は、バッチモデルのオフライン前処理を含み、本明細書ではモデルスキャン混合と称される。この方法は、時間的に隣接するスキャンを重ね、現在のスキャンの平均値および標準偏差の計算内で、現在のスキャンの前後のスキャンのプロセス変数の平均値を使用するのが一般的である。隣接するスキャンの間でスキャンデータをこのように重ねることにより、バッチモデルに頑健性が加わる。図12は、このモデルスキャン混合方法を図示しており、スキャン600を、スキャン620(スキャン600の前のスキャン)とスキャン622(スキャン600の後のスキャン)とを重ねているものとして図示している。スキャンこのように重ねることにより、偽警報が減る。ここで、スキャン600の値が、スキャン600、620および622用に収集された全データ値の平均であり、上側および下側のシグマレベル626Aおよび626Bは、スキャン600、620および622用に収集された全データ値に基づいて決定され、結果的にモデルスキャン混合が行われることは理解されよう。これらのポイントはスキャン600の開始時または終了時と関連しているものの、このモデルスキャン混合により、測定データポイント610および612が図12のシグマレベル626Aおよび626B内に収まるという点が重要である。より頑健なモデルスキャンコンテンツによって移行ポイントがより良好に扱われるため、この技法は、オンラインアルゴリズムがバッチモデルと同期する能力を高める。スキャンの長さが増すと、トレーニングセットのバッチ全体にわたって密集した信号を処理するのに有効であり、モデルスキャン混合の使用により、モデルスキャンの終了時または開始時にオフセットされた単調な信号によって発せられる偽警報がなくなる。さらに、ダイレクトオンラインDTWアルゴリズムとモデルのオフライン前処理との組み合わせは、オンラインバッチ軌跡のトラッキングと統計モデルのトラッキングとを頑健化する補完技術である。
第一原理哺乳類細胞模擬生物反応器と稼働中の化学工場を使用して、本明細書に開示されるプロセスのシミュレーションテストが実行された。各ケースで、データは履歴バッチから収集され、統計モデルが生成された。実験室分析から決定されるのが通例である単一の品質変数について、部分最小二乗法予測が後処理を経て行われた。結果は、非DTWオンライン分析プロセス(すなわち先行技術による方法)、実質的に上記のとおりのオンラインDTW分析法、およびバッチの完了後に提供された逆計算を用いたこのオンラインDTW分析から取得された結果と比較された。この逆計算は、バッチ増またはバッチステージが完了したときのオンライン予測の修正値を示す。多くのケースで、バッチの終了時から数時間あるいは数日間は実験結果がわからないため、バッチの終了時におけるバッチ品質の修正予測は加算値を有する。
図13〜図15は、先行技術による方法(図13)、上記のDTW方法(図14)、および逆計算を用いる上記のDTW方法(図15)を使用したモデルに対する同一のバッチランを図示している。ここでは、バッチの実際の実験室分析が18.7という値であった。DTW(先行技術による整合方法)を使用しないと、図13に図示するとおり、予測はこの推定から大きく外れる。ここで、プロセスの各スキャンは時間のみ同期しており、オンラインバッチがモデルよりも長時間動作した場合には、最後のモデルスキャンが繰り返された。図14に図示するとおり、上記のDTW方法は、品質変数の予測出力における有意な改善を示す。逆計算を伴うDTW方法は、バッチの進行増加の終了時に予測を調整し、逆計算は、完全なDTWアルゴリズムと既知の終了ポイントとに基づいて予測のリファクタリングを実施する。反復的同期により、未来時点における予測が修正され、バッチ長がモデル長と異なる場合に修正が最も認められる。例えば、図14および図15における予測計算値は、スキャン33、52、73、および終了時に行われた修正を除き同じである。この結果は、18.7という実値に最も近い予測である。
いずれにせよ、オンラインバッチ動作によるオンラインモデル整合のためのDTWアルゴリズムは、総軌跡距離と軌跡距離からの総派生距離とを明らかに最小化し、計算上単純であることから、有効かつ適切なオンライン実施技法である。さらに、正規化されたバッチまたはステージ時間をパラメータセットに加えることにより、アルゴリズムの安定性および頑健性が改善される。アルゴリズムの効果は、生物反応器と化学反応器とから再現されたバッチデータと実際のバッチデータとでテストされ、これらのテストから、モデル整合によってPCAおよびPLS性能が向上しただけでなく、モデル整合が妥当なバッチプロセス監視および品質予測のための基本機能になることも確認された。
上述のとおり、上記方法例および/または装置例の少なくともいくつかは、コンピュー
タプロセッサによって実行されている1つもしくは複数のソフトウェアおよび/またはファームウェアプログラムによって実施され得る。ただし、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理整合、およびその他のハードウェア装置を含むがこれらに限定されない専用ハードウェア実装も同様に、本明細書に記載の方法例および/または装置例のいくつかまたはすべてを全体的または部分的に実施するように構築され得る。さらに、分散処理またはコンポーネント/オブジェクト分散処理、並列処理、または仮想マシン処理を含むがこれらに限定されない代替ソフトウェア実装も、本明細書に記載の方法例および/またはシステム例を実施するように構成され得る。
また、本明細書に記載されているソフトウェアおよび/またはファームウェアの実施例は、磁気メディア(磁気ディスクまたはテープなど)、光ディスクなどの光磁気または光メディア、1つもしくは複数の読み取り専用(不揮発性)メモリ、ランダムアクセスメモリ、または他の書き換え可能な(揮発性)メモリを格納するメモリカードまたは他のパッケージなどのソリッドステートメディアなどの有形記憶メディアに記憶されるという点に注意すべきである。したがって、本明細書に記載のソフトウェア例および/またはファームウェア例は、上記の記憶メディアなどの有形記憶メディアまたは後継の記憶メディアに記憶され得る。上記の仕様が特定の標準仕様およびプロトコルに関してコンポーネント例および機能について記載する範囲で、本特許の範囲はかかる標準仕様およびプロトコルに限定されないものと理解される。例えば、インターネットおよび他のパケット交換ネットワーク伝送(Transmission規制プロトコル(TCPなど)/Internetプロトコル(IP)、Userデータグラムプロトコル(UDP)/IP、HyperTextマークアップ言語(HTML)、HyperTextは、プロトコル(HTTP)などを伝送する)の各標準仕様は、当該技術の現況の実施例を表す。かかる標準仕様は、同じ一般機能を有しつつ、より高速または効率的な均等仕様によって周期的に取って代わられる。そのため、同じ機能を有する代替標準仕様およびプロトコルは、本特許によって想定され、添付の請求範囲内に含まれるものと意図される均等物である。
加えて、本特許は、ハードウェアで実行されるソフトウェアまたはファームウェアを含んでいる方法例および装置例を開示しているが、かかるシステムは単なる例に過ぎず、制限的なものとみなされるべきでないことに留意する必要がある。例えば、これらのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントのいずれかまたは全部が、ハードウェアでのみ、ソフトウェアでのみ、ファームウェアでのみ、あるいはハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの任意の組み合わせで具現化され得ると考えられる。したがって、方法例、システム例、機械アクセス可能なメディア例について上記仕様で説明したものの、実施例は、かかるシステム、方法、および機械アクセス可能なメディアを実装するための唯一の方法ではない。そのため、特定の方法例、システム例、および機械アクセス可能なメディア例が本明細書に記載されているものの、本特許の網羅する範囲はそれらに制限されない。

Claims (8)

  1. バッチプロセスのオンラインプロセスランの分析を実行する方法であって、
    コンピュータ装置が、前記オンラインプロセスランの前に多数のプロセス変数の各々のための、モデル軌跡を有し且ついくつかのモデルスキャン位置を有する統計モデルを受信すること、
    前記コンピュータ装置が、前記多数のプロセス変数の各々の現在値を示すデータを前記オンラインプロセスランから受信することと、
    前記コンピュータ装置が、前記多数のプロセス変数の各々の現在値を分析して、前記いくつかのモデルスキャン位置のどれが前記オンラインプロセスランと整合しているかを決定することと、
    前記コンピュータ装置が、前記整合に基づいてオンラインデータに対して分析を実行することと、
    を含み、
    前記いくつかのモデルスキャン位置のどれが前記オンラインプロセスランと整合しているかを決定することは、
    前記多数のプロセス変数の各々について、前記いくつかのモデルスキャン位置の各々で、最も最近決定されたモデルスキャン位置における前記オンラインプロセスランの前記プロセス変数と、プロセスモデル内のそのプロセス変数のモデル軌跡値との間の距離を決定すること、
    前記いくつかのモデルスキャン位置の各々について、前記多数のプロセス変数の各々について前記決定された前記距離を合計し、前記いくつかのモデルスキャン位置の各々について、特定のモデルスキャン位置における前記多数のプロセス変数の各々について前記決定された前記距離の合計を表す合計距離を求めること、
    最小の合計距離を決定すること、及び
    前記決定された最小の合計距離と関連しているモデルスキャン位置を、前記オンラインプロセスランが現在整合しているモデルスキャン位置として、選択すること
    により実行する、方法。
  2. 前記プロセス変数と前記モデル軌跡値との間の前記距離を決定することは、
    前記最も最近決定されたモデルスキャン位置と、前記最も最近決定されたモデルスキャン位置よりも前の予めセットされたいくつかのモデルスキャン位置とを備えるいくつかのモデルスキャン位置を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プロセス変数と前記モデル軌跡値との間の前記距離を決定することは、
    前記最も最近決定されたモデルスキャン位置にある前記プロセス変数の前記現在値と、前記いくつかのモデルスキャン位置の1つにおける前記プロセス変数の前記モデル軌跡値との間のユークリッド距離を決定することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記プロセス変数と前記モデル軌跡値との間の前記距離を決定することは、
    前記最も最近決定されたモデルスキャン位置における前記プロセス変数の傾斜と、前記いくつかのモデルスキャン位置の1つでそのプロセス変数の前記モデル軌跡の前記傾斜との間の距離を定義する傾斜差距離を決定することとをさらに含み、かつ前記ユークリッド距離と前記傾斜差距離を結合して、前記プロセス変数と前記モデル軌跡との間の前記距離を求めることをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ユークリッド距離と前記傾斜差距離とを結合して前記プロセス変数と前記モデル軌跡との間の前記距離を求めるときに、前記ユークリッド距離と前記傾斜とに異なる重みを付けることをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記合計する際に前記多数のプロセス変数の各々について前記決定された前記距離に対して不均等に重み付けすることをさらに含む、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の方法。
  7. 合計が関連している前記モデルスキャン位置に基づいて前記合計の1つもしくは複数にペナルティ係数を割り当てることをさらに含む、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記ペナルティ係数を割り当てることが、前記最も最近決定されたモデルスキャン位置から前記モデルスキャン位置の時間が増加するにつれて増加するペナルティ係数を割り当てることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
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