JP2016006189A - 新規な官能化剤を用いて製造した官能化高シス−1,4−ポリブタジエン - Google Patents

新規な官能化剤を用いて製造した官能化高シス−1,4−ポリブタジエン Download PDF

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小澤 洋一
Yoichi Ozawa
洋一 小澤
ジエロルド・エイチ・ミラー
Jerrold H Miller
真崎 孝二
Koji Mazaki
孝二 真崎
森田 浩一
Koichi Morita
浩一 森田
藤巻 達夫
Tatsuo Fujimaki
達夫 藤巻
大村 哲也
Tetsuya Omura
哲也 大村
曽根 卓男
Takao Sone
卓男 曽根
服部 岩和
Iwakazu Hattori
岩和 服部
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Abstract

【解決手段】ランタニドが基になった触媒を用いて共役単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させそして前記疑似リビング重合体を、補強用充填材であるシリカまたはカーボンブラックと反応または相互作用するであろう置換基を有する官能化剤と反応させる工程を含んで成る方法を用いて生成させた官能化重合体。
【効果】充填剤との相溶性が向上し、安定なゴム材料を提供することができる。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は官能化剤(functionalizing agent)、少なくとも1種の官能化剤を疑似リビング重合体(pseudo−living polymer)と接触させることにより製造した官能化重合体(functionalized polymers)そしてそのような重合体の官能化方法に関する。本官能化剤は一般に式A−R1−Z[式中、Aは、疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう置換基であり、R1は二価有機基であり、そしてZは、有機もしくは無機充填材と反応または相互作用するであろう置換基である]により定義される。
(発明の背景)
共役ジエン重合体はゴム産業で通常に用いられている。このような重合体の調製はしばしば配位触媒技術を用いて行われる、と言うのは、結果として得られる重合体の微細構造を制御することができるからである。ニッケル、コバルトまたはチタン化合物とアルキル化剤(alkylating agent)とハロゲン源を含有する配位触媒系を用いると単位の90パーセント以上が1,4−シス形態のポリブタジエンが生成し得る。このような微細構造を有する重合体は低いガラス転移温度(Tg)を示すことから良好な低温特性を有する。また、高1,4−シス重合体(high 1,4−cis polymers)は優れた耐摩耗性および機械的特性を示し、例えばこれが示す切傷成長は低い。
向上した転がり抵抗(これはより良好な燃料効率に貢献する)を示すタイヤを設計することはタイヤ産業にとって難題であった。転がり抵抗を向上させる試みには、代替のタイヤを設計することおよびヒステリシス損失がより低いゴムを用いることが含まれていた。また、シリカを補強用充填材として用いる傾向もある。タイヤ補強用充填材と相互作用する重合体は低いヒステリシス損失を示すことが立証されている。
アニオン重合技術を用いて製造された官能化重合体が示すヒステリシス損失より低いことが立証されている。それらの官能化は開始時および停止時(termination)の両方で行なうことができる。官能化開始剤を用いて1,3−ブタジエンの重合を開始させてポリブタジエンを生成させると、カーボンブラックまたはシリカ充填材に高い親和性を示す重合体がもたらされる。また、アニオン重合させた重合体を官能化停止剤(functionalized terminators)で停止させることでも、カーボンブラックまたはシリカ充填材に高い親和性を示す重合体がもたらされる。不幸なことには、アニオン重合では重合体の微細構造を厳密に制御することができないことから、高1,4−シス重合体は得られない。
配位触媒反応は数種の化学成分の相互作用を伴いかつまたしばしば自己停止反応を伴う化学機構で機能することから、それが結果として得られる重合体を官能化する能力は制限されている。その結果として、官能化の達成に必要な反応条件を得るのは困難である。
停止剤、例えば有機金属のハロゲン化物、ヘテロクムレン(heterocumulene)化合物、3員の複素環式化合物および他の特定のハロゲン含有化合物などは、ランタニドが基になった触媒系を用いて生成した重合体と反応するであろう。しかしながら、その結果官能化された重合体は、充填材であるシリカにもカーボンブラックにも有効で充分な親和性を示さない。
従って、本技術分野では、配位触媒を用いて生成させた重合体と反応して高いシス微細構造(high cis microstructure)を有しかつカーボンブラックおよびシリカに対し親和性を示す官能化重合体をもたらす官能化剤を提供することが求められている。
(発明の要約)
本発明は一般に官能化重合体を提供するものであり、ここでは、これを、ランタニドが基になった触媒を用いて共役単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させそして前記疑似リビング重合体を式(I)
Figure 2016006189
[式中、R1は、炭素原子数が0から約20の二価結合もしくは二価有機基であり、Aは、疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう置換基であり、そしてZは、補強用充填材であるシリカまたはカーボンブラックと反応または相互作用するであろう置換基であるが、但しA、R1およびZが疑似リビング重合体をプロトン化する(protonate)ことがないであろう置換基であることを条件とする]
で定義される官能化剤と反応させる工程を含んで成る方法を用いて製造する。
本発明はまた官能化重合体の製造方法も包含し、この方法は、ランタニドが基になった触媒を用いて共役ジエン単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させそして前記疑似リビング重合体を式(I)
Figure 2016006189
[式中、R1は、炭素原子数が0から約20の二価結合もしくは二価有機基であり、Aは、疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう置換基であり、そしてZは、補強用充填材であるシリカまたはカーボンブラックと反応または相互作用するであろう置換基であるが、但しA、R1およびZが疑似リビング重合体をプロトン化しないであろう置換基であることを条件とする]
により定義される少なくとも1種の官能化剤と反応させる工程を含んで成る。
本発明は更に加硫性組成物も包含し、これは、ランタニドが基になった触媒を用いて共役単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させそして前記疑似リビング重合体を式(I)
Figure 2016006189
[式中、Aは、疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう置換基であり、R1は、二価結合もしくは二価有機基であり、そしてZは、補強用充填材であるシリカまたはカーボンブラックと反応または相互作用するであろう置換基であるが、但しA、R1およびZが疑似リビング重合体をプロトン化しないであろう置換基であることを条件とする]
により定義される官能化剤と反応させる工程を含んで成る方法により製造された官能化重合体(この重合体が示すシス微細構造は約90%以上であり、1,2−もしくは3,4−単位含有量は約2%未満でありかつ分子量分布は約4未満である)を含んで成るゴム成分および補強用充填材(無機充填材を包含)を含んで成る。
本発明の官能化剤は有利には疑似リビング重合体と反応して末端が官能化された重合体を生成するが、この疑似リビング重合体をプロトン化することはない。とりわけ、そのような反応性によって、1種以上の官能化剤(これらの混合物を包含)を疑似リビング重合体と接触させることを含んで成る方法により官能化された疑似リビング重合体を生成させることが可能になる。更に、そのようにして生成した官能化重合体は、充填材と反応もしくは相互作用するであろう置換基を含有し、それによってヒステリシス損失低くなる。その上、本発明の方法を用いて高シス1,4−重合体を官能化することができ、その結果、低いガラス転移温度と良好な低温特性を示す官能化重合体が生成する。加うるに、本発明の官能化重合体はいろいろなタイヤ構成要素の製造で有利に使用可能であり、それらには、これらに限定するものでないが、タイヤ踏み面、サイドウォール、サブトレッドおよびビードフィラーが含まれる。
(説明的態様の詳細な説明)
官能化される重合体の調製をランタニドが基になった配位触媒系を用いて行う。このような重合体は、好適には、この重合体の約85%以上がシス微細構造を有し、この重合体が有する1,2または3,4微細構造は約3%未満でありそしてこの重合体の分子量分布は約4未満であることを特徴とする。このような重合体が示すリビング特性はある程度であることを確認したことから、それらを本明細書の範囲内で疑似リビング重合体と呼ぶことができる。
本発明はランタニドが基になった特定の触媒を用いて生成した重合体の官能化に限定されない。ある有用な触媒はランタニド化合物とアルキル化剤とハロゲン源を含有する触媒である。そのようなランタニド化合物にはネオジム(Nd)のカルボン酸塩(ネオデカン酸Ndを包含)が含まれ得る。そのようなランタニド化合物にはまたNdのカルボン酸塩とルイス塩基、例えばアセチルアセトンなどの反応生成物も含まれ得る。前記アルキル化剤は一般に式AlR3[式中、各Rは、同一もしくは異なっていてもよく、水素、ヒドロカルビル基またはアルキルアルミノキシ基であるが、但し少なくとも1個のRがヒドロカルビル基であることを条件とする]で定義可能である。そのようなアルキル化剤の例には、これらに限定するものでないが、トリアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウム、二水素化アルキルアルミニウムおよびこれらの混合物が含まれる。Rがアルキルアルミノキシ基であるアルキル化剤の例にはメチルアルミノキサン(aluminoxanes)が含まれる。ハロゲン源には塩化有機アルミニウム化合物が含まれ得る。一般にランタニド化合物と式AlR3で定義可能なアルキル化剤を含有する触媒系が米国特許第3,297,667号、3,541,063号および3,794,604号(これらは引
用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
特に好適なある種の触媒は、(a)Ndのカルボン酸塩とアセチルアセトンの反応生成物と(b)トリイソブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、二水素化イソブチルアルミニウムまたはこれらの混合物と(c)ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドまたはこれらの混合物を含有する触媒である。この触媒系は米国特許第4,461,883号(引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。別の好適な触媒は、(a)ネオデカン酸Ndと(b)トリイソブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、二水素化イソブチルアルミニウムまたはこれらの混合物と(c)ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドまたはこれらの混合物を含有する触媒である。この触媒系はカナダ特許第1,223,396号(引用することによって本明細書に組み入れられる)に開示されている。
典型的には、ランタニド金属を単量体100グラム当たり約0.0001から約1.0ミリモル用いる。より好適には、ランタニド金属を単量体100グラム当たり約0.001から約0.75、更により好適には約0.005から約0.5ミリモル用いる。アルキル化剤とランタニド金属の比率は約1:1から約1:500、より好適には約3:1から約250:1、更により好適には約5:1から約200:1である。ハロゲン源とランタニド金属の比率は約0.1:1から約30:1、より好適には約0.2:1から約15:1、更により好適には約1:1から約10:1である。
そのようなランタニドが基になった触媒を用いて重合させる単量体は共役ジエン単量体であり、このような単量体には、これらに限定するものでないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよびミルセンが含まれる。1,3−ブタジエンが最も好適である。このような共役ジエンは単独または組み合わせのいずれかで使用可能である。望まれるならば、共役ジエン以外の単量体を少量添加することも可能である。そのような他の単量体には、これらに限定するものでないが、芳香族ビニル化合物、例えばスチレンなどが含まれる。そのような共重合性単量体の量には制限がないが、通常は重合体全体の10重量パーセント(pbw)未満、好適には5pbw未満、更により好適には約3pbw未満である。
有用な官能化剤には、式(I)
Figure 2016006189
[式中、Aは、疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう置換基であり、R1は、二価結合もしくは二価有機基であり、そしてZは、有機もしくは無機充填材と反応または相互作用するであろう置換基であるが、但しA、R1およびZが疑似リビング重合体をプロトン化しないであろう置換基であることを条件とする]
により一般に定義される官能化剤が含まれる。疑似リビング重合体をプロトン化しないであろう置換基は、プロトンを重合体にプロトリシス反応で供与することがないであろう置換基を指す。
疑似リビング重合体と付加反応を起こすであろう、従って前記式の置換基Aとして有用な置換基には、ケトン、アルデヒド、アミド、エステルおよびイミダゾリジノン基、イソシアネートおよびイソチオシアネート基が含まれる。アミド基にはイソシアヌレート基が
含まれる。
有機もしくは無機充填材と反応または相互作用するであろう、従って前記式の置換基Zとして有用な置換基には、N,N−二置換アミノフェニル、イミン、環状アミノ、エポキシ、イソシアネート、イソチオシアネートおよびアミド基が含まれる。
二価有機基には、炭素原子を0から約20個含有するヒドロカルビレン基が含まれる。より好適には、そのようなヒドロカルビレン基は炭素原子を約1から約10、更により好適には炭素原子を約2から約8個含有する。このようなヒドロカルビレン基が含有する炭素原子の数が0の場合の基は単に基Zと基Aの間の単結合を表す。適切なヒドロカルビレン基には、これらに限定するものでないが、アルキレン、シクロアルキレン、置換アルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、置換アルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレンおよび置換アリーレンが含まれる。用語「置換」は、当該基内の炭素と結合した水素原子を置換する有機基、例えばヒドロカルビル基などを指す。このようなヒドロカルビレン基はヘテロ原子、例えば窒素(N)、酸素(O)、硫黄(S)、燐(P)およびケイ素(Si)などを含有することができる。Oを含有するヒドロカルビレン基をオキソ−ヒドロカルビレン基と呼ぶことができ、或はそれがNを含有する場合、それをアザ−ヒドロカルビル−ヒドロカルビレン基と呼ぶことができる。
ヒドロカルビレン基の具体例のいくつかにはメチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,4−(2−メチル)ブチレン、1,5−ペンチレン、シクロペンチレンおよびフェニレンが含まれる。
Aがケトンまたはアルデヒド基を含有するある態様の官能化剤は、式(II)
Figure 2016006189
[式中、R1およびZは、この上で定義した通りであり、R2は、二価有機基であるか、或はR2がR3と一緒になって環状基を形成する場合には三価有機基であり、そしてR3は、水素原子または一価有機基であるか、或はR3がR2と一緒になっている場合には、R3は二価有機基であってもよい]
で定義可能である。
一価有機基には、炭素原子を1から約20個含有するヒドロカルビル基が含まれる。そのような基はより好適には炭素原子を約2から約10、更により好適には炭素原子を約3から約8個含有する。そのようなヒドロカルビル基には、これらに限定するものでないが、アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換アルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アリル、アラルキル、アルカリールおよびアルキニル基が含まれ得、これらはヘテロ原子、例えばN、O、S、PおよびSiなどを含有することができる。そのようなヒドロカルビル基がOを含有する場合、それをオキソ−ヒドロカルビル基と呼ぶことができ、或はそれがNを含有する場合、それをアザ−ヒドロカルビル−ヒドロカルビル基と呼ぶことができる。
ヒドロカルビル基の具体例にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、2
−メチルブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシルおよび2−プロピルヘキシルが含まれる。
3が有機基の場合の置換基Aはケトン基を含有する。ケトン基の非限定例にはベンゾフェノンおよびアセトフェノンが含まれる。式(II)で定義可能なケトン含有官能化剤の非限定例には、4,4'−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)メチルエチルケトン、4,4'−ビス(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノンおよび(4−(1−ヘキサメチレンイミノ)フェニル)メチルエチルケトンが含まれる。
3が水素原子の場合の置換基Aはアルデヒド基を含有する。反応性アルデヒド基の非限定例にはベンズアルデヒド基が含まれる。アルデヒド含有官能化剤の非限定例には、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド、4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンズアルデヒドおよび4−(1−ピロリジノメチル)ベンズアルデヒドが含まれる。
特に好適なある種のケトン含有官能化剤には、ZがN,N−二置換アミノフェニル基である化合物が含まれる。そのような官能化剤は、驚くべきことに、アルキル化剤であるトリアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミノキサンまたはこれらの任意組み合わせとハライド源を用いたランタニドが基になった触媒系を用いて生成した疑似リビング重合体の官能化で用いるに極めて有用であることを見いだした。この発見は、そのような疑似リビング重合体を燐含有化合物の非存在下に生成させることができかつ前記触媒を特に特殊な方法で調製する必要がないことから有利である。
特に好適なある種のアルデヒド含有官能化剤には、ZがN,N−二置換アミノフェニル基である化合物が含まれる。このような官能化剤は、驚くべきことに、トリアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウムまたは水素化アルキルアルミニウムまたはこれらの任意組み合わせとハライド源を用いたランタニドが基になった触媒系を用いて生成させた疑似リビング重合体の官能化で用いるに極めて有用であることを見いだした。この発見は、そのような疑似リビング重合体を燐含有化合物の非存在下かつアルキルアルミノキサン化合物(これは高価である)の非存在下に生成させることができかつ前記触媒を特に特殊な方法で調製する必要がないことから有利である。
Aがエステル基を含有する別の態様の官能化剤は、式(III)および(IV)
Figure 2016006189
[式中、R1、R2およびZは、この上で定義した通りであり、そしてR4は、一価有機基
であるか、或はR2またはR1がR4と一緒になって環状基を形成する場合には、R4は二価有機基であってもよくそしてR2は三価有機基であってもよい]
で定義可能である。
エステル基の非限定例には、α,β−不飽和エステル、メタアクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルが含まれる。
好適なエステル含有化合物には、充填材と相互作用し得る基、即ちZが含まれ、それにはN,N−二置換アミノフェニル、イミン、環状アミノ、イソシアネート、イソチオシアネートおよびアミド基が含まれる。そのようなエステル含有官能化剤の非限定例には、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸t−ブチル、4−(N,N−ジエチルアミノ)安息香酸t−ブチル、マレイン酸ビス(4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンジル、4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)安息香酸t−ブチル、マレイン酸ビス(4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンジル)、4−イソシアナト安息香酸t−ブチルおよびマレイン酸ビス(4−イソシアナトベンジル)が含まれる。
Aがイソシアネートまたはイソチオシアネート基を含有する別の態様の官能化剤は、式(V)
Figure 2016006189
[式中、R1、R2およびZは、この上で定義した通りであり、そしてEはOまたはSである]
で定義可能である。
イソシアネート基の非限定例には、(2−イソシアナト)エチル、(3−イソシアナト)プロピル、(4−イソシアナト)ブチルおよび(5−イソシアナト)ペンチルが含まれる。イソチオシアネート基の例には、この上に示した基のイソチオシアナト均当物が含まれる。
好適なイソシアネートもしくはイソチオシアネート含有基には、充填材と相互作用し得る基、即ちZが含まれ、それらにはN,N−二置換アミノフェニル、環状アミノ、イミンおよびアミド基が含まれる。式(V)で定義可能なイソシアネート含有官能化剤の非限定例には4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル−4'−イソシアナトフェニルメタンが含まれる。
Aがアミド基を含有する別の態様の本発明の官能化剤は、式(VI)および(VII)
Figure 2016006189
[式中、R1、R2、Zおよび各R4は、同一もしくは異なっていてもよく、この上で定義した通りであり、そしてR2がいずれかのR4と一緒になってか或は2つのR4基が一緒になって環状基を形成していてもよい]
で定義可能である。前記式および本明細書に示す他のあらゆる式において、R基は、それらに含まれている可能性がある基の種類で定義される。同じ一般的種類の2つ以上のR基、即ちR4が式中に現れる場合にはいつでもこれらのR基はこれらの一般的定義の範囲内で同一または異なっていてもよいと理解されるべきである。
反応性アミド基の非限定例には、N−アルキルイソシアヌレート、3−(N,N−ジアルキルアミド)プロピル、イソシアヌール酸トリヒドロカルビル、3−(N,N−ジヒドロカルビルアミド)アルキル、N−ヒドロカルビルカプロラクタムおよびN−ヒドロカルビルピロリドン基が含まれる。
特に好適なある種のアミド含有官能化剤には、Zがアミドである化合物が含まれる。このような官能化剤は、驚くべきことに、アルキル化剤であるトリアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウムまたはアルキルアルミノキサンまたはこれらの任意組み合わせとハライド源を用いたランタニドが基になった触媒系を用いて生成させた疑似リビング重合体の官能化で用いるに極めて有用であることを見いだした。この発見は、そのような疑似リビング重合体を燐含有化合物の非存在下に生成させることができかつ前記触媒を特に特殊な方法で調製する必要がないことから有利である。
式(VI)または(VII)で定義可能なアミド含有官能化剤の特定の非限定例のいくつかには、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドンおよびN',N−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)が含まれる。
前記官能化剤の1種以上(これらの混合物を包含)を疑似リビング重合体と接触させることにより官能化された重合体を生成させる。溶媒を用いる場合、当該疑似リビング重合体および官能化剤の両方を溶かすか或はそれらの両方を懸濁させ得る溶媒の使用が好適である。そのような接触を好適には160℃未満の温度、より好適には約20℃から約100℃の温度で行なわせる。更に、その反応時間は好適には約0.1から約10時間、より好適には約0.2から約5時間である。
この官能化剤の使用量は変化し得る。官能化剤を好適にはランタニド1モル当たり約0.01から約200モル、より好適にはランタニド1モル当たり約0.1から約150モル用いる。
前記疑似リビング重合体と官能化剤の間の反応をクエンチする(quenched)時、これらに限定するものでないが、イソプロピルアルコール、メタノールおよび水などの如き反応体を用いてクエンチする。クエンチング中またはクエンチング後に安定剤、例え
ば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)などを添加することができる。
しかしながら、結果として得られた重合体をクエンチする前に、この重合体に追加的官能性を与える特定の反応性化合物を添加することができる。そのような反応性化合物には、金属のアルコキサイドまたは金属のアミドと付加反応を起こすであろう化合物が含まれる。プロトン性クエンチング剤(quenching agent)を添加すると置換反応によって金属が除去され、それによって、ランタニドまたはアルミニウムアミノ基が重合体鎖の末端部に残存すると考えている。クエンチングに先立って金属アミドと金属アミド反応性化合物の間で反応すると追加的官能性がもたらされると考えている。
生成物である重合体を回収する時、本技術分野で通常用いられる如何なる技術も使用可能である。例えば、生成物である重合体をヒンダード溶媒(hindered solvent)、例えばイソプロピルアルコールなどに入れて凝固させた後、熱風オーブンまたはホットミル(hot mill)で乾燥させることができる。別法として、蒸気による脱溶媒に続いて熱風乾燥またはホットミルによる乾燥を行うことなどで生成物である重合体を回収することも可能である。仕上げ前に加工油(processing oil)を添加してもよい。
結果として得られた官能化重合体は、式(XV)
Figure 2016006189
[式中、R1およびR3は、この上で定義した通りであり、そしてA*は、疑似リビング重合体と付加反応を起こした官能化剤が有するイミノ部分の残基である]で描写可能であり、これは、シス微細構造が約85%以上であり、1,2−もしくは3,4−単位含有量が約3%未満でありかつ分子量分布が約5未満である重合体である。より好適には、このような重合体が有するシス微細構造は約90%以上であり、1,2−もしくは3,4−単位含有量は約2%未満でありかつ分子量分布は約4未満である。
アルコキシシラン官能性を持つ重合体は縮合反応で連成し得る。例えば式(XV)で表される重合体は縮合を起こして下記の式(XVI)
Figure 2016006189
[式中、A*、R1およびR4は、この上で定義した通りである]
で表される連成重合体を生成し得る。
そのような官能化重合体の言及は同様にこれの縮合生成物も包含する。いずれかのR4がOR5である場合には、これは同様に別の官能化重合体とも連成し得る。Zがシラン基である官能化重合体が連成を起こすと有利に重合体の低温流水耐性(cold flow
resistance)が向上する。
本発明の官能化重合体は有利にいろいろなタイヤ構成要素の製造で使用可能であり、そのような構成要素には、これらに限定するものでないが、タイヤ踏み面、サイドウォール、サブトレッドおよびビードフィラーが含まれる。これらはタイヤストック(tire stock)の弾性重合体成分の全部または一部として使用可能である。1つの態様では、本官能化重合体はタイヤストックの弾性重合体成分を約10重量パーセント(pbw)以上、より好適には約20pbw以上、更により好適には約30pbw以上を含んでなる。本官能化重合体をタイヤストックに添加しても、そのような加硫性組成物の中に典型的に含まれる他の材料の種類も量も変わらない。従って、本発明の実施を特定の加硫性組成物にもタイヤコンパウンド化用ストック(tire compounding stock)にも限定するものでない。
タイヤストックには典型的に弾性重合体成分が含まれていて、これが補強用充填材および少なくとも1種の加硫剤と混合されている。しばしば、促進剤、油、蝋、脂肪酸および加工助剤も含まれている。合成ゴム含有加硫性組成物には、典型的に、抗劣化剤、加工油、酸化亜鉛、任意の粘着性付与樹脂、任意の補強用樹脂、任意の素練り促進剤および任意のスコーチ抑制剤(scorch inhibiting agents)が含まれている。
本発明の官能化重合体を他のゴムと一緒に用いてタイヤストックの弾性重合体成分を生成させることも可能である。そのような他のゴムには天然ゴム、合成ゴムまたは両方が含まれ得る。合成ゴムの例には合成ポリ(イソプレン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン−コ−イソプレン)およびこれらの混合物が含まれる。
補強用充填材には有機および無機両方の充填材が含まれ得る。有機充填材には、これらに限定するものでないが、カーボンブラックが含まれ、そして無機充填材には、これらに限定するものでないが、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムが含まれる。補強用充填材を典型的には使用する補強用充填材の総重量を基準にしてゴム100重量部当たり約1から約100重量部(phr)、好適には約20から約80重量部phr、より好適には約40から約80重量部phrの量で用いる。無機充填材を用いる時には、これを典型的には有機充填材と一緒に用いる。このような態様では、補強用充填材の総量に充填材全体100重量部を基準にして約30から約99重量部の無機充填材と1から約70重量部の有機充填材を含める。より好適には、充填材全体に充填材100重量部を基準にして約50から約95重量部の無機充填材と約5から約50重量部の有機充填材を含める。
カーボンブラックには市販の如何なるカーボンブラックも含まれ得るが、表面積(EMSA)が少なくとも20m2/g、より好適には少なくとも35m2/gから200m2/gまたはそれ以上のカーボンブラックが好適である。本出願で用いる表面積値はASTM試験D−1765によりセチルトリメチル−アンモニウムブロマイド(CTAB)技術を用いて測定した表面積である。
シリカ(二酸化ケイ素)は一般に湿式処理された水和シリカを指す、と言うのは、それらは水中で行う化学反応で製造されそしてそれを超微細な球形粒子として沈澱させているからである。このような粒子は強力に結合して凝固物を形成しており、前記凝固物が今度
はあまり強力でない度合で一緒になって凝集物を形成している。BET方法で測定した時の表面積は、いろいろなシリカの補強特性を示す最良の尺度である。有用なシリカは表面積が好ましくは約32から約400m2/g、好適には約100から約250m2/g、より好適には約150から約220m2/gのシリカである。このシリカ充填材のpHは一般に5.5から約7、好適には約5.5から約6.8である。商業的に入手可能なシリカにはHi−Sil(商標)215、Hi−Sil(商標)233およびHi−Sil(商標)190[PPG Industries;ピッツバーグ、ペンシルバニア州]が含まれる。また、Rhone Poulencを包含する他の供給源からも有用な商業グレードのいろいろなシリカを入手することができる。
シリカを用いる時には典型的にカップリング剤(coupling agent)を添加する。通常用いるある種のカップリング剤はビス−[3(トリエトキシシリル)プロピル]−テトラスルフィドであり、これは商標SI69(Degussa,Inc.;ニューヨーク、ニューヨーク州)の下で商業的に入手可能である。追加的カップリング剤にはビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)トリスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)トリスルフィド、ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル)ジエチルチオカルバミルテトラスルフィドおよび3−(トリメトキシシリル)プロピル)ベンゾチアジルテトラスルフィドが含まれ得る。そのような作用剤を典型的には約1から約20phr、より好適には約3から約15phrの量で用いる。シラン官能性を含む本発明の官能化重合体を用いると、有利に、要求されるカップリング剤の量が少なくなる。
補強されたゴムコンパウンドは公知の加硫剤を用いた通常様式で硬化することができる。例えば、硫黄またはパーオキサイドを基にした硬化系を用いることができる。適切な加硫剤の一般的開示に関して、Kirk−Othmer、ENCYCLOPEDIA OF
CHEMICAL TECHNOLOGY、3版、Wiley Interscience、N.Y.1982、20巻、365−468頁、特にVULCANIZATION
AGENTS AND AUXILIARY MATERIALS、390−402頁、またはA.Y.CoranによるVulcanaization、ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING、2版、John Wiley & Sons,Inc.1989を参考にすることができる。加硫剤は単独または組み合わせて使用可能である。本発明は硬化時間にあまり影響を与えない。典型的には加硫性組成物を加熱することで加硫を行ない、例えばそれを約170℃に加熱する。硬化または架橋した重合体を加硫ゴムと呼ぶことができる。
本技術分野で通常用いられる混合装置および手順を用いてそのような配合物をコンパウンド化する。好適には、弾性重合体成分および補強用充填材、並びに他の任意添加剤、例えば加工油および抗酸化剤などを含有する初期マスターバッチを調製する。この初期マスターバッチを調製している間に好適にはポリオレフィン添加剤を添加する。このような初期マスターバッチを調製した後、この組成物に加硫剤を混合する。次に、この組成物を通常のタイヤ製造技術に従ってタイヤ構成要素に加工することができ、そのような技術には標準的なゴム硬化技術が含まれる。ゴムをコンパウンド化する技術およびこの技術で用いられる添加剤は、RUBBER TECHNOLOGY SECOND EDITION(1973 Van Nostrand Reinhold Company)の中のStevens著「The Compounding and Vulcanization of Rubber」に開示されているように一般に公知である。空気入りタイヤの製造は米国特許第5,866,171号、5,876,527号、5,931,211号
および5,971,046号(これらは引用することによって本明細書に組み入れられる)に従って実施可能である。
本発明の官能化重合体をまたホース、ベルト、靴底、窓用シール、他のシール、振動減衰用ゴムおよび他の工業製品の製造で用いることも可能である。
本発明の実施を示す目的で、本明細書の以下に開示する実施例セクションに記述するようにして以下の実施例を用意して、それに試験を行なう。しかしながら、本実施例は本発明の範囲の限定するものと見なされるべきでない。本請求の範囲が本発明を限定する。
(実施例)
実施例1−4
乾燥しN2でパージ洗浄したゴム隔壁付きボトル内でヘキサンに入れておいた0.5gの1,3−ブタジエン単量体、ヘキサンに入れておいた0.32ミリモルのネオデカン酸ネオジム、トルエンに入れておいた31.7ミリモルのメチルアルミノキサンおよびヘキサンに入れておいた6.67ミリモルの水素化ジイソブチルアルミニウムを混合することにより、触媒の調製を行った。この混合物を2分間接触させた後、これにヘキサンに入れておいた1.27ミリモルの塩化ジエチルアルミニウムを加えた。次に、この混合物を室温で約15分間熟成させた。
撹拌機と温度制御用ジャケットが備わっている2ガロンのステンレス鋼製反応槽内でこの上で調製した触媒溶液と611gの1,3−ブタジエン単量体を約3,459gのヘキサンに入れて25℃で混合することによりポリブタジエン重合体を生成させた。この混合物を24℃で約10分間撹拌した。ジャケットの温度を72℃にまで高くして撹拌を33分間継続し、その後、ジャケットの温度を70℃にまで下げた。重合体セメント(cement)をサンプリングして、乾燥およびN2によるパージ洗浄を行なった別々のボトルに入れ、これらを実施例1−4と識別する。
DEABをトルエン溶液として個々のサンプルに表Iに挙げる如き量および温度で加えた。この官能化剤を指定時間反応させ、ヘキサンに入れた少量のイソプロピルアルコールと2,6−ジ−t−ブチル 4−メチルフェノール(BHT)によりクエンチを行なった後、イソプロピルアルコール中で凝固を起こさせて重合体を単離しそして次にドラムで乾燥した。比較実施例4をFTIR分析で測定した時のシス構造は93パーセントであった。
表Iに、ムーニー粘度(ML1+4@100℃)、20%トルクに対するムーニー弛緩(relaxation)(T−80)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布[ポリスチレンを基にしてポリブタジエンに普遍的較正を行なった(universally calibrated)GPC分析で測定]を示す。細かく細断した未硬化ゴム試験片を室温のトルエンに浸漬することにより結合ゴム(bound rubber)の測定を行った。40時間後、その組成物を濾過した後、乾燥したサンプルの重量を他の不溶材料と比較することで結合ゴムの計算を行った。また、これらのサンプルを50℃におけるtan δを測定する試験も行なった(31.4ラジアン/秒における振動数および3%の歪み)。
この重合体の官能性パーセント(percent functionality)をUVクロマトグラムとRIクロマトグラムの面積比そしてポリスチレン標準を基にしたポリスチレンおよび高シスブタジエン(high cis butadiene)に関する普遍的較正を用いたGPCで得た重合体の数平均分子量(Mn)から得た。下記の3つの仮
定を行った:(1)n−ブチルリチウム(n−BuLi)を開始剤として用いた重合体が有する末端官能基が示すUV吸光度はランタニド触媒を用いた重合体が有する末端官能基が示すUV吸光度と同じであること、(2)n−BuLiを開始剤として用いた重合体は100%官能化されること、そして(3)UV/RIの面積比は重合体が示すMnの逆数(inverse)の線形関数であること。この用いた方法に従い、n−BuLiを用いて開始させて同じイミン化合物で停止させた重合体が示すUV/RI面積比(A)とMnの較正曲線を下記の式:A=a(1/Mn)+b[式中、A(BuLi,endgroup)=A(BuLi,polymer)−A(BuLi-backbone)=(a(polymer)−a(backbone))(1/Mn)+(b(polymer)−b(backbone))]に従って確立した。パラメーターaおよびbを、n−BuLiで開始させてイミンで停止させた重合体およびn−BuLiで開始させてアルコールで停止させた重合体(異なる3種類の分子量を有する)が示したGPCデータの最小平方線形適合(least square linear fitting)で得た。ランタニド触媒を用いて開始させた未知重合体が示す官能パーセント(F)を、下記の式:F=A(unknown,endgroup,M)/A(BuLi,endgroup,M)=(A(unknown,polymer,M)−A(unknown,backbone,M))/[(a(polymer)−a(backbone))(1/M)+(b(polymer)−b(backbone))]に従って、官能化された未知重合体および対応する未官能化(基礎)重合体のGPCデータから得た。
実施例5−7
乾燥してN2でパージ洗浄したゴム隔壁付きボトル内でヘキサンに入れておいた0.5gの1,3−ブタジエン単量体、ヘキサンに入れておいた0.275ミリモルのネオデカン酸ネオジム、トルエンに入れておいた27.5ミリモルのメチルアルミノキサンおよびヘキサンに入れておいた5.77ミリモルの水素化ジイソブチルアルミニウムを混合することにより、触媒の調製を行った。この混合物を2分間接触させた後、これにヘキサンに入れておいた1.10ミリモルの塩化ジエチルアルミニウムを加えた。次に、この混合物を室温で約15分間熟成させた。
ジャケットの温度を最初は26℃に設定して82℃にまで上昇させる以外は実施例1−4と同様にしてポリブタジエン重合体を生成させた。この重合体セメントをサンプリングして、実施例5−7に示したようにして乾燥およびN2によるパージ洗浄を行なった別々のボトルに入れた。実施例6および7では、DEABを表Iに挙げるようにトルエン溶液として前記ボトルに仕込むことによりそれらの官能化を行なった。比較実施例5にはDEABによる官能化を行なわなかった。
実施例8−10
乾燥してN2でパージ洗浄したゴム隔壁付きボトル内でヘキサンに入れておいた0.5gの1,3−ブタジエン単量体、ヘキサンに入れておいた0.317ミリモルのネオデカン酸ネオジム、トルエンに入れておいた31.7ミリモルのメチルアルミノキサンおよびヘキサンに入れておいた6.67ミリモルの水素化ジイソブチルアルミニウムを混合することにより、触媒の調製を行った。この混合物を2分間接触させた後、これにヘキサンに入れておいた1.27ミリモルの塩化ジエチルアルミニウムを加えた。次に、この混合物を室温で約15分間熟成させた。
ジャケットの温度を最初は27℃に設定して82℃にまで上昇させる以外は実施例1−4と同様にしてポリブタジエン重合体を生成させた。この重合体セメントをサンプリングして、実施例8−10に示したようにして乾燥およびN2によるパージ洗浄を行なった別々のボトルに入れた。実施例9および10では、DMIを表Iに挙げるように混ぜ物なしの形態で前記ボトルに仕込むことによりそれらに官能化を行なった。比較実施例8はDMIによる官能化を行なわなかった。
Figure 2016006189
実施例11−18
結果として得られた特定の重合体を個別に充填材としてのシリカ[Nipsil VN3(商標);Nippon Silica;日本]またはカーボンブラック(N339)と一緒に配合してゴム配合物を生成させた。即ち、初期マスターバッチを内部ミキサー内で初期温度を約110℃にして約3.5分間混合した。このマスターバッチを冷却した後、同じ内部ミキサー内で再び約2分間混練りした。次に、この配合物の処理を前記内部ミキサー内で温度を約80℃にして約1分間継続しながらこれに硬化系を加えた。用いた配合処方を下記の表IIおよびIIIに挙げる。
表II
シリカを用いた配合処方
材料 ゴム100部当たりの部数
弾性重合体 100
芳香族油 10
シリカ 50
ステアリン酸 2
抗酸化剤
マスターバッチ総量 163

酸化亜鉛 2.5
硫黄 0.03
促進剤 2.5
総量 171.5
表III
カーボンブラックを用いた配合処方
材料 ゴム100部当たりの部数
弾性重合体 100
芳香族油 10
パラフィン油 1.5
カーボンブラック 50
ステアリン酸 2
抗酸化剤
マスターバッチ総量 164.5

酸化亜鉛 2
硫黄 1.3
促進剤 1.2
総量 169.0
各配合物をコンパウンド化した後、約145℃のプレスで約33分間硬化させた。次に、この硬化させたサンプルに破壊時引張り強度および破壊時伸びを測定する分析をJIS−K6301に従って行なった。これらのサンプルにまた50℃におけるtan δおよびG'を測定する試験(31.4ラジアン/秒の振動数および3%の歪み)ならびにLambourne摩耗試験も行なった。
カーボンブラック充填加硫ゴムの試験を行なった時の結果を表IVに示し、そしてシリカ充填加硫ゴムに試験を行なった時の結果を表Vに示す。表IVに示したデータは、ムーニー粘度(ML1+4@100℃)を除き、重合体サンプル1を用いて生成させた加硫ゴムに対する指数であり、そして表Vに示したデータは、ムーニー粘度を除き、重合体サンプル8を用いて生成させた加硫ゴムに対する指数である。Aの標識を付けた重合体サンプルはムーニー粘度(ML1+4@100℃)が約44になるように計算したサンプル重合体1と11の間の加重平均である。
Figure 2016006189
Figure 2016006189
本発明の範囲および精神から逸脱しないいろいろな修飾形および変形が本分野の技術者に思い浮かぶであろう。正式には、本発明を本明細書に挙げる説明的態様に限定するものでない。

Claims (3)

  1. アルミノキサンを含みランタニドが基になった触媒を用いて共役ジエン単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させ、
    ここで、ランタニドが基になった触媒は(a)ランタニド化合物、(b)アルキルアルミノキサン、および(c)ハロゲン源を含む、
    そして
    前記疑似リビング重合体を
    式(III)、(IV)
    Figure 2016006189
    [式中、R1は二重結合、或は0〜20個の炭素原子を含む二価有機基であり、R2は二価有機基、或はこれがR4と一緒になって環状基を形成している場合には三価有機基であり、そしてR4は水素原子または一価有機基であるか、或はR4がR2と一緒になっている場合にはR4は二価有機基であってもよく、Zは有機もしくは無機充填剤と反応または相互作用する置換基である]
    からなる群から選択される少なくとも1種の官能化剤と反応させる、
    工程を含んで成る、官能化重合体の製造方法。
  2. アルミノキサンを含みランタニドが基になった触媒を用いて共役ジエン単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させ、
    ここで、ランタニドが基になった触媒は(a)ランタニド化合物、(b)アルキルアルミノキサン、および(c)ハロゲン源を含む、
    そして
    前記疑似リビング重合体を
    式(VII)
    Figure 2016006189
    [式中、R1は二重結合、或は0〜20個の炭素原子を含む二価有機基であり、R2は、二価有機基、或はこれがR4と一緒になって環状基を形成している場合には三価有機基であり、そしてR4は独立に水素原子、一価有機基、或はR4がR1、R2、もしくは他のR4と一緒になっている場合には、R4は二価有機基であってもよく、ZはN,N−二置換アミノフェニル、イミン、環状アミノ、エポキシ、イソシアネート、イソチオシアネートおよびアミド基から選択され、但し、R1、R2、R4およびZは疑似リビング重合体をプロトン化しない]
    から選択される少なくとも1種の官能化剤と反応させる、
    工程を含んで成る、官能化重合体の製造方法。
  3. アルミノキサンを含みランタニドが基になった触媒を用いて共役ジエン単量体を重合させることにより疑似リビング重合体を生成させ、
    ここで、ランタニドが基になった触媒は(a)ランタニド化合物、(b)アルキルアルミノキサン、および(c)ハロゲン源を含む、
    そして
    前記疑似リビング重合体を
    式(V)
    Figure 2016006189
    [式中、R1は二重結合、或は0〜20個の炭素原子を含む二価有機基であり、R2は二価有機基であり、そしてEはOまたはSであり、Zは、N,N−二置換アミノフェニル、イミン、環状アミノ、エポキシ、イソシアネート、イソチオシアネートおよびアミド基から選択される]
    から選択される少なくとも1種の官能化剤と反応させる、
    工程を含んで成る、官能化重合体の製造方法。
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