JP2016005449A - Cd9に対するハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒトCD9をその野生型の形態で認識するモノクローナル抗体、前記モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞株及び本抗体を使用したエキソゾーム単離キットも対象とする。
【解決手段】Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、及びZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024から選択されるハイブリドーマ細胞株によって生産されたモノクローナル抗体と同じエピトープ特異性を有するモノクローナル抗体。更に、前記モノクローナル抗体に、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、及び放射性同位体標識から選択される1種以上の標識で標識されているをカップリングした抗体。
【選択図】図1
【解決手段】Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、及びZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024から選択されるハイブリドーマ細胞株によって生産されたモノクローナル抗体と同じエピトープ特異性を有するモノクローナル抗体。更に、前記モノクローナル抗体に、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、及び放射性同位体標識から選択される1種以上の標識で標識されているをカップリングした抗体。
【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2013年3月15日付けで出願された米国出願番号61/791,477に対して優先権を主張する2014年3月17日付けで出願された国際出願番号PCT/US2014/030797に関し、それに対して優先権を主張し、これらの全内容および開示は、参照により本明細書に組み入れらる。
[0001]本出願は、2013年3月15日付けで出願された米国出願番号61/791,477に対して優先権を主張する2014年3月17日付けで出願された国際出願番号PCT/US2014/030797に関し、それに対して優先権を主張し、これらの全内容および開示は、参照により本明細書に組み入れらる。
電子出願された材料の参照による組み込み
[0002]同時に提出された、2014年3月10日に作製された「CD9Seq_List_ST25」と名付けられた1つの3キロバイトのASCII(テキスト)ファイルであるコンピューターで読取り可能なヌクレオチド/アミノ酸配列リストを、参照により本明細書にその全体を組み入れる。
[0002]同時に提出された、2014年3月10日に作製された「CD9Seq_List_ST25」と名付けられた1つの3キロバイトのASCII(テキスト)ファイルであるコンピューターで読取り可能なヌクレオチド/アミノ酸配列リストを、参照により本明細書にその全体を組み入れる。
発明の分野
[0003]本出願は、ハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体に関し、より特定には、CD9タンパク質に対するハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体、ならびに使用方法に関する。
[0003]本出願は、ハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体に関し、より特定には、CD9タンパク質に対するハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体、ならびに使用方法に関する。
[0004]テトラスパニンは、海綿動物から哺乳動物までの種で発現される小さい膜結合タンパク質であり、それぞれの生物が多数のテトラスパニンファミリーを発現する。A.Garcia-Espanaら、Appearance of new tetraspanin genes during vertebrate evolution、Genomics(91)、326〜334(2008)。テトラスパニンは、典型的には、例えば受精、寄生体およびウイルス感染、筋神経連結におけるシナプス接合、血小板凝集、皮膚の完全性の維持、免疫反応誘導、転移抑制、および腫瘍進行などの複数の生物学的プロセスに関与する。テトラスパニンは膜を4回貫通するが、4つの膜貫通分子の全てがテトラスパニンではない。一般的に、テトラスパニンは、図1で例示したように、短いアミノおよびカルボキシ末端尾部、膜貫通領域2(TM2)とTM3との間の小さい細胞内ループ、TM1とTM2との間の小さい細胞外ループ(EC1)、およびTM3とTM4との間の大きい細胞外ループ(EC2)を有する。M.Zoller、Tetraspanins:push and pull in suppressing and promoting metastasis、Nature Reviews Cancer(9)40〜55(2009)を参照されたい。
[0005]細胞内で、さらに細胞膜上でこのような様々な機能を有することに加えて、エキソゾーム表面上の細胞からも膨大な数のテトラスパニンが放出される。A.LakkarajuおよびE.Rodriguez-Boulan、Itinerant exosomes:emerging roles in cell and tissue polarity、Trends Cell Biol.(18)、199〜209(2008)。エキソゾームは、30〜100nmの小胞であり、多くの細胞によって放出される。J.S.SchoreyおよびS.Bhatnagar、Exosome function:from tumor immunology to pathogen biology、Traffic(9)871〜881(2008)。エキソゾームが多小胞体から発生すると、これがリソソームと融合するか、または原形質膜と融合して、それらの腔内の小胞をエキソゾームとして放出する。エキソゾームの分子組成は、それらが腔内の小胞から発生したことを反映しており、数種のテトラスパニンを包含する。上記のエキソソームタンパク質は、主要組織適合複合体クラスIおよびII分子においてペプチドを提示するそれらの能力によって示されるように、それらの機能活性を維持する。上記のエキソゾームは、免疫反応、感染因子の細胞間伝播、および腫瘍進行において重要な細胞間コミュニケーションの有力な様式を構築するものと考えられる。テトラスパニンおよびそれらの関連タンパク質は、エキソゾーム中で高濃度化されている。エキソゾームの構造にテトラスパニンが寄与していることが周知であるが、エキソゾームの機能に対するテトラスパニンの作用は解明されていない。H.G.ZhangおよびW.E.Grizzle、A Novel Pathway of Local and Distant Intracellular Communication that Facilitates the Growth and Metastasis of Neoplastic Lesions、American Journal of Pathology(184)28〜41(2014)を参照されたい。
[0006]CD9は、概して様々な固形組織中で発現され、さらには多数の造血細胞でも発現されるテトラスパニンである。特に、CD9は、内皮細胞、中枢神経系の様々な細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、および上皮細胞によって発現される。M.Zoller、Tetraspanins:push and pull in suppressing and promoting metastasis、Nature Reviews Cancer(9)40〜55(2009)。加えて、CD9は、血小板(高度に発現された)、リンパ前駆細胞、ならびに活性化リンパ球および骨髄細胞によって発現される。上記文献に加えて、H.Maeckerら、The tetraspanin superfamily:molecular facilitators、FASEB Journal(11)428〜442(1997)も参照されたい。
[0007]一般的に、CD9のダウンレギュレーションは、いくつかの癌の形態における腫瘍進行と相関する。しかしながら、CD9は、いくつかの腫瘍タイプにおいて逆の相関も報告されているために転移抑制タンパク質として分類することができず、CD9と他の分子との関係がこの分子と癌の形態との特定の相関を決定する可能性が考えられる。M.Zoller、Tetraspanins:push and pull in suppressing and promoting metastasis、Nature Reviews Cancer(9)40〜55(2009)。例えば、CD9は、インテグリン媒介性の運動を妨害することにより転移形成を阻止する可能性がある。具体的に言えば、卵巣癌細胞では、CD9の発現レベルと複数のインテグリン鎖の発現レベルとが互いに関連して、CD9がダウンレギュレーションされることにより比較的弱いマトリックス付着が起こり、インビトロでの増殖が拡散するようになる。M.Furuyaら、Down-regulation of CD9 in human ovarian carcinoma cell might contribute to peritoneal dissemination、Cancer Research(65)2617〜2625(2005)。
[0008]またCD9は、複数の作用機序により単離された転移細胞の移動を阻止する可能性もある。まず、CD9の過剰発現に付随して、WAVE2などの複数の因子の転写のダウンレギュレーションが起こる。WAVE2は、アクチン重合、ならびに膜状仮足および糸状仮足の形成の媒介において重要である。T.TakenawaおよびS.Suetsugu、The WASP-WAVE protein network:connecting the membrane to the cytoskeleton、Nature Reviews Molecular and Cellular Biology(8)37〜48(2007)。またCD9の過剰発現は、EGF−EGFR経路およびTGFαを介した細胞移動を阻止することも公知である。M.Zoller、Tetraspanins:push and pull in suppressing and promoting metastasis、Nature Reviews Cancer(9)40〜55(2009)。
A.Garcia-Espanaら、Appearance of new tetraspanin genes during vertebrate evolution、Genomics(91)、326〜334(2008)
M.Zoller、Tetraspanins:push and pull in suppressing and promoting metastasis、Nature Reviews Cancer(9)40〜55(2009)
A.LakkarajuおよびE.Rodriguez-Boulan、Itinerant exosomes:emerging roles in cell and tissue polarity、Trends Cell Biol.(18)、199〜209(2008)
J.S.SchoreyおよびS.Bhatnagar、Exosome function:from tumor immunology to pathogen biology、Traffic(9)871〜881(2008)
H.G.ZhangおよびW.E.Grizzle、A Novel Pathway of Local and Distant Intracellular Communication that Facilitates the Growth and Metastasis of Neoplastic Lesions、American Journal of Pathology(184)28〜41(2014)
H.Maeckerら、The tetraspanin superfamily:molecular facilitators、FASEB Journal(11)428〜442(1997)
M.Furuyaら、Down-regulation of CD9 in human ovarian carcinoma cell might contribute to peritoneal dissemination、Cancer Research(65)2617〜2625(2005)
T.TakenawaおよびS.Suetsugu、The WASP-WAVE protein network:connecting the membrane to the cytoskeleton、Nature Reviews Molecular and Cellular Biology(8)37〜48(2007)
[0009]固有な結合と機能的な特徴を含む固有な遺伝子構造およびアミノ酸構造を有する抗CD9抗体が求められている。新しい抗CD9モノクローナル抗体およびこのようなモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞株の開発は、様々な疾患の有効な診断や他の生物医学的な技術における使用のための有用なツールになると予想される。
[0010]本発明のいくつかの実施態様は、CD9に結合する抗体およびそれらのフラグメントを包含する。本発明はまた、CD9に特異的に結合する1種またはそれより多くの抗体を生産する1種またはそれより多くのハイブリドーマ細胞株、および本抗体の使用方法も対象とする。いくつかの実施態様において、本抗体は、モノクローナル抗体である。さらに、いくつかの実施態様において、本モノクローナル抗体は、野生型非還元CD9ポリペプチドを認識する。
[0011]本発明のいくつかの実施態様は、野生型CD9ポリペプチドまたはそれらのフラグメントに結合する抗体およびそれらのフラグメントを包含する。例えば、本抗体のうち少なくともいくつかは、配列番号1のCD9ポリペプチドに特異的に結合する。他の形態において、本抗体のうち少なくともいくつかは、配列番号2を含むCD9ポリペプチドまたはそれらのフラグメントに結合する。
[0012]本発明の抗体は、好ましくは、ヒトCD9タンパク質に対する、より好ましくはその野生型の非還元形態のヒトCD9に対する特異的結合特性を有する単離されたモノクローナル抗体である。本抗体は、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される1種またはそれより多くの標識で標識されていてもよい。
[0013]本発明のいくつかの実施態様は、1種またはそれより多くのハイブリドーマ細胞株によって生産されるモノクローナル抗体を包含する。例えば、本発明は、ATCCに、それぞれPTA−121025およびPTA−121024というATCC受入番号で寄託されたハイブリドーマ細胞株Z9.1またはZ9.2によって生産されたモノクローナル抗体と同じエピトープ特異性を含むモノクローナル抗体を包含する。
[0014]本発明のいくつかの実施態様は、1つまたはそれより多くのキットを包含する。例えば、本発明は、ヒトCD9に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する少なくとも1つの容器を包含するエキソゾーム精製キットを包含していてもよい。エキソゾーム単離キット中の抗体は、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される1種またはそれより多くの標識で標識されていてもよい。
[0015]本発明のいくつかの実施態様は、Z9.1およびZ9.2からなる群より選択されるハイブリドーマ細胞株を提供することを包含する、モノクローナル抗体の作製方法を包含する。これらのハイブリドーマ細胞株は、ヒトCD9に特異的なモノクローナル抗体を生産できる。いくつかの形態において、本方法は、モノクローナル抗体の生産が可能な条件下でこれらのハイブリドーマ細胞株のうち一方または両方を培養することを包含する。
[0016]追加の目的、利点、および新規の特徴は、以下の説明に記載されるか、または以下の図面の試験と詳細な説明を参照すれば当業者には明らかになると予想される。
[0017]図面に本発明の例示的および代表的な実施態様を示す。
[0022]本発明は、ヒトCD9を認識する抗体を対象とする。本発明はまた、本抗体を生産するハイブリドーマ細胞株、および本抗体の使用方法も対象とする。より具体的には、本発明者らは、Z9.1およびZ9.2と名付けられたヒトCD9タンパク質に対するマウスモノクローナル抗体を分泌するマウスハイブリドーマクローンを生産した。抗CD9モノクローナル抗体は、ヒトCD9をその野生型の形態で認識する。本発明のいくつかの実施態様において、抗CD9モノクローナル抗体は、野生型ヒトCD9をその野生型の非還元形態で認識する。
[0023]用語「抗体」は、本明細書では最も広い意味で使用され、一般的には、対象となる特定の抗原標的に免疫特異的に結合する少なくとも1つの抗原結合部位を含有する分子を指す。したがって用語「抗体」は、これらに限定されないが、野生型抗体およびそれらの変異体、野生型抗体およびそれらの変異体のフラグメント、ペプチボディ(peptibodies)およびそれらの変異体、ならびに抗体またはそれらの特定のフラグメントもしくは部分、例えばそれらの単鎖抗体およびフラグメントなどの構造および/または機能を模倣する抗体模倣剤を包含する。したがって用語「抗体」は、全長の抗体および/またはそれらの変異体、加えてそれらのフラグメントを包含する。抗体の標的への結合は、例えば、これらに限定されないが、インビトロ、インサイチュ、および/またはインビボで、少なくとも1種の標的となる活性もしくは結合、または受容体の活性もしくは結合を、このような結合により調節する、減少させる、増加させる、拮抗する、刺激する、軽減する、緩和する、ブロックする、阻害する、阻止する、および/または干渉するといった様々な作用を引き起こす可能性がある。したがって本発明は、生体分子(例えば抗原もしくは受容体)またはそれらの一部に結合が可能な抗体フラグメントを包含し、このようなものとしては、これらに限定されないが、Fab、Fab’およびF(ab’)2、facb、pFc’、Fd、FvまたはscFvフラグメント(例えばCURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(Colliganら編、ジョン・ワイリー&サンズ社(John Wiley & Sons, Inc.)、ニューヨーク、1994〜2001)を参照);二重特異性抗体;線状抗体(Zapataら(1995)Protein Eng.8(10):1057);単鎖抗体分子;ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異性を有する抗体などが挙げられる。
[0024]したがって、抗体は最も広い意味で使用され、具体的には、例えば、単一の抗CD9モノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体なども包含する)、ポリエピトープ特異性を有する抗CD9抗体組成物、単鎖の抗CD9抗体、および抗CD9抗体のフラグメントを包含する。用語「モノクローナル抗体」は、本明細書で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体を指し、この実質的に均一な抗体の集団とはすなわち、天然に存在し得る突然変異がわずかな量で存在する可能性があることを除けば、集団を構成する個々の抗体が同一であることを言う。モノクローナル抗体は、「mAb」と略記される場合もある。
[0025]「Fv」は、完全な抗原−認識部位および抗原−結合部位を含有する最小限の抗体フラグメントである。この領域は、1つの重鎖可変ドメインと1つの軽鎖可変ドメインとが強い非共有結合で結合した二量体からなる。この立体構造で、各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、VH−VL二量体の表面上に抗原−結合部位が定められる。集合的に、6つのCDRが抗体に抗原−結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原特異的なCDRを3つしか含まないFvの半分)でさえも、結合部位全体よりも親和性は低いが抗原を認識してそれと結合する能力を有する。
[0026]またFabフラグメントはさらに、軽鎖の定常ドメインと、重鎖の第一の定常ドメイン(CH1)とを含有する。Fabフラグメントは、抗体のヒンジ領域からの1つまたはそれより多くのシステインなどの、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端における数個の残基が付加されている点でFab’フラグメントとは異なっている。Fab’−SHは、本明細書では、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離のチオール基を有するFab’の名称である。F(ab’)2抗体フラグメントはもともと、間にヒンジシステインを有する一対のFab’フラグメントとして生産された。他の抗体フラグメントの化学的カップリングも公知である。
[0027]あらゆる脊椎動物種からの抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパおよびラムダと呼ばれる明確に異なる2つのタイプのどちらかに分類できる。
[0028]免疫グロブリンは、それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて様々なクラスに分類できる。5つの主要な免疫グロブリンのクラス、すなわち:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちいくつかはさらに、サブクラス(アイソタイプ)に、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgA2に分けられる。
[0029]「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、ここでこれらのドメインは、単一のポリペプチド鎖中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含んでおり、それによりsFvが抗原結合にとって望ましい構造を形成することが可能になる。sFvの総論に関しては、Pluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、第113巻、RosenburgおよびMoore編、シュプリンガー−フェアラーク(Springer-Verlag)、ニューヨーク、269〜315頁(1994)を参照されたい。
[0030]用語「二重特異性抗体」は、2つの抗原−結合部位を有する小さい抗体フラグメントを指し、このフラグメントは、同じポリペプチド鎖(VH−VL)中で軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。同じ鎖中で2つのドメイン間で対を形成するには短すぎるリンカーを使用することによって、これらのドメインを別の鎖の相補的ドメインと対形成させて、2つの抗原−結合部位を作り出す。二重特異性抗体は、例えば、EP404,097;WO93/11161;およびHollingerら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444でより詳細に説明されている。
[0031]「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定され、分離および/または回収された抗体である。その天然環境の汚染成分は、抗体にとって診断または治療用途の妨げになると予想される、例えば酵素、ホルモン、および他のタンパク質様または非タンパク性溶質などの材料である。好ましい実施態様において、抗体は、ローリー法によって決定した場合、(1)抗体の95重量%より高度に、最も好ましくは99重量%より高度に精製されるか、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端アミノ酸配列または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基が得られる程度に精製されるか、または(3)クーマシーブルーまたは好ましくは銀染色を使用した還元または非還元条件下でのSDS−PAGEに基づき均質になるように精製されると予想される。抗体の天然環境の少なくとも1種の成分が存在しないのであれば、単離された抗体は、組換え細胞内の自然の位置で存在する抗体も包含する。しかしながら、通常は、単離された抗体は、少なくとも1回の精製工程で調製されると予想される。
[0032]「野生型配列のCD9ポリペプチド」または「野生型配列のCD9タンパク質」は、それに相当する自然から誘導されたCD9ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。このような野生型配列のCD9ポリペプチドは自然から単離してもよいし、または組換えまたは合成方法によって生産してもよい。用語「野生型配列のCD9ポリペプチド」は、具体的には、特定のCD9ポリペプチドの天然に存在する切断された形態、分泌された形態、および/または膜に結合した形態(例えば細胞外ドメインの配列)、このようなポリペプチドの天然に存在する変異体の形態(例えばオルタナティブスプライシングされた形態)ならびに天然に存在する対立遺伝子変異体を包含する。本発明の様々な実施態様において、本明細書において開示された野生型配列のCD9ポリペプチドは、本明細書で列挙された全長アミノ酸配列を含む、成熟した、または全長の野生型配列のポリペプチドである。いくつかの実施態様において、この「野生型配列のCD9ポリペプチド」は、配列番号1のアミノ酸配列またはそれらのフラグメントを含む。さらに、いくつかの実施態様において、この「野生型配列のCD9ポリペプチド」は、全長ポリペプチドまたはタンパク質のフラグメント、例えば配列番号2のアミノ酸などを含む。重要なことに、配列番号2は、配列番号1のフラグメント(配列番号1のアミノ酸113〜192で示される)それ自身である。
[0033]本明細書では同義的に使用される用語「個体」、「対象」、および「患者」は、動物、好ましくは哺乳動物(例えば非霊長類および霊長類など)を指し、その例としては、これらに限定されないが、マウス、サル、ヒト、哺乳類の家畜(例えばウシ、ブタ、ヒツジ)、哺乳類の競技用動物(例えばウマ)、および哺乳類のペット(例えばイヌおよびネコ)が挙げられ;好ましくは、この用語はヒトを指す。
[0034]用語「処置」、「処置すること」などは、本明細書で使用される場合、望ましい薬理学的および/または生理学的な作用を得ることを指す。この作用は、疾患の部分的または完全な治療の観点から治療効果を有する場合もあるし、および/または疾患に起因する有害作用の場合もある。「処置」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物、特にヒトにおける疾患または状態を処置するための本発明の化合物の投与を包含し、さらに:(a)疾患を抑制すること、すなわちその発達を止めること;(b)緩和ケアを提供すること、すなわち患者の苦痛を少なくしてそれを防ぐこと;および(c)疾患を和らげること、すなわち疾患もしくは障害を縮小させること、またはそれらの症状もしくは合併症を緩和することを包含する。最適な望ましい応答が達成されるように、投薬レジメンを調節してもよい。
[0035]用語「エピトープ」は、本明細書で使用される場合、抗原性分子の一部であって、それに対応するように生産された抗体が結合する部分を指す。「CD9エピトープ」は、抗CD9モノクローナル抗体が特異的に結合するCD9タンパク質の部分を含む。エピトープは、直鎖状のアミノ酸残基(すなわち、エピトープ内の残基が、一つずつ直鎖状に連続して配置されている)、非直鎖状のアミノ酸残基、または直鎖状のアミノ酸残基と非直鎖状のアミノ酸残基の両方を含んでいてもよい。典型的には、エピトープは、一般的に短いアミノ酸配列(例えば約5アミノ酸の長さ)である。
モノクローナル抗体
[0036]あるいは、抗CD9抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。例えばKohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495によって説明されている方法などのハイブリドーマ法を使用して、モノクローナル抗体を調製してもよい。ハイブリドーマ法において、典型的には、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を免疫剤で免疫化して、免疫剤に特異的に結合すると予想される抗体を生産させるか、またはそのような抗体を生産可能なリンパ球を発生させる。あるいは、このようなリンパ球は、インビトロで免疫化されてもよい。
[0036]あるいは、抗CD9抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。例えばKohlerおよびMilstein(1975)Nature 256:495によって説明されている方法などのハイブリドーマ法を使用して、モノクローナル抗体を調製してもよい。ハイブリドーマ法において、典型的には、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を免疫剤で免疫化して、免疫剤に特異的に結合すると予想される抗体を生産させるか、またはそのような抗体を生産可能なリンパ球を発生させる。あるいは、このようなリンパ球は、インビトロで免疫化されてもよい。
[0037]典型的には、免疫剤は、CD9ポリペプチド、それらの一部、それらの融合タンパク質、および/またはCD9を発現する細胞の固定された全細胞もしくはフラグメントを包含する。例えば、ヒト血小板はCD9を発現することが知られており、そのため固定したヒト血小板は免疫剤として使用できる。他の実施態様において、生きたLoVo結腸直腸の全細胞を免疫剤として使用できる。一般的に、ヒト由来細胞が望ましい場合は末梢血リンパ球(「PBL」)が使用され、あるいは非ヒト哺乳動物源が望ましい場合は脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。次いでリンパ球と不死化細胞株とを例えばポリエチレングリコールなどの好適な融合化剤を使用して融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding(1986)Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、Academic Press、59〜103頁)。不死化細胞株は、形質転換した哺乳動物細胞であってもよく、特にげっ歯類、ウシ、およびヒト由来の骨髄腫細胞であってもよい。ラットまたはマウス骨髄腫細胞株を採用してもよい。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは融合していない不死化細胞の増殖または生存を阻害する1種またはそれより多くの物質を含有する好適な培地で培養してもよい。例えば、親細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を有さない場合、ハイブリドーマ用培地は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(「HAT培地」)を包含すると予想され、これらの物質は、HGPRT欠損細胞の増殖を防ぐものである。
[0038]好ましい不死化細胞株は、効率的に融合して、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベル発現を促進し、例えばHAT培地などの培地に感受性を有する細胞株である。より好ましい不死化細胞株は、マウス骨髄腫細胞系であり、これは、例えば、カリフォルニア州サンディエゴのソーク研究所細胞流通センター(Salk Institute Cell Distribution Center)、およびバージニア州マナサスのアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)から得ることができる。またヒト骨髄腫およびマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株は、ヒトモノクローナル抗体生産についても説明されている(Kozbor(1984)J.Immunol.133:3001;Brodeurら(1987)Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、マルセル・デッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、ニューヨーク、51〜631頁)。
[0039]次いでハイブリドーマ細胞を培養する培地を、CD9またはそれらのフラグメントに対するモノクローナル抗体の存在に関してアッセイしてもよい。ハイブリドーマ細胞によって生産されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって決定してもよいし、または例えばラジオイムノアッセイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)などのインビトロの結合アッセイによって決定してもよい。このような技術およびアッセイは当業界公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard(1980)Anal.Biochem.107:220のスキャッチャード分析によって決定してもよい。
[0040]望ましいハイブリドーマ細胞を同定した後、クローンを限界希釈法によってサブクローニングして、標準的な方法によって増殖させてもよい(Goding、上記)。この目的に好適な培養培地としては、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地、およびRPMI−1640培地などが挙げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物中の腹水のようなインビボの環境で増殖させてもよい。
[0041]サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA−セファロース、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製法によって、培地または腹水から単離または精製できる。
[0042]またモノクローナル抗体は、例えば米国特許第4,816,567号で説明されている方法などの組換えDNA法によって作製してもよい。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手法(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを使用した手法)を使用して容易に単離し配列決定できる。本発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい源として役立つ。DNAが単離されたら、それを発現ベクターに入れて、次いでこれを例えば他の状況では免疫グロブリンタンパク質を生産しないサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトして、組換え宿主細胞におけるモノクローナル抗体の合成を達成してもよい。また、例えばヒト重鎖および軽鎖定常ドメインのコード配列を、それと相同なマウスの配列と置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrisonら、上記)、または免疫グロブリンのコード配列と、非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部または一部とを共有結合で合体させることにより、DNAを改変してもよい。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインと置換されてもよいし、またはキメラ2価抗体が形成されるように本発明の抗体のいずれかの抗原結合部位の可変ドメインと置換されてもよい。
[0043]抗体は、1価抗体であってもよい。1価抗体の調製方法は当業界周知である。例えば、1つの方法は、免疫グロブリン軽鎖と改変された重鎖との組換え発現に関する方法である。一般的に、重鎖は、重鎖の架橋形成を防ぐためにFc領域中のあらゆるポイントで切断されていてもよい。あるいは、架橋形成が起こらないように、関連するシステイン残基が別のアミノ酸残基で置換されているか、または欠失している。
[0044]またインビトロの方法も、1価抗体を調製するのに好適である。それらのフラグメントを生産するための抗体の消化は、当業界公知の慣例的な技術を使用して達成できる。
[0045]本発明の抗CD9モノクローナル抗体は、CD9ポリペプチド、好ましくは野生型配列のCD9ポリペプチド(例えば、配列番号1のCD9ポリペプチド、または例えば配列番号2などのそれらのフラグメント)を特異的に結合する抗体の全体または抗原結合フラグメントであってもよい。さらに、好ましい実施態様において、モノクローナル抗体は、CD9タンパク質を認識するラボ番号mAb Z9.1またはZ9.2のいずれかによって同定される。
[0046]非限定的な実施態様の1つにおいて、モノクローナル抗体は、抗体またはそれらの機能的なフラグメントがCD9タンパク質またはそれらのフラグメントに結合するようにハイブリドーマ細胞株によって生産される。一実施態様において、モノクローナル抗体は、マウスIgG1、カッパ鎖アイソタイプに由来するものである。
[0047]より具体的には、本発明のモノクローナル抗体は、重鎖可変領域(HCVR)と軽鎖可変領域(LCVR)とを含み、ここで前記HCVRは:a)CDRH1におけるペプチド、b)CDRH2におけるペプチド、c)CDRH3におけるペプチドを含み、前記LCVRは:a)CDRL1におけるペプチド、b)CDRL2におけるペプチド、およびc)CDRL3におけるペプチドを含む。
ヒト抗体およびヒト化抗体
[0048]ヒトで使用するために、本発明のマウスモノクローナル抗体をヒト化して、免疫原性を低下させてもよい。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化された形態は、非ヒト免疫グロブリンから誘導された最小限の配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2など、または抗体の他の抗原−結合部分配列)である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、例えば望ましい特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種のCDR(ドナー抗体)からの残基で置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を包含する。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、それに相当する非ヒト残基で置き換えられている。またヒト化抗体は、レシピエント抗体中、または移入されたCDRまたはフレームワーク配列中にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般的には、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全部を含むと予想され、そのうちCDR領域の全部または実質的に全部は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に相当し、FR領域の全部または実質的に全部は、ヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列のFR領域に相当する。最適には、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部も含むと予想される(Jonesら(1986)Nature 321:522;Riechmannら(1988)Nature 332:323;およびPresta(1992)Curr.Op.Struct.Biol.2:593)。
[0048]ヒトで使用するために、本発明のマウスモノクローナル抗体をヒト化して、免疫原性を低下させてもよい。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化された形態は、非ヒト免疫グロブリンから誘導された最小限の配列を含有するキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2など、または抗体の他の抗原−結合部分配列)である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、例えば望ましい特異性、親和性、および能力を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種のCDR(ドナー抗体)からの残基で置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を包含する。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が、それに相当する非ヒト残基で置き換えられている。またヒト化抗体は、レシピエント抗体中、または移入されたCDRまたはフレームワーク配列中にも見出されない残基を含んでいてもよい。一般的には、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全部を含むと予想され、そのうちCDR領域の全部または実質的に全部は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に相当し、FR領域の全部または実質的に全部は、ヒト免疫グロブリンのコンセンサス配列のFR領域に相当する。最適には、ヒト化抗体はまた、免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部も含むと予想される(Jonesら(1986)Nature 321:522;Riechmannら(1988)Nature 332:323;およびPresta(1992)Curr.Op.Struct.Biol.2:593)。
[0049]非ヒト抗体をヒト化する方法は当業界周知である。アプローチの一例は、マウスモノクローナル抗体の元の可変領域をヒト免疫グロブリンの定常領域に合体させたマウス−ヒトキメラ抗体を作製することである。キメラ抗体およびそれらの生産方法は当業界公知である。例えば、Cabillyら、欧州特許EP0125023(1984年11月14日公開);Taniguchiら、欧州特許EP0171496(1986年2月19日公開);Morrisonら、欧州特許出願EP0173494(1986年1月18日公開);Neubergerら、国際公報番号WO/1986/01533(1986年3月13日公開);Kudoら、欧州特許出願EP0184187(1986年6月11日公開);Robinsonら、国際公報番号WO/1987/002671(1987年5月7日公開);Liuら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439〜3443;Sunら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214〜218;Betterら(1988)Science 240:1041〜1043を参照されたい。これらの参考文献は参照により本明細書に組み入れられる。一般的には、マウスmAbのH鎖およびL鎖の抗原−結合領域をコードするDNAセグメントをmAb生産ハイブリドーマ細胞からクローニングして、次いでこれをそれぞれヒト免疫グロブリンのCH領域とCL領域とをコードするDNAセグメントに合体させて、マウス−ヒトキメラ免疫グロブリンをコードする遺伝子を生産してもよい。
[0050]一般的には、ヒト化抗体は、非ヒト源から導入された1またはそれより多くのアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は「移入」残基と称されることが多く、これらは、典型的には「移入」可変ドメインから採取される。ヒト化は、実質的には、Winterおよび共同研究者(Jonesら(1986)Nature、321:522〜525;Riechmannら(1988)Nature、332:323〜327;Verhoeyenら(1988)Science、239:1534〜1536)に記載の、げっ歯類のCDRまたはCDR配列でそれに相当するヒト抗体の配列を置換することによる方法に従って行うことができる。したがって、このような「ヒト化」抗体はキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)であり、この場合、無傷のヒト可変ドメインよりも実質的に短い配列が、それに相当する非ヒト種からの配列で置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基および場合によってはいくつかのFR残基が、げっ歯類の抗体中の類似する部位からの残基で置換されているヒト抗体である。
抗体の医薬組成物
[0051]他の実施態様において、上記で説明したような抗体またはフラグメントを医薬的に許容されるキャリアー、希釈剤または添加剤と共に包含する医薬組成物が提供される。
[0051]他の実施態様において、上記で説明したような抗体またはフラグメントを医薬的に許容されるキャリアー、希釈剤または添加剤と共に包含する医薬組成物が提供される。
[0052]当業者には明白と予想されるが、本明細書の教示で説明した抗体を含む医薬組成物の調製において、様々な媒体、および添加剤、ならびに投与経路を使用できる。代表的な製剤技術は、特に、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、マック・パブリッシング社(Mack Publishing Co.)、ペンシルバニア州イーストン(1995)、およびHandbook of Pharmaceutical Excipients、第3版、Kibbe,A.H.編、ワシントンD.C.、米国薬剤師会(American Pharmaceutical Association)(2000)で教示されており、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
[0053]医薬組成物は、一般的に、薬学的に許容されるキャリアーと、薬理学的に有効な量の抗体または抗体混合物とを含むと予想される。
[0054]医薬組成物は、粉末、顆粒、溶液、懸濁液、エアロゾル、固体、丸剤、錠剤、カプセル、ゲル、局所用クリーム、坐剤、経皮パッチ、および当業界公知の他の製剤として製剤化してもよい。
[0055]本明細書で説明される目的に関して、抗体の医薬的に許容される塩は、有機ならびに無機の酸および/または塩基を包含する当分野において承認されているあらゆる医薬的に許容される塩を包含することが意図される。塩の例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、さらには第一、第二、および第三アミン、例えばメチル、エチル、およびプロピルなどの低級炭化水素のエステルが挙げられる。他の塩としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、サリチル酸などの有機酸が挙げられる。
[0056]「薬学的に許容されるキャリアー」は、本明細書で使用される場合、医薬組成物を製剤化する分野における当業者に公知のあらゆる標準的な薬学的に容認されたキャリアーを含む。したがって、抗体またはペプチドそれ自身、例えば医薬的に許容される塩として、または結合体として存在するものは、薬学的に許容される希釈剤中の調合物として調製してもよく、その場合、このような希釈剤としては;例えば、塩類溶液、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、水性エタノール、またはグルコース、マンニトール、デキストラン、プロピレングリコール、油(例えば植物油、動物油、合成油など)、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ゼラチン、ポリソルベート80の溶液が挙げられ、あるいは適切な添加剤中の固体調合物として調製してもよい。
[0057]医薬組成物は、1種またはそれより多くの緩衝液(例えば中性緩衝食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水)、炭水化物(例えばグルコース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、タンパク質、ポリペプチドもしくは例えばグリシンなどのアミノ酸、抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなど)、静菌薬、例えばEDTAもしくはグルタチオンなどのキレート剤、アジュバント(例えば水酸化アルミニウム)、調合物をレシピエントの血液と等張、低張または弱く高張にする溶質、懸濁化剤、増粘剤、および/または保存剤をさらに含むことが多いと予想される。あるいは本発明の組成物は、凍結乾燥製剤(lyophilizate)として製剤化してもよい。
[0058]本発明の組成物に当業者公知のあらゆる好適なキャリアーを用いることができるが、キャリアーのタイプは、典型的には投与様式に応じて決められると予想される。抗体組成物は、例えば経口、経鼻、経粘膜、静脈内、腹膜内、皮内、皮下、および筋肉内投与などのあらゆる適切な投与方式に応じて製剤化できる。
[0059]非経口投与の場合、本組成物は、生理学的に許容できる希釈剤中の、例えばパイロジェンフリーの滅菌水、油、塩類溶液、グリセロール、ポリエチレングリコール、またはエタノールなどの滅菌された液体などの製剤用キャリアーを共に含む物質の溶液または懸濁液の注射可能な投与量として投与できる。加えて、例えば湿潤剤または乳化剤、界面活性剤、pH緩衝物質などの補助剤が組成物中に存在していてもよい。
[0060]医薬組成物の他の成分は、石油、動物、植物、または合成由来の成分であり、例えば、落花生油、ダイズ油、トウモロコシ油、綿実油、オレイン酸エチル、およびミリスチン酸イソプロピルの非水性溶液である。抗体は、活性成分が持続放出されるような方式で製剤化できるデポー注射の形態または埋め込み型製剤で投与できる。典型的な組成物は、HClでpH6.0に調節された50mMのL−ヒスチジン、150mMのNaClからなる水性緩衝液中に配合される場合、抗体を5mg/mlで含む。
[0061]典型的には、本組成物は、注射可能物質として、液状の溶液または懸濁液;注射前に、これらに限定されないが、例えばパイロジェンフリーの滅菌水、塩類溶液、緩衝液、デキストロース溶液などの好適な媒体で再溶解させるのに好適な固体または粉末形態のいずれかとして調製される。また調製物は、乳化されていてもいし、あるいはリポソーム、または例えばポリラクチド、ポリグリコリドもしくはコポリマーなどのマイクロ粒子中に封入されていてもよい。
[0062]本明細書で説明される医薬組成物は、例えば密封したアンプルまたはバイアルなどの単位用量または複数回投与用の容器で提供されてもよい。このような容器は、典型的には、使用まで調合物の滅菌状態および安定性が保持されるように密封される。一般的に、調合物は、上記で提示したように油性または水性媒体中の懸濁液、溶液またはエマルジョンとして保存されてもよい。
[0063]あるいは、医薬組成物は、使用直前に滅菌液体キャリアーを添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存されてもよい。
抗CD9抗体に関する使用
[0064]本発明の抗CD9抗体は、様々な有用性を有する。一実施態様において、抗CD9抗体は、様々な癌細胞またはエキソゾームの表面上でのCD9発現に関する診断または予後アッセイで使用でき、例えば、特異的な細胞、組織、または血清中でのその発現を検出することにおいて使用できる。例えば不均一または均一相のいずれかで行われる競合結合アッセイ、直接または間接サンドイッチアッセイ、および免疫沈降アッセイなどの、当業界公知の様々な診断および予後アッセイ技術を使用できる(Zola、Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques、CRCプレス社(CRC Press, Inc.)(1987)、147〜1581頁)。これらのアッセイで使用される抗体は、検出可能な部分で標識してもよい。検出可能な部分は、検出可能なシグナルを直接的または間接的のいずれかで生産することが可能であると予想される。抗体を検出可能な部分にコンジュゲートする当業界公知のあらゆる方法を採用でき、このような方法としては、Hunterら(1962)Nature、144:945;Davidら(1974)Biochemistry、13:1014;Painら(1981)J.Immunol.Meth.、40:219;ならびにNygren,J.Histochem. and Cytochem.、30:407(1982)によって説明された方法が挙げられる。
[0064]本発明の抗CD9抗体は、様々な有用性を有する。一実施態様において、抗CD9抗体は、様々な癌細胞またはエキソゾームの表面上でのCD9発現に関する診断または予後アッセイで使用でき、例えば、特異的な細胞、組織、または血清中でのその発現を検出することにおいて使用できる。例えば不均一または均一相のいずれかで行われる競合結合アッセイ、直接または間接サンドイッチアッセイ、および免疫沈降アッセイなどの、当業界公知の様々な診断および予後アッセイ技術を使用できる(Zola、Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques、CRCプレス社(CRC Press, Inc.)(1987)、147〜1581頁)。これらのアッセイで使用される抗体は、検出可能な部分で標識してもよい。検出可能な部分は、検出可能なシグナルを直接的または間接的のいずれかで生産することが可能であると予想される。抗体を検出可能な部分にコンジュゲートする当業界公知のあらゆる方法を採用でき、このような方法としては、Hunterら(1962)Nature、144:945;Davidら(1974)Biochemistry、13:1014;Painら(1981)J.Immunol.Meth.、40:219;ならびにNygren,J.Histochem. and Cytochem.、30:407(1982)によって説明された方法が挙げられる。
[0065]「検出すること」は、サンプル中の分析物の存在、非存在、または量を決定することを指し、さらに、サンプル中の、またはサンプル中のセルあたりの分析物の量を定量することを包含する場合もある。
[0066]「診断」は、病的状態の存在または性質を同定することを指す。診断方法は、それらの特異性および感受性の点で異なっている。特定の診断方法では確定的な状態の診断が得られない可能性があるが、その方法が診断に役立つ陽性の指標を提供するのであれば、それで十分有用である。
[0067]「イムノアッセイ」は、サンプルと分析物に特異的に結合する抗体とを接触させること、および抗体と分析物との結合を検出することを含む、サンプル中の分析物を検出する方法を指す。
[0068]「免疫組織化学剤(Immunohistochemical)」(IHCと略記される)は、例えばポリクローナルおよびモノクローナル抗体などの特異的な結合剤を指し、これらは、対象の抗原を認識して、しばしば物質が対象の抗原に結合したことを示す化学物質によって標識する。IHC剤の例は、抗CD9モノクローナル抗体である。
[0069]本発明は、正常および異常なレベルの決定を包含する、細胞中、細胞膜上、ならびに組織および体液中で検出可能なCD9ポリペプチドのレベルを検出するための定量的な診断アッセイと定性的な診断アッセイの両方に関する。宿主から誘導されたサンプル中の例えばCD9などの野生型ポリペプチドのレベルを決定するのに使用できるアッセイ技術は当業者周知である。このようなアッセイ方法としては、これらに限定されないが、ラジオイムノアッセイ、免疫組織化学アッセイ、インサイチュハイブリダイゼーションアッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット分析、およびELISAアッセイなどが挙げられる。これらのなかでも、生体液中に発現された遺伝子のタンパク質を検出するためにはELISAがよく使用される。ELISAアッセイでは、まず、CD9に特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体の調製が行われる。加えて、一般的には、CD9に特異的に結合するレポーター抗体が調製される。レポーター抗体は、例えば放射性、蛍光性または酵素試薬などの検出可能な試薬、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ酵素またはアルカリホスファターゼに取り付けられる。
[0070]上記の試験は、患者の体液(例えば唾液、髄液、精液、間質液、羊水など)および組織抽出物(ホモジネートまたは溶解した組織)から誘導されたサンプル、例えば組織生検および病理解剖で得られた材料から誘導されたサンプルで実行できる。ポリペプチドの測定または転写レベルによって癌に罹患している疑いのある患者からの細胞および組織中で決定されたCD9のレベルを、正常または対照の細胞もしくは組織中のCD9のレベルと比較する。正常で健康な個体(すなわち、対照サンプル)から得られた同じ細胞、組織、または体液中のレベルと比較した、患者で測定されたCD9のレベルの増加は、癌の指標となる。「レベルの増加」とは、患者で測定されたCD9レベルが、同じ正常細胞または組織におけるCD9レベルと比較した場合に増加していることを意味する。CD9レベルの増加の検出は、これらに限定されないが、例えば黒色腫、肝細胞癌、胃癌、結腸癌、前立腺癌、および肺癌などの様々な癌の診断において有用である。
[0071]本発明の一形態は、一群の細胞が癌になる可能性、例えばこれらの細胞または腺が前癌状態になるかまたは癌性の病変に進行する可能性を決定する方法、または原発腫瘍が転移する可能性を決定する方法である。本発明は、例えばCD9タンパク質に特異的に結合する抗体などの物質を利用して、組織および細胞中のCD9のレベルを評価する。細胞および組織中のCD9発現はさらに、例えば選択的な増幅、またはハイブリダイゼーション法などの核酸分析を使用して評価することもできる。正常または対照レベルよりも高いCD9のレベルは、前癌状態の疾患が存在する可能性、すなわち細胞または組織が前癌状態である可能性、および/または原発腫瘍が転移する可能性が高いことの指標となる。
[0072]他の実施態様において、抗CD9抗体は、例えば癌などの疾患を処置する方法において有用である。本発明の方法は、好ましくは、上記で説明したように、前記処置を必要とする対象に、抗体またはそれらのCD9抗原結合フラグメントを提供する工程を包含する。
[0073]抗体または抗体フラグメントを使用して癌細胞を免疫標的化する方法は当業界周知である。例えば米国特許第6,306,393号は、B細胞悪性腫瘍の免疫療法における抗CD22抗体の使用を説明しており、米国特許第6,329,503号は、ヘビ状膜貫通抗原(serpentine transmembrane antigen)を発現する細胞の免疫標的化を説明している。抗体が癌細胞に結合して、細胞および腫瘍の破壊を媒介するか、および/または細胞または腫瘍の増殖を阻害するように、本明細書で説明される抗体(場合により細胞毒性物質または他の物質にコンジュゲートされた、ヒト化もしくはヒトモノクローナル抗体またはフラグメント、またはそれらの他の改変体などを含む)を患者に導入してもよい。
[0074]本開示を限定する意図はないが、このような抗体が治療効果を発揮できるメカニズムは、補体が媒介する細胞崩壊、腫瘍抗原の生理学的な機能を調節する抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)、結合またはシグナル伝達経路を阻害すること、腫瘍細胞の分化を調節すること、腫瘍の血管新生因子プロファイルを変更すること、免疫刺激または腫瘍抑制サイトカインや増殖因子の分泌を調節すること、細胞接着を調節すること、および/またはアポトーシスを誘導することを包含する可能性がある。
[0075]抗体はまた、例えば放射性リガンド、色素、蛍光および/もしくは発光物質、または細胞質の毒素などの毒性物質または治療剤にコンジュゲートされていてもよいし、さらに、毒性物質または治療剤を腫瘍細胞に直接送達するために、治療的に使用されてもよい。さらに、本発明のいくつかの実施態様において、標識された抗体を使用してインビボまたはインビトロで細胞を標識して、CD9タンパク質の発現レベルを決定することもできる。この場合、各標識物質に適用可能な第二の方法により、標識された細胞を直接的または間接的に画像化できる。
[0076]「処置」は、本明細書において、疾患、障害または望ましくない状態の治療的、予防的、待機的、または抑制的な処置を意味する。処置は、疾患の症状が発症する前に、および/または臨床症状、または疾患の他の兆候が出た後に、適切な形態で対象に抗体を投与して、疾患の重症度を低減させる、疾患の進行を止める、または疾患を取り除くことを包含する。疾患の予防は、好ましくはその疾患に罹患する可能性が高い対象において、障害または疾患の症状が発症するまでの時間を長くすること、または発症を遅らせることを包含する。
[0077]治療用調製物は、未改変の抗体を使用してもよいし、または抗体の官能性に応じて例えば毒素または細胞毒性分子などの治療用化合物とコンジュゲートした抗体を使用してもよい。一般的に、未改変の抗体が使用される場合、これらは、典型的には機能的なFc領域を有すると予想される。「機能的なFc領域」は、本明細書において、例えばFc受容体、特にFcγR(例えばFcγRI、FcγRII、およびFcγRIII)への結合などのFcの生物学的機能に影響を及ぼす最小限の配列を意味する。
[0078]理論にとらわれずにいえば、Fc領域は、Fc受容体、免疫エフェクター細胞に結合し、細胞媒介性細胞毒性、エンドサイトーシス、食細胞活動、炎症性サイトカインの放出、補体媒介性細胞毒性、および抗原提示を調節することによって、抗腫瘍モノクローナル抗体の有効性に影響を与える可能性があると考えられる。これに関して、ポリクローナル抗体、またはモノクローナル抗体の混合物は、様々なエピトープに結合することにより、単一のモノクローナル抗体が使用される場合と比較して、細胞表面上のFcがより高密度になることから、有利であると予想される。当然ながら、標的細胞を枯渇させることにおけるそれらの有効性を強化するために、または未改変の抗体が治療上有効ではない場合、毒素または細胞毒性薬にコンジュゲートした抗体を使用してもよい。
[0079]抗体組成物は単独で使用してもよいし、あるいは従来の処置の有効性を高めるために、または抗体によって標的化されていない異常細胞を標的化するために他の治療剤と組み合わせて使用してもよい。本発明の抗体および抗体組成物は、PEG化抗体および/または抗体のプレターゲティングコンストラクトを包含する。化学療法的処置を受けていない患者においては、抗体療法による方法と、化学療法剤、放射線または外科処置レジメンとを組み合わせることが好ましい場合があるが、それに対して、1回またはそれより多くの化学療法を受けた患者には、抗体療法での処置が提示される可能性がある。加えて、抗体療法はまた、特に化学療法剤の毒性に対する耐性が極めて低い患者において、併用される化学療法で使用される投与量を少なくすることもできる。さらに、化学療法剤に対して耐性の腫瘍を有する癌患者を抗体で処置することにより、これらの組み合わせ薬剤に対する感受性と反応性が誘導される可能性がある。
[0080]一形態において、抗体は、治療的な細胞毒性薬と共に補助的に使用され、このような細胞毒性薬としては、例えば、これらに限定されないが、ブスルファン、チオグアニン、イダルビシン、シトシンアラビノシド、6−メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、およびヒドロキシ尿素が挙げられる。抗体療法の補助剤として有用な他の物質は、病気の状態で見出される異常な細胞分子を特異的に標的とする化合物である。これらの物質は、疾患特異的であると予想される。
[0081]治療効果を得るのに必要な本組成物の量は、特定の目的ごとに従来の手法に従って経験的に決定されると予想される。一般的には、本組成物を治療目的でエクスビボまたはインビボで投与する場合、本組成物は、薬理学的に有効な用量で与えられる。「薬理学的に有効な量」または「薬理学的に有効な用量」は、特に、障害または疾患の状態を処置する、または後退させる、例えば障害または疾患の1種またはそれより多くの症状または兆候を低減させる、または除去するために、望ましい結果を達成できる望ましい生理学的効果または量をもたらすのに十分な量である。
[0082]実例として、乳癌に罹った患者への抗体の投与は、元々の疾患が根絶または改善される場合だけでなく、疾患に関連する症状の重症度または継続時間の減少が患者により報告される場合も治療的有用性を提供する。また治療的有用性は、改善が認識されるかどうかに関係なく、元々の疾患または障害の進行の中断または遅延も包含する。
[0083]対象に投与される量は、投与されるもの、例えば予防または療法などの投与目的、宿主の状態、投与方式、投与回数、投与間のインターバルなどに応じて変更されると予想される。これらは当業者により経験的に決定してもよく、治療応答の程度に応じて調節が可能である。適切な用量の決定の際に考慮する要素としては、これらに限定されないが、対象の大きさおよび体重、対象の年齢および性別、症状の重症度、疾患のステージ、物質の送達方法、物質の半減期、ならびに物質の有効性が挙げられる。考慮される疾患のステージは、疾患が急性かまたは慢性か、再発期かまたは寛解期か、および疾患の進行度を包含する。治療有効量の投薬および投与回数の決定は、十分に当業者の能力の範囲内である。
[0084]本発明の開示のいずれの組成物についても、治療上有効な用量は当業界周知の方法により容易に決定される。例えば、初回有効量は、細胞培養から、または他のインビトロのアッセイから推測が可能である。例えば、Sliwkowsky,M Xら(1999)Semin.Oncol.26.suppl.12:60〜70は、インビトロでの抗体依存性細胞毒性の測定を説明している。次いで動物モデルに所定用量を処方して、血中濃度または組織濃度、例えば細胞培養アッセイによって決定されるIC50の濃度などを得ることができる。
[0085]加えて、毒性および治療効果は、一般的には細胞培養アッセイおよび/または実験動物で、典型的にはLD50(試験集団の50%が死に至る用量)およびED50(試験集団の50%において治療上の有効性が認められる量)を決定することによって決定される。毒性と治療有効性との用量比が、治療指数である。個々に、または組み合わせて高い治療指標を示す組成物が好ましい。有効量の決定は十分に当業者の能力の範囲内であり、具体的には本明細書で示された詳細な開示に記載されている。また、例えばFinglおよびWoodbury、General Principles In:The Pharmaceutical Basis of Therapeutics、1〜46頁(1975)、およびそこで引用された文献などの標準的な参考文献でも、指針を見出すことができる。
[0086]初期の寛容を誘導する用量を得るために、ヒトおよび非ヒト霊長類において抗体が免疫原性である可能性について考慮される。例えばキメラまたはヒト化抗体のケースのように、抗体が部分的に、または主としてヒト免疫グロブリン配列で構成されていたとしても、免疫反応は生物学的に有意であり、抗体の治療効果を損なう可能性がある。所定の実施形態では、ある程度の治療用抗体に対する免疫寛容が確立されるように、初期には高用量の抗体が投与される。
[0087]寛容を誘導する用量とは、用いられた前駆細胞特異的抗体の繰り返し投与に対する抗体反応の誘導を予防する、または減少させるのに十分な用量である。
[0088]寛容を誘導する用量の好ましい範囲は、10mg/kg体重〜50mg/kg体重である。寛容を誘導する用量のより好ましい範囲は、20〜40mg/kgである。寛容を誘導する用量のさらにより好ましい範囲は、20〜25mg/kgである。
[0089]これらの治療レジメンの範囲内で、抗体の治療上有効な用量は、好ましくは0.1〜10mg/kg体重の範囲で投与される。第二のより好ましい治療上有効な用量は、0.2〜5mg/kg体重の範囲である。さらにより好ましい治療上有効な用量は、0.5〜2mg/kgの範囲である。代替の実施態様では、それに続く治療的な単回用量または複数回の用量は、寛容を誘導する用量と同一の調合物に含まれていてもよいし、または異なる調合物に含まれていてもよく、および/または寛容を誘導する用量と同一の経路で投与されてもよいし、または異なる経路で投与されてもよい。
[0090]本発明の目的にとって、投与方法は、処置される状態、対象の抗体の形態、および医薬組成物に応じて選ばれる。
[0091]抗体組成物の投与は、これらに限定されないが、連続的、皮下、静脈内、経口、局所、経皮、腹膜内、筋肉内、および膀胱内などの様々な方式で行うことができる。例えば、経口、筋肉内、または皮下投与には、微粒子、マイクロスフェア、およびマイクロカプセル化製剤が有用である。加えて、静脈内投与には、リポソームおよびナノ粒子が好適である。医薬組成物の投与は、単一の経路を介してなされてもよいし、または数種の経路によって共になされてもよい。例えば、腹膜内投与は、静脈注射を伴ってなされる可能性がある。好ましくは、治療的な用量は、静脈内、腹腔内、筋肉内、または皮下に投与される。
[0092]本組成物は、1回で投与してもよいし、または複数回で投与してもよい。いくつかの実施態様において、本組成物は、なかでも処置される徴候と担当医師による判断に応じて、1日1回、1日2〜3回もしくは複数回、または1日あたりそれより多くの回数で投与してもよい。
[0093]また本組成物の投与は、当業者周知の持続放出または長期送達方法を介しても達成できる。「持続放出」または「長期放出」は、本明細書で使用される場合、1日より長い期間、好ましくは1週間より長い期間、および最も好ましくは少なくとも約30日から60日、またはそれより長い期間にわたり送達系が対象化合物の薬学的に治療効果のある量を付与することを意味する。長期放出系は、例えば上記で説明した生分解性ポリマーなどの、抗体を含有する埋め込み型の固体またはゲル;例えば蠕動ポンプおよびフルオロカーボン推進ポンプ(fluorocarbon propellant pump)などのポンプ;浸透圧ポンプおよび小型浸透圧ポンプ;などを含んでいてもよい。
[0094]本発明の方法は、単一のモノクローナル抗体、およびこれらの抗体によって認識される特定の抗原を認識するあらゆる抗体、加えて様々なモノクローナル抗体の組み合わせを投与することを想定している。2種またはそれより多くのモノクローナル抗体は、単一の抗体と比較して改良された作用をもたらす可能性がある。あるいは、抗体と、異なる抗原に結合する抗体との組み合わせは、単一の抗体と比較して改良された作用をもたらす可能性がある。加えて、新生細胞または病変の差次的な標識付けを改善するために、抗体と組み合わせて造影剤を投与してもよい。このようなモノクローナル抗体のカクテルは、異なるエフェクターメカニズムを利用するモノクローナル抗体を含有しているか、または細胞毒性モノクローナル抗体と免疫エフェクターの官能性に依存するモノクローナル抗体とを直接組み合わせていることから、このようなカクテルは所定の利点を有する可能性がある。このようなモノクローナル抗体の組み合わせは、相乗的な治療効果を示す可能性がある。
[0095]また本発明のいくつかの実施態様は、組織ならびに/または細胞の成分を単離する、収集する、および/もしくは別の方法で精製するのに使用できる。いくつかの実施態様は、細胞および/または副産物、成分、例えば細胞(例えばエキソゾーム)、および/または細胞の他の部分から放出された成分などを単離する方法を提供する。一実施態様において、抗CD9抗体は、細胞および/または細胞の成分の単離に使用できる。例えば、上記で説明したように、CD9は、2つの細胞外ドメイン、EC1およびEC2を有する膜貫通タンパク質である。いくつかの形態において、抗CD9抗体は、EC1およびEC2の一方または両方に特異的に結合できる。そのようなものとして、本発明のモノクローナル抗体を使用して、細胞膜中に固定されたCD9に結合させ、これらの細胞および/または細胞の成分を選択できる。
[0096]本発明のモノクローナル抗体は、エキソゾームまたはCD9を発現する可能性があるあらゆる細胞を単離および/または精製するのに使用できる。例えば、本発明の実施態様は、エキソゾームを単離および/または精製する方法を提供する。これまでに述べたように、エキソゾームは、膜に固定された野生型CD9を含むことが多い。したがって、抗CD9モノクローナル抗体をエキソゾームを含む混合物に添加して、そのままエキソゾームの膜に固定されたCD9に結合させて、単離/精製のために選択されてもよい。いくつかの形態において、抗CD9抗体は、単離/精製方法に適するように改変されてもよい。例えば、抗CD9抗体は、抗体が「ビオチン化」されるように1つまたはそれより多くのビオチン部分を含んでいてもよい。エキソゾームの膜に固定されたCD9に結合した後、抗CD9抗体上のビオチン部分を引き付けると予想されるストレプトアビジン試薬(例えばストレプトアビジンのカラムまたはフィルター)の上および/またはその中を、ビオチン化抗体−エキソゾーム産物を通過させてもよい。その後、ビオチンとストレプトアビジンとを分離して、比較的または完全に純粋なエキソゾーム集団を生産してもよい。他の実施態様において、他のあらゆる当業界公知の単離メカニズムが、抗CD9モノクローナル抗体と共に使用できる。例えば、抗CD9抗体にカップリングされた磁気ビーズは、エキソゾームを単離するための磁場と共に使用してもよい。他の形態において、抗CD9抗体を標識(例えば蛍光標識)して、およびフローサイトメトリーおよび/または蛍光活性化細胞分類法を使用して標識されたエキソゾームを単離してもよい。
抗体キット
[0097]本発明のアッセイを実行するのに必要な試薬を含有する抗体キットが提供される。本キットは、1つまたはそれより多くの区画を包含していてもよく、これらの区画はそれぞれ、例えば:(a)上記で説明した本発明の構成要素のうち1つを含む第一の容器;および(b)以下に示すもの、すなわち:洗浄試薬、検出または競合アッセイのための対照としての抗体またはペプチドおよび/または組換えCD9タンパク質もしくはそれらのフラグメントの存在の検出が可能な試薬のうち1種またはそれより多くを含む1つまたはそれより多くの他の容器などの1つまたはそれより多くの容器を収容する。例えば、いくつかの実施態様において、本キットは、エキソゾーム精製キットまたは細胞単離キットとして設計されてもよい。
[0097]本発明のアッセイを実行するのに必要な試薬を含有する抗体キットが提供される。本キットは、1つまたはそれより多くの区画を包含していてもよく、これらの区画はそれぞれ、例えば:(a)上記で説明した本発明の構成要素のうち1つを含む第一の容器;および(b)以下に示すもの、すなわち:洗浄試薬、検出または競合アッセイのための対照としての抗体またはペプチドおよび/または組換えCD9タンパク質もしくはそれらのフラグメントの存在の検出が可能な試薬のうち1種またはそれより多くを含む1つまたはそれより多くの他の容器などの1つまたはそれより多くの容器を収容する。例えば、いくつかの実施態様において、本キットは、エキソゾーム精製キットまたは細胞単離キットとして設計されてもよい。
[0098]このような容器は、サンプルと試薬が二次汚染を起こさないように試薬を1つの区画から他の区画に効率的に移すことが可能であり、さらに、それぞれの容器の物質または溶液は、1つの区画から他の区画に定量的な様式で添加できる。
[0099]本キットは典型的には容器を含有し、このような容器は、例えばガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されていてもよく、さらに例えば、ボトル、バイアル、注射器、および試験管などであってもよい。本キットには典型的にはラベルが添付されており、このようなラベルには、何らかの書込みまたは記録済みのデータが含まれており、このようなデータは、本キットの内容物を利用するための指示または他の情報を提供する、電子的にまたはコンピューターにより読取り可能な形態(例えばディスク、光ディスク、またはテープ)であってもよい。ラベルには、この調合物が選択された障害を診断または処置するために使用されることを示すか、またはエキソゾーム精製方法に関する説明が表示される。
[00100]当業者であれば容易に理解できるものと予想されるが、開示された本発明の抗体は、当業界周知の確立されたキットの様式の1つに容易に取り入れることができる。
[00101]本明細書で引用された全ての特許および参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
[00102]以下の実施例は単に例示的な目的で示されたにすぎず、発明の範囲を限定することはまったく意図していない。
[00103]ヒトCD9タンパク質に結合するマウスモノクローナル抗体を分泌する複数のマウスハイブリドーマクローンを作製した。本明細書でより詳細に説明されているように、これらの抗体は、ヒトCD9をその野生型の形態で、またはそれらのフラグメントを認識する(例えば、特異的に結合する)。
[00104]実施例で言及された市販の試薬は、特に他の指定がない限り製造元の説明書に従って使用された。以下の実施例は単に例示的な目的で示されたにすぎず、発明の範囲を限定することはまったく意図していない。
[00105]実施例1
[00106]一般的なハイブリドーマ生産およびスクリーニングプロトコール
[00107]実験室での一般的なハイブリドーマ生産のため、加えてハイブリドーマのスクリーニングおよびサブクローニングのために、以下のプロトコールを使用した。
[00106]一般的なハイブリドーマ生産およびスクリーニングプロトコール
[00107]実験室での一般的なハイブリドーマ生産のため、加えてハイブリドーマのスクリーニングおよびサブクローニングのために、以下のプロトコールを使用した。
一般的なハイブリドーマ融合プロトコール
[00108]融合調製物:
[00109]融合の3〜4日前
[00110]1)10%のC−DMEM中に5×105細胞/ml(50ml)で骨髄腫細胞、P3×653(P3細胞)を含む2つのT−75または1つのT−225フラスコをセットアップした。融合の前日に新鮮な培地を添加した。加えて、この期間中に、融合に望ましいリンパ球を生産させるために使用した動物の静脈内にブースター注射を行った。さらに、動物からの組織の回収で使用されるあらゆる器具をオートクレーブした。
[00108]融合調製物:
[00109]融合の3〜4日前
[00110]1)10%のC−DMEM中に5×105細胞/ml(50ml)で骨髄腫細胞、P3×653(P3細胞)を含む2つのT−75または1つのT−225フラスコをセットアップした。融合の前日に新鮮な培地を添加した。加えて、この期間中に、融合に望ましいリンパ球を生産させるために使用した動物の静脈内にブースター注射を行った。さらに、動物からの組織の回収で使用されるあらゆる器具をオートクレーブした。
[00111]融合の日
[00112]融合の日に、以下に示すような融合用培地を調製した:DMEM(LTI)128ml、HAT(50×;シグマ(Sigma))4ml、OPI(100×;シグマ)2ml、HEPES(1M;シグマ)2ml、グルタマックスI(Glutamax I)(100×;LTI)2ml、NCTC(シグマ)20ml、FBS(LTI)40ml、ペニシリン/ストレプトマイシン(LTI)2ml、ニュートリドーマ(Nutridoma)(BM)2.0ml。加えて、0.5mlの1MのHEPESを含む50mlのSF−DMEM(DMEM/HEPES)を調製した。その後、コニカルチューブに9.5mlのDMEM/HEPESと0.5mlDMSOとを添加した(DMEM/HEPES/DMSO)。
[00112]融合の日に、以下に示すような融合用培地を調製した:DMEM(LTI)128ml、HAT(50×;シグマ(Sigma))4ml、OPI(100×;シグマ)2ml、HEPES(1M;シグマ)2ml、グルタマックスI(Glutamax I)(100×;LTI)2ml、NCTC(シグマ)20ml、FBS(LTI)40ml、ペニシリン/ストレプトマイシン(LTI)2ml、ニュートリドーマ(Nutridoma)(BM)2.0ml。加えて、0.5mlの1MのHEPESを含む50mlのSF−DMEM(DMEM/HEPES)を調製した。その後、コニカルチューブに9.5mlのDMEM/HEPESと0.5mlDMSOとを添加した(DMEM/HEPES/DMSO)。
[00113]上述の培地を調製した後、以下のもの:200mlの融合用培地(FX培地)、40mlのDMEM/HEPES、10mlのDMEM/HEPES/DMSO、および1mlのポリエチレングリコール/DMSO混合物(PEG/DMSO)のアリコートを37℃の水浴中に入れた。加えて、8つの平底96ウェルプレートに、融合番号、プレート番号、および日付を記入した(例えばFX03.58/31/07)。さらに50×HATを10mLのSF−DMEMに懸濁し、100×OPIを10mLの滅菌水中に懸濁した。
[00114]融合
[00115]図2は、融合過程で採用できる工程を例示する。まず、(以下でより詳細に説明される通りに)抗原で予め免疫化したマウスを処分し、脾臓を摘出した。100mmの細胞培養中で10mlのDMEM/HEPES中に各脾臓を入れた。加えて、P3細胞を回収し、5〜20×107個の細胞が融合に使用されるように計数した。
[00115]図2は、融合過程で採用できる工程を例示する。まず、(以下でより詳細に説明される通りに)抗原で予め免疫化したマウスを処分し、脾臓を摘出した。100mmの細胞培養中で10mlのDMEM/HEPES中に各脾臓を入れた。加えて、P3細胞を回収し、5〜20×107個の細胞が融合に使用されるように計数した。
[00116]細胞培養皿に脾臓を入れたら、脾臓を薄く削いで脾細胞を取り出し、得られた脾細胞懸濁液を15mlのコニカルチューブに入れて、大きい死細胞片をそのまま2〜3分間沈降させた。この段階で、計数されたP3細胞を50mlのコニカルチューブに移した。さらに、15mlのコニカルチューブから大きい死細胞片を残して脾細胞懸濁液を取り出し、新しい15mlのコニカルチューブに移した。脾細胞懸濁液とP3細胞をそれぞれ遠心分離によりペレット化した。
[00117]その後、脾細胞(すなわち脾細胞)を10mlの温かいDMEM/HEPESで穏やかに混合しながら洗浄し、ペレット化した脾細胞を懸濁させるのに使用したピペットに血栓を付着させた。P3細胞も10mlのDMEM/HEPES中で洗浄した。P3細胞と脾細胞を再度ペレット化し、それぞれ5mlの温かいDMEM/HEPESに別々に懸濁し、14mlの丸底チューブ(ファルコン(Falcon)(登録商標)2059)中で一緒に混合した。混合した細胞懸濁液をペレット化し、得られた上清を吸引により除去した。得られた混合した細胞ペレットを穏やかに破壊し、37℃で1〜2分インキュベートした。
[00118]脾細胞とP3細胞との融合を誘導するために、1mlの50%のPEG/DMSO(シグマ)を、一定して撹拌して軽く叩くことにより45〜60秒かけて添加した。次いで細胞懸濁液を37℃で45秒かき混ぜた。このインキュベートの後、PEGと同じ方式で(すなわち、37℃で撹拌し、軽く叩き、かき混ぜることにより)2mlの温かいDMEM/HEPES/5%のDMSOを2分かけて添加することによってPEGを希釈した。この添加の後、8mlのDMEM/HEPES/DMSOを2分かけて添加することによってこの混合物をさらに希釈し、融合した細胞を37℃で15分インキュベートした。インキュベート後、融合した細胞をペレット化し、新たにニュートリドーマを添加した融合用培地160mlに懸濁した。得られた混合物を200μl/ウェルで平板培養し、プラスチック容器中で37℃でインキュベートした。
[00119]融合した細胞のスクリーニング
[00120]一次スクリーニング
[00121]まず、コーティング緩衝液(50mMのトリス−Cl、pH9.5)中のおよそ0.5μg/mlの対象のタンパク質 (例えばグルタチオンにコンジュゲートされた配列番号2の野生型CD9CD9ポリペプチド)を1ウェルあたり25μlで、2つの384ウェルプレートをコーティングした。これらの2つの384ウェルプレートを4℃で一晩インキュベートした。
[00120]一次スクリーニング
[00121]まず、コーティング緩衝液(50mMのトリス−Cl、pH9.5)中のおよそ0.5μg/mlの対象のタンパク質 (例えばグルタチオンにコンジュゲートされた配列番号2の野生型CD9CD9ポリペプチド)を1ウェルあたり25μlで、2つの384ウェルプレートをコーティングした。これらの2つの384ウェルプレートを4℃で一晩インキュベートした。
[00122]スクリーニングの日に、対象のタンパク質を含むコーティングを除去し、1ウェルあたり50μlのブロッキング緩衝液(1%のBSA)を添加し、プレートを37℃で30分インキュベートした。その後、融合プレートの各ウェルからの25μlを添加し、室温(RT)で1時間インキュベートした。次いでウェルを50μl/ウェルのPBS−トゥイーン(PBS−T)で3回洗浄した。洗浄工程後、PBS−T中の1μg/mlのホースラディッシュペルオキシダーゼにコンジュゲートしたGAM(ヤギ由来抗マウス抗体)Fc(25μl)を各ウェルに添加し、RTで1時間インキュベートした。次いで各ウェルを50μl/ウェルのPBS−Tで3回洗浄した。洗浄工程後、0.1%の過酸化水素を含むOPD基質(ピアース(Pierce))25μlを各ウェルに添加し、RTで15分間インキュベートした。インキュベート後、25μlのSTOP緩衝液(2M硫酸)を各ウェルに添加し、各ウェルの吸光度を495nMで得た。その後、384ウェルのスプレッドシートを使用して得られたデータを分析し、どのハイブリドーマが対象のタンパク質に結合する抗体を生産したかを決定した。
[00123]実施例2
[00124]実験方法
[00125]CD9に対するモノクローナル抗体の生産
[00126]モノクローナル抗体(mAb)を、以下の改変を施した以外はこれまでに述べられたようにして生成した(Azorsaら(1999)J Immunol Methods 229:35〜48):雌Balb/cマウス(6〜8週齢)に、PBS中の3〜500万個の洗浄した生きたLoVo結腸直腸癌細胞(ATCC CCL−229)を、2週間のインターバルで3回腹膜内注射し、それに続いてPBS中の3〜500万個の洗浄した生きたLoVo結腸直腸癌細胞を連続3日注射した。LoVo細胞は、高レベルのCD9を発現することがわかっている。脾細胞を単離して、上記で説明したようにPEG:DMSO(50:5、%v、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich))を使用して骨髄腫細胞株P3×653に融合させた。20%のFBS(インビトロジェン(Invitrogen))、2mMのグルタマックスI(インビトロジェン)、25mMのHepes、1×HAT(シグマ−アルドリッチ)、ペニシリン/ストレプトマイシン、および0.5×ニュートリドーマ−CS(ロシュ(Roche)、ニュージャージー州ブランチバーグ)が補充されたDMEM:NCTC−109(90:10、%v、インビトロジェン、カリフォルニア州カールスバッド)培地中の96ウェルプレートに、融合した細胞を植え付けた。ハイブリドーマコロニーをELISAでスクリーニングし、これを限界希釈で2回サブクローニングした。Z9.1およびZ9.2と名付けられた抗CD9mAbを含有する2つのハイブリドーマクローンからの組織培養上清を収集して、0.02%アジ化ナトリウムを用いて4℃で保存した。
[00124]実験方法
[00125]CD9に対するモノクローナル抗体の生産
[00126]モノクローナル抗体(mAb)を、以下の改変を施した以外はこれまでに述べられたようにして生成した(Azorsaら(1999)J Immunol Methods 229:35〜48):雌Balb/cマウス(6〜8週齢)に、PBS中の3〜500万個の洗浄した生きたLoVo結腸直腸癌細胞(ATCC CCL−229)を、2週間のインターバルで3回腹膜内注射し、それに続いてPBS中の3〜500万個の洗浄した生きたLoVo結腸直腸癌細胞を連続3日注射した。LoVo細胞は、高レベルのCD9を発現することがわかっている。脾細胞を単離して、上記で説明したようにPEG:DMSO(50:5、%v、シグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich))を使用して骨髄腫細胞株P3×653に融合させた。20%のFBS(インビトロジェン(Invitrogen))、2mMのグルタマックスI(インビトロジェン)、25mMのHepes、1×HAT(シグマ−アルドリッチ)、ペニシリン/ストレプトマイシン、および0.5×ニュートリドーマ−CS(ロシュ(Roche)、ニュージャージー州ブランチバーグ)が補充されたDMEM:NCTC−109(90:10、%v、インビトロジェン、カリフォルニア州カールスバッド)培地中の96ウェルプレートに、融合した細胞を植え付けた。ハイブリドーマコロニーをELISAでスクリーニングし、これを限界希釈で2回サブクローニングした。Z9.1およびZ9.2と名付けられた抗CD9mAbを含有する2つのハイブリドーマクローンからの組織培養上清を収集して、0.02%アジ化ナトリウムを用いて4℃で保存した。
[00127]上記および下記で説明したヒトCD9タンパク質に特異的に結合するモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマを、ブダペスト条約に基づきアメリカン・タイプ・ティシュー・カルチャー・コレクション(American Type Tissue Culture Collection)(ATCC;10801 University Blvd、バージニア州マナサス20110-2209)特許寄託機関にオリジナルの寄託物として寄託し、これには以下のATCC受入番号が付与された:クローンZ9.1(ATCC特許寄託番号PTA−121025、2014年2月26日に寄託)およびクローンZ9.2(ATCC特許寄託番号PTA−121024、2014年2月26日に寄託)。
[00128]ハイブリドーマの限界希釈
[00129]インキュベート後、研究者は、スクリーニングされた細胞が確実に単一起源のクローンになるようにスクリーニング前に2回の限界希釈を行った。以下の手法を2回繰り返し、そのうち第一の限界希釈は20−HT培地を使用し、第二の限界希釈は20−HY培地を使用した。
[00129]インキュベート後、研究者は、スクリーニングされた細胞が確実に単一起源のクローンになるようにスクリーニング前に2回の限界希釈を行った。以下の手法を2回繰り返し、そのうち第一の限界希釈は20−HT培地を使用し、第二の限界希釈は20−HY培地を使用した。
[00130]まず、平底の96ウェル組織培養プレートの各ウェルに100μlの培地を添加した。その後、融合した細胞(すなわちハイブリドーマ)からの培養物100μlをA1ウェルに添加し、混合した。混合後、ウェルA1から100μlをウェルB1に移し、混合した。これと同じ手法を細胞培養プレートの第一のカラムでウェルH1まで繰り返した(すなわち、96ウェルプレートの第一のカラムで一連の2倍希釈を行った)。この最初の希釈の後、第一のカラム(A1〜H1)中で各ウェルに100μlの培地を添加し、確実に各ウェルに200μlの培地が含まれるようにした。その後、8チャンネルピペットを使用して、プレートの第一のカラム(ウェルA1〜H1)からの100μlの培地および細胞をプレートの第二のカラム(ウェルA2〜H2)に移した。これと同じ手法をプレートの12番目のカラム(ウェルA12〜H12)まで連続的に繰り返して、かなりの希釈液を得た。次いで、スクリーニングの前にプレートを37℃で7〜10インキュベートした。
[00131]抗CD9モノクローナル抗体の特異性
[00132]モノクローナル抗体を、Azorsaら(1999)J Immunol Methods 229:35〜48でこれまでに述べられたようにしてスクリーニングした。簡単に言えば、CD9(配列番号2)からの細胞外ドメイン2(EC2)を発現する組換えグルタチオン(GST)コンストラクトを使用して、抗CD9モノクローナル抗体(親クローンおよび限界希釈により得られた関連するサブクローンを包含する、クローンZ9.1およびZ9.2)の結合特異性を評価した。GST−CD9−EC2組換えタンパク質および対照を96ウェルのELISAプレートで平板培養し、分泌されたZ9.1およびZ9.2モノクローナル抗体(抗CD9)を含有するZ9.1およびZ9.2ハイブリドーマ細胞およびサブクローンからの上清で別々に処置した。上清をそのまま室温で1時間インキュベートした。ELISAプレートのウェルをPBS−トゥイーンで3回洗浄した。洗浄後、二次抗体(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson Immunoresearch)からの、5μg/mlのホースラディッシュ−ペルオキシダーゼにコンジュゲートしたヤギ抗マウスFc)を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。プレートのウェルを再度PBS−トゥイーンで3回洗浄した。洗浄後、50μlの基質(ピアースからのOPD)を5〜10分かけて添加した。25μlの2MのH2SO4の添加によって反応を止めた。各ウェル中の得られた溶液の吸光度を490nmで読み取った。
[00132]モノクローナル抗体を、Azorsaら(1999)J Immunol Methods 229:35〜48でこれまでに述べられたようにしてスクリーニングした。簡単に言えば、CD9(配列番号2)からの細胞外ドメイン2(EC2)を発現する組換えグルタチオン(GST)コンストラクトを使用して、抗CD9モノクローナル抗体(親クローンおよび限界希釈により得られた関連するサブクローンを包含する、クローンZ9.1およびZ9.2)の結合特異性を評価した。GST−CD9−EC2組換えタンパク質および対照を96ウェルのELISAプレートで平板培養し、分泌されたZ9.1およびZ9.2モノクローナル抗体(抗CD9)を含有するZ9.1およびZ9.2ハイブリドーマ細胞およびサブクローンからの上清で別々に処置した。上清をそのまま室温で1時間インキュベートした。ELISAプレートのウェルをPBS−トゥイーンで3回洗浄した。洗浄後、二次抗体(ジャクソン・イムノリサーチ(Jackson Immunoresearch)からの、5μg/mlのホースラディッシュ−ペルオキシダーゼにコンジュゲートしたヤギ抗マウスFc)を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。プレートのウェルを再度PBS−トゥイーンで3回洗浄した。洗浄後、50μlの基質(ピアースからのOPD)を5〜10分かけて添加した。25μlの2MのH2SO4の添加によって反応を止めた。各ウェル中の得られた溶液の吸光度を490nmで読み取った。
[00133]ウェスタンブロット分析
[00134]子宮頚癌細胞株HeLaは、CD9を発現することが知られている。HeLa細胞を十分な密集度になるまで増殖させ、回収し、従来の溶解緩衝液を使用して溶解させた。得られた溶解産物を非還元アクリルアミドゲルで泳動した。溶解産物を探索するために、抗CD9抗体(Z9.1)を含有するハイブリドーマ上清を1:10に希釈して使用した。当業界公知の技術を使用してウェスタンブロットを行った。
[00134]子宮頚癌細胞株HeLaは、CD9を発現することが知られている。HeLa細胞を十分な密集度になるまで増殖させ、回収し、従来の溶解緩衝液を使用して溶解させた。得られた溶解産物を非還元アクリルアミドゲルで泳動した。溶解産物を探索するために、抗CD9抗体(Z9.1)を含有するハイブリドーマ上清を1:10に希釈して使用した。当業界公知の技術を使用してウェスタンブロットを行った。
[00135]実施例3
[00136]モノクローナル抗CD9抗体のスクリーニング
[00137]まず、抗CD9モノクローナル抗体を生産する選択されたハイブリドーマクローンおよび関連するサブクローンの特異性を評価するために実験を行った。特に、これらのクローンはCD9を発現するLoVo結腸直腸細胞を使用して開発されたため、確認実験を行って、CD9のEC2ドメイン(すなわち、配列番号2)に対する特異性があることを確認した。図3で例示したように、親ハイブリドーマ細胞(親Z9.1および親Z9.2と名付けられた)の上清に含有されていた抗体は、配列番号2に結合することを示した。加えて、Z9.1の一部のサブクローン(59.6F10から始まる条件)およびZ9.2の一部のサブクローン(59.6E11から始まる条件)はいずれも、CD9のEC2ドメインへの結合が成功したことを示した。特に、クローン59.6F10.A4および59.6E11.E8は、陽性対照モノクローナル抗体(ALMA1)と同じかまたはそれよりも高い程度のCD9のEC2ドメインへの結合を示した。これらの2つのクローンをさらにサブクローニングして、Z9.1およびZ9.2ハイブリドーマサブクローンを得た。したがって、このデータから、Z9.1およびZ9.2モノクローナル抗体は、CD9のEC2ドメインに結合する(配列番号2)ことが示された。
[00136]モノクローナル抗CD9抗体のスクリーニング
[00137]まず、抗CD9モノクローナル抗体を生産する選択されたハイブリドーマクローンおよび関連するサブクローンの特異性を評価するために実験を行った。特に、これらのクローンはCD9を発現するLoVo結腸直腸細胞を使用して開発されたため、確認実験を行って、CD9のEC2ドメイン(すなわち、配列番号2)に対する特異性があることを確認した。図3で例示したように、親ハイブリドーマ細胞(親Z9.1および親Z9.2と名付けられた)の上清に含有されていた抗体は、配列番号2に結合することを示した。加えて、Z9.1の一部のサブクローン(59.6F10から始まる条件)およびZ9.2の一部のサブクローン(59.6E11から始まる条件)はいずれも、CD9のEC2ドメインへの結合が成功したことを示した。特に、クローン59.6F10.A4および59.6E11.E8は、陽性対照モノクローナル抗体(ALMA1)と同じかまたはそれよりも高い程度のCD9のEC2ドメインへの結合を示した。これらの2つのクローンをさらにサブクローニングして、Z9.1およびZ9.2ハイブリドーマサブクローンを得た。したがって、このデータから、Z9.1およびZ9.2モノクローナル抗体は、CD9のEC2ドメインに結合する(配列番号2)ことが示された。
[00138]次に、HeLa細胞株を使用して抗CD9モノクローナル抗体の結合特異性のデータをさらに確認した。この細胞株は不死化ヒト子宮頚癌細胞株であり、その表面上でCD9を発現することが知られている。そのようなものとして、溶解産物をZ9.1ハイブリドーマクローンからの上清で探索して、このモノクローナル抗体の結合特異性を決定した。図4を参照すると、非還元ポリアクリルアミドゲルで泳動し、Z9.1モノクローナル抗体で探索したHeLa細胞の溶解産物から、この抗CD9抗体は、野生型CD9CD9ポリペプチドに対して特異性を有することが示された。これらの結果から、野生型CD9ヒトCD9ポリペプチド/タンパク質へのモノクローナル抗体の特異的な結合が実証された。
[00139]本明細書に記載された本発明の様々な実施態様に好適な改変を施すことができることが予想されるが、これらも本発明の範囲内に含まれるものとする。それゆえに本発明は、以下の特許請求の範囲によってのみ解釈されるものとする。
Claims (19)
- Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、およびZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024からなる群より選択されるハイブリドーマ細胞株によって生産されたモノクローナル抗体と同じエピトープ特異性を有するモノクローナル抗体。
- 前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列に特異的に結合する、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が、IgG1、カッパ鎖アイソタイプである、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が標識されている、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される1種またはそれより多くの標識で標識されている、請求項4に記載のモノクローナル抗体。
- 前記モノクローナル抗体が、配列番号2のアミノ酸配列に特異的に結合する、請求項1に記載のモノクローナル抗体。
- Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、およびZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024からなる群より選択される、単離されたハイブリドーマ細胞株によって生産されたモノクローナル抗体。
- 前記モノクローナル抗体が、配列番号1のアミノ酸配列に特異的に結合する、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が、IgG1、カッパ鎖アイソタイプである、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が標識されている、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
- 前記抗体が、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される1種またはそれより多くの標識で標識されている、請求項10に記載のモノクローナル抗体。
- 前記モノクローナル抗体が、配列番号2のアミノ酸配列に特異的に結合する、請求項7に記載のモノクローナル抗体。
- モノクローナル抗体の作製方法であって、該方法は、Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、およびZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024からなる群より選択されるハイブリドーマ細胞株を提供すること(ここで該ハイブリドーマ細胞株は、ヒト野生型CD9CD9タンパク質に特異的なモノクローナル抗体を生産する)、およびモノクローナル抗体の生産が可能な条件下で選択されたハイブリドーマ細胞株を培養することを含む、上記方法。
- 前記モノクローナル抗体に標識をカップリングすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
- 前記標識が、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される、請求項14に記載の方法。
- 前記モノクローナル抗体が、配列番号2のアミノ酸配列に特異的に結合する、請求項13に記載の方法。
- Z9.1、ATCC受入番号PTA−121025、およびZ9.2、ATCC受入番号PTA−121024からなる群より選択されるハイブリドーマ細胞株によって生産されたモノクローナル抗体を含有する少なくとも1つの容器を含む、エキソゾーム精製キット。
- 前記モノクローナル抗体が、標識されている、請求項17に記載のエキソゾーム精製キット。
- 前記抗体が、ビオチン標識、蛍光標識、酵素標識、補酵素標識、化学発光標識、および放射性同位体標識からなる群より選択される1種またはそれより多くの標識で標識されている、請求項18に記載のエキソゾーム精製キット。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/US2014/030797 WO2014145940A2 (en) | 2013-03-15 | 2014-03-17 | Hybridoma clones and monoclonal antibodies to cd9 |
WOPCT/US2014/030797 | 2014-03-17 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014227535A Pending JP2016005449A (ja) | 2014-03-17 | 2014-11-07 | Cd9に対するハイブリドーマクローンおよびモノクローナル抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016005449A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017201289A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-09 | 国立大学法人浜松医科大学 | 電子顕微鏡によるナノ粒子の直接的な同定・定量のための検出キットおよび方法 |
-
2014
- 2014-11-07 JP JP2014227535A patent/JP2016005449A/ja active Pending
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JP2017201289A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-09 | 国立大学法人浜松医科大学 | 電子顕微鏡によるナノ粒子の直接的な同定・定量のための検出キットおよび方法 |
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