JP2016003895A - 軸力測定器具 - Google Patents
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Description
第2発明の軸力測定器具は、第1発明において、前記本体部が、軸方向を貫通する貫通孔を有する部材であり、前記本体部における軸方向の端面には、前記貫通孔を囲むように、接触突起が形成されていることを特徴とする。
第3発明の軸力測定器具は、第2発明において、前記接触突起は、前記貫通孔の中心軸と同軸な円環状に形成されていることを特徴とする。
第4発明の軸力測定器具は、第2発明において、前記接触突起が複数設けられており、該複数の接触突起は、前記貫通孔の中心軸から等距離かつ前記貫通孔の周方向において等角度間隔となるように形成されていることを特徴とする。
第5発明の軸力測定器具は、第2、第3または第4発明において、前記FBG光ファイバーは、前記本体部の軸方向における一方の端面から他方の端面に向かって延びた収容孔内に配置されており、前記本体部の収容孔は、該本体部の貫通孔の中心軸を中心軸とし、半径が前記本体部の貫通孔の中心軸から前記接触突起までの距離と同等である円筒状面と交差するように形成されていることを特徴とする。
第6発明の軸力測定器具は、第5発明において、前記本体部の収容孔が、前記本体部の貫通孔の内面に形成された溝であることを特徴とする。
第7発明の軸力測定器具は、第5または第6発明において、前記本体部の収容孔は、その軸方向が前記本体部の軸方向に対して傾斜するように設けられていることを特徴とする。
第8発明の軸力測定器具は、第5、第6または第7発明において、前記本体部は、その軸方向の端面に、前記FBG光ファイバーを保持する保持部を備えていることを特徴とする。
第2〜第4発明によれば、貫通孔に部材の軸状部を挿通しておけば、部材の軸状部の軸方向から本体部に力が加わったときに、本体部にもその軸方向から力が加わる状態とすることができる。しかも、貫通孔を囲むように接触突起が設けられているので、本体部内部の応力分布と部材の軸状部に加わる軸力との関係を安定させることができる。したがって、部材の軸状部に加わる軸力をより精度よく測定することができる。
第5発明によれば、円筒状面の位置では本体部に加わる応力が集中するので、本体部に対して軸方向から加わる応力を精度よく測定することができる。
第6発明によれば、本体部の加工とFBG部の設置を容易にすることができる。
第7、第8発明によれば、本体部の収容孔内のFBG部と本体部外の部分との境界部分においてFBG光ファイバーに加わる力を小さくすることができる。すると、FBG光ファイバーが境界部分で損傷することを防止することができる。
本発明の軸力測定器具は、ボルト等の軸状部を有する部材の軸状部に加わる軸力を測定するための測定器具であって、部材を加工することなく、軸状部に加わる軸力を直接測定できるようにしたことに特徴を有している。
図1〜図2に示すように、本実施形態の軸力測定器具1は、本体部2と、この本体部2に設けられたディテクタ10とから構成されている。そして、本実施形態の軸力測定器具1は、本体部2に対して軸方向(厚さ方向)から力が加わったときに、その力を本体部2のひずみとしてディテクタ10が測定できるようになっている。
図2に示すように、ディテクタ10は、FBG部15を有するFBG光ファイバー11から構成されている。このFBG光ファイバー11は、コアにファイバブラッググレーティングが形成された部分(FBG部15)を有する光ファイバーである。
図1〜図2および図4に示すように、本体部2は、中央部に貫通孔2hを有する環状(言い換えればドーナッツ状)の部材である。この本体部2は、例えば、鉄やステンレスなどの金属等の弾性体によって形成されている。つまり、貫通孔2hの軸方向から圧縮するように力が加わると、その力に比例したひずみが内部に発生するような性質を有する素材によって、本体部2は形成されている。なお、上記機能を満たす素材であれば、本体部2の素材はとくに限定されない。
図1〜図2および図4に示すように、本体部2は、その軸方向の両端面2a,2b(図2では上下の面)には、それぞれ接触突起3a,3bが設けられている。この接触突起3a,3bは、両端面2a,2bから盛り上がった部分であり、貫通孔2hを囲むように設けられている。この接触突起3a,3bの断面は、頂点3tを有する山形に形成されている。そして、貫通孔2hの中心軸CLから頂点3tまでの距離Ra,Rbが、同じ長さになるように形成されている。つまり、接触突起3aの頂点で形成される円caと、接触突起3aの頂点で形成される円cbが、いずれも貫通孔2hの中心軸CL上に中心を有し、かつ、同じ半径を有するように、接触突起3a,3bは形成されている。
図1〜図2および図4に示すように、本体部2には、ディテクタ10のFBG部15が取り付けられる収容孔2gが形成されている。この収容孔2gは、本体部2の貫通孔2hの内面2cに形成された溝であり、本体部2の端面2aから端面2bに向かって延びるように形成されている。しかも、収容孔2gは、その中心軸が貫通孔2hの中心軸CLを含む面SF(図1(B)参照)内に位置し、かつ、その中心軸が貫通孔2hの中心軸CLに対して非直交となるように設けられている。より詳しく言えば、収容孔2gは、本体部2の貫通孔2hの中心軸CLを中心軸とし、半径が本体部2の貫通孔2hの中心軸CLから接触突起3a,3bまでの距離と同等である円筒状面と交差するように形成されている。つまり、収容孔2gは、接触突起3a,3bの頂点3tで形成される2つの円をいずれも含む円筒状面と交差するように形成されている。
なお、図1〜図3に示すように、本実施形態の軸力測定器具1は、ディテクタ10のFBG光ファイバー11を保持する保持部6を備えていてもよい。図5に示すように、この保持部6は、FBG光ファイバー11が配置される、傾斜した溝6gを有している。このため、保持部6を、溝6gが本体部2の収容孔2gから連続するように、本体部2に配置することができる。すると、本体部2の収容孔2g内のFBG部15と本体部2外の部分との境界部分において、FBG光ファイバー11に加わる力を小さくすることができるから、FBG光ファイバー11が境界部分で損傷することを防止することができる。
なお、本体部2の形状は環状に限られず、矩形や三角形などでもよく、とくに限定されない。中心に中央部に貫通孔2hを有しており、この貫通孔2hの周囲を囲むように、接触突起3a,3bが形成されていればよい。
なお、上記例では、接触突起3a,3bが円状に形成されている場合を説明した。しかし、接触突起3a,3bは必ずしも円状に形成されている必要はない。例えば、点状の接触突起3a,3bを、貫通孔2hの中心軸CLとする円周上に、等角度間隔で複数個所設けてもよい。この場合には、本体部の表裏において対応する接触突起3aと接触突3bを、互いの頂点3tが、貫通孔2hの中心軸CLと平行な軸上に位置するように配置することが望ましい。この場合、この軸と交差または一致するように収容孔を設ければ、正確に軸力を測定することができる。
収容孔2gを形成する位置などはとくに限定されない。収容孔2gにFBG部15を取り付けた状態で、本体部2に対して貫通孔2hの中心軸CLの方向から加わる力に起因する変形(ひずみ)をFBG部15によって測定できる位置に形成されていればよい。しかし、上述したような位置に収容孔2gを形成しておけば、本体部2に加わる応力が集中する位置で変形(ひずみ)をFBG部15によって測定できるので、本体部2に対して軸方向から加わる応力(軸力)を精度よく測定することができる。
上述したように、本実施形態の軸力測定器具1では、ディテクタ10によって本体部2に加わる軸力(言い換えれば軸力による変形(ひずみ))を、FBG部15の変形として測定している。かかるFBG部15の変形は、FBG光ファイバー11に所定の強度を有する光を供給して反射光の周波数を測定すれば、FBG部15の変形を測定することができる。つまり、FBG部15が変形すれば、その変形量に応じて反射光の周波数が変化する。このため、反射光の周波数を、FBG部15が変形していない状態における反射光の周波数と比較することによって、FBG部15の変形を測定できるのである。
また、FBG光ファイバー11は、その一端だけでなく、その他端も制御装置に接続されるようになっていてもよい。この場合には、FBG部15を透過した透過光も測定することが可能となるので、この透過光の周波数に基づいて、FBG部15の変形(ひずみ)を測定することも可能となる。
そして、この本体部に対して、軸方向から荷重1Nを加えた。
なお、数値シミュレーションは、有限要素法解析プログラム(ANSYS)を使用した。
図7および図8に示すように、軸方向(Y軸方向)のひずみは接触突起が設けられている部分に集中して発生している。このことから、接触突起間の位置を測定することで、精度よく本体部に加わる応力を測定できることを確認できる。
また、本体部に発生したひずみは、約−2.6×10−8N-1である。すると、約1tf=10000N=1×104Nをかけたとき,ひずみは約−2.6×10-4(−260マイクロストレイン)である。
したがって、本発明の軸力測定器具を使用すれば、十分に高い精度でひずみを測定できることが確認された。
2 本体部
2h 貫通孔
2g 収容溝
3a 接触突起
3b 接触突起
6 保持部
10 ディテクタ
11 FBG光ファイバー
15 FBG部
Claims (8)
- 軸状部を有する部材の軸状部に加わる軸力を測定する器具であって、
前記部材の軸状部に軸方向から力が加わると、該部材の軸状部に軸方向から力が加わるように前記部材の軸状部近傍に設置される本体部と、
前記本体部に設けられ、該本体部に対して加わる力を測定するディテクタと、を備えており、
該ディテクタが、
ファイバブラッググレーティングが形成されたFBG部を有するFBG光ファイバーであり、
該FBG光ファイバーは、
前記本体部を前記部材の軸状部近傍に設置した状態において、前記FBG部の軸方向が前記部材の軸状部の軸方向と非直交となるように前記本体部に取り付けられている
ことを特徴とする軸力測定器具。 - 前記本体部が、
軸方向を貫通する貫通孔を有する部材であり、
前記本体部における軸方向の端面には、前記貫通孔を囲むように、接触突起が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の軸力測定器具。 - 前記接触突起は、
前記貫通孔の中心軸と同軸な円環状に形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の軸力測定器具。 - 前記接触突起が複数設けられており、
該複数の接触突起は、
前記貫通孔の中心軸から等距離かつ前記貫通孔の周方向において等角度間隔となるように形成されている
ことを特徴とする請求項2記載の軸力測定器具。 - 前記FBG光ファイバーは、
前記本体部の軸方向における一方の端面から他方の端面に向かって延びた収容孔内に配置されており、
前記本体部の収容孔は、
該本体部の貫通孔の中心軸を中心軸とし、半径が前記本体部の貫通孔の中心軸から前記接触突起までの距離と同等である円筒状面と交差するように形成されている
ことを特徴とする請求項2、3または4記載の軸力測定器具。 - 前記本体部の収容孔が、
前記本体部の貫通孔の内面に形成された溝である
ことを特徴とする請求項5記載の軸力測定器具。 - 前記本体部の収容孔は、
その軸方向が前記本体部の軸方向に対して傾斜するように設けられている
ことを特徴とする請求項5または6記載の軸力測定器具。 - 前記本体部は、
その軸方向の端面に、前記FBG光ファイバーを保持する保持部を備えている
ことを特徴とする請求項5、6、7または8記載の軸力測定器具。
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