本発明は、加湿器に関する。
従来より、例えば特許文献1(特開2013−96585号公報)に開示されているように、加湿に用いられる水を貯留するための貯水部と、貯水部に水を供給するためのタンクとを備える加湿器がある。この加湿器では、タンクの給水口に蓋部が取り付けられており、給水口が下方になるようにタンクが本体に装着されることで蓋部を介してタンクから貯水部に水が供給されている。
ここで、蓋部の構成としては、蓋部に連通口を形成し、該連通口の周縁部から突出するように設けられた筒状部に、複数の開口を設けることが考えられる。そして、蓋部が下方になるようにタンクを本体に装着することで、複数の開口を介して筒状部の外周空間から筒状部の内側に空気が流入してタンクの水が貯水部に供給され、複数の開口が貯水部の喫水面よりも下方に位置することで該開口が水で塞がれてタンクから貯水部への水の供給が停止する。ところで、このような構成の蓋部の場合、蓋部の筒状部に表面張力が働くことで複数の開口が水で塞がれることがあり、この結果、タンクから貯水部に水が供給され難くなることがある。
そこで、本発明の課題は、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することのできる加湿器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る加湿器は、本体と、貯水部と、タンクと、を備える。本体は、加湿エレメントを有する。貯水部は、本体に装着される。また、貯水部には、加湿エレメントに供給される水が貯留される。タンクは、タンク本体と、蓋部と、を有する。タンク本体には、内部に貯められた水を貯水部に供給する給水口が形成されている。蓋部は、給水口に取り付けられている。また、蓋部には、タンク本体の内部と外部とを連通する連通口が形成されている。そして、蓋部は、弁と、筒状部とを含む。弁は、給水口が下方になるようにタンクが本体に装着されることで、連通口を開状態にする。筒状部は、弁の側方を覆う。蓋部は、貯水部の喫水面の移動に応じて、連通口を介してタンク本体から貯水部に水を供給することが可能である。さらに、筒状部には、小開口と、大開口とが形成されている。小開口は、筒状部の外周空間から筒状部の内側に向かう空気の通路となる。大開口は、筒状部の外周面における喫水面の一部上昇を抑制するための開口である。
ここで、蓋部の筒状部に小開口のみが形成されている場合に、筒状部に表面張力が働くと、小開口が水で塞がれて、タンクから貯水部に水が供給され難くなることがある。
本発明の第1観点に係る加湿器では、筒状部の外周面における喫水面の一部上昇を抑制するための大開口が、蓋部の筒状部に形成されている。このため、蓋部の筒状部に表面張力が働きにくくなるため、小開口が水で塞がれにくくなる。
これによって、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができる。
なお、ここでいう筒状部の外周面における喫水面の一部上昇とは、表面張力が働くことで筒状部の外周面で喫水面の一部が盛り上がっている状態のことを意味している。
本発明の第2観点に係る加湿器は、第1観点の加湿器において、大開口は、筒状部に1つだけ設けられている。
ここで、筒状部に形成された開口のうち、小開口だけでなく大開口も、筒状部の外周空間から内側に向かう空気の通路になる。しかしながら、大開口が複数設けられている場合には、大開口を介して一度に大量の空気がタンク本体に流入するため、空気の流入音が大きくなってしまう。
本発明の第2観点に係る加湿器では、筒状部には大開口が1つだけ設けられていることで、大開口が複数設けられている場合と比較して、大開口を介して一度に大量の空気がタンク本体に流入することを防止できる。
これにより、この加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第3観点に係る加湿器は、第1観点又は第2観点の加湿器において、小開口は、筒状部に複数設けられている。この加湿器では、小開口が複数設けられていることで、一度に大量の空気がタンク本体内に流入することを抑制することができるため、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第4観点に係る加湿器は、第1観点から第3観点のいずれかの加湿器において、筒状部は、円筒形状を呈する。また、大開口及び小開口は、筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きである。この加湿器では、大開口及び小開口が、円筒形状の筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きによって構成されている。
本発明の第5観点に係る加湿器は、第1観点から第4観点のいずれかの加湿器において、貯水部には、喫水面の水位を検知するためのフロートセンサが設けられている。この加湿器では貯水部にフロートセンサが設けられていることで、喫水面の水位を検知することができるため、タンク本体に水が残存しているか否かを推定することができる。
本発明の第1観点に係る加湿器では、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができる。
本発明の第2観点に係る加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第3観点に係る加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第4観点に係る加湿器では、大開口及び小開口が、円筒形状の筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きによって構成されている。
本発明の第5観点に係る加湿器では、タンク本体に水が残存しているか否かを推定することができる。
本発明の一実施形態に係る空気清浄機の斜視図。
本発明の一実施形態に係る空気清浄機の斜視図。
空気清浄機の空気清浄機能および加湿機能に関連する主な構成を示した図。
加湿エレメント及び貯水部の組立体の正面図。
加湿エレメント、貯水部及びタンクの組立体の正面図。
貯水部の斜視図。
タンクの側面図。
蓋部の斜視図。
蓋部の部分拡大図。
蓋部の側面図。
蓋部の側面図。
空気清浄機の備える制御部の制御ブロック図。
従来の蓋部の斜視図。
従来の蓋部の側面図。
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る加湿器としての空気清浄機100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空気清浄機100の全体構成
図1は、空気清浄機100を斜め前方から視たときの空気清浄機100の斜視図である。図2は、空気清浄機100の側面ドア13を開けたときの空気清浄機100の斜視図である。空気清浄機100は、床置型の装置である。空気清浄機100は、図1及び図2に示すように、本体10を備えている。空気清浄機100は加湿機能と空気清浄機能とを有し、ユーザは、空気清浄機能だけを選択することができるが、加湿機能を選択したときは必ず空気清浄機能が伴う。
空気清浄機100は、主に、本体10と、空気清浄ユニット11と、加湿エレメント12と、貯水部14と、タンク16と、ファン17と、制御部19と、を備える。
(2)詳細構成
(2−1)本体10
本体10は、前面パネル101、ケーシング102、底プレート103、及び制御パネル104を含んでいる。前面パネル101は、ケーシング102の前方に工具など使用することなく着脱できるように保持されている。底プレート103はケーシング102の底にネジ止めされている。制御パネル104は、ケーシング102の天面に固定されている。制御パネル104には、空気清浄機100の運転及び停止を選択する電源スイッチや、加湿機能の実行及び停止を選択する加湿スイッチなどが搭載されている。
本体10の側部には、吸込口10aが配設されている。吸込口10aは、前面パネル101の側部とケーシング102の側部とに囲まれている。さらに、本体10の上部には、吹出口10bが配設されている。吹出口10bは、ケーシング102の上部で且つ制御パネル104の後方に位置する。なお、本実施形態では、吹出口10bには、吹出口10bを開閉可能なフラップ105が設けられている。
また、ケーシング102には、図2に示すように、ケーシング102の側面の一部と背面の一部に跨る開口102aが形成されている。ケーシング102にはこの開口102aからケーシング102の奥側に向って空間が形成されており、この空間にタンク16が収納される。また、タンク16は側面ドア13の内面側にネジ止めされているので、側面ドア13とタンク16とは一体の動きをする。なお、通常、開口102aは、側面ドア13によって閉じられている(図1参照)。側面ドア13は、下端を支点として上端がケーシング102から離れる方向に回動できる構成であり、取っ手13aを手前に引くことによって、側面ドア13の上端がケーシング102から離れ、タンク16が露出する。
さらに、ケーシング102の側面下部には、開口(図示せず)が形成されている。そして、この開口からケーシング102の奥側に向って空間が形成されており、この空間に貯水部14が収納される。そして、通常、貯水部14が本体10に装着されることで、該開口が閉じられている(図1及び図2参照)。なお、貯水部14のタンク受け部14aの外壁には取っ手(図示せず)が設けられており、ユーザがこの取っ手に指をいれて手前に引くことによって本体10から貯水部14を引き出すことができる。
(2−2)空気清浄ユニット11
図3は、空気清浄機100の内部に収容される、空気清浄機100の空気清浄機能および加湿機能に関連する主な構成を示した図である。
空気清浄ユニット11は、吸込口10aから吸込まれた空気中の塵埃を除去すると共に、空気中のニオイ成分等を吸着して分解するためのユニットである。
空気清浄ユニット11は、図3に示すように、主として、プレフィルタ110と、HEPAフィルタ111と、脱臭エレメント112とを有する。プレフィルタ110、HEPAフィルタ111、および脱臭エレメント112は、ケーシング102内に、正面側から背面側に向かって、この順番で配置されている。ケーシング102の吸込口10aから取り込まれた空気は、初めに空気清浄ユニット11に送られ、空気清浄ユニット11を、プレフィルタ110、HEPAフィルタ111、脱臭エレメント112の順に通過する。
プレフィルタ110は、空気中の比較的大きな塵埃を捕捉するためのフィルタである。HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ111は、空気清浄用フィルタの一例である。HEPAフィルタ111は、プレフィルタ110を通過した空気中の微細な塵埃を捕捉する。空気中の塵埃は、主に、プレフィルタ110およびHEPAフィルタ111により除去される。
脱臭エレメント112は、活性炭等を含み、プレフィルタ110およびHEPAフィルタ111を通過した空気中のニオイや有害ガスを吸着して分解する。
(2−3)加湿エレメント12
図4は、加湿エレメント12及び貯水部14の組立体の正面図である。図5は、加湿エレメント12、貯水部14及びタンク16の組立体の正面図である。
加湿エレメント12は、図4及び図5に示すように、貯水部14の上方に配置されている。
加湿エレメント12は、不織布で円板状に形成された気化材125と、気化材125の外円周を囲んで保持するフレーム127とを含む。フレーム127は、その最外周に歯車128(図6参照)を有している。歯車128には、モータ126(図12参照)からの回転力が伝達され、加湿エレメント12が回転する。
また、フレーム127は、その最下点で歯車128の歯先が貯水部14の底面と近接するように配置されている。貯水部14には、タンク16から水が供給され、タンク16内に水がある限り、その水位すなわち水面の高さ位置は、底面から所定の高さ位置となるように自動的に調節される。
フレーム127は、その最下点から鉛直上方に向って一定範囲は水中に浸漬しており、浸漬していない部分も、加湿エレメント12が回転することによって、順次、浸漬する。また、歯車128の側面には、複数のカップ状の水汲み(図示せず)が設けられている。水汲みは、加湿エレメント12の回転に伴って貯水部14の水を汲み上げ、加湿エレメント12の最上点近傍で内部の水が気化材125に向かって流れ出るようになっている。
(2−4)貯水部14
図6は、上方から視た貯水部14の斜視図である。貯水部14は、主に、タンク受け部14a、水受け部14b、軸受け部14c及びフロートセンサ148(図12参照)を有している。
(2−4−1)タンク受け部14a
タンク受け部14aは、給水弁182を下方にして装着されたタンク16の蓋部18が嵌る支持部143を有する。また、タンク受け部14aには、押し込みピン144を有する。押し込みピン144は、給水弁182の一部に当接するように設けられている。
(2−4−2)水受け部14b
水受け部14bは、貯水部14の差し込み方向に沿った細長い形状を成している。水受け部14bには、加湿エレメント12に供給される水が溜められる。水受け部14bとタンク受け部14aとは隔壁149で仕切られている。隔壁149には、孔(図示せず)が設けられている。タンク16からタンク受け部14aに流れ出た水は、孔を通って水受け部14bに流れ、水受け部14bの所定の位置まで水を満たす。
(2−4−3)軸受け部14c
水受け部14bの互いに対峙する2つの側壁には、図4及び図5に示すように、鉛直上方へ延びる一対の柱147が固定されている。柱147の先端部には、加湿エレメント12の回転軸を回転可能に支持する軸受け部14cが設けられている。軸受け部14cは、柱147の上端面から鉛直下方へU字状に窪んだ構成になっている。
(2−4−4)フロートセンサ148
タンク受け部14aには、タンク受け部14aの喫水面の位置を検知するためのフロートセンサ148が配設されている。なお、本実施形態では、フロートセンサ148は、後述する蓋部18から離れて配置されている。フロートセンサ148は、フロートと、検知部と、を有する。フロートは、タンク受け部14a内に貯まった水に浮くことができる。また、フロートは、例えば、一方の端部が回動可能にタンク受け部14aに支持されており、タンク受け部14aの喫水面の移動に応じて回動するように構成されている。この場合、フロートは、タンク受け部14aに支持されている端部とは反対側の端部が、タンク受け部14aの喫水面の高さに応じて、上下に移動することになる。また、フロートにおいて、タンク受け部14aに支持されている端部とは反対側の端部には、被検知体が取り付けられている。被検知体は、タンク受け部14aに設けられた検知部からの距離に依拠して検知部に検知される。そして、タンク受け部14aの底面から所定の高さ位置(以下、所定位置という)までタンク受け部14aに水が貯まっている場合、すなわちタンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置にある場合にはフロートが水に浮いた状態にあるため検知部に対する被検知体の位置は変化せず、検知部は被検知体を検知することができる。一方で、タンク受け部14a内の水が減りタンク受け部14aの喫水面の位置が下がると、フロートの一端の位置が下がり、これに応じて検知部に対する被検知体の位置が変化するため、検知部は被検知体を検知できなくなる。
なお、検知部は、被検知体が検知可能な距離にある場合にはオン信号を、被検知体が検知可能な距離にない場合にはオフ信号を、水位情報を示す信号として制御部19に送る。
(2−5)タンク16
図7は、タンク16の側面図である。タンク16は、側面ドア13と加湿エレメント12の側板15とに挟まれた空間に位置する。また、タンク16は、タンク本体160と、蓋部18と、を備える。
(2−5−1)タンク本体160
タンク本体160は、側面ドア13に対峙する面が側面ドア13の内面に沿う形状に形成され、側板15に対峙する面が側板15に沿う形状に形成されている。
また、タンク本体160には、内部に貯められた水を貯水部14に供給するための給水口161aが形成されている。給水口161aは、タンク本体160の一方の端部が円筒形状に突出した取付部161に形成されている。そして、タンク16は、給水口161aが下方になるように本体10に装着される。
(2−5−2)蓋部18
図8は、蓋部18の斜視図である。図9は、筒状部183に形成されている大開口183b周辺の拡大図である。図10は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18の側面図であって、タンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置にある状態を描いている。図11は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18の側面図であって、タンク本体160内に水がなくタンク本体160への水の供給が必要である状態を描いている。
蓋部18は、タンク本体160の取付部161に着脱可能に設けられている。蓋部18は、円板形状を呈する底面部180と、底面部180の外周縁部から立設する外周部181と、を有する。底面部180の中心部分には、開口(以下、連通口180aという)が形成されている。また、外周部181の内面にはネジがきられており、取付部161の給水口161aと底面部180とが対向するように外周部181の内面と取付部161の外面とが螺合することで、蓋部18がタンク本体160の供給口161aに取り付けられる。このため、連通口180aは、蓋部18がタンク本体160の給水口161aに取り付けられた状態で、タンク本体160の内部と外部とを連通するものといえる。
また、蓋部18は、連通口180aを開閉する弁としての給水弁182と、給水弁182の側方を覆う筒状部183と、を有する。
給水弁182は、筒状部183内を上下に移動可能な弁軸182aと、弁軸182aの一方の端部に取り付けられた弁体182bと、弁軸182aの他方の端部に取り付けられた接触部182cと、を含む。弁軸182aの周囲には、弁体182bを底面部180に向かって付勢するバネ184が配設されている。弁体182bは、連通口180aを開閉可能なように設けられている。接触部182cは、弁体182bと対向するように位置している。さらに、接触部182cは、給水口161aが下方になるようにタンク16が本体10に装着されたときに、タンク受け部14aの押し込みピン144に当接するように設けられている。そして、タンク16が本体10に装着されていない状態では、バネ184の付勢力によって弁体182bが底面部180に押しつけられ、弁体182bが連通口180aを閉状態にする。一方で、タンク16が本体10に装着されると、接触部182cと押し込みピン144とが当接することで、弁軸182aがバネ184の付勢力に反して押し上げられ、弁体182bが連通口180aを開状態にする。
筒状部183は、図10及び図11に示す状態で、連通口180aの周縁部から下方に突出する円筒形状を呈する部分である。筒状部183には、小開口183aと、小開口183aよりも開口面積の大きい大開口183bとが形成されている。小開口183aは、筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に向かう空気の通路となる。大開口183bは、筒状部183の外周面における貯水部14の喫水面の一部上昇を抑制するために形成されている。また、大開口183bは、その構成上、小開口183aと同様に、筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に向かう空気の通路にもなり得る。
なお、本実施形態の大開口183b及び小開口183aは、筒状部183の周縁端部に設けられた切り欠きである。大開口183b及び小開口183aは、筒状部183が、その下端部から底面部180と略同じ高さまで切り欠かれることで形成されている。そして、大開口183bは、小開口183aよりも切り欠かれている幅が広くなっている。なお、大開口183bの幅寸法は、筒状部183の外周面において表面張力が働き難くなるような寸法に設計されている。また、本実施形態では、筒状部183には、1つの大開口183bと複数の小開口183aとが形成されているが、大開口183b及び小開口183aの数はこれに限定されない。
ここで、タンク16から貯水部14に水が供給される際の蓋部18の作用について説明する。内部を水で満たしたタンク本体160に蓋部18を取り付けた状態で、蓋部18が下方になるようにタンク16を本体10に装着すると、接触部182cと押し込みピン144とが当接することで弁体182bが開状態となってタンク本体160の水がタンク受け部14aに供給され始める。そして、タンク本体160からタンク受け部14aに供給される水の喫水面の位置が、図10に示すように、蓋部18の筒状部183における小開口183a及び大開口183bの上端に至ると、小開口183a及び大開口183bが水で塞がれることで、筒状部183を通って連通口180aからタンク本体160内に入る空気の進入が絶たれ、タンク16から貯水部14への給水が停止する。
そして、水受け部14bの水が加湿エレメント12に供給されることで、タンク受け部14aに貯められている水が減少し、タンク受け部14aの喫水面の位置が小開口183a及び大開口183bの上端よりも下になると、喫水面と小開口183a及び大開口183bの上端との間の隙間を介して筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に小さな気泡の状態で空気が進入する。このとき、筒状部183の内側に進入した空気は、連通口180aを介してタンク本体160の上部の空気層に至ることで、タンク本体160内の水が連通口180aを介してタンク受け部14aに供給される。そして、タンク受け部14aの喫水面の位置が蓋部18の筒状部183における小開口183a及び大開口183bの上端まで至ると、小開口183a及び大開口183bが水で塞がれ、筒状部183を通って連通口180aからタンク本体160内に入る空気の進入が絶たれ、タンク16から貯水部14への給水が停止する。
このような構成により、蓋部18は、貯水部14の喫水面の移動に応じて、連通口180aを介してタンク本体160から貯水部14に水を供給することができる。
(2−6)ファン17
ファン17は、本体10の背面側に位置している。ファン17は、駆動することで生成されるケーシング102内の空気の流れ方向における、加湿エレメント12の下流側に配置される(図3参照)。
ファン17は、空気清浄機100の設置されている空間の空気を、吸込口10aを介してケーシング102内に取り込み、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過させる機能を有する。つまり、ファン17は、吸込口10aから吸込まれた空気が、空気清浄ユニット11と、加湿エレメント12と、に通るように空気流れを生成する。また、ファン17は、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過後の空気を、吹出口10bを介してケーシング102の外部に排出する機能を有する。
ファン17は、シロッコファンである。ファン17の羽根車170(図3参照)が、ファンモータ171(図12参照)により回転させられると、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過した空気は、ファン17に前方側から吸込まれ、上方向きに進行方向を変えて(図3参照)、ケーシング102の上部に設けられた吹出口10bから上方へと吹出す。より詳しくは、ファンモータ171の回転によりファン17が回転すると、空気清浄機100の設置されている空間の空気が、ケーシング102の吸込口10aを介してケーシング102内に流入する。そして、空気清浄ユニット11を通過する際に、空気から、塵埃やニオイ等が除去される。なお、加湿時には、空気清浄ユニット11を通過後の空気は、加湿エレメント12を通過する際に水分が供給されることで加湿される。空気清浄ユニット11及び加湿エレメント12を通過した空気は、前方側からファン17に流入する。ファン17に流入した空気の進行方向は、ファン17で上向きに方向転換される。ファン17から上向きに進行する空気は、吹出口10bへと導かれ、ケーシング102の外部に吹出し、空気清浄機100の設置されている空間へと戻る。
なお、本実施形態のファン17は、回転数可変である。言い換えれば、ファンモータ171は回転数可変である。ファンモータ171の回転数は、制御部19により制御される。
(2−7)制御部19
図12は、空気清浄機100の備える制御部19の制御ブロック図である。制御部19は、空気清浄機100の備える各種機器の動作を制御するためのユニットである。制御部19は、図12のように、主に、フロートセンサ148、ファンモータ171、モータ126および制御パネル104と電気的に接続されている。制御パネル104は、ユーザからの各種指令(例えば、空気清浄機100の運転/停止指令、及び加湿運転の実行/停止指令等)を受け付ける入力部として機能する。また、制御パネル104は、空気清浄機100の運転状態等をLED(Light Emitting Diode)等により表示する表示部として機能する。
制御部19は、記憶部(図示せず)に記憶されたプログラムを実行することで、制御パネル104に入力された各種指令に基づいて、制御パネル104、ファンモータ171、及びモータ126等の、空気清浄機100の各部の動作を制御する。
例えば、制御部19は、制御パネル104が空気清浄機100の運転指令を受け付けると、ファンモータ171を駆動する。また、制御部19は、制御パネル104が加湿運転の実行指令を受け付けると、ファンモータ171に加えて、モータ126を駆動する。
また、制御部19は、フロートセンサ148の検知結果に基づいて、タンク16への給水が必要であるか否かを判定する。より詳しくは、制御部19は、フロートセンサ148の検知部から送信されるオン/オフ信号に基づいてタンク受け部14aに所定位置まで水が溜まっているか否かを判定し、該判定結果に応じてタンク本体160に水が残存するか否かを推定する。例えば、制御部19は、検知部からオン信号が送信されている場合には、タンク受け部14aに所定位置まで水が貯まっていると判定し、タンク本体160に水が残存していると推定する。そして、制御部19は、タンク本体160に水が残存していると推定した場合には、タンク本体160への給水が必要でないと判定する。一方、制御部19は、検知部から所定時間以上オフ信号が継続して送信されている場合には、タンク受け部14aに所定位置まで水が溜まっていないと判定し、タンク本体160に水が残存していないと推定する。そして、制御部19は、タンク本体160に水が残存していないと推定した場合には、タンク本体160への給水が必要であると判定し、給水が必要であることをユーザに認識させるために表示部のLEDを点灯させる。
(3)特徴
(3−1)
図13は、従来の蓋部の一例(以下、蓋部18’という)であって、蓋部18’の斜視図である。図14は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18’の側面図であって、タンク本体160内に水が残存しているが、タンク本体160への水の供給が必要であると判定されたときの状態を描いている。
従来の蓋部18’と本発明の蓋部18との構成上の違いとしては、従来の蓋部18’には、筒状部183’に、大開口が形成されておらず、小開口183a’が等しい間隔をあけて複数形成されている。蓋部18’には、貯水部14のタンク受け部14aの喫水面の高さが一定になるように、幅の狭い複数の小開口183a’が等間隔で配設されている。
ここで、蓋部の底面部外周縁部直下に位置する喫水面を特に基準面とすると、蓋部18’の場合、タンク受け部14aの水が減り基準面の位置が小開口183a’の上端よりも下になっても、筒状部183’外周面の表面張力が水を引っ張りあげることで、小開口183a’が水で塞がれた状態になることがある。このような場合には、図14に示すように、基準面の位置が下がっても、タンク本体160から貯水部14に水が供給され難くなるため、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面だけが下がってしまうことになる。
本実施形態の蓋部18には、複数の小開口183aだけでなく、筒状部183の外周面におけるタンク受け部14aの喫水面の一部上昇を抑制するための大開口183bが形成されている。このため、筒状部183外周面に表面張力が働きにくくなり、小開口183aが水で塞がれ難くなる。
これによって、タンク本体160から貯水部14に水が供給され難くなるおそれを低減できるため、筒状部183の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面だけが大幅に下がってしまうことを抑制でき、喫水面を安定させることができている。
(3−2)
本実施形態では、筒状部183には、大開口183bが1つだけ設けられている。このため、大開口183bが筒状部183に複数設けられている場合と比較して、タンク本体160内への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができている。
(3−3)
本実施形態では、筒状部183には、複数の小開口183aが形成されている。このため、一度に大量の空気がタンク本体160内に流入するのを抑制することができる。これにより、タンク本体160内への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができている。
(3−4)
本実施形態の大開口183b及び小開口183aは、筒状部183の周縁端部に設けられた切り欠きである。このため、大開口183b及び小開口183aを簡易に形成することができる。
(3−5)
本実施形態の貯水部14には、タンク受け部14aの喫水面の位置を検知するためのフロートセンサ148が設けられている。そして、フロートセンサ148の検知結果に基づいて、タンク本体160に水が残存しているか否かが推定され、タンク本体160への給水が必要であるか否かが判定される。また、タンク本体160への給水が必要であると判定された場合には、ユーザへの報知が行われる。これにより、給水が必要であることをユーザに認識させやすくすることができている。
また、タンクの蓋部として従来の蓋部18’が採用されている場合、上述したように、筒状部183’における表面張力の影響で、貯水部14の水が減って、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面が下がっても、タンク本体160からタンク受け部14aに水が供給されないことがある。このような場合であっても、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置以下になると、フロートセンサ148から送信される信号はオフ信号になるため、タンク本体160内に水が残存しているにも拘わらず、制御部19は、タンク本体160への給水が必要であると判定してしまうことになる。
本実施形態では、蓋部18の筒状部183に大開口183bが形成されていることで、筒状部183の外周面に表面張力が働き難くなり、この結果、筒状部183の外周面におけるタンク受け部14aの喫水面の一部上昇が抑制されている。すなわち、本実施形態では、筒状部183の外周面付近を除くタンク受け部14aの水面の位置と、筒状部183の外周面付近の水面の位置との差を小さくすることができる構成であるため、フロートセンサ148がタンク受け部14aの喫水面の位置を誤って検知するおそれを低減することができる。
これにより、タンク本体160内の水の残存量が誤って判定されるのを防止し、タンク本体160への給水の要否の誤判断を抑制できている。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、空気清浄ユニット11を備える空気清浄機100について説明しているが、本発明はこれに限定されず、加湿エレメント12を備える加湿器であればよい。
本発明は、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができるものであり、蓋部を有するタンクを備える加湿器への適用が有効である。
10 本体
12 加湿エレメント
14 貯水部
16 タンク
18 蓋部
148 フロートセンサ
160 タンク本体
161a 給水口
180a 連通口
182 給水弁(弁)
183 筒状部
183a 小開口
183b 大開口
本発明は、加湿器に関する。
従来より、例えば特許文献1(特開2013−96585号公報)に開示されているように、加湿に用いられる水を貯留するための貯水部と、貯水部に水を供給するためのタンクとを備える加湿器がある。この加湿器では、タンクの給水口に蓋部が取り付けられており、給水口が下方になるようにタンクが本体に装着されることで蓋部を介してタンクから貯水部に水が供給されている。
ここで、蓋部の構成としては、蓋部に連通口を形成し、該連通口の周縁部から突出するように設けられた筒状部に、複数の開口を設けることが考えられる。そして、蓋部が下方になるようにタンクを本体に装着することで、複数の開口を介して筒状部の外周空間から筒状部の内側に空気が流入してタンクの水が貯水部に供給され、複数の開口が貯水部の喫水面よりも下方に位置することで該開口が水で塞がれてタンクから貯水部への水の供給が停止する。ところで、このような構成の蓋部の場合、蓋部の筒状部に表面張力が働くことで複数の開口が水で塞がれることがあり、この結果、タンクから貯水部に水が供給され難くなることがある。
そこで、本発明の課題は、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することのできる加湿器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る加湿器は、本体と、貯水部と、タンクと、を備える。本体は、加湿エレメントを有する。貯水部は、本体に装着される。また、貯水部には、加湿エレメントに供給される水が貯留される。タンクは、タンク本体と、蓋部と、を有する。タンク本体には、内部に貯められた水を貯水部に供給する給水口が形成されている。蓋部は、給水口に取り付けられている。また、蓋部には、タンク本体の内部と外部とを連通する連通口が形成されている。そして、蓋部は、弁と、筒状部とを含む。弁は、給水口が下方になるようにタンクが本体に装着されることで、連通口を開状態にする。筒状部は、弁の側方を覆う。蓋部は、貯水部の喫水面の移動に応じて、連通口を介してタンク本体から貯水部に水を供給することが可能である。さらに、筒状部には、小開口と、大開口とが形成されている。
ここで、蓋部の筒状部に小開口のみが形成されている場合に、筒状部に表面張力が働くと、小開口が水で塞がれて、タンクから貯水部に水が供給され難くなることがある。
本発明の第1観点に係る加湿器では、大開口が蓋部の筒状部に形成されている。このため、蓋部の筒状部に表面張力が働きにくくなるため、小開口が水で塞がれにくくなる。
これによって、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができる。
本発明の第2観点に係る加湿器は、第1観点の加湿器において、大開口は、筒状部に1つだけ設けられている。
ここで、筒状部に形成された開口のうち、小開口だけでなく大開口も、筒状部の外周空間から内側に向かう空気の通路になる。しかしながら、大開口が複数設けられている場合には、大開口を介して一度に大量の空気がタンク本体に流入するため、空気の流入音が大きくなってしまう。
本発明の第2観点に係る加湿器では、筒状部には大開口が1つだけ設けられていることで、大開口が複数設けられている場合と比較して、大開口を介して一度に大量の空気がタンク本体に流入することを防止できる。
これにより、この加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第3観点に係る加湿器は、第1観点又は第2観点の加湿器において、小開口は、筒状部に複数設けられている。この加湿器では、小開口が複数設けられていることで、一度に大量の空気がタンク本体内に流入することを抑制することができるため、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第4観点に係る加湿器は、第1観点から第3観点のいずれかの加湿器において、筒状部は、円筒形状を呈する。また、大開口及び小開口は、筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きである。この加湿器では、大開口及び小開口が、円筒形状の筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きによって構成されている。
本発明の第5観点に係る加湿器は、第1観点から第4観点のいずれかの加湿器において、貯水部には、喫水面の水位を検知するためのフロートセンサが設けられている。この加湿器では貯水部にフロートセンサが設けられていることで、喫水面の水位を検知することができるため、タンク本体に水が残存しているか否かを推定することができる。
本発明の第6観点に係る加湿器は、第1観点から第5観点のいずれかの加湿器において、小開口は、筒状部の外周空間から筒状部の内側に向かう空気の通路となる。
本発明の第7観点に係る加湿器は、第1観点から第6観点のいずれかの加湿器において、大開口は、筒状部の外周面における喫水面の一部上昇を抑制するための開口である。
なお、ここでいう筒状部の外周面における喫水面の一部上昇とは、表面張力が働くことで筒状部の外周面で喫水面の一部が盛り上がっている状態のことを意味している。
本発明の第1観点に係る加湿器では、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができる。
本発明の第2観点に係る加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第3観点に係る加湿器では、タンク本体への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができる。
本発明の第4観点に係る加湿器では、大開口及び小開口が、円筒形状の筒状部の周縁端部に設けられた切り欠きによって構成されている。
本発明の第5観点に係る加湿器では、タンク本体に水が残存しているか否かを推定することができる。
本発明の第6観点に係る加湿器では、小開口を筒状部の外周空間から筒状部の内側に向かう空気の通路とすることができる。
本発明の第7観点に係る加湿器では、大開口により筒状部の外周面における喫水面の一部上昇を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る空気清浄機の斜視図。
本発明の一実施形態に係る空気清浄機の斜視図。
空気清浄機の空気清浄機能および加湿機能に関連する主な構成を示した図。
加湿エレメント及び貯水部の組立体の正面図。
加湿エレメント、貯水部及びタンクの組立体の正面図。
貯水部の斜視図。
タンクの側面図。
蓋部の斜視図。
蓋部の部分拡大図。
蓋部の側面図。
蓋部の側面図。
空気清浄機の備える制御部の制御ブロック図。
従来の蓋部の斜視図。
従来の蓋部の側面図。
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る加湿器としての空気清浄機100について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空気清浄機100の全体構成
図1は、空気清浄機100を斜め前方から視たときの空気清浄機100の斜視図である。図2は、空気清浄機100の側面ドア13を開けたときの空気清浄機100の斜視図である。空気清浄機100は、床置型の装置である。空気清浄機100は、図1及び図2に示すように、本体10を備えている。空気清浄機100は加湿機能と空気清浄機能とを有し、ユーザは、空気清浄機能だけを選択することができるが、加湿機能を選択したときは必ず空気清浄機能が伴う。
空気清浄機100は、主に、本体10と、空気清浄ユニット11と、加湿エレメント12と、貯水部14と、タンク16と、ファン17と、制御部19と、を備える。
(2)詳細構成
(2−1)本体10
本体10は、前面パネル101、ケーシング102、底プレート103、及び制御パネル104を含んでいる。前面パネル101は、ケーシング102の前方に工具など使用することなく着脱できるように保持されている。底プレート103はケーシング102の底にネジ止めされている。制御パネル104は、ケーシング102の天面に固定されている。制御パネル104には、空気清浄機100の運転及び停止を選択する電源スイッチや、加湿機能の実行及び停止を選択する加湿スイッチなどが搭載されている。
本体10の側部には、吸込口10aが配設されている。吸込口10aは、前面パネル101の側部とケーシング102の側部とに囲まれている。さらに、本体10の上部には、吹出口10bが配設されている。吹出口10bは、ケーシング102の上部で且つ制御パネル104の後方に位置する。なお、本実施形態では、吹出口10bには、吹出口10bを開閉可能なフラップ105が設けられている。
また、ケーシング102には、図2に示すように、ケーシング102の側面の一部と背面の一部に跨る開口102aが形成されている。ケーシング102にはこの開口102aからケーシング102の奥側に向って空間が形成されており、この空間にタンク16が収納される。また、タンク16は側面ドア13の内面側にネジ止めされているので、側面ドア13とタンク16とは一体の動きをする。なお、通常、開口102aは、側面ドア13によって閉じられている(図1参照)。側面ドア13は、下端を支点として上端がケーシング102から離れる方向に回動できる構成であり、取っ手13aを手前に引くことによって、側面ドア13の上端がケーシング102から離れ、タンク16が露出する。
さらに、ケーシング102の側面下部には、開口(図示せず)が形成されている。そして、この開口からケーシング102の奥側に向って空間が形成されており、この空間に貯水部14が収納される。そして、通常、貯水部14が本体10に装着されることで、該開口が閉じられている(図1及び図2参照)。なお、貯水部14のタンク受け部14aの外壁には取っ手(図示せず)が設けられており、ユーザがこの取っ手に指をいれて手前に引くことによって本体10から貯水部14を引き出すことができる。
(2−2)空気清浄ユニット11
図3は、空気清浄機100の内部に収容される、空気清浄機100の空気清浄機能および加湿機能に関連する主な構成を示した図である。
空気清浄ユニット11は、吸込口10aから吸込まれた空気中の塵埃を除去すると共に、空気中のニオイ成分等を吸着して分解するためのユニットである。
空気清浄ユニット11は、図3に示すように、主として、プレフィルタ110と、HEPAフィルタ111と、脱臭エレメント112とを有する。プレフィルタ110、HEPAフィルタ111、および脱臭エレメント112は、ケーシング102内に、正面側から背面側に向かって、この順番で配置されている。ケーシング102の吸込口10aから取り込まれた空気は、初めに空気清浄ユニット11に送られ、空気清浄ユニット11を、プレフィルタ110、HEPAフィルタ111、脱臭エレメント112の順に通過する。
プレフィルタ110は、空気中の比較的大きな塵埃を捕捉するためのフィルタである。HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ111は、空気清浄用フィルタの一例である。HEPAフィルタ111は、プレフィルタ110を通過した空気中の微細な塵埃を捕捉する。空気中の塵埃は、主に、プレフィルタ110およびHEPAフィルタ111により除去される。
脱臭エレメント112は、活性炭等を含み、プレフィルタ110およびHEPAフィルタ111を通過した空気中のニオイや有害ガスを吸着して分解する。
(2−3)加湿エレメント12
図4は、加湿エレメント12及び貯水部14の組立体の正面図である。図5は、加湿エレメント12、貯水部14及びタンク16の組立体の正面図である。
加湿エレメント12は、図4及び図5に示すように、貯水部14の上方に配置されている。
加湿エレメント12は、不織布で円板状に形成された気化材125と、気化材125の外円周を囲んで保持するフレーム127とを含む。フレーム127は、その最外周に歯車128(図6参照)を有している。歯車128には、モータ126(図12参照)からの回転力が伝達され、加湿エレメント12が回転する。
また、フレーム127は、その最下点で歯車128の歯先が貯水部14の底面と近接するように配置されている。貯水部14には、タンク16から水が供給され、タンク16内に水がある限り、その水位すなわち水面の高さ位置は、底面から所定の高さ位置となるように自動的に調節される。
フレーム127は、その最下点から鉛直上方に向って一定範囲は水中に浸漬しており、浸漬していない部分も、加湿エレメント12が回転することによって、順次、浸漬する。また、歯車128の側面には、複数のカップ状の水汲み(図示せず)が設けられている。水汲みは、加湿エレメント12の回転に伴って貯水部14の水を汲み上げ、加湿エレメント12の最上点近傍で内部の水が気化材125に向かって流れ出るようになっている。
(2−4)貯水部14
図6は、上方から視た貯水部14の斜視図である。貯水部14は、主に、タンク受け部14a、水受け部14b、軸受け部14c及びフロートセンサ148(図12参照)を有している。
(2−4−1)タンク受け部14a
タンク受け部14aは、給水弁182を下方にして装着されたタンク16の蓋部18が嵌る支持部143を有する。また、タンク受け部14aには、押し込みピン144を有する。押し込みピン144は、給水弁182の一部に当接するように設けられている。
(2−4−2)水受け部14b
水受け部14bは、貯水部14の差し込み方向に沿った細長い形状を成している。水受け部14bには、加湿エレメント12に供給される水が溜められる。水受け部14bとタンク受け部14aとは隔壁149で仕切られている。隔壁149には、孔(図示せず)が設けられている。タンク16からタンク受け部14aに流れ出た水は、孔を通って水受け部14bに流れ、水受け部14bの所定の位置まで水を満たす。
(2−4−3)軸受け部14c
水受け部14bの互いに対峙する2つの側壁には、図4及び図5に示すように、鉛直上方へ延びる一対の柱147が固定されている。柱147の先端部には、加湿エレメント12の回転軸を回転可能に支持する軸受け部14cが設けられている。軸受け部14cは、柱147の上端面から鉛直下方へU字状に窪んだ構成になっている。
(2−4−4)フロートセンサ148
タンク受け部14aには、タンク受け部14aの喫水面の位置を検知するためのフロートセンサ148が配設されている。なお、本実施形態では、フロートセンサ148は、後述する蓋部18から離れて配置されている。フロートセンサ148は、フロートと、検知部と、を有する。フロートは、タンク受け部14a内に貯まった水に浮くことができる。また、フロートは、例えば、一方の端部が回動可能にタンク受け部14aに支持されており、タンク受け部14aの喫水面の移動に応じて回動するように構成されている。この場合、フロートは、タンク受け部14aに支持されている端部とは反対側の端部が、タンク受け部14aの喫水面の高さに応じて、上下に移動することになる。また、フロートにおいて、タンク受け部14aに支持されている端部とは反対側の端部には、被検知体が取り付けられている。被検知体は、タンク受け部14aに設けられた検知部からの距離に依拠して検知部に検知される。そして、タンク受け部14aの底面から所定の高さ位置(以下、所定位置という)までタンク受け部14aに水が貯まっている場合、すなわちタンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置にある場合にはフロートが水に浮いた状態にあるため検知部に対する被検知体の位置は変化せず、検知部は被検知体を検知することができる。一方で、タンク受け部14a内の水が減りタンク受け部14aの喫水面の位置が下がると、フロートの一端の位置が下がり、これに応じて検知部に対する被検知体の位置が変化するため、検知部は被検知体を検知できなくなる。
なお、検知部は、被検知体が検知可能な距離にある場合にはオン信号を、被検知体が検知可能な距離にない場合にはオフ信号を、水位情報を示す信号として制御部19に送る。
(2−5)タンク16
図7は、タンク16の側面図である。タンク16は、側面ドア13と加湿エレメント12の側板15とに挟まれた空間に位置する。また、タンク16は、タンク本体160と、蓋部18と、を備える。
(2−5−1)タンク本体160
タンク本体160は、側面ドア13に対峙する面が側面ドア13の内面に沿う形状に形成され、側板15に対峙する面が側板15に沿う形状に形成されている。
また、タンク本体160には、内部に貯められた水を貯水部14に供給するための給水口161aが形成されている。給水口161aは、タンク本体160の一方の端部が円筒形状に突出した取付部161に形成されている。そして、タンク16は、給水口161aが下方になるように本体10に装着される。
(2−5−2)蓋部18
図8は、蓋部18の斜視図である。図9は、筒状部183に形成されている大開口183b周辺の拡大図である。図10は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18の側面図であって、タンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置にある状態を描いている。図11は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18の側面図であって、タンク本体160内に水がなくタンク本体160への水の供給が必要である状態を描いている。
蓋部18は、タンク本体160の取付部161に着脱可能に設けられている。蓋部18は、円板形状を呈する底面部180と、底面部180の外周縁部から立設する外周部181と、を有する。底面部180の中心部分には、開口(以下、連通口180aという)が形成されている。また、外周部181の内面にはネジがきられており、取付部161の給水口161aと底面部180とが対向するように外周部181の内面と取付部161の外面とが螺合することで、蓋部18がタンク本体160の供給口161aに取り付けられる。このため、連通口180aは、蓋部18がタンク本体160の給水口161aに取り付けられた状態で、タンク本体160の内部と外部とを連通するものといえる。
また、蓋部18は、連通口180aを開閉する弁としての給水弁182と、給水弁182の側方を覆う筒状部183と、を有する。
給水弁182は、筒状部183内を上下に移動可能な弁軸182aと、弁軸182aの一方の端部に取り付けられた弁体182bと、弁軸182aの他方の端部に取り付けられた接触部182cと、を含む。弁軸182aの周囲には、弁体182bを底面部180に向かって付勢するバネ184が配設されている。弁体182bは、連通口180aを開閉可能なように設けられている。接触部182cは、弁体182bと対向するように位置している。さらに、接触部182cは、給水口161aが下方になるようにタンク16が本体10に装着されたときに、タンク受け部14aの押し込みピン144に当接するように設けられている。そして、タンク16が本体10に装着されていない状態では、バネ184の付勢力によって弁体182bが底面部180に押しつけられ、弁体182bが連通口180aを閉状態にする。一方で、タンク16が本体10に装着されると、接触部182cと押し込みピン144とが当接することで、弁軸182aがバネ184の付勢力に反して押し上げられ、弁体182bが連通口180aを開状態にする。
筒状部183は、図10及び図11に示す状態で、連通口180aの周縁部から下方に突出する円筒形状を呈する部分である。筒状部183には、小開口183aと、小開口183aよりも開口面積の大きい大開口183bとが形成されている。小開口183aは、筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に向かう空気の通路となる。大開口183bは、筒状部183の外周面における貯水部14の喫水面の一部上昇を抑制するために形成されている。また、大開口183bは、その構成上、小開口183aと同様に、筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に向かう空気の通路にもなり得る。
なお、本実施形態の大開口183b及び小開口183aは、筒状部183の周縁端部に設けられた切り欠きである。大開口183b及び小開口183aは、筒状部183が、その下端部から底面部180と略同じ高さまで切り欠かれることで形成されている。そして、大開口183bは、小開口183aよりも切り欠かれている幅が広くなっている。なお、大開口183bの幅寸法は、筒状部183の外周面において表面張力が働き難くなるような寸法に設計されている。また、本実施形態では、筒状部183には、1つの大開口183bと複数の小開口183aとが形成されているが、大開口183b及び小開口183aの数はこれに限定されない。
ここで、タンク16から貯水部14に水が供給される際の蓋部18の作用について説明する。内部を水で満たしたタンク本体160に蓋部18を取り付けた状態で、蓋部18が下方になるようにタンク16を本体10に装着すると、接触部182cと押し込みピン144とが当接することで弁体182bが開状態となってタンク本体160の水がタンク受け部14aに供給され始める。そして、タンク本体160からタンク受け部14aに供給される水の喫水面の位置が、図10に示すように、蓋部18の筒状部183における小開口183a及び大開口183bの上端に至ると、小開口183a及び大開口183bが水で塞がれることで、筒状部183を通って連通口180aからタンク本体160内に入る空気の進入が絶たれ、タンク16から貯水部14への給水が停止する。
そして、水受け部14bの水が加湿エレメント12に供給されることで、タンク受け部14aに貯められている水が減少し、タンク受け部14aの喫水面の位置が小開口183a及び大開口183bの上端よりも下になると、喫水面と小開口183a及び大開口183bの上端との間の隙間を介して筒状部183の外周空間から筒状部183の内側に小さな気泡の状態で空気が進入する。このとき、筒状部183の内側に進入した空気は、連通口180aを介してタンク本体160の上部の空気層に至ることで、タンク本体160内の水が連通口180aを介してタンク受け部14aに供給される。そして、タンク受け部14aの喫水面の位置が蓋部18の筒状部183における小開口183a及び大開口183bの上端まで至ると、小開口183a及び大開口183bが水で塞がれ、筒状部183を通って連通口180aからタンク本体160内に入る空気の進入が絶たれ、タンク16から貯水部14への給水が停止する。
このような構成により、蓋部18は、貯水部14の喫水面の移動に応じて、連通口180aを介してタンク本体160から貯水部14に水を供給することができる。
(2−6)ファン17
ファン17は、本体10の背面側に位置している。ファン17は、駆動することで生成されるケーシング102内の空気の流れ方向における、加湿エレメント12の下流側に配置される(図3参照)。
ファン17は、空気清浄機100の設置されている空間の空気を、吸込口10aを介してケーシング102内に取り込み、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過させる機能を有する。つまり、ファン17は、吸込口10aから吸込まれた空気が、空気清浄ユニット11と、加湿エレメント12と、に通るように空気流れを生成する。また、ファン17は、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過後の空気を、吹出口10bを介してケーシング102の外部に排出する機能を有する。
ファン17は、シロッコファンである。ファン17の羽根車170(図3参照)が、ファンモータ171(図12参照)により回転させられると、空気清浄ユニット11および加湿エレメント12を通過した空気は、ファン17に前方側から吸込まれ、上方向きに進行方向を変えて(図3参照)、ケーシング102の上部に設けられた吹出口10bから上方へと吹出す。より詳しくは、ファンモータ171の回転によりファン17が回転すると、空気清浄機100の設置されている空間の空気が、ケーシング102の吸込口10aを介してケーシング102内に流入する。そして、空気清浄ユニット11を通過する際に、空気から、塵埃やニオイ等が除去される。なお、加湿時には、空気清浄ユニット11を通過後の空気は、加湿エレメント12を通過する際に水分が供給されることで加湿される。空気清浄ユニット11及び加湿エレメント12を通過した空気は、前方側からファン17に流入する。ファン17に流入した空気の進行方向は、ファン17で上向きに方向転換される。ファン17から上向きに進行する空気は、吹出口10bへと導かれ、ケーシング102の外部に吹出し、空気清浄機100の設置されている空間へと戻る。
なお、本実施形態のファン17は、回転数可変である。言い換えれば、ファンモータ171は回転数可変である。ファンモータ171の回転数は、制御部19により制御される。
(2−7)制御部19
図12は、空気清浄機100の備える制御部19の制御ブロック図である。制御部19は、空気清浄機100の備える各種機器の動作を制御するためのユニットである。制御部19は、図12のように、主に、フロートセンサ148、ファンモータ171、モータ126および制御パネル104と電気的に接続されている。制御パネル104は、ユーザからの各種指令(例えば、空気清浄機100の運転/停止指令、及び加湿運転の実行/停止指令等)を受け付ける入力部として機能する。また、制御パネル104は、空気清浄機100の運転状態等をLED(Light Emitting Diode)等により表示する表示部として機能する。
制御部19は、記憶部(図示せず)に記憶されたプログラムを実行することで、制御パネル104に入力された各種指令に基づいて、制御パネル104、ファンモータ171、及びモータ126等の、空気清浄機100の各部の動作を制御する。
例えば、制御部19は、制御パネル104が空気清浄機100の運転指令を受け付けると、ファンモータ171を駆動する。また、制御部19は、制御パネル104が加湿運転の実行指令を受け付けると、ファンモータ171に加えて、モータ126を駆動する。
また、制御部19は、フロートセンサ148の検知結果に基づいて、タンク16への給水が必要であるか否かを判定する。より詳しくは、制御部19は、フロートセンサ148の検知部から送信されるオン/オフ信号に基づいてタンク受け部14aに所定位置まで水が溜まっているか否かを判定し、該判定結果に応じてタンク本体160に水が残存するか否かを推定する。例えば、制御部19は、検知部からオン信号が送信されている場合には、タンク受け部14aに所定位置まで水が貯まっていると判定し、タンク本体160に水が残存していると推定する。そして、制御部19は、タンク本体160に水が残存していると推定した場合には、タンク本体160への給水が必要でないと判定する。一方、制御部19は、検知部から所定時間以上オフ信号が継続して送信されている場合には、タンク受け部14aに所定位置まで水が溜まっていないと判定し、タンク本体160に水が残存していないと推定する。そして、制御部19は、タンク本体160に水が残存していないと推定した場合には、タンク本体160への給水が必要であると判定し、給水が必要であることをユーザに認識させるために表示部のLEDを点灯させる。
(3)特徴
(3−1)
図13は、従来の蓋部の一例(以下、蓋部18’という)であって、蓋部18’の斜視図である。図14は、タンク16が本体10に装着された状態の蓋部18’の側面図であって、タンク本体160内に水が残存しているが、タンク本体160への水の供給が必要であると判定されたときの状態を描いている。
従来の蓋部18’と本発明の蓋部18との構成上の違いとしては、従来の蓋部18’には、筒状部183’に、大開口が形成されておらず、小開口183a’が等しい間隔をあけて複数形成されている。蓋部18’には、貯水部14のタンク受け部14aの喫水面の高さが一定になるように、幅の狭い複数の小開口183a’が等間隔で配設されている。
ここで、蓋部の底面部外周縁部直下に位置する喫水面を特に基準面とすると、蓋部18’の場合、タンク受け部14aの水が減り基準面の位置が小開口183a’の上端よりも下になっても、筒状部183’外周面の表面張力が水を引っ張りあげることで、小開口183a’が水で塞がれた状態になることがある。このような場合には、図14に示すように、基準面の位置が下がっても、タンク本体160から貯水部14に水が供給され難くなるため、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面だけが下がってしまうことになる。
本実施形態の蓋部18には、複数の小開口183aだけでなく、筒状部183の外周面におけるタンク受け部14aの喫水面の一部上昇を抑制するための大開口183bが形成されている。このため、筒状部183外周面に表面張力が働きにくくなり、小開口183aが水で塞がれ難くなる。
これによって、タンク本体160から貯水部14に水が供給され難くなるおそれを低減できるため、筒状部183の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面だけが大幅に下がってしまうことを抑制でき、喫水面を安定させることができている。
(3−2)
本実施形態では、筒状部183には、大開口183bが1つだけ設けられている。このため、大開口183bが筒状部183に複数設けられている場合と比較して、タンク本体160内への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができている。
(3−3)
本実施形態では、筒状部183には、複数の小開口183aが形成されている。このため、一度に大量の空気がタンク本体160内に流入するのを抑制することができる。これにより、タンク本体160内への空気の流入音が大きくなるのを抑制することができている。
(3−4)
本実施形態の大開口183b及び小開口183aは、筒状部183の周縁端部に設けられた切り欠きである。このため、大開口183b及び小開口183aを簡易に形成することができる。
(3−5)
本実施形態の貯水部14には、タンク受け部14aの喫水面の位置を検知するためのフロートセンサ148が設けられている。そして、フロートセンサ148の検知結果に基づいて、タンク本体160に水が残存しているか否かが推定され、タンク本体160への給水が必要であるか否かが判定される。また、タンク本体160への給水が必要であると判定された場合には、ユーザへの報知が行われる。これにより、給水が必要であることをユーザに認識させやすくすることができている。
また、タンクの蓋部として従来の蓋部18’が採用されている場合、上述したように、筒状部183’における表面張力の影響で、貯水部14の水が減って、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面が下がっても、タンク本体160からタンク受け部14aに水が供給されないことがある。このような場合であっても、筒状部183’の外周面付近を除くタンク受け部14aの喫水面の位置が所定位置以下になると、フロートセンサ148から送信される信号はオフ信号になるため、タンク本体160内に水が残存しているにも拘わらず、制御部19は、タンク本体160への給水が必要であると判定してしまうことになる。
本実施形態では、蓋部18の筒状部183に大開口183bが形成されていることで、筒状部183の外周面に表面張力が働き難くなり、この結果、筒状部183の外周面におけるタンク受け部14aの喫水面の一部上昇が抑制されている。すなわち、本実施形態では、筒状部183の外周面付近を除くタンク受け部14aの水面の位置と、筒状部183の外周面付近の水面の位置との差を小さくすることができる構成であるため、フロートセンサ148がタンク受け部14aの喫水面の位置を誤って検知するおそれを低減することができる。
これにより、タンク本体160内の水の残存量が誤って判定されるのを防止し、タンク本体160への給水の要否の誤判断を抑制できている。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、空気清浄ユニット11を備える空気清浄機100について説明しているが、本発明はこれに限定されず、加湿エレメント12を備える加湿器であればよい。
本発明は、タンクから貯水部に水が供給され難くなるおそれを低減することができるものであり、蓋部を有するタンクを備える加湿器への適用が有効である。
10 本体
12 加湿エレメント
14 貯水部
16 タンク
18 蓋部
148 フロートセンサ
160 タンク本体
161a 給水口
180a 連通口
182 給水弁(弁)
183 筒状部
183a 小開口
183b 大開口