JP2016003834A - 室内環境制御装置および室内環境制御プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1は、電気信号によって開閉制御可能な窓と空調設備を選択的かつ統合的に制御する技術を開示する。窓と空調設備を上手に使い分けながら空調制御できれば、過度にエアコンに頼らなくとも室内の快適性を保つことができる(特許文献1〜4参照)。
室内環境制御システム100は、マンションや一戸建てごとに、あるいは、部屋ごとに形成される。室内環境制御システム100は、室内環境制御装置102と、エアコン104、天窓108および腰窓110a〜110dを含む。図1においては腰窓110c、110dは1階に設置され、腰窓110a、110bは2階に設置されている。以降、天窓108と腰窓110をまとめていうときや特に区別しないときには単に「窓」とよぶことにする。また、エアコン104と窓をまとめていうときや特に区別しないときには「対象機器」とよぶことにする。
人体の快適感を表すための指標としてPMVとよばれる快適指数がある。PMVは1994年にISO規格(ISO7730)として規格化されている。PMVは、室温、熱放射、相対湿度、平均風速の4つの物理的要素と、着衣量および作業量という2つの人間的要素を定義し、これら6つのパラメータを変数とする快適方程式から算出される。
室内環境制御装置102の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各図は、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
本実施形態においては、室内環境制御装置102から制御命令を受信しとき、対象機器は所定時間以内に状態情報を返信するものとする。
第1判定ルール144は、判定ルール格納部122に保存される判定ルールの一例である。PMV欄140はPMVを示し、ルール欄142はPMVに対応した制御条件を示す。第1判定ルール144は、PMVのみに基づく最も単純な制御方法である。説明を簡単にするため、ここではすべての窓には共通の制御命令が送られるものとして説明する。
(1)快適ゾーンにあるときには現状維持とする。
(2)暑いときや寒いときには窓の制御を優先し、まずは窓を開ける。
(3)特に暑いときや寒いときには窓を閉め、エアコン104を駆動する。
PMV:+2.0以上のとき、すなわちかなり暑いときには、制御判定部126は窓を閉鎖し、エアコン104を設定温度26℃で駆動する。
上述のように、命令記録部130は制御命令をデータベース106に時系列にて記録する。時刻欄148は制御命令の送信時刻、エアコン欄150はエアコン104への制御命令、窓欄152は窓への制御命令を示す。ここでも、窓欄152の制御命令はすべての窓への共通の制御命令であるとする。
図5に示す制御命令列146によれば、5:11までは窓の開放が指示されているが、快適ゾーンに戻らなかったため、5:12には窓を閉めてエアコン104を設定温度26℃の冷房に設定していることが読み取れる。
制御命令送信処理は、定期的、たとえば、1分ごとに繰り返し実行される。まず、待機状態にあるとき(S10のY)、以降の処理はスキップされる。ここでいう待機状態とは、図4に関連して説明したように、快適ゾーンから少しだけ外れたときに窓を開けて、PMVが快適ゾーンに戻るか判断するために待機している状態のことである。
なお、窓への制御命令とエアコン104の制御命令は同じタイミングで送信されてもよい。
窓やエアコン104は、制御命令を受信すると、制御命令にしたがって設定を変化させ、変化後の状態を示す状態情報を室内環境制御装置102に返信する。図7の遂行判定処理は、状態情報を受信したことを契機として実行される。
第1判定ルール144以外にも様々な判定ルールが考えられる。第2判定ルール154も、判定ルール格納部122に保存される判定ルールの別例である。第1判定ルール144と第2判定ルール154はいずれか一方が選択的に採用されればよい。第2判定ルール154は、PMV欄140、ルール欄142に気温条件欄156が追加される。説明を簡単にするため、ここではすべての窓には共通の制御命令が送られるものとして説明する。
(1)快適ゾーンにあるときには現状維持する。
(2)暑いときや寒いときには窓の制御を優先する。
(3)ただし、窓を開放するのは、外気を取り入れることで快適性が向上することが見込める場合に限る。
(1)複数の窓の制御
同じ部屋にある2以上の腰窓110を同時開放すると風通しがよくなるため快適性が向上する。あるいは、北側の窓と南側の窓のように対向する2つの腰窓110を同時開放することでも風通しがよくなる。たとえば、図1の腰窓110aと腰窓110bはペアとして同時開放・同時閉鎖させるとしてもよい。腰窓110cと腰窓110dのペアについても同様である。また、1階のPMVが不快状態にあり2階のPMVが快適ゾーンにあるときには、1階の腰窓110c、腰窓110dのみを開放制御の対象としてもよい。
また、やや暑いときには2つの腰窓110を開放し、5分経過しても快適ゾーンに戻らないときには残りの窓も開放し、更に、5分経過しても快適ゾーンに戻らないときにはすべての窓を閉鎖してエアコン104をつける、という制御方法も考えられる。すべての窓を同時に全開すると室内環境が急激に変化する可能性があるため、段階的に開放窓の数を増やしてもよい。
室内環境制御装置102は風向・風量をセンシングしてもよい。風向に応じて、複数の窓の開け方を決めてもよい。たとえば、北東の風のときには風上にあたる北側の窓と風下にあたる南側の窓を開けることにより風通しがよくなる。また、強風のとき、たとえば、風速が所定値以上のときには窓の開放を抑止するという制御条件を追加してもよい。
室内環境制御装置102は、降雨をセンシングしてもよい。降雨情報は天気予報などの既存の情報源から得てもよい。降雨時には天窓108の開放を禁止してもよい。あるいは、風向を考慮し、降雨時には風上に位置する窓の開放を禁止してもよい。
第2判定ルール154の気温条件を湿度条件に変更してもよい。室内湿度が室外湿度よりも大きいときには窓を開放することで室内湿度を下げてもよい。また、室内湿度が所定値以上となったときには窓を開放することで風を通すという制御方法も考えられる。
排気ガスや花粉などの粉塵が発生するときには窓の開放を制限してもよい。粉塵はセンサーにより検知してもよいし、粉塵が発生しやすい季節や時間帯をあらかじめ設定しておき、このような時間帯には窓の開放がされないようにしてもよい。粉塵に限らず、騒音についても同様である。
セキュリティを考慮し、夜間や外出時には窓の開放を制限してもよい。外出は、人感センサにより判定してもよいし、施錠の状態から外出中か在宅中かを判定してもよい。窓の開放を制限するだけでなく、外出時は室内環境制御装置102は窓の施錠を指示してもよい。帰宅時に室内が不快であることは好ましくないため、外出中であってもエアコン104を駆動し、快適性を維持することが望ましい。しかし、人がいないときにエアコン104を過度に駆動することは経済的ではないため、たとえば、外出中においては、快適ゾーンから少しだけ外れたときにはエアコン104は駆動せず、快適ゾーンから大きく外れたときだけエアコン104を駆動するといった制御方法が考えられる。
また、不在時に窓を開けるときには防犯上問題のある窓の開放を制限してもよい。たとえば、1階の窓は不在時には開放禁止としてもよい。2階であっても、隣家に近い窓も開放禁止としてもよい。
室内環境制御装置102は、定期的に制御命令を送信し、制御命令をデータベース106に時系列にて記録する。制御命令のログをとることで、いつどのような制御が行われているかを事後的に確認できる。特に、対象機器制御のエラーが生じているか、いつエラーが生じているかを事後的に確認できるため、適切な対応を取りやすい。たとえば、腰窓110bの開閉指示を出したとき、腰窓110bへの開放変更指示が連続して出ているときには腰窓110bの調子が悪いことがわかる。また、制御命令に加えて状態情報も記録することにより、複雑な判定ルールを設定する場合でもどのような状況でどのような制御を行っているかを確認できる。室内環境制御装置102は、制御命令とともにそのときの快適指数も記録してもよい。
Claims (8)
- 制御命令にしたがって開閉する窓と、制御命令にしたがって空調制御する空調機器の双方と接続され、
室温をパラメータとして計算される所定の快適指数に基づいて、前記窓および前記空調機器の双方または一方へ送信すべき制御命令を決定する制御判定部と、
前記窓および前記空調機器の双方または一方に前記制御命令を送信する命令送信部と、
制御命令を時系列にて記録する命令記録部と、を備えることを特徴とする室内環境制御装置。 - 前記制御判定部は、前記快適指数が所定幅を有する快適ゾーン内にあるときには、前記窓および前記空調機器の制御状態を現状維持させることを特徴とする請求項1に記載の室内環境制御装置。
- 前記制御判定部は、前記快適指数が前記快適ゾーンから外れたときには、前記窓を優先制御し、所定時間が経過しても前記快適指数が前記快適ゾーン内に戻らないときには前記空調機器を制御することを特徴とする請求項2に記載の室内環境制御装置。
- 前記制御判定部は、前記快適指数が前記快適ゾーンから外れたときには、外気温と室温の間に所定の大小関係が成立することを条件として前記窓を前記空調機器よりも優先制御することを特徴とする請求項3に記載の室内環境制御装置。
- 前記窓および前記空調機器の双方からそれぞれの制御状態を示す状態情報を受信する状態受信部と、
状態情報と送信済みの制御命令とを比較することにより、前記制御命令が前記窓および前記空調機器の双方または一方において遂行されているか否かを判定する遂行判定部と、を更に備え、
前記命令送信部は、前記制御命令が遂行されていないときには、前記遂行されていない制御命令を再送信することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の室内環境制御装置。 - 制御命令の再送信が所定回数に達したとき、警告を発生させる警告部、を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の室内環境制御装置。
- 前記制御判定部は、複数の窓を制御対象とするときには、所定の判定ルールにしたがって、制御対象の窓を決定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の室内環境制御装置。
- 制御命令にしたがって開閉する窓と、制御命令にしたがって空調制御する空調機器の双方と通信可能なコンピュータにおいて実行されるコンピュータプログラムであって、
室温をパラメータとして計算される所定の快適指数に基づいて、前記窓および前記空調機器の双方または一方へ送信すべき制御命令を決定する機能と、
前記窓および前記空調機器の双方または一方に前記制御命令を送信する機能と、
制御命令を時系列にて記録する機能と、を前記コンピュータに発揮させることを特徴とする室内環境制御プログラム。
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