JP2016002570A - 連続鋳造用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ガス吹きを行わずにノズルの閉塞を十分に防止できる連続鋳造用ノズルを提供することにある。
【解決手段】本発明の連続鋳造用ノズルは、窒化珪素とカーボンを同時に含有し、且つ窒化珪素/カーボンの質量比(A)が、3≦A≦5の範囲内にある耐火材料から構成されることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の連続鋳造用ノズルは、窒化珪素とカーボンを同時に含有し、且つ窒化珪素/カーボンの質量比(A)が、3≦A≦5の範囲内にある耐火材料から構成されることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は,鋼の連続鋳造工程に使用される耐火物のノズルに関するものである。
鋼の連続鋳造において溶鋼を取鍋からモールドへ導入するため、浸漬ノズルやロングノズルなどの耐火物が使われているが、Al含有鋼などの鋼種を鋳造する時はノズル閉塞の問題がしばしば生じる。浸漬ノズルやロングノズルは、通常、アルミナ−シリカ−カーボン質耐火材料で構成されている。更に、浸漬ノズルでは、モールドパウダーと接触するスラグライン部に耐食性の高いジルコニア−カーボン質耐火材料が適用されるのが一般的である。
鋼の連続鋳造工程におけるノズル閉塞の原因としては、(1)ノズル耐火物内で酸化物(シリカ、アルミナなど)と、カーボンが反応して酸化物ガス(SiO、Al2OやCOなど)が発生する;(2)これらの酸化性ガスは溶鋼側へ拡散し、溶鋼中の合金元素(例えば、Alなど)と反応して、ノズルの稼動面に網目状の酸化物反応層を生成する;(3)この酸化物反応層上に溶鋼中の介在物が付着・堆積する、という機構が一般的に考えられている。網目状の酸化物反応層は、凹凸の激しい形態を呈するので、酸化物反応層の上には介在物が堆積し易くなる。
ノズルを構成する耐火物内での酸化物とカーボンの反応を避けるため、ノズル内孔体におけるカーボン量を低減し、更に、実質的にノンカーボン材質としたノズルなどが適用され始めている。例えば、ノズル内孔体のカーボン量を低減した例として、特許文献1には、溶鋼と接するノズル内孔部位の耐火材料が、1〜10重量%のカーボンを含有する耐火材料で構成され、かつカーボン以外の耐火材料が420μm以下の粒度からなる連続鋳造用ノズルや、前記ノズル内孔部位の耐火材料が、(A)カーボン及び窒化物、(B)カーボン、窒化物及び酸窒化物、(C)カーボン、窒化物、酸窒化物及び酸化物のいずれか1種から構成されることが開示されている。また、特許文献1の実施例には、窒化珪素50重量%、BN30重量%、アルミナ13重量%及び黒鉛7重量%から構成される材料などが示されている。特許文献1の連続鋳造用ノズルでは、介在物の堆積抑制にある程度効果があるが、その効果が必ずしも十分でない場合もあった。
そこで、カーボン量を更に低減する試みがなされている。例えば、特許文献2には、アルミナ含有量99重量%以上のアルミナクリンカーを主成分とし、アルミナ含有量が70重量%以上、カーボン含有量が1重量%未満、シリカ含有量が1重量%未満の耐火物組成を有し、かつ0.21mm以下の粒度が20〜70%を占める粒度構成を有する連続鋳造用ノズル内孔体が開示されている。
また、浸漬ノズルのポーラススリットを通してArガスを溶鋼へ吹き込み、浸漬ノズルの閉塞を防止する方法がある。例えば、特許文献3には、ノズル本体内部に同心円状のスリットと該スリットに連通するガス導入孔を設け、該スリット作動面部に、重量比で窒化硼素または窒化珪素またはそれら両者10〜60%、アルミナ10〜50%、黒鉛13〜30%及びシリカ5〜50%からなる配合物に有機バインダーを添加してなる混合物に所定量の可燃性物質または焼成温度で溶融する物質を添加し、アイソスタチック成形した後、還元焼成して、通気率を所定数値以上にポーラス化した成形体を配設することを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズルが開示されている。また、特許文献3の実施例には、窒化硼素5または15重量%、窒化珪素0または35重量%、黒鉛25または15重量%、アルミナ35または20重量%、シリカ20または17重量%、炭化珪素5重量%、金属珪素0または1重量%並びに長石0または2重量%からなる材質が開示されている。
上述の特許文献2に記載された連続鋳造用ノズル内孔体のように、カーボン含有量を1重量%未満とするようなカーボンレス材質でノズル内孔体を構成することにより、上記(2)の網目状の酸化物反応層が形成されず、それによって介在物の堆積が軽減される。しかしながら、このカーボンレス材質を使用する場合でも材質の表面には工業的に不可避な凹凸が必ず存在し、この凹凸を起点に介在物が堆積する。一旦、介在物が堆積すると、凹凸程度が激しくなり、介在物の堆積が速くなる。このため、ノズルの閉塞を大幅に改善することができないのが実情である。また、特許文献3のガス吹き込み型の連続鋳造用浸漬ノズルでは、ノズルの肉厚がある程度以上でなければ、スリットを設置することができず、ガス導入孔を備えたノズルには制約がある。ノズルの肉厚は、通常モールドサイズ(ノズル外径を制約)及び必要な溶鋼スループット(ノズル内径を制約)に制限される。また、ガス吹き込みのためには、配管設備などを取りつけなければならず、このような形態の連続鋳造用浸漬ノズルは必ずしも経済的な方法とは言えない。
従って、本発明の目的は、ガス吹きを行わずにノズルの閉塞を十分に防止できる連続鋳造用ノズルを提供することにある。
本発明者らは、種々の耐火材料と、Al含有溶鋼、Ti含有溶鋼、Zr含有溶鋼及びREM(レア・アース)含有溶鋼などの鋼種との反応実験を行い、溶鋼中介在物の付着を抑制する効果が高い材質系について検討した結果、窒化珪素とカーボンを特定の質量比で耐火物に含有させると、溶鋼中介在物の付着防止効果が高いことを見出した。溶鋼中介在物の付着防止効果について更に検討したところ、高温では耐火物内部の窒化珪素とカーボンが反応して窒素ガスが生成し、溶鋼と耐火物の界面に窒素の気泡が形成され、溶鋼中介在物の耐火物への付着を阻止することができることを見出した。窒化珪素とカーボンが反応して、窒素ガスを放出する反応としては、例えば、
Si3N4(固体)+3C(固体)=3SiC(固体)+2N2(ガス) (1)
の反応が考えられる。
本発明者らは、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
Si3N4(固体)+3C(固体)=3SiC(固体)+2N2(ガス) (1)
の反応が考えられる。
本発明者らは、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の連続鋳造用ノズルは、窒化珪素とカーボンを同時に含有し、且つ窒化珪素/カーボンの質量比(A)が、3≦A≦5の範囲内にある耐火材料から構成されることを特徴とする。
また、本発明の連続鋳造用ノズルは、前記耐火材料が、窒化珪素とカーボンの合計量が10〜50質量%、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア及びジルコニアからなる群から選択された1種または2種以上の成分を50〜90質量%含有することを特徴とする。
更に、本発明の連続鋳造用ノズルは、耐火材料が、炭化物及び金属からなる群から選択される1種または2種以上のその他の成分を外掛けで15質量%以下の量で含有することを特徴とする。
本発明の連続鋳造用ノズルによれば、鋼の連続鋳造工程において、ノズルの閉塞を効率的に抑制することができるという効果を奏するものである。
本発明の連続鋳造用ノズルは、窒化珪素とカーボンを同時に含有する耐火材料から構成されるところに特徴がある。カーボン不含で、窒化珪素のみを含有するか、カーボンを含有して窒化珪素不含であるでは、窒化珪素とカーボンの反応による窒素ガスの生成が起こらないため、溶鋼中介在物のノズルへの付着を抑制することはできない。
なお、前記耐火材料における窒化珪素とカーボンの配合割合は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)が3≦A≦5の範囲内にあることが必要である。窒化珪素/カーボンの質量比(A)が3未満であると、窒化珪素の割合が少なすぎるため、窒素ガスを充分に発生させることができず、また、窒化珪素とカーボンの反応を一定時間以上継続させることができないために好ましくない。窒化珪素/カーボンの質量比(A)が5を超えると、カーボンの割合が少なすぎるため、充分な量の窒素ガスを発生させることができず、また、窒化珪素とカーボンの反応を一定時間以上継続させることができないために好ましくない。窒化珪素/カーボンの質量比(A)は、3.5≦A≦4.5の範囲内が好ましい。
また、窒化珪素とカーボンの合計量は、10〜50質量%の範囲内にあることが好ましい。窒化珪素とカーボンの合計量が10質量%未満であると、充分な量の窒素ガスを発生させることができず、また、窒化珪素とカーボンの反応を一定時間以上継続させることができず、溶鋼中介在物の付着防止効果が小さくなるために好ましくない。また、窒化珪素とカーボンの合計量が50質量%を超えると、連続鋳造用ノズルの溶損が大きくなり、外形寸法(内径や外径など)が変わってしまうので好ましくない。窒化珪素とカーボンの合計量は、より好ましくは、12〜40質量%の範囲内である。
窒化珪素の原料としては、窒化珪素単体を使用することができ、また、鉄成分を不可避不純物として含む安価な窒化珪素などの原料を使用することもできる。
また、カーボン原料としては、鱗状黒鉛、膨張黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、コークス、無煙炭、キッシュ黒鉛、ピッチ炭、タール炭、処理黒鉛、電極屑、木炭熱分解黒鉛、再結晶黒鉛、カーボンブラック、非晶質カーボンや樹脂炭などの公知のカーボン原料の1種または2種以上を使用することができる。なお、カーボン量には、バインダーとして連続鋳造用ノズルの製造工程において添加された樹脂に由来する残炭(焼成過程で発生)も含まれるものとする。
本発明の連続鋳造用ノズルを構成する窒化珪素とカーボン以外の成分は、アルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア及びジルコニアからなる群から選択される1種または2種以上の組合せであることが好ましい。窒化珪素及びカーボンは、溶鋼に溶解しやすいので、窒化珪素とカーボンのみからなる耐火材料では、溶鋼への溶解による溶損が生じるため、連続鋳造用ノズルに適用できない。そのため、溶鋼による溶損が生じない上述のような酸化物を窒化珪素及びカーボンと併用する必要がある。これらの成分の配合量は、50〜90質量%の範囲内である。これらの成分の配合量が50質量%未満であると、連続鋳造用ノズルに溶損が生じることがあるために好ましくない。また、90質量%を超えると、鋼中介在物の付着防止効果が小さくなるために好ましくない。なお、これらの成分の配合量は、好ましくは、60〜88質量%の範囲内である。
なお、上記の窒化珪素とカーボン以外の成分において、酸化物の鉱物相は、上記酸化物単体であっても、ムライト、スピネル、ジルコンや酸化物安定化ジルコニアなどの複合化合物であっても良い。
また、連続鋳造用ノズルの強度を向上させたり、酸化を防止するなどの目的で、その他の成分[例えば、炭化珪素や炭化硼素、アルミニウム珪素炭化物(例えば、Al4SiC4)のような炭化物、金属シリコンや金属アルミニウム、アルミニウム−シリコン合金のような金属]を添加することができる。その他の成分の合計量は、外掛けで15質量%以下であることが好ましい。その他の成分の合計量が外掛けで15質量%を超えると、窒化珪素とカーボンの反応を阻害するために好ましくない。なお、その他の成分の合計量は、より好ましくは、外掛けで10質量%以下である。
なお、本発明の連続鋳造用ノズルには、各原料に由来する不可避不純物が混入する場合がある。不可避不純物の含有量は、ノズル全体の5質量%以下、好ましくは3質量%以下の量であれば許容できる。
本発明の連続鋳造用ノズルは、全体を上述のような窒化珪素とカーボンとを含有する材質で構成することができ、また、溶鋼中介在物の付着を防止することが必要な部位のみを上記材質で構成することもできる。例えば、3〜15mmの厚みでノズルの内壁、ノズルの浸漬部へ上記材質を適用することができる。この場合、連続鋳造用ノズルの本体を慣用のアルミナ−カーボン材質で、スラグライン部を慣用のジルコニア−カーボン材質等で構成することができる。また、連続鋳造用ノズルの稼動面を上述した窒化珪素とカーボンとを含有する材質以外の材質(例えば,カーボンレス材質など)で構成し、稼動面の後方に、窒化珪素とカーボンとを含有する材質を配材することもできる。
本発明の連続鋳造用ノズルの製造方法は特に限定されるものではなく、原料秤量、混練、成形、乾燥、焼成及び加工等の慣用のノズル製造プロセスを用いることができる。なお、バインダーとして、フェノール樹脂、フラン樹脂、ピッチやタールなどの有機質バインダーを使用することができる。また、成形工程には、冷間静水等方圧プレス(CIP成形)等の成形方法を利用することができる。更に、焼成工程において、雰囲気は特に限定されるものではなく、例えば、大気雰囲気、還元雰囲気、不活性雰囲気などから材質に合わせて適宜選択することができる。また、焼成温度も特に限定されるものではないが、例えば700〜1200℃、好ましくは800〜1100℃とすることができる。
本発明の連続鋳造用ノズルは、特にノズル閉塞を生じ易い鋼種の鋳造に適したものであり、例えば、Al含有鋼、Ti含有鋼、Zr含有鋼及びREM(レア・アース)含有鋼等の鋼種を連続鋳造する際に好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明の連続鋳造用ノズルを更に説明する。
実施例1
以下の表1(本発明品)及び表2(比較品)に示す配合割合にて、原料配合物を調製し、定法によって成形し、還元雰囲気中1000℃で焼成することにより供試体を得た。
次に、溶鋼中介在物の耐付着性の評価を以下のようにして行った:
上記供試体をダイアモンドカッターで切り出し、平面研磨によって20×20×200mmの試験片を得た。
次に、高周波炉を用いて20kgの鋼(C:0.06質量%、Si:0.2質量%、Mn:1.2質量%、P:0.01質量%、S:0.002質量%、Al:0.04質量%)をアルゴン雰囲気中で溶解し、1570℃に保持してから、試験片を100mmの深さで浸漬した。1時間後、試験片を引き上げ、冷却した後、試験片の断面寸法を測定した。試験後、試験片の断面寸法が試験前より大きくなっていた場合、介在物付着層が形成されたと判断した。比較品1の付着層厚みを基準として各試験片の付着指数を算出した。即ち、
付着指数=(各試験片の付着層厚み)/(比較品1の付着層厚み)
付着指数が小さいほど、試験片の耐付着性が高くなると判断した。逆に、試験後、試験片の断面寸法が試験前より小さくなっている場合には、試験片の溶損が生じたと判断した。なお、付着層厚みには、浸漬部の中間位置における付着層厚みを使用した。
実施例1
以下の表1(本発明品)及び表2(比較品)に示す配合割合にて、原料配合物を調製し、定法によって成形し、還元雰囲気中1000℃で焼成することにより供試体を得た。
次に、溶鋼中介在物の耐付着性の評価を以下のようにして行った:
上記供試体をダイアモンドカッターで切り出し、平面研磨によって20×20×200mmの試験片を得た。
次に、高周波炉を用いて20kgの鋼(C:0.06質量%、Si:0.2質量%、Mn:1.2質量%、P:0.01質量%、S:0.002質量%、Al:0.04質量%)をアルゴン雰囲気中で溶解し、1570℃に保持してから、試験片を100mmの深さで浸漬した。1時間後、試験片を引き上げ、冷却した後、試験片の断面寸法を測定した。試験後、試験片の断面寸法が試験前より大きくなっていた場合、介在物付着層が形成されたと判断した。比較品1の付着層厚みを基準として各試験片の付着指数を算出した。即ち、
付着指数=(各試験片の付着層厚み)/(比較品1の付着層厚み)
付着指数が小さいほど、試験片の耐付着性が高くなると判断した。逆に、試験後、試験片の断面寸法が試験前より小さくなっている場合には、試験片の溶損が生じたと判断した。なお、付着層厚みには、浸漬部の中間位置における付着層厚みを使用した。
なお、本発明品1〜5は、窒化珪素とカーボン量の合計量を一定として、窒化珪素/カーボンの質量比(A)を変化させた例である。
また、本発明品6〜11は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)を一定として、窒化珪素とカーボン量の合計量を変化させた例である。
更に、本発明品12〜16は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)と、窒化珪素とカーボン量の合計量を一定として、各種の酸化物を使用した例である。
また、本発明品17〜19は、その他の成分を加えた例である。
また、本発明品6〜11は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)を一定として、窒化珪素とカーボン量の合計量を変化させた例である。
更に、本発明品12〜16は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)と、窒化珪素とカーボン量の合計量を一定として、各種の酸化物を使用した例である。
また、本発明品17〜19は、その他の成分を加えた例である。
本発明品は、いずれも付着指数が小さく、耐付着性に優れた材質であることがわかる。
これに対して、比較品1は、従来から一般的に使用されているアルミナ−シリカ−カーボン材質であり、介在物の付着が著しかった。
比較品2は、カーボンを含まないノンカーボン材質であるが、比較例1と比べて介在物の耐付着性は向上していたが、必ずしも十分とは言えない。
比較品3は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)が低すぎる例である。付着指数は余り低下していない。過剰なカーボンが、シリカ及びアルミナと反応して酸化物ガス(SiO、Al2O、CO等)を発生し、付着層の形成を助長したことが耐付着性を低下させた一因であると推定される。
比較品4は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)が高すぎる例であり、この場合も付着指数は低下しなかった。
比較品5は、カーボンを含まず、窒化珪素のみを含む例であり、この場合も付着指数は低下しなかった。
比較品6は、炭化珪素とカーボン量の合計量が少なすぎる例であり、付着指数は低下しなかった。これは、窒素ガスの発生量が少なかったためと推定される。
比較品7は、炭化珪素とカーボン量の合計量が多すぎる例であり、溶損が大きく好ましいものではなかった。
比較品8は、その他の成分の配合量が過剰の場合の例である。この場合も付着指数は低下しなかった。
このように、溶鋼中介在物への耐付着性に対し、本発明品の優位性が明確である。
これに対して、比較品1は、従来から一般的に使用されているアルミナ−シリカ−カーボン材質であり、介在物の付着が著しかった。
比較品2は、カーボンを含まないノンカーボン材質であるが、比較例1と比べて介在物の耐付着性は向上していたが、必ずしも十分とは言えない。
比較品3は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)が低すぎる例である。付着指数は余り低下していない。過剰なカーボンが、シリカ及びアルミナと反応して酸化物ガス(SiO、Al2O、CO等)を発生し、付着層の形成を助長したことが耐付着性を低下させた一因であると推定される。
比較品4は、窒化珪素/カーボンの質量比(A)が高すぎる例であり、この場合も付着指数は低下しなかった。
比較品5は、カーボンを含まず、窒化珪素のみを含む例であり、この場合も付着指数は低下しなかった。
比較品6は、炭化珪素とカーボン量の合計量が少なすぎる例であり、付着指数は低下しなかった。これは、窒素ガスの発生量が少なかったためと推定される。
比較品7は、炭化珪素とカーボン量の合計量が多すぎる例であり、溶損が大きく好ましいものではなかった。
比較品8は、その他の成分の配合量が過剰の場合の例である。この場合も付着指数は低下しなかった。
このように、溶鋼中介在物への耐付着性に対し、本発明品の優位性が明確である。
実施例2
本発明品3の内孔体を有する本発明品の浸漬ノズルをAl含有鋼の実機鋳造に用いた。比較品の浸漬ノズルは、比較品2の内孔体を有するものである。本発明品及び比較品の浸漬ノズルを同一タンディッシュの鋳造に使用し、使用後内孔体稼動面の溶鋼中介在物の付着状態を調査した。
6chの溶鋼(1800トン)を鋳造した結果、比較品の浸漬ノズルの内孔体稼動面に厚み15mmの付着層が形成されているのに対して、本発明品の浸漬ノズルの内孔体には付着物はほとんど生じなかった。
このように、溶鋼中介在物への耐付着性に対し、本発明品の優位性が明確である。
本発明品3の内孔体を有する本発明品の浸漬ノズルをAl含有鋼の実機鋳造に用いた。比較品の浸漬ノズルは、比較品2の内孔体を有するものである。本発明品及び比較品の浸漬ノズルを同一タンディッシュの鋳造に使用し、使用後内孔体稼動面の溶鋼中介在物の付着状態を調査した。
6chの溶鋼(1800トン)を鋳造した結果、比較品の浸漬ノズルの内孔体稼動面に厚み15mmの付着層が形成されているのに対して、本発明品の浸漬ノズルの内孔体には付着物はほとんど生じなかった。
このように、溶鋼中介在物への耐付着性に対し、本発明品の優位性が明確である。
本発明の連続鋳造用ノズルは、鋼の連続鋳造工程において、ノズル閉塞を抑制することができ、鋼業界における利用可能性は極めて高いものである。
Claims (3)
- 窒化珪素とカーボンを同時に含有し、且つ窒化珪素/カーボンの質量比(A)が、3≦A≦5の範囲内にある耐火材料から構成されることを特徴とする連続鋳造用ノズル。
- 耐火材料は、窒化珪素とカーボンを合計量で10〜50質量%、並びにアルミナ、シリカ、マグネシア、カルシア及びジルコニアからなる群から選択された1種または2種以上の成分を50〜90質量%含有する、請求項1記載の連続鋳造用ノズル。
- 耐火材料が、炭化物及び金属からなる群から選択される1種または2種以上のその他の成分を外掛けで15質量%以下の量で含有する、請求項1または2記載の連続鋳造用ノズル。
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