JP2016001939A - インバータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの負荷変動が生じた場合でもモータ効率を高く維持する。
【解決手段】制御装置100は、モータ500を駆動するための二相巻線(主巻線520および補助巻線530)に、制御信号S1〜S6に基づいて電圧(主電圧Vmainおよび補助電圧Vaux)を印加するインバータ400の制御装置(インバータ制御装置)である。入力部は、モータ500の駆動に関する情報(測定結果Sa〜Sd)を受けるために用いられる。制御部20は、入力部10が受けた情報(測定結果Sa〜Sd)に基づいて、インバータ400を制御するための制御信号S1〜S6を発生する。出力部は、制御信号S1〜S6をインバータに送信するために用いられる。制御部20は、モータ500の負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生する。
【選択図】図1

Description

この発明は、インバータの制御に関し、より特定的には、二相巻線に電圧を印加するモータ駆動用インバータを制御するインバータ制御装置に関する。
モータ制御の一つとして、固定子に二相巻線を用いる技術が知られている。この技術では、二相巻線に位相の異なる電流がそれぞれ流れるように、二相巻線に電圧が印加される。これにより、モータを回転駆動するための回転磁界を発生させることができる。
二相巻線への電圧の印加および電流の供給は、たとえばインバータによって行なわれる(特開2005−184885号公報参照)。インバータを制御することによって、二相巻線への印加電圧などを制御することができる。なお、二相巻線によって駆動されるモータは、「二相誘導モータ」と呼ばれることもある。
特開2005−184885号公報
松下元士、"永久磁石同期モータのセンサレス電圧/電流位相制御"、[online]、2010年7月、大阪府立大学、2010、博士論文、[平成26年6月2日検索]、インターネット〈URL:http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/bitstream/10466/11152/1/2010900037.pdf〉
モータ制御では、モータ効率を高めることが望まれる。これまでのところ、二相誘導モータの制御においては、モータの回転速度に応じて電圧を制御する方式(「V/F制御」と呼ばれることもある)が主に採用されている。この方式では、最適な(最大となる)モータ効率が維持されるように、モータの回転速度に応じて、二相巻線に印加する電圧が制御される。
しかし、最適なモータ効率を得るための電圧は、モータの負荷によって異なる場合がある。その場合、上述のようなモータの回転速度に応じた電圧制御では、負荷変動が生じた場合でも、電圧は一定のままである。その結果、モータ効率が低下してしまう。
この発明の目的は、モータの負荷変動が生じた場合でもモータ効率を高く維持することである。
この発明は、ある局面において、モータを駆動するための二相巻線に制御信号に基づいて電圧を印加するインバータの制御装置(インバータ制御装置)である。インバータ制御装置は、モータの駆動に関する情報を受けるための入力部と、入力部が受けた情報に基づいてインバータを制御するための制御信号を発生する制御部と、制御部が発生した制御信号をインバータに送信するための出力部とを備える。制御部は、モータの負荷に応じた制御信号を発生する。
上記構成のインバータ制御装置では、制御部がモータの負荷に応じた制御信号を発生する。これにより、モータの負荷変動が生じた場合でも最適なモータ効率が得られるようにインバータを制御することができる。
この発明によれば、モータの負荷変動が生じた場合でもモータ効率を高く維持することが可能になる。
実施の形態1に係るインバータ制御装置を説明するための図である。 制御装置100の制御部20をさらに詳細に説明するための図である。 位相差φを説明するための図である。 位相差φと、モータ効率ηとの関係を説明するための図である。 モータ相電圧と位相差φとの関係を説明するための図である。 実施の形態1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係るインバータ制御装置を説明するための図である。 実施の形態2において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、特に記載がある場合を除き、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るインバータ制御装置を説明するための図である。図1を参照して、インバータ制御装置100(以下、単に「制御装置100」という)は、電気機器1に搭載されて用いられる。電気機器1は、たとえば空調装置(エアコン)である。ただし、電気機器1の種類は特に限定されるものではない。
図1を参照して、電気機器1は、制御装置100と、整流部300と、インバータ400と、モータ500とを含む。また、電気機器1においては、電流センサ611,612および電圧センサ621,622などの種々のセンサが適宜配置され得る。
制御装置100は、インバータ400を制御する。制御装置100の詳細については、後述する。
電力源200は、電気機器1に交流電力を供給する。電力源200は、たとえば商用電力網である。
整流部300は、ダイオード311〜314と、コンデンサ320とを含む。ダイオード311〜314は、ブリッジ回路を構成する。ブリッジ回路は、電力源200からの交流電力を整流する。コンデンサ320は、整流された電力を平滑化する。平滑化された電力は、インバータ400に出力される。
インバータ400は、スイッチング素子411〜416と、出力ノードNa〜Ncとを含む。
スイッチング素子411〜416は、図1に示す例では、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)として表される。ただし、スイッチング素子411〜416の種類は特に限定されない。スイッチング素子411〜416として、たとえばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられてもよい。なお、スイッチング素子411〜416の各々には、帰還ダイオードが接続されている。
スイッチング素子411〜416の制御端子(ゲート)には、制御信号S1〜S6がそれぞれ入力される。制御信号S1〜S6によってスイッチング素子411〜416のON/OFFを制御することで、整流部300からの電力をモータ500を駆動するための電力に変換し、出力ノードNa,NbおよびNcに出力することができる。すなわち、インバータ400は、制御装置100から送信される制御信号S1〜S6に基づいて、モータ500を駆動するためのインバータである。
スイッチング素子411〜416の制御方法は特に限定されない。一例として、PWM(Pulse Width Modulation Control)制御が用いられてもよい。
モータ500は、回転子510と、主巻線520と、補助巻線530とを含む。
回転子510は、主巻線520および補助巻線530によって発生した回転磁界によって回転する。図1に示す例では、回転子510として、かご型の回転子として表される。ただし、回転子510の種類は特に限定されない。
主巻線520の一方端はインバータ400の出力ノードNaに接続され、他方端はインバータ400の出力ノードNcに接続される。インバータ400は、出力ノードNaおよびNcを介して、主巻線520に電圧の印加および電流の供給を行なう。主巻線520に印加される電圧を主電圧「Vmain」と称して図示する。主巻線520に供給される電流を主電流「Imain」と称して図示する。主電流Imainによって、主巻線520には磁界が発生する。
補助巻線530の一方端はインバータ400の出力ノードNbに接続され、他方端はインバータ400の出力ノードNcに接続される。インバータ400は、出力ノードNbおよびNcを介して、補助巻線530に電圧の印加および電流の供給を行なう。補助巻線530に印加される電圧を補助電圧「Vaux」と称して図示する。補助巻線530に供給される電流を補助電流「Iaux」と称して図示する。補助電流Iauxによって、補助巻線530には磁界が発生する。
補助電圧Vauxは、主電圧Vmainとは位相が異なるように、補助巻線530に印加される。好ましくは、両者の位相は90度異なる。
主電圧Vmainと補助電圧Vauxの位相が異なると、主電流Imainと補助電流Iauxの位相も異なる。したがって、主電流Imainによって主巻線520に発生する磁界と、補助電流Iauxによって補助巻線530に発生する磁界との位相は異なる。位相の異なる2つの磁界が発生することによって、回転磁界が形成される。
このように主巻線520に発生する磁界と補助巻線530に発生する磁界とは位相が異なるので、主巻線520および補助巻線530は、二相巻線として用いられる。したがって、インバータ400は、モータ500を駆動するための二相巻線に制御信号S1〜S6に基づいて電圧を印加するインバータである。また、モータ500は、二相巻線によって駆動されるため、二相誘導モータである。
なお、電気機器1が空調装置の場合、モータ500は、たとえば圧縮機(図示しない)を作動させるために用いられる。
電流センサ611は、主電流Imainを測定することができるように配置される。図1に示す例では、電流センサ611は、インバータ400の出力ノードNaと、主巻線520との間の経路に配置される。電流センサ611の測定結果は「Sa」として図示される。
電圧センサ621は、主電圧Vmainを測定することができるように配置される。図1に示す例では、電圧センサ621は、インバータの出力ノードNaおよびNcと、主巻線520との間に配置される。電圧センサ621の測定結果は「Sc」として図示される。
電流センサ612は、補助電流Iauxを測定することができるように配置される。図1に示す例では、電流センサ612は、インバータ400の出力ノードNbと、補助巻線530との間の経路に配置される。電流センサ612の測定結果は「Sb」として図示される。
電圧センサ622は、補助電圧Vauxを測定することができるように配置される。図1に示す例では、電圧センサ622は、インバータ400の出力ノードNbおよびNcと、補助巻線530との間に配置される。電圧センサ622の測定結果は「Sd」として図示される。
制御装置100は、入力部10と、制御部20と、出力部30とを含む。
入力部10には、電流センサ611および612の測定結果SaおよびScと、電圧センサ621および622の測定結果ScおよびSdが入力される。ただし、測定結果Sa〜Sdのすべてが入力部10に入力される必要はない。
測定結果Sa〜Sdは、モータ500の二相巻線の電圧および電流の測定結果であるため、モータ500の駆動に関する情報となる。すなわち、入力部10は、モータ500の駆動に関する情報を受けるために設けられる。
制御部20は、インバータ400を制御するための制御信号S1〜S6を発生する。制御部20の構成の詳細については、後に図2を参照してさらに説明する。
出力部30は、制御部20が発生した制御信号S1〜S6を出力する。出力された制御信号S1〜S6は、インバータ400のスイッチング素子411〜416の制御端子にそれぞれ入力される。
以上の構成により、電気機器1においては、制御装置100によってインバータ400を制御して、モータ500を駆動することができる。制御装置100によって、たとえば主巻線520に印加される主電圧Vmainおよび補助巻線530に印加される補助電圧Vauxを制御することもできる。
電気機器1のエネルギ効率などの観点から、モータ500のモータ効率ηを高めることが望ましい。モータ効率ηは、モータ500の入力(ここではインバータ400から供給される電力)と、モータ500の出力(動力)との比率である。
モータ効率ηは、「モータ相電圧」によって変化することが知られている。モータ相電圧は、図1に示される例では、主電圧Vmain(および補助電圧Vaux)のことである。モータ効率ηが最大となるように主電圧Vmainを制御することができれば、最適なモータ効率ηを得ることができる。
ここで、最適なモータ効率ηを得るための主電圧Vmainは、モータ500の負荷によって異なる場合がある。その場合、モータ500の負荷の変動(負荷変動)によって、モータ効率ηが低下する可能性がある。これに対して、負荷変動を考慮しつつモータ相電圧を制御することで、負荷変動が生じたとしても、モータ効率ηを高く維持することが可能になる。
実施の形態1において、制御部20は、モータ500の負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生する。これにより、最適なモータ効率ηが得られるようにインバータ400が制御される。その結果、負荷変動が生じた場合でもモータ効率ηを高く維持することが可能になる。
図2は、制御装置100の制御部20をさらに詳細に説明するための図である。以下で説明する制御部20に含まれる各要素は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサおよびメモリなどの記憶素子によって構成される。制御部20の機能は、ソフトウェアによって実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現されてもよい。
図2を参照して、制御装置100の制御部20は、演算部21と、記憶部22と、比較部23と、信号発生部24とを含む。
演算部21は、入力部10が受けた情報に基づいて、所定の演算を行なう。たとえば、所定の演算は、主電圧Vmainと主電流Imainとの位相差φの算出を含む。主電圧Vmainと主電流Imainとの位相差に代えて、補助電圧Vauxと補助電流Iauxとの位相差が算出されてもよい。すなわち、演算部21は、モータ相電圧(主電圧Vmainおよび/または補助電圧Vaux)とモータ相電流(主電流Imainおよび/または補助電流Iaux)との位相差を算出する。
記憶部22には、位相差に関する情報が記憶されている。たとえば、記憶部22には、目標位相差φtが記憶されている。目標位相差φtは、最適なモータ効率ηを得るための位相差である。目標位相差φtは、たとえば、モータ500(図1)の設計データや、実験データなどに基づいて予め定めることができる。目標位相差φtについては、後に図4を参照してさらに説明する。
比較部23は、演算部21が算出した位相差φと、記憶部22に記憶されている目標位相差φtとを比較する。比較部23の比較結果は、たとえば位相差φと目標位相差φtとの差(ギャップ)であるΔφを含む。
なお、比較結果は、たとえば位相差φと目標位相差φtとの大小関係であってもよい。これについては、後に実施の形態2で説明する。
信号発生部24は、比較部23の比較結果に基づいて、制御信号S1〜S6を発生する。一例として、信号発生部24は、上述のΔφが小さくなるようなモータ相電圧をインバータ400がモータ500に印加するように、制御信号S1〜S6を発生する。
つまり、図1および図2を参照して、制御部20は、位相差φに基づいてインバータ400を制御する。後に図5を参照して説明するが、モータ500の負荷が変動すると、位相差φは変化する。そのため、位相差φに基づくインバータ400の制御は、モータ500の負荷に応じたインバータ400の制御であるといえる。したがって、制御部20は、モータの負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生することとなる。
図3は、位相差φを説明するための図である。図3(a)のグラフの横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。図3(a)には、主電圧Vmainおよび補助電圧Vauxの時間変化がそれぞれ示されている。
図3(b)のグラフの横軸は時間を示し、縦軸は電流を示す。図3(b)には、主電流Imainおよび補助電流Iauxの時間変化がそれぞれ示されている。図3においては、主電圧Vmainと主電流Imainとの位相差「φ」が記載されている。ここでは、主電圧Vmainがゼロとなる位相と、主電流Imainがゼロとなる位相との差が、位相差φとして示されている。
なお、上述のように、位相差φは、補助電圧Vauxと補助電流Iauxとの位相差とすることもできる。その場合、図3には図示しないが、たとえば、補助電圧Vauxがゼロとなる位相と、補助電流Iauxがゼロとなる位相との差が、位相差φとして表されることとなる。
実施の形態1において、位相差φは、たとえば次のようにして求められる。すなわち、図1および図2を再び参照して、電圧センサ621による主電圧Vmainの測定結果Scと、電流センサ611による主電流Imainの測定結果Saとに基づいて、制御部20(の演算部21)が、位相差φを求めることができる。もしくは、電圧センサ622による補助電圧Vauxの測定結果Sdと、電流センサ612による補助電流Iauxの測定結果Sbとに基づいて、制御部20が、位相差φを求めることもできる。
ここで、制御部20は、インバータ400を制御するために、たとえばリファレンス電圧を有し得る。その場合、制御部20は、リファレンス電圧に基づいて、主電圧Vmainおよび補助電圧Vauxの状態(たとえばゼロクロスのタイミング)を知ることができる。したがって、たとえば、電圧センサ621による主電圧Vmainの測定結果Scに代えてリファレンス電圧を用いることによって、主電流Imainの測定結果Saのみから、制御部20は、位相差φを求めることもできる。
なお、位相差φを、モータ相電流の積算比から求める(算出する)ことも可能である。詳細については、たとえば非特許文献1のp.24−25に記載されている。
図4は、位相差φと、モータ効率ηとの関係を説明するための図である。図4には、異なる負荷に対応した3通りの曲線が示され、各曲線には「L」、「M」および「H」の符号がそれぞれ付される。曲線L,MおよびHにおいては、曲線Lが負荷が最も小さい場合の曲線であり、曲線Hが負荷が最も大きい場合の曲線である。曲線Mは負荷が中間の大きさの場合の曲線である。
図4に示すように、位相差φが変化すると、モータ効率ηは変化する。そして、モータ効率ηが最大となる位相差φが存在する。ここで、曲線L、MおよびHのいずれの場合も、モータ効率ηが最大となる位相差はほぼ等しい。したがって、負荷に依存することなく、モータ効率ηがほぼ最大となる位相差を、目標位相差φtとして定めることができる。
このことから、位相差φが目標位相差φtに近づくような制御を行なうことで、モータ効率ηを最大効率に維持できることがわかる。そして、位相差φは、次に説明するように、モータ相電圧によって制御することができる。
図5は、モータ相電圧と位相差φとの関係を説明するための図である。図4と同様に、図5には、異なる負荷に対応した3通りの曲線が示され、各曲線には「L」、「M」および「H」の符号がそれぞれ付される。
図5に示すように、モータ相電圧が変化すると、位相差φは変化する。ここで、曲線L、MおよびHのいずれの場合も、モータ相電圧が増加すると、位相差φも単調に増加する。したがって、負荷の大きさに関わらず、モータ相電圧を増加させれば、位相差φを増加させることができる。また、負荷の大きさに関わらず、モータ相電圧を減少させれば、位相差φを減少させることができる。
たとえば、曲線Lにおいて位相差φが目標位相差φtと等しくなるモータ相電圧VLに設定されているとき(図5中の点P0)に、負荷が変動して、曲線Lから曲線Mに移行したとする。モータ相電圧がVLのままの場合、位相差φは変化して、目標位相差φtから外れてしまう(図5中の点P1)。具体的には、位相差φは、目標位相差φtよりも小さくなる。この場合、モータ相電圧を増加させることによって、位相差φを、目標位相差φtに近づけることができる(図5中の矢印AR1)。最終的には、モータ相電圧をVMまで増加させることで、位相差φを目標位相差φtと等しくすることができる(図5中の点P2)。
一方で、たとえば、曲線Hにおいて位相差φが目標位相差φtと等しくなるモータ相電圧がVHに設定されているとき(図5中の点P3)に、負荷が変動して、曲線Hから曲線Mに移行したとする。モータ相電圧がVHのままの場合、位相差φは変化して、目標位相差φtよりも大きくなる。この場合、モータ相電圧を減少させることによって、位相差φを、目標位相差φtに近づけることができる(図5中の矢印AR2)。最終的には、モータ相電圧をVMまで減少させることで、位相差φを目標位相差φtと等しくすることができる(図5中の点P4)。
以上図5を参照して説明したように、位相差φを増加させたければモータ相電圧を増加させ、位相差φを減少させたければモータ相電圧を減少させればよい。このようにしてモータ相電圧を制御することによって位相差φを制御し、それによってモータ効率η(図4)を高く維持することができる。
図6は、実施の形態1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、図1の制御部20によって実行される。なお、このフローチャートの処理は、モータ500の制御において、たとえば所定の間隔で呼び出されて実行される。
図1、図2および図6を参照して、はじめに、ステップS11(以後、「ステップS」を単に「S」という)において、制御部20は、位相差φを求める。具体的には、演算部21によって、モータ相電圧およびモータ相電流に基づいて位相差φが算出される。
S12において、制御部20は、目標位相差φtと位相差φとの差であるΔφ(Δφ=φt−φ)を求める。具体的には、図4のようなMAPから定まるφtとS11で算出したφに基づいて比較部23によって、Δφが算出される。
S13において、制御部20は、Δφの絶対値(│Δφ│)が所定値εよりも大きいか否かを判断する。具体的には、この判断は、比較部23によって行なわれる。│Δφ│がεよりも大きい場合(S13でYES)、制御部20はフローチャートの処理を終了する。そうでない場合(S13でNO)、制御部20は、S14に処理を進める。
S14において、制御部20は、Δφが0よりも大きいか否かを判断する。Δφが0よりも大きい場合(S14でYES)、制御部20は、S15に処理を進める。そうでない場合(S14でNO)、制御部20は、S16に処理を進める。
S15において、制御部20は、モータ相電圧を増加させる。具体的には、信号発生部24が、主電圧Vmain(あるいは補助電圧Vaux)が増加するように制御信号S1〜S6を発生する。たとえば、制御信号S1〜S6がPWM制御を行なうための制御信号である場合には、パルス幅が長くなるように制御信号を変化させることで、モータ相電圧を増加させることができる。なお、変化量を細かくすることで、主電圧Vmainの増加量を細かく調節することができる。
S16において、制御部20は、モータ相電圧を減少させる。制御信号S1〜S6がPWM制御を行なうための制御信号である場合には、パルス幅が短くなるように制御信号を変化させることで、モータ相電圧を低下させることができる。
S15またはS16の処理が完了した後は、制御部20は、S1に再び処理を戻す。
図6のフローチャートによれば、目標位相差φtと位相差φとの差(Δφ)が小さくなるようにモータ相電圧が制御される。これにより、位相差φが目標位相差φtに近づけて、モータ効率η(図4など)を高く維持することが可能になる。
ここで、実施の形態1について総括する。図1を参照して、制御装置100は、モータ500を駆動するための二相巻線(主巻線520および補助巻線530)に、制御信号S1〜S6に基づいて電圧(主電圧Vmainおよび補助電圧Vaux)を印加するインバータ400の制御装置(インバータ制御装置)である。入力部は、モータ500の駆動に関する情報(測定結果Sa〜Sd)を受けるために用いられる。制御部20は、入力部10が受けた情報(測定結果Sa〜Sd)に基づいて、インバータ400を制御するための制御信号S1〜S6を発生する。出力部は、制御信号S1〜S6をインバータに送信するために用いられる。制御部20は、モータ500の負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生する。
これにより、制御部20は、モータ500の負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生する。したがって、最適なモータ効率(η)が得られるようにインバータ400を制御することができる。その結果、モータ500の負荷が変動した場合(負荷変動が生じた場合)でも、モータ効率(η)を高く維持することが可能になる。
好ましくは、モータ駆動に関する情報(測定結果Sa〜Sd)は、二相巻線(主巻線520および補助巻線530)に供給される電流を含む。制御部20は、二相巻線(主巻線520および補助巻線530)に印加される電圧(主電圧Vmainおよび補助電圧Vaux)と二相巻線(主巻線520および補助巻線530)に供給される電流(主電流Imainおよび補助電流Iaux)との位相差(φ)に基づいて制御信号S1〜S6を発生する。
これにより、制御部20は、二相巻線に供給される電流と印加される電圧とに関する情報に基づいて、モータ500の負荷に応じた制御信号S1〜S6を発生することができる。すなわち、モータ500の負荷を直接測定しなくとも、負荷に応じたモータ駆動の制御が可能になる。
好ましくは、図2に示すように、制御部20は、演算部21と、記憶部22と、比較部23と、信号発生部24とを含む。演算部21は、位相差φを算出する。記憶部22には、目標位相差φtが記憶されている。比較部23は、位相差φを、目標位相差φtと比較する。信号発生部24は、比較部23の比較結果に基づいて制御信号S1〜S6を発生する。
これにより、制御部20は、目標位相差φtと位相差φとの比較結果に基づいて、制御信号S1〜S6を発生することができる。図4に示すように、目標位相差φtは、最適な(最大となる)モータ効率ηを得るための位相差である。そのような目標位相差φtと位相差φとの比較結果に基づく制御によって、最適なモータ効率ηが得られるようにインバータ400を制御することができる。
好ましくは、比較結果は目標位相差φtと位相差との差(Δφ)である。信号発生部24は、Δφが小さくなるように制御信号S1〜S6を発生する。
これにより、制御部20は、位相差φが目標位相差φtに近づくように、制御信号S1〜S6を発生することができる。位相差φが目標位相差φtに近づくことで、最適なモータ効率ηが得られるようにインバータ400を制御することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、比較部23(図2)の比較結果が、位相差φと目標位相差φtとの差(Δφ)である場合について説明した。実施の形態2では、比較結果が位相差φと目標位相差φtの大小関係である場合について説明する。
図7は、実施の形態2に係るインバータ制御装置を説明するための図である。図7を参照して、インバータ制御装置100A(以下、単に「制御装置100A」という)は、制御部20Aを有する点において、制御装置100(図2)とは異なる。制御装置100Aの他の部分の構成は、図2に示す制御装置100の対応する部分と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。すなわち、制御装置100Aも、制御装置100と同様に、図1に示すインバータ400を制御することによって、モータ500を駆動することができる。
制御部20Aは、比較部23Aおよび信号発生部24Aを有する点において、制御部20(図2)とは異なる。制御部20Aの他の部分の構成は、図2に示す制御部20の対応する部分と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
比較部23Aは、演算部21が算出した位相差φと、記憶部22に記憶されている目標位相差φtとの大小関係を比較する。
信号発生部24Aは、比較部23Aの比較結果に基づいて、制御信号S1〜S6を発生する。
図8は、実施の形態2において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、図7の制御部20Aによって実行される。このフローチャートの処理は、たとえば所定の間隔で呼び出されて実行される。
図1、図7および図8を参照して、はじめに、S21において、制御部20Aは、位相差φを求める。
S22において、制御部20Aは、位相差φと目標位相差φtとの大小関係を比較する。図8に示す例では、制御部20Aは、位相差φが目標位相差φtよりも大きいか否かを判断する。位相差φが目標位相差φtよりも大きい場合(S22でYES)、制御部20AはS23に処理を進める。そうでない場合(S22でNO)、制御部20AはS24に処理を進める。なお、位相差φと目標位相差φtが等しい場合には、制御部20Aは、S23およびS24のいずれにも処理を進めることなく、チャートの処理を終了してもよい。
S23において、制御部20Aは、モータ相電圧を減少させる。
S24において、制御部20Aは、モータ相電圧を増加させる。
S23またはS24の処理が完了した後は、制御部20Aはフローチャートの処理を終了する。
図8のフローチャートによれば、位相差φが目標位相差φtよりも大きい場合には、モータ相電圧が減少する(S23)。モータ相電圧が減少すると、位相差φが小さくなるので(図5参照)、位相差φは目標位相差φtに近づく。一方、位相差φが目標位相差φtよりも小さい場合には、モータ相電圧が増加する(S24)。モータ相電圧が増加すると、位相差φが大きくなるので(図5参照)、位相差φは目標位相差φtに近づく。このようなフローチャートの処理が所定間隔で呼び出されて繰り返し実行されることによって、位相差φを目標位相差φtに近づけることができる。これにより、モータ効率η(図4など)を高く維持することが可能になる。
[実施の形態3]
実施の形態1および実施の形態2では、電気機器1(図1)がたとえば空調装置(エアコン)の場合に、インバータ制御装置が用いられることについて説明した。実施の形態3では、空調装置以外の電気機器の場合にも、インバータ制御装置を用いることができることについて説明する。
再び図1を参照して、電気機器1として、たとえば、エアコン以外の除湿器などの空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機、送風機、ヒートポンプ給湯器等の製品を採用することができる。これらの製品は、たとえばインバータ回路400のような電力変換回路を搭載し、モータ500のような二相誘導モータを駆動することによって実現され得る。したがって、これらの製品にインバータ制御装置100を用いれば、モータ負荷トルクが変動した場合でも二相誘導モータを高効率に駆動することで、電力消費量を削減することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電気機器、10 入力部、20,20A 制御部、21 演算部、22 記憶部、23,23A 比較部、24,24A 信号発生部、30 出力部、100 制御装置(インバータ制御装置)、200 電力源、300 整流部、311〜314 ダイオード、320 コンデンサ、400 インバータ、411,416 スイッチング素子、500 モータ、510 回転子、520 主巻線、530 補助巻線、611,612 電流センサ、621,622 電圧センサ、Na,Nb,Nc 出力ノード。

Claims (5)

  1. モータを駆動するための二相巻線に、制御信号に基づいて電圧を印加するインバータの制御装置であって、
    前記モータの駆動に関する情報を受けるための入力部と、
    前記入力部が受けた前記情報に基づいて前記インバータを制御するための制御信号を発生する制御部と、
    前記制御部が発生した前記制御信号を前記インバータに送信するための出力部とを備え、
    前記制御部は、前記モータの負荷に応じた前記制御信号を発生する、インバータ制御装置。
  2. 前記情報は、前記二相巻線に供給される電流を含み、
    前記制御部は、前記二相巻線に印加される電圧と前記二相巻線に供給される電流との位相差に基づいて前記制御信号を発生する、請求項1に記載のインバータ制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記位相差を算出するための演算部と、
    目標位相差が記憶されている記憶部と、
    前記演算部が算出した前記位相差を、前記記憶部に記憶されている前記目標位相差と比較する比較部と、
    前記比較部の比較結果に基づいて前記制御信号を発生する信号発生部とを含む、請求項2に記載のインバータ制御装置。
  4. 前記比較結果は、前記目標位相差と前記位相差との差であって、
    前記信号発生部は、前記差が小さくなるように前記制御信号を発生する、請求項3に記載のインバータ制御装置。
  5. 前記比較結果は、前記位相差と前記目標位相差との大小関係であって、
    前記信号発生部は、前記位相差が前記目標位相差に近づくように前記制御信号を発生する、請求項3に記載のインバータ制御装置。
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