JP2016000772A - 芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
<1> 下記一般式(I)で表される構造単位及び下記一般式(III)で表わされる構造単位を含み、下記一般式(III)で表わされる構造単位の含有量が2000ppm未満である芳香族ポリカーボネート樹脂を含むシート又はフィルムである。
(式中、R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を表し、p及びqは、0〜4の整数を表し、Xは、単結合又は下記(Ia)の群から選択される基を表す)
<3> 下記式(1)で示される位相差比が0.35以下である、<1>又は<2>に記載のシート又はフィルムである。
((Remax)−(Remin))/(Remax) ・・・(1)
<5> 芳香族ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(II)で表される環状カーボネートを含み、その含有量が芳香族ポリカーボネート樹脂に対して3000ppm以下である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のシート又はフィルムである。
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよく、R11〜R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、nは0〜30の整数を表す)
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよい)
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(2)
<8> 芳香族ポリカーボネート樹脂が、溶融重合法により得られる、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のシート又はフィルムである。
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよく、R11〜R13は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、nは、0〜30の整数を表す)
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよい)
<12> 芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、35,000〜100,000である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のシート又はフィルムである。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルム(以下、単に「シート又はフィルム」ともいう)は、下記一般式(I)で表される構造単位及び下記一般式(III)で表わされる構造単位を含み、下記一般式(III)で表わされる構造単位の含有量が2000ppm未満である芳香族ポリカーボネート樹脂を含むシート又はフィルムである。
((Remax)−(Remin))/(Remax) ・・・(1)
ここで、Remaxは測定範囲内での位相差の最大値であり、Reminは測定範囲内での位相差の最小値である。また、測定範囲はシート又はフィルムの外縁部分を除いた中心部分とすることが好ましい。具体的な位相差比の測定方法については後述する。
なお、YI値は、シート又はフィルムから調製される測定用の試料溶液を用いて測定される。具体的な試料溶液の調製方法、YI値の測定方法については後述する。
シート又はフィルムを形成する芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般式(I)で表される構造単位の少なくとも1種を主たる構成単位として含み、更に一般式(III)で表わされる構造単位の少なくとも1種を2000ppm未満の含有量で含む。ここで「主たる」とは、芳香族ポリカーボネート樹脂中の全構造単位中における一般式(I)で表される構造単位の含有率が60モル%以上であることを意味し、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂における一般式(III)で表される構成単位の含有率はプレポリマー中に、質量基準で2000ppm未満であるが、好ましくは1500ppm以下であり、より好ましくは1000ppm以下であり、更に好ましくは800ppm以下であり、特に好ましくは700ppm以下であり、最も好ましくは600ppm以下である。一般式(III)で表される構成単位の含有率が2000ppm以上であると、芳香族ポリカーボネート樹脂中の分岐度が過度に増加し、熱安定性が低下したり、位相差比及び色相などの光学的物性が低下したりする傾向がある。
また、これらの異種構造の構成単位は自然発生する分岐構造である。したがってこれらの異種構造の構成単位の含有率が所定量以上であると、シート又はフィルム成形加工時の流動性が低下し成形性が悪化する等のデメリットが生じる傾向がある。その結果、位相差比や色相などの光学的特性が悪化する場合がある。
ジオール化合物に由来する構造単位の含有率は、1H−NMR解析により測定して求めた値である。
一般に芳香族ポリカーボネート樹脂における末端部分は、フェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物で封止された構造となっているが、一部が水酸基となっている場合がある。したがって、芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度とは、芳香族ポリカーボネート樹脂における水酸基の含有割合である。末端水酸基濃度は、例えば、シート又はフィルムから測定用試料を調製して1H−NMR解析により測定することができる。
R11〜R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30の整数、好ましくは1〜6の整数、より好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは1を表す。
R11〜R14は、好ましくは、各々独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基を表す。nは、好ましくは、1〜6の整数を表す。
環状カーボネートが特定の含有率で含まれることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂を成形加工する際の流動性が向上し、光学的により均一なフィルム又はシートとなり得る。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂における一般式(II)で表される環状カーボネートの含有率は、シート又はフィルムから測定用試料を調製してGC−MSを用いて測定される。
比は、例えば1×10−7〜6であり、1×10−3〜1であることが好ましく、0.01〜0.1であることがより好ましい。
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160-log10) ・・・(2)
なお、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、シート又はフィルムから測定用試料を調製してGPCを用いてポリスチレン換算値として測定される。
シート又はフィルムに含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は特に制限されるものではない。芳香族ポリカーボネート樹脂は、以下に示す溶融重合法による製造方法で得られることが好ましい。以下に示す製造方法を採ることにより、分岐化度が低く、異種構造の含有率が低く、良好な色相を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を効率的に製造することができる。更に得られる芳香族ポリカーボネートは、末端水酸基濃度が低く、特定構造の環状カーボネートを所望の含有率で含むことができる。
R11〜R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
nは0〜30、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の整数を表し、特に好ましくは1である。
すなわち、プレポリマーは、その少なくとも一部が芳香族モノヒドロキシ化合物由来の末端基又は末端フェニル基(以下、合わせて「封止末端基」ともいう)で封止されていることが好ましい。
また、プレポリマーに含まれる芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位の総モル数に対する封止末端基の割合である封止末端基濃度(全構成単位に対する封止末端基の割合)は2モル%以上、好ましくは2〜20モル%、特に好ましくは2〜12モル%である。封止末端基濃度が2モル%以上の場合にジオール化合物との反応が速やかに進行する。プレポリマーの全末端量に対する封止末端基量の割合は、プレポリマーの1H−NMR解析により分析することができる。
プレポリマーの末端水酸基濃度は、Ti複合体による分光測定によって測定することが可能である。また末端水酸基濃度は1H−NMR解析により測定することも可能である。同評価による末端水酸基濃度としては1,500ppm以下が好ましく、さらに好ましくは1,000ppm以下が好適である。この範囲以下の末端水酸基濃度又はこれに対応する範囲を超える封止末端量であると、ジオール化合物との反応が進行し易くなる傾向がある。
(i)ジオール化合物の添加
プレポリマーに上記一般式(IV)で表されるジオール化合物を添加混合し、高分子量化反応器内で高分子量化反応(エステル交換反応)を行う。
ただし、比較的沸点が低いジオール化合物を使用するときは、反応条件によっては一部が揮発などにより反応に関与しないまま系外へ出る可能性を考慮して、予め過剰量を添加することもできる。例えば、プレポリマーの全末端基量1モルに対して最大50モル、好ましくは10モル、より好ましくは5モル添加することもできる。
プレポリマーとジオール化合物との高分子量化反応に使用する温度としては、240℃〜320℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは260℃〜310℃、より好ましくは280℃〜310℃である。
高分子量化反応によってプレポリマーが高分子量化されて所望の分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が得られると同時に、副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する。副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去することによってプレポリマーの高分子量化反応が更に進行する。
なお、環状カーボネートの含有割合は、GC−MSで測定した値である。
プレポリマーとジオール化合物との高分子量化反応により、反応後の芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量(Mw)がプレポリマーの重量平均分子量(Mw)よりも5,000以上高めることが好ましく、より好ましくは10,000以上、さらに好ましくは15,000以上高めるのが好ましい。
触媒失活剤の添加は、上記高分子量化反応終了後に従来公知の方法でポリカーボネート樹脂に混合することができる。例えば、ターンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。
芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルムの製造方法は、一般的な芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルムの製造方法に準じるものでよく、特に限定された手法を要しない。例えば、一般式(I)で表される構造単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する重合反応中若しくは該重合反応終了時、又は該重合反応に使用した触媒を触媒失活剤で失活後であってペレット化する前のいずれかの時期に各種添加剤や他の熱可塑性樹脂を添加して、芳香族ポリカーボネート樹脂に混合することによりシート又はフィルムを製造することもできる。各種添加剤や他の熱可塑性樹脂の混合は、必要に応じて行なうことでよく、例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法における触媒失活剤の混合と同時に行ってもよく、別途行ってもよい。
以下、芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルムの製造方法の一実施形態について説明する。
また、T型ダイのリップの幅方向の長さは、特に制限は無いが、製品幅に対して1.2〜1.5倍であることが好ましい。リップの開度は、所望する製品の厚みにより適宜調整すればよいが、通常、所望する製品の厚みの1.01〜10倍、好ましくは1.1〜5倍である。リップの開度の調整は、T型ダイの幅方向に並んだボルトで調整するのが好ましい。リップ開度は幅方向に一定でなくてもよく、例えば、端部のリップ開度を中央部のリップ開度より狭く調整することでドローレゾナンス現象を抑制することができる。
弾性ロールとしては、例えば、ゴムロールや、外周部に金属製薄膜を備えた弾性ロール(以下、金属弾性ロールという場合がある。)などが挙げられ、なかでも、金属弾性ロールであることが好ましい。
具体例としては、電気・電子分野などの各種原材料、自動車・航空機産業における各種材料、その他光学機器部品、電車や自動車などの車載用品、各種建築部材、コピー機やファクシミリ、パソコンなどOA機器の各種部品在料、テレビや電子レンジなど家電製品の各種部品材料、コネクターやICトレイなどの電子部品用途、ヘルメット、プロテクター、保護面などの保護具部材、各異医療用機器の部材、などを挙げる事ができるがこれらに限定されない。
以上のように特に好ましい本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルムの用途としては、低位相差比且つ良好な色相を必要とする成形品が挙げられる
GPCを用い、クロロホルムを展開溶媒として、分子量既知(分子量分布=1)の標準ポリスチレン(東ソー株式会社製、“PStQuickMP-M”)を用いて検量線を作成した。測定した標準ポリスチレンから各ピークの溶出時間と分子量値をプロットし、3次式による近似を行い、較正曲線とした。重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の計算式により、ポリスチレン換算値として求めた。
Mw=Σ(Wi×Mi)÷Σ(Wi)
Mn=Σ(Ni×Mi)÷Σ(Ni)
ここで、iは分子量Mを分割した際のi番目の分割点、Wiはi番目の重量、Niはi番目の分子数、Miはi番目の分子量を表す。また分子量Mとは、較正曲線の同溶出時間でのポリスチレン分子量値を表す。
ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)及びポリスチレン換算数平均分子量(Mn)より以下の計算式より求めた。
分子量分布=Mw/Mn
装置;東ソー株式会社製、HLC−8320GPC
カラム;ガードカラム:TSKguardcolumnSuperMPHZ-M×1本
分析カラム:TSKgelSuperMultiporeHZ-M×3本
溶媒;HPLCグレードクロロホルム
注入量;10μL
試料濃度;0.2w/v%HPLCグレードクロロホルム溶液
溶媒流速;0.35ml/min
測定温度;40℃
検出器;RI
1H−NMRの解析結果から末端水酸基を観測することによって測定した。
1H−NMRによるプレポリマー(PP)中の末端水酸基濃度は、樹脂サンプル0.05gを1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃で1H−NMRを測定することで求めた。具体的には、4.7ppmの水酸基ピークと7.0〜7.5ppm付近のフェニル及びフェニレン基(末端フェニル基及びBPA骨格由来のフェニレン基)の積分比より、PP中の末端水酸基濃度(OH濃度)を算出した。なお、芳香族ポリカーボネート樹脂中の末端水酸基濃度も、同様に測定し、算出することができる。
測定装置:日本電子社製LA-500(500MHz)
測定核:1H
relaxationdelay:1s
x_angle:45deg
x_90_width:20μs
x_plus:10μs
scan:500times
1H−NMRの解析結果から、下記数式により求めた。
サンプルとなる芳香族ポリカーボネート樹脂10gをジクロロメタン100mlに溶解し、1000mlのメタノール中へ攪拌しながら滴下した。沈殿物を濾別し、濾液中の溶媒を除去した。得られた固体をGC−MSにより以下の測定条件で分析した。なお、この測定条件での検出限界値は0.0005ppmである。
測定装置:AgilentHP6890/5973MSD
カラム:キャピラリーカラムDB−5MS,30m×0.25mmI.D.,膜厚0.5μm
昇温条件:50℃(5minhold)−300℃(15minhold),10℃/min
注入口温度:300℃、打ち込み量:1.0μl(スプリット比25)
イオン化法:EI法
キャリアーガス:He,1.0ml/min
Aux温度:300℃
質量スキャン範囲:33−700
溶媒:HPLC用クロロホルム
内部標準物質:2,4,6−トリメチロールフェノール
樹脂サンプル0.05gを1mlの重水素置換クロロホルム(0.05w/v%TMS含有)に溶解し、23℃で核磁気共鳴分析装置1H−NMRを用いて高分子量化された芳香族ポリカーボネート樹脂(PC)中の異種構造の含有量を測定した。文献Polymer42(2001)7653-7661中のP.7659に記載されたHa及びHbの1H−NMRの帰属により、以下に示す異種構造(PSA)の含有(ppm)量を測定した。なお、1H−NMRの測定条件は上記と同様である。
高化式フローテスターCFT−500D(島津製作所(株)製)を用いて、芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルムを切断して、120℃で5時間乾燥して得た芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルム試料について、穴径1.0mmφ、長さ10mmのダイを用い、280℃、荷重160kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ160値とし、同様に280℃、荷重10kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積をQ10値として、これらを用いて下式により求めた。なお、Q値は溶融樹脂の流出量(ml/sec)である。
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160-log10))
芳香族ポリカーボネート樹脂シート又はフィルム試料を、特級ジクロロメタンへ15体積%となるように溶解して測定用試料を調製し、日本電色工業株式会社製分光色差計「SD6000」により、光路長50mmにてYI値を測定した。
幅330mmのTダイ成形機より作成した260mm幅フィルム試料より両端50mmを切り除いた160mm幅フィルム試験片について位相差測定装置「株式会社フォトニックラティス製複屈折評価システムWPA−100」を用いて、測定波長543nmで位相差を測定した。
位相差比は、543nmで測定した位相差Reの値を用い、フィルム幅内で測定された位相差最大値(Remax)と位相差最小値(Remin)をと用い、下式より算出した。
(Remax−Remin)/Remax
位相差比が大きいほど位相差のバラつきが大きく、光学的物性が不均一であることを示し、位相差比が小さいほど位相差のバラつきが小さく、光学的物性が均一であり、加熱後の熱収縮や低そり性に優れることを示している。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン66.480kg(291.209モル)、ジフェニルカーボネート70.179kg(327.610モル)及び触媒として炭酸セシウム0.17μモル/モル(BPAに対してのモル数)を攪拌機及び留出装置付の300Lの反応に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を0.046MPa(345torr)に調整し、160℃にて原料を加熱溶融し、1時間攪拌した。
末端水酸基濃度は、1H−NMRより算出した値であり、全ポリマー中に含まれる末端OH基濃度を示す。また、末端Ph基濃度は、1H−NMRより算出した値であり、全フェニレン基量及びフェニル末端中のフェニル基量(水酸基で置換されたフェニル基を含む)から算出される封止末端基濃度を示す。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン64.662kg(283.245モル)、ジフェニルカーボネート63.710kg(297.41モル)及び触媒として炭酸セシウム1.0μモル/モル(BPAに対してのモル数)を攪拌機及び留出装置付の300Lの反応に入れ、系内を窒素雰囲気下に置換した。減圧度を0.046MPa(345torr)に調整し、160℃にて原料を加熱溶融し、1間攪拌した。
製造例1で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂PC−1を用い、下記条件下にて成形加工し、芳香族ポリカーボネート樹脂シートを得た。
フィルム成形機:東芝機械株式会社製フィルム試験機 SPU‐03026W
押出機:ベント式26mmФ二軸スクリュウ
ダイス:有効幅330mm
押出温度:260℃
吐出量:15kg/h
成形法:非ロール押し付け成形
フィルム厚み:100μm
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂シートについて、位相差比及び色相を評価した。評価結果を下表に示す。
比較例1において、樹脂をPC−2に変更したこと以外は、実施例1と同様に成形加工し、同様にして評価した。
Claims (12)
- 下記一般式(I)で表される構造単位及び下記一般式(III)で表わされる構造単位を含み、下記一般式(III)で表わされる構造単位の含有量が2000ppm未満である芳香族ポリカーボネート樹脂を含むシート又はフィルム。
(式中、R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のシクロアルコキシ基、又は炭素数6〜20のアリールオキシ基を表し、p及びqは、0〜4の整数を表し、Xは、単結合又は下記(Ia)の群から選択される基を表す)
(ここで、R3及びR4は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数6〜10のアリール基を表すか、あるいはR3とR4は、相互に結合して脂肪族環を形成していてもよい)
(式中、Xは、上記と同義である) - YI値が0.9以下である、請求項1に記載のシート又はフィルム。
- 下記式(1)で示される位相差比が0.35以下である、請求項1又は2に記載のシート又はフィルム。
((Remax)−(Remin))/(Remax) ・・・(1) - 芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基含有量が、1000ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂が、下記一般式(II)で表される環状カーボネートを含み、その含有量が芳香族ポリカーボネート樹脂に対して3000ppm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよく、R11〜R14は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、nは0〜30の整数を表す) - 芳香族ポリカーボネート樹脂の下記式(2)で表される構造粘性指数N値が、1.25以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
N値=(log(Q160値)-log(Q10値))/(log160―log10) ・・・(2) - 芳香族ポリカーボネート樹脂が、溶融重合法により得られる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂が、ポリカーボネートプレポリマーと下記一般式(IV)で表されるジオール化合物とをエステル交換触媒の存在下に反応させて高分子量化する高分子量化工程と、高分子量化工程で副生する環状カーボネートの少なくとも一部を反応系外へ除去する環状カーボネート除去工程とを含む製造方法により得られる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
(式中、Ra及びRbは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜30の直鎖若しくは分岐のアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数3〜30のシクロアルキル基、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数6〜30のアリール基、又は酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、あるいはRa及びRbは、相互に結合して環を形成していてもよく、R11〜R13は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表し、nは、0〜30の整数を表す) - ジオール化合物が、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジイソブチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、及び2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項10に記載のシート又はフィルム。
- 芳香族ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量が、35,000〜100,000である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシート又はフィルム。
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