以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる組み合わせ家具の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(組み合わせ家具の構成)
まず、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す正面図である。図3は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の一構成例を示す側面図である。図4は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の棚装置内から天板付き家具を引き出した状態を示す図である。図5は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の天板付き家具の一構成例を示す斜視図である。図6は、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具の棚装置の一構成例を示す斜視図である。
図1〜6に示すように、本発明の実施の形態にかかる組み合わせ家具1は、自立式の机等として使用可能な天板付き家具2と、書籍等の物品を収容する収容棚等として使用可能な自立式の棚装置3とを備える。組み合わせ家具1は、棚装置3内に天板付き家具2を出没可能に収容できるように、天板付き家具2と棚装置3とを組み合わせて構成される。
天板付き家具2は、図1〜4に示すように棚装置3から出没可能な机状構造体である。本実施の形態において、天板付き家具2は、図5に示すように、天板10と、天板10等を支持して自立する天板脚部11と、天板10上からの物品落下を防止する落下防止壁12と、棚装置3内からの天板付き家具2の出没を案内するガイド部13,14と、物品を収容可能な引き出し16とを備える。
天板10は、机の天板等のように、使用者が天板付き家具2を学習等の用途に使用する際、この用途に応じた作業に用いられる平板部材である。天板10の上面(天板上面10a)には、天板付き家具2の用途に応じた物品が必要に応じて載置される。なお、天板上面10aに載置される物品として、例えば、書籍、文房具、パーソナルコンピュータ(パソコン)、タブレット端末や電子計算機等の情報機器等が挙げられる。
天板脚部11は、天板付き家具2が床面に自立するための脚部として機能するものであり、図5に示すように、天板10等を支持する一対の脚板11a,11bによって構成される。脚板11a,11bは、天板付き家具2の幅方向F12に所定の間隔をあけて離間するように配置される。これらの脚板11a,11bの各上面には、天板10の幅方向両端部の各下面が各々固定される。また、これらの脚板11a,11bの各上面のうち、天板付き家具2の奥行き方向F11の奥側には、落下防止壁12が取り付けられる。一方、脚板11a,11bの互いに対向する壁面(すなわち内壁面)の各々には、引き出し16を支持する支持部材が、脚板11a,11bに挟まれるように固定される。このような脚板11a,11bは、引き出し16の支持部材を幅方向F12から挟んで支持するとともに、天板10および落下防止壁12を支持する。このような状態を維持しながら、脚板11a,11bは、図5に示すように、天板付き家具2の起立方向F13の上方に天板上面10aを向けて自立する。
また、脚板11a,11bの奥行き方向F11の奥側には、図5に示すように、ガイド部13,14と、切欠き部15a,15bとが設けられる。ガイド部13,14は、棚装置3内からの天板付き家具2の出没を案内するものであり、脚板11a,11bに各々着脱可能に取り付けられる。切欠き部15a,15bは、図1〜3に示すように天板付き家具2を棚装置3内に収容する際、棚装置3の支柱34と天板脚部11との接触を回避するために、脚板11a,11bに各々形成される。
一方、脚板11a,11bの起立方向F13の下端部には、図5に示すように、車輪17および滑り止め部18が設けられる。車輪17は、棚装置3から天板付き家具2を出没する等の際、天板付き家具2の奥行き方向F11への移動を円滑に行えるようにするためのものである。このような車輪17は、脚板11a,11bにおける奥行き方向F11の奥側の各下部に、回転自在に軸支される。滑り止め部18は、床面における脚板11a,11bの摺動を抑止し、これにより、天板付き家具2の意図せぬ移動を防止するものである。このような滑り止め部18は、脚板11a,11bにおける奥行き方向F11の手前側の各下端部に形成される。
引き出し16は、所望の物品を収容する箱型の収容手段である。引き出し16は、上述したように脚板11a,11bの各内壁面に固定された支持部材と天板10との間の空間に、出し入れ可能に配置される。引き出し16は、天板付き家具2の奥行き方向F11の手前側に引き出されて、物品を出し入れ可能な状態となる。また、引き出し16は、天板付き家具2の奥行き方向F11の奥側に押されて、天板付き家具2の空間内に収容される。なお、本実施の形態において、天板付き家具2には、図5に示すように、2つの引き出し16が配置されているが、天板付き家具2の引き出し16の配置数は、2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
一方、棚装置3は、物品を出し入れ可能に収容する収容棚としての機能と、図1〜4に示すように天板付き家具2を出没可能に収容する機能とを兼ね備え、床面に自立可能な構造体である。本実施の形態において、棚装置3は、図6に示すように、棚板30と、棚板30等を支持して自立する棚脚部31と、棚装置3の構造を強固にする等のための後面板32,33および支柱34と、天板付き家具2を出没可能に収容する収容空間35と、天板付き家具2の出没時の移動範囲を規制するガイドレール36,37とを備える。また、棚装置3は、図1〜4,6に示すように、棚板30上に物品収容部38a等の収容棚を形成する複数の仕切部材39a〜39dと、棚板30上の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽する遮蔽部材40と、遮蔽部材40の開閉時の移動を案内する前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48と、照明装置50とを備える。
棚板30は、物品を出し入れ可能に収容する収容棚の底板として機能する板部材である。具体的には、図6に示すように、棚板30は、その幅方向両端部を側板31a,31bに固定され、自立した態様の棚脚部31によって床面から所定の高さの位置に支持される。この棚板30上には、図2に示すように、仕切部材39a,39b等によって物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cが形成される。物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、いずれも物品の収容棚であり、棚板30は、これらの物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの底面をなす。
棚脚部31は、棚装置3が床面に自立するための脚部として機能するものであり、図6に示すように、棚板30等を支持する一対の側板31a,31bによって構成される。側板31a,31bは、棚板30および後面板32,33の幅方向両端部に各々固定される。また、側板31a,31bの下部には、側板31a,31bの互いに対向する壁面(すなわち内壁面)の各々に挟まれるように支柱34が固定される。このような一対の側板31a,31bからなる棚脚部31は、棚板30および後面板32,33を支持して床面に起立(自立)するとともに、天板付き家具2の収容空間35を棚板30の下方に形成する。この際、棚脚部31は、床面に起立して、この床面から所定の高さの位置に棚板30を支持する。また、棚脚部31は、棚装置3の奥行き方向F1に天板付き家具2の収容空間35が開口し、棚装置3の幅方向F2に物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cが並び、棚装置3の起立方向F3の上方に棚板30の上面(収容棚の底面)が向くように自立する。
後面板32は、図6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側端部近傍のうち、各上部の内壁面に固定配置される。後面板32は、その前面を棚板30の奥行き方向F1の奥側端面に接触させて、棚板30上の物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの後面をなす。なお、後面板32の前面は、棚装置3の奥行き方向F1の手前側に向く後面板32の壁面である。一方、後面板33は、図3,6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側端部近傍のうち、棚板30よりも下方の各部分の内壁面に固定配置される。後面板33は、棚板30の下方に形成される収容空間35の後面をなす。
支柱34は、図3,6に示すように、側板31a,31bの奥行き方向F1の奥側における各端部内壁面と後面板33の下端面とに固定される。支柱34は、上述した後面板32,33と協同して、側板31a,31bによる棚脚部31の起立時の構造を強固に維持する。
収容空間35は、天板付き家具2を出没可能に収容する空間である。具体的には、図3,6に示すように、天板付き家具2の収容空間35は、棚装置3が床面に起立した際、この床面と棚板30の下端面との間に形成される。すなわち、収容空間35は、棚板30と側板31a,31bと後面板33とによって囲まれ且つ床面に連続して、棚装置3の奥行き方向F1の手前側に開口する。このような収容空間35には、床面に沿って棚装置3の奥行き方向F1に移動する天板付き家具2が、図1〜4に示すように、出没可能に収容される。
ガイドレール36,37は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没を案内する際に用いられるレールである。具体的には、図2,6に示すように、ガイドレール36は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没方向(図4参照)に長手となるよう、側板31aの内壁面に凹状に形成される。ガイドレール36は、天板付き家具2の脚板11aに取り付けられたガイド部13(図5参照)の突起部分を受け入れる。一方、ガイドレール37は、上述したガイドレール36と同様に天板付き家具2の出没方向に長手となるよう、側板31bの内壁面に凹状に形成される。ガイドレール37は、図2,6に示すように、天板付き家具2の脚板11bに取り付けられたガイド部14の突起部分を受け入れる。
上述したようなガイドレール36,37は、棚装置3の収容空間35からの天板付き家具2の出没に伴って棚装置3に対し相対的に移動するガイド部13,14の移動方向および移動範囲を規制する規制手段として機能する。具体的には、ガイドレール36,37は、この天板付き家具2の出没に伴うガイド部13,14の移動方向を、この天板付き家具2の出没方向に規制する。また、ガイドレール36,37は、この天板付き家具2の出没に伴うガイド部13,14の移動範囲を、天板付き家具2が棚装置3から脱離しない(抜け出ない)範囲に規制する。これにより、ガイドレール36,37は、天板付き家具2の出没時の棚装置3に対する相対的な移動範囲を、図3,4に示すように天板付き家具2の落下防止壁12が棚装置3における収容空間35から出ない範囲に規制する。
物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、物品を出し入れ可能に収容する収容棚として機能するものであり、棚装置3の棚板30上に形成される。具体的には、図2,6に示すように、物品収容部38aは、遮蔽部材40によって開閉可能に遮蔽される開閉型の収容棚である。物品収容部38aは、遮蔽部材40による遮蔽が解除された場合、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上側を開放した開状態となって、物品を出し入れ可能になる。一方、物品収容部38aは、遮蔽部材40によって遮蔽された場合、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上方側を覆われた閉状態となって、物品を遮蔽空間内に収容可能になる。
開放型物品収容部38b,38cは、図2,6に示すように、通常、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および上方側(起立方向F3の上側)を開放した状態の収容棚である。開放型物品収容部38b,38cは、上述した物品収容部38aの遮蔽の解除に伴い遮蔽部材40によって遮蔽されない限り、この開放状態を維持して、物品を出し入れ可能に収容する。この際、開放型物品収容部38b,38cは、遮蔽部材40よりも高さが低い物品は勿論、遮蔽部材40よりも高い背高な物品(例えば辞典に例示される大型な書籍等)を収容可能である。
上述した物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、図2,6に示すように、棚板30を底面とし且つ後面板32を後面として、棚装置3の幅方向F2に並ぶように形成される。これらの物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、複数の仕切部材39a,39bによって仕切られる。
仕切部材39a,39bは、図2に示すように、棚装置3の幅方向F2に所定の間隔をあけて棚板30上に配置される。仕切部材39a,39bは、上述した開閉型の物品収容部38aの幅方向F2の右側面および左側面を各々形成する。また、仕切部材39a,39bは、物品収容部38aを挟んで棚装置3の幅方向F2に開放型の物品収容部を複数並ぶように形成する。本実施の形態においては、図2に示すように、仕切部材39a,39bは、物品収容部38aを挟んで、棚装置3の幅方向F2の右側端に開放型物品収容部38bを形成し、棚装置3の幅方向F2の左側端に開放型物品収容部38cを形成する。この際、仕切部材39aは、右側端の開放型物品収容部38bの左側面を形成する。仕切部材39bは、左側端の開放型物品収容部38cの右側面を形成する。また、右側端の開放型物品収容部38bの右側面は側板31aによって形成され、左側端の開放型物品収容部38cの左側面は側板31bによって形成される。
一方、仕切部材39c,39dは、上述した開放型物品収容部38b,38cの各収容空間を更に仕切るものである。具体的には、図2,6に示すように、仕切部材39cは、棚板30における側板31aと仕切部材39aとの間の部分に配置される。仕切部材39cは、右側端の開放型物品収容部38bを、更に仕切って複数(本実施の形態では2つ)の物品収容部に細分化する。一方、仕切部材39dは、棚板30における側板31bと仕切部材39bとの間の部分に配置される。仕切部材39dは、左側端の開放型物品収容部38cを、更に仕切って複数(本実施の形態では2つ)の物品収容部に細分化する。
遮蔽部材40は、上述した棚板30上の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するものである。具体的には、図2,3,6に示すように、遮蔽部材40は、棚装置3の奥行き方向F1の手前側から物品収容部38aを遮蔽する遮蔽板、および、棚装置3の起立方向F3の上側から物品収容部38aを遮蔽する遮蔽板等を用いて構成される。遮蔽部材40は、物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cに亘って棚装置3の幅方向F2に移動(例えば摺動)するように、棚装置3に支持される。詳細には、図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向手前側の部分が棚板30上の前側スライドガイド部47によって支持され、遮蔽部材40の奥行き方向奥側の部分が後面板32の背面の後側スライドガイド部48によって支持される。遮蔽部材40は、このように棚装置3によって奥行き方向F1の手前側および奥側の双方から支持されるとともに、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48によって移動方向および移動範囲を規制される。
ここで、上述した物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cは、棚板30を底面とし且つ後面板32を後面として、棚装置3の奥行き方向F1の手前側および起立方向F3の上側(上方側)が開放された状態に形成される。遮蔽部材40は、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って、物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cに亘り棚装置3の幅方向F2に移動する。これにより、遮蔽部材40は、物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するとともに、開放型物品収容部38b,38cの奥行き方向手前側および上方側を開放する。また、遮蔽部材40は、上述したように前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って移動して、この物品収容部38aの遮蔽を解除するとともに、開放型物品収容部38b,38cのうちのいずれか一方の開閉型収容部の少なくとも一部分を遮蔽する。
一方、遮蔽部材40には、物品を支持する物品支持部42が設けられる。具体的には、図6等に示すように、物品支持部42は、遮蔽部材40の外壁面のうち、棚装置3の奥行き方向F1の手前側を向く前側の外壁面の下部に設けられる。物品支持部42は、この前側の外壁面に載置される物品を支持する。この物品支持部42を備えた遮蔽部材40の前側外壁面の部分は、遮蔽板としての機能と、書籍等の物品を受け支える書見台46としての機能とを兼ね備える。このような書見台46は、上述した遮蔽部材40と同様に、前側スライドガイド部47および後側スライドガイド部48に沿って棚装置3の幅方向F2に移動可能である。
前側スライドガイド部47は、遮蔽部材40の幅方向の移動(スライド)を案内するスライドガイド部の一つである。具体的には、図6に示すように、前側スライドガイド部47は、棚装置3の外側から視認できるように、棚板30の上面に設けられる。前側スライドガイド部47は、図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向手前側の部分を移動可能に支持するとともに、棚装置3の幅方向F2における遮蔽部材40の移動を案内する。
後側スライドガイド部48は、遮蔽部材40の幅方向の移動(スライド)を案内するスライドガイド部の一つである。具体的には、図3に示すように、後側スライドガイド部48は、棚装置3の背面側から視認できるように、後面板32の後面(背面)に設けられる。なお、後面板32の後面は、棚装置3の奥行き方向F1の奥側を向く後面板の壁面である。後側スライドガイド部48は、図3に示すように、遮蔽部材40の奥行き方向奥側の部分を移動可能に支持するとともに、棚装置3の幅方向F2における遮蔽部材40の移動を案内する。
照明装置50は、所定の機能を有する機能装置の一例である。照明装置50は、上述した開放型物品収容部38b,38cのうちの一方、例えば図2,6等に示すように、左端側の開放型物品収容部38cに着脱可能に固定配置される。この際、照明装置50は、上述した遮蔽部材40の移動を阻害しないように、棚装置3の幅方向F2の端部、例えば側板31bの近傍に取り付けられる。照明装置50は、そのアーム等を操作することにより、照明光源の位置および方向を容易に調整可能である。このような照明装置50は、棚装置3の部分(棚板30の上面等)や天板付き家具2の部分(天板10および引き出し16内等)、図1,4等に示す組み合わせ家具1の所望の部分を照明することができる。
なお、本実施の形態において、天板付き家具2の奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、図5に示すように定義される。すなわち、天板付き家具2の奥行き方向F11は、机等として天板付き家具2を使用する使用者(図示せず)が椅子に座る等して天板付き家具2に向かう方向である。この奥行き方向F11は、天板脚部11をなす脚板11a,11b同士の対向方向と、天板10に直交する方向(天板上面10aの法線方向)との双方に対して垂直である。天板付き家具2の幅方向F12は、脚板11a,11b同士の対向方向に対して平行な方向であり、且つ、天板10に直交する方向に対して垂直な方向である。天板付き家具2の起立方向F13は、床面に起立した状態の天板付き家具2の上下方向であり、上述した奥行き方向F11および幅方向F12に対して垂直である。これらの奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、天板付き家具2を構成する天板10等の各構成部についても同様である。
一方、本実施の形態において、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、図6に示すように定義される。すなわち、棚装置3の奥行き方向F1は、収容棚等として棚装置3を使用する使用者(図示せず)が棚装置3に向かう方向である。この奥行き方向F1は、棚脚部31をなす側板31a,31b同士の対向方向と、棚板30に直交する方向との双方に対して垂直である。棚装置3の幅方向F2は、側板31a,31b同士の対向方向に対して平行な方向であり、且つ、棚板30に直交する方向に対して垂直な方向である。棚装置3の起立方向F3は、床面に起立した状態の棚装置3の上下方向であり、上述した奥行き方向F1および幅方向F2に対して垂直である。これらの奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3は、棚装置3を構成する棚板30等の各構成部についても同様である。
上述した天板付き家具2および棚装置3を組み合わせて構成される組み合わせ家具1の奥行き方向、幅方向、および起立方向は、図1〜4に示すように、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3と各々同じである。また、図1〜4に示すように天板付き家具2が棚装置3に対して出没可能に取り付けられた状態において、天板付き家具2の奥行き方向F11、幅方向F12、および起立方向F13は、棚装置3の奥行き方向F1、幅方向F2、および起立方向F3と各々同じである。例えば、図4に示す棚装置3内からの天板付き家具2の出没方向は、棚装置3の奥行き方向F1と同じである。すなわち、この天板付き家具2の出没方向は、組み合わせ家具1の奥行き方向と同じであり、棚装置3に対して出没可能に取り付けられた天板付き家具2の奥行き方向F11と同じである。
(天板付き家具の落下防止壁)
つぎに、図5等に示すように天板付き家具2に設けられる落下防止壁12について詳細に説明する。図7は、天板付き家具に落下防止壁が設けられた状態を示す図である。図8は、天板付き家具に落下防止壁を取り付ける状態を示す図である。図9は、天板付き家具の天板および棚装置の棚板に対する落下防止壁の高さの比較を示す図である。
本実施の形態における天板付き家具2において、天板脚部11は、棚装置3の棚板30の下方に形成される収容空間35の上端に比べて低い位置に、天板10と落下防止壁12とを支持する。具体的には、図7〜9に示すように、天板脚部11は、天板付き家具2を床面に自立可能にする一対の脚板11a,11bからなる。一対の脚板11a,11bは、天板付き家具2の起立方向F13の下方側から、天板10の幅方向F12の両端部を支持する。また、一対の脚板11a,11bは、天板付き家具2の起立方向F13の下方側から、落下防止壁12の幅方向F12の両端部を支持する。
落下防止壁12は、図7,8に示すように、天板上面10aよりも上方側に延在する壁上部12aと、天板10に比べて下方側に延在する壁下部12bとを一体的に有する板状部材である。落下防止壁12において、壁上部12aは、壁下部12bの上方側に連続し、天板10の幅方向F12の全域に亘り、壁下部12bに比べて幅広に形成される。すなわち、図8に示すように、壁上部12aの幅W1は、壁下部12bの幅W2よりも大きい。また、壁上部12aの幅W1は、一対の脚板11a,11bの離間距離W4よりも大きく、且つ、天板10の幅W3以上(望ましくは幅W3と同等)である。一方、壁下部12bの幅W2は、一対の脚板11a,11bの離間距離W4と殆ど同等または若干小さい。
上述した壁上部12aおよび壁下部12bからなる落下防止壁12は、図7,8に示すように、天板10の奥行き方向F11の奥端部10dに接するように配置され、天板脚部11に固定される。具体的には、落下防止壁12は、一対の脚板11a,11b同士の対向面間に壁下部12bを嵌合し且つ壁上部12aが一対の脚板11a,11bの各上面(図8に示す脚板上面11c,11d)に接した状態にして、一対の脚板11a,11bに取り付けられる。
このように一対の脚板11a,11bに固定された落下防止壁12は、図9に示すように、天板10のうちの非使用部分10cの位置から、天板上面10aに比べて高く且つ棚装置3における収容空間35の上端に比べて低い位置まで延在する。本実施の形態において、天板10の非使用部分10cは、天板上面10aのうちの棚装置3における収容空間35内に位置する天板部分である。また、天板10の使用部分10bは、天板上面10aのうちの収容空間35外に位置する(露出する)天板部分である。落下防止壁12の壁上部12aは、天板10の奥端部10d(図8参照)、すなわち、天板10の奥行き方向F11における非使用部分10cの奥端部に接するように配置されて、天板脚部11に固定され且つ支持される。このような落下防止壁12の壁上部12aは、図9に示すように、非使用部分10cの位置から、天板上面10aに比べて高く且つ収容空間35の上端に比べて低い位置まで延在する。この壁上部12aの延在量(高さ)は、天板上面10aに載置される物品の寸法(厚さまたは高さ等)に比べて大きく設定されることが望ましい。上述したような構造を有する落下防止壁12は、収容空間35の上端をなす棚板30の下面と接触することなく、天板10上に載置の物品が非使用部分10c側から落下する事態を防止する。
一方、天板付き家具2の天板脚部11は、上述したように、棚装置3における収容空間35の上端に比べて低い位置に、天板10および落下防止壁12を支持する。この際、天板脚部11は、図9に示すように、壁下部12bの上方に連続する壁上部12aが天板上面10aよりも高く且つ収容空間35の上端よりも低い位置まで延在するように、落下防止壁12を支持する。このような構造により、天板脚部11が起立する床面から天板上面10aまでの高さH1は、この床面から収容空間35の上端をなす棚板30の下面までの高さH2に比べて低くなる。また、この床面から落下防止壁12の壁上部12aの上端までの高さH3は、この床面からの収容空間35の高さH2に比べて低くなる。この結果、天板付き家具2は、天板10および落下防止壁12と棚板30との接触を回避するに十分な間隙を棚装置3との間に形成して、天板上面10aおよび落下防止壁12の上端面(壁上部12aの上端面)のいずれも棚板30に接触させることなく、収容空間35から出没可能となる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、天板付き家具を出没可能に収容する棚装置の収容空間の上端に比べて低い位置に、天板付き家具の天板を天板脚部によって支持し、この天板の非使用部分の位置から天板上面に比べて高く且つ収容空間の上端に比べて低い位置まで延在する落下防止壁を天板付き家具に設け、この落下防止壁によって、天板上面に載置の物品が天板の非使用部分側から落下する事態を防止している。
このため、収容空間の上端をなす板面(以下、収容空間上端の板面という)に比べて低く、且つ、天板上の物品の移動方向である天板上面の面方向に直交して天板の上方に延在する壁を、落下防止壁として天板の非使用部分に設けることができる。これにより、天板上の物品が天板上面に沿って移動して天板の奥行き方向奥側から落下する事態を防止できるとともに、天板上面と収容空間上端の板面との間、並びに、同板面と落下防止壁の上端との間に、収容空間上端の板面と天板上面および落下防止壁との接触を回避するに十分な間隙を確保することができる。この結果、棚装置に対して出没する天板付き家具の天板と棚装置とを擦り合わせることなく、天板の奥側(非使用部分側)からの物品落下を防止することができる。
本発明にかかる組み合わせ家具を用いることにより、天板上面または落下防止壁と棚装置内の板面との摩擦音によって使用者に不快感を与える事態と、天板上面および棚装置内の板面の各々を摩擦によって傷つける事態とをともに防止しながら、天板上面に載置の物品が天板の非使用部分側から落下する事態を防止することができる。
また、本発明の実施の形態では、天板の非使用部分の奥行き方向奥端部に落下防止壁を配置して、この落下防止壁を天板脚部に固定している。このため、天板に落下防止壁を取り付けるための螺子止め用の孔を天板上面に設ける必要がなくなり、この結果、上述した物品落下の防止効果を奏するとともに、天板上面の外観体裁が損なわれることを防止し、さらには、天板の使用部分の面積を可能な限り広くして、天板付き家具を効率よく使用することができる。
さらに、本発明の実施の形態では、天板脚部をなす一対の脚板同士の対向面間に、落下防止壁の壁下部を嵌合している。このため、一対の脚板によって落下防止壁の幅方向の位置決めを行ったうえで、これら一対の脚板の間に落下防止壁を固定することができる。この結果、天板上面に対する落下防止壁の幅方向のずれを可能な限り抑制して、上述した物品落下の防止効果を促進するとともに、落下防止壁をより堅牢に支持することができる。
また、本発明の実施の形態では、上述した壁下部の上方側に連続し、天板上面に比べて高く且つ収容空間の上端に比べて低い位置まで延在する落下防止壁の壁上部を、天板の幅方向の全域に亘って壁下部よりも幅広に形成し、この幅広の壁上部が一対の脚板の上面に接するように構成している。このため、天板の幅方向全域に落下防止壁を設けることができるとともに、一対の脚板によって落下防止壁の上下方向(天板付き家具の起立方向)の位置決めを行ったうえで、これら一対の脚板に落下防止壁を固定することができる。この結果、天板上面からの物品落下の防止に必要な落下防止壁の幅を確保し、且つ、天板上面に対する落下防止壁の上下方向のずれを可能な限り抑制して、上述した物品落下の防止効果を促進するとともに、収容空間上端の板面と落下防止壁との接触を確実に回避した状態にして、落下防止壁をより堅牢に支持することができる。
さらに、本発明の実施の形態では、落下防止壁の壁上部を、天板の非使用部分の奥端部に接するように構成している。このため、天板によって落下防止壁の奥行き方向の位置決めを行ったうえで、一対の脚板に落下防止壁を固定することができる。この結果、天板上面に対する落下防止壁の奥行き方向のずれを可能な限り抑制して、天板上面と落下防止壁面との間に隙間が生じることを防止し、これにより、上述した物品落下の防止効果を促進するとともに、天板上面と落下防止壁面とが互いに直交する連続面をなす状態にして、落下防止壁をより堅牢に支持することができる。
また、本発明の実施の形態では、天板付き家具の棚装置に対する相対的な移動範囲を、落下防止壁が収容空間から出ない範囲に規制する規制手段を設けている。このため、棚装置に対して天板付き家具を出没させる如何なる状態においても、落下防止壁を収容空間内に位置させることができる。これにより、天板上に載置の物品が落下防止壁の上方を乗り越えて落下する事態を防止することができ、この結果、天板上面からの物品の落下をより確実に防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、天板10の非使用部分10cの奥端部10dに落下防止壁12を接触させて固定していたが、これに限定されず、落下防止壁12は、天板10の非使用部分10cの上面から上方に延在するように天板上面10aに設けられてもよい。この場合、落下防止壁12は、天板10の非使用部分10cの上面に螺子止め等によって固定されるものであってもよいし、天板10の非使用部分10cに一体的に形成されて非使用部分10cの上面から上方に延在(突起)する凸状の壁であってもよい。
また、上述した実施の形態では、壁上部12aが壁下部12bよりも幅広に形成された落下防止壁12を天板付き家具2に設けていたが、これに限定されず、落下防止壁12の壁上部12aは、壁下部12bと同じ幅を有するものであってもよいし、壁下部12bよりも狭い幅を有するものであってもよい。
さらに、上述した実施の形態では、棚装置3の棚板30上に、単一の物品収容部38aと、2つの開放型物品収容部38b,38cとを形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。棚板30上には、遮蔽部材40によって開閉可能に遮蔽される開閉型の物品収容部と、通常時に開放されている開放型物品収容部とが、各々1つずつ(合計2つ)形成されていてもよいし、各々複数ずつ(合計4つ以上)形成されていてもよい。あるいは、棚板30上に、開閉型の物品収容部が1つ形成され、開放型物品収容部が複数形成され、この結果、開閉型の物品収容部および開放型物品収容部が、合計3つ以上形成されてもよい。
また、上述した実施の形態では、棚装置3の棚板30上に、開閉型の物品収容部38aおよび開放型物品収容部38b,38cの2種類の収容棚が形成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。棚板30上には、開閉型の物品収容部または開放型物品収容部のいずれか1種類のみが、1つまたは複数、形成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、棚板30上の中央部分に開閉型の物品収容部38aが形成され、この物品収容部38aを挟んで棚装置3の幅方向F2の両側に開放型物品収容部38b,38cが形成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。物品収容部38aは、棚板30上の中央よりも幅方向右側(例えば右側端)に形成されてもよいし、棚板30上の中央よりも幅方向左側(例えば左側端)に形成されてもよい。この場合、開放型物品収容部38b,38cは、物品収容部38aを幅方向に挟むように形成されていなくてもよく、例えば、物品収容部38aよりも幅方向の右側または左側に並ぶように形成されてもよい。
また、上述した実施の形態では、棚装置3の幅方向F2にスライドする遮蔽部材40によって物品収容部38aを開閉可能に遮蔽していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明における遮蔽部材は、ヒンジ等を用いて上下または左右等の所定の方向に回動するように構成され、回動することによって物品収容部38aを開閉可能に遮蔽するものであってもよい。この場合、棚装置3の上端には、棚板30の上方を覆って棚装置3の天井をなす板状部材が設けられてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、左側端の開放型物品収容部38cに照明装置50を設けていたが、これに限定されず、右側端の開放型物品収容部38bに照明装置50を設けてもよい。あるいは、開放型物品収容部38b,38cのいずれか一方または双方に、時計や送風機等、照明装置50以外の機能装置を設けてもよい。すなわち、本発明において、棚装置3の棚板30上等に設けられる機能装置は、特に照明装置50に限定されず、所定の機能(例えば組み合わせ家具1を使用する使用者の用途に有用な機能)を有するものであればよい。また、棚装置3の棚板30上等に設けられる機能装置の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
また、上述した実施の形態では、棚装置3の開放型物品収容部38cに、機能装置の一例として照明装置50が設けられていたが、これに限定されず、棚装置3の開放型物品収容部38b,38cには、照明装置50等の機能装置を設けなくてもよい。この場合、開放型物品収容部38b,38cは、これらの各全域を物品の収容棚として使用されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、棚装置3内からの天板付き家具2の出没の移動方向および移動範囲を規制するガイド部13,14およびガイドレール36,37のうち、ガイド部13,14は天板付き家具2の天板脚部11に着脱可能に設け、ガイドレール36,37は棚装置3の棚脚部31に設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイド部13,14は、棚装置3の棚脚部31をなす側板31a,31bに各々着脱可能に設け、ガイドレール36,37は、天板付き家具2の天板脚部11をなす脚板11a,11bに各々設けてもよい。
また、上述した実施の形態では、ガイドレール36,37を、凹状に形成された溝としていたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイドレール36,37は、横断面がコの字状であり、長手方向の両端部に抜け止め面を有する細長のレール部材を用いて構成されてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、ガイドレール36,37に摺動可能に係合するガイド突起を有するようにガイド部13,14を構成していたが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、ガイド部13,14は、回転自在に車輪を軸支する突起部を有し、ガイドレール36,37内に突起部の車輪を入れ、ガイドレール36,37に沿って天板付き家具2の出没方向に移動(スライド)するものであってもよい。
一方、上述した実施の形態では、棚装置3の物品収容部38aを開閉可能に遮蔽する遮蔽部材40に書見台46としての機能をもたせていたが、これに限定されず、本発明における書見台46は、上述した遮蔽部材40と別体であってもよい。すなわち、本発明において、棚装置3は、棚板30上に、互いに別体に構成される遮蔽部材40と書見台46とを備えてもよい。この場合、物品支持部42は、遮蔽部材40に設けず、別体である書見台46の物品受け部の下側部分に設けられてもよい。また、書見台46は、遮蔽部材40と同様に前側スライドガイド部47によって棚装置3の幅方向F2にスライド可能に支持されてもよい。あるいは、前側スライドガイド部47と同様の構成を有するスライドガイド部を棚板30における奥行き方向F1の手前側の部分に別に設け、書見台46は、この別のスライドガイド部によって、棚装置3の幅方向F2にスライド可能に支持されてもよい。
また、書見台46は、遮蔽部材40と別体である場合、棚装置3の棚板30に対して着脱可能に取り付けできるように構成され、棚板30の上面における奥行き方向手前側部分のうちの所望の位置に移動可能に取り付けられてもよい。あるいは、書見台46は、ヒンジ等を用いて上下または左右等の所定の方向に回動するように構成され、回動することによって、棚装置3における所定の位置、例えば遮蔽部材40の上端面に折りたためるように構成されてもよい。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。例えば、上述した実施の形態にかかる組み合わせ家具1を構成する天板付き家具2および棚装置3は、木製、金属製、または樹脂製のいずれのものであってもよいし、これらの素材を適宜組み合わせたものであってもよい。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。