JP2015536685A - 対立遺伝子特異的pcrにおける修飾されたリン酸及び修飾された塩基を有するプライマー - Google Patents

対立遺伝子特異的pcrにおける修飾されたリン酸及び修飾された塩基を有するプライマー Download PDF

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Abstract

本発明は、標的配列の複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的だが、しかし、標的配列の1種の変異配列のみに相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し、且つ、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有するヌクレオチドと、修飾されたリン酸の両方が組み込まれた対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを利用した、対立遺伝子特異的増幅の方法を含む。

Description

発明の分野
本発明は、核酸増幅の分野、特に、対立遺伝子特異的増幅の分野に関する。
発明の背景
核酸の対立遺伝子特異的増幅は、標的配列の同時増幅及び分析を可能にする。対立遺伝子特異的増幅は、標的核酸が標的核酸の変形(多型)を有する1以上の亜集団を有すると推測される時に一般的に使用される。DNA多型は、DNAプロファイル分析(法医学、親子鑑定、臓器移植の組織タイピング)、遺伝子マッピング、及び稀な変異、例えば正常DNAを有する細胞の背景において癌細胞を生じるもの、の検出において使用される。
成功的な対立遺伝子特異的増幅において、標的核酸の望ましい変形体は増幅されるが、他の変形体は、少なくとも検出可能な程度のレベルには増幅されない。典型的な対立遺伝子特異的増幅アッセイは、少なくとも1個のプライマーが推測された多型を有する領域に相補的である、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。対立遺伝子特異的増幅の設計は、ある多型の変形体が存在する時のみにプライマー伸長が起こるようなものである。その最も簡単な形態では、対立遺伝子特異的プライマーは、標的中の多型ヌクレオチドの望ましい変形体に相補的な3’末端ヌクレオチドを有する。通常、プラマーの3’末端における単一ミスマッチは、標的配列の望ましくない変形体の増幅を除外するために十分である。しかしながら、増幅の特異性は、異なった3’末端配列間において大きく変動する:ミスマッチによっては、ポリメラーゼによる伸長を効果的に遮断し、ミスマッチによっては遮断しない、米国特許第5,639,611号を参照。
対立遺伝子識別の成功は、ミスマッチのプライマーを伸長する、DNAポリメラーゼの不能に依拠する。DNAポリメラーゼのこの不能は、最大の選択性を達成するための反応条件を調整することによって調節され得る。それにもかかわらず、対立遺伝子特異的PCRの低い選択性は、多くの多形配列の問題を残す。
特異性を上げるための1つの方法は、内部ミスマッチのヌクレオチド又はヌクレオチド(複数)を有する増幅プライマーを設計することを含む。この方法は、ある系では成功することが分かった、米国特許第5,137,806号参照。
特異性を挙げる他の方法は、プライマーの化学的修飾を含む。例えば、プライマーにおけるいくつかのヌクレオチドのデオキシリボースのある2’C及び4’C修飾が、ポリメラーゼによる対立遺伝子識別を向上させることが見出された。Gaster, J. and Marx, A., Chem. Eur. J. 2005, 11: 1861-1870参照。別の研究では、対立遺伝子識別は、ヌクレオチドの1つにおける非天然ピリミジン塩基、具体的には、ピリミジン環の6位に様々な置換基を有するシュードイソシチジン、の使用によって増加されることが見出された。米国特許第7,408,051号参照。
リアルタイム対立遺伝子特異的PCRに関連して、アッセイの選択性は、マッチ鋳型とミスマッチ鋳型とのサイクル数の閾値(Ct)の差として測定することができる。より大きな差は、ミスマッチ鋳型の増幅においてより大きな遅延、よって対立遺伝子間のより大きな識別を示す。修飾されたデオキシリボースは、1サイクルと14サイクルとのCt差をもたらすことが示されている。シュードイソシチジンの使用は、ミスマッチ鋳型の増幅において7サイクル遅延をもたらした。この程度の識別は、試料が鋳型の数個の変形体を含み、すべてが増幅を争う、多くの増幅には不十分である。通常、ミスマッチ鋳型は、マッチ鋳型よりも非常に多量に存在する。例えば、組織試料では、細胞の少量のフラクションのみが、悪性であるかもしれないし、対立遺伝子特異的増幅アッセイによって標的とされる変異(「マッチ鋳型」)を有する。正常細胞に存在する鋳型は、あまり効率よく増幅されないことがあるが、正常細胞の計り知れない数は、増幅の遅延を解消し、変異鋳型の利益を消し去ってしまう。野生型鋳型の存在下での稀な変異を検出するために、対立遺伝子特異的増幅アッセイの特異性は改善される必要がある。
プライマーの対立遺伝子特異性を向上させる数多くの方法が提案されてきた。しかしながら、臨床的に意義のある数多くの核酸標的に関して、PCRの特異性の欠如が未解決のままである。そのため、新規アプローチによる対立遺伝子特異的プライマーの設計が必要とされている。
修飾されたリン酸残基を含むヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドが、米国特許番号7,741,472に記載された。この修飾されたリン酸の重要な特色は、三価リン原子から始まって、安定したリン酸模倣体を形成する様式で試薬とそれが反応する点であった。保護基と共に提供される、少なくとも1個のヒドロキシル残基を含むリン原子は、構造N=N=N−Acc{式中、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体であって、Rがいずれかの有機置換基である}を有するアジドと反応した。このことが、N原子を介して共有結合により強電子求引性電子受容体基が結合されている五価リン原子の形成につながる。この基が、こうして生じたオリゴヌクレオチドが、ホスホルアミダート化合物とは対照的に、共鳴安定化され、加水分解に対して非感受性となるようにしている。
発明の概要
第1の態様において、本発明は、数種の変異配列の形態で存在する標的配列のうち1種の変異配列を対立遺伝子特異的に増幅する方法であって、
(a)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを、前記標的配列のうち少なくとも1種の変異配列にハイブリダイズさせるステップ;ここで、前記第1のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}を有する修飾されたリン酸の両方を含む;
(b)核酸ポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド伸長に好適な条件を提供するステップ;
(c)前記核酸ポリメラーゼによって前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第2のオリゴヌクレオチドを伸長させるステップ;ここで、前記核酸ポリメラーゼは、前記オリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2のオリゴヌクレオチドを効果的に伸長させる能力を有するが、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的でない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に効果的でなくなる、
を含む方法に関する。
第2の態様において、本発明は、数種の変異配列の形態で存在する標的配列のうち1種の変異配列を検出する方法であって、
(a)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを、前記標的配列のうち少なくとも1種の変異配列にハイブリダイズさせるステップ;ここで、前記第1のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}を有する修飾されたリン酸の両方を含む;
(b)核酸ポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド伸長に好適な条件を提供するステップ;
(c)前記核酸ポリメラーゼによって前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第2のオリゴヌクレオチドを伸長させるステップ;ここで、前記核酸ポリメラーゼは、前記オリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2のオリゴヌクレオチドを効果的に伸長させる能力を有するが、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的でない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に効果的でなくなる;
(d)前記オリゴヌクレオチド伸長の産物を検出するステップ;ここで、前記伸長は、前記第2のオリゴヌクレオチドが有する選択的ヌクレオチドと相補的な前記標的配列の変異配列の存在を意味する、
を含む方法に関する。
第3の態様において、本発明は、数種の変異配列の形態で存在する標的配列を対立遺伝子特異的増幅するためのキットであって、
(a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的である、第1のオリゴヌクレオチド;及び
(b)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有する第2のオリゴヌクレオチド;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}を有する修飾されたリン酸の両方を含む、
を含むキットに関する。
第4の態様において、本発明は、数種の変異配列の形態で存在する標的配列の対立遺伝子特異的増幅を実施するためのオリゴヌクレオチドであって、
(a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列の一部分と少なくとも部分的に相補的な配列;
(b)前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチド;
(c)環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチド;及び
(d)下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}を有する修飾されたリン酸、
を含むオリゴヌクレオチドに関する。
第5の態様において、本発明は、数種の変異配列の形態で存在する標的配列を対立遺伝子特異的増幅するための反応混合物であって、
(a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的である、第1のオリゴヌクレオチド;
(b)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}を有する修飾されたリン酸の両方を含む、第2のオリゴヌクレオチド;
(c)核酸ポリメラーゼ;
(d)ヌクレオシド三リン酸;及び
(e)前記核酸ポリメラーゼによる核酸の伸長に好適な緩衝液、
を含む反応混合物に関する。
発明の詳細な説明
定義
他に定義しない場合には、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明に関連する当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。本発明を記載し及び請求することにおいて、下記定義が使用される。
用語「核酸」は、ヌクレオチド(リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ等)のポリマーを意味し、一緒に共有結合的に連結されたヌクレオチドを線状又は分岐形式のいずれかで含む、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、DNA−RNAハイブリッド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、アプタマー、ペプチド核酸(PNA)、PNA−DNA結合体、RNA−RNA結合体など、を含む。核酸は、典型的には一本鎖又は二本鎖であり、一般的にリン酸ジエステル結合を含む。しかし、場合によっては、例えば、ホスホラミド(Beaucage et al. (1993) Tetrahedron 49(10):1925);ホスホロチオエート(Mag et al. (1991) Nucleic Acids Res. 19: 1437;及び米国特許第5,644,048号)、ホスホロジチオエート(Briu et al. (1989) J. Am. Chem. Soc. 111: 2321)、O−メチルホスホロアミデート結合(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press (1992)参照)、及びペプチド核酸骨格及び結合(Egholm (1992) J. Am. Chem. Soc. 114: 1895参照)を含む、別の骨格を有してもよい核酸アナログが含まれる。他のアナログ核酸は、正に荷電した骨格を有するもの(Denpcy et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6097);非イオン性骨格(米国特許第5,386,023号、同5,637,684号、同5,602,240号、同5,216,141号及び同4,469,863号)、並びに米国特許第5,235,033号及び同5,034,506号に記載の骨格を含む非−リボース骨格を含む。1以上の炭素環式糖を含む核酸も、核酸の定義内に含まれ(Jenkins et al. (1995) Chem. Soc. Rev. pp. 169-176参照)、アナログも、例えばRawls, C & E News Jun. 2, 1997の第35頁に記載されている。リボース−リン酸エステル骨格のこれらの修飾は、標識のような付加部分の付加を助けるために、あるいは生理学的環境におけるこのような分子の安定性及び半減期を変更するためになされてもよい。
核酸に典型的に見られる天然型複素環式塩基(例えば、アデニン、グアニン、チミン、シトシン及びウラシル)に加えて、ヌクレオチドアナログは、例えばSeela et al. (1999) Helv. Chim. Acta 82: 1640に記載したような非−天然型複素環式塩基を含んでもよい。ヌクレオチドアナログで使用される特定の塩基は、融解温度(Tm)修飾部分として働く。例えば、これらのいくつかは、7−デアザプリン(例えば、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン等)、ピピラゾロ[3、4−d]ピリミジン、プロピニル−dN(例えば、プロピニル−dU、プロピニル−dC等)などを含む。例えば、米国特許第5、990、303号参照。他の代表的な複素環式塩基は、例えば、ヒポキサンチン、イノシン、キサンチン;2−アミノプリンの8−アザ誘導体、2、6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチン;アデニンの7−デアザ−8−アザ誘導体、グアニン、2−アミノプリン、2、6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、ヒポキサンチン、イノシン及びキサンチン;6−アザシチジン;5−フルオロシチジン;5−クロロシチジン;5−ヨードシチジン;5−ブロモシチジン;5−メチルシチジン;5−プロピニルシチジン;5−ブロモビニルウラシル;5−フルオロウラシル;5−クロロウラシル;5−ヨードウラシル;5−ブロモウラシル;5−トリフルオロメチルウラシル;5−メトキシメチルウラシル;5−エチニルウラシル;5−プロピニルウラシル等を含む。
「ヌクレオシド」は、糖部分(リボース糖又はデオキシリボース糖)、糖部分の誘導体又は糖部分の機能性等価体(例えば炭素環式環)に共有結合的に連結された、塩基又は塩基性基を含む核酸成分(少なくとも1つの同素環式環、少なくとも1つの複素環式環、少なくとも1つのアリール基などを含む)を意味する。例えば、ヌクレオシドが糖部分を含む時、塩基は、典型的に該糖部分の1’位に連結される。上述のように、塩基は、天然型塩基でも又は非天然型塩基でもよい。ヌクレオシドの例は、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、ジデオキシリボヌクレオシド及び炭素環式ヌクレオシドを含む。
「ヌクレオチド」は、ヌクレオシドのエステル、例えば、ヌクレオシドの糖部分の5’位に共有結合的に連結された1、2又は3個以上のリン酸エステル基を有するヌクレオシドのリン酸エステルを意味する。
「プリンヌクレオチド」は、プリン塩基を含むヌクレオチドを言い、一方、「ピリミジンヌクレオチド」は、ピリミジン塩基を含むヌクレオチドを意味する。
「オリゴヌクレオチド」は、少なくとも2個、典型的には5〜50個のヌクレオチド、より典型的には15〜35個のヌクレオチドを含む、核酸ポリマーを意味する。オリゴヌクレオチドの正確な大きさは、一般的には、最終的な機能又はオリゴヌクレオチドの使用を含む様々な因子に依拠する。オリゴヌクレオチドは、例えば、好適な配列のクローニング及び制限消化、あるいはNarang et al. (1979) Meth. Enzymol. 68: 90-99のリン酸トリエステル法;Brown et al. (1979) Meth. Enzymol. 68: 109-151のリン酸トリエステル法;Beaucage et al. (1981) Tetrahedron Lett. 22: 1859-1862のジエチルホスホラミデート法;Matteucci et al. (1981) J. Am. Chem. Soc. 103: 3185-3191のトリエステル法;自動合成法;米国特許第4,458,066号の固相法、又は当該分野で公知の他の化学的方法のような方法による直接的な化学合成を含む、当該分野で公知の任意の好適な方法によって調製できる。
「プライマー核酸」又は「プライマー」は、鋳型にハイブリダイズし、ヌクレオチド導入生物触媒を用いる鎖伸長又は延長を可能にする、オリゴヌクレオチドである。他のプライマーの長さも時には利用されるが、プライマーは、典型的には、15〜35ヌクレオチドの範囲にある。短いプライマー核酸は、一般的に、鋳型核酸を有する十分に安定なハイブリッド複合体を形成するためにより低い温度を利用する。鋳型核酸の配列に少なくとも部分的に相補的であるプライマー核酸は、典型的には、伸長を起こさせる鋳型核酸とハイブリダイズには十分である。しかしながら、伸長の成功は、一般的に、該プラマーの3’末端でより大きな相補性(すなわち、該鋳型とほとんどミスマッチしない)を要求する。プライマー核酸は、必要ならば、放射線学的、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的又は化学的技術によって標識することができる。
「伸長されたプライマー」は、1以上の更なるヌクレオチドが追加されるプライマーを意味する。「プライマー伸長」は、それによって、更なるヌクレオチドが該プライマーに追加される酵素の作用である。
「鋳型核酸」、「鋳型」又は「標的」は、好適な条件下で、プライマー核酸がそれにハイブリダイズし、伸長することができる核酸を意味する。核酸増幅との関連で、「標的」は、好ましくは、少なくとも2つのプライマー配列に少なくとも部分的に相補的な配列、及び干渉配列から成る、二本鎖核酸の領域である。標的は、1種のプライマーに少なくとも部分的に相補的な配列、及び第2プライマーと部分的に同一の配列から成る、一本鎖核酸でもよい。鋳型核酸は、単離された核酸断片として存在することができ、あるいはより大きな核酸断片の一部でもよい。標的核酸は、本質的に任意の起源、例えば培養された微生物、非培養された微生物、複合生物的混合物、組織、血清、古びたもしくは保存された組織又は試料、環境的単離物など、から得られるか又は単離される。更に、鋳型核酸は、場合により、cDNA、RNA、ゲノムDNA、クローン化ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、酵素的に断片化されたDNA又はRNA、化学的に断片化されたDNA又はRNA、物理的に断片化されたDNA又はRNAなどを含むか、あるいはそれから得られる。鋳型核酸は、当該分野で公知の技術を用いて化学的に合成されてもよい。
本明細書で用いる「遺伝子」は、生物学的機能に関連したDNAの任意の断片を意味する。
従って、遺伝子は、コーディング配列、及び場合により該コーディング配列の発現のために必要とされる制御配列を含む。
例えば核酸の3’末端でのヌクレオチド導入生物触媒によって、追加のヌクレオチドは核酸に導入される時に、核酸は「伸長される」か又は「延長される」。
「部分」又は「基」は、分子のような何かが分割される部分の1つを意味する(例えば、機能性基、置換基等)。例えば、ヌクレオチドは、典型的に、塩基性基(アデニン、チミン、シトシン、グアニン、ウラシル、又はアナログ)、糖部分、及び1以上のリン酸エステルを含む。
「アルキル基」は、線状、分岐又は環状の飽和炭化水素部分を言い、すべての位置異性体、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1、1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2、2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1、1−ジメチルプロピル、1、2−ジメチルプロピル、エチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1、1−ジメチルブチル、1、2−ジメチルブチル、1、3−ジメチルブチル、2、2−ジメチルブチル、2、3−ジメチルブチル、3、3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1、1、2−トリメチルプロピル、1、2、2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘキシル、シクロへキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルへキシル、n−ノニル、n−デシル等、を含む。アルキル基は、典型的に、約1〜20個の炭素原子、より典型的には約2〜15個の炭素原子を含む。アルキル基は置換されても又は置換されなくてもよい。
「アルコキシ基」は、酸素原子を含むアルキル基を言い、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ等を含む。
「アリール基」は、芳香族化合物から誘導される原子又は部分の置換基を意味する。アリール基の例は、例えば、フェニル基等を含む。アリール基は、場合により複数の芳香族環(例えば、ジフェニル基等)を含む。加えて、アリール基は置換されてもよく又は置換されなくてもよい。
「アリールオキシ基」は、酸素を含むアリール基を言い、例えば、フェノキシ、クロロフェノキシ、メチルフェノキシ、メトキシフェンキシ、ブチルフェノキシ、ペンチルフェノキシ、ベンジルフェノキシ等を含む。
「アルキル−アリール基」は、アルキル及びアリール部分を含む基を意味する。アルキル−アリール基の例は、ベンジル基、トリル基及びキシリル基を含む。
「対立遺伝子特異的プライマー」は、鋳型核酸の数種の変異配列にハイブリダイズ可能であるが、鋳型核酸の数種の変異配列のうち一部の変異配列のみにハイブリダイズしたときに、ポリメラーゼによって伸長可能であるプライマーである。鋳型核酸のその他の変異配列に関して、プライマー−鋳型ハイブリッドは、該ポリメラーゼによって伸長しなくてもよいし、より低い効率で伸長してもよい。
核酸は、追加ヌクレオチドが該核酸に組み込まれたときに「伸長」又は「延長」し、追加ヌクレオチドは、例えば、ヌクレオチドの組み込みを触媒する生体触媒により、核酸の3’末端に組み込まれる。
増幅アッセイは、1つの産物をその他の可能な産物よりも優位に(すなわち、大部分であるが100%未満)生じるとき、「選択的」又は「対立遺伝子選択的」である。標的配列のうち目的としない(ミスマッチ)変異配列の増幅が検出可能である限り、アッセイは「対立遺伝子選択的」と記載される。増幅アッセイに関して、「特異的」又は「対立遺伝子特異的」という用語は、可能な産物のうち1つが排他的に形成されるときに使用される。目的としない標的の増幅が検出不可能であるアッセイは、「対立遺伝子特異的」と呼ばれる。しかしながら、検出方法がより高感度になるにつれて、対立遺伝子特異的であることが従前知られていたアッセイが、対立遺伝子選択的であると判明することがある(すなわち、標的のうち目的としない変異配列の増幅が検出可能となる場合がある)と理解されるべきである。したがって、本発明に関して、「対立遺伝子特異的」という用語は、厳密に対立遺伝子特異的な増幅と、対立遺伝子選択的な増幅の両方を包含することが意図される。
「遺伝子型」という用語は、細胞又は対象あるいは細胞又は対象の群における遺伝子構成のうちの全部又は一部を意味する。例えば、遺伝子型は、所定の遺伝子座に存在する又はゲノム中に分布する、特定の突然変異及び/又は対立遺伝子(例えば、一ヌクレオチド多型(SNPs)等の多型)を含む。
「核酸ポリメラーゼ」という用語は、ヌクレオチドの核酸への組み込みを触媒する酵素を意味する。核酸ポリメラーゼの具体例としては、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、逆転写酵素、テロメラーゼ等が挙げられる。
「熱安定性酵素」という用語は、所定時間、増加する温度に曝されたときに、安定であって(すなわち、分解又は変性に抵抗する)、かつ十分な触媒活性を維持する酵素を意味する。例えば、熱安定性ポリメラーゼは、二本鎖核酸の変性に必要な時間、増加する温度に曝されたとき、それに続くプライマー伸長反応を生じさせるのに十分な活性を維持する。核酸変性に必要な加熱条件は当業者に周知であり、例えば、米国特許第4,683,202号及び第4,683,195号に記載されている。本明細書中で使用されるように、熱安定性ポリメラーゼは、一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)等の温度サイクリング反応での使用に適している。熱安定性核酸ポリメラーゼの具体例としては、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)Taq DNAポリメラーゼ、サーマスsp.(Thermus sp.)Z05ポリメラーゼ、サーマス・フラバス(Thermus flavus)ポリメラーゼ、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)ポリメラーゼ、例えば、TMA−25及びTMA−30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ等が挙げられる。
「修飾」酵素は、少なくとも1個のモノマーが参照配列(例えば、天然型又は野生型の酵素、或いは別の修飾された形態の酵素)と異なるアミノ酸ポリマーを含む酵素を意味する。修飾の具体例としては、モノマーの挿入、欠失及び置換が挙げられる。修飾酵素には、2種以上の親に由来する同定可能な構成配列(例えば、構造又は機能ドメイン等)を有するキメラ酵素も含まれる。修飾酵素の定義には、参照配列の化学的修飾を有するものも含まれる。修飾ポリメラーゼの具体例としては、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZ05ポリメラーゼ、ΔZ05−Goldポリメラーゼ、Z05 DNAポリメラーゼ、ΔZ05Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、E678G TMA−25ポリメラーゼ、E678G TMA−30ポリメラーゼ等が挙げられる。
「5’から3’へのヌクレアーゼ活性」又は「5’−3’ヌクレアーゼ活性」という用語は、核酸鎖の5’末端からヌクレオチドを除去する核酸ポリメラーゼ活性を意味し、この活性は、典型的には、核酸鎖合成に関連し、例えば、E.コリ(E.coli)DNAポリメラーゼIはこの活性を有するが、クレノウフラグメントは有しない。
「5’−3’ヌクレアーゼ活性を実質的に欠く」ポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼよりも50%以下(例えば、<25%、<20%、<15%、<10%)の5’−3’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼを指す。5’−3’ヌクレアーゼ活性の測定法及び測定条件は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,466,591号を参照。5’−3’ヌクレアーゼ活性を実質的に欠くDNAポリメラーゼの例は、E.コリDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを含む;N末端235アミノ酸を欠くサーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)DNAポリメラーゼ(Taq)(例えば、米国特許第5,616,494号に記載され「ストッフェルフラグメント」と当該分野で一般的に呼ばれる)。他の例は、5’−3’ヌクレアーゼ活性に原因となっているドメインを削除し又は不活性化するように、十分な欠失(例えばN末端欠失)、変異又は修飾を有する熱安定性DNAポリメラーゼを含む。例えば、米国特許第5,795,762号参照。
「3’から5’へのヌクレアーゼ活性」又は「3’−5’ヌクレアーゼ活性」あるいは「プルーフリーディング活性」という用語は、核酸鎖の3’末端からヌクレオチドを除去する核酸ポリメラーゼ活性を意味する。例えば、E.コリDNAポリメラーゼIIIはこの活性を有するが、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)(Taq)DNAポリメラーゼは有しない。
「忠実性(fidelity)」又は「複製忠実性(replication fidelity)」は、鋳型依存性重合(template-dependent polymerization)の際、正確なヌクレオチドを組み込む核酸ポリメラーゼの能力である。複製忠実性に関して、新生(nascent)ヌクレオチド鎖における「正確なヌクレオチド」は、ワトソン・クリック塩基対によって、鋳型ヌクレオチドと対を形成するヌクレオチドである。特定のポリメラーゼの複製忠実性は、正確なヌクレオチドの組み込みと、該ポリメラーゼの3’−5’ヌクレアーゼ活性による新生ヌクレオチド鎖の3’末端からの不正確なヌクレオチドの除去との組合せによって生じる。ヌクレオチドポリメラーゼの忠実性に関する様々な測定方法が、Tindall等, (1988) Fidelity of DNA synthesis by the Thermus aquaticus DNA polymerase. Biochemistry, 27:6008-6013に概説されている。典型的には、3’−5’ヌクレアーゼ(プルーフリーディング)活性を有するポリメラーゼの忠実性は、プルーフリーディング活性を有しないポリメラーゼの忠実性よりも高い。
「標識」は、分子に(共有結合的又は非共有結合的に)結合し、その分子に関する情報を提供することができる成分(moiety)を意味する。標識の具体例としては、蛍光標識、比色標識(colorimetric label)、化学発光標識、生物発光標識、放射性標識、質量修飾基(mass-modifying group)、抗体、抗原、ビオチン、ハプテン、及び酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ等)が挙げられる。
「ホットスタート」は、核酸増幅反応との関連において、温度が十分に上昇し、1つのプライマー又は複数のプライマーの必要とされるハイブリダイゼーション特異性が達成されるまで、少なくとも1種の重要な試薬を反応混合物から除いておく(又は、反応混合物に存在する場合には、その試薬は不活性である)というプロトコルを意味する。「ホットスタート酵素」は、ホットスタートプロトコルにおいて、「除いておく」又は不活性である試薬として機能することができる、酵素、典型的には核酸ポリメラーゼである。
「ワトソン・クリック塩基対」又は単に「塩基対」という用語は、二本鎖核酸分子内の「通常の(conventional)」水素結合について使用される。ワトソン・クリック塩基対は、アデニンとチミン間、グアニンとシトシン間、アデニンとウラシル間、並びにこれらの塩基のアナログ間の水素結合である。
「選択的ヌクレオチド」は、対立遺伝子選択性をプライマーに付与する、対立遺伝子特異的なプライマーにおけるヌクレオチドである。選択的ヌクレオチドは、標的核酸のうち目的とする変異配列における対応ヌクレオチドと相補的であるが、標的核酸のうち目的としない変異配列における対応ヌクレオチドとは相補的でない。プライマーにおいて、2個以上のヌクレオチドが、標的核酸のうち目的とする変異配列におけるヌクレオチドと相補的であるが、標的核酸のうち目的としない変異配列の対応ヌクレオチドと相補的でない場合もある。但し、選択的ヌクレオチドは、プライマーの特異性に影響を与えるプライマー内の位置に配置される。選択的ヌクレオチドは、標的核酸内に相補的パートナーが見出されるか又は見出されないかに依存して、標的核酸の効率的又は非効率的な増幅を可能とする。プライマーは、2個以上の選択的ヌクレオチドを含んでもよい。
「前記核酸ポリメラーゼは、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2のオリゴヌクレオチドを効果的に伸長させる能力を有するが、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的でない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に効果的でなくなる」という表現は、ポリメラーゼによる第2のオリゴヌクレオチドの伸長が、選択的ヌクレオチドが標的配列と塩基対を形成しないときよりも、選択的ヌクレオチドが標的配列と塩基対を形成するときに、効果的であることを意味する。
前述のとおり、一態様において、本発明は、対立遺伝子特異的増幅の方法であって、(a)標的配列の少なくとも1種の変異配列を含む可能性がある試料を準備するステップ;(b)標的配列の1超の変異配列に少なくとも部分的に相補的である、第1オリゴヌクレオチドを提供するステップ;(c)標的配列の1種の変異配列にのみ相補的な選択的ヌクレオチドを有する、標的配列の1種又は複数の変異配列に少なくとも部分的に相補的である第2オリゴヌクレオチドを提供するステップ;ここで、前記第2オリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基及び修飾されたリン酸の両方を含む少なくとも1個のヌクレオチドを含む;(d)標的配列の少なくとも1種の変異配列への第1及び第2オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに好適な条件を提供するステップ;(e)核酸ポリメラーゼによってオリゴヌクレオチド伸長に好適な条件を提供するステップ;ここで、前記ポリメラーゼは、前記選択的ヌクレオチドが相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2オリゴヌクレオチドを伸長する能力を有し、前記第2オリゴヌクレオチドが選択的ヌクレオチドに相補的ではない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に伸長する能力がほとんどない、を含む方法に関する。
標的配列の1種の変異配列のみと相補的な選択的ヌクレオチドを有する、標的配列の1個又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的な第2オリゴヌクレオチドは、「選択的オリゴヌクレオチド」、「選択的プライマー」又は「対立遺伝子選択的プライマー」と言われる。本発明の選択的オリゴヌクレオチドは、10〜50個、より好ましくは15〜35個のヌクレオチドを含み、その大部分は、標的配列の1個より多くの変異配列で配列に相補的である。オリゴヌクレオチドの選択的ヌクレオチドは、増幅され、他の変異配列には相補的でない、標的配列の変異配列に相補的である。他の実施形態において、修飾塩基ヌクレオチドは3’末端ヌクレオチドである。本発明の選択的オリゴヌクレオチドは、環外アミノ基で共有結合的に修飾された塩基と共に、1以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施態様において、修飾された−塩基ヌクレオチドは、選択的ヌクレオチドの、1〜5個のヌクレオチド上流に生じる(本明細書では、−1、−2、−3、−4、−5又はN−1、N−2、N−3、N−4、N−5位としても表わされる)。他の実施態様において、修飾された−塩基ヌクレオチドは、選択的ヌクレオチドである。ある実施態様において、修飾された−塩基ヌクレオチドは、選択的及び他のところではオリゴヌクレオチド内の少なくとも1箇所で生じる。
環外アミノ基の共有結合的修飾を有するヌクレオチドは、米国特許第6,001,611号(’611)に記載されている。かかるヌクレオチドの合成、及びかかるヌクレオチドを導入するオリゴヌクレオチドも’611特許に記載されている。
環外アミノ基の具体例としては、アデノシンの6位、グアノシンの2位及びシチジンの4位におけるアミノ基が挙げられる。相補的な核酸鎖との塩基対に関与する環外アミノ基は、ヌクレオチド内の一般的ではない様々な窒素含有塩基に存在してもよい。一般的ではない塩基を有するヌクレオシドの具体例としては、これらに限定されるわけではないが、3−メチルアデノシン、7−メチルグアノシン、3−メチルグアノシン、5−メチルシチジン、及び5−ヒドロキシメチルシチジンが挙げられる。そのような一般的ではない塩基の環外アミノ基の好適な修飾は、本発明の実証的方法に従って選択してもよい。
修飾アデニン、グアニン、及びシトシン塩基を含む修飾ヌクレオチドの構造を、それぞれ、以下に示す。
Figure 2015536685
式中、Sは糖残基を表し、Rは修飾基を表す。上記4つの特性を有する様々な修飾基が想定されている。ある実施形態では、修飾基は、以下の構造を有する:
Figure 2015536685
式中、R1及びR2は、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、非置換又は置換アリール及びフェノキシからなる群より選択される。
アルキル基は、分岐鎖状であってもよいし、非分岐鎖状であってもよい。
アルキル基は、C1−C20アルキル、例えばC1−C10アルキルであり得る。
アルコキシ基は、C1−C20アルコキシ、例えばC1−C10アルコキシであり得る。
アリールは、非置換又は置換フェニル又はナフチルであり得る。
一実施形態において、Rはベンジル基又は置換ベンジル基である。ある実施形態において、置換ベンジル基は、以下の構造を有し得る:
Figure 2015536685
式中、R3は、C1−C6分岐鎖状又は非分岐鎖状アルキル基、好ましくは、C1−C4分岐鎖状又は非分岐鎖状アルキル基、アルコキシ基、又はニトロ基を表す。好ましくは、R3はパラ位に結合している。
幾つかの実施形態において、修飾基は、以下の構造によって表される:
Figure 2015536685
一般的に、本明細書に記載された化合物群からの、特定の好適な修飾基の実験的選択は、上記4つの特性の存在に基づいて、当業者が常法に従って実施することができる。好ましくは、特定の基の適合性は、対立遺伝子特異的増幅反応において、修飾ヌクレオチドを有するプライマーを使用することにより、実験的に決定される。修飾の適合性は、塩基修飾を有するプライマーを使用した反応の選択性が、未修飾プライマーを使用した同一の反応と比較したときに増加することによって示される。
修飾されたリン酸残基の合成と使用は、米国特許第7,741,472号(‘472)に記載があった。少なくとも1個のヒドロキシル残基を含むリン原子は、構造N=N−N−Acc{式中、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体であって、そして、Rは有機置換基のいずれかである。}を有するアジドと反応する。修飾されたリン酸はにの一例は、下記構造:
Figure 2015536685
{式中、A及びBが、ヌクレオチド鎖を表し、Dが、OH又はCH3であり、Accが、CN、SO2−R’(式中、R’が、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール、又は任意に置換された複素環化合物を含む。)、並びにオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有する、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される。}を有する。
そのような修飾されたリン酸残基を含むオリゴヌクレオチドは、天然のDNAやRNAとハイブリダイズし、リアルタイムPCRなどの増幅反応におけるプローブ又はプライマーとして機能するように使用され得る。修飾されたリン酸の一実施形態は、下記構造:
Figure 2015536685
を有し、‘472特許では、P(=NSO2PhNHAc)又はpABSAと呼ばれている。‘472特許に記載の修飾されたリン酸の他の実施形態としては、P=pPh−NAc、P(=N−SO2−Ph−p−N=N−Ph−p−NMe2)、及びP=NS(O)2ローダミン−Bが挙げられる。これらの修飾されたリン酸を組み込んだオリゴヌクレオチドプライマーを使用したリアルタイムPCRや融解曲線分析もまた、‘472特許に記載があった。
本発明の対立遺伝子特異的プライマーには、当業者に公知の様々な態様のプライマーデザインを組み入れることができる。例えば、プライマーは、Whitcombe等, (1999) Detection of PCR products using self-probing amplicons and fluorescence, Nature Biotech. 17:804-807に記載された「スコーピオン」と呼ばれる、単分子であるプライマー−プローブの組合せの形態をとることができる。本発明に従って設計されたスコーピオンプライマーは、スコーピオンの典型的な要素、すなわち、プローブ部分、ステムループ部分及びプライマー部分を含む。さらに、本発明に従って設計されたスコーピオンにおいて、プライマー部分は変異配列部分に相補的な3’末端を有する。本発明に従って設計されたスコーピオンにおけるプライマー部分は、本明細書中に記載の、1若しくは複数の修飾された塩基ヌクレオチド及び1若しくは複数の修飾されたリン酸を含んでいる。
本発明の幾つかの実施形態において、増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応、すなわち、鋳型の変性、オリゴヌクレオチドプライマーの鋳型へのアニーリング(ハイブリダイゼーション)、及び核酸ポリメラーゼによるプライマーの伸長というサイクルの繰り返しによって実施される。幾つかの実施形態において、アニーリング及び伸長は、同じ温度ステップで生じる。
幾つかの実施形態において、増幅反応は、ホットスタートプロトコルによって実施される。対立遺伝子特異的増幅との関連において、ミスマッチ標的配列に対する対立遺伝子特異的プライマーの選択性は、ホットスタートプロトコルの使用によって向上させることができる。数多くのホットスタートプロトコルが当業者に公知であり、例えば、ワックスの使用、他の反応混合物からの重要な試薬の分離(米国特許第5,411,876号)、抗体によって可逆的に不活性化される核酸ポリメラーゼの使用(米国特許第5,338,671号)、活性部位に特異的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドによって可逆的に不活性化される核酸ポリメラーゼの使用(米国特許第5,840,867号)、又は可逆性の化学的修飾を有する核酸ポリメラーゼの使用(米国特許第5,677,152号及び第5,773,528号)が挙げられる。
本発明の幾つかの実施形態において、対立遺伝子特異的増幅アッセイは、リアルタイムPCRアッセイである。リアルタイムPCRアッセイにおいて、増幅の指標は、Ct値(すなわち「cycle of threshold」)である。Ct値が早いほど、閾値レベルの迅速な達成、すなわち増幅がより効果的であることを反映している。遅いCt値は、効率の悪い増幅又は阻害された増幅を反映している可能性がある。対立遺伝子特異的リアルタイムPCRアッセイとの関連において、マッチ鋳型及びミスマッチ鋳型間のCt値の差は、対立遺伝子間の区別又はアッセイの選択性の指標となる。
対立遺伝子特異的増幅アッセイは、当前記分野で公知の任意の好適な核酸ポリメラーゼを使用してよい。対立遺伝子特異的PCRアッセイのために、任意の熱安定性核酸ポリメラーゼが使用できる。プルーフリーディング(3’−5’−エキソヌクレアーゼ)活性のない酵素、例えばTaqDNAポリメラーゼ、を使用することも時には望ましい。米国特許第5,795,762号に記載されているような実質的に又は完全に5’−3’ヌクレアーゼ活性を欠く酵素を使用することも望ましい。かかる酵素の一例は、ΔZ05ポリメラーゼである。「ホットスタート」の能力を有する酵素、例えば米国特許第5,677,152号及び同5,773,528号に記載された可逆的に修飾された酵素、を持つことも時には好ましい。ホットスタート酵素の一例は、ΔZ05ゴールドポリメラーゼである。
増幅産物の検出は、当前記分野で公知の任意の方法によって達成される。これらの方法は、標識されたプライマー及びプローブ並びに様々な核酸結合色素の使用を含む。検出手段は、標的配列の1種の変異配列に特異的でもよく、あるいは標的配列のすべての変異配列に一般的又はすべての二本鎖DNAにさえ一般的であってもよい。非−特異的検出方法は、標的の望ましくない変異配列の増幅が最小であり、この検出方法の検出限界下に入ると期待される場合に、使用できる。増幅が、例えば非標識産物のゲル電気泳動、及び核酸結合色素を有するゲルの染色によって完了された後に、増幅産物は検出することができる。あるいは、増幅産物は、合成中の導入によって又は標識されたプライマーの伸長産物であることによって、放射活性又は化学的標識を有してもよい。電気泳動後又はその最中に、標識された増幅産物は、当前記分野で公知の好適な放射線学的又は化学的手段で検出することができる。電気泳動後、前記産物は、当前記分野で公知の方法の任意の1つで標識した標識−特異的プローブで検出してもよい。標識されたプローブは、電気泳動を用いないで、すなわち「ドットブロット」等で標的に適用してもよい。
他の実施態様において、増幅産物の存在は、同質のアッセイ、すなわち、未完成産物は増幅のサイクル中か又は少なくとも同一の未開封のチューブ中で検出され、増幅後産物の操作は必要ないようなアッセイで検出することができる。同質増幅アッセイは、例えば米国特許第5,210,015号に記載されている。核酸挿入色素を用いる同質増幅アッセイは、例えば米国特許第5,871,908号及び同6,569,627号に記載されている。同質アッセイは、2つの挿入フルオロフォアで標識された蛍光プローブ、例えば、「分子ビーコン」プローブ(Tyagi et al., (1996) Nat. Biotechnol., 14: 303-308)又は蛍光的に標識されたヌクレアーゼプローブ(Livak et al., (1995) PCR Meth. Appl., 4: 357-362)、を使用してもよい。これらの技術のある変形では、増幅産物は、その異なった融点によって識別することもできる、米国特許第5,871,908号及び同6,569,627号参照。増幅産物は、「スコーピオン」と称される単分子プラマー−プローブの組合せを用いて検出してもよい。Whitcombe et al., (1999) Detection of PCR products using self-probing amplicons and fluorescence, Nature Biotech. 17:804-807。スコーピオンオリゴヌクレオチドのプライマー部分は、本発明に従って設計された対立遺伝子特異的プライマーでよい。
別の態様において、本発明は、標的配列の選択された変異配列を特異的に又は選択的に増幅するための反応混合物であって、以下:標的配列の複数の変異配列に少なくとも部分的に相補的な第1オリゴヌクレオチド;標的配列の複数の変異配列に少なくとも部分的に相補的であるが、標的配列の1種の変異配列のみに相補的な選択的ヌクレオドを有する第2オリゴヌクレオチド、ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する少なくとも1個のヌクレオチド、及び少なくとも1個の修飾されたリン酸の両方を含み;且つ1個又は複数の変異配列に存在することが知られている、標的核酸、を含む、反応混合物を提供する。ある実施態様において、前記反応混合物は、核酸ポリメラーゼ、核酸前駆体、すなわちヌクレオシド三リン酸、並びに核酸ポリメラーゼの活性の支持に好適な有機及び無機イオンを含む、核酸の増幅に一般的に必要な試薬及び溶液を更に含む。
別の態様において、本発明は、本発明に従う対立遺伝子特異的増幅を実行するためのキットを提供する。前記キットは、一般的に、アッセイ−特異的成分、及びDNA増幅アッセイを行うために一般的に必要とされる成分を含む。アッセイ−特異的成分として、本発明の対立遺伝子特異的増幅キットは、典型的には、標的配列の1個若しくは複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的な第1のオリゴヌクレオチド、及び標的配列の1種の変異配列のみに相補的な選択的ヌクレオチドを有し、そして環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を含む少なくとも1個のヌクレオチドと少なくとも1個の修飾されたリン酸の両方を有する、標的配列の1個若しくは複数の変異配列に少なくとも部分的に相補的である第2のオリゴヌクレオチド、場合により、標的配列の1超の変異配列に少なくとも部分的に相補的である第2のオリゴヌクレオチド、及び場合によりキットに同封されたオリゴヌクレオチドに少なくとも部分的に相補的である対照標的配列の少なくとも1種の変異配列のある量を含む対照核酸配列、を含む。特定の実施態様において、対照核酸配列の1超の変異配列が同封されてもよい。好ましくは、キットに同封された対照核酸配列の数個の変異配列の中で、少なくとも1種の変異配列は、対立遺伝子選択的オリゴヌクレオチドの選択的ヌクレオチドに相補的である。核酸増幅に一般的に必要とされる成分として、本発明のキットは、典型的に、核酸ポリメラーゼの1以上;核酸前駆体、例えばヌクレオシド三リン酸(デオキシリボヌクレオシド三リン酸又はリボヌクレオシド三リン酸)、場合により、核酸の加ピロリン酸分解を最小限にするためのピロホスファターゼ、すなわち、増幅反応の繰返し汚染に対して保護するためのウラシルN−グリコシラーゼ(UNG);増幅反応及び検出に必要な予備調製した試薬及び緩衝液;並びに本発明の対立遺伝子特異的増幅を行うための1組の取扱説明書、を含む。
更に別の態様において、本発明は、対立遺伝子特異的PCRでの使用のためのオリゴヌクレオチドを提供する。本発明の対立遺伝子特異的PCRでの使用のための典型的なオリゴヌクレオチドは、10〜50、より好ましくは15〜35ヌクレオチドを含み、これらの大半は、標的配列の1個より多くの変異配列中の配列に相補的である。しかしながら、前記オリゴヌクレオチドの選択的ヌクレオチドは、標的配列の1種の変異配列に相補的であり、他の変異配列に相補的でない。更に、本発明のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する少なくとも1個のヌクレオチドと修飾されたリン酸の両方を含む。ある実施態様において、修飾された塩基ヌクレオチドは、3’末端ヌクレオチドに生じる。他の実施形態において、修飾された塩基ヌクレオチドは、3’末端ヌクレオチドの1〜5ヌクレオチド上流、又は例えば1、2又は3ヌクレオチド上流に生じる。ある実施形態において、修飾された塩基ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの3’末端、並びにオリゴヌクレオチド内の至る所に生じる。
下記実施例及び図面は、本発明の理解を助ける目的で提供されており、本発明の真の範囲は、添付の特許請求の範囲に示されている。変更は、本発明の主旨から逸脱することなく記載された手順において可能であると理解されるべきである。
実施例1
ヒトEGFR遺伝子内の突然変異G719Sを検出するためのプライマー
以下に示した増幅反応を、野性型と変異配列標的の両方に共通する検出プローブ(配列番号2)及びフォワードプライマー(配列番号1)を使用して実施した。各反応におけるリバースプライマーを、以下の表1に示す:配列番号3、変異配列と野性型標的の両方に共通のプライマー;又は配列番号4、5、6、7、8、G719S変異配列の標的配列に合致し、且つ、3’末端塩基位置において野性型標的に合致しないプライマー。
これらの反応に使用した標的は、プールしたヒトWTゲノムDNA(Clontechによって提供された)又はpUC19プラスミドベクター(ミニ遺伝子としてIDTによって提供された)内に挿入された500bpのG719S配列を含む変異プラスミド構築物である。
変異又は野性型DNAを、50mMのTris HCl(pH8.0)、80mMの塩化カリウム、160μMのdATP、160μMのdCTP、160μMのdGTP、320μMのdUTP、それぞれ0.1μMの選択的プライマー及び共通プライマー、0.05μMのプローブ、200nMのNTQ21−46Aアプタマー、40nMのZ05−D変異型ポリメラーゼ、10ユニットのZ05、及び0.1mMのEDTA、1.25%のDMSO、2.11%のグリセロール、及び2.5mMの酢酸マグネシウムから成る反応物中で増幅させた。変異又は野性型標的は、1反応あたり約40,000コピーの開始濃度で存在していた。
増幅及び分析を、LightCycler480装置を使用しておこなった。反応物を、下記プロフィール:最初50℃にて5分間維持、続いて95℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを2サイクル、そして93℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを80サイクル、を使用して温度循環させた。蛍光データを、それぞれ62℃のアニーリングステップの開始から80サイクルのPCRの間、収集した。
pABSA修飾プライマーである配列番号5、6、7、8が、非修飾pABSAプライマー(配列番号4)に比べて、より識別力があることを実証した。さらに、N4−パラ−tert−ブチル−ベンジルシトシン(tbbdC)とpABSAの両方を含むプライマーである配列番号7が、最も大きな識別力を示した。識別力を、等しい入力(40,000c)の変異型対野性型標的の増幅の間のデルタCtの関数として評価する。デルタCtが大きいほど、変異型と野性型の対立遺伝子の間の増幅の識別力が大きいと解釈される。
Figure 2015536685
実施例2
ヒトEGFR遺伝子内の突然変異L858Rを検出するためのプライマー
以下に示した増幅反応を、野性型と変異配列標的の両方に共通する検出プローブ(配列番号10)及びフォワードプライマー(配列番号9)を使用して実施した。各反応におけるリバースプライマーは:配列番号11、変異配列と野性型標的の両方に共通のプライマー;又は配列番号12、13、14、15、16、17、L858R変異配列の標的配列に合致し、且つ、3’末端塩基位置において野性型標的に合致しないプライマー。
これらの反応に使用した標的は、プールしたヒトWTゲノムDNA(Clontechによって提供された)又はpUC19プラスミドベクター(ミニ遺伝子としてIDTによって提供された)内に挿入された500bpのL858R配列を含む変異プラスミド構築物である。
変異又は野性型DNAを、50mMのTris HCl(pH8.0)、80mMの塩化カリウム、160μMのdATP、160μMのdCTP、160μMのdGTP、320μMのdUTP、それぞれ0.1μMの選択的プライマー及び共通プライマー、0.05μMのプローブ、200nMのNTQ21−46Aアプタマー、40nMのZ05−D変異型ポリメラーゼ、10ユニットのZ05、及び0.1mMのEDTA、1.25%のDMSO、2.11%のグリセロール、及び2.5mMの酢酸マグネシウムから成る反応物中で増幅させた。変異又は野性型標的は、1反応あたり約40,000コピーの開始濃度で存在していた。
増幅及び分析を、LightCycler480装置を使用しておこなった。反応物を、下記プロフィール:最初50℃にて5分間維持、続いて95℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを2サイクル、そして93℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを80サイクル、を使用して温度循環させた。蛍光データを、それぞれ62℃のアニーリングステップの開始から80サイクルのPCRの間、収集した。
pABSA修飾プライマーである配列番号13、14、15、16、17が、非修飾pABSAプライマー(配列番号12)に比べて、より識別力があることを実証した。さらに、N4−エチル−シトシンとpABSAの両方を含むプライマー(配列番号13、14)が、最も大きな識別力を示した。識別力を、等しい入力(40,000c)の変異型対野性型標的の増幅の間のデルタCtの関数として評価する。デルタCtが大きいほど、変異型と野性型の対立遺伝子の間の増幅の識別力が大きいと解釈される。
Figure 2015536685
実施例3
ヒトEGFR遺伝子内の突然変異T790Mを検出するためのプライマー
以下に示した増幅反応を、野性型と変異配列標的の両方に共通する検出プローブ(配列番号19)及びフォワードプライマー(配列番号18)を使用して実施した。各反応におけるリバースプライマーは:配列番号20、変異配列と野性型標的の両方に共通のプライマー;又は配列番号21、22、23、24、25、T790M変異配列の標的配列に合致し、且つ、3’末端塩基位置において野性型標的に合致しないプライマー。
これらの反応に使用した標的は、プールしたヒトWTゲノムDNA(Clontechによって提供された)又はpUC19プラスミドベクター(ミニ遺伝子としてIDTによって提供された)内に挿入された500bpのT790M配列を含む変異プラスミド構築物である。
変異又は野性型DNAを、50mMのTris HCl(pH8.0)、80mMの塩化カリウム、160μMのdATP、160μMのdCTP、160μMのdGTP、320μMのdUTP、それぞれ0.1μMの選択的プライマー及び共通プライマー、0.05μMのプローブ、200nMのNTQ21−46Aアプタマー、40nMのZ05−D変異型ポリメラーゼ、10ユニットのZ05、及び0.1mMのEDTA、1.25%のDMSO、2.11%のグリセロール、及び2.5mMの酢酸マグネシウムから成る反応物中で増幅させた。変異又は野性型標的は、1反応あたり約40,000コピーの開始濃度で存在していた。
増幅及び分析を、LightCycler480装置を使用しておこなった。反応物を、下記プロフィール:最初50℃にて5分間維持、続いて95℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを2サイクル、そして93℃(10秒)から62℃(30秒)へのサイクルを80サイクル、を使用して温度循環させた。蛍光データを、それぞれ62℃のアニーリングステップの開始から80サイクルのPCRの間、収集した。
pABSA修飾プライマーである配列番号22、23、24、25が、非修飾pABSAプライマー(配列番号21)に比べて、より識別力があることを実証した。さらに、tbbdCとpABSAの両方を含むプライマー(配列番号22)が、最も大きな識別力を示した。識別力を、等しい入力(40,000c)の変異型対野性型標的の増幅の間のデルタCtの関数として評価する。デルタCtが大きいほど、変異型と野性型の対立遺伝子の間の増幅の識別力が大きいと解釈される。
Figure 2015536685

Claims (16)

  1. 数種の変異配列の形態で存在する標的配列のうち1種の変異配列を対立遺伝子特異的に増幅する方法であって、
    (a)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを、前記標的配列のうち少なくとも1種の変異配列にハイブリダイズさせるステップ;ここで、前記第1のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
    Figure 2015536685
    {式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}
    を有する修飾されたリン酸の両方を含む;
    (b)核酸ポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド伸長に好適な条件を提供するステップ;
    (c)前記核酸ポリメラーゼによって前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第2のオリゴヌクレオチドを伸長させるステップ;ここで、前記核酸ポリメラーゼは、前記オリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2のオリゴヌクレオチドを効果的に伸長させる能力を有するが、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的でない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に効果的でなくなる、
    を含む、方法。
  2. 前記の少なくとも1個の選択的ヌクレオチドが、3’末端ヌクレオチドに存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 環外アミノ基が共有結合的に修飾された前記塩基を有する前記ヌクレオチドが、3’末端ヌクレオチドに対して−5位、−4位、−3位、−2位又は−1位に生じる、請求項1に記載の方法。
  4. 環外アミノ基が共有結合的に修飾された前記塩基が、N6−ベンジル−アデニン、N6−パラ−tert−ブチル−ベンジルアデニン、N4−パラ−tert−ブチル−ベンジルシトシン、N4−エチル−シトシン、及びN4−ベンジル−シトシンから成る群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記修飾されたリン酸が、3’末端ヌクレオチドに対して−5位と−4位、3’末端ヌクレオチドに対して−4位と−3位、3’末端ヌクレオチドに対して−3位と−2位、3’末端ヌクレオチドに対して−2位と−1位のヌクレオチドの間、及び3’末端ヌクレオチドに対して−1位のヌクレオチドと3’末端ヌクレオチドの間に生じる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記修飾されたリン酸が、P(=NSOPhNHAc)、P=pPh−NAc、P(=N−SO2−Ph−p−N=N−Ph−p−NMe2)、及びP=NS(O)−ローダミンBから成る群から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記修飾されたリン酸が、P(=NSOPhNHAc)である、請求項6に記載の方法。
  8. 標的配列の前記変異配列が、ヒトEGFR遺伝子の突然変異である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号7、13、14、22から成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 数種の変異配列の形態で存在する標的配列のうち1種の変異配列を検出する方法であって、
    (a)第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドを、前記標的配列のうち少なくとも1種の変異配列にハイブリダイズさせるステップ;ここで、前記第1のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記第2のオリゴヌクレオチドは、前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
    Figure 2015536685
    {式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}
    を有する修飾されたリン酸の両方を含む;
    (b)核酸ポリメラーゼによるオリゴヌクレオチド伸長に好適な条件を提供するステップ;
    (c)前記核酸ポリメラーゼによって前記第1のオリゴヌクレオチドと前記第2のオリゴヌクレオチドを伸長させるステップ;ここで、前記核酸ポリメラーゼは、前記オリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的である標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、前記第2のオリゴヌクレオチドを効果的に伸長させる能力を有するが、前記第2のオリゴヌクレオチドが前記少なくとも1個の選択的ヌクレオチドに相補的でない標的配列の変異配列にハイブリダイズするときには、実質的に効果的でなくなる;
    (d)前記オリゴヌクレオチド伸長の産物を検出するステップ;ここで、前記伸長は、前記第2のオリゴヌクレオチドが有する選択的ヌクレオチドと相補的な前記標的配列の変異配列の存在を意味する、
    を含む、方法。
  11. 前記修飾されたリン酸が、P(=NSOPhNHAc)、P=pPh−NAc、P(=N−SO2−Ph−p−N=N−Ph−p−NMe2)、及びP=NS(O)−ローダミンBから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 数種の変異配列の形態で存在する標的配列を対立遺伝子特異的増幅するためのキットであって、
    (a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的である、第1のオリゴヌクレオチド;及び
    (b)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有する第2のオリゴヌクレオチド;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
    Figure 2015536685
    {式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}
    を有する修飾されたリン酸の両方を含む、
    を含む、キット。
  13. 核酸ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、前記核酸ポリメラーゼによる核酸の伸長に好適な緩衝液、及び対立遺伝子特異的増幅を実施するための一組の取扱説明書を更に含む、請求項12に記載のキット。
  14. 数種の変異配列の形態で存在する標的配列の対立遺伝子特異的増幅を実施するためのオリゴヌクレオチドであって、
    (a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列の一部分と少なくとも部分的に相補的な配列;
    (b)前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチド;
    (c)環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチド;及び
    (d)下記構造:
    Figure 2015536685
    {式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}
    を有する修飾されたリン酸、
    を含む、オリゴヌクレオチド。
  15. 配列番号7、13、14、22から成る群から選択された配列を有する、請求項14に記載のオリゴヌクレオチド。
  16. 数種の変異配列の形態で存在する標的配列を対立遺伝子特異的増幅するための反応混合物であって、
    (a)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的である、第1のオリゴヌクレオチド;
    (b)前記標的配列のうち1種又は複数の変異配列と少なくとも部分的に相補的であり、前記標的配列のうち1種の変異配列のみと相補的な少なくとも1個の選択的ヌクレオチドを有し;ここで、前記第2のオリゴヌクレオチドは、環外アミノ基が共有結合的に修飾された塩基を有する1個のヌクレオチドと、下記構造:
    Figure 2015536685
    {式中、A及びBは、ヌクレオチド鎖を表し、Dは、OH又はCH3であり、Accは、電子受容体又は残基Rで置換された電子受容体である;ここで、Rは、有機置換基であり;ここで、Accは、CN、SO2−R’(式中、R’は、少なくとも1個のアミノ置換されたアルキル、任意に置換されたアリール又は任意に置換された複素環化合物を含む)、及びオルト若しくはパラ位に少なくとも1個のアルキル化N原子を有し、ピリジニウム、ピリミジニウム、及びキノリニウムから成る群から選択される6員N+複素環化合物から成る群から選択される}
    を有する修飾されたリン酸の両方を含む、第2のオリゴヌクレオチド;
    (c)核酸ポリメラーゼ;
    (d)ヌクレオシド三リン酸;及び
    (e)前記核酸ポリメラーゼによる核酸の伸長に好適な緩衝液、
    を含む、反応混合物。
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