JP2015536377A - ヒドロキシル化脂質を含む熱可塑性ポリマー組成物の成形方法 - Google Patents

ヒドロキシル化脂質を含む熱可塑性ポリマー組成物の成形方法 Download PDF

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Abstract

熱可塑性ポリマー及びヒドロキシル化脂質の均質混加物を含むポリマー−ヒドロキシル化脂質組成物を成形する方法。

Description

本発明は、熱可塑性ポリマー組成物、より具体的には、熱可塑性ポリマー及びヒドロキシル化脂質の均質混加物を含む組成物を成形する方法に関する。
ポリプロピレン及びポリエチレンなどの熱可塑性ポリマーは、比較的高い分子量を特徴とする。長鎖直鎖ポリマー分子から主に作製される熱可塑性物質は、架橋をほとんど又は全く保有しない。熱エネルギー(すなわち、熱)が適用されると、それらは柔軟に、又は更には液状になり、熱可塑性ポリマーが形作られることを可能にする。柔軟又は溶融状態にあるとき、熱可塑性ポリマーは、例えば、押出又は射出成形によって加工され得る。冷却されると、熱可塑性ポリマーは一般的に結晶構造を形成し、平滑な表面仕上げ及び著しい構造的強度をもたらす。
熱可塑性ポリマーの材料特性は、熱可塑性物質を他の成分とブレンドすることにより、特定の用途の必要を満たすように調節することができる。例えば、低温における材料の可撓性を保持するために、可塑剤を熱可塑性ポリマーに添加してもよい。寒冷な天候の間の断裂を防止するために、このような混合物からプラスチック製自動車部品などの物品を作製することができる。
熱可塑性ポリマーは、材料特性の変化を伴わずに繰り返し溶融及び再利用され得るため、これらのポリマーは積極的に再生することができる。例えば、樹脂識別(例えば、再生)コードを有する飲料ボトル及び家庭用容器は、一般的に熱可塑性ポリマーである。これらの容器は、チップに粉砕され、溶融され、不純物を除去するために精製され、再生利用材料として再利用することができる。
コスト、強度、再利用可能性、及び配合の柔軟性を含む理由のため、熱可塑性ポリマーは様々な用途に広く使用されている。しかしながら、その優れた多用途性にも関わらず、熱可塑性ポリマーは配合並びに加工に難題を提示し得る。これは、溶融紡糸繊維などの、配合及び/又は加工の変動に対して感受性の高い製品形態を作製するときに、特に当てはまる。
熱可塑性ポリマーは、既定の温度におけるより高い粘度及びより低い溶融流れ速度に対応する、より高い分子量を一般的に有する。場合により、これらのより低い溶融流れ速度は、より低い製造生産高をもたらし得、大規模な商業的製造を抑制的にすることがある。溶融流れを増大させるために、押出成形機温度及び/又は圧力を上昇させてもよいが、これは多くの場合、不均等な剪断応力、一貫性のない溶融流れ、気泡不安定性、材料の貼り付き又は滑り、及び/又は押出成形機の全体にわたる不均一な材料張力の原因となり、押出品が出るときに破断する原因にさえなり得る不規則性、変形、及び歪曲を有する、低品質の押出品をもたらす。更に、高温は熱可塑性溶融物を焼き焦がす可能性があり、過剰な圧力は押出成形機の構造的完全性を突破し、破裂、漏洩、又は断裂の原因となることがある。
あるいは、溶融流れの増大、粘度の低減、及び/又は剪断応力の一定化を助けるために、例えば、希釈剤などの、粘度を修正する添加剤をその配合物に含んでもよい。しかしながら、これらの添加剤はポリマーの表面に移染し、熱可塑性物質をその意図される用途のために許容不可能な状態にし得るブルームをもたらす傾向があるため、使用可能な添加剤の量には制限がある。例えば、希釈剤の移染は、熱可塑性物品を脂っぽい外観又は感触にすること、それが接触する他の材料を汚染すること、接着に干渉すること、及び/又は熱密封若しくは表面印刷などの更なる加工を厄介にすることがある。
そのような希釈剤を使用しても、既存の技術は、熱可塑性材料ポリプロピレンを少量の組成成分として利用するのみである。更に、既存の技術は、その移染を防止するために、後の加工の間に希釈剤の除去を必要とする。希釈剤の除去は、追加の加工及び廃棄物処理を必然的に伴うだけでなく、染料、顔料、及び/又は香料などの、他の所望される添加剤の除去をももたらし得る。
例えば、米国特許第3,093,612号は、脂肪酸が最終複合材料から除去される、様々な脂肪酸とのポリプロピレンの組み合わせを記載する。科学誌J.Apply.Polym.Sci 82(1)pp.169〜177(2001)は、熱誘導相分離が、低ポリマー比率においてであるが、開いた大きな気泡構造を生成するための、ポリプロピレンへの希釈剤の使用(希釈剤はその後、最終構造体から除去される)を開示している。科学誌J.Apply.Polym.Sci 105(4)pp.2000〜2007(2007)は、少量成分のポリプロピレンを有するジブチルフタレート及び大豆油の混合物による熱誘導相分離を介して生成されるミクロ孔質膜を開示している。希釈剤は最終構造体から除去される。科学誌Journal of Membrane Science 108(1〜2)pp.25〜36(1995)は、所望される膜構造体を生成するための熱誘導相分離を使用し、少量成分のポリプロピレンを用い、大豆油及びポリプロピレンの混合物を使用して生成される、中空繊維ミクロ孔質膜を開示している。希釈剤は最終構造体から除去される。
米国特許第3,093,612号
科学誌J.Apply.Polym.Sci 82(1)pp.169〜177(2001) 科学誌J.Apply.Polym.Sci 105(4)pp.2000〜2007(2007) 科学誌Journal of Membrane Science 108(1〜2)pp.25〜36(1995)
したがって、希釈剤の除去の必要性なしに商業規模で容易に製造され得る、非移染性かつ高分子量の熱可塑性物質の必要性が存在する。
本発明は、(a)熱可塑性ポリマーと、(b)HLとの均質混加物を含む、非移染性ポリマー−ヒドロキシル化脂質(「HL」)組成物を提供する。本HLは、固形熱可塑性ポリマー内で10μm未満の液滴径を有する。あるいは、液滴径は5μm未満、1μm未満、又は500nm未満であってもよい。本組成物は、本組成物の総重量に基づき、5重量%〜50重量%のHL、又は10〜50%、又は15〜50%、又は20〜50%、又は30〜50%のHLを含み得る。
熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、これらのコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。熱可塑性ポリマーの更なる例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの組成物において、熱可塑性ポリマーはポリプロピレンを含む。例えば、熱可塑性ポリマーは、本組成物内に存在する熱可塑性ポリマーの総重量に基づき、1%〜100%のポリプロピレン、50%を上回るポリプロピレン、55%〜100%のポリプロピレン、60%〜100%のポリプロピレン、又は60%〜95%のポリプロピレンを含み得る。ポリプロピレンは、例えば、10kDa〜1,000kDaの重量平均分子量と、0.25g/10分超、又は0.25g/10分〜2000g/10分、又は1g/10分〜500g/10分、又は5g/10分〜250g/10分、又は5g/10分〜100g/10分の溶融流れ指数と、を有し得る。
更に、熱可塑性ポリマーは、生物系材料から供給されてもよい。例えば、本ポリマー−HL組成物は、本ポリマー−HL組成物の総重量に基づき、10%超、又は50%超、又は30〜100%、又は1〜100%の生物系材料を含み得る。
本ポリマー−HL組成物は、(a)溶融状態において、熱可塑性ポリマー及びHLを混合し、均質混加物を形成する工程と、(b)熱可塑性ポリマーの凝固温度以下の温度(いくつかの熱可塑性ポリマー組成物については50℃以下の温度)まで、均質混加物を10秒以下で冷却し、固形ポリマー−HL組成物を形成する工程と、を含む方法によって作製され得る。混合工程は、形成方法(例えば、繊維紡糸、フィルム鋳造/吹き込み、射出成形、又はボトル吹き込み)に応じて、10s-1超、又は30s-1超、又は10〜10,000s-1、又は30〜10,000s-1の剪断速度において混合し、均質混加物を形成することを含む。例えば、押出成形機(例えば、単軸又は2軸)などの、いかなる好適な混合デバイスを使用してもよい。更に、本方法は、望ましくは添加剤又は希釈剤を除去する工程を含まない。
本ポリマー−HL組成物は、添加剤、望ましくはHL可溶性又はHL分散性である添加剤を、更に含み得る。例えば、添加剤は、香料、染料、顔料、ナノ粒子、帯電防止剤、酸化防止剤、充填剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。他の添加剤は、成核剤を含み得る。
本方法は、混加物をペレット化する工程などの、他の工程を更に含み得る。ペレット化工程は、冷却工程の前、その間、又はその後に発生してもよい。
本ポリマー−HL組成物から作製される、それを含む、又はそれから本質的になる熱可塑性物品(例えば、繊維、フィルム、成形物品)は、非移染性であり、これは、それらが、50℃にて30分において、0〜300%、又は0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて60分において、0〜300、又は0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて90分において、0〜300%、0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、を有することを意味する。この移染値は、実施例に記載のFTIR分光法を使用して、0時間と比較して、30、又は60、及び/又は90分の、50℃のインキュベーション時間における、吸収度のパーセント変化(特定の波長における)として算出される。
本開示のより完全な理解のために、以下の「発明を実施するための形態」及び添付図面を参照する。
代表的なヒドロキシル化脂質の水素化ヒマシ油(「HCO」)の主成分である、12−ヒドロキシステアリンの化学構造図である。 FTIR分光法により測定して50℃におけるポリプロピレン中の、3つのヒドロキシル化脂質(水素化ヒマシ油、水素化大豆油、及びヒドロキシル化大豆油)の移染運動学の図表である。 射出成形プロセスにおいて熱可塑性ポリマーと共に使用されたときの、ピーク溶融圧力に対するHCOの効果を示す棒グラフである。 射出成形プロセスにおいて熱可塑性ポリマーと共に使用されたときの、ピーク溶融圧力に対する加工補助添加剤の効果を示す棒グラフである。
開示される発明は様々な形態の実施形態を許容可能であるが、本開示は例示を意図し、かつ本発明を本明細書に記載及び例示される特定の実施形態に制限することを意図するものではないという理解の下で、本発明の特定の実施形態を図面に例示(及び以下に記載)する。
本発明は、(a)熱可塑性ポリマーと、(b)HLとの均質混加物を含む、非移染性ポリマー−ヒドロキシル化脂質(「HL」)組成物を提供する。用語「均質混加物」とは、HLと熱可塑性ポリマーとの間の物理的関係を意味し、HLは、熱可塑性ポリマー内に分散されている。本明細書で使用するとき、用語「混加物」は、本発明の均質混加物を意味し、標準的な材料の混合物といったより一般的な意味の「混加物」ではない。
熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、これらのコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。熱可塑性ポリマーの更なる例としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、ポリスチレン(スチレン−アクリロニトリル及びスチレン−アクリロニトリル−ブタジエンコポリマーを含む)、ポリカーボネート、ポリアセタール、熱可塑性エラストマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの組成物において、熱可塑性ポリマーはポリプロピレンを含む。例えば、熱可塑性ポリマーは、本組成物内に存在する熱可塑性ポリマーの総重量に基づき、1%〜100%のポリプロピレン、50%を上回るポリプロピレン、55%〜100%のポリプロピレン、60%〜100%のポリプロピレン、又は60%〜95%のポリプロピレンを含み得る。ポリプロピレンは、例えば、10kDa〜1,000kDaの重量平均分子量と、0.25g/10分〜2000g/10分、又は1g/10分〜500g/10分、又は5g/10分〜250g/10分、又は5g/10分〜100g/10分の溶融流れ指数と、を有し得る。
HLの液滴径が10μm未満であるようにHLが熱可塑性ポリマー内に分散されるとき、HL及びポリマーは、本明細書における定義により、「均質混加物」内にある。熱可塑性ポリマー内のHLの液滴径は、熱可塑性ポリマー内のHLの分散レベルを示すパラメーターである。液滴径が小さいほど、熱可塑性ポリマー内のHLの分散度は高くなる。反対に、液滴径が大きいほど、熱可塑性ポリマー内のHLの分散度は低くなる。
本明細書におけるHLは、固形熱可塑性ポリマー内で10μm未満の液滴径を有する。あるいは、液滴径は5μm未満、1μm未満、又は500nm未満であってもよい。本組成物は、本組成物の総重量に基づき、5重量%〜50重量%のHL、又は10〜50%、又は15〜50%、又は20〜50%、又は30〜50%のHLを含み得る。
熱可塑性ポリマー内のHLが均質混加物内にあるような、好適な分散を達成するための1つの代表的な手段は、溶融状態において、十分な剪断速度で熱可塑性ポリマー及びHLを混合することである。熱可塑性ポリマーは、(例えば、熱可塑性ポリマーの凝固温度を上回る温度に曝露されて)溶融され、溶融した熱可塑性ポリマーを提供し、HLと混合される。熱可塑性ポリマーは、HLの添加に先だって溶融されるか、HLの存在下で溶融されてもよい。熱可塑性ポリマーが溶融されるとき、その温度は、HLも溶融状態であるのに十分であることを理解されたい。用語「HL」とは、本明細書で使用するとき、温度に応じて固形(任意に結晶質)状態又は溶融状態のいずれかである成分を意味し得る。HLは、ポリマーが凝固する温度で凝固する必要はない。例えば、ポリプロピレンは、代表的なHLである水素化ヒマシ油の融点を上回る90℃において、半結晶性固形である。
HL及び溶融した熱可塑性ポリマーは、本明細書に開示される組成物をもたらすのに必要な剪断速度を提供することができる任意の機械的手段を使用して混合可能である。熱可塑性ポリマー及びHLは、形成方法(例えば、繊維紡糸、フィルム鋳造/吹き込み、射出成形、又はボトル吹き込み)に応じて、例えば、10s-1超、又は30s-1超、又は10〜10,000s-1、又は30〜10,000s-1の剪断速度で混合され、均質混加物を形成することができる。混合の剪断速度が高いほど、本明細書に開示される組成物内のHLの分散度は高くなる。したがって、組成物形成中に特定の剪断速度を選択することにより、分散度を制御できる。好適な機械的混合手段の非限定例としては、Haakeバッチ混合器などの混合器、及び押出成形機(例えば、単軸又は2軸押出機)が挙げられる。
熱可塑性ポリマーHL組成物は、添加剤、望ましくはHL内で可溶性又は分散性である任意の添加剤を、更に含み得る。例えば、添加剤は、香料、染料、顔料、ナノ粒子、帯電防止剤、酸化防止剤、充填剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。他の添加剤は、成核剤を含み得る。
更に、熱可塑性ポリマーは、生物系材料(すなわち、バイオマス)から供給されてもよい。例えば、本ポリマー−HL組成物は、本ポリマー−HL組成物の総重量に基づき、10%超、又は50%超、又は30〜100%、又は1〜100%の生物系材料を含み得る。
混合後、溶融した熱可塑性ポリマー及びHLの混加物は、次に、(従来の熱可塑性ポリマー結晶化か、ポリマーのガラス転移温度を下回るかのいずれかを介して)熱可塑性ポリマーの凝固温度よりも低い温度に、急速に(例えば、10秒未満で)冷却される。混加物は、200℃未満、150℃未満、100℃未満、75℃未満、50℃未満、40℃未満、30℃未満、20℃未満、15℃未満、10℃未満、又は0℃〜30℃、0℃〜20℃、若しくは0℃〜10℃の温度に冷却され得る。例えば、低温の液体(例えば、混合物が冷却される温度又はそれ以下の液体)又は気体中に、混合物を置いてよい。液体は、周囲温度又は制御された温度の水であってよい。気体は、周囲空気又は温度及び湿度が制御された空気であってよい。混加物を急速に冷却するものであれば、任意の急冷用媒体を使用してよい。混加物組成に応じて、水を含む混合物(例えば、塩化ナトリウム)と共に、油、アルコール、及びケトンなどの追加の液体を急冷に用いてよい。二酸化炭素及び窒素又は大気温度及び気圧における天然の任意の他の成分といった追加の気体を使用することができる。
更に、熱可塑性ポリマー−HL組成物を作製する方法は、望ましくは添加剤又は希釈剤を除去する工程を含まない。
任意に、本組成物は、ペレットの形態で作製され得、これは、そのまま使用されるか、例えば、最終的な使用可能形態(例えば、繊維、フィルム、及び/又は成形物品)への更なる加工などの、将来の使用のために保存されてもよい。ペレット化工程は、冷却工程の前、その間、又はその後に発生してもよい。例えば、ペレットは、ストランドカット又は水中ペレット化によって形成されてもよい。ストランドカットでは、組成物を急速に冷やし(通常は、10秒より大幅に短い時間で)、次に小片に切断する。水中ペレット化では、混合物を小片に切断し、同時に又はその直後に、混合物を急速に冷却して凝固する低温の液体の存在下に置き、ペレット化組成物を形成する。このようなペレット化法は、当業者には周知である。ペレットの形態は、円形又は円筒形であってよく、好ましくはその寸法は10mmを超えず、より好ましくは5mm未満であり、又はその寸法は2mmを超えない。あるいは、混加物(用語「混加物」及び「混合物」は、本明細書において互換的に使用される)を、溶融状態での混合の間に使用して、繊維又は他の好適な形態、例えば、フィルム、及び成形物品に、直接的に形成してもよい。
熱可塑性ポリマー−HL組成物から作製される、それを含む、又はそれから本質的になる熱可塑性ポリマー物品(例えば、繊維、フィルム、成形物品)は、非移染性であり、これは、それらが、50℃にて30分において、0〜300%、又は0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて60分において、0〜300、又は0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて90分において、0〜300%、0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、を有することを意味する。この移染値は、実施例に記載のFTIR分光法を使用して、0時間と比較して、30、又は60、及び/又は90分の、50℃のインキュベーション時間における、吸収度のパーセント変化(特定の波長における)として算出される。
熱可塑性ポリマー
本明細書で使用するとき、熱可塑性ポリマーは、溶融し、次に、冷却すると結晶化又は硬化するが、更に加熱すると再溶融され得るポリマーである。本明細書で使用される好適な熱可塑性ポリマーは、60℃〜300℃、80℃〜250℃、又は100℃〜215℃の溶融温度を有するものを含む。
熱可塑性ポリマーは、生物系資源又は化石系材料由来であってもよい。生物系材料由来の熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンの生成に使用される、生物的に生成されたエチレン及びプロピレンモノマーを含む。これらの材料特性は、生物系熱可塑性ポリマー内の炭素14の存在を除き、化石系生成物の等価物と本質的に同一である。
生物系材料は再生可能資源である。本明細書で使用するとき、「再生可能資源」とは、その消費速度に匹敵する速度(例えば、100年の時間枠内)で自然過程によって生産されるものである。この資源は、自然に、又は農業的技術を介して補充され得る。生物系再生可能資源の非限定例としては、植物(例えば、サトウキビ、テンサイ、トウモロコシ、ジャガイモ、柑橘果実、木本植物、リグノセルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体、セルロース廃棄物)、動物、魚、細菌類、真菌類、及び林産物が挙げられる。これらの資源は、自然発生、交雑、又は遺伝子組み換えされた生物であってよい。生成に100年超かかる原油、石炭、天然ガス、及び泥炭などの天然資源は、再生可能資源とは考えられない。
生物系及び化石系熱可塑性ポリマーは、本発明において、コスト及び可用性に応じて任意の比率で組み合わせることができる。再生熱可塑性ポリマーはまた、単独、又は生物系及び/又は化石由来の熱可塑性ポリマーと組み合わせて使用され得る。再生熱可塑性ポリマーを、混合に先だって前処理し、任意の不必要な汚染物質を除去してよく、又は混合及び押出プロセス中に使用してよく、並びに単純に混加物中に残してもよい。これら汚染物質として、微量の他のポリマー、パルプ、顔料、無機化合物、有機化合物、及び典型的に加工したポリマー組成物中に存在するその他添加剤を挙げてよい。汚染物質は、例えば、繊維紡糸プロセス中の紡糸の中断要因となるなど、混加物の最終性能特性にマイナスの影響を与えてはならない。
例えば、熱可塑性ポリマーは、存在する熱可塑性ポリマーの総重量に基づき、10%を上回る生物系材料、又は50%超、又は30〜100%、又は1〜100%の生物系材料を含み得る。
未知の組成物(例えば、第三者によって作製された生成物)内に存在する生物系材料のレベルを判定するために、ASTM試験方法D6866、試験方法Bを使用して、生成物内の炭素14の量を測定することにより、生物系含有量を測定することができる。ASTM D6866によって使用される通り、「生物系」とは、再生可能資源由来の炭素の%を意味する。バイオマス(すなわち、生物系供給源)由来の材料は、よく特徴付けられた量の炭素14の存在を有するが、一方で化石供給源由来のものは、炭素14を含有しない。したがって、生成物内に存在する炭素14は、その生物系含有量に相関する。
熱可塑性ポリマーの分子量は、ポリマー分子間のもつれを可能にするのに十分に高く、なおかつ、溶融押出可能であるように十分に低い。組成物内へのHLの添加は、HLを有さない組成物と比較して、より高分子量の熱可塑性ポリマーを含有する組成物が溶融加工されることを可能にする。したがって、好適な熱可塑性ポリマーは、1000kDa以下、又は1kDa〜800kDa、5kDa〜800kDa、10kDa〜700kDa、若しくは20kDa〜400kDaの重量平均分子量を有し得る。重量平均分子量は、それぞれのポリマーについて特定のASTM方法によって判定されるが、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)の使用、又は溶液粘度測定値のいずれかによって、一般的には測定される。熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、混和物中に添加する前に、判定することができる。
好適な熱可塑性ポリマーとしては、通常は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、これらのコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。この熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
しかしながら、より具体的には、熱可塑性ポリマーは、望ましくは、ポリエチレン密度が0.90グラム毎立方センチメートル〜0.97グラム毎立方センチメートル、又は0.92〜0.95グラム毎立方センチメートルの範囲であるような、低密度、高密度、直鎖低密度、若しくは超低密度ポリエチレンを含む、ポリエチレン又はそのコポリマーなどの、ポリオレフィンを含む。ポリエチレンの密度は、分枝の量及び種類によって判定され、ポリマー化技術並びにコモノマーの種類に依存する。アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、又はこれらの組み合わせを含む、ポリプロピレン及び/又はポリプロピレンコポリマーを使用してもよい。ポリプロピレンコポリマー、特にエチレンは、溶融温度を低下させ、特性を改善するために使用することができる。これらのポリプロピレンポリマーは、メタロセン及びチーグラー・ナッタ触媒系を用いて生成できる。これらのポリプロピレン及びポリエチレン組成物を組み合わせて、最終使用特性を特別設計することができる。ポリブチレンも有用なポリオレフィンである。
他の好適なポリマーとしては、ポリアミド又はこれらのコポリマー、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66;ポリエステル又はこれらのコポリマー、例えば、無水マレイン酸ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレート;オレフィンカルボン酸コポリマー、例えば、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー又はこれらの組み合わせ;ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びこれらのコポリマー、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)が挙げられる。
好適なポリマーの他の非限定例としては、ポリカーボネート、ポリビニルアセテート、ポリ(オキシメチレン)、スチレンコポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン/メチルメタクリレートコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレンアクリル酸、ポリオレフィンカルボン酸コポリマー、ポリエステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
しかしながら、より具体的には、熱可塑性ポリマーは、望ましくは、アタクチックポリプロピレンと、アイソタクチックポリプロピレン、メタロセンアイソタクチックポリプロピレン、ポリブチレン、若しくはこれらのコポリマーと、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66などの、ポリアミド若しくはそのコポリマーと、例えば、無水マレイン酸ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレンテレフタレートなどの、ポリエステル若しくはそのコポリマーと、例えば、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、若しくはこれらの組み合わせなどの、オレフィンカルボン酸コポリマーと、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)などの、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、及びこれらのコポリマーと、を含む、低密度、高密度、直鎖低密度、若しくは超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそのコポリマーを含む、ポリエチレン又はそのコポリマーなどの、ポリオレフィンを含み得る。
その他のポリマーの非限定例として、ポリカーボネート、ポリビニルアセテート、ポリ(オキシメチレン)、スチレンコポリマー、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン/メチルメタクリレートコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレンアクリル酸、ポリオレフィンカルボン酸コポリマー、ポリエステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
また、生分解性熱可塑性ポリマーも本明細書に用いるのに想到される。生分解性材料は、生分解性材料を土に埋めたとき、又はその他の方法で微生物と接触させたとき(微生物の増殖を促す環境条件下での接触を含む)、かび類、真菌類、及び細菌類などの微生物によって同化されやすい。好適な生分解性ポリマーは、好気性又は嫌気性消化手順を使用して、又は太陽光、雨、水分、風、温度などの環境要素への曝露によって、環境分解性である生分解性材料も含む。生分解性熱可塑性ポリマーは、単独で、又は生分解性若しくは非生分解性ポリマーの組み合わせとして使用できる。生分解性ポリマーとして、脂肪族構成要素を含むポリエステルが挙げられる。ポリエステルの中には、脂肪族構成要素及びポリ(ヒドロキシカルボン)酸を含むエステル重縮合体がある。エステル重縮合体として、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートコアジペートなどの二塩基酸/ジオール脂肪族ポリエステル、ブチレンジオール、アジピン酸、及びテレフタル酸から製造されるターポリマーなどの脂肪族/芳香族ポリエステルが挙げられる。ポリ(ヒドロキシカルボン)酸として、乳酸系ホモポリマー及びコポリマー、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、又は他のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。このようなポリヒドロキシアルカノエートとしては、C6〜C12のような高級鎖長モノマーとPHBのコポリマー、米国再発行特許第RE 36,548号及び同第5,990,271号に開示されているもののようなポリヒドロキシアルカノエートが挙げられる。
好適な市販のポリ乳酸の一例は、Cargill Dow製のNATUREWORKS(商標)及びMitsui Chemical製のLACEA(商標)である。好適な市販の二塩基酸/ジオール脂肪族ポリエステルの一例は、Showa High Polymer Company,Ltd(Tokyo,Japan)からBIONOLLE(商標)1000及びBIONOLLE(商標)3000として販売されているポリブチレンサクシネート/アジペートコポリマーである。好適な市販の脂肪族/芳香族コポリエステルの一例は、Eastman ChemicalからEASTAR BIO(商標)コポリエステルとして、又はBASFからECOFLEX(商標)として販売されているポリ(テトラメチレンアジペート−コ−テレフタレート)である。
好適な市販のポリプロピレン又はポリプロピレンコポリマーの非限定例としては、Basell Profax PH−835(商標)(Lyondell−Basell製の35溶融流れ速度のチーグラー・ナッタアイソタクチックポリプロピレン)、Basell Metocene MF−650W(商標)(Lyondell−Basell製の500溶融流れ速度のメタロセンアイソタクチックポリプロピレン)、Basell Profax SR549M(11溶融流れ速度のチーグラー・ナッタ浄化エチレン及びプロピレンのランダムコポリマー)、Polybond 3200(商標)(Crompton製の250溶融流れ速度の無水マレイン酸ポリプロピレンコポリマー)、Exxon Achieve 3854(商標)(Exxon−Mobil Chemical製の25溶融流れ速度のメタロセンアイソタクチックポリプロピレン)、及びMosten NB425(商標)(Unipetrol製の25溶融流れ速度のチーグラー・ナッタアイソタクチックポリプロピレン)が挙げられる。他の好適なポリマーは、Danimer 27510(商標)(Danimer Scientific LLC製のポリヒドロキシアルカノエートポリプロピレン)、Dow Aspun 6811A(商標)(Dow Chemical製の27溶融指数のポリエチレンポリプロピレンコポリマー)、及びEastman 9921(商標)(Eastman Chemical製の名目上0.81の固有粘度を有するポリエステルテレフタル酸ホモポリマー)を含み得る。
熱可塑性ポリマー成分は、本明細書に記載の単一ポリマー種、又は2つ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドであってもよい。ポリマーがポリプロピレンの場合、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンの測定に使用されるASTM D−1238により測定して、0.25g/10分超、又は0.25g/10分〜2000g/10分、又は1g/10分〜500g/10分、又は5g/10分〜250g/10分、又は5g/10分〜100g/10分の溶融流れ指数を有し得る。
ヒドロキシル化脂質(「HL」)
ヒドロキシル化脂質(「HL」)は、ヒドロキシル(−OH)基を含有する脂質である。脂質分子当たりのヒドロキシル基の数及び種類、並びに「脂肪質」炭素鎖上のヒドロキシル基の配置は、脂質の供給源、化学修飾の方法、及び使用される共試薬(co-reagent)(及び触媒)に応じて変動する。HLは、例えば、ヒマシ油などの、自然起源の不飽和ヒドロキシル化脂質の水素化を介して調製することができる。エポキシド官能基を含有する自然起源の油の転化は、既知の開環化学を介して実行することができる。自然に見られるエポキシ前駆体は、9,10−エポキシオクタデカ−12−エン(コロナル酸)酸を含む。これらは、ヒマワリ種子(キク科)、及び91%のコロナル酸を含有するBernardia pulchella(トウダイグサ科)の種子油に見ることができる(Volker Spitzer et al.,「Identification of c−Parinaric Acid in the Seed Oil of Sebastiana brasiliensis sprengel(Euphorbiaceae),」JAOCS 73,569〜573(1996))。これらの脂肪酸は、塗料及びコーティングを作製するために一般的に使用される。自然の他のHLは、麦角菌(Claviceps purpurea)のものを含む。
HLはまた、例えば、大豆油、パーム油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、キャノーラ油、ベニバナ油、ゴマ油、パーム核油、ヒマワリ、ナンヨウアブラギリ油、ピーナッツ油、藻類油、高オレオイル大豆油、及び高オレオイルヒマワリ油などの、不飽和脂質のヒドロホルミル化及びその後の水素化を介して調製することができる。ヒドロホルミル化及び水素化のプロセスは、ヒドロホルミル化触媒の種類に応じて、一工程プロセスにおいて実行することができる。これらの種類の反応に関する追加の情報は、例えば、2012年4月10日にPetrovicらに授与された米国特許第8,153,746号、「Modified Vegetable−Oil Based Polyols」と、Elena Patricci et al.,「Microwaves Make Hydroformylation a Rapid and Easy Process,」Organic Letters,Vol.8,No.17,2006と、Ana N.F.Mendes et al.,「Studies on the Experimental Variables Effects on Rhodium Catalyzed Hydroformylation of Unsaturated Fatty Esters and Comparison of[RhH(CO)(PPh33]and[RhCl3.3H2O]as Starting Catalytic Precursors,」J.Braz.Chem.Soc.,Vol.16,No.6A,1124〜1129(2005)と、に見ることができる。
他のワックスは熱可塑性物質の表面に移染する傾向がある一方、HLは移染しないため独特である。理論に限定されることを望むものではないが、それぞれの分子がヒドロキシル(−OH)基を含有し、HL分子間の強固な分子間水素結合を可能にするため、HLは非移染性であると考えられている。水素結合は、水素原子、及び酸素、窒素、又はフッ素などの電気陰性原子を伴う方向性の静電気引力である。−OH基において、酸素は、付着した水素よりも多く結合電子を誘引し、部分負電荷を有する酸素及び部分正電荷を有する水素を有する双極子を生じさせる。したがって、2つの−OH基は、一方の正端が他方の負端と相互作用するように、クーロン力で互いに誘引され得る。HLの場合、任意の特定の脂肪酸鎖の−OH基の水素は、異なる分子上の別の−OH基と相互作用して分子間水素結合を形成することができる。HLは複数のヒドロキシル基を有し得るため、他のより低分子量の脂質よりも高い凝集力を有する、もつれた「超分子」構造を生じさせる、複数の分子間会合が可能である。他の非共有結合より強固である一方、この形態の分子間会合は依然として容易に破壊され、したがって組成物の熱可塑性性質を保持することができる。
HLの非限定例は、水素化ヒマシ油(「HCO」)、別称ヒマシワックスである)。HCOは、制御された水素化を通じて、トウゴマの生成物であるヒマシ油から調製されるトリアシルグリセロールである。HCOは、ほとんどの材料における乏しい不溶性、非常に狭い溶融範囲、潤滑性、並びに卓越した顔料及び染料分散性を特徴とする。HCOは植物系であるため、100%生物系及び再生可能な材料である。好適な市販の等級のHCOは、Alnoroil Company,Inc.(Valley Stream,NY)から入手可能な水素化ヒマシ油である。
HCOの原理成分は、12−ヒドロキシステアリンである。HCOは、それぞれが二級ヒドロキシル基を有する18炭素脂肪酸鎖で主になっているため、脂肪質材料の中でも独特である。HCOの化学構造を図1に示す。
本組成物は、本組成物の総重量に基づき、5重量%〜50重量%のHL、又は10〜50%、又は15〜50%、又は20〜50%、又は30〜50%のHLを含み得る。本明細書における使用に想到されるHLは、65℃を上回る融点を有する。
HLは、熱可塑性ポリマー内で10μm未満、5μm未満、1μm未満、又は500nm未満の液滴径を有するように、熱可塑性ポリマー内に分散され得る。本明細書で使用するとき、HLが熱可塑性ポリマー内で10μm未満の液滴径を有するとき、HL及びポリマーは「均質混加物」を形成する。液滴径を判定するための分析方法は本明細書に記載されている。
未知のポリマー−HL組成物内(例えば、第三者によって作製された生成物内)に存在するHLの割合を判定したい場合、重量測定重量損失方法を介してHLの量を判定することができる。凝固した混合物を崩壊させ、1mmを超えない最狭寸法を有する(すなわち、最小寸法は1mmを超えられない)粒子の混合物を生成し、この混合物を秤量し、次に、還流フラスコシステムを使用して、100gのアセトン当たり1gの混合物の比率でアセトン中に配置する。このアセトン及び微粉砕した混合物を、60℃にて20時間にわたり加熱する。固形サンプルを除去し、60分にわたって空気乾燥させ、最終重量を判定する。HLの重量パーセントを算出するための等式は以下の通りである:
HLの重量%=([混合物の初期重量−混合物の最終重量]/[混合物の初期重量])×100%
例えば、水素化大豆油、部分水素化大豆油、部分水素化パーム核油、及びこれらの組み合わせなどの、他のワックス又は油を任意に含んでもよい(移染性及び非移染性の両方)。ナンヨウアブラギリ(Jatropha)からの非食用ワックス及び菜種油もまた使用することができる。更に、任意のワックスは、水素化植物油、部分水素化植物油、エポキシ化植物油、マレイン化植物油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。かかる植物油の特定例として、大豆油、トウモロコシ油、キャノーラ油、及びパーム核油が挙げられる。
様々な実施形態において、水素化ヒマシ油に加えて、又はその代わりに、以下の米国特許出願のいずれかに開示される任意の他のワックス若しくは油を含む、他のワックス若しくは油を、(本明細書に開示されるHCOに対して任意の割合で)含んでもよい:「Polymer−oil compositions,methods of making and using the same」と題す2012年5月18日出願の第13/475,556号(P&G事例番号12134Mとして)、「Polymer−wax compositions,methods of making and using the same」と題す2012年5月17日出願の第13/474,562号(P&G事例番号12135Mとして)、及び「Molded articles of polymer−oil compositions」と題す2012年5月18日出願の第13/475,602号(P&G事例番号12139M)(これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。
所望の場合、化石系材料を含んでもよい。化石系(例えば、鉱質)材料の特定例としては、パラフィン(ワセリンを含む)、モンタンワックス、並びにポリエチレン由来ワックスなどの断裂プロセスから生成されるポリオレフィンワックスが挙げられる。
添加剤
本明細書に開示される組成物は、添加剤を更に含んでよい。添加剤は、組成物全体に分散するか、又は実質的に熱可塑性層の熱可塑性ポリマー部分、若しくは実質的に組成物のHL部分内にあってもよい。添加剤が組成物のHL部分内にある場合、添加剤は、望ましくはHL可溶性又はHL分散性である。あるいは、添加剤は、熱可塑性ポリマー内で可溶性又は分散性であってもよい。
本明細書に開示される組成物内に想到される種類の添加剤の非限定例としては、香料、染料、顔料、ナノ粒子、帯電防止剤、酸化防止剤、充填剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に開示される組成物は、単一の添加剤又は添加剤の混合物を含有してよい。例えば、香料及び着色剤(例えば、顔料及び/又は染料)の両方が、組成物中に存在してよい。添加剤(複数可)は、存在する場合、組成物の総重量に基づき、0.05重量%〜20重量%、又は0.1重量%〜10重量%の重量パーセントで典型的に存在する。
本明細書で使用するとき、用語「香料」は、本明細書に開示される組成物から後に放出される任意の発香性材料を示すために用いられる。アルデヒド、ケトン、アルコール、及びエステル等の材料を含む広範囲にわたる化学物質が香料として使用するために既知である。より一般的には、様々な化学成分の複雑な混合物を含む天然起源の植物油、動物油、及び滲出物が、香料としての使用で知られている。本明細書における香料は、その組成物が比較的単純なものであるか、又は天然及び/又は合成の化学成分の高度に洗練された複合混合物を含んでもよく、これらは全て任意の所望される香りを提供するように選択される。典型的な香料として、例えば、ビャクダン、シベット、及びパチョリ油などの特殊材料を含有する、ウッディ/アーシーベースを挙げることができる。香料は、ライトフローラル系芳香剤(例えば、バラ抽出物、スミレ抽出物、及びライラック)であってよい。香料は、望ましいフルーティな香り、例えば、ライム、レモン、及びオレンジなどの香りをもたらすように配合することもできる。本発明の組成物及び物品中に送達される香料は、気持ちをリラックス又はリフレッシュさせるなど、アロマテラピー効果のために選択してよい。このように、好ましい、ないしは別の望ましい香りを滲出する任意の材料を、本発明の組成物及び物品中の香料活性物質として用いてよい。
顔料又は染料は、無機物、有機物、又はこれらの組み合わせであってよい。想到される顔料及び染料の特定例としては、ピグメントイエロー(C.I.14)、ピグメントレッド(C.I.48:3)、ピグメントブルー(C.I.15:4)、ピグメントブラック(C.I.7)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の想到される染料として、直接染料、酸性染料、塩基性染料、及び様々な溶剤可溶性染料などの水溶性インク着色剤が挙げられる。例としては、FD&C青色1(C.I.42090:2)、D&C赤色6(C.I.15850)、D&C赤色7(C.I.15850:1)、D&C赤色9(C.I.15585:1)、D&C赤色21(C.I.45380:2)、D&C赤色22(C.I.45380:3)、D&C赤色27(C.I.45410:1)、D&C赤色28(C.I.45410:2)、D&C赤色30(C.I.73360)、D&C赤色33(C.I.17200)、D&C赤色34(C.I.15880:1)、及びFD&C黄色5(C.I.19140:1)、FD&C黄色6(C.I.15985:1)、FD&C黄色10(C.I.47005:1)、D&C橙色5(C.I.45370:2)、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
想到される充填剤としては、例えば、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、及びチタンの酸化物などの無機充填剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料を、安価な充填剤又は加工助剤(processing aides)として添加してよい。添加剤として機能し得る他の無機材料として、ケイ酸マグネシウム水和物、二酸化チタン、炭酸カルシウム、粘土、チョーク、窒化ホウ素、石灰岩、珪藻土、雲母ガラス、石英、及びセラミックスが挙げられる。更に、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、リン酸塩などの無機塩が使用できる。更に、アルキド樹脂を組成物に添加してもよい。アルキド樹脂は、ポリオール、ポリ酸若しくは無水物、及び/又は脂肪酸を含み得る。
追加の想到される添加剤として、熱可塑性ポリマーの成核剤及び清澄剤が挙げられる。ポリプロピレンに好適な特定例は、例えば、安息香酸及び誘導体(例えば、安息香酸ナトリウム及び安息香酸リチウム)、並びにカオリン、タルク、及び亜鉛グリセロレートである。ジベンジリデン(Dibenzlidene)ソルビトール(DBS)は、使用できる清澄剤の例である。使用可能な他の成核剤は、有機カルボン酸塩、リン酸ナトリウム、及び金属塩(例えば、二安息香酸アルミニウム)である。一態様において、成核剤又は清澄剤は、20百万分率(20ppm)〜20,000ppm、又は200ppm〜2000ppm、又は1000ppm〜1500ppmの範囲で添加され得る。成核剤の添加を使用して、最終熱可塑性HCO組成物の引張り及び衝撃特性を改善することができる。
想到される界面活性剤として、例えば、米国特許第3,929,678号及び同第4,259,217号、並びに欧州特許第414 549号、国際公開第93/08876号及び同第93/08874号に開示される界面活性剤などの、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はアニオン性及び両性界面活性剤の組み合わせ、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
想到されるナノ粒子として、金属、金属酸化物、炭素同素体、粘土、有機変性粘土、硫酸塩、窒化物、水酸化物、酸化/水酸化物、粒子状非水溶性ポリマー、ケイ酸塩、リン酸塩、及び炭酸塩が挙げられる。例としては、二酸化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、書記素、フラーレン、膨張化グラファイト、カーボンナノチューブ、タルク、炭酸カルシウム、ベトナイト、モンモリロン石、カオリン、亜鉛グリセロレート、シリカ、アルミノケイ酸塩、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化アンチモン、長石、雲母、ニッケル、銅、鉄、コバルト、鋼、金、銀、白金、アルミニウム、ウォラストナイト、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化鉄(Fe23、Fe34)、及びこれらの混合物が挙げられる。ナノ粒子は、本明細書に開示される組成物の強度、熱安定性、及び/又は摩耗耐性を増大させることができ、かつ組成物に電気的又は抗菌特性を与えることができる。
想到される帯電防止剤としては、帯電防止の利益を提供することが知られている布地柔軟剤が挙げられる。これは、N,N−ジ(タロウオイル−オキシ−エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルサルフェートなどの、20を上回るヨウ素価を有する脂肪族アシル基を有する布地柔軟剤を含み得る。
本明細書に開示される組成物の製造プロセス
ポリマー及びHLの溶融混合:ポリマー及びHLは、HLの存在下でポリマーを溶融することにより好適に混合することができる。溶融状態において、ポリマー及びHLは、剪断にかけられ、これは、ポリマー内へのHLの分散を可能にする。HLは、熱可塑性ポリマーに添加されるときに溶融されている必要はない。例えば、熱可塑性ポリマーの存在下でHLを溶融し、均質混加物を調製することができる。あるいは、溶融したHLを、溶融した熱可塑性ポリマーに添加してもよい。溶融状態及び剪断下において、HL及びポリマーは、互いと著しくより相溶性がある。
ポリマー及びHLの溶融混合は、多くの異なるプロセスによって達成することができる。このプロセスは、従来の熱可塑性ポリマー加工装置を要してよい。例えば、高剪断を用いるプロセスを使用して均質混加物を生成してもよい。一般的なプロセス順序は、ポリマーをシステムに添加すること、ポリマーを溶融すること、及び次いでHLを添加することを伴う。しかしながら、均質混加物の生成に十分な剪断が存在する限り、特定の混合システムの性質に応じて、いかなる順序で材料を添加してもよい。
Haakeバッチ混合器:Haakeバッチ混合器は、低量の剪断及び混合を用いる単純な混合システムである。このユニットは、加熱された固定容積チャンバー内に収容される2つの混合スクリューから構成される。材料は、所望されるときに、ユニットの頂部の中に添加される。好ましい順序は、まずポリマーをチャンバー内に添加し、ポリマーの溶融(又は凝固)温度を20℃〜120℃上回るまで加熱することである。ポリマーが溶融したら、HLが添加、溶融され、溶融ポリマーと混合され得る。この混合物を、次に、2つの混合スクリューで、5〜15分にわたり60〜120のスクリューRPMにて、溶融物内に混合する。組成物を混合してから、ユニットの前側を取り外し、混合組成物を溶融状態で除去する。その設計により、このシステムは、数分にわたって結晶化が開始する前に組成物の一部を高温にしておく。この混合プロセスは、中間急冷プロセスを提供し、ここで、組成物は、30秒〜2分かけて冷却し凝固することができる。より高い剪断速度は、HLのより良い分散をもたらし、ひいては、より多い量のHLの組み込みを促進することができる。
単軸押出機:単軸押出機は、溶融ポリマーの押出に最も多く用いられる、典型的なプロセスユニットである。単軸押出機は、典型的には、バレル内に単独のシャフトを備え、このシャフト及びバレルが、特定のスクリュー要素(例えば、形状及びすきま)を伴うように設計されて、剪断特性を調節する。単軸押出機の典型的なRPM範囲は10〜120である。単軸押出機の設計は、供給部、圧縮部、及び計量部から典型的に構成される。供給部では、極めて間隙容積が高いフライトを用いてポリマーを加熱して圧縮部内に供給するが、ここで融解が完了し、完全に融解したポリマーが剪断される。圧縮部では、フライト間の間隙容積が減少する。計量部では、フライト間の間隙容積が低いものを用いて、ポリマーを高剪断にかける。汎用単軸設計を使用してもよい。このユニットでは、組成物の構成成分が所望の区域に導入され、続いて標的ゾーン内で温度に曝され剪断される場所で、連続状態又は定常状態の種のプロセスが達成される。このプロセスは、単軸プロセス中の各区域の接点の物理的性質が、時間に応じて一定であるため、定常状態プロセスであると考えることができる。これによって、ゾーンごとの温度及び剪断力の調節(スクリュー要素及び/若しくはバレルのデザイン、又はスクリュー速度によって剪断力を変更できる)を可能にすることで、混合プロセスを最適化できる。
単軸押出機を出る混合組成物を、次に液体冷媒、例えば、水への溶融物の押出を介してペレット化することができ、次にポリマーストランドは小片又はペレットに切断することができる。あるいは、混合組成物を使用して、最終形成構造体、例えば、繊維又は成形物品を生成してもよい。ポリマー加工で使用される溶融ポリマーのペレット化プロセスには、基本の2種類、ストランドカット及び水中ペレット化がある。ストランドカットでは、組成物は液体媒体中で急速に(一般的に、10秒より大幅に短い時間で)急冷され、次に小片に切断される。水中ペレット化プロセスにおいて、溶融ポリマーは小片に切断され、次に、同時又はその直後に、ポリマーを急速に急冷及び結晶化する低温液体の存在下に配置される。これらの方法は周知であり、ポリマー加工業で用いられている。
押出成形機から出てくるポリマーストランドは、ほとんどの場合、1℃〜50℃の温度範囲を有する(例えば、通常はおよそ25℃の室温である)水浴中に急速に配置される。混合組成物の代替的な最終使用は、所望の構造体、例えば繊維紡糸及びフィルム又は射出成形物に、更に加工することである。単軸押出プロセスは、混合度を高く、冷却速度を早くすることができる。また、単軸押出機を用いて、ペレット化組成物を、繊維及び射出成形物品に更に加工することもできる。例えば、繊維単軸押出機は、標準的な汎用スクリュー特性を有し、長さと直径の比が30:1の37mmシステムであってよい。
2軸押出機:2軸押出機は、高強度混合が必要とされるほとんどの溶融ポリマーの押出に使用される典型的なユニットである。2軸押出機は、2本のシャフトと外側バレルとを備える。2軸押出機の典型的なRPM範囲は10〜1200である。2本のシャフトは、同方向又は逆方向に回転でき、精密な許容範囲、高強度混合を可能にする。このタイプのユニットでは、組成物成分がスクリューに沿った所望の位置で導入され、標的領域内の温度及び剪断にかけられる、連続又は定常状態タイプのプロセスが達成される。このプロセスは、2軸プロセス中のそれぞれの位置における接点の物理的性質が時間関数として一定であるため、定常状態プロセスであると考えることができる。これによって、ゾーンごとの温度及び剪断力の調節(スクリュー要素及び/又はバレルのデザインによって剪断力を変更できる)を可能にすることで、混合プロセスを最適化できる。
二軸押出成形機の端部における混合組成物は、次に、溶融物を押し出して液体冷媒(多くの場合、水)に入れることを介してペレット化することができ、次にポリマーストランドは小片又はペレットに切断される。あるいは、混合組成物は、例えば、繊維などの最終形成構造を製造するために、使用することができる。ポリマー加工において使用される溶融ポリマーのペレット化プロセスには、2つの基本的な種類、すなわち、ストランドカット及び水中ペレット化がある。ストランドカットでは、組成物は液体媒体中で急速に(一般的に、10秒より大幅に短い時間で)急冷され、次に小片に切断される。水中ペレット化プロセスにおいて、溶融ポリマーは小片に切断され、次に、同時又はその直後に、ポリマーを急速に急冷及び結晶化する低温液体の存在下に配置される。混合組成物の別の最終使用は、冷却と共に溶融混和物を紡糸することを介して、フィラメント又は繊維に直接更に加工することである。
52:1の長さ対直径比で同速回転するシステムBaker Perkins CT−25 25mmを使用する、1つのスクリュー特性を採用してもよい。この特定のCT−25は、温度、並びにダイ温度が制御できる11の領域で構成される。領域1と2との間(位置A)、領域2と3との間(位置B)、領域5と6との間(位置C)、及び領域7と8との間(位置D)に位置する、4つの液体射出部位も可能である。
液体射出位置は直接的に加熱されず、むしろ隣接する加熱された領域を通して間接的に加熱される。位置A、B、C、及びDを使用してHCOを射出するか、又は熱可塑性ポリマーと共にHCOを始めに添加してもよい。追加の固体を添加するためのサイドフィーダ又は排出口が、領域6と領域7との間に含まれ得る。領域10は、必要に応じて、いかなる残留蒸気をも除去するための真空部を収容する。特段の記載がない限り、HCOは領域1において添加される。あるいは、HLは糊タンクを介して溶融され、加熱されたホースを介して2軸に供給される。糊タンク及び供給ホースの両方は、HLの融点を上回る温度で加熱される。
CT−25で、運搬及び混合の2種の領域を用いる。運搬領域では、材料は加熱され(必要であれば、領域2に向かう領域1内の完全溶融を含む)、低〜中程度の剪断下でバレル長に沿って運搬される。混合部は、剪断力と混合度を劇的に増加させる特殊要素を含む。混合部の長さ及び区域を必要に応じて変更し、必要に応じて剪断力を増加又は低下させてよい。
CT−25の標準的な混合スクリューは、2つの混合部から構成される。第1の混合部は領域3〜5に位置し、1つのRKB 45/5/36、次に2つのRKB 45/5/24、続いて2つのRKB 45/5/12、反転RKB 45/5/12LH(左回り)、次に10のRKB 45/5/12、そして次に反転要素RSE 24/12LH、続いて5つのRSE 36/36要素を使用して、第2の混合部内へ運搬する。第2の混合部に先だって、1つのRSE 24/24及び2つのRSE 16/16(16mmのピッチ及び16mmの総要素長を有する右回り運搬要素)要素を使用して、第2の混合領域へのポンピングを増大させる。領域7及び領域8に位置する第2の混合領域は、1つのRKB 45/5/36、次に2つのRKB 45/5/24、続いて6つのRKB 45/5/12、そして次に完全反転要素SE 24/12LHである。混合領域前のSE 16/16要素及び単一の反転要素の組み合わせは、剪断及び混合を大きく増強する。残りのスクリュー要素は運搬要素である。
追加のスクリュー要素の種類は反転要素であり、そのスクリュー部位への充填レベルを増加させ、よりよく混合することができる。2軸混合は、成熟した分野である。当業者は、適切な混合及び分散について書籍を調べることができる。この種のスクリュー押出機は、当該技術分野においてよく理解されており、概要は、James WhiteによるTwin Screw Extrusion 2E:Technology and Principles(Hansen Publications)にある。混合についての特定例を挙げたが、様々な要素構成を使用して均質混加物の形成に必要な混合レベルを達成する多くの異なる組み合わせが可能である。
第2の混練システムを使用して混合組成物を調製してもよい。48:1の長さ対直径比で同速回転するシステムWarner & Pfleiderer 30mm(WP−30)を使用する、第2のスクリュー特性を採用してもよい。この特定のWP−30は、温度、並びにダイ温度が制御できる12の領域で構成される。材料は、領域1において押出成形機内へ供給される。排出口は領域11に位置する。
組成物が、形成方法(例えば、繊維紡糸、フィルム鋳造/吹き込み、射出成形、又はボトル吹き込み)に応じて、例えば、10s-1超、又は30s-1超、又は10〜10,000s-1、又は30〜10,000s-1の剪断速度で混合され、均質混加物を形成することができる限り、押出成形機及びスクリュー設計の正確な性質はさほど重大ではない。混合の剪断速度が高いほど、本明細書に開示される組成物内の分散度は高くなる。したがって、組成物形成中に特定の剪断速度を選択することにより、分散度を制御できる。
製造物品
繊維、フィルム、及び成形物体を含む、様々な形態の物品を作製するために、本発明の組成物を使用することができる。本明細書で使用するとき、「物品」とは、25℃又はその付近でその硬化状態にある組成物を意味する。本物品は、その現在の形態(例えば、ボトル、自動車部品、吸収性衛生用製品の構成要素)で使用されるか、又はその後の再溶融、及び/又は他の物品(例えば、ペレット、繊維)への製造のために使用され得る。本発明の様々な物品形態を作製するための製造プロセスは本明細書に記載されている。
繊維
本発明において繊維は、モノコンポーネント又はマルチコンポーネントであってよい。用語「繊維」は、50超、又は500超、又は1,000超の長さ対厚さ比を有する、凝固したポリマー形状として定義される。本発明のモノコンポーネント繊維はまた、多成分であってもよい。本明細書で使用するところの成分とは、物質又は材料の化学種を意味するものとして定義される。多成分繊維は、本明細書で使用するとき、2種以上の化学種又は材料を含有する繊維を意味するように定義される。多成分ポリマー及びアロイポリマーは、本発明では同じ意味を有し、互換的に使用することができる。一般的には、繊維は、モノコンポーネントのタイプのものか、又はマルチコンポーネントのタイプのものとすることができる。コンポーネントとは、本明細書で使用するとき、繊維の別の部分に対して空間的関係を有する、繊維の別個の部分として定義される。マルチコンポーネントという用語は、本明細書で使用するとき、繊維が、互いに対する空間的関係において2つ以上の別個の部分を有することとして定義される。マルチコンポーネントという用語は、繊維が、互いに対する空間的関係において2つの別個の部分を有することとして定義される、バイコンポーネントを包含する。マルチコンポーネント繊維の異なるコンポーネントは、繊維の横断面にわたって実質的に個別の区域内に配置構成され、繊維の長さに沿って連続して延びる。マルチコンポーネント繊維を作製するための方法は、当該技術分野において周知である。マルチコンポーネント繊維の押出成形は、1960年代には周知であった。DuPontは、マルチコンポーネント能力の主な技術開発者であり、米国特許第3,244,785号及び米国特許第3,704,971号は、これらの繊維を作製するために使用される技術を説明している。1971年の、Merrow Publishingからの、R.Jeffriesによる「Bicomponent Fibers」は、バイコンポーネント技術に関する確固とした基盤を築いた。より最近の出版物は、「Taylor−Made Polypropylene and Bicomponent Fibers for the Nonwoven Industry,」Tappi Journal December 1991(p.103)及びWoodhead PublishingのNakajima編集の「Advanced Fiber Spinning Technology」を含む。
本発明で形成される不織布は、種々の押出成形システムから、同じ紡糸口金を通じて供給される、複数のタイプのモノコンポーネント繊維を含み得る。この実施例では、押出成形システムは、種々のポリマーを別個の毛管に供給するマルチコンポーネント押出成形システムである。例えば、コポリマー組成物が異なる温度で溶融するように、一方の押出成形システムは本明細書に記載の組成物を送達し、他方がポリプロピレンコポリマーを送達する。別の例では、一方の押出成形システムはポリエチレン樹脂を送達し、他方は本明細書に記載の組成物を送達してもよい。第3の例では、1つの押出成形システムが、本明細書に記載の第1の組成物、及び異なる熱可塑性ポリマーを有する本明細書に記載の第2の組成物を送達してもよい。このシステムにおけるポリマー比率は、95:5〜5:95、又は90:10〜10:90、又は80:20〜20:80の範囲であり得る。
バイコンポーネント繊維及びマルチコンポーネント繊維は、サイドバイサイド型の構成、シース/コア型(対称及び偏心)の構成、分割パイ型の構成、リボン型の構成、海島型の構成、又はこれらの任意の組み合わせであってよい。シースはコアの周囲において連続的又は非連続的であってよい。代表的なマルチコンポーネント繊維は、米国特許第6,746,766号において開示されている。シース対コアの重量比は、5:95〜95:5である。本発明の繊維は、円形、長円形、星形、3葉形、3〜8の葉を有する多葉形、長方形、H字形、C字形、I字形、U字形、又は任意の他の好適な形状を含むがこれらに限定されない、異なる形状を有し得る。中空繊維もまた、使用することができる。多くの例において、その形状は円形、3葉形、又はH字形である。丸形及び3葉形の繊維形状はまた、中空であってもよい。
シース及びコアのバイコンポーネント繊維が多くの場合に利用される。一例では、コア内のコンポーネントは本明細書に記載の組成物を含有する一方で、シースはそれを含有しない。この例において、繊維の表面における本明細書に記載の組成物への曝露は、低減又は排除される。別の例において、シースは本明細書に記載の組成物を含有し得るが、コアはそれを含有しない。この例において、繊維表面における本明細書に記載の組成物の濃度は、コア内よりも高い。シース及びコアのバイコンポーネント繊維を使用して、シース若しくはコアのいずれかにおける所望の特性、又はいくらかの濃度勾配を付与するように、本明細書に記載の組成物の濃度を選択することができる。海島型バイコンポーネント繊維は、シース及びコアの繊維の1つの種類であるが、複数のコアを有するものと考えられるということを理解されたい。分割パイ型繊維(中空及び中実)が想到される。それらは、例えば、分割パイ型のバイコンポーネント繊維設計を使用して、ワックスを含有しない領域からワックスを含有する領域を分割するために使用することができる。分割は、機械的な変形、流体力の適用、又は他の好適なプロセスの間に生じ得る。
トリコンポーネント繊維も想到される。有用なトリコンポーネント繊維の一例は、3層のシース/シース/コア繊維であり、それぞれのコンポーネントは、本明細書に記載の組成物の異なるブレンドを含有する。それぞれの層における異なる量の本明細書に記載の組成物は、追加の利益を提供し得る。例えば、コアは、10溶融流れのポリプロピレンと本明細書に記載の組成物のブレンドであり得る。中間層のシースは、25溶融流れのポリプロピレンと本明細書に記載の組成物のブレンドであり得、外層は、ストレートの35溶融流れ速度のポリプロピレンであり得る。代表的な本明細書に記載の組成物は、40重量%未満、又は20重量%未満のそれぞれの層の含有量を有する。想到される別のタイプの有用なトリコンポーネント繊維は、シースも有する分割パイ型バイコンポーネントデザインである。
「高度細繊化繊維」とは、高い引き下げ(draw down)比を有する繊維として定義される。総繊維引き下げ比は、繊維の最大直径(典型的には毛管を出た直後に生じる)の、最終使用における最終的な繊維直径に対する比率として定義される。総繊維引き下げ比は、1.5超、又は5超、又は10超、又は12超である。これは、触覚性、及び有用な機械的特性を達成するために必要である。
繊維は、200μm未満の直径を有し得る。繊維直径は、混合物が微細繊維を製造するために使用されている場合、少なくとも0.1μmであり得る。繊維は、本質的に連続性又は本質的に不連続性であり得る。スパンボンド不織布の作製に一般的に使用される繊維は、5μm〜30μm、又は10μm〜20μm、又は12μm〜18μmの直径を有する。微細繊維直径は、0.1μm〜5μm、又は0.2μm〜3μm、最も好ましくは0.3μm〜2μmの直径を有する。繊維直径は、ダイの形状、紡糸速度又は延伸速度、質量スループット、並びにブレンド組成及びレオロジーにより制御される。本明細書に記載の繊維は、環境分解性である。
本明細書に記載の繊維は、典型的には、使い捨て不織布物品を作製するのに使用される。この物品は、フラッシャブルであり得る。本明細書で使用するとき、用語「フラッシャブル」は、トイレを流した際にトイレ又は任意の他の汚物排水管を詰まらせることなく一掃するように、トイレのような腐敗廃棄システムにおいて溶解、分散、分解(disintegrating)、及び/又は分解(decomposing)可能である物質を指す。繊維及び得られる物品はまた、水性反応性であり得る。用語「水性反応性」は、水中に配置又は流されたときに観察可能及び測定可能な変化をもたらすことを意味する。典型的な観察としては、物品が臭う、バラバラになる、溶解することに留意すること又は概ね弱まった構造を観察することが挙げられる。
本発明では、繊維の親水性及び疎水性を調節することができる。ベース樹脂の特性は、共重合を介した親水性の特性を有し得る(特定のポリエステル(一般にスルホポリエステル群のポリマーである、Eastman Chemical製のEASTONE)又はポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィンに関する場合など)か、又はベース樹脂に添加され、そのベース樹脂を親水性にさせる材料を有し得る。添加剤の代表的な例としては、CIBA Irgasurf(登録商標)の添加剤群が挙げられる。本発明における繊維はまた、作製された後に、処理又はコーティングして、親水性にすることもできる。本発明では、耐久性のある親水性が好ましい。耐久性のある親水性とは、2回以上の流体相互作用の後に、親水性の特性を維持していることとして、定義される。例えば、評価中のサンプルが、耐久性のある親水性に関して試験される場合には、サンプル上に水を注ぎ、湿潤を観察することができる。サンプルが浸潤しているならば、そのサンプルは、初期には親水性である。次に、サンプルを水で完全にすすぎ、乾燥させる。このすすぎは、サンプルを大きな容器内に入れて10秒間攪拌し、次いで乾燥させることによって、最良に行なわれる。乾燥後のサンプルはまた、再び水と接触させた場合、浸潤するべきである。
繊維を形成した後に、その繊維を更に処理してもよく、又はその接着布を処理することもできる。親水性仕上げ又は疎水性仕上げを追加して、布地の表面エネルギー及び化学的性質を調節することができる。例えば、親水性である繊維を湿潤剤で処理し、水性液体の吸収を促進させることができる。接着布もまた、界面活性剤、顔料、スリップ剤、塩、又は他の材料を含有する局所溶液で処理し、繊維の表面特性を更に調節することができる。
本発明における繊維は、捲縮させることが可能であるが、この繊維は捲縮させないことが好ましい。捲縮繊維は、一般に、2つの方法で作り出される。第1の方法は、既に紡糸された後の、繊維の機械的な変形である。繊維を溶融紡糸して、最終フィラメント直径まで引き下げ、一般的には、2次元的捲縮若しくは3次元的捲縮のいずれかを付与する歯車又はスタッフィングボックスに通して、機械的に処理する。この方法は、最も毛羽立てられたステープルファイバーを製造するのに使用される。繊維を捲縮させるための第2の方法は、スパンレイドプロセスにおいて捲縮することが可能な、マルチコンポーネント繊維を押し出すことである。当業者は、バイコンポーネント捲縮スパンボンド繊維を作製する数多くの方法が存在することを認識するであろうが、しかしながら、本発明に関しては、捲縮スパンレイド不織布を作製するために、3つの主要な技術を考察する。第1の方法は、ポリマーの種類、ポリマーの分子量特徴(例えば、分子量の分布)、又は添加剤の含量の差異に基づく紡糸線におけるポリマーの結晶化の差のために紡糸線において生じる捲縮である。第2の方法は、スパンレイド基材へと紡糸された後の、繊維の収縮差である。例えば、熱接着プロセスの間などに、スパンレイドウェブを加熱することによって、紡糸されたままの繊維内での結晶化度の差異のために、繊維の捲縮を引き起こすことができる。捲縮を引き起こす第3の方法は、繊維又はスパンレイドウェブを、機械的に伸張させることである(一般に、機械的な伸張に関しては、ウェブは一体となって接着されている)。この機械的な伸張は、2種のポリマーコンポーネント間の、応力−歪み曲線における差異を顕在化させることができ、この差異によって捲縮を引き起こすことができる。
繊維の引張り強度は、大体25メガパスカル(MPa)を超える。本明細書に開示される繊維は、50MPa超、又は75MPa超、又は100MPa超の引張り強度を有する。引張り強度は、ASTM standard D 3822−91に記載の手順又は同様の試験に従って、Instronを用いて測定される。
本明細書に開示されている繊維は、脆くなく、2MPa超、50MPa超、又は100MPa超の強靱性を有する。強靱性は、応力ひずみ曲線の下の面積として定義され、試料標点距離は25mmであり、1分当たり50mmのひずみ速度である。繊維の弾性又は伸張性もまた所望され得る。
本明細書に開示されている繊維は、十分な熱可塑性ポリマーが繊維内又は繊維の外側コンポーネント(すなわち、バイコンポーネントのシース)上に存在する場合、熱接着性であり得る。加圧される熱結合及びスルーエアヒート結合方法では、熱結合性の繊維が最も効果的に使用される。熱結合性は、組成物が、繊維重量の15%超、又は30%超、又は40%超、又は50%超のレベルで存在するときに、典型的に達成される。
本明細書に開示されている繊維は、存在する組成物の量及び繊維の具体的な構成に依存して環境分解性である。「環境分解性」は、生分解性、分解性、分散性、フラッシャブル、又はコンポスト化可能、又はこれらの組み合わせとして、定義される。繊維、不織布ウェブ、及び物品は環境分解性であり得る。結果として、繊維は、既存のコンポスト化設備において容易かつ安全に処理され得るか又はフラッシャブルであり得るかのいずれかであり、既存の下水インフラシステムに対して有害な結果を引き起こすことなく安全に排水管に流すことができる。拭き取り用品及び生理用品のような使い捨て製品において使用される際の繊維のフラッシャブル性は、更なる便利さ及び裁量を消費者に提供する。
用語「生分解性」は、好気性及び/又は嫌気性環境に曝露されると、微生物、加水分解及び/又は化学作用により最終的にはモノマー成分に分解される物質を指す。好気性条件下では、生分解は、材料を二酸化炭素及び水のような最終生成物に変形する。嫌気性条件下では、生分解は、材料を二酸化炭素と水とメタンに変形する。生分解性プロセスは、多くの場合、無機化と説明される。生分解性は、物質(例えば、繊維)の全ての有機成分が生物活性を通して最終的には分解にさらされることを意味する。
様々な組織により及び異なる国々で時間をかけて確立されてきた様々な異なる規格化された生分解性方法が存在する。試験は具体的な試験条件査定方法及び所望される基準において様々ではあるが、大抵の物質について同じ結論に至るように、異なるプロトコル間でも合理的な収束が存在する。好気性生分解性については、米国材料試験協会(ASTM)がASTM D 5338−92:制御組成条件下でのプラスチック材料の好気性生分解のための試験方法(Test methods for Determining Aerobic Biodegradation of Plastic Materials under Controlled Composting Conditions)を確立している。このASTM試験は、58℃の高温に保持された活性コンポストの存在下で、微生物による同化作用の結果として放出される二酸化炭素の量をモニターすることにより、時間に応じて無機化する試験材料のパーセントを測定する。二酸化炭素生成試験は、電解呼吸計により行われ得る。経済協力開発機構(OECD)からの301Bのような他の標準的なプロトコルもまた使用され得る。酸素不在下での標準生分解試験は、ASTM D 5511−94といった様々なプロトコルにおいて説明されている。これらの試験を使用して、嫌気性固体廃棄物処理設備又は衛生埋立地における材料の生分解性をシミュレートする。しかしながら、これらの条件は、本明細書に記載されている繊維及び不織布について記載されている使い捨ての実用例のタイプにはそれほど妥当ではない。
繊維性基材が急速に砕けて、コンポスト化される場合にはスクリーニングした後に識別不可能なほどに、あるいは、流される場合には排水管の詰まりを生じ得ないほどに、小さな破片に寸断する及び分解する能力を有すると、分解は生じる。分解性材料はまたフラッシャブルでもある。分解性のついてのほとんどのプロトコルは、様々なマトリックスに曝露された場合の試験材料の経時的な重量喪失を測定する。好気性及び嫌気性分解の両方が使用される。重量喪失は、材料を排水及び汚泥に曝露した後で1ミリメートルの孔を有する18メッシュの篩上でもはや回収できない繊維の試験材料の量により決定される。分解については、初期サンプルの重量とスクリーン上で回収されたサンプルの乾燥重量との差異が分解の速度及び量を決定する。生分解性及び分解についての試験は、非常に同様な環境又は同じ環境が試験に使用されると、非常に同様になる。分解を判定するためには残っている材料の重量を測定し、一方、生分解性については発生する気体を測定する。本明細書に開示されている繊維は、急速に分解することができる。
本明細書に開示されている繊維はコンポスト化可能でもあり得る。ASTMは、コンポスト化可能性についての試験方法及び規格を開発してきた。この試験は3つの特性を測定する:生分解性、分解、及び環境毒性のないこと。生分解性及び分解を測定するための試験は、上述している。コンポスト化可能性についての生分解性基準を満たすため、材料は40日以内に少なくとも60%の二酸化炭素への転化を達成しなくてはならない。分解基準としては、材料は、廃棄物の中にあったならば有していたであろう実際の形状及び厚さで、試験材料の10%未満が2ミリメートルのスクリーン上に残っていなければならない。最後の基準(環境毒性がない)を満たすには、生分解副産物は、種子発芽及び植物生育に負の影響を呈してはならない。この基準についての1つの試験は、OECD 208に詳述されている。International Biodegradable Products Instituteは、いったん製品がASTM 6400−99規格を満たすと立証されたら、コンポスト化可能性についてロゴを発行する。プロトコルはドイツのDIN 54900に従い、これは、1回のコンポスト化サイクル以内に分解を完了させる任意の材料の最大限の厚さを判定するものである。
本明細書に記載の繊維は、使い捨て不織布物品を作製するのに使用できる。物品は一般にフラッシャブルである。本明細書で使用するとき、用語「フラッシャブル」は、トイレを流した際にトイレ又は任意の他の汚物排水管を詰まらせることなく一掃するようにトイレのような腐敗廃棄システムにおいて溶解、分散、分解(disintegrating)、及び/又は分解(decomposing)可能である物質を指す。繊維及び得られる物品はまた、水性反応性であり得る。用語「水性反応性」は、水中に配置又は流されたときに観察可能及び測定可能な変化をもたらすことを意味する。典型的な観察としては、物品が臭う、バラバラになる、溶解することに留意すること、又は概ね弱まった構造を観察することが挙げられる。
この繊維から製造された不織布製品は、特定の機械的特性、特に強度、可撓性、柔軟性、及び吸光度を呈する。強度の目安としては、乾燥及び/又は湿潤引っ張り強度が挙げられる。可撓性は剛性と関連しており、柔軟性に起因するものであると考えられる。一般的に柔軟性は、可撓性及びテクスチャの両方と関連する生理学的に知覚される属性として説明される。吸収性は、製品が流体を取り込む能力、並びにその流体を保持する容量と関連している。
繊維の作製プロセス
繊維は、本明細書に開示の組成物の溶融物から紡糸することができる。溶融紡糸においては、押出品での質量損失は存在しない。溶融紡糸は、溶液からの湿式紡糸又は乾式紡糸などの、他の紡糸とは区別されるが、それらの紡糸では、揮発又は拡散によって、溶媒が押出品から除去されていることにより、質量損失がもたらされる。
紡糸は、120℃〜320℃、又は185℃〜250℃、又は200℃〜230℃で生じ得る。100メートル/分を超える繊維紡糸速度が好ましい。代表的な繊維紡糸速度は、1,000〜10,000メートル/分、又は2,000〜7,000メートル/分、又は2,500〜5,000メートル/分である。ポリマー組成物は、繊維における脆さを避けるために迅速に紡糸される。
連続フィラメント又は繊維は、スパンボンド法を通して製造することができる。本質的に連続又は本質的に不連続の、フィラメント又は繊維は、溶融吹込又は溶融フィルムフィブリル化プロセスといった溶融フィブリル化法を通して製造することができる。あるいは、不連続(ステープルファイバー)繊維を製造することができる。また、多様な繊維製造法を組み合わせて、組み合わせ技法を生み出してもよい。
均質ブレンドは、従来の溶融紡糸装置においてモノコンポーネント又はマルチコンポーネント繊維に溶融紡糸することができる。装置は、マルチコンポーネントの所望の形態に基づいて選択される。市販の溶融紡糸装置は、Hills,Inc.(Melbourne,Florida)より入手可能である。紡糸の温度は100℃〜320℃である。加工温度は、各成分の化学的性質、分子量、及び濃度によって決められる。紡糸された繊維は、従来のゴデット巻き取りシステムを用いて、又は空気抵抗細繊化デバイスにより、回収することができる。ゴデットシステムを使用する場合、25℃〜200℃の温度での後押出延伸を通じて、繊維を更に配向することができる。延伸された繊維を次に捲縮及び/又は切断して、カーディング、エアレイド、又はフルイドレイド処理に使用される不連続繊維(短繊維)にしてもよい。
例えば、開示されるシース内の組成物及びコア内の異なる組成物を使用するバイコンポーネントのシースコア繊維の紡糸に好適なプロセスは、以下の通りである。10重量%のHLを含有する組成物を、混練を通じてまず調製し、30重量%のHLを含有する第2の組成物を、混練を通じてまず調製する。10重量%のHL成分の押出成形機プロファイルは、3つのヒーター領域の押出成形機の最初の3つの領域においては180℃、200℃、及び220℃であり得る。移動ライン及び溶融ポンプヒーター温度は、第1組成物のために220℃であり得る。第2組成物の押出成形機温度プロファイルは、3つのヒーター領域の押出成形機の最初の3つの領域においては、180℃、230℃、及び230℃であり得る。移動ライン及び溶融ポンプは、230℃に加熱され得る。この場合、紡糸口金温度は、220℃〜230℃であり得る。
微細繊維製造
均質ブレンドは、例えば、溶融フィルムフィブリル化によって1つ以上のフィラメント又は繊維に紡糸される。好適なシステム及び溶融フィルムフィブリル化方法は、米国特許第6,315,806号、同第5,183,670号、及び同第4,536,361号(Torobin et al.)、並びに米国特許第6,382,526号、同第6,520,425号、及び同第6,695,992号(Reneker et al.、University of Akronに譲渡)に記載されている。他の溶融フィルムフィブリル化方法及びシステムは、Johnsonらに付与された米国特許第7,666,343号及び同第7,931,457号、Krauseらに付与された米国特許第7,628,941号、並びにKrauseらに付与された米国特許第7,722,347号に記載されている。上記の特許に記載の方法及び装置は、均一かつ狭い繊維分布、低減された又は最小の繊維の欠陥を有する不織布ウェブを提供する。溶融フィルムフィブリル化プロセスは、均質ブレンドの1つ以上の溶融フィルム、1つ以上の加圧流体の流れ(又は流体の流れの繊維化)を供給して、溶融フィルムをリガメントにフィブリル化し、これを加圧流体の流れにより細繊化することを含む。場合により、1つ以上の加圧流体の流れは、繊維を形成するためのリガメントの細繊化及び急冷を助けるために供給される。1つの均質ブレンドを使用して溶融フィルムフィブリル化プロセスから生成される繊維は、典型的に100ナノメートル(0.1マイクロメートル)〜5000ナノメートル(5マイクロメートル)の範囲の直径を有する。場合によっては、均質ブレンドの溶融フィルムフィブリル化プロセスから生成される繊維は、2マイクロメートル未満、又は1マイクロメートル(1000ナノメートル)未満、又は100ナノメートル(0.1マイクロメートル)〜900ナノメートル(0.9マイクロメートル)の範囲内である。溶融フィルムフィブリル化を使用して生成される均質ブレンドの繊維の平均直径(少なくとも100の繊維サンプルの算術平均直径)は、2.5マイクロメートル未満、又は1マイクロメートル未満、又は0.7マイクロメートル(700ナノメートル)未満である。メジアン繊維径は、1マイクロメートル以下であり得る。場合によっては、溶融フィルムフィブリル化プロセスによって生成される均質ブレンドの繊維の少なくとも50%は、1マイクロメートル未満の直径を有し得るか、又は繊維の少なくとも70%は、1マイクロメートル未満の直径を有し得るか、又は繊維の少なくとも90%は、1マイクロメートル未満の直径を有し得る。特定の場合において、溶融フィルムフィブリル化プロセスを使用して生成されると、99%以上の繊維でさえも1マイクロメートル未満の直径を有することができる。
溶融フィルムフィブリル化プロセスでは、均質ブレンドは典型的には、液体を生じ、容易に流れるまで、加熱される。均質ブレンドは、溶融フィルムフィブリル化時において、120℃〜350℃、又は160℃〜350℃、又は200℃〜300℃の温度であってもよい。均質ブレンドの温度は、組成物に依存する。加熱された均質ブレンドは、0.10メガパスカル(MPa)〜3MPa[15ポンド毎平方インチ絶対圧(psia)〜(400psia)]、又は0.1MPa〜1MPa(20psia〜200psia)、又は0.17MPa〜0.7MPa(25psia〜100psia)の圧力下である。
加圧された繊維化流体の流れの非限定例は、空気又は窒素といった気体、あるいは、均質ブレンド組成を有する任意の適合する他の流体(反応性又は不活性として定義される)である。繊維化流体の流れは、加熱された均質ブレンドの温度に近い温度であり得る。繊維化流体の流れの温度は、均質なブレンドの流れ及び溶融フィルムの形成に役立つために、加熱された均質ブレンドよりも高い温度であり得る。場合によっては、線維化流体の流れの温度は、加熱された均質ブレンドよりも100℃高いか、又は加熱された均質ブレンドよりも50℃高いか、又は加熱された均質ブレンドの温度とちょうど同じである。あるいは、繊維化流体の流れの温度は、加熱された均質ブレンドよりも低くなり得る。場合によっては、線維化流体の流れの温度は、加熱された均質ブレンドよりも50℃低いか、又は加熱された均質ブレンドよりも100℃低いか、又は加熱された均質ブレンドよりも200℃低い。特定の場合において、線維化流体の流れの温度は、−100℃〜450℃、又は−50℃〜350℃、又は0℃〜300℃の範囲であり得る。繊維化流体の流れの圧力は、均質ブレンドをフィブリル化するのに十分であり、加熱された均質ブレンドの圧力よりも高い。線維化流体の流れの圧力は、0.10MPa〜3MPa(15psia〜500psia)、又は0.2MPa〜1MPa(30psia〜200psia)、又は0.3MPa〜0.7MPa(40psia〜100psia)の範囲であり得る。線維化流体の流れは、溶融フィルムフィブリル化の位置で200メートル毎秒を上回る速度を有し得る。場合によっては、溶融フィルムフィブリル化の位置で、線維化流体の流れの速度は、300メートル毎秒超、すなわち、遷音速であり、他の場合においては、330メートル毎秒超、すなわち、音速であり、更に他の場合においては、350〜900メートル毎秒(m/s)、すなわち、マッハ1〜マッハ3の超音速である。繊維化流体の流れは脈動してもよく、又は定常流であってもよい。均質ブレンド処理量は主に、使用される具体的な均質ブレンド、装置設計、並びに均質ブレンドの温度及び圧力に依存する。均質ブレンド処理量は、例えば、円形ノズル内で、1オリフィス当たり1グラム毎分を上回る。一例では、均質ブレンド処理量は、1オリフィス当たり10グラム毎分を上回り、別の例では、1オリフィス当たり20グラム毎分を上回り、更に別の例では、1オリフィス当たり30グラム毎分を上回る。更に、スロットノズルを利用するプロセスでは、均質ブレンド処理量は、スロットノズルの幅1メートル当たり0.5キログラム毎時を上回る。他のスロットノズルプロセスでは、均質ブレンド処理量は、スロットノズルの幅1メートル当たり5キログラム毎時超、又はスロットノズルの幅1メートル当たり20キログラム毎時超、又はスロットノズルの幅1メートル当たり40キログラム毎時超である。スロットノズルを採用する特定のプロセスでは、均質ブレンド処理量は、スロットノズルの幅1メートル当たり60キログラム毎時を超え得る。一時に数個のオリフィス又はノズルを作動させる可能性があり、このことは全体の生産処理量を更に増大させる。処理量は、圧力、温度、及び速度と共に、オリフィス又はノズルで、円形及びスロットノズルの両方に関して測定される。
場合により、飛沫同伴流体を使用して脈動又は波動する圧力場を誘導し、多数の繊維の形成を助けてもよい。飛沫同伴流体の非限定例は、加圧空気、窒素、酸素、又は均質ブレンド組成物と適合可能な(反応性又は不活性と定義される)任意の他の流体といった加圧気体流である。高速の娯楽的流体は、音速(すなわち、330m/s)又は超音速(すなわち、330m/sを上回る)に近い速度を有し得る。低速の飛沫同伴流体は、1〜100m/s、又は3〜50m/sの速度を典型的に有する。飛沫同伴流体の流れ14中に低乱流を有して、通常、流体の流れ中に存在する高乱流により生じる繊維同士のもつれを最小にすることが望ましい。飛沫同伴流体14の温度は、上記の線維化流体の流れと同じか、又はフィラメントの急冷を助けるためにそれよりも高い温度であってもよく、−40℃〜40℃、又は0℃〜25℃の範囲である。追加の流体の流れは、ノズルから出るフィラメントの周りに「カーテン」又は「囲い板」を形成し得る。任意の流体の流れが均質ブレンドの繊維化に寄与することができ、したがって、一般に繊維化流体の流れと呼ぶことができる。
本発明におけるスパンレイドプロセスは、米国特許第3,802,817号、同第5,545,371号、同第6,548,431号、及び同第5,885,909号に開示される高速紡糸プロセスを使用して作成されている。これらの溶融紡糸プロセスでは、押出成形機が、溶融ポリマーを溶融ポンプに供給し、この溶融ポンプが、特定の体積の溶融ポリマーを送り出すと、この溶融ポリマーは、複数個の毛管から構成される紡糸パックを通過して移動し、繊維へと形成され、ここでその繊維は、空気焼入れ区域を通過して冷却され、空気圧的に引き下げられて、その寸法を高度細繊化繊維へと低減し、分子レベルの繊維配向によって繊維強度を増大させる。次に、この引き出された繊維は、形成ベルト又は形成テーブルと称される場合が多い、多孔性のベルト上に堆積する。
スパンレイドプロセス
本発明におけるベース基材を形成する代表的な繊維は、スパンレイド布地を形成する連続フィラメントを含む。スパンレイド布地とは、本質的に連続的なフィラメントから形成される、基本的に凝集性の引っ張り特性を有さない、非接着布地として定義される。連続フィラメントとは、10,000:1を超える比率の、長さ対直径の高い比率を有する繊維として定義される。スパンレイド布地を構成する、本発明における連続フィラメントは、短繊維、短く切断された繊維、又は他の意図的に作製された短い長さの繊維ではない。本質的に連続性であるものと定義される、本発明における連続フィラメントは、平均して、長さ100mm超、又は長さ200mm超である。本発明における連続フィラメントはまた、意図的又は非意図的に捲縮されない。本質的に不連続性の繊維及びフィラメントは、長さ100mm未満、又は長さ50mm未満の長さを有するものとして定義される。
本発明におけるスパンレイドプロセスは、米国特許第3,802,817号、同第5,545,371号、同第6,548,431号、及び同第5,885,909号に開示される高速紡糸プロセスを使用して作成されている。これらの溶融紡糸プロセスでは、押出成形機が、溶融ポリマーを溶融ポンプに供給し、この溶融ポンプが、特定の体積の溶融ポリマーを送り出すと、この溶融ポリマーは、複数個の毛管から構成される紡糸パックを通過して移動し、繊維へと形成され、その繊維は、空気焼入れ区域を通過して冷却され、空気圧的に引き下げられて、その寸法を高度細繊化繊維へと低減し、分子レベルの繊維配向によって繊維強度を増大させる。次に、この引き出された繊維は、形成ベルト又は形成テーブルと称される場合が多い、多孔性のベルト上に堆積する。
連続フィラメントの作製に使用される、本発明におけるスパンレイドプロセスは、1メートル当たり100〜10,000本の毛管、又は1メートル当たり200〜7,000本の毛管、又は1メートル当たり500〜5,000本の毛管を含む。本発明における、1つの毛管当たりのポリマーの質量流量は、0.3GHM(毎分の1つの穴当たりのグラム)より大きい。好ましい範囲は、0.35GHM〜2GHM、又は0.4GHM〜1GHM、更により好ましくは0.45GHM〜8GHM、最も好ましい範囲は0.5GHM〜0.6GHMである。
本発明におけるスパンレイドプロセスは、高度に細繊化された、捲縮していない連続フィラメントを作製するための、単一のプロセス工程を含む。押し出されたフィラメントは、急冷用空気の区域を通過して引き出され、この区域でフィラメントは、細繊化しつつ、冷却されて硬化する。このようなスパンレイドプロセスは、米国特許第3,338,992号、米国特許第3,802,817号、米国特許第4,233,014号、米国特許第5,688,468号、米国特許第6,548,431(B1)号、米国特許第6,908,292(B2)号、及び米国出願第2007/0057414(A1)号に開示されている。欧州特許第1340843(B1)号、及び同第1323852(B1)号に記載される技術もまた、スパンレイド不織布を製造するために使用することができる。高度細繊化連続フィラメントは、紡糸口金からのポリマー出口から、細繊化デバイスへと直接引き下げられるが、スパンレイド布地は形成テーブル上で形成されるため、ここでは連続フィラメントの直径又はデニールは、実質的に変化しない。
代表的なポリマー材料としては、ポリプロピレン及びポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン及びポリエチレンコポリマー、ポリエステル及びポリエステルコポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらのコポリマー、及びこれらの混合物、並びに本発明において提示される他の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なポリマー材料としては、米国特許出願公開第2003/0109605(A1)号及び同第2003/0091803号に詳細に述べられるような熱可塑性デンプン組成物がある。更に他の好適なポリマー材料としては、エチレンアクリル酸、ポリオレフィンカルボン酸コポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。米国特許第6746766号、同第6818295号、同第6946506号、及び米国公開出願第03/0092343号に記載のポリマー。通常の熱可塑性ポリマー繊維等級の材料が好ましく、特に、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリヒドロキシアルカノエート系樹脂、及びポリエチレン系樹脂、並びにこれらの組み合わせが好ましい。ポリエステル系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が、最も好ましい。
本発明における1つの追加要素は、本明細書に記載の組成物の40重量パーセント(重量%)を上回る混合組成物を、押出プロセスにおいて利用する能力であり、マスターバッチレベルの本明細書に記載の組成物は、押出の間により低濃度(0重量%まで)の熱可塑性組成物と組み合わせられ、標的範囲内の本明細書に記載の組成物を生成する。
繊維紡糸プロセスにおいて、特に温度を105℃超に上昇させる際、典型的には残留物の水濃度が繊維の1重量%以下、あるいは0.5%以下、又は0.15%以下であることが望ましい。
繊維から作製される不織布物品
繊維は、異なる結合方法により、不織布に転化することができる。連続的な繊維は、業界標準のスパンボンド方式の技術を使用してウェブに形成することができ、一方、業界標準のカーディング、エアレイド、又はウェットレイド技術を用いて短繊維をウェブに形成することができる。典型的な結合方法としては、カレンダー(圧力及び熱)、スルーエアヒート、機械的エンタングルメント、流体力学的エンタングルメント、ニードルパンチング、及び化学結合及び/又は樹脂結合が挙げられる。カレンダー、スルーエアヒート、及び化学結合は、デンプンポリマー繊維のための好ましい結合方法である。加圧される熱結合及びスルーエアヒート結合方法では熱結合性の繊維が必要である。
また、本発明の繊維を他の合成繊維又は天然繊維と接着又は組み合わせて不織布物品を作製してもよい。合成繊維又は天然繊維は形成処理において共に配合されてもよく、又は別個の層において使用されてもよい。好適な合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリレート、並びにこれらのコポリマー、及びこれらの混合物から作製された繊維が挙げられる。天然繊維としては、セルロース繊維及びこれらの誘導体が挙げられる。好適なセルロース繊維としては、広葉樹繊維、針葉樹繊維、麻布、及び綿が含まれる、任意の木又は植物由来の繊維が挙げられる。レーヨンのような、加工された天然セルロース資源から作製された繊維も挙げられる。
本発明の繊維は、他の好適な物品の中でも不織布を作製するために使用され得る。不織布物品は、連続又は不連続でありかつ物理的及び/又は化学的に互いに結合された複数の繊維を15%超含有する物品として定義される。不織布は、それ自体で又は赤ちゃん用おむつ又は女性用ナプキンのような他の材料との複合的な組み合わせにおける構成要素としてのいずれかで使用される層状製品を製造するために、追加の不織布又はフィルムと組み合わせてもよい。好ましい物品は、使い捨て不織布物品である。得られる製品は、空気、油、及び水用のフィルタと、掃除機フィルタと、加熱炉フィルタと、フェイスマスクと、コーヒーフィルタ、ティーバッグ又はコーヒーバッグと、断熱材料及び遮音材料と、例えば、おむつ、女性用ナプキン、タンポン、及び失禁用物品などの、使い捨ての衛生用品のための不織布と、例えば、ミクロ繊維又は通気性布地などの衣類の改善された水分吸収性及び柔軟性のための生分解性織布と、埃を集め取り除くための帯電構造化ウェブと、例えば、包装紙、筆記用紙、新聞紙、段ボール板紙などの硬質のグレードの紙のための強化材及びウェブ、並びに、例えば、トイレットペーパー、ペーパータオル、ナプキン、及び化粧紙などのティッシュグレードの紙のためのウェブと、例えば、外科用ドレープ、創傷包帯、包帯、皮膚パッチ、及び自己溶解性縫合糸などの医療用途と、例えば、デンタルフロス及び歯ブラシの毛などの歯科用途と、において使用法を見出すことができる。繊維ウェブはまた、具体的用途として、匂い吸収剤、シロアリ忌避剤、殺虫剤、駆鼠剤、及びこれらに類するものが挙げられ得る。得られる製品は、水及び油を吸収し、油若しくは水の流出物の清掃、又は農業若しくは園芸用途での水保持及び放出の制御において使用を見出すことができる。得られる繊維又は繊維ウェブはまた、壁、支持梁、つや出し紙、ドライウォール及び裏当て材料、及び天井タイルといった建材;型、副子及び舌圧子といった他の医療用途;装飾及び/又は燃焼目的の暖炉の薪として、使用できる複合材料を形成するために、おがくず、木材パルプ、プラスチック、及びコンクリートといった他の材料の中に組み込んでもよい。本発明の好ましい物品としては、衛生及び医療用途の使い捨て不織布が挙げられる。衛生用途としては、拭き取り用品、おむつ、女性用ナプキン、及びタンポンなどの用品が挙げられる。
フィルム
本明細書に開示されている組成物は、フィルムに成形することができ、所望されるフィルム特性に合わせて多くの異なる立体構造のうちの1つを構成することができる。フィルムの特性は、例えば、厚さを変えることにより、あるいは、多層フィルムの場合には、層の数を変えることにより、層の化学的性質、すなわち、疎水性又は親水性かを変えることにより、及びポリマー層を形成するのに使用されるポリマーのタイプを変えることにより、操作することができる。本明細書に開示されているフィルムは、300μm未満の厚さを有することができ、あるいは、300μm以上の厚さを有することができる。典型的には、フィルムが300μm以上の厚さを有する場合には押出成形シートと呼ばれるが、本明細書に開示されているフィルムがフィルム(例えば、300μm未満の厚さを有する)及び押出成形シート(例えば、300μm以上の厚さを有する)の両方を包含することが理解される。
本明細書に開示されているフィルムは、多層フィルムであり得る。このフィルムは、少なくとも2層(例えば、第1フィルム層及び第2フィルム層)を有することができる。第1フィルム層及び第2フィルム層は、互いに隣接して積層されて、多層フィルムを形成することができる。多層フィルムは、少なくとも3層(例えば、第1フィルム層、第2フィルム層及び第3フィルム層)を有してもよい。第2フィルム層は、第1フィルム層の上面又は下面のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に重なり得る。第3フィルム層は、第2フィルム層がコア層を形成するように、第2フィルム層に少なくとも部分的に重なり得る。多層フィルムが追加の層(例えば、結合層、不透過性層)を含み得ることが想到される。
多層フィルムは、2層〜1000層、又は3層〜200層、又は5層〜100層を含み得るということが理解されるであろう。
本明細書に開示されるフィルムは、10マイクロメートル〜200マイクロメートル、特定において又は20マイクロメートル〜100マイクロメートル、又は40マイクロメートル〜60マイクロメートルの厚さ(例えば、キャリパー)を有し得る。例えば、多層フィルムの場合、各フィルム層は、100マイクロメートル未満、又は50マイクロメートル未満、又は10マイクロメートル未満、又は10マイクロメートル〜300マイクロメートルの厚さを有し得る。各フィルム層が、実質的に同じ又は異なる厚さを有し得ることが理解される。
フィルムの厚さは、ISO 4593:1993「Plastics−Film and sheeting−Determination of thickness by mechanical scanning」に記載の方法といった様々な技術を用いて測定することができる。本明細書に記載のフィルムの厚さを測定するために他の好適な方法を利用できることが理解される。
多層フィルムのために、各層は、本明細書に記載の組成物から形成することができる。多層フィルムを形成するために使用される組成物の選択は、多くの物理的パラメーターに影響を与える可能性があり、そのため、より低い坪量、並びにより高い引張り及びシール強度といった特性の改善をもたらし得る。特性が改善された商業的多層フィルムの例は、米国特許第7,588,706号に記載されている。
多層フィルムは、3層構成を含むことができ、第1フィルム層及び第3フィルム層はスキン層を形成し、第2フィルム層は第1フィルム層と第3フィルム層との間に形成されてコア層を形成する。第3フィルム層は、第1フィルム層と同じであっても又は異なっていてもよく、そのため、第3フィルム層は、本明細書に記載の組成物を含むことができる。3層を超える層を有する多層フィルムを形成するために同様のフィルム層が使用され得ると理解される。多層フィルムについては、異なる層において、異なる量の本明細書に記載の組成物を有することが想到される。多層フィルムを使用するための1つの技術は、本明細書に記載の組成物の位置を制御することである。例えば、3層フィルムにおいて、コア層は本明細書に記載の組成物を含有し得る一方、外層はそれを含有しない。あるいは、内層は本明細書に記載の組成物を含有し得、外層は本明細書に記載の組成物を含有しない。
多層フィルムにおいて不相溶性の層が隣接する場合、望ましくはそれらの間に連結層が配置され得る。連結層の目的は、不相溶性材料間の移動及び適切な接着をもたらすことである。接着剤又は連結層は、典型的には、伸張、ひずみ、又は変形を加えられた場合に層間剥離を呈する層において、層の間にて使用される。層間剥離は、微視的な分離又は巨視的な分離のいずれかであり得る。どちらの事象においても、フィルムの性能は、この層間剥離により損なわれ得る。結果として、層間に適切な接着を呈する連結層は、この層間剥離を制限又は排除するために使用される。
連結層は、通常、不相溶性材料間で有用である。例えば、ポリオレフィンとコポリ(エステル−エーテル)が隣接層である場合、連結層が通常使用される。
連結層は、隣接する材料の性質に従って選択され、1つの材料(例えば、非極性及び疎水性層)に対して、並びに第2の材料(例えば、極性及び親水性相)と相溶性又は相互作用する反応性基に対して、相溶性及び/又は同じである。
連結層のための好適な骨格鎖としては、ポリエチレン(低密度−LDPE、直鎖低密度−LLDPE、高密度−HDPE、及び超低密度−VLDPE)及びポリプロピレンが挙げられる。
反応性基は、この骨格鎖にグラフト化されるグラフト化モノマーであり得、少なくとも1つのアルファ−若しくはベータ−エチレン性不飽和カルボン酸又は無水物、又はこれらの誘導体であるか、又はそれらを含有する。モノ−、ジ−、又はポリカルボン酸であり得るこのようなカルボン酸及び無水物の例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、イタコン酸無水物、無水マレイン酸、並びに置換リンゴ酸無水物、例えば、ジメチル無水マレイン酸である。不飽和酸の誘導体の例は、塩、アミド、イミド、及びエステル、例えば、モノ−及びジナトリウムマレエート、アクリルアミド、マレイミド、並びにジエチルフマレートである。
特に好ましい連結層は、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、一酸化炭素などの、エチレンでコポリマー化され得る、0.1〜30重量パーセントの1つ以上の不飽和モノマーを有する、低分子量エチレンポリマーである。アクリル酸エステル、無水マレイン酸、酢酸ビニル、及びメチアクリル酸が好ましい。グラフト化モノマーとして無水物は特に好ましく、無水マレイン酸が最も好ましい。
連結層としての使用に好適な材料の代表的部類は、DuPontにより商品名Bynel(登録商標)(例えば、Bynel(登録商標)3860)で販売されている改質エチレン酢酸ビニル無水物として知られる材料の部類である。連結層としての使用に好適な別の材料は、これもまたDuPontにより商品名Bynel(登録商標)(例えば、Bynel(登録商標)2169)で販売されている改質エチレンメチルアクリレート無水物である。連結層としての使用に好適な無水マレイン酸グラフトポリオレフィンポリマーはまた、Elf Atochem North America,Functional Polymers Division(Philadelphia,PA)から、Orevac(商標)として入手可能である。
あるいは、連結層材料として使用に好適なポリマーは、本明細書に開示されているフィルムの1つ以上の層の組成物に組み込むことができる。このような組み込みにより、様々な層の性質は、これらの相溶性を改善し、層間剥離のリスクを低減するように改質される。
連結層以外の他の中間層は、本明細書に開示されている多層フィルムにおいて使用することができる。例えば、ポリオレフィン組成物の層は、押出成形ウェブに追加の機械的強度をもたらすために、親水性樹脂の2つの外側の層の間で使用することができる。任意の数の中間層を使用してもよい。
中間層の形成において使用に好適な熱可塑性材料の例としては、ポリエチレン樹脂、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、ポリプロピレン、及びポリ(塩化ビニル)が挙げられる。このタイプの好ましいポリマー層は、疎水性層について上述したものと実質的に等しい機械的特性を有する。
本明細書に記載の組成物から形成されることに加えて、フィルムは、追加の添加剤を更に含むことができる。例えば、不透明化剤をフィルム層の1つ以上に添加することができる。このような不透明化剤としては、酸化鉄、カーボンブラック、アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、タルク及びこれらの組み合わせを挙げることができる。これらの不透明化剤は、重量でフィルムの0.1%〜5%、又はフィルムの0.3%〜3%を構成し得る。他の好適な不透明化剤を様々な濃度で採用できることが理解される。不透明化剤の例は、米国特許第6,653,523号に記載されている。
更に、フィルムは、他のポリマー材料(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリメチルペンテン、これらの任意の組み合わせ又はこれらに類するもの)、充填剤(例えば、ガラス、タルク、炭酸カルシウム又はこれらに類するもの)、離型剤、難燃剤、導電剤、帯電防止剤、顔料、酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、安定剤(例えば、紫外線吸収剤)、湿潤剤、染料、フィルム帯電防止剤又はこれらの任意の組み合わせといった他の添加剤を含むことができる。フィルム帯電防止剤としては、カチオン性、アニオン性、及び非イオン性の作用剤が挙げられる。カチオン性作用剤としては、アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウムカチオンが挙げられ、アルキル基置換及び関連するアニオン(例えば、塩化物、メトサルフェート、又は窒化物)を有する。想到されるアニオン性作用剤としては、アルキルスルホネートが挙げられる。非イオン性作用剤としては、ポリエチレングリコール、有機ステアレート、有機アミド、グリセロールモノステアレート(GMS)、アルキルジエタノールアミド、及びエトキシル化アミンが挙げられる。
フィルムの作製方法
本明細書に開示されているフィルムは、従来の押出成形フィルム作製装置においてフィルムを製造するための従来手順を使用して加工することができる。一般に、鋳造又は吹き込みフィルム押出方法のいずれかを使用して、ポリマーをフィルムに溶融加工することができるが、これらの方法はどちらも、Allan A.Griff(Van Nostrand Reinhold−1976)によるPlastics Extrusion Technology−2nd Ed.に記載されている。
キャストフィルムは、線形スロットダイを通して押し出される。一般に、平らなウェブは、大きな移動式の研磨された金属ロール(チルロール)において冷却される。これは急速に冷却され、第1ロールから剥がされ、1つ以上の補助ロールを通過し、その後、1組のゴムでコーティングされたプル又は「引取」ロールを通り、最終的に巻取機に到達する。
吹込フィルム押出成形においては、溶融物は、薄い環状のダイの開口部を通して上向きに押し出される。このプロセスはまた、管状フィルム押出成形と呼ばれる。空気は、チューブを膨張させるためにダイの中心を通して導入されて、これによりチューブは膨張する。これにより、移動する泡が形成され、内部気圧、押出速度及び引取速度の同時制御により、一定のサイズで保持される。フィルムのチューブは、チューブを囲む1つ以上のチルリングを通した空気吹込により冷却される。このチューブは次に、このチューブを平らなフレームの中に引き込み、1対のプルロールに通して、巻取機に到達させることにより、つぶされる。
共押出成形プロセスは、多層フィルム構造を得るために、2つ以上の押出成形機と、共押出成形フィードブロック又はマルチマニホールドダイシステム又はこれら2つの組み合わせのいずれかと、を必要とする。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,152,387号及び同第4,197,069号は、共押出成形のフィードブロック及びマルチマニホールドダイの原理を開示している。複数の押出成形機はフィードブロックに接続され、フィードブロックは、流路を通過するポリマーの容量に直接関係して個別の流路各々の形状を比例的に変化させる移動可能な分流器を採用することができる。流路は、合流点にて材料が同じ速度及び圧力で一緒に流れ、界面応力及び流動不安定性を最小化するように、設計される。いったん材料がフィードブロックにおいて合流したら、これらは複合構造として単一のマニホールドダイに流入する。フィードブロック及びダイシステムの他の例は、Extrusion Dies for Plastics and Rubber,W.Michaeli,Hanser,New York,2nd Ed.,1992に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。このようなプロセスにおいて、材料の溶融粘度、法線応力差、及び溶融温度があまりにも大きく異ならないことが重要であり得る。さもなければ、層封入又は流動不安定性がダイの中で生じ、層の厚さ分布の貧弱な制御、並びに多層フィルムにおける平らではない界面から生じる欠陥(例えば、フィッシュアイ)を引き起こし得る。
フィードブロック共押出成形に代わるものは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,152,387号、同第4,197,069号、及び同第4,533,308号に開示されているマルチマニホールド又はベーンダイ(vane die)である。フィードブロックシステムにおいて溶融流が外側で、かつ、ダイ本体に入る前に、一緒に生じているのに対して、マルチマニホールド又はベーンダイにおいては各溶融流はダイにおいてそれぞれのマニホールドを有し、そこでポリマーは各マニホールドにおいて独立して広がる。溶融流は、ダイ出口付近で合流し、各溶融流はダイ幅全体に広がる。可動性の羽根(vanes)は、これを通って流れる材料の容量に直接比例した各流路の出口の調整機能をもたらし、これにより溶融物は同じ速度、圧力、及び所望される幅にて一緒に流れることが可能になる。
ポリマーの溶融流動特性及び溶融温度は幅広く様々であるため、ベーンダイの使用はいくつかの利点を有する。このダイは、それ自体に熱的分離特性を持たせ、非常に異なる溶融温度、例えば、最大80℃(175°F)のポリマーを一緒に加工することができる。
ベーンダイの各マニホールドは、具体的なポリマー向けに設計及び製作され得る。これにより、各ポリマーの流れは、そのマニホールドの設計のみにより影響され、他のポリマーにより付与される力には影響されない。このことにより、大きく異なる溶融粘度を有する材料も多層フィルムに共押出成形することが可能になる。加えて、このベーンダイにより、内側の層が外側の層に完全に包囲され、曝露されるエッジを全く残さないように、個々のマニホールドの幅を製作できるようになる。フィードブロックシステム及びベーンダイを使用して、より複雑な多層構造を達成することができる。
当業者であれば、本明細書に開示されているフィルムを製造するために使用される押出成形機のサイズが所望される製造速度に依存すること、並びに、複数のサイズの押出成形機が使用され得ることが理解されよう。好適な例としては、24又は30の長さ/直径比と共に2.5cm(1インチ)〜3.7cm(1.5インチ)の直径を有する押出成形機が挙げられる。より大きな製造需要により必要とされる場合には、押出成形機の直径は、上向きの範囲であり得る。例えば、6.4cm(2.5インチ)〜10cm(4インチ)の直径を有する押出成形機を使用して、本発明のフィルムを生成することができる。汎用スクリューを使用してもよい。好適なフィードブロックは、単一の温度領域、固定されたプレートブロックである。分配プレートは、特定の層の厚さを供給するために、機械加工される。例えば、三層フィルムについて、プレートは80/10/10の厚さ構成で層を供給し、好適なダイは、「フレックスリップ(flex-lip)」ダイ間隔調整を有する単一温度領域の平らなダイである。ダイ間隔は、0.5mm(0.020インチ)未満に典型的に調節され、それぞれの部分は、ウェブ全体に均一な厚さを提供するように調節される。生成要件が必要とする通りに任意のサイズのダイを使用することができるが、25〜35cm(10〜14インチ)のダイが好適であると分かっている。チルロールは典型的には水冷される。エッジピンニングが通常使用され、場合によりエアーナイフが採用されてもよい。
一部の共押出成形フィルムについて、粘着性の親水性材料をチルロール上に配置することは必要であり得る。この構成が粘着性材料をチルロール上に置くものである場合、粘着性材料がロールに接触するのを最小限にするために、剥離紙がダイとチルロールとの間に供給され得る。しかしながら、好ましい構成は、チルロールから離れている側に粘着性材料を押し出すものである。この構成は通常、材料がチルロール上に固着するのを回避する。チルロールの上に配置される追加のストリッピングロールも粘着性材料の除去を補助することができ、またフィルムを冷却するのを補助するためにチルロール上に追加の滞留時間を提供することができる。
場合により、粘着性材料は、下流のロールに固着し得る。この問題は、影響されたロール上に低表面エネルギー(例えば、Teflon(登録商標))スリーブを配置すること、もたらされたロール上にTeflon(登録商標)テープを巻きつけること、又はもたらされたロールの前に剥離紙を供給することのいずれかによって最小化され得る。最後に、粘着性材料が巻取ロール上のそれ自体に対してブロックし得るように見える場合には、剥離紙が巻取の直前に加えられ得る。これは、巻取ロール上での保存中にフィルムのブロックを防止する標準的方法である。加工助剤、剥離剤又は混入物は最小化すべきである。場合により、これらの添加剤は、表面に対してブルームを引き起こし、親水性表面の表面エネルギーを低減し(接触角を上昇させ)得る。
本明細書に開示されている多層フィルムを作製する別の方法は、個別の層のうちの1つに好適な材料を含むウェブを押出成形することである。平らなフィルムを形成するための当該技術分野において既知の押出成形方法が好適である。ここで、このようなウェブは、下記の方法を用いて流体浸透性ウェブに形成するのに好適な多層フィルムを形成するために、積層されてもよい。認識されているように、多層フィルムを形成するためにウェブを接合するのに、ホットメルト接着剤といった好適な材料を使用することができる。好ましい接着剤は、直鎖スチレンイソプレンスチレン(「SIS」)ホットメルト接着剤のような感圧性ホットメルト接着剤であるが、ポリアミドのポリエステル粉末接着剤のような他の接着剤、ポリエステル、ポリアミド又は低残存モノマーポリウレタンのような相溶剤と一緒のホットメルト接着剤、他のホットメルト接着剤、又は他の感圧性接着剤が本発明の多層フィルムの作製に利用されることも考えられる。
本明細書に記載されているフィルムを作製する別の代替的方法では、ベース又はキャリアウェブを別々に押し出すことができ、1つ以上の層は、押出コーティングプロセスを用いて、その上に押し出して、フィルムを形成することができる。望ましくは、キャリアウェブは、25マイクロメートル未満の厚さを有する非常に薄いフィルムを形成するように押出成形機の速度と調和された速度で、押出ダイの下を通過する。溶融ポリマーとキャリアウェブは、溶融ポリマーが冷却しキャリアウェブと結合するにつれて、密着するようになる。
上記のように、連結層は、層間の結合を増強し得る。接触及び結合はまた通常、2本のロールの間で形成されるニップに層を通過させることにより、増強される。結合は、フィルムに接触するためのキャリアウェブの表面を、当該技術分野において既知であり、Modern Plastics Encyclopedia Handbook,p.236(1994)に記載されているコロナ処理のような表面処理にかけることにより、更に増強され得る。
単分子層フィルム層が、管状フィルム(すなわち、吹き込みフィルム技術)又は平らなダイ(すなわち、キャストフィルム)を介して生成される場合(K.R.Osborn及びW.A.Jenkinsによって「Plastic Films,Technology and Packaging Applications」(Technomic Publishing Co.,Inc.(1992))に記載される通り)、このフィルムは、他の包装材料層に対する接着性又は押出積層の追加の後押出工程を経て、多層フィルムを形成することができる。フィルムが2つ以上の層の共押出成形物である場合、フィルムは、最終フィルムの他の物理的要件に依存して依然として包装材料の追加の層に積層することができる。D.Dumbleton(Converting Magazine(September 1992)による「Laminations Vs.Coextrusion」も、積層対共押出を説明している。本明細書で想到されるフィルムはまた、二軸配向プロセスのような他の押出成形後の技法を施すことができる。
流体透過性ウェブ
本明細書に開示されているフィルムは、吸収性物品においてトップシートとしての使用に好適な流体透過性ウェブに形成することができる。下記の通り、流体浸透性ウェブは、本明細書に開示されるフィルムを巨視的に拡大することによって、望ましくは形成される。流体透過性ウェブは、複数のマクロ細孔、ミクロ細孔又はこれらの両方を含有する。マクロ細孔及び/又はミクロ細孔は、流体透過性ウェブに、当該技術分野において既知の(例えば、多数のピンを備えたロールを用いる)エンボス加工又は穿孔といった方法により孔を開けられたウェブよりも消費者にとって好ましい繊維状又は布状の外観を与える。当業者であれば、フィルムに孔を開けるこのような方法もまた本明細書に開示されているフィルムに孔を開けるのに有用であることを認識するであろう。流体透過性ウェブは本明細書では吸収性物品における使用のためのトップシートとして記載されているが、当業者であれば、これらのウェブが、包帯、農業用カバー、表面を通して流体の流れを管理することが望ましい同様の用途といった他の用途を有することが理解されよう。
マクロ及びミクロ細孔は、望ましくはフィルムの対向する表面に隣接して真空を適用しながら、水などから構成される高圧流体噴流を、フィルムの1つの表面に対して適用することによって形成される。一般に、フィルムは、対向する表面を有する成形構造の1つの表面上に支持される。成形構造は、それを通る多数の孔が設けられており、その孔が、対向する表面を互いに流体連通した状態にする。成形構造は固定式又は移動式であり得るが、代表的な実行例は、連続性プロセスの一部としてこの成形構造を使用するが、フィルムは1つの移動方向を有し、成形構造はフィルムを支持しながらその移動方向にフィルムを運ぶ。流体噴流及び望ましくは真空は、協働してフィルムの厚さ全体にわたる液圧差を提供し、フィルムを成形構造に整合するように促し、成形構造内の細孔と一致する領域において破裂させる。
フィルムは、順々に2つの成形構造の上を通過する。多数の微細なスケールの孔を設けられた第1成形構造が上記の液圧差に曝されると、フィルムのウェブにミクロ細孔が生じる。第2成形構造は、多数の巨視的断面孔により画定される巨視的三次元断面を呈する。第2液圧差に曝されると、フィルムは、微細なスケールの孔の一体性を実質的に維持しながら、第2成形構造にほぼ整合する。
開孔のこのような方法は、「ハイドロフォーメーション(hydroformation)」として既知であり、米国特許第4,609,518号、同第4,629,643号、同第4,637,819号、同第4,681,793号、同第4,695,422号、同第4,778,644号、同第4,839,216号、及び同第4,846,821号に極めて詳細に記載されており、これらの開示はそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
有孔ウェブはまた、バキュームフォーメーション(vacuum formation)などの方法により、並びに、穿孔などの機械的方法を用いて、形成することができる。バキュームフォーメーションは、米国特許第4,463,045号に開示されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。機械的方法の例は、米国特許第4,798,604号、同第4,780,352号、及び同第3,566,726号に開示されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
成形物品
本明細書に開示されている組成物は、成形又は押出成形物品に形成することができる。成形物品は、雌型により画定される形状にガスにより射出、圧縮、又は吹込されると形成される物体である。成形又は押出成形物品は、例えば、玩具のような中実物体、あるいは、例えば、ボトル、容器、タンポンアプリケータ、又は身体開口部の中に薬剤を挿入するためのアプリケータ、一回使用のための医療器具、手術用器具、又はこれらに類するものといった中空物体であり得る。成形物品及びこれらの調製プロセスは広く記載されており、例えば、米国特許第6,730,057号、並びに、米国特許出願公開第2009/0269527号に記載されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に開示されている組成物は、パーソナルケア製品、家庭用洗浄製品、及び洗濯洗剤製品といった容器物品を製造する、並びに、このような物品を包装するのに好適である。パーソナルケア製品には、化粧品、毛髪ケア、スキンケア及び口腔ケア製品、すなわち、シャンプー、石鹸、練り歯磨きが挙げられる。したがって、本明細書に記載の組成物を収容する容器又はボトルといった製品包装が更に本明細書で開示される。容器は、例えば、本体、キャップ、ノズル、ハンドルといった容器の1つ以上の要素、あるいは、例えば、本体とキャップといった全体としての容器を指すことができる。
更に、成形物品は、他のポリマー材料(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリメチルペンテン、これらの任意の組み合わせ又はこれらに類するもの)、充填剤(例えば、ガラス、タルク、炭酸カルシウム又はこれらに類するもの)、離型剤、難燃剤、導電剤、フィルム帯電防止剤、顔料、酸化防止剤、耐衝撃性改良剤、安定剤(例えば、紫外線吸収剤)、湿潤剤、染料、又はこれらの任意の組み合わせといった他の添加剤を含むことができる。成形物品の帯電防止剤としては、カチオン性、アニオン性、及び望ましくは非イオン性の作用剤が挙げられる。カチオン性作用剤としては、アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウムカチオンが挙げられ、アルキル基置換及び関連するアニオン(例えば、塩化物、メトサルフェート又は窒化物)を有する。想到されるアニオン性作用剤としては、アルキルスルホネートが挙げられる。非イオン性作用剤としては、ポリエチレングリコール、有機ステアレート、有機アミド、グリセロールモノステアレート(GMS)、アルキルジエタノールアミド、及びエトキシル化アミンが挙げられる。
成形物品の作製方法
本明細書に開示されている組成物の成形物品は、射出成形、吹込成形、圧縮成形、又はパイプ、チューブ、プロファイル若しくはケーブルの押出成形といった様々な技術を用いて調製することができる。
本明細書に開示される組成物の射出成形は、組成物が溶融するまで加熱され、次いで閉じた成形型内に押し込まれ、そこで形成され、最終的に冷却により凝固する、多工程プロセスである。組成物は、不必要な熱分解を最小化するために、180℃未満、より典型的には160℃未満の溶融温度で溶融加工される。射出成形において使用される機械の3つの一般的なタイプは、ラム式、射出を伴うスクリュー可塑化装置、及び往復スクリュー装置である(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.8,pp.102〜138,John Wiley and Sons,New York,1987(「EPSE−3」)を参照のこと)。
ラム式射出成型機は、シリンダー、スプレッダー、及びプランジャーから構成される。プランジャーは、溶融物を成形型の中に押し込む。第2段階射出を有するスクリュー可塑化装置は、可塑化装置、方向制御弁、スプレッダーなしのシリンダー、及びラムから構成される。スクリューによる射出後、ラムは、溶融物を成形型の中に押し込む。往復スクリュー射出機は、バレル及びスクリューから構成される。スクリューは回転して、材料を溶融及び混合し、その後、前に移動して溶融物を成形型に押し込む。
好適な射出成形機の例は、成形型と、ノズルと、複数の領域に別れたバレルと、を有するEngel Tiebarless ES 60 TL装置であり、バレルの各領域は、熱電対及び温度制御ユニットを備えている。射出成形機の領域は、前方、中心、及び後方領域と記載することができ、ペレットは、制御温度下で前方領域に導入される。射出成形機のノズル、成形型、及びバレル構成要素の温度は、組成物の溶融加工温度及び使用される成形型に従って変動し得るが、典型的には、以下の範囲内である:ノズル、120〜170℃;前方領域、100〜160℃、中心領域、100〜160℃;後方領域、60〜150℃;及び成形型、5〜50℃。他の典型的な加工条件としては、2100kPa〜13,790kPaの射出圧力、2800kPa〜11,030kPaの保持圧力、2秒〜15秒の保持時間、及び2cm/秒〜20cm/秒の射出速度が挙げられる。他の好適な射出成型機の例としては、Van Dorn Model 150−RS−8F、Battenfeld Model 1600及びEngel Model ES80が挙げられる。
圧縮成形は、開口型ダイの下半分に本明細書に開示されている組成物を一定量充填することを含む。ダイの上半分及び下半分は、圧力下で一緒にされ、その後、溶融した組成物はダイの形状に一致する。成形型は次に冷却されて、プラスチックを硬化させる。
吹込成形は、ボトル及び他の中空物体を製造するために使用される(EPSE−3を参照のこと)。このプロセスにおいて、パリソンとして知られる溶融組成物のチューブは、閉じた中空の成形型の中に押し出される。次に、パリソンは、気体により膨張され、成形型の壁に対して組成物を押し込む。続いて、冷却によりプラスチックを硬化する。次に成形型を開いて、物品を除去する。
吹込成形は、射出成形に比べて多くの利点を有する。使用される圧力は、射出成形よりもはるかに低い。吹込成形は、プラスチックと成形型表面との間で、0.17〜0.7MPa(25〜100psi)の圧力で典型的に達成することができる。比較すると、射出成形圧力は、69〜138MPa(10,000〜20,000psi)に達し得る(EPSE−3を参照のこと)。組成物が、成形型を容易に還流するには分子量が大き過ぎる場合、吹き込み成形が選択される技術である。高分子量ポリマーは、多くの場合、低分子量類似体よりも良好な特性を有し、例えば、高分子量材料は、環境応力亀裂に対してより大きな耐性を有する。(EPSE−3を参照のこと)。吹込成形では、製品に極度に薄い壁を作製することが可能である。これは、より少量の組成物が使用され、凝固時間がより短く、その結果、材料保全にかかるコストが少なく、処理量がより高いことを意味する。吹込成形の別の重要な特徴は、雌型のみを使用することから、パリソンノズルでの押出条件のわずかな変化でも壁厚を変えられることである(EPSE−3を参照のこと)。これは、その必要な壁厚が前もって予測できない構造において利点である。複数の厚さを有する物品の評価を行うことができ、要件に適合する最も薄い、したがって、最も軽くて最も安価である物品を使用できる。
押出成形は、パイプ、チューブ、ロッド、ケーブル、又は異形押出材といった押出成形物品を形成するために使用される。組成物は加熱チャンバーの中に送り込まれ、連続回転スクリューによりチャンバーの中を移動する。単軸又は二軸押出成形機は、プラスチック押出成形に通常使用される。組成物は可塑化され、パイプダイヘッドを通して搬送される。引取装置は、較正ダイ、真空タンク較正ユニット及び冷却ユニットを有する、較正及び冷却セクションを通るパイプを引き込む。剛性パイプは一定の長さに切断され、一方、可撓性パイプは巻き取られる。異形押出は、単一工程プロセスで行われ得る。押出成形手順は、Hensen,F.,Plastic Extrusion Technology,p 43〜100に更に記載されている。
タンポンアプリケータは、外側管状部材と内側管状部材又はプランジャーとを含むアプリケータをもたらす様々な成形又は押出成形技術を用いて、所望の形状又は構成に、成形又は押出成形される。外側管状部材及びプランジャーは、異なる成形又は押出成形技術により作製することができる。外側部材は、本明細書に開示される組成物から成形又は押出成形することができ、プランジャーは別の材料から成形又は押出成形することができる。
一般に、タンポンアプリケータの作製プロセスは、本明細書に開示されている組成物を混練機の中に充填することを包含し、組成物は溶融ブレンドされ、ペレットに加工される。その後、ペレットから、射出成形装置を用いて、タンポンアプリケータが構築される。射出成形プロセスは、典型的には、制御温度、時間、及び速度下で実行され、溶融組成物が成形型に射出され、冷却され、所望のプラスチック物体に成形されるように、溶融加工することを包含する。あるいは、組成物は、射出成形装置の中に直接充填することができ、溶融物は所望のタンポンアプリケータに成形することができる。
タンポンアプリケータの作製手順の一例は、組成物の溶融温度よりも高い温度にて組成物を押し出してロッドを形成し、ロッドを刻んでペレットにし、ペレットを所望のタンポンアプリケータの形状に射出成形することを包含する。
溶融ブレンド熱可塑性組成物に通常使用される混練機は、一般に、単軸押出成形機、二軸押出成形機、混練押出成形機である。本明細書における使用に好適な市販の押出成形機の例としては、Black−Clawson単軸押出機、Werner and Pfleiderer共回転2軸押出機、HAAKE(登録商標)Polylab System逆回転2軸押出機、及びBuss混練押出成形機が挙げられる。ポリマー混練及び押出成形の一般的な説明は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,Vol.6,pp.571〜631,1986及びVol.11,pp.262〜285,1988(John Wiley and Sons,New York)に開示されている。
タンポンアプリケータは、その包装材が汚れ耐性であり、乾燥廃棄物と共に使い捨て可能であるならば、任意の好適な包装材の中にパッケージ化することができる。廃棄物について環境に対して懸念が最小限しか又は全く生じない生分解性材料から作製された包装材が想到される。タンポンアプリケータはまた、紙、不織布、セルロース、熱可塑性材料又は任意の他の好適な材料又はこれらの材料の組み合わせから作製された包装材の中にパッケージ化できることが想到される。
成形物品が作製される方法に拠らず、プロセスは、アニーリングサイクルを包含する。アニーリングサイクル時間は、保持時間+成形物品作製のプロセスの冷却時間である。特定の成形型について加工条件が実質的に最適化されるものとして、アニーリングサイクル時間は、組成物に応じる。実質的に最適化される加工条件は、成形装置の領域、ノズル、及び成形型の温度設定、ショットサイズ、射出圧力、及び保持圧力である。本明細書で提供されるアニーリングサイクル時間は、本明細書に開示されている組成物から成形又は押出成形物品を形成するためのアニーリングサイクル時間よりも少なくとも10秒短い。本明細書において提供される、Engel Tiebarless ES 60 TL射出成形機を使用して作製される、12.7mm(1/2インチ)長さ(L)×3.175mm(1/8インチ)幅(W)×1.5875mm(1/16インチ)高さ(H)の寸法を有する犬の骨状の引張り試験片は、本明細書におけるアニーリングサイクル時間を測定するための代表的な成形又は押出物品としての標準物品を提供する。
保持時間は、最初の材料射出後に一部が保持圧力下に保持されている時間の長さである。その結果は、成形又は押出物品の表面から20cmの距離で、(20−20の視力を有し、視覚的欠陥を有さない人の)裸眼により、気泡及び/又はひけマーク、望ましくはその両方が、外面、望ましくは外面及び内面(該当する場合)の両方の上で視覚的に観察不可能であることである。これは、部分の正確さ及び表面の質を確かめるためのものである。成形型設計により縮みが考慮される。しかしながら、1.5%〜5%、1.0%〜2.5%、又は1.2%〜2.0%の縮みが生じ得る。より短い保持時間は、部分が上記の視覚的試験を通過しなくなるまで、成形型の形状及び構造に一致しなくなるまで、完全に充填されなくなるまで、又は過剰な縮みを呈するまで、保持時間を低減することにより判定される。このような事象が生じる時間に先行する時間の長さを次に、より短い保持時間として記録する。
冷却時間は、部分が成形型において凝固し、成形型から容易に射出されるようになる時間である。成形型は少なくとも2つの部分を含み、それにより、成形物品は容易に除去される。除去のために、成形型は2つの部分の分割線にて開く。最終成形部分は、開いた成形型から手で除去することができ、又は、成形型が開くと射出システムにより人の介在なしに自動的に押し出すことができる。部分形状に依存して、このような射出機は、ピン又はリングから構成され得、これらは成形型に埋め込まれており、成形型が開くと前方に押し出すことができる。例えば、成形型は、成形型部分の射出を機械的に補助する標準ダイアル型又は機械的ロッド型射手ピンを含有することができる。好適なサイズのロッド型射出ピンは、3.175mm(1/8”)及びこれに類するものである。より短い冷却時間は、部分が成形型に引っかかるようになり、容易にパッと飛び出さないことができなくなるまで、冷却時間を短縮することにより、判定される。次に、部分が引っかかるようになる時間に先行する時間の長さは、より短い冷却時間として記録される。
組成物の熱分解を回避するために十分に低く、かつ形成のための組成物の自由な流動を可能にするために十分に高く設定される加工温度が使用される。組成物は、熱分解を最小化するために、180℃未満、又はより典型的には160℃未満の溶融温度で溶融加工される。一般に、ポリマーは、一定の時間にわたって溶融した後に溶融温度よりも高い温度に曝露されると熱分解し得る。本開示を考慮すれば当業者により理解されるように、熱分解を生じるのに必要とされる具体的な時間は、具体的な組成物、溶融温度(Tm)を超える時間の長さ、及びTmよりも高い温度の値に依存する。温度は、熱分解のリスクを最小化するために、溶融したポリマーの自由な流動を可能にすべく、合理的に実施可能な程度に低いものであり得る。押出成形中、押出成形機における高せん断は、設定温度よりも高く押出成形機における温度を上昇させる。したがって、設定温度は、材料の溶融温度よりも低くなり得る。低い加工温度はまた、サイクル時間の短縮に役立つ。例えば、限定するものではないが、射出成形機のノズル及びバレル構成要素の設定温度は、ポリマー材料の溶融加工温度及び使用される成形型のタイプに従って変動し得、Tmの20℃下からTmの30℃上までであり得るが、典型的には以下の範囲内である:ノズル、120〜170℃;前方領域、100〜160℃;中心領域、100〜160℃;領域、60〜160℃。射出成型機の設定成形型温度も、組成物のタイプ及び使用される成形型のタイプに依存する。成形型温度が高いほど、ポリマーの結晶化の迅速化を助け、サイクル時間を短縮する。しかしながら、成形型温度が高過ぎると、部分は、変形した成形型から外に出て来得る。成形型温度の非限定例としては、5〜60℃又は25〜50℃が挙げられる。
成形射出速度は、組成物の流量に依存する。より高い流量、より低い粘度、より低い速度が射出成形には必要とされる。射出速度は5cm/秒〜20cm/秒の範囲であり得、1つの実行例において射出速度は10cm/秒である。粘度が高いと、射出速度は増大し、その結果、押出成形機の圧力は溶融材料を成形型の中に押し出して、成形型を充填する。射出成形圧力は、加工温度及びショットサイズに依存する。自由な流動は、14Mpa以下の射出圧力測定値に依存する。
様々な実施形態において、以下の米国特許出願のいずれかに記載の、いずれかの成形プロセスにおいて、本明細書に開示される組成物のうちのいずれかを使用してもよい:「Apparatus and Method for Injection Molding at Low Constant Pressure」と題す2012年5月21日出願の第13/476,045号(P&G事例番号12127として)、「Alternative Pressure Control for a Low Constant Pressure Injection Molding Apparatus」と題す2012年5月21日出願の第13/476,047号(P&G事例番号12128として)、「Injection Mold Having a Simplified Cooling System」と題す2012年2月24日出願の第61/602,781号(P&G事例番号12129Pとして)、「Non−Naturally Balanced Feed System for an Injection Molding Apparatus」と題す2012年5月21日出願の第13/476,073号(P&G事例番号12130として)、「Method for Injection Molding at Low,Substantially Constant Pressure」と題す2012年5月21日出願の第13/476,197号(P&G事例番号12131Qとして)、「Method for Injection Molding at Low,Substantially Constant Pressure」と題す2012年5月21日出願の第13/476,178号(P&G事例番号12132Qとして)、「High Thermal Conductivity Co−Injection Molding System」と題す2012年2月24日出願の第61/602,650号(P&G事例番号12361Pとして)、「Injection Mold Having a Simplified Evaporative Cooling System or a Simplified Cooling System with Exotic Cooling Fluids」と題す2012年8月31日出願の第13/601,359号(P&G事例番号12453として)、「Method and Apparatus for Substantially Constant Pressure Injection Molding of Thinwall Parts」と題す2012年5月21日出願の第13/476,584号(P&G事例番号12487として)、及び「Injection Mold With Fail Safe Pressure Mechanism」と題す2012年11月8日出願の第13/672,246号(P&G事例番号12487として)(これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。
組成物の特性
本明細書に開示される組成物は、既知の熱可塑性組成物に勝る利点を提供する、以下の特性のうちの1つ以上を有し得る。これらの利点は、単独で又は組み合わせて存在し得る。
非移染:ポリマー−HL組成物から作製される熱可塑性物品(例えば、繊維、フィルム、成形物品)は非移染性である。HL独特の化学構造は、強い分子間の水素結合の形成を可能にし、これは熱可塑性物質の表面へのHLの移染を防止する。本ポリマー−HL組成物から作製される、それを含む、又はそれから本質的になる熱可塑性物品(例えば、繊維、フィルム、成形物品)は、50℃にて30分において、0〜300%、0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて60分において、0〜300%、0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、50℃にて90分において、0〜300%、0〜200%、又は0〜100%、又は0〜80%、又は0〜60%、又は0〜50%、又は0〜40%、又は0〜30%、又は0〜25%、又は0〜15%、又は0〜10%、又は0〜5%、又は0〜2%の移染値と、を有する。
ずり粘度低減:熱可塑性ポリマー、例えば、Braskem CP−360HへのHLの添加は、熱可塑性ポリマーの粘度を低減する。粘度の低減は、プロセス圧力を減らすこと(より低いずり粘度)により、効果的に高いポリマー流速を可能にできるので、あるいは、材料強度を改善するポリマー分子量の増加を可能にできるので、プロセス改善である。HLの存在なしでは、既存の加工条件にて、好適な手段で、高いポリマー流速でポリマーを加工することが不可能なことがある。
持続可能な内容物:既存のポリマーシステムへの持続可能な材料の包含は、強く望まれる特性である。自然の成長周期によって毎年交換できる材料は、全体的な環境への影響を低下させることに寄与し、所望される。例えば、熱可塑性HL組成物は、熱可塑性HL組成物の総重量に基づき、50%超、又は80〜100%の生物系材料を含み得る。
着色:ポリマーへの顔料添加は、ポリマーマトリックス中の粒子である高価な無機化合物の使用を伴うことが多い。これらの粒子は、多くの場合大きく、組成物の加工を干渉することがある。本明細書に開示されるHLを使用すると、熱可塑性ポリマー全体にわたる微細な分散(液滴径により測定される)及び均一な分布のため、従来のインク化合物を介するような色合いが可能になる。大豆インクは、刊行物に広く使用されており、加工性に影響しない。
芳香剤:HLは、例えば、ベース熱可塑性ポリマーよりもはるかに優先的に香料を含有できるため、本組成物を使用して、最終使用に有益である芳香を含有することができる。
表面の感触:HLの存在は、HLなしの熱可塑性ポリマー組成物と比較して、組成物の表面特性を変更することができ、感触をより柔軟にすることができる。
形態:組成物の生成において生成される形態を介して利益がもたらされる。強力混合及び迅速結晶化の組み合わせによって、その形態がもたらされる。強力混合は、用いた混合プロセスによってもたらされ、迅速結晶化は、用いた冷却プロセスによってもたらされる。高強度混合が所望され、迅速結晶化を用いて、微細孔径と比較的一様な孔径分布とが保持される。図2は、10μm未満、5μm未満、又は1μm未満の小さな孔径を有する、Braskem CP−360H内のステアリン酸マグネシウムを示す。
材料:
ポリマー:この作業に使用した主要なポリマーは、ポリプロピレン(PP)系であったが、他のポリマーを使用してもよい(例えば、全てが試験されたわけではないが、可能であるポリマーの包括的リストを提供する、米国特許第6,783,854号を参照のこと)。評価された具体的なポリマーは、以下のものであった:
・Lyondell−Basell Profax SR549M浄化ランダムコポリマーポリプロピレン
・Braskem FT200WV成核ホモポリマーポリプロピレン
脂質:使用した具体的な脂質は以下の通りであった:
・Stratas Foods提供の水素化大豆油(「HSBO」)
・Alnoroil Company,Inc.提供の水素化ヒマシ油(「HCO」)
・Procter & Gambleの社内製造によるヒドロキシル化大豆油(「HySBO」)。
HySBOの合成
部分A:アルデヒドを含有する大豆油由来のポリ−分枝状ポリ−オレフィンの合成
装置:この作業に使用した反応器は、T316ステンレス鋼で構築されたモデル番号4563のParr 600ml反応器であった。これは、撹拌のために空気圧モーターを使用する磁気駆動撹拌アセンブリを有する。撹拌シャフトは、それぞれ直径3.51cm(1.38”)である4枚のブレードを有する、それぞれピッチのある2つのブレード羽根車を有する。
手順:0.47リットル(16オンス)の、蓋がぴったり閉まるフレンチ(French)角瓶に、5.0グラムのトリフェニルホスフィン(「TPP」、CAS番号603−35−0)、続いて150グラムの高オレイン酸大豆油を添加した。これを、85〜90℃にて、2時間にわたり加熱してTPPを溶解し、次に室温まで冷却した。この混合物を、窒素スパージを使用して空気を排除し、5.0グラムのカルボニルヒドリドトリス(トリフェニル−ホスフィン)−ロジウム(I)(CAS番号:17185−29−4)に添加した。この混合物を、窒素で更にスパージし、次に勢いよく振盪して、触媒を分散させた。この組み合わせた混合物を、次に真空を使用して反応器内に引き込み、続いて100グラムの大豆油を追加した。この反応器から、真空及び窒素サイクルを使用して空気をパージし、次に2:1の一酸化炭素:水素の混合物で、3.8〜3.9MPa(550〜570psig)の初期圧力に充填した。この反応器を、450〜600rpmの撹拌(全体にわたり使用)と共に100℃まで加熱し、圧力を5.2〜5.5MPa(750〜800psig)に調節し、次に1:1の一酸化炭素:水素の混合物に切り替えた。この反応物を、合計18.6時間の反応時間にわたり撹拌及び加熱させ、次に室温まで冷却した。一酸化炭素:水素の混合物を排出し、間欠的に撹拌しながら真空及び窒素サイクルを使用して、残留の一酸化炭素を除去した。最終生成物を反応器から排出した。1000mlの丸底フラスコ内に、油(242g)、続いてメタノール(500ml)を配置し、15分にわたり勢いよく撹拌した。この混合物を分液漏斗に加え、45分間静置した。底部の油層をメタノールから分離させた。油の抽出をもう2回繰り返し、第3の抽出後、クロロホルム(200ml)をこの油に添加し、溶媒を真空で除去した。この油(156g)を、2リットルの丸底フラスコ内でヘキサン(500ml)と混合した。混合したら、シリカゲル(260g)を添加した。溶媒を真空で除去し、シリカゲル上に油を堆積させた。シリカゲル(400グラム)を、直径16cmのクロマトグラフィーカラム内に湿布(ヘキサン)した。およそ500mlのヘキサンをシリカ上に置き、その上に油が堆積されたシリカを緩徐に添加した。これを、カラム内の過剰なヘキサンに加え、更に1500mlのヘキサン、続いてヘキサン(650ml)中15%のエチルアセテート、ヘキサン(650ml)中20%のエチルアセテート、そして最後に、ヘキサン(650ml)中30%のエチルアセテートで溶出させた。8つの500mlの留分を収集し、留分4及び5を組み合わせて93.5gの所望の材料を得た。
部分B:アルデヒドを含有する大豆油由来のポリ−分枝状ポリ−オレフィンの、大豆油由来のポリ−分枝状アルコールへの還元
装置:この作業に使用した反応器は、T316ステンレス鋼で構築されたモデル番号4563のParr 600ml反応器であった。これは、撹拌のために空気圧モーターを使用する磁気駆動撹拌アセンブリを有する。撹拌シャフトは、それぞれ直径3.51cm(1.38”)である4枚のブレードを有する、それぞれピッチのある2つのブレード羽根車を有する。
手順:245.1グラムのヒドロホルミル化高オレイン酸大豆油を、シリカ触媒(BASF Ni−5249P)上で12.3グラムのニッケルと組み合わせた。この混合物を振盪して、触媒をスラリーにし、次に真空を使用して反応器内に引き込んだ。この反応器から真空及び窒素サイクルを使用して空気をパージし、次に、450〜600rpmの撹拌(全体にわたり使用)と共に、水素で3〜4MPa(500〜600psig)に充填した。この反応物を加熱し、次に100〜105℃にて18時間にわたり流れさせた。この混合物を冷却し、反応器から排出した。ヒートテープを巻き、濾過の間75℃に加熱した金属加圧フィルタを使用する濾過によって、シリカ触媒上のニッケルを除去した。濾過した材料をクロロホルム(200ml)中に溶解し、ガラスミクロ繊維フィルタを通して濾過した。溶媒を真空で除去し、粘性油(202g)として所望の材料を得た。
組成物の混練:
実施例1〜3については、標準混合及び運搬要素をそれぞれ有する2つの30mmの汎用スクリューを備える、Werner and Pfleiderer ZSK 30共回転2軸押出機を使用して、ポリマー及びワックスの組成物の溶融ブレンドを達成した。実施例4については、汎用スクリュー及び単一のホールダイを備える、Prism TSE−16TC2軸押出機を使用して、ポリマー及びワックスの組成物の溶融ブレンドを達成した。ポリマーペレット及びワックス粉末を、重量測定フィーダを使用して押出成形機内に計り入れた。その配合物及び対応する加工条件を表1に示す。
Figure 2015536377
試験試料の射出成形:
ASTM D3641の原理に従ってサンプル試料の射出成形を実行した。表面ゲート付き多目的ASTM A 528540成形型を備える、Engelの60トンの射出成形機で、サンプルを形作り、以下の寸法を有する試料を生成した:半径31.25mm及び厚さ1.0mmのディスクと、厚さ1.5mm、ゲージ3.0mm、及びゲージ長125.5mmのタイプV試料と、厚さ3.0mm、幅12.5mm、及び長さ125.5mmの長方形試料。成形型を18℃(65°F)に平衡化することができる閉回路水冷器で、成形型を冷却した。典型的な射出成形条件を、表に明記する:
Figure 2015536377
成形物品サンプルのリストを表3に示す。全てのワックス複合体を、ワックスが10重量%の最終濃度になるように配合した。実施例5については、20重量%のHSBOを含有する混練ペレットを、適量の未使用のPP SR549Mポリプロピレンと乾燥ブレンドし、10重量%のHSBOの最終成形部分濃度を得た。実施例6及び8については、10重量%のHCOを含有する混練ペレットを一切の希釈なしで使用し、10重量%のHCOの最終成形部分濃度を得た。
Figure 2015536377
アイゾット衝撃強度の判定:
ASTM D256の原理に従ってノッチ付きアイゾット衝撃強度を判定した。上述の方法によって組成物を長方形試料に射出成形した。厚さ3mm、幅12.5mm、長さ125.5mmの長方形試料を、帯のこを使用して63.5mmの最終の長さに切り取った。TMIモデル番号22−05−03−001のノッチカッターを使用して、試料の幅方向にノッチを切り込んだ(TMIノッチブレード、モデル番号22−05−01−015−02)。調製した試料を、TMIモデル番号43−02−01−0001のデジタル振子ユニットで、室温(約23℃)で試験した。アイゾット衝撃の結果を表3に要約する。
引張り特性の判定:
ASTM D638の原理に従って引張り特性を判定した。上述の方法によって組成物をASTMタイプV試料に射出成形した。調製した試料を、Instronモデル番号61619 500Nのロードセルを備えるInstronモデル番号1122で試験した。0.8mm/秒のクロスヘッド速度を、全ての実験に使用した。引張り係数の結果を表3に要約する。
表面ワックス移染運動学の判定:
射出成形したディスク試料の表面上のワックス濃度の変化を測定することによって、ワックス移染/表面ブルーム運動学を、時間及び温度の関数として判定した。減衰全反射(ATR)フーリエ変換赤外分光法(FTIR)を使用して、ワックス濃度の変化を測定した。炭素−酸素の二重結合のIR吸収(1735〜1750cm−1の特性吸収)を使用して、成形物品の表面上のHSBO及びHCO濃度の変化を定量化した。カルボニル二重結合はHSBO及びHCO(両化合物のエステル基内)にのみ見られ、ポリプロピレンには見られないことに留意されたい。
ASTMディスク試料を、試験に先だって、室温(およそ25℃)にて、少なくとも48時間にわたり熟成させた。移染実験のために、ATRステージを備えるNicolet Nexus 870 FTIRスペクトロメーターを使用して、初期吸収スペクトルを取得した。次に、50℃に設定した従来の実験室用オーブン内にサンプルを配置した。次に、特定の時間間隔でオーブンからサンプルを除去した。オーブンから除去した後、サンプルを室温にておよそ10分にわたり平衡化し、その後、FTIR吸収スペクトルを取得した。FTIRスペクトルを取得した後、次の時間間隔までサンプルをオーブン内に戻した。最大時間間隔に達するまでこのプロセスを繰り返した。それぞれのサンプル上の全く同じ位置を1回以上測定しないように注意したことに留意されたい。
本発明及び比較組成物のデータ例を表4に示す。同じデータの図表を図2に示す。
Figure 2015536377
表5は、3つのサンプルのそれぞれについて、0時間と比較して30、60、及び90分における吸収度のパーセント変化として表4に提示されるデータを記載する。表5に見られるように、経時的な吸収度、ひいては経験される移染の量の変化は、2つのHCOサンプルのいずれに対するものよりも、HSBOサンプルに対する各時間間隔において著しく大きい。これは、HSBOサンプルが著しい移染を経験することを実証する。
Figure 2015536377
試験試料A〜Dの射出成形:
制汗剤パッケージのバレル(例えば、外側ハウジング)の試験試料を生成するための成形型を備える、Engelの181,437kg(200トン)の射出成形機(30mmのスクリューを有する)で成形した、100%のBasell Profax SR549M(11溶融流れ速度のチーグラー・ナッタ浄化エチレン及びプロピレンのランダムコポリマー)で、10個の試験試料Aを作製した。成形型を特定の温度に平衡化することができる閉回路水冷器で、成形型を冷却した。試験試料Aについては、従来のプロトコルによって決定される加工条件(これらの条件は表6に明記する)を使用して、標準水力制御システムで射出成形機を制御した。射出成形機のノズルに圧力トランスデューサを備えた。
Figure 2015536377
制汗剤パッケージのバレル(例えば、外側ハウジング)の試験試料を生成するための成形型を備える、Engelの181,437kg(200トン)の射出成形機(30mmのスクリューを有する)で成形した、100%のBasell Profax SR549M(11溶融流れ速度のチーグラー・ナッタ浄化エチレン及びプロピレンのランダムコポリマー)で、10個の試験試料Bを作製した。成形型を特定の温度に平衡化することができる閉回路水冷器で、成形型を冷却した。試験試料Bについては、修正された成形プロトコルによって決定される加工条件(これらの条件は表7に明記する)を使用して、低く実質的に一定の溶融圧力を提供するように設計された成形制御システムで射出成形機を制御した。修正された成形プロトコルに従って、溶融圧力を、良好な部分を作製する(部分重量の仕様を満たす)最低圧力[0.7MPa(100psi)の増加量における]に設定する。射出成形機のノズルに圧力トランスデューサを備えた。
Figure 2015536377
制汗剤パッケージのバレル(例えば、外側ハウジング)の試験試料を生成するための成形型を備える、Engelの181,437kg(200トン)の射出成形機(30mmのスクリューを有する)で成形した、90%(質量で)のBasell Profax SR549M(11溶融流れ速度のチーグラー・ナッタ浄化エチレン及びプロピレンのランダムコポリマー)並びにAlnoroil Company,Inc.(Valley Stream,NY)製の10%(質量で)の水素化ヒマシ油で、10個の試験試料Cを作製した。成形型を特定の温度に平衡化することができる閉回路水冷器で、成形型を冷却した。試験試料Cについては、試料Aで使用したものと同じ従来のプロトコルによって決定される加工条件(これらの条件は表8に明記する)を使用して、標準水力制御システムで射出成形機を制御した。射出成形機のノズルに圧力トランスデューサを備えた。
Figure 2015536377
制汗剤パッケージのバレル(例えば、外側ハウジング)の試験試料を生成するための成形型を備える、Engelの181,437kg(200トン)の射出成形機(30mmのスクリューを有する)で成形した、90%(質量で)のBasell Profax SR549M(11溶融流れ速度のチーグラー・ナッタ浄化エチレン及びプロピレンのランダムコポリマー)並びにAlnoroil Company,Inc.(Valley Stream,NY)製の10%(質量で)の水素化ヒマシ油で、10個の試験試料、Dを作製した。成形型を特定の温度に平衡化することができる閉回路水冷器で、成形型を冷却した。試験試料Dについては、試料Bで使用したものと同じ修正された成形プロトコルによって決定される加工条件(これらの条件は表9に明記する)を使用して、低く実質的に一定の溶融圧力を提供するように設計された成形制御システムで射出成形機を制御した。射出成形機のノズルに圧力トランスデューサを備えた。
Figure 2015536377
試験試料A〜Dのピーク溶融圧力:
10(10)個の試験試料A〜Dのサンプルについて、実際のピーク溶融圧力を測定し、A〜Dの平均を図3に報告した。試験試料Aは、43.57MPa(6320psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料Bは、39.13MPa(5675psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料Cは、34.95MPa(5069psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料Dは、27.45MPa(3981psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。
このように、試験試料A〜Dで示される通り、熱可塑性ポリマーへのHCOの添加は、熱可塑性ポリマーの粘度を低減し、それが今度は平均ピーク溶融圧力を低減する。試験サンプルA及びCは両方とも、同じ従来のプロトコルを使用して構成された同じ標準水力制御システムの使用を通じて作られたが、これらの試験サンプルは、Aについては43.57MPa(6320psi)から、Cについては34.95MPa(5069psi)までの平均ピーク溶融圧力の低減を示し、これは20%の低減である。試験サンプルB及びDは両方とも、同じ修正された成形プロトコルを使用して構成された同じ成形制御システムの使用を通じて作られたが、これらの試験サンプルは、Bについては39.13MPa(5675psi)から、Dについては27.45MPa(3981psi)までの平均ピーク溶融圧力の低減を示し、これは30%の低減である。
この低減された圧力は、異なるプロセス及び装置(例えば、アルミニウム成形型)の使用、及び/又は部分を作るために使用される熱可塑性ポリマーの分子量の増加を可能にすることができるが、これは、例えば、材料強度などのそれらの特性を改善することができる。
試験試料E1〜F2の射出成形:
100%のBasell Profax SR549M(試料Aについて上述した通り)で、E1及びE2のそれぞれ10個の試験試料を作製した。両方とも90%(質量で)のE1及びE2のポリマー、並びに10%(質量で)のポリエチレン製の加工補助添加剤(SWISSGEL(of Schlieren,Switzerland)提供のACCELOTHENE)で、F1及びF2のそれぞれ10個の試験試料を作製した。
上述の通り試料Aで使用したものと同じ装置、設定、部分タイプ、並びに従来のプロトコルを用い、射出成形機で試験試料E1及びF1を成形した。上述の通り試料Bで使用したものと同じ装置、設定、部分タイプ、並びに低く実質的に一定の溶融圧力条件を用い、射出成形機で試験試料E2及びF2を成形した。
試験試料E1〜F2のピーク溶融圧力:
試験試料E1〜F2それぞれの10(10)個のサンプルについて、実際のピーク溶融圧力を測定し、E1〜F2の平均を図4に報告した。試験試料E1は、44.19MPa(6409psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料E2は、39.86MPa(5781psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料F1は、37.22MPa(5398psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。試験試料F2は、32.26MPa(4676psi)の平均ピーク溶融圧力を有した。
このように、これらの試験試料で示される通り、F1及びF2において、E1及びE2における熱可塑性ポリマーへの加工助剤の添加はまた、熱可塑性ポリマーの粘度を低減し、それが今度は平均ピーク溶融圧力を低減する。F1をE1と比較すると、約16%の平均ピーク溶融圧力の低減が見られる。F2をE2と比較すると、約19%の平均ピーク溶融圧力の低減が見られる。
この低減された圧力は、異なるプロセス及び装置(例えば、アルミニウム成形型)の使用、及び/又は部分を作るために使用される熱可塑性ポリマーの分子量の増加を可能にすることができるが、これは、例えば、材料強度などのそれらの特性を改善することができる。
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
相互参照されるか又は関連する、いかなる特許若しくは出願を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明確に除外ないしは限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (15)

  1. 射出成形機を操作する方法であって、
    型穴を画定する第1の成形型側及び第2の成形型側を有する射出成形機を準備する工程と、
    熱可塑性材料を準備する工程と、
    少なくとも1つの射出成形サイクルを通じて前記射出成形機を操作する工程であって、前記射出成形サイクルが、
    溶融形態の前記熱可塑性材料を前記型穴内に前進させる工程と、
    前記型穴を前記熱可塑性材料で実質的に充填する工程と、
    前記熱可塑性材料を冷却する工程と、
    前記第1の成形型側及び前記第2の成形型側を分離して前記冷却された熱可塑性材料を露出させる工程と、
    前記冷却された熱可塑性材料を前記型穴から除去する工程と、
    前記第1の成形型側及び前記第2の成形型側を閉じる工程と、を含む工程であり、
    前記熱可塑性材料を準備する工程が、ポリマー−ヒドロキシル化脂質組成物を準備する工程を含み、前記ポリマー−ヒドロキシル化脂質組成物が、
    (a)熱可塑性ポリマーと、
    (b)前記組成物の総重量に基づき、5〜50%のヒドロキシル化脂質と、
    の均質混加物を含み、
    前記ヒドロキシル化脂質が前記熱可塑性ポリマー内に分散されていて、前記ヒドロキシル化脂質が前記熱可塑性ポリマー内で10μm未満の液滴径を有するようになっていることを特徴とする、方法。
  2. 前記液滴径が5μm未満である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液滴径が1μm未満である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記液滴径が500nm未満である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記熱可塑性材料が、10〜50%の前記ヒドロキシル化脂質を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ヒドロキシル化脂質が、水素化ヒマシ油を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ヒドロキシル化脂質が、ヒドロキシル化パーム油を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ヒドロキシル化脂質が、ヒドロキシル化パーム核油を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ヒドロキシル化脂質が、ヒドロキシル化ココナッツ油を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記操作する工程が、69MPa(10,000psi)未満のピーク溶融圧力において操作する工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記操作する工程が、プラス又はマイナス7MPa(1000psi)の実質的に一定の圧力において操作する工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記操作する工程が、ピーク溶融圧力のプラス又はマイナス20パーセントである実質的に一定の圧力において操作する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記操作する工程が、ピーク溶融圧力のプラス又はマイナス10パーセントである実質的に一定の圧力において操作する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記射出成形機を準備する工程が、前記成形型側のうちの少なくとも1つが211kJ/時間m℃(30BTU/時間FT°F)以上の平均熱伝導度を有する前記射出成形機を準備する工程である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記射出成形機を準備する工程が、前記成形型側のうちの少なくとも1つがアルミニウム、ベリリウム、銅、及びこれらの任意の合金を含む群から選択される材料から作製される前記射出成形機を準備する工程である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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