JP2015535756A - 開口のパターンと複数の光捕捉微小ピットを有する開口付きで形成されるフィルム - Google Patents

Abstract

フィルムのランド上にランダムパターンにおいて均一に分布される光捕捉微小ピットの使用を通して光沢が低減した開口付きフィルムと、それを作製する方法。一実施形態において、開口付きフィルムは、開口のパターンと開口を包囲するランドとを備えている開口付きフィルム表面区域を備え、ランドは、ランド区域を備え、ランド区域は、光捕捉微小ピットおよび全反射区域の均一なランダムパターンを備え、光捕捉微小ピットは、開口部を備え、側壁が、開口部から底部に下降し、光捕捉微小ピットの開口部は、平均直径と、深度とを備え、深度は、タンジェント３７．５?によって除算される微小ピットの平均直径の半分より大きい。

Description

（関連出願の引用）
本願は、米国仮特許出願第６１／６９９，２０１号（２０１２年９月１０日出願）の利益を主張し、該出願の開示は、その全体が参照により本明細書に引用される。

（発明の分野）
本願は、複数の光捕捉微小ピットおよび開口を含む、特定の構造を有し、機械方向に低減した７５°の光沢をもたらす、ポリマーフィルムに関する。

プラスチックフィルム上側シートに対して布様感覚および光沢の低減を有する、生理用ナプキン、おりものシート、陰唇間デバイス、おむつ、トイレ・トレーニングおむつ、失禁用デバイス、創傷包帯等を含む吸収性デバイス等の使い捨て物品を構築することが、非常に望ましい。吸収性デバイスは、典型的には、ユーザの皮膚に対する上側シートと、上側シートの真下に配置される回収分配層のオプションと、上側シートと障壁層との間に添着された吸収性コアと、後側シートとも呼ばれる障壁層とから成る。吸収性デバイスは、任意の予測される接触点におけるユーザの皮膚に対する軟質の布様表面感覚を伴って向上されるとき、より望ましい。同様に、使用中の乾燥表面感覚を保持する、軟質の布様身体対面表面である上側シートを有することによって、吸収性デバイスは、改良された装着快適性を与え、吸収性デバイス内に吸収される湿気への長期暴露による、望ましくない皮膚条件の発生を最小化する。

巨視的に拡大された３次元の開口付きポリマーウェブから成る、上側シートは、望ましい流体輸送および流体保持特性を呈することが知られている。望ましい流体輸送特性は、上側シートが、尿または月経血等の流体を回収し、流体を吸収性物品内に通すことを可能にする。吸収性物品内に吸収されると、上側シートの流体保持特徴は、好ましくは、再湿潤、すなわち、上側シートを通した流体の逆流を防止する。

第Ｕ．Ｓ．４，４６３，０４５号（Ａｈｒ、他）（特許文献１）は、実質的に、非光沢の可視表面および布様触知印象を呈する、開口付きの巨視的に拡大された３次元ポリマーウェブについて論じている。Ａｈｒ、他は、入射光を拡散反射させ、それによって、光沢を低減させるために表面収差の規則的に離間されたパターンに関して満たされなければならない基準について教示している。光沢を排除するその進歩にもかかわらず、Ａｈｒ、他におけるウェブの表面収差の構造は、所望の柔軟性を欠いており、表面収差の規則的に離間されたパターンを確実に作製することにおいて製造上の困難点を呈し得る。

第ＵＳ４，３２７，７３０号（Ｓｏｒｅｎｓｅｎ）（特許文献２）は、プラスチックフィルム上側シートに対して、布様感覚および光沢の低減を提供するための複数の「小塊」について論じている。小塊は、約０．０００５インチ〜約０．０１１０インチ（０．０１２７ｍｍ〜約０．２７９ｍｍ）の断面直径を有する球状または扁球状断面として論じられている。

しかしながら、所望の柔軟性を維持しながら、上側シートとして使用されるポリマーウェブからの光沢の低減における改良は、依然として必要なままである。

米国特許第４４６３０４５号明細書 米国特許第４３２７７３０号明細書

開口のパターンおよび開口を包囲するランドを備えている開口付きフィルム表面区域を備えている開口付きフィルムであって、ランドは、ランド区域を備え、ランド区域は、光捕捉微小ピットおよび全反射区域の均一なランダムパターンを備え、光捕捉微小ピットは、開口部を備え、側壁が、開口部から底部に下降し、光捕捉微小ピットの開口部は、平均直径およびタンジェント７５°によって除算される微小ピットの平均直径を上回る深度を備えている、開口付きフィルム。

光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムを形成する方法であって、スクリーンと、光捕捉微小ピットを形成するためのローラ表面構造を備えているローラとの間の衝突点において、溶融ポリマーウェブを受け取ることと、溶融ポリマーウェブを光捕捉微小ピットを有するポリマーウェブを形成するローラ表面構造に接触させることによって、溶融ポリマーウェブ内に光捕捉微小ピットを形成することと、光捕捉微小ピットを有するポリマーウェブがスクリーンを通って延びるように、圧力差ゾーンの上を、光捕捉微小ピットを有するポリマーウェブを通過させることによって、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムを形成することとを含む、方法。

図１は、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムの一部の斜視拡大図である。 図２は、開光角度７５°を有する、光捕捉微小ピットの表現の断面拡大図である。

図３は、本明細書に説明されるフィルムの機械方向に、７５°光沢を低減させるための光捕捉微小ピットの直径の所望の縁間間隔のグラフ表現である。 図４は、本明細書に説明されるフィルムの機械方向に、７５°光沢を低減させるための形成スクリーンの所望のランド区域のグラフ表現である。 図５は、フィルム内の５０／７パターンの顕微鏡写真である。 図６は、フィルム内の比較実施例３５／７パターンの顕微鏡写真である。 図７は、フィルム内の比較実施例３５／１４パターンの顕微鏡写真である。 図８は、スクリーンの拡大部分を有する、スクリーンの正面図である。 図９は、図８のＡ−Ａにわたるスクリーンの実施形態の断面図である。 図１０は、図８のＡ−Ａにわたるスクリーンの実施形態の断面図である。 図１１は、吸収性デバイスの実施形態の平面図である。 図１２は、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムを形成するためのプロセスまたは方法の例示的実施形態を描写する。 図１３は、ローラおよびローラ表面の正面図である。 図１４は、ローラ表面のための材料の横断面図である。 図１５は、斜め裁断を示す、ローラ表面のための材料の横断面図である。 図１６は、図１５の材料の平面図である。

上側シートとして使い捨て物品内で使用される、開口付きで形成されたフィルムは、光沢がない場合、消費者によって最も良く受け入れられる。機械方向（ＭＤ−すなわち、フィルムの長さ）に測定される７５°光沢は、典型的には、この属性を決定するために使用される。６．５より小さい機械方向におけるフィルムの７５°光沢は、容認可能であるが、約１〜約３．５等の約３．５以下の光沢が、好ましい。フィルムの７５°光沢は、フィルムのいずれの側にもあり得るが、吸収性デバイスの身体対面側のために使用される一般平面が、低減された光沢を備えている。フィルムは、熱可塑性ポリオレフィン等のプラスチックまたはポリマーを備え得る。ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、または高密度ポリエチレンのうちの少なくとも１つを備え得る。

第ＵＳ４，４６３，０４５号は、ウェブの表面から略外向きに突出する突起またはウェブの表面から略内向きに突出するくぼみの表面収差の規則的に離間された巨視的パターンを介する、巨視的に拡大された３次元プラスチックウェブにおける鏡面反射の実質的排除について論じている。

フィルムの一般平面は、フィルムを作製するために使用される形成スクリーン表面の一次平面に関連する。規則的な巨視的パターンは、商業規模で確実に複製することが困難であることが分かっている。加えて、拡散反射率は、以下に説明されるもの等の非規則的パターンを用いて改良されると考えられる。

光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルム１０は、機械方向（ＭＤ）（ｙ−寸法）、機械方向に垂直な横方向（ＣＤ）（ｘ−寸法）、およびｚ−方向を備えている、３次元構造を備えている。ｚ−方向は、第１の側１２、フィルム厚さ１４、第２の側１６、およびオス型表面１８を備えている。第１の側１２からオス型表面１８までの距離は、フィルム１０のロフト２０である。開口付きにされる前に、前駆体材料は、第１の側、材料厚さ、および第２の側を備え、第１の側および第２の側は、材料厚さによって、ｚ−方向に分離される。前駆体材料は、溶融ポリマーウェブ、またはフィルムであり得る。前駆体材料は、次いで、前駆体材料に開口を空けること等によって、３次元構造を作成し、開口付きフィルム１０の第２の側１６からｚ−方向に延びる、オス型表面１８を作成するように修正される。開口付きフィルム１０は、一連の開口２４を備え、各開口２４は、第１の表面１２からオス型表面１８に延びる、開口側壁２４を備えている。一連の開口２４は、ランド２６によって、第１の表面１２内で包含される。ランド２６はさらに、複数の光捕捉微小ピット２８を備えている。開口付きフィルムの第１の表面１２はまた、本明細書では、一般平面と称される。

本願のフィルムは、複数の光捕捉微小ピット２８を備えている。本明細書で使用される場合、「光捕捉微小ピット」は、開口付きフィルム１０の第１の表面１２内の微小ピットまたはネガ型くぼみを意味し、微小ピット２６は、微小ピット開口部直径３２を有する、微小ピット開口部３０を備え、微小ピット側壁３４が、微小ピット開口部３０から微小ピット底部３６まで降下する。横断面図の光捕捉微小ピット２８の実施例が、図１に見られ得る。光捕捉微小ピット２８の微小ピット開口部３０は、フィルム１０の一般平面から見ると、略円形形状の直径３２を有し得るが、しかしながら、直径３２は、可変形状であって、したがって、その略不規則周縁にわたっていくつかの測定値を求めることから導出される平均直径と、７５°の開光角度が、光捕捉微小ピット２８の底部３６に到達し得ないような深度３８（微小ピット開口部３２から微小ピット底部３６まで）とを備え得る。

微小ピット側壁３４は、一般平面１２から不規則性を伴って降下する。すなわち、微小ピット側壁３４は、略直線または線形形状から成らない。底部３６は、一般平面１２と第２の側１６との間でフィルム１０の厚さ１４内に位置する。言い換えると、微小ピット側壁３４は、フィルム１０内に孔を作成するために、フィルム１０の厚さ１４を通して延びない。

光捕捉微小ピット平均直径は、約２５０μｍ以下かつ約２５μｍ以上である。より大きい微小ピット平均直径は、ランド２６がランド２６の全反射区域が充足されるように構築される場合、好ましい間隔において、フィルム１０のランド２６に適合しないであろう。加えて、より小さい平均直径は、微小ピット２８から外への反射から光を機能的に捕捉する深度を達成しないであろうと考えられる。

光捕捉微小ピット深度３８は、開光７５°角度が、光捕捉微小ピット底部３６に到達せず、したがって、要求される深度３８が、光捕捉微小ピットの平均直径に依存する数学的導出であるような要件を満たさなければならない。例えば、微小ピットの深度３８は、タンジェントθ（ここでは、θは、３７．５°である）によって除算される微小ピットの平均直径の半分より大きい。７５°角度に隣接する光線が、等しい長さであると仮定し、角度を二等分（３７．５°）し、微小ピットの平均直径を二等分すると、三角法は、平均直径の半分を３７．５°角度の対向辺として定義し、分岐光線を３７．５°角度の隣接辺として定義する。理論によって制限されるわけではないが、そのような微小ピット２８構造内に「捕捉」される光および微小ピット２８構造から完全に反射されることができない光は、フィルム１０の一般平面１２上における光沢の低減をもたらすと考えられる。光沢は、７５°光沢が、約４．０未満、好ましくは、約３．５未満であるように、フィルム１０の機械方向に測定され得る。

微小ピット２８が、光捕捉微小ピット２８間のピットでない表面が光を反射し、より低い光沢のその光捕捉効果を無効にするように、あまりに広く離間されないならば、種々の光捕捉寸法の微小ピット２８は、ランド区域２６上にランダムに位置付けられることができる。但し、ランダム位置は、ランド区域２６内の特定の場所内のみに集中するのではなく、ランド区域２６にわたって、密度が均一である。

図３のグラフは、約１５５μｍを上回る縁間間隔を有する光捕捉微小ピットの間隔が、２つの異なる光捕捉微小ピット周縁間に存在する場合、一般平面内に光沢値を上昇させるために十分な微小ピットでないフィルム表面（全反射区域）が存在することを示す。理論によって制限されるわけではないが、２つの異なる光捕捉微小ピット周縁間に約１５５μｍ以下で間隔間に存在する非微小ピットは、光捕捉微小ピットの光沢低減を無効にするために十分な光を反射させず、機械方向におけるフィルム表面（一般平面）１２の約３．５より小さい７５°光沢が、達成可能である。

開口付きフィルム１０の一般平面１２は、１つ以上の開口２２およびランド２６を備えている。これらのランド２６は、一般平面１２内の開口２２を包囲する構造である。開口２２は、フィルムの一般平面１２から、フィルム厚さ１４を通し、フィルムのオス型表面１８上で終端し、ｚ−方向に３次元構造を与える、ネガ型空間である。一般平面１２内のランド構造２６の表面区域は、「ランド区域」のために結合する。開口付きフィルム１０内の開口２２のための任意のタイプのパターンが、利用され得、本明細書に具体的に論じられる実施形態に限定されない。図４−６は、ランド２６の一般平面１２および開口２２パターンを見下ろす顕微鏡写真である。図４は、直径５０ミル（１２７０ミクロン）を有する開口４２、ランド４３、および約７ミル（１７８ミクロン）の平均ランド幅４４を備えている、５０／７フィルムパターン４０を示す。図５は、３５ミル（８８９ミクロン）の直径を有する開口４８、ランド４９、および約７ミル（１７７．８ミクロン）の平均ランド幅５０を備えている、３５／７パターン４６を有する実施例を示す。図６は、３５ミル（８８９ミクロン）の開口直径５４、ランド５５、および約１４ミル（３５５．６ミクロン）の平均ランド幅５６を備えている、３５／１４パターン５２を有する実施例を示す。一実施形態では、開口付きフィルム１０は、その周縁幾何学形状が略五角形を有する開口２２のパターンを備え、該五角形は、１２７０ミクロンの平らな部分から先端開口部までの寸法有し、開口２２間に実質的に均一なランド２６を有する入れ子状の五角形のパターンに配列され、約１７８ミクロンのランド幅を画定し、総表面区域の約４０％のランド区域をもたらす。

図４のグラフは、総表面区域の約６０％より小さい総ランド区域が、光捕捉微小ピットと組み合わせられると、機械方向におけるフィルム表面（一般平面）の７５°光沢を４．０を下回って低減させることを示す。

一実施形態では、ランド構造の表面区域はさらに、フィルムの一般平面から離れて延びる一連のランダムな山および谷等の光回折パターンを備えている。光回折パターンは、定義されたパターンまたはランダムパターンであり得、そのいずれも、フィルムに関して前述の光捕捉微小ピットの規模を上回る大きさおよび規模である。光回折パターンは、フィルム構造を形成するために使用される形成スクリーンの物理的形状等、フィルムが製造される方法から生じ得る。フィルムの一般平面は、フィルムを作製するために使用される形成スクリーン表面の一次平面に関連する。光回折パターンは、形成スクリーンの一次平面から延長される構造に対応するであろう。

（形成スクリーン）
形成スクリーン５８は、一次平面６０および二次平面６２を備え、一次平面６０と二次平面６２との間にスクリーン厚さ６４を有する。スクリーンの物理的形状は、フィルム１０の開口２２の幾何学的パターンを決定し、したがって、その外観、触知性、および機械的特性に寄与する。形成スクリーンの一次平面６０は、平滑表面を備え得るか、または一次平面からｚ−方向に延びる、一連のランダムな山および谷等の光回折パターンを備え得る。光回折パターンは、フィルムに関して前述の光捕捉微小ピットの規模を上回る大きさおよび規模であるランダムパターンまたは定義されたパターンであり得る。金属形成スクリーン５８の光回折パターンは、大きな粗粒子を用いた形成スクリーン５８の一次表面のサンドブラスト、モリブデンまたは他の好適な金属を用いた形成スクリーン５８の一次表面のプラズマコーティング、真鍮、銅、または他の金属を用いた形成スクリーン５８の一次表面のフレーム溶射、形成スクリーン５８の一次平面６０上での粒子を用いた接着剤コーティングの使用（Ｓｏｒｅｎｓｅｎの第ＵＳ４，３２７，７３０号参照）等の方法から生じ得る。ゴムまたはポリマー形成スクリーンが、使用される場合、粗仕上げ研削またはレーザ破壊および他の手段が、光沢の低減を向上させる、山および谷を生じさせるために適用されることができる。

図８および９は、概して、図７の線Ａ−Ａ等の同様の線に沿って得られた形成スクリーン５８に対する２つの異なる実施形態の断面を示す。図８および９は、スクリーン厚さ６４によって二次平面（金属ランド内側表面）６２に接続される、一次平面６０（金属ランド外側表面）を有する。形成スクリーン５８は、スクリーンランド６６およびスクリーン開口６８を備え、スクリーン開口６８は、スクリーン開口側壁７０によって、一次平面６０から二次平面６２まで延びる。スクリーンランド６６は、スクリーン開口６８間に存在する。二次平面（内側ランド表面）６２ａおよび６２ｂは両方とも、前駆体材料からのフィルム内への開口の形成の間、真空スロットシールの上を円滑に横断しなければならないため、テクスチャが滑らかである。しかしながら、同様に滑らかである、一次平面（外側ランド表面）６０ｂと異なり、好ましい実施形態では、一次平面（外側ランド表面）６０ａは、光回折パターン等の前述のもの等の山および谷を備えている。

開口付きで形成されるフィルム１０の一次構造は、本質的に、形成スクリーンの５８構造の複製である。形成スクリーン５６は、本明細書に説明されるフィルム１０を作製する方法の一部として有用である。

開口付きで形成されるフィルムは、柔軟性フィルムまたはシートに形成され得る、熱可塑性ポリマーを備えている。例示的熱可塑性材料として、ポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド、ビニルポリマー、メタクリル酸メチル、セルロースエステル、およびそれらの混合物、ならびに柔軟性フィルムまたはシート等に形成され得る、他の熱可塑性ポリマー等のポリオレフィンが挙げられる。ポリマーフィルムは、低密度ポリエチレンであり得る。ポリマーフィルムはまた、可塑剤等の材料を備え得、当技術分野において公知の他の添加剤が、ポリマーフィルムのための所望の物理的特性を達成するために添加され得る。

（吸収性デバイス）
本明細書で使用される場合、「吸収性物品」は、おむつ、失禁用物品、生理用ナプキン、おりものシート、包帯、および身体浸出物を吸収するために使用される他の物品を含む。図１０は、ユーザの身体に対して位置付けられる、身体対面側７４を有する、吸収性デバイス７２の非限定的実施形態を示す。吸収性デバイス７２は、少なくとも、後側シート７６、吸収性コア７８、および上側シート８０から作製される。後側シート７６は、身体対面側７４と反対にある。吸収性コア７８は、後側シート７６と身体対面側７４との間にある。上側シート８０は、吸収性コア７８と身体対面側７４との間にある。追加の層が、吸収性コアと上側シートおよび後側シートとの間に存在し得、追加の層および他の材料が、上側シートまたは後側シートのいずれかから吸収性コアと反対の側に存在し得ることを理解されたい。

（方法）
図１１は、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムを形成するプロセスまたは方法の例示的実施形態を描写する。図１１に示されるように、押出成形スロットダイ８２が、衝突点９０において、形成スクリーンアセンブリ８６およびローラアセンブリ８８に送達される溶融ポリマーウェブ８４を導入する。真空の開口付きで形成されるフィルムの場合、使用される最も一般的ポリマーは、主に、例えば、ポリエチレン等およびＴｈｏｍａｓの第Ｕ．Ｓ．４，４５６，５７０号に説明されるもの等のポリオレフィンポリマーである。これらの一般混成タイプの場合、溶融相は、温度約２７５°Ｆ〜６００°Ｆ．（１３５℃〜１５℃）等、ポリマーウェブ８２の溶融温度（Ｔｍ）を上回る温度に維持される。

形成スクリーンアセンブリ８６は、形成スクリーン５８と、その周囲を形成スクリーン５８が回転する、静止マニホールド９２とを含む。スクリーン開口６８は、形成スクリーン５８およびスクリーン開口６８が、ポリマーウェブ８４に開口（４２、４８、５４）を形成するように、空気が、形成スクリーン５８を通過することを可能にする。

図１１に示されるように、その周囲を形成スクリーン５８が回転する、静止マニホールド９２は、前縁９６および後縁９８を有する、静止真空スロット９４を含む。前縁９６と後縁９８との間に画定される真空スロット９４は、その上のポリマーウェブ８２が、前縁９６を越えて、真空スロット９４の上を、後縁９８に向かって通過するとき、真空スロット９４が、ポリマーウェブ８２内に開口（４２、４８、５４）を形成する（例えば、圧力差を介して）ように、圧力差ゾーンを含む。圧力差（負圧）は、開口およびランドの形成を提供し、ポリマーウェブ８４を急冷し、真空スロット９４から出て行く。

加えて、ローラ１００は、特定の長さ、直径等の寸法を有し、光捕捉微小ピット２８が、ポリマーウェブ８４の表面上にランダムパターンで均一に形成され、そして、続いて、開口がポリマーウェブ８４を通して形成されることを保証する特定のローラ表面構造１０２を有する。例えば、ローラ１００が、大きすぎる（例えば、６インチ［１５２ｍｍ］以上）直径を有する場合、ローラ１０は、真空スロット９４内への気流を遮断し得、開口は、ポリマーウェブ８４内に適切に形を成すことができない。したがって、ローラ１００は、直径約２．０インチ（５０．８ｍｍ）〜５．５インチ（１４０ｍｍ）を有することができる。ローラ１００の位置は、所望の熱平衡に依存する。熱平衡を達成するために要求される、パラメータの操作に関して、種々の可能性が、存在する。例えば、所望の衝突点９０において融流の所望の入力熱を達成するために、押出成形ダイスロット８２の辺縁から流出する場合、溶融ポリマーウェブ８４の融流の長さおよび温度の両方を変動させることが可能である。したがって、溶融状態（溶融の温度を上回る）において衝突点９０に流入する重要な要素は、その時使用される具体的ポリマーまたはポリマーの混成物の溶融温度に大きく依存するであろう。

理論によって制限されるわけではないが、ローラ表面構造１０２は、ポリマーウェブ８４の第１の側１２内に光捕捉微小ピット２８を形成するために所望の表面を提供すると考えられる。ローラ表面１０２は、衝突点９０において、ポリマーウェブ８４に接触し、真空スロット９４の前縁９６を通過する間、ポリマーウェブ８４の第１の側１２内に光捕捉微小ピット２８を形成し、ローラ表面構造１０２をポリマーウェブ８４に複製する。真空スロット９４の上を進み続けるとき、ポリマーウェブ８４は、開口（４２、４８、５４）を形成し、開口付きで形成されるフィルム１０を作成する。一実施形態では、形成スクリーン５８が、一連のランダムな山および谷等の非均一表面を有する場合、ポリマーウェブ８４の第２の表面１８は、形成スクリーン５８に適合し、非均一表面がポリマーウェブ８４のフィルム厚さ１４を通して複製され、その結果、開口付きで形成されるフィルムは、その上に適用される光捕捉微小ピットを有する一連のランダムな山および谷等の非均一表面を備える。

（ローラ表面）
光捕捉微小ピット２８は、ポリマーウェブ８４が形成スクリーン５８上にある間、ローラ表面構造１０２とポリマーウェブ８４との相互作用から形成される。いくつかの実施形態では、ローラ表面構造１０２の選択は、所望の光捕捉微小ピット形成を達成するために、特定の形成スクリーン５８の選択を要求し得る。

ローラ表面構造１０２のための一実施形態は、Ｂｒｉｇｈｔ Ｖｉｅｗ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｉｅｓから利用可能なＣ−ＨＥ８０としてコードされたパターンの硬化された感光性材料の粗面化表面を備え得る。Ｃ−ＨＥ８０ローラ表面構造１０２の表面は、ポリマーウェブ８４上に衝突し、光捕捉微小ピットの形成をもたらす。Ｃ−ＨＥ８０ローラ表面構造１０２を支持するためのローラ１００の構造は、ローラ１００の外径に適用されるＣ−ＨＥ８０層を有する薄いゴム層を有する金属シリンダである。

Ｃ−ＨＥ８０ローラ表面構造１０２の選択は、ゴムスクリーンと関連して使用される。好適なゴムスクリーンは、第ＵＳ２０１０−０１５１１９１Ａ１号に論じられるものに類似し得る。ゴムは、任意の種類のＥｂｏｎｉｔｅ（登録商標）ゴム（登録商標）または約７５Ｓｈｏｒｅ Ｄの硬度を有するＨＮＢＲ等の合成ゴムである。所望に応じて、形成スクリーン５８は、一次平面６０内において、一連のランダムな山および谷等の非均一表面を形成スクリーン５８に与えるために、一次平面上に粗く研削され得る。

ローラ表面構造１０２のための一実施形態は、金属シリンダの粗面化された表面を備え得、粗面化された外側層は、ガルバニックめっきされたニッケル（ＧＶ）である。ＧＶローラ表面構造１０２の表面は、ポリマーウェブ８４上に衝突し、光捕捉微小ピット２８の形成をもたらす。ＧＶローラ表面構造１０２を支持するためのローラ１００構造は、ローラ１００の外径に適用されるＧＶ層を有する、金属シリンダである。

ＧＶローラ表面構造１０２の選択は、ランド間に開口のパターンを形成するようにレーザカットされる、第ＵＳ２０１０−０１５１１９１Ａ１号に論じられるもののような金属スクリーンまたはゴムスクリーンと関連して使用される。ゴムは、任意の種類のＥＢＯＮＩＴＥ（登録商標）ゴムまたは約７５Ｓｈｏｒｅ Ｄの硬度を有する水素化ニトリルブタジエンゴム（ＨＮＢＲ）等の合成ゴムである。所望に応じて、金属スクリーンは、一連のランダムな山および谷等の非均一表面を与えるように、一次平面６０上で修正され得る。金属スクリーンは、より低い光沢の影響を向上させ、スクリーンランド６６の一次平面上の山および谷の光回折パターンを提供する、プラズマコーティングされた（ＰＣ）層によって修正され得る。所望に応じて、ゴムスクリーンは、一次平面６０内において一連のランダムな山および谷等の光回折パターンをゴムスクリーンに与えるように、一次平面上で粗く研削され得る。

ローラ表面構造１０２のための一実施形態は、繊維端を有するウールフェルト等の繊維端を有するドーナツ状フェルト等に裁断された、圧縮されたフェルト材料から形成された繊維端を備え得る。繊維端は、ローラ１００に垂直に配向され、繊維端は、ローラ表面構造１０２を形成する。

図１２は、１つ以上の斜めに裁断された圧縮されたフェルト区画１０６を備えているローラ表面構造１０２を有する、バイアスドーナツ状ローラ１０４の正面図の例示的実施形態を描写する。図１３は、図１２におけるバイアスドーナツ状ローラ１０４内で使用され得る、材料１０８の例示的実施形態を描写する。例示的実施形態では、材料１０８は、水平方向Ｈに置かれた、圧縮されたフェルトであり得る。材料１０８は、水平方向Ｈに沿って配向され得る、ウール繊維等の１つ以上の繊維１１０を含み得る。図１４は、図１５に示されるように、Ｂ−Ｂに沿った材料１０８の区分の断面の例示的実施形態を描写する。図１４に示されるように、材料１０８の区分の断面は、１つ以上の裁断線１１２を有し得る。裁断線１１２は、例えば、１つ以上の切断された水平繊維点において、水平繊維を切断することによって、フェルトドーナツから作り出され、またはそこから生じ得る。ある実施形態では、裁断線１１２は、少なくとも約５°〜約７°の偏向角度にあり得る。ドーナツを少なくとも約５°〜約７°の偏向角度に設置すると、ドーナツが回転し得るため、連続機械方向線は、存在せず、したがって、可視欠陥は、フィルム表面内に提供されない。

材料１０８は、中心裁断部分１１４および裁断線１１２によって形成される外側リング裁断１１６を含み得る。ある実施形態では、中心裁断部分１１４は、ドーナツ穴となり得、捨てられる部分となり得る一方、外側リング裁断１１６は、ローラ表面構造１０２またはローラのカバーのために使用され得る、ドーナツまたはドーナツ状フェルトとなり得る。図１５は、裁断線１１２、捨てられる中心裁断部分１１４および外側リング裁断１１６を有する、図１２の区画１０６の平面または端面図の例示的実施形態を描写する。図１５に示されるように、ドーナツリングフェルト区画１０６は、少なくとも約０．５０インチ（１２．７ｍｍ）〜約０．７５インチ（１９ｍｍ）の壁厚１１８を有し得る。

２つ以上の区画１０６が、ローラ表面構造１０２を有する、バイアスドーナツローラ１０４を形成するように、一緒に積層および圧縮され得る。バイスドーナツローラ１０４はさらに、エンドキャップ１２０を含み得る。例示的実施形態では、エンドキャップ１２０の片側または一部は、エンドキャップ１２０が対応するバイアス角度区画１２２を有し得るように、非正方形であり得る。加えて、ローラ表面構造１０２は、一貫したＴＩＲ（Ｔｒｕｅ Ｉｎｄｉｃａｔｅｄ Ｒｕｎｏｕｔ）に対して研削され得る。

加えて、図７に示されるように、ローラ１００は、一実施形態では、前縁９６に位置付けられ、衝突点９０において形成スクリーン５８に送達されると、ローラ１００は、ポリマーウェブ８４と事実上同時に接触する。

図１１に示されるように、衝突点９０において光捕捉微小ピット２８を形成後、その上に形成される光捕捉微小ピット２８のランダムパターンを有するポリマーウェブ８４は、次いで、真空スロット９４の上を、前縁９６を越えて通される。前述のように、一実施形態では、形成スクリーン５８はさらに、ある形状の、あるパターンで、例えば、スクリーンランド６６によって包囲され、それに隣接する、１つ以上のスクリーン開口６８を有する。前縁９６を越えて、ローラ１００の衝突点９０を過ぎて、ポリマーウェブ８４を通過させると、真空スロット９４の上を進み続ける。

形成スクリーン５０内のスクリーン開口６８を覆っている溶融ポリマーウェブ８４は、真空スロット９４内に生成された圧力差によって、スクリーン開口６８（図示せず）内に引き込まれ、開口（４２、４８、５４）がポリマーウェブ８４のそれらの対応する領域内に形成される。新しく形成された開口（４２、４８、５４）を通過する空気の伝導性冷却は、次いで、溶融ポリマーウェブ５８から十分な熱を除去し、溶融相から固相に変化させる。固相にある場合、ポリマーウェブ５８は、山および谷を有するランド上の微小規模光捕捉微小ピット２８または巨視的開口規模のいずれに対しても、その新しく形成された形状または構造を失わない。

形成スクリーン５８は、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルム１０が、真空スロット９４の後縁９８を越えて通過するように、回転または移動する。真空スロット９４の後縁９８を通過した後、光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルム１０は、剥離ローラ（図示せず）によって、形成スクリーン５８から剥離される。

実施形態によると、複数の光捕捉微小ピットを有する開口付きで形成されるフィルムはさらに、開口付きで形成されるフィルムが、所望の幅寸法に裁断され、任意の種々の吸収性デバイスおよびそれに対する機能の構成要素（最も可能性が高いのは、上側シート）としての転換のために、ロールに巻かれるように、追加の構成要素または機器に提供あるいは通過されることができる。

本明細書に開示される寸法および値は、列挙される正確な数値に厳密に限定されるように理解されるものではない。代わりに、別様に規定されない限り、各そのような寸法は、列挙される値およびその値の周囲の機能的同等範囲の両方を意味すると意図される。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。

任意の相互参照あるいは関連特許または用途を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外または別様に限定されない限り、参照することによって、全体として本明細書に組み込まれる。任意の文書の引用は、本明細書に開示または請求される任意の発明に関する先行技術である、あるいは単独で、または任意の他の参考文献もしくは複数の参考文献と任意の組み合わせにおいて、任意のそのような発明を教示、提案、または開示することの許可ではない。さらに、本書内の用語の任意の意味または定義は、参照することによって組み込まれる文書内の同一の用語の任意の意味または定義と矛盾する限りにおいて、本書内のその用語に割り当てられる意味または定義が、優先するものとする。

本発明の特定の実施形態が、図示および説明されたが、種々の他の変更および修正が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、行われることができることは、当業者に明白となるであろう。したがって、添付の請求項において、本発明の範囲内の全てのそのような変更および修正を網羅することが意図される。

Claims (15)

1. 開口のパターンと前記開口を包囲するランドとを備えている開口付きフィルム表面区域を備えている開口付きフィルムであって、
   前記ランドは、ランド区域を備え、前記ランド区域は、光捕捉微小ピットおよび全反射区域の均一なランダムパターンを備え、前記光捕捉微小ピットは、開口部を備え、側壁が、前記開口部から底部に下降し、前記光捕捉微小ピットの開口部は、平均直径と、深度とを備え、前記深度は、タンジェント３７．５°によって除算される前記微小ピットの平均直径の半分より大きい、開口付きフィルム。
2. 前記光捕捉微小ピット平均直径は、約２５０μｍ以下かつ約２５μｍ以上である、請求項１に記載の開口付きフィルム。
3. 前記全反射区域は、前記ランド区域より小さい、請求項１に記載の開口付きフィルム。
4. 前記開口付きフィルム表面区域は、前記開口付きフィルムの機械方向に、４．０より小さい光沢を備えている、請求項１に記載の開口付きフィルム。
5. 光捕捉微小ピットの前記ランダムパターンは、１５５μｍより小さい縁間間隔を備えている、請求項１に記載の開口付きフィルム。
6. 前記開口のパターンは、５０／７パターン、３５／７パターン、３５／１４パターン、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項１に記載の開口付きフィルム。
7. 前記ランド区域は、一連のランダムな山および谷をさらに備えている、請求項１に記載の開口付きフィルム。
8. 前記開口のパターンは、前記開口間に実質的に均一なランドを有する入れ子状の五角形を備え、前記開口は、前記総表面区域の約４０％のランド区域をもたらす約１７８ミクロンのランド幅を画定する、請求項１に記載の開口付きフィルム。
9. 光捕捉微小ピットを有する開口付きフィルムを形成する方法であって、前記方法は、
   スクリーンとローラとの間の衝突点において溶融ポリマーウェブを受け取ることであって、前記ローラは、前記光捕捉微小ピットを形成するためのローラ表面構造を備えている、ことと、
   前記溶融ポリマーウェブを前記ローラ表面構造に接触させることによって前記溶融ポリマーウェブ内に前記光捕捉微小ピットを形成し、光捕捉微小ピットを有するポリマーウェブを形成することと、
   光捕捉微小ピットを有する前記ポリマーウェブが前記スクリーンを通って延びるように、圧力差ゾーンの上を、光捕捉微小ピットを有する前記ポリマーウェブを通過させることにより、光捕捉微小ピットを有する前記開口付きフィルムを形成することと
   を含む、方法。
10. 前記溶融ポリマーウェブは、熱可塑性ポリマーを備えている、請求項９に記載の方法。
11. 前記ローラ表面構造は、硬化された感光性材料を備えている、請求項９に記載の方法。
12. 前記ローラ表面構造は、ガルバニックめっきされたニッケルを備えている、請求項９に記載の方法。
13. 前記ローラ表面構造は、繊維端を備えている、請求項９に記載の方法。
14. 前記繊維端は、１つ以上の斜めに裁断された圧縮されたフェルト区画である、請求項１３に記載の方法。
15. 前記斜めに裁断された圧縮されたフェルト区画は、少なくとも約５°〜約７°の偏向角度において設置される、請求項１４に記載の方法。