JP2015535018A - Ｄｃｏｉｔを含む放出制御組成物 - Google Patents

Abstract

４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンと、少なくとも７００ｍ２／ｇの表面積を有する活性炭素とを含む組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オン（ＤＣＯＩＴ）を含む放出制御組成物に関する。

ＤＣＯＩＴを含む放出制御組成物は、米国特許第６，６７６，９５４号に開示されている。しかしながら、より低い速度でＤＣＯＩＴを放出する放出制御組成物が必要である。

本発明によって解決される問題は、ＤＣＯＩＴの長期的な放出制御を提供する改善された放出制御製剤を提供することである。

本発明は、４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンと、少なくとも７００ｍ^２／ｇの表面積を有する活性炭素とを含む組成物を対象とする。

特に指示がない限り、温度はセ氏温度（℃）であり、パーセンテージについては重量パーセント（重量％）であり、ＤＣＯＩＴの量および比率は活性成分基準である。本明細書において使用される場合、粒子の集合がある特定の値のＤ５０を有するとき、粒子の５０体積パーセントがその値以下の直径を有する。非球形粒子においては、直径が最大寸法である。海洋用コーティング組成物は、海洋用品の表面上に乾燥コーティングを形成することのできるコーティング組成物である。乾燥コーティングの形成後、乾燥コーティングは、塗装された表面の一部または全てがかなりの時間（すなわち、少なくとも１日１時間）水中に入ったままであるときでさえ、有効に長時間にわたり、表面に固着することになる。海洋用品とは、物体の一部または全てがかなりの時間水中にあるという環境において使用される物体のことである。海洋用品の例には、船、桟橋、波止場、杭、魚網、熱交換器、ダム、および取水口スクリーンなどの配管構造が含まれる。好適には、基板は海洋用品である。

海水とは、海または大洋からの水である。平均して、世界の大洋における海水は、約３．５重量％の密度を有し、大洋表面における平均密度は１．０２５ｇ／ｍｌである。人口海水は、水と溶解無機塩の混合物であり、海水をシミュレートする。人口海水の例は、ＲＩＣＣＡ（ＡＳＴＭ Ｄ１１４１）から入手できる合成海水である。

好適には、ＤＣＯＩＴおよび活性炭素は、海洋用コーティング、すなわち、海洋用品上のコーティングの中に存在する。好適には、ＤＣＯＩＴおよび活性炭素は、海洋用品の表面に塗装する前に液状海洋用コーティング製剤に添加される。本発明の好適な一実施形態において、ＤＣＯＩＴおよび活性炭素は、別々に、液状海洋用コーティング組成物に添加される。本発明の好適な一実施形態において、ＤＣＯＩＴおよび活性炭素は、液状海洋用コーティング組成物への添加前に化学結合される。ＤＣＯＩＴは、溶解物または溶液として、ＤＣＯＩＴを活性炭素と混合することによって、活性炭素に吸着され得る。ＤＣＯＩＴのための適切な溶媒は、ＤＣＯＩＴを溶解し、それを不安定化せず、活性炭素と反応しないものである。適切な溶媒は、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコールと、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステルと、アセトン、メチルイソブチルケトンおよびメチルイソアミルケトンなどのケトンと、キシレンと、石油スピリットと、およびアセトニトリルなどの二トリルを含む。好適な溶媒は、（Ｃ_１−Ｃ_４）アルコール、キシレンおよび石油スピリットである。好適には、ＤＣＯＩＴは、活性炭素または液状海洋用コーティングと混合する前に、溶媒中で溶解またはスラリー化される。

海洋用コーティングのための基板は、塗装されていない表面、例えば海洋用品、または海洋用品の表面上の別のコーティング、例えば表面上の下層の下塗りまたは塗料、であり得る。好適には、海洋用コーティングは、エポキシコーティング、自己研磨型コーティング（例えば、典型的には亜鉛または銅カルボン酸塩群を包含する金属アクリレートコポリマー塗料、またはシリルアクリレートコポリマー塗料）、または汚損放出コーティング（例えば、シリコン塗料）である。海洋用コーティング組成物は、バインダーおよび溶媒、および随意に他の材料を含む。溶媒は、有機溶媒または水であり得る。他の材料は、無機顔料、有機顔料または染料、および天然樹脂を含み得る。水性コーティングは、合体剤、分散剤、界面活性剤、レオロジー調節剤、または接着促進剤も含み得る。溶剤型コーティングは、増量剤、可塑剤、またはレオロジー調節剤も含み得る。典型的な海洋用コーティング組成物は、５〜３０％のバインダー、最大１５％までの樹脂／変態樹脂、０．５〜５％の可塑剤、０．１〜２％の沈降防止剤、５〜６０％の溶媒、最大６５％までの酸化第一銅、最大３０％までの顔料（酸化第一銅以外）、および最大１５％までの海洋用防汚剤（ＤＣＯＩＴを含む）を含む。好適には、海洋用コーティングは、少なくとも０．５重量％、好適には少なくとも０．８重量％、好適には少なくとも１重量％、好適には少なくとも１．２重量％、好適には少なくとも１．４重量％、好適には少なくとも１．６重量％、好適には少なくとも１．８重量％、好適には少なくとも２重量％のＤＣＯＩＴを含む。好適には、海洋用コーティングは、５重量％以下、好適には４．５重量％以下、好適には４重量％以下、好適には３．５重量％以下、３重量％以下、好適には２．５重量％以下、好適には２重量％以下、好適には１．８重量％以下のＤＣＯＩＴを含む。好適には、海洋用コーティングは、少なくとも１重量％、好適には少なくとも１．５重量％、好適には少なくとも２重量％、好適には少なくとも２．５重量％、好適には少なくとも３重量％、好適には少なくとも３．５重量％の活性炭素を含む。好適には、海洋用コーティングは、２０重量％以下、好適には１６重量％以下、好適には１４重量％以下、好適には１２重量％以下、好適には１０重量％以下、好適には８重量％以下の活性炭素を含む。

好適には、活性炭素のＤＣＯＩＴに対する重量比率は、少なくとも１：１、好適には少なくとも１．５：１、好適には少なくとも２：１、好適には少なくとも２．５：１、好適には少なくとも３：１である。好適には、重量比率は、１２：１以下、好適には１０：１以下、好適には８：１以下、好適には６：１以下、好適には５：１以下、好適には４．５：１以下である。好適には、自己研磨型コーティングにおける活性炭素のＤＣＯＩＴに対する重量比率は、１．５：１〜５：１、好適には２：１〜４：１である。好適には、汚損放出コーティングにおける活性炭素のＤＣＯＩＴに対する重量比率は、２：１〜１０：１、好適には２：１〜８：１、好適には３：１〜８：１である。

好適には、海洋用コーティングの湿潤フィルム厚は、少なくとも２５ミクロン、好適には少なくとも５０ミクロン、好適には少なくとも１００ミクロン、好適には少なくとも２００ミクロンであり、好適には５００ミクロン以下、好適には４００ミクロン以下、好適には３００ミクロン以下である。湿潤コーティングの硬化時に形成される乾燥フィルムの厚さは、湿潤コーティング材料の溶媒含有量に相当する量だけ、湿潤厚よりも薄いことが見込まれる。好適には、海洋用コーティングの乾燥（硬化）フィルム厚は、少なくとも２０ミクロン、好適には少なくとも４０ミクロン、好適には少なくとも８０ミクロン、好適には少なくとも１６０ミクロンであり、好適には４００ミクロン以下、好適には３２０ミクロン以下、好適には２４０ミクロン以下である。

適切な活性炭素は、例えば、石炭、木、ヤシ殻、リグニンまたは動物の骨から生じるものなどの炭素を含む。活性炭素は、物理的または化学的処理によって生成することができる。物理的処理は、以下のプロセスの組み合わせを伴う：炭化、６００〜９００℃の範囲の温度での炭素の熱分解、酸素欠乏状態下、および２５０℃以上の温度での炭化炭素の酸化雰囲気（二酸化炭素、酸素、または蒸気）への曝露。化学活性化は、炭化の前に、原材料を特定の化学物質、すなわち、酸、強塩基、または塩（例えば、リン酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、および塩化亜鉛２５％）に含浸し、その後に低い温度（４５０〜９００℃）で炭化することを伴う。直接化学活性化によって作られるものなどの高表面積「活性」炭素が、特に好適である。Ｐｅｔｒｏｌｅｕｍ Ｄｅｒｉｖｅｄ Ｃａｒｂｏｎｓ（Ｔ．Ｍ．Ｏ’Ｇｒａｄｙ ａｎｄ Ａ．Ｎ．Ｗｅｎｎｅｒｂｅｒｇによる），Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｏｃｉｅｔｙ Ｓｙｍｐｏｓｉｕｍ Ｓｅｒｉｅｓ，Ｖｏｌ．３０３，Ｊ．Ｄ．Ｂａｃｈａ ｅｔ ａｌ．，ｅｄｓ．，Ａｍｅｒｉｃａｎ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｏｃｉｅｔｙ Ｐｕｂｌｉｃａｔｉｏｎｓ，Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ，Ｄ．Ｃ．，（１９８６）は、これらの活性炭素およびそれらの作製の方法に関するさらなる一般的および具体的詳細に関して、参考にすることができる。好適には、活性炭素の表面積は、少なくとも７５０ｍ^２／ｇ（ＢＥＴ法で測定される）、好適には少なくとも８００ｍ^２／ｇ、好適には少なくとも９００ｍ^２／ｇ、好適には少なくとも１０００ｍ^２／ｇ、好適には少なくとも１２００ｍ^２／ｇであり、好適には２５００ｍ^２／ｇ以下、好適には２２００ｍ^２／ｇ以下である。

好適には、活性炭素は、ＤＣＯＩＴまたは海洋用コーティング製剤と化学結合する直前、１００ミクロン（０．１ｍｍ）以下、好適には５０ミクロン以下、好適には４０ミクロン以下、好適には３５ミクロン以下、好適には３０ミクロン以下、好適には２５ミクロン以下、好適には２０ミクロン以下の平均粒子サイズ（例えば、Ｄ５０）、好適には少なくとも５ミクロン、好適には少なくとも１０ミクロンの平均粒子サイズを有する。

ＧＥＲＳＴＥＬ ＴＷＩＳＴＥＲのポリジメチルシロキサン（ＰＤＭＳ）をコーティングした撹拌子は、Ｇｅｒｓｔｅｌ Ｇｍｂｈから購入した。使用された塗料は、市販品として入手した、Ｉｎｔｅｒｌｕｘ ＭＩＣＲＯＮ６６塗料（「Ｍ６６」）、Ｉｎｔｅｒｓｌｅｅｋ９７０塗料（「Ｐ９７０」）、およびＩＮＴＥＲＳＬＥＥＫ７３１（「Ｐ７３１」）であり、以下に説明されるＤＣＯＩＴの添加を除き、製造業者の指示に従って混合した。

塗料を、オービタルシェーカー（Ｒｅｄ Ｄｅｖｉｌ Ｉｎｃ，ＵＳＡ）を使用してＤＣＯＩＴおよび吸着剤と混合し、ステンレス製ゲージを使用してＬｅｎｅｔａ試験紙またはアルミホイルに塗った（湿潤フィルム厚５００ミクロメーター）。塗料は、一晩乾燥させた。

適切な支持体上の紙（２０〜４０平方ｃｍの塗面）を、１００ｍｌの人口海水を含む１２０ｍｌのガラスボトル中に浸漬させ、Ｔｗｉｓｔｅｒ撹拌子を挿入し、撹拌ミキサー上にこのボトルを置いた。撹拌速度は、６００ｒｐｍであった。１日目、４日目、７日目、１４日目、および２１日目に、ＴＷＩＳＴＥＲバーをボトルから取り出し、ペーパータオルで拭き、１ｍｌのアセトニトリルを含むＨＰＬＣバイアルの中に置いた。吸着した殺生物剤を、３０分間、３５℃で抽出した。抽出後、バーを再度拭き取り、海水／ＭＡＦ塗料と共に、ボトルに戻した。殺生物剤の濃度は、ＨＰＬＣで測定した。オートサンプラ、カラム加熱器、およびダイオードアレイ検出器を備えたＡｇｉｌｅｎｔ１２００ＨＰＬＣは、Ｃｈｅｍｓｔａｔｉｏｎソフトウェアによって制御された。ＤＣＯＩＴは、１５０×４．６ｃｍのＵｌｔｒａ Ｃ１８カラム（Ｒｅｓｔｅｋ Ｉｎｃ）を使用して分析された。同様のアイソクラティック条件（７０％のアセトニトリル、２．３ｍｌ／分）が使用された。ＤＣＯＩＴは、２８０ｎｍで検出された。放出される殺生物剤の量子化のために、外部標準技術が使用された。Ｔｗｉｓｔｅｒ撹拌子の限度量は、以前のキャリブレーション基準で、４００ミクログラムと推定された。ＤＣＯＩＴの累積放出は、コーティング組成物中のＤＣＯＩＴの重量基準で、重量パーセントで報告される。

データは、ＤＣＯＩＴが６５０ｍ^２／ｇよりも大きい表面積を有する活性炭素と化学結合されるとき、より良い放出制御が得られることを示す。

Claims (10)

1. ４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンと、少なくとも７００ｍ^２／ｇの表面積を有する活性炭素とを含む、組成物。
2. 活性炭素の４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンに対する重量比率が、１．５：１〜１０：１である、請求項１に記載の組成物。
3. 前記４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンおよび前記活性炭素が海洋用コーティング中に存在する、請求項２に記載の組成物。
4. 前記海洋用コーティングが、０．５〜４重量％の４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンと、１．５〜１６重量％の活性炭素とを含む、請求項３に記載の組成物。
5. 前記活性炭素が８００〜２５００ｍ^２／ｇの表面積を有する、請求項４に記載の組成物。
6. 前記海洋用コーティングが汚損放出コーティングである、請求項５に記載の組成物。
7. 前記海洋用コーティングが自己研磨型コーティングである、請求項５に記載の組成物。
8. 前記自己研磨型コーティングが金属アクリレートコポリマーコーティングである、請求項７に記載の組成物。
9. 活性炭素の４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンに対する前記重量比率が、２：１〜８：１である、請求項５に記載の組成物。
10. 前記海洋用コーティングが、１〜３．５重量％の４，５−ジクロロ−２−ｎ−オクチルイソチアゾリン−３−オンと、２〜１２重量％の活性炭素とを含む、請求項９に記載の組成物。