JP2015534646A - 有色素サンプルを明確化するための方法、キット、及びシステム - Google Patents

有色素サンプルを明確化するための方法、キット、及びシステム Download PDF

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Abstract

曖昧化色素を含む生物学的サンプルを明確化するための方法、キット、及びシステムが開示される。基体上に取り付けられたサンプルを処理して、サンプル内の色素と関連する染色曖昧化を緩和する自動化方法は、明確化試薬を適用して、明確化試薬がサンプルと接触し、サンプル内の色素が脱色されるようにすることを含む。サンプル内の色素が脱色されて、特異的に染色されたサンプルが有資格読み取り者によって解釈可能となる。【選択図】図4

Description

本開示は、色素を含む生物学的サンプルを明確化するための方法、キット、及びシステムに関する。
生物学的サンプル、例えば組織学的検査サンプルは、明視野照明を使用する光学顕微鏡による組織病理学的検査において調べることができる。分子病理学は疾患に関連する生体分子の分子レベルでの検査である。病理組織学的検査から、患者の診断、予後、及び治療の選択肢についての重要な情報を解明できる。病理学者は、組織病理学的アーキテクチャー、組織形態、及び/又は特定の生体分子(例えば核酸又はタンパク質)の検出に関連するシグナルを研究する。現在利用可能な多くのアッセイがタンパク質(すなわち、免疫組織化学(IHC))、核酸(すなわち、インサイツハイブリダイゼーション(ISH))、炭水化物(すなわち、組織化学(HC))、及び酵素(すなわち、酵素組織化学(EHC))を検出し及び/又は定量する。
色素を含むサンプルの組織病理学的検査は、色素がサンプルの評価を不明瞭にする場合があるので、困難である。例えば、過剰な量のメラニン色素は、細胞の形態を曖昧にし、発色染色を曖昧にし、抗体−抗原相互作用を妨げることにより、メラニン細胞病巣の組織病理学的評価を妨げる。
曖昧化色素(obfuscating pigments)を含むサンプルを処理するための方法、キット、及びシステムが開示される。該方法は、サンプル内の曖昧化色素が脱色されるように、サンプルに明確化試薬(clarifying reagent)を適用することを含む。曖昧化色素を脱色すると、サンプルを検査する病理学者の能力を向上させる。
例示的な実施態様では、基体上に取り付けられたサンプルを処理して、サンプル内の色素と関連する染色曖昧化を緩和する自動化方法が開示される。該方法はサンプルが取り付けられる基体を自動機器上に配することと、明確化試薬を適用して、明確化試薬がサンプルと接触し、サンプル内の色素が脱色されるようにすることを含む。該方法は更にすすぎ試薬を適用して、明確化試薬がサンプルとの接触から実質的に除去されるようにすることと、発色試薬を適用して、サンプルが特異的に染色されるようにすることを含む。サンプル内の色素は明確化試薬によって脱色されて、特異的に染色されたサンプルが有資格読み取り者によって解釈可能となる。
他の例示的な実施態様では、サンプル中の曖昧化色素を脱色するためのキットが開示される。該キットは、試薬ビンと試薬ビンに入れられた明確化試薬を含む。明確化試薬は、過酸化水素の水溶液を含み、試薬ビンは、自動スライド染色装置が明確化試薬の適用を制御し、明確化試薬がサンプルに接触するように、自動スライド染色装置に作動可能に連結されるよう構成されている。
更なる例示的な実施態様では、色素を含む組織病理学的サンプルについての特異的なシグナル曖昧化を軽減するためのシステムが開示される。該システムは自動機器、明確化試薬、及び発色試薬を含む。自動機器は、基体に付着された組織病理学的サンプルを受け取り、明確化試薬と発色試薬をサンプルまで送り、サンプルまで送られた明確化試薬と発色試薬に加熱と混合を施すように構成されている。明確化試薬は、組織病理学的サンプルと接触し、曖昧化色素を脱色させるように構成されている。発色試薬は、組織病理学的サンプルと接触し、特異的シグナルを堆積させるように構成されている。
図1(A)−1(D)は、サンプル(メラノーマ組織サンプル)の連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、(A)はサンプル内の色素に関連する曖昧化を示しており、顕微鏡写真中で明らかな暗い部分は、天然に生じる色素(例えばメラニン)であり、(B)は、3,3’−ジアミノ−ベンジジン(DAB)で特異的に染色された曖昧化色素を含むサンプルを示し、染色は癌マーカーに特異的であり、メラニン及びDAB染色に関連する暗い部分は区別が困難であり、(C)は、明確化試薬で処理されたサンプルを示し、メラニンに関連した暗い部分がないことは明らかであり、(D)は、明確化試薬で処理し、DABで特異的に染色されたサンプルを示し、特異的な染色が明らかである。 図2(A)−2(D)は異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、(A)はサンプル内の色素に関連する曖昧化を示しており、サンプルにはメラニンが暗く色素沈着しており、(B)は、DABで特異的に染色された曖昧化色素を含むサンプルを示し、染色は癌マーカーに特異的であり、メラニン及びDAB染色に関連する暗い部分が見え、区別が困難であり、(C)は、明確化試薬で処理した後のサンプルを示し、メラニンに関連した暗い部分がないことは明らかであり、(D)は、明確化試薬で処理し、DABで特異的に染色されたサンプルを示し、メラニンに関連した暗い部分がなく、よって特異的なDAB染色を曖昧にはしない。 図3(A)−3(B)は、インサイツハイブリダイゼーション(ISH)シグナルを示す異なるメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、(A)は、サンプル内の色素に関連する曖昧化を含み、サンプルにはメラニンが暗く色素沈着しており、(B)は、ISHシグナルの視感度の向上をもたらす明確化試薬で処理されたサンプルを示す。 図4は、組み入れた場合に更なる実施態様を形成する工程を更に示す、本発明の一実施態様に係る方法を表す図である。 図5(A)−(E)は、メラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の高倍率のものを挿入した顕微鏡写真で、固定温度及び過酸化物条件下での明確化の結果に対するインキュベーション時間の影響を示す。 図6(A)−(E)は、固定温度と過酸化物条件下での明確化の結果に対するインキュベーション時間の影響を示す異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図7(A)−(E)は、過酸化物の増加濃度を用いて明確化の結果に対するインキュベーション時間の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の高倍率のものを挿入した顕微鏡写真である。 図8(A)−(E)は、更に増加した濃度の過酸化物を用いて明確化の結果に対するインキュベーション時間の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の高倍率のものを挿入した顕微鏡写真である。 図9(A)−(F)は、明確化の結果に対する試薬濃度の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図10(A)−(F)は、明確化の結果に対する試薬濃度と増加させた明確化温度の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図11(A)−(F)は、明確化の結果に対する試薬濃度と更に増加させた明確化温度の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図12(A)−(F)は、固定温度と過酸化物条件下での明確化の結果に対する明確化時間の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図13(A)−(D)は、明確化の結果に対する全体的な染色手順中の明確化プロセスの順序の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真である。 図14(A)−(B)は、明確化を伴わない(A)及び明確化を伴う(B)BRAF V600E状態について試験したメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。 図15(A)−(B)は、明確化を伴わない(A)及び明確化を伴う(B)BRAF V600E状態について試験したメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。 図16(A)−(B)は明確化を伴わない(A)及び明確化を伴う(B)BRAF V600E状態について試験したメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。 図17(A)−(D)は、BRAF V600E状態について試験されたメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真で、(A)明確化を伴わないV600E陽性領域、(B)明確化を伴うV600E陰性領域、(C)明確化を伴わないV600E陽性領域、及び(D)明確化を伴うV600E陰性領域を示す。
色素を含む生物学的サンプルの病理組織学的検査は発色性シグナル及び細胞形態の視覚化を曖昧にする色素のために困難であるがやりがいがある。特に、細胞内メラニン顆粒のような色素を含む生物学的サンプルは、顆粒の存在のために評価が困難な場合がある。これらの顆粒は、細胞の形態を曖昧にし、抗体−抗原相互作用の直接の物理的なマスキングを引き起こす場合がある。本開示の一態様は、抗体−抗原相互作用のためのサンプルのマスクされた部分を明らかにするこれらの種類の生物学的サンプルの自動化された明確化手順が発見されたことである。これらの自動化された明確化手順は、細胞形態及び抗原/標的の分解を軽減しながら、サンプルの可視化を向上させる。
細胞内の色素は、組織学的色素原の吸光度の可視化を不明瞭にする場合がある。而して、IHC、ISH、及び細胞染色(例えば、ヘマトキシリン及びエオシン)シグナルが曖昧化され、病理学的評価が損なわれる場合がある。色素は可視光を吸収することによって、また局所媒質への溶解性の欠如によって特徴づけられる。生物学的サンプルに関連付けられた色素は、体の外側から生じる外因性、又は体によってつくられる内因性として分類されうる。一つの例示的な外因性色素は炭素(例えば炭塵)である。炭素堆積物は、都市環境における一般的な大気汚染物質であり、炭粉蓄積症は肺の組織中でのこの炭素の蓄積である。表皮組織に共通の外因性色素は、入れ墨に使用されるものを含む。内因性色素はリポクローム、メラニン、ホモゲンチジン酸、ヘモジデリン、及びビリルビンを含む。リポクロームは、脂質及びリン脂質の重合体で構成されている。メラニンは、チロシナーゼがメラニン細胞中においてチロシンのジヒドロキシフェニルアラニンへの酸化を触媒するときに形成されるが、表皮組織において一般的である。オクロノーシスとして知られている色素沈着を引き起こすことが知られているホモゲンチジン酸は、アルカプトン尿症の患者で生じる。ヘモジデリンは、フェリチンミセルの凝集体を表し、一般的な挫傷を含む任意の形態の出血によって引き起こされる場合がある。ビリルビンは胆汁中に見出される主要な色素である。
メラニンは、ジヒドロキシインドール、ジヒドロキシインドールカルボン酸、ベンゾチアジン、及び/又はそれらの還元型から選択される様々なモノマー単位を含む非常に不均一なポリマーを含む生物学的色素である。モノマー単位は、様々な結合によって連結され、及び/又は架橋されて、多様な特性を有する、不透明、不溶性で複雑なポリマーを形成する。生物学的サンプル中の色素沈着のレベルはある域の濃度にわたって連続的に変化するが、特定の組織は、軽度に、中程度に、又は重度に色素沈着されるとしばしば特徴付けられる。色素沈着の何れのレベルも、組織病理学的評価を曖昧にする場合があり、色素曖昧化は色素濃度と共に増加する。メラニンは細胞形態及び特異的染色を曖昧にし、抗体−抗原相互作用を妨げる場合がある。抗体−抗原又はISH相互作用をマスキングし、それから生成されるシグナルを不明瞭にすることで、メラニンは肉眼的陽性/陰性分析に影響を及ぼす場合があり、陽性細胞の強度及びパーセントの誤った分析につながる場合がある。
例示的な実施態様では、基体上に取り付けられたサンプルを処理して、サンプル内の色素と関連する染色曖昧化を緩和する自動化方法は、サンプルが取り付けられる基体を自動機器上に配する工程、明確化試薬を適用して、明確化試薬がサンプルと接触し、サンプル内の色素が脱色されるようにする工程、すすぎ試薬を適用して、明確化試薬がサンプルとの接触から実質的に除去されるようにする工程、及び発色試薬を適用して、サンプルが特異的に染色されるようにする工程を備える。サンプル内の色素は脱色されて、特異的に染色されたサンプルが有資格読み取り者によって解釈可能となる。
更なる例示的な実施態様では、サンプルを処理する方法は、明確化試薬を適用して、明確化試薬がサンプルと接触し、サンプル内の色素が脱色されるようにすることを含む。一実施態様では、明確化試薬の適用は、約2分から約2時間、約4分から約1.5時間、約6分から約1時間、又は約8分から約0.5時間の間の時間、明確化試薬をサンプルに接触させることを含む。現代の組織病理学研究室での課題は、サンプルの受け取りから読み取りに適した条件でのサンプルの運搬までのターンアラウンドタイム(turn-around-time)である。色素を含むサンプルは、染色前に手作業で漂白手順を必要とするので、長いターンアラウンドタイムを持っていることが知られていた。多くの手作業での漂白過程の長い期間(しばしば24時間よりも長い)に加えて、サンプルは、多くのサンプルが同時に処理できるようにしばしばバッチ処理された。ターンアラウンドタイムは、明確化工程が完全に自動化された方法に組み込まれているので、本開示の方法、キット、及びシステムによれば向上させられる。更に、自動機器が明確化試薬を適用し、サンプルに熱を加え、必要に応じて繰り返すことができる方式は、明確化工程の時間の劇的な減少をもたらす。特に、以前は24−48時間かかっていたプロセスが、ここに記載のように、2時間未満で完了することができる。更に、多数のサンプルにわたる明確化速度の体系的な評価は、厳しく色素沈着したサンプルでさえも2時間未満で効率的に脱色することができるとの発見につながった。
例示的な実施態様では、明確化試薬は、約1%から約12%の過酸化水素(v/v)、約2%から約10%の過酸化水素(v/v)、又は約3%から約9%の過酸化水素(v/v)を含む。他の実施態様では、明確化試薬は、約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度でリン酸バッファーを含む。他の実施態様では、明確化試薬は約3から約11の間、約4から約10の間、約5から約9の間、約6から約8の間、又は約7のpHで緩衝される。他の実施態様では、明確化試薬は、約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度及び約4から約10、約5から約9、約6から約8、又は約7のpHでセレンセン(Sorensen)のリン酸バッファーを含む。他の実施態様では、明確化試薬は、有資格の読み取り者はサンプルが明確化試薬適用前のサンプルのものと一致した形態学的特性を示すことを結論付けるように、予め決められた時間にわたって形態学的にニュートラルである。
例示的な実施態様では、本方法は、明確化試薬がサンプルとの接触から実質的に除去されるように、すすぎ試薬を適用することを含む。本開示の一態様は、方法、キット、及びシステムが、自動機器で色素含有サンプルの明確化を可能にすることである。ここに開示される自動機器は、後続の工程の性能を高めるために様々な処理工程の間にすすぎ試薬を送り込むことができる。ここでのすすぎ工程は未反応の明確化試薬を除去し、特異的な染色用にサンプルを準備する。
例示的な実施態様では、本開示の方法は、サンプルと明確化試薬が接触している間、予め決められた温度にあるように基体に熱を加えることを含む。一実施態様では、温度及び時間は自動機器によって精確に制御される。精確な時間と温度の工程は、ここに記載された方法が優れた再現性と制御性を方法の工程にもたらすことを可能にする。方法の工程の再現性は、方法の結果が実施回毎にまた実験室毎に再現性があるようにする。更に、自動機器による試薬の移送はヒューマンエラーと人的労働コストを削減する。ヒューマンエラーと人的労働コストを低減する一方、方法の工程の自動化は、熱く酸化性の組成物の取り扱いが今は技術者から取り除かれ、自動機器によって実施されるので、実験室の作業員にとってより安全である。一実施態様では、予め決められた温度は約35℃から約100℃の間、約40℃から約90℃の間、又は約45℃から約80℃、又は約50℃から約70℃の間である。
本開示の一態様は、自動機器によって提供される温度制御が、これまで不可能であった優れた結果を提供することである。例えば、自動機器によって提供される加熱速度は、前述のターンアラウンドタイムの性能に貢献する。一実施態様では、サンプルの温度は、加熱台の中心で測定して、8分以内に37℃から100℃まで増加させられ、8分以内に100℃から50℃に冷却されうる。他の実施態様では、サンプルの温度は、4分以内に37℃から100℃まで増加させられ、8分以内に100℃から37℃に冷却されうる。本開示の別の態様は、サンプル全体の温度を均一に制御することができ、そのような均一の制御が、色素がサンプルにわたって均一に明確化されるように、サンプルの脱色の一貫性を向上させる。一実施態様では、スライド全体の温度の均一性は、37℃でプラスマイナス約2℃未満で、100℃でプラス又はマイナス約4℃未満である。別の実施態様では、スライド全体の温度の均一性は、37℃でプラスマイナス約2℃未満で、100℃でプラス又はマイナス約3℃である。
ここに記載されるように、ここに記載の自動化方法の実施態様は、基体上に取り付けられたサンプルを含む。一実施態様では、基体はガラススライドである。別の実施態様では、ガラススライドはガラス顕微鏡スライドである。例示的な実施態様では、加熱されたスライド台はガラススライドに熱を加えるために使用される。本開示の一態様は、加熱されたスライド台がスライドを加熱して、得られる明確化が優れた結果を示すことである。マイクロ波照射、オーブン、又は温度槽を用いて、酸化性化学物質の槽を加熱することを含む加熱の他の方法が記載されている。スライド台は、少なくとも(1)基体に直接熱を送り、サンプルとそれに接触する明確化試薬を直接加熱し、(2)基体全体に均一に熱を移送し、サンプルの各部分が実質的に均等な予め決められた温度に達するようにし、(3)サンプルとは反対に基体に熱を直接加え、サンプルがサンプルを損傷させる場合がある直接の加熱と同時の過熱を被らないようにし、そして(4)槽を通して送られうるよりも大なる速度で熱を基体に送ることによって、サンプルに優れた加熱をもたらす。一実施態様では、サンプルはスライドの上面上に配置され、ついでスライドは加熱されたスライド台の上面に配置され、スライドの底面が加熱されたスライド台と接触するようにされる。加熱されたスライド台は、伝導によって、スライドの底部を加熱する。
病理組織サンプルを処理するために試薬槽の使用を含む手作業又は自動化プロセスは、患者に安全上のリスクをもたらすことが知られている。組織病理学サンプルに対して試薬槽を再使用することを含む方法が、誤診につながりうるサンプルの二次汚染を生じうることを裏付ける実質的証拠が蓄積されている。槽中で明確化組成物に曝露されたある割合のサンプルは基体への付着性を失い、基体を除去した後、槽に残る。この問題は、明確化溶液の性質によって悪化する;明確化溶液が大きな割合のサンプルが従来の染色試薬よりも接着力を失わせることが発見された。最初の基体が引き出された後の槽の再利用は、幾つかの理由のために本技術より劣っている。第一の基体に対して付着性を失った第一のサンプルは、基体が複数のソースからのサンプルを含むように第二の基体に付着することがありうる。これは、患者の誤診又は新鮮なサンプルを用いてのプロセスの複製の必要性につながる場合がある。試薬は第一のサンプルへの曝露によって消費されるため、試薬槽を再利用することはまた第二のサンプルを第一のサンプルとは異なる条件に供する。すなわち、槽組成物の性質はその繰り返しの使用に応じて経時的に変化する。試薬品質のこの劣化は、効率的な明確化溶液の性質によって悪化する。具体的には、明確化試薬は、高温に維持される高度に酸化性の組成物である傾向がある。従って、本開示は、槽を使用しないことによって、優れた再現性、性能、及び患者の安全性を提供することができる方法、キット、及びシステムを記載している。一実施態様では、明確化試薬を適用することは槽中に基体を浸漬することを含まない。例示的な実施態様では、本開示のシステム及びキットは、自動分注のために構成されたディスペンサーに明確化組成物を含む。一実施態様では、自動化方法は、サンプルが取り付けられる基体を自動機器上に配する工程とサンプルを発色試薬に接触させてサンプルを特異的に染色する工程との間に、ユーザーが基体を取り扱うことを必要とする工程を含まない。
一実施態様では、方法は、サンプルに明確化試薬を適用する前に、試薬の温度を保存温度に維持することを含む。一実施態様では、保存温度は、明確化溶液の安定性が長期間維持されるように、約4℃約37℃の間である。他の実施態様では、保存温度は室温である。更なる実施態様では、明確化試薬は、約12ヶ月より長く、又は約18ヶ月より長く、又は約24カ月より長い有効期間を適切な保存条件下で有する。延長された有効期間は、槽は著しい劣化なしに長期間維持することができないという点で槽に対する利点である。本開示のシステム、キット、及び方法の別の態様は、槽を持たない構成が明確化試薬を大気からシールすることを可能にすることである。槽中の溶液は、その中の様々な成分の差次的な蒸発を受け、濃度が経時的にシフトするようになる。更に、槽中の溶液は、溶液のpH、純度、又は明確化容量を変化させうる空気中の分子と相互作用する。例えば、大気中の二酸化炭素は、槽中に溶解することができ、カルボン酸の形成を通してpHをシフトさせる。同様に、空気中のほこりは、開放された槽溶液と接触してその純度を低減させうる。その空気中の成分がまた、組織を明確化するための試薬の利用可能性を低減するように明確化試薬と反応しうる。これは無差別に汚染物質と酸化しうる非常に酸化性の試薬に特に当てはまる。明確化試薬のための試薬ディスペンサーの使用は、本開示の範囲内で優れた結果をもたらす。
例示的な実施態様では、明確化試薬の適用は、約0.05mLから約3mL、約0.1mLから約1.5mL、約0.2mLから約1mL、又は約0.3mLから約0.5mLの明確化試薬の量を含む。槽ベースの明確化プロセスとは対照的に、ディスペンサーベースの明確化アプローチは実質的に少ない容量の明確化試薬を使用する。試薬は潜在的に危険で高価なので、実質的に小さい容量はコストの削減を可能にし、プロセスの廃棄物負荷を低減させる。色素の曖昧化からサンプルを明確化することは、潜在的に危険な化学物質の槽を使用する手作業のプロセスであった。サンプル明確化に対して提案された解決策を提示する研究は、典型的には「漂白」組成物、条件、及びサンプルの完全性に対する漂白の効果をあげる。計画では、「漂白」プロセスはメラニン重合体を分解することを意図している。メラニンポリマーの分解は曖昧化の減少をもたらす一方、組織に対して相伴う劣化はサンプルを使用できないものにする場合がある。「漂白」プロセスがサンプルを形態学的に分解させ、及び/又はその中の抗原/遺伝子マーカーを破壊又は変性させるならば、サンプルを使用できない場合がある。
本開示の一態様は、ここに記載の方法、キット、及びシステムが、サンプルに対して非損傷性であることであり、ここで、非損傷性とは、サンプルが形態学的に読み取り可能であり、サンプルの抗原性/遺伝子特性が発現されたままであることを意味する。一実施態様では、該方法は、第二の明確化試薬を適用して、第一の明確化試薬の適用後で発色試薬の適用前に第二の明確化試薬がサンプルに接触するようにすることを含む。他の実施態様では、本方法は、第三又は更なる明確化試薬を適用して、明確化試薬の適用後で発色試薬の適用前に更なる明確化試薬がサンプルに接触するようにすることを含む。一実施態様では、本方法は、サンプルが十分に明確化されるまで、サンプルを明確化について監視し、明確化試薬の適用を繰り返すことを含む。監視手段は、画像解析と結合されたデジタル顕微鏡法又は当該技術分野で知られている他の解決手段を含みうる。
手作業の方法では、技術者が比較的多量(例えば常套的に20mL以上)の化学混合物を直接取り扱い、準備する必要がある。様々な組成物が使用されており、主要な選択は過酸化水素及び過マンガン酸塩溶液である。様々な添加剤、促進剤、及び条件が、プロセスを改善する試みにおいて実施されてきている。しかしながら、効率的な自動化プロセスには、満たされていない必要性がある。本発明の一態様は、プロセスが槽中でのサンプルの浸漬を必要としないことであり、すなわち、方法、システム、及びキットの実施態様が槽を含まないことである。
一実施態様では、明確化試薬の適用は、ボルテックスミキシング(ボルテックスミキシングに関連する開示の全体が出典明示により援用される米国特許第7404927号を参照)又はプラテンアセンブリミキシング(例えば、プラテンアセンブリミキシングに関連する開示が出典明示によりここに援用される米国公開出願公開第2011/0305842号「Floatable opposables for applying fluids to process biological samples」)を施して、サンプルに接触させながら明確化試薬を撹拌することを含む。サンプルに接触させながらの明確化試薬の撹拌は明確化速度を高め、サンプルに対する溶液の均一性を向上させ、よって、より均一な明確化につながる。撹拌はまた明確化試薬のより完全な消費を可能にし、自動機器からの廃棄流がその反応性が実質的に使い果たされた試薬を含むようにする。該方法の自動化の実現は、手作業のプロセスと比較して優れた性能をもたらす能力と再現性を提供する。一実施態様では、明確化試薬の適用は、サンプル上へ明確化試薬の液滴を適用するか又はサンプルの近傍へ明確化試薬の液滴を適用し、液滴が乱流様式でサンプルと接触するように強制することを含む。乱流様式は層流様式とは対照的に改善した混合性をもたらす。ボルテックスミキシング及びプラテンアセンブリミキシングは乱流様式をつくりだすことができる。
例示的な実施態様では、該方法は、発色試薬を適用して、サンプルが特異的に染色されるようにすることを含む。一実施態様では、特異的に染色するとは、疎水性、インターカレーション、又は他の非認識結合に関連した接着を介してサンプルの一部を選択的に染色する一次染料の適用を含む。例えば、ヘマトキシリン及びエオシン染色(H&E染色)は、当該技術分野において周知である。ヘマトキシリンと一次染色に関連する開示について出典明示によりここに援用される米国特許出願公開第2008/0227143号を参照のこと。H&E染色は、細胞形態の評価に使用され、病理学的に癌を診断するための主要なツールである。
更なる例示的な実施態様では、該方法は、免疫組織化学(IHC)結合試薬又はインサイツハイブリダイゼーション(ISH)結合試薬を適用して、IHC結合試薬又はISH結合試薬がサンプルに接触するようにすることを含む。ISHは、遺伝的異常又は状態の存在を診断するために使用することができる。例えば、ISHは、特定の疾患に関連する遺伝子の遺伝子増幅、欠失、又は転座を検出するために使用できる。ISHはまた感染した細胞内の微生物及びウイルス配列の検出を可能にするので、感染症の診断にも有用である。IHCは、対象のエピトープに特異的に結合する抗体を含む。エピトープは、抗原又は抗原配列とも呼ばれ、臨床的に関心があるマーカーとして確立されているタンパク質の部分である。例えば、エピトープは、タンパク質の変異型、タンパク質−タンパク質結合部位、又は対照サンプルにおけるように、正常よりも高いか又は低い濃度で発現される正常タンパク質でありうる。様々な生物学的サンプル中のエピトープの検出及び/又は定量は、膨大な数の臨床目的に使用されている。
IHCとISHの双方が、核酸プローブ(ISH)又は抗体(IHC)及びサンプル内の標的の間の特異的認識事象に関与する。この特異的な相互作用は標的を標識化する。標識は、直接可視化され(直接標識)、又は更なる検出化学を用いて間接的に観察され得る。標識の近傍における発色物質の沈着に関与する発色検出は、シグナルの強度を増幅させて視覚化を容易にする検出工程を更に含む。増幅シグナルの可視化(例えばレポーター分子の使用)は観察者がサンプル中の標的を局在化することを可能にする。
発色の検出は、簡単で費用対効果の高い検出方法を提供する。発色基質は、適切な酵素が作用させられると沈殿することによって伝統的に機能している。すなわち、伝統的な発色物質は酵素と接触して可溶性試薬から不溶性の着色沈殿物に転換される。得られる着色沈殿物は処理や可視化のために特殊な設備を必要としない。表1は本開示の範囲内で有用な色素原系の非網羅的なリストである:
Figure 2015534646
表1は網羅的ではないが、様々な種類の現在利用可能な発色物質の手掛かりを提供する(†国際公開第2012/024185号, Kelly等「Substrates for Chromogenic detection and methods of use in detection assays and kits」)。
ここで図1(A)−図1(D)を参照すると、示されているものはサンプル(メラノーマ組織サンプル)の連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、1(A)はサンプル内の色素に関連する曖昧化を示している。顕微鏡写真は、(「N」でマークされた矢印で例示的に示される)暗く染色された(青)核を含む明るく染色された細胞を示す。(「M」とマークされた矢印で例示的に示される)暗い部分(褐色)もまた顕微鏡写真中に明らかである。これらの暗い部分はメラニンである。明確化されていないメラノーマ部分は、一次抗体が含まれていなかったこと以外は、例示的IHCプロトコルで染色された。このように、顕微鏡写真は、特異的な染色がない、サンプル中に存在する色素のバックグラウンドレベルを示している。図1(B)はDABで特異的に染色された同じサンプルの連続切片を示す。メラノーマの例は、細胞質で発現された癌マーカーに対する抗体を用いた例示的なIHCプロトコルで染色された。代表的なメラノーママーカーは、MART−1/メランA(A103)製品番号790−2990;S100(4C4.9)製品番号790−2914;メラノソーム(HMB45)製品番号790−4366;MITF(C5/D5)製品番号790−4367;チロシナーゼ(T311)製品番号790−4365;又はNGFR(MRQ−21)製品番号760−4391(全て、Ventana Medical Systems社、アリゾナ州ツーソンから入手可能)を含む。図1(B)は、特異的染色の識別とスコアリングを妨げうる、明確化が実施されない場合の特異的DAB染色との関連で、メラニン色素の隠蔽性を示す。DAB染色は細胞マーカーの分布に関連した褐色のシグナルを生じる。メラニンは、写真内に明らかな暗い部分として見える。特異的染色に関連したシグナルは、メラニン沈着と色が似ており、発色シグナルとメラニン沈着の間の正確な区別が困難である。従って、図1(B)は内因性色素による特異的染色曖昧化の例である。図1(C)は明確化試薬で処理されたサンプルの連続切片を示す。サンプルはヘマトキシリンで染色される一方、IHC又はISHを使用して特異的には染色されなかった。このように、癌マーカーに関連するシグナルはない。サンプルは、3%のHで2時間55℃で代表的な明確化プロセスを受けた後、一次抗体を欠くモックIHCプロトコルで染色された。この顕微鏡写真は、ひどく着色されたメラノーマがこの手順を使用して完全に明確化できることを示している。サンプルの完全な明確化を得ることは、後続のIHC染色を精確に解釈するためには重要である。図1(C)は、高度に着色されたサンプルを脱色するここに記載の方法により明確化された例示的なサンプルを示す。明確化手順が色素に関連した曖昧化を取り除き、細胞形態がサンプル全体において保たれていることが明らかである。図1(D)は、明確化試薬で処理され、DABで特異的に染色されたサンプルの連続切片を示す。DABからの特異的染色は明瞭であり、図1(B)に示される顕微鏡写真とは対照的にメラニンによって曖昧化されていない。曖昧化色素がないことは、メラニンに関連した暗い部分が特異的染色を曖昧化しないので、アッセイから医療価値を精確かつ自信をもって導き出す点で有資格の読み取り者に利点をもたらす。図1(D)は、3%のHで2時間55℃で明確化を受けた後、DABで可視化された細胞質タンパク質に対する抗体を使用したIHCプロトコルで染色されたメラノーマ症例の連続切片を示す。顕微鏡写真は、曖昧化するメラニン色素を除去し、抗体特異的染色を一義的に同定し定量化することを可能にする明確化手順の能力を示している。
ここで図2(A)−図2(D)を参照すると、示されているものは異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、明確化されずIHCで染色されていない切片2(A)、明確化されていないがIHCで染色された2(B)、明確化されているがIHCで染色されていない2(C)、及び明確化されIHCで染色された2(D)を示している。各図2(A)−2(D)は、細胞形態を明らかにするためにヘマトキシリンで染色されている。
図2(A)−(D)の一側面は、それらが、完全に自動化された明確化プロトコルを使用して、高色素沈着で高度に曖昧化するメラノーマの明確化を示していることである。メラノーマの症例の連続切片が処理された。図2(A)は、一次抗体を欠くモックIHCプロトコルで染色された非明確化メラノーマ切片を示す。この顕微鏡写真は、サンプル中に存在する色素のバックグラウンドレベルを例示する。図2(B)は、細胞質に発現された癌マーカーに対する抗体を使用してIHCプロトコルで染色されDABで可視化されたメラノーマ症例の連続切片を示す。顕微鏡写真は、特異的染色の識別とスコアリングを妨げうる、明確化が実施されない場合の特異的DAB染色との関連で、メラニン色素の曖昧化性を示す。図2(C)は、9%のHで1時間60℃で明確化を受けた後、一次抗体を欠くモックIHCプロトコルで染色したメラノーマ症例の連続切片を示す。図2(D)は、9%のHで1時間60℃で明確化を受け、ついで細胞質タンパク質に対する抗体を使用してIHCプロトコルで染色しDABで可視化したメラノーマ症例の連続切片を示す。
図2(A)−図2(D)は、曖昧化するメラニン色素を除去し、抗体特異的染色を一義的に同定し定量化することを可能にする明確化手順の能力を示している。曖昧化色素が存在する場合、明確化することなく、特異的な染色の解釈は困難である。特に、図2(A)及び図2(B)の様子は区別することが困難である。図2(B)を読み取る病理学者は、特異的染色が存在しているかどうか、存在しているならば、1、2、3又は4の染色シグナル強度を評価することは困難であろう。図2(C)は、図2(D)に示される特異的染色に対する対照として使用することができるが、サンプルを明確化することができ、サンプルの形態は完全なままであることを示している。図2(D)は、対照として図2(C)を使用すると、有資格の読み取り者によって容易に解釈可能である特異的染色を示している。曖昧化するものではないものとされている色素は、有資格の読み取り者によるサンプルの解釈を妨げない。
図3(A)−3(B)はメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片の顕微鏡写真であり、3(A)はメラニン色素によるISHシグナルの曖昧化を示し、3(B)はここに記載の方法により明確化されたISHシグナルを示している。3(A)と3(B)は双方とも特定の配列の全てのコピーに対する発色スポットを提供するコピー数(例えば増幅)プローブに対するISHシグナルを示している。増幅は、典型的には、特定細胞内のセントロメアコントロールに関連付けられたスポット数に対する標的に関連するスポット数の比率を評価することによって読み取られる(更なる説明については、二色発色ISHに関する開示についてその全体が出典明示によりここに援用される国際公開第2011/133625号を参照のこと)。而して、この種のISHシグナルは、バイナリーアプローチ(例えばシグナルがカウントされるかされないか)を使用して離散シグナルをカウントすることにより読み取られる。更に、例示的な顕微鏡写真3(A)及び3(B)は、ファストレッド(赤)(「R」とマークされた矢印で例示的に示される)及び元素銀(黒)(「B」とマークされた矢印で例示的に示される)を使用して検出されるISHシグナルを示す。従って、ISHシグナルは、バイナリーであり、褐色(「M」とマークされた矢印で例示的に示される)に見えるメラニン色素とは比色測定的に区別される。しかし、これらの条件下でさえ、図3(A)及び3(B)は、3(B)のISHシグナルは解釈可能である一方、3(A)内のISHシグナルは曖昧になっているので、ここに開示された方法を使用してサンプルを明確化する効果が得られることを示している。
図3(A)−3(B)はISHへの明確化プロトコルの適用を示す。図3(A)はPIK3CA(黒色シグナル)と3番染色体(赤色シグナル)に対して染色された明確化されていない強い色素のメラノーマ症例を示している。その少数の色素がない細胞では遺伝子及び染色体シグナルの双方を容易に見ることができる。しかしながら、色素がある細胞では遺伝子及び染色体シグナルは曖昧である。図3(B)は、PIK3CA(黒色シグナル)(「B」でマークされた矢印で例示的に示される)及び3番染色体(赤色シグナル)(「R」でマークされた矢印で例示的に示される)に対して明確化され、染色された連続切片を示している。明確化手順は細胞から色素の全てを除去し、基礎となる遺伝子や染色体のシグナルを見て、数えることが可能になる。別の態様によれば、図3(A)−3(B)は、標準的なISH条件下ではスコア付けできない場合があるメラノーマサンプルを、明確化方法を含む染色手順を使用してスコア付けすることができることを示している。
ここで図4を参照すると、自動機器に基体を配し、明確化試薬を適用し、すすぎ試薬を適用し、発色試薬を適用することを含む本開示の例示的実施態様を示す図が開示される。図4は、自動機器上への基体を配置で始まる提案される工程順を示す実線の矢印を含む。陰影付きのボックスの下と中には、開示された方法の様々な実施態様に係る方法に含まれうる工程がある。破線の矢印は、工程が更なる実施態様を確立するようにいつ導入されうるかを示している。実線の矢印に向けられている破線の矢印は、実線の矢印が連結する二つの工程間に更なる工程があることが意図されることを示している。ボックスに向けられた破線の矢印は、更なる工程が、ボックス内のプロセス工程中に又は該プロセス工程と同時に起こることを示している。
再び図4を参照すると、本開示による方法は、自動機器内又は自動機器上にサンプルが固定される基体を配することを含む。一実施態様では、準備試薬を適用することができる。例示的には、該方法はパラフィンを除去するために脱パラフィン試薬を適用することを含む。脱パラフィンに関連する開示について出典明示によりここに援用される米国特許出願公開第2006/0252025号及び第2008/0261266号は、ここに記載の方法を具現化する方法を例示する方法及び組成物を開示する。例示的な脱パラフィン液は、ヴェンタナメディカルシステムズ社、アリゾナ州ツーソンから入手可能である(EZ Prep(10x)カタログ#:950−102)。
別の実施態様では、該方法は、緩衝準備液を適用して、緩衝準備液が明確化試薬の適用前にサンプルに接触するようにすることを含む。一実施態様では、酸化剤を含むことを除いて明確化試薬と一致するバッファー組成物が使用される。準備液は明確化試薬の適用前に温度の上昇と共に使用されうる。準備液はまた明確化試薬の添加前にサンプルの浸透圧を変えるのに役立つ場合がある。準備液はまた脱パラフィン工程又は自動機器上に基体を配する前に生じた可能性がある他の工程に関連する試薬の洗浄液となる場合がある。
IHC及びISH試験双方においてしばしば遭遇する困難は、組織が典型的に保存される方法から生じる。診断病理学研究室の主力は、何十年もの間、切片化され、ガラススライド上に取り付けられる組織のホルマリン固定、パラフィン包埋ブロックであった。そのような保存料中で固定は、アミノ酸及び核酸双方の巨大分子の架橋を生じさせる。これらの架橋成分は、標的核酸へのプローブの接近を許容し、抗体が対応する抗原を認識できるようにするためには除去されなければならない。抗原及び/又は核酸の「アンマスキング」は、典型的には、複数の前処理、タンパク質分解消化及び洗浄工程を使用して手作業で達成される。明確化又は染色の前に、パラフィンが抗体又はプローブ結合を妨害しないようにパラフィンの完全な除去が必要とされる。脱パラフィンは、パラフィン系溶剤(例えば、キシレン、キシレン代替品、又はトルエン)である複数(例えば、二、三)の逐次の透徹試薬の使用によって達成されうる。
例示的な実施態様では、明確化方法は細胞コンディショニング工程を含む。細胞の条件付けは、出典明示によりその主題事項が明示的に援用される米国特許第6855552号,Towne等「Automated immunohistochemical and in situ hybridization assay formulations」において詳細に検討されている。例示的な細胞コンディショニング工程では、細胞コンディショニング剤が適用され、サンプルが適切な時間の間、適切な温度で接触させられて、抗原及び/又は核酸標的が検出のために十分に発現されるようになる。本開示の一態様は、自動機器が、明確化工程に応じて細胞コンディショニングの期間及び/又は温度を自動的に調整することができることである。細胞コンディショニング及び明確化工程が長い明確化工程に応答して細胞コンディショニング工程の調整を保証しうる累積的な効果がサンプルに生じることが発見された。システムの一態様は、組織形態学が累積処理によって悪影響を受けないように対応する細胞コンディショニング工程を自動的に減少させるように長い明確化工程をマイクロプロセッサ内でプログラムすることができることである。細胞コンディショニングは、プロテアーゼ試薬を適用することを更に含みうる。例示的には、プロテアーゼ処理は、生物学的サンプルにプロテアーゼ溶液を接触させる工程を含みうる。プロテアーゼ処理は、細胞コンディショニングと同様に、標的抗原及び/又は核酸の発現を増加させることを意図している。一実施態様では、有資格の読み取り者によって解釈可能であるとは、明確化試薬の適用前のサンプルのものと一致し又はそれに対して改善された抗原性及び遺伝的特性をサンプルが示すことを含む。別の実施態様では、有資格の読み取り者によって解釈可能であるとは明確化試薬及び細胞コンディショニング試薬の適用前のサンプルのものと一致し又はそれに対して改善された抗原性及び遺伝的特性をサンプルが示すことを含む。
例示的な細胞コンディショニング試薬は、核酸標的(ISH)では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含む溶液が使用されうる。接触は、約2から約90分の間、約95℃の温度でなされうる。タンパク質標的(IHC)では、細胞コンディショニング溶液はホウ酸バッファーでありうる。接触は、約2から約90分の間、約100℃の温度でなされうる。可能な試薬の部分的リストは、Analytical Morphology, Gu編, Eaton Publishing社(1997)の1−40頁にある。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び/又はエチレングリコールは条件付け溶液に含まれていてもよい。更に、金属イオン又は他の物質をこれらの試薬に添加して、細胞コンディショニングの効果を高めてもよい。例示的な細胞コンディショニング溶液はヴェンタナメディカルシステムズ社、アリゾナ州ツーソンから入手できる(セルコンディショニング1(CC1)カタログ#:950−124;セルコンディショニング2(CC2)カタログ#:950−123;SSC(10X)カタログ#:950−110;ULTRAセルコンディショニング(ULTRA CC1)カタログ#:950−224;ULTRAセルコンディショニング(ULTRA CC2)カタログ#:950−223、プロテアーゼ1カタログ#:760−2018;プロテアーゼ2カタログ#:760−2019;プロテアーゼ3カタログ#:760−2020)。一実施態様では、免疫組織化学的結合試薬又はインサイツハイブリダイゼーション結合試薬の適用は、細胞コンディショニング試薬の適用後で発色試薬の適用前に起こる。
例示的な実施態様では、本方法はすすぎ試薬を適用することを含む。ここに記載されここに記載のシステムの一部となる様々な工程の間に、すすぎ工程が先の工程からの未反応残留試薬を除去するために加えられうる。すすぎ工程は、混合を伴って又は混合を伴わないで予め決められた温度で予め決められた時間、サンプル上にすすぎ試薬を維持することを含むインキュベーションを更に含みうる。すすぎ工程に適切した条件は、様々な工程間で区別されうる。例示的なすすぎ試薬はヴェンタナメディカルシステムズ社、アリゾナ州ツーソンから入手可能である(反応バッファー(10x)カタログ#:950−300;Special Stains Wash(10x)カタログ#860−015:)。
例示的な実施態様では、サンプル中の曖昧化色素を脱色するためのキットは、試薬ビンと試薬ビンに入れられた明確化試薬を含む。明確化試薬は過酸化水素及び水溶液を含み、試薬ビンは、自動スライド染色装置が明確化試薬の適用を制御し、明確化試薬がサンプルに接触するように、自動スライド染色装置に作動可能に連結されるよう構成されている。一実施態様では、試薬ビンは自動機器用ディスペンサーである(例えば、ここに液体の分配システム及び方法に関連する開示についてここに出典明示により援用される米国特許第5232664号及び第6537818号)。
例示的な実施態様では、色素を含む組織病理学的サンプルのための特異的シグナルの曖昧化を軽減するためのシステムは、自動機器、明確化試薬、及び発色試薬を含む。自動機器は、基体に付着された組織病理学的サンプルを受け入れ、明確化試薬と発色試薬をサンプルに送り、サンプルに送られた明確化試薬と発色試薬に加熱及び混合を施すように構成され、明確化試薬は病理組織学的サンプルに接触し、曖昧化色素を脱色させるように構成され、発色試薬は病理組織学的サンプルと接触し、特異的シグナルを堆積するように構成されている。一実施態様では、自動機器は、自動化スライド染色装置であり、基体は顕微鏡スライドであり、自動化スライド染色装置は顕微鏡スライドを受け取るように構成されている。別の実施態様では、自動化スライド染色機器は顕微鏡スライドが上に位置させられる加熱されたスライド台を含み、該加熱スライド台は顕微鏡スライドを均一に加熱するように構成され、顕微鏡スライドに伝達される熱はサンプルに伝達される。別の実施態様では、自動機器は、サンプルに洗浄試薬を適用するように構成されている。更に別の実施態様では、システムはサンプルの浸漬用の槽を含まない。ヴェンタナメディカルシステムズ社(アリゾナ州ツーソン)を通して入手可能な例示的な自動化システムは、SYMPHONY(登録商標)染色システム、カタログ#:900−SYM3、VENTANA(登録商標)ベンチマーク自動化スライドプレパレーションシステム、カタログ#:N750−BMKXT−FS、N750−BMKU−FS、VENTANA、及びVENTANA(登録商標)ベンチマーク特殊染色自動化スライド染色装置を含む。これらのシステムは、放射状に配置されたスライドを支持する回転カルーセルを含むマイクロプロセッサ制御システムを用いている。ステッパ・モータがカルーセルを回転させ、スライド上方に位置する一連の試薬ディスペンサーのうちの一つの下に各スライドを配置する。スライド及び試薬ディスペンサー上のバーコードは、コンピュータの適切なプログラミングによって、様々な組織サンプルのそれぞれについて異なる試薬処理を行うことができるように、ディスペンサーとスライドのコンピュータ制御された位置決めを可能にする。
例示的な計測システムは、制御された環境条件下で3分の1インチのガラス顕微鏡スライド上に取り付けられた組織切片に試薬を逐次的に適用するように設計されている。機器は、幾つかの基本的な機能、例えば試薬の適用、(以前に適用された試薬を除去するための)洗浄、ジェットドレイン(洗浄後のスライド上の残留バッファ量を減少させる技術)、試薬を封じ込め蒸発を防ぐために使用される軽油の適用、及び他の機器の機能を実行しなければならない。例示的な染色機器は回転カルーセル上でスライドを処理する。スライドは静止位置を維持し、ディスペンサーカルーセルは固定スライド上の試薬を回転させる。ここに記載の方法は、様々な物理的構成を使用して実施することができる。スライド上の組織を明確化し、染色する方法は、上述の基本的な機器機能の逐次的な繰り返しからなる。本質的には、試薬が組織に適用され、ついで特定の温度で特定の時間インキュベートされる。インキュベーション時間が終了すると、試薬の全てが適用されて染色プロセスが完了するまで、試薬がスライドから洗い流され、次の試薬が適用され、インキュベートされ、洗い流し等々がなされる。
関連した開示については、ヴェンタナメディカルシステムズに譲渡されたRichards等の米国特許第6296809号が参照され、これには、各サンプルが個別の染色又は処理プロトコルを、かかるプロトコルが異なった温度パラメーターを必要とする場合でさえ、受けることができるように、顕微鏡スライド上に取り付けられた複数の組織サンプルを自動的に染色し又は処理するための装置及び方法が記載されている。より具体的には、記載されているのは、標準的なガラス顕微鏡スライドに取り付けられ又は固定された組織又は細胞に化学的及び生物学的試薬を自動的に適用する、コンピュータ制御のバーコード駆動染色機器を備えた装置である。複数のスライドが、スライド上方に位置する第2の回転カルーセル上の一連の試薬ディスペンサーの一つの下に各スライドを配置する分注位置まで、コンピュータの指示に従って回転するカルーセル上の円状アレイに取り付けられている。各スライドは、選択された試薬(例えばDNAプローブ)を受け取り、最適な順序で必要とされる時間の間、洗浄され、混合され、及び/又は加熱される。
一実施態様では、サンプルはガラス顕微鏡スライド上に取り付けられた組織又は細胞学的サンプルである。一実施態様では、ガラス顕微鏡スライドは、自動化スライド染色機器と互換性があるように構成されている。別の実施態様では、色素を有するサンプルを明確化し、サンプルをリン酸バッファーに接触させ、サンプルを予め決められた温度に加熱し、リン酸バッファー中の過酸化水素にサンプルを接触させ、予め決められた温度で予め決められた時間の間サンプル工程を維持する工程が自動機器によって実施される。
過酸化水素がメラニンを明確化する機序は完全には理解されていない。如何なる特定の理論にも縛られるものではないが、過酸化物がメラニンタンパク質分子の崩壊を伴い又は伴わないでメラニン分子上のある基(例えば発色基)を酸化することができると現在は理解されている。細胞質中の多量のメラノタンパク質分子はKi67のような核抗原に対する抗体の接近性に影響を及ぼしうるので、これは重要であろう。而して、幾つかの実施態様では、結合試薬の適用前に明確化試薬を適用する点に利点がある。メラニン脱色中のヒドロキシルラジカルの生成は、水酸化物スカベンジャーとして使用されるサリチレートのヒドロキシル化産物の電気化学的検出に基づいて報告されている。メラニン結合の銅イオンの酸化還元転換は、EPR分光法及びメラニン−Cu(II)錯体の直接測定によって報告されている。また、メラニン−銅(I)錯体が酸素又は過酸化水素の何れかによって酸化されていることが報告されている。我々自身の理解と報告されているその情報によれば、メラニンの脱色は、メラニンのヒドロキノン部分の可逆的な酸化と続くメラニンポリマーの分解に至るモノマーの不可逆的な反応の、2つの異なる段階を持つ複雑なプロセスである可能性がある。
更に、本出願は、その中に色素を有するサンプルを明確化する方法を詳細に記載しているが、ここに記載されるアプローチは一般的であり、色素を含む様々な生物学的サンプルに適用可能である。異なる種類の色素を持つ生物学的サンプルに開示された技術を適用することは本出願の範囲内である。その開示された技術を適用することにより、本方法は、ヘマトキシリン及びエオシン、IHC、又はISHのような細胞形態及び染色手順の向上した可視化を可能にする。向上した可視化は、疾患状態の決定及び患者のための生物学的サンプルの改善された予測及び予後分析の開発を改善する。
更に、明確化による開示された技術の適用は、例えば過酸化水素を含む過酸化物などの酸化により典型的には色を除去する様々な化学物質を利用することができる。次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系物質のような追加の酸化剤が本出願の範囲内である。還元性物質はまた本出願の範囲内である。
次の実施例が、実証できる実施態様及び一般的プロトコルの所定の特徴を例証するために提供される。本発明の範囲は次の実施例によって実証される特徴に限定されるものではない。
IHC手順
次のプロトコルがNexES V10.6を備えたVENTANA(登録商標)ベンチマークXT(VMSIカタログ#:N750−BMKXT−FS)で実施された。括弧内の値で例証的プロセス変動を与える範囲は例示的値である:
(1)ベーキングは、組織をスライドに接着させて、特に新鮮なカットのスライドを得るために実施されうる;温度:60℃−75℃;インキュベーション時間:4−32分;オンラインベーキングでは、温度を使用パラフィンブランドの融点より2−4度上に設定する、[ベーキングなし];
(2)脱パラフィン化がワックスを除去して試薬を浸透させるために実施された;独特の脱パラフィンオプションは、標準、拡張及び拡張IIを含む;これらの手順は難しい組織を最適化する際により大きな成功を可能にする柔軟性を改善する;標準はデフォルトで、EZ Prep(VMSIカタログ#:950−102)を使用して古典的な脱パラフィンプロトコルを再現する;拡張は、選択される場合、HER2 DDISH(VMSIカタログ#:780−4422)からの脱パラフィンを再現する(標準的なプロトコルに5回の更なるEZ Prepすすぎ工程を追加;拡張IIは、選択される場合、LCS(VMSIカタログ#:650−010)を使用する、[標準的脱パラフィン、75℃、4分;3回のEZ Prepすすぎ;76℃、4分;すすぎ];
(3)前処理;スライド上での固定後の任意の前処理、過剰なタンパク質の除去(熱及び酵素);ユーザー充填が可能な固定剤試薬;37℃−60℃の温度;反応バッファー中ユーザー充填が可能な「固定剤1」から「固定剤10」との4−32分のインキュベーション;[前処理なし];
(4)細胞コンディショニング;CC1(VMSIカタログ#:950−124)、CC2(VMSIカタログ#:950−123)又は反応バッファー(VMSIカタログ#:950−300)を使用;熱+バッファー回収に僅かにアルカリ性のpHのCC1を使用;熱+バッファー回収に6.0のpHのCC2を使用、反応バッファーは熱回収のみに使用;1から5サイクルが選択可能;インキュベーション時間:4−16分;温度:60℃−100℃、[95℃で32分間−8分の後、100℃で24分のCC1];
(5)プロテアーゼ処理:熱回収を使用する細胞コンディショニングは架橋を固定から緩める;プロテアーゼはタンパク質に「穴をあける」;併用が良好なサンプル浸透を可能にしうる;酵素の選択とインキュベーション時間は、試薬製造業者、推薦、実験、酵素の選択によって決定されうる;ユーザー充填が可能なディスペンサーを酵素1−10、予め希釈されたプロテアーゼ1−3(VMSIカタログ#:760−2018、760−2019、760−2020);予め希釈されたISH−プロテアーゼ1−3(VMSIカタログ#:780−4147、780−4148、780−4149)と共に使用;インキュベーション時間4−32分、[プロテアーゼは使用されず];
(6)一次ペルオキシダーゼ前阻害及び一次ペルオキシダーゼ後阻害(VMSIカタログ#:253−4578);一次が抗原に結合後、内因性ペルオキシダーゼの阻害が可能になる;幾つかの抗原は過酸化水素に対して感受性である場合がある;このオプションはそれらの抗体の染色を改善できる、[ペルオキシダーゼ阻害は使用されず];
(7)すすぎ試薬の適用;反応バッファー;LCS適用、[4分、加熱なし];
(8)明確化プロセス[ここに記載];
(9)一次抗体の適用;一次抗体の温度及び一次抗体の希釈オプション;ユーザーが一次のインキュベーション温度を変更可能;一次抗体適用前にスライドに更なる900μLの反応バッファーを加える;[抗V600E(クローンVE1)、37℃で16分間インキュベートする];
(10)検出が「視覚的」分子をプローブにリンクさせる;UltraView又はOptiView(VMSIカタログ#:760−500、760−700)[OptiView];及び
(11)対比染色及びポスト対比染色;「背景」色を組織に追加する;ユーザーは、事前希釈VENTANA試薬並びにユーザー充填可能な対比染色ディスペンサーを含む対比試薬リストから選択することができる;インキュベーション時間は4分から32分で選択可能である;[ヘマトキシリンII(VMSIカタログ#:790−2208)での4分の対比染色、ブルーイング試薬(VMSIカタログ番号:760−2037)での4分のポスト対比染色]。
明確化方法の例
(i)スライドを(37℃−100℃)に加熱[37℃];
(ii)ジェットドレイン[反応バッファーでジェットドレイン];
(iii)平衡化のために水溶液(例えばバッファー)を添加[0.05Mのソレンセンのリン酸バッファー(pH7.4)中を2滴添加];
(iv)スライドを選択可能な温度(37℃−100℃)に加熱する[55℃、60℃、65℃];
(v)ジェットドレイン[反応バッファーでジェットドレイン];
(vi)明確化試薬を適用[0.05−0.1Mのソレンセンのリン酸バッファー(pH7.4)中3−9%のHを1−3滴];
(vii)LCSを適用;
(viii)明確化試薬を適用[0.05−0.1Mのソレンセンのリン酸バッファー(pH7.4)中3−9%のHを1−3滴];
(ix)選択可能な時間の間、明確化[4分−1時間56分];
(x)すすぎ試薬を適用;[反応バッファー]、すすぎ工程を繰り返す;
(xi)スライドをジェットドレイン;
ISHプロトコル
次のプロトコルがNexES V10.6を備えたVENTANA(登録商標)ベンチマークXTで実施された。括弧内の値で潜在的なプロセス変動を与える範囲は例示的値である:
(1)ベーキング;[ベーキングなし]
(2)脱パラフィン[拡張脱パラフィン、72℃、16、12、16、12、16分のサイクル;4回のすすぎ工程];
(3)前処理;[前処理なし];
(4)細胞コンディショニング;[CC2:12分、90℃の3サイクル];
(5)明確化プロセス[ここに記載];
(6)プロテアーゼ処理[ISHプロテアーゼ3を20分間、37℃];
(7)明確化プロセス[ここに記載];
(8)プローブ適用[PIK3CA PCRプローブ(100μl)プラス3番染色体セントロメアプローブ(100μl)プラスHYB RDY SOL(VMSIカタログ#780−4409)希釈液(400μl)];
(9)変性を使用して標的のストランドを解明する;プローブ変性温度:60℃−95℃;インキュベーション時間:4−32分;(ホルムアミドを含む)HybReadyの増加が低い変性及びハイブリダイゼーション温度を可能にする、[80℃、12分];
(10)ハイブリダイゼーションによりプローブを標的にハイブリダイズさせることができる;温度:37℃−60℃;ハイブリダイゼーション時間:1−12時間;(ホルムアミドを含む)HybReadyの増加が低い変性及びハイブリダイゼーション温度を可能にする、[44℃、6時間];
(11)ストリンジェンシー洗浄を使用して過剰なプローブを洗い流す;ユーザーは3回のストリンジェンシー洗浄サイクルを実施することを選択でき、温度及び時間はユーザーが選択可能である;最初の洗浄が更なる洗浄の温度条件を設定する:37℃−95℃;各サイクルの時間:4−16分、[3回の洗浄、72℃、8分];
(12)検出、[ultraVIEW SISH DNP検出キット(VMSIカタログ#:760−098);ultraVIEWレッドISH DIG検出キット(VMSIカタログ#:760−505)];及び
(13)対比染色;[ヘマトキシリンII(VMSIカタログ#:790−2208)で4分間対比染色、ブルーイング試薬(VMSIカタログ#:760−2037)で4分間のポスト対比染色]。
プロトコルにおける変動例を表2−5に記載する。
Figure 2015534646
Figure 2015534646
Figure 2015534646
Figure 2015534646
ここで図5(A)−(E)を参照すると、実施例1−5が示されている。図5(A)−(E)は、明確化効果及び細胞形態に対する明確化期間の影響を評価するために、増大させた時間量に対して3%のH中で55℃でインキュベートされた色素が多いメラノーマ症例の連続切片を示す。図5(A)は明確化なしのサンプルを示し、色素沈着のバックグラウンドレベルを示している。図5(B)は、16分間明確化されたサンプルを示し、顕微鏡写真は有意であるが不完全な明確化を示している。図5(C)は、32分間明確化されたサンプルを示し、顕微鏡写真は有意でほぼ完全な明確化を示している。図5(D)は、60分間明確化されたサンプルを示し、顕微鏡写真はサンプルの完全な明確化を示している。図5(E)は120分間明確化されたサンプルを示し、顕微鏡写真は完全な明確化を示している。また、120分の明確化処理でさえ細胞形態を著しくは劣化させないことは図5(E)から明らかである。
ここで図6(A)−(E)を参照すると、実施例6−10が示されている。顕微鏡写真は、3%のH中55℃での高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化時間の影響を示す異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。図6(A)は明確化を伴わないサンプルを示す。色素沈着のバックグラウンドレベルが明らかである。図6(B)は8分間明確化されたサンプルを示す;該条件は色素の曖昧化で小さな落ち込みをもたらすことは明らかである。図6(C)は、16分間明確化されたサンプルを示す;該条件は不完全であるが有意な明確化をもたらすことが明らかである。図6(D)は、32分間明確化されたサンプルを示す;該条件は、色素に関連したほぼ全ての曖昧化の除去をもたらすことが明らかである。完全ではないが、このレベルの明確化は混乱なしに所定の染色が行われることを可能にすると考えられる。特に、残った色素の量はゲノムISHシグナルの読み取りを曖昧にすることはないであろう。図6(E)は60分間明確化されたサンプルを示す;該条件はサンプルの完全な明確化をもたらすことが明らかである。図6(A)−(E)を考慮すると、細胞の形態は実施例6−10の明確化条件によって影響されないことが明らかである。
ここで図7(A)−(E)を参照すると、実施例11−15が示されている。顕微鏡写真は、6%のH中55℃での高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化時間の影響を示す異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。図7(A)は明確化を伴わないサンプルを示す。色素沈着のバックグラウンドレベルが明らかである。図7(B)は8分間明確化されたサンプルを示す;該条件は不完全であるが有意な明確化をもたらすことは明らかである。図7(C)は、16分間明確化されたサンプルを示す;該条件はまた不完全であるが有意な明確化をもたらすことが明らかである。図7(D)は、32分間明確化されたサンプルを示す;該条件は、完全な明確化を生じることは明らかである。図7(E)は60分間明確化されたサンプルを示す;該条件はサンプルの完全な明確化をもたらすことが明らかである。図7(A)−(E)を考慮すると、細胞の形態が、実施例11−15の明確化条件によって影響されないことは明らかである。
ここで図8(A)−(E)を参照すると、実施例16−20が示されている。顕微鏡写真は、9%のH中55℃での高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化時間の影響を示す異なったメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。図8(A)は明確化を伴わないサンプルを示す。色素沈着のバックグラウンドレベルが明らかである。図8(B)は8分間明確化されたサンプルを示す;該条件は不完全であるが有意な明確化をもたらすことは明らかである。図8(C)は、16分間明確化されたサンプルを示す;該条件はまた不完全であるが有意な明確化をもたらすことが明らかである。図8(D)は、32分間明確化されたサンプルを示す;該条件は、完全な明確化を生じることは明らかである。図8(E)は60分間明確化されたサンプルを示す;該条件はサンプルの完全な明確化をもたらすことが明らかである。図8(A)−(E)を考慮すると、細胞の形態は実施例16−20の明確化条件によって影響されないことが明らかである。モニターされた時間、この種のサンプルでは、9%までのH濃度の増加は完全な明確化に必要なインキュベーション時間の更なる減少を生じることはない。
ここで図9(A)−(F)を参照すると、実施例21−26が示されている。顕微鏡写真は、明確化及び細胞形態への影響を評価するために8又は16分間、3%、6%、又は9%のH中55℃での高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化組成物及び時間の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。図9(A)は3%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。明確化は不完全な明確化となったことは明らかである。図9(B)は6%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。また、サンプルは有意ではあるが不完全に明確化されたことが明らかである。図9(C)は9%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。この方法は実施例21又は22よりも大なる明確化を生じたが、明確化は不完全なままであった。 図9(D)は3%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この明確化は有意であるが不完全な明確化を生じた。明確化のレベルは図9(A)に示された実験21(8分)に対して見られるものよりも大きい。図9(E)は6%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この実験はほぼ完全な明確化を生じた;明確化は図9(B)に示された実験22(8分)に対して見られるものよりも有意に大きいことが分かる。図9(F)は9%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この方法は、図9(C)に示される実験23(8分)よりも有意に大きいほぼ完全な明確化をもたらした。総括すると、図9(A)−(F)は温度とは独立にH濃度とインキュベーション時間の双方が明確化に影響を及ぼしたことを証明している。明らかな傾向は、明確化が増加したH濃度又はより長い明確化時間でより完全であることである。更に、細胞形態は、これまで完了した全ての実験(実験1−26)を通して無傷のままであった。これらの傾向によれば、最も完全な明確化は、最も高い明確化剤濃度(9%のH)で最も長い時間(16分)処理されたサンプルに対して観察された。
ここで図10(A)−(F)を参照すると、実施例27−32が示されている。顕微鏡写真は、明確化及び細胞形態に及ぼす影響を評価するための3%、6%、又は9%のH中60℃での8又は16分間、高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化組成物及び時間の効果を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。 図10(A)は3%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。明確化が不完全な明確化を生じたことは明らかである。図10(B)は6%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。また、サンプルは有意ではあるが不完全に明確化されていることが明らかである。図10(C)は9%のH中で8分間明確化されたサンプルを示す。これらの条件はほぼ完全に明確化されたサンプルを生じた。図10(D)は3%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この明確化は有意ではあるが不完全な明確化を生じた。明確化のレベルは、図10(A)に示された実験27(8分)で見られるものよりも大きい。図10(E)は6%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この実験はほぼ完全な明確化をもたらした;明確化は、図10(B)に示された実験28(8分)に見られるものよりも有意に大きいことが分かる。図10(F)は9%のH中で16分間明確化されたサンプルを示す。この方法は、図10(C)に示された実験29(8分)よりも有意に大きいほぼ完全な明確化を生じた。総括すると、図10(A)−(F)は、温度とは独立にH濃度とインキュベーション時間の双方が明確化に直接関係していることを証明している。明確化は、増加したH濃度又はより長い明確化時間でより完全であることが明らかである。更に、細胞形態は、実験を通して無傷のままであった。これらの傾向によれば、最も完全な明確化は、最も高い明確化剤濃度(9%のH)で最も長い時間(16分)処理されたサンプルに対して観察された。
ここで図11(A)−(F)を参照すると、実施例33−38が示されている。顕微鏡写真は、65℃の高温での実施例27−32に酷似して、3%、6%、9%のH中65℃で8又は16分間、高度に色素沈着したメラノーマに対する明確化組成物及び時間の影響を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。実施例27−32に対して観察された傾向が、より高温は他の条件が同じならば僅かに大なる明確化を生じることを除いて、ここでは同様に観察された。その結果、図11(A)に示されたサンプルは不完全であるが有意な明確化を示し、図11(B)に示されたサンプルは不完全であるが有意な明確化を示し、図11(C)に示されたサンプルはほぼ完全な明確化を示し、図11(D)に示されたサンプルはほぼ完全な明確化を示し、図11(E)に示されたサンプルは完全な明確化を示し、図11(F)に示されたサンプルは完全な明確化を生じる。また留意されるのは、明確化条件に伴う形態学的損傷がないことである。
ここで図12(A)−(F)を参照すると、実施例39−44が示されている。顕微鏡写真は、8、16、32、60、及び120分間、9%のH中60℃で高度に色素沈着したメラノーマを明確化する効果を示すメラノーマ組織サンプルの連続ミクロトーム切片を示す。図12(A)に示されるサンプルは明確化工程に供せられず、メラノーマサンプル中の色素の内因性レベルを示している。図12(B)は、8分の明確化工程で減じられた曖昧化を示し、減少しているものの、色素は直ぐに分かる。図12(C)は16分間処理されたサンプルで、色素が明らかに残っているが、有意な明確化を示している。図12(D)は、32分間処理されたサンプルで、ほぼ完全な明確化を示している。図12(E)−(F)はそれぞれ60及び120分間明確化されたサンプルで、完全な明確化を示している。明確化に関連した形態学的損傷の欠如はサンプル全体で明らかである。これらの結果から、9%Hを含む明確化試薬を使用する60℃での明確化は、約32分から60分の間で色素沈着が強いメラノーマを明確化する。
ここで図13(A)−(D)を参照すると、9%のH中60℃で8分間インキュベートされた少しの色素を含むメラノーマの2連続切片の低倍率(図13(A)−(B)(0.6X))及び高倍率(図13(C)−(D)(20X))の顕微鏡写真が示されている。明確化は抗体染色前(図13(A)及び(C))及び抗体染色後(図13(B)及び(D))であった。抗体染色前に明確化工程で処理された組織サンプルの顕微鏡写真は、組織の完全性が維持されることを示している。抗体染色後に明確化工程で処理された組織サンプルの顕微鏡写真は、組織の完全性が著しく影響を受けたことを示している。複数の領域における、組織の損失が図13(B)で明らかである。抗体染色前に明確化工程で処理された組織の高倍率の顕微鏡写真は、細胞の形態は影響を受けないことを示しているが、抗体染色後に明確化工程で処理された組織の細胞形態は酷く損なわれ、核はもはや識別可能ではない。この実施例は、染色手順との関連での明確化工程の順序が、得られる組織の完全性に有意に寄与することを示している。
BRAF V600Eはメラノーマに共通の発癌性のBRAF変異である。V600E置換は非活性から活性へBRAFの活性化セグメントを変化させる。ゼルボラフ(ベムラフェニブ)は転移性メラノーマにV600E突然変異を持つ人々を助けることが示されており、BRAF変異試験が、ベムラフェニブでの治療への患者の選択を助けるために使用されている。V600E突然変異は、特異的抗体の使用によって、DNAシークエンシングによって、又はリアルタイムPCRを使用することによって、検出することができる。DNAシークエンシング及びPCR(COBAS(登録商標)4800 BRAF V600突然変異試験)を使用してBRAF V600Eについて特徴付けされたサンプルを、BRAF V600E抗体でのIHCを使用して分析した。臨床的解釈に対する明確化手順の効果を探るために明確化工程を含み、また該工程を含まなかった方法を使用して、サンプルを試験した。而して、明確化され、曖昧化されたIHCの結果を、DNAシークエンシング及びPCRを使用して得られた結果と比較した。
ここで図14(A)−(B)を参照すると、示されるものはBRAF V600E状態について試験されたメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。表6を参照されたい。高度に色素沈着したメラノーマ症例の連続切片は、明確化なし(図14(A))か又は明確化を伴って(図14(B))、抗BRAF V600E抗体で染色されている。明確化なしでは、メラニン色素が特異的V600E染色を不明瞭にした。明確化後、特異的V600E染色だけが残り、V600E状態の明確な決定が可能になっている。表6に記載のように、2つの標準的V600E試験、つまりDNAシークエンシング(V600E陽性)及びPCR(V600E陰性)はV600E状態について一致しなかった。明確化工程を含む自動IHCを使用して明瞭なV600E染色を得た。
Figure 2015534646
ここで図15(A)−(B)を参照すると、示されるものはBRAF V600E状態について試験されたメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。これらの顕微鏡写真は、高度に色素沈着したメラノーマ検体におけるBRAF V600E状態を決定するためにIHC中に明確化手順を適用することを示している。メラノーマ症例の連続切片は、明確化なし(図15(A))か又は明確化を伴って(図15(B))、抗BRAF V600E抗体で染色された。明確化なしでは、メラニン色素は、特異的V600E染色が発生したか否かを曖昧にしている。明確化後は、特異的V600E染色だけが残っている。これはV600E状態の一義的な決定を可能にする。この特定の例では、DNAシークエンシング(V600E陽性)とPCR(V600E陽性)は、V600E状態に関して明確化されたIHCと一致した。明確化は、これらの結果の明確な確認を可能にし、V600E状態を試験する受け入れられた方法と一致していることを証明した。
ここで図16(A)−(B)を参照すると、示されるものはBRAF V600E状態について試験されたメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。メラノーマ症例の連続切片は、明確化なし(図16(A))か又は明確化を伴って(図16(B))、抗BRAF V600E抗体で染色された。明確化なしでは、メラニン色素は、特異的V600E染色が発生したか否かを曖昧にしており、この例では、染色はV600E陰性として誤って解釈された。明確化後は、特異的V600E染色だけが残っている。これはV600E状態の一義的な決定を可能にする。而して、有資格の病理学者は図16(B)をV600E陽性と読み取った。DNAシークエンシング(V600E陽性)とPCR(V600E陽性)は、V600E状態に関して明確化されたIHCと一致した。明確化は、サンプルが誤って分類されることを防いだ。
ここで図17(A)−(D)を参照すると、示されるものはBRAF V600E状態について試験されたメラノーマ組織サンプルの顕微鏡写真である。これらの例では、明確化手順は、V600E発現に対して不均一であると思われる高色素のメラノーマ検体においてBRAF V600E状態を決定するのを助ける。メラノーマ症例の連続切片は、明確化なし(図17(A)及び(C))か又は明確化を伴って(図17(B)及び(D))、抗BRAF V600E抗体で染色された。明確化なしでは、メラニン色素は曖昧にするか又は特異的V600E染色と混同されうる。幾つかの小さい高色素領域では、明確化は明らかにV600E染色の領域を示す(すなわち、図17(A)は不明瞭であるが、図17(B)は、明らかにV600E陽性である)。高色素の腫瘍の大部分の他の領域(例えば図17(C))では、明確化は陰性V600E状態を明らかにする(例えば、図17(D))。これらのサンプルに対して、DNAシークエンシングとPCRの双方が共にV600E陰性の結果を返した。これらの結果は、サンプルの一部については技術的に正しかったが、サンプルの不均一性は、腫瘍の誤分類を生じさせるであろう。V600E陽性領域がより大きな腫瘍の非常に小さい部分のみを表す場合、このことが起こる可能性は更に高い。メラノーマサンプルの明確化は、この腫瘍の不均一性の明瞭な可視化と、より大きいV600E陰性腫瘍体内の小ポケットのV600E染色の特定を可能にした。

Claims (38)

  1. 基体上に取り付けられたサンプルを処理して、サンプル内の色素と関連する染色曖昧化を緩和する自動化方法において、
    ・ サンプルが取り付けられる基体を自動機器上に配する工程、
    ・ 明確化試薬を適用して、明確化試薬がサンプルと接触し、サンプル内の色素が脱色されるようにする工程、
    ・ すすぎ試薬を適用して、明確化試薬がサンプルとの接触から実質的に除去されるようにする工程、及び
    ・ 発色試薬を適用して、サンプルが特異的に染色されるようにする工程
    を備え、サンプル内の色素が脱色されて、特異的に染色されたサンプルが有資格読み取り者によって解釈可能となる、方法。
  2. 基体に熱を加えて、サンプルと明確化試薬を接触中に予め決められた温度に維持することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 予め決められた温度が約35℃から約100℃の間、約40℃から約90℃の間、約45℃から約80℃の間、又は約50℃から約70℃の間である、請求項2に記載の方法。
  4. 基体がガラススライドであり、加熱されたスライド台がガラススライドに熱を加えるために使用される、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 加熱されたスライド台が、37℃でプラス又はマイナス約2℃未満で、100℃でプラス又はマイナス約4℃未満のスライド全体にわたる温度均一性、あるいは37℃でプラス又はマイナス約2℃未満で、100℃でプラス又はマイナス約3℃未満のスライド全体にわたる温度均一性を有する、請求項4に記載の方法。
  6. サンプルが8分以内で37℃から100℃まで昇温可能で、8分以内で100℃から50℃まで冷却可能であり、又はサンプルが4分以内で37℃から100℃まで昇温可能で、8分以内で100℃から37℃まで冷却可能である、請求項4又は5に記載の方法。
  7. サンプルが取り付けられる基体を自動機器上に配する工程とサンプルを発色試薬に接触させてサンプルを特異的に染色する工程との間に、ユーザーが基体を取り扱うことを必要とする工程を含まない自動化された方法である、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
  8. 明確化試薬を適用する工程、すすぎ試薬を適用する工程、及び発色試薬を適用する工程が、自動機器のウォークアウェイ完全自動化機能である、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 明確化試薬を適用する工程が、約2分から約2時間、約4分から約1.5時間、約6分から約1時間、又は約8分から約0.5時間の時間の間、明確化試薬をサンプルに接触させることを含む、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. 明確化試薬を適用する工程が、ボルテックスミキシング又はプラテンアセンブリミキシングを適用して、サンプルに接触させながら明確化試薬を撹拌することを含む、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  11. 明確化試薬を適用する工程が、基体を槽内に浸漬させることを含まない、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  12. 明確化試薬を適用する工程が、約0.05mLから約3mL、約0.1mLから約1.5mL、約0.2mLから約1mL、又は約0.3mLから約0.5mLの明確化試薬の量を含む、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
  13. 細胞コンディショニング試薬を適用して、細胞コンディショニング試薬がサンプルに接触するようにすることを更に含む、請求項1から12の何れか一項に記載の方法。
  14. 細胞コンディショニング試薬の適用が、サンプルを明確化試薬と接触させる工程の後、且つサンプルを発色試薬と接触させる工程の前に起こる、請求項13に記載の方法。
  15. 免疫組織化学的結合試薬又はインサイツハイブリダイゼーション結合試薬を適用して、免疫組織化学的結合試薬又はインサイツハイブリダイゼーション結合試薬がサンプルに接触するようにすることを更に含む、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 免疫組織化学的結合試薬又はインサイツハイブリダイゼーション結合試薬の適用が、細胞コンディショニング試薬を適用する工程の後、且つ発色試薬を適用する工程の前に起こる、請求項15に記載の方法。
  17. 緩衝準備液を適用して、明確化試薬の適用前に緩衝準備液がサンプルに接触するようにすることを更に含む、請求項1から16の何れか一項に記載の方法。
  18. 明確化試薬が、約1%から約12%の過酸化水素(v/v)、約2%から約10%の過酸化水素(v/v)、又は約3%から約9%の過酸化水素(v/v)を含む、請求項1から17の何れか一項に記載の方法。
  19. 明確化試薬が、約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度でリン酸バッファーを含む、請求項1から18の何れか一項に記載の方法。
  20. 明確化試薬が、約3から約11、約4から約10、約5から約9、約6から約8、又は約7のpHで緩衝される、請求項1から19の何れか一項に記載の方法。
  21. 明確化試薬が、約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度及び約4から約10、約5から約9、約6から約8、又は約7のpHでセレンセンバッファーを含む、請求項1から20の何れか一項に記載の方法。
  22. 有資格読み取り者によって解釈可能となることは、サンプルが、明確化試薬の適用前のサンプルのものと一致した形態学的特性を示すことを含む、請求項1から21の何れか一項に記載の方法。
  23. 有資格読み取り者によって解釈可能となることは、サンプルが、明確化試薬の適用前のサンプルのものと一致した又は該サンプルのものに対して改善された抗原性及び遺伝子特性を示すことを含む、請求項1から21の何れか一項に記載の方法。
  24. プロテアーゼ試薬を適用して、プロテアーゼ試薬がサンプルに接触するようにすることを更に含む、請求項1から23の何れか一項に記載の方法。
  25. 明確化試薬の適用が、明確化試薬の液滴をサンプル上に適用し又はサンプルの近傍に明確化試薬の液滴を適用し、液滴を乱流式にサンプルと強制的に接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  26. 明確化試薬の液滴が、約0.05mLから約3mL、約0.1mLから約1.5mL、約0.2mLから約1mL、又は約0.3mLから約0.5mLの体積を有する、請求項25に記載の方法。
  27. 第二明確化試薬を適用して、明確化試薬の適用後で発色試薬の適用前に第二明確化試薬がサンプルに接触するようにすることを更に含む、請求項1から26の何れか一項に記載の方法。
  28. サンプル中の曖昧化色素を脱色するためのキットにおいて、試薬ビンと試薬ビンに入れられた明確化試薬を含み、明確化試薬は過酸化水素と水を含み、試薬ビンは、自動スライド染色装置が明確化試薬の適用を制御し、明確化試薬がサンプルに接触するように、自動スライド染色機器に作動可能に連結されるよう構成されている、キット。
  29. 明確化試薬が、明確化試薬のpHを約3から約11の間、約4から約10の間、約5から約9の間、約6から約8の間、又は約7のpHに緩衝するバッファーを更に含む、請求項28に記載のキット。
  30. 明確化試薬が、約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度と約4から約10の間、約5から約9の間、約6から約8の間、又は約7のpHのバッファーを含む、請求項29に記載のキット。
  31. 明確化試薬が、約1%から約12%(v/v)、約2%から約10%(v/v)、又は約3%から約9%(v/v)の濃度の過酸化水素を含む、請求項28から30の何れか一項に記載のキット。
  32. 色素を含む組織病理学的サンプルについての特異的なシグナル曖昧化を軽減するためのシステムにおいて、基体に付着された組織病理学的サンプルを受け取り、明確化試薬と発色試薬をサンプルまで送り、サンプルまで送られた明確化試薬と発色試薬に加熱と混合を施すように構成された自動機器を備え;明確化試薬は、組織病理学的サンプルと接触し曖昧化色素を脱色させるように構成され、発色試薬は、組織病理学的サンプルと接触し特異的シグナルを堆積させるように構成された、システム。
  33. 明確化試薬が、約1%から約12%(v/v)、又は約2%から約10%(v/v)、又は約3%から約9%(v/v)の濃度の過酸化水素を含む、請求項32に記載のシステム。
  34. 明確化試薬が、明確化試薬のpHを約3から約11の間、約4から約10の間、約5から約9の間、約6から約8の間、又は約7のpHに緩衝するバッファーを約0.001Mから約0.5M、約0.01Mから約0.1M、又は約0.05Mの濃度で含む、請求項32又は33に記載のシステム。
  35. 自動機器が自動スライド染色機器であり、基体が顕微鏡スライドであり、自動スライド染色機器が顕微鏡スライドを受け取るように構成された、請求項32から34の何れか一項に記載のシステム。
  36. 自動スライド染色機器が、顕微鏡スライドが上に位置せしめられる加熱されたスライド台を含み、該加熱されたスライド台が顕微鏡スライドを均一に加熱するように構成され、顕微鏡スライドに伝達される熱がサンプルに伝達される、請求項35に記載のシステム。
  37. 洗浄試薬を更に含み、自動機器がサンプルに洗浄試薬を適用するように構成されている、請求項32から36の何れか一項に記載のシステム。
  38. システムがサンプル浸漬用槽を欠いている、請求項32から37の何れか一項に記載のシステム。
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