JP2015534502A - 色および/または効果を与える多層塗膜の製造および修復のための方法 - Google Patents

色および/または効果を与える多層塗膜の製造および修復のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、色および/または効果を与える多層塗膜の製造方法に関する。本発明による方法は、少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、構造式(I)[式中、R1〜R3の少なくとも1つの基が、脂肪族炭化水素の群から選択されている]であることを特徴とする顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴としている。ここで、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計は、前記ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である。さらに、本発明は、相応のベース塗料、相応の色および/または効果を与える多層塗膜、ならびに、顔料着色された水性塗料におけるホスファイトの使用に関する。本発明は、さらに、上述の本発明による方法を用いて製造される色および/または効果を与える多層塗膜上の欠陥箇所の修復方法に関する。

Description

本発明は、色および/または効果を与える多層塗膜の製造方法であって、
(1)顔料着色された水性ベース塗料を基材に塗布し、
(2)段階(1)で塗布された塗料からポリマーフィルムを形成させ、
(3)このようにして得られたベース塗装層にクリア塗料を塗布し、続いて
(4)前記ベース塗装層を前記クリア塗装層と一緒に硬化させる、
前記製造方法に関する。
本発明は、さらに、上述の方法により製造可能な、色および/または効果を与える多層塗膜、ならびにこの色および/または効果を与える多層塗膜の欠陥箇所の修復方法であって、
(1)顔料着色された水性ベース塗料を欠陥箇所に塗布し、
(2)段階(1)で塗布された塗料からポリマーフィルムを形成させ、
(3)このようにして得られたベース塗装層にクリア塗料を塗布し、続いて
(4)前記ベース塗装層を前記クリア塗装層と一緒に硬化させる
前記修復方法に関する。
さらに、本発明は、色および/または効果を与える多層塗膜の製造に好適な顔料着色された水性ベース塗料、ならびに顔料着色された水性ベース塗料におけるホスファイトの使用に関する。
前記方法は、公知であり(例えば、ドイツ特許出願DE19948004A1、17ページ37行〜19ページ22行、またはドイツ特許DE10043405C1、第3欄、段落[0018]および第8欄段落[0052]〜第9欄段落[0057]、併せて第6欄段落[0039]〜第8欄段落[0050]を参照)、例えば、大規模に、自動車車体の下地塗装(OEM)にも補修塗装にも使用される。
コーティング系におけるホスファイトの使用は、基本的に公知である。JP10028924は、例えば、衝撃装置のコーティングのためのコーティング剤組成物の黄変を減少させることについて取り上げている。溶媒をベースとするコーティング系におけるホスファイトの使用が記載されている。
当該いわゆるベースコート/クリアコート法によって、ウェット・オン・ウェット法では、色および/または効果を与える多層塗膜が得られる。特に、自動車補修塗装では、結果として生じる塗膜中に欠陥が現れることがある。欠陥が、この塗膜(いわゆる初期塗膜(Originallackierung))上に見られる場合、初期塗膜は修復、つまり、補修される。初期塗膜に、例えば、広範囲に欠陥箇所がある場合、車体全体または少なくとも相応する部分が補修される、つまり、2回目の塗装がなされる。小さい欠陥箇所のみが修復される場合、車体全体ではなく、いわゆる「スポット」のみが補修される。このプロセスは、「Spot Repair(部分補修)」と呼ばれる。相応の塗膜は、その後、湿分負荷に対して安定していなければならない、これは、例えば、EN ISO 6270−2に準拠するいわゆる気候試験(Klimatest)の後に膨潤および気泡形成が観察されてはならないことを意味する。前記欠陥である膨潤および気泡形成は、可逆的な欠陥(reversieble Fehler)とも呼ばれる、それというのは、この欠陥が、相応の結露水負荷(Schwitzwasserbelastung)後に、その後の再生の過程で再び消失することがあるからである。
したがって、本発明の基礎をなす課題は、先行技術の塗膜と比べて、補修塗装のための塗料が改善された特性を有する、色および/または効果を与える多層塗膜が得られる前記種類の方法を提供することにある。前記色および/または効果を与える多層塗膜上の欠陥箇所を修復することができる方法も提供される。補修塗装のための塗料の改善された特性とは、修復された塗膜が、結露水負荷および例えば24時間の再生時間の後に、上述の可逆的な欠陥、例えば、膨潤および気泡形成をもはや有していないことであると理解される。
前記課題は、驚くべきことに、上述のベースコート/クリアコート法の段階(1)において、以下の構造式(I):
Figure 2015534502
[式中、R1〜R3の少なくとも1つの基は、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることによって解決される。
本発明による方法の段階(1)では、原則的に、あらゆる公知の水性ベース塗料が、少なくとも1つの上記ホスファイトを含んでおり、かつ構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である場合に、このあらゆる公知の水性ベース塗料が使用されてよい。ベース塗料は、このベース塗料の総質量に対して水を30〜70質量%含む場合に、「水性」と表される。「水性ベース塗料」および「水ベース塗料」という概念は、本願において同位の概念として使用される。
本発明により使用されるベース塗料は、色および/または効果を与える顔料を含んでいる。このような着色顔料および効果顔料は、当業者に公知であり、例えば、Roempp−Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,New York,1998,176ページおよび451ページに記載されている。前記顔料の割合は、例えば、前記顔料着色された水性ベース塗料の総質量に対して1〜40質量%、好ましくは2〜20質量%、特に好ましくは5〜15質量%の範囲にあってよい。
本発明の範囲では、結合剤として、物理的、熱的、または熱および化学線により硬化可能な結合剤を含んでいるベース塗料が使用されるのが好ましい。
「(メタ)アクリレート」という概念は、以下において、アクリレートともメタクリレートとも呼ばれる。つまり、相応のポリマーは、それゆえアクリレートからもメタクリレートからも形成されている。しかし、アクリレートからのみ、またはメタクリレートからのみ形成されていてもよい。
結合剤として、少なくとも1種の飽和または不飽和のポリウレタン樹脂が含まれているのが特に好ましい。このようなポリウレタン樹脂を含む塗料も同様に、通常、物理的、熱的、または熱および化学線により硬化することができる。
本発明の範囲において、「物理的硬化」という概念は、ポリマー溶液またはポリマー分散液から溶媒を放出することによって塗膜を形成することを意味する。通常、そのために、架橋剤は不必要である。
本発明の範囲において、「熱硬化」という概念は、基礎をなす塗料中で、別個に存在する架橋剤が適用されるか、または自己架橋性結合剤が適用される、熱により開始される塗装層の架橋を意味する。前記架橋剤は、前記結合剤中に存在する反応性官能基と相補的な反応性官能基を含んでいる。通常、これは、当業者から外部架橋と呼ばれる。相補的反応性官能基または自動反応性官能基、つまり、同一の基と反応する基が、すでに結合剤分子中に存在する場合、自己架橋性結合剤が存在する。好適な相補的反応性官能基および自己反応性官能基の例は、ドイツ特許出願DE19930665A1、7ページ28行〜9ページ24行から公知である。
本発明の範囲では、化学線とは、電磁線、例えば、近赤外線(NIR)、UV線、特に、UV線、および粒子線、例えば、電子線であると理解される。UV線による硬化は、通常、ラジカル光開始剤またはカチオン光開始剤により開始される。
熱硬化および化学線による硬化が一緒に適用される場合、「Dual Cure(デュアルキュア)」とも呼ばれる。
本発明では、熱硬化可能な、または熱および化学線により、つまり「デュアルキュア」で硬化可能なベース塗料が好ましい。特に、結合剤としてポリウレタン樹脂、架橋剤としてアミノプラスト樹脂またはブロックされたもしくはブロックされていないポリイソシアネート、好ましくはアミノプラスト樹脂を含むベース塗料が好ましい。アミノプラスト樹脂とは、特にメラミン樹脂であるのが好ましい。
前記含まれているのが好ましいポリウレタン樹脂は、イオン性親水性安定化および/または非イオン性親水性安定化されていてよい。本発明の好ましい実施態様では、前記ポリウレタン樹脂は、イオン性親水性安定化されている。前記好ましいポリウレタン樹脂は、直鎖であるか、または分岐鎖を含んでいる。オレフィン性不飽和モノマーと結合されたポリウレタン樹脂が特に好ましい。オレフィン性不飽和モノマーとして、アクリレート基および/またはメタクリレート基を含むモノマーが、ポリウレタン樹脂(A)に結合しており、それにより、ポリウレタン(メタ)アクリレートが生じるのが好ましい。前記ポリウレタン樹脂が、ポリウレタン(メタ)アクリレートであるのが殊に好ましい。この含まれているのが好ましいポリウレタン樹脂は、物理的、熱的、または熱および化学線により硬化可能である。前記ポリウレタン樹脂は、特に、熱的、または熱および化学線により硬化可能である。前記ポリウレタン樹脂は、反応性官能基を含んでいるのが特に好ましく、この官能基により外部架橋が可能である。
好適な飽和または不飽和ポリウレタン樹脂は、例えば、以下に記載されている。
・ドイツ特許出願DE19914896A1、第1欄29〜49行、および第4欄23行〜第11欄5行、
・ドイツ特許出願DE19948004A1、4ページ19行〜13ページ48行、
・欧州特許出願EP0228003A1、3ページ24行〜5ページ40行、
・欧州特許出願EP0634431A1、3ページ38行〜8ページ9行、または
・国際特許出願WO92/15405、2ページ35行〜10ページ32行。
前記ポリウレタン樹脂を製造する場合、当業者に公知の脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族・脂環式ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族・芳香族ポリイソシアネート、および/または脂環式・芳香族ポリイソシアネートが使用されるのが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂を製造するためのアルコール成分として、当業者に公知の、飽和および不飽和の比較的高分子のポリオールおよび低分子ポリオール、ならびに場合により、モノアルコールがわずかな量で使用されるのも好ましい。低分子ポリオールとして、特にジオール、およびわずかな量のトリオールが、分岐鎖を導入するために使用される。好適な比較的高分子のポリオールの例は、飽和またはオレフィン性不飽和ポリエステルポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールである。特に、比較的高分子のポリオールとして、ポリエステルポリオール、特に、400〜5000g/molの数平均分子量(ポリスチレン標準に対してゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定、溶離液としてテトラヒドロフランが使用される)を有するポリエステルポリオールが使用される。
親水性安定化のため、もしくは水性溶媒中の分散性を高めるために、前記含まれているのが好ましいポリウレタン樹脂は、特定のイオン性基および/または、イオン性基に変換されうる基(潜在イオン性基)を含んでいてよい。このようなポリウレタン樹脂は、本発明の範囲において、イオン性親水性安定化されたポリウレタン樹脂と呼ばれる。同様に、非イオン性親水性変性された基が含まれていてよい。しかし、前記イオン性親水性安定化されたポリウレタンが好ましい。より正確には、前記変性された基は、
・中和剤および/または第四級化剤によりカチオンに変換されうる官能基、および/またはカチオン性基(カチオン変性)であるか、
または
・中和剤によりアニオンに変換されうる官能基、および/もしくはアニオン性基(アニオン変性)であるか、
ならびに/または
・非イオン性で親水性基(非イオン性変性)である。
当業者に周知の通り、カチオン性変性のための官能基は、例えば、第一級アミノ基、第二級アミノ基および/または第三級アミノ基、第二級スルフィド基および/または第三級ホスフィン基、特に第三級アミノ基および第二級スルフィド基(中和剤および/または第四級化剤によりカチオン性基に変換されうる官能基)である。さらに、前記官能基から、当業者に公知の中和剤および/または第四級化剤を使用して製造されるカチオン性基、例えば、第一級アンモニウム基、第二級アンモニウム基、第三級アンモニウム基および/または第四級アンモニウム基、第三級スルホニウム基および/または第四級ホスホニウム基、特に第四級アンモニウム基および第三級スルホニウム基が挙げられる。
アニオン変性のための官能基は、公知の通り、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基および/またはホスホン酸基、特にカルボン酸基(中和剤によりアニオン性基に変換されうる官能基)、ならびに前記官能基から、当業者に公知の中和剤を使用して製造されるアニオン性基、例えば、カルボキシレート基、スルホネート基および/またはホスホネート基である。
非イオン性親水変性のための官能基は、ポリ(オキシアルキレン)基、特に、ポリ(オキシエチレン)基であるのが好ましい。
イオン性親水性変性は、(潜在)イオン性基を含むモノマーにより、前記ポリウレタン樹脂に導入することができる。非イオン性変性は、例えば、ポリ(エチレン)オキシドポリマーの取り込みにより、ポリウレタン分子の側基または末端基として導入される。前記親水性変性は、例えば、少なくとも1個のイソシアネート基に対して反応性の基、好ましくは少なくとも1個のヒドロキシ基を含んでいる化合物を介して導入される。前記イオン性変性を導入するために、前記変性された基の他に、少なくとも1個のヒドロキシ基を含んでいるモノマーが使用されてよい。非イオン性変性を導入するために、当業者に公知のポリエーテルジオールおよび/またはアルコキシポリ(オキシアルキレン)アルコールが使用されるのが好ましい。
好ましくは、前記ポリウレタン樹脂は、グラフトポリマーであってよい。特に、オレフィン性不飽和化合物、好ましくはオレフィン性不飽和モノマーによってグラフトされたポリウレタン樹脂である。つまり、この場合、ポリウレタンは、例えば、オレフィン性不飽和モノマーをベースとする側基および/または側鎖によってグラフトされている。特に、ポリ(メタ)アクリレートをベースとする側鎖である。本発明の範囲では、アクリレート基および/またはメタクリレート基を含むモノマーを含んでいる、好ましくは、アクリレート基および/またはメタクリレート基を含むモノマーからなっているポリマーもしくはポリマー基は、ポリ(メタ)アクリレートと呼ばれる。ポリ(メタ)アクリレートをベースとする側鎖とは、グラフト重合において、(メタ)アクリレート基を含むモノマーの使用下に形成される側鎖であると理解される。ここで、前記グラフト重合では、グラフト重合で使用されるモノマーの総量に対して好ましくは50mol%超、特に75mol%超、特に100mol%の(メタ)アクリレート基を含むモノマーが使用される。
前記側鎖は、ポリウレタン樹脂一次分散液の製造後に、ポリマーに導入されるのが好ましい。この場合、前記一次分散液中に存在するポリウレタン樹脂は、側鎖および/または末端のオレフィン性不飽和基を含んでいてよく、この基を介して、次に、オレフィン性不飽和化合物によるグラフト重合が進行する。つまり、グラフトされるべきポリウレタン樹脂は、不飽和ポリウレタン樹脂(A)であってよい。その場合、前記グラフト重合は、オレフィン性不飽和の反応相手のラジカル重合である。例えば、グラフト重合に使用されるオレフィン性不飽和化合物は、少なくとも1個のヒドロキシ基を含んでいることも可能である。その場合、まずオレフィン性不飽和化合物の結合は、ヒドロキシ基を介して、前記ポリウレタン樹脂の遊離イソシアネート基との反応により行われてもよい。この結合は、前記オレフィン性不飽和化合物と、場合により存在するポリウレタン樹脂の側鎖および/もしくは末端オレフィン性不飽和基とのラジカル反応の代わりに、またはこのラジカル反応と同時に行われる。その場合、次にグラフト重合は、ラジカル重合によって、さらに上述の通りに行われる。いずれの場合もオレフィン性不飽和化合物、好ましくはオレフィン性不飽和モノマーにより、グラフトされたポリウレタン樹脂が得られる。
オレフィン性不飽和化合物にポリウレタン樹脂(A)が好ましくはグラフトされる前記化合物として、実際に、あらゆるラジカル重合可能な、オレフィン性不飽和有機モノマーが使用されてよく、このモノマーは、前記目的のために当業者に提供されている。例えば、いくつかの好ましいモノマークラスは、以下に挙げられる:
・(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、または別のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸、
・アルキル基中に20個までの炭素原子を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび/または(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、
・少なくとも1個の酸基、特に、正確には1個のカルボキシル基を含むエチレン性不飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸、
・5〜18個の炭素原子を有するα位で分岐されたモノカルボン酸のビニルエステル、
・(メタ)アクリル酸と、5〜18個の炭素原子を有するα位で分岐されたモノカルボン酸のグリシジルエステルとの反応生成物、
・さらなるエチレン性不飽和モノマー、例えば、オレフィン(例えば、エチレン)、(メタ)アクリル酸アミド、ビニル芳香族炭化水素(例えば、スチレン)、ビニル化合物、例えば、塩化ビニルおよび/またはビニルエーテル、例えば、エチルビニルエーテル。
好ましくは、(メタ)アクリレート基を含むモノマーが使用されるため、グラフトされた側鎖は、ポリ(メタ)アクリレートをベースとする側鎖である。
前記ポリウレタン樹脂中の側鎖および/または末端オレフィン性不飽和基を介して、オレフィン性不飽和化合物とのグラフト重合を進めることができる前記基は、特定のモノマーを介して前記ポリウレタン樹脂に導入されるのが好ましい。前記特定のモノマーは、オレフィン性不飽和基の他に、例えば、さらに少なくとも1つのイソシアネート基に対して反応性の基を含んでいる。ヒドロキシ基ならびに第一級アミノ基および第二級アミノ基が好ましい。ヒドロキシ基が特に好ましい。
側鎖および/または末端オレフィン性不飽和基をポリウレタン樹脂に導入することができる前記モノマーは、前記ポリウレタン樹脂を次にさらにオレフィン性不飽和化合物とグラフトせずに使用することも当然できる。ただし、前記ポリウレタン樹脂がオレフィン性不飽和化合物とグラフトされているのが好ましい。
前記含まれているのが好ましいポリウレタン樹脂は、自己架橋および/または外部架橋された結合剤であってよい。前記ポリウレタン樹脂は、外部架橋を可能にする反応性の官能基を含んでいるのが好ましい。この場合、前記顔料着色された水性ベース塗料中に、少なくとも1種の架橋剤が含まれているのが好ましい。特に、外部架橋を可能にする前記反応性官能基は、ヒドロキシ基である。本発明による方法の範囲において、ポリヒドロキシ官能性ポリウレタン樹脂が使用可能であることが特に有利である。これは、前記ポリウレタン樹脂が、1分子あたり平均して1個超のヒドロキシ基を含んでいることを意味する。
前記ポリウレタン樹脂の製造は、ポリマー化学の通常の方法により行われる。ここで、例えば、ポリイソシアネートとポリオールを重合させてポリウレタンにし、好ましくは、それに続いて、オレフィン性不飽和化合物とグラフト重合させることを意味している。これらの方法は、当業者に公知であり、個々に適合させることができる。製造方法および反応条件の例は、欧州特許文献EP0521928B1、2ページ57行〜8ページ16行に示されている。
前記使用されるのが好ましいベース塗料が、自己架橋系として存在している場合、ポリウレタン樹脂含有量は、前記ベース塗料の塗膜を形成する固形体に対して50〜100質量%、好ましくは50〜90質量%、特に好ましくは50〜80質量%である。
塗膜を形成する固形体とは、顔料および場合により充填剤を含まない、前記ベース塗料の不揮発性の質量割合であると理解される。前記塗膜を形成する固形体は、以下の通り測定することができる:顔料着色された水性ベース塗料(約1g)の試料に、50〜100倍の量のテトラヒドロフランを加えて、その後、約10分撹拌する。続いて、不溶性の顔料および場合により充填剤をろ別して、残留物を少量のTHFで洗浄して、このようにして得られたろ過液からTHFをロータリーエバポレーターで除去する。前記ろ過液の残留物を、2時間120℃で乾燥させて、ここで結果として生じた塗膜を形成する固形体の重さを正確に量る。
外部架橋系の場合、ポリウレタン樹脂含有量は、それぞれ前記ベース塗料の塗膜を形成する固形体に対して10〜80質量%、好ましくは15〜75質量%、特に好ましくは20〜70質量%である。
前記含まれているのが好ましいポリウレタン樹脂は、200〜30000g/mol、好ましくは2000〜20000g/molの数平均分子量(ポリスチレン標準に対してゲル浸透クロマトグラフィーにより測定;溶離液としてテトラヒドロフランが使用される)を有しているのが好ましい。前記ポリウレタン樹脂は、さらに、例えば、水酸基価0〜250mgKOH/g、しかし、特に20〜150mgKOH/gを有している。前記ポリウレタン樹脂の酸価は、好ましくは5〜200mgKOH/g、特に10〜40mgKOH/gである。水酸基価は、DIN/ISO4629に準拠して測定され、酸価は、DIN53402に準拠して測定される。
本発明による方法の段階(1)で使用される水性ベース塗料が、構造式(I)
Figure 2015534502
[式中、R1〜R3の少なくとも1つの基が、脂肪族炭化水素の群から選択されている]であることを特徴とする、少なくとも1つのホスファイトを含んでいることが本発明に必須である。
1〜R3の2つまたはすべての基が、脂肪族炭化水素の群から選択されるのが好ましい。
1〜R3のすべての基が、脂肪族炭化水素の群から選択されていない場合、残りの基は、芳香族炭化水素の群から選択されるのが好ましい。前記芳香族炭化水素は、フェニル基であるのが好ましい。上述の脂肪族炭化水素基は、好ましくはそれぞれC1〜C20基、特に好ましくはC1〜C18基、殊に好ましくはC1〜C16基である。
さらに、前記脂肪族炭化水素が、直鎖または分岐鎖のアルキル基であるのが好ましい。
前記直鎖または分岐鎖のアルキル基は、好ましくはC1〜C20基、特に好ましくはC1〜C18基、殊に好ましくはC1〜C16基である。
前記アルキル基は、分岐鎖であるのが好ましい。一般式
Figure 2015534502
[式中、nは1〜17である]のイソアルキル基であるのが特に好ましい。nが、5〜14であるのが特に好ましく、nが6〜12であるのが殊に好ましい。例えば、イソデシル基またはイソトリデシル基である。
本発明により使用されるホスファイトの殊に好ましい実施態様では、R1〜R3の3つの基すべては、一般式
Figure 2015534502
[式中、nは6〜12である]のイソアルキル基である。
本発明により使用されるホスファイトのさらに殊に好ましい実施態様では、R1〜R3の正確に2つの基は、一般式
Figure 2015534502
[式中、nは6〜12である]のイソアルキル基であり、残りの基は、フェニル基である。
前記少なくとも1つのホスファイトは、トリイソデシルホスファイト、トリイソトリデシルホスファイト(Mark(登録商標)305である)、およびフェニルジイソデシルホスファイト(Mark(登録商標)CH300である)からなる群から選択されるのが好ましい。Mark(登録商標)300およびMark(登録商標)305は、Galata Chemicals社の商標名を示している。
構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜4.5質量%、特に好ましくは0.15〜4質量%である。
構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1質量%未満である場合、本発明の基礎をなす課題は解決されない。構造式(I)で示されるホフファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して5質量%よりも多い場合、欠点、例えば、焼き入れ不足の構成(unterbrannten Aufbauten)における接着低下が起こる。
構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である。前記ホスファイトの好ましい実施態様が使用される場合、前記ホスファイトの好ましい実施態様すべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して同じく0.1〜5質量%であるのが好ましい。段階(1)で塗布される水性ベース塗料は、ホスファイトとして、前記ホスファイトの好ましい実施態様のみを含んでいるのが特に好ましい。
好ましい実施態様では、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜4.5質量%である。前記ホスファイトの好ましい実施態様が使用される場合、前記ホスファイトの好ましい実施態様すべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して同じく0.1〜4.5質量%であるのが好ましい。前記段階(1)で塗布される水性ベース塗料が、ホスファイトとして前記ホスファイトの好ましい実施態様のみを含んでいるのが特に好ましい。
特に好ましい実施態様では、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.15〜4質量%である。前記ホスファイトの好ましい実施態様が使用される場合、前記ホスファイトの好ましい実施態様すべての質量百分率の合計は、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して同じく0.15〜4質量%であるのが好ましい。前記段階(1)で塗布される水性ベース塗料は、ホスファイトとして、前記ホスファイトの好ましい実施態様のみ含んでいるのが特に好ましい。
前記ホスファイトの本願範囲における好ましい実施態様の例として、構造式(I)のホスファイトが挙げられ、ここで、R1〜R3の3つの基すべては、一般式
Figure 2015534502
[式中、nは6〜12である]のイソアルキル基である。
前記ホスファイトの本願範囲における好ましい実施態様の別な例として、構造式(I)のホスファイトが挙げられ、ここで、R1〜R3の正確に2つの基は、一般式
Figure 2015534502
[式中、nは6〜12である]のイソアルキル基であり、ここで、残りの基はフェニル基である。
前記ホスファイトの本願範囲における好ましい実施態様のさらなる例として、トリイソデシルホスファイト、トリイソトリデシルホスファイトおよびフェニルジイソデシルホスファイトが挙げられる。
さらに、増粘剤が含まれているのが好ましい。増粘剤として、層状ケイ酸塩の群からの無機増粘剤が好適である。しかし、無機増粘剤の他に、1種または複数の有機増粘剤が使用されてもよい。これらは、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤、例えば、市販製品Viscalex HV30(Ciba、BASF)およびポリウレタン増粘剤、例えば、Cognis社の市販製品DSX(登録商標)1550からなる群から選択されるのが好ましい。アクリル酸および/またはメタクリル酸の他に、1種もしくは複数のアクリル酸エステル(つまり、アクリレート)および/または1種もしくは複数のメタクリル酸エステル(つまり、メタクリレート)も重合導入して含んでいるものは、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤と呼ばれる。(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤は、これが、アルカリ溶媒中で、つまり、pH値が7より大きい、特に7.5より大きい場合に、アクリル酸および/またはメタクリル酸の塩形成により、つまり、カルボキシレート基の形成により、著しい粘度上昇を示すことを意味する。(メタ)アクリル酸とC1〜C6アルカノールとから形成される(メタ)アクリル酸エステルが使用される場合、実質的に非会合性作用の(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤、例えば、上述のViscalex HV30が得られる。実質的に非会合性作用の(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤は、前記文献では、ASE増粘剤(「Alkali Soluble/Swellable Emulsion」、アルカリ可溶型/膨潤型エマルションまたは分散液)とも呼ばれる。しかし、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤として、いわゆるHASE増粘剤(「Hydrophobically Modified Anionic Soluble Emulsions」、疎水性変性アニオン可溶型エマルションまたは分散液)も使用可能である。これらは、アルカノールとして、C1〜C6アルカノールの代わりに、またはそれに加えて、炭素原子の数が比較的多い、例えば7〜30個、または8〜20個の炭素原子を有するC1〜C6アルカノールが使用される場合に得られる。HASE増粘剤は、実質的に会合増粘作用をする。使用可能な(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリレート共重合体増粘剤は、その増粘特性のため、結合剤樹脂に好適でなく、結合剤と呼ばれる物理的、熱的または熱および化学線により硬化可能な結合剤には含まれず、したがって、本発明によるベース塗料組成物中で使用できるポリ(メタ)アクリレートをベースとする結合剤とは明白に異なるものである。前記文献でHEUR(「Hydrophobically Modified Ethylene Oxide Urethane Rheology Modifiers」、疎水性変性エチレンオキシドウレタンレオロジー改質剤)と呼ばれる会合作用増粘剤は、ポリウレタン増粘剤であると理解される。化学的に、これは、ポリエチレンオキシド鎖(ポリプロピレンオキシド鎖であることもある)からの非イオン性の分岐鎖または非分岐鎖のブロックコポリマーであり、ウレタン結合を介して互いに結合しており、8〜30個の炭素原子を有する末端長鎖アルキル基またはアルキレン基を有している。典型的なアルキル基は、例えば、ドデシル基またはステアリル基であり、典型的なアルケニル基は、例えば、オレイル基であり、典型的なアリール基は、フェニル基であり、典型的なアルキル化アリール基は、例えば、ノニルフェニル基である。このポリウレタン増粘剤は、その増粘特性および構造のゆえに、物理的、熱的または熱および化学線により硬化可能な結合剤樹脂に好適でない。したがって、これらは、本発明によるベース塗料組成物中で、結合剤として使用することができるポリウレタンとは明白に異なっている。
使用される顔料着色された水性ベース塗料は、さらに、少なくとも1種のポリエステル、特に400〜5000g/molの数平均分子量(ポリスチレン標準に対してゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定;溶離液としてテトラヒドロフランが使用される)を有するポリエステルを含んでいるのが好ましい。相応のポリエステルは、DE4009858、第6欄53行〜第7欄61行および第10欄24行〜第13欄3行に記載されている。
さらに、前記顔料着色された水性ベース塗料は、なおも少なくとも1種の添加剤を含んでいてよい。このような添加剤の例は、残留物を含まない、または実質的に残留物を含まない熱分解可能な塩、ポリウレタン樹脂とは異なる物理的、熱的および/または化学線により硬化可能な、結合剤である樹脂、さらなる架橋剤、有機溶媒、反応性希釈剤、透明顔料、充填剤、分子分散型可溶性染料、ナノ粒子、光保護剤、酸化防止剤、脱泡剤、乳化剤、潤滑剤、重合抑制剤、ラジカル重合開始剤、接着剤、レベリング剤、塗膜形成助剤、垂れ抑制剤(SCAs)、防火剤、腐食抑制剤、ワックス、乾燥剤、バイオサイドおよびつや消し剤である。
前記種類の好適な添加剤は、例えば、
・ドイツ特許出願DE19948004A1、14ページ4行〜17ページ5行、
・ドイツ特許DE10043405C1、第5欄、段落[0031]〜[0033]
から公知である。これらは、一般および公知の量で使用される。
本発明により使用されるベース塗料の固形体含有量は、個々の場合の必要に応じて変化してよい。まず、固形体含有量は、塗布、特に、スプレー塗布に必要な粘度に適合されるため、当業者は、その一般的な知識に基づいて、前記固形体含有量を、場合によりわずかな用量範囲測定試験を利用して調整することができる。
前記ベース塗料の固形体含有量は、5〜70質量%、特に好ましくは10〜65質量%、殊に好ましくは15〜60質量%であるのが好ましい。
固形体含有量とは、定められた条件下に蒸発濃縮で残留物として残留する質量含分であると理解される。本願では、固形体は、DIN EN ISO3251に準拠して測定した。測定時間は、125℃で60分であった。
本発明により使用されるベース塗料の製造は、ベース塗料の製造に一般および公知の混合方法および混合装置を使用して行われてよい。
本発明によるベース塗料は、一成分(1K)系、二成分(2K)系、または多成分(3K、4K)系として使用されてもよい。(1K)系が好ましい。
一成分(1K)系中では、結合剤および架橋剤は一緒に、つまり、1つの成分として存在している。そのための前提条件は、前記両方の構成成分が、比較的高い温度および/または化学線による照射で初めて互いに架橋することである。
二成分(2K)系中では、例えば、結合剤と架橋剤とは互いに別個に、少なくとも2つの成分として存在しており、塗布の直前にはじめて合される。この形態は、結合剤と架橋剤とが、すでに室温で互いに反応する場合に選択される。この種類の塗料は、とりわけ、熱に敏感な基材の被覆に、特に自動車補修塗装において適用される。
本発明により使用される顔料着色された水性ベース塗料の基材への塗布は、自動車産業の範囲において一般的な層厚さで、例えば5〜100マイクロメートル、好ましくは5〜60マイクロメートルの範囲で行われてよい。ここで、例えば、公知の方法、例えば、スプレー、ドクターブレード、刷毛塗り、流し塗り、浸漬、含浸、滴下またはロールが適用される。スプレー塗布法、例えば、圧縮空気吹付、エアレス吹付、高速回転、静電噴霧塗布(ESTA)が適用されるのが好ましく、場合によりホットスプレー塗布、例えば、ホットエアホットスプレーと組み合わされる。
前記顔料着色された水性ベース塗料の塗布後、この塗料は公知の方法により乾燥されてよい。例えば、(1K)ベース塗料は、室温で1〜60分間フラッシュオフし、それに続いて、好ましくは、場合により30〜80℃のわずかに高められた温度で乾燥されてよい。フラッシュオフおよび乾燥とは、本発明の範囲において、有機溶媒および/または水の蒸発であると理解されて、それによって前記塗料は、さらに乾燥するが、まだ硬化しない。もしくは、完全に架橋された塗膜はまだ形成されない。
次に、市販のクリア塗料を、同じく慣用の方法で塗布し、ここで、層厚みは、同じく慣用の範囲、例えば、5〜100マイクロメートルである。前記クリア塗料は、当業者に公知である。
前記クリア塗料の塗布後、この塗料を室温で例えば1〜60分フラッシュオフして、場合により乾燥させてよい。その後、前記クリア塗料を、塗布された顔料着色されたベース塗料と一緒に硬化させる。ここで、例えば、架橋反応がおこり、それによって、本発明による色および/または効果を与える多層塗膜が基材上に製造される。この硬化は、好ましくは熱または熱および化学線により80〜200℃の温度で行われる。
本発明による方法を使用して、金属および非金属の基材、特にプラスチック基材、好ましくは自動車車体またはその部品を塗装することができる。
本発明の対象は、さらに、本発明による方法により製造可能な、色および/または効果を与える多層塗膜である。したがって、例えば、色および/または効果を与える多層塗膜を製造するための本発明による方法の段階(1)で使用される、ならびに前記ホスファイトを含んでいる水性ベース塗料に関する前記実施態様は、当該色および/または効果を与える多層塗膜にも該当する。これは、特に、あらゆる好ましい特徴、特に好ましい特徴、殊に好ましい特徴にも該当する。
本発明は、さらに、本発明による色および/または効果を与える多層塗膜上の欠陥箇所を修復するための上述の方法に関しており、ここで、段階(1)で、以下の構造式(I)
Figure 2015534502
[式中、R1〜R3の少なくとも1つ基は、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含む顔料着色されたベース塗料が使用され、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である前記顔料着色された水性ベース塗料が使用される。
本発明による方法の段階(1)で、欠陥箇所を修復するために使用される水性ベース塗料は、本発明による方法で、色および/または効果を与える多層塗膜の製造に使用される水性ベース塗料と同一であることが好ましい。したがって、前記水性ベース塗料に関する前記実施態様は、色および/または効果を与える多層塗膜の欠陥箇所を修復するための当該方法にも該当する。これは、特に、あらゆる好ましい特徴、特に好ましい特徴、殊に好ましい特徴にも該当する。
公知の通り、本発明による方法を用いて製造された色および/または効果を与える多層塗膜は、欠陥箇所を有することがある。多くの場合、その形態またはその外観に応じて名付けられる被膜上および被膜中の障害は、一般に欠陥箇所もしくは塗膜不良と呼ばれる。多数の考えうる種類のこのような塗膜不良は、当業者に公知である。これらは、例えば、Roempp−Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,Stuttgart,New York,1998,235ページ,“Filmfehler”に記載されている。
前記欠陥箇所は、前述の本発明による方法により修復することができる。
前記顔料着色された水性ベース塗料を塗布する前に、前記欠陥箇所は研磨されてよい。
前記顔料着色された水性ベース塗料の初期塗膜における欠陥箇所への塗布は、空気圧式噴霧により行われる。前記顔料着色された水性ベース塗料の塗布後、この塗料は公知の方法により乾燥されてよい。例えば、前記ベース塗料は、室温で1〜60分間乾燥され、それに続いて、場合により30〜80℃のわずかに高められた温度で乾燥されてよい。フラッシュオフおよび乾燥とは、本発明の範囲において、有機溶媒および/または水の蒸発であると理解され、それによって前記塗料は、さらに乾燥するが、まだ硬化しない、もしくは完全に架橋された塗膜はまだ形成されない。
それに続いて、補修されるべき箇所で、市販のクリア塗料が、同じく慣用の方法で塗布される。補修塗装で一般的であり、したがって、当業者に公知の通り、すでに30〜80℃の比較的低い温度で硬化することができるクリア塗料が使用されるのが好ましい。これには、特に二成分クリア塗料が好適である。
前記クリア塗料の塗布後、この塗料は、室温で例えば1〜60分間フラッシュオフされて、場合により乾燥されてよい。その後、前記クリア塗料は、塗布された顔料着色されたベース塗料と一緒に硬化される。この硬化は、好ましくは熱または熱および化学線により30〜80℃の温度で行われる。
本発明のさらなる対象は、顔料着色された水性ベース塗料が、以下の構造式(I):
Figure 2015534502
[式中、R1〜R3の少なくとも1つの基は、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、前記顔料着色された水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする前記顔料着色されたベース塗料である。
この顔料着色された水性ベース塗料は、特に、色および/または効果を与える多層塗膜の製造に好適である。したがって、例えば色および/または効果を与える多層塗膜を製造するための本発明による方法の段階(1)で使用される前記水性ベース塗料ならびにその中に含まれているホスファイトに関する前記実施態様は、当該顔料着色された水性ベース塗料にも該当する。これは、特に、あらゆる好ましい特徴、特に好ましい特徴、殊に好ましい特徴にも該当する。
本発明のさらなる対象は、さらに、顔料着色された水性ベース塗料における、少なくとも1つのホスファイトの湿分負荷に対する安定性を向上させるための使用であり、前記ベース塗料は、以下の構造式(I)
Figure 2015534502
[式中、R1〜R3の少なくとも1つの基が、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、前記顔料着色された水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とするものである。
湿分負荷に対する安定性の向上とは、本発明により使用されるホスファイトを含まない顔料着色された水性ベース塗料と比べた向上であると理解される。湿分負荷は、例えば、EN ISO 6270−2を用いてシミュレーションすることができる。
したがって、例えば、色および/または効果を与える多層塗膜を製造するための本発明による方法の段階(1)で使用される水性ベース塗料、ならびにその中に含まれるホスファイトに関するあらゆる前述の実施態様は、少なくとも1つのホスファイトの、顔料着色された水性ベース塗料における本発明による使用にも該当する。これは、特に、あらゆる前述の好ましい特徴、特に好ましい特徴、殊に好ましい特徴にも該当する。
前記ホスファイトは、補修塗装において、湿分負荷に対する安定性を向上させるために使用されるのが好ましい。このことは、特に、湿分負荷後に、欠陥、例えば、膨潤および気泡形成がもはや発生しないことであると理解される。
以下において、本発明を例に基づいて説明する。

1.銀色の水ベース塗料1の製造
表A中の「水相」以下に記載された成分を、示された順序で合して撹拌し、水性混合物にする。次の段階において、「有機相」以下に記載された成分から有機混合物を製造する。この有機混合物を前記水性混合物に加える。次に、10分間撹拌して、脱イオン水およびジメチルエタノールアミンを用いてpH値を8にして、回転粘度計(Mettler Toledo社機器Rheomat RM180)で23℃にて測定されたせん断負荷1000/秒でのスプレー粘度58mPasに調整する。
Figure 2015534502
水ベース塗料E1:
本発明による水ベース塗料E1を製造するため、水ベース塗料1に市販のトリイソデシルホスファイト0.5質量部を加えた。
水ベース塗料E2:
本発明による水ベース塗料E2を製造するため、水ベース塗料1に市販のトリイソデシルホスファイト1質量部を加えた。
水ベース塗料E3:
本発明による水ベース塗料E3を製造するため、水ベース塗料1に市販のトリイソデシルホスファイト2質量部を加えた。
水ベース塗料E4:
本発明による水ベース塗料E4を製造するため、水ベース塗料1に市販のトリイソトリデシルホスファイト1質量部を加えた。
水ベース塗料E5:
本発明による水ベース塗料E5を製造するため、水ベース塗料1に市販のフェニルジイソデシルホスファイト1質量部を加えた。
Figure 2015534502
第1表中の質量百分率の値は、それぞれ水ベース塗料におけるホスファイトの割合に対している。
水ベース塗料1および水ベース塗料E1〜E5の比較試験
結露水負荷後の気泡および膨潤の発生に対する安定性を測定するため、多層塗膜を以下の一般指示に従い製造した:
標準陰極電着塗装(KTL)(BASF Coatings GmbH社Cathoguard(登録商標)800)で被覆された、10×20cmの寸法の薄鋼板を、標準サーフェーサー(Hemmelrath社ALG670173 Fueller mittelgrau)で被覆した。前記水性サーフェーサーを、10分間80℃にて中間乾燥させた後、このサーフェーサーを、190℃の温度にて30分間焼き付けた。
ここで、前記水ベース塗料を、空気圧式塗布した。結果として生じた水ベース塗料を、2分間室温でフラッシュオフして、続いて10分間循環炉内で70℃にて乾燥させた。この乾燥させた水ベース塗料に、通常の2成分クリア塗料を塗布した(BASF Coatings GmbH社Progloss(登録商標)345)。結果として生じたクリア塗装層を、20分間室温でフラッシュオフした。続いて、水ベース塗装層およびクリア塗装層を、循環炉内で30分間160℃にて硬化させた。ここに存在する構成は、焼き入れ過剰の初期構成であり、以下にて初期塗膜と呼ばれる。
前記初期塗膜を紙やすりで研磨して、続いて前記水ベース塗料をこの研磨した初期塗膜に空気圧式塗布する。結果として生じる水ベース塗装層を、2分、室温でフラッシュオフして、続いて10分間循環炉内で70℃にて乾燥させた。この乾燥させた水ベース塗装層に、いわゆる80℃−2成分クリア塗料(BASF Coatings GmbH社FF230500 2K Reparaturklarlack(補修クリア塗料)、耐引っかき性)を塗布した。結果として生じたクリア塗装層を、20分間室温でフラッシュオフした。
続いて、前記水ベース塗装層および前記クリア塗装層を循環炉内で30分間80℃にて硬化させた。
ここで、このように処理した薄鋼板を、EN ISO 6270−2に準拠して空調室内で10日間貯蔵した。続いて、前記鋼板を、前記空調室から取り出した直後および24時間後に、気泡形成および膨潤に関して外観を試験した。前記試験鋼板の外観試験に関する結果は、前記空調室から取り出した直後と、前記空調室から取り出して24時間後とでは違いはない。24時間の場合の結果は、第2表に示されている。
気泡の発生は、以下の通り、2つの値を組合せて評価した:
・気泡の数は、1〜5の数量表示で評価し、ここで、m1は気泡がきわめて少ないことを、m5は気泡がきわめて多いことを示している。
・気泡の大きさを、同じく1〜5の大きさ表示で評価し、ここで、g1は気泡がきわめて小さいことを、g5は気泡がきわめて大きいことを示している。
・m0g0という表示は、それゆえ、空調室での貯蔵後の気泡がない塗膜を表しており、気泡形成に関して、iO(満足できる)結果を意味する。
Figure 2015534502
前記結果は、本発明によるホスファイトを使用する場合、結露水負荷後に、気泡がもはや発生せず、膨潤がもはや見られないことを証明している。

Claims (15)

  1. 色および/または効果を与える多層塗膜の製造方法であって、
    (1)顔料着色された水性ベース塗料を基材に塗布し、
    (2)段階(1)で塗布された塗料からポリマーフィルムを形成させ、
    (3)このようにして得られたベース塗装層にクリア塗料を塗布し、続いて
    (4)前記ベース塗装層を前記クリア塗装層と一緒に硬化させる
    前記方法において、段階(1)で、以下の構造式(I)
    Figure 2015534502
    [式中、R1〜R3の少なくとも1つの基が、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする前記製造方法。
  2. 構造式(1)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜4.5質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 段階(1)において、結合剤として少なくとも1種の飽和または不飽和ポリウレタン樹脂を含む、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 段階(1)において、アミノプラスト樹脂およびブロックされたまたはブロックされていないポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤を含む、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記脂肪族炭化水素が、C1〜C20基であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記脂肪族炭化水素が、それぞれ一般式
    Figure 2015534502
    [式中、nは1〜17である]のイソアルキル基であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つのホスファイトが、トリイソデシルホスファイト、トリイソトリデシルホスファイトおよびフェニルジイソデシルホスファイトからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法により製造可能な色および/または効果を与える多層塗膜。
  9. 請求項8に記載の色および/または効果を与える多層塗膜上の欠陥箇所の修復方法であって、
    (1)顔料着色された水性ベース塗料を欠陥箇所に塗布し、
    (2)段階(1)で塗布された塗料からポリマーフィルムを形成させ、
    (3)このようにして得られたベース塗装層にクリア塗料を塗布し、続いて
    (4)前記ベース塗装層を前記クリア塗装層と一緒に硬化させる
    前記修復方法において、段階(1)で、以下の構造式(I)
    Figure 2015534502
    [式中、R1〜R3の少なくとも1つの基は、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、段階(1)で塗布される水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%である、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする前記修復方法。
  10. 段階(1)において、結合剤として少なくとも1種の飽和または不飽和ポリウレタン樹脂を含む顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 段階(1)において、アミノプラスト樹脂およびブロックされたまたはブロックされていないポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種の架橋剤を含む、顔料着色された水性ベース塗料が使用されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記脂肪族炭化水素が、C1〜C20基であることを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つのホスファイトが、トリイソデシルホスファイト、トリイソトリデシルホスファイトおよびフェニルジイソデシルホスファイトからなる群から選択されることを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 顔料着色された水性ベース塗料であって、以下の構造式(I)
    Figure 2015534502
    [式中、R1〜R3の少なくとも1つの基は、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、前記顔料着色された水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする前記顔料着色された水性ベース塗料。
  15. 顔料着色された水性ベース塗料であって、以下の構造式(I)
    Figure 2015534502
    [式中、R1〜R3の少なくとも1つの基が、脂肪族炭化水素の群から選択されている]の少なくとも1つのホスファイトを含んでおり、かつさらに、構造式(I)で示されるホスファイトすべての質量百分率の合計が、前記顔料着色された水性ベース塗料の総質量に対して0.1〜5質量%であることを特徴とする前記顔料着色された水性ベース塗料における、少なくとも1つのホスファイトの湿分負荷に対する安定性を向上させるための使用。
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