JP2015533152A - 第vii因子コンジュゲート - Google Patents
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Abstract
本発明は第VII因子ポリペプチドのヘパロサンポリマーとのコンジュゲーションに関する。得られたコンジュゲートは、例えば出血性障害の治療又は予防において第VII因子を送達するために使用され得る。
Description
本発明は第VII因子ポリペプチドのヘパロサンポリマーとのコンジュゲーションに関する。
血管損傷は細胞と分子成分との間の複雑な相互作用に関与する止血系を活性化する。最終的に出血を止めるプロセスは止血として知られている。止血の重要な部分は損傷部位における血液の凝固及び血栓の形成である。凝固プロセスはいくつかのタンパク質分子の機能に大きく依存している。これらは凝固因子として知られている。凝固因子のいくつかは不活性チモーゲン又は酵素的に活性な形態で存在し得るプロテアーゼである。チモーゲン形態は、別のタンパク質分解活性凝固因子によって触媒されるポリペプチド鎖の特異的切断によって酵素的に活性な形態に変換され得る。第VII因子は、肝臓で合成され、一本鎖糖タンパク質として血液中に分泌されるビタミンK依存性血漿タンパク質である。第VII因子チモーゲンは、単一部位における、すなわち第VII因子配列(野生型ヒト第VII凝固因子)のR152とI153との間の特異的タンパク質分解的切断によって活性化形態(第VIIa因子)に変換され、単一のジスルフィド結合によって連結された二本鎖分子を生じる。第VIIa因子における二本のポリペプチド鎖は軽鎖及び重鎖と呼ばれ、それぞれ、第VII因子配列の残基1〜152及び153〜406に対応する。第VII因子は大部分がチモーゲンとして循環するが、一部分は活性化形態(第VIIa因子)である。
血液凝固プロセスは3つの段階:開始期、増幅期及び増大期に分けることができる。開始期及び増大期は、止血において多くの重要な機能を有する凝固因子であるトロンビンの形成に寄与する。凝固カスケードは、血管の内面に並ぶ内皮細胞の単一の層状障壁が損傷した場合に開始する。これにより内皮下の細胞及び血管外マトリクスタンパク質が露出され、それらに血液中の血小板が付着する。これが起こると、内皮下の細胞の表面上に存在する組織因子(TF)が血液中で循環している第VIIa因子に露出される。TFは膜結合タンパク質であり、第VIIa因子に対する受容体として役立つ。第VIIa因子は本質的に低い活性を有する酵素のセリンプロテアーゼである。しかしながら、第VIIa因子がTFに結合する場合、その活性は大いに増加する。TFと第VIIa因子の相互作用はまた、TF保有細胞のリン脂質表面上に第VIIa因子を局在化し、第X因子から第Xa因子の活性化のためにその第VIIa因子を最適に配置する。これが起こると、第Xa因子は第Va因子と結合して、TF保有細胞の表面上にいわゆる「プロトロンビナーゼ(prothombinase)」複合体を形成し得る。プロトロンビナーゼ複合体は次いで、プロトロンビンの切断によってトロンビンを生成する。循環している第VIIa因子に対してTFを露出し、トロンビンの最初の生成を導くことによって活性化される経路はTF経路として知られている。TF:第VIIa因子複合体はまた、第IX因子から第IXa因子への活性化を触媒する。次いで活性化した第IXa因子は、損傷部位に付着し、活性化している血小板の表面へ拡散し得る。これにより、第IXa因子がFVIIIaと結合して、活性化した血小板の表面上に「テナーゼ」複合体を形成し得る。この複合体は、第X因子から第Xa因子へ活性化する際のその目立った効果に起因して増大期において重要な役割を果たす。効果的なテナーゼにより触媒された第Xa因子活性の生成が次に、プロトロンビナーゼ複合体によって触媒されるプロトロンビンからトロンビンへの効果的な切断を導く。第IX因子又は第VIII因子のいずれかにいくらかの欠損が存在する場合、重要なテナーゼ活性を損ない、凝固に必要であるトロンビンの産生を減少させる。TF経路によって最初に形成されるトロンビンは、損傷部位における血小板の動員、活性化
及び凝集を促す凝血原シグナルとして役立つ。この結果、血小板の緩い最初の血栓の形成が生じる。しかしながら、血小板のこの最初の血栓は不安定であり、止血を維持するために補強を必要とする。血栓の安定化は、フィブリン線維の網に血小板を固定し、絡ませることに関与する。
及び凝集を促す凝血原シグナルとして役立つ。この結果、血小板の緩い最初の血栓の形成が生じる。しかしながら、血小板のこの最初の血栓は不安定であり、止血を維持するために補強を必要とする。血栓の安定化は、フィブリン線維の網に血小板を固定し、絡ませることに関与する。
強力で安定な血餅の形成は、局所的なトロンビン活性の激しい突発の発生に依存する。それ故、血管損傷後にトロンビン生成を導くプロセスの欠損は、出血性障害、例えば血友病A及びBを導き得る。血友病A及びBを有する人々は、それぞれ、機能的第VIIIa因子又は第IXa因子を欠く。増大期におけるトロンビン生成は、テナーゼ活性に非常に依存し、すなわち第VIIIa因子及び第FIXa因子の両方を必要とする。したがって、血友病A又はBを有する人々において、最初の血小板血栓の適切な強化が失敗し、出血が継続する。補充療法が血友病A及びBについての従来の治療であり、第VIII因子又は第IX因子の静脈内投与に関与している。しかしながら、多くの場合、患者は、注入したタンパク質に対して抗体(阻害物質としても知られている)を発生し、それが治療の効果を減少させ又は無効にする。組換え第VIIa因子(ノボセブン(登録商標))が、阻害物質を有する血友病A又はBの患者を治療するために承認されており、また、出血症状を停止させるため又は外傷及び/若しくは手術に関連した出血を防ぐために使用されている。組換え第VIIa因子はまた、先天性第VII因子欠乏症を有する患者の治療のために承認されている。組換えFVIIaは、TFとは関係のない機構を介して作用することが提案されている。このモデルによれば、組換えFVIIaは、そのGlaドメインのために活性化した血小板の表面に誘導され、次いでその組換えFVIIaは、第X因子から第Xa因子にタンパク質分解により活性化し、それ故、機能的テナーゼ複合体の必要性を回避する。TFの非存在下でのFVIIaの低い酵素活性及び膜に対するGlaドメインの低い親和性が、止血を達成するのに必要とされる生理的レベルを超えた循環FVIIaについての必要性を説明できる。
組換え第VIIa因子は患者における出血を解決するために頻繁な投与を必要とし得る2〜3時間の薬理学的半減期を有する。更に、患者は、多くの場合、予防策としてではなく、出血が開始した後、第VIIa因子療法を受けているだけであり、これは、多くの場合、患者の生活の全体の質に影響を及ぼす。より長い循環半減期を有する組換え第VIIa因子バリアントは必要な投与の数を減少させ、低い頻度の投薬を支持し、それ故、患者及び医療従事者の有益性に対して顕著に改善した第VIIa因子療法の保証を保つ。
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一般に、凝固障害を有する人々において多くの満たされていない医学的必要性が存在している。血栓形成を促進するための組換え第VIIa因子の使用は、治療剤としてその重要性を増大していることが明確に示される。しかしながら、組換え第VIIa因子療法は依然として重大で満たされていない医学的必要性を残し、改善された医薬的性質、例えばインビボでの機能的半減期の増加、改善された活性及びより少ない望ましくない副作用を有する組換え第VIIa因子ポリペプチドについての必要性が存在する。
種々の方法が長期の循環半減期を有する第VII因子ポリペプチドの開発に利用されている。これらの方法のいくつかは、PEG(ポリエチレングリコール)などの水溶性ポリマーとの第VII因子のコンジュゲーションに関する。WO03031464は、PEG基がポリペプチドに存在するグリカンに結合できる酵素的アプローチを開示している。
本発明は、ポリマーヘパロサンが第VII因子に結合すると半減期を延ばすことができるという発見に基づく。ヘパロサンを用いる1つの利点は、ヘパロサンポリマーが生分解性であり、非生分解性ポリマーに関連するいずれかの潜在的な蓄積の問題を回避することである。このようにヘパロサンポリマーの使用は、FIXa及びFXa生成の増加の可能性及び血栓活性の改善などの、第VII因子ポリペプチドコンジュゲートの改善された特性を導くことができる。
したがって、本発明は、第VII因子ポリペプチドとヘパロサンポリマーとの間のコンジュゲートを提供する。
興味深い実施形態において、ポリマーは1.10未満又は1.05未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有することができる。別の興味深い実施形態において、ポリマーは13kDaから65kDaの間のサイズを有することができる。
本発明のヘパロサン第VII因子ポリペプチドコンジュゲートは、非コンジュゲート第VII因子ポリペプチドと比較して増加した循環半減期又は非コンジュゲート第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的半減期を有することができる。
本発明のヘパロサン第VII因子ポリペプチドコンジュゲートは、非コンジュゲート第VII因子ポリペプチドと比較して増加した平均滞留時間又は非コンジュゲート第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的平均滞留時間を有することができる。
第VII因子ポリペプチドは、FVIIa-407Cなどの遊離システインを有する第VII因子ポリペプチドのバリアントであってもよく、ヘパロサンポリマーは前記第VII因子ポリペプチドの407位にてシステインに結合できる。ポリマーはN-又はO-グリカンを介してポリペプチドに結合できる。
本発明はまた、本発明のコンジュゲート及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物などの、本明細書に記載されるコンジュゲートを含む組成物を提供する。
本発明のコンジュゲート又は組成物は出血性障害を治療又は予防する方法に使用するために提供され得る。すなわち、本発明は、出血性障害を治療又は予防する方法であって、適切な用量の本発明のコンジュゲートを、それを必要とする患者、例えば血友病A又は血友病Bを有する個体などの第VII因子を必要とする個体に投与する工程を含む、方法に関する。
本発明は、第VII因子(FVII)ポリペプチドとヘパロサン(HEP)ポリマーとの間のコンジュゲート並びにそのようなコンジュゲートを調製する方法及びそのようなコンジュゲートの使用に関する。本発明者らは驚くべきことに、第VII因子ヘパロサンコンジュゲートが改善された特性を有することを見出した。
第VII因子ポリペプチド
「第VII因子」又は「FVII」という用語は、第VII因子ポリペプチドを示す。適切なポリペプチドは、天然源抽出及び精製を含む方法によって、並びに組換え細胞培養系によって産生され得る。野生型ヒト第VII因子の配列及び特徴は、例えば、米国特許第4,784,950号に記載されている。
「第VII因子」又は「FVII」という用語は、第VII因子ポリペプチドを示す。適切なポリペプチドは、天然源抽出及び精製を含む方法によって、並びに組換え細胞培養系によって産生され得る。野生型ヒト第VII因子の配列及び特徴は、例えば、米国特許第4,784,950号に記載されている。
また、「第VII因子ポリペプチド」という用語には、生物学的に活性な第VII因子等価物及び例えば全配列において1つ又は複数のアミノ酸が異なる第VII因子の修飾形態も包含される。更に、本出願で使用される用語は、第VII因子の置換、欠失及び挿入アミノ酸バリアント又は翻訳後修飾を含むことを意図する。
本明細書で使用される場合、「第VII因子ポリペプチド」は、限定するものではないが、第VII因子並びに第VII因子関連ポリペプチドを包含する。第VII因子関連ポリペプチドは、限定するものではないが、ヒト第VII因子に関して化学的に修飾された第VII因子ポリペプチドを含み、及び/又はヒト第VII因子に関して1つ又は複数のアミノ酸配列変更(すなわち、第VII因子バリアント)を含有する第VII因子ポリペプチド及び/又はヒト第VII因子に関して切断されたアミノ酸配列(すなわち、第VII因子断片)を含有する第VII因子ポリペプチドを含む。このような第VII因子関連ポリペプチドは、ヒト第VII因子に関して、安定性、リン脂質結合、改変された比活性等を含む、異なる特性を示し得る。
「第VII因子」という用語は、それらの切断されていない(チモーゲン)形態での第VII因子ポリペプチド及び第VIIa因子と指定され得る、それらのそれぞれの生物活性形態を生成するように、タンパク質分解的に処理されているものを包含することを意図する。典型的に、第VII因子は、第VIIa因子を生成するために、残基152と153との間で切断される。
「第VII因子」という用語はまた、限定するものではないが、野生型ヒト第VII因子のアミノ酸配列1〜406を有するポリペプチド(米国特許第4,784,950号に開示されている)及び他の種(例えば、ウシ、ブタ、イヌ、ネズミ及びサケなど)の第VII因子から誘導された野生型第VII因子を包含することを意図する。更に、第VII因子は、一個体から他の個体へ存在し、発現し得る第VII因子の天然対立遺伝子バリアントも包含する。また、糖化又は他の翻訳後修飾の程度及び位置は、選択された宿主細胞及び宿主細胞環境の性質に依存して変化し得る。
本明細書で使用される場合、「第VII因子関連ポリペプチド」は、限定するものではないが、野生型ヒト第VII因子に関して実質的に同じか又は改善された生物学的活性を示すポリペプチドを包含する。これらのポリペプチドには、限定するものではないが、化学的に修飾された第VII因子又は第VIIa因子、及びポリペプチドの生物活性を修飾又は破壊する、特定のアミノ酸配列変更が導入されている第VII因子バリアントが含まれる。
また、修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチド、例えば、N-末端アミノ酸欠失又は付加を含む、修飾されたN-末端を有するポリペプチド及び/又はヒト第VIIa因子に関して化学的に修飾されているポリペプチドが包含される。
また、修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプタニド(polypeptanide)、例えば、C末端アミノ酸欠失又は付加を含む、修飾されたC末端を有するポリペプチド及び/又はヒト第VIIa因子に関して化学的に修飾されているポリペプチドが包含される。
第VII因子のバリアントを含み、野生型第VII因子と実質的に同じか又はそれよりも優れた生物活性を示す、第VII因子関連ポリペプチドは、限定するものではないが、1つ又は複数のアミノ酸の挿入、欠失又は置換により野生型第VII因子の配列とは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
バリアントを含み、野生型第VIIa因子に関して実質的に同じ又は改善された生物学的活性を有する、第VII因子関連ポリペプチドは、凝固アッセイ、タンパク質分解アッセイ又はTF結合アッセイの1つ又は複数において試験される場合、同じ細胞型において生成されている野生型第VIIa因子の比活性の少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約100%、より好ましくは少なくとも約110%、より好ましくは少なくとも約120%、最も好ましくは少なくとも約130%を示すポリペプチドを包含する。
第VII因子ポリペプチドは第VII因子関連ポリペプチド、特にバリアントであってもよく、前記第VII因子ポリペプチドの活性と生来のヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との間の比は、インビトロ加水分解アッセイにおいて試験される場合、少なくとも約1.25であり、他の実施形態において、その比は少なくとも約2.0であり、更なる実施形態において、その比は少なくとも約4.0である。第VII因子ポリペプチドは、第VII因子類似体、特にバリアントであってもよく、前記第VII因子ポリペプチドの活性と生来のヒト第VIIa因子(野生型FVIIa)の活性との間の比は、インビトロタンパク質分解アッセイにおいて試験される場合、少なくとも約1.25であり、その比は少なくとも約2.0であってもよく、その比は少なくとも約4.0であってもよく、その比は少なくとも約8.0であってもよい。
第VII因子ポリペプチドは、例えば、米国特許第4,784,950号に開示されているように、ヒト第VII因子(野生型第VII因子)であってもよい。第VII因子ポリペプチドはヒト第VIIa因子であってもよい。第VII因子ポリペプチドは、ヒト第VIIa因子の比生物学的活性の少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約100%、好ましくは少なくとも約120%、より好ましくは少なくとも約140%、最も好ましくは少なくとも約160%を示すポリペプチドを含む。
第VII因子ポリペプチドは、ヒト第VIIa因子のポリペプチドと比較してアンチトロンビンIIIとの減少した相互作用を有するバリアント第VII因子ポリペプチドであってもよい。例えば、第VII因子ポリペプチドは、野生型ヒト第VIIa因子のアンチトロンビンIIIとの相互作用の100%未満、95%未満、90%未満、80%未満、70%未満又は50%未満を有することができる。アンチトロンビンIIIとの減少した相互作用は、改善されたタンパク質分解活性などの、本明細書に記載される他の改善された生物学的活性と共に存在してもよい。
第VII因子ポリペプチドは、1つ又は複数のアミノ酸の挿入、欠失又は置換により野生型第VII因子の配列とは異なるアミノ酸配列を有することができる。
第VII因子ポリペプチドは、米国特許第4,784,950号に開示されているように、野生型第VII因子の配列と少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を示すポリペプチドであってもよい。アミノ酸配列相同性/同一性は、例えば、ClustalWプログラム、バージョン1.8、1999(Thompsonら、1994、Nucleic Acid Research、22:4673-4680)などの配列アラインメントに関する適切なコンピュータプログラムを使用して、並べられた配列から便宜的に決定される。
野生型第VII因子として実質的に同じ又は改善された生物学的活性を有する第VII因子バリアントの非限定的な例には、S52A-FVII、S60A-FVII(linoら、Arch. Biochem. Biophys. 352:182-192、1998);L305V-FVII、L305V/M306D/D309S-FVII、L305I-FVII、L305T-FVII、F374P-FVII、V158T/M298Q-FVII、V158D/E296V/M298Q-FVII、K337A-FVII、M298Q-FVII、V158D/M298Q-FVII、L305V/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V-FVII、V158D/E296V/M298Q/K337A-FVII、V158D/E296V/M298Q/L305V/K337A-FVII、K157A-FVII、E296V-FVII、E296V/M298Q-FVII、V158D/E296V-FVII、V158D/M298K-FVII及びS336G-FVII;WO01/83725及びWO02/22776に開示されている増加したTF独立性活性を示すFVIIaバリアント;米国特許第5,580,560号に開示されている増加したタンパク質分解安定性を示すFVIIaバリアント;残基290と291との間又は残基315と316との間でタンパク質分解により切断されている第VIIa因子(Mollerupら、Biotechnol. Bioeng. 48:501-505、1995);及び第VIIa因子の酸化形態(Kornfeltら、Arch. Biochem. Biophys. 363:43-54、1999)が含まれる。
更に本明細書の第VII因子ポリペプチドの範囲内に含まれている第VII因子バリアントは、WO2007/031559及びWO2009/126307に記載されているものである。
本発明に従って使用するための好ましい第VII因子ポリペプチドは、更なるシステイン残基が野生型FVII配列などの既存のFVII配列と比較して加えられているものである。システインはC末端において第VII因子ポリペプチドに付加されてもよい。システインは、FVIIa 407Cを導く、野生型ヒト第VII因子のアミノ酸配列のC末端残基406において第VIIa因子ポリペプチドに付加されてもよい。システインは、組織因子結合、第X因子結合又はリン脂質に対する結合を著しく妨げない表面が露出した位置の第VII因子分子のアミノ酸配列に位置し得る。第VIIa因子の構造は知られており、したがってこれらの要件を満たす適切な位置は当業者に識別され得る。
本明細書に記載されている第VII因子ポリペプチドにおけるアミノ酸の番号付けは、米国特許第4,784,950号に開示されている野生型ヒト第VII因子についてのアミノ酸配列に基づく。他の第VII因子ポリペプチドにおける等価の位置は、関連配列のアラインメントを実施することによって当業者により容易に識別され得ることは明らかであろう。
血液凝固における第VIIa因子の生物学的活性は、(i)組織因子(TF)に結合し、(ii)活性化した第IX因子又は第X因子(それぞれ第IXa因子又はXa因子)を生成するために第IX因子又は第X因子のタンパク質分解的切断を触媒する、その能力に由来する。
第VII因子ポリペプチドの生物学的活性は以下に記載されている多くの方法によって測定され得る:
発色基質(S-2288)を使用したペプチド分解活性
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのペプチド分解活性は、基質として発色ペプチド(S-2288;Chromogenix)を使用して推定され得る。アッセイを実施する方法は以下の通りである:FVIIポリペプチド及び適切なFVIIa参照タンパク質を、50mM HEPES、5mM CaCl2、100mM NaCl、0.01% Tween80、pH7,4中で希釈する。次いで発色基質S-2288の切断についての動的パラメータを96ウェルプレート(n=3)において決定する。典型的な実験において、135ulのHEPES緩衝液、10ulの200nM FVIIa試験実体溶液及び50ulの200nM組織因子ストック溶液をウェルに加える。マイクロプレートを5分間静置する。次いで反応を10ulの10mM S-2288ストック溶液を加えることによって開始する。吸光度増加を、室温にて15分間、SpectraMax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定する。変換した基質の量をpNA(パラ-ニトロアニリン)標準曲線に基づいて決定する。相対活性を初期速度から算出し、FVIIa速度と比較する。次いでFVIIaコンジュゲートについての活性を、FVIIa参照の活性の百分率として報告できる。
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのペプチド分解活性は、基質として発色ペプチド(S-2288;Chromogenix)を使用して推定され得る。アッセイを実施する方法は以下の通りである:FVIIポリペプチド及び適切なFVIIa参照タンパク質を、50mM HEPES、5mM CaCl2、100mM NaCl、0.01% Tween80、pH7,4中で希釈する。次いで発色基質S-2288の切断についての動的パラメータを96ウェルプレート(n=3)において決定する。典型的な実験において、135ulのHEPES緩衝液、10ulの200nM FVIIa試験実体溶液及び50ulの200nM組織因子ストック溶液をウェルに加える。マイクロプレートを5分間静置する。次いで反応を10ulの10mM S-2288ストック溶液を加えることによって開始する。吸光度増加を、室温にて15分間、SpectraMax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定する。変換した基質の量をpNA(パラ-ニトロアニリン)標準曲線に基づいて決定する。相対活性を初期速度から算出し、FVIIa速度と比較する。次いでFVIIaコンジュゲートについての活性を、FVIIa参照の活性の百分率として報告できる。
基質として血漿由来第X因子を使用したタンパク質分解活性
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのタンパク質分解活性は基質として血漿由来第X因子(FX)を使用して推定され得る。アッセイを実施する方法は以下の通りである:全てのタンパク質を最初に、50mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、10mM CaCl2、1mg/mL BSA及び0.1%(w/v)PEG8000中に希釈する。次いでFX活性化についての動的パラメータを、96ウェルプレート(n=2)において100uLの全反応体積で室温にて30分間、25uM PC:PSリン脂質(血液学的技術)の存在下で40nM FXと10nMのFVIIポリペプチド又はコンジュゲートの各々をインキュベートすることによって決定する。可溶性組織因子(sTF)の存在下でFX活性化を、100uLの全反応体積(n=2)で室温にて20分間、25uM PC:PSリン脂質の存在下で30nM FXと5pMのFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートの各々をインキュベートすることによって決定する。インキュベーション後、反応を、50uLの停止緩衝液[50mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、80mM EDTA]を加え、続いて50uLの2mM 発色ペプチドS-2765(Chromogenix)を加えることによってクエンチする。最後に、吸光度増加をSpectramax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定する。触媒効率(kcat/Km)を、線形回帰を使用してミカエリスメンテン式の改正形式([S]<Km)にデータを適合することによって決定する。生成したFXaの量をFXa標準曲線から推定する。
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのタンパク質分解活性は基質として血漿由来第X因子(FX)を使用して推定され得る。アッセイを実施する方法は以下の通りである:全てのタンパク質を最初に、50mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、10mM CaCl2、1mg/mL BSA及び0.1%(w/v)PEG8000中に希釈する。次いでFX活性化についての動的パラメータを、96ウェルプレート(n=2)において100uLの全反応体積で室温にて30分間、25uM PC:PSリン脂質(血液学的技術)の存在下で40nM FXと10nMのFVIIポリペプチド又はコンジュゲートの各々をインキュベートすることによって決定する。可溶性組織因子(sTF)の存在下でFX活性化を、100uLの全反応体積(n=2)で室温にて20分間、25uM PC:PSリン脂質の存在下で30nM FXと5pMのFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートの各々をインキュベートすることによって決定する。インキュベーション後、反応を、50uLの停止緩衝液[50mM HEPES(pH7.4)、100mM NaCl、80mM EDTA]を加え、続いて50uLの2mM 発色ペプチドS-2765(Chromogenix)を加えることによってクエンチする。最後に、吸光度増加をSpectramax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定する。触媒効率(kcat/Km)を、線形回帰を使用してミカエリスメンテン式の改正形式([S]<Km)にデータを適合することによって決定する。生成したFXaの量をFXa標準曲線から推定する。
凝固時間を測定するためのアッセイ:
本発明の目的のために、第VII因子ポリペプチドの生物学的活性(「第VII因子生物学的活性」)又は本発明のコンジュゲートの生物学的活性はまた、例えば、米国特許第5,997,864号又はWO92/15686に記載されているように、第VII因子欠損血漿及びトロンボプラスチンを使用して血液凝固を促進する製剤の能力を測定することによって定量され得る。このアッセイにおいて、生物学的活性は対照試料に対する凝固時間の減少として表され、1単位/ml第VII因子活性を含有するプールされたヒト血清標準との比較により「第VII因子単位」に変換される。
本発明の目的のために、第VII因子ポリペプチドの生物学的活性(「第VII因子生物学的活性」)又は本発明のコンジュゲートの生物学的活性はまた、例えば、米国特許第5,997,864号又はWO92/15686に記載されているように、第VII因子欠損血漿及びトロンボプラスチンを使用して血液凝固を促進する製剤の能力を測定することによって定量され得る。このアッセイにおいて、生物学的活性は対照試料に対する凝固時間の減少として表され、1単位/ml第VII因子活性を含有するプールされたヒト血清標準との比較により「第VII因子単位」に変換される。
組織因子に対する結合を決定するためのアッセイ:
或いは、第VIIa因子生物学的活性は、表面プラズモン共鳴(Persson、FEBS Letts. 413:359-363、1997)に基づいた機器を使用してTFに対する第VIIa因子又は第VII因子関連ポリペプチドの物理結合を測定することによって定量され得る。
或いは、第VIIa因子生物学的活性は、表面プラズモン共鳴(Persson、FEBS Letts. 413:359-363、1997)に基づいた機器を使用してTFに対する第VIIa因子又は第VII因子関連ポリペプチドの物理結合を測定することによって定量され得る。
可溶性TF依存性血漿ベースのFVIIa凝固アッセイによって測定した効力
市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して効力は推定され得る。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744(1993)によって公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でのFVII欠損血漿におけるフィブリン血栓形成に対する、sTFにより開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試験化合物をPipes+1% BSAアッセイ希釈緩衝液中で希釈し、4回の別のアッセイの試行において4つの希釈物中で試験する。凝固時間はACL9000(ILS)凝固機器で測定可能であり、結果はFVIIa較正曲線に基づいた両対数(bilogarithmic)目盛り上で線形回帰を使用して算出した。
市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して効力は推定され得る。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744(1993)によって公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でのFVII欠損血漿におけるフィブリン血栓形成に対する、sTFにより開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試験化合物をPipes+1% BSAアッセイ希釈緩衝液中で希釈し、4回の別のアッセイの試行において4つの希釈物中で試験する。凝固時間はACL9000(ILS)凝固機器で測定可能であり、結果はFVIIa較正曲線に基づいた両対数(bilogarithmic)目盛り上で線形回帰を使用して算出した。
sprauge Dawleyラットにおける薬物動態評価
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートの薬物動態特性はsprauge Dawleyラットにおいて推定され得る。このような動物研究を実施する1つの方法は以下の通りである:FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートは、10mM ヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80 80、pH6.0などの適切な緩衝液中で最初に製剤化され、製剤緩衝液中のFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート濃度はHPLCでの軽鎖定量によって決定される。オスのSprague Dawleyラットをこの研究のために得る。動物に少なくとも1週間の順化期間を与え、実験の開始前に食物及び水を自由に取らせる。次いでFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート製剤を尾静脈において単一のivボーラス注射として与える。次いで血液を所定のスケジュールに従ってサンプリングする。血液は以下の方法でサンプリングできる:45μlの血液を、5μlのStabilyteを含有するエッペンドルフチューブに移し、200μlのPIPES緩衝液(0.050M Pipes、0.10M塩化ナトリウム、0.002M EDTA、1%(w/v)BSA、pH7.2)を加え、穏やかに5回反転させる。希釈したクエン酸塩により安定した血液を、10分間室温で4000Gにて遠心分離するまで室温に維持する。遠心分離した後、上清を3つのMicronicチューブ;凝固活性について70ul、抗原分析について70ul及び別の試料として残りに分ける。試料をドライアイス上で即時に凍結し、例えば以下に記載されているように血漿分析が実施され得るまで-80℃にて保存する。
FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートの薬物動態特性はsprauge Dawleyラットにおいて推定され得る。このような動物研究を実施する1つの方法は以下の通りである:FVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートは、10mM ヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80 80、pH6.0などの適切な緩衝液中で最初に製剤化され、製剤緩衝液中のFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート濃度はHPLCでの軽鎖定量によって決定される。オスのSprague Dawleyラットをこの研究のために得る。動物に少なくとも1週間の順化期間を与え、実験の開始前に食物及び水を自由に取らせる。次いでFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート製剤を尾静脈において単一のivボーラス注射として与える。次いで血液を所定のスケジュールに従ってサンプリングする。血液は以下の方法でサンプリングできる:45μlの血液を、5μlのStabilyteを含有するエッペンドルフチューブに移し、200μlのPIPES緩衝液(0.050M Pipes、0.10M塩化ナトリウム、0.002M EDTA、1%(w/v)BSA、pH7.2)を加え、穏やかに5回反転させる。希釈したクエン酸塩により安定した血液を、10分間室温で4000Gにて遠心分離するまで室温に維持する。遠心分離した後、上清を3つのMicronicチューブ;凝固活性について70ul、抗原分析について70ul及び別の試料として残りに分ける。試料をドライアイス上で即時に凍結し、例えば以下に記載されているように血漿分析が実施され得るまで-80℃にて保存する。
血漿分析;FVIIa凝固活性レベル
ラット血漿におけるFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのFVIIa凝固活性レベルは、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ、例えばDiagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して推定され得る。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744(1993)により公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でFVII欠損血漿におけるフィブリン凝固形成に対する、可溶性組織因子(sTF)により開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試料は、希釈試料と同じマトリクス(同種対同種)を用いてFVIIa較正曲線に対してACL9000凝固機器で測定され得る。
ラット血漿におけるFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲートのFVIIa凝固活性レベルは、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ、例えばDiagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して推定され得る。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744(1993)により公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でFVII欠損血漿におけるフィブリン凝固形成に対する、可溶性組織因子(sTF)により開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試料は、希釈試料と同じマトリクス(同種対同種)を用いてFVIIa較正曲線に対してACL9000凝固機器で測定され得る。
血漿分析;抗原濃度
血漿中のFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート抗原濃度はLOCI技術を使用して決定され得る。この方法において、ヒトFVIIに対する2つのモノクローナル抗体が検出のために使用される。この原理はThromb Haemost 100(5):920-8(2008)に記載されている。試料を薬物物質較正曲線に対して測定する。
血漿中のFVIIポリペプチド又はFVIIコンジュゲート抗原濃度はLOCI技術を使用して決定され得る。この方法において、ヒトFVIIに対する2つのモノクローナル抗体が検出のために使用される。この原理はThromb Haemost 100(5):920-8(2008)に記載されている。試料を薬物物質較正曲線に対して測定する。
薬物動態分析
薬物動態分析は、例えばWinNonlin(Pharsight社、St.Louis、Missouri)ソフトウェアを使用して非コンパートメント法(NCA)によって実施され得る。データから以下のパラメータが推定され得る:Cmax(最大濃度)、Tmax(最大濃度の時間)、AUC(ゼロから無限までの曲線下面積)、AUCextrap(最後の濃度から無限まで外挿されるAUCの百分率)、T1/2(半減期)、Cl(クリアランス)、Vz(分布容積)及びMRT(平均滞留時間)。
薬物動態分析は、例えばWinNonlin(Pharsight社、St.Louis、Missouri)ソフトウェアを使用して非コンパートメント法(NCA)によって実施され得る。データから以下のパラメータが推定され得る:Cmax(最大濃度)、Tmax(最大濃度の時間)、AUC(ゼロから無限までの曲線下面積)、AUCextrap(最後の濃度から無限まで外挿されるAUCの百分率)、T1/2(半減期)、Cl(クリアランス)、Vz(分布容積)及びMRT(平均滞留時間)。
これらの方法は第VII因子ポリペプチドと野生型第VIIa因子との間の比較を設定する。しかしながら、同じ方法がまた、目的の第VII因子ポリペプチドの活性を任意の他の第VII因子ポリペプチドと比較するために使用され得ることは明らかであろう。例えば、このような方法は、本明細書に記載されているコンジュゲートの活性を、非コンジュゲート第VII因子ポリペプチド、ヘパロサン以外の水溶性ポリマーとコンジュゲートされる第VII因子ポリペプチド又はヘパロサンとコンジュゲートされるよりむしろ、40kDa PEGなどのPEGにコンジュゲートされる第VII因子ポリペプチドなどの適切な対照分子と比較するために使用され得る。したがって、インビトロ加水分解アッセイ又はインビトロタンパク質分解アッセイなどの本明細書に記載されている方法は、上記の方法における第VIIa因子野生型ポリペプチドを目的の対照分子と置換することによって適応され得る。
トロンビンを生成するための第VIIa因子又は第VII因子ポリペプチドの能力はまた、全ての関連凝固因子及び生理学的濃度にて阻害物質(血友病A状態を模倣している場合、第VIII因子を差し引く)及び活性化血小板を含むアッセイにおいて測定され得る(本明細書に参照により組み込まれる、Monroeら(1997)Brit.J.Haematol.99、542-547のp.543に記載されている)。
第VII因子ポリペプチドの活性はまた、WO92/15686又は米国特許第5,997,864号に本質的に記載されている一段階凝固アッセイ(アッセイ4)を使用して測定され得る。手短に述べると、試験される試料は、50mM Tris(pH7.5)、0.1% BSA中で希釈され、100μlが、100μlの第VII因子欠損血漿及び10mM Ca2+を含有する200μlのトロンボプラスチンCとインキュベートされる。凝固時間を測定し、参照標準を使用した標準曲線又は連続希釈におけるクエン酸正常ヒト血漿のプールと比較する。
本発明における使用に適したヒト精製第VIIa因子は、例えば、Hagenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:2412-2416、1986に記載されている、又は欧州特許第200.421号(ZymoGenetics,Inc.社)に記載されているDNA組換え技術によって作製され得る。第VII因子はまた、Broze及びMajerus、J.Biol.Chem. 255 (4):1242-1247、1980並びにHedner及びKisiel、J.Clin.Invest. 71:1836-1841、1983に記載されている方法によって産生され得る。これらの方法は検出可能な量の他の血液凝固因子を必要とせずに第VII因子を生成する。なお更に精製した第VII因子製剤は最終精製工程として更なるゲル濾過を含むことによって得られ得る。次いで第VII因子は、公知の手段によって、例えば第XIIa因子、第IXa因子又は第Xa因子などのいくつかの異なる血漿タンパク質によって、活性化した第VIIa因子に変換される。或いは、Bjoernら(Research Disclosure、269 1986年9月、pp.564-565)に記載されているように、第VII因子は、それを、Mono Q(R)(Pharmacia fine Chemicals社)などのイオン交換クロマトグラフィーカラムに通すことによって、又は溶液中での自己活性化によって活性化され得る。
第VII因子関連ポリペプチドは、野生型第VII因子の修飾によって、又は組換え技術によって産生され得る。野生型第VII因子と比較して変化したアミノ酸配列を有する第VII因子関連ポリペプチドは、アミノ酸コドンを変化させることによって、又は公知の手段によって、例えば部位特異的突然変異誘発(site-specific mutagenesis)によって天然第VII因子をコードする核酸におけるアミノ酸コドンのいくつかを除去することによってのいずれかで野生型第VII因子をコードする核酸配列を修飾することによって産生され得る。
1つのヌクレオチドを別のヌクレオチドに交換するための核酸配列内への変異の導入は、当該分野において公知の方法のいずれかを使用して部位特異的突然変異誘発(site-directed mutagenesis)によって達成され得る。目的の挿入物及び所望の変異を含有する2本の合成プライマーを有するスーパーコイルの二本鎖DNAベクターを利用する手段が特に有用である。各々、ベクターの反対鎖に相補的である、オリゴヌクレオチドプライマーは、Pfu DNAポリメラーゼの手段によって温度サイクリングの間に伸長した。プライマーの組込み時に、互い違いのニックを含有する変異プラスミドが生成される。温度サイクルの後、産生物はDpnlで処理され、その産生物は、親DNA鋳型を消化するため及び変異含有合成DNAを選択するためにメチル化及びヘミメチル化DNAに特異的である。例えば遺伝子シャッフリング又はファージディスプレイ技術などの、バリアントを作製、識別及び単離するための当該分野において公知の他の手段もまた、使用され得る。
それらの起始細胞からのポリペプチドの分離は、限定するものではないが、接着細胞培養物からの所望の産生物を含有する細胞培養培地の除去;非接着細胞を除去するための遠心分離又は濾過などを含む、当該分野において公知の任意の方法によって達成され得る。
任意選択に、第VII因子ポリペプチドが更に精製されてもよい。精製は、限定するものではないが、例えば、抗第VII因子抗体カラム上(例えば、Wakabayashiら、J. Biol. Chem. 261:11097、1986及びThimら、Biochem. 27:7785、1988を参照のこと)などでの親和性クロマトグラフィー;疎水性相互作用クロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;電気泳動手段(例えば、分取等電点電気泳動法(IEF))、溶解度差(例えば硫酸アンモニウム沈殿)又は抽出などを含む、当該分野において公知の任意の方法を使用して達成され得る。一般に、Scopes、Protein Purification、Springer-Verlag、New York、1982並びにProtein Purification、J. C. Janson及びLars Ryden 編、VCH Publishers、New York、1989を参照のこと。精製後、製剤は、宿主細胞に由来する非第VII因子ポリペプチドの好ましくは約10質量%未満、より好ましくは約5%未満、最も好ましくは約1%未満を含有する。
第VII因子ポリペプチドは、第XIIa因子又は例えば第IXa因子、カリクレイン、第Xa因子及びトロンビンなどのトリプシン様特異性を有する他のプロテアーゼを使用してタンパク質分解的切断によって活性化され得る。例えば、Osterudら、Biochem. 11:2853(1972);Thomas、米国特許第4,456,591号;及びHednerら、J. Clin. Invest. 71:1836 (1983)を参照のこと。或いは、第VII因子ポリペプチドは、それを、Mono Q(R)(Pharmacia社)などのイオン交換クロマトグラフィーカラムに通すことによって、又は溶液中の自己活性化によって活性化され得る。次いで、得られた活性化した第VII因子ポリペプチドは、本出願に記載されているようにヘパロサンポリマーとコンジュゲートされ、製剤化され、投与され得る。
ヘパロサンポリマー
ヘパロサン(HEP)は、(-GlcUA-ベータ1,4-GlcNAc-アルファ1,4-)リピートを含む天然糖ポリマーである(図1Aを参照のこと)。それは、グリコサミノグリカン多糖ファミリーに属し、生理的pHにて負に荷電したポリマーである。それは特定の細菌の莢膜に見出され得るが、また、それは、天然ポリマーヘパリン及びヘパラン硫酸に対する前駆体として役立つ、高等脊椎動物においても見出される。詳細に証明されていないが、ヘパロサンはリソソーム中で分解すると考えられる。Bolton-Hunter試薬で標識した100kDaヘパロサンポリマーの注入により、ヘパロサンが体液/老廃物中のより小さな断片として分泌されることが示される(米国特許出願公開第2010/0036001号)。
ヘパロサン(HEP)は、(-GlcUA-ベータ1,4-GlcNAc-アルファ1,4-)リピートを含む天然糖ポリマーである(図1Aを参照のこと)。それは、グリコサミノグリカン多糖ファミリーに属し、生理的pHにて負に荷電したポリマーである。それは特定の細菌の莢膜に見出され得るが、また、それは、天然ポリマーヘパリン及びヘパラン硫酸に対する前駆体として役立つ、高等脊椎動物においても見出される。詳細に証明されていないが、ヘパロサンはリソソーム中で分解すると考えられる。Bolton-Hunter試薬で標識した100kDaヘパロサンポリマーの注入により、ヘパロサンが体液/老廃物中のより小さな断片として分泌されることが示される(米国特許出願公開第2010/0036001号)。
ヘパロサンポリマー及びそのようなポリマーを作製する方法は米国特許出願公開第2010/0036001号(その内容は本明細書に参照により組み込まれる)に記載されている。本発明によれば、ヘパロサンポリマーは米国特許出願公開第2010/0036001号に記載又は開示されている任意のヘパロサンポリマーであってもよい。
本発明に使用するために、ヘパロサンポリマーは、米国特許出願公開第2010/0036001号又は米国特許出願公開第2008/0109236号に記載されている方法のいずれかなどの任意の適切な方法によって産生され得る。ヘパロサンは細菌由来の酵素を使用して産生され得る。例えば、パスツレラムトシダ(Pasteurella mutocida)D型のヘパロサンシンターゼPmHS1は、GlcUA及びGlcNAcの両方を転写することによってヘパロサン糖鎖を重合する。大腸菌(Escherichia coli)K5酵素KfiA(アルファGlcNAcトランスフェラーゼ)及びKfiC(ベータGlcUAトランスフェラーゼ)もまた一緒に、ヘパロサンの二糖リピートを形成できる。
本発明に使用するためのヘパロサンポリマーは典型的に、式(-GlcUA-ベータ1,4-GlcNAc-アルファ1,4-)nのポリマーである。
ヘパロサンポリマーのサイズはこの式におけるリピートnの数によって定義され得る。前記リピートnの数は、例えば2〜約5000であり得る。リピートの数は、例えば50〜2000単位、100〜1000単位又は200〜700単位であり得る。リピートの数は、200〜250単位、500〜550単位又は350〜400単位であり得る。これらの範囲の下限のいずれかは、ヘパロサンポリマーにおける適切な範囲の単位の数を形成するようにこれらの範囲のいずれかの上限と組み合わされてもよい。
ヘパロサンポリマーのサイズはその分子量によって定義され得る。分子量は、質量平均分子量などの、ヘパロサンポリマー分子の集団についての平均分子量であり得る。
ヘパロサンポリマーのサイズに関して本明細書に記載されている分子量値は、実際には、正確に記載されているサイズでなくてもよい。ヘパロサンポリマー産生の間のバッチ間変動に起因して、いくらかの変動が予想される。バッチ間変動を包含するために、したがって、標的ヘパロサンポリマーのサイズについて約+/-5%、4%、3%、2%又は1%の変動が予想され得ることが理解される。例えば40kDaのヘパロサンポリマーのサイズは40kD+/-5%を示し、例えば40kDaは、例えば実際には38.8kDa又は41.5kDaを意味し得る。
ヘパロサンポリマーは、例えば500Da〜1,000kDaの分子量を有してもよい。ポリマーの分子量は、500Da〜650kDa、5kDa〜750kDa、10kDa〜500kDa、15kDa〜550kDa又は25kDa〜250kDaであってもよい。
分子量は、第VII因子ポリペプチドの活性とコンジュゲートの半減期又は平均滞留時間との間の適切な平衡を達成するように、これらの範囲内の特定のレベルで選択されてもよい。例えば、ポリマーの分子量は、15〜25kDa、25〜35kDa、35〜45kDa、45〜55kDa、55〜65kDa又は65〜75kDaから選択される範囲であってもよい。
分子量のより具体的な範囲が選択されてもよい。例えば、分子量は、20kDa〜35kDa、例えば22kDa〜32kDa、例えば25kDa〜30kDa、例えば約27kDaであってもよい。分子量は、35〜65kDa、例えば40kDa〜60kDa、例えば47kDa〜57kDa、例えば50kDa〜55kDa、例えば約52kDaであってもよい。分子量は、50〜75kDa、例えば60〜70kDa、例えば63〜67kDa、例えば約65kDaであってもよい。
特に興味深い実施形態において、本発明の第VII因子コンジュゲートのヘパロサンポリマーは、13〜65kDa、13〜55kDa、25〜55kDa、25〜50kDa、25〜45kDa、30〜45kDa及び38〜42kDaから選択される範囲のサイズを有する。
分子量のこれらの範囲の下限値のいずれかは、本発明に係るヘパロサンポリマーの分子量についての適切な範囲を形成するためにこれらの範囲からのいずれかの上限値と組み合わされてもよい。
ヘパロサンポリマーは、狭いサイズ分布(すなわち単分散)又は広いサイズ分布(すなわち多分散)を有することができる。多分散性(PDI)のレベルは、式Mw/Mn(式中、Mw=質量平均分子量であり、Mn=数平均分子量である)に基づいて数値的に表され得る。理想的な単分散ポリマーについてこの式を使用した多分散性値は1である。好ましくは、本発明に使用するためのヘパロサンポリマー単分散である。したがって、ポリマーは約1である多分散性を有し、多分散性は1.25未満、好ましくは1.20未満、好ましくは1.15未満、好ましくは1.10未満、好ましくは1.09未満、好ましくは1.08未満、好ましくは1.07未満、好ましくは1.06未満、好ましくは1.05未満であってもよい。
ヘパロサンの分子量サイズ分布はアガロースゲル上で実施され得る単分散サイズ標準(HA Lo-Ladder、Hyalose LLC社)との比較によって測定され得る。
或いは、ヘパロサンポリマーのサイズ分布は、高性能サイズ排除クロマトグラフィー-多角度レーザー光散乱(SEC-MALLS)によって決定され得る。このような方法はヘパロサンポリマーの分子量及び多分散性を評価するために使用され得る。
ポリマーサイズは酵素産生法において調節され得る。ヘパロサンアクセプター鎖対UDP糖のモル比を制御することによって、所望される最終ヘパロサンポリマーサイズを選択することができる。
ヘパロサンポリマーは、第VII因子ポリペプチドへのその結合を可能にする反応基を更に含んでもよい。適切な反応基は、例えば、アルデヒド、アルキン、ケトン、マレイミド、チオール、アジド、アミノ、ヒドラジド、ヒドロキシルアミン、炭酸塩、エステル、キレート剤又はそれらのいずれかの組合せであってもよい。例えば、図1Bはマレイミド基を含むヘパロサンポリマーを示す。
ヘパロサンポリマーに加えられ得る反応基の更なる例は以下の通りである:
- 還元末端に加えられるアルデヒド反応基、アミンと反応する
- 還元末端に加えられるマレイミド基、スルフヒドリルと反応する
- 還元末端に加えられるピリジルチオ基、スルフヒドリルと反応する
- 非還元末端に加えられる又は糖鎖内のアジド基、アセチレンと反応する
- 還元末端、非還元末端に加えられる又は糖鎖内のアミノ基、アルデヒドと反応する
- 還元又は非還元末端に加えられるN-ヒドロキシスクシンイミド基、アミンと反応する
還元又は非還元末端に加えられるヒドロキシルアミン基、アルデヒド及びケトンと反応する
- 還元末端に加えられるヒドラジド、アルデヒド又はケトンと反応する。
- 還元末端に加えられるアルデヒド反応基、アミンと反応する
- 還元末端に加えられるマレイミド基、スルフヒドリルと反応する
- 還元末端に加えられるピリジルチオ基、スルフヒドリルと反応する
- 非還元末端に加えられる又は糖鎖内のアジド基、アセチレンと反応する
- 還元末端、非還元末端に加えられる又は糖鎖内のアミノ基、アルデヒドと反応する
- 還元又は非還元末端に加えられるN-ヒドロキシスクシンイミド基、アミンと反応する
還元又は非還元末端に加えられるヒドロキシルアミン基、アルデヒド及びケトンと反応する
- 還元末端に加えられるヒドラジド、アルデヒド又はケトンと反応する。
実施例に記載されているように、定義されるサイズのマレイミド官能化ヘパロサンポリマーは、等モル量で2つの糖ヌクレオチドUDP-GlcNAc及びUDP-GlcUAを使用して酵素(PmHS1)重合反応によって調製され得る。プライミング三糖(GlcUA-GlcNAc-GlcUA)NH2が反応を開始するために使用でき、糖ヌクレオチド構成要素がなくなるまで重合が行われる。次いで末端アミン(プライマーに由来する)が、遊離システインに対するコンジュゲーションのために設計されるマレイミド官能基などの上記の反応基などの適切な反応基で官能化されてもよい。ヘパロサンポリマーのサイズは糖ヌクレオチド:プライマー化学量論のバリエーションによって予め決定され得る。この技術は米国特許出願公開第2010/0036001号に詳細に記載されている。
反応基は、還元若しくは非還元末端に、又は糖鎖を通して存在し得る。ヘパロサンポリマーをポリペプチドにコンジュゲートする場合、1つのみのこのような反応基の存在が好ましい。
FVII-HEPコンジュゲートを調製する方法
本発明によれば、本明細書に記載されている第VII因子ポリペプチドは、本明細書に記載されているヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。本明細書に記載されている任意の第VII因子ポリペプチドは、本明細書に記載されている任意のヘパロサンポリマーと組み合わされてもよい。
本発明によれば、本明細書に記載されている第VII因子ポリペプチドは、本明細書に記載されているヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。本明細書に記載されている任意の第VII因子ポリペプチドは、本明細書に記載されている任意のヘパロサンポリマーと組み合わされてもよい。
ヘパロサンポリマーはポリペプチドにおける単一位置に結合され得るか、又はヘパロサンポリマーはポリペプチドにおける複数の位置に結合され得る。
ポリマーをポリペプチドに結合する位置は、使用される特定のポリペプチド分子に依存し得る。ポリマーをポリペプチドに結合する位置は、もしあれば、ポリマーに存在する反応基の種類に依存し得る。上記に説明されているように、異なる反応基はポリペプチド分子における異なる基と反応する。
ポリマーをポリペプチドに結合する種々の方法が存在し、任意の適切な方法が本発明に従って使用されてもよい。ヘパロサンポリマーは、米国特許出願公開第2010/0036001号、WO03/031464、WO2005/014035又はWO2008/025856(これらの各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる)のいずれかに記載されている結合技術を使用して第VII因子ポリペプチドのグリカンに結合されてもよい。
例えば、WO03/031464は、第VII因子又は第VIIa因子ポリペプチドなどのポリペプチドのグリカン構造をリモデリングする方法及び水溶性ポリマーなどの修飾基をこのようなポリペプチドに付加する方法を記載している。このような方法は、本発明に従ってヘパロサンポリマーを第VII因子ポリペプチドに結合するために使用され得る。
実施例に記載されているように、第VII因子ポリペプチドはシアリルトランスフェラーゼを使用してそのグリカン部分にコンジュゲートされてもよい。このアプローチの実施可能性に関して、HEPポリマーがシアル酸シチジン一リン酸に最初に連結されることを必要とする。5'-グリシルアミドノイラミン酸シチジン一リン酸(GSC)はこのような化学についての適切な出発点であるが、他のシアル酸シチジン一リン酸又はこのような断片が使用されてもよい。実施例はHEPポリマーをGSC分子に共有結合する方法を記載している。共有結合によって、FVIIaのグリカン部分に変換され得るHEP-GSC(HEPがコンジュゲートしたグリシルアミドノイラミン酸シチジン一リン酸)分子が作製される。
WO2005/014035は、シアリダーゼ処理した糖タンパク質又はアシアロ糖タンパク質などの末端ガラクトース含有糖タンパク質と組み合わせてガラクトースオキシダーゼを利用する化学コンジュゲーションを記載している。このような方法は、ポリマーを糖タンパク質に結合するために求核反応基に化学的にコンジュゲートされ得る反応性アルデヒド基を産生するためにシアリダーゼ及びガラクトースオキシダーゼの反応を利用し得る。このような方法はヘパロサンポリマーを第VII因子糖タンパク質に結合するために使用され得る。このような方法に使用するための適切な第VII因子ポリペプチドは末端ガラクトースを含む任意の第VII因子糖タンパク質であってもよい。このような糖タンパク質は末端シアル酸を除去するためにシアリダーゼによる第VII因子ポリペプチドの処理によって産生され得る。
WO2011012850は、糖タンパク質におけるグリコシル基へのポリマー基の結合を記載している。このような方法はヘパロサンポリマーを第VII因子ポリペプチドに結合するために本発明に従って使用され得る。
ヘパロサンは、ポリペプチドにおける操作された追加のシステイン又は露出されたスルフヒドリル基を介してポリペプチドに結合され得る。スルフヒドリル、システイン基は、ヘパロサン-ポリペプチドコンジュゲートを得るためにマレイミド-ヘパロサンポリマーなどの官能化ヘパロサンポリマーに結合され得る。
一態様において、ヘパロサンポリマーは、FVII分子におけるシステインへのコンジュゲーションによりFVIIポリペプチドに結合される。システインは、野生型第VIIポリペプチドのアミノ酸配列に付加されるなどで、第VII因子ポリペプチド内に操作され得る。システインは、407位などの第VII因子ポリペプチドのC末端、又は組織因子結合、FX結合若しくはリン脂質に対する結合を著しく妨げない表面が露出した位置の鎖に位置し得る。
407位にシステイン残基を付加することによって修飾されている第VII因子ポリペプチドにおいて、Cys407はヘパロサンポリマー(例えば、マレイミドにより官能化されている13kDa、27kDa、40kDa、52kDa、60kDa、65kDa、108kDa又は157kDaヘパロサンポリマー)の結合部位として作用し得る。
実施例に記載されているように、FVIIa-407Cなどのブロックされていないシステインを有する第VII因子ポリペプチドは、HEPESなどの適切な緩衝液中で、中性pH付近にてHEP-マレイミドと反応され得る。反応は、例えば3〜4時間、室温にて静置させることができる。このような反応は第VII因子ポリペプチドへのヘパロサンポリマーのコンジュゲーションを達成できる。
第VII因子-ヘパロサンコンジュゲートは、それらが一旦産生されると、精製されてもよい。例えば、FVIIaにおける石灰化glaドメインに向けられたmAbなどの、第VII因子ポリペプチドに向けられた固定化mAbを使用した親和性クロマトグラフィーによる精製を含んでもよい。このような親和性クロマトグラフィー法において、コンジュゲートしていないHEP-マレイミドはカラムの広範な洗浄によって除去され得る。FVIIは抗体からFVIIを放出することによってカラムから放出され得る。例えば、抗体が石灰化glaドメインに特異的である場合、カラムからの放出はEDTAを含む緩衝液で洗浄することによって達成され得る。
コンジュゲートしていない第VII因子から第VII因子-ヘパロサンコンジュゲートを分離するためにサイズ排除クロマトグラフィーが使用され得る。
純粋なコンジュゲートは限外濾過によって濃縮され得る。
産生プロセスから得られる第VII因子-ヘパロサンコンジュゲートの最終濃度は、例えば、FVII軽鎖のHPLC定量化などのHPLC定量化によって決定され得る。
FVII-HEPコンジュゲートの特性
本発明のコンジュゲートは様々な利点を示すことができる。例えば、コンジュゲートは、適切な対照第VII因子分子と比較して以下の利点の1つ又は複数を示すことができる。
- 改善されたインビボ循環半減期、
- 改善されたインビボ平均滞留時間、
- 本明細書に記載されているインビトロタンパク質分解アッセイなどのタンパク質分解アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 凝固アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 本明細書に記載されているインビトロ加水分解アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 組織因子結合アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- トロンビン生成アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 第Xa因子を生成する改善された能力。
本発明のコンジュゲートは様々な利点を示すことができる。例えば、コンジュゲートは、適切な対照第VII因子分子と比較して以下の利点の1つ又は複数を示すことができる。
- 改善されたインビボ循環半減期、
- 改善されたインビボ平均滞留時間、
- 本明細書に記載されているインビトロタンパク質分解アッセイなどのタンパク質分解アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 凝固アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 本明細書に記載されているインビトロ加水分解アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 組織因子結合アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- トロンビン生成アッセイにおいて測定した場合、改善された生物学的活性、
- 第Xa因子を生成する改善された能力。
コンジュゲートは本明細書に記載されている第VII因子の任意の生物学的活性の改善を示すことができ、これは、第VII因子の活性に関連した上記の方法などの、本明細書に記載されている任意のアッセイ又は方法を使用して測定され得る。
本発明のコンジュゲート、すなわち目的のコンジュゲートを適切な対照第VII因子分子と比較した場合、利点が見られ得る。対照分子は、例えば、コンジュゲートしていない第VII因子ポリペプチド又はコンジュゲートした第VII因子ポリペプチドであってもよい。コンジュゲートした対照は、水溶性ポリマーにコンジュゲートしたFVIIaポリペプチド又はタンパク質に化学的に連結したFVIIaポリペプチドであってもよい。
コンジュゲートした第VII因子対照は、目的のコンジュゲートにおけるヘパロサン分子と同様のサイズの化学部分(タンパク質又は水溶性ポリマーである)にコンジュゲートされる第VII因子ポリペプチドであってもよい。水溶性ポリマーは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、分岐PEG、デキストラン、ポリ(1-ヒドロキシメチルエチレンヒドロキシメチルホルマール)、2-メタクリロイルオキシ-2'-エチルトリメチルアンモニウムホスフェート(MPC)であってもよい。
対照第VII因子分子における第VII因子ポリペプチドは、好ましくは、目的のコンジュゲートに存在する同じ第VII因子ポリペプチドである。例えば、対照第VII因子分子は目的のコンジュゲートにおける第VII因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有してもよい。対照第VII因子は目的のコンジュゲートにおける第VII因子ポリペプチドと同じグリコシル化パターンであってもよい。
例えば、コンジュゲートが407位において更なるシステインを有する第VII因子を含み、ヘパロサンポリマーがその更なるシステインに結合される場合、対照第VII因子分子は、好ましくは、407位において更なるシステインを有するが、結合されたヘパロサンを有さない同じ第VII因子分子である。
比較される活性が循環半減期である場合、比較のために使用される対照は上記の適切な第VII因子がコンジュゲートした分子であってもよい。本発明のコンジュゲートは、好ましくは、適切な対照と比較して循環半減期又は平均滞留時間の改善を示す。
比較される活性が、凝固活性又はタンパク質分解などの第VII因子の生物学的活性である場合、対照は、好ましくは、本発明のヘパロサンコンジュゲートと同じサイズの水溶性ポリマーにコンジュゲートした適切な第VII因子ポリペプチドである。
コンジュゲートはヘパロサンの添加によって修飾されていない第VII因子にみられる生物学的活性のレベルを保持できない。好ましくは、本発明のコンジュゲートは、可能な限り多くのコンジュゲートしていない第VII因子の生物学的活性を保持する。例えば、コンジュゲートは、コンジュゲートしていない第VII因子対照の生物学的活性の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%又は少なくとも60%を保持できる。上記に説明したように、対照は、ヘパロサンを欠いているが、コンジュゲートにおける第VII因子ポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する第VII因子分子であってもよい。しかしながら、コンジュゲートは適切な対照と比較して生物学的活性の改善を示すことができる。本明細書において生物学的活性は、凝固活性又はタンパク質分解活性などの本明細書に記載されている第VII因子の任意の生物学的活性であってもよい。
本明細書に記載されている適切な対照と比較して改善した生物学的活性は、生物学的活性の任意の測定可能又は統計的に有意な増加であってもよい。生物学的活性は、凝固活性、タンパク質分解活性などの、本明細書に記載されている第VII因子の任意の生物学的活性であってもよい。増加は、例えば、適切な対照における同じ活性と比較して、関連する生物学的活性の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%又はそれ以上の増加であってもよい。
本発明のコンジュゲートの利点は、ヘパロサンポリマーが酵素的に生分解可能であることである。したがって、本発明のコンジュゲートは、好ましくは、インビボ及び/又はインビトロにおいて酵素的に分解可能である。
本発明のコンジュゲートの利点は、第VII因子に連結したヘパロサンポリマーが減少し得るか、又はaPTTベースのアッセイにおいてアッセイ間変動性(inter-assay variability)を生じないことであり得る。
組成物及び製剤
別の態様において、本発明は本発明のコンジュゲートを含む組成物及び製剤を提供する。例えば、本発明は、薬学的に許容可能な担体と一緒に製剤化した、本発明の1つ又は複数のコンジュゲートを含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本発明は本発明のコンジュゲートを含む組成物及び製剤を提供する。例えば、本発明は、薬学的に許容可能な担体と一緒に製剤化した、本発明の1つ又は複数のコンジュゲートを含む医薬組成物を提供する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」は、生理学的に適合性のある、任意及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含む。
好ましい薬学的に許容可能な担体は水性担体又は賦形剤を含む。本発明の医薬組成物に利用され得る適切な水性担体の例は、水、緩衝用水及び生理食塩水が含まれる。他の担体の例には、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散の場合に必要とされる粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって、維持され得る。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
医薬組成物は、主に、予防的及び/又は治療的処置のための非経口投与が意図されている。好ましくは、医薬組成物は、非経口、すなわち静脈内、皮下若しくは筋肉内に投与されるか、又はそれは、持続注入若しくはパルス注入によって投与されてもよい。非経口投与のための組成物は、薬学的に許容可能な担体、好ましくは水性担体と組み合わせて、好ましくはそれらに溶解した本発明の第VII因子コンジュゲートを含む。例えば、水、緩衝用水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンなどの種々の水性担体が使用されてもよい。本発明の第VII因子コンジュゲートはまた、損傷部位に送達又は標的化するためのリポソーム製剤に製剤化されてもよい。リポソーム製剤は概して、例えば、米国特許第4,837,028号、米国特許第4,501,728号及び米国特許第4,975,282号に記載されている。組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌され得る。得られた水溶液は、使用のために充填されてもよいか、又は無菌状態下で濾過され、凍結乾燥されてもよく、凍結乾燥した製剤は投与前に滅菌水溶液と混合される。組成物は、生理的状態に近づけることを必要とする薬学的に許容可能な補助物質、例えばpH調整及び緩衝剤、等張性調整剤など、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなどを含有してもよい。
これらの製剤における第VII因子コンジュゲートの濃度は、広範に、すなわち約0.5質量%未満、通常、約1質量%又は少なくとも約1質量%から15又は20質量%と同程度の量まで変化させてもよく、選択される特定の投与様式に応じて、液量、粘度などによって主に選択される。それ故、静脈内注射のための典型的な医薬組成物は、250mlの滅菌リンガー液及び10mgの第VII因子コンジュゲートを含有するように構成され得る。非経口投与可能な組成物を調製するための実際の方法は当業者に知られているか又は明白であり、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Company、Easton、PA (1990)により詳細に記載されている。
治療組成物は典型的に、製造及び貯蔵の条件下で無菌及び安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルション、リポソーム又は高い薬物濃度に適した他の秩序構造として製剤化されてもよい。
滅菌注射溶液は、上記に列挙した成分の1つ又は組合せを有する適切な溶媒中に必要な量で活性剤(例えばコンジュゲート)を組み込むことによって調製されてもよく、必要な場合、その後、滅菌精密濾過が行われる。一般に、分散は、基礎分散媒体及び上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクル中に活性剤を組み込むことによって調製される。組成物は無菌であるべきであり、容易なシリンジ性(syringability)がみられる程度に流動的であるべきである。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定であるべきであり、細菌及び菌類などの微生物の汚染作用に対して保存され得る。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性剤及び以前にその滅菌濾過した溶液から任意の更なる所望の成分の粉末を生じる真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)である。
コンジュゲートは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリ[エチレングリコール]など)、それらの適切な混合物、植物油及びそれらの組合せを含有する溶媒又は分散媒体と併せて使用されてもよい。
コンジュゲートの適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合に必要とされる粒径の維持によって、及び/又は界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成され得る。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム又はマンニトール及びソルビトールなどの多価アルコールを含むことが好ましい。注射組成物の持続性吸収は、吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウム又はゼラチンを組成物中に含むことによってもたらされ得る。
滅菌注射溶液は、上記に列挙した成分の1つ又は組合せを有する適切な溶媒中に必要な量でコンジュゲートを組み込むことによって調製されてもよく、必要な場合、その後、濾過滅菌が行われる。一般に、分散は、基礎分散媒体及び上記に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌担体中にヘパロサンコンジュゲートを組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製方法は、活性成分(すなわちヘパロサンコンジュゲート)及び以前にその滅菌濾過した溶液から任意の更なる所望の成分の粉末を生じる、真空乾燥、噴霧乾燥、噴霧凍結及びフリーズドライを含んでもよい。
組成物は、投与の容易さ及び投薬の均一性のために投薬単位形態で製剤化され得る。本明細書で使用される場合、投薬単位形態とは、治療される対象のための単位投薬として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は所望の治療効果を生じるように計算された所定の量のコンジュゲートを含有する。現在請求され、開示されている本発明の投薬単位形態についての仕様書が、(a)ヘパロサンコンジュゲートの固有の特性及び達成される特定の治療効果、並びに(b)対象における選択された状態を治療するためにこのような治療化合物を配合する分野における固有の制限によって及びそれらに応じて直接決定される。
本発明の医薬組成物は更なる活性成分及び本発明のコンジュゲートを含んでもよい。例えば、医薬組成物は更なる治療又は予防剤を含んでもよい。例えば、本発明の医薬組成物が出血性障害の治療における使用を意図されている場合、それは、出血性障害の症状を減少させることを意図する1つ又は複数の作用物質を更に含んでもよい。例えば、組成物は1つ又は複数の更なる凝固因子を含んでもよい。組成物は患者の病態を改善することを意図する1つ又は複数の他の成分を含んでもよい。例えば、組成物が、手術を受けている患者又は外傷を患っている患者などの望ましくない出血を患っている患者の治療における使用を意図されている場合、組成物は、1つ又は複数の鎮痛剤、麻酔剤、免疫抑制剤又は抗炎症剤を含んでもよい。
組成物は、特定の方法に使用するため又は特定の経路によって投与するために製剤化され得る。本発明のコンジュゲート又は組成物は、非経口、腹腔内、髄腔内、静脈内、筋肉内、膣内、皮下、鼻腔内、直腸又は大脳内に投与されてもよい。
ポリマーがおおよそ13〜65kDa(例えば13〜55kDa、22〜55kDa、25〜50kDa、25〜45kDa、30〜45kDa又は38〜42kDa)の範囲のポリマーサイズを有する場合、本発明の第VII因子ポリペプチド及びヘパロサンポリマーコンジュゲートの有益な特性により、液体溶液中で適切な粘度を有しながらも、インビボで有用な半減期又は平均滞留時間が可能となり得る。
コンジュゲートの使用
本発明のコンジュゲートは、第VII因子を個体に送達するために、それを必要とする個体に投与され得る。個体は第VII因子を必要とする任意の個体であってもよい。
本発明のコンジュゲートは、第VII因子を個体に送達するために、それを必要とする個体に投与され得る。個体は第VII因子を必要とする任意の個体であってもよい。
本発明に係る第VII因子コンジュゲートは、例えば、凝固因子欠損によって引き起こされ得る出血性障害(例えば、血友病A及びB若しくは凝固因子XI若しくはVIIの欠損)若しくは凝固因子阻害物質を制御するために使用され得るか、又はそれらは血液凝固カスケードを正常に機能している(凝固因子欠損又は凝固因子のいずれかに対する阻害物質のない)対象において発生する過剰な出血を制御するために使用され得る。出血は、不完全な血小板機能、血小板減少症又はフォンヴィレブランド病によって引き起こされ得る。それらはまた、増加した線維素溶解活性が種々の刺激によって誘導されている対象にも見られ得る。
計画的な介入に関連した治療のために、本発明の第VII因子コンジュゲートは典型的に、介入を実施する前の約24時間以内及び7日もの後又はそれ以上の後に投与される。凝固剤としての投与は、本明細書に記載されている種々の経路によってなされ得る。
第VII因子コンジュゲートの用量は、対象の体重及び病態の重症度に応じて、負荷及び維持用量として70kgの対象について、約0.05mg〜500mgの第VII因子ポリペプチド/日、好ましくは約1mg〜200mg/日、より好ましくは約10mg〜約175mg/日で送達する。適切な用量はまた、インビボ半減期又は平均滞留時間及びその生物学的活性を含む、そのコンジュゲートの特性に基づいて本発明の特定のコンジュゲートについて調整されてもよい。例えば、より長い半減期を有するコンジュゲートは減少させた投薬量で投与されてもよく、及び/又は野生型第VII因子と比較して減少した活性を有する組成物は増加させた投薬量で投与されてもよい。
本発明の第VII因子コンジュゲートを含有する組成物は、予防的及び/又は治療的処置のために投与されてもよい。治療的用途において、組成物は、疾患及びその合併症を治癒、軽減又は部分的に停止するのに十分な量で、上記の任意の出血性障害などの疾患を既に患っている対象に投与される。これを達成するのに適した量は、「治療有効量」として定義される。当業者によって理解されているように、この目的に有効な量は、疾患又は損傷の重症度並びに対象の体重及び全身状態に依存する。しかしながら、一般に、効果的な送達量は、70kgの対象について1日当たり約0.05mgから約500mgまでの第VII因子ポリペプチドの範囲であり、1日当たり送達される約1.0mg〜約200mgの第VII因子の投薬量が通常、使用される。
本発明のコンジュゲートは一般に、重大な疾患又は損傷状態、すなわち生命を脅かす又は生命を脅かす可能性のある状況において利用され得る。このような場合、異物の最小化及びヒトにおけるヒト第VII因子ポリペプチドバリアントの免疫原性の全体的な不足を考慮して、かなり過剰なこれらの第VII因子コンジュゲート組成物を投与することが、治療する医師にとって望ましいと感じられ得る。予防的用途において、本発明の第VII因子コンジュゲートを含有する組成物は、対象の独自の凝固能力を向上させるために、疾患状態又は損傷になりやすい又はそうでなければそれらのリスクのある対象に投与される。このような量は、「予防有効量」であると定義される。予防的用途において、再度送達される第VII因子ポリペプチドの正確な量は健康及び体重の対象の状態に依存するが、用量は、一般的に70kgの対象について約0.05mg〜約500mg/日、通常70kgの対象について約1.0mg〜約200mg/日の範囲である。
組成物の単回又は複数回投与は用量レベルで実施可能であり、パターンは治療する医師によって選択される。毎日の維持レベルを必要とする外来患者に関して、第VII因子ポリペプチドコンジュゲートは、例えば携帯ポンプシステムを使用した持続注入によって投与され得る。
例えば、局所適用などの本発明の第VII因子コンジュゲートの局所送達は、例えば、噴霧、灌流、二重バルーンカテーテル、ステント、血管移植片又はステント内への組込み、バルーンカテーテルを被覆するために使用されるヒドロゲル又は他の十分に確立された方法によって実施され得る。任意の事象において、医薬組成物は、対象を効果的に治療するのに十分な量の第VII因子コンジュゲートを提供するべきである。
本発明は以下の実施例によって更に例示されるが、それらは保護範囲を限定すると解釈されるものではない。前述の説明及び以下の実施例に開示されている特徴は、別々に及びそれらの任意の組合せの両方で、それらの多様な形態で本発明を実現するための事柄であり得る。
実施例1〜10に使用される略語:
CMP:シチジン一リン酸
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Gla:ガンマ-カルボキシグルタミン酸
GlcUA:グルクロン酸
GlcNAc:N-アセチルグルコサミン
Grx2:グルタレドキシンII
GSC:5'-グリシルアミドノイラミン酸シチジン一リン酸
GSC-SH:5'-[(4-メルカプトブタノイル)グリシルアミド]ノイラミン酸シチジン一リン酸
GSH:グルタチオン
GSSG:グルタチオンジスルフィド
HEP:ヘパロサンポリマー
HEP-GSC:GSC官能化ヘパロサンポリマー
HEP-[C]-FVIIa 407C:システインを介してFVIIa 407Cにコンジュゲートしたヘパロサン。
HEP-[N]-FVIIa:N-グリカンを介してFVIIaにコンジュゲートしたヘパロサン。
HEPES:2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸
His:ヒスチジン
PmHS1:パスツレラムトシダヘパロサンシンターゼI
sTF:可溶性組織因子
TCEP:トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン
UDP:ウリジン二リン酸
CMP:シチジン一リン酸
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Gla:ガンマ-カルボキシグルタミン酸
GlcUA:グルクロン酸
GlcNAc:N-アセチルグルコサミン
Grx2:グルタレドキシンII
GSC:5'-グリシルアミドノイラミン酸シチジン一リン酸
GSC-SH:5'-[(4-メルカプトブタノイル)グリシルアミド]ノイラミン酸シチジン一リン酸
GSH:グルタチオン
GSSG:グルタチオンジスルフィド
HEP:ヘパロサンポリマー
HEP-GSC:GSC官能化ヘパロサンポリマー
HEP-[C]-FVIIa 407C:システインを介してFVIIa 407Cにコンジュゲートしたヘパロサン。
HEP-[N]-FVIIa:N-グリカンを介してFVIIaにコンジュゲートしたヘパロサン。
HEPES:2-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]エタンスルホン酸
His:ヒスチジン
PmHS1:パスツレラムトシダヘパロサンシンターゼI
sTF:可溶性組織因子
TCEP:トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン
UDP:ウリジン二リン酸
定量方法:
本発明のコンジュゲートをHPLCによって純度について分析した。また、HPLCを使用して、FVIIa参照分子に基づいて単離したコンジュゲートの量を定量した。試料は非還元又は還元形態のどちらかで分析した。Zorbax 300SB-C3カラム(4.6×50mm;3.5um Agilent、カタログ番号:865973-909)を使用した。カラムは30℃で動作した。5ug試料を注入し、カラムを、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水(A)-アセトニトリル(B)溶媒系で溶出した。勾配プログラムは以下の通りであった:0分(25% B);4分(25% B);14分(46% B);35分(52% B);40分(90% B);40.1分(25% B)。還元試料は、10ulのTCEP/ギ酸溶液(70mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン及び10%のギ酸水溶液)を25ul/30ugのFVIIa(又はコンジュゲート)に加えることによって調製した。HPLC(5ulの注入)での分析の前に、反応を70℃にて10分間静置した。
本発明のコンジュゲートをHPLCによって純度について分析した。また、HPLCを使用して、FVIIa参照分子に基づいて単離したコンジュゲートの量を定量した。試料は非還元又は還元形態のどちらかで分析した。Zorbax 300SB-C3カラム(4.6×50mm;3.5um Agilent、カタログ番号:865973-909)を使用した。カラムは30℃で動作した。5ug試料を注入し、カラムを、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水(A)-アセトニトリル(B)溶媒系で溶出した。勾配プログラムは以下の通りであった:0分(25% B);4分(25% B);14分(46% B);35分(52% B);40分(90% B);40.1分(25% B)。還元試料は、10ulのTCEP/ギ酸溶液(70mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン及び10%のギ酸水溶液)を25ul/30ugのFVIIa(又はコンジュゲート)に加えることによって調製した。HPLC(5ulの注入)での分析の前に、反応を70℃にて10分間静置した。
SDS-PAGE分析:
SDS PAGE分析を、プレキャストNupage7%トリス-酢酸塩ゲル、NuPageトリス-酢酸塩SDSランニング緩衝液及びNuPage LDS試料緩衝液(全てInvitrogen社製)を使用して実施した。分析前に試料を変性させた(10分間70℃)。HiMark HMW(Invitrogen社)を標準として使用した。電気泳動を、発電ステーション(Invitrogen社)を用いて、80分間、150V、120mAにてXCell Surelock Completeにおいて実施した。Invitrogen社製のSimplyBlue SafeStainを使用してゲルを染色した。
SDS PAGE分析を、プレキャストNupage7%トリス-酢酸塩ゲル、NuPageトリス-酢酸塩SDSランニング緩衝液及びNuPage LDS試料緩衝液(全てInvitrogen社製)を使用して実施した。分析前に試料を変性させた(10分間70℃)。HiMark HMW(Invitrogen社)を標準として使用した。電気泳動を、発電ステーション(Invitrogen社)を用いて、80分間、150V、120mAにてXCell Surelock Completeにおいて実施した。Invitrogen社製のSimplyBlue SafeStainを使用してゲルを染色した。
HEP-マレイミドポリマーの調製
定義したサイズのマレイミド官能化ヘパロサンポリマーを、2つの糖ヌクレオチドUDP-GlcNAc及びUDP-GlcUAを使用した酵素(PmHS1)重合反応によって調製する。プライミング三糖(GlcUA-GlcNAc-GlcUA)NH2を、反応を開始するために使用し、糖ヌクレオチド構成要素がなくなるまで重合を行う。次いで末端アミン(プライマーに由来する)を適切な反応基で官能化し、この場合、マレイミド官能基を遊離システインに対するコンジュゲーションのために設計した。ヘパロサンポリマーのサイズは糖ヌクレオチド:プライマー化学量論のバリエーションによって予め決定され得る。この技術は米国特許出願公開第2010/0036001号に詳細に記載されている。
定義したサイズのマレイミド官能化ヘパロサンポリマーを、2つの糖ヌクレオチドUDP-GlcNAc及びUDP-GlcUAを使用した酵素(PmHS1)重合反応によって調製する。プライミング三糖(GlcUA-GlcNAc-GlcUA)NH2を、反応を開始するために使用し、糖ヌクレオチド構成要素がなくなるまで重合を行う。次いで末端アミン(プライマーに由来する)を適切な反応基で官能化し、この場合、マレイミド官能基を遊離システインに対するコンジュゲーションのために設計した。ヘパロサンポリマーのサイズは糖ヌクレオチド:プライマー化学量論のバリエーションによって予め決定され得る。この技術は米国特許出願公開第2010/0036001号に詳細に記載されている。
(実施例1)
FVIIa 407Cの選択的還元:
FVIIa 407Cを、グルタチオンベースの酸化還元緩衝系を使用して米国特許出願公開第20090041744号に記載されているように還元した。非還元FVIIa407C(15.5mg)を、0.5mM GSH、15uM GSSG、25mM p-アミノベンズアミジン及び3μM Grx2を含有する、総量41mlの50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0中で、室温にて17時間インキュベートした。次いで反応混合物を氷上で冷却し、pHを7.0に維持しながら、8.3mlの100mM EDTA溶液を加えた。次いで全含有物を、緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、1mM EDTA、pH7.0)中で平衡した5ml HiTrap QFFカラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)上に充填してFVIIa407Cを捕捉した。緩衝液Aで洗浄して未結合のグルタチオン緩衝液及びGrx2を除去した後、FVIIa407Cを緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0)により一段階で溶出した。溶出液中のFVIIa407Cの濃度をHPLCにより決定した。12.6mgの単一のシステイン還元FVIIa407Cを、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0中で単離した。
FVIIa 407Cの選択的還元:
FVIIa 407Cを、グルタチオンベースの酸化還元緩衝系を使用して米国特許出願公開第20090041744号に記載されているように還元した。非還元FVIIa407C(15.5mg)を、0.5mM GSH、15uM GSSG、25mM p-アミノベンズアミジン及び3μM Grx2を含有する、総量41mlの50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0中で、室温にて17時間インキュベートした。次いで反応混合物を氷上で冷却し、pHを7.0に維持しながら、8.3mlの100mM EDTA溶液を加えた。次いで全含有物を、緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、1mM EDTA、pH7.0)中で平衡した5ml HiTrap QFFカラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)上に充填してFVIIa407Cを捕捉した。緩衝液Aで洗浄して未結合のグルタチオン緩衝液及びGrx2を除去した後、FVIIa407Cを緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0)により一段階で溶出した。溶出液中のFVIIa407Cの濃度をHPLCにより決定した。12.6mgの単一のシステイン還元FVIIa407Cを、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0中で単離した。
(実施例2)
40k HEP-[C]-FVIIa407Cの合成:
単一のシステイン還元FVIIa407C(25mg)を、5℃にて22時間、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0緩衝液(8.5ml)中で40K HEP-マレイミド(26.8mg)と反応した。次いで反応混合物を、Gla-ドメイン特異的抗体で修飾したFVIIa特異的親和性カラム(CV=64ml)に充填し、最初に2カラム体積の緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.4)、次いで2カラム体積の緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA、pH7.4)で段階的に溶出した。この方法は、Thim, Lら Biochemistry (1988) 27、7785-779に記載されている原理に本質的に従う。折り畳まれていないGla-ドメインを有する産生物を回収し、10mM His、100mM NaCl、pH7.5で平衡した3×5ml HiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社、CV=15ml)に直接適用した。カラムを、4カラム体積の10mM His、100mM NaCl、pH7.5及び15カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.5で洗浄して未修飾のFVIIa407Cを溶出した。次いでpHを、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0(12カラム体積)を用いて6.0に下げた。40k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、15カラム体積の60% A(10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)及び40% B(10mM His、1M NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)緩衝混合物で溶出した。コンジュゲートを含有する画分を合わせ、10kDのカットオフでSlide-A-Lyzerカセット(Thermo Scientific社)を使用して10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0に対して透析した。最終体積は、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0を加えることによって0.4mg/ml(8uM)に調整した。収率(16.1mg、64%)を、逆相HPLCを使用してTCEP還元後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。
40k HEP-[C]-FVIIa407Cの合成:
単一のシステイン還元FVIIa407C(25mg)を、5℃にて22時間、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0緩衝液(8.5ml)中で40K HEP-マレイミド(26.8mg)と反応した。次いで反応混合物を、Gla-ドメイン特異的抗体で修飾したFVIIa特異的親和性カラム(CV=64ml)に充填し、最初に2カラム体積の緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.4)、次いで2カラム体積の緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA、pH7.4)で段階的に溶出した。この方法は、Thim, Lら Biochemistry (1988) 27、7785-779に記載されている原理に本質的に従う。折り畳まれていないGla-ドメインを有する産生物を回収し、10mM His、100mM NaCl、pH7.5で平衡した3×5ml HiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社、CV=15ml)に直接適用した。カラムを、4カラム体積の10mM His、100mM NaCl、pH7.5及び15カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.5で洗浄して未修飾のFVIIa407Cを溶出した。次いでpHを、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0(12カラム体積)を用いて6.0に下げた。40k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、15カラム体積の60% A(10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)及び40% B(10mM His、1M NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)緩衝混合物で溶出した。コンジュゲートを含有する画分を合わせ、10kDのカットオフでSlide-A-Lyzerカセット(Thermo Scientific社)を使用して10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0に対して透析した。最終体積は、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0を加えることによって0.4mg/ml(8uM)に調整した。収率(16.1mg、64%)を、逆相HPLCを使用してTCEP還元後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。
(実施例3)
65k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
FVIIa407C(8mg)を、室温にて3時間、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0緩衝液(8ml)中の65k HEP-マレイミド(42mg 1:4比)と反応させた。次いで反応混合物を、Gla-ドメイン特異的抗体で修飾したFVIIa特異的親和性カラム(CV=24ml)に適用し、最後に緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.4)、次いで緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA、pH7.4)で段階的に溶出した。この方法は、Thim, Lら Biochemistry (1988) 27、7785-779に記載されている原理に本質的に従う。折り畳まれていないGla-ドメインを有する産生物を回収し、10mM His、100mM NaCl、pH7.5で平衡したHiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)に直接適用した。未修飾のFVIIa407cを、5カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.5で溶出した。次いでpHを、2カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0を用いて6.0に下げた。緩衝液A(10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)及び緩衝液B(10mM His、1M NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)を使用した線形勾配を使用して65k-HEP-[C]-FVIIa407Cを溶出した。勾配は、0.5ml/分の流速にて、10カラム体積にわたって0〜100%の緩衝液Bであった。65k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、約10mMヒスチジン、約300mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で溶出した。収率及び濃度を、逆相HPLCを使用したトリス(2-カルボキシエチル)-ホスフィン還元の後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。総量3.10mg(38%)の65k-HEP-[C]-FVIIa407Cコンジュゲートを、10mM His、約300mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で0.57mg/mlの濃度で得た。純粋なコンジュゲートを最初に限外濾過によって0.4mg/ml(8uM)に希釈し、透析によって10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で緩衝液を交換した。
65k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
FVIIa407C(8mg)を、室温にて3時間、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0緩衝液(8ml)中の65k HEP-マレイミド(42mg 1:4比)と反応させた。次いで反応混合物を、Gla-ドメイン特異的抗体で修飾したFVIIa特異的親和性カラム(CV=24ml)に適用し、最後に緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.4)、次いで緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA、pH7.4)で段階的に溶出した。この方法は、Thim, Lら Biochemistry (1988) 27、7785-779に記載されている原理に本質的に従う。折り畳まれていないGla-ドメインを有する産生物を回収し、10mM His、100mM NaCl、pH7.5で平衡したHiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)に直接適用した。未修飾のFVIIa407cを、5カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.5で溶出した。次いでpHを、2カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0を用いて6.0に下げた。緩衝液A(10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)及び緩衝液B(10mM His、1M NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)を使用した線形勾配を使用して65k-HEP-[C]-FVIIa407Cを溶出した。勾配は、0.5ml/分の流速にて、10カラム体積にわたって0〜100%の緩衝液Bであった。65k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、約10mMヒスチジン、約300mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で溶出した。収率及び濃度を、逆相HPLCを使用したトリス(2-カルボキシエチル)-ホスフィン還元の後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。総量3.10mg(38%)の65k-HEP-[C]-FVIIa407Cコンジュゲートを、10mM His、約300mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で0.57mg/mlの濃度で得た。純粋なコンジュゲートを最初に限外濾過によって0.4mg/ml(8uM)に希釈し、透析によって10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で緩衝液を交換した。
(実施例4)
13k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(17mg)及び13k-HEP-マレイミド(8.5mg)を使用して実施例2に記載されているように調製した。7.1mg(41%)の13k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
13k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(17mg)及び13k-HEP-マレイミド(8.5mg)を使用して実施例2に記載されているように調製した。7.1mg(41%)の13k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中で0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
(実施例5)
27k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(15.7mg)及び27k-HEP-マレイミド(11.2mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。6.9mg(44%)の27k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
27k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(15.7mg)及び27k-HEP-マレイミド(11.2mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。6.9mg(44%)の27k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
(実施例6)
52k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(8.3mg)及び52k-HEP-マレイミド(27mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。6.15mg(71%)の52k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
52k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(8.3mg)及び52k-HEP-マレイミド(27mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。6.15mg(71%)の52k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
(実施例7)
60k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(14.3mg)及び60k-HEP-マレイミド(68mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。8.60mg(60%)の60k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
60k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(14.3mg)及び60k-HEP-マレイミド(68mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。8.60mg(60%)の60k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
(実施例8)
108k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(20.0mg)及び108k-HEP-マレイミド(174mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。3.75mg(19%)の108k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
108k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(20.0mg)及び108k-HEP-マレイミド(174mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。3.75mg(19%)の108k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.4mg/ml(8uM)溶液として得た。
(実施例9)
157k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(14.5mg)及び157k-HEP-マレイミド(180mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。4.93mg(34%)の157k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.3mg/ml(6uM)溶液として得た。
157k-HEP-[C]-FVIIa407Cの合成
このコンジュゲートは、FVIIa407C(14.5mg)及び157k-HEP-マレイミド(180mg)を使用して、実施例2に記載されているように調製した。4.93mg(34%)の157k-HEP-[C]-FVIIa407Cを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80、pH6.0中の0.3mg/ml(6uM)溶液として得た。
(実施例10)
糖コンジュゲートした52k-HEP-[N]-FVIIaの合成
工程1:5'-[(4-メルカプトブタノイル)グリシルアミド]ノイラミン酸シチジン一リン酸の調製。N-グリシルノイラミン酸シチジン一リン酸(200mg;0.318mmol)を水(2ml)中に溶解し、チオブチロラクトン(325mg;3.18mmol)を加えた。2相溶液を室温にて21時間穏やかに混合した。次いで反応混合物を水(10ml)で希釈し、逆相HPLCカラム(C18、50mm×200mm)に適用した。以下のような水(A)、アセトニトリル(B)及び250mM炭酸水素アンモニウム(C)の勾配系:0分(A:90%、B:0%、C:10%);12分(A:90%、B:0%、C:10%);48分(A:70%、B:20%、C:10%)を用いて50ml/分の流速にてカラムを溶出した。画分(20mlサイズ)を回収し、LC-MSによって分析した。純粋な画分をプールし、乾燥粉末中で凍結乾燥する前に、ナトリウム型のDowex 50W×2(100〜200メッシュ)樹脂の短いパッドにゆっくり通した。次いで凍結乾燥粉末中の標題物質の含有量を、260nmにおける吸光度及び参照物質としてN-グリシルノイラミン酸シチジン一リン酸を使用してHPLCによって決定した。HPLC分析のために、Waters X-Bridgeフェニルカラム(5um 4.6mm×250mm)及び水アセトニトリル系(0.1%リン酸を含有する、30分にわたる0〜85%アセトニトリルの線形勾配)を使用した。収率:61.6mg(26%)。LCMS:732.18(MH+);427.14(MH+-CMP)。-80℃で保存した場合、化合物は長期間(>12カ月)安定であった。
糖コンジュゲートした52k-HEP-[N]-FVIIaの合成
工程1:5'-[(4-メルカプトブタノイル)グリシルアミド]ノイラミン酸シチジン一リン酸の調製。N-グリシルノイラミン酸シチジン一リン酸(200mg;0.318mmol)を水(2ml)中に溶解し、チオブチロラクトン(325mg;3.18mmol)を加えた。2相溶液を室温にて21時間穏やかに混合した。次いで反応混合物を水(10ml)で希釈し、逆相HPLCカラム(C18、50mm×200mm)に適用した。以下のような水(A)、アセトニトリル(B)及び250mM炭酸水素アンモニウム(C)の勾配系:0分(A:90%、B:0%、C:10%);12分(A:90%、B:0%、C:10%);48分(A:70%、B:20%、C:10%)を用いて50ml/分の流速にてカラムを溶出した。画分(20mlサイズ)を回収し、LC-MSによって分析した。純粋な画分をプールし、乾燥粉末中で凍結乾燥する前に、ナトリウム型のDowex 50W×2(100〜200メッシュ)樹脂の短いパッドにゆっくり通した。次いで凍結乾燥粉末中の標題物質の含有量を、260nmにおける吸光度及び参照物質としてN-グリシルノイラミン酸シチジン一リン酸を使用してHPLCによって決定した。HPLC分析のために、Waters X-Bridgeフェニルカラム(5um 4.6mm×250mm)及び水アセトニトリル系(0.1%リン酸を含有する、30分にわたる0〜85%アセトニトリルの線形勾配)を使用した。収率:61.6mg(26%)。LCMS:732.18(MH+);427.14(MH+-CMP)。-80℃で保存した場合、化合物は長期間(>12カ月)安定であった。
工程2:52k-HEP-GSC試薬の調製。ヘパロサンGSC試薬は、以下のように1:1モル比でGSC-SH(5'-[(4-メルカプトブタノイル)グリシルアミド]ノイラミン酸シチジン一リン酸)を52k-HEP-マレイミドとカップリングすることによって調製した:50mM Hepes、100mM NaCl中に溶解したGSC-SH(0.50mg)、pH7.0(50ul)を、50mM Hepes、100mM NaCl、pH7.0(1350ul)中に溶解した15.80mgの52k-HEP-マレイミドに加えた。透明な溶液を25℃にて2時間静置した。過剰なGSC-SHを、10kDのカットオフでSlide-A-Lyzerカセット(Thermo Scientific社)を使用して透析によって除去した。透析緩衝液は、50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.0であった。反応混合物を2.5時間で2回透析した。回収した物質を、GSC-SHとHEP-マレイミドとの間の定量的反応を想定して以下の工程4においてそのまま使用した。
工程3:FVIIaの脱シアル化:FVIIa(28mg)を、50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0(18ml)中のシアリダーゼ(アルスロバクターウレアファシエンス(Arthrobacter ureafaciens)、200ul、0,3mg/ml、200U/ml)に加え、室温にて1時間静置した。次いで反応混合物を50mM Hepes、150mM NaCl、pH7,0(30ml)で希釈し、氷上で冷却した。100mM EDTA溶液(6ml)を少しずつ加えた。各々の添加後、pHを測定した。pHは5.5〜9.0の範囲内に維持した。次いでEDTA処理した試料を、50mM Hepes、150mM NaCl、pH7.0で平衡した2×5ml HiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)に適用した。50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7,0(10CV)でアシアロFVIIaを溶出する前に、シアリダーゼを、50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0(4CV)で溶出した。アシアロFVIIaを、50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0中で単離した。収率(24mg)及び濃度(3,0mg/ml)を、逆相HPLCを使用したトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン還元後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。
工程4:52k-HEP-GSC試薬を使用した酵素によるヘパロサンコンジュゲーション:50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0(2.5ml)中のアシアロFVIIa(7.2mg)に、20mM Hepes、120mM NaCl、50%グリセロール、pH7,0(2ml)中の52kDa-HEP-GSC(工程2から15.8mg)及びラットST3GalIII酵素(1mg;1.1単位/mg)を加えた。反応混合物をゆっくり撹拌しながら、32℃にて18時間インキュベートした。次いで50mM Hepes、150mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.0(0.2ml)中の157mM CMP-NANの溶液を加え、反応物を更に1時間32℃にてインキュベートした。HPLC分析により、未反応のFVIIa(70%)及び1つのヘパロサンポリマーとコンジュゲートしたFVIIa(27%)を含有する産生物分布が示された。
工程5:52k-HEP-[N]-FVIIaの単離:次いで反応混合物を、Gla-ドメイン特異的抗体で修飾したFVIIa特異的親和性カラム(CV=25ml)に適用し、最初に2カラム体積の緩衝液A(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH7.4)、次いで2カラム体積の緩衝液B(50mM Hepes、100mM NaCl、10mM EDTA、pH7.4)で段階的に溶出した。この方法は、Thim, Lら Biochemistry (1988) 27、7785-779に記載されている原理に本質的に従う。折り畳まれていないGla-ドメインを有する産生物を回収し、10mM His、100mM NaCl、pH7.5を含有する緩衝液で平衡した5ml HiTrap QFFイオン交換カラム(Amersham Biosciences、GE Healthcare社)に直接適用した。カラムを、4カラム体積の10mM His、100mM NaCl、pH=7.5及び5カラム体積の10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=7.5で洗浄して、未修飾のFVIIaを溶出した。次いでpHを、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0(4カラム体積)を用いて6.0に下げた。モノHEP化(MonoHEPylated)FVIIaを、5カラム体積の60% A(10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)及び40% B(10mM His、1M NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0)緩衝液混合物で溶出した。画分を合わせ、10kDのカットオフでSlide-A-Lyzerカセット(Thermo Scientific社)を使用して10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0に対して透析した。最終体積を、10mM His、100mM NaCl、10mM CaCl2、pH=6.0を添加することによって0.4mg/ml(8uM)に調整した。収率(1.4mg)を、逆相HPLCを使用したトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン還元後、FVIIa標準に対してFVIIa軽鎖含有量を定量することによって決定した。
血漿分析:
ラット血漿中の65K HEP-FVIIa 407CコンジュゲートのFVIIa凝固活性レベルを、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して推定した。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744 (1993)に公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でのFVII欠損血漿におけるフィブリン血栓形成に対する、sTFにより開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試料を、希釈試料と同じマトリクス(同種対同種)を用いてFVIIa較正曲線に対してACL9000凝固機器で測定した。定量の下限値(LLOQ)を0.25U/mlに推定した。
ラット血漿中の65K HEP-FVIIa 407CコンジュゲートのFVIIa凝固活性レベルを、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用して推定した。このアッセイは、J.H.Morrisseyら、Blood. 81:734-744 (1993)に公開されている方法に基づく。それは、リン脂質の存在下でのFVII欠損血漿におけるフィブリン血栓形成に対する、sTFにより開始したFVIIa活性依存性時間を測定する。試料を、希釈試料と同じマトリクス(同種対同種)を用いてFVIIa較正曲線に対してACL9000凝固機器で測定した。定量の下限値(LLOQ)を0.25U/mlに推定した。
システインがコンジュゲートした13kDa-、27kDa-、40kDa-、52kDa-、60kDa-、65kDa-、108kDa-、157kDa-HEP-[C]-FVIIa407C、糖コンジュゲートした52kDa-HEP-[N]-FVIIaと参照分子(40kDa-PEG-[N]-FVIIa及び40kDa-PEG-[C]-FVIIa 407C)との間の比較分析を図3に示す。血漿分析から、ヘパロサンがコンジュゲートしたFVIIa類似体が、PEG-FVIIa参照分子と同じ又はそれより良い活性を有することが見出された。
基質として血漿由来第X因子を使用したタンパク質分解活性
HEP-FVIIaコンジュゲートのタンパク質分解活性を、基質として血漿由来第X因子(FX)を使用して推定した。全てのタンパク質を、50mM Hepes(pH7.4)、100mM NaCl、10mM CaCl2、1mg/ml BSA及び0.1%(w/v)PEG8000中で希釈した。FX活性化についての動的パラメータを、25μM PC:PSリン脂質(Haematologic technologies社)の存在下で、96ウェルプレート(n=2)中で100μLの全反応体積で、室温にて30分間、40nM FXとの10nMの各々のFVIIaコンジュゲートをインキュベートすることによって決定した。可溶性組織因子(sTF)の存在下でFX活性化を、25μM PC:PSリン脂質の存在下で、100μLの全反応体積(n=2)で、室温にて20分間、5pMの各々のFVIIaコンジュゲートを30nM FXとインキュベートすることによって決定した。インキュベーション後、50μLの停止緩衝液[50mM Hepes(pH7.4)、100mM NaCl、80mM EDTA]を加え、続いて50μLの2mM発色ペプチドS-2765(Chromogenix社)を加えることによって反応をクエンチした。最後に、吸光度の増加を、Spectramax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定した。触媒効率(kcat/Km)を、線形回帰を使用してミカエリスメンテン式の改正形式([S]<Km)にデータを適合することによって決定した。生成したFXaの量をFXa標準曲線から推定した。
HEP-FVIIaコンジュゲートのタンパク質分解活性を、基質として血漿由来第X因子(FX)を使用して推定した。全てのタンパク質を、50mM Hepes(pH7.4)、100mM NaCl、10mM CaCl2、1mg/ml BSA及び0.1%(w/v)PEG8000中で希釈した。FX活性化についての動的パラメータを、25μM PC:PSリン脂質(Haematologic technologies社)の存在下で、96ウェルプレート(n=2)中で100μLの全反応体積で、室温にて30分間、40nM FXとの10nMの各々のFVIIaコンジュゲートをインキュベートすることによって決定した。可溶性組織因子(sTF)の存在下でFX活性化を、25μM PC:PSリン脂質の存在下で、100μLの全反応体積(n=2)で、室温にて20分間、5pMの各々のFVIIaコンジュゲートを30nM FXとインキュベートすることによって決定した。インキュベーション後、50μLの停止緩衝液[50mM Hepes(pH7.4)、100mM NaCl、80mM EDTA]を加え、続いて50μLの2mM発色ペプチドS-2765(Chromogenix社)を加えることによって反応をクエンチした。最後に、吸光度の増加を、Spectramax190マイクロプレートリーダーにおいて405nmにて連続して測定した。触媒効率(kcat/Km)を、線形回帰を使用してミカエリスメンテン式の改正形式([S]<Km)にデータを適合することによって決定した。生成したFXaの量をFXa標準曲線から推定した。
13kDa、27kDa、40kDa、60kDa、65kDa、108kDa、157kDa-HEP-FVIIa407Cと参照分子(40kDa-PEG-[N]-FVIIa及び40kDa-PEG-[C]-FVIIa407C)との間の比較分析を図4に示す。
驚くべきことに、ヘパロサンがコンジュゲートしたFVIIa類似体は全て、FX活性化アッセイにおいてPEG-FVIIa対照より活性であることが見出された。いくつかの類似体(例えば、40kDa-HEP-FVIIa407C)に関して、活性は対応する40kDa-PEG類似体よりほぼ2倍高い。
Sprauge Dawleyラットにおける薬物動態評価
HEP-FVIIaコンジュゲートを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80 80、pH6.0中で製剤化した。Sprague Dawleyラット(3〜6匹/群)に20nmol/kgの試験化合物を静脈内投与した。Stabylite(商標)(TriniLize Stabylite Tubes;Tcoag Ireland Ltd社、Ireland)安定化血漿試料を適切な時点での完全なプロファイルとして回収し、更なる分析まで凍結した。血漿試料を、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用してFVIIa凝固活性レベルについて分析し、血漿中の抗原濃度を、LOCI技術を使用して決定した。
HEP-FVIIaコンジュゲートを、10mMヒスチジン、100mM NaCl、10mM CaCl2、0.01% Tween80 80、pH6.0中で製剤化した。Sprague Dawleyラット(3〜6匹/群)に20nmol/kgの試験化合物を静脈内投与した。Stabylite(商標)(TriniLize Stabylite Tubes;Tcoag Ireland Ltd社、Ireland)安定化血漿試料を適切な時点での完全なプロファイルとして回収し、更なる分析まで凍結した。血漿試料を、市販のFVIIa特異的凝固アッセイ;Diagnostica Stago社製のSTACLOT(登録商標)VIIa-rTFを使用してFVIIa凝固活性レベルについて分析し、血漿中の抗原濃度を、LOCI技術を使用して決定した。
薬物動態分析を、Phoenix WinNonlin 6.0(Pharsight社)を使用して非コンパートメント法によって実施した。以下のパラメータを推定した:凝固活性についてFVIIa-アンチトロンビン複合体のCmax(最大濃度)及びT1/2(機能的終末相半減期)及びMRT(平均滞留時間)。PK-プロファイル(LOCI及びFVIIa:凝固)を図5及び6に示す。
非コンパートメント分析法から得た、全てのLOCIに基づいた平均滞留時間のプロットを図7に示す。
線形関係が13〜40kDaサイズ範囲の周囲でHEPサイズとMRTとの間で見出される。プラトーは約40kDa HEPサイズ及びそれ以上に到達した。
本発明を以下の非限定的な実施形態によって更に記載する:
一実施形態において、コンジュゲートは、FVIIポリペプチド及びヘパロサンポリマーからなる。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、5kから200kの間の質量を有する。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、1.10未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、1.07未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、1.05未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する。
一実施形態において、FVIIポリペプチドは、10kDa±5kDaのサイズを有するヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。
一実施形態において、FVIIポリペプチドは、20kDa±5kDaのサイズを有するヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。
一実施形態において、FVIIポリペプチドは、30kDa±5kDaのサイズを有するヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。
一実施形態において、FVIIポリペプチドは、40kDa±5kDaのサイズを有するヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。
一実施形態において、FVIIポリペプチドは、50kDa±5kDaのサイズを有するヘパロサンポリマーにコンジュゲートされる。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、化学リンカーを介して分岐される。
一実施形態において、前記ヘパロサンポリマーは各々、20kDa±3kDaに等しいサイズを有する。
一実施形態において、前記ヘパロサンポリマーは各々、30kDa±5kDaに等しいサイズを有する。
一実施形態において、ヘパロサンポリマーは、N-グリカンを介してFVIIポリペプチドにコンジュゲートされる。
一実施形態において、145及び322位における2つのN-グリカンのうちの一方はPNGase F処理によって除去され、ヘパロサンは残りのN-グリカンに結合される。
別の実施形態において、ヘパロサンポリマーは、FVIIaにおけるシアル酸部分を介してコンジュゲートされる。
一実施形態において、ヘパロサンは、単一の表面が露出したシステイン残基を介してFVIIポリペプチド変異に結合される。
本発明を以下の非限定的な実施形態の一覧によって更に記載する:
実施形態1:第VII因子ポリペプチドとヘパロサンポリマーとの間のコンジュゲート。
実施形態2:前記ポリマーが、1.10未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
実施形態3:前記ポリマーが、5kDaから200kDaの間のサイズを有する、実施形態1又は2に記載のコンジュゲート。
実施形態4:前記ポリマーが、(a)10kDaから30kDa又は(b)30kDaから50kDa又は(c)50kDaから70kDaの間のサイズを有する、実施形態1又は2に記載のコンジュゲート。
実施形態5:前記ポリマーが、5〜15kDa、15〜25kDa、25〜35kDa、35〜45kDa、45〜55kDa、55〜65kDa、65〜75kDa、75〜85kDa又は85〜95kDaから選択される範囲のサイズを有する、実施形態1又は2に記載のコンジュゲート。
実施形態6:前記ポリマーが、20kDa〜35kDa、例えば22kDa〜32kDa、例えば25kDa〜30kDa、例えば約27kDa又は35〜65kDa、例えば40kDa〜60kDa、例えば47kDa〜57kDa、例えば50kDa〜55kDa、例えば約52kDa又は50〜75kDa、例えば60〜70kDa、例えば63〜67kDa、例えば約65kDaの分子量を有する、実施形態1又は2に記載のコンジュゲート。
実施形態7:(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した循環半減期又は(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的半減期を有する、実施形態1〜6に記載のコンジュゲート。
実施形態8:(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した平均滞留時間又は(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的平均滞留時間を有する、実施形態1〜6に記載のコンジュゲート。
実施形態9:前記第VII因子ポリペプチドが第VIIa因子ポリペプチドである、実施形態1〜8に記載のコンジュゲート。
実施形態10:前記第VII因子ポリペプチドが、遊離システインを有する変異第VII因子ポリペプチドである、実施形態1〜9に記載のコンジュゲート。
実施形態11:前記第VII因子ポリペプチドが、FVIIa-407Cである、実施形態1〜10に記載のコンジュゲート。
実施形態12:前記ヘパロサンポリマーが、前記第VII因子ポリペプチドの407位においてシステインに結合される、実施形態11に記載のコンジュゲート。
実施形態13:ポリマーが、N-又はO-グリカンを介してポリペプチドに結合する、実施形態1〜11のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態14:上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
実施形態15:出血性障害を治療又は予防する方法に使用するための実施形態1〜13のいずれか一つに記載のコンジュゲート又は実施形態14に記載の組成物。
本発明を、以下の非限定的であるが、特定の興味のある実施形態の一覧によって更に記載する:
実施形態1:第VII因子ポリペプチド及びヘパロサンポリマーを含む、コンジュゲート。
実施形態2:前記ポリマーが、13〜65kDa、13〜55kDa、25〜55kDa、25〜50kDa、25〜45kDa、30〜45kDa及び38〜42kDaから選択される範囲のサイズを有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
実施形態3:前記ポリマーが、30〜50kDa、35〜65kDa、35〜45kDa、45〜55kDa、40〜60kDa又は55〜65kDaから選択される範囲のサイズを有する、実施形態1に記載のコンジュゲート。
実施形態4:前記ポリマーが、40kDa±5kDa、40kDa±4kDa、40kDa±3kDa、40kDa±2kDa及び40kDa±1kDaから選択される分子量を有する、実施形態2又は3に記載のコンジュゲート。
実施形態5:前記ポリマーが、38kDa、39kDa、40kDa、41kDa及び42kDaから選択される分子量を有する、実施形態1〜4のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態6:前記ポリマーが、40kDaの分子量を有する、実施形態1〜5のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態7:前記ポリマーが、1.10、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04又は1.03未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する、実施形態1〜6のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態8:前記ポリマーが、1.05未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する、実施形態1〜7のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態9:ポリマーが、N-グリカンを介して第VII因子ポリペプチドに結合される、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態10:前記第VII因子ポリペプチドが、遊離システインを有する変異第VII因子ポリペプチドである、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態11:前記第VII因子ポリペプチドが、FVIIa-407Cである、実施形態10に記載のコンジュゲート。
実施形態12:前記ヘパロサンポリマーが、前記第VII因子ポリペプチドの407位にてシステインに結合される、実施形態10に記載のコンジュゲート
実施形態13:
(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した循環半減期、又は
(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的半減期
を有する、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した循環半減期、又は
(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的半減期
を有する、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態14:
(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した平均滞留時間、又は
(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的平均滞留時間
を有する、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
(a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した平均滞留時間、又は
(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的平均滞留時間
を有する、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態15:前記第VII因子ポリペプチドが、第VIIa因子ポリペプチドである、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態16:第VII因子ポリペプチドのアミノ酸配列が、1つ又は複数のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換によって野生型第VII因子の配列と異なる、上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態17:第VII因子ポリペプチドのアミノ酸配列が、1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換によって野生型第VII因子の配列と異なる、実施形態16に記載のコンジュゲート。
実施形態18:前記第VII因子ポリペプチドが、ヒト野生型第VIIa因子である、実施形態1〜11及び14のいずれか一つに記載のコンジュゲート。
実施形態19:上記実施形態のいずれか一つに記載の第VII因子ポリペプチドとヘパロサンポリマーとの間のコンジュゲートを調製する方法。
実施形態20:上記実施形態のいずれか一つに記載のコンジュゲート及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
実施形態21:出血性障害を治療又は予防する方法に使用するための実施形態1〜18のいずれか一つに記載のコンジュゲート又は実施形態18に記載の組成物。
Claims (15)
- 第VII因子ポリペプチド及びヘパロサンポリマーを含む、コンジュゲート。
- 前記ポリマーが、13〜65kDa、13〜55kDa、25〜55kDa、25〜50kDa、25〜45kDa、30〜45kDa及び38〜42kDaから選択される範囲のサイズを有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記ポリマーが、30〜50kDa、35〜65kDa、35〜45kDa、45〜55kDa、40〜60kDa及び55〜65kDaから選択される範囲のサイズを有する、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記ポリマーが、38kDa、39kDa、40kDa、41kDa及び42kDaから選択される分子量を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記ポリマーが、1.10、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04又は1.03未満の多分散性指数(Mw/Mn)を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記ポリマーが、N-グリカンを介して第VII因子ポリペプチドに結合する、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記第VII因子ポリペプチドが、遊離システインを有する変異第VII因子ポリペプチドであり、前記ヘパロサンポリマーが前記システインに結合する、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- (a)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した循環半減期、
(b)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的半減期、
(c)ヘパロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した平均滞留時間、及び/又は
(d)ヘポロサンポリマーにコンジュゲートしていない同じ第VII因子ポリペプチドと比較して増加した機能的平均滞留時間
を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記第VII因子ポリペプチドが、第VIIa因子ポリペプチドである、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記第VII因子ポリペプチドのアミノ酸配列が、1つ又は複数のアミノ酸の挿入、欠失及び/又は置換によって野生型第VII因子の配列と異なる、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記第VII因子ポリペプチドのアミノ酸配列が、1つ、2つ又は3つのアミノ酸置換によって野生型第VII因子の配列と異なる、請求項10に記載のコンジュゲート。
- 前記第VII因子ポリペプチドが、ヒト野生型第VIIa因子である、請求項1から6及び8から9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 請求項1から12のいずれか一項に定義された第VII因子ポリペプチド及びヘパロサンポリマーを含む、コンジュゲートを調製する方法。
- 請求項1から13のいずれか一項に記載のコンジュゲート及び薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含む、医薬組成物。
- 出血性障害を治療又は予防する方法に使用するための請求項1から12のいずれか一項に記載のコンジュゲート又は請求項14に記載の組成物。
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