JP2015530381A - アニソメル酸の医薬組成物およびその使用 - Google Patents

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Abstract

治療有効量のアニソメル酸またはその塩を含む、哺乳動物における抗ウイルス性癌治療のための医薬組成物。該医薬組成物は、アニソメル酸またはその塩を、水中油型エマルション中に、例えば、少なくとも1種の油と少なくとも1種の界面活性剤との等方性混合物中に、あるいは親水性の溶媒および共溶媒もしくは界面活性剤またはそれらの混合物中に含むことができる。哺乳動物において癌を治療または予防する方法であって、p53経路がウイルス性癌タンパク質によって調節解除される方法も提供される。

Description

本発明は、化合物、すなわち、Anisomeles malabaricaから単離されたアニソメル酸(AA)の新規の使用に関する。特に、本発明はアニソメル酸の医薬組成物に関する。本発明はまた、抗ウイルス性癌治療におけるアニソメリック(Anisomelic)およびその組成物の使用を開示する。
子宮頸癌は、世界中の女性に影響を与える、二番目に多い悪性腫瘍であり、毎年およそ500,000例の新たな症例が診断され、280,000人が死亡している。外科手術および放射線化学療法は、早期癌の女性の80〜95%、および局所進行癌の女性の60%を治癒させることができるが、再発性および転移性の疾患は依然として癌死亡の主な原因である。進行癌および転移癌に対する現在の細胞障害治療の選択肢は比較的低い結果を示しており、奏効率は最大30%であり、全生存は10カ月に満たない。従来の療法ではこのように成功の度合いが限られていることから、子宮頸癌に対する他の治療代替法に対する関心が高まっている。
ほとんどの子宮頸癌は、一連の高リスク「発癌性」ヒトパピローマウイルス(pappiloma)(HPV)型に感染することにより引き起こされ、子宮頸癌の99%以上がHPV感染によって始まることが現在の通説である。HPVに持続的に感染すると、様々な程度の子宮頸部異形成およびまた子宮頸癌を続発する。子宮頸癌に関連する主要な高リスク遺伝子型はHPV16および18であり、これら2つは合わせて子宮頸癌の原因のおよそ70%を占める。
HPVウイルスゲノムの組み込みならびにE6およびE7ウイルスタンパク質の発現は、この癌の発生における極めて重要な段階である。E6タンパク質による栄養監視応答(trophic sentinel response)の排除は、幾つかの重要な機序を通して起こる。最も特徴的な機序は、腫瘍抑制因子p53の不活性化および分解を含む。E6は、E6関連タンパク質(E6−AP)と呼ばれる細胞タンパク質と複合体を形成することによって、p53の腫瘍抑制因子機能を弱める。その結果、G1/SおよびG2/M細胞周期チェックポイントが失われ、細胞はゲノム不安定性の影響を受けやすくなり、それによって新生物の発生が可能となり得る。
高リスクE6はまたテロメラーゼを活性化するので、テロメアの侵食が防止され、宿主細胞がDNAを損傷することなく何回も分裂し続けることが可能となる。E6は、HPV16のE6によって不死化されたヒト口腔角化細胞および初代ヒト気道上皮細胞において核内因子κB(NF−κB)を活性化し、それによってアポトーシス阻害タンパク質2(IAP2)の発現が増強されることも報告されている。c−IAP2が枯渇すると細胞死に至ることも観察されており、HPV16に誘導されるc−IAP2の発現は、不死化表現型の維持に必要であることが示唆される。
HPV感染で極めて速く発現する第2の遺伝子は、E7である。E7タンパク質は、宿主細胞侵入後のウイルスゲノムの維持の中枢であり、最も重要な機能の一つは、細胞タンパク質である網膜芽細胞腫抑制因子(Rb)ファミリーに対するその結合能である。E7はpRbに結合し、それをプロテオソーム(proteosome)の分解の標的とすることによって、pRbのリン酸化および不活性化を模倣する。そうなると、E2F転写因子は腫瘍細胞を自由にS期に移すことができるようになる。E7は、p21Cipおよびp27Kipと相互作用することで、そのサイクリン−cdk活性阻害能に干渉し、ひいては細胞周期に干渉する。よって、E7タンパク質は、ウイルス複製に好適な細胞環境の維持に大きな役割を果たす。
癌の苦痛を治療するまたは改善することができる薬剤の模索が続けられる中で、天然産物は、ますます利用されるようになっている活性化合物を絶え間なく提供している。植物由来の幾つかの化合物は、現在では癌の治療に成功裡に用いられている。
アニソメル酸は、Labiatae科に属する薬用植物である、Anisomeles malabarica(L.)R.Brから単離されるジテルペノイドである。この植物は、一般にマラバーキャットミント(Malabar catmint)と呼ばれ、古代医学では、カタル、間欠熱、腸疾患および癌での使用が推奨されている。この植物のエタノール水溶液(50%)抽出物には抗癌活性があることが示されている。
Arisawa,M.ら、1986年。Biological active macrocyclic diterpenoids from Chinese drug 「Fang Feng Cao」;II.Derivatives of ovatodiolids and their cytotoxity.Planta medica、(4)、297〜9頁。 Marshall,J.A.&DeHoff,B.S.、1987年。Cembranolide total synthesis。Anisomelic acid。Tetrahedron、43(21)、4849〜4860頁。 Marshall,J.A.&DeHoff、B.S.、1986年。Stereoselective total synthesis of the cembranolide diterpene anisomelic acid。Tetrahedron Letters、27(40)、4873〜4876頁。 Tius、M.A、1988。Synthesis of cembranes and cembranolides.Chemical Reviews、88(5)、719〜732頁。
今までのところ、アニソメル酸それ自体は、抗ウイルス性癌治療に提案されておらず、使用されてもいない。
本発明は、AAがHPV16陽性子宮頸癌細胞におけるアポトーシスの誘導に良好な効率を示すという発見に基づいている。AAは、非子宮頸癌細胞ではアポトーシスを有効に誘導せず、非癌性MEF細胞でも同様である。
驚いたことに、AAはE6およびE7のタンパク質レベルの発現を阻害し、よって抗HPV剤として作用する能力があることが見出された。
AAは、主に細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を下方制御し、アポトーシス性カスパーゼの内因性活性化をもたらすことによって、p53非依存性アポトーシスを誘導することも見出された。
AAが、新規な作用機序を有する化合物として、子宮頸癌細胞においてp53に媒介される増殖停止を回復させ、アポトーシスを誘導することが、本発明に関して得られた結果から明らかにされている。
本発明者らの知る限りにおいて、これは、ウイルス性癌タンパク質発現の阻害剤としての、およびヒトパピローマウイルス(HPV)に誘導される癌腫の化学療法剤としてのAAの最初の開示である。E6/E7癌タンパク質およびcIAP2タンパク質の役割は癌において一般的に重要なので、前記化合物およびその誘導体は、抗癌および抗ウイルス療法においてさらに広範に使用することができる。
これらの知見に基づいて、本発明は、ヒトおよび動物を含めた哺乳動物における抗癌療法、特に子宮頸癌で使用するための、アニソメル酸およびその塩の医薬組成物を提供する。
さらに、本発明は、エマルションまたはその前駆物質、特に水中油型マイクロエマルションまたはその前駆物質の形態のアニソメル酸およびその塩の、改良された組成物を提供する。
本発明はまた、任意選択によりin vivoで形成されるエマルションの形態のアニソメル酸およびその塩の、抗ウイルス性癌療法における使用、ならびに改良された抗ウイルス性癌療法の方法であって、哺乳動物に有効量のアニソメル酸またはその塩を投与する工程を含む方法を提供する。
より詳細には、本発明による癌の抗ウイルス治療に使用するための医薬組成物は、主に請求項1の特徴部に記載される内容によって特徴付けられる。
本発明の好ましい実施形態による組成物は、請求項9の特徴部に記載される内容によって特徴付けられ、哺乳動物の対象を治療する方法は、請求項15の特徴部に記載される内容によって特徴付けられる。
0および40μMのアニソルミック酸(Anisolemic acid)(AA)で処理した細胞の48時間の時点での代表的な位相差顕微鏡の画像を示す図である。 増大する用量範囲でのAAによるカスパーゼ−3の活性化を示す図である。 高用量のAAがネクローシス性細胞死を与えないことを示す図である。 HPV陽性HeLa細胞およびCaski細胞(p53)におけるAAの効果(この細胞ではAAはアポトーシスを誘導する)およびHPV陰性c33a細胞(p53)における効果(この細胞ではアポトーシス誘導は極めて少ない)を示す図である。 乳癌細胞であるMCF7細胞(p53)およびMDA−MB−231(p53−)においてAAが有効なアポトーシスを誘導しなかったことを示す図である。 非癌性MEF細胞においてAAが40μMで細胞死を誘導しなかったことを示す図である。 AAが、プロカスパーゼ8、9、3、およびカスパーゼ−3の基質であるポリ−ADP−リボースポリメラーゼ(PARP)の切断を誘導することを明示する図である。 20〜40μMのAAに応答してミトコンドリア膜脱分極が時間依存的に起こることを示す図である。 p53がAA処理に応答して用量および時間依存的に有意に安定化することを示す図である。同時に、E6ウイルスタンパク質が下方制御された。同様に、E7タンパク質の発現も12時間のAA処理後に下方制御されたが、p21タンパク質の明白な誘導は、20μMのAAで24時間後しか見られなかった。一方、40μMのAAはp21の発現を誘導しなかった。 AAで処理した、またはしていない同期化細胞の細胞周期分析を明示する図である。AAは、処理24時間後に細胞をG2/M期に蓄積させる。G2/M停止は、AA用量20μMでより有効に生じ、それは観察されたp21の誘導と一致していた。 AAに誘導されるアポトーシスおよび細胞周期停止におけるp53の有意性を示す図である(p53の発現はp53−shRNAを使用して下方制御された)。p53およびp21のウエスタンブロット分析により、20μMのAAによるこれらのタンパク質の誘導が、p53が下方制御された細胞では抑止されたことが明らかになった。 処理の開始から24時間後に細胞がもはやG2/M期で蓄積しなかったので、p53がないとAAに誘導される細胞周期停止が逆戻りすることを確認する図である。 p53の発現がなくても、40μMのAAで処理するとカスパーゼ−9、カスパーゼ−3およびPARPが切断されたので、shRNAによってp53タンパク質が抑制されていてもAAに誘導されるアポトーシスが阻害されないことを示す図である。 p53が存在しない場合にアポトーシス細胞の割合(%)の有意な減少がなかったことを示す図である。 AA処理によるcIAP2タンパク質レベルの下方制御を示す図である。 AAに媒介されるE6およびcIAP2タンパク質の下方制御がプロテアソーム経路によって媒介されることを示す図である(細胞がプロテアソーム阻害剤MG132で処理されたとき、E6およびcIAP2タンパク質の分解が阻害された)。 E6をトランスフェクトしたc33a細胞において、AA処理によるカスパーゼ3及びPARPの切断が阻害されることを示す図である。 E6をトランスフェクトしたc33a細胞において、誘導されるアポトーシスの割合を示す図である。 提示するAA作用機序モデルの概略を示す図である。 40μMのAAおよびAAエマルションによる24時間および48時間でのカスパーゼ−3の活性化を示す図である。 CAMに移植されたSiHa腫瘍におけるAAエマルションの効果を示す図である。
本研究の手段によって多大な利点が得られる。
本発明は、アニソメル酸が既にそれ自体で、子宮頸癌に発現するHPV16−E6およびE7癌タンパク質の有効な阻害剤であることを開示するものである。アニソメル酸は子宮頸癌細胞において細胞周期停止とアポトーシスの両方を誘導することから、癌細胞増殖を停止させ、癌細胞を死滅させるための薬物としてそれを使用することもできると見込まれる。p53に非依存的にアポトーシスを誘導するアニソメル酸の能力は、p53変異型またはp53欠損型の癌の治療にそれを使用する上での利点となる。アニソメル酸の商業的用途は、さらに皮膚疣贅および性器疣贅などの他のHPV関連感染症の治療にも広がる可能性がある。
好ましい一実施形態では、アニソメル酸はエマルションの形態で使用される。エマルションの形態で、または投与したときもしくはin vivoでエマルションを形成する混合物の形態で医薬組成物を調製することによって、アニソメル酸の溶解性および送達を向上させることができ、よって化合物の治療上の使用量を増大させることができることが、本発明に関して得られた結果から示されている。
よって、以降でより詳細に論じるように、エマルションの形態のアニソメル酸を、SiHa細胞において24時間および48時間の時点でアポトーシスを誘導するその効果について試験した。アニソメル酸に誘導されるアポトーシスは、アニソメル酸のみの場合と比較して極めて効率的であることが観察された。アニソメル酸エマルションによる24時間および48時間でのアポトーシス誘導は、アニソメル酸より高かった。アニソメル酸エマルションによって誘導されるアポトーシスの最大の割合(%)は24時間で実現されたが、一方アニソメル酸の場合は48時間かかる。これは、アニソメル酸エマルションが薬物の生物学的利用率および細胞内への薬物の効率的な移送を向上させ、その結果24時間だけでアポトーシスの割合(%)が増大したということを明らかに示している。エマルションは、それ自体では細胞に対して毒性がなかった。
CAMに接種された腫瘍を、エマルションのみまたはアニソメル酸エマルションで、5日間様々な濃度で局所的に処理した。その結果は、アニソメル酸エマルションで処理すると腫瘍が発生せず、それが抑制されたことを示している。これは、代替のin vivo CAMモデルにおけるアニソメル酸エマルションに関する効力の良い証拠となる。
次に、添付の図面を参照する詳細な説明の下で新規技術をさらに詳しく検討する。
上で論じたように、本発明は、アニソメル酸およびその塩がウイルス性癌タンパク質E6およびE7の下方制御に効率的であり、特にそれらがp53依存性の細胞周期停止およびcIAP2の下方制御によるp53非依存性アポトーシスも誘導するという発見に基づいている。
特に、AAは、HPV16陽性子宮頸癌細胞におけるアポトーシスの誘導に40μMで良好な効率を示す一方で、非子宮頸癌細胞においてはアポトーシスを有効に誘導せず、非癌性MEF細胞においても同様である。
アニソメル酸(およびその塩)は、エマルションとして調製されるとさらに一層有効である。in vitroおよびin vivoの両方から得られた結果はこの結論を裏付けている。
本発明の範囲内で、略語「AA」はアニソメル酸を表す。アニソメル酸は、以下の一般式Iを有する。

そのCAS番号は59632−76−7である。
アニソメル酸の医薬として許容される塩および同様の活性を有するアニソメル酸の任意の誘導体も概念に含まれており、適当な場合には略語「AA」が適用される。AAのラセミ化合物のみならず光学異性体およびその誘導体も本明細書に含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「医薬として許容される塩」は、アニソメル酸の塩または双性イオンの形態を指す。アニソメル酸の塩は、例えば、酸の単離および精製の間に調製されてもよく、または酸を適切な陽イオンを有する化合物と反応させることによって別々に調製されてもよい。適切な医薬として許容される陽イオンには、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)陽イオンが含まれる。
本技術の目的のために、アニソメル酸は、本質的に純粋な形態、すなわち、(医薬組成物の活性成分の)重量で少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、有利には少なくとも95%、適切には少なくとも98%、特に少なくとも99.5%、またはさらには99.95%の純度で使用される。AAは、前記化合物を含有する天然の原料の抽出によって得ても、または合成化合物として使用されてもよく、後者が特に好ましい。AAを提供する幾つかの代替方法を以下に論じる。
AAそれ自体は、例えば、A.malabarica、A.indica、またはA.ovataから単離する方法によって得ることができる。よって、一実施形態では、Arisawaら、1986年によって記載される方法を用いることができる。すなわち、植物全体を日陰で干し、粉末にし、ソックスレー抽出器内で90%メタノールで抽出し、次いで真空乾燥する。このメタノール粗抽出物をクロロホルムと水に分配した。クロロホルム層を濃縮し、90%メタノールと石油エーテルに分配した。90%エタノール抽出物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけると、様々な化合物が得られることとなり、そのうちの一つがアニソメル酸である。それは無色の結晶角柱として得られ、融点は約148〜150℃であり、分子式はC2026である。
Marshallのdl−アニソメル酸合成(Marshall&DeHoff 1987;Marshall&DeHoff 1986)は、2−選択的ホーナー−エモンズ縮合を主要な環化工程に利用する。

Tius 1988
116中の末端アルケン結合をジシアミルボラン、続いて塩基性過酸化物を用いて選択的ヒドロホウ素化を行うとアルコールが得られ、それを、イミダゾールの存在下でヨウ素およびトリフェニルホスフィンを用いて対応するヨウ化物に変換する。ヨウ化物をメチル(ジメチルホスフィノ)アセテートのナトリウム塩で置換すると118を収率85%で生じる。118のシリルエーテルの切断をメタノール性ピリジニウムトシレートとの還流で行う。スワーン酸化によってアルデヒド119が得られる。最初に、分子内のホーナー−エモンズ反応を、DME中、18−クラウン−6エーテルの存在下で水素化ナトリウムを用いて行った。この反応の成功は、条件に大きく依存することが見出された。Masamune−Roushの条件を使用することで、71%(Z/E=95/51の収率が達成される。ピリジニウムトシレート(PPTS)水溶液で環状アセタール加水分解を行い、続いてPCCで酸化すると、ラクトンエステル120が収率70%で得られる。この化合物をdl−アニソメル酸に変換する。120が2種の幾何異性体として得られるのは興味深い。115、112、および110に観察されるものとは反対である、その選択性の理由は論じられていない。安定化されたウィッティヒ試薬のアルデヒドとの反応からの生成物のE/Z比に、溶媒効果が強い影響を及ぼすことが見出されたことは注目に値する。
AAで処理すると、ウイルス性癌タンパク質および細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を下方制御することによって、HPV陽性子宮頸癌細胞において効率的なアポトーシスをもたらす。こうした事象は、すべてアポトーシス細胞死の典型的な特徴である、ミトコンドリア膜脱分極ならびにカスパーゼ−9、カスパーゼ−3およびPARPの切断に先立って起こる。
本発明者らの知識の及ぶ限りでは、これは、SiHa子宮頸癌細胞においてAAに誘導されるアポトーシスの背後の分子機序の直接的な実験的証拠を提供する最初の報告である。よって、この結果は、抗腫瘍剤としてのその新規な使用に加えて、アニソメル酸の可能性のある分子機序への新規な洞察をもたらす。
ウイルスタンパク質E6およびE7に対する療法による細胞周期停止の回復は、一実施形態では有効で実用的な手法となる。細胞分裂は妨げられる。これにより、AAにはp53に非依存的にアポトーシスを誘導する能力があり、その能力はp53が変異したまたはp53が欠損した癌に対する抗癌療法に利点をもたらす可能性があるということも認識される。要するに、この結果は、アニソメル酸を抗子宮頸癌および抗HPV化合物として使用することの正当な理由となる。
本発明は、癌を治療するための治療用途であって、AA、特に単離された形態または単離され精製された形態のAAを含む治療用途を提供する。
アニソメル酸は、DMSOおよび熱エタノールに溶解する疎水性の化合物であり、水または他の水性溶媒には大抵の場合不溶性である。薬物が水に難溶性であると、生物学的利用率の低さ、個体内/個体間での変動の大きさ、および用量比例性の欠如につながるために、それは深刻な懸念事項である。それ故に、薬物を経口的におよびまた他の手段によって、そのいずれにおいても成功裡に送達するために、溶解性を向上させることが必要である。
本発明は、この目的のために、固体分散体、逆溶剤、シクロデキストリンと脂質ベースの配合物の複合体形成のような様々な手法を提供する。様々な脂質ベースのエマルション送達システムが存在し、それらのうちの一つは自己マイクロ乳化薬物送達システム(self−microemulsifying drug delivery system)(SMEDDS)である。SMEDDSは、穏やかに撹拌した後に消化管液などの水性媒体で希釈すると微細な水中油型(o/w)マイクロエマルションを形成するという独特の能力を有する、天然もしくは合成油、固体もしくは液体界面活性剤、あるいは1種もしくは複数の親水性溶媒および共溶媒/界面活性剤の等方性混合物として定義される。
SMEDDSは消化管中に容易に広がり、胃および腸の消化運動が自己乳化に必要な撹拌をもたらす。
SMEDDS混合物は、軟ゼラチンカプセルまたは硬ゼラチンカプセルのいずれかに充填することができる。本発明によるSMEDDS配合物は、油、界面活性剤および必要に応じて酸化防止剤を含む。共界面活性剤および共溶媒を添加して、配合物の特性を向上させてもよい。アニソメル酸エマルションを調製し、アポトーシスを誘導するその効力について試験する。
よって、一実施形態では、アニソメル酸を熱エタノールに溶解して混合物を形成し、それを、界面活性剤、または界面活性剤、ポリ(エチレングリコール)および油の混合物に溶解する。液体構成成分間の比率は、アルコール1重量部対混合物(界面活性剤、PEGおよび油から形成された混合物)100重量部から、アルコール100重量部対混合物1重量部までの間で変動してもよい。好ましくは、該比率はアルコール約1重量部対混合物5重量部〜アルコール5重量部対混合物1重量部、例えば、先に示した順で構成成分の約1〜2重量部対0.5から1重量部である。
化合物の化学的性質を考えると、AAはよく知られた抗腫瘍剤であるパクリタキセルのようなジテルペノイドなので、AAは局所的、非経口的、腹腔内または静脈内に投与することができる。AAエマルションは、経口的に投与することができる。
活性構成成分は、有効量で使用される。投与経路、投与量のみならず正確な配合も、対象の状態に応じて選択される。よって、所望の治療効果を得て維持するのに十分なレベルの活性化合物を血漿中にもたらすために、個別に間隔を調整することができる。しかしながら、一般に、ヒトに用いられる用量は、典型的には1日当たり0.001mg/kgから約1000mg/kgの範囲内、好ましくは阻害剤の用量当たり約0.1mg/kgから約500mg/kgの範囲内である。典型的には、AAは、0.001から100mg/kg体重で、例えば0.01から50mg/kg体重で投与される。幾つかの実施形態では、AAは、約0.1から約50mg/kg、約0.5から約40mg/kgまたは約0.7から約30mg/kgの範囲の用量で用いることができる。企図される具体的な用量には、前述の範囲のいずれかの部分範囲が0.1mg/kg刻みで含まれる。
医薬組成物は、治療的に効率的な主構成成分(または薬剤)または単一構成成分(または薬剤)のいずれかとしてAAを含むこととなろう。したがって、本技術の範囲内において、有効な薬剤がアニソメル酸およびその塩からなるまたは本質的になる組成物も提供される。当然のことながら、AAを他の抗腫瘍形成化合物(例えばチロシンキナーゼ阻害剤、例えばパゾパニブ)および血管新生剤(例えば血管内皮増殖因子阻害剤、例えばベバシズマブ)と併用することが可能である。
医薬組成物は、任意の適切な形態であってもよい。典型的な医薬品形態には、水性、油性の懸濁剤、分散剤、ならびに注射用液剤または注射用分散剤を即時調製するために使用できる滅菌粉末が含まれる。それは、例えば、膣内用クリームの形態で、または持続放出固体調製物、例えば徐放性の医薬用貼付剤を施用することによって、局所(例えば膣内)投与用に使用することができる。組成物はまた、無毒性の希釈剤または溶剤中の液剤または懸濁剤であってもよく、例えば1,3−ブタンジオール中溶液として存在してもよい。あるいは、それらはマイクロエマルションとして調製され、例えば経口で投与されてもよい。
担体は、例えば、水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液状ポリエチレングリコールなど)、エタノール、および示した構成成分の混合物、様々な植物油、リンゲル液(Ringer’s olution)ならびに等張食塩水を含有する溶媒または分散媒であってもよい。加えて、不揮発性油を溶媒または懸濁媒として用いてもよい。用いることができる不揮発性油には、合成モノグリセリドまたはジグリセリドが含まれる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に用途が見出される。
従来通りに、医薬組成物は、組成物の、例えば、pH、浸透圧、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解もしくは放出速度、吸着または浸透を改変する、維持するまたは保持するための配合材料を含有してもよい。
医薬組成物を、吸入用または経口などの消化管を介する送達用に選択することもできる。医薬として許容されるかかる組成物の調製は、当該分野の技術の範囲内である。AAは、同一の医薬組成物に存在してもよい。それらはまた、例えば同一の包装品で供給される、異なる医薬組成物に含まれてもよい。
上の説明は主にヒト対象に関するものであるが、獣医学的に使用するための医薬組成物も本明細書に含まれる。
以下の非限定的な例は、本発明の一実施形態を例示する。
以降に提示する実験結果は、AAが、SiHa HPV16陽性子宮頸癌細胞においてウイルス性癌タンパク質E6/E7および細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を枯渇させ、それによってアポトーシスを誘導することを明示する。AAはまたp53−p21経路を活性化し、G2/M細胞周期停止をもたらす。
この結果は、AAエマルションが、AAのみと比較して、より早い時点でより効率的にアポトーシスを誘導したことを示している。AAエマルションは、CAMモデルにおいて腫瘍の増殖を抑制するのにも効率的であった。
哺乳動物モデルは、新規な薬物送達システム(DDS)の前臨床的評価によく使用される。しかし、妥当な哺乳動物モデルは高価であり、時間がかかり、設定および評価が容易ではない。さらに、それらは倫理的および法的な面に関する事務的負担につながることが多い。それ故に、本発明者らは、DDSを評価するために哺乳動物モデルの代替として絨毛尿膜(CAM)を使用する。CAMの特徴、すなわち胚の解剖学的形態および血液を調査して、薬物担体の性質、例えば、毒性および生体適合性、ならびに薬物の活性、毒性、生体内分布および薬物動態を評価した。鶏胚を用いて行うことができる様々なアッセイが簡単で速く、低コストであることから、製剤技術研究に日常的にこのモデルを使用することへの関心が高まっている。
絨毛尿膜はすべてのタイプの腫瘍細胞に優れた天然の基質を提供する。薬物送達システムを開発する間に、鶏胚(chick embroy)を使用して、CAMおよびCAMに移植した腫瘍の両方について薬物の活性または毒性を評価することができる。ヒトへの薬物の投与経路、すなわち、局所、静脈内(IV)、および腹腔内(IP)投与を、鶏胚(chick embroy)で使用することができる。鶏胚でのアッセイは低コストで簡単なので、このモデルにより、哺乳動物モデルを使用する前に薬物送達システムのハイスループットスクリーニングを行うことが可能である。天然のままで免疫が不十分なので、鶏胚は、薬物送達システムを評価するための代替モデルシステムを代表するものである。CAMにおけるSiHa腫瘍細胞の増殖は既に十分に確立されており、腫瘍を局所的に5日間処理することによってAAエマルションの効力を試験した。
材料および方法
AAを、Anisomeles malabaricaから、Arisawaら、1986年によって以前に記載されたように、わずかに改変して単離した。100mMの原液をDMSO中室温で調製した。
SiHa、HeLa、Caskiおよびc33a子宮頸癌細胞およびマウス胎仔線維芽細胞(MEF)をDMEM(Sigma−Aldrich、セントルイス、MO、USA)中で培養した。MCF7およびMDA−MB−231乳癌細胞をRPMI(Sigma−Aldrich)中で培養した。培地に、10%ウシ胎児血清(BioClear、ウィルトシャー、UK)、2mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリン(penciliin)、100μg/mlのストレプトマイシン(Sigma−Aldrich)を補給した。
細胞死およびミトコンドリアの脱分極の評価
SiHa細胞を、0〜50μMのAAまたは溶媒対照で、10μMの間隔で処理した。本発明者らの予備的研究では50μMで≧95%が死滅することが示されたので(MTT細胞毒性アッセイ、未発表データ)、用量範囲を50μMまでに限定した。48時間後に、細胞を収集し、アポトーシスおよび/またはネクローシスについて分析した。細胞中の活性化カスパーゼ−3を、製造業者のプロトコル(PE Active Caspase−3 Apoptosis Kit;BD Pharmingen、サンディエゴ、CA)に従ってフィコエリトリン結合抗体で標識し、FACSCaliburフローサイトメーター(FL−2、FSC、BD Pharmingen)によって分析した。
SiHa細胞を、40μMのAAおよびAAエマルションでも24時間および48時間試験した。細胞を収集し、FACSによるPE活性カスパーゼ−3アッセイを採用してアポトーシスについて分析した。
透過性(ネクローシス)細胞を検出するために、細胞をトリプシン処理し、PBS中50μg/mlのヨウ化プロピジウム(PI)(Sigma−Aldrich)に室温で10分間再懸濁させた。試料をフローサイトメトリーによって分析した。
テトラメチルローダミンメチルエステル(TMRM、Invitrogen、セルジーポントワーズ、フランス)を20mMジメチルスルホキシド原液として保存し、使用前に培地で希釈した。細胞を20nMテトラメチルローダミン中で10分間、37℃の水浴でインキュベートした。細胞を氷の上に置き、FACSCaliburフローサイトメトリーによって直ちに分析した。
HeLa、Caski、c33a、MCF7、MDA−MB−231およびMEF細胞を、0および40μMのAAで処理した。48時間後に細胞を収集し、アポトーシスについて分析した。
細胞周期分析
細胞を48時間の血清飢餓(1%血清)によって同期化し、次いで10%FCSを含有する培地で24時間培養した。この後、細胞を0、20および40μMのAAと24の間インキュベートした。これらの用量を選択した理由は、アポトーシス誘導が40μMで最大であったからである(以降の研究では用量を40μMまでに限定した)。細胞を収集し、破壊し、クエン酸ナトリウム緩衝液[40mMクエン酸Na、0.3%TritonX−100、50μg/ml PI(Sigma−Aldrich)]中に再懸濁させることによってDNA含有量のために核をPIで標識した。室温で10分間のインキュベーション後に、試料をFACSCaliburフローサイトメトリーによって直ちに分析した。
RNA干渉
ヒトp53を標的とするshRNA(5’GACUCCAGUGGUAAUCUACUUCAAGAGAGUAGAUUACCACUGGAGUCUU3’、Brummelkampら、2002年)を発現させるためのpSUPERベクター(Oligoengine、シアトル、WA、USA)はPia Roos−Mattjus博士に提供していただいた。スクランブル(Scr)pSUPERベクター(5’GCG CGC TTT GTA GGA TTC G3’、Ostlingら、2007年)を対照細胞にトランスフェクトした。トリプシン処理したSiHa細胞に、shRNA発現プラスミドをOpti−MEM培地(Gibco、CA、USA)中で電気穿孔法を行うことによりトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後に培養培地を変え、細胞をAAで処理するか未処理のままとし、その後細胞をさらに24時間または48時間培養した。shRNA発現ベクターの効率をp53発現についてウエスタンブロット法により決定した。
プラスミドトランスフェクション
c33a細胞をペレットにし、OPTIMEM(Gibco、Invitrogen Foundation、ワシントンDC、USA)に再懸濁させ、偽のまたはHisタグE6プラスミドを用いて220Vおよび975μFで電気穿孔処理した。トランスフェクションから24時間後に、培養培地を変え、細胞をAAで処理するか未処理のままとし、その後細胞をさらに24時間または48時間培養し、ウエスタンブロット法を採用するさらなる分析およびFACSによる細胞死アッセイを行った。
ウエスタンブロット法
細胞をLaemmli試料緩衝液(Laemmli、1970年)に溶解することによって全細胞溶解物を調製し、その試料を10分間煮沸し、その後タンパク質を12.5〜15%SDS−PAGEで分離した。ウエスタンブロット法を、以下に対する抗体を使用して行った:ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(clone C−2−10;Sigma−Aldrich)、Bid、Bax、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ3、SAPK/JNK、Phospho SAPK/JNK(Thr183/Tyr185)、cIAP2(Enzo Lifesciences)、Akt、Phospho Akt(Ser473)(Cell Signalling Technology、ダバース(Davers)、MA、USA)、p21、Bcl−xL(Santa Cruz Biotechnology,Inc、サンタクルーズ、CA)、β−アクチン(clone AC−40;Sigma−Aldrich)およびp53(clone DO−1;BD Pharmingen)。西洋ワサビペルオキシダーゼ結合二次抗体を、Southern Biotechnology Associates(バーミンガム、AL)、Promega(マディソン、WI)およびAmersham Biosciences(フライブルグ、ドイツ)から得た。結果を、ECL法(Amersham Biosciences)を使用してX線フィルム上に可視化した。提示したウエスタンブロットの結果は、少なくとも3回の独立した実験のうち代表的なものである。
AAエマルションの調製
アニソメル酸を熱エタノールに溶解し、この混合物をTween 30:PEG400:オリーブ油中に4:1:1:1の比率(ration)で溶解した。
CAM腫瘍におけるAAエマルションの試験
2百万個のSiHa細胞をMatrigelに1:1の比率で混合し、この混合物を胚発生8日目のCAM膜に移植した。腫瘍を有するCAMを、癌細胞接種から1日後から連続5日まで、エタノール(対照)、AAを含むまたは含まないエマルションで処理した。5日間の薬物処理後に、腫瘍を撮影した。
結果
前に報告したAAの細胞毒性の根底にある機序を検討するために、培養したSiHa子宮頸癌細胞のアポトーシス死をAAが誘導するかどうかを調査した。AAに誘導される細胞死の代表的な位相差画像を図1Aに示す。次いで、細胞を0〜50μMのAAと24時間および48時間インキュベートし、アポトーシスの尺度として、活性化カスパーゼ−3を含有する細胞の割合(%)を決定した。40μMのAAで48時間後にカスパーゼ−3の著しい活性化が観察された(図1B)。40μMのAAで処理する前に、SiHa細胞を40μMのZ−VAD.fmk(広範なカスパーゼの阻害剤)とプレインキュベートすると、カスパーゼ−3の活性化およびアポトーシス細胞の形態が逆戻りしたことから、AAに誘導される細胞死におけるカスパーゼの役割が確認された(データは割愛する)。興味深いことに、AAの用量が40μMより多くなると、カスパーゼ−3の切断が劇的に減少した(図1B)。こうしたより高い用量範囲において細胞の透過化の増大をPI標識によって検出することができなかったので(図1C)、恐らくAAがネクローシス性細胞死を誘導することはないと思われ、カスパーゼ非依存性細胞死または細胞老化をトリガーすることもできないと思われる。アポトーシスの最良の誘導が40μMのAAで得られたために、さらなる研究を0〜40μMのAAに限定した。
他の子宮頸癌および乳癌細胞株におけるAAの効果も0および40μMで試験した。図1Dに見られるように、AAはHPV陽性HeLa細胞およびCaski細胞(p53)においてアポトーシスを有効に誘導したが、一方、HPV陰性c33a細胞(p53)におけるアポトーシス誘導は有意に少なかった。AAは、乳癌細胞MCF7細胞(p53)およびMDA−MB−231(p53−)細胞においても有効なアポトーシスを誘導しなかった(図1E)。AAは、非癌性MEF細胞においても40μMで細胞死を誘導しなかった(図1F)。
観察されたアポトーシスの実行経路を調査するために、AAが、内因性アポトーシスシグナル伝達経路の良い活性化マーカーであるミトコンドリア膜脱分極も促進するかどうかを検討した。ミトコンドリア膜の極性は、テトラメチルローダミン(TMRM)標識によってAA処理の開始から8〜48時間後に評価した。実際に、20〜40μMのAAに応答してミトコンドリア脱分極が時間依存的に生じた(図2A)。AAで処理したSiHa細胞の溶解物を、カスパーゼ−9、カスパーゼ−8、カスパーゼ−3およびPARPの切断について分析した。プロカスパーゼ−9が35/37kDaの断片に切断されたことが、20および40μMのAAと12時間インキュベートした後に見られた(図2B)。細胞死受容体に関連するカスパーゼであるプロカスパーゼ−8の切断はその後で起こった。それは、カスパーゼ−8が切断された断片が豊富に観察されたのは、AA処理の24時間後のみだったからである(図2B)。これらの結果により、AAは主に、カスパーゼ−9の活性化を伴う、内因性であるアポトーシスのミトコンドリア経路を活性化することが示唆される。20〜40μMのAAで処理すると、カスパーゼ−3およびカスパーゼ−3の基質であるポリ−ADP−リボースポリメラーゼ(PARP)の切断も誘導された(図2B)。総じて、これらの結果により、20〜40μMの用量範囲内のAAは、カスパーゼ−9およびカスパーゼ−3の活性化を通してアポトーシスを誘導することが明示される。
SiHa子宮頸癌細胞は、高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)によって形質転換されている。E6およびE7は、SiHa細胞の形質転換にこのような極めて重要な役目を果たしているので、これらのウイルスタンパク質ならびにp53およびp21の発現を検討した。実際に、E6ウイルスタンパク質が下方制御され、それに対応してp53タンパク質が安定化した(図3A)。同様に、E7タンパク質の発現もAA処理12時間後に下方制御されたが、p21タンパク質の明らかな誘導は20μMのAAで24時間後にのみ見られた(図3A)。それに対して40μMのAAはp21の発現を誘導しなかったことから、低用量のAAが、p53応答性遺伝子の1つであるp21を誘導することが示される。同様の結果が他の研究において得られ、p53の細胞応答および標的が侵襲物の用量によって異なることを示している。これらの結果により、AAにはE6およびE7ウイルスタンパク質の分解を有効に誘導する能力があり、それによって、p53およびp21をE6およびE7の阻害からそれぞれ解放することができることが明示される。p53に及ぼすこのような顕著な効果は、細胞周期停止に反映されることが期待される。実際に、同期化し、AAで処理した細胞を細胞周期分析すると、処理24時間後にG2/M期に蓄積していた(図3B)。G2/M停止は、AA用量20μMでより有効に生じ、それは観察されたp21の誘導と一致していた(図3Aおよび3B)。
細胞周期の調節における役割に加えて、p53は、内因性と外因性の両方のアポトーシス経路のメンバーである、アポトーシス促進性の標的遺伝子の転写活性化を通してアポトーシスを促進する。AAに誘導されるアポトーシスの誘導および細胞周期停止におけるp53の有意性を評価するために、p53−shRNAを使用してp53の発現を下方制御した。p53およびp21のウエスタンブロット分析により、40μMおよび20μMのAAによるこれらのタンパク質の誘導は、p53が下方制御された細胞においてそれぞれ抑止されたことが明示された(図4Aおよび4B)。その結果、p53がないためにAAに誘導される細胞周期停止は逆戻りした。なぜなら、AA処理の開始から24時間後に細胞はもはやG2/M期で蓄積しなかったからである(図4C)。これらの観察は、AA処理によってp53タンパク質を活性化すると、その転写標的の1つであるp21の発現を直接もたらすだけでなく、G2/M期停止も直接もたらすことを意味している。AA処理に応答する細胞周期停止は、明らかにp53依存性のプロセスである(図4C)。興味深いことに、p53の発現がなくても、40μMのAAで処理するとカスパーゼ−9、カスパーゼ−3およびPARPが切断されたので、shRNAによってp53タンパク質が抑制されていてもAAに誘導されるアポトーシスが阻害されなかった(図4A)。これらの結果は、AAに応答するカスパーゼ−3の活性化をフローサイトメトリー分析することによってさらに検証された。p53の発現がない場合に、AAに誘導されるアポトーシスの割合(%)の有意な減少は何も観察されなかった(図4D)。このデータは、AAに誘導されるアポトーシスが、HPV陽性SiHa細胞株においてp53非依存性であることを明らかにしている。p53の安定化がアポトーシスの誘導に不可欠ではないことが観察されたので、アポトーシスはIAPファミリーのメンバーの作用の不活性化によって誘導されると推測した。特に、cIAP2がHPV16−E6感染細胞に過剰発現することが示されており、cIAP2はこうしたウイルス感染癌細胞において極めて重要で強力な抗アポトーシス因子として機能していると思われる。実際に、AAに誘導されるcIAP2タンパク質の発現の低下が、E6癌タンパク質の下方制御と同じ動態で起こったことが観察された(図4Eおよび3A)ことから、AAに誘導されるアポトーシスに至るp53非依存性経路はcIAP2発現の減少によって媒介された可能性があることが示唆される。
また、AAに媒介されるE6およびcIAP2タンパク質の下方制御がプロテアソーム経路によって媒介されるのかどうかを決定するために、細胞をプロテアソーム阻害剤MG132で処理し、ウエスタンブロット法によって分析した。結果からわかるように、MG132はAA処理後にE6およびcIAP2タンパク質の分解を阻害した(図4F)。
AAに誘導されるアポトーシスにおけるE6の役割を確かめるために、HPV陰性c33a細胞に偽のプラスミドおよびHisタグE6プラスミドをトランスフェクトし、それらを0および70μMのAAで処理し、その細胞を、AAに誘導されるアポトーシスについてウエスタンブロットおよびFACSを採用してアッセイした。c33a細胞は40μMでアポトーシスを起こさないが(図1D)、それより高い70μMという用量でアポトーシスを起こす。図5に見られるように、E6をトランスフェクトするとc33a細胞がアポトーシスから有意に救済されたことから、AAに誘導されるアポトーシスはE6の下方制御に依存することが確認される。C33a細胞は変異p53を有しており、それはE6のトランスフェクションによって影響を受けないが、カスパーゼ3およびPARPの切断が阻害される(図5A)。誘導されるアポトーシスの割合(%)も有意に減少する(図5B)。
AAの分子作用について提示する機序を図6に示す。AAはウイルス性癌タンパク質E6およびE7を12時間で下方制御することで、12時間でp53の安定化、24時間でp21の安定化をもたらし、それにより24時間で細胞周期停止が可能となる。24時間でミトコンドリア脱分極がカスパーゼ8および3の切断のような他の事象とともに始まり、48時間でアポトーシスにおいて終わる。カスパーゼ9は12時間で既に切断されているので、カスパーゼ9の活性化がこれらの事象に先立って起こる。カスパーゼ9の切断は、cIAP2の下方制御に起因する可能性もあると考えられ、それはウイルス性癌タンパク質の下方制御に応答して起こる可能性があると考えられる。こうしたことから、総じて本発明者らの結果により、AAの抗癌活性の可能性のある機序への新規な洞察がもたらされる。これらの結果は、アニソメル酸を子宮頸癌に対する強力な化合物および抗HPV療法として使用することに期待が持てることも指し示している。
40μMのAAは24時間および48時間でより高い割合(%)のアポトーシスを誘導したので、SiHa細胞を0および40μMのAAならびにAAエマルションとインキュベートし、アポトーシスの尺度として、活性化カスパーゼ−3を含有する細胞の割合(%)を決定した。AAエマルションを用いると、AAと比較してカスパーゼ−3の著しい活性化が24時間だけで観察された(図7)。
CAMに接種した腫瘍を、AAを含むまたは含まないエマルションで処理した。その結果から、AAがSiHa腫瘍の増殖を抑制することは明らかである。AAを含まないエマルションはそれ自体では腫瘍に対して毒性がない(図8)。
上記の結果を要約すると、E6およびE7の活性を阻止することによってp53またはp21の機能を回復させることは、これらの癌細胞における興味深く重要な治療標的となることに着目できる。本発明では、天然のジテルペノイドであるアニソメル酸(AA)およびその塩の効果を、HPV陽性子宮頸癌細胞株(SiHa)において検討してきた。AAで処理すると、E6およびE7タンパク質が枯渇する。結果的に、上の結果によって証明されたように、p53およびp53応答性遺伝子であるp21が劇的に誘導され、G2/M期細胞周期停止に至る。AAに媒介される細胞周期停止およびp21の発現は、p53がp53−shRNAによって下方制御されたときに大幅に減少した。
AAは主に、細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を下方制御し、アポトーシス性カスパーゼの内因性活性化をもたらすことによって、p53非依存的アポトーシスを誘導する。SiHa細胞をAAエマルションで処理すると24時間だけでより高いアポトーシスを示し、またAAエマルションはCAMモデルにおける腫瘍の抑制に効率的である。したがって、本発明は、子宮頸癌細胞においてp53に媒介される増殖停止を回復させ、アポトーシスを誘導することにおけるAAの使用を提供する。したがって、AAは、それ自体で、またはその分子原理を使用することによって、子宮頸癌に対する療法の開発に使用することができる。加えて、この原理は、HPVに媒介される他の癌、例えば、外陰癌、膣癌、陰茎癌、肛門癌および一部の中咽頭癌に用いることができる。
AAは、HPV陽性子宮頸癌細胞を特異的に標的とすることが可能な独自の機序を通して作用する。本発明者らの結果により、AAの分子原理は、抗癌療法用と抗HPV療法用のいずれの薬物分子を開発するときにも用いることができることが示される。
癌を除けば、性器疣贅がHPVの最も一般的な疾患の症状発現であり、それは性器の良性および腫瘍性のHPV関連疾患に至る可能性がある。したがって、これらの結果により、子宮頸癌、HPVに媒介される性器疣贅に対する療法およびHPVに媒介される癌のリスクの予防策を開発するための強力な薬理学的戦略としての、AAおよびその誘導体の使用が指し示される。加えて、HPVは他のタイプの疣贅の最も一般的な原因であり、AAおよびAAの分子原理は非性器の疣贅に対する治療にも用いることができる。
疣贅の治療において、アニソメル酸およびその塩は局所的に投与することができる。アニソメル酸およびその塩は、1から1000mgの投与量で治療対象の表面上に、すなわち、例えば疣贅が発生した皮膚上に投与することができる。上で論じたような水中油型エマルションの形態のアニソメル酸およびその塩の使用。

Claims (24)

  1. 治療有効量のアニソメル酸またはその塩を含む、哺乳動物における抗ウイルス性癌治療で使用するための医薬組成物。
  2. 水性、油性の懸濁剤、分散剤の形態の、注射用液剤もしくは注射用分散剤を即時調製するために使用できる滅菌粉末または無毒性の希釈剤もしくは溶媒中の液剤もしくは懸濁剤としての、アニオソメリック酸(Aniosomelic acid)またはその塩を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. アニソメル酸またはその塩が、エマルション、好ましくはマイクロエマルションの形態で、例えば微細な水中油型マイクロエマルションの形態で投与されるまたはin vivoで提供される、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 前記アニオソメリック酸(Aniosomelic acid)またはその塩が、少なくとも1種の(at least on)天然もしくは合成油と、界面活性剤あるいは1種もしくは複数の親水性溶媒および共溶媒または界面活性剤とを組み合わせた等方性混合物を好ましくは含む、in vivoでエマルションを形成することが可能な自己マイクロ乳化薬物送達組成物(self−microemulsifying drug delivery composition)の形態で提供される、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. p53経路がウイルス性癌タンパク質によって調節解除される、癌または同様の状態を治療または予防するための、請求項1から4のいずれかに記載の医薬組成物。
  6. 子宮頸癌を治療または予防するための、請求項1から5のいずれかに記載の医薬組成物。
  7. 癌タンパク質および細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を下方制御するための、請求項1から6のいずれかに記載の医薬組成物。
  8. p53−p21経路を活性化することによって細胞周期停止を再活性化し、p53非依存的アポトーシスも誘導する、請求項1から7のいずれかに記載の医薬組成物。
  9. ヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルスに媒介される癌の治療に使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の医薬組成物。
  10. 性器の良性または腫瘍性のヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルス関連疾患、特にヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルスに媒介される性器疣贅の治療に使用するための、ならびに非性器疣贅の治療に使用するための、医薬組成物。
  11. 水中油型エマルション中またはその前駆物質中に治療有効量のアニソメル酸またはその塩を含む、医薬組成物。
  12. 少なくとも1種の油と少なくとも1種の界面活性剤との等方性混合物中に、あるいは親水性溶媒および共溶媒もしくは界面活性剤またはそれらの組み合わせの中に、治療有効量のアニソメル酸またはその塩を含む、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 撹拌した後に消化管液などの水性媒体で希釈すると微細な水中油型(o/w)マイクロエマルションを形成することが可能な、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 酸化防止剤、共界面活性剤および共溶媒ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される、補助剤または添加剤をさらに含む、請求項11から13のいずれかに記載の医薬組成物。
  15. 前記エマルションが充填された、軟ゼラチンカプセルまたは硬ゼラチンカプセルの形態で提供される、請求項11から14のいずれかに記載の医薬組成物。
  16. 前記組成物の治療的に有効な薬剤が、アニソメル酸もしくはその塩からなるまたは本質的になる、請求項11から15のいずれかに医薬組成物。
  17. p53経路がウイルス性癌タンパク質によって調節解除される、哺乳動物において癌または同様の状態を治療するまたは予防する方法であって、治療有効量のアニソメル酸またはその塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  18. 子宮頸癌を治療するまたは予防することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 癌タンパク質および細胞性アポトーシス阻害タンパク質2(cIAP2)を下方制御することを含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. p53−p21経路を活性化することによって細胞周期停止を再活性化すること、およびまたp53非依存的アポトーシスも誘導することを含む、請求項17から19のいずれかに記載の方法。
  21. ヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルスに媒介される癌を治療することを含む、請求項17から20のいずれかに記載の方法。
  22. アニソメル酸またはその塩を、1日当たり0.001mg/kgから約1000mg/kg体重、好ましくは約0.1mg/kgから約500mg/kg体重、特に0.001から100mg/kg体重、有利には0.01から50mg/kg体重の投与量で哺乳動物に投与することを含む、請求項17から21のいずれかに記載の方法。
  23. 性器の良性または腫瘍性のヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルス関連疾患、特にヒトパピローマ(Pappiloma)ウイルスに媒介される性器疣贅、ならびに非性器疣贅を治療する方法であって、治療有効量のアニソメル酸またはその塩を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  24. 哺乳動物にアニソメル酸またはその塩を局所的に投与することを含む、請求項23に記載の方法。
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