JP2015530259A - 圧力差を使用する物質の連続鋳造 - Google Patents

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Abstract

連続鋳造のためのシステムおよび方法。システムは、溶融チャンバ、引き出しチャンバ、およびそれらの間の二次チャンバを含む。溶融チャンバは、溶融圧力を維持することができ、引き出しチャンバは、大気圧に達し得る。二次チャンバは、異なる圧力に調整され得る領域を含み得る。連続鋳造動作の間、溶融チャンバに隣接した第1の領域が、溶融圧力よりも少なくともわずかに大きな圧力に調整され得、後続領域における圧力が、順次減らされ得、次いで、順次増やされ得る。最後の領域における圧力は、大気圧よりも少なくともわずかに大きくすることができる。差圧は、溶融チャンバと引き出しチャンバとの間に動的エアロックを形成し得、それは、雰囲気における非不活性ガスによる溶融チャンバの浸透を阻止することができ、それ故、溶融チャンバにおける反応性物質の汚染を阻止することができる。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に、溶融物質を鋳造するためのシステム、方法、ツール、技法、および戦略に関するものである。一定の実施形態では、本開示は、溶融物質の連続鋳造に関する。
プラズマアークまたは電子ビーム低温炉床溶融炉などの炉は、例えば、数期間にわたって物質を溶融し鋳造することができる。連続鋳造動作の間、溶融物質は、鋳型に連続的に入ることができ、鋳造物質、またはインゴットは、鋳型から連続的に生み出すことができる。例えば、溶融物質は、鋳型の頂部の中に流れることができる一方、引き出し機構は、鋳造物質を鋳型の底部から生み出すことを可能にするように連続的に移動する。連続鋳造は、例えば、鋳造周期間の鋳型の変更と関連する遅延などの、鋳造動作に対する妨害の頻度を減らすことができる。鋳造動作の間の妨害を減らすことは、鋳造効率を増やし得る。
いくつかの物質は、溶融されるときにまたは高い温度で反応性を示す。このようにして反応性を示す物質は、溶融された状態にあるときまたは特定の温度に加熱されるか特定の温度を上回るときに、容易に化学的に結合することになるか、そうではない場合には、一定の元素もしくは化合物にさらされると化学的に変化する。例えば、非常に高い温度における溶融チタンおよび固体鋳造チタンは、二酸化チタンを形成するように気体酸素と、また、窒化チタンを形成するように気体窒素と、反応性を示し容易に化学的に結合する。二酸化チタンおよび窒化チタンは、鋳造チタン内にハードアルファ(hard alpha)欠陥を形成し得、それを意図された用途に不適切にさせる。その結果として、溶融チタンおよび高温鋳造チタンは、好ましくは、鋳造動作の一定段階の間に真空にまたは不活性雰囲気に維持される。電子ビーム低温炉床炉では、高真空または実質的真空が、電子ビーム銃を動作させることを可能にするために溶融および鋳造チャンバにおいて維持される。プラズマアーク低温炉床炉では、プラズマトーチが、プラズマを作り出すために、例えば、ヘリウムまたはアルゴンなどの不活性ガスを使用する。従って、プラズマアーク低温炉床炉では、プラズマトーチのための不活性ガスの存在が、亜大気圧から正圧までの範囲にあり得る圧力を炉内に生じさせる。プラズマアークまたは電子ビーム低温炉床溶融炉の溶融チャンバが、例えば酸素または窒素などの、非不活性ガスで浸透される場合、非不活性ガスは、その中の溶融物質を汚染する可能性がある。それ故、外部雰囲気からのガスは、溶融チタンを含有する炉の溶融チャンバに入ることを完全にまたは実質的に阻止されるべきである。
チタンまたはそれに含有される別の反応性物質の汚染に影響を受けない連続鋳造システムを提供することが有利であろう。より一般に、チタン、他の反応性物質、ならびに金属および金属合金に一般に有用である改良された連続鋳造システムを提供することが有利であろう。
本開示の態様は、物質を溶融し鋳造するためのシステムの非限定的実施形態に関する。システムは、溶融チャンバ、二次チャンバ、および引き出しチャンバを備える。溶融チャンバは、それにおいて溶融圧力に操作可能に達するように構造化される。更に、二次チャンバは、複数の領域および少なくとも1つの圧力管理要素を備える。複数の領域は、溶融チャンバに隣接して位置付けられた第1の領域を備え、第1の領域は、溶融圧力より大きな第1の差圧にそれにおいて操作可能に達するように構造化される。各圧力管理要素は、複数の領域の隣接領域間のガスの流れを制御する。更に、引き出しチャンバは二次チャンバに隣接して位置付けられ、引き出しチャンバは、それにおいて大気圧に操作可能に達するように構造化される。
二次チャンバは内周を備え得、各圧力管理要素は、バッフルと、中心開口を通って鋳造物質を受け取るための当該中心開口と、を備え得る。各圧力管理要素のバッフルは、内周から中心開口まで延び得る。溶融チャンバは、物質を鋳造するための鋳型を備え得る。鋳造物質は、鋳型から、二次チャンバの少なくとも1つの圧力管理要素の中心開口を通って、引き出しチャンバの中に、渡され得る。複数の領域は、第1の領域に隣接した第2の領域を備え得、第2の領域は、第1の差圧より小さな第2の差圧に操作可能に達するように構造化され得る。システムは、二次チャンバの複数の領域における圧力を調整するように構造化された複数のポンプを備え得る。システムは、引き出しチャンバを二次チャンバから離して動かすように構造化された引き出しカートを備え得、引き出しチャンバは、二次チャンバから離して動かされた後にそれにおいて大気圧に達するように構造化され得る。システムは、二次チャンバから引き出された鋳造物質の方へ操作可能に延びるように構造化されたローラを備え得る。
本開示の別の態様は、物質を鋳造するための方法の非限定的実施形態に関する。方法は、溶融チャンバ、二次チャンバ、および引き出しチャンバ内の圧力を制御することを含む。溶融チャンバ内の圧力は、溶融圧力に制御される。方法はまた、鋳造物質を溶融チャンバから二次チャンバの中に渡すことを含み、二次チャンバは複数の領域を備え、複数の領域は、溶融チャンバに隣接した第1の領域を備える。方法は、物質を二次チャンバから引き出しチャンバの中に渡すことを更に含む。方法はまた、第1の領域の圧力を溶融圧力から溶融圧力より大きな第1の差圧に制御することを含む。方法は、引き出しチャンバの圧力を溶融圧力から大気圧に制御することを更に含む。
方法は、二次チャンバの第2の領域の圧力を第1の差圧より小さな第2の差圧に制御することを含み得、第2の領域は第1の領域に隣接する。方法は、二次チャンバの最後の領域の圧力を大気圧より大きな最後の差圧に制御することを含み得、最後の領域は、引き出しチャンバに隣接して操作可能に位置付けられる。方法は、二次チャンバの第2の領域と中間領域との間に位置付けられた領域における圧力を制御することを含み得、圧力は、溶融圧力から、第2の領域から中間領域まで順次減る圧力に調整される。方法は、中間領域と最後の領域との間に位置する二次チャンバの領域内の圧力を制御することを含み得、圧力は、溶融圧力から、中間領域から最後の領域まで順次増える圧力に調整される。方法は、物質を溶融するために溶融チャンバ内の物質にエネルギーを加えることを含み得る。方法は、二次チャンバを通って、引き出し機構を使用して引き出しチャンバの中に、鋳造物質を渡すことを含み得る。方法は、溶融圧力から大気圧に引き出しチャンバの圧力を制御するために、二次チャンバから引き出しチャンバを解放することを含み得る。方法は、鋳造物質に接触するように1組のローラを延ばすことを含み得る。方法は、鋳造物質を切断デバイスで切断することを含み得る。方法は、鋳造物質の切断部分をアンローディングカートの上にアンロードすることを含み得る。
本開示の更に別の態様は、連続鋳造炉のためのチャンバの非限定的実施形態に関する。チャンバは、内周、複数の領域、および複数の領域の隣接領域間のガスの流れを制御するための少なくとも1つのバッフルを備える。複数の領域は、炉の溶融チャンバに隣接して位置付けられた第1の領域を備え、溶融チャンバは、溶融圧力に操作可能に達するように構造化され、第1の領域は、溶融圧力より大きな第1の差圧に操作可能に達するように構造化される。複数の領域はまた、第1の領域に隣接して位置付けられた第2の領域を備え、第2の領域は、第1の差圧より小さな第2の差圧に操作可能に達するように構造化される。各バッフルは開口を備え、各バッフルは、チャンバの内周から開口まで延びる。
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照してより良く理解されるであろう。
本開示の少なくとも1つの非限定的実施形態に従う連続鋳造システムの概略図である。 溶融チャンバ内の溶融物質を示す図1の連続鋳造システムの部分概略図である。 二次チャンバを通して鋳造物質を引き抜く引き出しラムを示す図1の連続鋳造システムの部分概略図である。 二次チャンバのバッフルを示す図3の連続鋳造システムの詳細図である。 鋳造物質を引き出しチャンバの中に引き抜く引き出しラムを示す図1の連続鋳造システムの部分概略図である。 二次チャンバの差圧領域を示す図5の連続鋳造システムの詳細図である。 二次チャンバから解放された引き出しチャンバおよび鋳造物質の方へ延びる第1のローラを示す図1の連続鋳造システムの部分概略図である。 炉から取り外された引き出しチャンバおよび引き出しカートならびに鋳造物質の切断部分をアンロードするアンローディングデバイスを示す図1の連続鋳造システムの概略図である。 鋳造物質の切断部分を取り外すアンローディングデバイスを示す図8の連続鋳造システムの概略図である。 炉から取り外された引き出しチャンバおよび引き出しカートならびに鋳造物質をアンロードする代替のアンローディングデバイスを示す図1の連続鋳造システムの概略図である。 本開示の少なくとも1つの非限定的実施形態に従って図1の連続鋳造システムを使用するための処理を描写するフロー図である。
この明細書に開示され説明された様々な非限定的実施形態は、金属および金属合金のための連続鋳造システムに関する。一定の非限定的実施形態では、金属または金属合金は、反応性物質である。本明細書に説明され例示された1つの限定されない用途は、溶融および鋳造システムの溶融チャンバと引き出しチャンバとの間の二次チャンバであり、溶融チャンバは、プラズマアークまたは電子ビーム低温炉床溶融に適合される。しかしながら、二次チャンバは、例えば、コアレス誘導および/またはチャネル型誘導溶融に適合された溶融チャンバなどの、任意の溶融チャンバと共に使用され得ることが理解されるであろう。
様々な非限定的実施形態では、連続鋳造システムは、溶融チャンバ、引き出しチャンバ、および溶融チャンバと引き出しチャンバとの間に位置付けられた二次チャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、溶融チャンバは、その中に位置付けられた物質にエネルギーを加え得、その物質を溶融し得るエネルギー源を含むことができる。溶融物質は、鋳造のために溶融チャンバの鋳型の中に渡され得る。物質は、適切に固化されると、鋳型から取り外され得、二次チャンバを通って引き出しチャンバの中に引き出され得る。物質の全てまたは領域は、鋳型から取り外されると、依然として溶融され得るか、部分的に溶融され得ることが理解されるであろう。最初に、所望の溶融圧力が、溶融チャンバ、二次チャンバ、および引き出しチャンバの全体にわたって達せられ得る。所望の溶融圧力は、例えば、真空、大気圧より小さい中間の圧力、または大気圧を上回る正圧であり得る。所望の溶融圧力が正圧である場合、ガスは、連続鋳造システムに導入され得る。不活性ガスは、物質が非不活性ガスと反応し得る連続鋳造システムのチャンバおよび/または範囲内で使用され得る。例えば、不活性ガスは、溶融されると反応する、例えばチタンなどの物質を溶融し鋳造するための溶融チャンバ内で使用され得る。少なくとも1つの実施形態では、溶融チャンバは、連続鋳造動作の全体にわたって所望の溶融圧力に維持され得る。更に、いくつかの実施形態では、引き出しチャンバにおける圧力は、大気圧に調整され得る。例えば、引き出しチャンバは、連続鋳造システムを出る延長鋳造または鋳造物質のためのスペースを提供するために二次チャンバから解放され得る。引き出しチャンバが二次チャンバから離して動かされると、引き出しチャンバは、大気圧に達することができる。
様々な非限定的実施形態では、二次チャンバにおける圧力が、連続鋳造動作の間に調整され得るか制御され得る。例えば、二次チャンバは、複数の領域を含むことができる。その上、圧力管理要素、ならびに圧力管理要素内で開口を通って位置付けられた鋳造物質は、複数の領域の隣接領域間のガスの流れを制御し得る。換言すれば、二次チャンバにおける隣接領域は、制御され得、異なる圧力に維持され得る。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバに隣接した第1の領域は、所望の溶融圧力より少なくともわずかに高い圧力に調整され得る。少なくとも1つの実施形態では、二次チャンバの第1の領域と中間領域との間の領域は、順次および徐々に減る圧力に調整され得る。いくつかの実施形態では、引き出しチャンバに隣接した二次チャンバの最後の領域は、大気圧よりもわずかに高い圧力に調整され得る。少なくとも1つの実施形態では、中間領域と最後の領域との間の領域は、順次徐々に増える圧力に調整され得る。換言すれば、第1の領域は、第1の高圧力領域であり得、中間領域は、より低い圧力領域であり得、最後の領域は、第2の高圧力領域であり得る。
様々な非限定的実施形態では、二次チャンバは、溶融チャンバと引き出しチャンバとの間に動的エアロックを形成できる。例えば、第1の領域におけるより高い圧力および二次チャンバの第1の領域から後続領域まで減少する圧力は、ガスを、第1の領域および溶融チャンバから離して、二次チャンバの後続領域の方へ、導くか誘導することができる。ガスを溶融チャンバから離して導くことによって、溶融チャンバ内の反応性物質の汚染が回避され得る。更に、二次チャンバの最後の領域におけるより高い圧力は、引き出しチャンバからおよび/または二次チャンバの最後の領域に隣接した外部雰囲気から、ガスが最後の領域の中に流れることを阻止し得る。二次チャンバの中への大気ガスの浸透を制限することによって、溶融チャンバ内の反応性物質の汚染が更に阻止され得る。
図1〜10を参照すると、連続鋳造システム20の非限定的実施形態は、物質を溶融するおよび/または鋳造するための炉22を含み得る。様々な非限定的実施形態では、炉22は、プラズマアーク低温炉床溶融炉または電子ビーム低温炉床溶融炉を含み得る。代替の実施形態では、別の適切な炉が、連続鋳造システム20内で物質を溶融するために使用され得る。いくつかの実施形態では、連続鋳造システム20は、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および/または引き出しチャンバ80を含み得る。炉22は、例えば、溶融チャンバ30に位置付けられた物質24を溶融することができる。少なくとも1つの実施形態では、二次チャンバ50は溶融チャンバ30に隣接し得、引き出しチャンバ80は二次チャンバ50に隣接し得る。例えば、二次チャンバ50は、溶融チャンバ30と引き出しチャンバ80との間に位置付けられ得る。
図1を主に参照すると、溶融チャンバ30、二次チャンバ50および引き出しチャンバ80は、共に密閉され得るか解放可能に密閉され得る。例えば、溶融チャンバ30は、二次チャンバ50に対して密閉され得、二次チャンバ50は、引き出しチャンバ80に対して密閉され得る。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および/または引き出しチャンバ80間のシールは、鋳造動作の間に解かれ得る。例えば、本明細書において説明されるように、引き出しチャンバ80は、引き出しチャンバ80が、二次チャンバ50から離して動かされ得、それらの間のシールを解き得るように、二次チャンバ50に対して移動可能に位置付けられ得る(図7)。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80は、全体にわたって均一なもしくは実質的に均一な圧力に達し得るおよび/またはその圧力を維持し得る。例えば、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80は、共に密閉され得、所望の溶融圧力に制御され得る。様々な非限定的実施形態では、チャンバ30、50、80の少なくとも2つが、異なる圧力に制御され得る。例えば、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80における圧力は、炉22の溶融チャンバ30の中への非不活性ガスの浸透を阻止する動的エアロックを提供するために連続鋳造動作の間に調整され得る。例えば、所望の溶融圧力は正圧であり得る。最初に、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80は、正の、所望の溶融圧力に制御され得る。様々な非限定的実施形態では、チャンバ30、50、80全体にわたる圧力が、わずかなまたはほんのわずかな圧力変動だけがチャンバ30、50、80内に存在するように、均一あるいは実質的に均一であり得る。その後、引き出しチャンバ80は、例えば、大気圧に達するように外部雰囲気に開かれ得、溶融チャンバ30は、それにおいて所望の溶融圧力を維持することができる。そのような実施形態では、二次チャンバ50全体にわたる圧力が、引き出しチャンバ80内にあるおよび/または二次チャンバ50の外側にある外部雰囲気による溶融チャンバ30の浸透を阻止する動的エアロックを形成するように調整され得る。
図1を依然として参照すると、連続鋳造システム20は、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および/または引き出しチャンバ80内の圧力を制御するポンピングシステムを含み得る。ポンピングシステムは、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80を例えば真空に排気することができ、ならびに/またはチャンバ30、50、80内の圧力を例えば様々な正圧に調整することができる。様々な非限定的実施形態では、ポンピングシステムは、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80を同じ圧力に制御し得る。更にまたは代わりに、ポンピングシステムは、チャンバ30、50、80の少なくとも2つを異なる圧力に制御し得る。従って、ポンピングシステムは、様々なチャンバ30、50、80内の圧力を調整するために複数のポンプ、ガス源、および/またはガスブリードを含み得る。例えば、溶融チャンバ30は、溶融チャンバポンピングシステムを備え得、二次チャンバ50は、二次チャンバポンピングシステムを備え得、引き出しチャンバ80は、引き出しチャンバポンピングシステムを備え得る。各ポンピングシステムは、例えば、ガス源およびブリード、すなわち、充填戻しシステムを含み得る。その上、二次チャンバポンピングシステムは、差圧ポンプ60を含み得る。本明細書において説明されるように、差圧ポンプ60は、例えば、二次チャンバ50の様々な領域62における圧力を制御し得る。その上、本明細書において説明されるように、ポンピングシステムは、連続鋳造システム20内のガスの少なくとも一部分が回収され得、精製され得、連続鋳造システム20を通して再利用され得るように、閉ループまたは部分的に閉ループのシステムを形成できる。
図2を主に参照すると、連続鋳造システム20の溶融チャンバ30は、溶融および鋳造のためにその中で物質24を受け取ることができる。炉22のエネルギーまたは熱源32は、溶融チャンバ30の中に延び得、その中に位置付けられた物質24にエネルギーを与え得る。例えば、エネルギー源32は、物質24の表面にわたって高強度の電子ビームまたはプラズマアークを作り出すことができる。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30は、例えば、水冷式の銅炉床などの、容器または炉床34を含み得る。依然として図2を主に参照すると、炉床34は、物質24を保持することができる一方、熱源32は、物質24を溶融するために炉床34内に位置付けられた物質24にエネルギーを与える。
様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30は、るつぼまたは鋳型36を含み得る。溶融物質24は、例えば、鋳型36に入ることができ、例えば、鋳造物質26として鋳型36を出ることができる。次に図3を参照すると、鋳型36は、鋳造物質26が連続鋳造動作の間に鋳型36の底部を出ることができるように、底部が開放された鋳型であり得る。更に、鋳型36は、鋳造物質26の意図された形状に対応する内周を有することができる。環状内周は、例えば、シリンダーを作り出すことができ、矩形内周は、例えば、矩形角柱を作り出すことができる。様々な非限定的実施形態では、鋳型36は、例えば、約6インチから約32インチの直径を有する環状内周を有することができる。更に、様々な非限定的実施形態では、鋳型36は、例えば、約36インチ×約54インチである矩形内周を有することができる。様々な非限定的実施形態では、鋳型36は、水冷式の銅鋳型であり得る。いくつかの実施形態では、鋳型36は、溶融チャンバ30の外周の一部分を形成でき、溶融チャンバ30に対しておよび/または二次チャンバ50に対して密閉され得る。例えば、鋳型36は、溶融チャンバ30と二次チャンバ50との間に密閉された通路を形成できる。
図2および3を主に参照すると、ダブテールプレート40が、その中に可動底部表面を形成するために鋳型36に挿入され得る。ダブテールプレート40は、鋳型36から取り外され得るか引き出され得、例えば、連続鋳造動作の間に溶融炉22を通って引き抜かれ得る。少なくとも1つの実施形態では、ダブテールプレート40は、水冷式の銅プレートであり得る。様々な非限定的実施形態では、ダブテールプレート40は、引き出し要素42に接続され得、それは、引き出しラム82に接続され得る。引き出しラム82は、例えば、液圧シリンダーまたはボールねじアセンブリなどの延長および収縮機構を含み得る。様々な非限定的実施形態では、引き出しラム82は、二次チャンバ50を通って引き出しチャンバ80の中に引き出し要素42および取り付けられたダブテールプレート40を引くことができる。少なくとも1つの実施形態では、始動ブロック44は、ダブテールプレート40に挿入され得、ロッキングピン46は、ダブテールプレート40に始動ブロック44を解放可能に固定することができる。様々な非限定的実施形態では、始動ブロック44は、鋳型36からのダブテールプレート40および鋳造物質26の引き出しに役立ち得、ならびにGeltzerらの米国特許第6,273,179号に説明されるように、ダブテールプレート40からの鋳造物質26(図8)の端部の後続の切り離しに役立ち得、その米国特許の開示全体は、本明細書に参照によって組み込まれる。
図2を再び参照すると、エネルギー源32は、物質24を溶融するために炉床34内に位置付けられた物質24にエネルギーを加え得る。様々な非限定的実施形態では、溶融物質24は、炉床34から鋳型36の中に流れ得る。少なくとも1つの実施形態では、炉床34は、溶融物質24を鋳型36の中に注ぐために傾けるか倒すことができる。他の実施形態では、溶融物質24は、炉床34から鋳型36の中にあふれ出てもよい。図2を依然として参照すると、溶融物質24は、底部が開放された鋳型36の中に流れ得る。様々な非限定的実施形態では、溶融物質24が鋳型26の中に流れると、溶融物質24は、例えば、ダブテールプレート40および/または始動ブロック44を覆い得、例えば、鋳型36の側面に接触し得る。
様々な非限定的実施形態では、溶融物質24は、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、マグネシウム(Mg)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、および/またはそれらの合金などの物質を備え得、それらは、周辺の雰囲気に存在するガスと一定の温度において反応性を示し得る。例えば、チタンは、溶融されるときおよび高温で反応性を示し得る。溶融および鋳造の間に反応性物質を保護するために、溶融チャンバ30における雰囲気、ならびに連続鋳造システム20の他の範囲であって、物質が実質的に熱く、それ故に反応性を示す範囲が、制御され得る。例えば、溶融チャンバ30内の圧力は、実質的に真空まで排気され得、および/または溶融チャンバ30は、不活性ガスで充填され得る。炉22が電子ビーム低温炉床溶融炉であるとき、溶融チャンバ30の圧力は、ほぼ真空であり得、例えば、また、炉22がプラズマアーク低温炉床溶融炉であるとき、溶融チャンバ30は、例えば、亜大気圧または大気圧を上回る正圧まで、不活性ガスを充填し戻され得る。
図2および3を再び参照すると、鋳型36を充填する溶融物質24は、溶融チャンバ30と二次チャンバ50との間に溶融シール28を形成できる。様々な非限定的実施形態では、溶融物質24は、鋳型36の一部分の側壁に隣接し得る。例えば、図2および3を依然として参照すると、溶融物質24は、鋳型36を充填する物質の頂部部分または表面に沿って鋳型36の内周に隣接し得る。様々な非限定的実施形態では、溶融シール28は、それがない場合には二次チャンバ50および/または外部雰囲気から溶融チャンバ30に入り得るとともに、それにおける溶融物質24と反応し得るガスの流れを制限するならびに/あるいは阻止するバリアを提供し得る。様々な非限定的実施形態では、鋳造物質26は、鋳型36を出た直後に固化され得るか実質的に固化され得る。鋳造物質26の少なくとも外側の、周囲領域は、それが鋳型36を出る際に鋳造物質26の整合性を維持するために適切に固化される必要があることが理解されるであろう。図3を主に参照すると、溶融物質24が鋳型36における所望の高さに一旦達すると、ダブテールプレート40は、引き出しラム82によって鋳型36の開いた底部を通って収縮され得る。引き出しラム82は、引き出し固定部42、ダブテールプレート40を、そこに付着された鋳造物質26と共に、鋳型36から二次チャンバ50の方へ、引くことができる。様々な非限定的実施形態では、鋳型36における溶融物質24の高さが、連続鋳造動作の間に実質的に同じままであるように、鋳型34からの鋳造物質26の引き出しの割合が、溶融物質24が炉床34から鋳型36に入る割合に一致し得る。例えば、鋳造物質26の引き出しの割合は、約100ポンド/時間から約2000ポンド/時間までであり得る。様々な非限定的実施形態では、引き出しの割合は、例えば、約1500ポンド/時間から約5000ポンド/時間までであり得る。引き出しの割合は、溶融炉の設計、例えば、それらの断面などの鋳造物質26の寸法、ならびに/あるいは、例えば、それらの密度などの鋳造および溶融物質24、26の特性に依存し得る。
図4〜6を主に参照すると、溶融チャンバ30は、二次チャンバ50に固定され得る。例えば、溶融チャンバ30は、締め付けられ得、ボルト留めされ得、留められ得、あるいは、別の方法で、二次チャンバ50に固定され得る。少なくとも1つの実施形態では、例えば、oリングまたはガスケットが、溶融チャンバ30と二次チャンバ50との間に、それらの間に真空気密シールをもたらすために位置付けられ得る。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30および二次チャンバ50は、それらの間に位置付けられた鋳型36が、取り外され得、別の鋳型と取り換えられ得、および/または交換され得るように、解放可能に共に固定され得る。様々な非限定的実施形態では、本明細書において説明されるように、鋳型36は、溶融チャンバ30と二次チャンバ50との間に密閉された通路を形成できる。更に、二次チャンバ50は、例えば、溶融チャンバ30に隣接しておよび/または溶融チャンバ30の下に位置付けられ得る。様々な非限定的実施形態では、二次チャンバ50は、例えば、所望の溶融圧力に操作可能に制御され得る溶融チャンバ30と、例えば、大気圧に操作可能に制御され得る引き出しチャンバ80との間に動的シールまたはエアロックを形成できる。いくつかの実施形態では、二次チャンバ50は、冷却システム(図示しない)を含み得る。二次チャンバ50の壁は、水および/または他の冷却液体が、鋳造物質26による二次チャンバ50の過熱を阻止するために、また、二次チャンバ50内の鋳造物質26を冷却し続けるために、チャネルを通ってポンピングされ得るように、例えば、チャネルを含み得る。
図4〜6を依然として参照すると、二次チャンバ50は、複数の領域の隣接領域62間のガスの流れを制御する少なくとも1つの圧力管理要素64を含み得る。例えば、圧力管理要素64は、二次チャンバ50の各領域62において所望の圧力を維持するように適合され得る。いくつかの実施形態では、二次チャンバ50は、例えば、一連の圧力管理要素64を含み得る。圧力管理要素64は、例えば、Guichardらの米国特許第3,888,300号に説明されるように、バッフルまたはダイアフラム壁であり得、その米国特許の開示全体は、本明細書に参照によって組み込まれる。様々な非限定的実施形態では、圧力管理要素64は、例えば、二次チャンバ50の内周から二次チャンバ50の中心の方へ延び得る。少なくとも1つの実施形態では、圧力管理要素64は、開口66を含み得、その開口は、例えば、圧力管理要素64の中心にまたは中心の近くに位置付けられ得る。開口66は、鋳造物質26が二次チャンバ50を通って引き出される際に、その開口を通って鋳造物質26を受け取るように構造化され得る。例えば、二次チャンバ50が円筒形であり、例えば、鋳造物質26が円筒形であるとき、圧力管理要素64は、そこを通る環状開口を有する環状円盤であり得る。様々な非限定的実施形態では、圧力管理要素64を通る開口66は、鋳造物質26が隣接領域62を通って位置付けられるときに、ガスの流れを制限し、二次チャンバ50の隣接領域62間の圧力の移行を抑えるように寸法を定められ得る。その上、ローラアセンブリ(図示しない)は、Guichardらの米国特許第3,888,300号に説明されるように、二次チャンバ50内におよび/または圧力管理要素64間に位置付けられ得、そこを通って広がる鋳造物質26を支持し、その米国特許の開示全体は、本明細書に参照によって組み込まれる。
図6を主に参照すると、鋳造物質26が二次チャンバ50の領域62を通って広がるとき、圧力管理要素64は、例えば、鋳造物質26の方へ二次チャンバ50の内周から延び得る。様々な非限定的実施形態では、(複数の)圧力管理要素64、二次チャンバ50の内周、および鋳造物質26は、二次チャンバ50における領域62の境界を定義し得る。例えば、二次チャンバ50における第3の差圧領域62cは、第2の圧力管理要素64b、第3の圧力管理要素64c、二次チャンバ50の内周、および鋳造物質26によって境とされ得る。様々な非限定的実施形態では、領域62はまた、チャンバ30、50、80の1つにおける別の表面によっても境とされ得る。例えば、第1の差圧領域62aは、鋳型36の表面、第1の圧力管理要素64a、二次チャンバ50の内表面、および鋳造物質26によって境とされ得る。様々な非限定的実施形態では、各圧力管理要素64を通る開口66は、鋳造物質26が圧力管理要素64に接触すること無く圧力管理要素64を通り抜けるための十分なスペースを提供し得る。開口66は、圧力管理要素64とそこを通って広がる鋳造物質26との間の距離が最小限にされるように、例えば、鋳型36の断面よりもわずかにだけ大きくすることができる。少なくとも1つの実施形態では、鋳造物質26と圧力管理要素64との間の距離は、例えば、約2mmから約5mmまでであり得る。他の実施形態では、鋳造物質26と圧力管理要素64との間の距離は、例えば、約2mm未満であり得る。
様々な非限定的実施形態では、圧力管理要素64は、例えば、ステンレス鋼などの金属であり得る。圧力管理要素64は、例えば、Guichardらの米国特許第3,888,300号に説明されるように、水および/または他の冷却液体が内部チャネルを通って炉22を冷却するためにポンピングされ得る、当該内部チャネル(図示しない)を含み得、その米国特許の開示全体は、本明細書に参照によって組み込まれる。少なくとも1つの実施形態では、圧力管理要素64内のチャネルは、水および/または他の冷却液体が、チャンバ壁を通って、また、そこから延びる圧力管理要素64を通って、循環することができるように、チャンバ壁内のチャネルに接続することができる。様々な非限定的実施形態では、図4を主に参照すると、圧力管理要素64は、ブラシ68を含み得る。ブラシ68は、圧力管理要素64の内部周囲から鋳造物質26の方へ延び得、圧力管理要素64と鋳造物質26との間のスペースを更に削減し得る。ブラシ68は、例えば、ステンレス鋼などの金属であり得る。様々な非限定的実施形態では、ブラシ68は、鋳造物質26とブラシ68との間の接触が圧力管理要素64にダメージを与えないように、十分に柔軟であり得る。その上、様々な非限定的実施形態では、鋳造物質26とブラシ68との間の接触は、鋳造物質26を汚染しない。
図5および6を主に参照すると、圧力管理要素64は、二次チャンバ50内の隣接差圧領域62間に延び得る。例えば、第1の圧力管理要素64aは、第1の差圧領域62aと第2の差圧領域62bとの間に延び得、第2の圧力管理要素64bは、第2の差圧領域64bと第3の差圧領域62b間に延び得、第3の圧力管理要素64cは、第3の差圧領域62cと第4の差圧領域62dとの間に延び得る、などである。様々な非限定的実施形態では、第1の差圧領域62aは、溶融チャンバ20に隣接し得、および/または溶融チャンバ20の真下にあり得る。その上、第2の差圧領域62bは、例えば、第1の差圧領域62aに隣接し得、および/または第1の差圧領域62aの真下にあり得る。様々な非限定的実施形態では、最後のまたは末端の差圧領域64gが、引き出しチャンバ80に隣接し得、および/または引き出しチャンバ80の真上にあり得る。その上、少なくとも1つの実施形態では、中間差圧領域62dは、例えば、第2の差圧領域62bと最後の差圧領域62gとの間に位置付けられ得る。一定の非限定的実施形態では、少なくとも1つの付加差圧領域62cが、例えば、第2の差圧領域62bと中間差圧領域62dとの間に位置付けられ得、および/または少なくとも1つの付加差圧領域62e、62fが、例えば、中間差圧領域62dと最後の差圧領域62gとの間に位置付けられ得る。
図5および6を依然として参照すると、二次チャンバ50は、例えば、7つの差圧領域62a、62b、62c、62d、62e、62f、62gと、例えば、7つの圧力管理要素64a、64b、64c、64d、64e、64f、64gを含み得る。二次チャンバ50内の領域62および対応する圧力管理要素64の数は、例えば、溶融および鋳造物質24、26の特性ならびに/あるいは所望の溶融圧力と大気圧との間の圧力差に少なくとも依存し得る。
様々な非限定的実施形態では、図5を主に参照すると、差圧ポンプ60が、二次チャンバ50の各差圧領域62における圧力を調整し得る。例えば、差圧ポンプ60は、領域62からガスを抜き得る。少なくとも1つの実施形態では、ポンプ60は、領域62を真空または実質的真空に操作可能に排気し得る。その上、ガス源52、54および対応するガスブリード56、58は、領域62にそれにおける圧力を増加させるためにガスをポンピングし得る。様々な非限定的実施形態では、第1の複数のガスブリード56a、56b、56c、56dが、第1のガス源52から延び得、第2の複数のガスブリード58a、58b、58cが、第2のガス源54から延び得る。ガスブリード56、58は、例えば、約1SCFMから約25SCFMのガスをそれぞれの領域62に導入することができる。第1のガス源52は、例えば、第1のガスまたはガスの第1の組み合わせを保持することができ、第2のガス源54は、例えば、第2のガスまたはガスの第2の組み合わせを保持することができる。本明細書において説明されるように、様々な非限定的実施形態では、少なくとも1つのガス源52、54が、例えば、不活性ガスまたは不活性ガスの組み合わせを保持することができる。様々な非限定的実施形態では、ガス源52、54が、ガスを複数ガスブリード56、58に分配することができる。その上、差圧ポンプ60、ガス源52、54、およびガスブリード56、58は、二次チャンバ50が溶融チャンバ30と引き出しチャンバ80との間の動的エアロックを形成するように、二次チャンバ50の差圧領域62内の圧力を制御し得る。
様々な非限定的実施形態では、差圧ポンプ60が、最初に、領域62を真空または実質的真空に排気し得、その後、ガスブリード56、58が、所望の溶融圧力に等しいあるいは実質的に等しい圧力に達するようにガスを領域62に導入し得る。例えば、領域62は、例えば、約100mTorrから約10mTorrの実質的真空に排気され得る。その後、ガスブリード56、58は、例えば、約400Torrから約1000Torrの所望の溶融圧力に達するようにガスを導入することができる。様々な非限定的実施形態では、ポンピングシステムは、例えば、二次チャンバ50全体にわたって所望の溶融圧力±25Torrに圧力を制御し得る。二次チャンバ50内のガスの存在は、鋳造物質26からの熱の伝達を向上させ得、それは、鋳造物質26の固化速度を増加させ得る。換言すれば、鋳造物質26は、冷却し得、それ故、例えば、二次チャンバ50が真空または実質的真空を維持するときよりも、二次チャンバ50が不活性ガスで充填されるときにより速く固化することができる。
図5および6を参照すると、鋳造物質26が二次チャンバ50の領域62を通って位置付けられるとき、鋳造物質26、バッフル64、および二次チャンバ50の内周は、領域62の境界であって、例えば、その境界において所望の圧力が達せられ得るおよび/または維持され得る、境界を定義し得る。領域62の境界が一旦定義されると、差圧ポンプ60、ガス源52、54、および/またはガスブリード56、58は、二次チャンバ50の領域62内の圧力を調整することができる。様々な非限定的実施形態では、差圧ポンプ60は、二次チャンバ50の様々な領域62内の圧力を異なる圧力に制御し得る。例えば、一定の非限定的実施形態では、二次チャンバ50の第1の差圧領域62a内の圧力が、所望の溶融圧力を少なくともわずかに上回るように増やされ得る。例えば、第1の差圧領域62a内の圧力は、所望の溶融圧力が約825Torrから約875Torrであるときに、約880Torrから約930Torrに制御され得る。換言すれば、溶融チャンバ30と第1の差圧領域62aとの間の圧力差は、例えば、約10Torrから約50Torrであり得る。更に、一定の非限定的実施形態では、第2の差圧領域62b内の圧力が、第1の差圧領域62a内の圧力よりもわずかに下回るように制御され得る。例えば、第2の差圧領域62b内の圧力は、約825Torrから約850Torrに制御され得る。様々な非限定的実施形態では、第1の差圧領域62aと第2の差圧領域62bとの間の圧力差は、約10Torrから約50Torrであり得る。従って、一定の非限定的実施形態では、第1の差圧領域62aは、二次チャンバ50内の後続領域62b、62cなどから溶融チャンバ50を分離する高圧力領域であって、外部雰囲気内の非不活性ガスによる溶融チャンバ30の浸透を阻止する高圧力領域であり得る。
図5および6を依然として参照すると、第2の差圧領域62bと中間差圧領域62dとの間の二次チャンバ50の後続領域62c内の圧力は、例えば、徐々に減らされ得る。様々な非限定的実施形態では、圧力は、例えば、隣接領域62間で約10Torrから約100Torrだけ徐々に減らされ得る。領域62および第2の差圧領域62bと中間差圧領域62dとの間の圧力管理要素64の数ならびにサイズは、変動し得る。少なくとも1つの実施形態では、付加領域62の数が、溶融物質24および鋳造物質26の物質特性、ならびに溶融チャンバ30および引き出しチャンバ80内の圧力に依存し得る。様々な非限定的実施形態では、付加領域62の数が、鋳造物質26からの熱伝達の割合に依存し得る。例えば、少なくとも1つの領域62は、第2の差圧領域62bと中間圧力領域62dとの間に位置付けられ得る。一定の非限定的実施形態では、2つから5つの領域62が、第2の差圧領域62bと中間圧力領域62dとの間に位置付けられ得る。様々な非限定的実施形態では、5つ以上の領域62が、例えば、第2の差圧領域62bと中間圧力領域62dとの間に位置付けられ得る。鋳造物質26が中間領域62dに達した後に十分に冷却されるように、十分な数の領域62が、溶融チャンバ30と二次チャンバ50の中間領域62dとの間に位置付けられ得る。鋳造物質26は、引き出しチャンバ内の外部雰囲気への露出が汚染を引き起こさないような程度まで冷却され得る。例えば、二次チャンバ50の下部領域62e、62f、62gにおけるならびに外部雰囲気における非不活性ガスによる鋳造チタン26の反応や汚染を避けるために、鋳造チタン26が中間差圧領域62dに達すると、鋳造チタン合金は、約1000未満〜1200°Fまで冷却され得る。
依然として図5および6を主に参照すると、中間差圧領域62d内の圧力は、二次チャンバ50の隣接領域内の圧力未満に制御され得る。例えば、中間差圧領域62dの真上および真下にある領域内の圧力は、中間差圧領域62d内の圧力を超え得る。換言すれば、中間差圧領域62dは、第1の差圧領域62aと最後の差圧領域62gとの間の低圧力領域であり得る。一定の非限定的実施形態では、中間差圧領域62d内の圧力は、例えば、約250Torrから約300Torrであり得る。様々な非限定的実施形態では、中間差圧領域62d内の圧力は、例えば、約100Torrから約400Torrであり得る。
図5および6に例示された実施形態を依然として参照すると、中間差圧領域62dと最後の差圧領域62gとの間の二次チャンバ50の後続領域62e、62f内の圧力は、徐々に増やされ得る。様々な非限定的実施形態では、圧力が、例えば、隣接領域62間で約10Torrから約100Torrだけ徐々に増やされ得る。領域62および中間差圧領域62dと最後の差圧領域62gとの間の圧力管理要素64の数ならびにサイズは、変動し得る。少なくとも1つの実施形態では、付加領域62の数が、溶融物質24および鋳造物質26の物質特性、ならびに溶融チャンバ30および引き出しチャンバ80内の圧力に依存し得る。様々な非限定的実施形態では、付加領域62の数は、最後の差圧領域62g内の圧力を大気圧よりもわずかに大きくなるように徐々に増やすのに十分であり得る。例えば、少なくとも1つの領域62が、中間差圧領域62dと最後の圧力領域62gとの間に位置付けられ得る。一定の非限定的実施形態では、2つから5つの領域62が、中間差圧領域62dと最後の圧力領域62gとの間に位置付けられ得る。様々な非限定的実施形態では、5つ以上の領域62が、中間差圧領域62dと最後の差圧領域との間に位置付けられ得る。
最後の差圧領域62gは、引き出しチャンバ80に隣接し得るおよび/または引き出しチャンバ80より上にあり得る。様々な非限定的実施形態では、最後の差圧領域62gが、大気圧よりも少なくともわずかに大きい圧力に達し得る。例えば、一定の非限定的実施形態では、最後の差圧領域62g内の圧力は、約740Torrから約850Torrであり得、および/または最後の差圧領域62g内の圧力と大気圧との間の差は、例えば、約10Torrから約100Torrであり得る。換言すれば、最後の差圧領域62gは、二次チャンバ50内の第2の高圧力領域であり得る。
本明細書において説明されるように、溶融シール28は、溶融チャンバ30と引き出しチャンバ80との間にシールを提供する。溶融シール28が解かれる場合でも、二次チャンバ50の動的エアロックが、溶融チャンバ30の汚染を阻止するように第2のシールを提供し得る。更に、二次チャンバ50は、鋳造物質26が非不活性ガスに反応性を示す温度に依然としてある二次チャンバ50内に位置付けられた鋳造物質26の汚染を阻止することができる。ガスは、第1の差圧領域62a、すなわち、比較的高い圧力領域から離れて、中間差圧領域62d、すなわち、比較的低い圧力領域の方へ導かれるので、第1の差圧領域62aは、汚染を阻止することができる。換言すれば、ガスは、溶融チャンバ30から離れて、二次チャンバ50の中間領域62dの方へ導かれる。その上、溶融シール28が解かれた場合に、溶融チャンバ30内のガスは、二次チャンバ50を目指して溶融チャンバ30から漏れようとしないので、第1の差圧領域62aは、溶融チャンバ30内の圧力変動を減らすことができる。逆に、例えば、溶融シール28が解かれ、溶融チャンバ30が正圧で動作され、第1の差圧領域62aが真空またはより低い正圧で動作された場合、ガスは、二次チャンバ50を目指して溶融チャンバ30から漏れようとし、それ故、溶融チャンバ30内の圧力変動を作り出す。
その上、二次チャンバ50の外側のおよび/または引き出しチャンバ80内の非不活性ガスは、最後の差圧領域62g、すなわち、高圧力領域から離れて、外部雰囲気、すなわち、より低い圧力領域の方へ導かれるので、最後の差圧領域62gは、溶融チャンバ30の汚染を阻止することができる。換言すれば、最後の差圧領域62gは高圧力領域であるので、外部雰囲気における非不活性ガスは、外部雰囲気から二次チャンバ50の最後の差圧領域62gの中に流れようとしない。その上、最後の差圧領域62gから中間差圧領域62dに減っていく圧力は、最後の差圧領域62dの方ではなくて、中間差圧領域62dの方へガスの流れを導くことになる。
図6を再び参照すると、第1のガス源52は、例えば、第1のガスまたはガスの第1の組み合わせを保持することができ、第2のガス源54は、例えば、第2のガスまたはガスの第2の組み合わせを保持することができる。その上、様々な非限定的実施形態では、少なくとも第1のガスまたはガスの第1の組み合わせは、不活性ガスまたは不活性ガスの組み合わせ、例えばヘリウムおよび/またはアルゴンなどであり得る。第1のガス源52は、第1の差圧領域62a、または第1の高圧力領域から、中間差圧領域62d、または低圧力領域を通って、二次チャンバ50内の領域62にガスを供給することができる。換言すれば、第1のガス源52は、低圧力領域または中間差圧領域62dを通って溶融チャンバ30に隣接した第1の高圧力領域62aから徐々に減る圧力の領域62に接続され得る。溶融チャンバ30に隣接した領域62における不活性ガスの存在は、溶融シール28が解かれる場合、非不活性ガスではなくて、不活性ガスが、溶融チャンバ30に入り得、それ故、溶融チャンバ30内の溶融物質24の汚染が実質的に阻止され得ることを確実にし得る。差圧ポンプ60およびガスブリード56は、それにおける圧力を調整するために、それらの領域62から不活性ガスを引き抜き得、ならびに/あるいは不活性ガスをそれらの領域62に導入し得る。本明細書において説明されるように、鋳造物質26が中間差圧領域62dを出る前に、鋳造物質26は、それが非不活性ガスに対して反応性を示さないように、十分に冷却され得る。しかしながら、鋳造物質26は、第1の差圧領域62aと中間差圧領域62dとの間で十分に熱くすることができ、反応性を示し得る。従って、例えば、ガスを差圧領域62a、62b、62c、62dに供給する第1のガス源52は、それらを通って広がる潜在的に反応性を示す鋳造物質26の汚染を避けるために、不活性ガスを供給するべきである。
依然として図6を主に参照すると、第2のガス源54が、中間差圧領域62dの後ろに位置付けられた二次チャンバ50内の領域62に、また、最後の差圧領域62gまたは第2の高圧力領域を通って、ガスを供給し得る。例えば、非不活性のガスまたは複数ガス、例えば圧縮空気などが、その中に位置付けられた鋳造物質26の汚染の危険性を冒さずに、第2のガス源54によって供給され得る。例えば、鋳造物質26は、それが非不活性ガスに対して反応性を示さないように、それが中間領域62dから排出されるときに十分に冷却され得る。代替の実施形態では、第2のガス源54は、同様に、不活性ガスを含み得るか、不活性ガスから本質的に成り得る。
様々な非限定的実施形態では、差圧ポンプ60が、ガス回収システム(図示しない)に接続され得る。連続鋳造システム20において使用される不活性ガスは、高価であり得、それ故、ガス回収システムは、将来の使用のために不活性ガスを回収し再利用しようとし得る。例えば、ガス回収システムは、二次チャンバ50の領域62からガスをポンピングし得、引き出されたガスを圧縮し得、浄化システムを通してガスを処理し得、そのガスをガス源52、54に戻し得る。換言すれば、ガスは、システムを通して再利用され得る。様々な非限定的実施形態では、ガス回収システムの浄化システムは、溶融炉22の外部にあり得る。いくつかの実施形態では、例えば、不活性ガスが第1のガス源52によって二次チャンバ50の上部領域62a、62b、62c、62dに供給される場合、ならびに、例えば、非不活性ガスが第2のガス源54によって二次チャンバ50の下部領域62e、62f、62gに供給されるとき、第1の差圧領域62aから中間差圧領域62dに徐々に減っていく圧力が、例えば、それらの領域62a、62b、62c、62dにおいて使用された不活性ガスの回収を可能にし得る。少なくとも1つの実施形態では、少量の非不活性ガスが、中間差圧領域62dに流れ得、それは、隣接の下部領域62eから、連続鋳造動作の間により低い圧力に制御される。様々な非限定的実施形態では、隣接領域62間のガスの流れの量が、最小限にされ得る。例えば、ガスの流れの量は、鋳造物質26と圧力管理要素64との間のスペース、ならびに隣接領域62間の圧力差に依存し得る。様々な非限定的実施形態では、中間差圧領域62dに対応する中間差圧ポンプ64dが、中間差圧領域62dからガスを引き出し得る。回収処理の間、例えば、ポンプ64dによって引き出された少量の非不活性ガスは、不活性ガスがチャンバ内の連続鋳造システム20および/または物質24、26が反応性を示す領域を通って再利用され得るように、ガスが第1のガス源52に戻される前に除去され得る。逆に、低圧力領域62dまで徐々に減らされるのではなくて第1の差圧領域62aの後に二次チャンバ50内の圧力が大気圧まで増やされた場合には、第1の差圧領域62aにおける不活性ガスが、例えば、外部雰囲気に漏れ得る。
様々な非限定的実施形態では、図6および7を主に参照すると、引き出しチャンバ80が、二次チャンバ50に隣接して位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、引き出しチャンバ80が、二次チャンバ50に対して移動可能に位置付けられ得る。引き出しチャンバ80が二次チャンバ50に隣接して位置付けられるとき、二次チャンバ50および引き出しチャンバ80は、共に密閉され得る。oリングまたはガスケット70(図6)が、例えば、引き出しチャンバ80と二次チャンバ50との間に、それらの間に真空気密シールをもたらすために位置付けられ得る。更にまたは代わりに、液圧式駆動ロック(図示しない)が、例えば、二次チャンバ50に対して引き出しチャンバ80を密閉することができる。様々な非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80が、溶融チャンバ30と同じ圧力に、すなわち、所望の溶融圧力に制御され得る。本明細書において説明されるように、引き出しチャンバ80は、連続鋳造動作の間に大気圧に操作可能に達し得、二次チャンバ50は、所望の溶融圧力に維持され得る溶融チャンバ30と、引き出しチャンバ80との間に動的エアロックを提供し得る。
図1を主に参照すると、解放または引き出しカート100が、引き出しチャンバ80に隣接しておよび/または引き出しチャンバ80の下に位置付けられ得る。引き出しカートは、プラットフォーム102を含み得、そのプラットフォーム102は、例えば、引き出しチャンバ80を支持し得る。いくつかの実施形態では、引き出しカート100の動作は、引き出しチャンバ80を上げおよび/または下げ得る。例えば、引き出しカート100は、第2の引き出しラム104を含み得、それは、引き出しプラットフォーム102を二次チャンバ50に対して上向きや下向きに操作可能に動かし得る。様々な非限定的実施形態では、引き出しラム104が、二次チャンバ50から引き出しチャンバ80を解放するために引き出しプラットフォーム102を下向きに引き抜き得る。引き出しチャンバ80の解放は、引き出しチャンバ80を外部雰囲気に対して開くことができる。換言すれば、引き出しチャンバ80と二次チャンバ50との間のシールは、引き出しチャンバ80が二次チャンバ50から離れて分離されるか動かされるときに解かれ得る。しかしながら、引き出しチャンバ80が外部雰囲気に対して開き大気圧に達するときでさえ、溶融チャンバ30内の溶融物質24は、本明細書において説明された、二次チャンバ50の溶融シール28および動的エアロックによって雰囲気内の非不活性ガスから保護されたままとすることができる。図1および8を参照すると、引き出しカート100が、誘導トラックまたはレール106上に位置付けられ得る。引き出しカート100は、例えば、車輪を含み得、また、動作位置(図1)と準備位置(図8)との間でトラックまたは複数トラック106に沿って転がり得る。様々な非限定的実施形態では、第2の引き出しラム104がプラットフォーム102を引き出して、引き出しチャンバ80を下げるために一旦折り畳まれると、引き出しカート100は、準備位置に動くことができる。
図7を再び参照すると、連続鋳造システム20は、第1の組のローラ92を含み得る。様々な非限定的実施形態では、第1の組のローラ92が、収縮位置(図5)と延長位置(図7)との間で動くように構成され得る。例えば、第1の組のローラが延長位置にあるときに第1の組のローラ92が鋳造物質26に接触し得るように、第1の組のローラ92は、鋳造物質26の方へ延び得る。様々な非限定的実施形態では、第1の組のローラ92は、引き出しチャンバ80が収縮されたおよび/または二次チャンバ50から解放された後に、鋳造物質26に接触し得る。例えば、第1の組のローラ92が、引き出しチャンバ80の収縮の前に鋳造物質26まで延びることを阻止されるように、第1の組のローラ92は、引き出しチャンバ80によってブロックされ得る。一定の非限定的実施形態では、第1の組のローラ92は、鋳造物質26の引き出し速度を制御することに役立ち得る。換言すれば、第1の組のローラ92の回転の速度は、鋳造物質26が鋳型36を出る速度に影響を及ぼし得る。
次に図8を参照すると、連続鋳造システム20が、第2の組のローラ94を含み得る。様々な非限定的実施形態では、第2の組のローラ94が、収縮位置(図5)と延長位置(図8)との間を動くように構成され得る。例えば、第2のローラ94が延長位置にあるときに、第2の組のローラ94のローラが鋳造物質26に接触するように、第2の組のローラ94は、鋳造物質26の方へ延び得る。様々な非限定的実施形態では、第2の組のローラ94は、引き出しチャンバ80が収縮されたおよび/または二次チャンバ50から解放された後に、鋳造物質26に接触し得る。例えば、第2の組のローラ94が、引き出しチャンバ80の収縮の前に鋳造物質26まで延びることを阻止されるように、第2の組のローラ94は、引き出しチャンバ80によってブロックされ得る。いくつかの実施形態では、第2の組のローラ94は、鋳造物質26の引き出し速度を制御するのに役立ち得る。換言すれば、一定の非限定的実施形態では、第2の組のローラ92の回転の速度は、鋳造物質26が二次チャンバ50を出る速度に影響を及ぼし得る。更に、第2の組のローラ94は、本明細書において説明されるように、鋳造物質26をアンローディングデバイスの上に導き得る。様々な非限定的実施形態では、依然として図8を主に参照すると、切断デバイス96は、鋳造物質26が二次チャンバ50を通って引き抜かれた後に、鋳造物質26を切断することができる。切断デバイス96は、例えば、第1の組のローラ92の下で、および/または、例えば、第2の組のローラ94の上で、鋳造物質26を切断することができる。
次に図8および9を参照すると、一定の非限定的実施形態では、第1のアンローディングデバイス110が、テレスコーピング支持機構112および/または把持部114を含み得る。把持部114は、例えば、第1のおよび/または第2の組のローラ92、94の下で、鋳造物質26を固定するか把持することができる。更に、様々な非限定的実施形態では、テレスコーピング支持機構112が、把持部114を保持することができる。少なくとも1つの実施形態では、テレスコーピング支持機構112は、把持部114によって保持された鋳造物質26を低くするために折り畳むか部分的に折り畳むことができる。テレスコーピング支持機構112は、例えば、垂直構成(図8)から水平構成(図9)に鋳造物質26を動かすように折り畳むことができる。図9を主に参照すると、第1のアンローディングデバイス110は、例えば、連続鋳造システム20から離れて鋳造物質26の切断部分を動かすように誘導トラック106に沿って動かすまたは転がすことができる。
次に図10を参照すると、様々な非限定的実施形態では、連続鋳造システム20は、第2のアンローディングデバイス118を含み得る。様々な非限定的実施形態では、第2のアンローディングデバイス118が、付加ローラ122を保持する支持部材120を含み得る。一定の実施形態では、付加ローラ122は、支持部材120によっておよび/または付加ローラ122によって形成された経路に沿って鋳造物質26を進ませることができる。ローラ122は、例えば、曲線経路に沿って鋳造物質26を進ませることができ、また、例えば、垂直構成から水平構成に鋳造物質26を進ませることができる。様々な非限定的実施形態では、支持部材120が鋳造物質26を所望の構成に導いた後に、切断デバイス96は、鋳造物質26の部分を切断することができる。
図1〜11を主に参照すると、連続鋳造システム20の動作は、開始段階202および連続鋳造段階204を含み得る。様々な非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80が、鋳造動作の開始段階202の間に二次チャンバ50に対して密閉され得る。一定の非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80が二次チャンバ50から解放されると、鋳造動作の連続鋳造段階204が始まり得る。開始段階202のステップ210で、ポンピングシステムは、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80を真空または実質的真空に排気し得る。例えば、一定の非限定的実施形態では、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80における圧力が、約100mTorrから約10mTorrの範囲に真空排気され得る。様々な非限定的実施形態では、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80は、低い漏れ率を有し得る。例えば、様々な非限定的実施形態では、チャンバ30、50、80が、約10mTorr増加/分から約5mTorr増加/分未満までの漏れ率を有し得る。溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80間のシールの整合性は、確認され得る。ステップ212で、ポンピングシステムは、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80内の圧力を所望の溶融圧力に制御し得る。例えば、所望の溶融圧力が正圧であると、チャンバ30、50、80は、所望の溶融圧力に達するように不活性ガスで充填し戻され得る。
様々な非限定的実施形態では、所望の溶融圧力が、溶融チャンバ30、二次チャンバ50、および引き出しチャンバ80全体にわたって一旦達せられると、ステップ214が開始され得る。ステップ214で、エネルギーが、物質24を溶融するために溶融チャンバ30内の物質24に加えられ得る。その後、ステップ216で、溶融物質24は、溶融チャンバ30から、二次チャンバ50を通って、引き出しチャンバ80の中に、渡され得る。例えば、物質は、溶融物質24として鋳型36に入ることができ、鋳造物質26として鋳型36を出ることができる。鋳造物質26は、次いで、例えば、二次チャンバ50を通り、引き出しチャンバ80の中に渡る。
その上、開始段階202のステップ218で、第1の差圧領域62a内の圧力が、所望の溶融圧力よりも少なくともわずかに大きな第1の差圧に制御され得る。その上、ステップ220で、第2の差圧領域62b内の圧力が、第1の差圧よりも少なくともわずかに小さい第2の差圧に制御され得る。換言すれば、第1の差圧領域62aは、二次チャンバ50の後続領域62から溶融チャンバ30を分離するとともに外部雰囲気における非不活性ガスによる溶融チャンバ30の汚染を阻止する高圧力領域であり得る。
更に、開始段階202のステップ222で、(複数の)後続領域62における圧力が、例えば、第2の差圧領域62bと中間差圧領域62dとの間で徐々に減らされ得る。更に、ステップ224で、中間差圧領域62dが、例えば、二次チャンバ50の領域62において最も低い圧力である中間差圧に制御され得る。換言すれば、中間差圧領域62dは、第1の差圧領域62aと最後の差圧領域62gとの間の低圧力領域であり得る。その上、ステップ226で、中間差圧領域62dと最後の差圧領域62gとの間の後続領域内の圧力は、例えば、大気圧の方へ徐々に増やされ得る。更に、ステップ228で、最後の差圧領域62gにおける圧力が、例えば、大気圧よりも少なくともわずかに大きいように制御され得る。
鋳造物質26が、領域62の側面を定義する圧力管理要素64を通って一旦位置付けられると、隣接領域62は、異なる圧力を維持するか実質的に維持することができる。従って、様々な非限定的実施形態では、各領域における圧力が、鋳造物質26がそれぞれの領域62を通って広がった後に、いつでも制御され得る。様々な非限定的実施形態では、二次チャンバ50の領域62における圧力が、鋳造物質26が二次チャンバ50全体を通過し引き出しチャンバ80に入った後に、異なる動作圧力、すなわち、第1の差圧、中間差圧、最後の差圧などに、同時に制御され得る。換言すれば、ステップ218、220、222、224、226、および228は、同時に開始され得る。例えば、鋳造物質26が引き出しチャンバ80に一旦入ると、ポンピングシステムは、ステップ218、220、222、224、226、および228を開始するように作動され得る。更にまたは代わりに、領域62における圧力が、鋳造物質26が二次チャンバ50を通って進む際に、順次制御され得る。例えば、ステップ218は、後にステップ220が続き得、ステップ220は、後にステップ222が続き得、ステップ222は、後にステップ224が続き得、ステップ224は、後にステップ226が続き得、ステップ226は、後にステップ228が続き得る。様々な非限定的実施形態では、各領域62における圧力が、鋳造物質が領域62を通過した後に調整され得る。他の実施形態では、それらのステップは、異なる順序で実行され得る。
また、ステップ230における開始段階202の間、引き出しチャンバ80が大気圧に制御され得る。様々な非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80が、大気圧に達するように二次チャンバ50から解放され得る。換言すれば、引き出しチャンバ80の解放は、二次チャンバ50と引き出しチャンバ80との間のシールを解くことができる。その上、引き出しチャンバ80が二次チャンバから解放されると、連続鋳造システム20は、鋳造物質26が鋳型36から広がり続けるように動作することができる。様々な非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80は、鋳造物質26の広がっている長さのためのスペースを提供するように二次チャンバ50から解放される。
鋳造動作の連続鋳造段階204の間、溶融物質24は、二次チャンバ50を通って溶融チャンバ30から渡され続け得る。すなわち、ステップ232。様々な非限定的実施形態では、引き出しチャンバ80が、二次チャンバ50から解放されおよび/または取り外されたままであり得る。従って、鋳造物質26は、外部雰囲気の中に、全体にわたって様々な差圧に制御される、二次チャンバ50を通って、所望の溶融圧力に維持される、溶融チャンバ30から流れ続け得る。二次チャンバ50の溶融シール28や動的エアロックは、引き出しチャンバ内および/または二次チャンバ50の外側の外部雰囲気による溶融チャンバ30の汚染を阻止することができる。その上、様々な非限定的実施形態では、ステップ234で、鋳造物質が、第1のおよび/または第2の組のローラ92、94間で転がされ得、ステップ236で、鋳造物質26が、切断デバイス96によって切断され得、ならびに/あるいは、ステップ238で、鋳造物質26が、例えばアンローディングデバイス110、118の1つによってアンロードされ得る。鋳造物質26は、例えば、鋳造物質26が切断デバイス96によって切断される前および/または切断された後に、第1のおよび/または第2の組のローラ92、94間で転がされ得る。更に、鋳造物質26は、例えば、鋳造物質26がアンローディングデバイス110、118の1つによってアンロードされる前および/またはアンロードされた後に、切断デバイス96によって切断され得る。連続鋳造動作の連続鋳造段階204は、付加物質24が鋳型36の中に供給されなくなるまで続き得る。
本明細書において説明された装置、システム、および方法の様々な実施形態は、反応性金属や金属合金の鋳造と関係して考察されたが、本発明は、そのように限定されず、溶融されるときにまたは高い温度において反応性を示すか否かを問わず、任意の金属または金属合金の鋳造と関係して使用され得ることが理解されるであろう。
様々な実施形態が、開示されたデバイスおよび方法の要素、ステップ、ならびに使用の全体的な理解をもたらすために、この明細書において説明され例示された。この明細書において説明され例示された様々な実施形態は、限定されないおよび包括的でないことが理解される。それ故、本発明は、この明細書に開示された様々な限定されないおよび包括的でない実施形態の説明によって限定されない。適切な状況において、様々な実施形態と関係して説明された特徴や特性は、他の実施形態のステップ、構成要素、要素、特徴、態様、特性、限定、および同様のものと組み合わされ得、修正され得、または再編成され得る。そのような修正や変形は、この明細書の範囲内に含まれることが意図される。そのように、特許請求の範囲は、この明細書において明確にもしくは本質的に説明された、あるいは、そうではない場合、この明細書によって明確にもしくは本質的に裏付けられた、任意の要素、ステップ、限定、特徴、および/または特性を記載するように補正され得る。更に、出願人は、そのような特徴が本明細書において明示的に説明されるかにかかわらず、先行技術に存在する要素、ステップ、限定、特徴、および/または特性を肯定的に放棄するために特許請求の範囲を補正する権利を有する。従って、任意のそのような補正は、35 U.S.C.§112、第1段落、および35 U.S.C.§132(a)の要件に従う。この明細書において開示され説明された様々な実施形態は、本明細書において様々に説明されたような、ステップ、限定、特徴、および/または特性を備え得、それらから成り得、あるいはそれらから本質的に成り得る。
任意の特許、刊行物、または本明細書において識別される他の開示物は、別段示されない限り、しかしながら、組み込まれた物が既存の定義、記述、またはこの明細書に明確に規定された他の開示物と矛盾しないという範囲でだけ、その全体がこの明細書に参照によって組み込まれる。そのように、また、必要な範囲で、この明細書に規定されたような明確な開示は、本明細書に参照によって組み込まれる任意の矛盾する物に優先する。この明細書に参照によって組み込まれると言われる、任意の物、またはそれらの一部分であって、しかしながら、既存の定義、記述、または本明細書に規定された他の開示物と矛盾するものが、その組み込まれた物と既存の開示物との間に矛盾が生じないという範囲でだけ組み込まれる。出願人は、本明細書に参照によって組み込まれる任意の主題、またはそれの一部分を明確に記載するためにこの明細書を補正する権利を有する。
文法的冠詞「1つの(one)」、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、この明細書において使用される場合や使用される際に、別段示されない限り、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を含むことが意図される。それ故、それらの冠詞は、その冠詞の文法的目的語の1つまたは1つ以上のこと(すなわち、「少なくとも1つの」こと)を言うためにこの明細書において使用される。例として、「構成要素」は、1つまたは複数の構成要素を意味し、それ故、1つ以上の構成要素が企図される可能性があり、説明された実施形態の実施において用いられ得るか使用され得る。更に、別段、使用法の文脈が要求しない限り、単数名詞の使用は複数形を含み、複数名詞の使用は単数形を含む。

Claims (25)

  1. 物質を溶融し鋳造するためのシステムであって、
    溶融圧力に操作可能に達するように構造化された溶融チャンバと、
    二次チャンバであって、
    前記溶融チャンバに隣接して位置付けられた第1の領域を備える複数の領域と、
    少なくとも1つの圧力管理要素であって、各圧力管理要素が、前記複数の領域の隣接領域間のガスの流れを制御し、前記第1の領域は、前記溶融圧力より大きな第1の差圧に操作可能に達するように構造化される、少なくとも1つの圧力管理要素と、を備える、二次チャンバと、
    前記二次チャンバに隣接して位置付けられた引き出しチャンバであって、大気圧に操作可能に達するように構造化された、引き出しチャンバと、を備える、システム。
  2. 前記二次チャンバは内周を備え、各圧力管理要素が、
    バッフルと、
    鋳造物質を中心開口を通って受け取るための前記中心開口と、を備え、前記各圧力管理要素の前記バッフルが、前記内周から前記中心開口に延びる、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記溶融チャンバは、鋳造物質のための鋳型を備え、前記鋳造物質は、前記鋳型から、前記二次チャンバの前記少なくとも1つの圧力管理要素の前記中心開口を通って、前記引き出しチャンバの中に、渡されるように構造化される、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記複数の領域が、前記第1の領域に隣接した第2の領域を備え、前記第2の領域が、前記第1の差圧より小さな第2の差圧に操作可能に達するように構造化される、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記二次チャンバの前記複数の領域における圧力を調整するように構造化された複数のポンプを備える、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記第1の領域に対応する前記ポンプが、鋳造物質の一部分が前記第1の領域を通って広がるときに、記溶融圧力から前記第1の差圧に前記第1の領域の圧力を調整するように構造化される、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記複数の領域が、前記引き出しチャンバに隣接した最後の領域を備え、前記最後の領域に対応する前記ポンプが、鋳造物質の一部分が前記最後の領域を通って広がるときに、前記最後の領域における圧力を前記溶融圧力から最後の差圧に調整するように構造化され、前記最後の差圧は大気圧より大きい、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記複数の領域は、前記第1の領域と前記最後の領域との間に中間領域を備え、前記中間領域に対応する前記ポンプが、鋳造物質の一部分が前記中間領域を通って広がるときに、前記中間領域における圧力を前記溶融圧力から中間差圧に調整するように構造化され、前記中間差圧は、前記第1のおよび最後の差圧より小さい、請求項5に記載のシステム。
  9. 前記複数のポンプが、前記第1の領域から前記中間領域までの隣接領域間の圧力を操作可能に減少させ、前記中間領域から前記最後の領域までの隣接領域間の圧力を操作可能に増加させる、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記複数の領域の各領域の中に圧力を生成するために前記各領域におけるガスの量を調整するように構造化された複数のポンプを備え、前記第1の領域から前記中間領域までの前記領域における前記ガスは、不活性ガスから本質的に成る、請求項1に記載のシステム。
  11. 前記引き出しチャンバを前記二次チャンバから離して動かすように構造化された引き出しカートを備え、前記引き出しチャンバは、前記二次チャンバから離して動かされると大気圧に達するように構造化される、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記二次チャンバから引き出された鋳造物質の方へ操作可能に延びるように構造化されたローラを備える、請求項1に記載のシステム。
  13. 物質を鋳造するための方法であって、
    溶融チャンバ、二次チャンバ、および引き出しチャンバにおける圧力を溶融圧力に制御することと、
    前記溶融チャンバから前記二次チャンバの中に鋳造物質を渡すことであって、前記二次チャンバが複数の領域を備え、前記複数の領域が、前記溶融チャンバに隣接した第1の領域を備える、渡すことと、
    前記二次チャンバから前記引き出しチャンバの中に前記物質を渡すことと、
    前記第1の領域の圧力を前記溶融圧力から前記溶融圧力より大きな第1の差圧に制御することと、
    前記引き出しチャンバの圧力を前記溶融圧力から大気圧に制御することと、を含む、方法。
  14. 前記溶融チャンバ、二次チャンバ、および引き出しチャンバを、それらにおける前記圧力を前記溶融圧力に制御する前に、実質的真空に排気することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記二次チャンバの第2の領域の圧力を前記第1の差圧より小さな第2の差圧に制御することを含み、前記第2の領域が前記第1の領域に隣接する、請求項13に記載の方法。
  16. 前記二次チャンバの最後の領域の圧力を大気圧より大きな最後の差圧に制御することを含み、前記最後の領域が、前記引き出しチャンバに隣接して操作可能に位置付けられる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記第2の領域と中間領域との間に位置付けられた領域における圧力を制御することを含み、前記圧力は、前記溶融圧力から、前記第2の領域から前記中間領域に順次減る圧力に調整される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記中間領域と前記最後の領域との間の領域における圧力を制御することを含み、前記圧力は、前記溶融圧力から、前記中間領域から前記最後の領域に順次増える圧力に調整される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記物質を溶融するために前記溶融チャンバ内の物質にエネルギーを加えることを含む、請求項13に記載の方法。
  20. 前記鋳造物質を前記二次チャンバを通して、前記引き出しチャンバの中に渡すことを含み、引き出し機構は、前記鋳造物質をそれらを通して渡すように動く、請求項13に記載の方法。
  21. 前記引き出しチャンバの前記圧力を前記溶融圧力から大気圧に制御するために、前記引き出しチャンバを前記二次チャンバから解放することを含む、請求項13に記載の方法。
  22. 前記鋳造物質に接触するように1組のローラを延ばすことを含む、請求項13に記載の方法。
  23. 切断デバイスで前記鋳造物質を切断することを含む、請求項13に記載の方法。
  24. 前記鋳造物質の切断部分をアンローディングカートの上にアンロードすることを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 連続鋳造炉のためのチャンバであって、
    内周と、
    複数の領域であって、
    前記炉の溶融チャンバに隣接して位置付けられた第1の領域であって、前記溶融チャンバが、溶融圧力に操作可能に達するように構造化され、前記第1の領域が、前記溶融圧力より大きな第1の差圧に操作可能に達するように構造化される、第1の領域と、
    前記第1の領域に隣接して位置付けられた第2の領域であって、前記第2の領域が、前記第1の差圧より小さな第2の差圧に操作可能に達するように構造化される、第2の領域と、を備える、複数の領域と、
    前記複数の領域の隣接領域間のガスの流れを制御するための少なくとも1つのバッフルであって、各バッフルが開口を備え、各バッフルが前記チャンバの前記内周から前記開口に延びる、少なくとも1つのバッフルと、を備える、チャンバ。
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