JP2015529613A - 磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法に関し、前記方法は、前記ガラスシートが水平ローラコンベヤ上を前記ローラコンベヤのローラの最大寸法に対して垂直な方向に移動するとき、以下のステップ:(i)コンベヤに横たわる面の反対側のガラスシートの面に液体組成物を層の形態で堆積させるステップであって、組成物が磁気的に方向付け可能な粒子を含むステップ、(ii)液体組成物の層を含むガラスシートを磁界に選択的に露出するステップ、および(iii)液体組成物を硬化させるステップ、を連続的に含む。本発明によれば、磁界に選択的に露出するステップは、コンベヤの少なくとも1つのローラを用いて実行され、ローラは、その表面に組み込まれた永久磁性材料から作製された少なくとも1つの要素を含み、それによりコンベヤ上を移動するシートの領域に磁力線を発生させる。【選択図】図3
Description
本発明は、ガラスシートに堆積された層内に、浮彫りの錯覚、または三次元の錯覚、または厚さの錯覚を生じさせるパターンを形成するための方法に関する。特に、本発明は、ガラスシートに堆積された層の中に磁気的に誘起されるパターンを形成するための方法に関する。
本方法により製造が可能になるガラスシートは装飾パターンを示すので、本発明の方法は装飾の分野での適用を特に示す。
磁気的に誘起されるパターンを含む剛性または柔軟性の平らな基板またはシートを製造するためのいくつかの方法がすでに知られている。これら方法のほとんどは以下の連続的な主要ステップ:
・磁化可能または磁気的に方向付け可能な粒子を含む液体組成物を層の形態で基板に堆積させるステップ、
・組成物がまだ流体である間、従って粒子がまだ層内で移動できる間、前記粒子を選択的に磁化し、適用された磁界の線に沿った粒子の方向付けとパターンの形成とをもたらすステップ、および
・粒子を固定し、従って層内に形成されたパターンを固定するために、組成物を乾燥、硬化および/または架橋するステップ
を使用する。
・磁化可能または磁気的に方向付け可能な粒子を含む液体組成物を層の形態で基板に堆積させるステップ、
・組成物がまだ流体である間、従って粒子がまだ層内で移動できる間、前記粒子を選択的に磁化し、適用された磁界の線に沿った粒子の方向付けとパターンの形成とをもたらすステップ、および
・粒子を固定し、従って層内に形成されたパターンを固定するために、組成物を乾燥、硬化および/または架橋するステップ
を使用する。
既に記載された方法において、磁化/磁気誘起の方法は異なる。米国特許第3,676,273号明細書では、パターンは、基板(例えばアルミニウムパネル)上に堆積される磁化可能顔料を含む(例えばアクリルペイントの)層の中に形成されるが、(磁界を発生させる)磁石と被覆された基板との間に、前記パターンが切り取られたスチールシートを配置することによってパターンは形成される。しかしながら、磁界を選択的に適用するためにマスク原理を使用するこの技法は多くの欠点がある。具体的には、このスチールマスクの存在は、このプロセスを大きい基板表面に対して使用することを許容せず、また、(例えば製造ラインにおける)そのインライン一体化およびパターンの良好な再現性を許容しない。BE774930号明細書において、磁気誘起は、永久磁化を有する粒子を含有する「プライマ」層により得られ、この層は所望のパターンに従って乾燥および磁化される。磁化可能な粒子を含有する液体層がこのプライマ層の上に堆積されると、パターンが現れる。しかしながら、この技法はより多くのステップを必要とし、具体的には2つの別個の層を堆積かつ乾燥させることを必要とする。
本発明の目的は特に先行技術のこれら欠点を克服することである。
詳細には本発明の1つの目的は、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法を提供することであり、これは大きなガラスシート表面に対して使用可能であり、これによりパターンの良好な再現性が許容される。
本発明の別の目的は、その実施形態の少なくとも1つにおいて、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法を提供することであり、これはインラインで実行可能である。詳細には本発明の1つの目的は、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法を提供することであり、これは既存の着色ガラスシート製造ラインで簡単かつ迅速に実行可能であり、そしてこれはまた、前記製造ラインでいったん使用されると、初期製造ラインに迅速かつ簡単に戻ることを可能にする。
最後に、本発明は、その実施形態の少なくとも1つにおいて、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法を提供するという目的を同じく有し、これは迅速、経済的であり、最少数のステップを含む。
1つの特定実施形態によれば、本発明は、磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法に関し、前記方法は以下の連続ステップ:
1)ガラスシートの面の1つの少なくとも一部に液体組成物を層の形態で堆積させるステップであって、前記組成物が磁気的に方向付け可能な粒子を含むステップ、
2)液体組成物の層を含むガラスシートを磁界に選択的に露出するステップであって、その間前記ガラスシートは水平ローラコンベヤ上を、前記ローラの最大寸法に対して垂直な方向に進行し、液体組成物はコンベヤ上に横たわる面と反対側の面の上にあるステップ、および
3)液体組成物を硬化させるステップ
を含み、
磁界に選択的に露出するステップ2)は、前記コンベヤの少なくとも1つのローラを用いて実行され、ローラは、その表面に組み込まれた永久磁化を有する材料から作製された少なくとも1つの要素を含み、それによりコンベヤ上を進行するシートの近くで磁力線を発生させる。
1)ガラスシートの面の1つの少なくとも一部に液体組成物を層の形態で堆積させるステップであって、前記組成物が磁気的に方向付け可能な粒子を含むステップ、
2)液体組成物の層を含むガラスシートを磁界に選択的に露出するステップであって、その間前記ガラスシートは水平ローラコンベヤ上を、前記ローラの最大寸法に対して垂直な方向に進行し、液体組成物はコンベヤ上に横たわる面と反対側の面の上にあるステップ、および
3)液体組成物を硬化させるステップ
を含み、
磁界に選択的に露出するステップ2)は、前記コンベヤの少なくとも1つのローラを用いて実行され、ローラは、その表面に組み込まれた永久磁化を有する材料から作製された少なくとも1つの要素を含み、それによりコンベヤ上を進行するシートの近くで磁力線を発生させる。
このように、本発明は新規かつ発明的なアプローチに基づいており、先行技術の上記欠点を解消すること、および取り組まれる技術的問題を解決することを可能にする。特に、本発明者らは、既存の着色ガラスシート製造ライン内のコンベヤのローラを改良することにより、ガラスシート上に堆積された層内に1つまたは複数の磁気的に誘起されたパターンを形成するための方法を得ることが可能であり、この方法は大きなガラス表面に適用可能であり、再現可能であり、インラインでおよび最少数のステップで(具体的には1層だけが必要とされる)容易かつ簡単に実行可能であることを実証した。
本発明の他の特徴および利点は、単なる説明的かつ非限定的な例として与えられる好ましい実施形態の以下の記載および付随する図面を読むと、より明確に明らかになる。
本発明による方法で使用されるシートは、様々なカテゴリーに属することができるガラスから作製される。従ってガラスはソーダ石灰種のガラス、ホウ酸塩ガラス、鉛ガラス、例えば少なくとも無機着色剤、酸化化合物、粘度調整剤および/または溶融を促進する剤など、そのボディに均一に分散された1種または複数種の添加剤を含むガラスであることができる。本発明のガラスはフロートガラス、延伸ガラス、または「鋳込み」型のガラス(ローラ間で積層される)であってもよい。それは透明、超透明または着色されたボディであってもよい。ガラスシートは熱的または化学的に強化することができる。好ましい実施形態によれば、ガラスシートはフロートガラスシートである。非常に好ましくは、ガラスシートはソーダ石灰種のフロートガラスのシートである。ガラスシートは0.7〜18mmの間で変化する厚さを有し得る。また、ガラスシートは1m×1mを超える寸法を有し得る。それは例えば3.21m×6mまたは3.21m×5.50mまたは3.21m×5.10mまたは3.21m×4.50m(「PLF」(ジャンボサイズ)ガラスシートと呼ばれる)、あるいは例えば3.21m×2.55mまたは3.21m×2.25m(「DLF」(製造幅サイズ)ガラスシートと呼ばれる)の寸法を有し得る。
図1に示されるように、本発明の方法は、コンベヤに横たわるガラスシートの面と反対側のガラスシートの面の少なくとも一部に液体組成物を層の形態で堆積させるステップ(1)を含む。液体組成物は任意の手段によって層の形態で堆積させることができる。本発明による液体組成物は、例えば、カーテンコーティング、ローラコーティングまたはスプレーコーティングによってガラスシートに堆積させることができる。ガラスシートは、ステップ(1)の間、不動であってもよく、またはステップ(2)に続くコンベヤかベルトのどちらかの上を移動すなわち進行してもよい。好ましくは、液体組成物はカーテンコーティングによって堆積される。この堆積技術は高速(例えば1分あたり50メートル)で移動する平坦な基板に液体層を塗布することを可能にするためである。この場合、ガラスシートは好ましくは2つのベルトの上を進行し、液体組成物のカーテンはそれらの間で注入される。
ガラスシートの表面積単位当たりの液体組成物(従ってステップ(2)の直後であるが硬化ステップ(3)の前)の重量は、好ましくは少なくとも50g/m2である。同じく表面積単位当たりの液体組成物の重量は、好ましくは最大で180g/m2である。非常に好ましくは、表面積単位当たりの液体組成物の重量は、80g/m2〜120g/m2である。
本発明によれば、液体組成物の層は、ガラスシートの面の内の1つの少なくとも一部に堆積される。好ましくは、液体組成物の層は、ガラスシートの面の内の1つの表面の実質的に全体に堆積される。表現「表面の実質的に全体」は、表面の少なくとも90%を意味するように理解される。
本発明によれば、液体組成物は磁気的に方向付け可能な粒子を含む。磁気的に方向付け可能な粒子は、微小磁石として振る舞う。磁界に配置されると、そのような粒子は、それらの磁軸が磁界の磁力線と整列するように、適用された磁界内で方向付けられる傾向を有する。本発明によれば、磁気的に方向付け可能な粒子は、特に米国特許第3,676,273号明細書、米国特許第4,838,648号明細書、国際公開第02/073250号パンフレット、欧州特許出願公開第686,675A1号明細書または国際公開第2007/131833号パンフレットに記載されている種類のものであってもよい。好ましくは、本発明による磁気的に方向付け可能な粒子は鉄に基づいている。本発明によれば、磁気的に方向付け可能な粒子は、平板化されてもよい、すなわちフレークの形態であってもよい。(硬化前の)液体組成物中の磁気的に方向付け可能な粒子の量は、好ましくは前記液体組成物の20重量%〜80重量%である。非常に好ましくは、液体組成物は30重量%〜70重量%の磁気的に方向付け可能な粒子を含む。
本発明によれば、液体組成物は液体媒体を含み、その中に磁気的に方向付け可能な粒子が懸濁されている。例えば、本発明による液体組成物は、ペイント、ラッカー、ワニス、エナメルまたはインクであってもよい。1つの特定実施形態によれば、本発明による液体組成物は、アクリレート、アクリル、アクリル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ウレタン、ポリウレタン、ポリアミドポリオール、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、PVCおよびPVBから選択された少なくとも1種類の成分を含む。好ましくは、本発明による液体組成物は、アクリレート、アクリル、アクリル樹脂、ポリアクリレート樹脂およびメラミン樹脂から選択された少なくとも1種類の成分を含む。特に好ましくは、本発明による液体組成物は、メタクリル樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂およびエポキシ樹脂から選択された少なくとも1種類の成分を含む。
本発明によれば、液体組成物はまた、硬化剤、1種または複数種の溶媒、可塑剤、分散剤、触媒、光開始剤、接着促進剤、UV安定剤、非磁性顔料、着色剤、流れ剤、湿潤剤、消泡剤等などの他の成分も有利に含む。
図1に示されるように、本発明による方法は、液体組成物の層を含むガラスシートを磁界に選択的に露出するステップ(2)を含む。
本発明の方法では、ガラスシートは、少なくとも選択的露出ステップ(2)の間、水平ローラコンベヤの上を、前記ローラの最大寸法に対して垂直な方向に進み、このとき液体組成物はコンベヤに横たわる面と反対側の面の上にある。本発明によるローラコンベヤは、ガラスシート製造ラインで典型的に使用される従来型のローラコンベヤである。それは一般にいくつかのローラを含み、それらはその長さにおいて互いに平行にかつ実質的に同じ高さで配置され、ガラスシートが少なくとも2つのローラ上に横たわることを可能にする距離だけ隔置される。各ローラはまた、いくつかの「Oリング」、すなわちゴム状シールを、ローラの断面の周囲に有利に従来通りに含み、ガラスとローラ材質の直接的な接触を回避してもよい。コンベヤ上のガラスシートの進む速さは、好ましくは1分あたり1〜15メートルの間で変化する。非常に好ましくは、コンベヤ上のガラスシートの進む速さは、好ましくは1分あたり2〜10メートルの間で変化する。
本発明によれば、選択的露出ステップ(2)は、コンベヤの少なくとも1つのローラを用いて実行され、このローラは、その表面に組み込まれた永久磁化を有する材料から作製された少なくとも1つの要素を含み、本文書の残りの部分では「改良ローラ」とも呼ばれる。
一実施形態によれば、改良ローラは、非磁性材料から作製された円筒本体から作製される。例えば、ローラの円筒本体は、非磁性鋼またはアルミニウムから作製される。
本発明によれば、本文書の残りの部分では永久磁石とも呼ばれる、永久磁化を有する材料から作製された要素は、フェライトまたはセラミック型の磁石、アルニコ(アルミニウム−ニッケル−コバルト)型の磁石、サマリウム−コバルト型の磁石またはネオジミウム−鉄−ホウ素型の磁石から選択されてもよい。
本発明によれば、表現「コンベヤのローラの表面に組み込まれた永久磁化を有する材料から作製された要素」は以下のことを意味する。すなわち、永久磁化を有する材料から作製された要素が、その外面が(i)ローラの外面のわずかに下、または(ii)ローラを越える突出なしにそれと面一である状態でローラの外面と実質的に同じ高さ、または(iii)コンベヤの各ローラ(改良ローラを含む)がいくつかのOリングを含む場合、前記Oリングの外面のわずかに下もしくはそれを越える突出なしに同じ高さ、に配置された状態で、前記ローラの円筒本体に組み込まれることを意味する。磁石は改良ローラの円筒本体に、この円筒本体に存在する小さいキャビティにより位置決めしてもよい。有利には、キャビティ内の磁石の「深さ」は、磁石とガラスシートに堆積された層との間の距離を改良するように適合させることができ、それにより、ガラス厚さが一定のままであるとき、磁気的に誘起されるパターンの光学的再現をわずかに改良すること、またはより厚いガラスシートがコンベヤ上を通過するとき、同一の光学的再現を維持することが可能になる。
本発明によれば、改良コンベヤローラは単一の永久磁石を含んでもよい。
有利には、ガラスシートに堆積された層に、より複雑なパターンを形成するために、改良コンベヤローラは、いくつかの永久磁石を含む。この実施形態によれば、永久磁石は形状、寸法および強度の点で同一であってもよい。あるいは、永久磁石は形状、寸法および/または強度の点で異なっていてもよい。本発明による永久磁石の形状および寸法は、これら要素のそれぞれによって層中で誘起されるパターンの形状および寸法、従って全体パターンの外観をそれぞれ決定する。本発明による永久磁石の強度は、磁気的に誘起されるパターンの光学的/審美的再現を決定する。より強い磁石は、より明白な深さの印象、時にまたより暗い色の印象を伴う、より明白なパターンを付与する。なおもこの実施形態によれば、永久磁石は、ガラスシートから、従って層から同じ距離のところに配置することができる、または改良ローラの表面に組み込まれた磁石の「深さ」を変えることによって異なる距離のところに配置することができる。
その表面に組み込まれた少なくとも1つの磁石を含む改良ローラにより、コンベヤ上を進むシートの近くに磁力線を発生させることが可能になる。有利には本発明によれば、磁力線への露出は非常に効果的に起こる。インラインプロセスによって一般的に必要とされるコンベヤ上のガラスシートの高い進行速度の場合でさえ、ガラスシート、従って層が十分な時間磁界に曝されるためである。実際に、これは図2(ガラスシートの進行方向に対して平行な断面図)に示されている。図2は、本発明による改良ローラ(6)の頂部の上を(矢印で示される方向に)進む、堆積ステップ(1)のあと液体組成物(5)の層によって覆われたガラスシート(4)を示し、図中、4つの磁石(7)が前記ローラの表面に組み込まれ、互いに90°の角度でその円周上に配置されている。この図は、(a)において、すでにシートの近くに磁力線を発生させているローラの磁石の1つのガラスシートへの接近移動を示し、(b)において、最大磁化を発生させるガラスシートに面する前記磁石の位置を示し、(c)において、シートの近くになおも磁力線を発生させている磁石の後退移動を示す。
本発明によれば、改良ローラは1つまたは複数の「離散」および/または「連続」磁石を含んでもよい。
「離散」磁石は、全ての寸法が改良ローラの寸法(長さおよびその断面の円周)より大幅に小さい磁石を意味するように理解される。1つのそのような離散磁石が改良ローラに存在するとき、磁石が(その寸法および形状に応じて)誘起するパターンはシートの移動方向において規則的に層の中で繰り返され、このとき改良ローラの断面の円周面に一致する間隔を伴う。ローラの断面の円周面に整列され等しく間隔を空けられた2つ以上の永久磁石をローラが含む場合、誘起されるパターンはシートの移動方向において繰り返され、このとき断面の円周面に存在する磁石の数によって分けられた改良ローラの断面の円周面に一致する間隔を伴う。
図3は本発明によるステップ(2)のプロセスを示している。図3(a)において、磁気的に方向付け可能な粒子を含む液体組成物の層によって覆われたガラスシート(8)は、ローラコンベヤ(9)上を矢印の方向に進み、その表面に組み込まれかつその長さに沿って整列された4つの永久磁石(11)を含む本発明による改良ローラ(10)に接近する。改良ローラ上を進んだ後(図3(b))、磁石の形状および寸法に一致する磁気的に誘起されたパターン(12)が、ローラの断面の円周面に一致する距離だけ離間された4つのパターンの線の形態で液体組成物の層に形成される。
図4(a)〜(d)は、コンベヤのローラに組み込まれた離散磁石により、本発明によるガラスシートに堆積された層中の磁気的に誘起されるパターンの配置の例を概略的に示す。
「連続」磁石は、ローラの寸法(長さおよび円周)の1つにわたって、すなわち(i)ローラの長さにおいて連続的であり、従ってシートの移動に対して垂直でありかつローラの円周面に等しい距離だけ離間された反復的な線を形成する(図4(e)参照)磁石、または(ii)ローラの断面の円周面において連続的であり、従って円周面の連続磁石の厚さに応じて変化する厚さを有するシートの移動に対して平行な線を形成する磁石、を意味するように理解される。改良ローラの長さおよび/または円周(図4(f)参照)において連続的ないくつかの磁石が存在してもよい。長さおよび円周上のいくつかの連続磁石が改良ローラに存在する場合、格子状に一致する全体パターンを形成することが可能である。
有利には、ガラスシートに堆積された層中に、より複雑なパターンを形成するために、コンベヤはいくつかの同じまたは異なる改良ローラを含んでもよい。当然のことながら、この実施形態は、各ローラに関して、改良ローラに対応する上に開示した全ての実施形態に適合する。
図1に示されるように、本発明による方法は、液体組成物を硬化するステップ(3)を含む。このステップにより湿潤した液体層から硬い乾燥層へ変化することが可能になる。従ってこれにより方向付けられた粒子を固定すること、および従って選択的磁化ステップによって層中に形成されたパターンを固定することが可能になる。本発明による硬化ステップは、組成物を乾燥させること(例えば溶媒の蒸発)によって、および/または架橋することによって実行することができる。架橋は、化学重合反応および三次元重合体ネットワークの形成を伴うステップを意味するように理解される。この実施形態に従う架橋による硬化は、加熱(典型的には100℃〜200℃程度の温度での)によって、および/または放射線(例えばUVまたは赤外線)への暴露によって得ることができる。本発明の層を硬化する方法として架橋を使用する場合、液体組成物は有利に硬化剤/触媒を含む。
本発明による層の厚さは、いったんステップ3で硬化されると、少なくとも5マイクロメートルおよび最大で150マイクロメートルである。好ましくは、本発明による層の厚さは、いったんステップ3で硬化されると、少なくとも20マイクロメートルおよび最大で120マイクロメートルである。
1つの特定実施形態によれば、本発明の方法は、液体組成物の層を堆積する(1)前、ガラスシートを接着プライマで処理する追加ステップを含む。この接着プライマは当該技術分野で周知の任意の方法によって堆積させることができる。接着プライマは、いったん硬化されると、層のガラスへのより良い接着を可能にする。シランがそのような処理に一般に使用される化合物である。
好ましくは、本発明による層はガラスと直接接触する、すなわち、ガラスと、磁気的に方向付け可能な粒子を含む層との間に他の層は存在しない。シラン型接着プライマによる処理は、本実施形態の意義の範囲内で別の層を構成しない。従ってこの実施形態はシラン処理に適合する。
別の特定実施形態によれば、本発明の方法は、ガラスシートを、液体組成物の層を堆積させる前、および少なくとも液体組成物を受け取るように意図された面を、洗浄する追加ステップを含む。この洗浄は、例えば水で、または洗浄剤を含有する水溶液で実行することができる。
さらに別の特定実施形態によれば、本発明の方法は、研磨剤を用いてガラスシートを、液体組成物の層を堆積する(1)前、および少なくとも液体組成物を受け取るように意図された面を、研磨する追加ステップを含む。使用できる研磨剤の例は、酸化セリウムCeO2を含む粉である。
1つの特定実施形態によれば、本発明の方法は、硬化ステップ(3)のあと、硬化層を覆う少なくとも1層の追加層の堆積に対応する追加ステップを含む。これは、例えば機械的保護層、反射防止層、触はん防止層等であってもよい。
以下の例は本発明を説明するが、本発明の範囲を制限するつもりはない。
実施例(本発明による)
4mmの厚さを有する3.21m×2.25m(DLFすなわち製造幅サイズ)の透明ガラスシートをローラコンベヤ上に配置した。コンベヤの移動行程に沿って最初に透明ガラスシートは表面を洗浄するために酸化セリウムを含む粉で研磨された。続いて透明ガラスシートはシラン処理された。
4mmの厚さを有する3.21m×2.25m(DLFすなわち製造幅サイズ)の透明ガラスシートをローラコンベヤ上に配置した。コンベヤの移動行程に沿って最初に透明ガラスシートは表面を洗浄するために酸化セリウムを含む粉で研磨された。続いて透明ガラスシートはシラン処理された。
続いて透明ガラスシートを1分あたり約50メートルの速度でフローコータの下を通過させ、本発明による液体組成物をその上に堆積させた。塗布された液体組成物は、メタクリルメラミン−ホルムアルデヒドおよびエポキシ型の樹脂を主成分とするGlassorexクリアコート(Fenzi社製)を含みかつ50重量%のFERRICON(登録商標)160顔料(Eckart社製)を含むライトグレー色のペイントである。ガラスシートに塗布された液体組成物の量は、100g/m2である。
次に、ガラスシートの速度を、1分あたり約4メートルの実質的に一定の速度まで、および本発明による改良コンベヤローラの上をガラスシートが通過する地点で落とした。このアルミニウム製のローラを、その長さに沿って(一列にわたり5cmの等間隔で54個の磁石)およびその円周に沿って(互いに90°の角度で毎回4個の磁石)分散された216個の磁石を、その表面に(磁石の外面がローラの表面のわずかに下に来るように)組み込むことによって改良した。使用した改良ローラは図5(a)に示され、このローラの長さに沿った断面は図5(b)に概略的に示されている。磁石(13)のそれぞれは、円筒状のネオジミウム−鉄−ホウ素磁石(Supermagnete S−05−25−N)であり、その円形断面は5mmの直径を有し、その長さは25mmである。各磁石をキャビティ(14)内でローラ内に位置付け、その結果、磁石の長さがローラの長さに対して垂直であり、および磁石の円形端部の一方がローラの表面の外側の方に、この表面をわずかに越えるが使用されるOリング(15)の外面より下に位置付けられるようにする。
このようにしてガラスシートを磁界に選択的に露出した。磁界は液体組成物中に、より暗い色の、反復的かつ円形の三次元の外観のパターンを形成する。
最後にガラスシートを165〜170℃に加熱されたオーブンに数分入れ、その後液体組成物は硬化/架橋され、従って先行ステップで形成されたパターンを固定した。
Claims (11)
- 磁気的に誘起されるパターンをガラスシートに堆積された層内に形成するための方法であって、以下の連続ステップ:
・前記ガラスシートの面の1つの少なくとも一部に液体組成物を層の形態で堆積させるステップであって、前記組成物が磁気的に方向付け可能な粒子を含むステップ、
・前記液体組成物の層を含む前記ガラスシートを磁界に選択的に露出するステップであって、その間前記ガラスシートが水平ローラコンベヤ上を、前記ローラの最大寸法に対して垂直な方向に進行し、前記液体組成物が前記コンベヤに横たわる面と反対側の面の上にあるステップ、および
・前記液体組成物を硬化させるステップ
を含む方法において、
磁界に選択的に露出する前記ステップが、前記コンベヤの少なくとも1つのローラを用いて実行され、前記ローラは、その表面に組み込まれた永久磁化を有する材料から作製された少なくとも1つの要素を含み、それにより前記コンベヤ上を進行する前記シートの近くで磁力線を発生させることを特徴とする方法。 - 前記選択的露出ステップの時の前記コンベヤ上の前記ガラスシートの進行速度が、1分あたり1〜15メートルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記選択的露出ステップの時の前記コンベヤ上の前記ガラスシートの進行速度が、1分あたり2〜10メートルであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 硬化前の前記液体組成物中の磁気的に方向付け可能な粒子の量が、前記液体組成物の20重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 硬化前の前記液体組成物中の磁気的に方向付け可能な粒子の量が、前記液体組成物の30重量%〜70重量%であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記層の厚さが、前記硬化ステップのあと、少なくとも5マイクロメートルおよび最大で150マイクロメートルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記液体組成物の層を堆積させる前、前記ガラスシートを接着プライマで処理する追加ステップを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記液体組成物がカーテンコーティングによって堆積されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記硬化ステップの前、前記ガラスシートの表面積単位あたりの液体組成物の重量が、少なくとも50g/m2であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 前記硬化ステップの前、前記ガラスシートの表面積単位あたりの液体組成物の重量が、80g/m2〜120g/m2であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記ガラスシートがソーダ石灰種のフロートガラスのシートであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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