JP2015526586A - 精製所プロセス炉のためのアルミナ形成バイメタル管、ならびにその製造および使用方法 - Google Patents

精製所プロセス炉のためのアルミナ形成バイメタル管、ならびにその製造および使用方法 Download PDF

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Abstract

i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含むステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含み、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上にアルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせから実質的に構成される酸化物層とを含む、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管が提供される。バイメタル管の製造方法および使用方法も提供される。

Description

本開示は、腐食、コーキングおよびファウリングを低減する(または低下させる、to reduce)ための精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の組成物、その製造方法および使用方法を提供する。
典型的な精製所プロセスにおいて、貯蔵された重質原油は、脱塩ユニットを通過させることよって精製プロセスの第1の工程として汚染物質(例えば、砂、塩および水)がクリーニングされる。クリーニングされた原油原材料は、次いで、脱塩された原油を一連の熱交換器に通過させることによって加熱される。次いで、原油をより高温まで加熱する炉に原油を通過させる。炉は、油、天然もしくは精製所燃料ガス燃焼炉または電気的燃焼炉であってよく、これは油を加熱して常圧蒸留塔に射出する。極度の熱は、原油を燃焼ガス(炉燃料ガス)、ならびに他の気体状ライトエンド、液体生成物、および常圧残油フラクションへと物理的分裂をもたらす。
大量の重質残油含有量は、重油の特徴である。常圧残油には、より多くの精製を行わなければならない。常圧塔に続いて、残油は別の一連の熱交換器、および次いで別の炉においてさらに加熱されて、そして減圧蒸留塔に送られて、そこで軽質減圧軽油および重質減圧軽油が残油から抽出される。減圧塔の基部付近に残る残留タール流体、減圧残油は、(i)アスファルトと称することができるか、または(ii)コーキングなどのさらなるプロセスを行うことができる。様々なコーキングプロセスにおいて、残油は、軽質沸騰生成物が残油中で芳香族コアから熱的に分離するように、850〜1000°F(454〜538℃)の高温まで加熱され、そしてオーバーヘッド蒸留が行われて、固体コークが残存する。
デレイドコーキング(delayed coking)プロセスは、商業的に最も広範囲に実行されるコーキングプロセスの1つである。残油を炉中の長い管を通して流すことでコーキング温度まで加熱し、次いで、高い円筒状遮断ドラムの底部中に流した後、この高温で反応させる。揮発性生成物は分別装置に除去されて、コークはドラム中に蓄積する。分別装置からの重質液体生成物は、炉にリサイクルされる。ドラムがコークで一杯になった時、供給は第2のドラムに切り替えられる。次のコーク蓄積サイクルのためにドラムを用意するために、コークは、高圧水を用いて中央に穴をあけることによって、ドラムから除去されて、そして再び高圧水を用いて残渣を除去する。
Fluid Coking(商標)において、残油は、容器(すなわち反応器)中で、コーク粒子の熱流動床に噴霧される。揮発性生成物は分別装置に除去され、そしてコーク粒子は容器底部から除去され、そして別の容器(すなわち、バーナー)へ移動され、そこで熱をプロセスに提供するために空気を用いて、コークを部分的に燃焼する。コークは、次いで反応器に再循環する。このプロセスは、プロセスを加熱するために必要とされるよりも非常に多くのコークを製造するので、流体コークはプロセスから取り出される。
FLEXICOKING(商標)において、Fluid Cokingプロセスに第3の容器(すなわち、ガス化装置)が加えられる。ガス化装置で、コークは、正味の常圧蒸留条件で蒸気および空気を用いてガス化され、水素、一酸化炭素、窒素および硫化水素を含有する低BTUガスが製造される。硫化水素は、吸着を使用して除去される。残留低BTUガスは、精製所内および/または近隣の発電所でクリーン燃料として燃焼する。
ビスブレーキングは、重質燃料油用途のために残油粘度を低下させるために当初使用された低い変換熱プロセスである。今日、それは、しばしば、最小の重質燃料油の定義を越える残油を使用し、そして15〜30%の沸騰範囲液体の輸送を得るために十分に変換し、そしてなお重質生成物が重質燃料油定義を満たす。このプロセスはコーク形成に耐性がないため、コーク誘導期以内であることが必要とされ、それは重質燃料油定義よりも変換を限定し得る。ビスブレーカー反応器は、炉管とそれに続く浸漬ドラムを有するデレイドコーカーと同様でもよい。しかしながら、ドラムは体積が非常により小さく、全体の液体生成物が流れる残留時間が制限される。あるいは、ビスブレーカー全体が炉内でコイル状になった長い管であってもよい。不調によって、ビスブレーカーの壁上に形成および蓄積するコークが生じ、それは周期的なデコーキングを必要とする。
精製所プロセス炉は、様々なサービスにおいて炭化水素原材料を加熱するために広く使われており、例えば、常圧塔への原油供給、常圧塔から減圧塔への供給のための原油残渣などである。おそらく最も厳しいサービスは、デレイドコーカーへの原材料の加熱である。コーク堆積は、いずれの精製所プロセス炉の問題でもあることができるが、使用される高温およびコーカー原材料の残留性質のため、コーカー予熱炉および減圧塔炉を通して、放射管の内壁上でのコーク堆積物の形成に関して顕著な傾向がある。
サービスに関係なく、コーク堆積物の形成は望ましくない。コーク堆積物は、流れの制限のために、管の圧力増加を導く可能性があり、そしてコーク堆積物の遮断性の影響のため、より高い管壁温度を導く可能性がある。より高い圧力およびより高い温度は、管の早期破損を導く。さらに、サービスから周期的に管を取り出すこと、そして高温で管を通過する空気または別の酸化剤による酸化によって堆積したコークから燃焼によってコーク堆積物を除去することがしばしば必要となる。この周期的な焼き払いは、厳しい熱サイクリングをもたらすおそれがあり、管の寿命を低下させる。
コーカー管炉は、デレイドコーキングプロセスの核心である。ヒーターは、プロセスに全ての熱を提供する。典型的に、炉あたり2〜4つの通路がある。管は側面に水平に据え付けられて、合金ハンガーで定位置に保持される。複数のバーナーは、管の反対側の放射壁の底部に沿って存在して、上方に垂直に燃焼する。ルーフ管は、放射線および対流によるフレーム衝突および過熱が生じる可能性が低いため、高い炉が有利である。通常、ヒーターの放射部分のみが、デレイドコーカーに関して、油を加熱するために使用される。コーカーヒーターの上部の対流部分は、いくつかの精製所で、分別装置に行く油を予熱するためにまたは他の用途(例えば蒸気生成)のために使用される。
多くの精製所プロセスユニットで使用される燃焼ヒーターの放射部分管は、管表面の内側および/または外側で汚染を経験する可能性がある。ヒーターが油によって燃焼される場合、外部管ファウリングが生じる。油燃焼の間、燃料油に存在する炭素、硫黄および金属を含有する固体粒子状物質が形成される。この粒子状物質は、時間とともに外部管上で表面に堆積する。原油および常圧蒸留残油を加熱する燃焼ヒーターは、通常、最高レベルの内部ファウリングを経験する。これらの流体で、ファウリングは、(i)流体中の固体の存在、(ii)高分子量化合物を形成する熱クラッキング、および(iii)その場での腐食生成物によって生じる。全てのこれらの材料は、最後には管壁に固着して、「コーク」を形成するおそれがある。原油より軽質の液体も内部堆積物を形成するおそれがある。例えば、液体ナフサを加熱する燃焼ヒーターは、腐食生成物および/または管壁に固着する長鎖分子を形成する重合反応によって、内部壁ファウリングを経験するおそれがある。内部管ファウリングは、通常、ヒーター操作および熱効率上で大きな影響を有する。
これらの形成/ファウリング形成/コーク堆積は、放射管金属温度(TMT)の増加をもたらすおそれがある。コークがヒーター管内に形成すると、金属と「より冷たい」プロセス流体との間に遮断バリアが形成し、TMT増加がもたらされる。コーキングが干渉せずに生じることが可能であれば、高いTMTの結果としての管断裂(金属強度の低下のため)のおそれがある。これを回避するため、管上での冶金学的制約を越えることなく、管断裂が回避されるように、内部コーク堆積物を有するヒーターを低い速度で操作することができる(したがって、効率および生産性が低下する)。ファウリングサービスにおけるヒーターは、クリーンな管条件より上に特定化されたTMT増加に適合するように設計されている。その制限が達成される時、ファウリング形成を除去する工程が行わなければならない。しばしば、これは、ヒーターが、クリーニングのためにシャットダウンされなければならないことを意味する。内部ファウリングの二次的影響は、圧力低下の増加であり、そしてそれは能力およびスループットを限定する。ファウリングサービスにおけるヒーターは、圧力低下の特定化された増加に適合するようにも設計されている。ほとんどの場合、TMTの制限は、圧力低下の制限の前に達成される。コークがヒーター管に形成する時、それは管内部を遮断し、それによって管外側での高温が生じる。良好な操作の実行によって、管のデコーキングが必要となる前に、コーカー炉は18ヵ月間の操作が可能である。管冶金学次第で、温度が外部皮膜熱電対上で1250°F(677℃)に接近する時、炉は、蒸気スパルされるか、そして/または蒸気−空気デコーキングされるか、または冷却および水圧または機械的ピッギングによるクリーニングが行われなければならない。
通常の使用の間、燃焼ヒーター管の内部表面は、重質原油、残油および他の石油フラクションの流れへの長期間にわたる曝露の結果として、炭化、硫化、ナフテン酸腐食および他の形態の高温度腐食を経験する。炭化は、環境からの炭素が金属中に拡散する時に生じる高温分解の形態であり、通常、一般に1000°F(538℃)を超過する温度で、マトリックス中および粒界に沿ってカーバイドを形成する。炭素と化合した材料は、硬度の増大、そしてしばしば強靱性の実質的な低下を経験し、カーバイドの体積増加のため、内部クリープ損傷を示す点まで脆化する。反応硫黄を含有する原油および炭化水素フラクションは、500°F(260℃)より高い温度で炭素および低/中程度合金鋼に対して腐食性であり、そして硫化鉄を形成する硫化腐食を生じる。形成されるこの硫化物スケールは、硫化物誘導ファウリングとしばしば呼ばれる。ナフテン酸成分を含有するものは、400°F(204℃)より高い温度で炭素および低/中程度合金鋼に対して腐食性であり、そして燃焼ヒーター管の表面から金属を直接除去する。燃焼ヒーター管の内部表面上の腐食は、不均等な表面を作成し、これは、石油流れに見られる様々な粒子がそれ自身を粗製表面に結合し得るため、ファウリングを向上させることができる。それは、腐食された表面が、ファウリング形成のための「より適した」表面も提供し得ることが暗示される。
精製所プロセス炉の放射コイルは、入口パイプ部分と出口パイプ部分を有する。複数の本質的に直線の水平パイプ部分は、少なくとも2つの垂直バンクで配置される。垂直バンクは平行で、離れて水平に間隔をあけられる。複数の屈曲したパイプスイープリターンベンドは、直線パイプバンクのいずれの端部でも垂直バンクに配置される。それぞれのベンドは、それらの隣接する垂直バンクで一対の直線パイプ部分を連結する。リターンベンドは、水平および垂直の間で傾斜し、そしてリターンベンドによって連結した一対の直線パイプ部分の1つは、他に関して上昇する。管側面流体流れ経路は、入口パイプ部分から、交互の一連の直線パイプ部分およびリターンベンドを通して、出口パイプ部分に提供される。コイルは、有利には第1および第2の垂直の直線パイプバンクと、対立するリターンベンドバンクを含み、直線パイプ部分およびリターンベンドは、最上および最低のパイプ部分およびリターンベンドを除いて、隣接部分から均一に間隔を置いて配置され、かつ上下に屈曲する。隣接管バンクのいずれの端部のリターンベンドも、一般に水平螺旋形の流れパターンを提供するために、反対の位置に傾斜することができる。コイルは、有利には第1および第2の入れ子状流路を有し、第1および第2の流路の流体流れ経路は、上記垂直バンクのそれぞれにおいて、一連の交互の直線パイプ部分をそれぞれ含んでなり、それぞれ第2および第1のバンクにおいて、第1および第2のバンクの第1の流路の直線パイプ部分は、第2の流路の直線パイプ部分の反対側に水平に間隔をあけられる。それぞれの垂直管バンクの第1および第2の流路直線パイプ部分を、上部から底部まで1つ置きに交替させることができる。
精製所プロセス炉、より具体的には、減圧塔炉の複数の本質的に直線の水平放射コイルは、腐食耐性、クリープ強度および断裂延性を向上させるために、T9およびT5などの低クロム鋼から製造される。あるいは、精製所プロセス炉、より具体的には、減圧塔炉およびデレイドコーカー炉の複数の本質的に直線の水平放射コイルは、腐食耐性、クリープ強度および断裂延性をさらに向上させるために、ステンレス鋼、例えばフェライトステンレス鋼、オーステナイトステンレス鋼、マルテンサイトステンレス鋼、沈殿硬化性(PH)ステンレス鋼および二重ステンレス鋼から製造される。精製所プロセス炉は、高いTRS(全反応硫黄)および高いTAN(全酸価)によって特徴づけられるより難しい機会の原油を処理する傾向があるため、ステンレス鋼から製造された炉管を使用することが必要である。精製所プロセス炉で使用される放射コイルの典型的な組成物を表1に示す。
Figure 2015526586
精製所炉管に関する最初の2つのクラスは、炭素鋼または低クロム鋼のいずれかであり、これは、鋼の全重量に基づき、約15.0重量%未満、有利には約10.0重量%未満のクロムを含有する。これらの材料の腐食保護は、管表面の保護Crフィルムに依存する。しかしながら、これらの鋼のクロム濃度は、そのような保護フィルムを形成するために十分ではなく、むしろ、尖晶石および磁鉄鉱型酸化物および硫化物から構成される錯体腐食スケールを形成する。この腐食スケールは、コークおよびコーク前駆体の固定のために、粗製表面、高い表面積および多数の表面部位を導く。
記載された低クロム鋼は、沈殿強化および/または粒状物改良のために、バナジウム、ニオブおよびチタンなどの少量のカーバイド形成元素を含有してもよい。これらの合金元素は、低クロム鋼の変換硬化および溶接能力に影響を及ぼす。クリープ抵抗低クロム鋼の3つの一般的な種類は、Cr−Mo鋼、Cr−Mo−V鋼および変性Cr−Mo鋼である。Cr−Mo鋼は、チュービング、パイピング、熱交換器、スーパーヒーター管および圧力容器用に精油所、化学工業および発電プラントで広く使われている。これらの鋼の主な利益は、MoおよびCr添加からの改善されたクリープ強度、ならびにCrからの向上された腐食耐性である。Cr−Mo鋼のクリープ強度は、2つの供給源から主に誘導される:炭素、モリブデンおよびクロムによるフェライトマトリックスの固溶体強化、ならびにカーバイドによる沈殿硬化。クリープ強度は、常にではないが一般に、より高い量のMoおよびCrで増加させる。CrおよびMoの効果とクリープ強度は、むしろ複雑である。例えば、T22鋼は、T5鋼より高いクリープ強度を有する。
精製所炉管に関する第2の5つのクラスは、フェライトステンレス鋼、オーステナイトステンレス鋼、マルテンサイトステンレス鋼、沈殿硬化性(PH)ステンレス鋼および二重ステンレス鋼として分類されるステンレス鋼である。系統群で合金の特徴的結晶構造/微細構造に基づく5つのクラス中4つは、フェライト、マルテンサイト、オーステナイト、または二重(オーステナイトおよびフェライトの混合物)である。第5のクラスのPHステンレス鋼は、微細構造よりもむしろ、使用される熱処理の種類に基づく。
フェライトステンレス鋼は、それらの体心立方(bcc)結晶構造は室温における鉄と同じであるため、そのように命名されている。これらの合金は磁性であり、熱処理によって硬化されることが不可能である。一般には、フェライトステンレス鋼は、特に高い強度を有さない。それらの低い強靱性および感作に対する感応性は、それらの製造能力およびそれらの使用可能な断面寸法を限定する。フェライトステンレス鋼は、11〜30重量%Crを含有し、炭素、窒素およびニッケルなどのオーステナイト形成元素を少量のみ有する。それらの一般的な用途は、それらのクロム含有量次第である。オーステナイトステンレス鋼は、合金および使用に関して最大のステンレス系統群を構成する。それらは優れた延性、成形性および強靱性を有して、冷間加工によって実質的に硬化することができる。ニッケルがオーステナイトを安定させるために使用される主な元素であるが、それらが面心立方(fcc)構造で易溶性であるので、炭素および窒素も使用される。典型的な300シリーズステンレス鋼は、17〜22重量%のCrを含有する。300シリーズステンレス鋼の腐食耐性は合金含有量次第である。モリブデンは、塩化物環境における腐食耐性を向上させるためにS31600に添加される。S31000などの高クロムグレードは、酸化環境および高温用途に使用される。高温曝露の後、粒間腐食を防止するために、チタンまたはニオブは、S32100またはS34700において炭素を安定させるために添加される。また、S30403(304L型)などの低炭素グレード(AISI LまたはSの名称)は、粒間腐食を防止するために確立された。マルテンサイトステンレス鋼は、延性および強靱性増加のために、オーステナイト化され、急冷によって硬化され、次いでテンパリングされた鉄炭素合金と同様である。マルテンサイトステンレス鋼の耐摩耗性は、炭素含有量に非常に依存する。例えば、S44004(1.1重量%C)は、工具鋼と同様の優れた接着性および研磨剤耐摩耗性を有するが、S41000(0.1重量%C)は比較的低い耐摩耗性を有する。PHステンレス鋼は、老化処理によって硬化することができるクロムニッケルグレードである。例えば、S66286はオーステナイトPHステンレス鋼であり、そしてAl、TiおよびNbなどの様々な合金元素が、老化後、金属間化合物を形成するために使用される。二重ステンレス鋼は、オーステナイトとフェライトとの混合物を含有するように調和されたクロム−ニッケル−モリブデン合金である。それらの二重構造は、オーステナイトステンレス鋼と比較して、改善された応力割れクラッキング耐性、ならびにフェライトステンレス鋼と比較して、改善された強靱性および延性をもたらす。この系統群のオリジナル合金は主にフェライトであったが、S31803などの二重合金への窒素の添加は、約50%までオーステナイトの量を増加させる。またそれによって、改善された溶接時の腐食特性、塩化物腐食耐性および強靱性が提供される。
これらのステンレス鋼の腐食保護は、管表面上の保護Crフィルムに依存する。一般には、これらのステンレス鋼は、ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲のクロムを含有する。精製所炉管のための最も魅力的なステンレス鋼は、オーステナイトステンレス鋼、主にS31600およびS347SSである。しかしながら、これらのステンレス鋼のクロム濃度は、そのような保護フィルムを形成するためにはまだ十分ではなく、むしろ、尖晶石および磁鉄鉱型酸化物および硫化物から構成される錯体腐食スケールを形成する。この腐食スケールは、コークおよびコーク前駆体の固定のために、粗製表面、高い表面積および多数の表面部位を導く。
合成原油は瀝青、頁岩、タールサンドまたは追加の重油のプロセシングから誘導されて、精製所操作でも処理される。これらの合成原油は、これらの原材料が非常に重質であり、典型的な精製所でのプロセスに積載される汚染物質であるため、さらなるファウリングの問題を示す。材料はしばしば製造部位で前処理されて、次いで精製所に合成原油として出荷される。タールサンドなどの場合、これらの原油は微粒子のケイ酸を含む無機物を含有してもよい。いくつかは、燃焼ヒーター管内でポリマーファウリング形成堆積物を形成する傾向がある反応オレフィン材料を含有し得る。
現在、精製所操作のための燃焼ヒーター管で腐食およびファウリングを低減するために利用可能な様々な表面変性技術がある。それらのほとんどは薄膜コーティングに基づき、ヘキサメチルジシラザン(HMD)および液体相シリケートコーティングをアロナイズ(alonizing)する工程を含む。アロナイズは、拡散合金法であり、高温で金属表面に適用される。その結果、厚さ100μのアルミニウムが豊富な層が金属表面上に形成する。しかしながら、このコーティングは、全てのそのような比較的薄いコーティングの特徴のように、層の空隙、欠陥および金属間の脆性相の存在のために、低い機械的完全性および熱安定性を示し、そして低い信頼性を有する。
したがって、現行の技術と関連した欠点を発生しない精製所プロセシング操作の燃焼ヒーター管において、腐食およびファウリングを有意に低減することが必要とされている。
本開示に従って、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のための有利なバイメタル管は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、約15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上にアルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層とを含んでなる。
本開示のさらなる態様は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上にアルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物を含んでなる酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のための有利なバイメタル管に関する。
本開示の別の態様は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層を提供する工程と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される内管層を、外管層の内部表面上にプラズマ粉末溶接する工程と、iii)内管層の表面上に、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層を形成する工程とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の有利な製造方法に関する。
本開示のなおさらなる態様は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層を提供する工程と、ii)5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される内管層を、外管層の内部表面上にプラズマ粉末溶接する工程と、iii)内管層の表面上に、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層を形成する工程とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の有利な製造方法に関する。
本開示のなおさらなる態様は、精製所プロセス操作における炭化水素原材料の輸送のための精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける腐食、コーキングおよび/またはファウリングを低減する有利な方法であって、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上にアルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルのためのバイメタル管を提供することを含んでなる方法に関する。
本開示のなおさらなる態様は、精製所プロセス操作における炭化水素原材料の輸送のための精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける腐食、コーキングおよび/またはファウリングを低減する有利な方法であって、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上にアルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルのためのバイメタル管を提供することを含んでなる方法に関する。
バイメタル管の開示された組成物のこれらおよび他の特徴ならびに特性、ならびに本開示の製造および使用方法、ならびにそれらの有利な適用および/または用途は、特に本明細書に添付される図面とともに読み取られる時に、以下の詳細な説明から明白である。
本対象の製造および使用に関連する技術の通常の知識を有する者を補助するために、添付された図面が参照される。
図1は、バイメタル管の断面走査電子顕微鏡(SEM)像を示しており、外部9Cr(T9)鋼層と、内部アルミナ形成プラズマ粉末溶接(PPW)層とを明らかにする。 図2は、本開示のアルミナ形成バイメタル管のそれぞれの主要元素のエネルギー分散型x線分光法(EDXS)濃度ラインプロフィールを示す。 図3は、本開示のアルミナ形成バイメタル管のそれぞれの主要元素のエネルギー分散型x線分光法(EDXS)濃度ラインプロフィールを示す。
本明細書の詳細な説明および請求項の中の全ての数値は、「約」または「およそ」示された値によって修飾されていてもよく、そして当業者によって予想される実験の誤差および変形が考慮される。
本開示は、精製所プロセス炉の放射コイルのためのアルミナ形成バイメタル管の組成物、その製造方法およびその使用方法を提供する。また本開示は、コーキングの傾向があり得る炭化水素プロセス流れの輸送または運搬のために、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルおよび精製所プロセス炉の他の構成要素の高温腐食およびコーキングに抵抗するために安定で耐久性のある表面を達成するための新規組成物および方法を提供する。また本開示は、ファウリングの傾向があり得るプロセス流れの輸送または運搬のために使用される、精製所プロセス炉の燃焼ヒーター管および他の構成要素の高温腐食およびファウリングに抵抗するために安定で耐久性のある表面を達成するための新規組成物および方法を提供する。
1つの非限定的な例示形態において、本開示は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0重量%〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管を提供する。酸化物層は有利にはアルミナである。
他の例示形態において、本開示は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管を提供する。
本明細書に開示されるバイメタル管は、酸化物層、内管層および外管層を含み、以下に詳細に記載される。
酸化物層
一形態において、酸化物層は単層または多層であり、かつアルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石およびそれらの混合物から構成され、かつアルミナ形成バルク合金を構成する元素から形成されるいくつかの不純物酸化物を含有してもよい。1つの有利な酸化物層は、実質的にアルミナである。アルミナ層は、アルミナ形成バルク合金の全重量に基づき、5.0重量%〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から有利に形成する。酸化物層の厚さは、少なくとも1nm〜100μm、または少なくとも10nm〜5μm、または少なくとも100nm〜10μmの範囲であってよい。
アルミナ形成バルク合金の表面上の酸化物層は、石油化学または精製プロセスユニットで炭化水素プロセス流れに暴露される時に、アルミナ形成バルク合金の使用の間にその場で形成する。あるいは、アルミナ形成バルク合金の表面上の酸化物層は、バイメタル管材料を制御された低酸素分圧環境に暴露することによって、使用前に形成する。
別の形態では、本明細書に記載されるアルミナ形成バルク合金の表面上の酸化物層は、アルミナ形成バルク合金を制御された低酸素分圧環境に暴露することによって、アルミナ形成バルク合金上で形成されてもよい。制御された低酸素分圧環境は、空気の熱力学酸素分圧未満の熱力学酸素分圧を有する気体の環境である。制御された低酸素分圧環境の非限定的な例は、精製所または石油化学プラント蒸気、気体HO:H混合物および気体CO:CO混合物である。制御された低酸素分圧環境はCH、NH、N、O、HeおよびArならびに炭化水素など他の気体をさらに含有してもよく、これは、アルミナ形成バルク合金上でアルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石およびそれらの混合物を含んでなる安定な酸化物層の形成をさらに可能にし得る。したがって、保護酸化物層は、石油化学および精製所プロセスユニットにおいて、炭化水素プロセス流れへのアルミナ形成バルク合金の曝露の前に形成されてもよい。制御された低酸素分圧環境の非限定的な例示的な温度範囲は、500℃〜1200℃、または600℃〜1100℃であってもよい。非限定的な代表的な曝露時間は、1時間〜500時間、または1時間〜300時間、または1時間〜100時間の範囲である。
内管層
一形態において、アルミナ形成バルク合金は、5.0重量%〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなる。本開示のアルミナ形成バルク合金組成物は、精製プロセス炉において炭化水素流れに暴露される時、燃焼ヒーター管の腐食およびコーキングを軽減するためのバイメタル管としての使用に関して、従来技術の合金組成物と比較して有意な利益を提供する。特に、予想外であることに、アルミナ形成バルク合金組成物においてSiと組み合わせたFeおよびCrの両含有量は、ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲のクロムを含んでなるステンレス鋼によってクラックを含まないバイメタル管を製造するために有利であることが見出された。そのようなステンレス鋼の非限定的な例は、表1に記載されるように347SS(S34700)および316SS(S31600)を含む。
一形態において、アルミナ形成バルク合金は、アルミナ形成バルク合金の全重量に基づき、少なくとも35.0重量%の鉄、または少なくとも40.0重量%の鉄、または少なくとも43.0重量%の鉄を含んでなる。アルミナ形成バルク合金中の鉄の存在は、本開示のクラックを含まないバイメタル管を製造するためのステンレス鋼との熱的および機械的適合性の改善を提供する。炭素鋼、低クロム鋼およびステンレス鋼においてクロム含有量が低下すると、アルミナ形成バルク合金の鉄含有量は増加する必要がある。非限定的な例として、アルミナ形成バルク合金の鉄含有量は、本開示のクラックを含まないバイメタル管の製造のために、347SSまたは316SSステンレス鋼に関して少なくとも35.0重量%である。非限定的な例として、アルミナ形成バルク合金の鉄含有量は、本開示のクラックを含まないバイメタル管の製造のために、9Cr(T9)鋼に関して少なくとも35.0重量%である。別の非限定的な例として、アルミナ形成バルク合金の鉄含有量は、本開示のクラックを含まないバイメタル管の製造のために、5Cr(T5)鋼に関して少なくとも40.0重量%である。なお別の非限定的な例として、アルミナ形成バルク合金の鉄含有量は、本開示のクラックを含まないバイメタル管の製造のために、2.25Cr(T22)または1.25Cr(T11)鋼に関して少なくとも43.0重量%である。アルミナ形成バルク合金のより高い鉄含有量は、本開示のクラックを含まないバイメタル管を製造するための低クロム鋼との熱的および機械的適合性の改善を提供する。
アルミナ形成バルク合金は、5.0重量%〜10.0重量%のアルミニウム、または5.0重量%〜9.0重量%のアルミニウムまたは5.0重量%〜8.0重量%のアルミニウムを含む。アルミナ形成バルク合金は、20.0重量%〜25.0重量%のクロム、または20.0重量%〜24.0重量%のクロムまたは20.0重量%〜23.0重量%のクロムをさらに含む。アルミナ形成バルク合金は、0.4重量%未満のシリコン、または0.3重量%未満のシリコン、または0.25重量%未満のシリコンを含んでもよい。アルミナ形成バルク合金中の過度の量のシリコン(例えば0.5重量%より多いシリコン)は、プラズマ粉末溶接法によって形成される時、炭素鋼または低クロム鋼上で凝固誘導クラッキングを促進し得る。一形態において、アルミナ形成バルク合金は、0.1重量%未満の炭素、または0.08重量%未満の炭素、または0.05重量%未満の炭素を含んでもよい。炭素は、カーバイド沈殿物の形態でアルミナ形成バルク合金に存在することができ、これは、長時間、高温に暴露される時にアルミナ形成バルク合金のクリープ強度を提供する。
例えば、Ga、Ge、As、In、Sn、Sb、Pb、Pd、Pt、Cu、AgおよびAuなどの合金元素は、これらの元素が表面炭素移動反応に対して非触媒であるため、コーキング低下を提供する。例えば、Re、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、AgおよびAuなどの合金元素は、コーティング完全性、安定性および耐久性の増加を提供し、そして5.0重量%〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含み、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される場合、欠陥のないアルミナ層を提供する。一形態において、本明細書に開示されるアルミナ形成バルク合金は、0.1重量%〜2.0重量%のGa、Ge、As、In、Sn、Sb、Pb、Pd、Pt、Cu、Ag、Auおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の元素を含む。別の形態において、本明細書に開示されるアルミナ形成バルク合金は、0.1重量%〜2.0重量%のRe、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Auおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の元素を含む。アルミナ形成バルク合金は、0.01重量%〜2.0重量%のSc、La、Y、Ceおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の元素をさらに含んでもよい。なお別の形態において、アルミナ形成バルク合金は、35.0重量%の鉄、6.0重量%のアルミニウム、22.0重量%のクロムおよび0.5重量%のイットリウムを含んでもよく、残余はNiである。なお別の形態において、アルミナ形成バルク合金は、40.0重量%の鉄、5.5重量%のアルミニウム、21.0重量%のクロムおよび0.3重量%のイットリウムを含み、残余はNiである。アルミナ形成バルク合金は、0.01重量%〜2.0重量%のAl、Si、Sc、La、Y、Ceおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の元素の酸化物粒子をさらに含んでもよい。なお別の形態において、アルミナ形成バルク合金は、35.0重量%の鉄、6.0重量%のアルミニウム、22.0重量%のクロムおよび0.5重量%のYを含み、残余はNiである。なお別の形態において、アルミナ形成バルク合金は、40.0重量%の鉄、5.5重量%のアルミニウム、21.0重量%のクロムおよび0.3重量%のYを含み、残余はNiである。アルミナ形成バルク合金は、0.01重量%〜4.0重量%のMn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の元素をさらに含んでもよい。上記元素は、沈殿強化および/または粒状物改良をもたらし、そしてプラズマ粉末溶接法によって形成される場合、アルミナ形成バルク合金の変換硬化および溶接性に影響を及ぼす。
1つの有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、0.34重量%のSi、20.70重量%のCr、5.66重量%のAl、41.40重量%のFeを含み、残余はNiである。なお別の有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、0.17重量%のSi、21.28重量%のCr、5.67重量%のAl、41.55重量%のFeを含み、残余はNiである。なお別の有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、0.20重量%のSi、22.10重量%のCr、6.90重量%のAl、36.30重量%のFeを含み、残余はNiである。別の有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、5.0重量%〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含み、残余はNiである。なお別の有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも40.0重量%のFeを含み、残余はNiである。なお別の有利な形態において、アルミナ形成バルク合金は、5.0重量%〜7.0重量%のAl、20.0重量%〜22.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも32.0重量%のFeを含み、残余はNiである。
アルミナ形成バルク合金は、限定されないが、NiAl、NiAlおよびシグマ相を含む0.1重量%〜30.0重量%の金属間沈殿物(または金属間析出物、intermetallic precipitate)をさらに含んでもよい。アルミナ形成バルク合金は、限定されないが、酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物(carbonitride)含有物を含む0.01重量%〜5.0重量%の含有物をさらに含んでもよい。これらの金属間沈殿物および含有物は、限定されないが、Fe、Ni、Cr、AlおよびSiを含むアルミナ形成バルク合金の構成元素から形成される。金属間沈殿物、ならびに酸化物、炭化物、窒化物および炭窒化物含有物は両方とも、高温クリープ強度の改善を提供し得る。
本開示のアルミナ形成バルク合金は、低多孔性を有し、このことは、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルで炭化水素原材料に暴露される時に腐食およびコーキングに対する耐性改善に寄付する。アルミナ形成バルク合金は、2.0体積%未満の多孔性、または1.0体積%未満の多孔性、または0.5体積%未満の多孔性、または0.1体積%未満の多孔性を有する。アルミナ形成バルク合金の過度の多孔性は、気体分子をアルミナ形成バルク合金内部へ移動するための精製所プロセス炉における炭化水素原材料の気体分子の経路として有用である。気体分子の移動は、アルミナ形成バルク合金の腐食および機械的強度の悪化を誘発する。したがって、最小限の量の多孔性を含むアルミナ形成バルク合金を達成することが有利である。
1つの有利な形態において、アルミナ形成バルク合金の低多孔性は、粉末プラズマ溶接(PPW)法によって形成されてもよい。PPWは熱スプレーのようなコーティング技術ではなく、溶接オーバーレイ技術である。PPWによって、金属粉末は溶解されて、ベース管の内部表面においてプラズマトーチによって溶接される。1.0〜3.0mm、1.5〜2.5mmまたは1.75〜2.25mmの厚さを有する金属オーバーレイは、ベース管に強く結合し、ほとんど細孔を含まない層を提供する。アルミナ形成バルク合金は、高密度材料を達成するために、任意に後焼き鈍し(またはポストアニーリング、post-annealing)、テンパリング、レーザー溶融、またはそれらの組み合わせが実行されてもよい。
対照的に、プラズマ、HVOFおよびデトネーションガンなどの従来の熱スプレーコーティングプロセスは、一般に、より高い多孔性のコーティング金属層を生じる。従来の熱スプレーコーティングは、溶融または軟化された粒子が基板のへ影衝突によって適用されるプロセスによって製造される。コーティングは、しばしば、高速で冷たい表面に衝突することから平板化された小球の迅速な凝固からもたらされる網様または薄板状粒状物構造を含有する。全ての粒子が正確に同一径であって、同一温度および速度を達成することを確実にすることは困難である。したがって、熱スプレープロセス間の衝突に関する個々の粒子の条件の変動は、過度の多孔性を含む不均一構造を導く。
本開示の一態様に従って、本明細書に開示されるアルミナ形成バルク合金から形成される燃焼ヒーター管の壁の内部表面は、40マイクロインチ(1.1μm)未満、または20マイクロインチ(0.5μm)未満、または10マイクロインチ(0.25μm)未満の平均表面粗さ(Ra)を有してもよい。様々な形態において、本明細書に開示される複数の燃焼ヒーター管の内部表面は、上記表面粗さを有してもよい。そのような表面粗さは、コーキングをさらに低下させ得る。燃焼ヒーター管の内径内のなめらかな表面は、管の中を流れる炭化水素原材料のコーキングを低下させ得る。
表面粗さを低下させる例示的な非限定的手段は、機械的研磨、電気研磨、ラッピングおよびそれらの組み合わせを含んでもよい。コーティングされた金属の表面粗さを低下させることのさらなる利点がある。利点の1つは、ファウリング形成堆積物の連続的な増粘をもたらすファウリング形成の線形成長率から、有限の厚さを達成して、次いで増粘を停止する漸近的成長率への変動である。
外管層
本開示の別の態様に従って、アルミナ形成バイメタル管の外管層は、ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲のクロムを含んでなるステンレス鋼から形成され得る。そのようなステンレス鋼の非限定的な例は、表1に記載されるように347SS(S34700)および316SS(S31600)を含む。したがって、本開示のアルミナ形成バルク合金は、低多孔性およびクラックを含まない冶金的結合を確実にするために、PPW法によってステンレス鋼の内部表面に適用されてよい。使用の間、または炭化水素原材料への曝露の前に、保護アルミナ層がアルミナ形成バルク合金の表面上に形成し、これは腐食およびコーキング耐性を提供する。
他の例示的な実施形態
したがって、本開示は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含む、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける使用のためのバイメタル管を提供する。
他の形態において、本開示は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0重量%〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含む、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける使用のためのバイメタル管も提供する。
本開示は、精製所プロセス操作における炭化水素原材料の輸送のための精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける腐食、コーキングおよび/またはファウリングを低減する方法も提供する。この方法は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含む、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルでの使用のためのバイメタル管を提供する。
他の形態において、精製所プロセス操作における炭化水素原材料の輸送のための精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける腐食、コーキングおよび/またはファウリングを低減する方法は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、外管層の内部表面上でのPPWプロセスによって形成される内管層と、iii)炭化水素原材料が流れる内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの混合物から実質的に構成される酸化物層とを含んでなる、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルでの使用のためのバイメタル管を提供する工程を含む。
本開示は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層を提供する工程と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される内管層を、外管層の内部表面上にプラズマ粉末溶接する工程と、iii)内管層の表面上に、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層を形成する工程とを含む、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の製造方法を提供する。
他の形態において、精製所プロセス炉、特に炉放射コイルにおける炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の製造方法は、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲、有利には15.0〜20.0重量%の範囲、そしてより有利には16.0〜19.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層を提供する工程と、ii)5.0〜8.0重量%のAl、20.0重量%〜24.0重量%のCr、0.3重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される内管層を、外管層の内部表面上にプラズマ粉末溶接する工程と、iii)内管層の表面上に、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層を形成する工程とを含む。
利点および応用
精製所プロセス炉で、特に炉放射コイルで炭化水素原材料に暴露される燃焼ヒーター管の腐食、ファウリングおよびコーキングを低減するための金属表面は、本明細書に開示されるアルミナ形成バルク合金から構成され得る。
本開示の開示されたバイメタル管の利点は、特に、精製所プロセシング操作における燃焼ヒーター管の腐食低下および/またはファウリング低下、ならびに精製所プロセス炉操作における燃焼ヒーター管の腐食低下および/またはコーキング低下の1つまたは複数である。とりわけ、本明細書に開示される組成物の利点は、限定されないが、精製プロセシング設備、精製所プロセス炉、とりわけ、炉放射コイル、ならびに合成燃料プロセス(例えば、石炭から液体、石炭ガス化および気体から液体)などの他の補助および関連産業における燃焼ヒーター管、ならびに炭化水素プロセス原材料を輸送または運搬するために使用される腐食およびコーキングの傾向があり得る他の構成要素の炭化および硫化腐食の低下、ならびにコーキングの低下が含まれる。本開示は、限定されないが、精製所プロセス炉で発生する炭化水素原材料流れを含むプロセス流れに関連する腐食およびコーキングの低下にも関する。特に、アルミナ形成バイメタル管を使用することによる精製所プロセス炉における燃焼ヒーター管の腐食およびコーキングを低減する方法に関する。
本明細書に記載される本開示のバイメタル管は、以下の非限定的な種類の応用および用途で利用されてもよい。本開示のアルミナ形成バルク合金から利益を得る燃焼ヒーター管の表面には、使用の間いつでも炭化水素プロセス流れと接触する装置、反応器システムおよびユニットが含まれる。精製プロセスの応用において、これらの装置、反応器システムおよびユニットには、限定されないが、常圧および減圧蒸留パイプスチル、精製所プロセシング設備のコーカーおよびビスブレーカー、ならびに腐食およびファウリングの傾向があり得るプロセス流れを輸送または運搬するために使用される他の構成要素が含まれる。石油化学プロセスの応用において、これらの装置、反応器システムおよびユニットには、限定されないが、蒸気クラッカー炉における放射コイル、対流コイルおよびトランスファーライン交換器(TLE)、ならびに腐食およびファウリングの傾向があり得る炭化水素プロセス流れを輸送または運搬するために使用される他の構成要素が含まれる。
試験方法
化学組成は、電子プローブマイクロ分析器(EPMA)で決定してもよい。EPMAは、走査電子顕微鏡検査(SEM)と基本的に同一であり、化学分析能力が加えられている。EPMAの主な重要性は、波長分散的な分光学(WDS)によって正確な、定量的元素の分析を得る能力である。分析の空間的な規模は、試料の詳細な像を作成する能力と組み合わせて、その場で材料を分析することを可能にし、そして単相内の複雑な化学変形を分析することを可能にする。あるいは、化学組成はエネルギー分散型x線分光法(EDXS)によって決定されてもよい。
粗さは通常、計算による平均粗さ(Ra)で表される。平均ラインから不規則性の粗さ成分の計算による平均高さは、試料長さL内で測定される。標準カットオフは0.8mmであり、測定長さは4.8mmである。この測定は、本開示によって表面粗さを決定する際に使用されたANSI/ASME B46.1「Surface Texture−Surface Roughness,Waviness and Lay」に適合する。
以下は本開示の実施例であって、限定するように解釈されることはない。
実施例1:9Cr(T9)低クロム鋼から製造された、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管。
外径5.00インチ×内径4.25インチ×長さ12.0インチのサイズの9Cr(T9)炉管の小セグメントを調製し、そして管の内部表面はPPWプロセスの間機械加工された。アルミナ形成PPW粉末「M」は、アルゴンガス原子化法を通して調製された。粉末は、PPWプロセス間に容易な流れを可能にするために、特定のサイズまでふるいにかけられた。粉末「M」の化学組成は、重量%で、残余はNi:22.93Cr:6.68Al:33.76Fe:0.36Siであった。バイメタル管は、PPW法によって、9Cr炉管の内部表面上へ粉末「M」を適用することによって製造された。
得られるバイメタル管は、i)T9低クロム鋼の厚さ9.5mmの外管層、ii)アルミナ形成バルク合金から形成される厚さ2.0mmの内管層、およびiii)内管層の表面上に形成される厚さ50nmの天然アルミナフィルムから構成された。外部9Cr鋼層と内部アルミナ形成PPW層を明らかにするバイメタル管の断面像は、図1に示される。
EPMAによって決定されたアルミナ形成バルク合金の化学組成は、重量%で、残余はNi:20.70Cr:5.66Al:41.40Fe:0.34Siであった。Si濃度が0.4重量%未満、Fe濃度が少なくとも35.0重量%、そしてCr濃度が20.0重量%〜25.0重量%であったため、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管が製造された。SEMの使用による詳細な顕微鏡による検査によって、PPWプロセスによってアルミナ形成バルク合金から形成された内管層の円柱粒状物構造が明らかにされた。また微細構造には、Alが豊富なNiAlまたはNiAl型粒状物、窒化アルミニウム含有物、およびCrが豊富な炭化物沈殿物も観察された。図2は、本発明のアルミナ形成バイメタル管の各主要元素のEDXS濃度ラインプロフィールを示す。アルミナ形成バルク合金から形成された内管層(PPWとしてマークされる)は、約6重量%のAl、21重量%のCrおよび42重量%のFeを示し、残余はNiである。EDXSはEPMAほど精密ではないが、なお、アルミナ形成バルク合金から形成された内管層は、5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSi、および少なくとも35.0重量%のFeから構成され、残余はNiであるという結果を提供する。各データポイントの分散は、PPW層の金属間沈殿物、Crが豊富な炭化物沈殿物、および窒化アルミニウム含有物の存在による。
実施例2:9Cr(T9)低クロム鋼から製造された、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管。
外径5.00インチ×内径4.25インチ×長さ12.0インチのサイズの9Cr(T9)炉管の小セグメントを調製し、そして管の内部表面はPPWプロセスの間機械加工された。アルミナ形成PPW粉末「O」は、アルゴンガス原子化法を通して調製された。粉末は、PPWプロセス間に容易な流れを可能にするために、特定のサイズまでふるいにかけられた。粉末「O」の化学組成は、重量%で、残余はNi:24.20Cr:6.25Al:32.20Fe:0.14Siであった。バイメタル管は、PPW法によって、9Cr炉管の内部表面上へ粉末「O」を適用することによって製造された。
得られるバイメタル管は、i)T9低クロム鋼の厚さ9.5mmの外管層、ii)アルミナ形成バルク合金から形成される厚さ2.0mmの内管層、およびiii)内管層の表面上に形成される厚さ50nmの天然アルミナフィルムから構成された。外部9Cr鋼層と内部アルミナ形成PPW層を明らかにするバイメタル管の断面像は、図1に示される。
EPMAによって決定されたアルミナ形成バルク合金の化学組成は、重量%で、残余はNi:21.28Cr:5.67Al:41.55Fe:0.17Siであった。Si濃度が0.3重量%未満、Fe濃度が少なくとも40.0重量%、そしてCr濃度が20.0重量%〜24.0重量%であったため、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管が製造された。SEMの使用による詳細な顕微鏡による検査によって、PPWプロセスによってアルミナ形成バルク合金から形成された内管層の円柱粒状物構造が明らかにされた。また微細構造には、Alが豊富なNiAlまたはNiAl型粒状物、窒化アルミニウム含有物、およびCrが豊富な炭化物沈殿物も観察された。
実施例3(比較例):9Cr(T9)低クロム鋼から製造された、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管。
外径5.00インチ×内径4.25インチ×長さ12.0インチのサイズの9Cr(T9)炉管の小セグメントを調製し、そして管の内部表面はPPWプロセスの間機械加工された。アルミナ形成PPW粉末「N」は、アルゴンガス原子化法を通して調製された。粉末は、PPWプロセス間に容易な流れを可能にするために、特定のサイズまでふるいにかけられた。粉末「N」の化学組成は、重量%で、残余はNi:19.82Cr:7.36Al:39.30Fe:0.25Siであった。バイメタル管は、PPW法によって、9Cr炉管の内部表面上へ粉末「O」を適用することによって製造された。
得られるバイメタル管は、i)T9低クロム鋼の厚さ9.5mmの外管層、ii)アルミナ形成バルク合金から形成される厚さ2.0mmの内管層、およびiii)内管層の表面上に形成される厚さ50nmの天然アルミナフィルムから構成された。外部9Cr鋼層と内部アルミナ形成PPW層を明らかにするバイメタル管の断面像は、図1に示される。
EPMAによって決定されたアルミナ形成バルク合金の化学組成は、重量%で、残余はNi:17.07Cr:5.04Al:39.48Fe:0.21Siであった。Si濃度が0.3重量%未満であったが、Fe濃度は40.0重量%未満、そしてCr濃度も20.0重量%未満であった。FeおよびCrの量がより低いために、得られたアルミナ形成バイメタル管は、標準貫入試験後に「ブローホール」というクラック様の欠陥を明らかにした。この結果によって、Si濃度がアルミナ形成PPW層で0.3重量%未満であっても、本開示のクラックを含まないバイメタル管を製造するためには、FeおよびCr濃度が、それぞれ少なくとも40重量%および20重量%でなければならないということが確認される。
実施例4:9Cr(T9)低クロム鋼から製造された、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管。
外径5.00インチ×内径4.25インチ×長さ12.0インチのサイズの9Cr(T9)炉管の小セグメントを調製し、そして管の内部表面はPPWプロセスの間機械加工された。アルミナ形成PPW粉末「N+O」は、アルゴンガス原子化法を通して調製された。粉末は、PPWプロセス間に容易な流れを可能にするために、特定のサイズまでふるいにかけられた。粉末「N+O」の化学組成は、重量%で、残余はNi:22.01Cr:6.81Al:35.75Fe:0.22Siであった。バイメタル管は、PPW法によって、9Cr炉管の内部表面上へ粉末「N+O」を適用することによって製造された。
得られるバイメタル管は、i)T9低クロム鋼の厚さ9.5mmの外管層、ii)アルミナ形成バルク合金から形成される厚さ2.0mmの内管層、およびiii)内管層の表面上に形成される厚さ50nmの天然アルミナフィルムから構成された。外部9Cr鋼層と内部アルミナ形成PPW層を明らかにするバイメタル管の断面像は、図1に示される。
EPMAによって決定されたアルミナ形成バルク合金の化学組成は、重量%で、残余はNi:22.10Cr:6.90Al:36.30Fe:0.20Siであった。Si濃度が0.4重量%未満、Fe濃度が少なくとも35.0重量%、そしてCr濃度が20.0重量%〜24.0重量%であったため、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管が製造された。SEMの使用による詳細な顕微鏡による検査によって、PPWプロセスによってアルミナ形成バルク合金から形成された内管層の円柱粒状物構造が明らかにされた。また微細構造には、Alが豊富なNiAlまたはNiAl型粒状物、窒化アルミニウム含有物、およびCrが豊富な炭化物沈殿物も観察された。
実施例5:347SSステンレス鋼から製造された、クラックを含まないアルミナ形成バイメタル管。
外径3.75インチ×内径3.25インチ×長さ12.0インチのサイズの347SS炉管の小セグメントを調製し、そして管の内部表面はPPWプロセスの間機械加工された。アルミナ形成PPW粉末「P」は、アルゴンガス原子化法を通して調製された。粉末は、PPWプロセス間に容易な流れを可能にするために、特定のサイズまでふるいにかけられた。粉末「P」の化学組成は、重量%で、残余はNi:24.20Cr:6.25Al:36.20Fe:0.14Siであった。バイメタル管は、PPW法によって、347SS炉管の内部表面上へ粉末「P」を適用することによって製造された。
得られるクラックを含まないアルミナ形成バイメタル管は、i)347SSステンレス鋼の厚さ4.85mmの外管層、ii)アルミナ形成バルク合金から形成される厚さ1.50mmの内管層、およびiii)内管層の表面上に形成される厚さ50nmの天然アルミナフィルムから構成された。SEMの使用による詳細な顕微鏡による検査によって、PPWプロセスによってアルミナ形成バルク合金から形成された内管層の円柱粒状物構造が明らかにされた。また微細構造には、Alが豊富なNiAlまたはNiAl型粒状物、窒化アルミニウム含有物、およびCrが豊富な炭化物沈殿物も観察された。
アルミナ形成バルク合金粉末によって形成されたPPW層の化学組成は、EDXSによって決定された。図3は、本発明のアルミナ形成バイメタル管の各主要元素のEDXS濃度ラインプロフィールを示す。アルミナ形成バルク合金から形成された内管層(PPWとしてマークされる)は、約6重量%のAl、21重量%のCrおよび39重量%のFeを示し、残余はNiである。EDXSの結果は、アルミナ形成バルク合金から形成された内管層は、5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSi、および少なくとも35.0重量%のFeから構成され、残余はNiであることを示す。各データポイントの分散は、PPW層の金属間沈殿物、Crが豊富な炭化物沈殿物、および窒化アルミニウム含有物の存在による。
出願人は、適度に予知することができる開示された対象の全ての実施形態および応用の開示を試みた。しかしながら、同等のままである、予知できない実体のない修正があってもよい。本発明はそれらの特定の例示的な実施形態とともに記載されるが、本開示の精神または範囲から逸脱することなく上記の説明を考慮して、多くの変更、変性および変形が当業者に明らかであることは明白である。したがって、本開示は、上記の詳細説明の全てのそのような変更、変性および変形を包含するように意図される。
優先権資料を含む、本明細書に引用される全ての特許、試験手順および他の資料は、そのような開示が本発明と相反しないという範囲まで、そして、そのような組み込みが可能である全ての権限に関して、参照によって完全に組み込まれる。
数値的下限および数値的上限が本明細書に記載される場合、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が考察される。

Claims (19)

  1. 精製所プロセス炉の炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管であって、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、前記外管層の内部表面上に前記アルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)前記内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層とを含んでなる、バイメタル管。
  2. 前記外管層が、347SSステンレス鋼および316SSステンレス鋼から選択されるステンレス鋼である、請求項1に記載のバイメタル管。
  3. 前記内管層が、0.01重量%未満の炭素をさらに含んでなる、請求項1〜2のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  4. 前記内管層が、Ga、Ge、As、In、Sn、Sb、Pb、Pd、Pt、Cu、Ag、Auおよびそれらの組み合わせから選択される、0.1重量%〜2.0重量%の少なくとも1種の元素をさらに含んでなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  5. 前記内管層が、Re、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Auおよびそれらの組み合わせから選択される、0.1重量%〜2.0重量%の少なくとも1種の元素をさらに含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  6. 前記内管層が、Sc、La、Y、Ceおよびそれらの組み合わせから選択される、0.01重量%〜2.0重量%の少なくとも1種の元素をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  7. 前記内管層が、Al、Si、Sc、La、Y、Ceおよびそれらの組み合わせから選択される、0.01重量%〜2.0重量%の少なくとも1種の元素の酸化物粒子をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  8. 前記内管層が、Mn、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wおよびそれらの組み合わせから選択される、0.01重量%〜4.0重量%の少なくとも1種の元素をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  9. 前記内管層が、NiAl、NiAl、シグマ相およびそれらの組み合わせから選択される、0.1重量%〜30.0重量%の少なくとも1種の金属間沈殿物をさらに含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  10. 前記内管層が、酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物含有物およびそれらの組み合わせから選択される、0.01重量%〜5.0重量%の少なくとも1種の含有物をさらに含んでなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のバイメタル管。
  11. 精製所プロセス炉の炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送のためのバイメタル管の製造方法であって、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層を提供する工程と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成される内管層を、前記外管層の内部表面上にプラズマ粉末溶接する工程と、iii)前記内管層の表面上に、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層を形成する工程とを含んでなる、方法。
  12. 前記内管層の表面上での前記酸化物層の形成が、石油化学または精製プロセスユニットにおける炭化水素プロセス流れへの暴露時に、前記アルミナ形成バルク合金の使用の間にその場で生じる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記内管層の表面上での前記酸化物層の形成が、制御された低酸素分圧環境への前記バイメタル管の材料の暴露によって使用より前に生じる、請求項11に記載の方法。
  14. 前記制御された低酸素分圧環境が、精製所プラント蒸気、石油化学プラント蒸気、気体HO:H混合物および気体CO:CO混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記制御された低酸素分圧環境が、CH、NH、N、O、He、Ar、炭化水素およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の他の気体をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記制御された低酸素分圧環境の温度が500℃〜1200℃であり、かつ前記制御された低酸素分圧環境露出時間が1時間〜500時間である、請求項13、14または15に記載の方法。
  17. 後焼き鈍し、テンパリング、レーザー溶融およびそれらの組み合わせから選択される方法によって、前記内管層の密度を高めることをさらに含む、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 機械的研磨、電気研磨、ラッピングおよびそれらの組み合わせから選択される方法によって、前記内管層の表面粗さを低下させることをさらに含む、請求項11〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 精製所プロセス炉の炉放射コイルを通しての炭化水素原材料の輸送からの腐食、コーキングおよび/またはファウリングを低減する方法であって、i)ステンレス鋼の全重量に基づき、15.0〜26.0重量%の範囲でクロムを含んでなるステンレス鋼から形成される外管層と、ii)5.0〜10.0重量%のAl、20.0重量%〜25.0重量%のCr、0.4重量%未満のSiおよび少なくとも35.0重量%のFeを含んでなり、残余はNiであるアルミナ形成バルク合金から形成され、前記外管層の内部表面上に前記アルミナ形成バルク合金をプラズマ粉末溶接することによって形成される内管層と、iii)前記内管層の表面上に形成され、アルミナ、クロミア、シリカ、ムライト、尖晶石またはそれらの組み合わせを含んでなる酸化物層とを含んでなる、前記精製所プロセス炉の炉放射コイルのためのバイメタル管を提供することを含んでなる方法。
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