JP2015526583A - 炭化水素ゲルに懸濁された反応器成分を使用した重合方法 - Google Patents

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Abstract

炭化水素ゲル中に懸濁された反応器成分を準備し;該反応器成分を重合反応器に導入し;そして該重合反応器内でオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させることを含む重合方法を開示する。懸濁された反応器成分を中に含む炭化水素ゲルを準備し;該炭化水素ゲルと追加の反応器供給物とを混合し;該炭化水素ゲルと該追加の反応器供給物との混合物を重合反応器に導入し;そして該重合反応器内においてオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させることを含む、別の重合方法も開示する。液体炭化水素;ゲル化剤;及び反応器成分を含む炭化水素ゲルも開示する。

Description

本発明は、炭化水素ゲル化に懸濁された反応器成分を準備し、該反応器成分を重合反応器に導入し、そして該重合反応器内でオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させることを含むことができる重合方法に関する。
重合及び触媒の進歩によって、様々な製品及び用途に有用な改善された物性及び化学的特性を有する新規な重合体を製造することができるようになった。この新規な触媒の開発によって、特定の重合体を製造するための重合方法(例えば溶液、スラリー、高圧又は気相)の選択の幅が大きく広がった。また、重合技術の進歩は、より効率的で、非常に生産性が高く、しかも経済的に向上した方法を提供した。
連続性添加剤及び触媒などの反応器成分を重合反応器に供給するために多数の異なる技術が開発されてきた。一つの技術は、反応器成分を反応器にこの反応器成分が鉱油に懸濁された鉱物油スラリーで供給することを伴う。これらの鉱物油スラリーは反応器成分の供給のために首尾よく使用されてきたが、それらの使用は、反応器成分が使用前にスラリーから沈降する場合が多いため、困難な場合がある。したがって、反応器成分を鉱油中に再懸濁させるために反応器成分の貯蔵容器を攪拌する必要がある。例えば、ポリエチレンイミンなどの特定の反応器成分は、鉱油中に懸濁された親水性ポリエチレンイミンを維持するために連続的な激しい撹拌を必要とする場合がある。また、反応器に供給するライン中における反応器成分の沈降を避けるために特別な予防措置をとることが必要な場合がある。例えば、より小さい直径のラインを使用して鉱物油スラリーの高い速度を維持するのを助けることができる場合があるが、これは、高い圧力降下又はラインの目詰まりにつながる可能性がある。あるいは、ラインを反応器に対して急峻に傾斜させることが必要な場合があり、この場合には、典型的な化学工場内のレイアウトを複雑にする可能性がある。さらに、固体メタロセン触媒などの所定の触媒成分は、鉱油液体中において沈降するのが速すぎるため、鉱油スラリーの代わりに触媒成分の溶液が使用されてきた。しかし、これらの溶液の使用は、重合プロセスにより、トルエンなどの所定の溶媒の相溶性に問題が生じる。
したがって、改善された重合方法、例えば、反応器成分を重合反応器に供給するための改善された技術に対する要望が存在する。このような技術は、反応器成分が重合反応器に到達する前に該反応器成分が沈降する傾向を低減させることができる。
発明の概要
ここで開示するのは、炭化水素ゲル化に懸濁された反応器成分を準備し、該反応器成分を重合反応器に導入し、そして該重合反応器内でオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させることを含むことができる重合方法である。
さらにここで開示するのは、液体炭化水素と、ゲル化剤と、反応器成分とを含むことができる炭化水素ゲルである。
さらにここで開示するのは、懸濁された反応器成分を含む炭化水素ゲルを準備し、該炭化水素ゲルと追加の反応器供給物とを混合し、該炭化水素ゲルと該付加反応器供給物との混合物を重合反応器に導入し、そして該重合反応器内でオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させることを含むことができる重合方法である。
詳細な説明
本願の化合物、成分、組成物及び/又は方法を開示し説明する前に、特に示さない限り本発明は特定の化合物、成分、組成物、反応体、反応条件、配位子、メタロセン構造などに限定されず、特に示さない限りそれ自体変更できることを理解すべきである。また、ここで使用する用語は、特定の実施形態を説明する目的で用いるものであり、限定を目的としない。
ここで使用するときに、元素又はそれらの族の周期表に対する言及の全ては、ローマ数字で示された以前のIUPAC形式(同様に表示)に言及しない限り又は特に断りのない限り、「HAWLEY’S CONDENSED CHEMICAL DICTIONARY」第13版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(1997)(IUPACの許可を得てそこに複製)に公開された新表記に対するものである。
炭化水素ゲル
ここで説明するのは、反応器成分を重合反応器に供給するために炭化水素ゲルを使用する方法である。本明細書で使用するときに、用語「炭化水素ゲル」とは、液体炭化水素を含有する分散相を連続相と混合して安静時の間に粘性のゼリー状組成物を生成したコロイドをいう。反応器成分は、炭化水素ゲルに懸濁できる。炭化水素ゲルは、ゲル化剤、液体炭化水素及び反応器成分(又は反応器成分の混合物)を含むことができる。炭化水素ゲルは周囲貯蔵条件下では安定であるため、炭化水素ゲルを保存し、その後反応器に供給し、貯蔵容器を攪拌する必要性を低減させる又はさらに場合によってはなくすことができる。さらに、炭化水素ゲルを使用して、炭化水素スラリーの実際の使用にあたって急速に沈降しすぎる反応器成分を供給することができる。さらに、炭化水素ゲルは剪断減粘性を示すので、該ゲルは応力を加えると容易に流動し得るが、応力を取り除くと定常状態では流動を示さない。
ゲルは、典型的にはゲル化剤を使用することによって得られる。実施形態では、炭化水素ゲルの連続相は、ゲル化剤を含むことができる。ゲル化剤は、液体炭化水素でゲルを形成することのできる任意のゲル化剤であることができる又はそれを含むことができる。使用に好適であり得るゲル化剤は、不活性なものとすることができる。ゲル化剤又は他の材料は、触媒と反応する傾向を有する成分又は例えば酸素、硫黄若しくは窒素から選択される原子を含む成分を含有しない場合には一般に不活性であると考えられる。例えば、ゲル化剤は、高分子ブロック共重合体であることができる高分子ゲル化剤を含むことができる。好適な高分子ブロック共重合体の例としては、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、星形、グラフトアレイが挙げられる。好適な高分子ゲル化剤の一例はポリエチレンである。例えば、高分子ゲル化剤は、ポリエチレンブロック共重合体を含むことができる。好適な高分子ゲル化剤の追加の例としては、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体及びブタジエンが挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、ゲル化剤は、高分子ゲル化剤に限定されるものではない。例えば、金属石鹸(例えば、非アルカリ金属の高級脂肪酸塩)が使用に好適な場合がある。好適なものであることができる高級脂肪酸塩の具体例は、ステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウムなどを含むが、これらに限定されない。他の好適なゲル化剤は、例えば、脂肪酸デキストリンエステル、ジアルキルリン酸エステルの金属塩及び有機変性ベントナイトを含むことができる。好適なゲル化剤の追加の例としては、ATMER AS−990及びIRGASTAT AS−990を含めて、アルキルエタノールアミン又はエトキシル化ステアリルアミンなどのエトキシル化アミンが挙げられる。上記ゲル化剤の所定のものは、触媒と反応し、その結果触媒生産性を減少させる場合のある酸素又は他の原子を含んでいてもよいが、このようなゲル化剤は、触媒生産性に有意に影響を及ぼさない十分に少ない量で使用できる。2種以上のゲル化剤の組み合わせも好適な場合がある。例えば、ステアリン酸アルミニウムとアルキルエタノールアミンとの組み合わせをいくつかの実施形態で使用することができる。
ゲル化剤は、炭化水素ゲルの約0.1重量%〜約25重量%の範囲の量で炭化水素ゲル中に存在することができる。別の例では、ゲル化剤は、炭化水素ゲルの約0.1%、約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%若しくは約25重量%のいずれかの間を範囲とする及び/又はいずれかを含む量で存在することができる。例えば、ゲル化剤は、炭化水素ゲルの約1重量%〜約5重量%又は約1重量%〜約2重量%の範囲の量で存在することができる。
液体炭化水素は、ゲルを形成し、かつ、反応器成分を懸濁することのできる任意の炭化水素であることができる又はそれを含むことができる。液体炭化水素は不活性であることができる。ゲル化剤でゲル化するのに好適な液体炭化水素の例としては、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの直鎖及び/又は分枝アルカン;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ノルボルナン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ガソリン、灯油、軽油などの石油留分;脂肪族炭化水素などが挙げられる。例えば、液体炭化水素は鉱油を含むことができる。任意の2種以上の液体炭化水素を一緒に使用して液体炭化水素を与えることができる。
液体炭化水素は、炭化水素ゲルの約60重量%〜約99重量%まで炭化水素ゲル中に存在することができる。別の例では、液体炭化水素は、炭化水素ゲルの約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%又は約99重量%のいずれかの間を範囲とする及び/又はいずれかを含む量で存在することができる。例えば、液体炭化水素は、炭化水素ゲルの約80重量%〜約99重量%又は約85重量%〜約95重量%の範囲の量で存在することができる。
炭化水素ゲルに懸濁するのに好適な反応器成分は、典型的にはオレフィン重合の際に重合反応器に供給される様々な異なる成分のいずれかを含むことができる。反応器成分は、特定の用途のために望まれるように、液体又は固体粒子とすることができる。好適な反応成分の例は、連続添加物、触媒及び/又は触媒系成分、流動助剤(例えば、カーボンブラック、シリカ、タルク及びクレーなどの不活性粒状材料並びに不活性高分子材料)、連鎖移動剤、促進剤、捕捉剤及びこれらの組み合わせを含む。実施形態では、反応器成分はゲル化剤とすることができる。例えば、ゲル化剤は、例えば、アルミニウムジステアレート及び/又はアルキルエタノールアミンなどのエトキシル化アミンを含むことができ、また、このものは、重合反応器の連続添加剤としても使用できる。
炭化水素ゲルに懸濁される反応器成分の量は、使用されるゲル化剤及び液体炭化水素の種類及び量、特定の反応器成分並びに供給する必要がある成分の量を含めて多数の要因に依存する。反応器成分は、炭化水素ゲルの約0.1重量%〜約30重量%の範囲内の量で炭化水素ゲル中に存在することができる。別の例では、反応器成分は、炭化水素ゲルの約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、又は約30重量%のいずれかの間の範囲とする及び/又はいずれかを含む量で存在することができる。例えば、反応器成分は、炭化水素ゲルの約1重量%〜約20重量%又は約5重量%〜約20重量%の範囲内の量で存在することができる。これらの特定の範囲外の濃度も特定の用途に好適な場合もあることを理解すべきである。
ここで、炭化水素ゲルを製造するための技術をより詳しく説明する。しかし、当業者であれば分かるように、他の好適な技術も炭化水素ゲルの製造のために使用できると解すべきである。以下で説明するように加熱後冷却することを含む方法によって製造された炭化水素ゲルを「急冷炭化水素ゲル」ということができる。まず、炭化水素液を、ゲル化剤の融点よりも高い温度に加熱することができる。例えば、炭化水素液を約70℃以上、約90℃以上、約110℃以上、又は約120℃以上の温度に加熱することができる。例えば、炭化水素液を、約70℃〜約150℃、約90℃〜約130℃、約110℃〜約130℃、又は約120℃〜約130℃範囲内の温度に加熱することができる。次いで、ゲル化剤を炭化水素液に溶解させて均質な溶液を得ることができる。ゲル化剤と炭化水素液とを、任意の好適な順番又は順序で混合できる。例えば、ゲル化剤を加熱前に炭化水素液と混合でき、又はゲル化剤を、炭化水素液を加熱した後又は炭化水素液の加熱中に炭化水素液と混合できる。
その後、ゲル化剤と炭化水素液との混合物を、例えば、約50℃以下の温度又は約0℃〜約50℃の間の温度に冷却できる。実施形態では、この混合物をほぼ室温にまで冷却することができる。このようにして炭化水素ゲルを得ることができる。混合物をあまりにゆっくりと冷却しすぎると、得られたゲルは粘性が高すぎる場合がある。したがって、冷却は、例えば、少なくとも毎分1℃の速度とすることができる。例えば、冷却は、少なくとも毎分約10℃、毎分約20℃、毎分約30℃の速度とすることができる。冷却後、この製造技術は、炭化水素ゲルを約1分〜約24時間、又は約1時間〜約8時間の範囲の期間にわたって撹拌する又はさもなくばかき混ぜることを含むことができる。いくつかの実施形態では、炭化水素ゲルは、毎時約9〜約20リットルの速度で約0.21容量のフロースルー装置において約1,000rpmの速度で攪拌できる。冷却後に炭化水素ゲルに加えられる追加的な攪拌により、反応器成分を懸濁することができると共に、貯蔵容器から重合反応器への供給にさらに好適な減少した粘度も有するゲルを得ることができる。
反応器成分は、望ましくない沈降なしに長期間にわたって炭化水素ゲル中に懸濁され得ることが分かった。反応器成分は、冷却の前に液体炭化水素とゲル化剤との混合物と一緒にできる。あるいは、反応器の成分は、冷却後に炭化水素ゲルと一緒にできる。
前述のように、炭化水素ゲルは、重合反応器に反応器成分を供給するために使用できる。例えば、中に懸濁された反応器成分を含む炭化水素ゲルを反応器に導入することができる。炭化水素ゲルは、個々の供給物として反応器に導入してもよいし、又は反応器への導入前に他の供給物と一緒にすることができる。実施形態では、中に懸濁された連続添加を含む炭化水素ゲルを触媒スラリーと一緒にしてから、この一緒にした炭化水素ゲル/触媒混合物を反応器に供給することができる。触媒スラリーは、例えば、鉱油などのキャリア液中に懸濁された担持触媒又は触媒系を含むことができる。実施形態では、担持触媒系は、担体材料上に2種以上の触媒成分及び活性剤を含むことができる。別の実施形態では、触媒を含む炭化水素ゲルを触媒スラリーと一緒にしてから、この一緒にした混合物を反応器に供給することができる。触媒は、触媒スラリー中の担体材料上で吸着又は活性化できる。
連続添加剤
ここで開示された重合方法では、連続添加剤を使用して、例えば、一般に重合反応器の連続運転の中断である反応器の不連続性の事象を制御又は場合によっては排除することが望ましい場合がある。実施形態では、連続添加物は、炭化水素ゲル中に懸濁できる。本明細書で使用するときに、用語「連続添加物又は助剤」及び「防汚剤」とは、気相又はスラリー相重合方法において反応器の汚れを減少させる又は除去するのに有用な固体又は液体などの化合物又は化合物の混合物をいい、ここで、「汚れ」は、反応器壁のシーティング、入口及び出口ラインの詰まり、大きな凝集体の形成又は当該技術分野において知られている反応器不調の他の形態を含めた任意の数の現象によって現れる場合がある。本明細書における目的上、これらの用語は区別なく使用できる。実施形態によれば、連続添加剤を触媒系の一部として使用することや、触媒系とは別に反応器に直接導入することもできる。ある種の実施形態では、連続添加剤は、本明細書に記載の担持触媒系の無機酸化物上に担持されている。
使用される特定の連続添加剤は、静電荷の性質、製造される特定の重合体及び/又は使用される特定の触媒に少なくとも部分的に依存する。連続添加剤の例は、WO96/11961号において「表面改質剤」と記載されているような脂肪酸アミン類、アミド−炭化水素又はエトキシ化アミド化合物;アリールカルボキシレート及び長鎖炭化水素カルボキシレート、脂肪酸金属錯体などのカルボキシレート化合物;アルコール、エーテル、硫酸化合物、金属酸化物並びに当該分野において知られている他の化合物を含むが、これらに限定されない。連続添加物のいくつかの具体的な例としては、1,2−ジエーテル有機化合物、酸化マグネシウム、ARMOSTAT310、ATMER163、ATMER AS−990及び他のグリセロールエステル、IRGASTAT AS−990及び他のエトキシル化アミン(例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)オクタデシルアミン)、スルホン酸アルキル、及びアルコキシル化脂肪酸エステル;STADIS450及び425、KEROSTAT CE4009及びKEROSTAT CE5009、N−オレイルアントラニル酸クロム塩、メジアラン酸及びジ−t−ブチルフェノールのカルシウム塩;POLYFLO130、TOLAD511(α−オレフィン・アクリロニトリル共重合体及び重合ポリアミン)、EDENOL D32、ステアリン酸アルミニウム、アルミニウムジステアレート、ソルビタンモノオレエート、グリセロールモノステアレート、トルイル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、トリエチルアミン、3,3−ジフェニル−3−(イミダゾール−1−イル)−プロピン並びに類似の化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、連続添加物は、記載したカルボン酸金属塩と共に、随意にこの節で記載した他の化合物である。
さらに別の連続添加剤は、次の構造を有するポリエチレンイミンが挙げられる:
−(CH2−CH2−NH)n
式中、nは10〜10,000であることができる。このポリエチレンイミンは直鎖、分岐又は超分岐であることができる(すなわち、樹木状又は樹枝状重合体構造を形成する)。これらは、エチレンイミンの単独重合体若しくは共重合体又はその混合物であることができる(以下、ポリエチレンイミンという)。化学式−−[CH2CH2NH]−−で表される直鎖重合体をポリエチレンイミンとして使用することができるが、第一級、第二級及び第三級分岐を有する材料を使用することもできる。市販のポリエチレンイミンは、エチレンイミン重合体の分岐を有する化合物の場合がある。好適なポリエチレンイミンは、BASF社からLUPASOLという商品名で市販されている。これらの化合物は、広範囲の分子量及び生成物活性として製造できる。
さらに追加の連続添加剤はポリエーテルアミンを含むことができる。本明細書で使用するときに、用語「ポリエーテル」とは、少なくとも1個のアミノ基を末端基とするポリエーテル主鎖を含む重合体をいう。ポリエーテル主鎖は、例えば、エチレンオキシド系、プロピレンオキシド系、1,2−ブチレンオキシド系、テトラメチレンオキシド系又はそれらの任意の組み合わせであることができる。ポリエーテルアミンは、例えば、ブロック共重合体、グラフト共重合体又はブロック−グラフト共重合体であることができる。いくつかの実施形態では、ポリエーテルは、ジブロック共重合体又はトリブロック共重合体である。いくつかの実施形態では、ポリエーテルアミンは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体であることができる。好適なポリエーテルアミンは、例えば、モノアミン、ジアミン、及びトリアミンを含むことができる。例えば、ポリエーテル主鎖は、少なくとも1個の第一級アミノ基、又は少なくとも1個の第二級アミノ基、又は少なくとも1個の第三級アミノ基を末端基とすることができる。好適なポリエーテルアミンとしては、商品名JEFFAMINE(登録商標)ポリエーテルとしてハンツマン社から市販されているものが挙げられる。本発明の実施形態で使用するための市販のポリエーテルアミンの例としては、JEFFAMINE(登録商標)HK−511のポリエーテルアミン、JEFFAMINE(登録商標)ED−600ポリエーテルアミン、JEFFAMINE(登録商標)ED−900ポリエーテルアミン及びJEFFAMINE(登録商標)ED−2003ポリエーテルアミンなどのJEFFAMINE(登録商標)EDシリーズのポリエーテルアミン;JEFFAMINE(登録商標)M−600ポリエーテルアミン、JEFFAMINE(登録商標)M−1000、JEFFAMINE(登録商標)M−2005ポリエーテルアミン及びJEFFAMINE(登録商標)M−2070ポリエーテルアミンなどのJEFFAMINE(登録商標)Mシリーズのポリエーテルアミン;及びJEFFAMINE(登録商標)D−230ポリエーテルアミン、JEFFAMINE(登録商標)D−400、JEFFAMINE(登録商標)D−2000ポリエーテルアミン、及びJEFFAMINE(登録商標)D−4000ポリエーテルアミンなどのJEFFAMINE(登録商標)Dシリーズのポリエーテルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の連続添加剤のいずれかを単独で又は連続添加物と組み合わせて使用できる。例えば、カルボン酸金属塩を、アミン含有制御剤(例えば、KEMAMINE(ケムチュラUSA社から入手できる)又はATMER(ICIアメリカ社から入手できる)製品群に属する任意の種類の抽出カルボン酸金属塩)と混合できる。
ここで開示する実施形態において有用な他の連続添加剤は当業者に周知である。どの連続添加剤を使用するのかにかかわらず、反応器に毒物を導入するのを避けるために適切な連続添加剤を選択することに注意を払うべきである。また、選択された実施形態では、静電荷を所望の範囲と整合させるのに必要な連続添加剤の最小量を使用すべきである。
連続添加剤は、上で列挙した連続添加剤の2種以上の組合せとして反応器に導入できる。連続性添加剤は、溶液若しくはスラリーの形態で反応器に導入でき、又は炭化水素ゲルに懸濁できる。連続添加剤は、個々の供給物として反応器に導入でき、又は反応器に導入する前に他の供給物と混合できる。例えば、連続添加剤を触媒又は触媒スラリーと一緒にしてから、この一緒にした触媒スラリー/連続性添加剤混合物を反応器に導入することができる。
連続添加剤は、触媒スラリーとは別の反応器に導入できる。言い換えれば、連続添加剤と触媒スラリーとを反応器内で接触させることができる。さらなる例では、連続添加物を触媒スラリーと混合させ、その後混合物として反応器に導入することができる。言い換えれば、連続添加剤と触媒スラリーとを反応器の外部で接触させることができる。さらに別の例では、連続添加剤の第1部分を触媒スラリーと混合させ、そして反応器に導入することができ、連続添加剤の第2部分を別々に反応器に導入することができる。言い換えれば、連続添加剤の第1部分と触媒スラリーとを反応器の外部で接触させることができ、連続性添加剤の第2部分を触媒スラリーと連続添加剤の第1部分との混合物と反応器内で接触させることができる。
反応器に導入される連続添加剤及び/又は触媒スラリーの量は、重合体製造速度に基づいて、約0.05重量ppm〜約200重量ppmの連続添加剤濃度を与えるのに十分なものとすることができる。例えば、連続添加剤は、反応器に導入できる、すなわち、反応器に直接及び/又は触媒スラリーと共に、重合体製造速度に基づいて約1重量ppm、約2重量ppm又は約3重量ppmの低から約35重量ppm、約45重量ppm又は約55重量ppmの高までを範囲とする量で導入できる。反応器に導入される連続添加剤の量は、特定の触媒系、帯電を制御するための被覆などの反応器プレコンディショニング及び/又は他の要因に少なくとも部分的に依存し得る。
触媒成分
特に液状触媒、固体触媒及び不均一又は担持触媒を含めて任意の種類の触媒成分を使用することができ、かつ、液体、スラリー(液体/固体混合物)として又は固体として反応器に供給できる。実施形態では、触媒成分は、炭化水素ゲルで反応器に供給できる。ここで開示された実施形態において有用な液状触媒は、安定でかつ噴射可能又は噴霧可能でなければならないと解すべきである。これらの触媒は、単独で又は様々な組み合わせ若しくは混合物で使用できる。例えば、1種以上の液体触媒、1種以上の固体触媒、1種以上の担持触媒、或いは液体触媒及び/又は固体若しくは担持触媒の混合物、或いは固体触媒と担持触媒との混合物を使用することができる。これらの触媒は、当技術分野において周知の共触媒、活性化剤及び/又は促進剤と共に使用できる。使用できる触媒成分の非限定的な例は、メタロセン触媒、チーグラー・ナッタ触媒及びフィリップス型クロム触媒などの従来の触媒及び第15族元素を含有する触媒を含む。また、AlCl3、コバルト、鉄、及びパラジウム触媒などの触媒も意図される。本明細書で使用するときに、用語「触媒成分」は、用語「触媒」と区別なく使用され、かつ、1種以上のオレフィンの重合又はオリゴマー化などの化学反応の速度を増加させることのできる任意の化合物若しくは成分又は化合物若しくは成分の組み合わせを包含する。
メタロセン触媒
メタロセン又はメタロセン型触媒化合物は、一般に、シクロペンタジエニル(Cp)若しくはシクロペンタジエニル型構造又はペンタジエン、シクロオクタテトラエンジイル及びイミドなどの他の類似の機能構造を含む1個以上の配位子を含有する。当業者であれば、メタロセン触媒化合物及び/又は系に対してここでなした言及は、メタロセン型触媒化合物及び/又は系を指すものであることが分かる。ここで使用するときに、触媒系とは、触媒化合物と共触媒又は活性化剤との組み合わせをいう。典型的なメタロセン化合物は、一般に、遷移金属原子にη−5結合することのできる1個以上の配位子、通常は、シクロペンタジエニル誘導配位子又は部分を、元素の周期表の第3〜8族、好ましくは第4、5若しくは6族又はランタニド及びアクチニド系列から選択される遷移金属と共に含有するものと説明される。これらのメタロセン触媒化合物及び触媒系の例は、例えば、米国特許第4,530,914号、同4,871,705、4,937,299、同5,017,714、5,055,438、同5,096,867、5,120,867、同5,124,418、5,198,401、同5,210,352、5,229,478、同5,264,405、5,278,264、同5,278,119、5,304,614、同5,324,800、5,347,025、同5,350,723、5,384,299、同5,391,790、5,391,789、同5,399,636、5,408,017、同5,491,207、5,455,366、同5,534,473、5,539,124、同5,554,775、5,621,126、同5,684,098、5,693,730、同5,698,634、5,710,297、同5,712,354、5,714,427、同5,714,555、5,728,641、同5,728,839、5,753,577、同5,767,209、同5,770,753号及び同5,770,664号に記載されている。また、EP−A−0 591 756、EP−A−0 520 732、EP−A−0 420 436、EP−B1 0 485 822、EP−B1 0 485 823、EP−A2−0 743 324及びEP−B1 0 518 092などの欧州特許文献並びにPCTパンフレットのWO91/04257、WO92/00333、WO93/08221、WO93/08199、WO94/01471、WO96/20233、WO97/15582、WO97/19959、WO97/46567、WO98/01455、WO98/06759及びWO98/011144には、典型的なメタロセン触媒化合物及び触媒系が記載されている。また、メタロセン触媒化合物は、1個以上の遷移金属原子に結合した1個以上の脱離基を有することができる。本明細書の目的上、用語「脱離基」とは、活性化剤又は共触媒によって触媒成分から引き抜かれ、それによってオレフィン重合又はオリゴマー化に対して活性な触媒種を生成することのできる触媒成分の中心金属原子に結合した配位子などの1個以上の化学的部分をいうことができる。
Cp配位子は、1個以上の環又は環系であって、その少なくとも一部分がπ結合系を含むもの、例えばシクロアルカジエニル配位子及び複素環式アナログである。この環又は環系は、典型的には、第13〜16族原子よりなる群から選択される原子を有し、いくつかの実施形態では、Cp配位子を構成する原子は、炭素、窒素、酸素、珪素、硫黄、燐、ゲルマニウム、硼素及びアルミニウム並びにそれらの組合せよりなる群から選択され、ここで、炭素がこれらの環員の少なくとも50%を構成する。いくつかの実施形態では、Cp配位子は、置換及び非置換のシクロペンタジエニル配位子並びにシクロペンタジエニルにアイソローバルな配位子よりなる群から選択される。このような配位子の例としては、シクロペンタジエニル、シクロペンタフェナントレニル、インデニル、ベンズインデニル、フルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、シクロオクタテトラエニル、シクロペンタシクロドデセン、フェナントリンデニル、3,4−ベンゾフルオレニル、9−フェニルフルオレニル、8−H−シクロペンタアセナフチレニル、7H−ジベンゾフルオレニル、インデノ[1,2−9]アントレン、チオフェノインデニル、チオフェノフルオレニル、それらの水素化変種(例えば、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル又は「H4Ind」)、それらの置換変種(以下に詳しく記載する)及びそれらの複素環式変種が挙げられるが、これらに限定されない。
メタロセン触媒化合物の金属原子「M」は、第3〜第12族原子及びランタニド族の原子から選択でき;又は第3〜第10族原子よりなる群から選択でき;又はSc、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir及びNiよりなる群から選択でき;又は第4、5及び6族原子よりなる群から選択でき;又はTi、Zr、Hf原子であり;又はZrであることができる。金属原子「M」の酸化状態は、0から+7までの範囲にあることができ;又は+1、+2、+3、+4又は+5であり;又は+2、+3又は+4であることができる。金属原子「M」に結合する基は、以下において式及び構造で説明する化合物が、特に示さない限り電気的に中性であるようなものである。このCp配位子は、金属原子Mと共に少なくとも1個の化学結合を形成して「メタロセン触媒化合物」を形成する。当該Cp配位子は、置換/引抜き反応に対してさほど影響を受けやすくないという点で、触媒化合物に結合する脱離基とは異なる。
メタロセン触媒成分は次の構造式(I)によって表される化合物を含むことができる:
CpACpBMXn (I)
式中、Mは上記の通りであり;それぞれのXはMに化学的に結合し;それぞれのCp基はMに化学的に結合し;nは0又は1〜4の整数である。特定の実施形態では、nは1又は2のいずれかである。
構造式(I)においてCpA及びCpBで表される配位子は、同一の又は異なるシクロペンタジエニル配位子又はシクロペンタジエニルにアイソローバルな配位子であってよく、そのいずれか又は両方はヘテロ原子を含有することができ、また、そのいずれか又は両方は基Rで置換されていてよい。例えば、CpA及びCpBは、シクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル及びそれぞれの置換種よりなる群から独立して選択される。
独立に、構造式(I)の各CpA及びCpBは、非置換であっても置換基Rのいずれか一つ又はその組合せで置換されていてもよい。式(I)で使用されるような置換基Rの例としては、水素基、ヒドロカルビル、低級ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、アルキル、低級アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルケニル、低級アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、低級アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、アルコキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシル、アルキルチオ、低級アルキルチオ基、アリールチオ基、チオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリール、アルカリーレン、ハロゲン化物、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、複素環、ヘテロアリール、ヘテロ原子含有基、シリル、ボリル、ホスフィノ、ホスフィン、アミノ、アミン、シクロアルキル、アシル、アロイル、アルキルチオール、ジアルキルアミン、アルキルアミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル及びジアルキルカルバモイル、アシルオキシ、アシルアミノ、アロイルアミノ並びにそれらの組合せよりなる群から選択される基が挙げられるが、これらに限定されない。
構造式(I)に関連するアルキル置換基Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、メチルフェニル及びt−ブチルフェニル基など(それらの全ての異性体、例えば第三級ブチル、イソプロピルなどを含む。)が挙げられるが、これらに限定されない。見込まれる他の基としては、置換アルキル及び置換アリール、例えば、フルオルメチル、フルオルエチル、ジフルオルエチル、ヨードプロピル、ブロムヘキシル、クロルベンジル、及びトリメチルシリル、トリメチルゲルミル、メチルジエチルシリルなどを含めてヒドロカルビル置換有機金属基;及びトリス(トリフルオルメチル)シリル、メチルビス(ジフルオルメチル)シリル、ブロムメチルジメチルゲルミルなどを含めてハロカルビル置換有機金属基;及び例えばジメチル硼素を含めて二置換硼素基;及びジメチルアミン、ジメチルホスフィン、ジフェニルアミン、メチルフェニルホスフィンを含めて二置換第15族元素基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシ、硫化メチル及び硫化エチルを含めて第16族元素基が挙げられる。他の置換基Rとしては、オレフィン、例えば、ビニル末端配位子、例えば3−ブテニル、2−プロペニル、5−ヘキセニルなどを含むオレフィン系不飽和置換基が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、少なくとも2個のR基、例えば隣接する2個のR基が結合して炭素、窒素、酸素、燐、珪素、ゲルマニウム、アルミニウム、硼素及びそれらの組合せよりなる群から選択される3〜30個の原子を有する環構造を形成する。また、1−ブタニルのような置換基Rは、元素Mに対する結合を形成することができる。
上記構造(I)及び構造(II)における各Xは、例えば、ハロゲンイオン、水素化物、ヒドロカルビル、低級ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、アルキル、低級アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、低級アルケニル、置換アルケニル、ヘテロアルケニル、アルキニル、低級アルキニル、置換アルキニル、ヘテロアルキニル、アルコキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシル、アルキルチオ、低級アルキルチオ、アリールチオ、チオキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルキレン、アルカリール、アルカリーレン、ハロゲン化物、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、複素環、ヘテロアリール、ヘテロ原子含有基、シリル、ボリル、ホスフィノ、ホスフィン、アミノ、アミン、シクロアルキル、アシル、アロイル、アルキルチオール、ジアルキルアミン、アルキルアミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル及びジアルキルカルバモイル、アシルオキシ、アロイルアミノ、アシルアミノ並びにそれらの組み合わせから独立に選択される。いくつかの実施形態では、Xは、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C6〜C12アリール、C7〜C20アルキルアリール、C1〜C12アルコキシ、C6〜C16アリールオキシ、C7〜C18アルキルアリールオキシ、C1〜C12フルオロアルキル、C6〜C12フルオロアリール又はC1〜C12ヘテロ原子含有炭化水素及びそれらの置換誘導体である。Xは水素化物、ハロゲンイオン、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C7〜C18アルキルアリール、C1〜C6アルコキシ、C6〜C14アリールオキシ、C7〜C16アルキルアリールオキシ、C1〜C6アルキルカルボキシレート、C1〜C6フッ素化アルキルカルボキシレート、C6〜C12アリールカルボキシレート、C7〜C18アルキルアリールカルボキシレート、C1〜C6フルオロアルキル、C2〜C6フルオロアルケニル又はC7〜C18フルオロアルキルアリールから選択でき;又はXは、水素化物、塩化物、フッ化物、メチル、フェニル、フェノキシ、ベンゾキシ、トシル、フルオロメチル、及びフルオロフェニルから選択でき;又はXは、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C6〜C12アリール、C7〜C20アルキルアリール、置換C1〜C12アルキル、置換C6〜C12アリール、置換C7〜C20アルキルアリール及びC1〜C12ヘテロ原子含有アルキル、C1〜C12ヘテロ原子含有アリール、及びC1〜C12ヘテロ原子含有アルキルアリールから選択でき;又はXは、塩化物、フッ化物、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C7〜C18アルキルアリール、ハロゲン化C1〜C6アルキル、ハロゲン化C2〜C6アルケニル、及びハロゲン化C7〜C18アルキルアリールから選択でき;又はXは、フッ化物、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル,フルオロメチル(モノ−、ジ−及びトリフルオロメチル)及びフルオロフェニル(モノ、ジ、トリ、テトラ及びペンタフルオロフェニル)から選択できる。いくつかの実施形態では、少なくとも1個のXはハロゲン化アリールオキシ基又はその誘導体である。例えば、少なくとも1個のXはペンタフルオロフェノキシ基であることができる。
メタロセン触媒成分は、その構造が次の構造式(II)で表されるように、CpA及びCpBが少なくとも1個の架橋基(A)によって互いに架橋した構造式(I)のものを含むことができる:
CpA(A)CpBMXn (II)
構造式(II)で表されるこれらの架橋化合物は、「架橋メタロセン」として知られている。構造式(II)におけるCpA、CpB、M、X及びnは、式(I)について上で定義したとおりである;また、ここで、それぞれのCp配位子はMに化学的に結合し、そして(A)はそれぞれのCpに化学的に結合する。架橋基(A)の例としては、2価アルキル、2価低級アルキル、2価置換アルキル、2価ヘテロアルキル、2価アルケニル、2価低級アルケニル、2価置換アルケニル、2価ヘテロアルケニル、2価アルキニル、2価低級アルキニル、2価置換アルキニル、2価ヘテロアルキニル、2価アルコキシ、2価低級アルコキシ、2価アリールオキシ、2価アルキルチオ、2価低級アルキルチオ、2価アリールチオ、2価アリール、2価置換アリール、2価ヘテロアリール、2価アラルキル、2価アラルキレン、2価アルカリール、2価アルカリーレン、2価ハロアルキル、2価ハロアルケニル、2価ハロアルキニル、2価ヘテロアルキル、2価複素環、2価ヘテロアリール、2価ヘテロ原子含有基、2価ヒドロカルビル、2価低級ヒドロカルビル、2価置換ヒドロカルビル、2価ヘテロヒドロカルビル、2価シリル、2価ボリル、2価ホスフィノ、2価ホスフィン、2価アミノ、2価アミン、2価エーテル及び2価チオエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。架橋基(A)の追加の例としては、少なくとも1個の第13〜16族原子、例えば、限定されないが、炭素、酸素、窒素、珪素、アルミニウム、硼素、ゲルマニウム及び錫原子のうち少なくとも1個並びにそれらの組合せを含有する2価の炭化水素基が挙げられるが、これらに限定されない;また、ヘテロ原子は、中立の原子価を満足するようにC1〜C12アルキル又はアリールで置換されていてもよい。また、架橋基(A)は、ハロゲン基及び鉄を含めて、構造式(I)について上で定義した置換基Rを含有することもできる。架橋基(A)の具体例は、C1〜C6アルキレン、置換C1〜C6アルキレン、酸素、硫黄、R’2C=、R’2Si=、−Si(R’)2Si(R’2)−、R’2Ge=、R’P=(ここで、「=」は2つの化学結合を表す。)によって表されるがこれらに限定されず、ここで、R’は、独立して、ヒドリド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ハロカルビル、置換ハロカルビル、ヒドロカルビル置換有機金属、ハロカルビル置換有機金属、二置換硼素、二置換第15族原子、置換第16族原子及びハロゲン基よりなる群から選択される;また、2個以上のR’は一緒になって環又は環系を形成することができる。一実施形態では、構造式(II)の架橋メタロセン触媒成分は2個以上の架橋基(A)を有する。
構造式(II)における架橋基(A)の他の例としては、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ジフェニルメチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,2−ジフェニルエチレン、1,1,2,2−テトラメチルエチレン、ジメチルシリル、ジエチルシリル、メチルエチルシリル、トリフルオルメチルブチルシリル、ビス(トリフルオルメチル)シリル、ジ(n−ブチル)シリル、ジ(n−プロピル)シリル、ジ(i−プロピル)シリル、ジ(n−ヘキシル)シリル、ジシクロヘキシルシリル、ジフェニルシリル、シクロヘキシルフェニルシリル、t−ブチルシクロヘキシルシリル、ジ(t−ブチルフェニル)シリル、ジ(p−トリル)シリル及びSi原子がGe又はC原子で置換された対応部分;ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジメチルゲルミル及びジエチルゲルミルが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、構造式(II)における架橋基(A)は、例えば4〜10員環又は5〜7員環を含む環であってもよい。この環員は、上で列挙した元素から選択でき、又はB、C、Si、Ge、N及びOの一つ以上から選択できる。架橋部分として又はその一部分として存在できる環構造の例は、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデン及び1個又は2個の炭素原子がSi、Ge、N及びOの少なくとも1個(特に、Si及びGe)で置換された対応する環であるが、これらに限定されない。環とCp基との間の結合配置は、シス、トランス又はその組合せであることができる。
環状架橋基(A)は、飽和でも不飽和でもよく及び/又は1個以上の置換基を有していてよく及び/又は1個以上の他の環構造に縮合していてよい。存在するならば、この1個以上の置換基は、ヒドロカルビル(例えば、メチルのようなアルキル)及びハロゲン(例えば、F、Cl)とすることができる。上記環状架橋部分が縮合していてよい1個以上のCp基は、飽和でも不飽和でもよく、かつ、4〜10、特に5、6又は7員環(特定の実施形態ではC、N、O及びSよりなる群から選択される)を有するもの、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル及びフェニルよりなる群から選択できる。さらに、これらの環構造は、例えばナフチル基の場合のように、それら自体が縮合していてもよい。さらに、これらの(縮合していてよい)環構造は1個以上の置換基を有することができる。例えば、これらの置換基の例は、ヒドロカルビル(特にアルキル)基及びハロゲン原子である。
また、メタロセン触媒には、それらの構造異性体又は光学異性体又は鏡像異性体(メソ及びラセミ異性体)及びそれらの混合物が含まれることが予期される。いくつかの実施形態では、メタロセン化合物は、キラル及び/又は架橋メタロセン触媒化合物であることができる。さらに、本明細書で使用するときに、ラセミ及び/又はメソ異性体を有する単一の架橋された非対称的に置換されたメタロセン触媒化合物は、それ自体、少なくとも2個の異なる架橋メタロセン触媒成分を構成しない。
従来の触媒
従来の触媒は、当該技術分野で知られている従来のチーグラー・ナッタ触媒及びフィリップス型クロム触媒である。伝統的なチーグラー・ナッタ触媒は、当該分野では周知の従来型遷移金属触媒である。従来型遷移金属触媒の例は、米国特許第4,115,639、同4,077,904号、同4,482,687号、同4,564,605号、同4,721,763号、同4,879,359号及び同4,960,741号に記載されている。使用できる従来型の遷移金属触媒化合物としては、元素の周期律表の第III〜VIII族遷移金属化合物が挙げられるが、これらに限定されない。この節における元素の周期表に関する言及は、International Union of Pure and Applied Chemistry,Inc.,2004により発行されかつ著作権で保護さている元素の周期表を指す。族に関する任意の言及は、族の番号付けのためのIUPACシステムを使用してこの元素の周期表に反映された族に対するものである。
これらの従来型遷移金属触媒は、式:MRxによって表され、ここで、Mは、第IIIB〜VIII族金属、好ましくはIVB族、より好ましくはチタンであり;Rはハロゲン又はヒドロカルビルオキシ基であり;xは金属Mの価数である。Rの非限定的な例としては、アルコキシ、フェノキシ、臭化物、塩化物及びフッ化物を挙げることができる。Mがチタンである従来型遷移金属触媒としては、TiCl4、TiBr4、Ti(OC253Cl、Ti(OC25)Cl3、Ti(OC493Cl、Ti(OC372Cl2、Ti(OC252Br2、TiCl3・1/3AlCl3及びTi(OC1225)Cl3が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な触媒は、米国特許第4,302,565号及び同 4,302,566号並びに英国特許出願公開第2,105,355号に記載されている。
フィリップス型触媒と呼ばれる場合が多い、使用するのに好適な従来型クロム触媒化合物としては、CrO3、クロモセン、クロム酸シリル、塩化クロミル(CrO2Cl2)、クロム−2−エチル−ヘキサノエート、アセチルアセントン酸クロム(Cr(AcAc)3)などを挙げることができる。非限定的な例は、米国特許第3,242,099号及び同3,231,550号に記載されている。
使用に適したさらに他の従来型遷移金属触媒化合物及び触媒系としては、米国特許第4,124,532号、同4,302,565、同4,302,566号及び同5,763,723号及びEP特許出願公開EP−A2 0 416 815及びEP−A10 420 436号に記載されたものが挙げられる。
上記従来型遷移金属触媒化合物用の従来型共触媒化合物は、式M34 v2 c3 b-cで表すことができ、式中、M3は、元素周期表の第IA、IIA、IIB及びIIIA族からの金属であり; M4は元素周期表の第IA族の金属であり;vは0〜1の数であり;それぞれのX2は任意のハロゲンであり;cは0〜3の数であり;それぞれのR3は1価の炭化水素基又は水素であり;bは1〜4の数であり;ここで、bマイナスcは少なくとも1である。上記従来型遷移金属触媒のための他の従来型有機金属共触媒化合物は、式M33 kを有し、式中、M3はリチウム、ナトリウム、ベリリウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、亜鉛、カドミウム、及びガリウムなどの、第IA、IIA、IIB又はIIIA族金属であり;kはM3の原子価に依存して1、2又は3に等しく、その原子価は、同様に通常M3が属する特定の族に依存し;それぞれのR3は、任意の1価の炭化水素基であってもよい。
第15族原子及び金属含有触媒
いくつかの実施形態では、「第15族原子及び金属含有触媒」又は短く「第15族含有触媒」は、単独で又はメタロセン若しくは他のオレフィン重合触媒と共に使用できる。一般的に、第15族含有触媒成分は、第3〜12属金属原子の錯体を含むことができ、ここで、金属原子は2〜8配位であり、その配位部分は、少なくとも2個の第15族原子かつ4個までの第15族原子を含む。一実施形態では、第15族含有触媒成分は、第4族金属が少なくとも2配位であり、その配位部分が少なくとも2個の窒素を含むように、第4族金属と1〜4個の配位子との錯体である。代表的な第 15族含有化合物は、例えば、WO99/01460、EP A1 0 893 454並びに米国特許第5,318,935号、同5,889,128号、同6,333,389 B2号及び同6,271,325 B1号に記載されている。
いくつかの実施形態では、第15族含有触媒成分は、オレフィン重合に対して任意の程度にまで活性である第4族イミノ−フェノール錯体、第4族ビス(アミド)錯体及び第4族ピリジル−アミド錯体を含むことができる。いくつかの実施形態では、第15族含有触媒成分は、[(2,3,4,5,6Me56)NCH2CH22NHZrBz2などのビスアミド化合物を含むことができる。
混合触媒
いくつかの実施形態では、混合触媒を使用することができる。混合触媒としては、触媒成分の2種以上の組合せが挙げられる。一実施形態では、1種以上のメタロセン触媒又は触媒系を、1種以上の従来型触媒又は触媒系と組み合わせることができる。混合触媒及び触媒系の例は、米国特許第4,159,965号、同4,325,837号、同4,701,432号、同5,124,418号、同5,077,255号、同5,183,867号、同5,391,660号、同5,395,810号、同5,691,264号、同5,723,399号及び同5,767,031号並びにPCTパンフレットWO96/23010号に記載されているが、これらに限定されない。2種以上の従来型遷移金属触媒を1種以上の従来型共触媒と組み合わせることができることがさらに企図される。混合従来型遷移金属触媒の非限定的な例は、例えば、米国特許第4,154,701号、同4,210,559号、同4,263,422号、同4,672,096号、同4,918,038号、同5,198,400号、同5,237,025号、同5,408,015号及び同5,420,090号に記載されている。
活性剤
重合方法は、活性剤を使用することができる。本明細書で使用するときに、用語「活性剤」とは、触媒がオレフィンなどの不飽和単量体をオリゴマー化又は重合させる能力を向上させることのできる任意の化合物若しくは成分又は化合物及び成分の組み合わせをいう。触媒組成物は、配位性又は陽イオン性オリゴマー化又は重合を可能にするのに十分な任意の方法でオリゴマー化及び/又は重合触媒作用について活性化できる。
一般に、触媒の実施形態は、不飽和単量体に接近可能な隣接配位部位を有する、水素化物又はヒドロカルビルなどの形式陰イオン性配位子を含むことができる。不飽和単量体の隣接配位部位への配位は移動性挿入反応を可能にして金属アルキルを形成させる。このプロセスを繰り返すことにより、オリゴマー化及び/又は重合に関連した鎖成長が生じる。このように、活性剤は、隣接配位オレフィン及び水素化物又はヒドロカルビルを含む遷移金属化合物の形成を促進させる任意の化合物若しくは成分又は化合物及び成分の組み合わせであることができる。
遷移金属化合物が、例えば、少なくとも1個の水素化物又はヒドロカルビル配位子を含有する場合には、活性化は、不飽和単量体よりも高い結合親和性の形式陰イオン性又は中性配位子を除去することによって達成できる。引き抜きとも呼ばれるこの除去プロセスは、活性剤に対して一次又は非一次である反応速度を有することができる。陰イオン性配位子を除去する活性剤は、イオン化活性剤と呼ばれる。あるいは、中性配位子を除去する活性剤は非イオン化活性剤と呼ばれる。活性剤の例としては、強ルイス酸を挙げることができ、これらのものは、いずれもイオン化又は非イオン化活性剤役割を果たすことができる。
遷移金属化合物が、例えば少なくとも1個の水素化物又はヒドロカルビル配位子を含まない場合には、活性化は、一段階又は多段階プロセスとすることができる。このプロセスの1つの工程は、水素化物又はヒドロカルビル基を金属化合物に配位させることを含むことができる。別個の活性化工程は、不飽和単量体よりも高い結合親和性の陰イオン性又は中性配位子を除去することを含むことができる。これらの活性化工程は、例えば、オレフィンの存在下で行うことができ、かつ、直列又は並列のいずれかで行うことができる。複数回の連続活性化工程が活性化を達成するために可能である。また、活性剤は、水素化物又はヒドロカルビル基を遷移金属化合物に配位させるように作用することもできる。遷移金属化合物が、少なくとも1個の水素化物又はヒドロカルビル配位子を含まないが、ただし少なくとも1個の官能基配位子を含む場合には、活性化は、水素化物、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基で官能基を置換することに影響を受ける場合がある。この置換基は、当該分野において知られているように第1、2、12、13族元素の適切な水素化物又はヒドロカルビル試薬で行うことができる。活性化を達成するために、不飽和単量体よりも高い結合親和性の陰イオン性又は中性配位子を除去することも必要な場合がある。
いくつかの実施形態において、活性剤は、水素化物又はヒドロカルビル基を遷移金属化合物に配位させるように作用することもできる。遷移金属化合物が陰イオン性配位子を含まない場合には、水素化物、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビルは、H+(LB)nA−、(R)+(LB)nA−で表される求電子性プロトン又はアルキル転位試薬を使用して金属に配位できる。Rは、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビルであることができる。LBはルイス塩基であり、及びn=0、1又は2である。ルイス塩基の非限定的な例は、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エタノール、メタノール、水、アセトニトリル、N,N−ジメチルアニリンである。A−は陰イオンであり、一実施形態では、置換炭化水素、官能基又は非配位性陰イオンである。A−の非限定的な例としては、ハロゲン化物、カルボン酸、リン酸、硫酸、スルホン酸、ホウ酸、アルミン酸、アルコキシド、チオアルコキシド、陰イオン性置換炭化水素、陰イオン性金属錯体などが挙げられる。
適切な活性化剤のさらなる例としては、トリス(2,2’,2”−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートなどのWO98/07515号に記載のものが挙げられる。また、活性化剤の組み合わせが意図され、例えば、次の文献に記載されるようなアルモキサン及びイオン化活性化剤の組み合わせを使用することができる:EP−B1 0 573 120、WO94/07928、WO95/14044並びに米国特許第5,153,157号及び同5,453,410号。WO98/09996には、過塩素酸塩、ヨウ素酸及びヨウ素酸塩(それらの水和物を含む)によりメタロセン触媒化合物を活性化させることが記載されている。WO98/30602及びWO98/30603には、メタロセン触媒化合物用の活性剤として、リチウム(2,2’−ビスフェニル−ジトリメチルシリケート)4THFを使用することが記載されている。WO99/18135には、有機ホウ素 アルミニウム活性剤の使用が記載されている。EP−B1−0781299には、シリリウム塩を非配位相溶性陰イオンと併用することが記載されている。WO2007/024773号には、化学的に処理された固体酸化物、粘土鉱物、ケイ酸塩鉱物又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる活性剤−担体の使用が示唆されている。また、放射線(例えば、EP−B1−0615981を参照)、電気化学的酸化などを使用するなどの活性化の方法も、中性メタロセン触媒化合物又は前駆体を、オレフィンを重合することのできるメタロセン陽イオンにする目的の活性化方法として意図される。他の活性剤又はメタロセン触媒化合物の活性化方法については、例えば、米国特許第5,849,852号、同5,859,653号及び同5,869,723号並びにPCT WO98/32775号に記載されている。
アルモキサン活性剤は、本発明の触媒組成物における活性剤として使用される。アルモキサンは、通常、−Al(R)−O−サブユニット(ここでRはアルキル基である)を含有するオリゴマー化合物である。アルモキサンの例としては、メチルアルモキサン(MAO)、変性メチルアルモキサン(MMAO)、エチルアルモキサン及びイソブチルアルモキサンが挙げられる。アルキルアルモキサン及び変性アルキルアルモキサンは、引き抜き可能な配位子が水素化物である場合には特に触媒活性剤として好適である。また、異なるアルモキサン及び変性アルモキサンの混合物も使用することができる。アルモキサンは、例えば、米国特許第4,665,208号、同4,952,540号、同5,041,584号、同5,091,352号、同5,206,199号、同5,204,419号、同4,874,734号、同4,924,018号、同4,908,463号、同4,968,827号、同5,329,032号、同5,248,801号、同5,235,081号、同5,157,137号、同5,103,031号及び EP 0 561 476 A1、EP 0 279 586 B1、EP 0 516 476 A、EP 0 594 218 A1及びWO94/10180号にさらに記載されている。
活性化剤がアルモキサン(変性又は未変性)である場合、いくつかの実施形態は、触媒前駆体に対して5000倍モル過剰Al/Mで活性剤の最大量を選択する(金属触媒部位当たり)。最小活性剤対触媒前駆体は、例えば1:1のモル比である。
アルモキサンは、それぞれのトリアルキルアルミニウム化合物の加水分解により製造できる。一例として、MMAOは、トリメチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムなどのそれよりも高級のトリアルキルアルミニウムの加水分解によって製造できる。MMAOは、一般的に、脂肪族溶媒により溶解であり、かつ、貯蔵中により安定である。様々なアルモキサン及び変性アルモキサンの製造方法が存在し、その非限定的な例が、例えば、米国特許第4,665,208号、同4,952,540号、同5,091,352号、同5,206,199号、同5,204,419号、同4,874,734号、同4,924,018号、同4,908,463号、同4,968,827号、同5,308,815号、同5,329,032号、同5,248,801号、同5,235,081号、同5,157,137号、同5,103,031号、同5,391,793号、同5,391,529号、同5,693,838号、同5,731,253号、同5,731,451号、同5,744,656号、同5,847,177号、同5,854,166号、同5,856,256号及び同5,939,346号並びに欧州特許出願公開EP−A−0 561 476、EP−B1−0 279 586、EP−A−0 594−218及びEP−B1−0 586 665、WO94/10180及びWO99/15534号に記載されている。いくつかの実施形態では、視覚的に透明なメチルアルモキサンを使用することができる。濁った又はゲル状のアルモキサンをろ過して透明な溶液を生成することや、透明なアルモキサンを濁った溶液からデカンテーションすることができる。他のアルモキサンは、変性メチルアルモキサン(MMAO)共触媒タイプ3Aである(米国特許第5,041,584号に開示された、アクゾ・ケミカルズから変性メチルアルモキサンタイプ3Aという商品名で販売されている)。
また、中性又はイオン性のイオン化又は化学量論的活性、例えばトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリスペルフルオロフェニルボロンメタロイド前駆体若しくはトリスペルフルオロナフチルボロンメタロイド前駆体、ポリハロゲン化ヘテロボラン陰イオン、(例えば、WO98/43983号参照)、ホウ酸(例えば、米国特許第5,942,459号参照)、又はそれらの組み合わせを使用することもできる。また、中性又はイオン性活性剤を単独で又はアルモキサン若しくは修飾アルモキサン活性剤と共に使用することも本発明の範囲内である。
中性化学量論活性剤の例としては、3置換硼素、テルル、アルミニウム、ガリウム及びインジウム又はそれらの混合物が挙げられる。これら3つの置換基は、それぞれ独立して、アルキル、アルケニル、ハロゲン、置換アルキル、アリール、アリールハロゲン化物、アルコキシ及びハロゲン化物から選択される。実施形態では、これら3つの基は、独立して、ハロゲン、単環式又は多環式(ハロ置換を含む)アリール、アルキル、及びアルケニル化合物並びにそれらの混合物から選択され;所定の実施例の部類では1〜20個の炭素原子を有するアルケニル基、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、1〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基及び3〜20個の炭素原子を有するアリール基(置換アリールを含む)である。あるいは、これら3つの基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル、ナフチル又はそれらの混合物である。他の実施形態では、これら3つの基は、ハロゲン化、所定の実施形態では弗素化されたアリール基である。さらに他の例示実施形態では、中性化学量論活性剤はトリスペルフルオルフェニル硼素又はトリスペルフルオルナフチル硼素である。
イオン性化学量論活性剤化合物は、活性プロトンや、該イオン化化合物の残りのイオンとは会合するがそれには配位していない又は緩く配位しているに過ぎない他の陽イオンを含有することもできる。このような化合物などは、欧州特許出願公開EP−A−0 570 982、EP−A−0 520 732、EP−A−0 495 375、EP−B1−0 500 944、EP−A−0 277 003及びEP−A−0 277 004、並びに米国特許第5,153,157号、同5,198,401号、同5,066,741号、同5,206,197号、同5,241,025号、同5,384,299号及び同5,502,124号並びに1994年8月3日出願の米国特許出願公開第08/285,380号に記載されている。
担持触媒
いくつかの実施形態では、触媒成分は担持されていてもよい。例えば、触媒系の各成分は、担体上に担持されていてもよい。噴霧乾燥を、触媒又は触媒系と1種以上の担体とを混合させるために使用することができる。触媒又は触媒系の噴霧乾燥は、触媒製造のための他の技術と比較して、触媒生産性が増加した触媒系をもたらすことができる。
ここで使用するときに、用語「担持」とは、担体又はキャリア上に堆積され、それと接触し、それと共に蒸発し、その中又はその上に吸収又は吸着される1種以上の化合物をいう。本明細書の目的上、用語「担体」及びは「キャリア」は、区別なく使用され、かつ、任意の担体材料、例えば、無機又は有機担体材料を含めた多孔性担体材料である。
好適な担体の例としては、第2、3、4、5、13又は14族金属の酸化物を及び塩化物を含む化合物が挙げられる。好適な担体としては、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、モンモリロナイト、フィロシリケート、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−クロム、シリカ−チタニア、塩化マグネシウム、グラファイト、マグネシア、チタニア、ジルコニア、モンモリロナイト、フィロシリケートなどが挙げられる。また、例えばシリカ−クロム、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニアなどを含めた担体の組み合わせも好適な場合がある。一実施形態では、ヒュームドシリカが好適な担体である。
担体は、約0.1〜約90μm又は約0.1μm〜50μm又は約1〜約40μm又は約5〜約40μmの範囲内の平均粒径を有することができる。
無機酸化物などの担体材料は、約10〜約700m2/gの範囲の表面積、約0.1〜約4.0cc/gの範囲の細孔容積及び約1〜約500μmの範囲の平均粒度を有することができる。いくつかの実施形態では、担体材料は、約50〜約500m2/gの範囲の表面積、約0.5〜約3.5cc/gの細孔容積、及び約10〜約200μmの平均粒度を有することができる。いくつかの実施形態では、担体は、約100〜400m2/gの範囲の表面積、約0.8〜約3.0cc/gの細孔容積及び約5〜約100μmの平均粒度を有することができる。いくつかの実施形態では、担体の平均粒度は約1〜約50μmである。いくつかの実施形態では、担体の平均孔径は、典型的には、約10〜約1000Å、約50〜約500Å又は約75〜約350Åの範囲であることができる。
触媒成分は、同一の又は別々担体上に活性剤と共に担持でき、又は活性化剤は担持されていない形態で使用でき、又は担持触媒成分とは異なる担体上に堆積でき、又はそれらの任意の組合せであることができる。
前述のように、スプレードライを、触媒成分と1種以上担体とを組み合わせるために使用することができる。触媒又は触媒系のスプレードライは、触媒製造のための他の技術と比較して、触媒生産性の増大した触媒又は触媒系をもたらすことができる。スプレードライ触媒又は触媒系のための例示的な技術は、例えば、米国特許第5,648,310号、同5,674,795号、及び同5,672,669号並びにEP0668295 B1に記載されている
触媒成分及び/又は活性剤を、粒子状担体材料と混合し、次いで噴霧乾燥して、例えば、自由流動粉末を形成させることができる。一例として、触媒成分及び任意に活性剤を溶液中に配置し、それらを反応させ、その、シリカ又はCabosil(商標)などの充填材料を添加し(後者はAeroMarine(商標)Productsから入手できる)、その後この溶液を高圧でノズルに通すことができる。この溶液を表面に噴射し又は液滴が空中で乾燥するように噴霧することができる。いくつかの実施形態では、充填材料(例えばシリカ)をトルエンに分散させ、その後活性剤溶液中で撹拌し、続いて触媒成分中で撹拌することができる。典型的なスラリー濃度は、例えば約5〜8重量%である。この配合物を穏やかも攪拌しつつ又は手作業で振りつつ30分間スラリーとして放置してスプレードライ前にこれを懸濁液として保持した。いくつかの実施形態では、乾燥材料の組成は、約40〜50重量%の活性剤(例えば、アルモキサン)、約50〜60重量%の充填材料(例えば、SiO2)及び約2重量%の触媒成分とすることができる。
いくつかの実施形態では、触媒成分を最後の工程において所望の比率で一緒に添加することができる。いくつかの実施形態では、より複雑な手順、例えば、特定の反応時間にわたって活性剤/充填剤に第1触媒成分を添加し、その後第2触媒成分を添加し、別の特定の反応時間にわたって混合し、その後、混合物を同時噴霧することが可能である。例えば、1−ヘキセン(例えば、約10体積%)などの添加剤が第1触媒成分を添加する前に活性剤/充填剤混合物中に存在することができる。
いくつかの実施形態では、メタロセン触媒成分をスプレードライした触媒系と混合し、次いで反応器に導入することができる。
いくつかの実施形態では、結合剤を混合物に添加することができる。例えば、結合剤は、粒子形態を改善させる手段、すなわち、結合剤として作用するアルモキサンの粒度分布を狭くし、粒子の多孔性を低下させ、そして量を低下させることを可能にする手段として添加できる。
重合方法
ここで開示するポリオレフィンを重合させるための実施形態は、任意の懸濁、溶液、スラリー又は気相方法を含めた任意の好適なオレフィン重合方法を、既知の装置及び反応条件を使用して使用することができ、かつ、任意の特定のタイプの重合システムには限定されない。
一般的に、重合方法は、流動床方法などの連続気相方法とすることができる。実施形態では、流動床反応器は、反応区域及び減速区域(すなわち、解放区域)を有することができる。反応区域は、ガス状単量体の連続流によって流動化される、成長しつつある重合体粒子、形成された重合体粒子及び少量の触媒粒子並びに反応区域を通して重合熱を除去する希釈剤の床を含む。任意に、再循環ガスの一部を冷却し圧縮して、反応区域に再び入るときに循環ガス流れの熱除去能力を増大させる液体を形成させることができる。ガス流の好適な速度は、簡単な実験によって容易に決定できる。循環ガス流れに対するガス状単量体の構成は、粒状重合体生成物及びそれに関連した単量体を反応器から回収し、そして反応器を通過するガスの組成を反応区域内において本質的に定常状態のガス組成を維持するように調整する割合に等しい割合である。反応区域を出るガスは減速区域に送られ、そこで同伴粒子が除去される。より細かい同伴粒子及びダストは、サイクロン及び/又は微細フィルターで除去できる。ガスは熱交換器を通過し、そこで重合熱が除去され、圧縮機で圧縮され、次いで反応区域に戻される。
有用な気相重合方法としては、流動床反応器を利用するものが挙げられる。このタイプの反応器及び反応器を操作するための手段は、よく知られており、例えば、米国特許第3,709,853号、同4,003,712号、同4,011,382号、同4,302,566号、同4,543,399号、同4,882,400号、同5,352,749号、同5,541,270号及びEP−A−0 802 202に記載されている。これらの特許には、重合媒体を機械的に撹拌する又はガス状単量体及び希釈剤の連続流によって流動化させる気相重合方法が記載されている。
ここで説明する方法は、エチレンを含めたオレフィンの単独重合体及び/又はエチレンと少なくとも1種以上の他のオレフィンとを含む重合体を含めてオレフィンの共重合体、三元共重合体などの製造に好適である。オレフィンはα−オレフィンであることができる。オレフィンは、例えば、一実施形態では2〜16個の炭素原子を含有することができる。他の実施形態では、エチレンと、3〜12個の炭素原子、又は4〜10個の炭素原子、又は4〜8個の炭素原子を含む共単量体とが使用できる。実施形態では、オレフィンはエチレン、プロピレン及びそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される単量体である。
実施形態では、ポリエチレンは、本明細書に開示された方法により製造できる。このようなポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体及びエチレン含有量が、含まれる全単量体の少なくとも約50重量%であるエチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとのインターポリマーが挙げられる。ここで使用できるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセンなどが挙げられる。また、使用可能なのは、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン及び5−ビニル−2−ノルボルネン並びに重合媒体中においてその場で形成されたオレフィンなどのポリエンである。オレフィンが重合媒体中においてその場で形成される場合には、長鎖分岐を含むポリオレフィンの形成が生じる場合がある。
共重合体に取り込まれるα−オレフィンの含有量は、合計で30モル%以下、又は3〜20モル%であることができる。ここで使用するときに、用語「ポリエチレン」は、上記エチレンを含む重合体の任意のもの又は全てをいうために総称的に使用される。
他の実施形態では、プロピレン系重合体は、ここで開示された方法により製造できる。このようなプロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体及びプロピレン含有量が、含まれる全単量体重量の少なくとも約50%であるプロピレンと少なくとも1種のα−オレフィンとを含むインターポリマーが挙げられる。使用することができる共単量体としては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチルペンテン−1、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセンなどを挙げることができる。また、使用可能なのは、1,3−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、4−ビニルシクロヘキセン−1、1,5−シクロオクタジエン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン及び5−ビニル−2−ノルボルネンなどのポリエン並びに重合媒体中においてその場で形成されたオレフィンである。オレフィンが重合媒体中においてその場で形成される場合には、長鎖分岐を含むポリオレフィンの形成が生じる場合がある。一実施形態では、プロピレン系重合体に取り込まれるα−オレフィン共単量体の含有量は、合計で49モル%以下、他の実施形態では3〜35モル%であることができる。
ポリオレフィンの最終特性を制御するためにオレフィン重合において水素ガスが使用される場合が多い。水素濃度(分圧)を増加させると、生成されたポリオレフィンのメルトフローインデックス(MFI)及び/又はメルトインデックス(MI)が増大する場合がある。このように、MFI又はMIは水素濃度に影響を受ける場合がある。重合における水素の量は、全重合性単量体、例えば、エチレン又はエチレンとヘキセン若しくはプロピレンとのブレンドに対するモル比として表すことができる。実施形態では、重合方法で使用される水素の量は、最終ポリオレフィン樹脂の所望のMFI又はMIを達成するのに十分な量である。ポリプロピレンについてのメルトフローレートは、ASTM D1238(2.16kgの荷重で230℃)に従って測定できる。ポリエチレンのメルトインデックス(I2)はASTM D1238(2.16kgの荷重で190℃)に従って測定できる。
考えられる他の気相方法としては、連続又は多段重合方法が挙げられる。例えば、2個以上の反応器を直列で使用する多段反応器を使用でき、その際、一方の反応器は、例えば、高分子量成分を生成するができ、他方の反応器は低分子量成分を生成することができる。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンは、段階的気相反応器を使用して製造される。このような重合系は、例えば、米国特許第5,627,242号、同5,665,818号及び同5,677,375号;並びに欧州出願公開EP−A−0 794 200、EP−B1−0 649 992、EP−A−0 802 202及びEP−B−634 421に記載されている。
気相又は流動床重合方法における1個以上の反応器は、約0.7〜約70bar(約10〜約1,000psia)又は約14〜約42bar(約200〜約600psia)の範囲の圧力を有することができる。1個以上の反応器は、約10℃〜約150℃又は約40℃〜約125℃の範囲の温度を有することができる。いくつかの実施形態では、反応器温度は、反応器内における重合体の焼成温度を考慮して実現可能な最高温度で操作できる。1個以上の反応器内における空塔ガス速度は、約0.2〜約1.1メートル/秒(約0.7〜約3.5フィート/秒)又は約0.3〜約0.8メートル/秒(約1.0〜約2.7フィート/秒)を範囲とすることができる。
いくつかの実施形態は、0.07〜68.9bar(1〜1,000psig)又は3.45〜27.6bar(50〜400psig)又は6.89〜24.1bar(100〜350psig)の範囲内の過圧及び30℃〜130℃又は65℃〜110℃又は75℃〜120℃の範囲又は80℃〜120℃の範囲の温度で気相重合装置と共に使用できる。いくつかの実施形態では、操作温度は112℃未満とすることができる。実施形態では、撹拌又は流動床気相重合システムを使用することができる。
重合方法は、次の工程を含む連続気相方法であることができる:(a)再循環流(エチレン及びα−オレフィン単量体を含む)を反応器に導入し;(b)担持触媒系を導入し;(c)該反応器から再循環流を抜き出し;(d)該再循環流を冷却し;(e)該反応器に追加の単量体を導入して重合した単量体を置き換え;(f)該再循環流れ又はその一部を反応器に再導入し;そして(g)該反応器から重合体生成物を取り出すこと。
エチレン、プロピレン又はこれらの組み合わせを含めて1種以上のオレフィン、C2〜C30オレフィン又はα−オレフィンは、主重合の前に、メタロセン触媒系の存在下で予備重合できる。予備重合は、ガス、溶液又はスラリー相中においてバッチ式で又は連続的に、高圧を含めて実施できる。予備重合は、任意のオレフィン単量体若しくは組み合わせで及び/又は水素のような任意の分子量調節剤の存在下で実施できる。予備重合手順の例については、米国特許第4,748,221号、同4,789,359号、同4,923,833号、同4,921,825号、同5,283,278号及び同5,705,578号並びに欧州特許出願公開EP−B−0279 863並びにWO97/44371号を参照されたい。
ここで開示される方法は、任意に、流動化助剤として不活性粒状物質を使用することができる。これらの不活性粒状物質は、カーボンブラック、シリカ、タルク及びクレー並びに不活性高分子材料を含むことができる。カーボンブラックは、例えば、約10〜約100ナノメートルの一次粒径、約0.1〜約30ミクロンの凝集体の平均サイズ及び約30〜約1500m2/gの比表面積を有することができる。シリカは、約5〜約50ナノメートルの一次粒径、約0.1〜約30ミクロンの凝集体の平均サイズ及び約50〜約500m2/gの比表面積を有する。クレー、タルク及び高分子材料は、約0.01〜約10ミクロンの平均粒径及び約3〜30m2/gの比表面積を有する。これらの不活性粒子状物質は、最終生成物の重量に基づいて約0.3〜約80重量%又は約5〜約50重量%の範囲の量で使用できる。これらは、米国特許第4,994,534号及び同5,304,588号に開示されているように、粘着性重合体の重合のために特に有用である。
連鎖移動剤、促進剤、掃去剤及び他の添加剤は、ここで開示される重合方法で使用できる。連鎖移動剤は、多くの場合、重合体の分子量を制御するために使用される。これらの化合物の例は、水素及び一般式Mxyの金属アルキルであり、式中、Mは第3〜12族の金属であり、xは金属の酸化状態、典型的には1、2、3、4、5又は6であり、それぞれのRは、独立してアラルキル又はアリールであり、yは、0、1、2、3、4、5又は6である。いくつかの実施形態では、ジエチル亜鉛など亜鉛アルキルを使用する。典型的な促進剤としては、CHCl3、CFCl3、CH3−CCl3、CF2Cl−CCl3及びトリクロル酢酸エチルなどのハロゲン化炭化水素が挙げられる。このような促進剤は、例えば、米国特許第4,988,783号に記載されている。また、毒物のための掃去剤としての他の有機金属化合物を使用して触媒活性を増大させることもできる。これらの化合物の例としては、アルミニウムアルキル、例えば、トリイソブチルアルミニウムなどの金属アルキルが挙げられる。いくつかの化合物を使用して流動床反応器における静電気を中和することができ、帯電防止剤ではなくドライバーとして知られている他のものは、一貫して静電気を正から負又は負から正にすることができる。これらの添加剤の使用は、当業者の技術範囲内である。これらの添加剤は、触媒とは別に又は独立して或いは触媒の一部として循環ループ、ライザー及び/又はダウナーに添加できる。
実施形態では、本発明で使用される反応器は、1時間当たり500lbs(227Kg/時間)を超える重合体〜約300000lbs/時間(136000Kg/時間)又はそれ以上の重合体、好ましくは1000lbs/時間(455Kg/時間)を超える、より好ましくは10000lbs/時間(4540Kg/時間)を超える、さらに好ましくは25000lbs/時間(11300Kg/時間)を超える、さらに好ましくは35000lbs/時間(15900Kg/時間)を超える、さらに好ましくは50000lbs/時間(22700Kg/時間)を超える、最も好ましくは65000lbs/時間(29000Kg/時間)超〜150000lbs/時間(68100Kg/時間)以上の重合体を製造することができる。
本発明の方法によって製造される重合体は、様々な製品及び最終用途に使用できる。製造される重合体としては、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン及びプロピレンをベースとする重合体を含めて、重合体は、0.86g/cm3〜0.97g/cm3の範囲又は0.88g/cm3〜0.965g/cm3の範囲又は0.900g/cm3〜0.96g/cm3の範囲の密度を有する。
重合体は、例えば1.5超〜約15の重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)である分子量分布を有する。他の実施形態では、重合体は、2超〜約10又は約2.2超〜約8未満のMw/Mnを有する。
ここで説明する方法によって製造された重合体は、ASTM−D−1238−E(190℃/2.16kg)によって測定されるときに、例えば0.01dg/分〜1000dg/分の範囲のメルトインデックス(MI)又は(I2)を有する。例えば、重合体は、約0.01dg/分〜約100dg/分又は約0.1dg/分〜約100dg/分の範囲のメルトインデックスを有する。
本発明の重合体は、5〜300のメルトインデックス比(I21/I2)(I21は、ASTM−D−1238−F[190℃/21.6Kg]によって測定される)を有する。例えば、重合体は、約10〜250未満、約15〜約200又は約20〜約180のメルトインデックス比を有する。
重合体は、任意の他の重合体とブレンドでき及び/又は同時押出できる。その他の重合体の例としては、従来の触媒作用及び/又は単一部位触媒作用により製造された線状低密度ポリエチレン、エラストマー、プラストマー、高圧低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
ここで説明した方法によって製造された重合体及びそれらのブレンドは、フィルム、シート及び繊維押出及び同時押出並びに吹込成形、射出成形及び回転成形のような成形操作に有用である。フィルムとしては、収縮フィルム、ラップ、ストレッチフィルム、シール用フィルム、延伸フィルム、スナック用包装、重質袋、買い物袋、加熱及び冷凍食品用包装、医療用包装、工業用ライナー、膜などとして食品接触及び非食品接触用途に有用な同時押出又は積層によって形成されたインフレートフィルム又はキャストフィルムが挙げられる。繊維としては、フィルター、おむつ用繊維、医療用衣類、地盤用シートなどを作るために織布又は不織布の形態で使用するための溶融紡糸、溶液紡糸及び溶融吹込繊維操作が挙げられる。押出物品としては、チューブ、ワイヤー及びケーブル被覆、ジオメンブレン並びにポンドライナーが挙げられる。成形物品としては、ボトル、タンク、大きな中空物品、硬質食品容器及び玩具などの形の単層及び多層構成物が挙げられる。
次の実施例は、本発明の方法及びシステムを製造しかつ使用する方法の完全な開示及び説明を当業者に提供するように提示するものであり、本発明者が彼らの発明であると見なす範囲を限定するものではない。
PE鉱物油ゲルの作製
130kgの鉱物油(Sonneborn Refined Productsから入手できるHYDROBRITE(登録商標)380 PO白色鉱油)を473リットルの撹拌容器に装入し、その後これを340kPag〜14kPagの間で3回圧力パージして、容器から酸素の大部分を除去した。圧力パージした後に、鉱油を攪拌しながら110℃に加熱し、その後1300メルトインデックス(2.16kg荷重)の高密度ポリエチレン(HDPE)粉末3.41kgを攪拌鉱油に変更させた。容器のヘッドスペースに真空を加えて水分及び酸素を除去するのを助け、そしていったん700mmHgの真空で窒素ガスの緩やかな掃引を容器の底部に適用して水分及び酸素の除去をさらに支援した。攪拌しながら、PE−鉱物油混合物を125℃〜130℃の間まで昇温してHDPE粉末を熱い鉱物油に溶解させた。点検窓からの点検により、内容物が浮遊粒子のない透明な溶液であることが示された。120℃を超える温度での窒素散布の時間後に、約100kPagの窒素圧力を容器のヘッドスペースに加えて不活性環境を維持した。
熱いPE−鉱油溶液を、良好な熱伝達のために23個の小型(約0.073インチの内径)管を有する多管式熱交換器を介してポンプ輸送した。5℃のエチレングリコール溶液がシェル中にありかつPE−鉱物油溶液が管中にある並流の配置を使用した。PE−鉱物油溶液の流量は、約40lb/時間であり、冷却剤の流れを手動弁で調節してPE−鉱物油ゲル上で30〜35℃の範囲内の出口温度を達成した。
その後、熱交換器を出たPE−鉱物油ゲルを、1000〜1100rpmで駆動する勾配ブレードタービンを備えた600mL容器を通して上方に流してゲルの均質化を支援し、さらにその粘度を減少させた。撹拌容器から、ゲルを、反応器添加剤混合物を製造する際に将来的に使用するために窒素ガスで不活性化されたシリンダーに供給した。
PE−鉱油ゲルでのPEI分散液の製造
上で概説の方法で製造したPE−鉱物油ゲルを使用して、次のようにポリエチレンイミン(LUPASOL(登録商標)FGポリエチレンイミン)の安定な分散液を作製した。27kgのPE−鉱物油ゲルを傾斜ブレードタービンにより約1100rpmで攪拌された38リットル容器に添加した。ポリエチレンイミン1.42kgをゆっくりと約5分間にわたって撹拌したゲル中に注ぎ、次いで混合物を同じ速度でさらに1時間撹拌した。1時間後、混合物を反応器添加剤として使用するためにシリンダーに排出した。製造直後及び1月後に得られたサンプルの顕微鏡検査から、PE−鉱物油ゲルのマトリックスに懸濁されたポリエチレンイミンの液滴(10〜50μmの範囲)の存在が示された。
PE−鉱油ゲルでのポリエーテルアミンの製造
上で概説した態様で製造したPE−鉱物油ゲルを使用して次のようポリエーテルアミンの安定な分散液を作製した(JEFFAMINE(登録商標)ED−2003ポリエーテルアミン)。ポリエーテルアミンを約70℃よりも高いオーブン内で溶融し、次いで不活性化のためにシリンダーに添加した。このシリンダーを約70℃よりも高いオーブンに入れ、そして液体ポリエーテルアミンを窒素ガスでスパージすると共に、ヘッドスペースに約16時間真空を引いた。真空ラインを閉じ、そしてシリンダーを窒素ガスで加圧して不活性を維持した。
PE−鉱物油ゲル27kgを傾斜ブレードタービンにより約1100rpmで攪拌された38リットル容器に添加した。ゲルを75℃に加熱した。溶融ポリエーテルアミンのシリンダーをこの容器に連結し、そしてポリエーテルアミン3kgを約10分かけて攪拌槽に添加した。この混合物を1時間75℃にて攪拌した。容器の温度制御を完全冷却に設定し、そして混合物をできるだけ急速に15℃に冷却した。この特定の機器では、混合物を75℃からポリエーテルアミンが凝固し始める約50℃まで冷却するのに約15分かかり、15℃に冷却するのに約1時間かかった。いったん15℃で混合物を反応器添加剤として使用するためにシリンダーに排出した。製造直後及び1月後に得られたサンプルの顕微鏡検査により、PE−鉱物油ゲルのマトリックスに懸濁されたポリエーテルアミンの小さな結晶の存在が示される。
PE−鉱油ゲルでのジステアリン酸アルミニウム/ポリエーテルアミンブレンドの製造:
上で概説した方法で製造されたPE−鉱物油ゲルを使用して次のように持ステアリン酸アルミニウム及びポリエーテルアミン(JEFFAMINE(登録商標)ED−2003ポリエーテルアミン)の安定な分散液を製造した。ポリエーテルアミンを約70℃のオーブン内で溶融させ、次いで不活性化のためにシリンダーに添加した。このシリンダーを約70℃のオーブンに入れ、そして約16時間にわたってヘッドスペースを真空に引きながら液体ポリエーテルアミンを窒素ガスでスパージした。真空ラインを閉じ、そしてシリンダーを窒素ガスで加圧して不活性を維持した。
PE−鉱物油ゲル27kgを勾配ブレードタービンにより約1100rpmで攪拌された38リットル容器に添加した。乾燥ジステアリン酸アルミニウム粉末1.69kgを撹拌容器に転化した。この混合物を75℃に加熱した。溶融ポリエーテルアミンのシリンダーをこの容器に連結し、そしてポリエーテルアミン5.06kgを約10分かけて攪拌槽に添加した。この混合物を1時間にわたって75℃で攪拌した。容器の温度制御を完全冷却に設定し、そして混合物をできるだけ急速に15℃に冷却した。この特定の装置では、ポリエーテルアミンは、混合物を75℃から固化し始める約50℃に冷却するのに約15分かかり、15℃に冷却するのに約1時間かかった。いったん15℃で混合物を反応器添加剤として使用するためにシリンダーに排出した。製造直後及び1月後に得たサンプルの顕微鏡検査から、PE−鉱物油マトリックス中に懸濁されたポリエーテルアミンの小さな結晶及びステアリン酸アルミニウムの粒子の存在が示される。
組成物、方法及び方法は、本明細書では、様々な成分又は工程「を備える」、「を含有する」、「を有する」又は「を含む」により記載されているが、該組成物及び方法は、様々な成分「から本質的になる」又は「からなる」こともできる。特に断りのない限り、成句「から本質的になる」は、本明細書において特に言及しているかどうかを問わず、他の工程、構成要素又は材料の存在を排除するものではないが、ただし、このような工程、構成要素又は材料が本発明の基本的かつ新規な特徴に影響を及ぼさないことを条件とし、さらに、該成句は、使用される構成要素及び材料に通常関連する不純物及び矛盾を排除するものではない。前述の説明及び添付の特許請求の範囲において、単数形の「a」、「an」及び「the」には、特に断りのない限り、複数形が含まれる。
簡潔にするために、ここでは所定の範囲しか明示的に開示していない。しかしながら、任意の下限値からの範囲を任意の上限値と組み合わせて明示的に規定されていない範囲を規定することができるだけでなく、任意の下限値からの範囲を任意の他の下限値と組み合わせて明示的に規定されていない範囲を規定することができ、同様に、任意の上限値からの範囲を任意の他の上限値を組み合わせて明示的に規定されていない範囲を規定することができる。
本明細書で引用した全ての文書及び参考文献(試験手順、刊行物、特許、学術論文などを含む)は、援用が認められる全ての管轄について、その開示が本発明の記載と一致する範囲で、引用により完全に援用する。
したがって、本発明は、上記目的及び利点のみならず、その中に内在するものを達成するようによく構成されている。上で開示された特定の実施形態は、単なる例示である。というのは、本発明は、様々な態様で、ただし本明細書の教示の利益を有する当業者に明らかな均等の態様で変更及び実施できるからである。さらに、特許請求の範囲に記載された以外の、本明細書に示す構成又は設計の詳細にはいかなる限定も意図されていない。したがって、上で開示された特定の例示的実施形態は、変更又は修正でき、このような変形例の全ては、本発明の範囲及び精神内にあると見なされることは明らかである。個々の実施形態が論じられているが、本発明は、これら全ての実施形態の全ての組み合わせをカバーするものである。

Claims (26)

  1. 炭化水素ゲル中に懸濁された反応器成分を準備し;
    該反応器成分を重合反応器に導入し;そして
    該重合反応器内でオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させること
    を含む重合方法。
  2. 前記炭化水素ゲルを、
    炭化水素液体を約70℃以上の温度に加熱し;
    該炭化水素液体にゲル化剤を溶解させ;そして
    該炭化水素液体を約50℃以下の温度に冷却すること
    を含む方法によって製造する、請求項1に記載の重合方法。
  3. 前記炭化水素ゲルの製造方法が、前記炭化水素液体を冷却する工程の後に該炭化水素ゲルを攪拌することをさらに含む、請求項2に記載の重合方法。
  4. 前記炭化水素ゲルが鉱油を含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記炭化水素ゲルがイソペンタンである、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記炭化水素ゲルがポリエチレンを含む高分子ゲル化剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記炭化水素ゲルが前記反応器成分を含むゲル化剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  8. 前記反応器成分がジステアリン酸アルミニウム、エトキシル化アミン及びそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む、請求項7に記載の重合方法。
  9. 前記反応器成分が連続添加剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記反応器成分が触媒を含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記触媒がメタロセン触媒を含む、請求項10に記載の重合方法。
  12. 前記触媒が混合触媒を含む、請求項10に記載の重合方法。
  13. 前記重合がメタロセン触媒、チーグラー・ナッタ触媒、クロム系触媒、第15族元素含有触媒又は混合触媒を前記重合反応器に供給することを含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記重合反応器が気相反応器を含み、前記オレフィンがエチレン、プロピレン及びこれらの組み合わせよりなる群から選択される少なくとも1種のオレフィンを含む、前記請求項のいずれかに記載の製造方法。
  15. 懸濁された反応器成分を中に含む炭化水素ゲルを準備し;
    該炭化水素ゲルと追加の反応器供給物とを混合し;
    該炭化水素ゲルと該追加の反応器供給物との混合物を重合反応器に導入し;そして
    該重合反応器内においてオレフィンを重合させてオレフィン系重合体を形成させること
    を含む、重合方法。
  16. 前記反応器成分がメタロセン触媒を含む、請求項15に記載の重合方法。
  17. 前記追加の反応器供給物が触媒、活性剤及び充填材料を含む担持触媒系を含む、請求項15又は16に記載の重合方法。
  18. 前記反応器成分を充填材料に吸着させ、これと前記活性化剤とを反応させる、請求項16又は17に記載の重合方法。
  19. 液体炭化水素;
    ゲル化剤;及び
    反応器成分
    を含む炭化水素ゲル。
  20. 炭化水素液体を約70℃以上の温度に加熱し;
    該炭化水素液体にゲル化剤を溶解させ;そして
    該炭化水素液体を約50℃以下の温度に冷却すること
    を含む方法によって製造された、請求項19に記載の炭化水素ゲル。
  21. 前記炭化水素液体が鉱油を含む、請求項19又は20に記載の炭化水素ゲル。
  22. 前記炭化水素液体がイソペンタンを含む、請求項19〜21のいずれかに記載の炭化水素ゲル。
  23. 前記ゲル化剤がポリエチレンを含む、請求項19〜22のいずれかに記載の炭化水素ゲル。
  24. 前記ゲル化剤がジステアリン酸アルミニウム、エトキシル化アミン及びそれらの任意の組み合わせよりなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含む、請求項19〜23のいずれかに記載の炭化水素ゲル。
  25. 前記反応器成分が連続添加を含む、請求項19〜24のいずれかに記載の炭化水素ゲル。
  26. 反応器成分が触媒を含む、請求項19〜25のいずれかに記載の炭化水素ゲル。
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