JP2015522601A - バクロフェン及びアカンプロセートに基づいた黄斑変性疾患の治療法 - Google Patents

バクロフェン及びアカンプロセートに基づいた黄斑変性疾患の治療法 Download PDF

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Abstract

本発明は、黄斑変性疾患の処置のための組み合わせ及び方法に関する。より具体的には、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせに基づいた加齢黄斑変性の新規な組合せ療法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、黄斑変性疾患の処置のための組み合わせ及び方法に関する。より具体的には、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせに基づいた、新規なAMDの併用療法に関する。
発明の背景
加齢黄斑変性(AMD)は、世界中において高齢集団に発症する失明の第一原因である。8000万人の人々が2020年までにAMDを発症すると推定されている。罹患率は66歳から74歳の患者において10%であり、75歳から85歳の患者では30%に増加する。AMDは、網膜の中心付近に位置する、黄斑の進行的な障害によって特徴付けられる変性疾病である。黄斑は、光受容体が最も集中している領域であり、それ故、中心視野及び視力に関与している。AMDに関連したリスク因子が存在し、高齢が主なリスク因子である。その他のリスク因子は、眼の要因(より暗い虹彩の色素沈着、白内障手術の前歴、屈折性遠視)又は全身性の要因(喫煙、肥満、食事、人種、網膜ストレス(日光への曝露)及び心血管疾患)からなる。いくつかの遺伝子座がAMDと関連し、これには、CFH、ARMS2/HTRA1遺伝子座、C2、CFB、C3及びCF1などの補体系の配列が含まれる。HDLコレステロール経路(LIPC、CETP及びおそらくABCA1及びLDL)、LDL経路(おそらくAPOE)、細胞外マトリックス(COL10A1、COL8A1、TIMP3)、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)及び血管新生経路(VEGFA)の遺伝子もAMDに関連している[1,2]。
リポフスチンの蓄積した網膜色素上皮(RPE;網膜細胞に栄養を与える網膜のすぐ外にある色素沈着した細胞層)において同定された老化、脈絡膜の虚血、酸化傷害及び炎症などの、多くの生物学的プロセスがAMDの病因に関与していても、AMDの原因及び病因は依然として不明である。治療標的としてのその役割に因り、血管内皮増殖因子(VEGF)に近年注目が注がれてきた。AMDの最初の臨床的及び病理学的徴候は、ブルッフ膜(網膜への栄養素の供給に関与する血管層である脈絡膜の最内側層)の肥厚及び正常な構造の消失、RPEにおけるリポフスチンの蓄積、並びに大型ドルーゼン数の増加である。ドルーゼンは、ブルッフ膜の内側及びPREの下に蓄積する細胞外沈着物である。それらは、変性RPE細胞に由来する細胞残遺物及び残骸、並びにタンパク質、例えば糖タンパク質、脂質、アポリポタンパク質B及びE、第X因子、アミロイドP成分、アミロイドβ、免疫グロブリン及び炎症関連タンパク質(C5及びC5b−9終末複合体などの補体系のタンパク質を含む)、並びに、補体調節因子(ビトロネクチン及びクラスタリン)から構成される。AMDの病因におけるその正確な役割は依然として不明であるが、昔からそれらはAMDの特徴として認識されている[1]。
黄斑における多くの軟性ドルーゼン(大型で境界が不鮮明)の存在は、RPEへの色素沈着による障害と共に、初期AMDを特徴付ける。初期AMDは、視力障害が起こる後期AMDへの進行の重大なリスクと関連している。2つの異なる型、すなわちウェット型(患者の1/3)及びドライ型(患者の2/3)の後期AMDが起こる。ウェット型すなわち新生血管型AMDでは、視力の低下は、脈絡膜の毛細血管層における異常な血管増殖(脈絡膜の血管新生)の結果である。このプロセスにより究極的に出血、タンパク質の漏出、及び黄斑の下にこれらの血管から瘢痕ができ、最終的に処置されずに放置されれば光受容体に不可逆的な傷害及び急速な視力の低下が引き起こされる。ドライ型又は地図状萎縮は、楕円形の色素脱失領域によって明示されるRPE細胞の減少によって特徴付けられる。このプロセスにより光受容体の変性が起こる。なぜなら、RPE細胞は光受容体の維持に関与しているからである。網膜がより薄くなり、その結果、進行的な視力の障害が起こる[1]。
近年まで、レーザーによる処置(光凝固)は、ウェット型AMDに承認された唯一の処置であった。この技術は、周辺の網膜組織に殆ど傷害を与えることなく、新たな脈絡膜血管を切除することを目的とする。長期間の深刻な視力の低下が効果的に減少するが、視力は全く上昇しないだけでなく、高い再発率(50%)を有し、かつ即時型で中等度の視力の低下を発症するリスクは41%である。新生血管膜に優先的に蓄積する、レーザー処置の直前に静脈内送達されたベルテポルフィンなどの光感作剤の使用により改善がなされた[3]。有望な結果にも関わらず、これらの治療選択肢は、疾病の最終段階しか標的化せず、その進行に対して作用しないことからそれほど使用されていない。
抗VEGF薬物は、現在、脈絡膜血管新生の病気発生に対する標準的な治療である。この適応症のために市販されている実際にいくつかのVEGF阻害剤が存在する:代替的な保険適用外の処置として一般的に使用されるベバシズマブの他に、ペガプタニブ、ラニビズマブ、アフリベルセプト。これらの処置の使用は、かなりの視力の安定化及び改善を伴う。しかしながら、2つの大きな問題が存在する:眼内炎などの合併症のリスクを増加させる厳密な毎月の投与の必要性、及び、眼内注射後に全身循環中に強力に浸入し得、より高い血管事象リスクをもたらす、VEGF阻害剤、特にベバシズマブ及びラニビズマブの長期間の安全性の問題。注射頻度を減少させるために、多大な努力が抗VEGF処置プロトコールの改善に注がれた。一例として、光線力学療法及び副腎皮質ステロイドとの抗VEGF療法の組合せが提案されたが、近年の結果は、大したことのない改善しか報告していない[4、5]。
ドライ型AMDの進行を停止又はさらには減速させる処置は現在存在しない。多くの戦略が臨床試験で試験されている。それらは、網膜毒素又は補体もしくは栄養因子の補充又は酸化ストレス又は炎症のいずれかに標的化することを目指している。
完全に満足させる処置は得られていないので、AMD処置に関する明白な充足されていない医療ニーズが存在する。
発明の要約
本発明の目的は、黄斑変性疾患の処置を提供することである。より正確には、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートの使用に基づいた、黄斑変性疾患を処置するための組成物及び方法に関する。
本出願に示されているように、本発明の方法及び組成物は、いくつかの黄斑変性疾患の原因に関与する、眼球の生理学的病気の予期せぬかつ顕著な改善を可能とする。特に、本発明者らは、バクロフェン及びアカンプロセートに基づいた組成物が、網膜血管新生による損傷及び網膜変性に対して効果的であることを発見した。
さらにバクロフェン及びアカンプロセートは、酸化ストレスを低下させ、かつAMDに観察されるミトコンドリア機能不全及び網膜ストレスを改善するのに効果的である。
従って、本発明の目的は、黄斑変性疾患、より特定するとドライ型もしくはウェット型の黄斑変性(AMD)、シュタルガルト病、若年発症型もしくは成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の進行を処置、予防、阻止又は停止するために使用するための、バクロフェン及びアカンプロセートを含む組成物に関する。
本発明の目的は、黄斑変性疾患、より特定するとドライ型もしくはウェット型の黄斑変性(AMD)、シュタルガルト病、若年発症型もしくは成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の進行を処置、予防、阻止又は停止するために、アカンプロセートと組み合わせて使用するためのバクロフェンに関する。
本発明の別の目的は、ドルーゼンもしくは網膜色素の変化を有すると診断された又は網膜変性もしくは異常な眼の血管新生を経験している被験者における、黄斑変性への進行を予防するための、バクロフェン及びアカンプロセートを含む組成物の使用である。
本発明はまた、上記に定義されているようなバクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせを含む、任意の薬学的組成物それ自体に関する。
本発明の組成物は、典型的には、1つ又はいくつかの薬学的に許容される賦形剤又は担体をさらに含む。また、本発明に使用される化合物は、塩、水和物、エステル、エーテル、酸、アミド、ラセミ体、又は異性体の形態であり得る。それらはまた、持続放出製剤の形態であってもよい。化合物のプロドラッグ又は誘導体も同様に使用され得る。好ましい態様において、アカンプロセートカルシウムが使用される。
本出願において開示されているように、本発明の組成物中の化合物は、一緒に、別々に又は順次製剤化又は投与され得る。前記組み合わせはまた、一緒に、別々に又は順次製剤化又は投与され得る。
本発明の別の目的は、必要とされる被験者における黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための方法に関し、前記方法は、被験者に有効量のバクロフェン及びアカンプロセートを投与することを含む。
本発明の別の目的は、黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための医薬品の製造のためのバクロフェン及びアカンプロセートの使用に関する。
本発明は、任意の哺乳動物、好ましくはヒトに使用され得る。
6OHDAにより誘発された酸化ストレスに対するバクロフェン及びアカンプロセートの併用療法の効果。バクロフェン及びアカンプロセート療法は、神経細胞を防御するのに効果的である。防御は、混合物の濃度に相関して増加する。用量1で34%(それぞれ16nM及び64pM)、用量2で46%(80nM及び144pM)、用量3で51%(400nM及び1600pM)のTH神経細胞の生存率の増加という有意な防御効果が観察される(***p<0.0001;p<0.001:6OHDAによる中毒を受けた細胞とは有意に異なる(ANOVA+ダネット検定))。 Aβ1−42により誘発された酸化ストレスに対するバクロフェン及びアカンプロセートの併用療法の効果。バクロフェン及びアカンプロセート療法は、酸化ストレスから神経細胞を防御するのに効果的であり、これは、処置されていない中毒細胞(黒いバー)と比較して、処置細胞(灰色のバー、−61%)において観察されたメチオニンスルホキシドレベルの有意な減少によって示される(***p<0.0001:Aβ1−42による中毒を受けた細胞とは有意に異なる(ANOVA+ダネットポストホック検定))。 Aβ1−42により誘発されたミトコンドリア機能不全に対するバクロフェン及びアカンプロセートの併用療法の効果。バクロフェン及びアカンプロセート療法は、ミトコンドリア障害から神経細胞を防御するのに効果的であり、これは、処置されていない中毒細胞(黒いバー)と比較して、処置細胞(灰色のバー、-31%)において観察されたチトクロムC細胞質レベルの有意な低下によって示された。(***p<0.0001:Aβ1−42による中毒を受けた細胞とは有意に異なる(ANOVA+ダネットポストホック検定))。
発明の詳細な説明
本発明は、黄斑変性疾患の処置のための新規な方法及び組成物を提供する。本発明は、このような疾病の効果的な矯正を可能とし、任意の哺乳動物被験体に使用され得る、新規な薬物組成物を開示する。
本発明は、網膜色素上皮及び最終的に網膜神経細胞が障害される黄斑変性疾患に適する。このような疾患の具体例としては、加齢黄斑変性(AMD)、遺伝性黄斑変性、又は糖尿病性神経障害が挙げられる。
加齢黄斑変性(AMD)は、ドライ型又はウェット型AMDを指し、主なリスク因子は加齢である。
遺伝性黄斑変性は、シュタルガルト病のような若年発症型の黄斑変性症候群、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症を指す。
本発明は、AMDの処置に特に適している。
本明細書において使用される「処置」は、上記の疾病もしくは疾患によって誘発された症状又は上記の疾病もしくは疾患の原因の療法、予防(prevention)、予防(prophylaxis)、遅延又は減少を含む。処置という用語は、特に、疾病の進行及び関連する症状の制御を含む。処置という用語は、特に、処置被験者における、血管新生損傷に対する防御、又は前記損傷の低減もしくは遅延、及び/又は網膜変性及びRPE萎縮の阻止、又は前記変性及び萎縮の減退もしくは遅延を含む。処置という用語はまた、早期発症型から後期発症型(すなわちウェット型又はドライ型)AMDへの疾病の進行の停止又は遅延を含む。
本発明の脈絡内において、特定の薬物又は化合物の呼称は、特に命名された分子だけでなく、任意の化学的純度の任意の薬学的に許容されるその塩、水和物、誘導体、異性体、ラセミ体、コンジュゲート、プロドラッグ又は誘導体も含むことを意味する。
「組み合わせ」又は「併用処置/療法」という用語は、少なくともバクロフェン及びアカンプロセートが被験者に同時投与されて、生物学的効果を引き起こす処置を示す。本発明による併用療法において、少なくとも2つの薬物が一緒に又は別々に、同時に又は順次投与され得る。また、少なくともバクロフェン及びアカンプロセートは、異なる経路及びプロトコールを通して投与されてもよい。結果として、それらは一緒に製剤化されてもよいが、組み合わせの薬物はまた別々に製剤化されてもよい。
本明細書において使用される「プロドラッグ」という用語は、本発明の化合物の任意の機能的誘導体(又は前駆体)を指し、これは生物学的系に投与されると、例えば自発的化学反応(群)、酵素により触媒される化学反応(群)、及び/又は代謝化学反応(群)の結果として前記化合物を生じる。プロドラッグは、通常、不活性であるか又は生じる薬物よりも活性が低く、例えば、薬物の物理化学的特性を改善するために、薬物を特定の組織に標的化するために、薬物の薬物動態特性及び薬力学特性を改善するために、及び/又は望ましくない副作用を減少させるために使用することができる。プロドラッグは、典型的には、X−薬物という構造を有し、Xは不活性担体部分であり、薬物は活性化合物であり、プロドラッグは薬物よりも活性が低く、薬物はインビボで担体から放出される。
プロドラッグ設計を受け入れられるいくつかの一般的な官能基としては、カルボン酸基、ヒドロキシル基、アミン基、リン酸基/ホスホン酸基、及びカルボニル基が挙げられるがそれらに限定されるわけではない。これらの基の修飾を介して典型的に産生されるプロドラッグとしては、エステル、カーボネート、カルバメート、アミド及びホスフェートが挙げられるがそれらに限定されるわけではない。適切なプロドラッグの選択のための具体的な技術的指針は、一般常識である[6〜10]。さらに、プロドラッグの調製は、当業者には公知の慣用的な方法によって実施され得る。他のプロドラッグを合成するために使用され得る方法は、その問題に関する多くの概説に記載されている[7、11〜17]。例えば、アルバクロフェンプラカルビルは、ChemID plus Advanceデータベース(website: chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/)に列挙されているバクロフェンの周知のプロドラッグ[18、19]である。
化合物の「誘導体」という用語は、前記化合物に機能的及び/又は構造的に関連した任意の分子、例えば、このような化合物の酸、アミド、エステル、エーテル、アセチル化された変種、ヒドロキシル化された変種、又はアルキル化(C1〜C6)された変種を含む。誘導体という用語はまた、上記に列挙されているような1つ以上の置換基を欠失した、構造的に関連した化合物を含む。例えば、ホモタウリンは、アカンプロセートの脱アセチル化誘導体である。化合物の好ましい誘導体は、公知の方法によって決定されたような、前記化合物に対してかなりの類似度を有する分子である。親分子に対して類似した化合物がその類似性係数と共に、PubChem(http://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/search/)又はDrugBank (http://www.drugbank.ca/)などの数多くのデータベースに見出され得る。より好ましい態様において、誘導体は、親薬物に対して0.4を超える、好ましくは0.5を超える、より好ましくは0.6を超える、さらにより好ましくは0.7を超える谷本類似性係数を有するべきである。谷本類似性係数は、2分子間の構造類似度を測定するために広く使用されている。谷本類似係数は、オンライン(http://www.ebi.ac.uk/thornton-srv/software/SMSD/)で利用可能なSmall Molecule Subgraph Detector[20、21]などのソフトウェアによってコンピューター計算され得る。好ましい誘導体は、親化合物と構造的及び機能的の両方において関連しているべきであり、すなわち、それらはまた、親薬物の活性の少なくとも一部を保持するべきであり、より好ましくはそれらは網膜の血管新生損傷に対して防御活性を有するべきであるか、又は網膜変性を阻害するべきである。
誘導体という用語はまた、薬物の代謝産物、すなわち、例えば、生物への投与後に、通常、特殊な酵素系を通しての前記薬物の(生化学的)修飾又は加工からもたらされ、かつ薬物の生物学的活性を提示又は保持した分子を含む。代謝産物は、親薬物の治療作用の多くに関与すると開示されている。特定の態様において、本明細書において使用される「代謝産物」は、親薬物の活性の少なくとも一部を保持し、好ましくは網膜の血管新生損傷に対して防御的活性を有するか又は網膜変性を阻害する、修飾又は加工された薬物を示す。
「塩」という用語は、本発明の化合物の薬学的に許容され比較的無毒性な無機又は有機酸付加塩を指す。薬学的な塩の形成は、酸性、塩基性又は双イオン性の薬物分子と、対イオンとが対を形成し、これにより塩形の薬物が作られることからなる。多種多様な化学種を、中和反応に使用することができる。従って、本発明の薬学的に許容される塩としては、塩基として機能する主化合物を、無機酸又は有機酸と反応させて、塩を、例えば、酢酸、硝酸、酒石酸、塩酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、又はクエン酸の塩を形成することによって得られたものが挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩としてはまた、主化合物が酸として機能し、これを適切な塩基と反応させて、例えば、ナトリウム塩を、カリウム塩を、カルシウム塩を、マグネシウム塩を、アンモニウム塩を、又はコリン塩を形成するようなものが挙げられる。所与の活性成分の大半の塩は生物学的に同等であるが、いくつかは、とりわけ、高い溶解度又はバイオアベイラビリティ特性を有し得る。塩の選択は、現在、H. Stahl及びC.G Wermuthによってそのハンドブックに教義されているように、薬物開発プロセスにおいて一般的で標準的な操作である[22]。
好ましい態様において、化合物の呼称は、化合物それ自体、並びに、任意の薬学的に許容されるその塩、水和物、異性体、ラセミ体、エステル又はエーテルを指摘することを意味する。
より好ましい態様において、化合物の呼称は、具体的に呼称された化合物それ自体、並びに、その薬学的に許容される塩を指摘することを意味する。
特定の態様において、化合物の持続放出製剤が使用される。
上記に考察されているように、本発明は、黄斑変性疾患、例えばウェット型もしくはドライ型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害を処置するための新規なアプローチに関する。本出願において開示されているように、本発明の方法及び組成物は、黄斑変性に至る生物学的プロセスに対して強力で予期せぬ効果を発揮する。さらに、バクロフェン及びアカンプロセートは、AMD、シュタルガルト病、若年発症型もしくは成人発症型卵黄様黄斑変性症及び糖尿病性神経障害の処置における使用に対して単独で効果的であるが、本発明は、より具体的には、インビボで黄斑疾患に対して有意な効果をもたらす、アカンプロセートと組み合わせたバクロフェンを含む組成物を開示する。
実際に、本発明は、実験部において、バクロフェン及びアカンプロセートを含む併用療法が、黄斑変性疾患に苦しむ患者の容態を実質的に改善させることができることを示す。特に、実験の項において示されているように、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせは、誘発された脈絡膜の血管新生及び誘発された網膜変性において観察された漏出に対して強力で予期せぬ効果を及ぼす。より一般的には、本発明の組み合わせはまた、RPE及び網膜変性の特徴である酸化ストレス及びミトコンドリア機能不全、従って、AMDの病因の構成要素を低減させるのに効果的であることが判明する。
それ故、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートに基づいた黄斑変性疾患の新規療法を提供する。より特定すると、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせに基づいた、ウェット型もしくはドライ型のAMD、及びシュタルガルト病、若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の新規療法を提案する。
これに関して、従って、本発明は、ウェット型又はドライ型AMDの処置に使用するためのバクロフェン及びアカンプロセートを含む組成物に関する。
本発明の別の目的は、ウェット型又はドライ型AMDの処置に使用するためのアカンプロセートと組み合わせたバクロフェンに関する。
さらなる態様において、本発明は、他の黄斑変性疾患、例えばシュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の処置に使用するためのバクロフェン及びアカンプロセートを含む組成物に関する。
別の態様において、本発明は、ウェット型又はドライ型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の処置のための医薬品の製造のためのバクロフェン及びアカンプロセートの使用に関する。
バクロフェン及びアカンプロセートの例示的なCAS番号を、以下の表1に提供する。表1はまた、非制限的に、本発明の組成物に使用されるこれらの化合物の一般的な塩、ラセミ体、プロドラッグ、代謝産物、又は誘導体を引用する。
バクロフェンプロドラッグの具体例は、CNS標的化にとって特に興味深いものとしてバクロフェンエステル及びエステルカルバメートを示したHanafi et al., 2011[23]に示され、結果として、網膜細胞への標的化を語る場合に興味深いと考えられ得る。従って、このようなプロドラッグは、本発明の組成物にとって特に適している。前述されているようなアルバクロフェンプラカルビルも周知のプロドラッグであり、従って、本発明の組成物においてバクロフェンの代わりに使用され得る。バクロフェンについての他のプロドラッグは、以下の特許出願に見出すことができる:WO2010102071、US2009197958、WO2009096985、WO2009061934、WO2008086492、US2009216037、WO2005066122、US2011021571、WO2003077902、WO2010120370。
アカンプロセートの有用なプロドラッグ、例えばアカンプロセートのネオペンチルスルホニルパントイン酸エステル、ネオペンチルスルホニルエステルプロドラッグ、又は遮蔽されたネオペンチルスルホニルカルボン酸エステルプロドラッグが、特に、WO2009033069、WO2009033061、WO2009033054、WO2009052191、WO2009033079、US2009/0099253、US2009/0069419、US2009/0082464、US2009/0082440及びUS2009/0076147に列挙されている。
特定の態様において、本発明は、必要とされる被験者においてドライ型又はウェット型AMDの進行を処置、予防、阻止、又は停止するためのバクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせの使用に関する。
本発明の別の目的は、ドルーゼン又は網膜色素変化が黄斑に検出された被験者において、黄斑変性疾患の発症を予防、緩徐化又は停止させるためのこの組み合わせの使用である。実際に、黄斑における軟性ドルーゼンの存在又はRPE色素破壊は初期AMDを特徴付けるが、糖尿病性神経障害も特徴付け、ここでは血管新生による網膜の破壊に至る血管新生によるRPEの破壊が観察される。
本発明の別の目的は、必要とされる被験者における糖尿病性網膜症の進行を処置、予防、阻止、又は停止するための前記組み合わせの使用に関する。
実施例に開示されているように、本発明の組成物による療法は、AMDの原因において特に重要である、相互関連した酸化ストレス及びミトコンドリア障害から細胞を防御する上で有益な効果を発揮する。さらに、少なくともバクロフェン及びアカンプロセートを使用した複合療法は、ウェット型又はドライ型AMDの病因に暗示される生物学的プロセスに対して強力で予期せぬ効果を及ぼし、それらは網膜変性及び脈絡膜の血管新生による損傷を低減させるのに効果的である。それ故、これらの組み合わせは、ヒト被験者におけるドライ型又はウェット型AMDなどの黄斑変性疾患を処置するための新規なアプローチを提示する。
本発明の併用療法において、化合物又は薬物は、一緒に又は別々に製剤化されてもよく、かつ一緒に、別々に又は順次投与されてもよい。
本発明のさらなる目的は、ドライ型及びウェット型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害などの黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための医薬品の製造のための上記に定義されているような組成物の使用に存する。
本発明はさらに、上記に開示されているような組成物の有効量を、それを必要とする被験者に投与することを含む、ドライ型及びウェット型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害などの黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための方法を提供する。
本発明のさらなる目的は、ドライ型及びウェット型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害などの黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための方法であり、前記方法は、上記に開示されているような組成物の有効量を、それを必要とする被験者に同時に、別々に又は順次投与することを含む。
好ましい態様において、本発明は、バクロフェン及びアカンプロセートの有効量を被験者に同時に、別々に又は順次投与することを含む、必要とされる被験者における、ドライ型及びウェット型AMD、シュタルガルト病、又は若年発症型及び成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害などの黄斑変性疾患の進行を処置、予防、阻止又は停止するための方法に関する。
本発明の組成物は、典型的には、1つ又はいくつかの薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む。また、本発明に使用するために、薬物又は化合物は、通常、薬学的に許容される賦形剤又は担体と混合されている。
これに関して、本発明のさらなる目的は、薬学的組成物の調製法であり、前記方法は、上記の化合物を適切な賦形剤又は担体中で混合することを含む。
特定の態様において、前記方法は、バクロフェン及びアカンプロセートを適切な賦形剤又は担体中で混合することを含む。
本発明の好ましい態様によると、上記に示されているように、前記化合物は、そのままで又は薬学的に許容されるその塩、プロドラッグ、誘導体、又は持続放出製剤の形態で使用される。
バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせは、単独で使用されても、又は追加の化合物とさらに組み合わせてもよい。
例えば、被験者又は特定の容態に依存して、インビトロ及びインビボにおいて非常に効果的であるが、本発明の併用療法はさらに、被験者において処置される黄斑変性容態に有益なさらに他の薬物又は処置と併用して又は連関させて又は組み合わせて使用され得る。
本発明による薬物(群)又は組み合わせ(群)と併用して使用される他の療法は、ドライ型又はウェット型AMDの症状を寛解する1つ以上の薬物(群)を含み得る。これにより、本発明の組み合わせと共に使用され得る例示的な療法は、ペガプタニブ、ラニビズマブ、アフリベルセプト又はベバシズマブである。考えられ得る他の追加的な療法は、例えば、抗酸化剤及び/又は亜鉛摂取による栄養補給である。
特定の態様において、本発明による薬物(群)又は組成物はさらに、ドルーゼンのレーザー処置又は場合によりベルテポルフィンもしくは他の抗血管新生薬(群)を使用した光線力学療法を受けることを計画した又は受けた患者に使用され得る。
本発明による療法は、家、医院、診療所、病院の外来診療部門、又は病院で提供され得、よって医師は治療の効果を綿密に観察することができ、必要とされるあらゆる調整を行なうことができる。
療法の期間は、処置される疾病のステージ、患者の年齢及び容態、並びにどのように患者が処置に応答するかに依存する。組み合わせの各成分の投与量、投与頻度及び投与形態は、独立して制御され得る。例えば、ある薬物は経口投与され得、一方、第二の薬物は眼に又は眼内に投与され得る。併用療法は、休止期間を含む断続的なサイクルで与えられ得、よって患者の身体は、あらゆる今までのところ予期できない副作用から回復する機会が与えられる。薬物はまた、1回の投与で全ての薬物が送達されるように一緒に製剤化されていてもよい。
組み合わせの各薬物の投与は、他の成分と組み合わせて、患者の容態を寛解することができるか又は疾病もしくは疾患を効果的に処置することのできる薬物の濃度がもたらされるような任意の適切な手段により得る。
薬物又は組み合わせを、純粋な化学物質として投与することも可能であるが、それらを薬学的組成物(この文脈においては薬学的製剤とも称される)として提示することが好ましい。可能な組成物としては、経口、局所(点眼)、又は非経口(眼内注射)投与に適したものが挙げられる。
より一般的にはこれらの薬学的製剤は、1つのパッケージ、通常ブリスターパックで個別の処置期間中に使用するための投与単位数又は一定単位量の投与のための他の手段を含む、「患者用パック」で患者に処方される。患者用パックは、薬剤師がバルク供給物から患者への医薬品の供給分を分けていた従来の処方を上回る利点を有し、患者は、通常は従来の処方では欠落していた、患者用パックに含まれる添付文書を常に利用できる。添付文書の包含は、医師の指示に対する患者のコンプライアンスを改善することが示されている。従って、本発明はさらに、前記製剤に適したパッケージング材料と組み合わせた、本明細書において前記されているような、薬学的製剤を含む。このような患者用パックにおける、併用処置のための製剤の使用目的は、説明書、施設、支給物、適応及び/又は製剤の使用を処置に最も適したものとすることを助ける他の手段によって推論され得る。このような措置により、患者用パックは、本発明の組み合わせを用いての処置に使用するのに特に適したかつ適応したものとなる。
薬物は、任意の適切な量で、任意の適切な担体物質に含まれ得る。薬物は、組成物の全重量の99重量%までの量で存在し得る。前記組成物は、経口、非経口(例えば眼内)又は眼投与経路に適した剤形で提供され得る。従って、前記組成物は、例えば懸濁剤、乳剤、液剤、ゲル剤(ハイドロゲルを含む)、クリーム剤、ドレンチ剤(drench)、浸透圧性送達装置、注射剤、埋込剤、噴霧剤、又はエアゾール剤の剤形であり得る。
薬学的組成物は、慣用的な薬学的慣行に従って製剤化され得る(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.), ed. A. R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, 2000 and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)。
本発明による薬学的組成物は、投与時に直ちに又は投与から任意の予め決定された時間後又は期間後に活性薬物を放出するように製剤化され得る。
徐放性製剤は、(i)長時間かけて体内で薬物の実質的に一定の濃度を作る製剤;(ii)予め決定された遅延時間の後に長時間かけて体内で薬物の実質的に一定の濃度を作る製剤;(iii)活性薬物の血漿中レベルの変動に伴う望ましくない副作用を同時に最小限としつつ、体内において比較的一定で有効な薬物レベルを維持することによって、予め決定された期間中に薬物作用を維持する製剤;(iv)例えば、罹患組織又は臓器の近くに又は罹患組織又は臓器に徐放性組成物を空間的に配置することによって、薬物作用を局部にとどめる製剤;及び(v)担体又は化学物質誘導体を使用して薬物を特定の標的細胞型へと送達することによって薬物作用を標的化する製剤、を含む。
徐放性製剤の剤形の薬物の投与は、薬物が(i)狭い治療指数(すなわち、有害な副作用又は毒性反応をもたらす濃度と、治療効果をもたらす濃度との差が小さい;一般的に、治療指数TIは、半致死量(LD50)と半有効量(ED50)の比と定義される);(ii)消化管における狭い吸収ウィンドウ;又は(iii)非常に短い生物学的半減期(よって、治療レベルの血漿レベルを維持するために1日のうちに頻繁な投薬が必要とされる)を有する場合に特に好ましい。
多くの戦略のいずれかを探究して、放出速度が問題の薬物の代謝速度を上回るような徐放性を得ることができる。例えば様々な種類の徐放性組成物及びコーティングをはじめとする、様々な製剤パラメーター及び成分を適切に選択することによって徐放性を得ることができる。従って、薬物を適切な賦形剤を用いて製剤化して、投与時に薬物を制御された様式で放出する薬学的組成物とする(油剤、懸濁剤、乳剤、マイクロカプセル剤、ミクロスフィア、ナノ粒子及びリポソーム)。
経口使用のための固体用量
経口使用のための製剤としては、無毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に本発明の組成物を含む錠剤が挙げられる。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤又は増量剤(例えばスクロース、微結晶セルロース、デンプン(ジャガイモデンプンを含む)、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム);造粒剤及び崩壊剤(例えばセルロース誘導体(微結晶セルロースを含む)、デンプン(ジャガイモデンプンを含む)、クロスカルメロースナトリウム、アルギネート、又はアルギン酸);結合剤(例えばアカシア、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール);及び潤滑剤、滑沢剤、及び粘着防止剤(例えばステアリン酸、シリカ、又はタルク)であり得る。他の薬学的に許容される賦形剤は、着色剤、芳香剤、可塑剤、湿潤剤、緩衝化剤などであり得る。
錠剤はコーティングされていなくても、又は公知の技術によってコーティングされることにより、場合により消化管における崩壊及び吸収を遅延させ、それにより、より長い期間に及び持続した作用を与えてもよい。コーティングは、予め決定されたパターンで活性薬物を放出するように適応させても(例えば、徐放性製剤を得るために)、又は、胃の通過後まで活性薬物物質を放出しないように適応させてもよい(腸溶性コーティング)。コーティングは、糖衣、フィルムコーティング(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリレートコポリマー、ポリエチレングリコール及び/又はポリビニルピロリドンに基づく)、又は腸溶性コーティング(例えば、メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、シェラック及び/又はエチルセルロースに基づく)であり得る。遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルも使用され得る。
固形錠剤組成物は、望ましくない化学変化(例えば、活性薬物の放出前の化学分解)から組成物を防御するように適応されたコーティングを含み得る。コーティングは、Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されているのと同じような方法で固体剤形に施され得る。
薬物は、錠剤において一緒に混合されても、又は分割されていてもよい。例えば、第1の薬物は錠剤の内側に含まれ、第2の薬物は外側にあり、よって、第2の薬物のかなりの部分が、第1の薬物の放出前に放出される。
経口使用のための製剤は、咀嚼可能な錠剤として、又は硬ゼラチンカプセル剤として(活性成分は不活性な固形希釈剤(例えばジャガイモデンプン、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合されている)、又は軟ゼラチンカプセル剤として(活性成分は、水又は油媒体、例えば流動パラフィン又はオリーブ油と混合されている)提示され得る。散剤及び顆粒剤は、錠剤及びカプセル剤について上記された成分を使用して、慣用的に調製され得る。
経口使用のための徐放性組成物は、例えば、活性薬物の溶出及び/又は拡散を制御することによって、活性薬物を放出するように構築され得る。
溶出又は拡散の制御された放出は、薬物の錠剤、カプセル剤、ペレット剤、もしくは顆粒製剤の適切なコーティングによって、又は薬物を適切なマトリックスに取り込むことによって達成され得る。徐放性コーティングは、上記された1つ以上のコーティング物質、及び/又は例えばシェラック、蜜ロウ、グリコワックス(glycowax)、カスターワックス、カルナウバロウ、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセロール、エチルセルロース、アクリル樹脂、dl−ポリ乳酸、酢酸酪酸セルロース、塩化ポリビニル、酢酸ポリビニル、ビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリメタクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、メタクリレートハイドロゲル、1,3ブチレングリコール、メタクリル酸エチレングリコール、及び/又はポリエチレングリコールを含み得る。徐放性マトリックス製剤において、マトリックス材料はまた、例えば、水和メチルセルロース、カルナウバロウ、及びステアリルアルコール、カルボポール934、シリコン、トリステアリン酸グリセリル、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル、塩化ポリビニル、ポリエチレン、及び/又はハロゲン化フルオロカーボンを含み得る。
特許請求された組み合わせの薬物の1つ以上を含む徐放性組成物はまた、浮遊錠又はカプセル剤(すなわち、経口投与時に一定期間の間、胃内容物の上面に浮遊する、錠剤又はカプセル剤)の剤形であり得る。薬物(群)の浮遊錠製剤は、薬物(群)の混合物を賦形剤及び20〜75%w/wの親水コロイド、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて造粒することによって調製され得る。その後、得られた顆粒を圧縮して錠剤とすることができる。胃液と接触すると、錠剤はその表面の周囲に実質的に水に不透過性のゲルバリアを形成する。このゲルバリアは、1未満の密度を維持することに関与し、これにより、錠剤は胃液中に浮遊したままでいることができる。
経口投与のための液体
水の添加による水性懸濁液の調製に適した散剤、分散性散剤、又は顆粒剤は、経口投与のための慣用的な剤形である。懸濁剤としての製剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1つ以上の保存剤との混合物中の活性成分を提供する。適切な懸濁化剤は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどである。
非経口用組成物
剤形の製剤の、又は適切な送達装置を介した、又は慣用的で無毒性の薬学的に許容される担体及び補助剤を含む、薬学的組成物は、眼内注射によって非経口投与され得る。このような組成物の製剤化及び調製は医薬製剤の分野の技術者には周知である。
非経口使用のための組成物は、単位投与形で(例えば1回量アンプルで)、又は数回分の投与量を含むバイアルで(これには適切な保存剤が添加されていてもよい(以下参照))提供され得る。前記組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、注入装置、又は埋込用の送達装置の形態であり得るか、又は使用前に水もしくは別の適切なビヒクルを用いて復元される乾燥粉末として提示されてもよい。活性成分とは別に、前記組成物は、適切な非経口的に許容される担体及び/又は賦形剤を含み得る。活性薬物(群)は、徐放のためにミクロスフィア、マイクロカプセル、ナノ粒子、リポソームなどに取り込まれ得る。前記組成物は、懸濁化剤、可溶化剤、安定化剤、pH調整剤、及び/又は分散剤を含み得る。
本発明による薬学的組成物は、無菌注射に適した剤形であり得る。このような組成物を調製するために、適切な活性薬物を、非経口的に許容される液体ビヒクルに溶解又は懸濁する。使用され得る許容されるビヒクル及び溶媒には、水、適切な量の塩酸、水酸化ナトリウム又は適切な緩衝液の添加によって適切なpHに調整された水、1,3−ブタンジオール、リンガー液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。水性製剤はまた、1つ以上の保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、エチル又はn−プロピル)を含み得る。薬物の1つが水中にやや溶けにくい又は溶けにくい場合、溶出増強剤又は可溶化剤を加えてもよいか、又は溶媒は10〜60%w/wのプロピレングリコールなどを含んでいてもよい。
徐放性非経口組成物は、水性懸濁剤、ミクロスフィア、マイクロカプセル、磁気ミクロスフィア、油剤、油性懸濁剤、又は乳剤の剤形であり得る。あるいは、活性薬物(群)を、生体適合性担体、リポソーム、ナノ粒子、埋込剤、又は注入装置に取り込んでもよい。ミクロスフィア及び/又はマイクロカプセルの調製に使用される材料は、例えば、生分解性/生浸食性ポリマー、例えばポリガラクチン、ポリ−(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(2−ヒドロキシエチル−L−グルタミン)である。徐放性非経口製剤を製剤化する場合に使用され得る生体適合性担体は、炭水化物(例えばデキストラン)、タンパク質(例えばアルブミン)、リポタンパク質、又は抗体である。埋込剤に使用される材料は、非生分解性(例えばポリジメチルシロキサン)又は生分解性(例えばポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸)又はポリ(オルトエステル))であり得る。
点眼
薬学的組成物はまた、慣用的で無毒性の薬学的に許容される担体及び賦形剤を含む剤形又は製剤で(ミクロスフィア及びリポソームを含む)点眼を通して局所投与され得る。前記製剤としては、ローション剤、リニメント剤、ゲル剤、ハイドロゲル剤、液剤、懸濁剤、噴霧剤、及び他の種類の薬物送達システムが挙げられる。薬学的に許容される担体又は賦形剤としては、乳化剤、抗酸化剤、緩衝化剤、保存剤、湿潤剤、浸透増強剤、キレート剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、香料、及び皮膚保護剤が挙げられ得る。
投与量及び処置期間
組み合わせの薬物は、同じ又は異なる薬学的製剤のいずれかで同時に又は順次投与され得ると理解される。順次投与されるのであれば、第2の(又は追加の)活性成分の投与の遅延は、活性成分の組合せの効果的な作用の利点を失わないようなものとすべきである。本記載による組み合わせの最小限度の必要条件は、前記組み合わせが、活性成分の組合せの効果的な作用の利点を有する併用を目的とすべきであることである。組み合わせの使用目的は、施設、支給物、適応及び/又は本発明による組み合わせの使用を助ける他の手段によって推論され得る。
本発明の組み合わせにおける薬物の治療有効量は、例えば、AMD症状を低減するのに、一旦臨床的に顕現した場合に疾病の進行を停止もしくは緩徐化するのに、又は後期型の疾病を発症するリスクを予防もしくは低減するのに効果的である量を含む。
本発明の活性薬物は分割投与量で、例えば1日2回又は3回投与され得るが、組み合わせでの各薬物の1日1回投薬が好ましく、単一の薬学的組成物での全ての薬物の1日1回投薬が最も好ましい。
投与は、1日1回から数回、数日間から数年間かけられ得、患者の生涯におよぶ場合さえあり得る。大半の症例において慢性又は少なくとも周期的に繰り返される長期投与の必要が示される。
「単位投与形」という用語は、ヒト被験者のための単位投与量として適した物理的に個別の単位(例えばカプセル剤又は充填されたシリンジシリンダー)を指し、各単位は、所望の治療効果をもたらすように計算された予め決定された量の活性材料又は材料群を、必要とされる薬学的担体と共に含む。
好ましい単位投与量組成物における各薬物の量は、投与法、患者の体重及び年齢、疾病のステージ、処置されるヒトの全般的な健康状態を考慮した見込まれる副作用のリスクをはじめとするいくつかの因子に依存する。さらに、特定の患者に関する薬理ゲノミクス(治療薬の薬物動態、薬力学、又は効力プロファイルに対する遺伝子型の効果)情報は、使用される投与量に影響を及ぼし得る。
より高用量が必要とされ得る、特に障害されている症例に対して応答する場合を除いて、組み合わせ中の各薬物の好ましい投与量は、長期間の維持処置のために通常処方される又は第3相臨床試験において安全であることが判明した投与量を超えない、投与量の範囲内に通常存する。
本発明の1つの顕著な利点は、各化合物を組合せ療法において低用量で使用することができる一方で、組み合わせて相乗作用を発生させることにより、患者に実質的に臨床的な恩恵がもたらされることである。組合せ療法は、化合物が個々には低い効果を有するか又は効果を全く有さない投与量でも実際に効果的であり得る。従って、本発明の特定の利点は、各化合物の至適以下の用量、すなわち、通常処方される治療量よりも低い投与量、好ましくは治療量の1/2、より好ましくは治療量の1/3、1/4、1/5、又はさらにはより好ましくは治療量の1/10を使用できることにある。特定の例において、治療量の1/20、1/30、1/50、1/100又はさらにより低い投与量が使用される。
このような治療量以下の投与量では、本発明による組み合わせ(群)は、前記化合物は全く副作用を示さない一方で、AMD又はシュタルガルト病、若年発症型もしくは成人発症型卵黄様黄斑変性症、又は糖尿病性神経障害の処置に完全に効果的である。
好ましい投与量は、長期間の維持処置のために通常処方される量の1%から50%までの量に相当する。
最も好ましい投与量は、長期間の維持処置のために通常処方される量の1%から10%までの量に相当し得る。
本発明により使用するための薬物の経口投与量の具体例を以下に提供する:
− 1〜1000mg/日、好ましくは500mg/日未満、より好ましくは100mg/日未満、さらにより好ましくは10mg/日未満のアカンプロセート、このような投与量が経口投与に特に適している。
− 0.01〜150mg/日、好ましくは100mg/日未満、より好ましくは75mg/日未満、さらにより好ましくは50mg/日未満のバクロフェン、このような投与量が経口投与に特に適している。
前記組成物が活性成分としてバクロフェン及びアカンプロセートのみを含む場合、これらの2つの化合物は、異なる比で、例えば0.05〜1000(W:W)、好ましくは0.05〜500(W:W)、より好ましくは0.05〜100(W:W)、より好ましくは0.05〜50(W:W)のバクロフェン/アカンプロセートの重量比で使用され得る。
実際に投与される薬物の量は、処置される容態又は容態群、投与される正にその組成物、個々の患者の年齢、体重及び応答、患者の症状の重篤度、並びに選択された投与経路を含む、関連した環境を鑑みて医師によって決定されることが理解されるだろう。それ故、上記の投与量範囲は、本明細書の教義についての一般的な指針及びサポートを提供することを意図とするが、本発明の範囲を制限することを意図しない。
以下の実施例は、説明の目的で示されており、制限するために示されているのではない。
実施例
I.酸化ストレスに対する本発明の組み合わせの効果
酸化ストレスは、AMDの病因に強く関連していることが示された。この現象は、ミトコンドリアの機能不全の原因であることが疑われ、この機能不全は次に反応性酸素種を生じる。RPE細胞及び網膜神経細胞の両方が、酸化的傷害を特に受けやすい[24、25]。以下に示された実験において、本発明者らは、バクロフェン及びアカンプロセートを含む組成物が、6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)又はアミロイドβ(後者は、ドルーゼンの一成分と判明した)によって誘発された酸化ストレス及びミトコンドリア機能不全を低下させるのに特に効果的であることを発見した。
a.バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせは、6OHDAによる化学的に誘発されたミトコンドリア中毒から神経細胞を防御するのに効果的である。
6−OHDAは、細胞において反応性酸素種を生成し、ミトコンドリア死滅を誘発することによって、ニューロンを破壊する神経毒性薬物である。ドーパミンとその構造が類似していることから、6OHDAは、特異的なドーパミン活性輸送体を介してドーパミン作動性ニューロン内に特異的に侵入すると考えられる。それにも関わらず、以下の結果は、本発明の組み合わせが、酸化ストレスから神経細胞を防御するのに効果的であることを示す。
中脳ドーパミン作動性ニューロンの培養
ラットドーパミン作動性ニューロンを、Schinelli et al. (1988)によって記載されているように培養した[26]。15日間の妊娠期間の妊娠雌ラットを頸部脱臼によって屠殺し(Rats Wistar; Janvier)、子宮から胎仔を取り出した。胎仔の中脳を取り出し、2%ペニシリン−ストレプトマイシン(PS; PanBiotech)及び1%のウシ血清アルブミン(BSA; PanBiotech)を含む氷冷リーボビッツ培地(L15; PanBiotech)に入れた。中脳湾曲部の腹側部だけを細胞調製物のために使用した。なぜなら、これは、ドーパミン作動性ニューロンに富んだ発達中の脳の領域であるからである。中脳を、37℃で20分間トリプシンで処理することによって解離した(トリプシンEDTA 1×;PanBiotech)。反応を、II等級のDNAaseI(0.1mg/ml;PanBiotech)及び10%ウシ胎児血清(FCS;Invitrogen)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;PanBiotech)の添加によって停止する。その後、細胞を、10mlのピペットに3回通すことによって機械的に解離し、180×gで10分間+4℃でL15培地中のBSA(3.5%)層上で遠心分離にかけた。上清を廃棄し、ペレットの細胞を、B27(2%;Invitrogen)、L−グルタミン(2mM;PanBiotech)及び2%のPS溶液及び10ng/mlの脳由来神経栄養因子(BDNF、PanBiotech)及び1ng/mlのグリア由来神経栄養因子(GDNF、PanBiotech)の補充されたNeurobasal(Invitrogen)からなる規定の培養培地に再懸濁した。生細胞を、トリパンブルー色素排除試験を使用してノイバウエルサイトメーターで計数した。細胞を、96ウェルプレート(ポリ−L−リジンで前以てコーティングされている(Greiner))に40000個の細胞/ウェルの密度で播種し、加湿空気(95%)/CO(5%)雰囲気中37℃で培養する。培地の半分を2日毎に新たな培地と交換した。神経細胞集団の5〜6%がドーパミン作動性ニューロンであった。
6−OHDA及び試験化合物への曝露
培養6日目に、培地を除去し、以下の濃度の6OHDAを含まない又は含む新たな培地を加えた:48時間の間、対照培地で希釈された20μM。試験化合物を1時間プレインキュベーションし、その後、48時間の間に6−OHDAを適用した。
終点の評価:TH陽性ニューロンの総数の測定
6OHDAによる中毒から48時間後、細胞を、PBS(pH=7.3)中4%パラホルムアルデヒド溶液によって20分間かけて室温で固定した。細胞を、PBS中で再度2回洗浄し、その後、透過処理し、非特異的部位を、0.1%サポニン(Sigma)及び1%FCSを含むPBS溶液を用いて15分間かけて室温でブロッキングした。その後、細胞を、1%FCS、0.1%サポニンを含むPBS中で1/1000希釈度のマウス(TH、Sigma)で産生されたモノクローナル抗チロシンヒドロキシラーゼ抗体と共に室温で2時間インキュベーションした。これらの抗体を、1%FCS、0.1%サポニンを含むPBS中1/800希釈度のAlexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgG(Molecular Probes)を用いて室温で1時間かけて明らかとした。
各条件について、1ウェルあたり2×10個の写真(ウェル総面積の約80%に相当する)を、拡大率10倍でInCell AnalyzerTM1000(GE Healthcare)を使用して撮影した。同じ条件で全ての画像を撮影した。TH陽性ニューロンの数の分析を、Developerソフトウェア(GE Healthcare)を使用して実施した。
データを、対照条件(中毒なし、6OHDAなし=100%)に対する比率として表現することにより、6OHDAによる損傷を表現する。全ての数値は、3つの培養液(1つの条件あたり1つの培養液あたりn=6のウェル)の平均値+/−標準誤差(s.e.mean)として表現される。Statviewソフトウェアバージョン5.0を使用することが可能であった場合には、統計分析は、ANOVA、その後のダネット検定及びPLSDフィッシャー検定からなる。
結果
結果を表2に要約する。ドーパミン作動性ニューロンに対する神経保護効果が、6−OHDAによる損傷から48時間後に、THニューロン生存試験において、本発明の化合物及び組み合わせについて観察される。
中脳ニューロンと共に6−OHDA(20μM)を48時間インキュベーションすることにより、全ての実験においてドーパミン作動性ニューロンの有意な中毒が生じた(THニューロンの約33%)(対照、図1)。
BDNFを陽性対照として使用した。1.85nMのBDNFで1時間前処理することにより、この6−OHDAによる損傷からドーパミン作動性ニューロンは有意に防御された。
図1に示されているように、バクロフェン−アカンプロセートは、用量依存的に6−OHDAによる中毒からドーパミン作動性ニューロンを成功裡に防御する。
b.バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせは、アミロイドβによるミトコンドリア中毒及びその後の酸化ストレスから神経細胞を防御する上で効果的である。
アミロイドβは、ミトコンドリアの崩壊をトリガーし、酸化ストレスも引き起こすミトコンドリア毒素として知られている。興味深いことに、アミロイドβはドルーゼンにおいて見られ、その蓄積は初期のAMDの兆候と考えられている。
本発明者らは、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせが、アミロイドβにより誘発された酸化ストレス及びミトコンドリア中毒から防御する上で効果的であることを観察した。実際に、メチオニンスルホキシドレベル(MetO、細胞の酸化ストレス状態のマーカー)及びチトクロムC(細胞質内のチトクロムCの放出は、ミトコンドリア障害のマーカーである)レベルは、アミロイドβの存在下で培養されたがバクロフェン及びアカンプロセート組成物で処置された神経細胞内では有意に低下する。注目すべきことには、CytCも、紫外可視分光イメージング[27]による網膜細胞変性についての見込みあるマーカーとして記載され、これにより、AMDにおける酸化及びミトコンドリア機能不全の重要性が強調される。
皮質細胞培養
ラット皮質ニューロンを、Singer et al., 1999[28]によって記載されている通りに培養した。簡潔には、15日間の妊娠期間の妊娠雌ラットを頸部脱臼によって屠殺し(Rats Wistar)、子宮から胎仔を取り出した。皮質を取り出し、2%ペニシリン10.000U/ml及びストレプトマイシン10mg/ml及び1%のウシ血清アルブミン(BSA)を含む氷冷リーボビッツ培地(L15)に入れた。皮質を、37℃で20分間かけてトリプシン(0.05%)によって解離した。反応を、II等級のDNaseI(0.1mg/ml)及び10%ウシ胎児血清(FCS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)の添加によって停止した。その後、細胞を、10mlのピペットに3回通すことによって機械的に解離した。その後、細胞を、515×gで10分間10℃で遠心分離にかけた。上清を廃棄し、細胞のペレットを、B27(2%)、L−グルタミン(0.2mM)、2%のPS溶液及び10ng/mlのBDNFの補充されたNeurobasalからなる規定の培養培地に再懸濁する。生細胞を、トリパンブルー色素排除試験を使用してノイバウエルサイトメーターで計数した。細胞を、96ウェルプレート(ウェルは、ポリ−L−リジン(10μg/mL)で前以てコーティングされている)に30000個の細胞/ウェル(CytCの調査のために)又は15000個の細胞/ウェル(MetOの評価のために)の密度で播種し、加湿空気(95%)/CO(5%)雰囲気中37℃で培養した。
11日間培養した後、皮質ニューロンを、1.25μMのヒトアミロイド−β1−42ペプチドを用いて4時間の間に中毒化した。
ヒトアミロイド−β1−42による中毒
ヒトAβ1−42を、40μMの規定の培養培地(母液)中で再構成し、暗闇の中で37℃で3日間ゆっくりと放置する。対照培地は同じ条件で調製された。
3日後に、1.25μMのこのアミロイドペプチドを、対照培地中で希釈された皮質ニューロン上で4時間の間インキュベーションした。
50ng/mlのBDNFを陽性対照として使用した。BDNFを培養培地に溶解し、1時間プレインキュベーションし、その後、アミロイドβ1−42を適用した。試験混液(バクロフェン80nM及びアカンプロセート0.32nM)を1時間プレインキュベーションし、その後、アミロイドβ1−42を適用した。
酸化ストレスの測定:MetOアッセイ
4時間かけて中毒化した後、細胞を、エタノール(95%)及び酢酸(5%)の冷溶液によって5分間かけて固定した。その後、細胞を透過処理し、非特異的部位を、0.1%のサポニン(Sigma)及び1%のウシ胎児血清(FCS)を含むリン酸緩衝食塩水(PBS;PanBiotech)溶液を用いて室温で15分間かけてブロッキングした。その後、細胞をモノクローナル抗体抗微小管会合タンパク質2(MAP−2;Sigma)と共にインキュベーションした。この抗体は、特異的にニューロンの細胞体及び神経突起を染色する。ポリクローナルMetO一次抗体(Euromedex)を使用して同時染色を行なった。これらの抗体を、Alexa Fluor 488ヤギ抗マウスIgG(Molecular probe)を用いて、及びAlexa Fluor 568ヤギ抗ウサギIgG(Molecular probe)を用いて明らかとした。ニューロンの核は、蛍光マーカー(ヘキスト液、SIGMA)によって標識される。
酸化ストレス及びミトコンドリア完全性の測定:細胞質チトクロムC(CytoC)アッセイ
このアッセイは、ポリクローナルCytoC一次抗体(Abcam)を使用して細胞質チトクロムCを検出したこと以外は、実質的に上記されている通りに実施された。
統計分析
データを、対照条件(中毒なし、6OHDAなし=100%)に対する比率として表現することにより、アミロイドによる損傷を表現する。全ての数値は、3つの培養液(1つの条件あたりn=6のウェル)の平均値+/−標準誤差(s.e.mean)として表現される。(Statviewソフトウェアバージョン5.0)が可能であった場合には、統計分析は、ANOVA、その後のダネット検定及びPLSDフィッシャー検定を使用して実施された。
結果
結果を表2に要約する。本発明の組成物は、AMDの病因の構成要素である酸化ストレス及びミトコンドリア機能不全から神経細胞を防御する上で効果的である。
細胞のメチオニンスルホキシド残基の有意な減少(−61%)が、バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせで前処置した場合にAβ1−42により中毒化された神経細胞において認められる(図2)。これは、処置されていない中毒化細胞と比較した場合に、処置された中毒化細胞の細胞質におけるチトクロムCの放出の減少によって確認され、この減少は、ミトコンドリア障害の阻止の兆候である(図3)。従って、バクロフェン及びアカンプロセート組成物は、AMDにおいて観察された酸化ストレス及びミトコンドリア機能不全から神経細胞を効果的に防御する。
II.インビトロにおける脈絡膜における血管新生による病変の阻止
脈絡膜血管新生(CNV)は、ウェット型AMDを有する患者における重度の中心視野の低下の主要な原因である。ウェット型AMDに対する本発明の組み合わせの効果を、脈絡膜血管新生のマウスモデルにおいて評価した。
このモデルにおいて、0日目に脈絡膜の火傷が、ラットの眼へのアルゴンレーザー処理によって誘発される(1つの眼につき6つの火傷)。
参照化合物、並びに本発明の化合物及び組み合わせを、病変の1日前又は0日目に経口投与する。
処置の14日目及び21日目に、各病変における漏出の定量を、蛍光眼底造影検査によって測定する。麻酔した動物は、フルオレセインナトリウムの皮下注射を受けた。網膜血管造影で画像を撮影し、各病変のフルオレセイン染色強度を、漏出スコア(0=漏出なしから3=強い漏出まで)を使用して類別する(24)。
23日目に、動物を屠殺し、網膜を収集する。各新生血管病変の容量を、FITC標識イソレクチンB4(ZISアポトーム顕微鏡を用いての検出)を使用して測定する。
バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせは、表2に記載されているように新生血管病変の漏出を減少させるのに、及びその程度を制限するのに効果的である。
III.インビボにおける網膜機能の改善及び網膜変性に向かう網膜組織の防御
青色光が、RPE、杆体及び錐体においてフリーラジカルを発生する光化学反応を引き起こすことが示された。このフリーラジカル発生により、最終的に黄斑の維持システムが詰まり、ドライ型黄斑変性を生じると考えられている(25)。
本発明の化合物及び組み合わせを、青色光により誘発された網膜変性ラットモデルにおいて試験する。網膜変性に対する防御におけるその効力を、刺激に応答して網膜内の種々の細胞型によって生じる電位を測定する網膜電図検査によって評価する。
簡潔には、0日目に暗闇に順応させたSprague Dawleyラットを、6時間、強力な青色の蛍光に曝露させる。
動物に、経口投与されたバクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせを病変の2日前又は1日前又は少なくとも0日目に投薬する。網膜変性を、誘発前及び誘発から7日目及び14日目に測定されたERGのa波の振幅を比較することによって評価する。
14日目にラットを屠殺し、眼を収集し;電気生理学的試験を、これもまた網膜完全性のマーカーである網膜外顆粒層(ONL)の厚さの組織学的測定によって完了する。
結果を表2に要約する。バクロフェン及びアカンプロセートの組み合わせで処置された動物において、処置されていない動物と比較して、青色光への提示後(7日目から14日目)に測定されたERGのa波の振幅の有意な増加が認められる。この電気生理学的機能の改善は、処置された動物において、ONLが、処置されていない動物よりも全体的に厚いという観察と相関する。これらの結果は、本発明の組み合わせが、網膜変性から眼を防御するのに効果的であることを示す。


Claims (10)

  1. 必要とされる被験者における黄斑変性疾患の処置もしくは予防において使用するための、又は前記疾患の進行を阻止もしくは停止させるための、バクロフェン及びアカンプロセート、又はその塩もしくはプロドラッグもしくは誘導体もしくは持続放出製剤を含む組成物。
  2. 黄斑変性疾患が、ドライ型又はウェット型加齢黄斑変性(AMD)、シュタルガルト病、若年発症型又は成人発症型卵黄様黄斑変性症、及び糖尿病性神経障害から選択される、請求項1記載の使用のための組成物。
  3. 被験者が、ドルーゼン又は網膜色素の変化を有すると診断された、請求項1又は2記載の使用のための組成物。
  4. 必要とされる被験者における初期AMDからウェット型もしくはドライ型AMDへのエボリューションを予防するための請求項1〜3のいずれか一項の使用のための組成物。
  5. 被験者が、網膜変性又は異常な眼の血管新生を経験している、請求項1〜4のいずれか一項の使用のための組成物。
  6. 薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項の使用のための組成物。
  7. 前記組成物中の化合物が、一緒に、別々に又は順次製剤化又は投与される、請求項1〜6のいずれか一項の使用のための組成物。
  8. 前記組成物が被験者に繰り返し投与される、請求項1〜7のいずれか一項の使用のための組成物。
  9. アカンプロセートカルシウム塩が使用される、請求項1〜8のいずれか一項の使用のための組成物。
  10. 必要とされる被験者における黄斑変性疾患を処置もしくは予防するために、又は前記疾患の進行を阻止もしくは停止させるために使用するための、少なくともアカンプロセート、又はその塩、プロドラッグ、誘導体もしくは持続放出製剤と組み合わせた、バクロフェン、又はその塩、プロドラッグ、誘導体もしくは持続放出製剤。
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