定義
ここで使用されているように、以下の用語および語句は、これ以降に示す意味を有するものとする。別段の定義がない限り、ここで用いるすべての専門用語および科学用語は、一つの普遍的な技術として当該分野内で一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。本発明の化合物はまた、薬学的に許容されるエステル(すなわち、プロドラッグとして使用される化学式Iの酸のメチルおよびエチルエステル)の形態で存在することができる。本発明の化合物はまた、例えば水和されるなど、溶媒和され得る。溶媒和は、製造プロセスの過程で影響を受けることがあり、もしくは、本来無水性の化学式Iの化合物が持つ吸湿性の結果(水和)として作られることがある。
同じ分子式を有するが、それらの性質、原子の結合の配列、もしくは、原子の空間配置 が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。それらの内、原子の空間配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。ジアステレオマーは、 一つまたは複数のキラル中心に対して反対の立体配置を有す立体異性体のうち、鏡像異性体でないものをいう。 立体異性体のうち、お互いが重ね合わせることができない鏡像である1つ以上のキラル中心を有する立体異性体は「鏡像異性体」と呼ばれる。例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合している場合のように、化合物がキラル中心を有する場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、1つまたは複数のキラル中心の絶対的な配置により特徴付けることができ、カーン、インゴルド及びプレローグのR−およびS−配列規則によって、もしくは分子が偏光面を回転させる方法によって表され、右旋性または左旋性(すなわち、順に(+)または( − ) − 異性体)と呼ばれる。キラル化合物は、個々の鏡像異性体として、もしくはその混合物として存在することができる。均等な割合の鏡像異性体を含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
ここで使用されるように、「代謝状態」という用語は、1つまたは複数の代謝経路の欠陥に起因する遺伝性疾患である先天性代謝異常(または遺伝的な代謝条件)を指す。具体的には、酵素の機能が影響を受け、欠乏している、もしくは完全に欠如している。
いくつかの実施例では、分子結合体は、Rリポ酸(CAS番号1200−22−2)、サルサレート(CAS番号552−94−3)、アセチルシステイン(CAS番号616−91−1)、エイコサペンタエン酸(CAS番号10417−94−4)、ドコサヘキサエン酸(CAS番号6217−54−5)の中から選ばれた化合物からなる。
ここで使用される用語「多形」は当該分野で認識されており、与えられた化合物の一つの結晶構造を指す。
「非経口投与」および「非経口的」という言い回しは、ここでも用いられているように、経腸および局所投与以外の投与形態を指し、特段の制限なく、静脈内、筋肉内、胸腔内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内 、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内への注射および点滴を含む。
対象とする方法によって治療される「患者」、「被験体」、「宿主」は、ヒトまたは、霊長類、哺乳類および脊椎動物などの非ヒト動物のいずれかを意味することになる 。
「薬学的に許容される」という言い回しは当該分野で認識されている。特定の実施例において、この用語は、哺乳動物、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に適した組成物、ポリマーおよび他の物質、および/または投薬形態のうち、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、妥当なベネフィット/リスク比に相応するものを含む。
「薬学的に許容されるキャリア」という言い回し薬学的には当該分野で認識され、例えば、薬学的に許容される物質、組成物、または媒体で、液体または固体充填剤、希釈剤、溶媒またはカプセル化材料で、一つの臓器または身体の部分から、身体の別の臓器または部分へ、対象となる組成物を運び届ける。各キャリアは、患者に有害で、対象組成物の他の成分としない競合せず、患者に侵襲的でないという意味で「許容可能」でなければなりません。特定の実施例では、薬学的に許容されるキャリアは非発熱性である。役立ち得る材料のいくつかの例は、薬学的に許容されるキャリアとして役立ち得る物質の例としては、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類、(2)コーンスターチおよびポテトスターチなどのデンプン、(3)セルロースと、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのその誘導体、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバターおよび坐薬ワックス、(9)落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油(10)プロピレングリコールなどのグリコール(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル(13)寒天(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エタノール、(20)リン酸緩衝溶液、(21)医薬製剤に用いられる他の非毒性の非競合物質、が含まれる。
「プロドラッグ」という用語は、生理的条件下で、本発明による治療のための活性のある薬剤に変換される化合物を含むことを意図している。プロドラッグを製造するための一般的な方法は、希望の分子を明らかにするために生理的条件下で加水分解された選択した部分を含むことである。他の実施例においては、プロドラッグは宿主動物の酵素の活動によって変換される。
「予防的または治療的」処置という用語は、当該分野で認識されており、対象の組成物のうちの1つまたは複数を持つホストへの投与が含まれる。もしそれが望ましくない状況(例:宿主動物の疾病や他の望まない状態)の臨床的な兆候の前に投与された場合、その治療は予防的措置である、すなわち、それは望まない状態が進行することから宿主を守る。一方で、それが望ましくない状況の兆候の後に投与された場合、それは治療的措置である。(例:存在する望まない状態やその副作用を抑え、改善し、安定させることを意図する。)
本申請書で使用される「予測する」という用語は、将来の設定された期間(予測期間)の中で、異常や合併症および/または末端血小板の凝集や障害および/または死(すなわち、死亡率)に患者が苦しむであろう、疾病に関連する確率を評価することをいう。この死亡率、中枢神経系または合併症によって引き起こされることもある。この予測期間は、対象が予測された確率にしたがって前述した合併症の一つまたは複数を進行させている期間である。予測期間は、本発明の方法による分析に際しては、対象の余寿命全部とすることもある。
「治療する」という用語は、当該分野で認識されている。疾患、障害および/または症状の素因を持ちうるが、まだそれを有すると診断されていない動物で発生する疾患、障害または状態を予防すること、 例えば、その進行を遅らせるなど、疾患、障害または状態を阻害すること、また、例えば、疾患、障害、または状態を軽減することなど、疾患、障害および/または状態の退行を引き起こすこと、を含む。疾患や状態を治療することは、基礎となる病態生理が影響を受けていない場合でも、特定の疾患または状態の少なくとも一つの症状を改善することを含む。具体的には、そのような薬剤が状態の原因を治療しないにもかかわらず、対象のメタボリック症候群、高尿酸血症、痛風、脂質異常症、肥満症、尿素サイクル異常症、高血糖、インスリン抵抗性、糖尿病、尿崩症、1型糖尿病、2型糖尿病の微小血管合併症、大血管合併症、脂質疾患、前糖尿病、肥満症、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、神経障害、腎合併症、高脂血症、心血管系合併症、および食後高血糖に対する薬剤が投与されることなどである。本申請書で使用される「治療すること」、「治療する」または「治療」という用語は、治癒的治療、予防的治療(例えば、予防的措置)、予防の補助的治療や緩和治療が含まれている。
「治療有効量」という言い回しは当該分野で認識される用語である。ある実施例において、この用語は、いかなる医学的治療にも適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で、本申請書で示される塩または組成物が、いくらかの望まれる効果を生じる量を指す。ある実施例において、この用語は、 一定期間医学的症状を排除または軽減することに必要または十分な量を意味する。有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の対象とされる構築物、投与対象の大きさ、疾患もしくは状態の重症度などの要因に応じて、大きく変化し得る。当分野の一般な技術を持っていれば、経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を決定することができる。
ある実施例において、本申請書に記載の医薬組成物は、予防的または治療的処置の一部として、治療有効量で患者に届くように処方される。患者に投与される組成物の望ましい量は、吸収、不活化および薬物の排泄率、 ならびに対象の組成物からの塩および組成物の伝達速度に依存する。 投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個体の必要性、および投与する人または組成物の投与を監督する人の専門的判断に従ってその時に応じて調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は、当該分野に知られている技術を用いて決定される。
また、最適な濃度および/または分量、またはいかなる特定の塩または組成物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整される。このような治療パラメータには、例えば、治療部位など、製剤が意図された臨床的使用法や、 例えば、ヒトか非ヒトか、大人か子供か、など患者のタイプ、および疾患または状態の性質が含まれる。
ある実施例において、本申請書で提供される本発明の組成物の用量は、治療組成物または他の含有物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)や、時間0から無限までの血漿濃度 − 時間曲線の下の面積を用いてもよい。
医薬組成物または他の物質に関して使用される場合には、「徐放」という用語は当該分野で認識されている。物質の全量が一度に生物学的に利用可能にされたボーラス型投与とは対照的に、例えば、時間をかけて物質を放出する対象組成物が持続的に放出する特性を示すことができる。例えば、ある実施例では、血液、髄液、粘液分泌物、リンパ液などの体液と接触するときに、 一つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、関係するいかなる物質、例えば、治療的および/または生物学的に活性な塩および/または組成物、の付随的な放出によって、(ボーラスからの放出と比較して)持続または長時間にわたって、緩やかなまたは遅れた分解(例:加水分解による)を受けることができる。この放出によって、本申請書に開示されるどのような治療薬にも、治療的有効量の持続的な伝達をもたらし得る。
「全身投与」、「全身へ投与される」、「末梢投与」、「末梢へ投与される」という言い回しは当該分野で認識されており、対象組成物、治療薬または他の物質を、治療部位から離れている部位に投与することを含む。治療される疾患のための薬剤の投与は、 薬剤はその後全身的に拡散したとしても、中枢神経系に直接でなければ、 例えば、患者の体内のシステムに入り、代謝および他の同様のプロセスの対象となる皮下投与などによって、「局所」投与と呼ばれることがある。
「治療有効量」という言い回しは当該分野で認識される用語である。ある実施例において、この用語は、いかなる医学的治療にも適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で、本申請書で示される塩または組成物が、いくらかの望まれる効果を生じる量を指す。ある実施例において、この用語は、 一定期間医学的症状を排除または軽減することに必要または十分な量を意味する。有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の対象とされる構築物、投与対象の大きさ、疾患もしくは状態の重症度などの要因に応じて、大きく変化し得る。当分野の一般な技術を持っていれば、経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を決定することができる。
本開示はまた、本申請書に開示された組成物のプロドラッグ、ならびに薬学的に許容される塩とプロドラッグを意図している。
本申請書はまた、薬学的に許容されるキャリアおよび化学式Iの化合物の組成物からなる医薬組成物は、全身投与用、局所投与用および経口投与用に製剤化することができることを開示している。医薬組成物は経口投与、経口液剤、注射剤、皮下投与、または経皮投与用に処方することができる。医薬組成物は、薬学的に許容される安定剤、希釈剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、及び潤滑剤のうちの少なくとも1つを含むことができる。
多くの実施例では、本申請書に記載の医薬組成物は、 予防的または治療的処置の一部として、患者に化学式Iの化合物の治療有効量を送達するのに十分な量で送達されるために、開示された化合物および組成物(化学式I)を組み込む。化学式Iまたはその薬学的に許容される塩の望ましい濃度は、薬物の吸収、不活性化、排泄率、対象となる組成物からの塩および組成物の伝達速度に依存する。投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個体の必要性、および投与する人または組成物の投与を監督する人の専門的判断に従ってその時に応じて調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は、当該分野に知られている技術を用いて決定される。
また、最適な濃度および/または分量、またはいかなる特定の塩または組成物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整される。このような治療パラメータには、例えば、治療部位など、製剤が意図された臨床的使用法や、 例えば、ヒトか非ヒトか、大人か子供か、など患者のタイプ、および疾患または状態の性質が含まれる。
濃度および/または化学式Iの任意の化合物の量は、適切なアッセイを使用して、問題の物質の濃度および/または量の範囲をスクリーニングすることによる、ラットなどの動物の日常的なスクリーニングによって容易に同定することができる。また、本申請書に開示される治療用製剤の投与前後の、局所組織濃度、塩または組成物の拡散速度、および局所血流をアッセイするためには、よく知られた方法が利用可能である。その1つの方法は、T. E. ロビンソン他「microdialysis in the neurosciences」(1991)の中のTechniques, 第7編, 第1章でレビューされた微小透析である。簡単に説明すると、ロビンソンによってレビューされた方法は以下のように適応することができる。微小透析ループは、試験動物においてin situで配置される。透析液は、ループを通して押し出される。本申請書に開示されているような化学式Iを有する化合物がループにそって注入されると、放出された薬物は、それらの局所組織濃度に比例して透析液中に回収される。塩または組成物の拡散の進行は、塩または組成物の既知の濃度を用いて、適切な調整の手順を踏むことにより決定することができる。
ある実施例においては、本申請書の化学式Iの対象化合物の投与量は、治療組成物または他の含有物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)および時間0から無限までの血漿濃度 − 時間曲線下面積を用いることができる。
一般に、本出願で詳述した方法を実施する際に、化学式Iの化合物の有効投与量は単回投与または分割投与で約0.01mg/kg/日〜約100mg / kg/日の範囲であり、例えば、0.01mg/kg/日から約50mg/kg/日で単回投与または分割投与となる。化学式Iの化合物は、例えば、0.2mg未満/kg/日、0.5 mg/kg/日、1.0 mg/kg/日、5/kg/日、10mg/kg/日、20 mg/kg/日、30/ kg /日、または40mg/ kg /日などの容量で投与することができる。化学式Iはヒト患者に対しては、例えば、0.1mgと1000mgの間、5mgと80mgの間、または1日あたり1.0mg未満、9.0mg、12.0mg、20.0mg、50.0mg、75.0mg、100mg、300mg、400mg、500mg、800mg、1000mg、2000mg、5000mgで投与することができる。ある実施例において、本申請書の組成物は、それぞれ95%未満、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%の化学式Iの化合物が必要とされる量が、同じ治療効果のために投与された。
本申請書に記載の化学式Iの化合物の有効量が、疾病を阻害または予防することができる前述された塩または組成物の量を示す。
有効量は、そのような合併症のリスクがある患者において、神経損傷または脱髄および/または高温反応性酸化性ニトロソ化種および/または生理的ホメオスタシスの異常から生じた合併症の重症度を妨げ、治療し、軽減し、改善し、停止し、抑制し、 進行を遅くもしくは逆転させ、もしくは軽減するために十分であるかもしれない。このように、これらの方法は、必要に応じて、両方の医学治療的(急性)、及び/又は予防的(防止)投与が含まれる。量や投与される組成物のタイミングは、治療の対象、苦痛の重症度、投与様式、処方する医師の判断に、もちろん依存している。したがって、患者間の変動性によって、上記の投与量はあくまで指針であり、医師が患者のために適切と考える治療を達成するための薬剤の投与量を医師が決めることができる。望まれる治療の程度を考慮して、医師は、患者の年齢、既往症の有無、ならびに他の疾患の存在など、様々な要因のバランスをとらなければならない。
この申請書で提供される組成物は、例えば、経口、局所および、静脈内、皮下または髄内などの非経口を含む様々な従来の投与経路を通じて、 治療を必要とする対象に投与することができる。さらに、組成物は、鼻腔内に、直腸坐剤として、または「フラッシュ」製剤、すなわち、水の使用を必要とせずに口の中で溶解する薬剤として、投与してもよい。さらに、組成物は、放出制御型薬剤、部位特異的薬物伝達、経皮薬物伝達パッチ(アクティブ/パッシブ)、媒介薬物送達、定位注射によって、またはナノ粒子による治療を必要とする対象に投与することができる。
組成物は、単回または複数回投与のいずれかで、単独で、または薬学的に許容されるキャリア、媒体または希釈剤と組み合わせて投与することができる。適切な医薬キャリア、媒体および希釈剤は、不活性な固体希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および種々の有機溶媒が挙げられる。組成物、薬学的に許容されるキャリア、媒体または希釈剤を組み合わせることにより形成される医薬組成物は、その後、例えば錠剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、注射用溶液などの様々な投与形態で容易に投与される。望まれるようであれば、これらの医薬組成物は、例えば、香料、結合剤、賦形剤などの追加成分を含むことができる。従って、経口投与のために、例えば、L−アルギニン、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような種々の賦形剤を含む錠剤は、 例えば、デンプン、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤と一緒に、またポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシア のような結合剤と共に、使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤が錠剤化の目的にしばしば有用である。同様のタイプの固体組成物はまた、柔らかい、もしくは硬い、充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。このための適切な材料には、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液またはエリキシルが経口投与に望ましい場合、その中の必須の活性成分は、種々の甘味剤または香味剤、着色物質または色素、必要に応じて乳化剤又は懸濁と組み合わせてもよく、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの組み合わせなどの希釈剤と組み合わせることができる 。医薬分野でよく知られているように、化学式Iの化合物はまた、腸溶性にコーティングされた種々の賦形剤を含むことができる。
非経口投与の場合、組成物の溶液は、(例えば)ゴマもしくはピーナッツ油、水性プロピレングリコールの中に用意することができ、または滅菌水溶液の中で用いることができる。このような水溶液は、必要に応じて適当に 緩衝されるべきであり、液体希釈剤は最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用される滅菌水性媒体は全て、当該分野内で知られた標準技術によって容易に入手可能である。
錠剤などの製剤は、 例えば10〜100mg、50〜250mg, 150〜500mg、または350〜800 mg、例えば10mg、50mg、100mg、300mg、500mg、700mg、800mgの、 化学式Iの化合物や化学式Iの化合物の薬物的に許容される塩など、本申請書に開示される化学式Iの化合物を含むことができる。
一般的に、本申請書に記載される組成物は、経口的に 、または非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または髄内)投与することができる。局所投与も、例えば、患者が胃腸障害を患っていて経口投与ができない、または主治医によって薬剤が組織または臓器の表面において最もよく効果があると判断されたときには示唆されることがある。局所投与は、高用量の投与が標的組織または器官に望まれる場合、示されることがある。口腔投与のために活性のある組成物は、従来の様式で形成された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
投与量は代謝性疾患のアイデンティティ、すなわち、年齢や健康や体重などを含めた関与している宿主のタイプ、もしあれば同時治療の種類、治療の頻度および治療の比率 などに依存する。
例示的には、投与される活性成分の投与量レベルは次の通りである。宿主の体重(kg)に対して、静脈内であれば0.1〜約200mg/ kg、 筋肉内であれば約500mg/ kg、経口的であれば5〜約1000mg/ kg、鼻腔内点滴注入であれば5〜約1000mg/ kg、そして、エアロゾルであれば5〜約1000mg/kgである。
濃度で表すと、活性成分は、本発明の組成物中では、真皮、鼻腔内、咽喉頭、気管支、膣、直腸、または眼での局所使用には、濃度にして組成物に対して約0.01〜約50%w/wで 、できれば約1〜約20%w/wで、非経口用には濃度にして組成物に対して約0.05〜約50%w/vで、できれば約5〜約20%w/vで、存在することができる。
本発明の組成物は、 ヒトおよび動物への投与のために、単位投薬形態 で表示されるのが好ましく、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、滅菌非経口溶液または懸濁液、懸濁液の滅菌の非経口でない溶液、経口溶液または懸濁液など、適切な量の活性成分 を含有するものである。経口投与のため、固体または液体の単位投薬形態が調製することができる。
上述したように、錠剤コアは、1つまたはそれ以上の親水性ポリマーを含んでいる。適切な親水性ポリマーとしては、これらに限定されないが、水膨潤性セルロース誘導体、ポリアルキレングリコール、熱可塑性ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマー、親水コロイド、粘土、ゲル化したデンプン、膨潤した架橋ポリマー、およびそれらの混合物を含む。適当な水膨潤性セルロース誘導体の例としては、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシフェニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシペンタセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、およびヒドロキシプロピルエチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なポリアルキレングリコールの例としては、これに限定されないが、ポリエチレングリコールが挙げられる。適当な熱可塑性ポリアルキレンオキシドの例としては、これに限定されないが、ポリ(エチレンオキシド)が挙げられる。適切なアクリルポリマーの例としては、これらに限られないが、そのような もののようなカリウムメタクリレートジビニルベンゼンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、CARBOPOLTMという商品名でNoveon Chemicalsから市販されているような高分子量の架橋アクリル酸ホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。適切な親水コロイドの例としては、これらに限られないが、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ゼラチン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン 、キチン、シクロデキストリン、キトサン、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な粘土の例としては、これらに限定されないが、ベントナイトやカオリンおよびラポナイトなどのスメクタイト、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられる。適当なゲル化デンプンの例としては、これらに限られないが、酸加水分解デンプン、 ナトリウムデンプングリコレートおよびその誘導体などの膨潤性デンプンが含まれる。適切な膨潤性架橋ポリマーの例としては、これらに限定されないが、架橋ポリビニルピロリドン、架橋寒天、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびそれらの混合物が含まれる。
キャリアは、錠剤の製剤のための1つ以上の適切な賦形剤を含有していてもよい。適切な賦形剤の例としては、これらに限られないが、充填剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、放出調節賦形剤、スーパー崩壊剤、酸化防止剤、及びこれらの混合物が含まれる。
適切な結合剤には、これらに限られないが、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの乾燥結合剤、もしくは、アカシア、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタン、ジェラン、ゼラチン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツランなどの親水コロイドを含む水溶性ポリマー、 ラミナリン、スクレログルカン、イヌリン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース、ショ糖、およびデンプンなどの湿式結合剤、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な崩壊剤としては、これらに限定されないが、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。
適切な潤滑剤としては、これらに限定されないが、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸などの長鎖脂肪酸及びその塩 、タルク、グリセリドワックスおよびそれらの混合物が挙げられる。適切な流動促進剤としては、これに限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。適当な放出調節賦形剤としては、これらに限られないが、不溶性食用物質、pH依存性ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。
放出調節賦形剤として使用するために適切な不溶性食用材料としては、これらに限定されないが、水不溶性ポリマーと低融点疎水性材料、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。適当な水不溶性ポリマーの例としては、これらに限れられないが、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース及びその誘導体、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸共重合体、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。適当な低融点疎水性材料としては、これらに限られないが、脂肪、脂肪酸エステル、リン脂質、ワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。適切な脂肪の例としては、これらに限定されないが、ココアバター、水素化パーム核油、水素化綿実油、水素化ヒマワリ油、水素添加大豆油のような水素化植物油、遊離脂肪酸及びそれらの塩、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な脂肪酸エステルの例としては、これらに限られないが、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、グリセリトリラウリレート、グリセリルミリステート、GlycoWax−932、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセレン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なワックスの例としては、これらに限定されないが、カルナバワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、セラックワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、チョコレートのような脂肪含有混合物、およびそれらの混合物が挙げられる。スーパー崩壊剤の例としては、これらに限定されないが、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドン(クロスポビドン)が挙げられる。ある実施例においては、錠剤コアは、 その重量の約5 %までスーパー崩壊剤を含んでいる。
酸化防止剤の例としては、これらに限定されないが、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸、およびエデト酸塩、およびそれらの混合物が挙げられる。防腐剤の例としては、これらに限定されないが、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、ソルビン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
ある実施例では、即時放出コーティングは、例えば、約250ミクロンから約1000ミクロンなど、 約50ミクロンから約2500ミクロンのように少なくとも50ミクロンの平均厚さを有する。実施例においては、即時放出コーティングは、典型的には、その特定の層の重量および体積によって測定される値として、約0.9グラム/ cc以上の密度に圧縮される。
ある実施例では、即時放出コーティングは、 第1の部分および第2の部分を含んでおり、少なくとも一方は、第2の薬学的に活性な薬剤を含有している。ある実施例では、それぞれの部分は、錠剤の中心軸上で互いに接触する。ある実施例では、第1の部分は第1の薬学的に活性な薬剤を含み、第2の部分は第2の薬学的に活性な薬剤を含む。
ある実施例では、第1の部分は第1の薬学的活性剤が含まれており、第2の部分は第2の薬学的活性剤が含まれている。ある実施例では、片方の部分 は、第3の薬学的に活性な薬剤を含有する。ある実施例では、片方の部分は、錠剤コア中に含まれるものと同じ薬学的に活性な薬剤の、第二の即時放出部分を含む。
ある実施例では、外側コーティング部分は、コーティングされた錠剤コアへの添加の前に材料の乾燥ブレンドとして調製される。別の実施例では、外側コーティング部分は、医薬活性剤を含む乾燥した顆粒に含まれている。
上記の異なる薬剤放出メカニズムによる製剤は、単一または複数の単位を含む最終投与形態で組み合わせることができた。複数のユニットの例としては、固体または液体の形態で、錠剤、ビーズ、または顆粒を含む多層錠剤、カプセル剤などが挙げられる。典型的な即時放出製剤は、例えばゼラチンカプセル中などに、カプセル化することが可能な、圧縮錠剤、ゲル、フィルム、コーティング、液体および粒子を含む。薬剤をコーティングしたり、カバーしたり、 組み込んだりして調製するための多くの方法が、当該分野では知られている。
投与形態の単位として、すなわち、タブレット、複数の薬剤含有ビーズ、顆粒または粒子、またはコーティングされたコア投与形態の外側の層として、即時放出剤は、従来の医薬賦形剤とともに、治療上有効な量の有効成分を含んでいる。 即時放出用量単位はコーティングされていてもいなくてもよく、(即時放出薬物を含有した顆粒、粒子またはビーズと遅延放出用薬物を含有した顆粒またはビーズのカプセル化された混合物の中にあるように)遅延放出用量単位と混合していてもいなくてもよい。
持続放出製剤は、一般的に、拡散又は浸透圧システムとして用意されていることは、例えば、リッピンコット・ウィリアムズ&ウィルキンス「Remington−The Science and Practice of Pharmacy」第20版(2001年、ボルティモア、メリーランド州)でも説明されている。拡散システムは、典型的には、当該分野においてよく知られ、記載されているように、リザーバとマトリックスの二種類のデバイスのいずれかで構成されている。マトリックスデバイスは、一般に、薬剤を ゆっくり溶解するポリマーキャリアと共に、錠剤の形に圧縮することにより調製される。
即時放出部分は、持続放出性コアの上に即時放出層を適用するか、コーティングないしは圧縮プロセスを利用するか、もしくはカプセル化された持続放出性および即時放出性のビーズのような複数の単位システムを用いるか、どれかの方法を用いて持続放出システムに追加することができる。
遅延放出投薬処方物は、胃の酸性環境下で不溶性であるポリマーのフィルムで固体投与形態をコーティングすることによって作成されるが、小腸の中性環境では可溶性である。遅延放出用量単位は選択された被覆材料で薬剤または薬剤含有組成物をコーティングすることによって、調製することができる。薬物含有組成物は、カプセルに組み込むための錠剤、「被覆コア」投与形態中の内部コアとして使用するための錠剤、または、錠剤またはカプセルに組み込むため、複数の薬物含有ビーズ、粒子または顆粒 であってもよい 。
パルス型放出投与形態は、反復投与せずに複数の投薬プロファイルを模倣するものであり、典型的な投薬では、(例えば、従来の固体投与形態である、溶液または迅速な薬物放出としての)従来の投与形態として提示される薬剤と比較して、少なくとも投薬頻度において二重の低減を可能にする。パルス放出プロファイルは、迅速な薬物放出に続く、放出のない(時間差)または 減少放出の期間によって特徴付けられる。
各投与形態は、活性剤の治療有効量を含んでいます。一日二回の投与プロフィールを模倣する投与形態の実施例においては、投与形態中の活性剤の合計量の約30重量パーセントから70重量パーセント、理想的には40重量パーセントから 60重量パーセントが、初期パルスにリリースされ、それに対応して、投与形態中の活性剤の全量の 70重量パーセントから30重量パーセント、理想的には60重量パーセントから40重量パーセントが 第二のパルスで放出される。一日二回の投薬プロファイルを模倣する投与形態については、第二のパルスは、投与後約3時間から14時間未満、より理想的には約5時間から12時間後に放出される。
もう一つの投与形態は、薬物が持つ 即時放出投与単位、遅延放出用量単位およびオプションの第2の遅延放出投与単位を持つ圧縮された錠剤またはカプセルを含んでいる。この投与形態では、即時放出用量単位は、最初の用量を提供するための経口投与後、ただちに実質的に薬物を放出する複数のビーズおよび顆粒の粒子を含む。遅延放出投薬単位は、第二の用量を提供するために経口投与からおよそ3時間から14時間後に薬物を放出する、コーティングされたビーズ又は顆粒を含む。
経皮(例えば、局所)投与のために、上記非経口溶液に類似の他の方法では、(通常、約0.1%〜5%濃度で用いられる)希釈された滅菌の水性または部分的に水性の溶液を調製することができる。
当該分野の専門家には、化学式Iまたは他の活性剤の1つまたは複数の化合物を一定量含む様々な医薬組成物の製造方法 はよく知られている、もしくは本開示に照らして明らかであろう。医薬組成物を調製する方法の例については、レミントンのPharmaceutical Sciences第19版(1995年、Mack Publishing Company、Easton、ペンシルベニア州)を参照のこと。
さらに、ある実施例では、本申請が対象とする組成物は 凍結乾燥、または噴霧乾燥などの他の適切な乾燥技術することができる。対象とする組成物は、組成物の放出速度および望ましい投薬量に部分的に依存して、一回で投与してもよいし、時間間隔を変化させて投与される数回の低用量に分割してもよい。
本申請書に提供される方法において有用な製剤は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、経腸、経膣、エアロゾルおよび/または非経口投与に適したものを含む。製剤は、簡便には単位投与形態で提供してもよく、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。 単一用量を製造するためにキャリア材料と組み合わせることができる本発明の組成物の量は、治療される対象および特定の投与様式に応じて、変えることができる。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、 本発明の組成物とキャリアを、必要に応じて、1種類以上の補助成分を、組み合わせる工程を含む。一般に、製剤は、 液体キャリアもしくは微粉固体キャリア、またはその両方と、均一かつ密接に組み合わせられることによって、また必要であれば、対象組成物をもたらす製品を成形することによって、調製される。
本申請書に記載の化学式Iの化合物は、吸入剤またはエアゾール製剤で投与することができる。吸入剤またはエアロゾル製剤は、補助剤、診断薬、造影剤、または吸入治療に有用な治療用薬剤など、1つ以上の薬剤を含んでもよい。最終的なエアロゾル製剤は、製剤の総重量に対して、例えば、0.005〜90 % w/w、すなわち、0.005から50%、0.005から5 % w/w、もしくは0.01から1.0% w/wなどの分量で、薬物を含むことができる。
経口投与のための固体投与形態(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など) では、本組成物は、一つ以上の薬学的に許容されるキャリアおよび/または以下のいずれかと混ぜられる。:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充填剤または増量剤(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの湿潤剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンのような溶解遅延剤、(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートのような湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤、(10)着色剤。カプセル、錠剤および丸い錠剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含むこともできる。また、同様のタイプの固体組成物は、高分子量ポリエチレングリコール等と同様に、ラクトースまたは乳糖を用いた軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることができる。
経口投与のための液体投与形態には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。本発明の組成物に加えて、液体投与形態は、例えば、水または他の溶媒、もしくは、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油中、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような可溶化剤および乳化剤など、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤を含むことができる。
懸濁液は、本発明の組成物に加えて、例えば、エトキシルイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、およびそれらの混合物のような懸濁剤を含んでいてもよい。
直腸または膣投与のための製剤は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、サリチル酸塩など、室温で固体であるが体温で液体であり、それゆえ適切な体腔で融解してカプセル化された化合物および組成物(複数可)を放出することができる、一つ以上の適切な非刺激性のキャリアを本発明の組成物を混合することによって調製され得る坐薬として提示してもよい。経膣投与に適した処方物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、または適切であることが当技術分野で知られているようなキャリアを含むスプレー製剤なども含む。
経皮投与のための投与形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。本発明の組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと、または必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と、無菌条件下で混合してもよい。経皮投与のためには、複合体は、望ましい水溶性および輸送特性を達成するために、親油性基及び親水性基を含んでもよい。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、対象とする組成物に加えて、例えば、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの他のキャリアを含むことができる。粉末およびスプレーは、対象とする組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはそのような物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。スプレーは、さらに、クロロフルオロ炭化水素およびブタンやプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの通常の噴射剤を含有してもよい。
経皮パッチを介して、組成物または組成物を伝達方法は、当該分野で知られている。典型的なパッチおよびパッチ送達の方法は、米国特許番号6974588、6564093、6312716、6440454、6267983、6239180、および6103275に記載されている。
別の実施例では、経皮パッチは以下のものを含んでいてもよい: 100重量単位のポリ塩化ビニル − ポリウレタン複合材料 及び2〜10重量単位のスチレン − エチレン −ブチレン − スチレン共重合体からなる樹脂組成物で形成された複合フィルム、複合フィルムの片側に第一の接着剤層、第一の接着剤層によって複合フィルムの一方の面に付着したポリアルキレンテレフタレートフィルム、飽和ポリエステル樹脂を含有しポリアルキレンテレフタレートフィルムの表面に形成されているプライマー層、を含む基材シート、およびプライマー層上に積層医薬品を含むスチレン − ジエン − スチレンブロック共重合体を含む第二の接着剤層。上記基材シートの製造方法は、カレンダー加工により複合フィルムに樹脂組成物を成形して上記樹脂組成物を調製し、その後接着剤層を用いて複合フィルムの一方の面にポリアルキレンテレフタレートフィルムを接着することにより基材シートを形成し、ポリアルキレンテレフタレートフィルムの外側表面上の飽和ポリエステル樹脂からなるプライマー層を形成することによって構成される。
パッチのもう一つのタイプは、例えば、薬学的に許容される接着剤に直接薬剤を組み込み、ポリエステルバッキング膜のような適切なバッキング材上に薬物含有接着剤を積層することで、構成される。薬物は接着性に影響を及ぼさないであろう濃度で存在し、同時に必要な臨床用量を伝達すべきである。
経皮パッチは、受動的でも能動的でもあり得る。ニコチン、エストロゲンおよびニトログリセリンパッチのような現在利用可能な受動的経皮薬物送達システムは、小分子薬物を送達する。新しく開発されたタンパク質およびペプチド薬剤の多くは、受動的経皮パッチを介して送達されるには余りにも大きく、大きな分子の薬物のために、電気アシスト(イオントフォレシス)などの技術を用いて送達することができる。
イオントフォレシスは、電流を流すことによって膜を通ってイオン化された物質のフラックスを向上させるために使用される技術です。イオントフォレシス膜の一例は、Theeuwesに対する米国特許第5080646 に記載されている。イオントフォレシスが皮膚を横切って分子輸送を強化するための主要なメカニズムは、(a)同じ電荷の電極から荷電イオンを反発させる方法、(b)電界が与えられたときに、対立イオンの優先的な通過に応答して、充電細孔を介して行われる溶媒の対流運動である電気浸透、または(c)電流を流すことで皮膚透過性を増加させる方法、である。
場合によって、分割されたボトルまたは分割ホイルパケットのような別々の組成物を含有するための容器を含むキットの形で投与することが望ましい場合がある。典型的には、キットは、別々の成分の投与のための指示書を含む。 別個の成分が異なる投与形態(例えば、経口および非経口)で投与されるのが望ましい場合、異なる投与間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の成分の点滴が処方する医師によって望まれる場合に、キットという形態は特に有利である。
このようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装産業で周知であり、広く医薬単位投与形態(錠剤、カプセル等)の包装に使用される。ブリスターパックは、一般的に透明になり得るプラスチック材料のホイルで覆われた比較的硬い材料のシートからなる。
メタボリック症候群の治療のための方法および組成物。とりわけ、本申請書中の化学式Iの化合物の治療有効量を必要とする患者に投与することで、メタボリック症候群を治療する方法が提供される。
化学式I
ここで、
R1は独立して、ハロゲン、−F、H、−Cl、−Dまたは−Brを表す。
R2は独立して、−H、−D、または
を表す。
R3は、独立して、H、D、または以下の基を表す。
または
R4は、独立して以下の基を表す。
または
aは独立して2,3または7である。
bそれぞれ独立して3,5、または6である。
eは、独立して、1,2または6である。
c及びdはそれぞれ独立して、H、D、−OH、−OD、C1−C6−アルキル、−NH2または−COCH3である。
式Iの化合物を使用する方法:
本発明は、メタボリック症候群、高尿酸血症、痛風、脂質異常症、肥満症、尿素サイクル異常症、高血糖、インスリン抵抗性、糖尿病、尿崩症、1型糖尿病、2型糖尿病の微小血管合併症、大血管合併症脂質障害、脂質障害、糖尿病前症、肥満症、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、神経障害、腎合併症、高トリグリセリド血症、心血管合併症および食後高血糖を治療するための方法を含む。
作る方法
化学式Iの化合物を製造するのに有用な合成経路の例は、以下の例に記載され、スキーム1及びスキーム2に一般化される:
スキーム1:
ステップ−1:化合物3の合成:
ピロリジン(化合物2)(120g、1.69mol、2 eq.)をエチル (S)−(−)−ラクテート(化合物1)100g(0.847mol)に0℃で滴下により添加し、3日間室温で撹拌した。過剰のピロリジンと得られたエタノールを真空中で除去し、油状の残渣を蒸留(104℃、2 mmHg)で精製し、113 g(93%)の化合物3を淡黄色の油として得た。
ステップ−2:化合物7の合成:
空気下で2−L三つ口フラスコをオイルバスに浸漬し、添加漏斗を取り付け、 無水1,2−ジクロロエタン500mL、4−クロロフェニル酸(化合物4)(174.04 g 98%、1.0mol(Acros製))1単位、DMF(0.40mL、約0.5mol%)1単位、塩化チオニル(95 mL、1.3mol、1.3当量)を1分冷却器にかけた。得られた混合物を15分かけて70℃(油浴温度)に加熱した。激しいガス進化は、加熱後約5分で開始した。(40〜45℃で) 激しいガスの発生がその後安定した発生に減速し、次第にガスの発生が止また。70℃で2時間撹拌した後、臭素(80 mL、約249g、1.55mol、 1.55 eq.)を得られた(65℃の)淡黄色の溶液に加え、1分で褐色の溶液が得られた。この反応物を80〜85℃(油浴温度)で18時間撹拌し、室温に冷却した。このαブロモ酸塩化物溶液(化合物6)は室温で貯蔵され、さらに精製することなく次のエステル形成工程で使用した。
この精製されていないαブロモ酸塩化物溶液(化合物6)の溶液(138g、〜0.138mol)を、上記で調製した1,2−ジクロロエタン100mLで希釈した。 過剰な臭素を真空下で蒸留することにより除去し、約100mLの溶液が残った。酸塩化物溶液を 化合物3(20.1g、0.140mol)およびトリエチルアミン(14.78g、0.147mol)の溶液に、0℃、100mLの1,2−ジクロロエタン中で滴下にて添加した。得られた褐色混合物を1時間かけて室温まで温めた。この反応物を水(100mL)で急冷し、有機層を分離し、100mLの10% Na2S2O3で、次いで飽和したNaHCO3(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4and上で乾燥させ、その後、 真空中で濃縮し、45.8gの粗生成物(化合物7)を得た。褐色の油状物はさらに精製することなく次の工程で使用した。
ステップ−3:化合物10の合成:
無水THF(20mL)内のα,α,α−トリフルオロ−m−クレゾール(化合物8)(0.0204mol、3.3 g)の溶液へリチウムtert−ブトキシド(THF中の1.0 M溶液から20mL; 0.02mol)を室温で滴下した。得られたリチウムフェノキシド溶液を、臭化物(化合物7)(粗製、7.5g, 0.02mol)の溶液に−5℃のTHF 40mL下で滴下した。−5℃で1時間撹拌した後、混合済みの過酸化水素(Fisher 30%、105mL, 0.4mol)と 水(50mL)に溶かしたLiOH≫H2O(21g、0.05mol)の溶液を室温で20分かけて加えた。続いて、反応物を0−4℃で1時間攪拌し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)で急冷し、IN HCLを加えて、溶液のpHをおよそ2に調整した。THFを真空下で蒸留により除去し、反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発により7gの粗酸を得た。この粗さんはヘプタンにより結晶化され、4.6gの白色固体を得た。キラルHPLC分析96.5: 鏡像異性体3.5。
ステップ−4:化合物12の合成:
乾燥クロロホルム6mlの中で605 mgの5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(化合物11)の溶液に、室温のアルゴン下で塩化オキサリル0.25mlを加えた。混合物を2時間反応させた。反応混合物からクロロホルムと残った塩化オキサリルを減圧下での蒸留により除去し、 5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイルクロリド(化合物12)を得、直接次の工程に使用した。
ステップ−5:化合物13の合成:
乾燥DMF(10ml)中の化合物10(2ミリモル)の溶液を、室温で、無水炭酸カリウム(2.2mmol)に懸濁した。反応混合物を、上記で調製した2mmolの化合物12を2mlのDMFに加えたDMF溶液15分かけて滴下し、混合物を100℃で8時間加熱した。反応混合物から濾過により不溶物を除去し、水を濾液に加えた。混合物を酢酸エチル(2×10 ml)で2回抽出した。抽出物の有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧下で蒸留し、純粋な化合物13を得るために、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかける残渣を得るために除去した。
スキーム2:
ステップ−1:化合物2の合成:
ピロリジン(39.25g、0.48mol)を0℃でメチル−(S)−(−)−ラクテート(25.0g、0.24mol)に滴下し、反応混合物を3日間室温で撹拌した。反応混合物を圧下で濃縮し、蒸留により (2S)−2−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン2(29.0g、84%)を150〜160℃で淡黄色の油として精製した。
ステップ−2:化合物3aの合成:
乾燥DCE中(260 mL)の4−クロロフェニル酢酸(50.0g、0.29mol)の溶液に塩化チオニル(45.3mL、0.38mol)をゆっくりと加え、反応混合物を65℃で3時間加熱した。酸塩化物溶液へ、臭素(70g、0.44mmol)を65℃で添加し、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮し、そのまま次のステップで、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセチルクロリド(化合物3a)(46 g)の粗残渣を用いた。
ステップ−3:化合物4の合成:
DCE (120 mL)中の(2S)−2−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル) プロパン−1−オン(24.0g、0.17mol)の溶液に、トリエチルアミン(84.69g、0.84mol)と2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセチルクロリド(粗製、46.29g、0.17mol)を0℃で添加した。反応混合物をRTで2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、有機層を分離した。有機層を10%NaS2O3(100mL)および飽和重炭酸ナトリウム(60mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物を100−200メッシュシリカゲル(20−25%酢酸エチル − ヘキサン)上でのフラッシュカラムにより精製し、(2S)−1−オキソ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセテート(化合物4)(37.5g、59%)が褐色の粘着性のガム状物として得られた。
ステップ−4:化合物7の合成:
THF(30mL)中の3−(トリフルオロメチル)フェノール(化合物5)(10.82g、66.85mmol)の溶液に、リチウム−tert−ブトキシド(5.34g、66.85mmol)を0℃で加え、RTで30分撹拌した。得られたリチウムフェノキシド溶液をTHF(160ml)中の(2S)−1−オキソ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセテート(化合物4)(25.0g、66.85mmol)の溶液に−5°Cで滴下した。反応混合物を−5℃で4時間撹拌した。この溶液に、水(150mL)中のH2O2(30%溶液、151g、1336.989mmol)と LiOH,H2O(6.8g、167.11mmol)の予め混合した溶液を30分かけて0〜5℃で加えた。反応混合物を1時間0〜5℃で撹拌し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(200ml)で急冷した。反応混合物を1(N)HClによって冷却条件で酸性(〜pH2)にした。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。粗製の残渣を酢酸エチル(150 mL)に溶解し、 水(2×80 mL)で、 続いて食塩水(80mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残渣を100〜200メッシュシリカゲル(12から15パーセント酢酸エチル − ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸(化合物7)(11.2g、51%)をオフホワイトの固体として得た。
ステップ−5:化合物9の合成:
乾燥したTHF(120 mL)中の(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸(化合物7)(20.0g、0.06mol)およびN−Boc−エタノールアミン(10.7g、 0.07mol)の撹拌溶液に、0℃でTHF(20mL)中に加えられたDCC(25g、0.12mol)の溶液を加え、反応混合物を10℃で2時間撹拌した。 反応混合物を濾過し、濾液を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を水(2×80 mL)および食塩水(80mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製残留物を100〜200メッシュシリカゲル(12から15パーセント酢酸エチル − ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル(2R)−2−(4 − クロロフェニル)−2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(化合物9)(15.3g、53%)をオフホワイトの固体として得た。
ステップ−6:化合物10の合成:
乾燥DCM(10mL)中の化合物12(500mg、1.06mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.86mLで、10.6mmol)を0℃で滴下し添加した。反応混合物を2時間、同じ温度で撹拌し、減圧下で濃縮した。 2−アミノエチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(化合物10)(386 mg)のトリフルオロ酢酸塩の粗残留物をそのままを次の工程で使用した。
ステップ−7:化合物11の合成:
乾燥DCM(10mL)中の5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA−酸、300mg、0.99mmol)の冷たい溶液に、塩化オキサリル(0.16 mL、1.99mmol)を0℃で滴下した。 反応混合物を1.5時間同じ温度で撹拌し、アルゴン大気下の減圧下で濃縮した。粗残留物を乾燥トルエン(2×5 mL)で同時蒸留した。粗残留物をDCM(10mL)に溶解し、0℃で乾燥ピリジン(4)に加えた。反応混合物に、2−アミノエチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート (370.5mg、0.76mmol)のトリフルオロ酢酸塩の溶液を、0℃で添加し、10℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(10mL)で希釈した。有機物をDCM(3×10 mL)で遊離し、混合した有機層を食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物を100−200メッシュシリカゲル(17〜20%酢酸エチル − ヘキサン)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−[(5Z、8Z、11Z、14Z、17Z) − イコサ−5,8,11,14,17− ペンタンアミド]エチル(2R)−2−(4−クロロフェニル) − 2− [3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(220mg、34%)を明黄色の粘着性の油状物として得た。
「サンプル」という用語は、体液のサンプル、分離した細胞のサンプル、又は組織もしくは器官からのサンプルを指す。体液サンプルは、よく知られた技術によって得ることができ、理想的には、血液、血漿、血清、又は尿のサンプル、より理想的には、血液、血漿又は血清のサンプルを含む。
同等物
本開示は、他のものの中で、メタボリック症候群とその合併症を治療するための方法と組成物を提供している。本開示の特定の実施例が議論されてきたが、上記申請書は例示であって制限的なものではない。システムおよび方法の多くのバリエーションが、本申請書を検討することにより当該分野の人々に明らかになるであろう。特許請求されるシステムおよび方法の全範囲は、 そのようなバリエーションとともに申請書によって、また、それらの完全な等価物の範囲とともに特許請求の範囲を参照することによって決定されるべきである。
引用による補充
ここで参照された全ての刊行物または特許が、上記に列挙されたものを含み、全ての刊行物および特許は具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されたかのごとく、 その全体として本申請書中に参考として援用される。矛盾する場合、本申請書中の任意の定義を含む本申請書が決定する。
定義
ここで使用されているように、以下の用語および語句は、これ以降に示す意味を有するものとする。別段の定義がない限り、ここで用いるすべての専門用語および科学用語は、一つの普遍的な技術として当該分野内で一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。本発明の化合物はまた、薬学的に許容されるエステル(すなわち、プロドラッグとして使用される化学式Iの酸のメチルおよびエチルエステル)の形態で存在することができる。本発明の化合物はまた、例えば水和されるなど、溶媒和され得る。溶媒和は、製造プロセスの過程で影響を受けることがあり、もしくは、本来無水性の化学式Iの化合物が持つ吸湿性の結果(水和)として作られることがある。
同じ分子式を有するが、それらの性質、原子の結合の配列、もしくは、原子の空間配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。それらの内、原子の空間配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。ジアステレオマーは、一つまたは複数のキラル中心に対して反対の立体配置を有す立体異性体のうち、鏡像異性体でないものをいう。立体異性体のうち、お互いが重ね合わせることができない鏡像である1つ以上のキラル中心を有する立体異性体は「鏡像異性体」と呼ばれる。例えば、炭素原子が4個の異なる基に結合している場合のように、化合物がキラル中心を有する場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、1つまたは複数のキラル中心の絶対的な配置により特徴付けることができ、カーン、インゴルド及びプレローグのR−およびS−配列規則によって、もしくは分子が偏光面を回転させる方法によって表され、右旋性または左旋性(すなわち、順に(+)または(−)−異性体)と呼ばれる。キラル化合物は、個々の鏡像異性体として、もしくはその混合物として存在することができる。均等な割合の鏡像異性体を含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
ここで使用されるように、「代謝状態」という用語は、1つまたは複数の代謝経路の欠陥に起因する遺伝性疾患である先天性代謝異常(または遺伝的な代謝条件)を指す。具体的には、酵素の機能が影響を受け、欠乏している、もしくは完全に欠如している。
いくつかの実施例では、分子結合体は、Rリポ酸(CAS番号1200−22−2)、サルサレート(CAS番号552−94−3)、アセチルシステイン(CAS番号616−91−1)、エイコサペンタエン酸(CAS番号10417−94−4)、ドコサヘキサエン酸(CAS番号6217−54−5)の中から選ばれた化合物からなる。
ここで使用される用語「多形」は当該分野で認識されており、与えられた化合物の一つの結晶構造を指す。
「非経口投与」および「非経口的」という言い回しは、ここでも用いられているように、経腸および局所投与以外の投与形態を指し、特段の制限なく、静脈内、筋肉内、胸腔内、血管内、心膜内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内への注射および点滴を含む。
対象とする方法によって治療される「患者」、「被験体」、「宿主」は、ヒトまたは、霊長類、哺乳類および脊椎動物などの非ヒト動物のいずれかを意味することになる。
「薬学的に許容される」という言い回しは当該分野で認識されている。特定の実施例において、この用語は、哺乳動物、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に適した組成物、ポリマーおよび他の物質、および/または投薬形態のうち、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく、妥当なベネフィット/リスク比に相応するものを含む。
「薬学的に許容されるキャリア」という言い回し薬学的には当該分野で認識され、例えば、薬学的に許容される物質、組成物、または媒体で、液体または固体充填剤、希釈剤、溶媒またはカプセル化材料で、一つの臓器または身体の部分から、身体の別の臓器または部分へ、対象となる組成物を運び届ける。各キャリアは、患者に有害でなく、対象組成物の他の成分と競合しないという意味で「許容可能」でなければならない。特定の実施例では、薬学的に許容されるキャリアは非発熱性である。薬学的に許容されるキャリアとして役立ち得る物質の例としては、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類、(2)コーンスターチおよびポテトスターチなどのデンプン、(3)セルロースと、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロースなどのその誘導体、(4)粉末トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバターおよび坐薬ワックス、(9)落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油(10)プロピレングリコールなどのグリコール(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル(13)寒天(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張食塩水、(18)リンゲル溶液、(19)エタノール、(20)リン酸緩衝溶液、(21)医薬製剤に用いられる他の非毒性の非競合物質、が含まれる。
「プロドラッグ」という用語は、生理的条件下で、本発明による治療のための活性のある薬剤に変換される化合物を含むことを意図している。プロドラッグを製造するための一般的な方法は、希望の分子を明らかにするために生理的条件下で加水分解された選択した部分を含むことである。他の実施例においては、プロドラッグは宿主動物の酵素の活動によって変換される。
「予防的または治療的」処置という用語は、当該分野で認識されており、対象の組成物のうちの1つまたは複数を持つホストへの投与が含まれる。もしそれが望ましくない状況(例:宿主動物の疾病や他の望まない状態)の臨床的な兆候の前に投与された場合、その治療は予防的措置である、すなわち、それは望まない状態が進行することから宿主を守る。一方で、それが望ましくない状況の兆候の後に投与された場合、それは治療的措置である。(例:存在する望まない状態やその副作用を抑え、改善し、安定させることを意図する。)
本申請書で使用される「予測する」という用語は、将来の設定された期間(予測期間)の中で、異常や合併症および/または末端血小板の凝集や障害および/または死(すなわち、死亡率)に患者が苦しむであろう、疾病に関連する確率を評価することをいう。この死亡率は、中枢神経系または合併症によって引き起こされることもある。この予測期間は、対象が予測された確率にしたがって前述した合併症の一つまたは複数を進行させている期間である。予測期間は、本発明の方法による分析に際しては、対象の余寿命全部とすることもある。
「治療する」という用語は、当該分野で認識されている。疾患、障害および/または症状の素因を持ちうるが、まだそれを有すると診断されていない動物で発生する疾患、障害または状態を予防すること、例えば、その進行を遅らせるなど、疾患、障害または状態を阻害すること、また、例えば、疾患、障害、または状態を軽減することなど、疾患、障害および/または状態の退行を引き起こすこと、を含む。疾患や状態を治療することは、基礎となる病態生理が影響を受けていない場合でも、特定の疾患または状態の少なくとも一つの症状を改善することを含む。具体的には、そのような薬剤が状態の原因を治療しないにもかかわらず、対象のメタボリック症候群、高尿酸血症、痛風、脂質異常症、肥満症、尿素サイクル異常症、高血糖、インスリン抵抗性、糖尿病、尿崩症、1型糖尿病、2型糖尿病の微小血管合併症、大血管合併症、脂質疾患、前糖尿病、肥満症、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、神経障害、腎合併症、高脂血症、心血管系合併症、および食後高血糖に対する薬剤が投与されることなどである。本申請書で使用される「治療すること」、「治療する」または「治療」という用語は、治癒的治療、予防的治療(例えば、予防的措置)、予防の補助的治療や緩和治療が含まれている。
「治療有効量」という言い回しは当該分野で認識される用語である。ある実施例において、この用語は、いかなる医学的治療にも適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で、本申請書で示される塩または組成物が、いくらかの望まれる効果を生じる量を指す。ある実施例において、この用語は、一定期間医学的症状を排除または軽減することに必要または十分な量を意味する。有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の対象とされる構築物、投与対象の大きさ、疾患もしくは状態の重症度などの要因に応じて、大きく変化し得る。当分野の一般な技術を持っていれば、経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を決定することができる。
ある実施例において、本申請書に記載の医薬組成物は、予防的または治療的処置の一部として、治療有効量で患者に届くように処方される。患者に投与される組成物の望ましい量は、吸収、不活化および薬物の排泄率、ならびに対象の組成物からの塩および組成物の伝達速度に依存する。投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬計画は、個体の必要性、および投与する人または組成物の投与を監督する人の専門的判断に従ってその時に応じて調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は、当該分野に知られている技術を用いて決定される。
また、最適な濃度および/または分量、またはいかなる特定の塩または組成物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整される。このような治療パラメータには、例えば、治療部位など、製剤が意図された臨床的使用法や、例えば、ヒトか非ヒトか、大人か子供か、など患者のタイプ、および疾患または状態の性質が含まれる。
ある実施例において、本申請書で提供される本発明の組成物の用量は、治療組成物または他の含有物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)や、時間0から無限までの血漿濃度−時間曲線の下の面積を用いてもよい。
医薬組成物または他の物質に関して使用される場合には、「徐放」という用語は当該分野で認識されている。物質の全量が一度に生物学的に利用可能にされたボーラス型投与とは対照的に、例えば、時間をかけて物質を放出する対象組成物が持続的に放出する特性を示すことができる。例えば、ある実施例では、血液、髄液、粘液分泌物、リンパ液などの体液と接触するときに、一つ以上の薬学的に許容される賦形剤が、関係するいかなる物質、例えば、治療的および/または生物学的に活性な塩および/または組成物、の付随的な放出によって、(ボーラスからの放出と比較して)持続または長時間にわたって、緩やかなまたは遅れた分解(例:加水分解による)を受けることができる。この放出によって、本申請書に開示されるどのような治療薬にも、治療的有効量の持続的な伝達をもたらし得る。
「全身投与」、「全身へ投与される」、「末梢投与」、「末梢へ投与される」という言い回しは当該分野で認識されており、対象組成物、治療薬または他の物質を、治療部位から離れている部位に投与することを含む。治療される疾患のための薬剤の投与は、薬剤はその後全身的に拡散したとしても、中枢神経系に直接でなければ、例えば、患者の体内のシステムに入り、代謝および他の同様のプロセスの対象となる皮下投与などによって、「局所」投与と呼ばれることがある。
「治療有効量」という言い回しは当該分野で認識される用語である。ある実施例において、この用語は、いかなる医学的治療にも適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で、本申請書で示される塩または組成物が、いくらかの望まれる効果を生じる量を指す。ある実施例において、この用語は、一定期間医学的症状を排除または軽減することに必要または十分な量を意味する。有効量は、治療される疾患または状態、投与される特定の対象とされる構築物、投与対象の大きさ、疾患もしくは状態の重症度などの要因に応じて、大きく変化し得る。当分野の一般な技術を持っていれば、経験的に、過度の実験を必要とすることなく、特定の組成物の有効量を決定することができる。
本開示はまた、本申請書に開示された組成物のプロドラッグ、ならびに薬学的に許容される塩とプロドラッグを意図している。
本申請書はまた、薬学的に許容されるキャリアおよび化学式Iの化合物の組成物からなる医薬組成物は、全身投与用、局所投与用および経口投与用に製剤化することができることを開示している。医薬組成物は経口投与、経口液剤、注射剤、皮下投与、または経皮投与用に処方することができる。医薬組成物は、薬学的に許容される安定剤、希釈剤、界面活性剤、充填剤、結合剤、及び潤滑剤のうちの少なくとも1つを含むことができる。
多くの実施例では、本申請書に記載の医薬組成物は、予防的または治療的処置の一部として、患者に化学式Iの化合物の治療有効量を送達するのに十分な量で送達されるために、開示された化合物および組成物(化学式I)を組み込む。化学式Iまたはその薬学的に許容される塩の望ましい濃度は、薬物の吸収、不活性化、排泄率、対象となる組成物からの塩および組成物の伝達速度に依存する。投薬量の値はまた、状態の重症度を軽減するために変化し得ることに留意すべきである。さらに、任意の特定の対象について、特定の投薬計画は、個体の必要性、および投与する人または組成物の投与を監督する人の専門的判断に従ってその時に応じて調整すべきであることを理解されたい。典型的には、投薬は、当該分野に知られている技術を用いて決定される。
また、最適な濃度および/または分量、またはいかなる特定の塩または化学式Iの組成物の量は、治療パラメータの変動に適応するように調整される。このような治療パラメータには、例えば、治療部位など、製剤が意図された臨床的使用法や、例えば、ヒトか非ヒトか、大人か子供か、など患者のタイプ、および疾患または状態の性質が含まれる。
濃度および/または化学式Iの任意の化合物の量は、適切なアッセイを使用して、問題の物質の濃度および/または量の範囲をスクリーニングすることによる、ラットなどの動物の日常的なスクリーニングによって容易に同定することができる。また、本申請書に開示される治療用製剤の投与前後の、局所組織濃度、塩または組成物の拡散速度、および局所血流をアッセイするためには、よく知られた方法が利用可能である。その1つの方法は、T.E.ロビンソン他「mIcrodIalysIs In the neuroscIences」(1991)の中のTechnIques,第7編,第1章でレビューされた微小透析である。簡単に説明すると、ロビンソンによってレビューされた方法は以下のように適応することができる。微小透析ループは、試験動物においてInsItuで配置される。透析液は、ループを通して押し出される。本申請書に開示されているような化学式Iを有する化合物がループにそって注入されると、放出された薬物は、それらの局所組織濃度に比例して透析液中に回収される。塩または組成物の拡散の進行は、塩または組成物の既知の濃度を用いて、適切な調整の手順を踏むことにより決定することができる。
ある実施例においては、本申請書の化学式Iの対象化合物の投与量は、治療組成物または他の含有物質の血漿中濃度を参照することによって決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)および時間0から無限までの血漿濃度−時間曲線下面積を用いることができる。
一般に、本出願で詳述した方法を実施する際に、化学式Iの化合物の有効投与量は単回投与または分割投与で約0.01mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲であり、例えば、0.01mg/kg/日から約50mg/kg/日で単回投与または分割投与となる。化学式Iの化合物は、例えば、0.2mg未満/kg/日、0.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日、5mg/kg/日、10mg/kg/日、20mg/kg/日、30mg/kg/日、または40mg/kg/日などの容量で投与することができる。化学式Iはヒト患者に対しては、例えば、0.1mgと1000mgの間、5mgと80mgの間、または1日あたり1.0mg未満、9.0mg、12.0mg、20.0mg、50.0mg、75.0mg、100mg、300mg、400mg、500mg、800mg、1000mg、2000mg、5000mgで投与することができる。ある実施例において、本申請書の組成物は、それぞれ95%未満、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%の化学式Iの化合物が、同じ治療効果のために必要とされる量が投与された。
本申請書に記載の化学式Iの化合物の有効量が、疾病を阻害または予防することができる前述された塩または組成物の量を示す。
有効量は、そのような合併症のリスクがある患者において、神経損傷または脱髄および/または高温反応性酸化性ニトロソ化種および/または生理的ホメオスタシスの異常から生じた合併症の重症度を妨げ、治療し、軽減し、改善し、停止し、抑制し、進行を遅くもしくは逆転させ、もしくは軽減するために十分であるかもしれない。このように、これらの方法は、必要に応じて、両方の医学治療的(急性)、及び/又は予防的(防止)投与が含まれる。量や投与される組成物のタイミングは、治療の対象、苦痛の重症度、投与様式、処方する医師の判断に、もちろん依存している。したがって、患者間の変動性によって、上記の投与量はあくまで指針であり、医師が患者のために適切と考える治療を達成するための薬剤の投与量を医師が決めることができる。望まれる治療の程度を考慮して、医師は、患者の年齢、既往症の有無、ならびに他の疾患の存在など、様々な要因のバランスをとらなければならない。
この申請書で提供される組成物は、例えば、経口、局所および、静脈内、皮下または髄内などの非経口を含む様々な従来の投与経路を通じて、治療を必要とする対象に投与することができる。さらに、組成物は、鼻腔内に、直腸坐剤として、または「フラッシュ」製剤、すなわち、水の使用を必要とせずに口の中で溶解する薬剤として、投与してもよい。さらに、組成物は、放出制御型薬剤、部位特異的薬物伝達、経皮薬物伝達パッチ(アクティブ/パッシブ)、媒介薬物送達、定位注射によって、またはナノ粒子による治療を必要とする対象に投与することができる。
組成物は、単回または複数回投与のいずれかで、単独で、または薬学的に許容されるキャリア、媒体または希釈剤と組み合わせて投与することができる。適切な医薬キャリア、媒体および希釈剤は、不活性な固体希釈剤または充填剤、滅菌水溶液および種々の有機溶媒が挙げられる。組成物、薬学的に許容されるキャリア、媒体または希釈剤を組み合わせることにより形成される医薬組成物は、その後、例えば錠剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、注射用溶液などの様々な投与形態で容易に投与される。望まれるようであれば、これらの医薬組成物は、例えば、香料、結合剤、賦形剤などの追加成分を含むことができる。従って、経口投与のために、例えば、L−アルギニン、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムのような種々の賦形剤を含む錠剤は、例えば、デンプン、アルギン酸およびある種の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤と一緒に、またポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシアのような結合剤と共に、使用することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤が錠剤化の目的にしばしば有用である。同様のタイプの固体組成物はまた、柔らかい、もしくは硬い、充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いることもできる。このための適切な材料には、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液またはエリキシルが経口投与に望ましい場合、その中の必須の活性成分は、種々の甘味剤または香味剤、着色物質または色素、必要に応じて乳化剤又は懸濁と組み合わせてもよく、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの組み合わせなどの希釈剤と組み合わせることができる。医薬分野でよく知られているように、化学式Iの化合物はまた、腸溶性にコーティングされた種々の賦形剤を含むことができる。
非経口投与の場合、組成物の溶液は、(例えば)ゴマもしくはピーナッツ油、水性プロピレングリコールの中に用意することができ、または滅菌水溶液の中で用いることができる。このような水溶液は、必要に応じて適当に緩衝されるべきであり、液体希釈剤は最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用される滅菌水性媒体は全て、当該分野内で知られた標準技術によって容易に入手可能である。
錠剤などの製剤は、例えば10〜100mg、50〜250mg,150〜500mg、または350〜800mg、例えば10mg、50mg、100mg、300mg、500mg、700mg、800mgの、化学式Iの化合物や化学式Iの化合物の薬物的に許容される塩など、本申請書に開示される化学式Iの化合物を含むことができる。
一般的に、本申請書に記載される組成物は、経口的に、または非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、皮下または髄内)投与することができる。局所投与も、例えば、患者が胃腸障害を患っていて経口投与ができない、または主治医によって薬剤が組織または臓器の表面において最もよく効果があると判断されたときには示唆されることがある。局所投与は、高用量の投与が標的組織または器官に望まれる場合、示されることがある。口腔投与のために活性のある組成物は、従来の様式で形成された錠剤またはトローチの形態を取ることができる。
投与量は代謝性疾患のアイデンティティ、すなわち、年齢や健康や体重などを含めた関与している宿主のタイプ、もしあれば同時治療の種類、治療の頻度および治療の比率などに依存する。
例示的には、投与される活性成分の投与量レベルは次の通りである。宿主の体重(kg)に対して、静脈内であれば0.1〜約200mg/kg、筋肉内であれば1〜約500mg/kg、経口的であれば5〜約1000mg/kg、鼻腔内点滴注入であれば5〜約1000mg/kg、そして、エアロゾルであれば5〜約1000mg/kgである。
濃度で表すと、活性成分は、本発明の組成物中では、真皮、鼻腔内、咽喉頭、気管支、膣、直腸、または眼での局所使用には、濃度にして組成物に対して約0.01〜約50%w/wで、できれば約1〜約20%w/wで、非経口用には濃度にして組成物に対して約0.05〜約50%w/vで、できれば約5〜約20%w/vで、存在することができる。
本発明の組成物は、ヒトおよび動物への投与のために、単位投薬形態で表示されるのが好ましく、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、坐剤、滅菌非経口溶液または懸濁液、懸濁液の滅菌の非経口でない溶液、経口溶液または懸濁液など、適切な量の活性成分を含有するものである。経口投与のため、固体または液体の単位投薬形態が調製することができる。
上述したように、錠剤コアは、1つまたはそれ以上の親水性ポリマーを含んでいる。適切な親水性ポリマーとしては、これらに限定されないが、水膨潤性セルロース誘導体、ポリアルキレングリコール、熱可塑性ポリアルキレンオキシド、アクリルポリマー、親水コロイド、粘土、ゲル化したデンプン、膨潤した架橋ポリマー、およびそれらの混合物を含む。適当な水膨潤性セルロース誘導体の例としては、これらに限定されないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシフェニルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシペンタセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、およびヒドロキシプロピルエチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なポリアルキレングリコールの例としては、これに限定されないが、ポリエチレングリコールが挙げられる。適当な熱可塑性ポリアルキレンオキシドの例としては、これに限定されないが、ポリ(エチレンオキシド)が挙げられる。適切なアクリルポリマーの例としては、これらに限られないが、カリウムメタクリレートジビニルベンゼンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、CARBOPOLTMという商品名でNoveon ChemIcalsから市販されているような高分子量の架橋アクリル酸ホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。適切な親水コロイドの例としては、これらに限られないが、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーンガム、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタンガム、ジェランガム、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツラン、ラミナリン、スクレログルカン、アラビアゴム、イヌリン、ペクチン、ゼラチン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な粘土の例としては、これらに限定されないが、ベントナイトやカオリンおよびラポナイトなどのスメクタイト、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびそれらの混合物が挙げられる。適当なゲル化デンプンの例としては、これらに限られないが、酸加水分解デンプン、ナトリウムデンプングリコレートおよびその誘導体などの膨潤性デンプン、およびそれらの混合物が含まれる。適切な膨潤性架橋ポリマーの例としては、これらに限定されないが、架橋ポリビニルピロリドン、架橋寒天、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびそれらの混合物が含まれる。
キャリアは、錠剤の製剤のための1つ以上の適切な賦形剤を含有していてもよい。適切な賦形剤の例としては、これらに限られないが、充填剤、吸着剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、放出調節賦形剤、スーパー崩壊剤、酸化防止剤、及びこれらの混合物が含まれる。
適切な結合剤には、これらに限られないが、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの乾燥結合剤、もしくは、アカシア、アルギン酸塩、寒天、グアーガム、ローカストビーン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、タラ、アラビアゴム、トラガカント、ペクチン、キサンタン、ジェラン、ゼラチン、マルトデキストリン、ガラクトマンナン、プスツランなどの親水コロイドを含む水溶性ポリマー、ラミナリン、スクレログルカン、イヌリン、ウィーラン、ラムサン、ズーグラン、メチラン、キチン、シクロデキストリン、キトサン、ポリビニルピロリドン、セルロース、ショ糖、およびデンプンなどの湿式結合剤、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な崩壊剤としては、これらに限定されないが、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロース、デンプン、微結晶セルロース、およびそれらの混合物が挙げられる。
適切な潤滑剤としては、これらに限定されないが、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸などの長鎖脂肪酸及びその塩、タルク、グリセリドワックスおよびそれらの混合物が挙げられる。適切な流動促進剤としては、これに限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。適当な放出調節賦形剤としては、これらに限られないが、不溶性食用物質、pH依存性ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。
放出調節賦形剤として使用するために適切な不溶性食用材料としては、これらに限定されないが、水不溶性ポリマーと低融点疎水性材料、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。適当な水不溶性ポリマーの例としては、これらに限れられないが、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ポリカプロラクトン、酢酸セルロース及びその誘導体、アクリレート、メタクリレート、アクリル酸共重合体、それらのコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられる。適当な低融点疎水性材料としては、これらに限られないが、脂肪、脂肪酸エステル、リン脂質、ワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。適切な脂肪の例としては、これらに限定されないが、ココアバター、水素化パーム核油、水素化綿実油、水素化ヒマワリ油、水素添加大豆油のような水素化植物油、遊離脂肪酸及びそれらの塩、およびそれらの混合物が挙げられる。適切な脂肪酸エステルの例としては、これらに限られないが、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、ベヘン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル、グリセリトリラウリレート、グリセリルミリステート、GlycoWax−932、ラウロイルマクロゴール−32グリセリド、ステアロイルマクロゴール−32グリセリド、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なリン脂質の例としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセレン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なワックスの例としては、これらに限定されないが、カルナバワックス、鯨ロウ、ミツロウ、キャンデリラワックス、セラックワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、チョコレートのような脂肪含有混合物、およびそれらの混合物が挙げられる。スーパー崩壊剤の例としては、これらに限定されないが、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびクロスポビドン(クロスポビドン)が挙げられる。ある実施例においては、錠剤コアは、その重量の約5%までスーパー崩壊剤を含んでいる。
酸化防止剤の例としては、これらに限定されないが、トコフェロール、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸、およびエデト酸塩、およびそれらの混合物が挙げられる。防腐剤の例としては、これらに限定されないが、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、安息香酸、ソルビン酸、及びこれらの混合物が挙げられる。
ある実施例では、即時放出コーティングは、例えば、約250ミクロンから約1000ミクロンなど、約50ミクロンから約2500ミクロンのように少なくとも50ミクロンの平均厚さを有する。実施例においては、即時放出コーティングは、典型的には、その特定の層の重量および体積によって測定される値として、約0.9グラム/cc以上の密度に圧縮される。
ある実施例では、即時放出コーティングは、第1の部分および第2の部分を含んでおり、少なくとも一方は、第2の薬学的に活性な薬剤を含有している。ある実施例では、それぞれの部分は、錠剤の中心軸上で互いに接触する。ある実施例では、第1の部分は第1の薬学的に活性な薬剤を含み、第2の部分は第2の薬学的に活性な薬剤を含む。
ある実施例では、第1の部分は第1の薬学的活性剤が含まれており、第2の部分は第2の薬学的活性剤が含まれている。ある実施例では、片方の部分は、第3の薬学的に活性な薬剤を含有する。ある実施例では、片方の部分は、錠剤コア中に含まれるものと同じ薬学的に活性な薬剤の、第二の即時放出部分を含む。
ある実施例では、外側コーティング部分は、コーティングされた錠剤コアへの添加の前に材料の乾燥ブレンドとして調製される。別の実施例では、外側コーティング部分は、医薬活性剤を含む乾燥した顆粒に含まれている。
上記の異なる薬剤放出メカニズムによる製剤は、単一または複数の単位を含む最終投与形態で組み合わせることができた。複数のユニットの例としては、固体または液体の形態で、錠剤、ビーズ、または顆粒を含む多層錠剤、カプセル剤などが挙げられる。典型的な即時放出製剤は、例えばゼラチンカプセル中などに、カプセル化することが可能な、圧縮錠剤、ゲル、フィルム、コーティング、液体および粒子を含む。薬剤をコーティングしたり、カバーしたり、組み込んだりして調製するための多くの方法が、当該分野では知られている。
投与形態の単位として、すなわち、タブレット、複数の薬剤含有ビーズ、顆粒または粒子、またはコーティングされたコア投与形態の外側の層として、即時放出剤は、従来の医薬賦形剤とともに、治療上有効な量の有効成分を含んでいる。即時放出用量単位はコーティングされていてもいなくてもよく、(即時放出薬物を含有した顆粒、粒子またはビーズと遅延放出用薬物を含有した顆粒またはビーズのカプセル化された混合物の中にあるように)遅延放出用量単位と混合していてもいなくてもよい。
持続放出製剤は、一般的に、拡散又は浸透圧システムとして用意されていることは、例えば、リッピンコット・ウィリアムズ&ウィルキンス「RemIngton−The ScIence and PractIce of Pharmacy」第20版(2001年、ボルティモア、メリーランド州)でも説明されている。拡散システムは、典型的には、当該分野においてよく知られ、記載されているように、リザーバとマトリックスの二種類のデバイスのいずれかで構成されている。マトリックスデバイスは、一般に、薬剤をゆっくり溶解するポリマーキャリアと共に、錠剤の形に圧縮することにより調製される。
即時放出部分は、持続放出性コアの上に即時放出層を適用するか、コーティングないしは圧縮プロセスを利用するか、もしくはカプセル化された持続放出性および即時放出性のビーズのような複数の単位システムを用いるか、どれかの方法を用いて持続放出システムに追加することができる。
遅延放出投薬処方物は、胃の酸性環境下で不溶性であるポリマーのフィルムで固体投与形態をコーティングすることによって作成されるが、小腸の中性環境では可溶性である。遅延放出用量単位は選択された被覆材料で薬剤または薬剤含有組成物をコーティングすることによって、調製することができる。薬物含有組成物は、カプセルに組み込むための錠剤、「被覆コア」投与形態中の内部コアとして使用するための錠剤、または、錠剤またはカプセルに組み込むため、複数の薬物含有ビーズ、粒子または顆粒であってもよい。
パルス型放出投与形態は、反復投与せずに複数の投薬プロファイルを模倣するものであり、典型的な投薬では、(例えば、従来の固体投与形態である、溶液または迅速な薬物放出としての)従来の投与形態として提示される薬剤と比較して、少なくとも投薬頻度において二重の低減を可能にする。パルス放出プロファイルは、迅速な薬物放出に続く、放出のない(時間差)または減少放出の期間によって特徴付けられる。
各投与形態は、活性剤の治療有効量を含んでいる。一日二回の投与プロフィールを模倣する投与形態の実施例においては、投与形態中の活性剤の合計量の約30重量パーセントから70重量パーセント、理想的には40重量パーセントから60重量パーセントが、初期パルスにリリースされ、それに対応して、投与形態中の活性剤の全量の70重量パーセントから30重量パーセント、理想的には60重量パーセントから40重量パーセントが第二のパルスで放出される。一日二回の投薬プロファイルを模倣する投与形態については、第二のパルスは、投与後約3時間から14時間未満、より理想的には約5時間から12時間後に放出される。
もう一つの投与形態は、薬物が持つ即時放出投与単位、遅延放出用量単位およびオプションの第2の遅延放出投与単位を持つ圧縮された錠剤またはカプセルを含んでいる。この投与形態では、即時放出用量単位は、最初の用量を提供するための経口投与後、ただちに実質的に薬物を放出する複数のビーズおよび顆粒の粒子を含む。遅延放出投薬単位は、第二の用量を提供するために経口投与からおよそ3時間から14時間後に薬物を放出する、コーティングされたビーズ又は顆粒を含む。
経皮(例えば、局所)投与のために、上記非経口溶液に類似の他の方法では、(通常、約0.1%〜5%濃度で用いられる)希釈された滅菌の水性または部分的に水性の溶液を調製することができる。
当該分野の専門家には、化学式Iまたは他の活性剤の1つまたは複数の化合物を一定量含む様々な医薬組成物の製造方法はよく知られている、もしくは本開示に照らして明らかであろう。医薬組成物を調製する方法の例については、レミントンのPharmaceutIcal ScIences第19版(1995年、Mack PublIshIng Company、Easton、ペンシルベニア州)を参照のこと。
さらに、ある実施例では、本申請が対象とする組成物は凍結乾燥、または噴霧乾燥などの他の適切な乾燥技術を用いることができる。対象とする組成物は、組成物の放出速度および望ましい投薬量に部分的に依存して、一回で投与してもよいし、時間間隔を変化させて投与される数回の低用量に分割してもよい。
本申請書に提供される方法において有用な製剤は、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、経腸、経膣、エアロゾルおよび/または非経口投与に適したものを含む。製剤は、簡便には単位投与形態で提供してもよく、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。単一用量を製造するためにキャリア材料と組み合わせることができる本発明の組成物の量は、治療される対象および特定の投与様式に応じて、変えることができる。
これらの製剤または組成物を調製する方法は、本発明の組成物とキャリアを、必要に応じて、1種類以上の補助成分を、組み合わせる工程を含む。一般に、製剤は、液体キャリアもしくは微粉固体キャリア、またはその両方と、均一かつ密接に組み合わせられることによって、また必要であれば、対象組成物をもたらす製品を成形することによって、調製される。
本申請書に記載の化学式Iの化合物は、吸入剤またはエアゾール製剤で投与することができる。吸入剤またはエアロゾル製剤は、補助剤、診断薬、造影剤、または吸入治療に有用な治療用薬剤など、1つ以上の薬剤を含んでもよい。最終的なエアロゾル製剤は、製剤の総重量に対して、例えば、0.005〜90%w/w、すなわち、0.005から50%、0.005から5%w/w、もしくは0.01から1.0%w/wなどの分量で、薬物を含むことができる。
経口投与のための固体投与形態(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)では、本組成物は、一つ以上の薬学的に許容されるキャリアおよび/または以下のいずれかと混ぜられる。:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸などの充填剤または増量剤(2)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの湿潤剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンのような溶解遅延剤、(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)アセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートのような湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤、(10)着色剤。カプセル、錠剤および丸い錠剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含むこともできる。また、同様のタイプの固体組成物は、高分子量ポリエチレングリコール等と同様に、ラクトースまたは乳糖を用いた軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることができる。
経口投与のための液体投与形態には、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤が含まれる。本発明の組成物に加えて、液体投与形態は、例えば、水または他の溶媒、もしくは、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油中、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような可溶化剤および乳化剤など、当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤を含むことができる。
懸濁液は、本発明の組成物に加えて、例えば、エトキシルイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、およびそれらの混合物のような懸濁剤を含んでいてもよい。
直腸または膣投与のための製剤は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、サリチル酸塩など、室温で固体であるが体温で液体であり、それゆえ適切な体腔で融解してカプセル化された化合物および組成物(複数可)を放出することができる、一つ以上の適切な非刺激性のキャリアを本発明の組成物を混合することによって調製され得る坐薬として提示してもよい。経膣投与に適した処方物は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、または適切であることが当技術分野で知られているようなキャリアを含むスプレー製剤なども含む。
経皮投与のための投与形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。本発明の組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと、または必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と、無菌条件下で混合してもよい。経皮投与のためには、複合体は、望ましい水溶性および輸送特性を達成するために、親油性基及び親水性基を含んでもよい。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、対象とする組成物に加えて、例えば、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの他のキャリアを含むことができる。粉末およびスプレーは、対象とする組成物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはそのような物質の混合物などの賦形剤を含むことができる。スプレーは、さらに、クロロフルオロ炭化水素およびブタンやプロパンなどの揮発性非置換炭化水素などの通常の噴射剤を含有してもよい。
経皮パッチを介して、組成物または組成物を伝達する方法は、当該分野で知られている。典型的なパッチおよびパッチ送達の方法は、米国特許番号6974588、6564093、6312716、6440454、6267983、6239180、および6103275に記載されている。
別の実施例では、経皮パッチは以下のものを含んでいてもよい:100重量単位のポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合材料及び2〜10重量単位のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体からなる樹脂組成物で形成された複合フィルム、複合フィルムの片側に第一の接着剤層、第一の接着剤層によって複合フィルムの一方の面に付着したポリアルキレンテレフタレートフィルム、飽和ポリエステル樹脂を含有しポリアルキレンテレフタレートフィルムの表面に形成されているプライマー層、を含む基材シート、およびプライマー層上に積層医薬品を含むスチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体を含む第二の接着剤層。上記基材シートの製造方法は、カレンダー加工により複合フィルムに樹脂組成物を成形して上記樹脂組成物を調製し、その後接着剤層を用いて複合フィルムの一方の面にポリアルキレンテレフタレートフィルムを接着することにより基材シートを形成し、ポリアルキレンテレフタレートフィルムの外側表面上の飽和ポリエステル樹脂からなるプライマー層を形成することによって構成される。
パッチのもう一つのタイプは、例えば、薬学的に許容される接着剤に直接薬剤を組み込み、ポリエステルバッキング膜のような適切なバッキング材上に薬物含有接着剤を積層することで、構成される。薬物は接着性に影響を及ぼさないであろう濃度で存在し、同時に必要な臨床用量を伝達すべきである。
経皮パッチは、受動的でも能動的でもあり得る。ニコチン、エストロゲンおよびニトログリセリンパッチのような現在利用可能な受動的経皮薬物送達システムは、小分子薬物を送達する。新しく開発されたタンパク質およびペプチド薬剤の多くは、受動的経皮パッチを介して送達されるには余りにも大きく、大きな分子の薬物のために、電気アシスト(イオントフォレシス)などの技術を用いて送達することができる。
イオントフォレシスは、電流を流すことによって膜を通ってイオン化された物質のフラックスを向上させるために使用される技術である。イオントフォレシス膜の一例は、Theeuwesに対する米国特許第5080646に記載されている。イオントフォレシスが皮膚を横切って分子輸送を強化するための主要なメカニズムは、(a)同じ電荷の電極から荷電イオンを反発させる方法、(b)電界が与えられたときに、対立イオンの優先的な通過に応答して、充電細孔を介して行われる溶媒の対流運動である電気浸透、または(c)電流を流すことで皮膚透過性を増加させる方法、である。
場合によって、分割されたボトルまたは分割ホイルパケットのような別々の組成物を含有するための容器を含むキットの形で投与することが望ましい場合がある。典型的には、キットは、別々の成分の投与のための指示書を含む。別個の成分が異なる投与形態(例えば、経口および非経口)で投与されるのが望ましい場合、異なる投与間隔で投与される場合、または組み合わせの個々の成分の点滴が処方する医師によって望まれる場合に、キットという形態は特に有利である。
このようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装産業で周知であり、広く医薬単位投与形態(錠剤、カプセル等)の包装に使用される。ブリスターパックは、一般的に透明になり得るプラスチック材料のホイルで覆われた比較的硬い材料のシートからなる。
メタボリック症候群の治療のための方法および組成物。とりわけ、本申請書中の化学式Iの化合物の治療有効量を必要とする患者に投与することで、メタボリック症候群を治療する方法が提供される。
化学式I
ここで、
R1は独立して、ハロゲン、−F、H、−Cl、−Dまたは−Brを表す。
R2は独立して、−H、−D、または
を表す。
R3は、独立して、H、D、または以下の基を表す。
または
R4は、独立して以下の基を表す。
または
aは独立して2,3または7である。
bそれぞれ独立して3,5、または6である。
eは、独立して、1,2または6である。
c及びdはそれぞれ独立して、H、D、−OH、−OD、C1−C6−アルキル、−NH2または−COCH3である。
式Iの化合物を使用する方法:
本発明は、メタボリック症候群、高尿酸血症、痛風、脂質異常症、肥満症、尿素サイクル異常症、高血糖、インスリン抵抗性、糖尿病、尿崩症、1型糖尿病、2型糖尿病の微小血管合併症、大血管合併症脂質障害、脂質障害、糖尿病前症、肥満症、不整脈、心筋梗塞、脳卒中、神経障害、腎合併症、高トリグリセリド血症、心血管合併症および食後高血糖を治療するための方法を含む。
作成方法
化学式Iの化合物を製造するのに有用な合成経路の例は、以下の例に記載され、スキーム1及びスキーム2に一般化される:
スキーム1:
ステップ−1:化合物3の合成:
ピロリジン(化合物2)(120g、1.69mol、2eq.)をエチル(S)−(−)−ラクテート(化合物1)100g(0.847mol)に0℃で滴下により添加し、3日間室温で撹拌した。過剰のピロリジンと得られたエタノールを真空中で除去し、油状の残渣を蒸留(104℃、2mmHg)で精製し、113g(93%)の化合物3を淡黄色の油として得た。
ステップ−2:化合物7の合成:
空気下で2−L三つ口フラスコをオイルバスに浸漬し、添加漏斗を取り付け、無水1,2−ジクロロエタン500mL、4−クロロフェニル酸(化合物4)(174.04g、98%、1.0mol(Acros製))1単位、DMF(0.40mL、約0.5mol%)1単位、塩化チオニル(95mL、1.3mol、1.3eq.)を1分冷却器にかけた。得られた混合物を15分かけて70℃(油浴温度)に加熱した。激しいガス進化は、加熱後約5分で開始した。(40〜45℃で)激しいガスの発生がその後安定した発生に減速し、次第にガスの発生が止また。70℃で2時間撹拌した後、臭素(80mL、約249g、1.55mol、1.55eq.)を得られた(65℃の)淡黄色の溶液に加え、1分で褐色の溶液が得られた。この反応物を80〜85℃(油浴温度)で18時間撹拌し、室温に冷却した。このαブロモ酸塩化物溶液(化合物6)は室温で貯蔵され、さらに精製することなく次のエステル形成工程で使用した。
この精製されていないαブロモ酸塩化物溶液(化合物6)の溶液(138g、〜0.138mol)を、上記で調製した1,2−ジクロロエタン100mLで希釈した。過剰な臭素を真空下で蒸留することにより除去し、約100mLの溶液が残った。酸塩化物溶液を化合物3(20.1g、0.140mol)およびトリエチルアミン(14.78g、0.147mol)の溶液に、0℃、100mLの1,2−ジクロロエタン中で滴下にて添加した。得られた褐色混合物を1時間かけて室温まで温めた。この反応物を水(100mL)で急冷し、有機層を分離し、100mLの10%Na2S2O3で、次いで飽和したNaHCO3(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、その後、真空中で濃縮し、45.8gの粗生成物(化合物7)を得た。褐色の油状物はさらに精製することなく次の工程で使用した。
ステップ−3:化合物10の合成:
無水THF(20mL)内のα,α,α−トリフルオロ−m−クレゾール(化合物8)(0.0204mol、3.3g)の溶液へリチウムtert−ブトキシド(THF中の1.0M溶液から20mL;0.02mol)を室温で滴下した。得られたリチウムフェノキシド溶液を、臭化物(化合物7)(粗製、7.5g,0.02mol)の溶液に−5℃のTHF40mL下で滴下した。−5℃で1時間撹拌した後、混合済みの過酸化水素(FIsher 30%、105mL,0.4mol)と水(50mL)に溶かしたLIOH≫H2O(21g、0.05mol)の溶液を室温で20分かけて加えた。続いて、反応物を0−4℃で1時間攪拌し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(150mL)で急冷し、INHCLを加えて、溶液のpHをおよそ2に調整した。THFを真空下で蒸留により除去し、反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、蒸発により7gの粗酸10を得た。この粗酸はヘプタンにより結晶化され、4.6gの白色固体を得た。キラルHPLC分析96.5:鏡像異性体3.5。
ステップ−4:化合物12の合成:
乾燥クロロホルム6mlの中で605mgの5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(化合物11)の溶液に、室温のアルゴン下で塩化オキサリル0.25mlを加えた。混合物を2時間反応させた。反応混合物からクロロホルムと残った塩化オキサリルを減圧下での蒸留により除去し、5,8,11,14,17−エイコサペンタエノイルクロリド(化合物12)を得、直接次の工程に使用した。
ステップ−5:化合物13の合成:
乾燥DMF(10ml)中の化合物10(2mmol)の溶液を、室温で、無水炭酸カリウム(2.2mmol)に懸濁した。反応混合物を、上記で調製した2mmolの化合物12を2mlのDMFに加えたDMF溶液15分かけて滴下し、混合物を100℃で8時間加熱した。反応混合物から濾過により不溶物を除去し、水を濾液に加えた。混合物を酢酸エチル(2×10ml)で2回抽出した。抽出物の有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。その後、溶媒を減圧下で蒸留し、純粋な化合物13を得るために、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかける残渣を得るために除去した。
スキーム2:
ステップ−1:化合物2の合成:
ピロリジン(39.25g、0.48mol)を0℃でメチル−(S)−(−)−ラクテート(25.0g、0.24mol)に滴下し、反応混合物を3日間室温で撹拌した。反応混合物を圧下で濃縮し、蒸留により(2S)−2−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン2(29.0g、84%)を150〜160℃で淡黄色の油として精製した。
ステップ−2:化合物3aの合成:
乾燥DCE中(260mL)の4−クロロフェニル酢酸(50.0g、0.29mol)の溶液に塩化チオニル(45.3mL、0.38mol)をゆっくりと加え、反応混合物を65℃で3時間加熱した。酸塩化物溶液へ、臭素(70g、0.44mmol)を65℃で添加し、反応混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を濃縮し、そのまま次のステップで、2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセチルクロリド(化合物3a)(46g)の粗残渣を用いた。
ステップ−3:化合物4の合成:
DCE(120mL)中の(2S)−2−ヒドロキシ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン(24.0g、0.17mol)の溶液に、トリエチルアミン(84.69g、0.84mol)と2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセチルクロリド(粗製、46.29g、0.17mol)を0℃で添加した。反応混合物をRTで2時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、有機層を分離した。有機層を10%NaS2O3(100mL)および飽和重炭酸ナトリウム(60mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物を100−200メッシュシリカゲル(20−25%酢酸エチル−ヘキサン)上でのフラッシュカラムにより精製し、(2S)−1−オキソ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセテート(化合物4)(37.5g、59%)が褐色の粘着性のガム状物として得られた。
ステップ−4:化合物7の合成:
THF(30mL)中の3−(トリフルオロメチル)フェノール(化合物5)(10.82g、66.85mmol)の溶液に、リチウム−tert−ブトキシド(5.34g、66.85mmol)を0℃で加え、RTで30分撹拌した。得られたリチウムフェノキシド溶液をTHF(160ml)中の(2S)−1−オキソ−1−(ピロリジン−1−イル)プロパン−2−イル2−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)アセテート(化合物4)(25.0g、66.85mmol)の溶液に−5°Cで滴下した。反応混合物を−5℃で4時間撹拌した。この溶液に、水(150mL)中のH2O2(30%溶液、151g、1336.989mmol)とLIOH,H2O(6.8g、167.11mmol)の予め混合した溶液を30分かけて0〜5℃で加えた。反応混合物を1時間0〜5℃で撹拌し、飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液(200ml)で急冷した。反応混合物を1(N)HClによって冷却条件で酸性(〜pH2)にした。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。粗製の残渣を酢酸エチル(150mL)に溶解し、水(2×80mL)で、続いて食塩水(80mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製の残渣を100〜200メッシュシリカゲル(12から15パーセント酢酸エチル−ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸(化合物7)(11.2g、51%)をオフホワイトの固体として得た。
ステップ−5:化合物9の合成:
乾燥したTHF(120mL)中の(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]酢酸(化合物7)(20.0g、0.06mol)およびN−Boc−エタノールアミン(10.7g、0.07mol)の撹拌溶液に、0℃でTHF(20mL)中に加えられたDCC(25g、0.12mol)の溶液を加え、反応混合物を10℃で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を水(2×80mL)および食塩水(80mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製残留物を100〜200メッシュシリカゲル(12から15パーセント酢酸エチル−ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}エチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(化合物9)(15.3g、53%)をオフホワイトの固体として得た。
ステップ−6:化合物10の合成:
乾燥DCM(10mL)中の化合物12(500mg、1.06mmol)の撹拌溶液に、TFA(0.86mLで、10.6mmol)を0℃で滴下し添加した。反応混合物を2時間、同じ温度で撹拌し、減圧下で濃縮した。2−アミノエチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(化合物10)(386mg)のトリフルオロ酢酸塩の粗残留物をそのままを次の工程で使用した。
ステップ−7:化合物11の合成:
乾燥DCM(10mL)中の5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA−酸、300mg、0.99mmol)の冷たい溶液に、塩化オキサリル(0.16mL、1.99mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を1.5時間同じ温度で撹拌し、アルゴン大気下の減圧下で濃縮した。粗残留物を乾燥トルエン(2×5mL)で同時蒸留した。粗残留物をDCM(10mL)に溶解し、0℃で乾燥ピリジン(4)に加えた。反応混合物に、2−アミノエチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(370.5mg、0.76mmol)のトリフルオロ酢酸塩の溶液を、0℃で添加し、10℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、水(10mL)で希釈した。有機物をDCM(3×10mL)で遊離し、混合した有機層を食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物を100−200メッシュシリカゲル(17〜20%酢酸エチル−ヘキサン)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2−[(5Z、8Z、11Z、14Z、17Z)−イコサ−5,8,11,14,17−ペンタンアミド]エチル(2R)−2−(4−クロロフェニル)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アセテート(220mg、34%)を明黄色の粘着性の油状物として得た。
「サンプル」という用語は、体液のサンプル、分離した細胞のサンプル、又は組織もしくは器官からのサンプルを指す。体液サンプルは、よく知られた技術によって得ることができ、理想的には、血液、血漿、血清、又は尿のサンプル、より理想的には、血液、血漿又は血清のサンプルを含む。
同等物。本開示は、他のものの中で、メタボリック症候群とその合併症を治療するための方法と組成物を提供している。本開示の特定の実施例が議論されてきたが、上記申請書は例示であって制限的なものではない。システムおよび方法の多くのバリエーションが、本申請書を検討することにより当該分野の人々に明らかになるであろう。特許請求されるシステムおよび方法の全範囲は、そのようなバリエーションとともに申請書によって、また、それらの完全な等価物の範囲とともに特許請求の範囲を参照することによって決定されるべきである。
引用による補充。ここで参照された全ての刊行物または特許が、上記に列挙されたものを含み、全ての刊行物および特許は具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されたかのごとく、その全体として本申請書中に参考として援用される。矛盾する場合、本申請書中の任意の定義を含む本申請書が決定する。