JP2015518850A - [18f]−フルシクラチドの精製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、固相抽出(SPE)を介した[18F]−フルシクラチドの精製方法に関する。本方法は、自動化に従うものであり、そして自動化合成装置、特にカセット式合成装置と連携させた使用に適している。また、本精製方法を実施するカセットも提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、固相抽出(SPE)を介した[18F]−フルシクラチド(fluciclatide)の精製方法に関する。本方法は、自動化に従うものであり、そして自動化合成装置、特にカセット式合成装置と連携させた使用に適している。また、本精製方法を実施するカセットも提供される。
18F]−フルシクラチドは、[18F]−AH111585の推奨INN(米国承認名)である。[18F]−AH111585は、特許及び刊行物の双方において、インビボでインテグリンレセプタを標的とするPETイメージング放射性トレーサとして記載されている。
国際公開第03/006491号パンフレットには、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩が開示されている。
式中、
Gはグリシンを表し、
Dはアスパラギン酸を表し、
1は−(CH2n−又は−(CH2n−C64−を表し、
式中、nは正の整数1〜10を表し、
hは正の整数1又は2を表し、
1はアミノ酸残基であって、酸又はアミンのような官能性側鎖を有するアミノ酸残基であり、
2及びX4は独立にジスルフィド結合を形成することができるアミノ酸残基を表し、
3はアルギニン、N−メチルアルギニン又はアルギニン模擬物を表し、
5は疎水性アミノ酸又はその誘導体を表し、
6はチオール含有アミノ酸残基を表し、
7は存在しないか或いはバイオモディファイア部分を表し、
1は抗腫瘍剤、キレート剤、又はリポータ部分を表し、
1は存在しないか或いはスペーサ部分を表す。
国際公開第2006/030291号パンフレットは、[18F]−フルシクラチド及びこれを含有する放射性医薬組成物の合成を開示している。国際公開第2006/030291号パンフレットは、当該発明の放射性フッ化ペプチドが、迅速かつ効率的に調製され得、それでも(インビボでインテグリンレセプタを標的とする)所望の生物活性を有すると述べている。
Glaserら[Bioconj.Chem.,19(4),951−957(2008)]は、[18F]−フルシクラチドの合成及び放射性標識を開示している。Glaserらは、放射化学的純度が96%であり、そして10分のインキュベーション後の反応混合物のラジオHPLC分析が、ほぼ定量的なカップリング効率を示した([18F]−フルオロベンズアルデヒドのトレースしか残らなかった)と述べている。Glaserらは、[18F]−フルシクラチドのHPLC精製を用いているが、このような方法論は、放射性トレーサ自動化には不適切であり、そして操作が高価であり、かつ労力を要すると認識されている。
18F]−フルシクラチドは、ヒト患者の乳癌のイメージングに有用であり[Kenny et al,J.Nucl.Med.,49(6),879−886(2008)]、そして抗癌治療後の腫瘍血管系(tumour vascularity)の変化の判定に有用である[Morrison et al,J.Nucl.Med.,50(1),116−122(2009)]と報告されている。
国際公開第2008/146316号パンフレットは、[18F]−フルオロチミジンのSPE精製手順を開示している。Pascaliら[Nucl.Med.Biol.,doi:10.1016/j.nucmedbio.2011.10.005(2011)]はその後、当該方法が、自動化シンセサイザを用いて、エタノールフリー[18F]−フルオロチミジン溶液を得るのに用いられ得ることを発表した。
Liuら[Nucl.Med.Biol.,37,917−925(2010)]は、SPE精製が、[18F]−AV−45の自動化合成において用いられ得ることを開示している。Liuらは、SPE精製が、無極性、非放射性の不純物を取り除かない点を強調した。
国際公開第2011/044422号パンフレットには、以下の工程を含む[18F]−フルシクラチドの精製方法を開示されている。
(a)フルシクラチドを含む希釈粗生成物反応混合液を、第1逆相SPEカートリッジに通す工程;
(b)第1逆相SPEカートリッジを、水/アセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)/水、メタノール(MeOH)/水、又はイソプロパノール/水混合液、好ましくは水/アセトニトリル混合液で洗浄する工程;
(c)工程(b)が完了すると、第1逆相SPEカートリッジを水でリンスする工程;
(d)第1逆相SPEカートリッジを、アセトニトリル又はテトラヒドロフラン、好ましくはアセトニトリルで溶出する工程;
(e)溶出工程(d)の混合液を、順相SPEカートリッジに直接通して、精製フルシクラチドを含むアセトニトリル又はテトラヒドロフラン溶液、好ましくはアセトニトリル溶液を与える工程;
(f)精製フルシクラチドを含むアセトニトリル又はテトラヒドロフラン溶液、好ましくはアセトニトリル溶液を、水で希釈して、精製フルシクラチドを含む希釈水/アセトニトリル溶液又は希釈水/テトラヒドロフラン溶液、好ましくは希釈水/アセトニトリル溶液を形成する工程であって、水/アセトニトリル溶液は、約40〜70(v/v)%の水、好ましくは少なくとも約40(v/v)%の水、より好ましくは少なくとも約50(v/v)%の水を含有する、工程;
(g)工程(f)の精製フルシクラチドを含む希釈水/アセトニトリル溶液又は希釈水/テトラヒドロフラン溶液、好ましくは希釈水/アセトニトリル溶液を、第2逆相SPEカートリッジに通して、フルシクラチドを第2逆相SPEカートリッジ上にトラップする工程;
(h)第2逆相SPEカートリッジを水でリンスする工程;及び
(i)第2逆相SPEカートリッジのトラップされた精製フルシクラチドを、注射可能な有機溶媒、好ましくはエタノール又はDMSO、好ましくはエタノールで溶出する工程。
国際公開第2011/044422号パンフレットの方法は、第1逆相SPEカートリッジ[工程(a)〜工程(d)];順相SPEカートリッジ[工程(f)]、及び第2逆相SPEカートリッジ[工程(g)及び工程(h)]の使用を必要とする。各逆相SPEカートリッジは、鎖長がC8よりも長い、好ましくはC18よりも長い、最も好ましくはC30である。当該方法において用いられるいくつかの溶媒(例えば、THF、アセトニトリル及びDMSO)は実際には、医薬製剤にとって適していない。このような不適当な溶媒の除去及び置換は一般的に、追加の工程(例えば、カートリッジ上での蒸発又は溶媒交換)を必要とし、これがプロセス時間を増大させ、収率を引き下げ、かつプロセスを複雑にする。また、国際公開第2011/044422号パンフレットの順相法は、剤が100%非水性溶媒(すなわち、有機溶媒)中に溶解することを必要とする。このことは、関与するペプチドにとって重大な溶解度の問題を引き起こすと予想され、かつペプチド沈殿のリスクがある。
従って、依然として、自動化に適した、特に放射性医薬組成物を与えるための、[18F]−フルシクラチド精製方法が必要とされている。
国際公開第2011/044422号パンフレット
本発明は、SPEカートリッジに基づく[18F]−フルシクラチド精製方法を提供するものであり、これは自動化に適している。本方法は、国際公開第2011/044422号パンフレットの従来技術方法よりもかなり簡単である。というのも、1タイプのSPEカラムしか必要としないためである。また、本方法は、薬学的に許容される溶媒しか用いていない。それ故に、本方法は、放射性医薬組成物のルーチン的製造に容易に適用され、潜在的に有毒な溶媒を除去するための付加的なプロセシングを必要としない。
本方法は、[18F]−フルシクラチド中の放射性不純物及び非放射性不純物のレベルを大幅に引き下げるのに有効である。特定の課題が、ジメチルアミノベンズアルデヒド(DMAB;18F−フルオロベンズアルデヒド合成の副生成物)であり、これはまた、アミノオキシ−官能化ペプチド前駆体(「前駆体1」)と反応して、DMAB−ペプチド結合体(「不純物A」)を形成する。このDMAB−ペプチド結合体は、フルシクラチドの類似体であり、[18F]−フルシクラチドから除去するのが困難であると判明している。というのも、種々の条件下で共溶出する傾向があるためである。
本方法は酸性化工程を含み、これは、DMAB−ペプチド結合体不純物の除去を確実にするのに極めて重要である。本方法はまた、出発アミノオキシ−官能化ペプチド(「前駆体1」)を除去する。本方法は、80〜95%のペプチド関連不純物、及びアニリン(結合反応用の触媒及び放射線安定剤として用いられる)を除去する。
フルシクラチドSPE FASTlabカセットの概略図、及びフルシクラチドSPE FASTlabカセットのコンポーネントの位置の表である。 SPEカートリッジの側断面図である。
第1態様において、本発明は、以下の工程を含む[18F]−フルシクラチドの精製方法を提供する:
(a)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液を、水性溶媒中に生体適合性陰イオンを有する酸を含むpH1.5〜3.5の酸性溶液で酸性化する工程と;
(b)工程(a)の酸性化された溶液を、1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジに通す工程と;
(c)工程(b)のSPEカートリッジを、水性溶媒中に生体適合性陰イオンを有する酸のpH1.5〜3.5の酸性溶液を含み、エタノール含有量が10〜30v/v%である第1の水性エタノール溶液で洗浄する工程と;
(d)工程(c)の洗浄されたSPEカートリッジを、水又は水性緩衝液でリンスする工程と;
(e)工程(d)のリンスされたSPEカートリッジを、エタノール含有量が70〜90v/v%である第2の水性エタノール溶液で溶出する工程であって、溶出液は、精製[18F]−フルシクラチドを、70〜90v/v%の水性エタノール溶液中に含む、工程。
用語「[18F]−フルシクラチド」は、式Iの化合物を指す。
フルシクラチド(18F)は、[18F]−AH111585の推奨INN(米国承認名)である。式(I)の化学構造は、トランス異性体としてのオキシムエーテルを示す。本明細書中で用いられる用語「[18F]−フルシクラチド」は、シス異性体及びトランス異性体の混合物、及び実質的に純粋な個別のシス異性体又はトランス異性体を包含する。
用語「含む」又は「備える」は、本願の全体を通じて従前通りの意味があり、組成物が、記載される成分を有していなければならないが、他の特定されていない化合物又は種が付加的に存在してもよいことを意味する。用語「含む」は、好ましいサブセットとして「から本質的になる」を含み、これは、組成物が、記載される成分を有するが、他の化合物又は種が存在しないことを意味する。
工程(a)及び工程(c)の水性酸性溶液は、適切にはpHが1.5〜3.5の範囲にある。これにより、種々の塩基性不純物(アニリンpKa4.6が挙げられる)がプロトン化されることが確実となる。工程(a)及び工程(c)において用いられる水性酸性溶液は、同じであっても異なっていてもよいが、好ましくは同じ水性酸を含む。工程(a)において、これは水溶液として用いられるが、工程(c)において、これはエタノールとの混合液中で用いられて、第1の水性エタノール溶液が与えられる。
用語「生体適合性陰イオン」が意味するところは、酸の陰イオンを形成する負荷電対イオンである。負荷電対イオンは毒性がないので、哺乳類の体、特にヒトの体への投与に適している。陰イオンは適切には、単独(singly−)荷電、又は多荷電(multiply−charged)であるが、荷電平衡量が存在する限りにおいてである。陰イオンは適切には、無機酸又は有機酸に由来する。適切な無機陰イオンの例として:ハライドイオン(クロリド又はブロミド等);サルフェート;ニトレート;ホスフェート及びボレートが挙げられる。適切な有機陰イオンの例として:ホスフェート、シトレート;アセテート、タルトレート、ラクテート、ピルベート、トリフルオロアセテート、スクシネート、フマレート、マレエート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、p−トルエンスルホネート及びベンゼンスルホネートが挙げられる。
用語「SPEカートリッジ」は、固相抽出カートリッジを指す。用語「固相抽出」は、従前通りの意味を有する。逆相SPEカートリッジは、市販の吸収剤を備え、これは、長寸カートリッジ体内で2つの多孔性媒質層の間にパックされている。カートリッジ体は、簡易な連結のためのルアーフィッティングを備える。図2は、典型的なSPEカートリッジ構造の側面図を提供する。本発明での使用に適した組立逆相SPEカートリッジは、当該技術において知られている任意の組立逆相SPEカートリッジであってよく、限定されないが、Waters Corporation(34 Maple Street Milford Massachusetts 01757 USA)から市販されているものが挙げられる。逆相SPEカートリッジでの使用に適した吸収剤は、当該技術において知られている任意の吸収剤であってよく、限定されないが、Waters Corporationから市販されているものが挙げられる。
用語「逆相」は、クロマトグラフィーにおける従前通りの意味を有し、無極性(親油性)固相及び極性(親水性)移動相の使用を指す。歴史的に、ほとんどの液体クロマトグラフィーは、親水性表面化学、及び極性化合物に対するより強い親和性のある未変性シリカ又はアルミナを用いて実施されていた。それ故に、これが「標準」であると考えられていた。支持表面に共有結合するアルキル鎖の導入で、溶出順序が逆にされた。逆相クロマトグラフィーにおいて、極性化合物が最初に溶出される一方で、無極性化合物が保持される。
用語「C1−C4」は、SPEカートリッジ固相における炭素原子の数を指す。
第1態様の方法において、工程(a)〜工程(e)は、適切には、示されるアルファベットの順番に実施される。
本出願人は、酸性化工程(a)が精製の重要な部分であると考えている。従って、[18F]−フルオロベンズアルデヒド([18F]−FBA)が、TMABから従来の放射性合成によって調製される場合、存在する最大95%を超える化学的不純物は、TMAB、DMAB及びHBAに由来する:
TMAB及びHBAは、[18F]−FBAの精製を介して除去される。しかしながら、DMABは、不純物として残り(前述した)、また、前駆体1と反応してDMAB−ペプチド結合体(不純物A)が形成される。不純物Aの化学構造(表1参照)は、トランス異性体としてのオキシムエーテルを示す。本明細書中で用いられる用語「不純物A」は、シス異性体及びトランス異性体の混合物、及び実質的に純粋な個別のシス異性体又はトランス異性体を包含する。
本発明者らは、不純物Aが、種々の条件下で、[18F]−フルシクラチドと共溶出する傾向があることを見出した。中性条件が用いられる場合、不純物Aは分離され得ない。溶解が悪くなり、そしてアミノオキシ前駆体(前駆体1)は、SPEカラムを通してブリードする傾向があり、かつ[18F]−フルシクラチド生成物中の不純物となる。また、酸性化が重要である。これにより、任意の塩基性種(アニリン等)がプロトン化されて親水性となることが確実となる。本発明の精製方法は、前駆体1及び不純物Aのレベルを90%首尾よく削減し(質量平衡制御によって確かめられる)、そしてまた、アニリンを除去する。
第1態様の方法の工程(b)において、[18F]−フルシクラチドは、逆相SPEカートリッジに結合し、そして任意の可溶性不純物が溶液中に残る(そして捨てられる)。洗浄工程(c)の第1の水性エタノール溶液のエタノール含有量は、[18F]−フルシクラチドが溶出液よりも逆相SPEカートリッジに対して大きな親和性を有するように、そして結果的に、吸収剤に結合したままであるように、選択される。不純物は、固相に対する親和性がより弱いので、溶出液中に残り、洗浄されて徐々に減る(waste)。本発明者らは、放射性化学不純物が約90%削減され、そして他の非放射性不純物(アニリン等)がこの段階で除去されることを見出した。除去される主な放射性化学不純物は[18F]−FBAであり、これは、粗(すなわち、未精製)[18F]−フルシクラチド中に最大10%存在し得る。本発明に従うSPE精製後、[18F]−FBAのレベルは、1%未満に引き下げられる。
リンス工程(d)は、任意の残留エタノールを除去して徐々に減らし、そしてここでも、所望の[18F]−フルシクラチドは逆相SPEカートリッジに結合したままである。溶出工程(e)は、第2の水性エタノール溶液を用いるが、これは、エタノール含有量が、第1の水性エタノール溶液よりもかなり高くなるように選択される。その場合、[18F]−フルシクラチドは、溶出液に対する親和性が、逆相SPEカートリッジよりも大きくなり、結果的に、第2の水性エタノール溶液中に溶出する。精製[18F]−フルシクラチドは、溶出工程(e)の溶出液中に集められる。
第1態様の方法は、適切には、17〜60℃、好ましくは20〜34℃の範囲の温度で実施される。
[好ましい特徴]
第1態様の方法において、逆相SPEカートリッジは、好ましくは、炭素ローディングが2〜10%である。用語「炭素ローディング」は、従前通りの意味を有し、吸収剤の表面に結合する結合相の量の指標である。逆相SPEカートリッジは、より好ましくは、C4カートリッジ又はC2カートリッジのいずれか、より好ましくはC2三官能性カートリッジ(「tC2カートリッジ」)である。好ましいこのようなC2官能性カートリッジは、tC2 SepPak SPEカラム(Waters Associatesから市販されている)である。tC2の「t」は、三官能性であることを表し、かつ製造加工(C2鎖の固相へのリンキング)を指す。tC2 SPEカートリッジは、炭素負荷がかなり高いので、従来のC2カラムよりもかなり疎水性である。これにより、よりロバストとなり、かつ再生可能となる。最も重要なことに、tC2 SPEカラムは、[18F]−フルシクラチドを精製するのに必須である高ペプチドローディング及び高容量溶液に対処することができる。
SPEカートリッジの固相量から、何個のカートリッジが必要とされるかが決定される。本プロセスについて、好ましくは約800mgの固相が用いられる(これは、2つの400mgのtC2 SepPakカートリッジ又は1つの800mg以上のカートリッジに由来してよい)。
工程(a)及び工程(c)の酸性溶液は、好ましくはpHが1.5〜2.0の範囲にあり、好ましくは0.1%の水性トリフルオロ酢酸、0.1〜2%の水性ギ酸、0.1〜2%の水性酢酸、又は0.1〜5w/w%の水性リン酸から選択される。酸性溶液は、より好ましくは0.5〜2%、最も好ましくは0.7〜1.3%の水性リン酸を含み、1w/w%の水性リン酸が理想である。リン酸が好ましいのは、リン酸がその塩として、[18F]−フルシクラチド配合中に既に存在するためである。
第1態様の方法において、「第1の水性エタノール溶液」は、酸性であり、好ましくはエタノール含有量が、tC2 SepPakカートリッジに関して、約20v/v%である。用語「約」内の適切な範囲は、15〜25%、好ましくは16〜24%、より好ましくは18〜22%、最も好ましくは19〜21%である。
第1態様の方法において、「第2の水性エタノール溶液」は好ましくは、エタノール含有量が、tC2 SepPakカートリッジに関して、約80v/v%である。用語「約」内の適切な範囲は、70〜90%、好ましくは75〜85%、より好ましくは78〜82%、最も好ましくは79〜81%である。
第1態様の方法において、逆相SPEカートリッジは、好ましくは、1以上のエタノール、水、及び0.5%水性リン酸でプレコンディショニングされる。より好ましくは、このようなコンディショニングは、エタノール(3mL)に続いて水(10mL)、そして最後に0.5%水性H3PO4(4mL)での溶出を含む。こうして、カートリッジは、有機溶媒によって活性化され(吸収剤の孔が開き)、ペプチドを受ける準備が整う。このようなコンディショニングは、一貫性(consistency)、従って再現性のある結果を確実にするのに役立つ。別の態様は、純粋なエタノールが(殺菌剤としての機能を果たすことによって)バイオバーデン(bioburden)を引き下げるのに役立ち、そして任意のトレース不純物を除去するのに役立つというものである。
第1態様の方法は好ましくは、さらに工程:
(f)工程(e)の精製[18F]−フルシクラチド溶液を、生体適合性キャリアで希釈する工程と;
(g)無菌的に濾過して(aseptic filtration)、[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物を、哺乳類の投与に適した、エタノール含有量が0〜10v/v%である形態で与える工程とを含む。
この好ましい実施形態の工程(a)〜工程(g)は、適切には、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)に続いて(g)の順番に実施される。
用語「放射性医薬」は、従前通りの意味を有し、診断又は治療での使用のための哺乳類の生体内投与に適した放射性化合物を指す。文言「哺乳類の投与に適した形態で」の意味するところは、滅菌状態であり(sterile)、パイロジェンフリーであり、毒性作用又は副作用をもたらす化合物を欠いており、かつ生体適合性のpH(本発明の剤について、約pH4.0〜10.5、好ましくは6.5〜9.5)及び生理学的に適合性のオスモルにて製剤化される組成物である。このような組成物は、インビボで塞栓(emboli)を生じさせるリスクがあり得る微粒子を欠いており、そして体液(例えば血)と接触しても沈殿が生じないように製剤化される。このような組成物はまた、生物学的に適合性の賦形剤しか含有しておらず、好ましくは等張性である。
好ましくは、哺乳類は、無傷の(intact)哺乳類の体(生体内)、より好ましくはヒト被験者である。好ましくは、放射性医薬は、哺乳類の体に最小限に浸潤性であるように(in a minimally invasive manner)投与されるのがよい、すなわち、哺乳類被験者に対する実質的な健康リスクは、たとえ専門の医学技能の下で実施されても、存在しない。このような最小限に浸潤性の投与は、好ましくは、被験者の末梢静脈中への静脈内投与であり、局所麻酔又は全身麻酔の必要はない。
「生体適合性キャリア」は流体、特に液体であり、この中に放射性医薬が懸濁、好ましくは溶解し得、組成物は、生理的に許容可能である、すなわち哺乳類の体に毒性又は過度の不快なく投与され得る。生体適合性キャリアは、適切には、注射可能なキャリア液体(滅菌状態であり、パイロジェンフリーの注射用水等);水溶液(生理食塩水(有利には、注射用最終生成物が等張性であるように平衡が保たれるのがよい)等);生体適合性緩衝剤を含む水性緩衝液(例えば、リン酸バッファ);1以上の張度調整物質(例えば、生体適合性対イオンを有するプラズマ陽イオンの塩)、糖(例えば、グルコース又はシュークロース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えば、グリセロール)、もしくは他の非イオンポリオール材料(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等)の水溶液である。好ましくは、生体適合性キャリアは、パイロジェンフリーな注射用水、等張性生理食塩水又はリン酸バッファである。
ヒトの投与に適するように、[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物中のエタノールの割合は、約10%(v/v)未満でなければならない。好ましくは、エタノール含有量は7%以下、より好ましくは2〜6%、最も好ましくは、約4%が理想である。これは、工程(e)の精製[18F]−フルシクラチドを、最小容量の溶液(およそ1.6mL)を用いて溶出すること、及び水性緩衝液によっておよそ40mLの最終容量に希釈することによって、達成される。本発明者らは、工程(e)の溶出が、カートリッジのデッド容量に相当する溶出液の初期容量が捨てられるように実施されることが好ましいことを見出した([18F]−フルシクラチドを含有していないことが示されたためである)。「デッド容量」は、SPEカートリッジを満たすのに必要とされる液体の容量である。この手順は、剤を含有する70〜90%のエタノール性溶液の容量を最小にするという利点があるので、薬学的に許容されるエタノール含有量とする希釈は、放射能濃度(RAC)のロスを最小にして達成され得る。本発明のカートリッジについて、そのデッド容量は0.5mLに相当する。「デッド容量」は、従来技術(例えば、不活性の、好ましくは固相と相互作用しない有色の分子(例えば、固相孔サイズよりもずっと大きいためである)を用いること)によって、決定され得る。
滅菌状態を達成するために、工程(f)の希釈液は、無菌的濾過に曝される。用語「無菌的濾過」は、「滅菌濾過(sterile filtration)」と呼ばれることもあり、従前通りの意味を有する。さらなる詳細は、K.L.Williams[Microbial Contamination Control in Parenteral Manufacturing,Marcel Dekker(2004)]並びにM.W.Jornitz及びT.H.Meltzer[Sterile Filtration;A Practical Approach,Informa Healthcare(2000)]によって与えられる。
希釈工程(f)において、生体適合性キャリアは好ましくは、放射線保護剤4−アミノ安息香酸、又はその生体適合性陽イオンとの塩を含む。用語「放射線保護剤」が意味するところは、高度に反応性のフリーラジカル(水の放射性分解から生じる酸素含有フリーラジカル等)をトラップすることによって、分解反応(レドックス過程等)を妨げる化合物である。用語「生体適合性陽イオン」(Bc)が意味するところは、イオン化された負荷電群と塩を形成する正荷電対イオンであって、毒性もないことから、哺乳類の体、特にヒトの体への投与に適している正荷電対イオンである。適切な生体適合性陽イオンの例として:アルカリ金属(ナトリウム又はカリウム);アルカリ土類金属(カルシウム)及びマグネシウム;並びにアンモニウムイオンが挙げられる。好ましい生体適合性陽イオンは、ナトリウム及びカリウム、最も好ましくはナトリウムである。
本発明の放射線保護剤は、適切には、パラ−アミノ安息香酸(すなわち、4−アミノ安息香酸)及びその、生体適合性陽イオンとの塩から選択される。これらの放射線保護剤は市販されており、医薬等級の純度である。パラ−アミノ安息香酸及びパラ−アミノ安息香酸ナトリウムについて、適切な濃度範囲は、0.5〜4.0、好ましくは1.0〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5、最も好ましくは1.8〜2.2mg/mLである。2.0mg/mLが特に好ましい。本発明の放射線保護剤は、好ましくは、パラ−アミノ安息香酸ナトリウムを含む。付加的な放射線保護剤が、任意で存在してもよい。より好ましくは、本発明の放射線保護剤は、パラ−アミノ安息香酸、又はその生体適合性陽イオンとの塩から本質的になる。最も好ましくは、本発明の放射線保護剤は、パラ−アミノ安息香酸ナトリウムから本質的になる。
好ましくは、用いられる放射線保護剤の等級は、医薬等級である。従って、工業等級材料が、放射性医薬組成物中に付加的な化学的不純物を生じさせることが示された。
第1態様の方法が、[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物を提供するために用いられる場合、組成物は適切には医薬等級のコンテナ中に提供される。好ましいこのようなコンテナは、セプタムシールバイアルであり、気密クロージャは、(一般的にアルミニウムの)オーバーシールで圧着されている。クロージャ(例えば、圧着セプタムシールクロージャ)は、皮下注射針による1回又は複数回の穿刺に適している一方で、滅菌状態の完全性を維持している。
18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物は、適切には、ヘッドスペースガスが5〜30%、好ましくは10〜25%、最も好ましくは18〜22%の酸素を含有するコンテナ中に提供される。理想的には、ヘッドスペースガスは空気である。
放射性医薬組成物は、任意で、付加的な賦形剤(抗菌性防腐剤、pH調整剤、充填剤、可溶化剤又はオスモル調整剤等)を含有してよい。用語「抗菌性防腐剤」が意味するところは、潜在的に有害な微生物(細菌、酵母又は糸状菌等)の成長を妨げる剤である。抗菌性防腐剤はまた、一部の殺菌特性を、用いられる投与量に応じて示し得る。本発明の抗菌性防腐剤の主な役割は、医薬組成物におけるそのような任意の微生物の成長を妨げることである。しかしながら、抗菌性防腐剤はまた、任意で、潜在的に有害な微生物の成長を、投与前に組成物を調製するために用いられるキットの1以上の成分において妨げるために、用いられてもよい。適切な抗菌性防腐剤として:パラベン(すなわち、メチル、エチル、プロピルもしくはブチルパラベン、又はこれらの混合物);ベンジルアルコール;エタノール、フェノール;クレゾール;セトリミド及びチオメルサールが挙げられる。好ましい抗菌性防腐剤は、パラベン又はエタノールである。
用語「pH調整剤」は、組成物のpHが、ヒト又は哺乳類の投与について許容限度内(本発明の剤について、約pH4.0〜10.5、好ましくは6.5〜9.5)であることを確実とするのに有用な化合物、又は化合物の混合物を意味する。適切なこのようなpH調整剤として、薬学的に許容されるバッファ(トリシン、リン酸、酢酸又はTRIS[すなわちトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン]等)及び薬学的に許容される塩基(炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等)、又はこれらの混合物が挙げられる。
用語「充填剤」が意味するところは、生産中及び凍結乾燥中の材料処理を促進し得る薬学的に許容されるバルク剤(bulking agent)である。適切な充填剤として、無機塩(塩化ナトリウム等)及び水可溶性の糖又は糖アルコール(シュークロース、マルトース、マンニトール又はトレハロース等)が挙げられる。
用語「可溶化剤」が意味するところは、組成物中に存在し、溶媒中の放射性医薬の溶解度を増大させる添加剤である。好ましいこのような溶媒は水性媒体であるので、可溶化剤は好ましくは、水中での溶解度を向上させるものである。適切なこのような可溶化剤として:C1-4アルコール;グリセリン;ポリエチレングリコール(PEG);プロピレングリコール;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;ソルビタンモノオレエート;ポリソルベート(例えばTween(商標));ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)ブロックコポリマー(Pluronics(商標));シクロデキストリン(例えば、アルファ、ベータもしくはガンマシクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、又はヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン)、及びレシチンが挙げられる。
好ましい可溶化剤は、シクロデキストリン、C1-4アルコール、ポリソルベート及びPluronics(商標)、より好ましくはシクロデキストリン及びC2-4アルコールである。可溶化剤がアルコールである場合、可溶化剤は好ましくは、エタノール又はプロパノール、より好ましくはエタノールである。エタノールは、潜在的に2つの役割を有する。というのも、生体適合性キャリアとして、そして抗菌性防腐剤として機能することもできるからである。可溶化剤がシクロデキストリンである場合、可溶化剤は好ましくは、ガンマシクロデキストリン、より好ましくはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPCD)である。シクロデキストリンの濃度は、約0.1〜約40mg/mlであってよく、好ましくは約5〜約35mg/ml、より好ましくは20〜30mg/ml、最も好ましくは約25mg/mlである。
第1態様の方法は、工程(a)〜工程(e)又は工程(a)〜工程(f)を含んでおり、好ましくは自動化される。このような自動化は、好ましくは、自動化合成装置を用いて実施される。このような自動化が用いられる場合、工程(a)の[18F]−フルシクラチドの「精製すべき溶液」は、好ましくは、自動化合成装置からの直接的な粗反応混合液である。自動化シンセサイザが用いられる場合、Synthesis(EOS)のEndでの[18F]−フルシクラチド溶液の放射能濃度(RAC)は、好ましくは100〜860、より好ましくは200〜700、最も好ましくは250〜600MBq/mLの範囲にある。
用語「自動化シンセサイザ」が意味するところは、単位操作の原理に基づく自動化モジュールであり、Satyamurthyら[Clin.Positr.Imag.,2(5),233−253(1999)]によって記載されている。用語「単位操作」は、複雑なプロセスが一連の単純な操作又は反応に減らされることを意味し、これは、様々な材料に適用され得るものである。このような自動化シンセサイザは、本発明の方法にとって、特に放射性医薬組成物が所望される場合に、好ましい。これらは、様々なサプライヤから市販されている[Satyamurthy et al,(前述)](GE Healthcare;CTI Inc;Ion Beam Applications S.A.(Chemin du Cyclotron 3,B−1348 Louvain−La−Neuve,Belgium);Raytest(Germany)及びBioscan(USA)が挙げられる)。
市販の自動化シンセサイザはまた、放射性医薬調製の結果として生じる液体放射性廃棄物に適したコンテナも提供する。自動化シンセサイザは、一般的に、放射線シールドが与えられていない。これは、自動化シンセサイザが、適切に構成された放射性作業セル(radioactive work cell)中で用いられるように設計されているためである。放射性作業セルは、操作者を潜在的放射線線量から保護する放射線シールド、並びに化学物質及び/又は放射性蒸気を除去するベンチレーションを適切に提供する。
自動化シンセサイザは好ましくは、カセットを備える。用語「カセット」が意味するところは、自動化合成装置(上述)上に取外し可能かつ交換可能に適合するように設計された装置の一部であり、シンセサイザの移動部の機械的移動により、カセットの外側から、すなわち外部から、カセットの操作が制御されるようになっている。適切なカセットは、線状に配列された弁を備えており、各弁は、ポートにリンクする。ポートには試薬又はバイアルが、反転された(inverted)セプタムシールバイアルの、針による穿刺、又は気密なマリングジョイント(marrying joint)のいずれかによって、取り付けられ得る。各弁は、雄型−雌型ジョイントを有しており、自動化シンセサイザの対応する移動アームとインターフェースをとる。従って、カセットが、自動化シンセサイザに取り付けられると、アームの外部回転により、弁の開閉が制御される。自動化シンセサイザの付加的な移動部が、シリンジプランジャチップ上にクリップ留めされることで、シリンジバレルが起こされる、又は押し下げられるように設計されている。
カセットは、汎用的であり(一般的に、試薬が取り付けられ得るいくつかの位置がある)、そして試薬のシリンジバイアル又はクロマトグラフィーカートリッジ(例えば、固相抽出又はSPE)の取付けに適している。カセットは、常に反応容器を備えている。このような反応容器は、好ましくは0.5〜10mL、より好ましくは0.5〜5mL、最も好ましくは0.5〜4mLの容量であり、そしてカセットの3つ以上のポートがカセットに連結されて、試薬又は溶媒が種々のポートからカセット上に移送され得るように構成される。このような移送は、カセットに連結された自動化シンセサイザから制御されるガス(一般的に、窒素ガス)圧力を介して、達成される。好ましくは、カセットは、15〜40の弁が線状に配列されており、最も好ましくは20〜30の弁であり、特に好ましいのは25の弁である。カセットの弁は好ましくは互いに同じであり、最も好ましくは3方弁である。カセットは、放射性医薬の製造に適切であるように設計されるので、医薬等級の、そして理想的には放射性分解に対する耐性をも示す材料から、製造される。
カセットは、適切には、使い捨て可能なカセット、又は単回使用カセットであり、全ての試薬、反応容器及び装置を備えており、これらは、所与のバッチの放射性フッ化放射性医薬の調製を実施するのに必須である。カセットが意味するところは、自動化シンセサイザが、種々の異なる放射性医薬を、単にカセットを変えることによって、交差汚染(cross−contamination)のリスクを最小にして製造することができる柔軟性を有することである。カセットアプローチはまた:簡単なセットアップによる、操作者エラーのリスク軽減;GMP(Good Manufacturing Practice(医薬品製造品質管理基準))遵守の向上;マルチトレーサ機能;生産ラン間の迅速な変更;カセット及び試薬のプレラン自動化診断チェック;化学試薬対実施されるべき合成の自動化バーコードクロスチェック;試薬トレーサビリティ;単回使用による交差汚染、タンパ(tamper)及び乱用抵抗性(abuse resistance)のノーリスク、の利点を有する。
第1態様の方法での使用に好ましい単回使用カセットが:
(i)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液の収容に適した容器と;
(ii)1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジと;
(iii)酸性溶液であって、水溶液中の生体適合性陰イオンが、上述のpH1.5〜3.5の酸を含む酸性溶液の供給手段と;
(iv)上述の第1の水性エタノール溶液の供給手段と;
(v)上述の第2の水性エタノール溶液の供給手段と;
(vi)固相をコンディショニングするための純粋エタノールの供給手段と
を含む。
希釈工程(f)及び無菌的濾過工程(g)に加えて、第1態様の方法は好ましくは、さらに:
(h)工程(f)の[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物を、1以上の単位用量シリンジ中に分配する工程
を含む。
この好ましい実施形態の工程(a)〜工程(h)は、適切には、工程(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g),次いで(h)の順に実施される。
第1態様の放射性医薬組成物は、シリンジ中に与えられてもよい。プレフィルドシリンジは、ヒトの単回投与量又は「単位用量」を含有するように設計されるので、好ましくは、臨床用に適した単回使用又は他のシリンジである。放射性医薬シリンジは、好ましくは、シリンジシールドが与えられて、操作者に対する放射線線量が最小にされる。
医薬等級のpABA及びパラ−アミノ安息香酸ナトリウムが市販されており、例えばSigma又はMerckから得られ得る。[18F]−フルシクラチド及び[18F]−フルシクラチド組成物は、式II(「前駆体1」)の前駆体の、[18F]フッ化物の供給による反応によって、調製され得る:
前駆体1は、非放射性である。前駆体1は、Indrevollら[Bioorg.Med.Chem.Lett.,16,6190−6193(2006)]によって、そして本実施例中に記載されるように、調製され得る。
18F]フッ化物の供給は:
(i)サイクロトロンから直接送達され、そしてイオン交換カートリッジ及び適切な溶出液を用いて製剤化されてもよいし、
(ii)GMP施設での自動化プラットホーム上で生産されたGMP[18F]NaFの形態であってもよい。
放射性医薬用途に適した[18F]フッ化物の生産は、当該技術において周知であり、Hjelstuenら[Eur.J.Pharm.Biopharm.,78(3),307−313(2011)]及びJacobsonら[Curr.Top.Med.Chem.,10(11),1048−1059(2010)]によってレビューされている。[18F]NaFは、前述のように、「自動化シンセサイザ」を用いて生産され得る。
第2態様において、本発明は、第1態様の好ましい実施形態の自動化シンセサイザ方法を実施するカセットを提供し、カセットは:
(i)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液の収容に適した容器と;
(ii)1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジと;
(iii)酸性溶液であって、水溶液中の生体適合性陰イオンが、上述のpH1.5〜3.5の1%水性リン酸である酸を含む酸性溶液の供給手段と;
(iv)第1態様において規定されるような第1の水性エタノール溶液の供給手段と;
(v)第1態様において規定されるような第2の水性エタノール溶液の供給手段と
を含む。
第2態様における逆相SPEカートリッジ、酸性溶液、第1の水性エタノール溶液及び第2の水性エタノール溶液の好ましい態様は、第1態様(前述)において記載されるのと同様である。
カセットは好ましくは、放射線保護剤を備え、これは溶液として与えられる。このような溶液用の溶媒は好ましくは、先に述べたように、生体適合性キャリアである。このような溶液は好ましくは、暗所において保存される。
第3態様において、本発明は、第1態様の好ましい実施形態の自動化方法を実施する自動化合成装置の使用を提供する。第3態様における精製の方法及び自動化シンセサイザの好ましい態様は、第1態様(前述)において記載されるのと同様である。
第4態様において、本発明は、第1態様の好ましい実施形態の自動化方法を実施する第2態様のカセットの使用を提供する。第4態様における精製の方法及びカセットの好ましい態様は、それぞれ第1態様及び第2態様(前述)において記載されるのと同様である。
[図の説明]
図1は、本発明に従う[18F]−フルシクラチドの調製及びSPE精製を実施するFASTlab(商標)自動化合成装置(GE Healthcare Limited)と連携させた使用に適したカセット構成を示す。
図2は、本発明での使用に適したSPEカートリッジ[210]の構造を表す。カートリッジ[210]は、吸収剤[212]で満たされる円筒キャビティ[216]を規定する長寸管状体[214]を備える。体[214]の第1端部[214a]は、キャビティ[216]と流体連通する出口アパーチャ[220]を規定する横断環状壁[218]を備える。環状壁[218]はまた、ルアーチップ[224]を形成する長寸開放管状壁[222]を支持する。体[214]の対向する第2端部[214b]は、キャビティ[216]と流体連通する入口アパーチャ[230]を規定するキャップ体[228]を有する端部キャップ[226]を支持する。キャップ体[228]は、第2端部[214b]にて管状体[214]の外部表面[234]と係合する外部環状リム[232]、及び第2端部[214b]にて管状体[214]の内部表面[238]と係合する内部環状壁[236]を備える。カートリッジ[210]はまた、円形ディスク形状の多孔質フィルタエレメント[240]及び[242]を、キャビティ[216]の全域に跨らせて(spanning across)備え、これらの間に吸収剤[212]が充填される。実例として、カートリッジ[210]は通常、長さが約49mm、第2端部[214b]の直径が約15mm、第1端部[214a]の直径が約12.0mmであり、キャビティ[216]は、長さが約35mmである。
本発明は、以下に詳述される非限定的な実施例によって具体的に説明される。実施例1は、本発明の前駆体1の合成を提供する。実施例2は、[18F]−FBAの合成を、そして実施例3は、[18F]−FBAの精製を提供する。実施例4は、本発明の化合物1の合成を提供する。実施例5は、本発明のSPE精製法を提供する。
[略語]
従前通りの1文字又は3文字アミノ酸略語を用いる。
Ac:アセチル
ACN:アセトニトリル
Aq:水性
Boc:tert−ブチロキシカルボニル
DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAB:4−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EOS:合成の終わり
FBA:4−フルオロベンズアルデヒド
Fmoc:9−フルオレニルメトキシカルボニル
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBA:4−ヒドロキシベンズアルデヒド
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
MCX:混合モード陽イオン交換カートリッジ
Na−pABA:パラ−アミノ安息香酸ナトリウム
NMM:N−メチルモルホリン
NMP:1−メチル−2−ピロリジノン
PBS:リン酸緩衝食塩水
PyAOP:(7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RAC:放射能濃度
RCP:放射化学的純度
RT:室温
SPE:固相抽出
tBu:tert−ブチル
TFA:トリフルオロ酢酸
TFP:テトラフルオロフェニル
THF:テトラヒドロフラン
TMAB:4−(トリメチルアンモニウム)ベンズアルデヒド
R:保持時間
実施例1:前駆体1の合成
ペプチド1を、Indrevollら[Bioorg.Med.Chem.Lett.,16,6190−6193(2006)]によって記載されるような標準的なペプチド合成を用いて合成した。
(a)1,17−ジアジド−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン
乾燥ヘキサエチレングリコール(25g、88mmol)及びメタンスルホニルクロリド(22.3g、195mmol)の乾燥THF(125mL)溶液を、アルゴン下で保ち、氷/水バス中で0℃に冷却した。トリエチルアミン(19.7g、195mmol)の乾燥THF(25mL)溶液を、45分にわたって滴加した。1時間後、冷却バスを取り除き、反応液をさらに4時間撹拌した。その後、水(55mL)を混合液に、続いて炭酸水素ナトリウム(5.3g、pH8に至る)及びアジ化ナトリウム(12.7g、195mmol)を加えた。THFを蒸留によって除去し、水溶液を24時間還流した(2層が形成された)。混合液を冷却し、エーテル(100mL)を加え、水性相を塩化ナトリウムで飽和させた。相を分離させ、水性相をエーテルで抽出した(4×50mL)。組み合わせた有機相をブライン(2×50mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。溶媒の濾過及び蒸発によって、黄色の油26g(89%)が与えられた。生成物を、次の工程において、さらに精製することなく用いた。
(b)17−アジド−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカンアミン
激しく撹拌した1,17−ジアジド−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカン(25g、75mmol)の5%HCl(200mL)懸濁液に、トリフェニルホスフィン(19.2g、73mmol)のエーテル(150mL)溶液を、3時間にわたって室温で加えた。反応混合液を、さらに24時間撹拌した。相を分離させ、水性相をジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。水性相を氷/水バス中で冷却し、pHを固体の水酸化カリウムの添加によって12に調整した。水性相を濃縮し、生成物をジクロロメタン(150mL)中に取った。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、黄色の油22g(95%)が与えられた。生成物を、エレクトロスプレー質量分光測定法(ESI−MS)によって同定した(MH+計算値:307.19;実測値307.4)。粗油を、次の工程において、さらに精製することなく用いた。
(c)23−アジド−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15,18,21−ヘキサオキサトリコサン酸
17−アジド−3,6,9,12,15−ペンタオキサヘプタデカンアミン(15g、50mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、ジグリコール無水物(Acros、6.4g、55mmol)を加えた。反応混合液を一晩撹拌した。反応液をESI−MS分析によって監視し、より多くの試薬を加えて反応を完了させた。溶液を濃縮すると黄色の残留物が与えられ、これを水(250mL)中に溶解させた。生成物を、水性相からジクロロメタンで一晩連続抽出することによって、単離した。溶媒の乾燥及び蒸発によって、18g(85%)の収率が与えられた。生成物を、ESI−MS分析によって特徴付けた(MH+計算値:423.20;実測値423.4)。生成物を、次の工程において、さらに精製することなく用いた。
(d)23−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15,18,21−ヘキサオキサトリコサン酸
23−アジド−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15,18,21−ヘキサオキサトリコサン酸(9.0g、21mmol)を水(50mL)中に溶解させ、H2(g)−Pd/C(10%)を用いて還元した。反応は、ESI−MS分析が所望の生成物への完全な変換を示すまで(MH+計算値:397.2;実測値397.6)、ランさせた。粗生成物を、次の工程において、さらに精製することなく用いた。
(e)(Boc−アミノオキシ)アセチル−PEG(6)−ジグリコール酸
ジシクロヘキシルカルボジイミド(515mg、2.50mmol)のジオキサン(2.5mL)溶液を、(Boc−アミノオキシ)酢酸(477mg、2.50mmol)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(287mg、2.50mmol)のジオキサン(2.5mL)溶液に滴加した。反応液をRTにて1時間撹拌し、濾過した。濾液を、23−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15,18,21−ヘキサオキサトリコサン酸(1.0g、2.5mmol)及びNMM(278μl、2.50mmol)の水(5mL)溶液を含有する反応容器へ移送した。混合液を、RTにて30分間撹拌した。ESI−MS分析によって、所望の生成物への完全な変換が示された(MH+計算値:570.28;実測値570.6)。粗生成物を、分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μ C18(2)250×21.20mm、検出:214nm、勾配:60分にわたる0〜50% B(A=H2O/0.1% TFA、及びB=アセトニトリル/0.1% TFA)、流量:10mL/分)によって精製し、500mg(38%)の純粋生成物が与えられた。生成物を、HPLC(カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2)、50×2.00mm、検出:214nm、勾配:10分にわたる0〜50% B(A=H2O/0.1% TFA、及びB=アセトニトリル/0.1% TFA)、流量:0.75mL/分、Rt=5.52分)によって分析した。さらなる確認を、NMR分析によって実施した。
(f)(Boc−アミノオキシ)アセチル−PEG(6)−ジグリコール酸の、ペプチド1への結合
(Boc−アミノオキシ)アセチル−PEG(6)−ジグリコール酸(0.15mmol、85mg)及びPyAOP(0.13mmol、68mg)を、DMF(2mL)中に溶解させた。NMM(0.20mmol、20μL)を加え、混合液を10分間撹拌した。ペプチド1(0.100mmol、126mg)及びNMM(0.20mmol、20μL)のDMF(4mL)溶液を加え、反応混合液を25分間撹拌した。付加的なNMM(0.20mmol、20μL)を加え、混合液をさらに15分間撹拌した。DMFを減圧下で蒸発させ、生成物を10%アセトニトリル−水中に取り、分取HPLC(カラム:Phenomenex Luna 5μ C18(2)250×21.20mm、検出:UV 214nm、勾配:40分にわたる5〜50% B(A=H2O/0.1% TFA、及びB=アセトニトリル/0.1% TFA)、流量:10mL/分)によって精製し、100mgの半純粋生成物が与えられた。TFAをHCOOHに置き換えた第2精製工程(勾配:0〜30% B(それ以外は先と同じ条件))によって、89mg(50%)が与えられた。生成物を、HPLC(カラム:Phenomenex Luna 3μ C18(2)、50×2mm、検出:UV 214nm、勾配:10分にわたる0〜30% B(A=H2O/0.1% HCOOH、及びB=アセトニトリル/0.1% HCOOH)、流量:0.3mL/分、Rt:10.21分)によって分析した。さらなる生成物の特徴付けは、ESI−MS(MH22+計算値:905.4、実測値:906.0)を用いて実施した。
(g)脱保護
脱保護を、5%水含有TFAの、10mgペプチドへの添加によって、実施した。
実施例2:[ 18 F]−フルオロベンズアルデヒド( 18 F−FBA)の放射性合成
18F]−フッ化物を、GEMS PETtraceサイクロトロンを用いて、[18O](p,n)[18F]核反応を介した銀標的(silver target)によって生産した。1.5〜3.5mLの総標的容量を用いた。放射性フッ化物を、Waters QMAカートリッジ(カーボネートでプレコンディショニングした)上にトラップし、そしてフッ化物を、Kryptofix2.2.2(4mg、10.7μM)及び炭酸カリウム(0.56mg、4.1μM)の水(80μL)及びアセトニトリル(320μL)溶液で溶出した。窒素を用いて、溶液をQMAカートリッジから反応容器へ追い出した。[18F]−フッ化物を、窒素の安定流下及び減圧下で120℃にて9分間乾燥させた。DMSO(1.1mL)中トリメチルアンモニウムベンズアルデヒドトリフレート[Haka et al,J.Lab.Comp.Radiopharm.,27,823−833(1989)](3.3mg、10.5μM)を、乾燥[18F]−フッ化物に加え、混合物を105℃にて7分間加熱し、4−[18F]−フルオロベンズアルデヒドが生産された。
実施例3:[ 18 F]−フルオロベンズアルデヒド( 18 F−FBA)の精製
実施例2の粗標識化混合物を、水酸化アンモニウム溶液で希釈し、MCX+SPEカートリッジ(FASTlabシーケンスの一部として水でプレコンディショニングした)上に負荷した。カートリッジを水で洗浄し、窒素ガスで乾燥させてから、4−[18F]−フルオロベンズアルデヒドをエタノール(1.8mL)中に溶出し、反応容器に戻した。2.2mLのエタノールの全容量を溶出に用いたが、最初の部分(0.4mL)は捨てた。[18F]−FBAを含有していなかったためである。[18F]放射活性の4〜7%(崩壊を補正した)が、カートリッジ上にトラップされたままであった。
実施例4:[ 18 F]−フルシクラチド(化合物1)の調製
18F]−FBAの、前駆体1(5mg)との結合を、エタノール(1.8mL)及び水(1.8mL)の溶液において、塩酸アニリンの存在下で実施した。反応混合物を、60℃にて5分間維持した。
実施例5:[ 18 F]−フルシクラチド(化合物1)のSPE精製
精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液(実施例4)を、以下のように精製した:
(a)コンディショニング
2つの400mg tC2 SPEカートリッジ(Waters Associates)を、(i)エタノール(3mL)、(ii)水(10mL)、続いて0.5%のH3PO4(水溶液)(4mL)を用いてコンディショニングした。
(b)ローディング
精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液(実施例4)を、1%のH3PO4(水溶液)(4mL)で1:1に希釈し、工程(a)のコンディショニング済みSPEカートリッジへ、シリンジを介して移送した。未精製[18F]−フルシクラチドを含有する反応容器を、1%のH3PO4(水溶液)(1mL)で、続いて水(3mL)でリンスし、洗浄液もコンディショニング済みSPEカートリッジを通して移送した。
(c)精製
工程(b)の負荷したカートリッジを、20.1%のEtOH/79.9%の1% H3PO4(水溶液)(2×5.75mL)で洗浄した。その後、SPEカラムを水(2mL)で洗浄し、窒素ガスでフラッシュした。
(d)溶出
精製した[18F]−フルシクラチドを、工程(c)のSPEカートリッジから、80%のEtOH/20%の水(1.5mL)を用いて溶出した後、窒素ガスでフラッシュした。溶出した[18F]−フルシクラチドを、医薬製剤用のバイアルへ移送し、分配した。
FASTlab(商標)自動化合成装置(GE Healthcare Limited)と連携させた、本発明に従う[18F]−フルシクラチドの調製及びSPE精製を実施するための使用に適したカセット構成を、図1に示す。

Claims (17)

  1. 18F]−フルシクラチドの精製方法であって、
    (a)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液を、水性溶媒中に生体適合性陰イオンを有する酸を含むpH1.5〜3.5の酸性溶液で酸性化する工程と、
    (b)工程(a)の酸性化された溶液を、1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジ(210)に通す工程と、
    (c)工程(b)のSPEカートリッジ(210)を、水性溶媒中に生体適合性陰イオンを有する酸のpH1.5〜3.5の酸性溶液を含み、エタノール含有量が10〜30v/v%である第1の水性エタノール溶液で洗浄する工程と、
    (d)工程(c)の洗浄されたSPEカートリッジ(210)を、水又は水性緩衝液でリンスする工程と、
    (e)工程(d)のリンスされたSPEカートリッジ(210)を、エタノール含有量が70〜90v/v%である第2の水性エタノール溶液で溶出する工程であって、溶出液は、精製[18F]−フルシクラチドを、70〜90v/v%の水性エタノール溶液中に含む、工程と
    を含む、方法。
  2. 工程(a)及び工程(c)の酸性溶液が各々独立に0.1%のトリフルオロ酢酸、0.1〜2%のギ酸、0.1〜2%の酢酸、又は0.1〜5%のリン酸を含む、請求項1記載の方法。
  3. 工程(a)及び工程(c)の酸性溶液が各々独立に0.5〜2%のリン酸を含む、請求項2記載の方法。
  4. 逆相SPEカートリッジ(210)が2〜10%の炭素ロードを有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 第1の水性エタノール溶液のエタノール含有量が約20v/v%である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 第2の水性エタノール溶液のエタノール含有量が約80v/v%である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 逆相SPEカートリッジ(210)が、エタノール、水及び0.5%水性リン酸の1種以上でプレコンディショニングされる、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. (f)工程(e)の精製[18F]−フルシクラチド溶液を、生体適合性キャリアで希釈する工程と、
    (g)工程(f)の希釈した溶液を無菌的に濾過して、[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物を、哺乳類の投与に適したエタノール含有量0〜10v/v%の形態で得る工程と
    をさらに含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 工程(f)の生体適合性キャリアが、放射線保護剤4−アミノ安息香酸又はその生体適合性陽イオンとの塩を含む、請求項8記載の方法。
  10. 工程(a)〜工程(e)又は工程(a)〜工程(g)が自動化される、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 自動化が自動化合成装置を用いて実施される、請求項10記載の方法。
  12. 自動化合成装置が単回使用カセットを備える、請求項11記載の方法。
  13. 単回使用カセットが、
    (i)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液の収容に適した容器と、
    (ii)1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジ(210)と、
    (iii)請求項1乃至請求項3のいずれか1項で定義した酸性溶液の供給手段と、
    (iv)請求項1又は請求項5で定義した第1の水性エタノール溶液の供給手段と、
    (v)請求項1又は請求項6で定義した第2の水性エタノール溶液の供給手段と
    を備える、請求項12記載の方法。
  14. (h)工程(g)の[18F]−フルシクラチド放射性医薬組成物を、1以上の単位用量シリンジ中に分配する工程
    をさらに含む、請求項8乃至請求項13のいずれか1項記載の方法。
  15. 請求項12又は請求項13記載の自動化方法を実施するためのカセットであって、
    (i)精製すべき[18F]−フルシクラチド溶液の収容に適した容器と、
    (ii)1以上のC1−C4逆相SPEカートリッジ(210)と、
    (iii)請求項1乃至請求項3のいずれか1項で定義した酸性溶液の供給手段と、
    (iv)請求項1又は請求項5で定義した第1の水性エタノール溶液の供給手段と、
    (v)請求項1又は請求項6で定義した第2の水性エタノール溶液の供給手段と
    を備えるカセット。
  16. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法を実施するための、請求項11乃至請求項13のいずれか1項で定義した自動化合成装置の使用。
  17. 請求項11乃至請求項13のいずれか1項記載の方法を実施するための、請求項15で定義したカセットの使用。
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