JP2013515036A - 放射性ヨウ素化トロパン誘導体 - Google Patents

放射性ヨウ素化トロパン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、トリアゾール又はイソキサゾール環を含む新規な放射性ヨウ素化トロパン類を提供する。また、官能化トロパン前駆体からクリック環化付加ケミストリーを使用してトロパン類の製造方法、並びにかかる放射性ヨウ素化トロパン類を含む放射性医薬組成物も提供される。本発明はまた、放射性ヨウ素化トロパン類を用いてインビボでイメージング方法も提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規放射性ヨウ素化トロパン類を提供する。また、クリック環化付加ケミストリーを用いる官能化トロパン前駆体からのトロパン類の製造方法、並びにかかる放射性ヨウ素化トロパン類を含む放射性医薬組成物も提供する。本発明は、放射性ヨウ素化トロパン類を使用するインビボイメージング法も提供する。
トロパン類から得られる放射性造影製剤は公知であり、123I−CIT(Dopascan(商標))、123I−CIT−FP(DaTSCAN(商標))、及び123I−2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)−N−(1−ヨードプロプ−1−エン−3−イル)ノルトロパンのE異性体(Altropane(商標))が挙げられる。上記その他のトロパン系造影剤はMorgan及びNowotnik[Drug News Perspect., 12(3), 137−145 (1999)]に記載されている。
式中、I*は放射性ヨウ素同位体123Iである。
これらの薬剤はインビボでドーパミン輸送体、特にパーキンソン病を始めとするパーキンソン症候群、DLB(レビー小体型認知症)及びAD−HDのイメージングに有用である。
放射化学を始めとする生物医学研究に「クリックケミストリー」を応用することは、Nwe他の総説[Cancer Biother.Radiopharm., 24(3), 289−302 (2009)]の総説に記載されている。この総説に記載されている通り、主たる関心はPET放射性同位体18F(及び程度は少ないが11C)と、99mTc又は111InのようなSPECTイメージングに適した放射性金属に対する「キレート用クリック(click to chelate)」アプローチであった。ターゲティングペプチドの18Fクリック標識によって、18F−フルオロアルキル置換トリアゾールが組み込まれた生成物を得る方法が、Li他[Bioconj.Chem., 18(6), 1987−1994 (2007)]及びHausner他[J.Med.Chem., 51(19), 5901−5904 (2008)]に記載されている。
国際公開第2006/067376号には、Cu(I)触媒の存在下での、式(I)の化合物と式(II)の化合物又は式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応によって、それぞれ式(V)又は(VI)のコンジュゲートを得ることを含むベクターの標識法が開示されている。
式中、L1、L2、L3及びL4は各々リンカー基であり、R*は放射性核種を含むレポーター部分である。
国際公開第2006/067376号のR*は、放射性核種(例えば、陽電子放出性放射性核種)を含むレポーター部分である。その目的に適した陽電子放出性放射性核種としては、11C、18F、75Br、76Br、124I、82Rb、68Ga、64Cu及び62Cuがあり、11C及び18Fが好ましいと記載されている。その他の有用な放射性核種としては、123I、125I、131I、211At、99mTc及び111Inが挙げられると記載されている。
国際公開第2007/148089号には、Cu(I)触媒の存在下での、式(I)の化合物と式(II)の化合物又は式(III)の化合物と式(IV)の化合物との反応を含むベクターの放射性標識法が開示されている。
式中、L1、L2、L3及びL4は各々リンカー基であり、R*は放射性核種を含むレポーター部分である。
国際公開第2006/067376号及び同2007/148089号のいずれにも、例えば、当業者に公知の方法による直接導入によって、金属放射性核種がキレート剤に適切に導入されると記載されている。国際公開第2006/067376号又は同2007/148089号のいずれにも、クリック放射性ヨウ素化に特有の方法論は開示されておらず、特に、どのような組合せの式(I)〜(IV)の化合物や、どのような組合せのリンカー基L1、L2、L3、L4及びどのような種類のR*基が適しているかについては何ら開示されていない。また、国際公開第2006/067376号は18Fに焦点を当てており、フルオロアセチレンは−80℃で沸騰し、液体状態で不安定で爆発のおそれがあると報告されているので放射性標識の中間体として魅力的ではないと思われる[Middleton, J.Am.Chem.Soc., 81, 803−804 (1959)]。
国際公開第2006/067376号 国際公開第2007/148089号 Morgan and Nowotnik, Drug News Perspect., 12(3), 137-145 (1999) Nwe, Cancer Biother.Radiopharm., 24(3), 289-302 (2009) Li et al, Bioconj.Chem., 18(6), 1987-1994 (2007) Hausner et al, J.Med.Chem., 51(19), 5901-5904 (2008) Middleton, J.Am.Chem.Soc., 81, 803-804 (1959)
インビボでのドーパミン輸送体のイメージングに有望な代替放射性ヨウ素化トロパン類に対するニーズが依然として存在する。
本発明は、トリアゾール及びイソキサゾール環を含む放射性ヨウ素化トロパンを提供する。これらのトリアゾール及びイソキサゾール環は加水分解せず、酸化及び還元に極めて安定であるが、これは標識トロパンが高いインビボ安定性を有することを意味している。また、トリアゾール環はアミドとサイズ及び極性が同程度である。しかし、本発明の式(I)の生成物のトリアゾール及びイソキサゾール環は、ヨードベンゼンよりもヨード−チロシンを迅速に代謝することが知られている甲状腺脱ヨウ素化酵素によって認識されないと期待され、放射性医薬イメージング及び/又は放射線療法に対してインビボで十分に安定であると期待される。
本発明の放射性ヨウ素化トロパンはドーパミン輸送体のインビボイメージングに有用である。本発明の化合物はトリアゾール又はイソキサゾールヘテロアリール環に放射性ヨウ素が直接結合している。したがって、これらの放射性ヨウ素化生成物は、インビボでの代謝による脱ヨウ素化に対して良好な安定性を呈し、放射性ヨウ素の不要な胃及び/又は甲状腺取込みに対しても良好な安定性を示すと期待される。したがって、これらの生成物はインビボイメージング用の放射性医薬品としての使用に適しており、これは重要な利点である。
また、式(I)の化合物は、クリック放射性ヨウ素化法によって簡便に調製することができ、方法は自動合成装置での使用に容易に適合化させることができる。これに関連して、用いられるヨードアセチレン(H−≡−I)の32℃約1気圧での揮発性を都合よく利用できて放射性標識前に反応性放射性ヨウ素種を容易に蒸留することができ、その結果、生成物の放射化学純度(RCP)が最大になる。こうして、クロマトグラフィーなどによる生成物の精製プロセスの必要性が最小限となる。この点でも、揮発性放射性ヨウ素含有化学種(例えば分子状ヨウ素I2)が放射能及び/又は放射線量の損失のリスクの増大のために望ましくないと考えられる慣用放射性ヨウ素化法とは対照的である。
また、式(I)の化合物は、便利なことに、穏和な条件下で有機金属前駆体から調製することもでき、ヨードアセチレンの操作の必要性がなくなる。
第1の態様では、本発明は、次式(I)の放射性ヨウ素化トロパンを提供する。
式中、
1はC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYであり、
2は−CO2R又はYであり、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
3は、Y又はR4であって、R4は次式のものであり、
5はHal、CH3又はYであり、
Yは以下のY1又はY2基であり、
1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
*はヨウ素の放射性同位体であり、
1〜R5は、式(I)のトロパンが1個のY基を含むように選択される。
「放射性ヨウ素化」という用語は、その通常の意味を有しており、放射性標識に用いられる放射性同位体がヨウ素の放射性同位体である放射性標識法を意味する。「ヨウ素の放射性同位体」という用語は、その通常の意味を有しており、放射性であるヨウ素元素の同位体を意味する。かかる放射性同位体として好適なものには、123I、124I、125I及び131Iがある。
「トロパン」という用語も有機化学の分野で慣用される意味を有しており、式Iの非置換二環式アミン、つまり置換基R1、R2及びR3がないものをいう。
「リンカー基」という用語は、共有結合した原子鎖を含む二価基であって、他の2つ部分を共有結合で連結するものをいう。好ましくは、リンカー基は枝分れしていないものである。好ましいリンカー基については以下で説明する。
好ましい態様
第1の態様の好ましいトロパンは、YがY1、つまりトリアゾール環に放射性ヨウ素同位体が結合したものである。本発明での使用に好ましいヨウ素の放射性同位体はPET又はSPECTを用いた医用イメージングに適したものであり、好ましくは123I、124I又は131I、さらに好ましくは123I又は124I、最も好ましくは123Iである。
トロパンは合成品でも天然のものでもよいが、好ましくは合成品である。「合成品」という用語は、その通常の意味を有しており、天然の起源(例えば哺乳類の身体)から単離したものとは対照的に、人工のものを意味する。その製造及び不純物プロファイルを十分に制御できるという利点を有する。
式(I)において、好ましいリンカー基(L1)は合成品であり、式−(A)m−の基を含んでいるが、各Aは独立に−CR2−、−CR=CR−、−C≡C−、−CR2CO2−、−CO2CR2−、−NRCO−、−CONR−、−NR(C=O)NR−、−NR(C=S)NR−、−SO2NR−、−NRSO2−、−CR2OCR2−、−CR2SCR2−、−CR2NRCR2−、C4-8シクロヘテロアルキレン基、C4-8シクロアルキレン基、C5-12アリーレン基又はC3-12ヘテロアリーレン基、アミノ酸、糖又は単分散ポリエチレングリコール(PEG)構成ブロックであり、各Rは独立にH、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4アルコキシアルキル又はC1-4ヒドロキシアルキルから選択され、mは1〜20の整数である。
「ペプチド」という用語は、ペプチド結合(つまり、あるアミノ酸のアミンと別のアミノ酸のカルボキシルとを連結するアミド結合)で連結した2以上のアミノ酸(以下で定義)を含む化合物を意味する。「ペプチド模倣体」又は「模倣体」という用語は、ペプチド又はタンパク質の生物活性を模倣するが、化学的性状がペプチドでない(つまり、ペプチド結合(アミノ酸間のアミド結合)を含まない)生物活性化合物をいう。ここでは、ペプチド模倣体という用語は広義に用いられ、性状が完全にはペプチドでない分子(例えば、プソイドペプチド、セミペプチド及びペプトイド)を包含する。「ペプチド類似体」という用語は、以下に記載する1種以上のアミノ酸類似体を含むペプチドをいう。“Synthesis of Peptides and Peptidomimetics”, M. Goodman et al, Houben−Weyl E22c, Thieme参照。
「アミノ酸」という用語は、L−又はD−アミノ酸、アミノ酸類似体(例えば、ナフチルアラニン)又はアミノ酸模倣体を意味し、天然のものでも純粋な合成品であってもよく、光学的に純粋つまり単一の鏡像異性体(したがってキラルなもの)であってもよいし、鏡像異性体の混合物であってもよい。本明細書では、アミノ酸の慣用三文字略語又は一文字略語を用いる。好ましくは、本発明のアミノ酸は光学的に純粋なものである。「アミノ酸模倣体」という用語は、アイソスター(つまり、天然化合物の立体構造及び電子構造を模倣するように設計されたもの)である天然アミノ酸の合成類似体を意味する。かかるアイソスターは当業者に周知であり、特に限定されないが、デプシペプチド、レトロ−インベルソペプチド、チオアミド、シクロアルカン又は1,5−二置換テトラゾールが挙げられる[M.Goodman,Biopolymers,24,137,(1985)参照]。
1が1〜10アミノ酸残基のペプチド鎖を含む場合、アミノ酸残基は好ましくはグリシン、リシン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸又はセリンから選択される。L1がPEG部分を含む場合、好ましくは式Bio1又はBio2の単分散PEG様構造のオリゴマー化で得られる単位を含む。
かかるPEG様構造は、式Bio1(式中、pは1〜10の整数である。)の17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸でよい。或いは、式Bio2のプロピオン酸誘導体に基づくPEG様構造も使用できる。

式Bio1の17−アミノ−5−オキソ−6−アザ−3,9,12,15−テトラオキサヘプタデカン酸で、pは1〜10の整数である。代わりに、次式Bio2のプロピオン酸誘導体に基づくPEG様構造を使用することができる。
式中、pは式Bio1について定義した通りであり、qは3〜15の整数である。
式Bio2において、pは好ましくは1又は2であり、qは好ましくは5〜12である。
リンカー基がPEG又はペプチド鎖を含まない場合、好ましいL1基は、2〜10個の原子、最も好ましくは2〜5の原子、特に好ましくは2又は3原子の−(A)m−部分を構成する結合原子の主鎖を有している。
1がYである場合、R2は好ましくは−CO2Rであり、R3はR4であり、R5はHal又はCH3である。さらに好ましくは、R1がYであるとき、R2は好ましくは−CO2Rで、RがCH3であり、R3はR4であり、R5はF、Cl又はI、最も好ましくはIである。
2がYである場合、R1は好ましくはC1-4フルオロアルキルであり、R3はR4であり、R5はHal又はCH3である。さらに好ましくは、R2がYであるとき、R1は好ましくは3−フルオロプロピルであり、R3はR4であり、R5はF又はI、最も好ましくはIである。
式(I)において、R3は好ましくはYである。したがって、第1の態様の好ましい放射性ヨウ素化トロパン類は次の式(III)のものである。
式中、R11はC1-4フルオロアルキルであり、R12は−CO2Rであって、Rは式(I)で定義した通りである。
式(III)において、R11は3−フルオロプロピルであり、R12は−CO2CH3であるのが好ましい。さらに好ましくは、R11は3−フルオロプロピルであり、R12は−CO2CH3であり、リンカー基(L1)はアルキレン鎖−(CH2n−又は−(C64)−4−(CH2n−であって、各nは独立に0〜4、好ましくは0又は1、さらに好ましくは0の値の整数である。したがって、式(III)中のリンカー基は好ましくは存在しないか又はパラ−フェニレンリンカーである。存在しないのが最も好ましい。式IIIのこれらの好ましい実施形態を第2の態様(後述)の反応スキーム1〜3に示す。
式(I)において、L1は好ましくは存在しない。第1の態様の放射性ヨウ素化トロパン類は第2及び第3の態様(後述)の製造方法で得ることができる。
第2の態様では、本発明は、第1の態様で定義した式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの製造方法を提供する。本方法は、
(i)式(IA)の前駆体を用意することと、
(ii)クリック環化付加触媒存在下での上記前駆体と以下の式(II)の化合物との反応によって、クリック環化付加による式(I)の放射性ヨウ素化トロパンを得ること
を含む。
式中、
1aはC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYaであり、
2aは−CO2R又はYaであって、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
3aはYa又はR4aであって、R4aは次式のものであり、
5aはHal、CH3又はYaであり、
aはY1a又はY2a基であり、
1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
1a〜R5aは式(IA)の前駆体が1個のYa基を含むように選択される。
式中、I*は第1の態様で定義したヨウ素の放射性同位体である。
この第2の態様では、その好ましい態様を含めて基R、L1及びI*は第1の態様(上記)で定義した通りである。
「クリック環化付加触媒」という用語は、第1の態様のクリック(アルキン+アジド)又はクリック(アルキン+イソニトリルオキシド)環化付加反応を触媒することが知られている触媒を意味する。クリック環化付加反応での使用に適した触媒は、当技術分野で公知である。好ましい触媒として、Cu(I)があり、これについては以下で説明する。好適な触媒についての詳細は、Wu and Fokin[Aldrichim.Acta,40(1),7−17(2007)]及びMeldal and Tornoe[Chem. Rev.,108,2952−3015(2008)]に記載されている。
第2の態様のクリック放射性ヨウ素化法は、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、C1-4アルキルアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン又はジメチルスルホキシド、或いはそれらの水性混合物)中又は水中で実施できる。pH域4〜8、さらに好ましくは5〜7の水性緩衝液を使用してもよい。反応温度は好ましくは5〜100℃、さらに好ましくは75〜85℃、最も好ましくは室温(通例15〜37℃)である。クリック環化付加は、Meldal and Tornoe[Chem.Rev. 108,2952,Table 1(2008)]に記載の通り、適宜、有機塩基の存在下で実施してもよい。
好ましいクリック環化付加触媒はCu(I)を含む。Cu(I)触媒は、反応を進行させるのに十分な量、通例、触媒量又は過剰量(例えば、式(IIa)又は(IIb)の化合物に対して0.02〜1.5モル当量)で存在する。好適なCu(I)触媒として、CuI又は[Cu(NCCH34][PF6]のようなCu(I)塩が挙げられるが、好適には、硫酸銅(II)のようなCu(II)塩を還元剤存在下で使用してCu(I)をインサイチュで生成させてもよい。好適な還元剤には、アスコルビン酸又はその塩(例えば、アスコルビン酸ナトリウム)、ヒドロキノン、金属銅、グルタチオン、システイン、Fe2+又はCo2+が挙げられる。Cu(I)は元素態銅粒子の表面にも内因的に存在し、したがって、例えば粉体又は顆粒の形態の元素態銅も触媒として使用し得る。粒径の制御された元素態銅が好ましいCu(I)触媒源である。さらに好ましい触媒は、0.001〜1mm、好ましくは0.1mm〜0.7mm、さらに好ましくは約0.4mmの粒径を有する銅粉体としての元素態銅である。或いは、0.01〜1.0mm、好ましくは0.05〜0.5mmの直径、さらに好ましくは0.1mmの直径を有する巻き銅線を使用してもよい。Cu(I)触媒は、適宜、クリックケミストリーでCu(I)の安定化に使用されるバソフェナントロリンの存在下で使用してもよい。
式(IA)において、R1aがYaである場合、R2aは好ましくは−CO2Rであり、R3aはR4aであり、R5aはHal又はCH3である。さらに好ましくは、R1aがYaであるとき、R2aは好ましくは−CO2Rであって、RはCH3であり、R3aはR4aであり、R5aはF、Cl又はI、最も好ましくはIである。
式(IA)において、R2aがYaである場合、R1aは好ましくはC1-4フルオロアルキルであり、R3aはR4aであり、R5aはHal又はCH3である。さらに好ましくは、R2aがYaであるとき、R1aは好ましくは3−フルオロプロピルであり、R3aはR4aであり、R5aはF又はI、最も好ましくはIである。
式(IA)において、R3aは好ましくはYaである。R3aがYaである場合、R1aは好ましくはC1-4フルオロアルキルであり、R2aは−CO2Rである。さらに好ましくは、R3aがYaであるとき、R1aは好ましくは3−フルオロプロピルであり、R2aは−CO2CH3である。さらに好ましくは、R3aがYaである場合、R1aは好ましくは3−フルオロプロピルであり、R2aは−CO2CH3であり、リンカー基(L1)はアルキレン鎖−(CH2n−であって、nは0〜4、好ましくは0又は1、さらに好ましくは0の整数である。これらの好ましい実施形態を以下の反応スキーム1〜4に示す。
反応スキーム1及び2において、nは0〜4、好ましくは0又は1、最も好ましくは0の整数である。反応スキーム3及び4において、L1は−(1,4−フェニレン)−L−であり、Lは−(A)m-1−であり、Aは上記で定義した通りである。Lは好ましくは−(CH2n−である。123I−ヨードアセチレンの合成は実施例1に記載されている。
第2の態様の方法において、式(II)の化合物は好ましくは式(IIa)の化合物の脱保護によってインサイチュで生成させることができる。
式中、M1はアルキン保護基であり、I*は式(I)について定義した通りである。式(IIa)のI*の好ましい態様は式(I)について記載した通りである。
「保護基」という用語は、望ましくない化学反応を阻害又は抑制するが、分子の残りを変性させることのない十分に穏和な条件下で問題の官能基から脱離させることのできる十分な反応性を有するように設計された基を意味する。脱保護後には所望の生成物が得られる。好適なアルキン保護基は、‘Protective Groups in Organic Synthesis’, Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, Chapter 8, pages 927−933, 4th edition (John Wiley & Sons, 2007)に記載されており、トリアルキルシリル基(各アルキル基が独立にC1-4アルキルであるもの)、アリールジアルキルシリル基(アリール基が好ましくはベンジル又はビフェニルであり、アルキル基が各々独立にC1-4アルキルであるもの)、ヒドロキシメチル又は2−(2−ヒドロキシプロピル)が挙げられている。好ましいアルキン保護基はトリメチルシリルである。式IIaの保護ヨードアルキンは、放射性ヨードアルキンの揮発性を制御することができ、式(II)の所望のアルキンを制御下にインサイチュで生成させることができて、式(IA)の前駆体との反応の効率を最大限にすることができるという利点を有する。
式(IA)の非放射性前駆体はCarroll他[J.Med.Chem., 35, 1813−1817 (1992)]、Lever他[Nucl.Med.Biol., 23, 277−284 (1996)及びBioconj.Chem., 16, 644−649 (2005)]、Zou他[J.Med.Chem., 44, 4453−4461 (2001)]、Vaughan他[J.Neurosci., 19(2), 630−636 (1999)]及びNielsen他[Bioorg.Med.Chem., 17, 4900−4909 (2009)]の方法で製造することができる。アジドの一般合成法は、March’s Advanced Organic Chemistry, fifth edition, M.B.Smith and John Wiley & Sons 2001), pages1658(アジド合成法について要約されている)及びその関連セクションに記載されている。
aがY2aであるときの式(IA)のニトリルオキシドは、Ku他[Org.Lett.,(26),4185−4187(2001)]及びその引用文献に記載された方法によって得ることができる。例えば、これらは、通例、α−ハロアルドキシムをトリエチルアミンのような有機塩基で処理することによってインサイチュで生成される。好ましい合成方法並びにその後で所望のイソキサゾールを得るためのクリック環化の条件は、Hansen他[J.Org.Chem.,70(19),7761−7764(2005)]に記載されている。Hansen他は、対応アルデヒドをクロラミン−T三水和物と反応させ、次いで水酸化ナトリウムで脱塩素化することによって、所望のα−ハロアルドキシムをインサイチュで生成させている。対応アルドキシムは、対応アルデヒドをヒドロキシルアミン塩酸塩とpH9〜10で反応させることによって調製される。K.B.G.Torsell ”Nitrile Oxides,Nitrones and Nitronates in Organic Synthesis”[VCH,New York(1988)]も参照されたい。
式(II)の放射性ヨウ素化アルキンは以下の通り得ることができる。
(i)式IV又は式Vの前駆体を酸化剤の存在下で放射性ヨウ素イオンの供給原料と反応させて式IIbの化合物を得る。
式中、M2はH又はM1基であり、M1は第2の態様で定義した通りであり、各Raは独立にC1-4アルキルである。
式中、I*は第1の態様で定義した通りである。
(ii)M2がM1基である場合は、脱保護してM1基を除去する。
好適な保護基M1は上述の通りである。脱保護条件はProtective Groups in Organic Synthesis, Theodora W. Greene and Peter G. M. Wuts, Chapter 8, pages 927−933, 4th edition (John Wiley & Sons, 2007)に記載されている。
式IV又はVの前駆体は非放射性である。式(IV)の前駆体の幾つかは市販されている。例えば、トリアルキルスズ化合物Bu3Sn−≡−H及びBu3Sn−≡−SiMe3はSigma−Aldrichから市販されている。他の有機スズ中間体は、Ali他[Synthesis,423−445(1996)]に記載されている。好適な酸化剤はBolton[J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)]に記載されている。好ましい酸化剤はpH約4の過酢酸(市販品)及びpH約1の過酸化水素/HCl水溶液である。M2がHである場合、式IIbの化合物はヨードアセチレンである。非放射性(127I)類似体の合成はKu他[Org.Lett., 3(26), 4185−4187 (2001)]に記載されている。放射性ヨウ素化プロセスで過酢酸を用いる、式(V)に類似のアルキニルトリフルオロホウ酸カリウム前駆体を介する123I−標識アルキニルヨウ化物の合成はKabalka他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,48,359−362(2005)]に記載されている。対応アルキンからのアルキニルトリフルオロホウ酸カリウム前駆体の合成は上記文献、並びにKabalka他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,49,11−15(2006)]に記載されている。これらのアルキニルトリフルオロホウ酸カリウム前駆体は空気及び水の両方に安定な結晶性固体であると記載されている。
第3の態様では、本発明は、第1の態様で定義した式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの製造方法を提供する。本方法は、
(i)式(IB)の前駆体を用意することと、
(ii)酸化剤の存在下で上記前駆体を放射性ヨウ素イオンを反応させて式(I)の放射性ヨウ素化トロパンを得ること
を含む。
式中、
1はC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYbであり、
2は−CO2R又はYbであって、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
3はYb又はR4であって、R4は次式のものであり、
5はHal、CH3又はYbであり、
bはY1b又はY2b基であり、
1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
QはRa 3Sn−又はKF3B−であって、各Raは独立にC1-4アルキルであり、
1〜R5は式(IB)の前駆体が1個のYb基を含むように選択される。
第3の態様におけるR、L1及びI*基はその好ましい態様を含めて第1の態様(上記)で定義した通りである。Qは好ましくはRa 3Sn−である。Ybは好ましくはY1bである。
「酸化剤」という用語は、ヨウ素イオンを酸化して求電子性化学種(HOI、H2OI)を形成することができる酸化剤を意味し、活性なヨウ素化剤はI+である。好適な酸化剤はBolton[J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)]、及びEersels他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,48,241−257(2005)]に記載されており、過酢酸及びN−クロロ化合物、例えばクロラミン−T、ヨードゲン、ヨードゲンチューブ及びスクシンイミドが挙げられる。好ましい酸化剤はpH約4の過酢酸(市販品)及びpH約1の過酸化水素/HCl水溶液である。ヨードゲンチューブはThermo Scientific Pierce Protein Research Productsから市販されている。
「放射性ヨウ素イオン」という用語は、ヨウ素イオン(I-)の化学形態にあるヨウ素の放射性同位体(上記で定義した通り)を意味する。
QがRa 3Sn−である場合、第3の態様の放射性ヨウ素化法はBolton[J.Lab.Comp.Radiopharm.,45,485−528(2002)]及びEersels他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,48,241−257(2005)]に記載の通り実施される。有機スズ前駆体はAli他[Synthesis,423−445(1996)]に記載の通り製造される。
QがKF3B−である場合、第3の態様の放射性ヨウ素化反応法はKabalka他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,48,359−362(2005)]に記載の通り酸化剤として過酢酸を用いて実施できる。QがKF3B−である前駆体はKabalka他[J.Lab.Comp.Radiopharm.,48,359−362(2005)及びJ.Lab.Comp.Radiopharm.,49,11−15(2006)]に記載の通り対応アルキンから得ることができる。トリフルオロホウ酸カリウム前駆体は空気と水の両方に安定な結晶性固体であると記載されている。
第3の態様の放射性ヨウ素化反応は、適当な溶媒(例えば、アセトニトリル、C1-4アルキルアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)又はジメチルスルホキシド、或いはそれらの水性混合物)中又は水中で実施できる。水性緩衝液も使用できる。pHは使用する酸化剤に依存し、通例、例えば過酸化水素/酸水溶液を使用する場合pH0〜1、又はヨードゲン又はヨードゲンチューブを使用する場合pH6〜8の範囲である。放射性ヨウ素化反応温度は好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは15〜50℃、最も好ましくは周囲温度(通例15〜37℃)である。有機溶媒(アセトニトリル又はTHFなど)及び/又は昇温の使用は、水に難溶性の式(IB)の前駆体を可溶化するのに好適に使用できる。
第2又は第3の態様の製造方法は、好ましくは、式(I)の生成物が放射性医薬組成物として得られるように、無菌的に実施される。放射性医薬組成物についての詳細は、第4の態様(後述)で説明する。このように、本方法は無菌製造条件下で実施され、所望の無菌で非発熱性の放射性医薬品生成物が得られる。したがって、装置の重要な部品、特に式(I)の生成物と接触する部材(例えば、バイアル及び輸送管)は無菌であるのが好ましい。部品及び試薬は、無菌濾過、或いは例えば、γ線照射、オートクレーブ処理、乾熱又は化学処理(例えば、エチレンオキシドによる)を用いた最終滅菌を始めとする、当技術分野で公知の方法によって滅菌できる。非放射性成分を予め滅菌しておけば、放射性ヨウ素化された放射性医薬品生成物に関して最小限の数の操作を実施すれば済むので好ましい。ただし、予防策として、少なくとも最終無菌濾過段階を含めておくのが好ましい。
式(IA)又は(IB)の前駆体並びにその他の試薬及び溶媒は、各々、無菌健全性及び/又は放射能安全性、さらに適宜ヘッドスペースの不活性ガス(例えば、窒素又はアルゴン)を維持できるとともに、注射器又はカニューレでの溶液の添加及び吸引も行うことのできる密封容器からなる適当なバイアル又は容器に入れた状態で供給される。かかる容器として好ましいのは、気密蓋をオーバーシール(通例アルミニウム製)と共にクリンプオンしたセプタムシールバイアルである。蓋は、無菌健全性を維持したまま皮下注射針で1回又は複数回穿刺するのに適したもの(例えば、クリンプオン式セプタムシール蓋)である。かかる容器は、所望に応じて(例えばヘッドスペースガスの交換又は溶液の脱気のため)真空に蓋が耐えるとともに、酸素や水蒸気のような外部雰囲気ガスを侵入させずに減圧のような圧力変化に耐えるという追加の利点がある。反応容器は好適にはこのような容器及びその好ましい実施形態から選択される。反応容器は、好ましくは生体適合性プラスチック(例えば、PEEK)から製造される。
第2又は第3の態様の方法は、好ましくは自動合成装置を用いて実施される。「自動合成装置」という用語は、Satyamurthy他[Clin.Positr.Imag.,(5),233−253(1999)]に記載されているような単位操作の原理に基づく自動化モジュールを意味する。「単位操作」という用語は、複雑なプロセスが一連の簡単な操作又は反応に集約されることを意味し、広範な材料に適用できる。かかる自動合成装置は、本発明の方法、特に放射性医薬品生成物が所望される場合の本発明の方法に好ましい。これらは、GE Healthcare社、CTI社.、Ion Beam Applications社(ベルギー国、B−1348ルヴァン・ラ・ヌーブ、シュマン・デュ・シクロトロン3)、Raytest社(ドイツ)及びBioscan社(米国)を始めとする様々な供給業者から市販されている[Satyamurthy他、上掲]。
市販の自動合成装置は、放射性医薬品の製造の結果生じる液体放射性廃棄物用の適当な容器も提供する。自動合成装置は、適切に設計された放射能作業セル内で使用するように設計されているので、通例、放射線遮蔽が設けられていない。放射能作業セルは、潜在的な放射線量からオペレーターを保護するのに適した放射線遮蔽をもたらすとともに、化学薬品蒸気及び/又は放射性蒸気を除去するための換気装置を与える。自動合成装置は、好ましくはカセットを備える。「カセット」という用語は、合成装置の可動部材の機械的運動がカセットの外側から(即ち、外部から)カセットの動作を制御するように、自動合成装置(以下に定義する)に着脱自在かつ交換可能に装着できるように設計された装置を意味する。好適なカセットは直線状に並んだ弁の列を含み、その各々は倒立セプタムシールバイアルの針穿刺又は気密連結継手によって試薬又はバイアルを装着することができるポートに結合している。各弁は、自動合成装置の対応する可動アームとかみ合うはめ込み型継手を有している。カセットを自動合成装置に装着した場合、アームの外部回転が弁の開閉を制御する。自動合成装置の追加の可動部材は、注射器のプランジャー先端をつかみ、注射器外筒を上昇又は降下させるように設計されている。
カセットは汎用性であり、通例は試薬を装着することができる複数の位置、及び試薬のシリンジバイアル又はクロマトグラフィー用カートリッジ(例えば、SPE)の装着に適した複数の位置を有している。カセットは常に反応容器を含んでいる。かかる反応容器は好ましくは1〜10cm3、最も好ましくは2〜5cm3の容積を有しており、カセットの様々なポートから試薬又は溶媒を移送できるように、カセットの3以上のポートが反応容器に連結されるように構成されている。好ましくは、カセットは直線状に並んだ15〜40個の弁、最も好ましくは20〜30個の弁を有しており、25個の弁が特に好ましい。カセットの弁は好ましくは各々同一であり、最も好ましくは三方弁である。カセットは放射性医薬品製造に適するように設計され、医薬グレードの材料であって理想的には放射線分解にも耐える材料で製造される。
本発明の好ましい自動合成装置は、放射性ヨウ素化された放射性医薬品の所定バッチの製造を実施するのに必要なすべての試薬、反応容器及び機器を含むディスポーザブルつまり使い捨てカセットを備えている。かかるカセットは、単にカセットを交換するだけで、相互汚染のリスクを最小限に抑えながら各種の放射性ヨウ素標識放射性医薬品を製造できる融通性を自動合成装置が有することを意味する。カセットアプローチには、装置構成の単純化とそれに伴うオペレーターエラーのリスクの低減、GMP(Good Manufacturing Practice)コンプライアンスの向上、マルチトレーサー能力、生産作業間の迅速な変更、カセット及び試薬の作業前自動診断検査、実施すべき合成と化学試薬との自動バーコードクロスチェック、試薬のトレーサビリティ、使い捨てであり、そのため相互汚染のリスクがなく、改竄及び誤用を防ぐことができるという利点がある。
第4の態様では、本発明は、第1の態様に係る式(I)の化合物の有効量を、生体適合性担体と共に含む放射性医薬組成物を提供する。第4の態様における式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの好ましい実施形態は第1の態様(上記)で説明した通りである。
「生体適合性担体」は、1種以上の薬学的に許容される補助剤、賦形剤又は希釈剤を含む。これは、好ましくは、式(I)の化合物を懸濁又は溶解できる流体、特に液体であって、組成物が生理学的に認容できるもの、つまり毒性も耐え難い不快感も伴わずに哺乳類の身体に投与することができるようなものである。生体適合性担体は好適には注射可能な担体液であり、例えば、発熱物質を含まない注射用の滅菌水、食塩液のような水溶液(これは注射用の最終製剤が等張性又は非低張性となるように調整するのに都合がよい)、1種以上の張度調節物質(例えば血漿陽イオンと生体適合性対イオンとの塩)、糖(例えばグルコース又はスクロース)、糖アルコール(例えばソルビトール又はマンニトール)、グリコール(例えばグリセロール)その他の非イオン性ポリオール材料(例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコールなど)の水溶液である。生体適合性担体は、エタノールのような生体適合性有機溶媒を含んでいてもよい。かかる有機溶媒は、親油性化合物又は製剤を可溶化するのに有用である。好ましくは、生体適合性担体は発熱物質を含まない(パイロジェンフリーの)注射用水、等張食塩水又はエタノール水溶液である。静注用の生体適合性担体のpHは、好適には4.0〜10.5の範囲内にある。
第5の態様では、本発明は、第1の態様で定義した式(I)の放射性ヨウ素化トロパン又は第4の態様の放射性医薬組成物を製造するための、第2の態様で定義した式(IA)の前駆体又は第3の態様で定義した式(IB)の前駆体の使用を提供する。
第5の態様における前駆体、放射性ヨウ素化トロパン及び放射性医薬組成物の好ましい態様は上記の通りである。
第6の態様では、本発明は、第2又は第3の態様の方法を実施するための自動合成装置の使用を提供する。
自動合成装置及びその好ましい実施形態は、第2及び第3の態様(上述)で記載した通りである。
第7の態様では、本発明は、ヒト又は動物の身体の画像を形成する方法であって、第1の態様の放射性ヨウ素化トロパン又は第4の態様による放射性医薬組成物を投与して、トロパン又は組成物が分布した身体の少なくとも一部分の画像をPET又はSPECTを用いて生成させることを含む方法を提供する。この画像は、インビボでのドーパミン輸送体のイメージング、特にパーキンソン病を始めとするパーキンソン症候群、DLB(レビー小体型認知症)及びAD−HD(注意欠陥多動性障害)のイメージングに有用であると期待される。
追加の態様では、本発明は、薬剤によるヒト又は動物の身体の治療効果をモニターする方法であって、第1の態様の放射性ヨウ素化トロパン又は第4の態様の組成物を身体に投与し、化合物又は組成物が分布した身体の少なくとも一部における化合物又は組成物の取込みをPET又はSPECTを用いて検出することを含む方法を提供する。
この最後の態様における投与と検出は、ヒト又は動物における薬剤治療の効果を求めることができるように、好ましくは薬剤による治療の前後に実施される。薬剤治療が、治療の過程を含む場合、イメージングは治療の途中に実施することもできる。
本発明を以下の実施例で例証する。実施例1は、123I−ヨードアセチレンの合成を例示する。実施例2は、放射性ヨウ素化トリアゾール環を形成する、123I−ヨードアセチレンのアジド誘導体へのクリック環化付加を例示する。実施例3は、放射性ヨウ素化イソキサゾール環を形成する、123I−ヨードアセチレンのイソニトリルオキシド誘導体へのクリック環化付加を例示する。実施例4は、トリアゾール−トリブチルスズ結合を有するトリアゾール放射性ヨウ素化前駆体を形成する、トリブチルスズ−アルキンのアジド誘導体へのクリック環化付加を例示する。実施例5は、実施例4の前駆体を放射性ヨウ素化生成物に変換する条件を例示する。実施例6は、イソニトリルオキシド誘導体からのクリック環化付加による、イソキサゾール−トリブチルスズ結合を有するイソキサゾール放射性ヨウ素化前駆体の合成を例示する。
実施例7は、実施例6の前駆体を介しての放射性ヨウ素化イソキサゾールの合成を例示する。実施例8は、アジド官能化トロパンの合成を例示する。実施例9は、(トリブチルスズ)トリアゾール官能化トロパンの合成を例示する。実施例10は、アルデヒド官能化トロパンの合成を例示する。実施例11は、(トリブチルスズ)イソキサゾール官能化トロパンの合成を例示する。実施例12は、放射性ヨウ素化トリアゾール官能化トロパンの合成を例示する。実施例13は、放射性ヨウ素化イソキサゾール官能化トロパンの合成を例示する。
略号
DMF: ジメチルホルムアミド
HPLC: 高速液体クロマトグラフィー
MeCN: アセトニトリル
PAA: 過酢酸
RCP: 放射化学純度
RT: 室温。
実施例1:過酢酸酸化剤を用いた[ 123 I]−ヨードアセチレンの調製及び蒸留
氷上のWheatonバイアルに、酢酸アンモニウム緩衝液100μl、0.2M、pH4)、[127I]ヨウ化ナトリウム(10μl、0.01M水酸化ナトリウム中10mM溶液、1×10-7モル)、[123I]ヨウ化ナトリウム(20μl、53MBq)、過酢酸(10μl、10mM溶液、1×10-7モル)及びTHF中エチニルトリブチルスタナン溶液(Sigma−Aldrich、38μl、1mg/ml、1.2×10-7モル)を加えた。最後に、460μlのTHFを加え、Wheatonバイアルを密封し、反応混合物を室温に暖めた後、逆相HPLC分析をしたところ、放射化学純度(RCP)75%の[123I]−ヨードアセチレンが示された(tR12.3分、System A)。
反応混合物を80〜100℃で30分間加熱し、その間に[123I]−ヨードアセチレン及びTHFが短管を通して氷上の収集バイアルに留出した。この後、加熱されたバイアルの隔膜を介して低流量の窒素を通してあらゆる残留する液体を管から除いた。[123I]−ヨードアセチレンを38.6%の収率(崩壊補正なし)で回収した。RCPは94%(tR12.3分、System A)。
HPLC System A
A = 水
B = アセトニトリル
カラム C18(2) Phenonenex Luna、150×4.6mm、5ミクロン。
実施例2:1−ベンゼン−4−[ 123 I]−ヨード−1H−1,2,3−トリアゾールの調製(理論実験例)
銅粉末(200mg、−40メッシュ)、リン酸ナトリウム緩衝液(200μL、pH6、50mM)を仕込み氷上に置いたWheatonバイアルに、[123I]−ヨードアセチレン及びベンジルアジド(1mg、7.5×10-6モル)を加える。試薬添加の後、氷浴を除き、必要に応じて加熱しながら反応物を室温に保温する。1−ベンゼン−4−[123I]−ヨード−1H−1,2,3−トリアゾールを逆相HPLCで精製する。
実施例3:5−[ 123 I]−ヨード−3−フェニルイソキサゾールの調製(理論実験例)
銅粉末(50mg、−40メッシュ)、硫酸銅(II)(3.8μg、1.53×10-8モル、水中0.5mg/mL溶液)、リン酸ナトリウム緩衝液(100μL、50mM、pH6)を仕込み氷上に置いたWheatonバイアルに、[123I]−ヨードアセチレン及びベンゾニトリル−N−オキシド(1mg、8.4×10-6モルを加える。試薬添加の後、氷浴を除き、必要に応じて加熱しながら反応物を室温に保温する。5−[123I]−ヨード−3−フェニルイソキサゾールを逆相HPLCで精製する。
実施例4:1−フェニル−4−(トリブチルスタニル)−1H[1,2,3]トリアゾールの調製(理論実験例)
フェニルアジドはSigma−Aldrichから入手するか或いはBiochem.J.,179,397−405(1979)に記載の方法で合成することができる。トリブチルエチニルスタナン(Sigma Aldrich、400mg、1.27mmol)のTHF(4ml)溶液をフェニルアジド(169mg、1.27mmol)、ヨウ化銅(I)(90mg、0.47mmol)、及びトリエチルアミン(256mg、2.54mmol)で室温で48時間処理する。次いで、反応物をセライトに通して濾過してヨウ化銅(I)を除去し、ペトロール中5〜20%酢酸エチル勾配でシリカクロマトグラフィーにかける。第2の画分を収集し、真空中で濃縮して1−フェニル−4−(トリブチルスタニル)−1H[1,2,3]トリアゾールを無色の油として得る。
実施例5:酸化剤として過酢酸を用いた[ 123 I]−1−フェニル−4−ヨード−1H[1,2,3]トリアゾールの調製(理論実験例)
5〜20μLの0.05M水酸化ナトリウムに入れた[123I]ヨウ化ナトリウムに、酢酸アンモニウム緩衝液(100μL、pH4.0、0.2M)、[127I]ヨウ化ナトリウム(10μL、0.01M水酸化ナトリウム中1mM溶液、1×10-8モル)、過酢酸(PAA)溶液(10μL、1mM溶液、1×10-8モル)を加え、最後に、アセトニトリルに溶解した1−フェニル−4−トリブチルスタニル−1H[1,2,3]トリアゾール(実施例4、43μg、1×10-7モル)を加える。反応混合物を室温に15分間保温した後、HPLCで精製する。
実施例6:3−フェニル−5−(トリブチルスタニル)イソキサゾールの調製(理論実験例)
tert−ブタノール及び水(1:1)80ml中の(E)−ベンズアルデヒドオキシム(Sigma Aldrich、3.3g、20mmol)を、クロラミンT三水和物(Sigma Aldrich、5.9g、21mmol)で少しずつ5分間処理する。次いで、反応物を硫酸銅五水和物(0.15g、0.6mmol)及び銅削り屑約50mg及びトリブチルエチニルスタナン(6.3g、20mmol)で処理する。次に、反応物を水酸化ナトリウム溶液でpH6に調節し、6時間攪拌する。反応混合物を希水酸化アンモニウム溶液で処理してすべての銅塩を除去する。生成物を濾過によって収集し、酢酸エチルに再溶解し、シリカゲルのショートプラグに通して濾過する。濾液を真空中で濃縮して3−フェニル−5−(トリブチルスタニル)イソキサゾールを得る。
実施例7:5−[ 123 I]−ヨード−3−フェニルイソキサゾールの製造・調製(理論実験例)
5〜20μLの0.05M水酸化ナトリウム中に入れた[123I]ヨウ化ナトリウムに、酢酸アンモニウム緩衝液(100μL、pH4.0、0.2M)、[127I]ヨウ化ナトリウム(10μL、0.01M水酸化ナトリウム中1mM溶液、1×10-8モル)、過酢酸(PAA)溶液(10μL、1mM溶液、1×10-8モル)を加え、最後に、アセトニトリルに溶解した3−フェニル−5−トリブチルスタニル−イソキサゾール(実施例6、43μg、1×10-7モル)を加える。反応混合物を室温に15分間保温した後HPLCで精製する。
実施例8:(1R,2R,5S)−メチル3−アジド−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
7アジドへの変換は、Tetrahedron Letters;vol.41(49);p.9575−9580(2000)に記載の方法と同様の方法を使用する。すなわち、メタノール(10ml)中に溶解した(1R,2R,5S)メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−オキソ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン[1g、4.1mmol、Tetrahedron Letters Vol.37(31),5479−5482(1996)に記載の通り調製]をヒドラジン(131mg、4.1mmol)で処理し、室温で2時間放置する。次に、反応混合物をシアノ水素化ホウ素ナトリウム(516mg、8.2mmol)で処理し、1N塩酸でpH4に調節する。反応物を室温に3時間放置した後、亜硝酸ナトリウム(276mg)で処理し、この反応物をさらに2時間室温に放置する。次いで、反応物を真空中で濃縮してガム状にし、酢酸エチルと重炭酸ナトリウム溶液に分配する。次に、酢酸エチル溶液を真空中で濃縮してガム状にし、ペトロール中5〜20%酢酸エチル勾配でシリカクロマトグラフィーにかけて、(1R,2R,5S)−メチル3−アジド−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートを得る。
実施例9:(1R,2R,5S)−メチル3−(4トリブチルスタニル)1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
THF(50ml)中の(1R,2R,5S)−メチル3−アジド−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレート(1g、3.7mmol)をトリメチルエチニルスタナン(703mg、3.7mmol)及びヨウ化銅(I)(50mg)で処理した後、反応物を還流下で2時間加熱する。次いで、反応混合物を放冷した後、真空中で濃縮してガムを得、これをペトロール中5〜50%酢酸エチル勾配を用いたシリカクロマトグラフィーで精製して(1R,2R,5S)−メチル3−(4−トリブチルスタニル)1H−1,2,3,トリアゾール−1−イル)−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートを得る。
実施例10:(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−ホルミル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
THF(50ml)中の、実施例8に記載の通り調製した(1R,2R,5S)メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−オキソ−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン(1g、4.1mmol)を、(メトキシメチル)トリフェニルホスホラン(4.1mmol、水素化ナトリウムによる脱プロトン化によって対応イリドから調製)と反応させてビニルエーテルを得る。このビニルエーテルを、1N塩酸の添加及び2時間加熱還流して直接加水分解する。反応物を真空中で濃縮してTHFの大半を除き、生成物を水と酢酸エチルへ分配して回収する。酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮してガムを得、これをペトロール中10〜30%酢酸エチル勾配でシリカクロマトグラフィーで精製して(1R,2S,5S,)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−ホルミル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートを主画分として得る。
実施例11:(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−(5−(トリブチルスタニル)オキサゾール−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
アセトニトリル(50ml)中の(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−ホルミル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレート(1g、3.8mmol)をヒドロキシルアミン塩酸塩(270mg、3.8mmol)及び水酸化ナトリウム(152mg、3.8mmol)と反応させ、次いで反応混合物を室温で2時間攪拌する。この混合物にクロラミンT(3.8mmol)を加え、反応物を室温で15分間攪拌する。次に、さらに水酸化ナトリウム(152mg、3.8mmol)を加え、反応物をさらに15分攪拌する。次いで、反応混合物をトリブチルエチニルスタナン(1.187g、3.8mmol)及び塩化銅(I)(50mg)で処理する。次に、反応物を真空中で濃縮し、酢酸エチルと水に分配して生成物を回収する。酢酸エチル層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮してガムにする。次いで、このガムをペトロール中5〜20%酢酸エチル勾配でシリカクロマトグラフィーにかける。主画分を収集して(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−(5−(トリブチルスタニル)オキサゾール−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートを得た。
実施例12:[ 123 I]−(1R,2R,5S)−メチル3−(ヨード)1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
5〜20μLの0.05M水酸化ナトリウム中に入れた[123I]ヨウ化ナトリウムに、酢酸アンモニウム緩衝液(100μL、pH4.0、0.2M)、[127I]ヨウ化ナトリウム(10μL、0.01M水酸化ナトリウム中1mM溶液、1×10-8モル)、過酢酸(PAA)溶液(10μL、1mM溶液、1×10-8モル)を加え、最後にアセトニトリルに溶解した(1R,2R,5S)−メチル3−(4−トリブチルスタニル)1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレート(58μg、1×10-7モル)を加える。反応混合物を室温に15分放置した後、ヨウ素化生成物[123I]−(1R,2R,5S)−メチル3−(ヨード)1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−8−(3−フルオロプロピル)−8−アザビシクロ[3,2,1]オクタン−2−カルボキシレートをHPLCで精製する。
実施例13:[ 123 I]−(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−(5−ヨードオキサゾール−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートの調製(理論実験例)
5−20μLの0.05M水酸化ナトリウム中に入れた[123I]ヨウ化ナトリウムに、酢酸アンモニウム緩衝液(100μL、pH4.0、0.2M)、[127I]ヨウ化ナトリウム(10μL、0.01M水酸化ナトリウム中1mM溶液、1×10-8モル)、過酢酸(PAA)溶液(10μL、1mM溶液、1×10-8モル)を加え、最後にアセトニトリルに溶解した(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−(5−(トリブチルスタニル)オキサゾール−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレート溶液(58μg、1×10-7モル)を加える。反応混合物を室温に15分放置した後、ヨウ素化生成物[123I]−(1R,2S,5S)−メチル8−(3−フルオロプロピル)−3−(5−ヨードオキサゾール−2−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−2−カルボキシレートをHPLCで精製する。

Claims (16)

  1. 次の式(I)の放射性ヨウ素化トロパン。
    式中、
    1はC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYであり、
    2は−CO2R又はYであって、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
    3はY又はR4であって、R4は次式のものであり、
    5はHal、CH3又はYであり、
    Yは以下のY1又はY2基であり、
    1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
    *はヨウ素の放射性同位体であり、
    1〜R5は、式(I)のトロパンが1個のY基を含むように選択される。
  2. *123I、124I又は131Iから選択される、請求項1記載の放射性ヨウ素化トロパン。
  3. YがY1である、請求項1又は請求項2記載の放射性ヨウ素化トロパン。
  4. 1がYであり、R2が−CO2Rであり、R3がR4であり、R5がHal又はCH3である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の放射性ヨウ素化トロパン。
  5. 2がYであり、R1がC1-4フルオロアルキルであり、R3がR4であり、R5がHal又はCH3である、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の放射性ヨウ素化トロパン。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの製造方法であって、
    (i)式(IA)の前駆体を用意すること、
    (ii)クリック環化付加触媒存在下での上記前駆体と以下の式(II)の化合物との反応によって、クリック環化付加による式(I)の放射性ヨウ素化トロパンを得ること
    を含む方法。
    式中、
    1aはC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYaであり、
    2aは−CO2R又はYaであって、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
    3aはYa又はR4aであって、R4aは次式のものであり、
    5aはHal、CH3又はYaであり、
    aは以下のY1a又はY2a基であり、
    1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
    1a〜R5aは式(IA)の前駆体が1個のYa基を含むように選択される。
    式中、I*は請求項1又は請求項2で定義したヨウ素の放射性同位体である。
  7. クリック環化付加触媒がCu(I)を含む、請求項6記載の方法。
  8. 式(II)の化合物が以下の式(IIa)の化合物の脱保護によってインサイチュで生成される、請求項6又は請求項7記載の方法。
    式中、M1はアルキン保護基である。
  9. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの製造方法であって、
    (i)式(IB)の前駆体を用意すること、
    (ii)酸化剤の存在下での上記前駆体と放射性ヨウ素イオンとの反応によって、式(I)の放射性ヨウ素化トロパンを得ること
    を含む方法。
    式中、
    1はC1-4アルキル、C1-4フルオロアルキル又はYbであり、
    2は−CO2R又はYbであって、RはC1-4アルキル、C5-8アリール又はC5-10アラルキルであり、
    3はYb又はR4であって、R4は次式のものであり、
    5はHal、CH3又はYbであり、
    bは以下のY1b又はY2b基であり、
    1はリンカー基であって、存在していても、存在していなくてもよく、
    QはRa 3Sn−又はKF3B−であって、各Raは独立にC1-4アルキルであり、
    1〜R5は式(IB)の前駆体が1個のYb基を含むように選択される。
  10. 式(I)の生成物が放射性医薬組成物として得られるように無菌的に実施される、請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 自動合成装置を用いて実施される、請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパンの有効量を生体適合性担体と共に含む放射性医薬組成物。
  13. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパン又は請求項12記載の放射性医薬組成物を製造するための、請求項6記載の式(IA)の前駆体又は請求項9記載の式(IB)の前駆体の使用。
  14. 請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の方法を実施するための自動合成装置の使用。
  15. ヒト又は動物の身体の画像を形成する方法であって、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパン又は請求項12記載の放射性医薬組成物を投与し、化合物又は組成物が分布した身体の少なくとも一部分の画像をPET又はSPECTを用いて生成させることを含む方法。
  16. 薬剤によるヒト又は動物の身体の治療の効果をモニターする方法であって、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の式(I)の放射性ヨウ素化トロパン又は請求項12記載の放射性医薬組成物を身体に投与し、トロパン又は組成物が分布した身体の少なくとも一部におけるトロパン又は組成物の取込みをPET又はSPECTを用いて検出し、投与と検出を任意ではあるが好ましくは薬剤による治療の前後又は途中に実施することを含む方法。
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