JP2015517403A - 物質を媒体から分離するための装置 - Google Patents
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Abstract
遠心力によって少なくとも1つの物質を液状のまたはガス状の媒体から分離するための装置(1)は、分離チャンバ(2)を有するハウジングを具備する。分離チャンバへは、分離される混合物が導入され、かつ回転される。分離チャンバ(2)へは、2つの浸漬管(3および4)が突入しており、これらの浸漬管を通って、洗浄された媒体が流出する。ハウジングの下端には、分離された物質のための排出開口部(6)が設けられている。分離チャンバ(2)の内部に設けられた、浸漬管(3および4)の端部の間には、浸漬管(3および4)と結合されたディフューザ(10)が設けられている。ディフューザ(10)は、複数の、特に3つの湾曲したガイドベーン(11)を有する。これらのガイドベーンは、媒体の回転方向に見て、浸漬管(3および4)の周面からの距離を離隔し、すなわち、浸漬管(3および4)の軸線(5)に接近する。ディフューザ(10)には、必要な場合には、複数のプレート(14)が設けられている。これらプレートは、スワールブレーカとして、浸漬管(3および4)を通ってかつ装置(1)から流れ出る洗浄された媒体の層流を保証する。【選択図】 図1
Description
本発明は、遠心力によって少なくとも1つの物質を液状のまたはガス状の媒体から分離するための装置に関し、この物質は、媒体とは異なる比重を有する。該装置は、ハウジングと、物質と媒体とからなる混合物をハウジングの軸線を中心として回転させるための手段と、浸漬管が突入している相手方である分離チャンバと、分離した物質のための排出開口部と、を具備し、媒体は、分離チャンバから浸漬管を通って排出される。
独立請求項1の上位概念の特徴を有する装置は、特許文献1または特許文献2から公知である。
これらの公知の装置において、1つの分離される物質または複数の分離される物質が少なくとも部分的に、好ましくは完全に除去された媒体を排出するために、分離チャンバに突入している複数の浸漬管が設けられている。
特許文献3からは、これらの浸漬管の間にガイドプレートの形態をとるガイド手段を設けることが公知である。
従来の技術(例えば、特許文献4、特許文献5)では、更に、浸漬管に設けられたガイド手段が公知である。該ガイド手段は、ガイドプレートを有する。しかし、ガイドプレートは、浸漬管の軸線に平行に整列されている軸線を中心としてのみ湾曲されている。このことによって、径方向のみの加速が生じる。しかしながら、この加速は、媒体を浸漬管に流出させることになんら寄与しない。
更に、従来の技術では、浸漬管の入口端部に複数のベーンを有するプロペラ状のガイド手段が知られている。個々のベーンは、浸漬管に流入する媒体の回転運動を減少させ、または完全に排除することを意図するように、向けられている。しかしながら、これらの実施の形態は、実地では、流体工学上の問題の故に有効ではなかった。その理由は、浸漬管の注ぎ口の領域における実際の流れが知られていないことである。
複数の浸漬管を有する、遠心力の作用下で物質混合物を分離するための装置は、特許文献6、特許文献7および特許文献8から公知である。
特許文献9および該特許文献に対応する特許文献10からは、分離チャンバの内部に設けられた、浸漬管の端部、その端部に設けられているガイド手段であって、実質的に円錐台形に湾曲したガイドプレートを有するガイド手段が公知である。浸漬管に設けられたガイド手段の、この知られた実施の形態では、これらのガイド手段は、2つの浸漬管の各々に対し別個に形成されている。
本発明の課題は、遠心分離のための装置、すなわち、特に、埃または他の固体あるいは液体を、気体または液体から分離するための装置、全く一般的には、比重の大きい(液状のまたは固体の)成分(物質)を、液状のまたはガス状の媒体から分離するための装置を提供することであって、物質および媒体は、実質的に混合不能であり、あるいは、不溶解であり、分離は、低いエネルギ消費で、および(特許文献9および10から公知の装置の分離度)より高い分離度で実行することができる。
本発明によれば、このことは、請求項1の特徴を有する装置によって、達成される。
従属請求項は、本発明の有利なかつ好ましい実施の形態に関する。
本発明に係わる装置の利点は、浸漬管の間に、浸漬管を物理的に相互に結合するディフューザが設けられていることによって、実質的にこのことによって、生じる。
実施の形態では、装置の中で流れを再積層するために、ディフューザに、複数のスワールブレーカが設けられていることが意図されていてもよい。
本発明に係わる装置は、特許文献2から公知の錐形のディフューザあるいは特許文献10に記載のガイド手段と比較して、低い圧力損失で作動することを特徴とする。
本発明に係わる装置の他の利点は、各々の分離課題にとって最適な位置にディフューザを設けることができるように、ディフューザを種々の位置に組み込むことができることである。
本発明は、更に、一定のプロセス条件では、改善された効果(分離効果)を、実質的に以下のことによって、すなわち、洗浄された媒体、例えば純ガスを、内部でガイドベーンとして連続するスロットを通して吸引することによって、もたらす。
本発明の更なる詳細および特徴は、図面を参照とした好ましい実施の形態の以下の説明から明らかである。
図1および2に示した分離装置1は分離チャンバ2を有し、該分離チャンバへは、2つの互いに同軸の浸漬管3,4が突入している。物質と、洗浄される媒体との混合物は、図1で上方の領域で、接線方向に、分離チャンバ2に供給される。その目的は、物質と、洗浄される媒体との混合物を、分離チャンバ2の中で、分離チャンバ2の軸線5を中心として回転させるためである。分離チャンバ2の下端6には、沈殿室7があって、該沈殿室には、1つのまたは複数の分離された物質を排出するための排出開口部8が設けられている。
分離チャンバ2は、検査兼保守用開口部20を有する。
図1に示した実施の形態では、下方の浸漬管3に、錐形のガイド手段9が設けられている。該ガイド手段は、既に媒体から分離された物質が、クリープ流れによって、沈殿室7から再度分離チャンバ2へと、上方へ運ばれることを阻止する。
浸漬管3および4の端部の間には、図3および4で拡大した尺度で示されているディフューザ10が設けられている。
ディフューザ10は、示された実施の形態では、3つのガイドベーン11を有する。該ガイドベーンは、夫々、浸漬管3および4の円筒状の壁部の、その表面に位置している部分12と、斜め内側に向いている部分13とを有する。湾曲しており、例えば、浸漬管3および4の軸線5に対し平行な軸線を中心として湾曲しているガイドベーン11によって、洗浄されたガス状のまたは液状の媒体、従って、1つの比重の大きい物質または複数の比重の大きい物質が分離されている媒体が、浸漬管3および4の内部に導かれ、かつ、これらの浸漬管を通って、装置1から流出する。
ディフューザ10のガイドベーン11の内側には、実施の形態では、スワールブレーカとして作用し、かつ浸漬管3および4の軸線5に関して径方向に整列された複数のプレート14が設けられている。
ディフューザ10は、図示した実施の形態では、3つの内側に湾曲したガイドベーン11(該ガイドベーンの凸状の側面が外側に向いている)を有するので、同様に、スワールブレーカとして作用する3つのプレート14が設けられている。プレート14は、装置1ならびに浸漬管3および4の軸線5の領域に位置している縁部で、互いに結合されており、かつ、夫々、浸漬管3、4の周面に位置している、ガイドベーン11の部分12に向いている。
スワールブレーカとして作用するプレート14は、自らの端部で、浸漬管3および4の内側に形成されかつ拡幅された突出部15によって支持されており、かつ、そこで、必要な場合には、浸漬管3および4に結合されている。
図示した実施の形態における本発明に係わる装置1の作動中に、物質と、洗浄される媒体との混合物は、分離チャンバ2の上方の領域に位置している入口(図示せず)を通って、特に接線方向に分離チャンバ2に供給され、かつ、分離チャンバ2の中で、回転される。それ故に、複数の比重の大きい物質(または1つの比重の大きい物質)が、外側へ、分離チャンバ2の壁部に向かって遠心分離され、かつ、沈殿室7を通って排出開口部8へ移動して、装置1から排出される。
洗浄された媒体は、ディフューザ10(図3および4)を通って、浸漬管3および4へ入り、かつ、洗浄された状態で、浸漬管3および4を通って装置から流出する。
本発明に係わる装置1は、低いエネルギ消費および低い圧力損失で動作可能である有効な装置である。この装置を用いて、少なくとも1つの物質を、液状のまたはガス状の媒体から、遠心力によって分離することができるのは、この物質が、媒体とは異なる比重を有する場合である。
特には、本発明に係わる装置は、少なくとも1つの液状のまたはガス状の媒体と、該媒体よりも高い比重を有する少なくとも1つの液状のまたは個体の物質とからなる物質混合物を分離するために適切である。
要約すれば、本発明の実施の形態を以下のように記述する。
遠心力によって少なくとも1つの物質を液状のまたはガス状の媒体から分離するための装置1は、分離チャンバ2を有するハウジングを具備する。分離チャンバへは、分離される混合物が導入され、かつ回転される。分離チャンバ2へは、2つの浸漬管3および4が突入しており、これらの浸漬管を通って、洗浄された媒体が流出する。ハウジングの下端には、分離された物質のための排出開口部6が設けられている。分離チャンバ2の内部に設けられた、浸漬管3および4の端部の間には、浸漬管3および4と結合されたディフューザ10が設けられている。ディフューザ10は、複数の、特に3つの湾曲したガイドベーン11を有する。これらのガイドベーンは、媒体の回転方向に見て、浸漬管3および4の周面からの距離を離隔し、すなわち、浸漬管3および4の軸線5に接近する。ディフューザ10には、必要な場合には、複数のプレート14が設けられている。これらプレートは、スワールブレーカとして、浸漬管3および4を通ってかつ装置1から流れ出る洗浄された媒体の層流を保証する。
1 装置
2 分離チャンバ
3 浸漬管
4 浸漬管
8 排出開口部
10 ディフューザ
2 分離チャンバ
3 浸漬管
4 浸漬管
8 排出開口部
10 ディフューザ
Claims (13)
- 遠心力の作用下で、少なくとも1つの液状のまたはガス状の媒体、および該媒体よりも高い比重を有する少なくとも1つの液状のまたは固体の物質からなる混合物を分離するための装置(1)であって、分離チャンバ(2)と、該分離チャンバ(2)の軸線(5)を中心として前記混合物を回転させるための手段と、前記媒体を排出するために前記分離チャンバ(2)に突入している浸漬管(3および4)と、前記分離した物質のための排出開口部(8)と、を具備し、前記浸漬管(3,4)の端部の間に、ディフューザ(10)が設けられていてなる装置において、
該ディフューザ(10)は、少なくとも2つのガイドベーン(11)を有し、該ガイドベーンは、前記分離チャンバ(2)内での前記混合物の回転方向に関して、前記浸漬管(3および4)の前記軸線(5)から始まって、前記浸漬管(3および4)の前記周面からの距離を益々狭めることを特徴とする装置。 - 前記ガイドベーン(11)は、前記浸漬管(3および4)の前記軸線(5)に平行な軸線を中心として湾曲されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記ガイドベーン(11)の凸状の側面は、外側に向いていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 前記ガイドベーン(11)は、自らの付け根に、前記浸漬管(3および4)の表面に位置している領域(12)を有すること特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ディフューザ(10)の周面に亘って均等に配設されている、2つよりも多い、好ましくは3つのガイドベーン(11)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ディフューザ(10)は、前記ガイドベーン(11)の内側に、スワールブレーカとして作用する少なくとも2つのプレート(14)を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の装置。
- 前記プレート(14)は、前記浸漬管(3および4)の前記軸線(5)に関して、径方向に整列されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
- スワールブレーカとして作用する前記プレート(14)は、前記浸漬管(3および4)の前記軸線(5)から始まって、径方向に整列されていることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
- スワールブレーカとして作用する前記プレート(14)は、前記浸漬管(3および4)の前記軸線(5)に位置している縁部の領域で、互いに結合されていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の装置。
- スワールブレーカとして作用する前記プレート(14)は、前記ガイドベーン(11)の上側および下側に位置している縁部(15)によって、前記浸漬管(3および4)の内側に支持され、かつ、そこで、必要な場合には、前記浸漬管(3および4)と結合されていることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の装置。
- 前記プレート(14)の前記端部(15)は、前記プレート(14)の他の中央の領域よりも大きな幅を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
- 前記ディフューザ(10)は、前記浸漬管(3,4)の、前記分離チャンバ(2)に位置している端部の間に、前記浸漬管を互いに結合するために、設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の装置。
- 前記ディフューザ(10)は、前記浸漬管(3,4)の、前記分離チャンバ(2)に位置している端部の、その間の空間を橋渡しするために、設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の装置。
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