JP2015512618A - キャノーラタンパク質製品を使用した冷凍デザートミックス - Google Patents

キャノーラタンパク質製品を使用した冷凍デザートミックス Download PDF

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Abstract

タンパク質含量が少なくとも約60wt%(N?6.25)d.b.、好ましくは少なくとも約90wt%であり、大部分が2Sキャノーラタンパク質から成り、タンパク質ミセル塊沈降ステップからの上澄みに由来するキャノーラタンパク質製品が、乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックスのタンパク質成分を少なくとも部分的に与えるために使用される。

Description

関連出願の参照
この出願は2012年2月15日出願の米国仮特許出願第61/599,048号及び2012年12月19日出願の第61/739,037号の35USC119(e)による優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、キャノーラタンパク質製品、特に単離物を使用して調製される、乳製品類似物(dairy analogue)冷凍デザート製品及び植物/乳製品(plant/dairy)ブレンドである冷凍デザート製品の調製において使用されるミックスに関する。
発明の背景
タンパク質含量が少なくとも100wt%(N×6.25)であるキャノーラ油糧種子タンパク質単離物は、本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2002年5月3日出願の同時係属米国特許出願第10/137,391号(米国特許出願公開第2003-0125526 A1号及び国際公開第02/089597号)、及び2004年6月9日出願の米国特許出願第10/476,230号(米国特許出願公開第2004-0254353 A1号)、(現在は米国特許第7,687,087号)に記載のような方法によって、油糧種子ミールから得ることができる。この手順は、塩水溶液を使用してキャノーラ油糧種子ミールを抽出するステップと、得られるタンパク質水溶液を油糧種子ミール残渣から分離するステップと、選択膜技術を使用することによってイオン強度を実質的に一定に保ちながら水溶液のタンパク質濃度を少なくとも約200g/Lまで増加させるステップと、得られる濃縮タンパク質溶液を冷水中で希釈してタンパク質ミセルを形成させるステップと、タンパク質ミセルを沈降させて(settle)、アモルファス状、粘着性、ゼラチン状、グルテン様のタンパク質ミセル塊(protein micellar mass(PMM))を形成させるステップと、タンパク質ミセル塊を上澄みから回収するステップとを含み、PMMのタンパク質含量が少なくとも約100wt%(N×6.25)である、多段階プロセスを伴う。本明細書で使用するタンパク質含量は乾燥重量に基づいて決定される。回収されるPMMは乾燥させてもよい。
この方法の一実施形態において、PMM沈降ステップからの上澄みを、上澄みからキャノーラタンパク質単離物を回収するために処理する。この手順は、最初に限外ろ過膜を使用して上澄みを濃縮し、濃縮物を乾燥させることによって行ってもよい。得られるキャノーラタンパク質単離物のタンパク質含量は少なくとも約90wt%、好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25)である。
米国特許出願第10/137,391号及び第13/476,230号に記載の手順は、本質的にはバッチ法である。本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2002年11月19日出願の米国特許出願第10/298,678号(米国特許出願公開第2004-0039174 A1号及び国際公開第03/043439号)(現在は放棄されている)、2008年8月26日出願の米国特許出願第12/230,199号(現在は米国特許第7,704,534号)、2005年3月5日出願の米国特許出願第10/496,071号(米国特許出願公開第2003-0015910 A1)(現在は放棄されている)、及び2008年8月27日出願の米国特許出願第12/230,303号(現在は米国特許第7,625,588号)において、キャノーラタンパク質単離物を作るための連続法が記載されている。それらによれば、キャノーラ油糧種子ミールを連続的に塩水溶液と混合し、混合物はパイプを通って運ばれ、その間にタンパク質をキャノーラ油糧種子ミールから抽出してタンパク質水溶液を形成させ、イオン強度を実質的に一定に保ちながら、タンパク質水溶液を連続的に選択膜操作を通して運んでタンパク質水溶液のタンパク質含量を少なくとも約50g/Lまで増加させ、得られる濃縮タンパク質溶液を連続的に冷水と混合してタンパク質ミセルを形成させ、タンパク質ミセルを連続的に沈降させ、一方で上澄みは所望の量のPMMが沈降容器中に蓄積するまで連続的にあふれさせる。PMMを沈降容器から回収し、乾燥させてもよい。PMMのタンパク質含量は少なくとも約90wt%(N×6.25)、好ましくは少なくとも約100wt%である。あふれた上澄みは、上記のように、そこからキャノーラタンパク質単離物を回収するために処理してもよい。
キャノーラ種子は約10から約30wt%のタンパク質を含有することが知られており、いくつかの異なるタンパク質成分が特定されている。これらのタンパク質としては、クルシフェリンとして知られる12Sグロブリン、7Sタンパク質、及びナピン(napin)として知られる2S貯蔵タンパク質が挙げられる。本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2003年4月15日出願の同時係属米国特許出願第10/413,371号(米国特許出願公開第2004-0034200 A1号及び国際公開第03/088760号)(現在は米国特許第7,662,922号)、2005年4月29日出願の米国特許出願第10/510,766号(米国特許出願公開第2005-0249828 A1号)(現在は放棄されている)、及び2009年11月13日出願の米国特許出願第12/618,432号(2010年3月11日公開の米国特許公開第2010-0063255号)(現在は放棄されている)に記載されるように、上記の手順は、濃縮タンパク質水溶液を希釈してPMMを形成させることと、上澄みを処理してさらなるタンパク質を回収することとを含み、異なるタンパク質プロファイルの単離物の回収につながる。
この点に関して、PMMに由来するキャノーラタンパク質単離物は、約60から約98wt%の7Sタンパク質、約1から約15wt%の12Sタンパク質、及び0から約25wt%の2Sタンパク質のタンパク質成分組成を有する。上澄みに由来するキャノーラタンパク質単離物は、約60から約95wt%の2Sタンパク質、約5から約40wt%の7Sタンパク質、及び0から約5wt%の12Sタンパク質のタンパク質成分組成を有する。このように、PMMに由来するキャノーラタンパク質単離物は主に(predominantly)7Sタンパク質であり、上澄みに由来するキャノーラタンパク質単離物は主に2Sタンパク質である。上記の米国特許出願第10/413,371号に記載されるように、2Sタンパク質の分子質量は約14,000ダルトンであり、7Sタンパク質の分子質量は約145,000ダルトンであり、12Sタンパク質の分子質量は約290,000ダルトンである。
本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2011年6月14日発行の米国特許第7,959,968号、及び2011年7月19日発行の米国特許第7,981,450号において、主に2Sキャノーラタンパク質から成り、改善された溶解特性を有し、キャノーラタンパク質ミセルの形成及び沈殿(precipitation)からの上澄みよりも2Sキャノーラタンパク質の割合が多く7Sキャノーラタンパク質の割合が少ない、新規キャノーラタンパク質単離物が記載されている。この方法は、場合により濃縮後に、PMM形成からの上澄みを加熱して、7Sタンパク質を沈殿させることと、その後沈殿した7Sタンパク質を除去することと、熱処理した溶液を乾燥させることとを含む。
本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年3月27日発行の米国特許第8,142,822号、及び2011年4月15日出願の米国特許出願第12/737,085号(2011年8月18日公開の米国特許公開第2011/0200720号)において、主に2Sキャノーラタンパク質から成り、キャノーラタンパク質ミセルの形成及び沈殿からの上澄みよりも7Sキャノーラタンパク質の割合が少ない、キャノーラタンパク質単離物の調製の別の手順が記載されている。この方法は、場合により濃縮後に、7Sキャノーラタンパク質を上澄みから等電沈殿(isoelectrically precipitating)させることと、続いて沈殿した7Sキャノーラタンパク質の除去後に乾燥させることとを含む。
本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2009年8月18日出願の米国特許出願第12/542,922号(2010年2月18日公開の米国特許公開第2010/0040763号)(「C200Ca」)(現在は2013年1月1日発行の米国特許第8,343,566号)、及び2010年4月21日出願の第12/662,594号(2010年11月10日公開の米国特許公開第2010/0291285号)(「C200CaC」)において、主に2Sキャノーラタンパク質から成るキャノーラタンパク質製品を調製するための別の手順が記載されており、この手順はそのような熱処理を含まず、さらには低pHの水中で完全に可溶性、透明、及び耐熱性であるだけでなく一般にフィチン酸がより少ない製品をもたらす。
後者の米国特許出願に記載される手順は:
約5mSから約30mS、好ましくは約8から約10mSの導電率をもたらすように、キャノーラタンパク質ミセル塊の沈殿からの上澄みへカルシウム塩、好ましくは塩化カルシウムを添加して、フィチン酸カルシウムの沈殿を形成させることと、
得られる溶液から、沈殿したフィチン酸カルシウムを除去して清澄(clear)溶液を得ることと、
場合により、塩酸の添加などにより、清澄溶液のpHを約2.0から約4.0、好ましくは約2.9から約3.2に調整することと、
場合によりpH調整された清澄溶液を、少なくとも約50g/L、好ましくは約50から約500g/L、より好ましくは約100から約250g/Lのタンパク質含量まで濃縮して、清澄濃縮キャノーラタンパク質溶液を得ることと、
場合により、多量のpH3の水などによって清澄濃縮キャノーラタンパク質溶液をダイアフィルトレーション(diafiltering)することと、
場合により、粒状活性炭処理などの着色物質(colour)除去ステップを行うことと、
濃縮タンパク質溶液を乾燥させてキャノーラタンパク質製品を得ることと
を含む。
上記の米国特許出願第12/542,922号に記載のように、キャノーラタンパク質製品は好ましくはタンパク質含量が少なくとも約90wt%(N×6.25)d.b.、より好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25)d.b.であるキャノーラタンパク質単離物であるが、キャノーラタンパク質製品は上記の米国特許出願第12/662,594号に記載のように約60wt%(N×6.25d.b.)から90wt%未満(N×6.25)d.b.のより低い純度を有していてもよい。
上澄みはカルシウム塩の添加前に中間濃度まで部分的に濃縮されてもよい。生成する沈殿を除去し、得られる溶液を場合により上記のように酸性化し、最終濃度までさらに濃縮し、次いで場合によりダイアフィルトレーションし乾燥させる。
あるいは、上澄みを最初に最終濃度まで濃縮してもよく、カルシウム塩を濃縮した上澄みへ添加し、得られる沈殿を除去し、溶液を場合により酸性化し、次いで場合によりダイアフィルトレーションし乾燥させる。
上記の手順において、沈殿の除去を省略するという選択肢があり、これによって製品中のフィチン酸塩含量が高くなる。そのような手順では、カルシウム塩を上澄み、部分的に濃縮した上澄み、又は完全に濃縮した上澄みへ添加し、沈殿を除去しない。酸性化により沈殿は再可溶化される。
酸性化を省略し、自然のままのpHで溶液の処理を行うというさらなる選択肢がある。この選択肢では、カルシウム塩を上澄み、部分濃縮した上澄み、又は濃縮した上澄みへ添加して沈殿を形成させ、これを除去する。次いで得られる溶液を酸性化ステップを行わずに上記のように処理する。
カルシウム塩の添加前に上澄みを部分濃縮し、沈殿の除去後に完全に濃縮する場合、上澄みを最初に約50g/L以下のタンパク質濃度まで濃縮し、沈殿の除去後に、次いで少なくとも約50g/L、好ましくは約50から約500g/L、より好ましくは約100から約250g/Lのタンパク質濃度まで濃縮する。
上記の方法の別の変形形態では、カルシウム塩を2段階で添加してもよく、少量のカルシウムを最初に上澄みへ添加して約1mSから約3.5mS、好ましくは約1mSから約2mSの導電率をもたらすが、これは沈殿を形成させるのに不十分である。
得られる溶液を上記の条件下で酸性化し部分濃縮する。カルシウム塩の残りを部分濃縮した溶液へ添加して約4mSから約30mS、好ましくは約4から約10mSの導電率をもたらし、沈殿の形成をもたらす。次いで沈殿を除去する。得られる清澄溶液を上記の条件下でその最終濃度まで濃縮し、次いでダイアフィルトレーションし乾燥させてもよい。
発明の概要
タンパク質含量が少なくとも約60wt%(N×6.25)d.b.、好ましくは少なくとも約90wt%、より好ましくは少なくとも約100wt%であり、2Sタンパク質を主に含み、PMM沈降ステップからの上澄みに由来する、これらの新規キャノーラタンパク質製品は、乳、大豆、又は他の原料に由来する従来のタンパク性原材料の少なくとも部分的な代用品として、乳製品類似物冷凍デザートミックス又は乳製品原材料及び植物原材料のブレンドであるミックスにおいて効果的に使用できることが、今や見出された。そのような冷凍デザートミックスは、優れた風味特性を有し、そのため冷凍デザート製品の調製において冷凍させてもよく、その製品もまた優れた風味特性を有する。そのような冷凍デザート製品としては、限定はされないが、すくい取り可能な(scoopable)冷凍デザート、ソフト(soft serve)冷凍デザート、及びスティック上に提供される又はされない成型又は押出し製品などの冷凍ノベルティ製品(frozen novelty products)が挙げられる。そのような冷凍デザート製品は、シロップ、果物、ナッツ、及び/又は他の粒子、又は冷凍ノベルティ製品の場合のコーティングなどの、任意の種類の含有物を、冷凍デザートミックスと組み合わせて含有してもよい。
非常におおまかに言えば、冷凍乳製品デザートミックス、乳製品類似物冷凍デザートミックス、及び植物/乳製品ブレンドである冷凍デザートミックスはすべて、典型的には水、タンパク質、脂肪、香味料(flavourings)、甘味料(sweetner)、及び他の固形分を、安定化剤(stabilizer)及び乳化剤と共に含む。これらの成分の割合は冷凍デザート製品の所望の組成に応じて様々である。乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックスから調製できる乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザート製品の範囲は、冷凍乳製品デザートミックスから調製できる冷凍乳製品デザート製品の範囲と同等であると考えてよい。
様々な冷凍乳製品デザートにおいて提案されるミックスの組成は、http://www.uoguelph.ca/foodscience/dairy-science-and-technology/dairy-products/ice-cream/ice-cream-formulations/suggested-mixes(H.Douglas Goff教授、Dairy Science and Technology Education Series、ゲルフ大学、カナダ)で見つけることができる。いくつかの様々な種類の冷凍乳製品デザートミックスの組成の違いを説明するために、この参照文献からのサンプルとなる組成を表1から6で下記に示す。
Figure 2015512618
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Figure 2015512618
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上記のように、乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックス中の成分の割合は、冷凍乳製品デザートミックス中の成分の割合と同様に様々であってよい。冷凍乳製品デザートミックスは脂肪及びタンパク質/固形分の乳製品原料を利用する。乳製品類似物冷凍デザートミックスは完全に植物ベースであるが、一方植物/乳製品ブレンドは植物及び乳製品の原材料の組み合わせを利用する。
乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックス配合物において使用される原材料の典型的な種類は以下に記載される。記載されない他の種類の原材料もそのような冷凍デザートミックス配合物において使用してもよい。
冷凍デザートミックスに使用される脂肪原料は、任意の好都合な食品グレードの乳製品若しくは植物に由来する脂肪原料又は脂肪原料ブレンドであってよい。適切な脂肪原料としては、限定はされないが、乳、クリーム、バターオイル、豆乳、大豆油、ココナッツ油、及びパーム油が挙げられる。ある種の原材料は多様な成分を配合物へ与え得ることを特筆するべきである。例えば、配合物中に乳又は豆乳を含有すると、脂肪、タンパク質、他の固形分、及び水が与えられる。冷凍デザートミックス中の脂肪のレベルは、約0から約30wt%、好ましくは約0から約18wt%の範囲であってよい。
冷凍デザートミックスに使用されるタンパク質原料は、任意の好都合な食品グレードの乳製品若しくは植物に由来するタンパク質原料又はタンパク質原料ブレンドであってよい。適切なタンパク質原料としては、限定はされないが、クリーム、乳、脱脂粉乳、乳清タンパク質濃縮物、乳清タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、及び大豆タンパク質単離物が挙げられる。上記のように、ある種の原材料はタンパク質を含めた多様な成分を配合物へ与え得る。冷凍デザートミックス中のタンパク質レベルは、約0.1から約18wt%、好ましくは約0.1から約6wt%の範囲であってよい。
冷凍デザートミックス中で使用される甘味料(一種もしくは複数種)の選択及びレベルは、冷凍デザート製品の甘さ、カロリー値、及びテクスチャーなどの要素に影響を与えるだろう。様々な甘味料を冷凍デザートミックスに利用することができ、限定はされないが、スクロース、コーンスターチ由来原材料、糖アルコール、スクラロース、及びアセスルファムカリウムが挙げられる。甘味料のブレンドが、最終製品における所望の品質を得るためにしばしば使用される。冷凍デザートミックス中に添加される甘味料全体のレベルは、約0から約45wt%、好ましくは約0から約35wt%の範囲であってよい。
冷凍デザートミックス中で使用される安定化剤としては、限定はされないが、ローカストビーンガム、グアーガム、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、及びゼラチンを挙げることができる。冷凍デザートミックス中の安定化剤のレベルは、約0%から約3%、好ましくは約0%から約1%であってよい。
冷凍デザートミックス中で使用される乳化剤としては、限定はされないが、卵黄、モノグリセリド、ジグリセリド、及びポリソルベート80を挙げることができる。冷凍デザートミックス中の乳化剤のレベルは、約0%から約4%、好ましくは約0%から約2%の範囲であってよい。
本発明において、上記のキャノーラタンパク質製品を乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックスに組み込んで、少なくとも一部の必要なタンパク質及び固形分を供給する。
発明の一般的説明
ここで使用されるキャノーラタンパク質製品を提供する方法の最初のステップは、キャノーラ油糧種子又はキャノーラ油糧種子ミールからのタンパク性材料を可溶化させることを含む。キャノーラ種子又はミールから回収されるタンパク性材料は、キャノーラ種子中に天然に生じるタンパク質であってもよく、あるいはタンパク性材料は遺伝子操作により改変された、ただし天然タンパク質の特有の疎水性及び極性を有するタンパク質であってもよい。キャノーラミールは、様々なレベルの非変性タンパク質を含むキャノーラ油糧種子からキャノーラ油を除去することにより得られる任意のキャノーラミールであってよく、例えば高温ヘキサン抽出又は低温油押出(extrusion)法により得られる。キャノーラ種子をタンパク質原料として使用する場合、キャノーラ種子の粉砕塊(ground mass)を提供するために、それらを最初に粉砕しなければならない。次いでタンパク性材料を、粉砕したキャノーラ油糧種子から可溶化させる(solubilize)ことができる。あるいは、高せん断ポンプなどの任意の好都合な器具を使用して種子を湿式粉砕して、種子を粉砕すると同時にタンパク質を可溶化させてもよい。キャノーラ種子からのキャノーラタンパク質単離物の回収は、より具体的には、本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2009年8月28日出願の同時係属米国出願第12/542,931号(2010年2月18日公開の米国特許公開第2010-0041871号)、及び2011年3月22日出願の第12/787,465号(2011年7月28日公開の米国特許公開第2011-018149号)に記載されている。
タンパク質の可溶化は、食品グレードの塩溶液を使用することにより最も効率的に行われるが、なぜなら塩の存在が、粉砕した油糧種子又は油糧種子ミールからの可溶性タンパク質の除去を促進するからである。塩は通常は塩化ナトリウムであるが、塩化カリウムなどの他の塩を使用してもよい。相当量のタンパク質の可溶化を行うことができるように、塩溶液のイオン強度は少なくとも約0.05、好ましくは少なくとも約0.10である。塩溶液のイオン強度が増すと、タンパク質の可溶化の度合いは最初は最大値に達するまで増大する。その後のイオン強度の増加は可溶化される全タンパク質を増加させない。最大のタンパク質の可溶化を引き起こす食品グレードの塩溶液のイオン強度は、関与する塩に依存し、またタンパク質原料が油糧種子ミールである場合は選択される油糧種子ミールに依存する。
イオン強度の増加と共にタンパク質の沈殿に必要な希釈の度合いが増すことを考慮して、通常は約0.8未満のイオン強度値、より好ましくは約0.1から約0.15の値を利用するのが好ましい。
バッチ法では、タンパク質の塩による可溶化は、約1℃から約75℃、好ましくは約15℃から約65℃、より好ましくは約20℃から約35℃の温度で行われ、通常は約1から約60分である可溶化時間を短縮するために、好ましくは撹拌を伴う。全体としての高い製品収率を実現するために、実行可能な限り十分に多くのタンパク質を油糧種子又は油糧種子ミールから抽出するように可溶化を行うことが好ましい。
連続法では、キャノーラ油糧種子又はミールからのタンパク質の抽出は、キャノーラ油糧種子又はミールからのタンパク質の連続抽出の実施に合う任意の方法で行われる。一実施形態において、粉砕したキャノーラ油糧種子又はキャノーラ油糧種子ミールを連続的に食品グレードの塩溶液と混合し、その混合物が、本明細書に記載のパラメーターに従って所望の抽出を行うのに十分な滞留時間のための、長さを有するパイプ又は導管を通して且つ流量で、運ばれる。そのような連続的手順では、好ましくは、実行可能な限り多くのタンパク質をキャノーラ油糧種子又はミールから抽出するように可溶化を行うために、約1分までから約60分までの時間で塩による可溶化ステップが行われる。連続的手順における可溶化は、約1℃と約75℃の間、好ましくは約15℃と約65℃の間、より好ましくは約20℃と約35℃の間の温度で行われる。
食品グレードの塩水溶液のpHは一般に約5から約6.8、好ましくは約5.3から約6.2である。塩溶液のpHは、必要に応じて任意の好都合な酸、通常は塩酸、又はアルカリ、通常は水酸化ナトリウムを使用することにより、抽出ステップで使用するために約5から約6.8の範囲内の任意の所望の値に調整してもよい。
可溶化ステップの間、食品グレードの塩溶液中の粉砕された油糧種子又は油糧種子ミールの濃度は非常に様々であってよい。粉砕油糧種子の典型的な濃度値は約5から約25%w/vである。油糧種子ミールの典型的な濃度値は約5から約15%w/vである。
塩水溶液によるタンパク質抽出ステップは、キャノーラ油糧種子中に存在しまたキャノーラミール中に存在する場合がある脂肪を可溶化するというさらなる効果を有し、そのため水性相中に脂肪が存在することにつながる。
抽出ステップから得られるタンパク質溶液は一般に、タンパク質濃度が約3から約40g/L、好ましくは約10から約30gLである。
塩水溶液は抗酸化剤を含有してもよい。抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸などの任意の好都合な抗酸化剤であってよい。採用される抗酸化剤の量は溶液の約0.01から約1wt%までで様々であってよく、好ましくは約0.05wt%である。抗酸化剤はタンパク質溶液中のフェノール類の酸化を阻害する働きをする。
抽出ステップから得られる水性相は次いで、デカンター型遠心分離機を使用しその後ディスク遠心分離及び/又はろ過を行って残留する種子材料又はミールを除去することなどによる、任意の好都合な方法で、残留するキャノーラ種子材料又はミールから分離してもよい。分離ステップは典型的には抽出ステップと同じ温度で行われるが、約1℃から約75℃、好ましくは約15℃から約65℃、より好ましくは約20℃から約35℃の範囲内の任意の温度で行ってもよい。分離した残留する種子材料又はミールは、廃棄するために乾燥させるか又は残留するタンパク質を回収するためにさらに処理してもよい。分離した残留する種子材料又はミールを新しい塩溶液で再抽出することにより、残りのタンパク質を回収することができ、清澄化の際に生じるタンパク質溶液を、下記で説明されるさらなる処理のために最初のタンパク質溶液と合わせることができる。あるいは、分離した残留する種子材料又はミールは、等電沈殿法によって又はタンパク質残渣を回収するための任意の他の好都合な手順によって処理してもよい。
キャノーラタンパク質水溶液は、任意の適切な食品グレードの非シリコーン系消泡剤などの消泡剤で処理して、さらなる処理の際に形成される泡の体積を減少させてもよい。使用される消泡剤の量は一般に約0.0003%w/vを超える。あるいは、その記載の量の消泡剤を抽出ステップで添加してもよい。
キャノーラタンパク質水溶液中に存在する脂肪は、本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,844,086号及び第6,005,076号に記載のような手順によって除去してもよい。
そこで記載されているように、キャノーラタンパク質水溶液を約3℃から約7℃の温度まで冷却して、デカントなどの任意の好都合な手順によって除去するために脂肪を水性相から分離させてもよい。あるいは、クリーム分離機を使用したより高温での遠心分離など、任意の他の好都合な手順により、脂肪を除去してもよい。脂肪を除去したら、キャノーラタンパク質水溶液をろ過によりさらに清澄化してもよい。キャノーラタンパク質水溶液から回収されるキャノーラ油は、キャノーラ油の商業用途での使用のために処理してもよい。
あるいは、キャノーラタンパク質水溶液は、3相デカンターを使用するなどの任意の好都合な手順によって、油相及び残留するキャノーラ種子材料又はミールから同時に分離してもよい。次いでキャノーラタンパク質水溶液をろ過によりさらに清澄化してもよい。
キャノーラタンパク質水溶液は、粉末活性炭又は粒状活性炭などの吸着剤で処理して着色物質及び/又は臭気化合物を除去してもよい。そのような吸着剤による処理は、任意の好都合な条件下で、一般には分離したタンパク質水溶液の周囲温度で行ってよい。粉末活性炭については、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量が使用される。吸着剤はろ過などの任意の好都合な手段によってキャノーラタンパク質溶液から除去してもよい。
粉砕したキャノーラ油糧種子又は油糧種子ミールの塩水溶液による抽出の代替として、そのような抽出を水のみを使用して行ってもよいが、水のみの利用は塩水溶液よりも少量のタンパク質しか粉砕油糧種子又は油糧種子ミールから抽出しない傾向がある。そのような代替法を使用する場合、下記で説明される濃縮ステップの間溶液中のタンパク質を維持するために、残留する粉砕種子材料又は油糧種子ミールから分離した後、及び脂肪除去ステップを利用する場合はその後に、上記で論じた濃度の塩をタンパク質溶液へ添加してもよい。
別の代替法は、約6.8を超える、一般には約9.9までの比較的高pH値の食品グレードの塩溶液により、粉砕油糧種子又は油糧種子ミールを抽出する。食品グレードの塩溶液のpHは、水酸化ナトリウム水溶液などの任意の好都合な食品グレードのアルカリを使用することにより、所望のアルカリ値に調整してもよい。あるいは、約pH5未満、一般には約pH3までの(down to about pH 3)比較的低pHの塩溶液により、粉砕油糧種子又は油糧種子ミールを抽出してもよい。そのような代替法を使用する場合、抽出ステップから得られる水性相は次いで残留するキャノーラ種子材料又はミールから分離され、必要ならば、上記のように脱脂される。
高pH又は低pHの抽出ステップから得られるタンパク質水溶液は、次いで下記に論じるようなさらなる処理の前に、上記で論じたように約5から約6.8、好ましくは約5.3から約6.2の範囲にpH調整される。そのようなpH調整は、必要に応じて塩酸などの任意の好都合な酸、又は水酸化ナトリウムなどのアルカリを用いて行ってもよい。
キャノーラタンパク質水溶液は、そのイオン強度を実質的に一定に保ちながら、そのタンパク質濃度を増加させるために濃縮される。そのような濃縮は一般に、タンパク質濃度が少なくとも約50g/L、好ましくは少なくとも約200g/L、より好ましくは少なくとも約250g/Lである濃縮タンパク質溶液をもたらすように行われる。
濃縮ステップは、バッチ法又は連続法に合った任意の好都合な方法で、限外ろ過又はダイアフィルトレーションなどの任意の好都合な選択膜技術を使用することなどにより、様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンなどの適切な分子量カットオフを有し、連続法に関してはタンパク質水溶液が膜を通過すると所望の度合いの濃縮が可能となるような寸法を有する、中空糸膜又はスパイラル型膜(spiral−wound membrane)などの膜を使用して、行ってもよい。
良く知られているように、限外ろ過及び同様の選択膜技術では、低分子量種が膜を通過するのは可能であるが、一方で高分子量種が通過するのは妨げられる。低分子量種としては、食品グレードの塩のイオン種だけでなく、炭水化物、色素、及び抗栄養因子などの原料物質から抽出される低分子量物質、並びに任意の低分子量形態のタンパク質も挙げられる。膜の分子量カットオフは通常、様々な膜材料及び構成を考慮して、不純物が通過するのを可能にしながら溶液中に相当な割合のタンパク質が確実に保持されるように選択される。
次いで、濃縮タンパク質溶液には、抽出溶液と同じモル濃度及びpHの塩水溶液を使用してダイアフィルトレーションステップを施してもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、約1から約20倍容量のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5から約10倍容量のダイアフィルトレーション溶液を使用して行ってもよい。ダイアフィルトレーション操作において、透過液と共に膜を通過することによって、さらなる量の不純物がキャノーラタンパク質水溶液から除去される。有意なさらなる量の不純物又は目に見える着色物質が透過液中に存在しなくなるまで、ダイアフィルトレーション操作を行ってもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップと同じ膜を使用して行ってもよい。しかし、必要に応じて、ダイアフィルトレーションステップは、様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜など、異なる分子量カットオフの別個の膜を使用して行ってもよい。
あるいは、ダイアフィルトレーションステップは、濃縮前のキャノーラタンパク質水溶液又はタンパク質濃度が約50g/L以下である部分的に濃縮されたキャノーラタンパク質水溶液に適用してもよい。ダイアフィルトレーションはまた、濃縮プロセスの間の複数の時点で適用してもよい。ダイアフィルトレーションを濃縮前又は部分濃縮溶液に適用する場合、得られるダイアフィルトレーション済み溶液を次いでさらに濃縮する。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、抗酸化剤がダイアフィルトレーション媒体中に存在していてもよい。抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸などの任意の好都合な抗酸化剤であってもよい。ダイアフィルトレーション媒体中で使用される抗酸化剤の量は、使用される物質に依存し、約0.01から約1wt%で様々であってもよく、好ましくは約0.05wt%である。抗酸化剤は、キャノーラタンパク質溶液中に存在するフェノール類の酸化を阻害する働きをする。
濃縮ステップ及びダイアフィルトレーションステップは、任意の好都合な温度、一般には約2℃から約65℃、好ましくは約20から約35℃で、所望の度合いの濃縮及びダイアフィルトレーションを行うための時間をかけて行ってもよい。使用される温度及び他の条件は、ある程度、濃縮を行うのに使用される膜装置及び溶液の所望のタンパク質濃度に依存する。
濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液には、必要に応じて米国特許第5,844,086号及び第6,005,076号に記載のようなさらなる脱脂操作を施してもよい。あるいは、濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液は、任意の他の好都合な手順によってさらに脱脂されてもよい。
濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液は、粉末活性炭又は粒状活性炭などの吸着剤で処理して着色物質及び/又は臭気化合物を除去してもよい。着色物質吸着剤として使用できる別の材料はポリビニルピロリドンである。
そのような吸着剤処理は、任意の好都合な条件下、一般にはキャノーラタンパク質溶液の周囲温度で行ってもよい。粉末活性炭については、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量を使用してもよい。ポリビニルピロリドンを着色物質吸着剤として使用する場合、約0.5%から約5%w/v、好ましくは約2%から約3%w/vの量を使用してもよい。吸着剤は、ろ過などによる任意の好都合な手段によってキャノーラタンパク質溶液から除去してもよい。
場合による着色物質除去ステップから得られる、濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液には、低温殺菌を施して微生物負荷を低減させてもよい。そのような低温殺菌は、任意の所望の低温殺菌条件下で行ってもよい。一般に、濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液を、約55℃から約70℃、好ましくは約60℃から約65℃の温度まで、約30秒から約60分、好ましくは約10から約15分、加熱する。低温殺菌した濃縮タンパク質溶液を次いで下記のようなさらなる処理のために、好ましくは約25℃から約40℃の温度まで冷却してもよい。
濃縮ステップ及び場合によるダイアフィルトレーションステップにおいて使用される温度に応じて、及び低温殺菌ステップが行われるかどうかによって、濃縮タンパク質溶液を少なくとも約20℃、及び約60℃まで、好ましくは約25℃から約40℃の温度まで温めて、その後の希釈ステップ及びミセル形成の機能を促進するように、濃縮タンパク質溶液の粘度を低下させてもよい。濃縮タンパク質溶液は、それを超えると冷水による希釈に際してミセル形成が生じないような温度を超えて加熱されるべきではない。
濃縮ステップ、及び場合によるダイアフィルトレーションステップ、場合による脱脂ステップ、場合による着色物質除去ステップ、及び場合による低温殺菌ステップから得られる濃縮タンパク質溶液は次いで、望ましい希釈の度合いを実現するのに必要な体積を有する冷水と濃縮タンパク質溶液とを混合することによってミセル形成が行われるように希釈される。ミセル経路によって得ようとするキャノーラタンパク質の割合及び上澄みからの割合に応じて、濃縮したタンパク質溶液の希釈の度合いは様々であってよい。希釈レベルが低いほど、一般には、より多くの割合のキャノーラタンパク質が水性相中にとどまる。
ミセル経路によって最大の割合のタンパク質を得ることが望まれる場合、濃縮タンパク質溶液は約5倍から約25倍、好ましくは約10倍から約20倍で希釈される。
濃縮タンパク質溶液と混合される冷水は温度が約15℃未満、一般には約1℃から約15℃、好ましくは約10℃未満であるが、なぜならタンパク質ミセル塊の形態であるタンパク質単離物の改善された収率は、使用する希釈係数(dilution factors)ではこれらのより低い温度によって得られるからである。
バッチ操作では、上記で論じられるように、所望の体積を有する冷水の静止体(static body)へ濃縮タンパク質溶液のバッチを加える。濃縮タンパク質溶液の希釈及び結果として起こるイオン強度の低下は、高度に会合したタンパク質分子の雲様のマス(cloud-like mass)がミセル状の別々のタンパク質液滴の形態で形成されることを引き起こす。バッチ法では、タンパク質ミセルを冷水体中で沈降させて、凝集し、合体した、緻密な、アモルファスの粘着性のグルテン様タンパク質ミセル塊(PMM)を形成させる。沈降は遠心分離などによって促進されてもよい。そのような誘発される沈降は、タンパク質ミセル塊の液体含量を減少させ、それにより水分含量が一般に全ミセル塊の約70重量%〜約95重量%から一般に約50重量%〜約80重量%の値まで減少する。このようにミセル塊の水分含量が減少すると、ミセル塊の吸蔵される塩の含量、ひいては乾燥単離物の塩の含量も減少する。
あるいは、希釈操作は、T字管の1つの入口に濃縮タンパク質溶液を連続的に通し、その間に希釈水をT字管の他の入口に供給し、管内で混合させることによって、連続的に行ってもよい。希釈水は、濃縮タンパク質溶液の所望の度合いの希釈を実現するのに十分な流量でT字管内に供給される。
管内での濃縮タンパク質溶液及び希釈水の混合は、タンパク質ミセルの形成を開始させ、混合物は連続的にT字管の出口から沈降容器へ供給され、沈降容器からは満杯になると上澄みがあふれ出ることが可能である。混合物は好ましくは液体本体(body of liquid)内の乱れ(turbulence)を最小限にする方法で沈降容器中の液体本体へ供給される。
連続法では、タンパク質ミセルが沈降容器中で沈降して凝集し、合体した、緻密な、アモルファスの粘着性のグルテン様タンパク質ミセル塊(PMM)を形成することを可能にし、その手順は所望の量のPMMが沈降容器の底に蓄積するまで続けられ、そうすると蓄積したPMMは沈降容器から取り出される。セジメンテーション(sedimentation)による沈降の代わりに、PMMを遠心分離により連続的に分離してもよい。
キャノーラタンパク質単離物を回収するための連続法を利用することによって、バッチ法と比較して、不純物混入の機会が少なく、より高い製品品質につながり、この方法はより小型な装置で行うことができる。
沈降した塊から残りの水性相をデカンテーションすること又は遠心分離などによって、沈降したPMMを残りの水性相又は上澄みから分離する。PMMは湿った形態で使用してもよいし又は噴霧乾燥若しくは凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥させて乾燥した形態としてもよい。乾燥PMMは約90wt%(N×6.25)d.b.を超える、好ましくは少なくとも約100wt%(N×6.25)d.b.の高タンパク質含量を有し、実質的に非変性である(示差走査熱量測定法により測定される)。
本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、上記の米国特許第7,662,922号に記載されるように、PMMは主に7Sキャノーラタンパク質から成り、約60から98wt%の7Sタンパク質、約1から約15wt%の12Sタンパク質、及び0から約25wt%の2Sタンパク質のタンパク質成分組成を有する。
PMM形成及び沈降ステップからの上澄みは、希釈ステップで沈殿しなかった相当量のキャノーラタンパク質を含有し、そこからキャノーラタンパク質製品を回収するために処理される。
米国特許第7,687,087号に記載されるように、希釈ステップからの上澄みは、PMMの除去に続いて、濃縮してそのタンパク質濃度を増加させてもよい。そのような濃縮は、溶液中に相当な割合のキャノーラタンパク質を保持しながら、塩、炭水化物、色素、及び他の原料物質から抽出される低分子量物質を含めた低分子量種が膜を通過するのを可能にする適切な分子量カットオフを有する膜を使用して、限外ろ過などの任意の好都合な選択膜技術を使用して行われる。様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンの分子量カットオフを有する限外ろ過膜を使用してもよい。このように上澄みの濃縮は、タンパク質を回収するため乾燥させる必要がある液体の体積、ひいては乾燥に必要なエネルギーも減少させる。上澄みは一般に少なくとも約50g/L、好ましくは約100から400g/L、より好ましくは約200から約300g/Lのタンパク質含量まで濃縮される。
濃縮した上澄みには次いで水、食塩水(saline)、又は酸性化した水を使用したダイアフィルトレーションステップを施してもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、約1から約20倍容量のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5から約10倍容量のダイアフィルトレーション溶液を使用して行ってもよい。ダイアフィルトレーション操作では、透過液と共に膜を通過することによって、さらなる量の不純物が水性の上澄みから除去される。有意なさらなる量の不純物又は目に見える色が透過液中に存在しなくなるまで、ダイアフィルトレーション操作を行ってもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップと同じ膜を使用して行ってもよい。しかし、必要に応じて、ダイアフィルトレーションは、様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜などの、別の膜を使用して行ってもよい。
あるいは、ダイアフィルトレーションステップは、濃縮前の上澄み又はタンパク質濃度が約50g/L以下である部分的に濃縮した上澄みに適用してもよい。ダイアフィルトレーションはまた、濃縮プロセスの間の複数の時点で適用してもよい。ダイアフィルトレーションを濃縮前又は部分濃縮した上澄みに適用する場合、得られるダイアフィルトレーションされた溶液を次いでさらに濃縮する。
濃縮ステップ及びダイアフィルトレーションステップは、ここで、その後回収されるキャノーラタンパク質製品が約90wt%(N×6.25)d.b.未満、例えば少なくとも約60wt%(N×6.25)d.b.などのタンパク質を含有するように行ってもよい。キャノーラタンパク質水溶液を部分的に濃縮する及び/又は部分的にダイアフィルトレーションすることにより、部分的にのみ不純物を除去することが可能である。このタンパク質溶液を次いで乾燥させて、より純度のレベルが低いキャノーラタンパク質製品を得てもよい。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、抗酸化剤がダイアフィルトレーション媒体中に存在していてもよい。抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸などの任意の好都合な抗酸化剤であってよい。ダイアフィルトレーション媒体中で使用される抗酸化剤の量は、使用される物質に依存し、約0.01から約1wt%で様々であってもよく、好ましくは約0.05wt%である。抗酸化剤は、キャノーラタンパク質溶液中に存在するフェノール類の酸化を阻害する働きをする。
濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液に、上記の着色物質除去操作の代替としての着色物質除去操作を施してもよい。ここで、粒状活性炭(GAC)だけでなく粉末活性炭を使用してもよい。着色物質吸着剤として使用できる別の物質はポリビニルピロリドンである。
着色物質吸着剤による処理ステップは、任意の好都合な条件の下で、一般にはキャノーラタンパク質溶液の周囲温度で行ってもよい。粉末活性炭については、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量を使用してもよい。ポリビニルピロリドンを着色物質吸着剤として使用する場合、約0.5%から約5%w/v、好ましくは約2%から約3%w/vの量を使用してもよい。着色物質吸着剤は、ろ過などによる任意の好都合な手段によってキャノーラタンパク質溶液から除去してもよい。
濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされた上澄みは、キャノーラタンパク質製品を得るために、噴霧乾燥若しくは凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥させて乾燥した形態としてもよい。そのようなキャノーラタンパク質製品は約60wt%(N×6.25)d.b.を超えるタンパク質含量を有し、好ましくはキャノーラタンパク質製品は、約90wt%(N×6.25)d.b.を超える、より好ましくは約100wt%(N×6.25)d.bを超えるタンパク質含量を有する単離物であり、実質的に非変性である(示差走査熱量測定法により測定される)。
上記の米国特許第7,662,922号に記載されるように、上澄みに由来するキャノーラタンパク質単離物は主に2Sキャノーラタンパク質から成り、約60から約95wt%の2Sタンパク質、約5から約40wt%の7Sタンパク質、及び0から約5wt%の12Sタンパク質のタンパク質成分組成を有する。
あるいは、PMMの分離からの上澄みは、キャノーラタンパク質製品を上澄みから回収するための代替法によって処理してもよい。例えば本出願の譲受人に譲渡されその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2008年6月20日出願の同時係属米国特許出願第12/213,500号(2008年12月4日公開の米国特許公開第2008-0299282号)に記載されるように、濃縮した上澄みは上澄みから7Sタンパク質を沈殿させるように熱処理し、その後キャノーラタンパク質製品を熱処理した溶液から回収することができる。
そのような熱処理は、濃縮した上澄み中に存在する7Sタンパク質の割合を減少させる、好ましくは7Sタンパク質の割合をかなりの程度で減少させるのに十分な温度及び時間プロファイルを使用して行ってもよい。一般に、濃縮した上澄みの7Sタンパク質含量は、熱処理により少なくとも約50wt%、好ましくは少なくとも約75wt%減少する。一般に、熱処理は、約70℃から約120℃、好ましくは約75℃から約105℃の温度で、約1秒から約30分、好ましくは約5から約15分かけて行ってよい。沈殿した7Sタンパク質を、遠心分離又はろ過又はその組み合わせなどの任意の好都合な方法で除去してもよい。
熱処理された、濃縮された上澄みは、沈殿した7Sタンパク質を除去した後、乾燥前に乾燥単離物の意図する用途に対応したpHまで、一般には約2から約5、好ましくは約2.5から約4のpHまで酸性化させてもよい。
熱処理された、濃縮された上澄みは、沈殿した7Sタンパク質を除去した後、キャノーラタンパク質製品を得るために、噴霧乾燥又は凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥させて乾燥した形態としてもよい。そのようなキャノーラタンパク質製品は約60wt%(N×6.25)d.bを超えるタンパク質含量を有し、好ましくは製品は約90wt%(N×6.25)d.b.を超える、より好ましくは約100wt%を超える(N×6.25)d.bタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物であり、実質的に非変性である(示差走査熱量測定法により測定される)。
そのような新規キャノーラタンパク質製品は、高い割合の2Sタンパク質、好ましくはキャノーラタンパク質の少なくとも90wt%、より好ましくは少なくとも約95wt%を製品中に含有する。ある割合の7Sタンパク質も製品中に存在する。
あるいは、上記のような7Sタンパク質を沈殿させるための熱処理ステップは、上記の濃縮及びダイアフィルトレーションステップ前の上澄みに対して行ってもよい。堆積した7Sタンパク質の除去に続いて、上澄みを一般に約50から約400g/L、好ましくは約200から約300g/Lのタンパク質濃度まで濃縮し、場合によりダイアフィルトレーションを行い、場合により着色物質除去操作を行い、乾燥させてキャノーラタンパク質製品を得てもよい。
さらなる代替法として、上澄みを最初に約50g/L以下のタンパク質濃度まで部分的に濃縮してもよい。部分濃縮した上澄みを次いで上記のように熱処理して7Sタンパク質を沈殿させる。沈殿した7Sタンパク質の除去に続いて、上澄みを一般に約50から約400g/L、好ましくは約200から約300g/Lの濃度までさらに濃縮し、場合によりダイアフィルトレーションを行い、場合により着色物質除去操作を行い、乾燥させてキャノーラタンパク質製品を得てもよい。
沈殿した7Sタンパク質を、熱処理された上澄み又は熱処理された部分濃縮上澄みから、遠心分離又はろ過又はその組み合わせなどの任意の好都合な手段によって除去してもよい。
沈殿した7Sタンパク質の除去に続いて、熱処理された上澄み又は熱処理された部分濃縮上澄みは、上記で論じたように、濃縮若しくはダイアフィルトレーションの間又はその後の任意の時点で酸性化してもよい。
米国特許出願第12/213,500号にも記載されるように、ミセル形成及び沈殿からの上澄みを代替法で処理してキャノーラタンパク質製品を得てもよい。上記で論じたように、上澄みを最初にさらに濃縮又は部分濃縮してもよい。
塩(通常は塩化ナトリウムであるが、塩化カリウムなどの他の塩を使用してもよい)を最初に上澄み、部分濃縮した上澄み、又は濃縮した上澄みへ加えて、導電率が少なくとも約0.3mS、好ましくは約10から約20mSである塩添加溶液を得る。
塩添加した上澄みのpHを、7Sタンパク質の等電沈殿を生じさせる値、一般には約2.0から約4.0、好ましくは約3.0から約3.5のpHに調整する。7Sタンパク質の等電沈殿は、広い温度範囲にわたって、一般には約5℃から約70℃、好ましくは約10℃から約40℃で行ってもよい。沈殿した7Sタンパク質を、等電沈殿した上澄みから、遠心分離又はろ過又はその組み合わせなどの任意の好都合な手段により除去する。
等電沈殿した上澄みは、まだ濃縮されていない場合、次いで上記で論じたように濃縮し、ダイアフィルトレーションを行って塩を除去し、その後乾燥させて本発明のキャノーラタンパク質製品を得てもよい。濃縮されダイアフィルトレーションされた上澄みをろ過して残留する微粒子を除去し、場合により着色物質除去ステップを施し、上記で論じたように、その後本発明のキャノーラタンパク質製品を得るために噴霧乾燥又は凍結乾燥などの任意の好都合な技術により乾燥させて乾燥した形態としてもよい。そのようなキャノーラタンパク質製品は、約60wt%(N×6.25)d.b.を超えるタンパク質含量を有し、好ましくは製品は約90wt%(N×6.25)d.b.を超える、より好ましくは約100wt%(N×6.25)d.b.を超えるタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物である。
別の代替法では、カルシウム塩、好ましくは塩化カルシウムを、最初に下記方法で濃縮又は部分濃縮されていてもよいPMMの分離からの上澄みへ加えて、約5mSから約30mS、好ましくは8mSから約10mSの導電率を実現してもよい。上澄み、部分濃縮した上澄み、又は濃縮した上澄みへ加えられる塩化カルシウムは、その濃水溶液などの任意の所望の形態であってよい。
塩化カルシウムを加えることは、グロブリン及びアルブミン両方のタンパク質画分を溶液中に保持しながら、上澄み、部分濃縮した上澄み、又は濃縮した上澄みからフィチン酸カルシウムの形態でフィチン酸を堆積させる効果を有する。堆積したフィチン酸塩を、上澄み、部分濃縮した上澄み、又は濃縮した上澄みから遠心分離及び/又はろ過などによって回収して、清澄溶液を残す。必要に応じて、堆積したフィチン酸塩は除去されなくてもよく、その場合はさらなる処理によってフィチン酸塩含量がより高い製品が得られる。
次いで溶液のpHを約2.0から約4.0、好ましくは約2.9から3.2の値に調整する。pH調整は、塩酸の添加などによって任意の好都合な方法で行ってよい。必要に応じて、酸性化ステップはここに記載される様々な選択肢から省略してもよい。
pH調整した清澄溶液は、まだ濃縮されていない場合、そのタンパク質濃度を増加させるために濃縮してもよい。そのような濃縮は、溶液中に相当な割合のキャノーラタンパク質を保持しながら、塩、炭水化物、色素、及び他のタンパク質原料物質から抽出される低分子量物質を含めた低分子量種が膜を通過するのを可能にする適切な分子量カットオフを有する膜を使用して、限外ろ過などの任意の好都合な選択膜技術を使用して行われる。様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンの分子量カットオフを有する限外ろ過膜を使用してもよい。このように溶液の濃縮は、タンパク質を回収するために乾燥させる必要がある液体の体積も減少させる。溶液は一般に、乾燥前に、少なくとも約50g/L、好ましくは約50から約500g/L、より好ましくは約100から約250g/Lのタンパク質濃度まで濃縮してもよい。そのような濃縮操作は、上記のようにバッチ方式で又は連続操作で行ってもよい。
カルシウム塩を添加する前に上澄みを部分濃縮する場合、上澄みを最初に約50g/L以下のタンパク質濃度まで濃縮し、沈殿物を除去した後、次いで少なくとも約50g/L、好ましくは約50から約500g/L、より好ましくは約100から約250g/Lの濃度まで濃縮してもよい。
別の代替法では、カルシウム塩を2段階で加えてもよい。この手順では、少量のカルシウムを上澄みへ加えて、沈殿を形成させるのに不十分である、約1mSから約3.5mS、好ましくは約1mSから約2mSの導電率をもたらす。
得られる溶液を上記の条件下で酸性化し部分濃縮する。残りのカルシウム塩を、部分的に濃縮した溶液へ加えて約4mSから約30mS、好ましくは約4から約10mSの導電率をもたらして、沈殿の形成をもたらす。次いで沈殿を除去する。得られる清澄溶液を次いで上記の条件下で濃縮する。
濃縮されたカルシウム処理された上澄みに、次いで水を用いたダイアフィルトレーションステップを施してもよい。水は、その天然のpH、ダイアフィルトレーションされるタンパク質溶液と同じpH、又はそれらの間の任意のpHであってもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、約1から約20倍容量のダイアフィルトレーション溶液、好ましくは約5から約10倍容量のダイアフィルトレーション溶液を使用して行ってもよい。ダイアフィルトレーション操作において、透過液と共に膜を通過することによってさらなる量の不純物が水性の上澄みから除去される。有意なさらなる量の不純物又は目に見える着色物質が透過液中に存在しなくなるまで、ダイアフィルトレーション操作を行ってもよい。そのようなダイアフィルトレーションは、濃縮ステップと同じ膜を使用して行ってもよい。しかし、必要に応じて、ダイアフィルトレーションは、様々な膜材料及び構成を考慮して、約3,000から約100,000ダルトン、好ましくは約5,000から約10,000ダルトンの範囲の分子量カットオフを有する膜などの別の膜を使用して行ってもよい。
ダイアフィルトレーションステップの少なくとも一部の間、抗酸化剤がダイアフィルトレーション媒体中に存在していてもよい。抗酸化剤は、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸などの任意の好都合な抗酸化剤であってもよい。ダイアフィルトレーション媒体中で使用される抗酸化剤の量は、使用される物質に依存し、約0.01から約1wt%で様々であってもよく、好ましくは約0.05wt%である。抗酸化剤は、濃縮キャノーラタンパク質溶液中に存在するフェノール類の酸化を阻害する働きをする。
濃縮され場合によりダイアフィルトレーションされたタンパク質溶液に、着色物質除去操作を施してもよい。本明細書において粒状活性炭(GAC)だけでなく粉末活性炭を使用してもよい。着色物質吸着剤として使用できる別の物質はポリビニルピロリドンである。
着色物質吸着剤による処理ステップは、任意の好都合な条件下で、一般にはキャノーラタンパク質溶液の周囲温度で行ってもよい。粉末活性炭については、約0.025%から約5%w/v、好ましくは約0.05%から約2%w/vの量を使用してもよい。ポリビニルピロリドンを色素吸着剤として使用する場合、約0.5%から約5%w/v、好ましくは約2%から約3%w/vの量を使用してもよい。着色物質吸着剤は、ろ過などの任意の好都合な手段によってキャノーラタンパク質溶液から除去してもよい。
濃縮され、場合によりダイアフィルトレーションされ、場合により吸着剤処理されたタンパク質溶液を、噴霧乾燥又は凍結乾燥などの任意の好都合な技術によって乾燥させて乾燥した形態とする。乾燥キャノーラタンパク質製品は約60wt%(N×6.25)d.b.を超えるタンパク質含量を有し、好ましくは製品は、約90wt%(N×6.25)d.b.を超える、より好ましくは約100wt%(N×6.25)d.bを超えるタンパク質含量を有するキャノーラタンパク質単離物であり、実質的に非変性である(示差走査熱量測定法により測定される)。キャノーラタンパク質製品は、一般にフィチン酸含量が低く、一般には約1.5重量%未満である。
ここで製造されるキャノーラタンパク質製品は、アルブミン及びグロブリン画分の両方を含有し、酸性水溶液環境中で可溶性である。
PMM沈降ステップの上澄みに由来し、上記の手順のいずれかによって調製されるキャノーラタンパク質製品は、上記のように冷凍デザート製品を調製するのに使用される、乳製品類似物又は植物/乳製品冷凍デザートミックスにおいて使用するのに適している。

例1:
この例は、冷凍デザートの調製に使用されるキャノーラタンパク質単離物の製造を示す。
100kgのキャノーラミールを周囲温度で1000Lの0.15M NaCl溶液へ加え30分間撹拌して、タンパク質水溶液を得た。キャノーラミール残渣を除去し、得られるタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化してタンパク質含量が1.49重量%である735.8Lの部分清澄化タンパク質溶液を得た。部分清澄化タンパク質溶液をろ過してタンパク質溶液をさらに清澄化し、タンパク質含量が1.37重量%である685Lの溶液が得られた。
685Lのろ過したタンパク質抽出溶液を、100,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリエーテルスルホン(PES)膜で35Lまで濃縮した。得られる濃縮タンパク質溶液のタンパク質含量は17.88重量%であった。濃縮タンパク質溶液を次いで150Lの0.15M NaCl溶液でダイアフィルトレーションした。得られる濃縮及びダイアフィルトレーション済み溶液のタンパク質含量は19.38重量%であった。濃縮及びダイアフィルトレーション済みタンパク質溶液を次いで63℃で10分間低温殺菌して、タンパク質含量が19.14重量%である35.8kgの低温殺菌された、濃縮及びダイアフィルトレーション済みタンパク質溶液を得た。
35.6kgの低温殺菌された、濃縮及びダイアフィルトレーション済みの30℃のタンパク質溶液を、温度が4.1℃である356Lの冷RO水中で希釈した。白色の雲状物質がただちに生成した。沈殿したタンパク質を、上澄みと呼ばれる残りの水性相から遠心分離により分離した。沈殿した粘性、粘着性の塊(PMM)を、ろ過したタンパク質溶液の30.8wt%の収率で回収した。乾燥させたPMM由来のタンパク質は、タンパク質含量が99.03%(N×6.25)d.b.であることが分かった。生成物にはSD078−J15−07A C300の記号表示を与えた。
タンパク質含量が1.05wt%である、上澄みのアリコート(aliquot)75Lを、10,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外ろ過により4.8Lまで体積減少させた。濃縮したタンパク質溶液を次いで同じ膜で20Lの逆浸透精製(RO)水によりダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーションした濃縮済みタンパク質溶液は15.22重量%のタンパク質を含有していた。上澄みから回収された追加のタンパク質とあわせて、ろ過したタンパク質溶液の全タンパク質回収率は38.6wt%であった。ダイアフィルトレーションされた濃縮済みタンパク質溶液を次いで噴霧乾燥させ、SD078−J15−07A C200−01の記号表示を与えた。C200−01のタンパク質含量は96.11%(N×6.25)d.b.であった。
例2:
この例は官能評価に使用される冷凍デザートの製造を示す。冷凍デザートは、例1に記載のように調製されたSD076−J15−07A C200−01を使用して製造された。
14.4gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を量り分け、およそ550mlの精製飲用水を加えた。タンパク質が完全に可溶化するまで試料を撹拌した。食品グレードのNaOH溶液を使用して溶液のpHを5.37から6.86へ調整した。pH調整した溶液へ7.2gのキャノーラ油(Canada Safeway Limited、Calgary、AB)を加え、さらなる水により試料の体積を600mlとした。次いで試料を、微細エマルサースクリーン(emulsor screen)を備えたSilverson L4RTミキサーにより5,000rpmで3分間処理した。
キャノーラタンパク質溶液(507.16g)の試料を量り分け、次いで純粋なバニラエッセンス(1.99g)(Club House、McCormick Canada、London、ON)及びグラニュー糖(89.85g)(Rogers、Lantic Inc.、Montreal、QC)を加え、糖が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。ミックスのpHは6.87であった。温度が9℃に到達するまでミックスを冷やした。冷やしたミックスをCuisinart ICE−50BCCアイスクリームメーカーのボウルへ移し、アイスクリームメーカーを45分間稼働させて半固体の冷凍デザートを得た。製品をプラスチックのタブ型容器へ移し、官能評価が行われるまで約−20℃の冷凍庫内で1時間保存した。
例3:
この例は、例2で調製された冷凍デザートの官能評価を示す。
冷凍デザートの試料を小さなカップへ移し、9人のパネリストを含む非公式の審査員団に盲検的に提示した。審査員団は冷凍デザートの風味に関してコメントをするように求められた。コメントに含まれたものは、「風味が非常に素晴らしい」、「良いバニラの味だ」、「豆っぽさ(beaniness)は感じられない」、「素晴らしい風味だ」、「良い風味だ」、及び「後味がない」であった。
例4:
この例は、冷凍デザートの調製に使用されるキャノーラタンパク質単離物の製造を示す。
172kgのキャノーラミールを周囲温度で1720Lの0.15M NaCl溶液へ加え30分間撹拌して、タンパク質水溶液を得た。キャノーラミール残渣を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化してタンパク質含量が1.35重量%である1358Lの部分清澄化タンパク質溶液を得た。部分清澄化タンパク質溶液をろ過してタンパク質溶液をさらに清澄化し、タンパク質含量が1.18重量%である1301Lの溶液が得られた。
1301Lのろ過したタンパク質抽出溶液を、5,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜で67.2kgまで濃縮した。得られる濃縮タンパク質溶液のタンパク質含量は22.50重量%であった。濃縮タンパク質溶液を次いで63℃で10分間低温殺菌して、タンパク質含量が21.75重量%である66.8kgの低温殺菌された濃縮済みタンパク質溶液を得た。
66.7kgの27℃の濃縮溶液を、温度が5℃である1000.5Lの冷RO水中で希釈した。白色の雲状物質がただちに生成した。沈殿したタンパク質を上澄みと呼ばれる残りの水性相から遠心分離により分離した。沈殿した粘性、粘着性の塊(PMM)を、ろ過したタンパク質溶液の42.5wt%の収率で回収した。乾燥させたPMM由来のタンパク質は、タンパク質含量が101.19%(N×6.25)d.b.であることが分かった。生成物にはSD076−G03−07A C300の記号表示を与えた。
タンパク質含量が0.76重量%である1050Lの上澄みを、85℃に10分間加熱し、次いで遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した。タンパク質含量が0.64wt%である、1040Lのこの加熱処理及び清澄化済みタンパク質溶液を、10,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外ろ過により29.1Lまで体積減少させた。濃縮タンパク質溶液は16.65重量%のタンパク質を含有していた。上澄みから回収される追加のタンパク質とあわせて、ろ過したタンパク質溶液の全タンパク質回収率は74.1wt%であった。濃縮タンパク質溶液を次いで噴霧乾燥させ、SD076−G03−07A C200HSの記号表示を与えた。C200HSのタンパク質含量は92.56%(N×6.25)d.b.であった。
例5:
この例は官能評価に使用される冷凍デザートの製造を示す。冷凍デザートは、例4に記載のように調製されたSD076−G03−07A C200HSを使用して製造された。
14.4gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を量り分け、およそ550mlの精製飲用水を加えた。タンパク質が完全に可溶化するまで試料を撹拌した。食品グレードのNaOH溶液を使用して溶液のpHを5.62から6.90へ調整した。pH調整した溶液へ7.2gのキャノーラ油(Canada Safeway Limited、Calgary、AB)を加え、さらなる水により試料の体積を600mlとした。次いで試料を、微細エマルサースクリーンを備えたSilverson L4RTミキサーにより5,000rpmで3分間処理した。
キャノーラタンパク質溶液(507.16g)の試料を量り分け、次いで純粋なバニラエッセンス(1.99g)(Club House、McCormick Canada、London、ON)及びグラニュー糖(89.85g)(Rogers、Lantic Inc.、Montreal、QC)を加え、糖が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。ミックスのpHは6.88であった。温度が9℃に到達するまでミックスを冷やした。冷やしたミックスをCuisinart ICE−50BCCアイスクリームメーカーのボウルへ移し、アイスクリームメーカーを45分間稼働させて半固体の冷凍デザートを得た。製品をプラスチックのタブ型容器へ移し、官能評価が行われるまで約−20℃の冷凍庫内で1時間保存した。
例6:
この例は、例5で調製された冷凍デザートの官能評価を示す。
冷凍デザートの試料を小さなカップへ移し、9人のパネリストを含む非公式の審査員団に盲検的に提示した。審査員団は冷凍デザートの風味に関してコメントをするように求められた。コメントに含まれたものは、「とても甘い」、「心地よい風味だ」、「豆のような(beany)味はしない」、「非常に素晴らしい、甘いバニラの風味だ」、「甘い」、「良いバニラの味と共にわずかな甘い後味」「えぐみも渋みもない」、及び「非常に良い」であった。
例7:
この例は、冷凍デザートの調製に使用されるキャノーラタンパク質単離物の製造を示す。
143kgのキャノーラミールを周囲温度で1500Lの0.15M NaCl溶液へ加え30分間撹拌して、タンパク質水溶液を得た。キャノーラミール残渣を除去し、得られたタンパク質溶液を遠心分離により部分的に清澄化してタンパク質含量が1.36重量%である1148.7Lの部分清澄化タンパク質溶液を得た。部分清澄化タンパク質溶液をろ過してタンパク質溶液をさらに清澄化し、タンパク質含量が1.28重量%である1122Lの溶液が得られた。
1122Lのろ過したタンパク質抽出溶液を、100,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリエーテルスルホン(PES)膜で63.74kgまで濃縮した。得られた濃縮タンパク質溶液のタンパク質含量は19.64重量%であった。
63.34kgの30℃の濃縮溶液を、温度が2℃である950.1Lの冷RO水中で希釈した。白色の雲状物質がただちに生成した。沈殿したタンパク質を上澄みと呼ばれる残りの水性相から遠心分離により分離した。沈殿した粘性、粘着性の塊(PMM)を、ろ過したタンパク質溶液の51.4wt%の収率で回収した。乾燥させたPMM由来のタンパク質は、タンパク質含量が99.54%(N×6.25)d.b.であることが分かった。生成物にはSD092−D14−09A C307Cの記号表示を与えた。
塩化カルシウムを添加することにより、995Lの上澄みを8.16mSの導電率に調整した。この溶液を次いで遠心分離して沈殿したフィチン酸塩物質を除去し、フィチン酸塩含量が減少した、清澄化したタンパク質溶液が980.6L得られた。フィチン酸塩含量が減少した、清澄化したタンパク質溶液を次いでHClの添加によりpH3.06に調整した。タンパク質含量が0.50wt%である、960Lのこの酸性化した、フィチン酸含量が減少した、清澄化したタンパク質溶液を、10,000ダルトンの分子量カットオフを有するポリエーテルスルホン(PES)膜を使用して限外ろ過により35Lまで体積減少させた。濃縮タンパク質溶液を次いで同じ膜で170LのpH3の逆浸透精製(RO)水によりダイアフィルトレーションした。ダイアフィルトレーションされた濃縮済みタンパク質溶液は10.91重量%のタンパク質を含有していた。上澄みから回収された追加のタンパク質とあわせて、ろ過したタンパク質溶液の全タンパク質回収率は79.7wt%であった。37.27kgの分量の濃縮物を、5Lのベッド体積(BV)の粒状活性炭に3BV/hrの速度でpH3で通すことにより、着色物質減少ステップを行った。着色物質を減少させた、タンパク質含量が9.73重量%である36.93kgのGAC処理済み溶液を、次いで噴霧乾燥させ、SD092−D14−09A C200CaCの記号表示を与えた。C200CaCのタンパク質含量は91.48(N×6.25)d.b.であった。
例8:
この例は官能評価に使用される冷凍デザートの製造を示す。冷凍デザートは、例7に記載のように調製されたSD092−D14−09A C200CaCを使用して製造された。
14.4gのタンパク質を供給するのに十分なタンパク質粉末を量り分け、およそ550mlの精製飲用水を加えた。タンパク質が完全に可溶化するまで試料を撹拌した。食品グレードのNaOH溶液を使用して溶液のpHを3.60から6.88へ調整した。pH調整した溶液へ7.2gのキャノーラ油(Canada Safeway Limited、Calgary、AB)を加え、さらなる水により試料の体積を600mlとした。次いで試料を、微細エマルサースクリーンを備えたSilverson L4RTミキサーにより5,000rpmで3分間処理した。
キャノーラタンパク質溶液(507.16g)の試料を量り分け、次いで純粋なバニラエッセンス(1.99g)(Club House、McCormick Canada、London、ON)及びグラニュー糖(89.85g)(Rogers、Lantic Inc.、Montreal、QC)を加え、糖が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。次いで温度が9℃に到達するまでミックスを冷やした。冷やしたミックスをCuisinart ICE−50BCCアイスクリームメーカーのボウルへ移し、アイスクリームメーカーを45分間稼働させて温度が−4.5℃である半固体の冷凍デザートを得た。製品をプラスチックのタブ型容器へ移し、官能評価が行われるまで約−20℃の冷凍庫内で1時間保存した。
例9:
この例は、例8で調製された冷凍デザートの官能評価を示す。
冷凍デザートの試料を小さなカップへ移し、8人のパネリストを含む非公式の審査員団に盲検的に提示した。審査員団は冷凍デザートの風味に関してコメントをするように求められた。コメントに含まれたものは、「素晴らしい風味、豆っぽさがない」、「素晴らしい天然のバニラの風味、良い甘さ、わずかにはちみつのように感じられる」、「全体として非常に受け入れやすい風味」、及び「全体として素晴らしい風味」であった。
開示の概要
この開示の概要において、好ましい風味特性を有する冷凍デザート製品の製造に使用される乳製品類似物又は植物/乳製品ブレンド冷凍デザートミックスが、キャノーラタンパク質製品を使用して提供される。本発明の範囲内で改変が可能である。

Claims (5)

  1. 冷凍デザート製品の所望の組成を実現するのに十分な割合でタンパク質、脂肪、香味料、甘味料、安定化剤、及び乳化剤を含む組成を有する冷凍デザートミックスであって、タンパク質成分が少なくとも部分的にキャノーラタンパク質製品によって与えられ、該キャノーラタンパク製品が、タンパク質含量が少なくとも約60wt%(N×6.25)d.b.であり、主に2Sキャノーラタンパク質からなり、タンパク質ミセル塊沈降ステップからの上澄みに由来する、冷凍デザートミックス。
  2. 0から約30wt%の脂肪、
    0.1から約18wt%のタンパク質、
    0から約45wt%の甘味料、
    0から約3wt%の安定化剤、
    0から約4wt%の乳化剤
    を含む組成を有する、請求項1に記載のミックス。
  3. 0から約18wt%の脂肪、
    0.1から約6wt%のタンパク質、
    0から約35wt%の甘味料、
    0から約1wt%の安定化剤、
    0から約2wt%の乳化剤
    を含む組成を有する、請求項1に記載のミックス。
  4. 乳製品原材料を含有せず乳製品類似物冷凍デザートミックスとして分類できる、請求項1に記載のミックス。
  5. 植物原材料及び乳製品原材料のブレンドを含有する、請求項1に記載のミックス。
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