JP2015510502A - モリブデンアリル錯体及び薄膜堆積におけるその使用 - Google Patents

モリブデンアリル錯体及び薄膜堆積におけるその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2015510502A
JP2015510502A JP2014554752A JP2014554752A JP2015510502A JP 2015510502 A JP2015510502 A JP 2015510502A JP 2014554752 A JP2014554752 A JP 2014554752A JP 2014554752 A JP2014554752 A JP 2014554752A JP 2015510502 A JP2015510502 A JP 2015510502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkyl
independently
present
vapor deposition
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014554752A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6209168B2 (ja
JP2015510502A5 (ja
Inventor
オデドラ,ラジェシュ
ガーラット,ショーン
サリー,マーク
カンジョリア,ラビ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sigma Aldrich Co LLC
Original Assignee
Sigma Aldrich Co LLC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sigma Aldrich Co LLC filed Critical Sigma Aldrich Co LLC
Publication of JP2015510502A publication Critical patent/JP2015510502A/ja
Publication of JP2015510502A5 publication Critical patent/JP2015510502A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6209168B2 publication Critical patent/JP6209168B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F11/00Compounds containing elements of Groups 6 or 16 of the Periodic System
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/06Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of metallic material
    • C23C16/18Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the deposition of metallic material from metallo-organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C16/00Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
    • C23C16/44Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
    • C23C16/455Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for introducing gases into reaction chamber or for modifying gas flows in reaction chamber
    • C23C16/45523Pulsed gas flow or change of composition over time
    • C23C16/45525Atomic layer deposition [ALD]
    • C23C16/45553Atomic layer deposition [ALD] characterized by the use of precursors specially adapted for ALD

Abstract

モリブデン錯体、並びにCVD及びALD等の薄層堆積におけるモリブデン錯体の使用が本明細書に提供される。モリブデン錯体は式I及び式IIに構造が対応する。式中、R1、R3、R5、R7、R8及びR10は、存在する場合は独立してアルキルであり;R2、R6及びR9は、独立してアルキルであり、R4及びR11は、存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;x、z、a、c、d及びfは、0、1又は2であり、y、b及びeは独立して0又は1;並びにn及びmは独立して0〜5である。

Description

本出願は、2012年1月26日に出願された米国仮出願第61/591,002号及び2012年10月10日に出願された米国仮出願第61/711,770号の優先権を主張し、それらの全体の開示は、全ての目的のためにその各々が全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
技術分野
本発明は、モリブデン(Mo)錯体及びそれらの錯体を用いた化学蒸着(CVD)又は原子層堆積(ALD)による薄膜の作製方法に関する。
様々な有機金属前駆体が金属薄膜の形成に使用される。種々の技術が薄膜の堆積のために使用されてきた。これらの技術としては、反応性スパッタリング、イオン支援堆積、ゾル−ゲル堆積、CVD(有機金属CVD又はMOCVDとしても知られる)及びALD(原子層エピタキシーとしても知られる)が挙げられる。CVD法及びALD法は、益々使用されるようになっているが、それは、それらの方法が組成制御に優れ、膜の均一性が高く、ドーピングの制御に優れ、更に意義深いことには、非平面性が著しい超小型電子(microelectronics)装置の形状に対して優れた共形段差被覆性(conformal step coverage)を提供するからである。
CVDは化学的方法であって、前駆体を用いて基板表面に薄膜を形成する。典型的なCVD法では、前駆体を低圧又は大気圧の反応室内の基板(例えば、ウェハ)上を通過させる。前駆体は基板表面で反応及び/又は分解して堆積物質の薄膜を生成する。揮発性副生成物は反応室を通過するガス流によって除去される。堆積膜厚の制御は、温度、圧力、ガスの流量及び均一性、化学空乏効果並びに時間等の多くの条件の調整に依存するため困難になることがある。
ALDも同様に薄膜を堆積する方法である。正確な膜厚の提供ができ、種々の組成からなる基板表面に前駆体によって供給される材料の共形薄膜を堆積させることができる表面反応に基づく自己律速で逐次的な独特の膜成長技術である。ALDでは、複数の前駆体を反応中に分離する。基板上に第一の前駆体を通過させて基板表面に単分子層を生成する。余分な未反応前駆体は反応室の外へ排出する。次に、基板上に第二の前駆体を通過させて第一の前駆体と反応させることで、基板表面の第一に形成した単分子層の膜上に第二の単分子層の膜を形成する。このサイクルを繰り返して所望の厚さの膜を生成する。ALD膜堆積は自己律速で表面反応に基づいており、ナノメータ尺度で厚みを制御できる均一な堆積物を生成する。
薄膜はナノテクノロジーや半導体デバイスの製造等の多様で重要な用途を有する。そのような用途の例として、導電性膜、高屈折率の光学被膜、防食被膜、光分解自浄ガラス被膜、生体適合性被膜、電界効果トランジスタ(FET)における誘電体コンデンサ層及びゲート誘電体絶縁膜、コンデンサ電極、ゲート電極、接着性拡散バリア並びに集積回路が挙げられる。薄膜は、またダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)用途のための高κ誘電体酸化物、並びに赤外線検出器及び非揮発性強誘電体ランダムアクセスメモリ(NV−FeRAM)で使用される強誘電体ペロブスカイト等の超小型電子技術用途でも使用される。超小型電子部品の絶え間ない小型化によって、上記のような薄膜の使用に対する需要が増加してきている。
モリブデンの酸化物及び窒化物は、多数の重要な用途を有する。例えば、二酸化モリブデン(MoO)は、金属のような特異な導電性を示し、炭化水素酸化触媒、固体酸化物燃料電池(SOFC)アノード、及び高容量可逆的リチウムイオン電池(LIB)アノードに応用されている。例えば、Ellefson, C. A.ら、J. Mater. Sci. 2012, 47, 2057-2071を参照のこと。三酸化モリブデン(MoO)は、興味深いエレクトロクロミック特性及び触媒特性を示し、ナノ構造のガスセンサ及び固体リチウムイオン電池に応用されている。例えば、Diskus, M.ら、J. Mater. Chem. 2011, 21, 705-710を参照のこと。最後に、遷移金属窒化物の薄膜は一般に機械的及び化学的安定性に優れる事がずっと以前から知られている。これまで窒化モリブデン(MoN及び/又はMoN)の膜の超小型電子技術拡散障壁、高Tc超伝導体、及び潤滑(tribological)被膜及び保護被膜等の応用についての研究がなされてきた。Miikkulainen, V.ら、Chem. Mater. 2007, 19, 263-269を参照のこと。
Theopold, K. H.らは、Mo錯体であるCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)の合成と分離を報告をしている(Science of Synthesis, 2003, 229-281)。
Green, J.らは、Mo錯体である(C)Mo(η−アリル)の合成と分離について報告している(J. Chem. Soc., Dalton Trans. 1973, 1403-1408 and J. Chem. Soc., Dalton Trans. 1973, 1952-1954.)。
CVD及びALDにおいて使用される現在のモリブデン前駆体は、半導体等の次世代デバイスの製造のための新たな方法を実現するために必要な性能を備えていない。例えば、熱安定性の改善、より高い揮発性、蒸気圧の増加及び堆積速度の上昇が必要である。
一態様において、式Iに構造が対応する有機金属錯体が提供される:
式中、R及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;Rはアルキルであり;Rは存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;x及びzは独立して0、1又は2であり;yは0又は1であり;nは0〜5である。
別態様において、式IIに構造が対応する有機金属錯体が提供される:
式中、R、R、R及びR10は存在する場合は独立してアルキルであり;R及びRは独立してアルキルであり;R11は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;a、c、d及びfは独立して0、1又は2であり;b及びeは独立して0又は1であり;mは0〜6である。
本明細書では、式I及び/又は式IIの有機金属錯体を用いた、CVD及びALD等の蒸着法によるモリブデン含有膜を形成する方法が提供される。
上記に要約された態様の特定の側面を含む他の態様は、以下の詳細な説明から明らかである。
図1は、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)の温度に対する%重量減少を示す熱重量分析(TGA)データのグラフ表示である。 図2は、MeCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)の温度に対する%重量減少を示すTGAデータのグラフ表示である。 図3は、i−PrCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)の温度に対する%重量減少を示すTGAデータのグラフ表示である。 図4は、MeCpMo(CO)(η−2−tert−ブチルアリル)の温度に対する%重量減少を示すTGAデータのグラフ表示である。 図5は、いくつかの態様のCVD及びALDに使用される化学反応器の概略図である。明記されている「MFC」は質量流量制御装置を指す。 図6Aは、水素終端処理されたSi(100)表面にCVDにより350℃で堆積させたMo含有膜の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。図6Bは、水素終端処理されたSi(100)表面にCVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。 図7は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面にCVDにより350℃で堆積させた膜のX線光電子分光法(XPS)データのグラフ表示である。 図8Aは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として水素を用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。図8Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として水素を用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。 図9は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として水素を用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図10は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてヒドラジンを用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図11は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、窒化タンタル表面に共反応剤としてヒドラジンを用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図12は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてアンモニアを用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図13は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に窒化タンタル表面に共反応剤としてアンモニアを用い、CVDにより350℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図14Aは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてN,N−ジメチルヒドラジンを用い、ALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。図14Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてN,N−ジメチルヒドラジンを用い、ALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。 図15は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてN,N−ジメチルヒドラジンを用い、ALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図16は、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤としてN,N−ジメチルヒドラジンを用いたALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のEDAX(エネルギー分散型X線分光法)及び組成分析である。 図17は、SiO−1K(表面に100nmのSiOを有するSi)表面に共反応剤として酸素を用いて堆積させたMo含有膜について堆積温度に対する成長速度を示すMo ALD曲線データのグラフ表示である。モリブデン前駆体と酸素のパルス幅を1.0秒で一定に保った。 図18Aは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として酸素を用い、ALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。図18Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として酸素を用い、ALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のSEM写真である。 図19は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)表面に共反応剤として酸素を用いALDにより250℃で堆積させたMo含有膜のXPSデータのグラフ表示である。 図20は、SiO−1K表面で共反応剤として酸素を用いたMo前駆体パルス幅に対する成長速度を示すMo表面飽和データのグラフ表示である。 図21は、SiO−1K表面に共反応剤として水を用い堆積させたMo含有膜について堆積温度に対する成長速度を示すMo ALD曲線データのグラフ表示である。モリブデン前駆体と水のパルス幅を1.0秒で一定に保った。 図22は、いくつかの態様に従って共反応剤としてオゾンを用いるALDに使用される化学反応器の概略図である。 図23は、SiO−1Kと水素終端処理されたSi(100)の表面でのMoパルス幅に対する成長速度を示すMo表面飽和データのグラフ表示である。 図24は、SiO−1Kと水素終端処理されたSi(100)の表面での堆積温度に対する成長速度を示すMo ALD曲線データのグラフ表示である。 図25は、種々の温度における結合エネルギーに対する強度を示すMo 3dイオン化データのグラフ表示である。 図26は、種々の温度における結合エネルギーに対する強度を示すO 1sイオン化データのグラフ表示である。 図27は、共反応剤としてオゾンを用い、水素終端処理されたSi(100)表面に堆積させた37.5nmのMoO膜のSEM写真である。 図28は、共反応剤としてオゾンを用い150℃で、水素終端処理されたSi(100)表面に堆積させたMoO膜のAFM顕微鏡写真である。 図29は、共反応剤としてオゾンを用い250℃で、水素終端処理されたSi(100)表面に堆積させたMoO膜のAFM顕微鏡写真である。
本発明の様々な側面において、Mo(II)錯体、そのような錯体を調製する方法及びそのような錯体を用いてMo、MoN、MoN、MoN/MoN、MoO、MoO及びMoO/MoOの膜を形成する方法が提供される。
一態様において、本発明の方法を用いて導電性を示すMo含有薄膜を作製、即ち成長させることができる。
本明細書で用いる用語「前駆体」は、基板上を通過させ、堆積法、例えばCVD又はALDにより薄膜を形成する有機金属の分子、錯体及び/又は化合物を指す。
本明細書で用いる用語「蒸着法」は、CVD又はALD等のあらゆる種類の蒸着技術を指す。本発明の種々の態様において、CVDは、従来(即ち、連続流)のCVD、液体注入CVD又は光支援CVDの形態をとることができる。CVDはまたパルス技術即ちパルスCVDの形をとることもできる。他の態様において、ALDは、従来(即ち、パルス注入)のALD、液体注入ALD、光支援ALD又はプラズマ支援ALDの形態をとることができる。本明細書で用いる用語「蒸着法」は、更に、Chemical Vapour Deposition: Precursors, Processes, and Applications; Jones, A. C; Hitchman, M. L., Eds. The Royal Society of Chemistry: Cambridge, 2009; Chapter 1, pp 1-36に記載された様々な蒸着技術を含む。
用語「Cp」はモリブデンに結合しているシクロペンタジエニル(C)配位子を指す。本明細書で用いるCp配位子の5個の炭素原子は全てη−配位の金属中心とπ結合により結合しており、従って本発明の錯体はπ錯体である。
用語「アリル」はモリブデンに結合しているアリル(C)配位子を指す。本明細書で用いるアリル配位子は共鳴二重結合を有し、アリル配位子の3個の炭素原子は全てη−配位の金属中心とπ結合によって結合している。従って、本発明の錯体はπ錯体である。これらの両方の特徴は、破線で示す結合で表される。アリル部分が1つのR基により置換される場合、R基はアリルの水素を置き換えて[R]になり、2つのR基、即ち、R及びRで置換される場合、アリル部分は[R](R及びRは同じか又は異なる)となり、以下同様である。
用語「アルキル」は長さが1〜約8個の炭素原子の飽和炭化水素鎖であり、限定されないが、例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル等である。アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。「アルキル」はアルキル基のすべての構造異性体形態を包含することを意図する。例えば、本明細書で用いるように、プロピルはn−プロピル及びイソプロピルの両方を包含し、ブチルはn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルを包含する。更に、本明細書に用いる「Me」はメチルを指し、「Et」はエチルを指し、「iPr」はイソプロピルを指し、「t−Bu」はtert−ブチルを指し、「Np」はネオペンチルを指す。なお、またCは、エチル基を指し、ジメチルを指さないことを意図する。
Mo金属、モリブデン窒化物、例えばMoN及びMoN(又はこれらのモリブデン窒化物の混合物)、ならびにモリブデン酸化物、例えばMoO及びMoO(又はこれらのモリブデン酸化物の混合物)、は堆積に対して不安定であるか逆に安定過ぎるという安定性の問題があるため堆積を達成するのが困難である。本発明の態様に開示された有機金属錯体は、物理特性の制御を可能にすると共に、安定性の向上と簡便な高収率合成を提供する。
第1の態様において、式Iに構造が対応する有機金属錯体が提供される:
式中、R及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;Rはアルキルであり;Rは存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;x及びzは、独立して0、1又は2であり;yは0又は1であり;nは0〜5である。
本明細書で用いる変数x、y、z及びnは、適切な炭素に結合している特定のR置換基の数を表すのに使用される。
存在する場合はR、R、R及びRは、同じでも異なってもよい。
一態様において、R、R又はRのうちの2つ以上が存在する場合、R、R又はRは、同じでも異なっていてもよい。例えば、変数「x」が2で、メチル及びエチルが共に式Iの適切な炭素位で置換していてもよい。他の態様では、R、R又はRは同じでもよい。たとえば、変数「x」が2で2個のメチル基が式Iの適切な炭素位で置換していてもよい。
一態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。いくつかのそのような態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R及びRは、存在する場合は独立してC〜Cのアルキル又はC〜Cのアルキル又はC〜Cのアルキルであり、RはC〜Cのアルキルである。更なる態様において、RはC〜Cのアルキルである。別の態様において、RはC〜Cのアルキルである。更なる態様において、RはC〜Cのアルキルである。
一態様において、R、R、Rは、存在する場合は独立してアルキルであり;Rは存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;x及びzは独立して0、1又は2であり;yは0又は1であり;nは0〜5であり、ここで、nが0の場合、R又はR又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;nが1の場合、R又はRは、存在する場合は、C〜Cのアルキルである。
一態様において、R、R及び/又はRはメチルであり、Rはメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、nは0、1又は2である。
別の態様において、R、R及び/又はRはエチルであり、Rはメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、nは0、1又は2である。
別の態様において、R、R及び/又はRはプロピル、Rはメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、nは0、1又は2である。従って、R、R及び/又はRは、n−プロピル又はイソプロピルであってもよい。
別の態様において、R、R及び/又はRはブチル、Rはメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、nは0、1又は2である。従って、R、R及び/又はRは、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルであってもよい。特定の態様において、R、R及び/又はRは、tert−ブチルである。
別の態様において、R、R、R及び/又はRはペンチルである。従って、R、R、R及び/又はRは、ネオペンチル、直鎖又はイソペンチルであってもよい。別の態様において、R、R及び/又はRはネオペンチルである。
別の態様において、R、R、R及び/又はRはヘキシルである。
別の態様において、R、R、R及び/又はRはヘプチルである。
別の態様において、R、R、R及び/又はRはオクチルである。
一態様において、x及びzは独立して0、1又は2である。
一態様において、yは0又は1である。
別の態様において、yは1、並びにx及びzはそれぞれ0である。
別の態様において、xは1、並びにy及びzはそれぞれ0である。
別の態様において、x、y及びzの少なくとも2つは1である。
別の態様において、x、y及びzはそれぞれ1である。
一態様において、nは0、1、2、3、4又は5である。
別の態様において、nは0、1、2又は3である。
別の態様において、nは1又は2である。
別の態様において、nは0又は1である。
別の態様において、nは2,3,4又は5である。
式Iに構造が対応する有機金属錯体の例としては、以下:
が挙げられる。
別態様において、式II:
に構造が対応する有機金属錯体が提供される。式中、R、R、R及びR10は、存在する場合は独立してアルキルであり;R及びRは独立してアルキルであり;R11は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;a、c、d及びfは、独立して0、1又は2であり;b及びeは、独立して0又は1であり;mは0〜6である。
本明細書で用いる変数a、b、c、d、e、f及びmは、適切な炭素に結合している特定のR置換基の数を表すのに使用される。
、R、R、R、R、R10及びR11は同じでも異なってもよい。
一態様において、2つ以上のR、R、R、R10及びR11が存在する場合、R、R、R、R10及びR11は同じでも異なってもよい。例えば、変数「a」が2で、メチルとエチルの両方が式IIの適切な炭素位で置換していてもよい。他の態様では、R、R、R、R10及びR11は同じであってもよい。例えば、変数「a」は2で、2個のメチル基が式IIの適切な炭素位で置換していてもよい。
一態様において、R、R、R、R.R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。一態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及びR11は、存在する場合は独立してC〜Cのアルキルである。
一態様において、R、R、R及びR10は、存在する場合は独立にアルキルであり;R及びRは独立してアルキルであり;R11は独立に存在する場合はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;a、c、d及びfは、独立して0、1又は2であり;b及びeは、独立して0又は1であり;mは0〜6であり、ここで、mが0の場合、a、b、c、d、e又はfの少なくとも1つは1又は2であり;mが1の場合、R11はC〜Cのアルキル、アルケニル又はアルキニルである。
一態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10はメチルであり、R11はメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、mは0、1、2、3又は4である。より特定の態様において、mは1、2、3又は4である。
別の態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10はエチルであり、R11はメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、mは0、1、2、3又は4である。より特定の態様において、mは1、2、3又は4である。
別の態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10はプロピルであり、R11はメチル、エチル、プロピル又はブチルであり、mは0、1、2、3又は4である。従って、R、R、R、R、R及び/又はR10はn−プロピル又はイソプロピルである。更に特定の態様において、mは1、2、3又は4である
別の態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10はブチルであり、R11はメチル、エチル、プロピル又はブチルであり;mは0、1、2、3又は4である。従って、R、R、R、R、R及び/又はR10はn−ブチル、sec−ブチル、イソブチル又はtert−ブチルでもよい。特定の態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10は、tert−ブチルである。更に特定の態様において、mは1、2、3又は4である。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及び/又はR11は、ペンチルである。従って、R、R、R、R、R及び/又はR10は、ネオペンチル、直鎖又はイソペンチルであってもよい。特定の態様において、R、R、R、R、R及び/又はR10は、ネオペンチルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及び/又はR11はヘキシルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及び/又はR11はヘプチルである。
別の態様において、R、R、R、R、R、R10及び/又はR11はオクチルである。
一態様において、a、c、d及びfは独立して0、1又は2である。
一態様において、b及eは独立して0又は1である。
別の態様において、a、c、d及びfは0である。
別の態様において、a、b、c、d、e及びfは1である。
別の態様において、a、c、d及びfは0であり、b及びeは1である。
別の態様において、a、b及びcの少なくとも2つは1であり、d,e及びfの少なくとも2つは1である。
別の態様において、a、b、c、d、e及びfは各々0である。
一態様において、mは0、1、2、3、4、5又は6であり、より特定的には、mは0、1、2,3又は4であり、更により特定的には、mは1、2,3又は4である。
別の態様において、mは0、1又は3である。
別の態様において、式IIの有機金属錯体は構造が式II(a):
に対応する。式中、mは上記で定義した通りである。特定の態様において、mは0、1、2、3又は4であり;更に特定の態様において、mは1、2、3又は4である。
別の態様において、式IIの有機金属錯体は構造が式II(b):
に対応する。式中、mは上記で定義した通りである。特定の態様において、mは0、1、2、3又は4であり、更に特定の態様において、mは1、2、3又は4である。
式IIに構造が対応する有機金属錯体の例を表1に示す。
一態様において、式IIの2つ以上の有機金属錯体の混合物が提供される。
特定の態様において、式II(a)の2つ以上の有機金属錯体の混合物及び/又は組み合わせが提供される。
別の特定の態様において、式II(b)の2つ以上の有機金属錯体の混合物及び/又は組み合わせが提供される。
別の態様において、式I及び式IIの2つ以上の有機金属錯体の混合物及び/又は組み合わせが提供される。
別の態様において、蒸着法によりモリブデン含有膜を形成する方法が提供される。この方法は本明細書に開示されているように、式I、式II又はこれらの組み合わせに構造が対応する少なくとも1種の有機金属錯体を気化させることを含む。例えば、この方法は、(1)少なくとも1種の錯体を気化させ、(2)基板表面に少なくとも1種の錯体を送達するか、基板上に少なくとも1種の錯体を通過させる(及び/又は基板表面で少なくとも1種の錯体を分解させる)ことを含む。
特定の態様において、有機金属錯体は適当な炭化水素又はアミン溶媒に溶解してもよい。適切な炭化水素溶媒としては、ヘキサン、へプタン及びノナン等の脂肪族炭化水素;トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素;ジグライム、トリグライム及びテトラグライム等の脂肪族及び環状エーテルが挙げられるが、これらに限定されない。適切なアミン系溶媒の例としては、限定されないが、オクチルアミン及びN,N−ジメチルドデシルアミンが挙げられる。例えば、有機金属錯体をトルエンに溶解させ、約0.05M〜約1Mの濃度の溶液を得ることができる。
別の態様において、式I又は式IIに構造が対応する少なくとも1種の錯体をそのままの(キャリアガスにより希釈されていない)状態で基板に送達してもよい。
一態様において、蒸着法は化学蒸着である。
別態様において、蒸着法は原子層堆積である。
本発明のALD法及びCVD法は、連続又はパルス注入法、液体注入法、光支援法及びプラズマ支援法等の様々な種類のALD法及びCVD法を包含するが、これらに限定されない。明瞭にするために、本発明の方法は具体的には直接液体注入法を含む。例えば、直接液体注入CVD(「DLI−CVD」)においては、固体又は液体の錯体を適当な溶媒に溶解して形成した溶液を、錯体を気化させるための手段としての気化室に注入する。次いで気化した錯体を基板に移送/送達する。一般に、DLI−CVDは特に錯体の揮発性が比較的低い場合や他の方法では気化しにくい場合に特に有用である。
一態様において、通常のパルス注入CVDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。通常のパルスCVD法については、例えば、Smith, Donald (1995), Thin-Film Deposition:Principles and Practice, McGraw-Hillを参照のこと。
一態様において、式I及び/又は式IIの錯体のCVD成長条件は、限定されないが以下の通りである:
(1)基板温度: 50〜600℃
(2)蒸発器温度(Mo源温度): 0〜200℃
(3)反応器圧力: 0〜100Torr
(4)アルゴン又は窒素キャリアガス流量: 0〜500sccm
(5)酸素流量: 0〜500sccm
(6)水素流量: 0〜500sccm
(7)実行時間: 所望の膜厚に応じて変化する
別の態様において、光支援CVDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。
更なる態様において、通常の(即ちパルス注入)ALDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。従来のALD法については、例えば、George S. M., et al., J. Phys. Chem., 1996, 100, 13121-13131を参照のこと。
別の態様において、液体注入ALDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。ここで、少なくとも1種の液体錯体を、気泡管(bubbler)による蒸気吸引とは対照的に、直接液体注入によって反応器に送達する。液体注入ALD法については、例えば、Potter R. J., et al., Chem. Vap. Deposition, 2005, 11(3), 159-169を参照のこと。
式I及び/又は式IIの錯体のALD成長条件の例としては、限定されないが以下の通りである:
(1)基板温度: 0〜400℃
(2)蒸発器温度(Mo源温度): 0〜200℃
(3)反応器圧力: 0〜100Torr
(4)アルゴン又は窒素キャリアガス流量: 0〜500sccm
(5)反応性ガス流量: 0〜500sccm
(6)パルス列(錯体/パージ/反応ガス/パージ):反応室の大きさに応じて変化する
(7)サイクル数: 所望の膜厚に応じて変化する
別の態様において、光支援ALDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。光支援ALD法については、例えば、米国特許第4,581,249号を参照のこと。
別の態様において、プラズマ強化ALDを用いて、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの少なくとも1つの錯体を基板の上に気化及び/又は通過させてモリブデン含有薄膜を形成する。
このように、本明細書に開示され、これらの方法で利用されている式I又は式IIの有機金属錯体は、液体、固体又は気体である。典型的には、有機金属錯体は、周囲温度で液体又は低融点の固体であり、蒸気を処理器に安定して移送できる蒸気圧を有する。いくつかの態様において、式I又は式IIの有機金属錯体は、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下又は約30℃以下の融点を有する固体である。
一態様において、明細書に開示された式I及び/又は式IIに対応する有機金属錯体は、酸素源、例えば反応性酸素種等のパルスと交互のパルスで基板に送られる。そのような酸素源の例としては、限定するものではないが、HO、H、O、オゾン、空気、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール、或いはNOが挙げられる。
一態様において、窒化モリブデン(MoN、MoN又はMoN/MoN)膜及び/又は酸化モリブデン(MoO、MoO又はMoO/MoO)膜は、堆積のために式I及び/又は式IIの少なくとも1種の錯体を、独立に、或いは共反応剤と組み合わせて送達することによって形成することができる。この点では、共反応剤は、独立に又は少なくとも1種の錯体と組み合わせて基板表面に堆積又は基板に送達又は基板上を通過させてもよい。このような共反応剤の例としては、水素、水素プラズマ、酸素、空気、水、H、アンモニア、ヒドラジン、ボラン、トリシラン等のシラン、オゾン又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。適切なボランの例としては、限定されないが、ボラン、ジボラン、トリボラン等の水素化物の(即ち、還元性)ボランが挙げられる。適切なシランの例としては、限定されないが、シラン、ジシラン、トリシラン等の水素化物のシランが挙げられる。最適なヒドラジンの例としては、限定されないが、ヒドラジン(N)及び/又は1つ以上のアルキル基で任意に置換されたヒドラジン(即ち、アルキル置換ヒドラジン)、例えばメチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、N,N−又はN,N’−ジメチルヒドラジン等、が挙げられる。
特定の態様において、共反応剤を用い、堆積のために式I及び/又は式IIの少なくとも1種の錯体を独立して又は組み合わせて、共反応剤、例えば、限定しないが、HO、O及び/又はオゾン等と共に反応室に送ることによって、MoO、MoO又はMoO/MoO膜を形成する。このような共反応剤は複数を使用することができる。
別の態様において、共反応剤を用い、堆積のために式I及び/又は式IIの少なくとも1種の錯体を独立して又は組み合わせて、共反応剤、例えば、限定しないが、アンモニア、ヒドラジン又は他の窒素含有化合物(例えばアミン)等と共に反応室に送ることによって、MoN、MoN又はMoN/MoN膜を形成する。このような共反応剤は複数を使用することができる。
別の態様において、共反応剤を用い、堆積のために式I及び/又は式IIの少なくとも1種の錯体を独立して又は組み合わせて、共反応剤、例えば、限定しないが、H、ヒドラジン、トリシラン等のシラン及び/又はアンモニア等と共に反応室に送ることによって、モリブデン含有金属膜を形成する。
別の態様において、混合金属膜を、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの錯体を、必ずしも同時ではないが、モリブデンと異なる金属を有する共錯体と組み合わせて気化させる蒸着法によって形成できる。
種々の基板が本発明の方法において使用できる。例えば、本明細書に開示されている式I及び/又は式IIの錯体は、限定されないが、Si(100)等のシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、銅、ルテニウム、窒化チタン、タングステン及び窒化タングステン等様々な基板に送達する又は基板上を通過させることができる。
特定の態様において、本発明の方法は、シリコンチップ等の基板表面のメモリ及び論理用途のためのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び相補酸化膜半導体(CMOS)等の用途に用いられる。
本明細書に記載のいずれのモリブデン錯体も、モリブデン金属、モリブデン酸化物及び/又はモリブデン窒化物の薄膜を調製するために使用することができる。このような膜は、酸化触媒、アノード材料(例えば、SOFC又はLIBのアノード)、導電層、センサー、拡散バリア/被膜、超伝導及び非超伝導材料/被膜、潤滑被膜及び/又は保護被膜等に応用することができる。当業者であれば当然理解されることであるが、膜物性(例えば導電性)は、多くの因子に依存し、例えば、堆積に使用される金属、共反応剤及び/又は共錯体の有無、生成膜の厚み、成長及びその後の処理中に使用される諸条件及び基板等の因子が挙げられる。
熱駆動であるCVD法と反応性駆動であるALD法との間には基本的な違いが存在する。最適な性能を達成するための前駆体の特性に対する要件は大きく異なる。CVDでは、必要な化学種を基板表面に堆積させる錯体のクリーンな熱分解が不可欠である。しかしながら、ALDでは、そのような熱分解を何としても避けなければならない。ALDでは、表面での投入試薬間の反応は迅速で基板表面に標的材料を形成しなければならない。しかしながら、CVDでは、基板に到達する前に気相の混合による化学種間のこのような反応は有害であり粒子形成に繋がる可能性がある。良好なCVD前駆体はCVD前駆体の熱安定性要件が厳しくないため、必ずしも良好なALD前駆体ではないと一般に認められている。本発明では、式I及び式IIのモリブデン錯体は、ALD前駆体として機能するために十分な安定性と選択された共反応剤に対する反応性を有し、より高温でもクリーンな分解経路を有しているのでCVD法によっても所望の材料を形成する。そのため、式I及び式IIで表されるモリブデン錯体は、実行可能なALD及びCVDの前駆体として有用である。
実施例
下記の実施例は単なる例示であり、いかなる意味においても本開示を限定するものではない。
特に断りのない限りは、全ての操作は不活性雰囲気(例えば、精製された窒素又はアルゴン)中で、当技術分野で一般に知られている空気に敏感な材料を処理するための技術を用いて行った(例えば、「シュレンク技術」)。
実施例1:CpMo(CO) (η −2−メチルアリル)の調製
磁気攪拌器を備えた2Lの丸底フラスコにMo(CO)(30g、0.114mol)を入れ、続いてアセトニトリル(450mL)を入れた。混合物を窒素雰囲気で4時間((Mo(CO)が昇華しなくなるまで)還流し、黄色に着色した溶液を得た。その溶液を室温(RT)まで冷却し、次いで3−クロロ−2−メチルプロペン(22.2mL、0.228mol)を注射器でゆっくりと加えた。添加中に橙色となり、COの発生が観察された。混合物を50℃で一晩撹拌し、次いで沈降させた。得られた黄色沈殿物をカニューレで濾過し、次いでアセトニトリル(5mL)で洗浄した。減圧で乾燥した後、Mo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Clを黄色の粉末として得た(収量29g(80%))。
分解蒸留したてのシクロペンタジエン(5.9g、0.089mol)を、水素化ナトリウム(2.1g、0.089mol)をテトラヒドロフラン(THF)(200mL)に懸濁した液に滴下し、次いでH発生が止まるまで室温で撹拌し、NaCp溶液を調製した。得られた溶液を、THF(350mL)に溶解したMo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Cl(29g、0.089mol)溶液に、カニューレでゆっくり添加した。得られた暗赤色溶液を室温で一晩撹拌し、NaClの淡色沈殿を形成させた。溶媒を減圧で除去した後、残留物をヘキサンで抽出した(0.5Lで2回)。黄色/褐色の溶液を濾過し、次いで約100mLまで濃縮すると、その時点で黄色固体が沈殿した。この固体を濾過により回収して減圧で乾燥した。更に溶液を濃縮して冷凍庫で冷却することで生成物のさらなるバッチを得た。
CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)の収量=18g(Mo(CO)から58%)。
H NMR(C):δ(ppm):1.53(s、2H、アリル−H)、1.66(s、3H、アリル−Me)、2.62(s、2H、アリル−H)、4.51(s、5H、Cp−H)
図1は、室温から530℃までの温度上昇に対するCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)のTGAプロットを示している。
実施例2:MeCpMo(CO) (η −2−メチルアリル)の調製
Mo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Clを上記の実施例1の記載と同様にして調製した。分解蒸留したてのメチルシクロペンタジエン(6.3g、0.079mol)を、水素化ナトリウム(1.9g、0.079mol)をTHF(300mL)に懸濁した液に滴下し、次いでH発生が止まるまで室温で撹拌しNaMeCp溶液を調製した。得られた溶液を、THF(400mL)に溶解したMo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Cl(25g、0.077mol)溶液に、カニューレでゆっくり添加した。得られた暗赤色溶液を室温で一晩撹拌し、NaClの淡色沈殿を形成させた。この混合物をカニューレで濾過し、得られた透明な溶液を蒸発させ、暗赤色の液体を得た。残留物はヘキサン(300mL)で抽出した。赤褐色の溶液を濾過し、次いで溶媒を減圧で除去した。赤/褐色の液体を110−120℃(0.5Torr)で、短絡蒸留装置によって蒸留し、橙色の液体/低融点の固体(15g(68%))のMeCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)を得た。
H NMR(C):δ(ppm):1.30(s、2H、アリル−H)、1.49(s、3H、Cp−Me)、1.70(s、3H、アリル−Me)、2.78(s、2H、アリル−H)、4.49(m、2H、Cp-H)、4.57(m、2H、Cp−H)
図2は、室温から275℃までの温度上昇に対するMeCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)のTGAプロットを示している。CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)とMeCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)のTGAプロットは類似しており、それぞれ約125℃と約215℃の温度間で1段階での重量減少を示し、最終的に残留物は約0.2%であった。
実施例3:i−PrCpMo(CO) (η −2−メチルアリル)の調製
Mo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Clを上記の実施例1の記載と同様にして調製した。Na(i−Pr)Cp(イソプロピルシクロペンタジエニドナトリウム、22g、0.169mol)をTHF(150mL)に溶解した溶液を、Mo(CO)(MeCN)(η−2−メチルアリル)Cl(54.4g、0.168mol)をTHF(500mL)に溶解した溶液にカニューレでゆっくり添加した。得られた暗赤色溶液を室温で一晩撹拌し、NaClの淡色沈殿を形成させた。溶媒を減圧で除去した。得られた暗赤色/褐色の油状残留物をヘキサン(300mL)で抽出し、抽出物を合わせ、カニューレで濾過した。溶媒を減圧で除去し、得られた赤色液体を110〜130℃(0.5Torr)で蒸留し、i−PrCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)を赤色液体として得た:27g(Mo(CO)から43%)。
H NMR(C):δ(ppm):0.90(d、6H、CHMe)、1.51(s、2H、アリル−H)、1.69(s、3H、アリル−Me)、2.18(sept、1H、CHMe)、2.69(s、2H、アリル−H)、4.47(m、2H、Cp−H)、4.59(m、2H、Cp−H)
図3は、室温から530℃までの温度上昇に対するi−PrCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)のTGAプロットを示している。
実施例4:MeCpMo(CO) (η −2−tert−ブチルアリル)の調製
磁気攪拌器を備えた1Lの丸底フラスコにMo(CO)(11g、0.042mol)を入れ、続いてアセトニトリル(300mL)を入れた。混合物を窒素雰囲気で8時間還流し、黄色に着色した溶液を得た。溶液を室温まで冷却し、次いで2−ブロモメチル−3,3−ジメチル−1−ブテン(8g、0.045mol)を注射器でゆっくりと加えた。添加中に、赤色となり、COの発生が観察された。混合物を60℃で48時間撹拌した。得られた溶液を30℃に冷却し、次いで溶媒を減圧で除去し、Mo(CO)(MeCN)(η−2−tert−ブチルアリル)Brを橙色の固体として得た:収量16.2g(94%)。
分解蒸留したてのメチルシクロペンタジエン(3.2g、0.04mol)を、水素化ナトリウム(1g、0.041mmol)をTHF(100mL)に懸濁した液に滴下し、次いでH発生が止まるまで20℃で撹拌しNaMeCp溶液を調製した。得られた溶液を、Mo(CO)(MeCN)(η−2−tert−ブチルアリル)Br(16.2g、0.039mol)をTHF(200mL)に溶解した溶液にゆっくりと添加した。得られた暗赤色溶液を20℃で一晩撹拌し、NaBrの淡色沈殿を形成させた。溶媒を減圧除去した。得られた暗赤色/褐色の油状残留物をヘキサン(200mL)で抽出し、抽出物を合わせ、カニューレで濾過した。溶媒を減圧で除去し、得られた赤色油状物を120〜130℃(0.4Torr)で蒸留し、MeCpMo(CO)(η−2−tert−ブチルアリル)を低融点の橙色の固体として得た:10g(Mo(CO)から73%)。
H NMR(C):δ(ppm):1.10(s、9H、t−Bu)、1.12(s、2H、アリル−H)、1.41(s、3H、Cp−Me)、2.91(s、2H、アリル−H)、4.44(m、2H、Cp−H)、4.55(m、2H、Cp−H)
図4は、室温から530℃までの温度上昇に対するMeCpMo(CO)(η−2−tert−ブチルアリル)のTGAプロットを示している。i−PrCpMo(CO)(2−メチルアリル)とMeCpMo(CO)(η−2−tert−ブチルアリル)のTGAプロットは類似しており、それぞれ約150℃と約230℃の温度の間で1段階の重量減少を示し、最終的に残留物は約0.4%であった。
実施例1〜4で調製した有機金属錯体の物性を表2に要約する。
実施例5:(η −Et 6−x )Mo(η −アリル) (x=0〜4)の調製
出発原料であるMo(η−Et6−xは、いくつかの錯体の混合物であり、xは0〜4で配位アレーン位に置換したエチル基の存在数の変化を意味する。グローブバッグ中で、Mo(η−Et6−x(10.0g)を1Lシュレンクフラスコに入れた。フラスコに磁気撹拌棒を備え付け、ゴム隔膜で密封し、グローブバッグから取り出した。次いで、フラスコを真空ポンプで引いてN置換することを3回行い、流動N雰囲気中に置いた。このフラスコに250mLの無水トルエンをカニューレで加え、暗緑色の混合物を磁気的に撹拌した。塩化アリル(4.0mL、49mmol)を、撹拌しているMo(Et6−x/トルエン混合物にゆっくり添加し、得られた反応混合物を一晩撹拌した。揮発性物質を得られた暗紫色の溶液から減圧で除去し、暗紫色の油状物を得た。暗紫色油状物([(η−Et6−x)(η−アリル)Mo(μ−Cl)]と考えられる)を250mLの無水エタノールで2回抽出し、カニューレフィルタを用いて濾過した。紫色の濾液を合わせ、揮発性物質を減圧で除去した。混合物を500mLの無水ヘキサン中でスラリー化し、揮発性物質を再び減圧で除去した。暗紫色の油状物を500mLの無水THFに溶解し、混合物を磁気的に撹拌した。塩化アリルマグネシウム(2.0MのTHF溶液18.0mL:36.0mmol)を注射器で反応混合物にゆっくり添加した。混合物を一晩撹拌した。次いで褐色の反応混合物を−30℃に冷却し、注射器で数滴の水を加え余分な塩化アリルマグネシウムを失活させた。褐色の懸濁液をカニューレで濾過し、揮発性物質を減圧で濾液から除去した。この混合物を500mLの無水ヘキサン中でスラリー化し、揮発性物質を減圧で除去した(THFの完全な除去を確実にするためである)。次いで生成物を無水ヘキサン500mLで2回抽出し、カニューレにより濾過した。濾液を合わせ、揮発性物質を減圧で除去し、4.0gの暗紫色の油状物を得た。暗紫色の油状物を130〜140℃、0.5Torrで蒸留し、0.3g(3%)の所望の生成物を黄橙色の油状物として得た。
所望の生成物は化学種の混合物で、複雑なH NMRを示す。H NMR(C):δ(ppm):0.7-1.8(m、エチル及び1−アリル−H)、2.4-2.6(m、1−アリル−H)、3.7-4.1(m、2−アリル−H)、6.8-7.2(m、アリール−H)
実施例6:CpMo(CO) (η −2−メチルアリル)による堆積実験
この実施例の全ての堆積実験では、シクロペンタジエニルモリブデンジカルボニル2−メチルアリル(CpMo(CO)(η−2−メチルアリル))をモリブデン源として使用した。図5は、この実施例でCVD及びALDの実験に用いられる反応器の概略図である。Mo源を、80sccmsの窒素キャリアガス流と共に90℃に保ち、実験中は1.0秒でパルスした。使用した共反応剤は酸素、N,N−ジメチルヒドラジン及び水素ガスであった。全ての実施例において、基準反応器圧力は1.2Torrと1.5Torrの間であった。使用した基板は、二酸化ケイ素(シリコン表面に100Å)、P−ドープしたシリコン(100)、及び窒化タンタルであった。堆積は下記の実施例の全ての基板表面で起こった。Si表面に堆積させた膜のXPSスペクトル及び断面SEM顕微鏡写真を分析した。均一性の尺度として、膜厚を断面SEMにより基板表面の多くの異なる点で測定した。
実施例6A:パルス化学蒸着によるMoの堆積−共反応剤無し
Mo含有膜を以下の条件の化学蒸着により堆積させた。
基板温度:350℃
共反応剤:無し
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:1.0秒のMo前駆体/5.0秒の窒素パージ
全サイクル:1000回
図6A及び図6Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に上記の条件で堆積させた膜の選択された断面SEM顕微鏡写真である。基板の両端の膜厚は146〜250nmと変化する。
図7は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)の表面に堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。
実施例6B:水素を共反応剤として用いたパルス化学蒸着によるMoの堆積
Mo含有膜を以下の条件の化学蒸着で堆積させた。
基板温度:350℃
共反応剤:水素ガス(50sccms)(Mo前駆体と共流);水素ガスを全堆積行程で常に流した。
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:1.0秒のMo前駆体/5.0秒の窒素パージ
全サイクル:1000回
図8A及び図8Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に上記の条件により堆積させた膜の選択された断面SEM顕微鏡写真である。基板の両端の膜厚は91〜160nmと変化する。
図9は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)の表面に堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。
実施例6C:ヒドラジンを共反応剤として用いたパルス化学蒸着によるMoの堆積
Mo含有膜を以下の条件の化学蒸着により堆積させた。
基板温度:350℃
共反応剤:60sccmsの窒素キャリアガス流を有し、Mo前駆体と共流されたヒドラジン(23℃)
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:3.0秒のMo前駆体及び1.0秒のヒドラジン/5.0秒の窒素パージ
全サイクル:2000回
図10は、水素終端処理されたSi(100)の表面に上記の条件で堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。この膜をアルゴンイオンでスパッタリングを行い、表面汚染物質を除去した。
図11は、上記の条件で窒化タンタル表面に堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。この膜をアルゴンイオンでスパッタリングを行い、表面汚染物質を除去した。
実施例6D:アンモニアを共反応剤として用いたパルス化学蒸着によるMoの堆積
Mo含有膜を以下の条件の化学蒸着により堆積させた。
基板温度:350℃
共反応剤:アンモニアガス(100sccms)(Moの前駆体と共流):アンモニアガスを全堆積行程で常に流した。
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:3.0秒のMo前駆体/5.0秒の窒素パージ
全サイクル:2000回
図12は、水素終端処理されたSi(100)の表面に上記の条件で堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。この膜をアルゴンイオンでスパッタリングを行い、表面汚染物質を除去した。
図13は、窒化タンタル表面に上記の条件で堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。この膜をアルゴンイオンでスパッタリングを行い、表面汚染物質を除去した。
実施例6E:N,N−ジメチルヒドラジンを共反応剤として用いた原子層堆積によるMoの堆積
Mo含有膜を以下の条件の原子層堆積により堆積させた。
基板温度:250℃
共反応剤:60sccmsの窒素キャリアガス流を有するN,N−ジメチルヒドラジン(15℃)
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:1.0の秒Mo前駆体/5.0秒の窒素パージ/0.8秒のN,N−ジメチルヒドラジン/5.0秒窒素パージ
全サイクル:2000回
図14A及び図14Bは、水素終端処理されたSi(100)表面に上記の条件によって堆積させた膜の選択された断面SEM顕微鏡写真である。基板の両端の膜厚は68〜72nmと変化する。
図15は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)の表面に堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。
図16は、水素終端処理されたSi(100)の表面に上記の条件により堆積させた膜のEDAXと組成分析である。
実施例6F:酸素を共反応剤として用いた原子層堆積によるMoの堆積
酸化モリブデン含有膜を以下の条件の原子層堆積により堆積させた。
基板温度:250℃
共反応剤:酸素 10sccms
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:1.0秒のMo前駆体/5.0秒の窒素パージ/1.0秒の酸素/5.0秒の窒素パージ
全サイクル:2000回
図17に示すように、酸素を共反応剤として使用し、SiO−1Kを基板として使用した場合、ALDウィンドウは約210℃と約225℃との間で観察され、約0.26Å/サイクルの定成長速度であった。
図18A及び図18Bは、上記の条件を用い、水素終端処理されたSi(100)表面に堆積された膜の選択された断面SEM顕微鏡写真である。膜厚は基板の両端で101〜103nmと変化した。
図19は、2分間アルゴンイオンでスパッタリングした後に、水素終端処理されたSi(100)の表面に堆積させた膜のXPSスペクトルと組成分析である。
酸素を共反応剤(1.0秒パルス幅)として使用した場合の成長の更なる研究では、215℃の基板(堆積)温度でのCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)前駆体のパルス幅に対する成長速度のプロットを作成した。図20に示すように、自己律速膜成長挙動はMoパルス幅が1.0秒以上で起こる。
実施例6G:水を共反応剤として用いた原子層堆積によるMoの堆積
Mo含有膜を以下の条件の原子層堆積により堆積させた。
基板温度:225℃
共反応剤:水
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:2.0秒のMo錯体/5.0秒のNパージ/1.0秒
全サイクル:2000回
図21に示すように、水を共反応剤(1.0秒パルス幅)として使用した場合、ALDウィンドウは約195℃と約275℃との間で観察され、約0.24Å/サイクルの定成長速度であった。このように、水を共反応剤として用いて得られるALDウィンドウは、酸素を共反応剤として用いた場合よりも著しく広かった。
実施例7:オゾン共反応剤として用いた原子層堆積実験
この実施例の全ての堆積実験では、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)をモリブデン源として使用し、オゾンを共反応剤として使用した。MeCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)、i−PrCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)又はMeCpMo(CO)(η−2−tert−ブチルアリル)もまたモリブデン源として用いることが可能である。図22は、この実施例ではALD実験に用いられる反応器の概略図である。実験中は80sccmsの窒素キャリアガス流と共にMo源を90℃に保った。オゾン共反応剤濃度は、60sccmsの流量で260g/Nmであり、1.0秒でパルスした。全ての実施例において、基準反応器圧力は、1.2Torrと1.5Torrの間であった。使用した基板は表面に100nmのSiOを有するSi(SiO−1K)及び水素終端処理されたSi(100)(Si(H−term))であった。堆積は下記の実施例の全ての基板表面で起こった。Si表面に堆積させた膜のXPSスペクトル及び断面SEM顕微鏡写真を分析した。均一性の尺度として、膜厚を断面SEMにより基板表面の多くの異なる点で測定した。
実施例7A:オゾンを共反応剤として用いたCpMo(CO) (η −2−メチルアリル)による原子層堆積によるMoの堆積
酸化モリブデン含有膜を以下の条件の原子層堆積により堆積させた。
基板温度:150℃
共反応剤:オゾン
窒素パージ時間:5.0秒
パルス列:1.0秒のMo前駆体/5.0秒のNパージ/1.0秒のオゾン/5.0秒のNパージ
全サイクル:1000回
図23は、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)について、2つの異なる基板表面(SiO−1K及びSi(H−term))におけるMo前駆体パルス幅に対する成長速度を表したMo表面飽和データを示している。いずれの場合も、基板温度は175℃で、オゾンを1.0秒でパルスした。図23は、各々の基板について、0.5秒後から表面飽和が起こり、ALDにより175℃で膜成長が進むことを示している。
図24は、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)について、SiO−1K及びSi(H−term))表面における堆積(基板)温度に対する成長速度を示したMo ALD曲線データのグラフ表示である。いずれの場合も、Mo前駆体のパルス幅とオゾン共反応剤のパルス幅は、各々2.0秒と1.0秒であった。図24には、0.52Å/サイクル(Si(H−term))及び0.50Å/サイクル(SiO−1K)の定成長速度である約150〜175℃のALDウィンドウが示されている。
図25は、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)について、150℃、200℃及び250℃における結合エネルギーに対する強度を示したMo 3dイオン化データのグラフ表示である。図26は、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)について、種々の温度における結合エネルギーに対する強度を示すO 1sイオン化データのグラフ表示である。図25及び図26の陰影付き枠は、Mo 3d 3/2及びMo 3d 5/2(図25)、並びにO 1s(図26)に属するイオン化についての文献値を表す。2分間スパッタリングした膜について、膜の%原子炭素は、5.6(150℃)、3.3(200℃)及び3.7(250℃)と測定され、O/Moは3.3/1(150℃)、3.1/1(200℃)及び3.0/1(250℃)と測定された。このように、XPSデータは、ALDによるMoOの堆積がうまく行ったことを示している。
図27は、モリブデン源としてCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)を、共反応剤としてはオゾンを用い、水素終端処理されたSi(100)表面に175℃で堆積させた37.5nmのMoO膜のSEM写真である。
図28は、モリブデン源としてCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)を、共反応剤としてはオゾンを用い、水素終端処理されたSi(100)表面に150℃で堆積させたMoO膜のAFM写真である。RMS表面粗さは0.72nmと測定された。
図29は、モリブデン源としてCpMo(CO)(η−2−メチルアリル)を、共反応剤としてはオゾンを用い、水素終端処理されたSi(100)表面に250℃で堆積させたMoO膜のAFM写真である。RMS表面粗さは15.74nmと測定された。
この実施例の実験に基づいて多くの結論を得た。まず、CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)とオゾンを用い、125〜225℃の基板温度でALDによって低炭素含有MoO薄膜を成長することができた。ALDウィンドウが150℃〜175℃で観察された。ALDウィンドウ内では、堆積膜は平坦で凹凸のない、ALD成長を示すものであった。ALDウィンドウ(250℃)を超えた温度で堆積させたMoO膜は非常に粗く、Mo前駆体の分解が示唆された。CpMo(CO)(η−2−メチルアリル)(及び構造的に類似の前駆体)は、窒化モリブデン、低価数の酸化モリブデン及び硫化モリブデンの堆積に適しているはずである。
本明細書において引用した全ての特許及び刊行物は、参照によりその全体が、全ての目的のために本明細書に完全に記載されたかのように、この用途に組み込まれる。
用語「含む(comprise、comprises、comprising)」は、排他的ではなく包含的に解釈する。
更なる態様
なお、本発明の開示は、本発明のある態様に参照によって本明細書で説明される1つ以上の特徴と、本発明のある他の態様に参照によって本明細書で説明される1つ以上の特徴との組み合わせを含む本発明の様々な側面による方法、生成物及びシステムに及ぶ。
態様1:式Iの構造に対応する有機金属錯体:
式中、R及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;
はアルキルであり;
は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;
x及びzは、独立して0、1又は2であり;
yは0又は1であり;
nは0〜5であり、ここで、nが0の場合、R又はR又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;nが1の場合、R又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルである。
態様2:R、R及びRは独立して存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;Rはアルキルであり、及び、nが0の場合、R又はR又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;nが1の場合、R又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルである、態様1の有機金属錯体。
態様3:nが0又は1である、態様1又は態様2の有機金属錯体。
態様4:nが2〜5である、態様1又は態様2の有機金属錯体。
態様5:x及びzが0である、態様1〜4のいずれか1つの有機金属錯体。
態様6:yが1である態様1〜5のいずれか1つの有機金属錯体。
態様7:錯体が下記:
である態様1の有機金属錯体。
態様8:式Iに構造が対応する少なくとも1種の有機金属錯体を気化させることを含む、モリブデンを含有する膜を蒸着法によって形成する方法:
式中、
及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;
はアルキルであり;
は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;
x及びzは、独立して0、1又は2であり;
yは0又は1であり;
nは0〜5である。
態様9:R,R及びRが独立して存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;かつRがC〜Cのアルキルである、態様8の方法。
態様10:R,R及びRは独立して存在する場合には、C〜Cのアルキル;かつRはC〜Cのアルキルである、態様8又は態様9の方法。
態様11:nが0又は1である、態様8〜10のいずれか1つの方法。
態様12:nが2〜5である、態様8〜10のいずれか1つの方法。
態様13:x及びzが0である、態様8〜12のいずれか1つの方法。
態様14:yが0である、態様8〜13のいずれか1つの方法。
態様15:有機金属錯体が下記:
からなる群から選択される、態様8の方法。
態様16:前記蒸着法が、パルス化学蒸着又は連続流化学蒸着又は液体注入化学蒸着等の、化学蒸着である、態様8〜15のいずれか1つの方法。
態様17:前記蒸着法が、液体注入原子層堆積又はプラズマ強化原子層堆積等の原子層堆積である、態様8〜15のいずれか1つの方法。
態様18:前記少なくとも1つの有機金属錯体は、酸素源のパルスと交互のパルスで基板に送られ、金属酸化物膜を形成する、態様8〜17のいずれか1つの方法。
態様19:前記酸素源がHO、空気、O及びオゾンからなる群から選択される、態様18の方法。
態様20:さらに、少なくとも1つの共有機金属錯体を気化させ金属酸化物膜を形成させることを含む、態様8〜19のいずれか1つの方法。
態様21:水素、水素プラズマ、酸素、空気、水、アンモニア、ヒドラジン、ボラン、シラン、オゾン及びこれらいずれか2種以上の組み合わせから群から選択される少なくとも1つの共反応剤、好ましくは(N)又はN,N−ジメチルヒドラジン等のヒドラジン、を気化させることを更に含む、態様8〜20のいずれか1つの方法。
態様22:前記方法はDRAM又はCMOSの用途に用いられる、態様8〜21のいずれか1つの方法。

Claims (27)

  1. 式Iの構造に対応する有機金属錯体:
    式中、R及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;
    はアルキルであり;
    は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;
    x及びzは、独立して0、1又は2であり;
    yは0又は1であり;
    nは0〜5であり、ここで、nが0の場合、R又はR又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルであり;nが1の場合、R又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルである。
  2. 、R及びRは独立して存在する場合には、C〜Cのアルキルであり、Rはアルキルであり、及び、nが0の場合、R又はR又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルであり、nが1の場合、R又はRは、存在する場合には、C〜Cのアルキルである、請求項1に記載の有機金属錯体。
  3. nが0又は1である、請求項1又は請求項2に記載の有機金属錯体。
  4. nが2〜5である、請求項1又は請求項2に記載の有機金属錯体。
  5. x及びzが0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機金属錯体。
  6. yが1である、請求項5に記載の有機金属錯体。
  7. 前記錯体が以下:
    の構造である請求項1の有機金属錯体。
  8. 式Iに構造が対応する少なくとも1種の有機金属錯体を気化させることを含む、モリブデンを含有する膜を蒸着法によって形成する方法:
    式中、R及びRは存在する場合は独立してアルキルであり;
    はアルキルであり;
    は存在する場合は独立してアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され;
    x及びzは、独立して0、1又は2であり;
    yは0又は1であり;
    nは0〜5である。
  9. 、R及びRが独立して存在する場合には、C〜Cのアルキルであり、かつRがC〜Cのアルキルである、請求項8に記載の方法。
  10. 、R及びRは独立して存在する場合には、C〜Cのアルキルであり、かつRはC〜Cのアルキルである、請求項8又は請求項9に記載の方法。
  11. nが0又は1である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. nが2〜5である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. x及びzは0である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. yが0である、請求項13に記載の方法。
  15. 有機金属錯体が下記:
    からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  16. 前記蒸着法が化学蒸着である、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記化学蒸着がパルス化学蒸着又は連続流化学蒸着である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記化学蒸着が液体注入化学蒸着である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記蒸着法が原子層堆積である、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記原子層堆積が、液体注入原子層堆積又はプラズマ強化原子層堆積である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1つの有機金属錯体が、酸素源のパルスと交互のパルスで基板に送られ、金属酸化物膜を形成する、請求項8〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記酸素源がHO、空気、O及びオゾンからなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. さらに、少なくとも1つの共有機金属錯体を気化させ金属酸化物膜を形成させることを含む、請求項8〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 更に、水素、水素プラズマ、酸素、空気、水、アンモニア、ヒドラジン、ボラン、シラン、オゾン及びこれらいずれか2種以上の組み合わせから群から選択される少なくとも1つの共反応剤を気化させることを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 更に、ヒドラジンを共反応剤として気化させることを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記ヒドラジンがヒドラジン(N)又はN,N−ジメチルヒドラジンである、請求項25の方法。
  27. 前記方法がDRAM又はCMOSの用途に用いられる、請求項8〜26のいずれか1項の方法。
JP2014554752A 2012-01-26 2013-01-18 モリブデンアリル錯体及び薄膜堆積におけるその使用 Active JP6209168B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261591002P 2012-01-26 2012-01-26
US61/591,002 2012-01-26
US201261711770P 2012-10-10 2012-10-10
US61/711,770 2012-10-10
PCT/US2013/022260 WO2013112383A1 (en) 2012-01-26 2013-01-18 Molybdenum allyl complexes and use thereof in thin film deposition

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015510502A true JP2015510502A (ja) 2015-04-09
JP2015510502A5 JP2015510502A5 (ja) 2016-03-03
JP6209168B2 JP6209168B2 (ja) 2017-10-04

Family

ID=47722546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014554752A Active JP6209168B2 (ja) 2012-01-26 2013-01-18 モリブデンアリル錯体及び薄膜堆積におけるその使用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9175023B2 (ja)
EP (1) EP2807174B1 (ja)
JP (1) JP6209168B2 (ja)
KR (1) KR101532995B1 (ja)
CN (1) CN104136448B (ja)
IL (1) IL233786A (ja)
SG (1) SG11201404375PA (ja)
TW (1) TWI563112B (ja)
WO (1) WO2013112383A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016181630A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社東芝 パターン形成方法
WO2020095744A1 (ja) * 2018-11-08 2020-05-14 株式会社Adeka 原子層堆積法による金属ルテニウム薄膜の製造方法
US11621169B2 (en) 2020-01-30 2023-04-04 Kokusai Electric Corporation Method of manufacturing semiconductor device, recording medium, and substrate processing apparatus

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2201149B1 (en) 2007-09-14 2013-03-13 Sigma-Aldrich Co. Methods of preparing titanium containing thin films by atomic layer deposition using monocyclopentadienyl titanium-based precursors
KR101538982B1 (ko) 2009-08-07 2015-07-23 시그마-알드리치 컴퍼니., 엘엘씨 고분자량 알킬알릴 코발트트리카르보닐 착체 및 유전체 박막 제조를 위한 그 용도
EP2609102B1 (en) 2010-08-27 2014-12-31 Sigma-Aldrich Co. LLC Molybdenum (iv) amide precursors and use thereof in atomic layer deposition
US8927748B2 (en) 2011-08-12 2015-01-06 Sigma-Aldrich Co. Llc Alkyl-substituted allyl carbonyl metal complexes and use thereof for preparing dielectric thin films
US9175023B2 (en) 2012-01-26 2015-11-03 Sigma-Aldrich Co. Llc Molybdenum allyl complexes and use thereof in thin film deposition
EP3116884B1 (en) 2014-03-13 2017-08-16 Sigma-Aldrich Co. LLC Molybdenum silylcyclopentadienyl and silylallyl complexes and use thereof in thin film deposition
KR20180114159A (ko) * 2016-02-19 2018-10-17 메르크 파텐트 게엠베하 몰리브덴 카르보닐 전구체를 사용하는 몰리브덴 박막의 증착
KR20180038823A (ko) 2016-10-07 2018-04-17 삼성전자주식회사 유기 금속 전구체, 이를 이용한 막 형성 방법 및 이를 이용한 반도체 장치의 제조 방법
KR102355507B1 (ko) * 2018-11-14 2022-01-27 (주)디엔에프 몰리브덴 함유 박막의 제조방법 및 이로부터 제조된 몰리브덴함유 박막
KR20210110886A (ko) 2019-01-28 2021-09-09 램 리써치 코포레이션 금속 막들의 증착
KR20210127262A (ko) 2019-03-11 2021-10-21 램 리써치 코포레이션 몰리브덴-함유 막들의 증착을 위한 전구체들
KR20210119809A (ko) 2020-03-25 2021-10-06 삼성전자주식회사 몰리브덴 화합물과 이를 이용한 집적회로 소자의 제조 방법
JP7433132B2 (ja) * 2020-05-19 2024-02-19 東京エレクトロン株式会社 成膜方法及び成膜装置
US11390638B1 (en) 2021-01-12 2022-07-19 Applied Materials, Inc. Molybdenum(VI) precursors for deposition of molybdenum films
US11459347B2 (en) 2021-01-12 2022-10-04 Applied Materials, Inc. Molybdenum(IV) and molybdenum(III) precursors for deposition of molybdenum films
US11434254B2 (en) 2021-01-12 2022-09-06 Applied Materials, Inc. Dinuclear molybdenum precursors for deposition of molybdenum-containing films
US11760768B2 (en) 2021-04-21 2023-09-19 Applied Materials, Inc. Molybdenum(0) precursors for deposition of molybdenum films
KR20230089245A (ko) * 2021-12-13 2023-06-20 (주)디엔에프 몰리브데넘 화합물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 박막의 제조방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59108003A (ja) * 1982-11-22 1984-06-22 ミネソタ・マイニング・アンド・マニユフアクチユアリング・コンパニ− エネルギ−重合性組成物
WO2005087783A1 (en) * 2004-03-18 2005-09-22 Ibet-Instituto De Biologia Experimental E Tecnológica Compositions comprising organometallic molybdenum compounds for treating cancer

Family Cites Families (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07107190B2 (ja) 1984-03-30 1995-11-15 キヤノン株式会社 光化学気相成長方法
US5064686A (en) * 1990-10-29 1991-11-12 Olin Corporation Sub-valent molybdenum, tungsten, and chromium amides as sources for thermal chemical vapor deposition of metal-containing films
GB9929279D0 (en) 1999-12-11 2000-02-02 Epichem Ltd An improved method of and apparatus for the delivery of precursors in the vapour phase to a plurality of epitaxial reactor sites
GB0017968D0 (en) 2000-07-22 2000-09-13 Epichem Ltd An improved process and apparatus for the isolation of pure,or substantially pure,organometallic compounds
DE02772548T1 (de) 2001-10-26 2004-11-11 Epichem Ltd., Wirral Vorlaeuferverbindungen für chemische dampfphasenabscheidung
WO2004083479A2 (en) 2003-03-17 2004-09-30 Epichem Limited Alcoholates of rare earth mtals a precursors for metaloxide layers or films
GB0412790D0 (en) 2004-06-08 2004-07-14 Epichem Ltd Precursors for deposition of silicon nitride,silicon oxynitride and metal silicon oxynitrides
GB2432363B (en) 2005-11-16 2010-06-23 Epichem Ltd Hafnocene and zirconocene precursors, and use thereof in atomic layer deposition
DE102006000823A1 (de) * 2006-01-05 2007-07-12 H. C. Starck Gmbh & Co. Kg Wolfram- und Molybdän-Verbindungen und ihre Verwendung für die Chemical Vapour Deposition (CVD)
JP5108319B2 (ja) * 2007-02-01 2012-12-26 昭和シェル石油株式会社 有機モリブデン化合物よりなる摩擦調整剤およびそれを含む潤滑組成物
JP5108318B2 (ja) * 2007-02-01 2012-12-26 昭和シェル石油株式会社 新規な有機モリブデン化合物
TWI382987B (zh) 2007-07-24 2013-01-21 Sigma Aldrich Co 應用於化學相沉積製程的有機金屬前驅物
TWI425110B (zh) 2007-07-24 2014-02-01 Sigma Aldrich Co 以化學相沉積法製造含金屬薄膜之方法
EP2191034B1 (en) 2007-09-14 2013-03-13 Sigma-Aldrich Co. LLC Methods of preparing thin films by atomic layer deposition using monocyclopentadienyl triamino zirconium precursors
EP2201149B1 (en) 2007-09-14 2013-03-13 Sigma-Aldrich Co. Methods of preparing titanium containing thin films by atomic layer deposition using monocyclopentadienyl titanium-based precursors
TW200944535A (en) 2008-03-20 2009-11-01 Sigma Aldrich Co Purification and preparation of phosphorus-containing compounds
TW200949006A (en) 2008-05-23 2009-12-01 Sigma Aldrich Co High-k dielectric films and methods of producing using titanium-based precursors
TW200949939A (en) 2008-05-23 2009-12-01 Sigma Aldrich Co High-k dielectric films and methods of producing using titanium-based β -diketonate precursors
WO2009143452A1 (en) 2008-05-23 2009-11-26 Sigma-Aldrich Co. High-k dielectric films and methods of producing using cerium-based precursors
TWI467045B (zh) 2008-05-23 2015-01-01 Sigma Aldrich Co 高介電常數電介質薄膜與使用鈰基前驅物製造高介電常數電介質薄膜之方法
TW200951241A (en) 2008-05-30 2009-12-16 Sigma Aldrich Co Methods of forming ruthenium-containing films by atomic layer deposition
TW201014925A (en) 2008-06-20 2010-04-16 Sigma Aldrich Co Titanium pyrrolyl-based organometallic precursors and use thereof for preparing dielectric thin films
KR20120088652A (ko) 2009-07-21 2012-08-08 시그마-알드리치 컴퍼니., 엘엘씨 티타늄-함유 박막을 형성하기 위한 조성물 및 이용 방법
KR101538982B1 (ko) 2009-08-07 2015-07-23 시그마-알드리치 컴퍼니., 엘엘씨 고분자량 알킬알릴 코발트트리카르보닐 착체 및 유전체 박막 제조를 위한 그 용도
WO2011115878A1 (en) 2010-03-19 2011-09-22 Sigma-Aldrich Co. Methods for preparing thin fillms by atomic layer deposition using hydrazines
EP2609102B1 (en) 2010-08-27 2014-12-31 Sigma-Aldrich Co. LLC Molybdenum (iv) amide precursors and use thereof in atomic layer deposition
US8927748B2 (en) 2011-08-12 2015-01-06 Sigma-Aldrich Co. Llc Alkyl-substituted allyl carbonyl metal complexes and use thereof for preparing dielectric thin films
US9175023B2 (en) 2012-01-26 2015-11-03 Sigma-Aldrich Co. Llc Molybdenum allyl complexes and use thereof in thin film deposition

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59108003A (ja) * 1982-11-22 1984-06-22 ミネソタ・マイニング・アンド・マニユフアクチユアリング・コンパニ− エネルギ−重合性組成物
WO2005087783A1 (en) * 2004-03-18 2005-09-22 Ibet-Instituto De Biologia Experimental E Tecnológica Compositions comprising organometallic molybdenum compounds for treating cancer

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016181630A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社東芝 パターン形成方法
WO2020095744A1 (ja) * 2018-11-08 2020-05-14 株式会社Adeka 原子層堆積法による金属ルテニウム薄膜の製造方法
US11621169B2 (en) 2020-01-30 2023-04-04 Kokusai Electric Corporation Method of manufacturing semiconductor device, recording medium, and substrate processing apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
KR101532995B1 (ko) 2015-07-01
EP2807174A1 (en) 2014-12-03
IL233786A0 (en) 2014-09-30
EP2807174B1 (en) 2016-03-30
TWI563112B (en) 2016-12-21
JP6209168B2 (ja) 2017-10-04
CN104136448A (zh) 2014-11-05
CN104136448B (zh) 2015-12-02
WO2013112383A1 (en) 2013-08-01
SG11201404375PA (en) 2014-10-30
KR20140116223A (ko) 2014-10-01
US9175023B2 (en) 2015-11-03
US20140370192A1 (en) 2014-12-18
TW201335415A (zh) 2013-09-01
IL233786A (en) 2017-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6209168B2 (ja) モリブデンアリル錯体及び薄膜堆積におけるその使用
US10914001B2 (en) Volatile dihydropyrazinly and dihydropyrazine metal complexes
KR101819482B1 (ko) 몰리브덴 실릴사이클로펜타다이에닐 및 실릴알릴 착화합물 및 박막 증착에서의 이의 용도
KR101538982B1 (ko) 고분자량 알킬알릴 코발트트리카르보닐 착체 및 유전체 박막 제조를 위한 그 용도
KR101560755B1 (ko) 모노시클로펜타디에닐 티타늄계 전구체를 이용한 원자층 증착에 의한 티타늄 함유 박막의 제조 방법
JP4980679B2 (ja) チタン錯体、それらの製造方法、チタン含有薄膜及びそれらの形成方法
KR102638657B1 (ko) 사이클로펜타디에닐 리간드를 포함하는 금속 착화합물
JP2020189841A (ja) アリル配位子を含む金属錯体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161027

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170810

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6209168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250