この発明は、物体の特性を判定する非破壊的なシステム及び方法に関する。この発明の実施の形態では、物体の硬度(firmness)及び/又は堅さ(stiffness)を判定するシステムと方法とが提供される。物体は、例えば、果物、野菜、肉製品或いは如何なる固体状、中空状及び/又は加圧された物体でも良い。
この発明は、例えば、物体の特性を判定する非破壊的なシステム及び方法に使用可能な非破壊的な流体のインパルス(impulse)を発生させるのに適したバルブにも関する。バルブは、例えば、パルス音響深さゲージ、群集管理装置のような他のものにも適用できる。
果物の自動選別機は、生鮮果物全体及び他の生鮮食品を評価して種々のカテゴリーに選別し、果物の品質を一様にする境界、例えば寸法或いは色を揃える境界を作り出すために使用される。従来では農産物は寸法、形状、色及び表面上の欠陥といった外観上の特性に基づいて選別されていたが、現在では自動選別機によって評価される特性のうち、成熟度、味及び硬度といった農産物の内部の品質を含める傾向が増してきている。
園芸の選別機技術のグローバル市場は現在年10億ドルと見積もられており、世界的な果物の生産率が上昇し続けるにつれて増えている。3つの異なる観点から来る増大する問題に対処するため、果物の供給者は、選別機の改良技術を要求している。それらは、(i)巨大なスーパーマーケットチェーンに対する望ましい供給者の地位、(ii)価格的な価値を付加できる果物の供給、(iii)降級される果物及び労働コストを最小限にすることによる費用の低減、である。選別技術に対する特定の強い推進力が、果物の品質に対する消費者の予測を増大させている。消費者は、購入した果物が加工食品と同じように均一であるとますます感じている。生鮮製品の特定の品質が消費者にとって重要であるならば、その品質を測定、即ち制御することは生産者の利益にかなう。小売業者は、彼らの供給者が満足する厳しい選別基準を課して応じている。
農産物の硬度(例えば、りんごの「シャキシャキ感」)は、消費者が農産物を選ぶ上で重要な要素である。果物或いは農産物の個別品目の硬度を測定するように設計された多くの果物の自動選別機が存在する。しかし、果物の硬度を判定するための適切な解決策は、現在のところ存在しない。この問題を解決することは困難である。なぜなら、センサ技術は、果物に対して非破壊的であり且つシステム全体の処理能力を大幅に低減させることなく既存のシステムと一体化でき、果物の寸法、見栄え及び形態上の特徴に関わらず正確でなければならないからである。
果物の硬度を判定する既存のシステムがある。例えば、Awetaから提供されている単純な音響硬度センサ、及びGreefaとSinclairとから提供されているセンサである。しかし、これらの既存のシステムは、果物に接触することを要求する。この要求により、測定において多くの制限が課せられてしまう。最も重大なものは速度であるが、機械の複雑さも問題を克服するために重要である。例えば、Sinclair IQ硬度テスタは、硬度センサを果物上まで下げるために一連の蛇腹(bellows)を使用する。Greefa iFDは、センサを果物の搬送装置に同期させるために複雑な機械装置を使用する。更に、これらの既存システムは、果物を高速で搬送する装置を含むシステムに連動させることができない。例えば、Greefa iFDは、1つのラインにつき、最大で毎秒5個の果物を処理する能力を有する。
一般に、製品の硬度を測定する選別装置には、大まかに2つの種類がある。歪み方法と音響方法である。これら双方の方法には欠点がある。
歪み方法は、圧力或いは衝撃を一箇所に適用された時の果物の表面での反応を測定することを伴う。一般に、この方法は、果物に物理的に接触するシステムを必要とする。歪み方法の1つの欠点は、システムが1箇所での測定から測定値を得ることであり、軟らかい作物が傷つき易いことである。このような傷つき易さにより、軟らかい作物の測定時に硬度が低く見積もられること、不良を示す軟らかい作物が見逃されること、或いは果物の周方向の変化(例えば、陰になった側がより堅いこと)に対して無反応になることがある。この欠点は、果物の周方向に種々の位置で複数の測定を行うことによって克服できる。しかしながら、この解決策では時間が掛かり、システムの処理能力を更に低下させてしまう。歪み方法の更なる欠点は、堅い果物に対しては、歪みが小さいために比較的反応が悪いことである。
物理的な接触を伴わない一箇所の硬度測定を使用した歪み方法によるシステム及び方法が、アメリカ特許公報5372030(Prussia et al)に記載されている。Prussiaに記載されたシステムは、果物の表面を押すための噴出空気とその結果生じた果物の歪みを測定するためのレーザ変位計とを使用する。装置には、商業的に禁止され得る大きな容量の加圧空気が必要になる。更に、歪み技術は、堅いりんごに対して応答性が低い。
音響方法によるシステムは、物理的に果物を叩く部材を使用して果物を振動させ、振動の共振周波数を測定して生鮮果物の堅さを推定する。音響方法の1つの欠点は、果物の寸法と形状との双方が共振周波数に影響することである。生鮮果物の堅さを推定する前に、共振周波数とともにこれら双方のパラメータが既知でなければならない。果物の寸法と形状とは選別機によって測定され、生鮮果物の堅さを推定するために直ちに使用される。音響によるアプローチの他の欠点は、振動する果物から発せられた音が非常に小さく、音響のピックアップ装置を周囲のノイズから適切にシールドしなければならないことである。これは、一般にピックアップ装置を果物に対して保持することによって行われなければならない。しかし、利用できる時間が短く果物が動いているため、実現することは困難である。音響方法の更なる欠点は、歪み方法と同様の理由により、果物を物理的に叩くことを実行することが困難なことである。搬送装置上の果物の速度と果物の表面を傷付ける危険性とが、物理的に叩く装置で果物に正確に衝撃を与えることを困難にしている。
訓練を受けた作業者による手作業の選別は、硬度と表面の傷に対する選別を行う際に選択できる手段に過ぎない。製品及び/又は傷による状況次第では正確であるが、手作業の選別は信頼性に乏しく、労働者の費用が安い国々において経済的に価値があるだけである。
この発明の実施の形態は、既存のシステムの欠点を克服するためになされたものであり、物体の特性を非破壊的に判定する改良されたシステムと方法とを提供する。或いは、少なくとも有用な選択肢を公開する。この発明の1つの目的は、短い持続時間を有する流体の噴出を送るのに適したバルブ、或いは少なくとも有用な選択肢を公開するバルブを提供することである。
この明細書において特許明細書、他の外部文献或いは他の情報源に対してなされた言及は、一般に、この発明の特徴を説明するための背景を提供することを目的とする。具体的に記述されている場合を除いて、そのような外部の文献に対する言及は、如何なる権限の範囲においても上記文献或いは情報源が従来技術である又は技術的に周知の一般知識を形成することを了承していると解釈されるべきではない。
この発明の第1の態様によると、物体の特性を判定するシステムであって、流体のインパルスを発生させ、流体の上記インパルスを上記物体に向けて上記物体の物理的な振動を誘発し、上記物体の振動を誘発する際に上記物体に接触しない誘発機構と、上記物体の物理的な振動を検出し、上記物体の物理的な振動を検出する際に上記物体に接触しない検出器と、上記検出器に繋がれ、少なくとも上記検出器によって検出された物理的な振動に基づいて上記物体の特性を判定するプロセッサと、を備えたシステムが提供される。
明細書及び特許請求の範囲に使用された「備える(comprising)」という用語は「少なくとも一部に〜がある」ことを意味する。明細書及び特許請求の範囲の「備える(comprising)」という用語を含む記載を解釈する場合、各記載中のこの用語の後に来る特徴に加えて他の特徴が存在しても良い。「備える(comprise)」及び「備えられた(comprised)」のような関連する用語は、同様の方法で解釈される。
好適には、システムは、物体の硬度及び/又は堅さの特性を判定するのに適している、或いは判定するように構成される。
更に或いは代わりとして、システムは、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体に傷がないことを判定し、物体が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体の傷の位置の近くで物理的な振動を検出することにより流体のインパルスによって誘発された物体の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう傷が表面にあるか否かを判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。一の実施例では、システムは、外側が軟らかい容器に傷がないことを判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。物体が加圧された物体である場合、システムは、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体の加圧状態の変化を見つけるために使用されても良い。一の実施例では、システムは、容器の充填容積を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
更に或いは代わりとして、システムは、物体の硬度及び/又は堅さが既知であれば、物体の密度、寸法及び/又は形状を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
好適には、誘発機構は、物体の表面に当たる流体のインパルスを送信することにより物体の物理的な振動を誘発する送信器である。好適には、誘発機構は、物体を共振周波数で振動させるように構成される。
好適には、上記誘発機構はバルブを備え、上記バルブは、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記バルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での直線状の一回の動作で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材であり、回転可能な上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一回の回転で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。好適には、上記入り口への流体の方向は、上記出口からの流体の方向に対して実質的に平行である。或いは、上記入り口は上記出口に対して平行ではない角度でも良く、この場合、上記入り口への流体の方向は上記出口からの流体の方向に対して平行ではない角度である。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約90°と約180°の間の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約130°の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。
好適には、上記バルブ部材が上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記バルブ部材が一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約50ミリ秒掛かる。
好適には、上記誘発機構は、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、往復移動が可能なスプールバルブ部材を有する実施例において、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構は、ソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。上記機械装置は、電動の押し棒或いはカムを備えても良い。上記機械装置は、上記バルブが空気圧で或いは機械的に他方向に動かされた後に上記バルブを一方向に戻すためのバネを備えても良い。
好適には、上記誘発機構は、上記出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成され、上記インパルスは、上記スプールバルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、流体の上記インパルスは、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向と実質的に垂直な、上記物体に対する伝播方向を有する。好適には、上記誘発機構は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の側面に当たるように、測定される上記物体から水平方向に間隔を空けて配置される。或いは、上記誘発機構は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の上面に当たるように、測定される上記物体から垂直方向に間隔を空けて配置されても良い。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約1mmより大きい間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約10mmから約500mmの間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
或いは、流体の上記インパルスは、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向とほぼ一致する、上記物体に対する伝播方向を有しても良い。好適には、上記伝播方向と信号の上記方向とは、上記物体で互いにほぼ一致する。好適には、上記伝播方向と信号の上記方向とは、上記物体の上面で互いにほぼ一致する。
好適には、システムは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスと上記検知器及び上記物体間の信号とを上記物体に対して同じ方向に向けるインパルスガイドと、を備える。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが向けられて通過する第1腕と、上記検知器及び上記物体の間に伝わる信号が通過する第2腕と、上記第1腕及び上記第2腕に通じる第3腕と、を有する本体を備え、上記第1腕が受けた流体の上記インパルスが上記第1腕と上記第3腕とを通過して上記物体に向かうように構成され、上記検知器と上記物体との間の信号が上記第2腕と上記第3腕とを通過するように構成される。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約90°と約180°の間の角度である。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約130°の角度である。或いは、上記第1腕は、上記第2腕に対して実質的に垂直でも良い。好適には、上記第3腕は、上記第2腕と実質的に同一線上にある。或いは、上記第3腕は、上記第1腕と実質的に同一線上にあっても良い。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構から離れている。或いは、上記インパルスガイドは、上記誘発機構と一体的でも良い。
好適には、上記流体は、実質的に不活性或いは無害である。好適には、上記流体は気体である。或いは、上記流体は、液体又は液体と気体との混合物でも良い。或いは、上記流体は、気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。好適には、気体の上記インパルスは加圧空気である。好適には、気体は、約0.2MPaと3.0MPaとの間で加圧される。
好適には、上記検出器は、レーザを用いた検出器を備える。好適には、上記検出器は、上記物体に信号を送信し、上記物体から信号を受信するように配置されたレーザドップラ振動計(LDV)を備える。好適には、上記検出器は、上記検出器と複数の搬送装置のうちの一つの上にある上記物体との間の信号を選択的に伝える光ガイドを備え、各搬送装置は、一連の物体を搬送するように構成される。好適には、複数の搬送装置が存在する場合に、システムは複数の誘発機構を備え、各誘発機構は、上記複数の搬送装置の一つに割り当てられる。好適には、上記光ガイドは、電動可能な偏向ミラーである。
好適には、上記検知器と上記物体との間の信号は、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に垂直な方向を有する。好適には、上記検知器と上記物体との間の信号の方向は、搬送される上記物体の移動方向に対して約89.5°と約90.5°との間である。好適には、上記検知器と上記物体との間の信号の方向は、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に90°である。
好適には、システムは、毎秒、約5個より多くの物体の特性を判定するように構成される。好適には、システムは、毎秒、約10個の物体の特性を判定するように構成される。好適には、システムは、毎秒、約15個の物体の特性を判定するように構成される。複数の搬送装置或いはレーンの配置では、システムは、毎秒、搬送装置毎或いはレーン毎に指定された数の物体の特性を判定するように好適に構成される。
この発明の第2の態様によると、物体の特性を判定する方法であって、誘発機構によって上記物体の物理的な振動を誘発する工程と、検出器によって上記物体の物理的な振動を検出する工程と、少なくとも上記検出器によって検出された物理的な振動に基づいて上記物体の特性を判定する工程と、を備える方法が提供される。上記誘発機構は、流体のインパルスを発生させて流体の上記インパルスを上記物体に向けるように構成され、上記物体の振動を誘発する際に上記誘発機構は上記物体に接触せず、上記検出器は、振動を検出する際に上記物体に接触しない。
好適には、方法は、物体の硬度及び/又は堅さの特性を判定する工程を備える。
更に或いは代わりとして、方法は、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体に傷がないことを判定する工程を備えても良く、物体が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体の傷の位置の近くで物理的な振動を検出することにより流体のインパルスによって誘発された物体の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう傷が表面にあるか否かを判定する。一の実施例では、方法は、外側が軟らかい容器に傷がないことを判定する工程を備える。物体が加圧された物体である場合、方法は、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体の加圧状態の変化を見つけるために使用されても良い。一の実施例では、方法は、容器の充填容積を判定する工程を備える。
更に或いは代わりとして、方法は、物体の硬度及び/又は堅さが既知であれば、物体の密度、寸法及び/又は形状を判定する工程を備えても良い。
好適には、上記誘発機構は送信器であり、方法は、上記送信器を用いて上記物体の表面に当たる流体の上記インパルスを送信することにより、上記物体の物理的な振動を誘発する工程を備える。好適には、方法は、上記誘発機構を用いて上記物体を共振周波数で振動させる工程を備える。
好適には、上記誘発機構はバルブを備え、上記バルブは、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、方法は、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の直線状の一回の動作で、上記スプールバルブ部材を一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動させる工程を備える。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材でも良く、方法は、上記内腔部内での回転可能な上記スプールバルブ部材の一回の回転で、回転可能な上記スプールバルブ部材を一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に回転させる工程を備える。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。好適には、方法は、上記入り口への流体を、上記出口からの流体の方向に対して実質的に平行となる方向に向ける工程を備える。或いは、上記入り口は上記出口に対して平行ではない角度でも良く、方法は、上記入り口への流体を、上記出口からの流体の方向に対して平行ではない角度に向ける工程を備える。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約90°と約180°の間の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約130°ずれた角度になるように上記入り口に対して角度を有する。
好適には、方法は、上記誘発機構を用いて上記出口を通過する流体のインパルスを発生させる工程を備え、上記インパルスは、上記バルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向と実質的に垂直な、上記物体に対する伝播方向に、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から水平方向に間隔を空けて配置され、方法は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の側面に当たるように向ける工程を備える。或いは、上記誘発機構は、測定される上記物体から垂直方向に間隔を空けて配置され、方法は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の上面に当たるように向ける工程を備える。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約1mmより大きい間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約10mmから約500mmの間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
或いは、方法は、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向とほぼ一致する、上記物体に対する伝播方向に、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、方法は、上記伝播方向と信号の上記方向とが上記物体で互いにほぼ一致するように、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、方法は、上記伝播方向と信号の上記方向とが上記物体の上面で互いにほぼ一致するように、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。
好適には、方法は、インパルスガイドを用いて上記誘発機構からの流体の上記インパルスと上記検知器及び上記物体間の信号とを上記物体に対して同じ方向に向ける工程を備える。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが向けられて通過する第1腕と、上記検知器及び上記物体の間に伝わる信号が通過する第2腕と、上記第1腕及び上記第2腕に通じる第3腕と、を有する本体を備え、方法は、流体の上記インパルスを上記第1腕と上記第3腕とに通過させて上記物体に向ける工程と、上記検知器と上記物体との間の信号を上記第2腕と上記第3腕とに通過させる工程とを備える。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約90°と約180°の間の角度である。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約130°の角度である。或いは、上記第1腕は、上記第2腕に対して実質的に垂直でも良い。好適には、上記第3腕は、上記第2腕と実質的に同一線上にある。或いは、上記第3腕は、上記第1腕と実質的に同一線上にあっても良い。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構から離れている。或いは、上記インパルスガイドは、上記誘発機構と一体的でも良い。
好適には、上記流体は、実質的に不活性或いは無害である。好適には、上記流体は気体である。或いは、上記流体は、液体又は液体と気体との混合物でも良い。或いは、上記流体は、気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。好適には、流体の上記インパルスは加圧空気である。好適には、気体は、約0.2MPaと約3.0MPaとの間で加圧される。
好適には、上記検出器は、レーザを用いた検出器を備える。好適には、上記検出器はレーザドップラ振動計(LDV)を備え、方法は、上記LDVを使用して上記物体に信号を送信し、上記物体から信号を受信する工程を備える。好適には、上記検出器は光ガイドを備え、方法は、上記光ガイドを使用して上記検出器と複数の搬送装置のうちの一つの上にある上記物体との間の信号を選択的に伝える工程を備え、各搬送装置は、一連の物体を搬送するように構成される。好適には、複数の搬送装置が存在する場合に、システムは複数の誘発機構を備え、各誘発機構は、上記複数の搬送装置の一つに割り当てられる。好適には、上記光ガイドは、電動可能な偏向ミラーである。
好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に垂直な方向に向ける工程を備える。好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して約89.5°と約90.5°との間の角度に向ける工程を備える。好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に90°の角度に向ける工程を備える。
好適には、方法は、毎秒、約5個より多くの物体の特性を判定する工程を備える。好適には、方法は、毎秒、約10個の物体の特性を判定する工程を備える。好適には、方法は、毎秒、約15個の物体の特性を判定する工程を備える。複数の搬送装置或いはレーンの配置では、方法は、毎秒、搬送装置毎或いはレーン毎に指定された数の物体の特性を判定する工程を好適に備える。
この発明の第3の態様によると、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる、上記入り口に実質的に近接する出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記バルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動でき、約5ミリ秒より短い持続時間を有する流体の上記インパルスを上記出口から発生させるバルブが提供される。
好適には、上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での直線状の一回の動作で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材でも良く、回転可能な上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一回の回転で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。
好適には、上記バルブ部材が上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記バルブ部材が一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約50ミリ秒掛かる。
好適には、バルブは、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、往復移動が可能なスプールバルブ部材を有する実施例において、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構は、ソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。
この発明の第4の態様によると、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる、上記入り口に実質的に近接する出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動できる往復移動が可能なスプールバルブ部材と、を備え、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の直線状の一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動でき、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法であるバルブが提供される。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。
好適には、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の一回の動作に、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記スプールバルブ部材の一回の動作に、約50ミリ秒掛かる。
好適には、バルブは、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構はソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。
好適には、バルブは上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の一回の動作で上記出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成され、上記インパルスは、上記スプールバルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、この発明の第1の態様によるシステム及びこの発明の第2の態様による方法の誘発機構は、この発明の第3の態様によるバルブ或いは第4の態様によるバルブの何れかを備える。或いは、それらのバルブを、例えば応力波の速度測定或いはパルス音響システム、群集管理装置のような他の適用に使用しても良い。
この発明が関連する分野で知られている均等物を有する具体的な整数がここに記載されている場合は、そのような既知の均等物は、個々に明記されているかのように本明細書に援用されているものとみなされる。
この発明は上記記載にあり、また、以下の例だけが与える構成も想定される。
以下の添付の図面を参照し、非制限的な例のみを使用して本発明を説明する。
この発明の一実施の形態におけるシステムの斜視図である。
図1に示すシステムの正面図である。
図1に示すシステムの側面図である。
この発明の他の実施例におけるシステムを示す図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時のこの発明の一実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時の図5に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図5に示す誘発機構の正面断面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの斜視断面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの上面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの正面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの側面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの底面図である。
図5に示す誘発機構のスプールバルブ部材の斜視図である。
図5に示す誘発機構のスプールバルブ部材の正面図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時のこの発明の他の実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時の図10に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図10に示す誘発機構の正面断面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの斜視断面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの上面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの正面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの側面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの底面図である。
図10に示す誘発機構のスプールバルブ部材の斜視図である。
図10に示す誘発機構のスプールバルブ部材の正面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時のこの発明の他の実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時の図15に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図15に示す誘発機構の斜視断面図である。
スプールバルブ部材が一方の略閉配置である時の図15に示す誘発機構の側面図である。
複数の搬送レーンを用いたこの発明の他の実施例におけるシステムを示す。
図19に示すシステムの端面図である。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用して気体のインパルスを衝突させた時のキウイフルーツの表面振動の典型的なLDVの記録を示す。
Awetaによる測定値とこの発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用して得られた測定値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用した時の2つのLDV検出器によって得られた周波数応答を比較的に示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用した時の2つのLDV検出器によって得られた時間及び周波数の応答を示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用し、十分に加圧された状態で4つの異なる位置で測定されたプラスチックボトルと減圧された状態で4つの異なる位置で測定されたプラスチックボトルとについてのLDVの記録を示す。
図25Aに示すLDVの記録の周波数スペクトルを示す。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムの斜視図である。
図26に示すシステムの正面図である。
図26に示すシステムの側面図である。
図26に示すシステムのこの発明におけるインパルスガイドの第1実施例を示す斜視図である。
図29Aに示すインパルスガイドの上面図である。
図29Aに示すインパルスガイドの正面図である。
図29Aに示すインパルスガイドの側面図である。
図29DのB−B線に沿った、図29Aに示すインパルスガイドの正面断面図である。
図26に示すシステムのこの発明におけるインパルスガイドの第2実施例を示す斜視図である。
図30Aに示すインパルスガイドの上面図である。
図30Aに示すインパルスガイドの正面図である。
図30Aに示すインパルスガイドの側面図である。
図30DのC−C線に沿った、図30Aに示すインパルスガイドの正面断面図である。
図29Aに示すガイドと複数の搬送レーンとを使用したこの発明の他の実施例におけるシステムを示す。
図31に示すシステムの端面図である。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用した気体のインパルスによる10個のりんごの表面振動のLDVの記録を示す。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用した図33に示すLDVの記録の周波数スペクトルを示す。
Awetaによる測定値とこの発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用して得られた測定値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。
図1から図3は、この発明の一実施の形態における物体106の特性を判定するシステム100を示す。実施の形態における説明では、検査の対象となる物体106は果物(例えば、りんご、もも、アボカド及びキウイフルーツ)である。しかし、当然のことながら、物体106は、野菜(例えば、じゃがいも)、肉製品(例えば、魚の切り身)又は他の固体状、中空状及び/又は加圧された物体のような他の如何なる物体でも良い。具体的に、物体106は、構造的な堅さ、硬度、弾力性及び/又は内圧(表皮効果/ドラム効果)に依存する特性を備えたどのような物体でも良い。物体106は、外側が軟らかい容器であっても良い。物体106は、ガラスボトル、加圧された缶或いはタンク(例えば、ガスタンク)であっても良い。システム100は、加圧されたスポーツ用品(例えば、テニスボール及びスカッシュボール等のように外側が堅いゴムのボール)に適用できる。システム100は、卵にも使用できる。かかる場合、共振挙動は、黄身の状態或いは殻の傷の有無に依存して大きく変化する。
システム100は、特に、搬送ライン108に沿って搬送されるホルダ107に保持された果物のような物体106の硬度特性を判定するように構成される。更に或いは代わりとして、システム100は、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体106に傷がないことを判定するために使用され、物体106が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体106の表面に傷があるいか否かを判定しても良い。物体106が種々の機械的な領域、ひび割れ目及び/又は、流体のインパルスによって誘発された物体106の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう表面の傷を有するか否かを検出するためにシステム100を使用しても良い。物体106が堅い場合、システム100は、測定が傷の部位の近くで行われれば物体106に傷がないことを判定できる。物体106が加圧された物体の場合、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体106の加圧状態の変化を判定するために、システム100を使用しても良い。更に或いは代わりとして、物体106の硬度が既知の場合は、物体106の密度、寸法及び/又は形状を判定するためにシステム100を使用しても良い。更に或いは代わりとして、システム100は、容器の充填容積を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
システム100は、一般に誘発機構102と検出器104とを備える。システム100は、検出器104に繋がれた(図2に示された)プロセッサPを更に備える。プロセッサPは、検出器104から受信した測定値に基づいて物体106の特性を判定するように構成される。
システム100は、誘発機構102によって生成された、短く急激に噴出された圧縮空気を第1経路Gに沿って物体106に衝突させ、その結果生じる物体106の振動を第2経路Hに沿って検出器104によって感知する(検出する)ことにより、物体の硬度を判定する。第1経路Gは、第2経路Hに対して実質的に垂直である。更に、第1経路G及び第2経路Hは、実質的に直線状である。他の実施の形態では、第1経路は、第2経路に対して平行でも良い。又は、第1経路及び/又は第2経路は、誘発機構102或いは検出器104と物体106との各間が実質的に直線でなくても良い。処理を行う間、誘発機構102及び検出器104は、測定される物体106に物理的に接触しない。以下において、この方法のことを「流体タップ(fluid tap)」方法とも呼ぶ。
急激且つ強固な機械力カップリング用の噴出空気(又は他の気体、液体或いは液体と空気との混合物)と高速応答測定用の非接触式の光学センサとを使用することにより、システムは、毎秒10個を超える物体の高速選別を実現することができる。
誘発機構102、検出器104及びプロセッサPの更なる詳細について、以下に説明する。
<誘発機構>
図1から図3を更に参照すると、誘発機構102の機能は、流体のインパルスを発生させること及び流体のインパルスを物体106に向けて物体106に物理的な振動を誘発することである。誘発機構102は、物体106に振動を誘発する際に物体106に物理的に接触しない。流体のインパルスは、短い持続時間を有する加圧空気である。加圧空気のほかに、流体のインパルスは、実質的に不活性或いは無害である流体を備えるインパルスでも良い。流体は、気体、液体、液体と気体との混合物、又は気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。
誘発機構102は、図1から図3に示されているように誘発機構からの流体のインパルスが経路Gに沿って物体106の側面に当たるように、測定される物体106から水平方向に間隔を空けて配置される。或いは、図4を参照すると、誘発機構102は、誘発機構102からの流体のインパルスが搬送装置108で搬送されるホルダ107に保持された物体106の上面に当たるように、測定される物体106から垂直方向に間隔を空けて配置される。図4に示された実施例では、検出器106はプロセッサPに繋がれ、物体106から水平方向に間隔を空けて配置される。何れの実施例においても、誘発機構102は、測定される物体106から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
図5から図9Bに、この発明における作動中の誘発機構の第1実施例のバルブ300が示されている。バルブ300は、内腔部304と入り口306と入り口306に実質的に近接する出口308とを有するハウジング302を備える。バルブ300は、往復移動が可能なスプール(spool)バルブ部材301を更に備える。スプールバルブ部材301は、内腔部304内を移動可能である。
加圧空気源のような流体源からの流体は入り口306を通過して内腔部304内に送られ、内腔部306内からの流体は出口308を通過して送られる。入り口306及び出口308は、実質的に互いに向かい合うように配置される。図5によれば、入り口306及び出口308は、互いに正対する。
バルブ300は、約0.2MPaと約3.0MPaとの間の流体のインパルスを発生させる。
バルブ300の出口308は、例えば50mm管に適合されたノズル310を有していても良い。
図5から図7を更に参照すると、スプールバルブ部材301は、ハウジング302の内腔部304内で第1略閉配置(図5)、開配置(図6)及び第2略閉配置(図7)の間を移動可能である。スプールバルブ部材301は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の直線状の一回の動作で、一方の略閉配置から開配置、そして他方の略閉配置に移動できる。スプールバルブ部材301の一回の動作は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の内腔部の一端から内腔部304の他端への直線状の/横断する一方向の動きに相当し、その動きにより、スプールバルブ部材301が一方の略閉配置から開配置、そして他方の略閉配置に進む。バルブ部材301は、入り口306の軸と出口308の軸とに対して直交する方向に動く。
一回の動作中に、スプールバルブ部材301は、短い時間(ミリ秒のオーダで)開配置になる。その結果生じる空気のパルスが物体にぶつかり、物体に物理的な振動を生じさせる。内腔部304内でのスプールバルブ部材301の一回の動作に、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。具体的に、スプールバルブ部材301の一回の動作に約50ミリ秒掛かり、流体のインパルスはバルブ300によって50ミリ秒毎に発生される。スプールバルブを備えた既存の誘発機構と比較すると、本発明のバルブ300は、サイクル時間は長いが、スプールバルブ部材301が開配置になる開時間は短い。
誘発機構は、スプールバルブ部材301を内腔部304内で動かすための駆動機構(図示せず)を備える。望ましい実施例では、スプールバルブ部材301は空気圧で動かされ、駆動機構は少なくとも内腔部304の一端に繋がれた空気バルブである。空気バルブ300が操作されることにより、スプールバルブ部材301が一方の略閉配置から他方の略閉配置及びその逆に動かされる。具体的に、スプールバルブ部材301は、2つの2次ポート(port)の双方で供給された中圧の空気によって動かされる。内腔部304の双方の端にポートが設けられる。中圧の空気は、一般に従来型の5ポート空気バルブによって供給できる。高速動作する空気バルブは必要ない。入り口306からの高圧空気は、スプールバルブ部材301が開配置になる時の溝が隣接する短い時間だけ、出口308及びノズル(「バレル」)310に移動することができる。
好適には、バルブ300は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の一回の動作で、出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成される。インパルスは、スプールバルブ部材301が一回の動作中に開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、インパルスの持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、インパルスの持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、インパルスの持続時間は約1ミリ秒である。
図8Aから図8Eは、バルブ300のハウジング302を示す図である。ハウジング302は、約22mmの幅、約44mmの長さ、約38mmの高さを有する。入り口306及び出口308は、それぞれ、実質的に内腔部304に直交する。内腔部304は実質的に円柱形であり、約10mmの直径とハウジング302の長さに及ぶ長さとを有する。入り口306及び出口308も実質的に円柱形である。入り口306は、内腔部304内に通じる入り側開口320を有する。出口308は、出側開口340を有する。出側開口340も内腔部304内に通じる。入り側開口320及び出側開口340は、それぞれ、実質的に入り口306及び出口308の最も狭い部分である。入り側開口320は、実質的に出側開口340より狭い。入り側開口320は、2mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口340は、4mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口320と出側開口340とは実質的に互いに向かい合い、互いに約14mmの距離が空いている。
図9A及び図9Bを参照すると、スプールバルブ部材301は2つの制限部321及び322を有する。各制限部321、322は、スプールバルブ部材301が略閉配置のどちらかにある時に入り口306から出口308への流体の流れを実質的に制限する寸法である。制限部321及び322は実質的に円柱形であり、それぞれ、約10mmの直径、約7mmの長さを有する。スプールバルブ部材301が略閉配置で名目上閉ざされている時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。漏れを許容することは、バルブ部品の公差を従来の空気バルブのものほど厳しくする必要がないことを意味する。したがって、製造費用を低減できる。
スプールバルブ部材301は、2つの制限部321及び322の間に設けられた供給部323を有する。供給部323は、スプールバルブ部材301が開配置にある時に入り口306から出口308への流体の流れを実質的に許可する寸法である。図9A及び図9Bに示す実施例では、供給部323は実質的に円柱形であり、約6mmの直径、約2mmの長さを有する。供給部323は、2つの制限部321及び322の間に配置された幅の狭い溝でも良い。供給部323は、入り口の入り側開口320の幅と実質的に等しい幅を有する。
このバルブ300の他の実施例、即ち以下に説明するバルブ400、500では、スプールバルブ部材は、スプールバルブ部材が略閉配置のどちらかにある時にスプールバルブ部材を通過して入り口から出口に至る流体の流れを防止しても良い。
図10から図12は、この発明のシステムにおける誘発機構の第2実施例のバルブ400の動作を示す。以下に説明されていない場合、バルブ400の特徴及び動作は、一般にバルブ300に対して上記で説明した内容と同じであり、100が付加された同様の符号は相当する部分を示す。第2実施例のバルブ400は、同様に動かされる(上記スプールバルブ部材より広い幅の供給部を備えた)スプールバルブ部材401を有し、スプールバルブ部材401は、位置がずらされた入り口406及び出口408(入り口406及び出口408は必ずしも幅が狭いとは限らない)を通過するように移動する。図11は開配置にあるスプールバルブ部材を示す。一方、図10及び図12は略閉配置にあるスプールバルブ部材を示す。上記バルブ300と同様に、入り口406から出口408への流れは、スプールバルブ部材401が開配置にある短い時間だけ発生する。
第2実施例のバルブ400のスプールバルブ部材401は、第1実施例のバルブ300のスプールバルブ301と比較して容易に製造できる。他のバルブ400のスプールバルブ部材401は、バルブ部材301の溝と比較して広い幅の溝を有する。従来の工作機械を使用して広い幅の溝を形成することは容易である。更に、広い幅の溝であれば閉塞の影響を受け難い。
図13Aから図13Eは、バルブ400のハウジング402を示す図である。ハウジング402は、約22mmの幅、約52mmの長さ、約38mmの高さを有する。入り口406及び出口408は、それぞれ、実質的に内腔部404に直交する。内腔部404は実質的に円柱形であり、約10mmの直径とハウジング402の長さに及ぶ長さとを有する。入り口406及び出口408も実質的に円柱形である。入り口406は、内腔部404内に通じる入り側開口420を有する。出口408は、出側開口440を有する。出側開口440も内腔部404内に通じる。入り側開口420及び出側開口440は、それぞれ、実質的に入り口406及び出口408の最も狭い部分である。入り側開口420は、実質的に出側開口440より狭い。入り側開口420は、2mmの幅及び約10mmの長さを有する長孔である。入り側開口340は、3mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口420と出側開口440とは、高さが互いに約14mm離れ、軸が約8mm離れている。
図14A及び図14Bを参照すると、スプールバルブ部材401は2つの制限部421及び422を有する。各制限部421、422は、スプールバルブ部材401が略閉配置のどちらかにある時に入り口406から出口408への流体の流れを実質的に制限する寸法である。制限部421及び422は実質的に円柱形であり、それぞれ、約10mmの直径、約9.25mmの長さを有する。図9A及び図9Bに示す実施例と同様に、スプールバルブ部材401が略閉配置で名目上閉ざされている時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。漏れを許容することは、バルブ部品の公差を従来の空気バルブのものほど厳しくする必要がないことを意味する。したがって、製造費用を低減できる。
スプールバルブ部材401は、2つの制限部421及び422の間に設けられた供給部423を有する。供給部423は、スプールバルブ部材401が開配置にある時に入り口406から出口408への流体の流れを実質的に許可する寸法である。図14A及び図14Bに示す実施例では、供給部423は円柱形であり、約6mmの直径、約5.5mmの長さを有する。供給部423は、2つの制限部421及び422の間に配置された幅の狭い溝でも良い。
図15から図18は、この発明における誘発機構の第3実施例のバルブ500の動作を示す。以下に説明されていない場合、誘発機構の特徴及び動作は、バルブ300に対して上記で説明した内容と同じであり、200が付加された同様の符号は相当する部分を示す。この実施例では、スプールバルブ部材501は、直線的に往復移動が可能なスプールバルブではなく、ハウジング502の内腔部504内で回転可能である。スプールバルブ部材501の回転軸は、入り口506及び出口508の各軸に対して直角である。
スプールバルブ部材501は、その外壁に反対向きの長穴523a及び523bを有する中空の円柱部501aを備える。図18に示す貫通経路523cは、2つの長穴523a及び523bを繋ぐ。中空の円柱部501aは、スプールバルブ部材501をハウジング502の軸受507にはめ込む2つの中間小径部501b及び501cの間に配置される。軸501dは、回転可能なスプールバルブ部材501をモータやソレノイド等のような適切な手段によって回転駆動することができるように、軸受の一方から突出する。
回転可能なスプールバルブ部材501が図15に示す開配置である時、流体は、入り口506から出口508に流れることができる。スプールバルブ部材501が図16及び図17に示す略閉配置の一方にある時、入り口506から出口508への流体の流れは実質的に制限される。バルブ300及び400と同様に、スプールバルブ部材501が略閉配置である時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。
また、上述した実施例300及び400と同様に、スプールバルブ部材501は、ハウジング502の内腔部内で、内腔部504内のスプールバルブ部材501の一方向の動きで第1略閉配置(例えば、図16)、開配置(例えば、図15)及び第2略閉配置(例えば、図17)の間を移動可能である。この実施例では、上記動きは、回転可能なスプールバルブ部材501が一方向に一回転する間に生じる。
バルブ500は、好適には、約5ミリ秒より短い、望ましくは約3ミリ秒より短い流体のインパルスを出口508を通過させて供給するように構成される。好適には、インパルスの持続時間は約1ミリ秒である。反対向きに開口する長穴523a及び523bがあるため、スプールバルブ部材501が一定の速度で動いた時のインパルス間の遅れは、上記バルブ300及び400について説明したものより速い。スプールバルブ部材501が一回転する間に、スプールバルブ部材501は、第1略閉配置から第1略開配置及び第2略閉配置を通過して第2略開配置に移動することができる。
上述したバルブ300、400、500は、大きな容積の空気であっても単にミリ秒単位の長さのパルスを生み出すためのものである。それらは、空気の流れを開始させるための加速度が遅いバルブ機構を伴わない。流体が入り口と出口との間を流れることができる時にスプールバルブ部材は適切な速度、好適な実施例では最高速度に既に加速されており、再び流体が実質的に流れることができなくなった時にスプールバルブ部材はまだ最高速度で移動している。所望の幅のパルスを生成するために発生源を高速で制御する従来の高速バルブと異なり、本発明のバルブは、適切な速度で動作する発生源を有することにより、また発生源及び出口に関連して移動可能なバルブ部材を有することにより、短いパルス発生させる。なお、バルブ部材は、発生源から出口への流体の流れを中断させ、また一時的に可能にすることにより、バルブ部材の速度及び溝の幅に依存する所望の幅のパルスを生成する。誘発機構の寸法について言及したが、これらの寸法は誘発機構に適した寸法の例に過ぎない。他の寸法でも可能である。
結果として生じる振動は、その後に、物体に焦点が合わせられたレーザドップラ振動計(LDV)のような検出器104を用いて検出される。
<検出器>
図1から図3を参照すると、検出器104は、離れた位置で物体106の物理的な振動を検出する。検出器104は、物体106の物理的な振動を検出する際に物体106に接触しない。
この発明の一実施例によれば、検出器104はレーザドップラ振動計(LDV)である。LDVからの信号を処理することにより、振動の周波数スペクトルを計算し、物体の共振周波数を判定することができる。共振周波数と物体の質量及び形状の情報とを組み合わせることにより、可食部の堅さ(硬度)を判定することができる。
<複数レーン又は搬送システムの構成>
システムが複数レーン又は搬送システムとして実現されている図19及び図20を参照すると、システムは、検出器104及び物体106間の信号の方向が搬送される物体106の移動方向に対して実質的に垂直になるように構成される。検出器104と物体106との間の信号の方向は、搬送される物体106の移動方向に対して実質的に90°±0.5°である。
この発明の実施例における複数レーン又は搬送装置では、検出器104は、検出器104と複数の搬送装置108のうちの一つの上にある複数のホルダ107の一つに保持された物体106との間の信号を選択的に伝える光ガイド104aを備える。各搬送装置108は、一連の物体106を搬送するように構成される。このような構成では、システムは複数の誘発機構102を備える。各誘発機構102は、複数の搬送装置108の一つに割り当てられる。好適な実施例によれば、光ガイド104aは、電動可能な偏向ミラーである。
当然のことながら、異なる数のレーン又は搬送装置、例えば1、2或いはそれ以上のレーン又は搬送装置により、この発明の他の実施例を実現できる。
<プロセッサ>
検出器104から収集された測定値は、物体の特性を判定するように構成されたプロセッサP(図1及び図4)に伝えられる。プロセッサPは、行われる動作を指定する一連の命令を適切に実行することができれば、どのような計算装置であっても良い。「計算装置」という用語は、一連の命令又は複数の一連の命令を個々に或いは一緒に実行し、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する一つ或いは複数の方法を遂行する如何なる一群の装置をも含む。
プロセッサPは、コンピュータが読み取り可能な媒体を含む或いは上記媒体に接続され、上記媒体には、コンピュータが実行可能な一連或いは複数の一連の命令及び/又はデータ構造が記憶される。命令は、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する一つ或いは複数の方法を実行する。実行中、プロセッサPの内部に命令が完全に或いは少なくとも部分的に存在していても良い。かかる場合、プロセッサPは、コンピュータが読み取り可能な接触型記憶媒体を備える。
コンピュータが読み取り可能な媒体は、単一の媒体を例に説明される。この用語は、単一の媒体或いは複数の媒体を含む。「コンピュータが読み取り可能な媒体」という用語は、プロセッサによって実行される一例の命令を記憶、コード化或いは持ち運びでき、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する方法をプロセッサPに実行させるどのような媒体も含むと解すべきである。コンピュータが読み取り可能な媒体は、命令に使用される或いは命令に関連するデータ構造を記憶、コード化或いは持ち運びできる。
システムが複数レーン或いは搬送システムとして実現される場合、プロセッサPは、検出器と各レーンの上にある物体との間の検出信号の方を向く複数の位置の間でガイド104aを選択的に動かすために、(図19及び図20に示された)光ガイド104aに電気的に接続されても良い。
<結果>
図1から図3を参照して説明したシステム100を使用した流体タップ方法の結果について、図21から図25Bを参照して説明する。なお、システム100では、第1実施例の誘発機構102は、図5から図9bを参照して説明した第1実施例のバルブ300を備える。システム100は、上記で説明した検出器104とプロセッサPとを備える。
図21は、バルブ機構102から気体のインパルスを衝突させて検出器104によって検出した時のキウイフルーツの表面振動の典型的なLDVの記録を示す。図21から分かるように、キウイフルーツの物理的な振動は、約10ミリ秒より短い持続時間を有する。
図22は、Awetaシステムから得られた値と流体タップシステムから得られた値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。Awetaによる測定値は、静的な果物に対し、標準的な実験室的方法を使用して取得された。流体タップによる測定値は、搬送装置上を毎秒1mで移動する果物を用いて、この発明における流体タップ方法とへたのLDV測定値とを使用して取得された。この図によれば、Awetaによる方法を使用して得られた結果とこの発明における流体タップ方法を使用して得られた結果との間には、強い相関関係が存在する。
果物に物理的に接触することなく、また物体が移動している間に物体の物理的な振動を誘発して検出することができるため、流体タップ方法は、搬送装置上を高速で移動する果物に対して適している。
Prussiaに記載されているシステムと比較して、流体タップ方法は、果物全体の音響の共振値を得ることができ、より少ない圧縮空気を消費する。下記表では、Prussiaの方法と本発明の流体タップ方法とを比較している。
実際に、流体タップ方法は、果物に損傷を与えているようには見えない。気体のインパルスの中に手を置くと、不快感はなく、手に僅かな振動が生じるのみである。
方法 空気圧(MPa) 衝突持続時間(ミリ秒)
Prussia 0.03−0.4 3から20
(変形応答を利用)
流体タップ 0.2−3 <3
(振動応答を利用)
表1.Prussiaと流体タップ方法とについて好適な範囲での動作パラメータの比較
図23は、選別速度を毎秒0.9m、1.2m及び1.5m(毎秒16個程度の果物)に変化させた時の測定値の例を示す。4個のりんごについて3組のスペクトルがあり、それらは、好適な実施例におけるシステムを使用し、各回において異なる選別速度で4個のりんごを3回走行させることによって収集された。左右の図は、同時に動作している2つの別個の振動計からのスペクトルであり、計測器間の測定値の整合性を示している。同じりんごについて連続して測定した値の再現性(りんご1について線1、5、9、りんご2について線2、6、10等)は高い。線1から線4は毎秒0.9mの選別速度で、線5から線8は毎秒1.2mの選別速度で、線9から線12は毎秒1.5mの選別速度で記録された。速度が増しても、主要なスペクトルピークの位置或いは明確さはほとんど変化しない。
システム100は、1つのレーン108につき約10ミリ秒費やすだけで同じ質の信号を得ることができる。この例が図24に示されている。この図は、同じ物体に対して同時に動作している2つの別個のLDV(LDV1及びLDV2)による時間と周波数との応答を示す。4個のりんごについて3組のスペクトルがある。各応答は、選別機に4個のりんごを3回走行させることによって収集された。
第1の振動計(LDV1)は、最も左の図にある第1の垂直線によっておおよその位置が示されている瞬間(0.012s)まで、選別機のラインに向けられていない。2つの垂直線(0.012s及び0.022s)の間、LDV1は、電動可能な偏向ミラーによって選別機上のりんごに向けられる。赤線の後(>0.022s)、LDV1は、再び、選別機のラインから外れるように向けられる。選別機のラインに向けられていない時、LDV1は、りんごのラインより約20cm下にあるスピーカーコーンに向けられる。スピーカーコーンは、LDV1が明確に定義された場所(選別機上の他のレーンでも良い)を向いているという事実が線上に均一な振動によって明確に示されるように、約1.8kHzで振動している。ビームが2つの対象物の間を移動する際に約0.002s或いはそれ以下の間隔が空く。フーリエ解析及びスペクトラム計算のために収集された信号は、0.012s及び0.022sの2つの垂直線の間からのみ得られる。
第2の振動計(LDV2)は、常に選別機に向けられる。
図24に示された応答から、双方の検出器(LDV1及びLDV2)の応答が実質的に同じであることが分かる。検出器と各りんごとの間のスペクトラムは再現性が高い。この図は、LDVが各レーンに向けられている時間が約0.01sしかない場合でも、信号を大きく低下させることなく1つのレーンから他のレーンにビームを切り換えることができることを示す。より短い間隔を使用することもできる。スペクトラムのピークが徐々に広がり精度は低下するが、依然として許容できる精度である。
毎秒10個の果物を選別する選別速度(典型的なりんごの選別機において毎秒0.95m)では、1つの振動計を10個のレーンで共通に使用することができる。この型の振動計の実用的な範囲は約2mであり、偏向ビームは10個のレーンを有する選別機を横切るように届く。
図25Aは、十分に加圧された状態で4つの異なる位置で測定されたボトルと減圧された或いは加圧されていない状態で4つの異なる位置で測定されたボトルとについてのLDVの記録を示す。一方、図25Bは、各LDVの記録についての周波数スペクトルを示す。上側の4つの記録及びスペクトルは十分に加圧されたボトルに対するものであり、下側の4つの記録及びスペクトルは減圧された状態のボトルに対するものである。ボトルの全体の質量は同じである。圧力は、流体を元のボトルに戻す前に2つの器の間で繰り返し(10回まで)移し替えることによって解放される。速度信号の振幅は、図25Aの上側の4つの図に示されているように、加圧されたボトルについては実質的に小さい。速度信号は、図25Aの下側の4つの図に示されているように、減圧された状態のボトルについては大きい。これらの図は、流体タップシステムを使用して物体の加圧状態を判定できることを示す。
<システムの他の実施の形態>
図26から図28は、物体606の特性を判定する第2の実施の形態におけるシステム600を示す。システム600は、これまでに特定された如何なる物体にも使用できる。更に、システム600は、これまでに特定された特性を判定するように構成できる。以下に説明されていない場合、システム600の特徴及び動作は上記で説明した内容と同じとみなして良く、500が付加された同様の符号は相当する部分を示す。
システム600は、一般に誘発機構602と検出器604とを備える。誘発機構602と検出器604とは、これまでに説明した誘発機構及び検出器と同様でも良い。誘発機構602は、図5から図9Bを参照して説明した第1実施例のバルブ300、図10から図14Bを参照して説明した第2実施例のバルブ400及び図15から図18を参照して説明した第3実施例のバルブ500の何れか一つを備えても良い。
システム600は、誘発機構602からの流体のインパルスを、検知器604及び物体606間の信号と実質的に同じ方向に物体606に向けて導くインパルスガイド610を更に備える。インパルスガイド610は、好適には、誘発機構602からの流体のインパルスと検知器604及び物体606間の信号とを物体606に対して同じ方向に向けるように構成される。インパルスガイド610の更なる詳細について、以下に説明する。
システム600は、検出器604に繋がれた(図27に示された)プロセッサを更に備える。プロセッサPは、検出器604から受信した測定値に基づいて物体601の特性を判定するように構成される。プロセッサPの特徴は、上記に説明されている。
システム600は、特に、搬送ライン608に沿って搬送されるホルダ607に保持された果物のような物体606の硬度特性を判定するように構成される。
図1から図3に示された前の実施の形態と同様に、システム600は、誘発機構602によって生成された短く急激に噴出された流体を第1経路Gに沿って物体606の位置に衝突させ、その結果生じる物体606の振動を、同じ位置からの振動を測定することによって第2経路Hに沿って検出器604によって感知する(或いは、検出する)ことにより、物体606の硬度を判定できる。追加的な或いはその代わりの測定として、システム600は、誘発機構602によって生成された流体のインパルスを第1経路Gに沿って物体606の位置に衝突させ、流体のインパルスが衝突した位置での物体606の変形を第2経路Hに沿って検出器604によって感知する(或いは、検出する)ことにより、物体606の硬度を判定できる。かかる場合、流体タップ方法は、結果として生じる物体606の振動及び/又は物体606の変形応答に基づいて物体606の特性を判定することを包含する。
第1経路Gは、第2経路Hとともに少なくとも物体606の上面に実質的に収束する。第2経路Hは実質的に直線状であるが、第1経路Gは実質的に直線状ではない。処理を行う間、誘発機構602及び検出器604は、測定される物体に物理的に接触しない。
<インパルスガイド>
図26から図28を更に参照すると、インパルスガイド610は、流体のインパルスを、検知器604及び物体606間に伝わる信号の方向とほぼ一致する伝播方向に物体に向けて導く。具体的に、インパルスガイド610は、流体のインパルスの経路Gを検出信号の経路Hに収束させるように構成される。伝播方向と信号の方向とは、物体606の上面で互いにほぼ一致する。
図29Aから図29Eは、第1実施例のインパルスガイド700を示す図である。インパルスガイド700は、誘発機構からの流体のインパルスが向けられて通過する第1腕704と、検知器と物体との間に伝わる信号が通過する第2腕706と、物体の方を向くように構成され、第1腕704と第2腕706とに通じる第3腕708とを有する本体702を備える。第3腕708は、第2腕706と実質的に同一直線上にある或いは同軸である。第1腕704が受けた流体のインパルスは第1腕704と物体の方を向く第3腕とを通過するように構成され、検知器及び物体間の信号は第2腕706と第3腕708とを通過するように構成される。図29B及び図29Eに示すように、第2腕706と第3腕708とは、検知器及び物体間の信号が本体702を通過する実質的に直線状の経路を有するように、実質的に同一直線上にある或いは同軸である。図29Aから図29Eに示す実施例によれば、第1腕702は、第2腕706に対して実質的に垂直である。第1腕704から第3腕708への経路は、誘発機構から物体へのインパルスの伝播がスムーズに行われるように、実質的に湾曲している。
図30Aから図30Eは、第2実施例のインパルスガイド800を示す図である。インパルスガイド800は、誘発機構からの流体のインパルスが向けられて通過する第1腕804と、検知器と物体との間に伝わる信号が通過する第2腕806と、物体の方を向くように構成され、第1腕804と第2腕806とに通じる第3腕808とを有する本体802を備える。第3腕808は、第2腕806と実質的に同一直線上にある或いは同軸である。第1腕804が受けた流体のインパルスは第1腕804と物体の方を向く第3腕とを通過するように構成され、検知器及び物体間の信号は第2腕806と第3腕808とを通過するように構成される。図30B及び図30Eに示すように、第2腕806と第3腕808とは、検知器及び物体間の信号が本体802を通過する実質的に直線状の経路を有するように、実質的に同一直線上にある。図30Aから図30Eに示す実施例によれば、第1腕804は、第2腕806に対して約130°の角度である。第1腕804から第3腕808への経路は、誘発機構から物体へのインパルスの伝播が最小の摩擦損失で実質的にスムーズに行われるように、実質的に湾曲している。
他の実施例によれば、インパルスガイドの第1腕は、第3腕に対して約90°から180°未満の間の如何なる角度でも良い。他の実施例によれば、第3腕は第1腕と実質的に同一直線上にあり、第2腕は第1腕に対して約90°と約180°との間の何れかの角度である。インパルスガイドは、誘発機構から離れるように示されている。しかし、他の実施例によれば、インパルスガイドは、誘発機構と一体的である。例えば、インパルスガイドは、第1実施例のバルブ、第2実施例のバルブ或いは第3実施例のバルブと一体的でも良い。
このシステムの他の実施の形態における他の形態によれば、インパルスガイドは存在しない。そのような実施例では、誘発機構は、検出器によって検出されるように構成された物体の表面に、流体のインパルスを向けるように構成される。例えば、誘発機構からの流体のインパルスは、検出器と物体との間に伝わる信号の方向にほぼ一致する、物体に対する伝播方向を有する。流体のインパルスと検出信号とは、物体の表面でほぼ一致しても良い。その表面は、物体の上面でも良い。
インパルスガイドを使用せずに流体のインパルスを物体の表面で検出信号に一致させるため、第1、第2或いは第3実施例のバルブの何れかを物体に対して適切な角度に配置しても良い。その代わりとして、バルブの入り口が出口に対して平行の角度ではない第4実施例のバルブを備えても良い。かかる実施例では、入り口への流体の方向は、出口からの流体の方向に対して平行の角度ではない。出口は、出口からの流体の方向が入り口への流体の方向に対して約90°から約180°の間の角度になるように、入り口に対して斜めに配置されても良い。他の実施例によれば、出口は、出口からの流体の方向が入り口への流体の方向に対して約130°の角度になるように、入り口に対して斜めに配置される。
図31及び図32は、インパルスガイド610が複数レーン或いは搬送システムで使用された実施例を示す。インパルスガイド610は、例えば、図29Aを参照して示され且つ説明されたインパルスガイドでも良いし、図30Aを参照して示され且つ説明されたインパルスガイドでも良い。図19及び図20に示された実施例と同様に、検出器604は、検出器604と複数の搬送装置608のうちの一つの上にある複数のホルダ607の一つに保持された物体606との間の信号を選択的に伝える光ガイド604aを備える。図19及び図20を参照して説明した実施例と同様に、光ガイド604aは、電動可能な偏向ミラーでも良い。各搬送装置608は、一連の物体606を搬送するように構成される。このような構成では、システムは複数の誘発機構602と複数のインパルスガイド610とを備える。各誘発機構602及び各インパルスガイド610は、複数の搬送装置608の一つに割り当てられる。
<結果>
図26から図28を参照して説明した、誘発機構602が第2実施例のバルブ400を備えたシステム600を使用した流体タップ方法の結果について、図33から図35を参照して説明する。システム600は、上記で説明した第2実施例のインパルスガイド800と検出器604とプロセッサPとを備える。
図33は、10個のりんごについて、誘発機構からの気体のインパルスの方向が検出器及び物体間の信号と実質的に同一直線上である流体タップシステムからのLDVの速度スペクトルを示す。搬送装置は1m/sで動作され、システムは、空気圧が2MPa、LDVの速度範囲の設定が0.1m/sで毎秒10個の果物の特性を判定するように構成される。各スペクトラムの記録は50ミリ秒長であり、各果物に対して約12ミリ秒と36ミリ秒との2回のインパルスを示す。12ミリ秒と22ミリ秒との間の縦線は、インパルスからの共振応答を判定するための10ミリ秒の範囲を定義する。
図34は、図33に示す各果物について、上記10ミリ秒の範囲の間に第1のインパルスから生じた周波数スペクトルを示す。10個のりんごの共振ピークは、周波数スペクトルから判定することができる。下記表は、判定された共振ピークとAweta方法を使用した結果との比較を示す。
ピーク共振周波数(Hz)
りんご 流体タップ方法を使用した場合 Aweta方法を使用した場合
1 830.1 794.0
2 947.3 921.0
3 986.3 915.0
4 918.0 861.0
5 820.3 773.0
6 810.5 746.0
7 1016.0 966.0
8 703.1 659.0
9 947.3 918.0
10 976.6 956.0
表2.10個の異なるりんごについて流体タップ方法とAweta方法とを使用した時の共振周波数の比較
図35は、表2に示す10個のりんごについて、Awetaシステムから得られた測定値と流体タップシステム600から得られた測定値との間のピーク周波数の関係を示す。この図によれば、Aweta方法を使用して得られた結果とこの発明における流体タップ方法を使用して得られた結果との間には強い相関関係が存在する。
流体タップシステムによるこれらの測定値から物体の硬度を判定できる。例えば、硬度が高い物体は、一般に高いピーク共振周波数を有する。
例を用いてこの発明の好適な実施の形態を説明しただけであり、発明の範囲を逸脱することなく変更を加えても良い。
具体的な構成要素及びパラメータを説明したが、当然のことながら、機能することを条件にそれらは発明の範囲内で変えることができる。
流体タップの概念は、動いている果物に対して非接触の刺激を与えることが利用できる他の同様な技術を提案する。上記で説明した誘発機構の好適な実施例のほかに、他の誘発機構を使用しても良い。例えば、ペイントボールガンで使用されている装置のような自動反復装置を使用したり、圧縮空気を繰り返し急激に噴出させるように変更したりしても良い。又は、水素酸素発火システムのような爆発システム或いは適合させた燃焼機関は、一定の衝撃ガスを提供できる。
バルブの好適な実施例は、気体或いは他の流体の短いパルスを必要とする他の分野に適用できる。例えば、バルブは、物体の応力波テストのために材料中に圧縮波を発生させる刺激を作り出しても良い。材料中の音パルスの伝播速度は、材料或いは物体の物理的状態、一般には硬度を推定するために測定され、使用される。他の例として、バルブは、パルス反射法(表面から反射して戻ってきたパルス)に基づく深さゲージのコアとなる構成要素でも良い。音響パルスは、ある状況下では標準的なパルス反射より利点がある場合がある。例えば、粗い表面で反射する音は強くなり、超音波より減衰及び拡散しない。更に、バルブによって繰り返される鋭い音はマシンガンのように非常に大きく、群集を静かにさせたり拡散させたりするための群集管理装置に適している。流体タップ方法及びシステムは、形状、寸法及び/又は重さの情報を測定するために、映像システム(例えば、コンパックのインビジョンシステム)と組み合わせ、性能を向上させたり寸法及び形状の違いを補正しても良い。
他の変更例は、「発明の概要」の欄に記載されている。
この発明は、物体の特性を判定する非破壊的なシステム及び方法に関する。この発明の実施の形態では、物体の硬度(firmness)及び/又は堅さ(stiffness)を判定するシステムと方法とが提供される。物体は、例えば、果物、野菜、肉製品或いは如何なる固体状、中空状及び/又は加圧された物体でも良い。
この発明は、例えば、物体の特性を判定する非破壊的なシステム及び方法に使用可能な非破壊的な流体のインパルス(impulse)を発生させるのに適したバルブにも関する。バルブは、例えば、パルス音響深さゲージ、群集管理装置のような他のものにも適用できる。
果物の自動選別機は、生鮮果物全体及び他の生鮮食品を評価して種々のカテゴリーに選別し、果物の品質を一様にする境界、例えば寸法或いは色を揃える境界を作り出すために使用される。従来では農産物は寸法、形状、色及び表面上の欠陥といった外観上の特性に基づいて選別されていたが、現在では自動選別機によって評価される特性のうち、成熟度、味及び硬度といった農産物の内部の品質を含める傾向が増してきている。
園芸の選別機技術のグローバル市場は現在年10億ドルと見積もられており、世界的な果物の生産率が上昇し続けるにつれて増えている。3つの異なる観点から来る増大する問題に対処するため、果物の供給者は、選別機の改良技術を要求している。それらは、(i)巨大なスーパーマーケットチェーンに対する望ましい供給者の地位、(ii)価格的な価値を付加できる果物の供給、(iii)降級される果物及び労働コストを最小限にすることによる費用の低減、である。選別技術に対する特定の強い推進力が、果物の品質に対する消費者の予測を増大させている。消費者は、購入した果物が加工食品と同じように均一であるとますます感じている。生鮮製品の特定の品質が消費者にとって重要であるならば、その品質を測定、即ち制御することは生産者の利益にかなう。小売業者は、彼らの供給者が満足する厳しい選別基準を課して応じている。
農産物の硬度(例えば、りんごの「シャキシャキ感」)は、消費者が農産物を選ぶ上で重要な要素である。果物或いは農産物の個別品目の硬度を測定するように設計された多くの果物の自動選別機が存在する。しかし、果物の硬度を判定するための適切な解決策は、現在のところ存在しない。この問題を解決することは困難である。なぜなら、センサ技術は、果物に対して非破壊的であり且つシステム全体の処理能力を大幅に低減させることなく既存のシステムと一体化でき、果物の寸法、見栄え及び形態上の特徴に関わらず正確でなければならないからである。
果物の硬度を判定する既存のシステムがある。例えば、Awetaから提供されている単純な音響硬度センサ、及びGreefaとSinclairとから提供されているセンサである。しかし、これらの既存のシステムは、果物に接触することを要求する。この要求により、測定において多くの制限が課せられてしまう。最も重大なものは速度であるが、機械の複雑さも問題を克服するために重要である。例えば、Sinclair IQ硬度テスタは、硬度センサを果物上まで下げるために一連の蛇腹(bellows)を使用する。Greefa iFDは、センサを果物の搬送装置に同期させるために複雑な機械装置を使用する。更に、これらの既存システムは、果物を高速で搬送する装置を含むシステムに連動させることができない。例えば、Greefa iFDは、1つのラインにつき、最大で毎秒5個の果物を処理する能力を有する。
一般に、製品の硬度を測定する選別装置には、大まかに2つの種類がある。歪み方法と音響方法である。これら双方の方法には欠点がある。
歪み方法は、圧力或いは衝撃を一箇所に適用された時の果物の表面での反応を測定することを伴う。一般に、この方法は、果物に物理的に接触するシステムを必要とする。歪み方法の1つの欠点は、システムが1箇所での測定から測定値を得ることであり、軟らかい作物が傷つき易いことである。このような傷つき易さにより、軟らかい作物の測定時に硬度が低く見積もられること、不良を示す軟らかい作物が見逃されること、或いは果物の周方向の変化(例えば、陰になった側がより堅いこと)に対して無反応になることがある。この欠点は、果物の周方向に種々の位置で複数の測定を行うことによって克服できる。しかしながら、この解決策では時間が掛かり、システムの処理能力を更に低下させてしまう。歪み方法の更なる欠点は、堅い果物に対しては、歪みが小さいために比較的反応が悪いことである。
物理的な接触を伴わない一箇所の硬度測定を使用した歪み方法によるシステム及び方法が、アメリカ特許公報5372030(Prussia et al)に記載されている。Prussiaに記載されたシステムは、果物の表面を押すための噴出空気とその結果生じた果物の歪みを測定するためのレーザ変位計とを使用する。装置には、商業的に禁止され得る大きな容量の加圧空気が必要になる。更に、歪み技術は、堅いりんごに対して応答性が低い。
音響方法によるシステムは、物理的に果物を叩く部材を使用して果物を振動させ、振動の共振周波数を測定して生鮮果物の堅さを推定する。音響方法の1つの欠点は、果物の寸法と形状との双方が共振周波数に影響することである。生鮮果物の堅さを推定する前に、共振周波数とともにこれら双方のパラメータが既知でなければならない。果物の寸法と形状とは選別機によって測定され、生鮮果物の堅さを推定するために直ちに使用される。音響によるアプローチの他の欠点は、振動する果物から発せられた音が非常に小さく、音響のピックアップ装置を周囲のノイズから適切にシールドしなければならないことである。これは、一般にピックアップ装置を果物に対して保持することによって行われなければならない。しかし、利用できる時間が短く果物が動いているため、実現することは困難である。音響方法の更なる欠点は、歪み方法と同様の理由により、果物を物理的に叩くことを実行することが困難なことである。搬送装置上の果物の速度と果物の表面を傷付ける危険性とが、物理的に叩く装置で果物に正確に衝撃を与えることを困難にしている。
訓練を受けた作業者による手作業の選別は、硬度と表面の傷に対する選別を行う際に選択できる手段に過ぎない。製品及び/又は傷による状況次第では正確であるが、手作業の選別は信頼性に乏しく、労働者の費用が安い国々において経済的に価値があるだけである。
この発明の実施の形態は、既存のシステムの欠点を克服するためになされたものであり、物体の特性を非破壊的に判定する改良されたシステムと方法とを提供する。或いは、少なくとも有用な選択肢を公開する。この発明の1つの目的は、短い持続時間を有する流体の噴出を送るのに適したバルブ、或いは少なくとも有用な選択肢を公開するバルブを提供することである。
この明細書において特許明細書、他の外部文献或いは他の情報源に対してなされた言及は、一般に、この発明の特徴を説明するための背景を提供することを目的とする。具体的に記述されている場合を除いて、そのような外部の文献に対する言及は、如何なる権限の範囲においても上記文献或いは情報源が従来技術である又は技術的に周知の一般知識を形成することを了承していると解釈されるべきではない。
この発明の第1の態様によると、物体の特性を判定するシステムであって、約5ミリ秒より短い持続時間を有する流体のインパルスを発生させ、流体の上記インパルスを上記物体に向けて上記物体の物理的な振動を誘発し、上記物体の振動を誘発する際に上記物体に接触しない誘発機構と、上記物体の物理的な振動を検出し、上記物体の物理的な振動を検出する際に上記物体に接触しない検出器と、上記検出器に繋がれ、少なくとも上記検出器によって検出された物理的な振動に基づいて上記物体の特性を判定するプロセッサと、を備えたシステムが提供される。
明細書及び特許請求の範囲に使用された「備える(comprising)」という用語は「少なくとも一部に〜がある」ことを意味する。明細書及び特許請求の範囲の「備える(comprising)」という用語を含む記載を解釈する場合、各記載中のこの用語の後に来る特徴に加えて他の特徴が存在しても良い。「備える(comprise)」及び「備えられた(comprised)」のような関連する用語は、同様の方法で解釈される。
好適には、システムは、物体の硬度及び/又は堅さの特性を判定するのに適している、或いは判定するように構成される。
更に或いは代わりとして、システムは、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体に傷がないことを判定し、物体が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体の傷の位置の近くで物理的な振動を検出することにより流体のインパルスによって誘発された物体の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう傷が表面にあるか否かを判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。一の実施例では、システムは、外側が軟らかい容器に傷がないことを判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。物体が加圧された物体である場合、システムは、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体の加圧状態の変化を見つけるために使用されても良い。一の実施例では、システムは、容器の充填容積を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
更に或いは代わりとして、システムは、物体の硬度及び/又は堅さが既知であれば、物体の密度、寸法及び/又は形状を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
好適には、誘発機構は、物体の表面に当たる流体のインパルスを送信することにより物体の物理的な振動を誘発する送信器である。好適には、誘発機構は、物体を共振周波数で振動させるように構成される。
好適には、上記誘発機構はバルブを備え、上記バルブは、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記バルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での直線状の一回の動作で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材であり、回転可能な上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一回の回転で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。好適には、上記入り口への流体の方向は、上記出口からの流体の方向に対して実質的に平行である。或いは、上記入り口は上記出口に対して平行ではない角度でも良く、この場合、上記入り口への流体の方向は上記出口からの流体の方向に対して平行ではない角度である。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約90°と約180°の間の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約130°の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。
好適には、上記バルブ部材が上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記バルブ部材が一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約50ミリ秒掛かる。
好適には、上記誘発機構は、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、往復移動が可能なスプールバルブ部材を有する実施例において、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構は、ソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。上記機械装置は、電動の押し棒或いはカムを備えても良い。上記機械装置は、上記バルブが空気圧で或いは機械的に他方向に動かされた後に上記バルブを一方向に戻すためのバネを備えても良い。
好適には、上記誘発機構は、上記出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成され、上記インパルスの上記持続時間は、上記スプールバルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する。好適には、流体の上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、流体の上記インパルスは、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向と実質的に垂直な、上記物体に対する伝播方向を有する。好適には、上記誘発機構は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の側面に当たるように、測定される上記物体から水平方向に間隔を空けて配置される。或いは、上記誘発機構は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の上面に当たるように、測定される上記物体から垂直方向に間隔を空けて配置されても良い。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約1mmより大きい間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約10mmから約500mmの間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
或いは、流体の上記インパルスは、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向とほぼ一致する、上記物体に対する伝播方向を有しても良い。好適には、上記伝播方向と信号の上記方向とは、上記物体で互いにほぼ一致する。好適には、上記伝播方向と信号の上記方向とは、上記物体の上面で互いにほぼ一致する。
好適には、システムは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスと上記検知器及び上記物体間の信号とを上記物体に対して同じ方向に向けるインパルスガイドと、を備える。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが向けられて通過する第1腕と、上記検知器及び上記物体の間に伝わる信号が通過する第2腕と、上記第1腕及び上記第2腕に通じる第3腕と、を有する本体を備え、上記第1腕が受けた流体の上記インパルスが上記第1腕と上記第3腕とを通過して上記物体に向かうように構成され、上記検知器と上記物体との間の信号が上記第2腕と上記第3腕とを通過するように構成される。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約90°と約180°の間の角度である。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約130°の角度である。或いは、上記第1腕は、上記第2腕に対して実質的に垂直でも良い。好適には、上記第3腕は、上記第2腕と実質的に同一線上にある。或いは、上記第3腕は、上記第1腕と実質的に同一線上にあっても良い。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構から離れている。或いは、上記インパルスガイドは、上記誘発機構と一体的でも良い。
好適には、上記流体は、実質的に不活性或いは無害である。好適には、上記流体は気体である。或いは、上記流体は、液体又は液体と気体との混合物でも良い。或いは、上記流体は、気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。好適には、気体の上記インパルスは加圧空気である。好適には、気体は、約0.2MPaと3.0MPaとの間で加圧される。
好適には、上記検出器は、レーザを用いた検出器を備える。好適には、上記検出器は、上記物体に信号を送信し、上記物体から信号を受信するように配置されたレーザドップラ振動計(LDV)を備える。好適には、上記検出器は、上記検出器と複数の搬送装置のうちの一つの上にある上記物体との間の信号を選択的に伝える光ガイドを備え、各搬送装置は、一連の物体を搬送するように構成される。好適には、複数の搬送装置が存在する場合に、システムは複数の誘発機構を備え、各誘発機構は、上記複数の搬送装置の一つに割り当てられる。好適には、上記光ガイドは、電動可能な偏向ミラーである。
好適には、上記検知器と上記物体との間の信号は、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に垂直な方向を有する。好適には、上記検知器と上記物体との間の信号の方向は、搬送される上記物体の移動方向に対して約89.5°と約90.5°との間である。好適には、上記検知器と上記物体との間の信号の方向は、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に90°である。
好適には、システムは、毎秒、約5個より多くの物体の特性を判定するように構成される。好適には、システムは、毎秒、約10個の物体の特性を判定するように構成される。好適には、システムは、毎秒、約15個の物体の特性を判定するように構成される。複数の搬送装置或いはレーンの配置では、システムは、毎秒、搬送装置毎或いはレーン毎に指定された数の物体の特性を判定するように好適に構成される。
この発明の第2の態様によると、物体の特性を判定する方法であって、誘発機構によって上記物体の物理的な振動を誘発する工程と、検出器によって上記物体の物理的な振動を検出する工程と、少なくとも上記検出器によって検出された物理的な振動に基づいて上記物体の特性を判定する工程と、を備える方法が提供される。上記誘発機構は、約5ミリ秒より短い持続時間を有する流体のインパルスを発生させて流体の上記インパルスを上記物体に向けるように構成され、上記物体の振動を誘発する際に上記誘発機構は上記物体に接触せず、上記検出器は、振動を検出する際に上記物体に接触しない。
好適には、方法は、物体の硬度及び/又は堅さの特性を判定する工程を備える。
更に或いは代わりとして、方法は、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体に傷がないことを判定する工程を備えても良く、物体が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体の傷の位置の近くで物理的な振動を検出することにより流体のインパルスによって誘発された物体の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう傷が表面にあるか否かを判定する。一の実施例では、方法は、外側が軟らかい容器に傷がないことを判定する工程を備える。物体が加圧された物体である場合、方法は、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体の加圧状態の変化を見つけるために使用されても良い。一の実施例では、方法は、容器の充填容積を判定する工程を備える。
更に或いは代わりとして、方法は、物体の硬度及び/又は堅さが既知であれば、物体の密度、寸法及び/又は形状を判定する工程を備えても良い。
好適には、上記誘発機構は送信器であり、方法は、上記送信器を用いて上記物体の表面に当たる流体の上記インパルスを送信することにより、上記物体の物理的な振動を誘発する工程を備える。好適には、方法は、上記誘発機構を用いて上記物体を共振周波数で振動させる工程を備える。
好適には、上記誘発機構はバルブを備え、上記バルブは、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、方法は、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の直線状の一回の動作で、上記スプールバルブ部材を一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動させる工程を備える。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材でも良く、方法は、上記内腔部内での回転可能な上記スプールバルブ部材の一回の回転で、回転可能な上記スプールバルブ部材を一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に回転させる工程を備える。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。好適には、方法は、上記入り口への流体を、上記出口からの流体の方向に対して実質的に平行となる方向に向ける工程を備える。或いは、上記入り口は上記出口に対して平行ではない角度でも良く、方法は、上記入り口への流体を、上記出口からの流体の方向に対して平行ではない角度に向ける工程を備える。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約90°と約180°の間の角度になるように上記入り口に対して角度を有する。好適には、上記出口は、上記出口からの流体の方向が上記入り口への流体の方向から約130°ずれた角度になるように上記入り口に対して角度を有する。
好適には、方法は、上記誘発機構を用いて上記出口を通過する流体のインパルスを発生させる工程を備え、上記インパルスの上記持続時間は、上記バルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する。好適には、流体の上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、流体の上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向と実質的に垂直な、上記物体に対する伝播方向に、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から水平方向に間隔を空けて配置され、方法は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の側面に当たるように向ける工程を備える。或いは、上記誘発機構は、測定される上記物体から垂直方向に間隔を空けて配置され、方法は、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが上記物体の上面に当たるように向ける工程を備える。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約1mmより大きい間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約10mmから約500mmの間隔を空けて配置される。好適には、上記誘発機構は、測定される上記物体から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
或いは、方法は、上記検知器と上記物体との間に伝わる信号の方向とほぼ一致する、上記物体に対する伝播方向に、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、方法は、上記伝播方向と信号の上記方向とが上記物体で互いにほぼ一致するように、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。好適には、方法は、上記伝播方向と信号の上記方向とが上記物体の上面で互いにほぼ一致するように、流体の上記インパルスを向ける工程を備える。
好適には、方法は、インパルスガイドを用いて上記誘発機構からの流体の上記インパルスと上記検知器及び上記物体間の信号とを上記物体に対して同じ方向に向ける工程を備える。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構からの流体の上記インパルスが向けられて通過する第1腕と、上記検知器及び上記物体の間に伝わる信号が通過する第2腕と、上記第1腕及び上記第2腕に通じる第3腕と、を有する本体を備え、方法は、流体の上記インパルスを上記第1腕と上記第3腕とに通過させて上記物体に向ける工程と、上記検知器と上記物体との間の信号を上記第2腕と上記第3腕とに通過させる工程とを備える。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約90°と約180°の間の角度である。好適には、上記第1腕は、上記第2腕に対して約130°の角度である。或いは、上記第1腕は、上記第2腕に対して実質的に垂直でも良い。好適には、上記第3腕は、上記第2腕と実質的に同一線上にある。或いは、上記第3腕は、上記第1腕と実質的に同一線上にあっても良い。好適には、上記インパルスガイドは、上記誘発機構から離れている。或いは、上記インパルスガイドは、上記誘発機構と一体的でも良い。
好適には、上記流体は、実質的に不活性或いは無害である。好適には、上記流体は気体である。或いは、上記流体は、液体又は液体と気体との混合物でも良い。或いは、上記流体は、気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。好適には、流体の上記インパルスは加圧空気である。好適には、気体は、約0.2MPaと約3.0MPaとの間で加圧される。
好適には、上記検出器は、レーザを用いた検出器を備える。好適には、上記検出器はレーザドップラ振動計(LDV)を備え、方法は、上記LDVを使用して上記物体に信号を送信し、上記物体から信号を受信する工程を備える。好適には、上記検出器は光ガイドを備え、方法は、上記光ガイドを使用して上記検出器と複数の搬送装置のうちの一つの上にある上記物体との間の信号を選択的に伝える工程を備え、各搬送装置は、一連の物体を搬送するように構成される。好適には、複数の搬送装置が存在する場合に、システムは複数の誘発機構を備え、各誘発機構は、上記複数の搬送装置の一つに割り当てられる。好適には、上記光ガイドは、電動可能な偏向ミラーである。
好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に垂直な方向に向ける工程を備える。好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して約89.5°と約90.5°との間の角度に向ける工程を備える。好適には、方法は、上記検知器と上記物体との間の信号を、搬送される上記物体の移動方向に対して実質的に90°の角度に向ける工程を備える。
好適には、方法は、毎秒、約5個より多くの物体の特性を判定する工程を備える。好適には、方法は、毎秒、約10個の物体の特性を判定する工程を備える。好適には、方法は、毎秒、約15個の物体の特性を判定する工程を備える。複数の搬送装置或いはレーンの配置では、方法は、毎秒、搬送装置毎或いはレーン毎に指定された数の物体の特性を判定する工程を好適に備える。
この発明の第3の態様によると、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる、上記入り口に実質的に近接する出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動可能なバルブ部材と、を備え、上記開配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可し、上記第1及び第2略閉配置では、上記バルブ部材は上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限し、上記バルブ部材は、上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動でき、約5ミリ秒より短い持続時間を有する流体の上記インパルスを上記出口から発生させるバルブが提供される。
好適には、上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、上記バルブ部材は往復移動が可能なスプールバルブ部材であり、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での直線状の一回の動作で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。好適には、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記スプールバルブ部材が上記開位置にある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に許可する寸法である。
或いは、上記バルブ部材は回転可能なスプールバルブ部材でも良く、回転可能な上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での一回の回転で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動できる。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。
好適には、上記バルブ部材が上記内腔部内での一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記バルブ部材が一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動くのに、約50ミリ秒掛かる。
好適には、バルブは、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、往復移動が可能なスプールバルブ部材を有する実施例において、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構は、ソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。
この発明の第4の態様によると、内腔部と流体源からの流体が通過して上記内腔部に送られる入り口と上記内腔部内からの流体が通過して送られる、上記入り口に実質的に近接する出口とを有するハウジングと、上記ハウジングの上記内腔部内で第1略閉配置、開配置及び第2略閉配置の間を移動できる往復移動が可能なスプールバルブ部材と、を備え、上記スプールバルブ部材は、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の直線状の一方向の動きで一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に移動でき、上記スプールバルブ部材は2つの制限部を有し、各制限部は上記スプールバルブ部材が上記略閉配置のどちらかにある時に上記入り口から上記出口への流体の流れを実質的に制限する寸法であり、2つの上記制限部の間に供給部が設けられ、上記供給部は上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の一回の動作で上記出口を通過する流体のインパルスを発生させる寸法であり、上記インパルスは、上記スプールバルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有するバルブが提供される。
好適には、上記入り口及び上記出口は、実質的に互いに向かい合う。好適には、上記入り口及び上記出口は、互いに正対する。或いは、上記入り口は、上記出口からずれても良い。
好適には、上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の一回の動作に、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。好適には、上記スプールバルブ部材の一回の動作に、約50ミリ秒掛かる。
好適には、バルブは、上記バルブ部材を上記内腔部内で一方の上記略閉配置から上記開配置、そして他方の上記略閉配置に動かすための駆動機構を更に備える。
好適には、上記スプールバルブ部材は空気圧で動かされ、上記駆動機構は、少なくとも上記内腔部の一端に繋がれた空気バルブである。上記駆動機構はソレノイドでも良い。或いは、上記駆動機構は、上記スプールバルブ部材を機械的に往復移動させる機械装置でも良い。
好適には、バルブは上記内腔部内での上記スプールバルブ部材の一回の動作で上記出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成され、上記インパルスは、上記スプールバルブ部材が一回の動作中に上記開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、上記インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、上記インパルスの上記持続時間は約1ミリ秒である。
好適には、この発明の第1の態様によるシステム及びこの発明の第2の態様による方法の誘発機構は、この発明の第3の態様によるバルブ或いは第4の態様によるバルブの何れかを備える。或いは、それらのバルブを、例えば応力波の速度測定或いはパルス音響システム、群集管理装置のような他の適用に使用しても良い。
この発明が関連する分野で知られている均等物を有する具体的な整数がここに記載されている場合は、そのような既知の均等物は、個々に明記されているかのように本明細書に援用されているものとみなされる。
この発明は上記記載にあり、また、以下の例だけが与える構成も想定される。
以下の添付の図面を参照し、非制限的な例のみを使用して本発明を説明する。
この発明の一実施の形態におけるシステムの斜視図である。
図1に示すシステムの正面図である。
図1に示すシステムの側面図である。
この発明の他の実施例におけるシステムを示す図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時のこの発明の一実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時の図5に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図5に示す誘発機構の正面断面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの斜視断面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの上面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの正面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの側面図である。
図5に示す誘発機構のハウジングの底面図である。
図5に示す誘発機構のスプールバルブ部材の斜視図である。
図5に示す誘発機構のスプールバルブ部材の正面図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時のこの発明の他の実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時の図10に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図10に示す誘発機構の正面断面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの斜視断面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの上面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの正面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの側面図である。
図10に示す誘発機構のハウジングの底面図である。
図10に示す誘発機構のスプールバルブ部材の斜視図である。
図10に示す誘発機構のスプールバルブ部材の正面図である。
スプールバルブ部材が開配置である時のこの発明の他の実施例における誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第1略閉配置である時の図15に示す誘発機構の正面断面図である。
スプールバルブ部材が第2略閉配置である時の図15に示す誘発機構の斜視断面図である。
スプールバルブ部材が一方の略閉配置である時の図15に示す誘発機構の側面図である。
複数の搬送レーンを用いたこの発明の他の実施例におけるシステムを示す。
図19に示すシステムの端面図である。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用して気体のインパルスを衝突させた時のキウイフルーツの表面振動の典型的なLDVの記録を示す。
Awetaによる測定値とこの発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用して得られた測定値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用した時の2つのLDV検出器によって得られた周波数応答を比較的に示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用した時の2つのLDV検出器によって得られた時間及び周波数の応答を示す。
この発明の第1の実施の形態におけるシステムを使用し、十分に加圧された状態で4つの異なる位置で測定されたプラスチックボトルと減圧された状態で4つの異なる位置で測定されたプラスチックボトルとについてのLDVの記録を示す。
図25Aに示すLDVの記録の周波数スペクトルを示す。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムの斜視図である。
図26に示すシステムの正面図である。
図26に示すシステムの側面図である。
図26に示すシステムのこの発明におけるインパルスガイドの第1実施例を示す斜視図である。
図29Aに示すインパルスガイドの上面図である。
図29Aに示すインパルスガイドの正面図である。
図29Aに示すインパルスガイドの側面図である。
図29DのB−B線に沿った、図29Aに示すインパルスガイドの正面断面図である。
図26に示すシステムのこの発明におけるインパルスガイドの第2実施例を示す斜視図である。
図30Aに示すインパルスガイドの上面図である。
図30Aに示すインパルスガイドの正面図である。
図30Aに示すインパルスガイドの側面図である。
図30DのC−C線に沿った、図30Aに示すインパルスガイドの正面断面図である。
図29Aに示すガイドと複数の搬送レーンとを使用したこの発明の他の実施例におけるシステムを示す。
図31に示すシステムの端面図である。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用した気体のインパルスによる10個のりんごの表面振動のLDVの記録を示す。
この発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用した図33に示すLDVの記録の周波数スペクトルを示す。
Awetaによる測定値とこの発明の第2の実施の形態におけるシステムを使用して得られた測定値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。
図1から図3は、この発明の一実施の形態における物体106の特性を判定するシステム100を示す。実施の形態における説明では、検査の対象となる物体106は果物(例えば、りんご、もも、アボカド及びキウイフルーツ)である。しかし、当然のことながら、物体106は、野菜(例えば、じゃがいも)、肉製品(例えば、魚の切り身)又は他の固体状、中空状及び/又は加圧された物体のような他の如何なる物体でも良い。具体的に、物体106は、構造的な堅さ、硬度、弾力性及び/又は内圧(表皮効果/ドラム効果)に依存する特性を備えたどのような物体でも良い。物体106は、外側が軟らかい容器であっても良い。物体106は、ガラスボトル、加圧された缶或いはタンク(例えば、ガスタンク)であっても良い。システム100は、加圧されたスポーツ用品(例えば、テニスボール及びスカッシュボール等のように外側が堅いゴムのボール)に適用できる。システム100は、卵にも使用できる。かかる場合、共振挙動は、黄身の状態或いは殻の傷の有無に依存して大きく変化する。
システム100は、特に、搬送ライン108に沿って搬送されるホルダ107に保持された果物のような物体106の硬度特性を判定するように構成される。更に或いは代わりとして、システム100は、殻のような包装体(例えば、卵、缶或いはボトル等)を有する物体106に傷がないことを判定するために使用され、物体106が種々の機械的な領域に区画されていたりひびが入っていたり砕けていたりしているか否か及び/又は物体106の表面に傷があるいか否かを判定しても良い。物体106が種々の機械的な領域、ひび割れ目及び/又は、流体のインパルスによって誘発された物体106の共振挙動に対して十分に影響を与えてしまう表面の傷を有するか否かを検出するためにシステム100を使用しても良い。物体106が堅い場合、システム100は、測定が傷の部位の近くで行われれば物体106に傷がないことを判定できる。物体106が加圧された物体の場合、加圧された物体の漏れを見つけるため及び/又は物体106の加圧状態の変化を判定するために、システム100を使用しても良い。更に或いは代わりとして、物体106の硬度が既知の場合は、物体106の密度、寸法及び/又は形状を判定するためにシステム100を使用しても良い。更に或いは代わりとして、システム100は、容器の充填容積を判定するのに適していても良いし、構成されていても良い。
システム100は、一般に誘発機構102と検出器104とを備える。システム100は、検出器104に繋がれた(図2に示された)プロセッサPを更に備える。プロセッサPは、検出器104から受信した測定値に基づいて物体106の特性を判定するように構成される。
システム100は、誘発機構102によって生成された、短く急激に噴出された圧縮空気を第1経路Gに沿って物体106に衝突させ、その結果生じる物体106の振動を第2経路Hに沿って検出器104によって感知する(検出する)ことにより、物体の硬度を判定する。第1経路Gは、第2経路Hに対して実質的に垂直である。更に、第1経路G及び第2経路Hは、実質的に直線状である。他の実施の形態では、第1経路は、第2経路に対して平行でも良い。又は、第1経路及び/又は第2経路は、誘発機構102或いは検出器104と物体106との各間が実質的に直線でなくても良い。処理を行う間、誘発機構102及び検出器104は、測定される物体106に物理的に接触しない。以下において、この方法のことを「流体タップ(fluid tap)」方法とも呼ぶ。
急激且つ強固な機械力カップリング用の噴出空気(又は他の気体、液体或いは液体と空気との混合物)と高速応答測定用の非接触式の光学センサとを使用することにより、システムは、毎秒10個を超える物体の高速選別を実現することができる。
誘発機構102、検出器104及びプロセッサPの更なる詳細について、以下に説明する。
<誘発機構>
図1から図3を更に参照すると、誘発機構102の機能は、流体のインパルスを発生させること及び流体のインパルスを物体106に向けて物体106に物理的な振動を誘発することである。誘発機構102は、物体106に振動を誘発する際に物体106に物理的に接触しない。流体のインパルスは、短い持続時間を有する加圧空気である。加圧空気のほかに、流体のインパルスは、実質的に不活性或いは無害である流体を備えるインパルスでも良い。流体は、気体、液体、液体と気体との混合物、又は気体と1以上の粉状の固体との混合物でも良い。
誘発機構102は、図1から図3に示されているように誘発機構からの流体のインパルスが経路Gに沿って物体106の側面に当たるように、測定される物体106から水平方向に間隔を空けて配置される。或いは、図4を参照すると、誘発機構102は、誘発機構102からの流体のインパルスが搬送装置108で搬送されるホルダ107に保持された物体106の上面に当たるように、測定される物体106から垂直方向に間隔を空けて配置される。図4に示された実施例では、検出器106はプロセッサPに繋がれ、物体106から水平方向に間隔を空けて配置される。何れの実施例においても、誘発機構102は、測定される物体106から約50mmから約200mmの間隔を空けて配置される。
図5から図9Bに、この発明における作動中の誘発機構の第1実施例のバルブ300が示されている。バルブ300は、内腔部304と入り口306と入り口306に実質的に近接する出口308とを有するハウジング302を備える。バルブ300は、往復移動が可能なスプール(spool)バルブ部材301を更に備える。スプールバルブ部材301は、内腔部304内を移動可能である。
加圧空気源のような流体源からの流体は入り口306を通過して内腔部304内に送られ、内腔部306内からの流体は出口308を通過して送られる。入り口306及び出口308は、実質的に互いに向かい合うように配置される。図5によれば、入り口306及び出口308は、互いに正対する。
バルブ300は、約0.2MPaと約3.0MPaとの間の流体のインパルスを発生させる。
バルブ300の出口308は、例えば50mm管に適合されたノズル310を有していても良い。
図5から図7を更に参照すると、スプールバルブ部材301は、ハウジング302の内腔部304内で第1略閉配置(図5)、開配置(図6)及び第2略閉配置(図7)の間を移動可能である。スプールバルブ部材301は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の直線状の一回の動作で、一方の略閉配置から開配置、そして他方の略閉配置に移動できる。スプールバルブ部材301の一回の動作は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の内腔部の一端から内腔部304の他端への直線状の/横断する一方向の動きに相当し、その動きにより、スプールバルブ部材301が一方の略閉配置から開配置、そして他方の略閉配置に進む。バルブ部材301は、入り口306の軸と出口308の軸とに対して直交する方向に動く。
一回の動作中に、スプールバルブ部材301は、短い時間(ミリ秒のオーダで)開配置になる。その結果生じる空気のパルスが物体にぶつかり、物体に物理的な振動を生じさせる。内腔部304内でのスプールバルブ部材301の一回の動作に、約30ミリ秒から約70ミリ秒掛かる。具体的に、スプールバルブ部材301の一回の動作に約50ミリ秒掛かり、流体のインパルスはバルブ300によって50ミリ秒毎に発生される。スプールバルブを備えた既存の誘発機構と比較すると、本発明のバルブ300は、サイクル時間は長いが、スプールバルブ部材301が開配置になる開時間は短い。
誘発機構は、スプールバルブ部材301を内腔部304内で動かすための駆動機構(図示せず)を備える。望ましい実施例では、スプールバルブ部材301は空気圧で動かされ、駆動機構は少なくとも内腔部304の一端に繋がれた空気バルブである。空気バルブ300が操作されることにより、スプールバルブ部材301が一方の略閉配置から他方の略閉配置及びその逆に動かされる。具体的に、スプールバルブ部材301は、2つの2次ポート(port)の双方で供給された中圧の空気によって動かされる。内腔部304の双方の端にポートが設けられる。中圧の空気は、一般に従来型の5ポート空気バルブによって供給できる。高速動作する空気バルブは必要ない。入り口306からの高圧空気は、スプールバルブ部材301が開配置になる時の溝が隣接する短い時間だけ、出口308及びノズル(「バレル」)310に移動することができる。
好適には、バルブ300は、内腔部304内でのスプールバルブ部材301の一回の動作で、出口を通過する流体のインパルスを発生させるように構成される。インパルスは、スプールバルブ部材301が一回の動作中に開配置にとどまる時間に相当する持続時間を有する。好適には、インパルスは、実質的に短い持続時間を有する。好適には、インパルスの持続時間は約5ミリ秒より短い。好適には、インパルスの持続時間は約3ミリ秒より短い。好適には、インパルスの持続時間は約1ミリ秒である。
図8Aから図8Eは、バルブ300のハウジング302を示す図である。ハウジング302は、約22mmの幅、約44mmの長さ、約38mmの高さを有する。入り口306及び出口308は、それぞれ、実質的に内腔部304に直交する。内腔部304は実質的に円柱形であり、約10mmの直径とハウジング302の長さに及ぶ長さとを有する。入り口306及び出口308も実質的に円柱形である。入り口306は、内腔部304内に通じる入り側開口320を有する。出口308は、出側開口340を有する。出側開口340も内腔部304内に通じる。入り側開口320及び出側開口340は、それぞれ、実質的に入り口306及び出口308の最も狭い部分である。入り側開口320は、実質的に出側開口340より狭い。入り側開口320は、2mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口340は、4mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口320と出側開口340とは実質的に互いに向かい合い、互いに約14mmの距離が空いている。
図9A及び図9Bを参照すると、スプールバルブ部材301は2つの制限部321及び322を有する。各制限部321、322は、スプールバルブ部材301が略閉配置のどちらかにある時に入り口306から出口308への流体の流れを実質的に制限する寸法である。制限部321及び322は実質的に円柱形であり、それぞれ、約10mmの直径、約7mmの長さを有する。スプールバルブ部材301が略閉配置で名目上閉ざされている時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。漏れを許容することは、バルブ部品の公差を従来の空気バルブのものほど厳しくする必要がないことを意味する。したがって、製造費用を低減できる。
スプールバルブ部材301は、2つの制限部321及び322の間に設けられた供給部323を有する。供給部323は、スプールバルブ部材301が開配置にある時に入り口306から出口308への流体の流れを実質的に許可する寸法である。図9A及び図9Bに示す実施例では、供給部323は実質的に円柱形であり、約6mmの直径、約2mmの長さを有する。供給部323は、2つの制限部321及び322の間に配置された幅の狭い溝でも良い。供給部323は、入り口の入り側開口320の幅と実質的に等しい幅を有する。
このバルブ300の他の実施例、即ち以下に説明するバルブ400、500では、スプールバルブ部材は、スプールバルブ部材が略閉配置のどちらかにある時にスプールバルブ部材を通過して入り口から出口に至る流体の流れを防止しても良い。
図10から図12は、この発明のシステムにおける誘発機構の第2実施例のバルブ400の動作を示す。以下に説明されていない場合、バルブ400の特徴及び動作は、一般にバルブ300に対して上記で説明した内容と同じであり、100が付加された同様の符号は相当する部分を示す。第2実施例のバルブ400は、同様に動かされる(上記スプールバルブ部材より広い幅の供給部を備えた)スプールバルブ部材401を有し、スプールバルブ部材401は、位置がずらされた入り口406及び出口408(入り口406及び出口408は必ずしも幅が狭いとは限らない)を通過するように移動する。図11は開配置にあるスプールバルブ部材を示す。一方、図10及び図12は略閉配置にあるスプールバルブ部材を示す。上記バルブ300と同様に、入り口406から出口408への流れは、スプールバルブ部材401が開配置にある短い時間だけ発生する。
第2実施例のバルブ400のスプールバルブ部材401は、第1実施例のバルブ300のスプールバルブ301と比較して容易に製造できる。他のバルブ400のスプールバルブ部材401は、バルブ部材301の溝と比較して広い幅の溝を有する。従来の工作機械を使用して広い幅の溝を形成することは容易である。更に、広い幅の溝であれば閉塞の影響を受け難い。
図13Aから図13Eは、バルブ400のハウジング402を示す図である。ハウジング402は、約22mmの幅、約52mmの長さ、約38mmの高さを有する。入り口406及び出口408は、それぞれ、実質的に内腔部404に直交する。内腔部404は実質的に円柱形であり、約10mmの直径とハウジング402の長さに及ぶ長さとを有する。入り口406及び出口408も実質的に円柱形である。入り口406は、内腔部404内に通じる入り側開口420を有する。出口408は、出側開口440を有する。出側開口440も内腔部404内に通じる。入り側開口420及び出側開口440は、それぞれ、実質的に入り口406及び出口408の最も狭い部分である。入り側開口420は、実質的に出側開口440より狭い。入り側開口420は、2mmの幅及び約10mmの長さを有する長孔である。入り側開口340は、3mmの幅及び10mmの長さを有する長孔である。入り側開口420と出側開口440とは、高さが互いに約14mm離れ、軸が約8mm離れている。
図14A及び図14Bを参照すると、スプールバルブ部材401は2つの制限部421及び422を有する。各制限部421、422は、スプールバルブ部材401が略閉配置のどちらかにある時に入り口406から出口408への流体の流れを実質的に制限する寸法である。制限部421及び422は実質的に円柱形であり、それぞれ、約10mmの直径、約9.25mmの長さを有する。図9A及び図9Bに示す実施例と同様に、スプールバルブ部材401が略閉配置で名目上閉ざされている時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。漏れを許容することは、バルブ部品の公差を従来の空気バルブのものほど厳しくする必要がないことを意味する。したがって、製造費用を低減できる。
スプールバルブ部材401は、2つの制限部421及び422の間に設けられた供給部423を有する。供給部423は、スプールバルブ部材401が開配置にある時に入り口406から出口408への流体の流れを実質的に許可する寸法である。図14A及び図14Bに示す実施例では、供給部423は円柱形であり、約6mmの直径、約5.5mmの長さを有する。供給部423は、2つの制限部421及び422の間に配置された幅の狭い溝でも良い。
図15から図18は、この発明における誘発機構の第3実施例のバルブ500の動作を示す。以下に説明されていない場合、誘発機構の特徴及び動作は、バルブ300に対して上記で説明した内容と同じであり、200が付加された同様の符号は相当する部分を示す。この実施例では、スプールバルブ部材501は、直線的に往復移動が可能なスプールバルブではなく、ハウジング502の内腔部504内で回転可能である。スプールバルブ部材501の回転軸は、入り口506及び出口508の各軸に対して直角である。
スプールバルブ部材501は、その外壁に反対向きの長穴523a及び523bを有する中空の円柱部501aを備える。図18に示す貫通経路523cは、2つの長穴523a及び523bを繋ぐ。中空の円柱部501aは、スプールバルブ部材501をハウジング502の軸受507にはめ込む2つの中間小径部501b及び501cの間に配置される。軸501dは、回転可能なスプールバルブ部材501をモータやソレノイド等のような適切な手段によって回転駆動することができるように、軸受の一方から突出する。
回転可能なスプールバルブ部材501が図15に示す開配置である時、流体は、入り口506から出口508に流れることができる。スプールバルブ部材501が図16及び図17に示す略閉配置の一方にある時、入り口506から出口508への流体の流れは実質的に制限される。バルブ300及び400と同様に、スプールバルブ部材501が略閉配置である時の空気の適度な漏れは、バルブが開いている時の物体への衝突を大きく妨げることはないため許容される。
また、上述した実施例300及び400と同様に、スプールバルブ部材501は、ハウジング502の内腔部内で、内腔部504内のスプールバルブ部材501の一方向の動きで第1略閉配置(例えば、図16)、開配置(例えば、図15)及び第2略閉配置(例えば、図17)の間を移動可能である。この実施例では、上記動きは、回転可能なスプールバルブ部材501が一方向に一回転する間に生じる。
バルブ500は、好適には、約5ミリ秒より短い、望ましくは約3ミリ秒より短い流体のインパルスを出口508を通過させて供給するように構成される。好適には、インパルスの持続時間は約1ミリ秒である。反対向きに開口する長穴523a及び523bがあるため、スプールバルブ部材501が一定の速度で動いた時のインパルス間の遅れは、上記バルブ300及び400について説明したものより速い。スプールバルブ部材501が一回転する間に、スプールバルブ部材501は、第1略閉配置から第1略開配置及び第2略閉配置を通過して第2略開配置に移動することができる。
上述したバルブ300、400、500は、大きな容積の空気であっても単にミリ秒単位の長さのパルスを生み出すためのものである。それらは、空気の流れを開始させるための加速度が遅いバルブ機構を伴わない。流体が入り口と出口との間を流れることができる時にスプールバルブ部材は適切な速度、好適な実施例では最高速度に既に加速されており、再び流体が実質的に流れることができなくなった時にスプールバルブ部材はまだ最高速度で移動している。所望の幅のパルスを生成するために発生源を高速で制御する従来の高速バルブと異なり、本発明のバルブは、適切な速度で動作する発生源を有することにより、また発生源及び出口に関連して移動可能なバルブ部材を有することにより、短いパルス発生させる。なお、バルブ部材は、発生源から出口への流体の流れを中断させ、また一時的に可能にすることにより、バルブ部材の速度及び溝の幅に依存する所望の幅のパルスを生成する。誘発機構の寸法について言及したが、これらの寸法は誘発機構に適した寸法の例に過ぎない。他の寸法でも可能である。
結果として生じる振動は、その後に、物体に焦点が合わせられたレーザドップラ振動計(LDV)のような検出器104を用いて検出される。
<検出器>
図1から図3を参照すると、検出器104は、離れた位置で物体106の物理的な振動を検出する。検出器104は、物体106の物理的な振動を検出する際に物体106に接触しない。
この発明の一実施例によれば、検出器104はレーザドップラ振動計(LDV)である。LDVからの信号を処理することにより、振動の周波数スペクトルを計算し、物体の共振周波数を判定することができる。共振周波数と物体の質量及び形状の情報とを組み合わせることにより、可食部の堅さ(硬度)を判定することができる。
<複数レーン又は搬送システムの構成>
システムが複数レーン又は搬送システムとして実現されている図19及び図20を参照すると、システムは、検出器104及び物体106間の信号の方向が搬送される物体106の移動方向に対して実質的に垂直になるように構成される。検出器104と物体106との間の信号の方向は、搬送される物体106の移動方向に対して実質的に90°±0.5°である。
この発明の実施例における複数レーン又は搬送装置では、検出器104は、検出器104と複数の搬送装置108のうちの一つの上にある複数のホルダ107の一つに保持された物体106との間の信号を選択的に伝える光ガイド104aを備える。各搬送装置108は、一連の物体106を搬送するように構成される。このような構成では、システムは複数の誘発機構102を備える。各誘発機構102は、複数の搬送装置108の一つに割り当てられる。好適な実施例によれば、光ガイド104aは、電動可能な偏向ミラーである。
当然のことながら、異なる数のレーン又は搬送装置、例えば1、2或いはそれ以上のレーン又は搬送装置により、この発明の他の実施例を実現できる。
<プロセッサ>
検出器104から収集された測定値は、物体の特性を判定するように構成されたプロセッサP(図1及び図4)に伝えられる。プロセッサPは、行われる動作を指定する一連の命令を適切に実行することができれば、どのような計算装置であっても良い。「計算装置」という用語は、一連の命令又は複数の一連の命令を個々に或いは一緒に実行し、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する一つ或いは複数の方法を遂行する如何なる一群の装置をも含む。
プロセッサPは、コンピュータが読み取り可能な媒体を含む或いは上記媒体に接続され、上記媒体には、コンピュータが実行可能な一連或いは複数の一連の命令及び/又はデータ構造が記憶される。命令は、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する一つ或いは複数の方法を実行する。実行中、プロセッサPの内部に命令が完全に或いは少なくとも部分的に存在していても良い。かかる場合、プロセッサPは、コンピュータが読み取り可能な接触型記憶媒体を備える。
コンピュータが読み取り可能な媒体は、単一の媒体を例に説明される。この用語は、単一の媒体或いは複数の媒体を含む。「コンピュータが読み取り可能な媒体」という用語は、プロセッサによって実行される一例の命令を記憶、コード化或いは持ち運びでき、検出器によって受信された信号に基づいて物体の特性を判定する方法をプロセッサPに実行させるどのような媒体も含むと解すべきである。コンピュータが読み取り可能な媒体は、命令に使用される或いは命令に関連するデータ構造を記憶、コード化或いは持ち運びできる。
システムが複数レーン或いは搬送システムとして実現される場合、プロセッサPは、検出器と各レーンの上にある物体との間の検出信号の方を向く複数の位置の間でガイド104aを選択的に動かすために、(図19及び図20に示された)光ガイド104aに電気的に接続されても良い。
<結果>
図1から図3を参照して説明したシステム100を使用した流体タップ方法の結果について、図21から図25Bを参照して説明する。なお、システム100では、第1実施例の誘発機構102は、図5から図9bを参照して説明した第1実施例のバルブ300を備える。システム100は、上記で説明した検出器104とプロセッサPとを備える。
図21は、バルブ機構102から気体のインパルスを衝突させて検出器104によって検出した時のキウイフルーツの表面振動の典型的なLDVの記録を示す。図21から分かるように、キウイフルーツの物理的な振動は、約10ミリ秒より短い持続時間を有する。
図22は、Awetaシステムから得られた値と流体タップシステムから得られた値との間のピーク周波数の関係を10個のりんごについて示す。Awetaによる測定値は、静的な果物に対し、標準的な実験室的方法を使用して取得された。流体タップによる測定値は、搬送装置上を毎秒1mで移動する果物を用いて、この発明における流体タップ方法とへたのLDV測定値とを使用して取得された。この図によれば、Awetaによる方法を使用して得られた結果とこの発明における流体タップ方法を使用して得られた結果との間には、強い相関関係が存在する。
果物に物理的に接触することなく、また物体が移動している間に物体の物理的な振動を誘発して検出することができるため、流体タップ方法は、搬送装置上を高速で移動する果物に対して適している。
Prussiaに記載されているシステムと比較して、流体タップ方法は、果物全体の音響の共振値を得ることができ、より少ない圧縮空気を消費する。下記表では、Prussiaの方法と本発明の流体タップ方法とを比較している。
実際に、流体タップ方法は、果物に損傷を与えているようには見えない。気体のインパルスの中に手を置くと、不快感はなく、手に僅かな振動が生じるのみである。
方法 空気圧(MPa) 衝突持続時間(ミリ秒)
Prussia 0.03−0.4 3から20
(変形応答を利用)
流体タップ 0.2−3 <3
(振動応答を利用)
表1.Prussiaと流体タップ方法とについて好適な範囲での動作パラメータの比較
図23は、選別速度を毎秒0.9m、1.2m及び1.5m(毎秒16個程度の果物)に変化させた時の測定値の例を示す。4個のりんごについて3組のスペクトルがあり、それらは、好適な実施例におけるシステムを使用し、各回において異なる選別速度で4個のりんごを3回走行させることによって収集された。左右の図は、同時に動作している2つの別個の振動計からのスペクトルであり、計測器間の測定値の整合性を示している。同じりんごについて連続して測定した値の再現性(りんご1について線1、5、9、りんご2について線2、6、10等)は高い。線1から線4は毎秒0.9mの選別速度で、線5から線8は毎秒1.2mの選別速度で、線9から線12は毎秒1.5mの選別速度で記録された。速度が増しても、主要なスペクトルピークの位置或いは明確さはほとんど変化しない。
システム100は、1つのレーン108につき約10ミリ秒費やすだけで同じ質の信号を得ることができる。この例が図24に示されている。この図は、同じ物体に対して同時に動作している2つの別個のLDV(LDV1及びLDV2)による時間と周波数との応答を示す。4個のりんごについて3組のスペクトルがある。各応答は、選別機に4個のりんごを3回走行させることによって収集された。
第1の振動計(LDV1)は、最も左の図にある第1の垂直線によっておおよその位置が示されている瞬間(0.012s)まで、選別機のラインに向けられていない。2つの垂直線(0.012s及び0.022s)の間、LDV1は、電動可能な偏向ミラーによって選別機上のりんごに向けられる。赤線の後(>0.022s)、LDV1は、再び、選別機のラインから外れるように向けられる。選別機のラインに向けられていない時、LDV1は、りんごのラインより約20cm下にあるスピーカーコーンに向けられる。スピーカーコーンは、LDV1が明確に定義された場所(選別機上の他のレーンでも良い)を向いているという事実が線上に均一な振動によって明確に示されるように、約1.8kHzで振動している。ビームが2つの対象物の間を移動する際に約0.002s或いはそれ以下の間隔が空く。フーリエ解析及びスペクトラム計算のために収集された信号は、0.012s及び0.022sの2つの垂直線の間からのみ得られる。
第2の振動計(LDV2)は、常に選別機に向けられる。
図24に示された応答から、双方の検出器(LDV1及びLDV2)の応答が実質的に同じであることが分かる。検出器と各りんごとの間のスペクトラムは再現性が高い。この図は、LDVが各レーンに向けられている時間が約0.01sしかない場合でも、信号を大きく低下させることなく1つのレーンから他のレーンにビームを切り換えることができることを示す。より短い間隔を使用することもできる。スペクトラムのピークが徐々に広がり精度は低下するが、依然として許容できる精度である。
毎秒10個の果物を選別する選別速度(典型的なりんごの選別機において毎秒0.95m)では、1つの振動計を10個のレーンで共通に使用することができる。この型の振動計の実用的な範囲は約2mであり、偏向ビームは10個のレーンを有する選別機を横切るように届く。
図25Aは、十分に加圧された状態で4つの異なる位置で測定されたボトルと減圧された或いは加圧されていない状態で4つの異なる位置で測定されたボトルとについてのLDVの記録を示す。一方、図25Bは、各LDVの記録についての周波数スペクトルを示す。上側の4つの記録及びスペクトルは十分に加圧されたボトルに対するものであり、下側の4つの記録及びスペクトルは減圧された状態のボトルに対するものである。ボトルの全体の質量は同じである。圧力は、流体を元のボトルに戻す前に2つの器の間で繰り返し(10回まで)移し替えることによって解放される。速度信号の振幅は、図25Aの上側の4つの図に示されているように、加圧されたボトルについては実質的に小さい。速度信号は、図25Aの下側の4つの図に示されているように、減圧された状態のボトルについては大きい。これらの図は、流体タップシステムを使用して物体の加圧状態を判定できることを示す。
<システムの他の実施の形態>
図26から図28は、物体606の特性を判定する第2の実施の形態におけるシステム600を示す。システム600は、これまでに特定された如何なる物体にも使用できる。更に、システム600は、これまでに特定された特性を判定するように構成できる。以下に説明されていない場合、システム600の特徴及び動作は上記で説明した内容と同じとみなして良く、500が付加された同様の符号は相当する部分を示す。
システム600は、一般に誘発機構602と検出器604とを備える。誘発機構602と検出器604とは、これまでに説明した誘発機構及び検出器と同様でも良い。誘発機構602は、図5から図9Bを参照して説明した第1実施例のバルブ300、図10から図14Bを参照して説明した第2実施例のバルブ400及び図15から図18を参照して説明した第3実施例のバルブ500の何れか一つを備えても良い。
システム600は、誘発機構602からの流体のインパルスを、検知器604及び物体606間の信号と実質的に同じ方向に物体606に向けて導くインパルスガイド610を更に備える。インパルスガイド610は、好適には、誘発機構602からの流体のインパルスと検知器604及び物体606間の信号とを物体606に対して同じ方向に向けるように構成される。インパルスガイド610の更なる詳細について、以下に説明する。
システム600は、検出器604に繋がれた(図27に示された)プロセッサを更に備える。プロセッサPは、検出器604から受信した測定値に基づいて物体601の特性を判定するように構成される。プロセッサPの特徴は、上記に説明されている。
システム600は、特に、搬送ライン608に沿って搬送されるホルダ607に保持された果物のような物体606の硬度特性を判定するように構成される。
図1から図3に示された前の実施の形態と同様に、システム600は、誘発機構602によって生成された短く急激に噴出された流体を第1経路Gに沿って物体606の位置に衝突させ、その結果生じる物体606の振動を、同じ位置からの振動を測定することによって第2経路Hに沿って検出器604によって感知する(或いは、検出する)ことにより、物体606の硬度を判定できる。追加的な或いはその代わりの測定として、システム600は、誘発機構602によって生成された流体のインパルスを第1経路Gに沿って物体606の位置に衝突させ、流体のインパルスが衝突した位置での物体606の変形を第2経路Hに沿って検出器604によって感知する(或いは、検出する)ことにより、物体606の硬度を判定できる。かかる場合、流体タップ方法は、結果として生じる物体606の振動及び/又は物体606の変形応答に基づいて物体606の特性を判定することを包含する。
第1経路Gは、第2経路Hとともに少なくとも物体606の上面に実質的に収束する。第2経路Hは実質的に直線状であるが、第1経路Gは実質的に直線状ではない。処理を行う間、誘発機構602及び検出器604は、測定される物体に物理的に接触しない。
<インパルスガイド>
図26から図28を更に参照すると、インパルスガイド610は、流体のインパルスを、検知器604及び物体606間に伝わる信号の方向とほぼ一致する伝播方向に物体に向けて導く。具体的に、インパルスガイド610は、流体のインパルスの経路Gを検出信号の経路Hに収束させるように構成される。伝播方向と信号の方向とは、物体606の上面で互いにほぼ一致する。
図29Aから図29Eは、第1実施例のインパルスガイド700を示す図である。インパルスガイド700は、誘発機構からの流体のインパルスが向けられて通過する第1腕704と、検知器と物体との間に伝わる信号が通過する第2腕706と、物体の方を向くように構成され、第1腕704と第2腕706とに通じる第3腕708とを有する本体702を備える。第3腕708は、第2腕706と実質的に同一直線上にある或いは同軸である。第1腕704が受けた流体のインパルスは第1腕704と物体の方を向く第3腕とを通過するように構成され、検知器及び物体間の信号は第2腕706と第3腕708とを通過するように構成される。図29B及び図29Eに示すように、第2腕706と第3腕708とは、検知器及び物体間の信号が本体702を通過する実質的に直線状の経路を有するように、実質的に同一直線上にある或いは同軸である。図29Aから図29Eに示す実施例によれば、第1腕702は、第2腕706に対して実質的に垂直である。第1腕704から第3腕708への経路は、誘発機構から物体へのインパルスの伝播がスムーズに行われるように、実質的に湾曲している。
図30Aから図30Eは、第2実施例のインパルスガイド800を示す図である。インパルスガイド800は、誘発機構からの流体のインパルスが向けられて通過する第1腕804と、検知器と物体との間に伝わる信号が通過する第2腕806と、物体の方を向くように構成され、第1腕804と第2腕806とに通じる第3腕808とを有する本体802を備える。第3腕808は、第2腕806と実質的に同一直線上にある或いは同軸である。第1腕804が受けた流体のインパルスは第1腕804と物体の方を向く第3腕とを通過するように構成され、検知器及び物体間の信号は第2腕806と第3腕808とを通過するように構成される。図30B及び図30Eに示すように、第2腕806と第3腕808とは、検知器及び物体間の信号が本体802を通過する実質的に直線状の経路を有するように、実質的に同一直線上にある。図30Aから図30Eに示す実施例によれば、第1腕804は、第2腕806に対して約130°の角度である。第1腕804から第3腕808への経路は、誘発機構から物体へのインパルスの伝播が最小の摩擦損失で実質的にスムーズに行われるように、実質的に湾曲している。
他の実施例によれば、インパルスガイドの第1腕は、第3腕に対して約90°から180°未満の間の如何なる角度でも良い。他の実施例によれば、第3腕は第1腕と実質的に同一直線上にあり、第2腕は第1腕に対して約90°と約180°との間の何れかの角度である。インパルスガイドは、誘発機構から離れるように示されている。しかし、他の実施例によれば、インパルスガイドは、誘発機構と一体的である。例えば、インパルスガイドは、第1実施例のバルブ、第2実施例のバルブ或いは第3実施例のバルブと一体的でも良い。
このシステムの他の実施の形態における他の形態によれば、インパルスガイドは存在しない。そのような実施例では、誘発機構は、検出器によって検出されるように構成された物体の表面に、流体のインパルスを向けるように構成される。例えば、誘発機構からの流体のインパルスは、検出器と物体との間に伝わる信号の方向にほぼ一致する、物体に対する伝播方向を有する。流体のインパルスと検出信号とは、物体の表面でほぼ一致しても良い。その表面は、物体の上面でも良い。
インパルスガイドを使用せずに流体のインパルスを物体の表面で検出信号に一致させるため、第1、第2或いは第3実施例のバルブの何れかを物体に対して適切な角度に配置しても良い。その代わりとして、バルブの入り口が出口に対して平行の角度ではない第4実施例のバルブを備えても良い。かかる実施例では、入り口への流体の方向は、出口からの流体の方向に対して平行の角度ではない。出口は、出口からの流体の方向が入り口への流体の方向に対して約90°から約180°の間の角度になるように、入り口に対して斜めに配置されても良い。他の実施例によれば、出口は、出口からの流体の方向が入り口への流体の方向に対して約130°の角度になるように、入り口に対して斜めに配置される。
図31及び図32は、インパルスガイド610が複数レーン或いは搬送システムで使用された実施例を示す。インパルスガイド610は、例えば、図29Aを参照して示され且つ説明されたインパルスガイドでも良いし、図30Aを参照して示され且つ説明されたインパルスガイドでも良い。図19及び図20に示された実施例と同様に、検出器604は、検出器604と複数の搬送装置608のうちの一つの上にある複数のホルダ607の一つに保持された物体606との間の信号を選択的に伝える光ガイド604aを備える。図19及び図20を参照して説明した実施例と同様に、光ガイド604aは、電動可能な偏向ミラーでも良い。各搬送装置608は、一連の物体606を搬送するように構成される。このような構成では、システムは複数の誘発機構602と複数のインパルスガイド610とを備える。各誘発機構602及び各インパルスガイド610は、複数の搬送装置608の一つに割り当てられる。
<結果>
図26から図28を参照して説明した、誘発機構602が第2実施例のバルブ400を備えたシステム600を使用した流体タップ方法の結果について、図33から図35を参照して説明する。システム600は、上記で説明した第2実施例のインパルスガイド800と検出器604とプロセッサPとを備える。
図33は、10個のりんごについて、誘発機構からの気体のインパルスの方向が検出器及び物体間の信号と実質的に同一直線上である流体タップシステムからのLDVの速度スペクトルを示す。搬送装置は1m/sで動作され、システムは、空気圧が2MPa、LDVの速度範囲の設定が0.1m/sで毎秒10個の果物の特性を判定するように構成される。各スペクトラムの記録は50ミリ秒長であり、各果物に対して約12ミリ秒と36ミリ秒との2回のインパルスを示す。12ミリ秒と22ミリ秒との間の縦線は、インパルスからの共振応答を判定するための10ミリ秒の範囲を定義する。
図34は、図33に示す各果物について、上記10ミリ秒の範囲の間に第1のインパルスから生じた周波数スペクトルを示す。10個のりんごの共振ピークは、周波数スペクトルから判定することができる。下記表は、判定された共振ピークとAweta方法を使用した結果との比較を示す。
ピーク共振周波数(Hz)
りんご 流体タップ方法を使用した場合 Aweta方法を使用した場合
1 830.1 794.0
2 947.3 921.0
3 986.3 915.0
4 918.0 861.0
5 820.3 773.0
6 810.5 746.0
7 1016.0 966.0
8 703.1 659.0
9 947.3 918.0
10 976.6 956.0
表2.10個の異なるりんごについて流体タップ方法とAweta方法とを使用した時の共振周波数の比較
図35は、表2に示す10個のりんごについて、Awetaシステムから得られた測定値と流体タップシステム600から得られた測定値との間のピーク周波数の関係を示す。この図によれば、Aweta方法を使用して得られた結果とこの発明における流体タップ方法を使用して得られた結果との間には強い相関関係が存在する。
流体タップシステムによるこれらの測定値から物体の硬度を判定できる。例えば、硬度が高い物体は、一般に高いピーク共振周波数を有する。
例を用いてこの発明の好適な実施の形態を説明しただけであり、発明の範囲を逸脱することなく変更を加えても良い。
具体的な構成要素及びパラメータを説明したが、当然のことながら、機能することを条件にそれらは発明の範囲内で変えることができる。
流体タップの概念は、動いている果物に対して非接触の刺激を与えることが利用できる他の同様な技術を提案する。上記で説明した誘発機構の好適な実施例のほかに、他の誘発機構を使用しても良い。例えば、ペイントボールガンで使用されている装置のような自動反復装置を使用したり、圧縮空気を繰り返し急激に噴出させるように変更したりしても良い。又は、水素酸素発火システムのような爆発システム或いは適合させた燃焼機関は、一定の衝撃ガスを提供できる。
バルブの好適な実施例は、気体或いは他の流体の短いパルスを必要とする他の分野に適用できる。例えば、バルブは、物体の応力波テストのために材料中に圧縮波を発生させる刺激を作り出しても良い。材料中の音パルスの伝播速度は、材料或いは物体の物理的状態、一般には硬度を推定するために測定され、使用される。他の例として、バルブは、パルス反射法(表面から反射して戻ってきたパルス)に基づく深さゲージのコアとなる構成要素でも良い。音響パルスは、ある状況下では標準的なパルス反射より利点がある場合がある。例えば、粗い表面で反射する音は強くなり、超音波より減衰及び拡散しない。更に、バルブによって繰り返される鋭い音はマシンガンのように非常に大きく、群集を静かにさせたり拡散させたりするための群集管理装置に適している。流体タップ方法及びシステムは、形状、寸法及び/又は重さの情報を測定するために、映像システム(例えば、コンパックのインビジョンシステム)と組み合わせ、性能を向上させたり寸法及び形状の違いを補正しても良い。
他の変更例は、「発明の概要」の欄に記載されている。