本発明の実施形を示す貼付した図面の、後続する説明において同じ参照符号は、同じまたは比較可能な要素を指し示す。更に、まとめられた参照符号は、一つの実施例中に、または一つの図中に重ねて登場するが、一または複数の特徴に関して共通して記載される複数要素および複数対象に対して使用される。同じ参照符号またはまとめられた参照符号でもって記載される要素または対象は、個々の特徴、複数の特徴または全ての特徴に関して、例えばその形状が同じに実施されることが可能であるが、明細書から明確にまたは言外に、何か他のものが生じないかぎり、場合によっては異なって実施されることも可能である。
図1は、一つの実施例に従うクラッチ装置100の断面図を示す。クラッチ装置100は、例えば、駆動装置によって提供されるトルクを、変速装置または他の部材に分離可能に引き渡すために、ここでは例えば、車両のドライブトレインの枠内で使用されることが可能である。クラッチ装置100は、よって例えば、シンクロ式変速装置との組み合わせの場合、分離クラッチとして使用されることが可能であり、又は、非シンクロ式変速装置、例えば対応する自動式変速装置との協働の際には発進クラッチとしても使用されることが可能である。
クラッチ装置100は、ハウジング110を有している。このハウジングは、この場合には、第一のハウジングシェル120と第二のハウジングシェル130を有する二部品式のハウジングとして実施されている。その際、第二のハウジングシェル130は、クラッチ装置100のエンジン側のカバーとも称される。両方のハウジングシェル120,130は、ここでは、溶接接続140によって互いに接続されている。ハウジング110は、よって流体のメディアによって満たされることが可能であるか、または満たされる。このメディアは、例えばオイルであるか、またはハウジング110の内部に発生する熱を受け入れ、搬出するのに適している他の流体である。
第二のハウジングシェル130とハウジング110は、図1に示されたクラッチ装置100においては、駆動部材150として使用される。この目的の為、第二のハウジングシェル130は、フレックスプレートにおける固定の為、または駆動装置、例えばエンジンのフライホイールにおける固定の為、またはドライブトレインの他のコンポーネントにおける固定の為の溶接スタッド160を有している。代替として、溶接スタッド160の替わりに、ピボットや、またはクラッチ装置100の固定の為の他の固定構造が実装されていることが可能である。
図1に示されたクラッチ装置100は、正確に言うと多板クラッチ、またはマルチディスククラッチである。相応して、クラッチ装置100はハウジング110の内部室にフリクションパッケージ180を有する。このフリクションパッケージは、複数の第一の摩擦面230と第二の摩擦面240を有している。その際、第一の摩擦面は、以下に記載するコンポーネントを介して少なくとも基本的に回転不能に、駆動部材150またはハウジング110と、そして第二の摩擦面240は、少なくとも基本的に回転不能に、クラッチ装置の被動部材190と連結されている。被動部材190は、正確に言うと、下側のハブ200であり、このハブは、内歯210を介して、図1には示されていない変速装置入力軸と形状結合的に連結可能である。変速装置入力軸は、内歯210に対応する外歯を有している。
図1に示されているクラッチ装置100の実施例においては、フリクションパッケージ180は、ハウジング110の、または第二のハウジングシェル130の内側面220に形成された第一の摩擦面230−1を含んでいる。この摩擦面は、外側ディスク250−1の対応する第二の摩擦面240−1と摩擦係合している、又はそのような状態にすることが可能である。外側ディスク250は、ここでは、摩擦ライニング260−1によりコーティングを施されている。これには、第二の摩擦面240−1が形成されている。これと異なり、第一の摩擦面230−1は、ハウジング110の内側面220に直接形成されている、つまり、ハウジング110が鋼より製造されているとき、例えば鋼表面として形成されている。
外側ディスク250−1は、内側面220と反対の側に、別の摩擦ライニング260−2を有している。この摩擦面は、一方の表面に第二の摩擦面240−2を形成する。第二の摩擦面240−2は、内側ディスク270−1と摩擦係合している、または対応する第一の摩擦面230−2を介してこれと摩擦係合させることができる。
フリクションパッケージ180は、更に別の外側ディスク250−2と、別の内側ディスク270−2を有する。その際、外側ディスク250−2は、同様に対応する摩擦ライニング260を有している。しかしこれら摩擦ライニングは、対応する第一および第二の摩擦面230、240のように、明瞭さの観点から図1ではわずかしか符号を与えられていない。外側ディスク250−2は、ここでは両内側ディスク270−1および270−2の間に設けられている。フリクションパッケージ180は、ハウジング110の内側面220と反対の側において、内側ディスク270−2によって境界づけられている。
内側ディスク270および外側ディスク250は、ここでは、基本的にディスク形状の鋼部材として実装されており、ディスク形状の部分の領域内に第一および第二の摩擦面230、240が設けられている、少なくとも部分的にディスク形状の部材を意味している。以下に詳細に記載するように、内側ディスク270−2はここで、第一および第二の摩擦面230,240の間の摩擦係合を形成するために、押圧要素620として使用されるおよびこれを含むピストン610が接触する部材280を意味している。他の実施例においても、摩擦ライニング260が各他の部材に設けられていることが可能であることは自明である。
内側ディスク270も外側ディスク250も、回転軸300に関し各一つの中央の空所を有している。その際、内側ディスク270も外側ディスク250も、回転軸300の周りをまっすぐに回転可能に設けられている。よって回転軸300は、数学的意味においても、クラッチ装置100の回転軸を意味し、かつ軸方向として称される。
駆動部材150として使用されるハウジング110から内側ディスク270へのトルク伝達を可能とするために、これは、各一つの部分310−1,310−2を有する。ここにおいて、一つの側面に各一つの連行面320−1,320−2が形成され、これらを介して内側ディスク270は搬送部材340の各搬送面330と、搬送部材340の回転の際に、各内側ディスク270も回転状態へとされるよう係合する。搬送部材340は、ここでは基本的にリング形状に形成されており、および回転軸300の周りを回ってクラッチ装置100の周囲に沿って延在している。搬送部材340は、図1に示された実施例においては基本的に蛇行形状に形成されているので、搬送面330は基本的に、クラッチ装置100の周囲方向に対して直角、つまり、接する方向に対して基本的に直角に推移し、その際、接する方向は、回転軸300と、対応する断面平面内で回転軸300から離れる方向に向く半径方向に垂直に立っている。
搬送部材340は、ここでは正確に言うと、複数の搬送面330を有している。これらは、搬送部材340の周囲にそって、例えば規則的に配置されている。対応して、内側ディスク270の部分310は、対応する数量の連行面320を有する。これら連行面と、複数の搬送面330が係合している。よって、搬送部材340と内側ディスク270の部分310は、互いに係合し合うかみ合せを形成している。これによって、伝達すべきトルクの、多数の搬送面330および連行面320への分配が図られることが可能であるので、場合によっては、相応してより高いトルクを内側ディスク270に伝達すること、およびこれに伴い一つの実施例に従うクラッチ装置100によって伝達することが可能である
搬送部材340は、リベット接続350を介してシール要素360、および第二のハウジング130と回転不能かつ形状結合的に接続される。リベット接続350を介して、および場合によってはシール要素360を介して、駆動部材150、つまりハウジング110の回転動作が搬送部材340と、搬送面330に伝達される。よって、搬送面330および連行面320を介した内側ディスク270の搬送部材340との係合によって、トルクは内側ディスク270へと伝達される。
外側ディスク250も、部分370−1と370−2を有している。これらは、対応する別の連行面380を介して、外側ディスクキャリアとも称されるキャリア390と係合しており、および摩擦が生ずる場合、内側ディスク270から外側ディスク250へと伝達されるトルクを受け入れる。
キャリア390は、中央の切欠き部を有する基本的にポット形状の構造を有している。このキャリアは、リベット接続400によって、第一のハブディスク410と連結されている。第一のハブディスク410は、ここでは、シムまたはスペーサー500を介してキャリア390と連結されている。スペーサー500は、ここではリベット接続400の一部として形成されており、しかしまた、これから別体式に形成されていることも可能である。
振動ダンパー420は、複数の第一のばね要素430を有している。これらばね要素は、第一のハブディスク410の周囲に沿って配置されており、および其々一つの端部によってこれと当接している。第一のばね要素430は、ここで、コイルスプリング440として実装されている。各他方の端部によって、コイルスプリング440又は第一のばね要素430は、第一のカバープレート450と当接している。このカバープレートは、図1に示されていない配置にもとづいて右側のカバープレートとも称される。カバープレート450は、ここではシムまたはスペーサー490を介して第二のカバープレート460と接続されている。このカバープレートは、左側のカバープレートとも称される。これらは、ダンパー要素430のための閉じられていないハウジングを形成する。第二のカバープレート460は、ここでは一体式に半径方向内側に向かっている。
リベット接続400とスペーサー500(これを介してキャリア390が、振動ダンパー420の第一のハブディスク410と接続される)は、ここではリングセグメント形状の長穴470を通して案内されており、この長穴が、第一のハブディスク410とよってキャリア390に対する両方のカバープレート450,460の最大移動振幅を制限する。
第二のカバープレート460は、半径方向において第一のカバープレート450よりも明らかに先へと、回転軸300の方向へ延在している。よってカバープレート450は、別のリベット接続480およびスペーサー490を介して第二のカバープレート460と機械的に回転不能に接続されている。スペーサー490は、ここでは、第二のハブディスク520内の同様にリングセグメント形状の長穴510を通って延在している。第二のハブディスク520と第一のカバープレート450は、ここでは第二のばね要素530を介して互いに連結されている。これらはここでも再び、コイルスプリング540として実装されている。第二のカバープレート460は、よって、第二のばね要素530を有する第二のスプリングアッシーを介して、一体式に半径方向内側に向かっている。
当然、クラッチ装置100の他の実施例においては、他のばね要素も第一または第二のばね要素として使用されることが可能である。よって、技術的前提条件、つまり、特に、ハウジング内を支配する化学的及び/又は熱的前提条件が、相応する使用を可能とする限り、例えば、バレルスプリング、エラストマーベースのばね要素のようなものも使用されることが可能である。
第二のハブディスク520は更に、回転不能な接続を介して下側のハブ200、つまり被動部材190と接続されている。ここでも例えば、リベット接続が使用されることが可能である。しかしまた、他の、例えば形状結合的な接続技術、摩擦結合的な接続技術、及び/又は材料結合的な接続技術も使用されることが可能である。よって例えば、第二のハブディスク520とハブ200が互いに溶接されることが可能である。 しかしまた、例えば差込み式接続も、補足的にまたは代替として実装されることが可能である。よって、上述した他のリベット接続に代えて、これが補足的に又は代替的に差込み式接続として、または他の接続技術を使って実現されることも可能である。
よってトルクは、外側ディスク250からキャリア390およびハブディスク410を介してばね要素430を介してカバープレート450,460に伝達され、そこから、第一および第二の摩擦面230,240が互いに係合しているとき、第二のばね要素530、第二のハブディスク520を介して、図1に示されていない変速装置入力軸へと送られる。
図1に示された実施例においては、第二のハブディスク520は第一のハウジングシェル120に対して支承部550によって、正確に言うとこの場合、軸方向の滑り支承部によって、回転軸300に対して回転可能に支承されている。第二のハブディスク520の、支承部550と反対の側において、これは下側のハブ200の一部560に支持されており、この部分は、自身の側で一つの別の支承部565を介して分離壁570に対し回転軸300を中心として回転可能に支承されている。別の支承部565も、図1に示された実施例においては軸方向の滑り支承部である。分離壁570は、前側のハブ580の部分であり、少なくとも一方の側でピストン圧力室590を境界づける。これは、軸方向に沿って、つまり回転方向300に沿ってピストン610のピストン面610によって境界づけられている。ピストン610は、更なる説明がこれから示すように、一つの押圧要素620を意味する。この押圧要素は、操作に基づいて第一および第二の摩擦面230,240を摩擦係合させるよう形成され、かつ配置されている。他の実施例においては、押圧要素620が同様に摩擦係合を分離するよう形成されていることが可能である。しかし、後述する説明により詳細に表されるように、図1に示されたクラッチ装置はノーマルオープンクラッチである。このクラッチにおいては、圧力の無い状態では、つまり操作されていないとき、摩擦係合が存在しないか、または極わずかな程度のみ存在する。押圧要素620はまた、ここで示された実施例においては、操作に基づいて第一および第二の摩擦面230,240が互いに摩擦係合状態とされるよう形成されている。
ピストン圧力室590は、第二のシール要素630および640を使って一方では押圧要素620に対して、そして他方では前方のハブ580に対してシールされている。ピストン圧力室内に、相応する、圧力下にあるメディアであって、例えばハウジング110の残りの部分も満たされていることが可能である同じ流体メディアを導入するため、前方のハブ580はピストン圧力室590への導通穴650を有しており、この導通穴がピストン圧力室590を流体技術的に、中央の切欠き部の、第二のハウジングシェル130の方の領域と接続する。この領域には変速装置入力軸もまた配置されている。
押圧要素620の回転方向300に沿った移動を可能とするため、両方のシール要素630,640は、其々、分離壁570および前方のハブ580内の相応する溝の中に配置されており、そしてこれらが、回転方向300に沿って延在する対応するシール面660および670と接触するよう整向されている。
押圧要素620は、半径方向に沿って延在しており、つまり回転軸300から出発して、これに垂直に、内側ディスクおよび外側ディスク270,250の高さまで延在している。押圧要素620は、この領域に第一の押圧面680を有している。この押圧面は、第一および第二の摩擦面230、240、つまり外側ディスク250および内側ディスク270の方に向けられている。第一の押圧面680は、図1に示された実施例においては、押圧要素620のカットインにより形成される。このカットインによってピストン舌部690が形成される。このノーズは、押圧要素620に対してこの領域で第一および第二の摩擦面230,240に向かって配置されている。ノーズとも称されるピストン舌部690は、つまり押圧要素620が形成される一つの材料片を介して、つまり例えば鋼又は他の金属材料から、これと接続され、よって、押圧要素620に対してより小さなばね定数を有している。ピストン舌部690は(ばね構造695)は、よって接続部分685を介して押圧要素620の残りの部分と接続されている。実施例において、個々のばね構造695またはピストン舌部690のみならず、複数の相応するばね構造695またはピストン舌部690が実装されることが可能であるのは自明である。よって図1に示されたクラッチ装置100は、相応して、複数のピストン舌部690を有している。これらピストン舌部は、クラッチ装置の周囲に沿って分配されて配置されている。配置は、ここでは、規則的にも行われることも、不規則に行われることも可能である。
クラッチ装置100の図1に示された実施例においてピストン舌部690、およびばね構造695は、形状変化によって部材280上に少なくとも部分的に力を作用させ、この力を介して押圧要素が操作に基づいて摩擦係合を形成し、または切り離すよう形成され、かつ配置されている。ばね構造695は、コイルばね構造であり、これはこの場合にはリーフばね状に形成されている。
ピストン舌部690は、ここで第一の押圧面680を介して内側ディスク270−2の裏側、つまり部材280と接触しているので、内側ディスク270−2の裏側も同様に部材280の裏側を形成している。部材280の裏側は、ここで、内側ディスク270−2の第一の摩擦面230と向かい合っているか、またはこれと反対の側に配置されている。押圧要素620は、ピストン舌部690によって形成されており、押圧要素620の第一の押圧面680を介して押圧力または力を第一および第二の摩擦面230,240の方向に提供する。これら押圧面によってこれらの間の摩擦係合が達成されることが可能である。押圧要素620の残りに対して減少されたばね定数に基づいて、場合によっては、第一の押圧面680とピストン舌部690を設けることによって、ソフトなクラッチ連結が可能とされる。
押圧要素620は、しかしその上更に、第二の押圧面700を有する。この押圧面はピストン舌部690にではなく、むしろ押圧要素620の一部分170に形成される。よって、部分710は、押圧構造715を形成する。この押圧構造を介してピストン舌部690の形状変化が、この実施例の場合、ピストン舌部690が形状変化が、第二の押圧面700が部材280と接触するような程度、つまり歪みに達したとき、押圧構造715が第二の押圧面700を介して、第一の押圧面680に対して平行に部材280と接触することによって制限される。押圧力の上昇は、よって第一および第二の押圧面680、700に分配される。この実施例においては、つまり押圧力は少なくとも部分的に常にピストン舌部690によって部材280に伝達される。
そのばね特性に関して、つまり例えばそのばね定数に関して、部分710は、これが例えばピストン舌部690の場合そうであるよりも、押圧要素620の他の部分と明らかに少なく異なっている。よって、部分710のばね定数は典型的には、ピストン舌部690のそれよりも明らかに大きく、つまり例えば少なくとも2倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍である。
その上、ピストン舌部690は制限された角度領域のみにわたって延在している点、この箇所で言及されるべきである。よって、部分710と、これに伴い第二の押圧面695は、第一の押圧面680と同じ高さに位置する領域を有している。
ここで示された実施例においては、ピストン舌部690と押圧構造715は、接続部分685を介して互いに接続されている。押圧構造715とピストン舌部690は、一つの薄板状の材料片から一体式に製造されている。
今、押圧要素620が回転軸300に沿って第一および第二の摩擦面230、240へと移動するとき、つまり図1において左に向かって移動するとき、先ず比較的ソフトなクラッチ連結がピストン舌部690の第一の押圧面680を介して行われる。押圧要素620が更に移動すると、ピストン舌部690の形状変化(変形)が大きくなり、そして第一の押圧面680を介してディスク250、270へと、そして更に対応する摩擦面230,240へと及ぼされる押圧力が大きくなる。押圧要素620が、これが、部分710の第二の押圧面を介して押圧力を発揮し、つまり、上述した程度のピストン舌部690の形状変化が達成されるよう移動すると、場合によっては明らかに大きな、ほとんど突発的に上昇する押圧力が、摩擦面230,240へと伝達される。押圧要素620と場合によっては摩擦ライニング260の弾性的な変形を抜きにしても、押圧要素620は、今や一つの終端状態にある。この終端状態においてクラッチ装置100は、押圧要素620が戻る経路に関して、完全にクラッチ連結されている。当然この領域においても、押圧要素620を第一および第二の摩擦面230,240の方へと追いやる力を相応して高めることにより、押圧要素620が大きく移動することなく、更に高めることも、なおもちろん可能である。
第一の押圧面680から第二の押圧面700への上述した移行の際に、第一の押圧面680もまた、一般的に引き続き内側ディスク270−2と接触しているが、しかし第二の押圧面700に比較して明らかに小さな力を伝達する。この力は、ピストン舌部690の対応するばね定数と部分710のそれとの比率から生ずる。押圧要素620は、この状態において基本的にその全周囲に沿って内側ディスク270−2に当接している。
クラッチ装置100のクラッチ連結の際に、有効押圧半径または有効摩擦半径の変化を妨げ、しかし少なくとも制限するために、押圧要素620の図1に示された形態では、当該両押圧面680、700の面中心点、または有効な接点が、対応する対向部材の考慮のもと、つまりこの場合、内側ディスク270−2の考慮のもと基本的に一致することが可能である。その上、押圧要素620の図1に示された実装においては、押圧面が高められることが可能である。これによって場合によっては、基本的に有効押圧点の変化を恐れる必要なく、高められた面に基づくより高い押圧力を伝達することが可能であり得る。
しばしば単に簡単に摩擦半径とも称される有効摩擦半径、または同様にしばしば単に押圧力半径とも称される押圧力半径は、ここでは第一および第二の摩擦面230,240における、押圧力または摩擦力F(r,φ)が存在する点の半径値rの累積または積分を介して与えられる。ここで局所的に存在する力F(r,φ)は、重みづけファクターとして使用される。よって、回転軸300に関する角度を意味する角度座標φでもって、有効摩擦力半径または押圧力半径が生じる。
ここで値Aは、オーバーラップ面または、第一および第二の摩擦面の回転軸300に沿ったその投影を表し、他方でdFは局所的な力F(r,φ)に関する積分を意味する。基本的に、摩擦半径および押圧力半径が異なる力、つまり一方でトルクを伝達するための接線方向に作用する力と、他方で軸方向に作用する押圧力に関するとしても、しかし両方の力は、一般的に同義語的に使用可能である。というのは最大限伝達可能な接線力は、支配する摩擦力に基づいて、押圧力(法線力)に比例しているからである。
有効押圧点半径の移動は、場合によっては第一および第二の摩擦面230,240におよぶ圧力状態の変化へと通じる可能性がある。これは、例えば摩擦ライニング260の弾性によって引き起こされることが可能であるか、しかしまたは当該内側および外側ディスク270,250並びに他の部材の弾性によっても引き起こされることが可能である。これによって、場合によっては摩擦面230,240における点であって、クラッチ連結の際の発生する摩擦に基づく最大の熱が伝達されることが可能である点がスライドされることが可能である。よって所定の状況においては場合によっては、第一および第二の摩擦面230、240の冷却が、ハウジング110の内部の上述した流体メディアによってはより効果的でなく可能であるという事態に至ることが可能である。また、摩擦ライニング260の不均等な摩耗も生じ得る。内側ディスク270と外側ディスク250の軸方向の可動性に基づいて、場合によっては、ディスク250,270の軽度の傾斜が、搬送部材340およびキャリア390との各かみ合せまたは係合の領域において生じる可能性があり、これによって対応する効果が場合によっては更に強められることが可能である。
クラッチ装置100の図1に示された実施例においては、押圧構造715がピストン舌部690(ばね構造695)の形状変化を制限するとき、つまりピストン舌部690と部分710の間にその前に発生した間隙が橋渡されると、これによって押圧要素620は基本的にその全ての面でもって、つまり全周において摩擦半径に当接する。クラッチ装置100は、よって場合によっては、摩擦ライニング260における摩擦半径の改善を可能とすることができる。これは、押圧要素620内に、単に簡単に「舌部」と称されるピストン舌部690が、部分710に対して所定の間隔で統合されることによって行われる。よって、別体式のばね要素を有する実装に対して、場合によっては部材が省略されることが可能である。
押圧要素620および外側ディスク250、内側ディスク270およびシール要素360は、ここでは少なくとも部分的、クラッチ装置100の内部容積の第一の容積720を制限している。搬送部材340と関連してすでに短く前述したように、搬送部材340は複数の搬送面330を有している。これら搬送面は、内側ディスク270の連行面320と係合するのみならず、搬送面330は、ハウジング110の内部における流体のメディアに対する搬送面の移動の際に、流体のメディアの流れを引き起こすように形成される。この目的のため、搬送部材340は、駆動部材150として使用されるハウジング120と回転不能に接続されている。搬送面330は、図1に示された実施例においてはとりわけ第一の容積720中に配置されているので、搬送面330が流体のメディアに対して移動する際には、この第一の容積720中に存在する流体のメディアが搬送される。
流体のメディアのできる限り効率的な搬送を可能とするために、この関係で、当該連行面320と搬送面330の間の接触面が搬送面の面の最大50%であるよう内側ディスク270を連行面320を介して搬送部材340の搬送面330と係合させることは賢明である。十分な安定性および、搬送面330を介して連行面320への力伝達またはトルク伝達が保証されるかぎり、上述した比率の更なる減少は、場合によっては流れの改善に通じ得る。よって、他の実施例においては、上述した比率を、最高30%、最高25%、最高20%、最高15または最高10%に制限することは賢明である可能性がある。この比率の下限は、一方で搬送面の、そして他方で係合面のダブルファンクションの中に見出すべきである。
搬送面330は、図1に示されているように、ここでは関連しており、かつ平らである。周囲方向または接線方向にそって、つまり基本的に回転軸300に対して垂直に、かつ、これより離れる方を向いた半径方向に向けられている。搬送面330のトルク伝達する特性に関して、この形態は有利であり得る。というのは、これによって、連行面320を介して内側ディスク270へ、回転軸300にそった軸方向の力が減少されるか、そうでないと防止することすら可能だからである。しかしまた、流体のメディア、例えばオイルの流れの作用に関して、搬送面330のこの形態が有利であることも可能である。これによって場合によっては、基本的に半径方向に外側に向かって向けられた流体状のメディアの流れが、第一および第二の摩擦面230,240に向けて作用を受けることが可能である。
当該ディスク270,250又は場合によってはその実装された摩擦ライニング260は、これらが流体のメディアによって貫流可能であるよう形成されている。この目的の為、相応するディスク250,270またはこれらと接続されるコンポーネントが、チャネルまたは流体チャネルを有しており、これらが、流体のメディアの半径方向に沿っての通過を可能とする。これらは例えば、直線内に形成されていることが可能であるが、しかしまたは湾曲した船内に形成されていることも可能であり、かつ摩擦面230,240の範囲内を推移する。これによって、ちょうど摩擦面230,240の領域内に、自由に生成される摩擦エネルギーまたは熱が、空間的に流体のメディアの近傍に放出され、そして存在する流れに基づいて搬出されることが可能である。
搬送面330は、図1に示された断面平面内では、一つの断面積を有する。この断面積は、当該断面平面内で第二の容積720の断面積に対してわずかでは無い比率を有している。出来る限り高い、しかし状況に応じた搬送部材340の搬送作用を可能とするために、クラッチ装置100の実施例においてにおいて第一の容積720の断面積を、搬送面330の断面積に比較して、これが、搬送面330の断面積の、最高で20倍、最高で15倍、最高で10倍、または最高で7.5倍に相当するよう選択することは賢明であり得る。それどころが、クラッチ装置の実施例において更に少ないファクターを使用することも可能である。よって、第一の容積720の断面積の最高で5倍、最高で3倍、または最高で2倍を意図することもまた可能である。当然、他の実施例においては上述よりも多くの倍数も生じ得る。
流体のメディアの搬送面330に対する相応する流入を可能とするために、押圧要素620は、半径方向において搬送面330の高さに、または回転軸300の近傍に、図1には図示されていない通路開口部305を有する。この通路開口部は、開口穴部として、または通過開口部とも称される。通過開口部は、ここではシール要素360の半径方向外側に配置されており、第一の容積720に通じている。これによって流体のメディアは、図1に図示されていない通過開口部を通じて第一の容積720中へと入り、そこでこれは、流体のメディアに対して相対的に、場合によっては回転する搬送面330によって、半径方向外側に向かって摩擦面230、240によって搬送される。そこで、流体のメディアの流れは、ハウジング110の部分容積730へと入る。この中には振動ダンパー420も配置されている。部分容積730中では、流体のメディアへと放出される熱が、他の部材、例えばハウジング110へと放出されることが可能である。流体のメディアの一部は、図1に示されていない通路開口部305を通って、再び第一の容積720中へと入り、一方で、流体のメディアの他の部分は、支承部550を通じ部分容積730を去ることが可能である。分離壁570は、ここでは部分容積730をピストン圧力室590から分離する。
搬送部材540の搬送作用は、とりわけ、搬送部材340と流体のメディアの間の回転数差において、これに流れが押しつけられるということに基づいている。よって搬送部材は、上述した回転不能な接続を介して、駆動部材150と被動部材190の間の相対動作を利用することが可能である。そのような相対動作は、第一および第二の摩擦面が、互いに接触し、しかし異なる回転速度を有しているとき、特にスリップの領域に存在する。ちょうどそのような状況において、流体のメディアを介して搬出されるべきである、あまり多くない熱量が摩擦面230、240の領域に発生する。
最終的に回転数調整が行われると、つまりクラッチ装置100がつながれると、基本的には更に新たに熱は発生しないので、これが基本的にハウジング110と共に回転するとき、一方で搬送部材340の、そして他方で流体のメディアの類似する速度に基づく搬送作用の弱静化も問題ではない。シール要素360は、第二の容積740を第一の容積720から切り離す。第二の容積740は、ここでは更に、第二のハウジングシェル130の内側面220の表面部分750によって少なくとも部分的に境界づけられており、その際ピストン裏側760は、押圧要素620のピストン面600と反対の側に当接する。
搬送部材340のその搬送面330による流体のメディアに対する相対動作に基づいてポンプ作用が発揮されると、流体力学的効果に基づいて、第一の容積720中の圧力は下がる。シール要素360が、しかしながら第一の容積720を第二の容積から切り離すことによって、第二の容積740中には、場合によっては発生する搬送部材340の搬送作用と無関係に、そこに存在する圧力は基本的に一定に保持されることが可能であり、しかし、場合によっては他の効果に基づいて発生する圧力降下が、少なくとも制限されることが可能である。これによって、相対動作の際にも、またはポンプ作用の際にも、ピストン裏側760に働き、基本的に搬送作用によっておよび搬送部材340の動作によって影響されない力が搬送部材340によって及ぼされる。
他の表現で表すと、シール要素360の使用によって、第二の容積740中を支配する圧力が、一定に保持されるので、押圧要素620の駆動の際に、流体流のピストン圧力室内590への導入またはそこからの流出によって発生する第二の容積中の圧力変化と、これにともなうピストン裏側760への力変化が、基本的に防止され、少なくとも減少されることが可能である。相応する力がピストン裏側760に対して一定に保持されることによって、押圧要素620の駆動による摩擦面230、240における所定のスリップ状況の定義、クラッチ連結挙動、またはクラッチ切り離し挙動が、場合によっては改善されることが可能である。クラッチ装置100のコントロール可能性または制御可能性を、実施例に従い、相応るすシール要素360の使用によって改善することも、場合によっては可能である可能性がある。
シール要素360の具体的形態に応じて、第二の容積740をより小さく、またはより大きく形成することが可能である。これは、シール要素360の半径方向の位置が変更されることで行われる。しかしここで、第一の容積720の実際の大きさは、押圧要素620の、第二の容積740を少なくとも部分的に境界づける平面部分の位置及び/又は大きさよりも強調されない。よって、クラッチ装置100の回転の際に、遠心力が第二の容積中およりピストン圧力室590中に存在する流体のメディア上に発生しない。これは、押圧要素620に対し両側から作用する圧力と、互いに反対方向の力の形成を引き起こす。シール要素360またはその移行領域790の半径方向の位置は、よって、遠心力作用に基づいて、圧力変化によって追加的な有効力が押圧要素620へと至るか、およびこれがどれほど大きくどの方向へと作用するかについて影響を有する。
例えば、シール要素360の移行領域790が、回転軸300に近づいてオフセットされる結果、押圧要素620の平面部分の延在が半径方向に沿って小さくなり、および第二の容積740が小さくなるとき、第二の容積740の側から押圧要素620へと作用する力が小さくなる。ピストン圧力室590内で、遠心力に基づいて作用する圧力は、よって、押圧要素620への、シール要素360の変更されない位置に対してより大きな有効力に通じる。ピストン圧力室590内で発生する遠心力は、よって低く補償される。
相応して、移行部分790が配置されている場所の変更によって、しかしまた、押圧要素へ作用する遠心力圧力を高く補償することも、または基本的に完全に補償することも実現されることが可能である。ここで、当該状況下において遠心力に基づいて第二の容積740中に発生する圧力を、押圧要素620の挿入動作または送出動作を抑制する、またはまったく防止するよう、これが大きすぎも小さすぎもしないよう定めることは、場合によっては賢明であり得る。
すでに上述したように、シール要素360は更に、第一の容積720を第二の容積740から流体技術的に切り離すためのみならず形成されており、更には、押圧要素620または少なくとも部分的にディスク形状の部分を有する他の部材に、押圧要素620が、操作されていないとき、その出発位置に戻るような力を及ぼすために形成されている。別の表現をすると、シール要素360は、ここでは、これが押圧要素620に対して、これが図1に示された出発一に戻されるような力を及ぼすよう形成されている。この出発位置では、第一および第二の摩擦面230,240の間の摩擦係合が解かれ、しかし少なくとも、大きなトルクがクラッチ装置100を介して伝達されない程度に弱められる。押圧要素620の操作は、ここでは相応する流体容積を、導通穴650を通してピストン圧力室590へと導入することによって行われる。
このシール要素360の二重の機能性を可能とするために、シール要素360は第一のシール面770および第二のシール面780を有している。これらは、移行部分790によって互いに接続されている。第一のシール面770および第二のしーる面780は、ここでは両方とも、回転軸300に対して基本的に垂直に向けられており、かつこれに沿って間隔をあけられている。両方のシール面770、780は、ここでもまた、半径方向に沿っており、つまり回転軸300に対して垂直に互いに間隔をあけられている。その際、図1に示されたシール要素360においては、第二のシール面780が半径方向内側に位置して第一のシール面770に対して配置されている。これによって、移行部分790は錐状側面表面形状を有する。自明であるが、他の実施例においては、両方のシール面770、780が半径方向に沿って交換されて配置されていることもまた可能である。
両方のシール面770、780は、ここでは相当な面、またはハウジング110のリング形状の部分、または第二のハウジングシェル130および押圧要素620上で当接している。これは、対応する対向シール面を形成するために、各具体的な形態に応じて、場合によっては表面処理されて、つまり例えばねじ切られていることが可能である。
押圧要素620の移動に基づいてシール要素360が変形するに至ると、とりわけ移行部分790が変形し、その際両方のシール面770、780の平坦な形態に基づいて、その変形の際にも、または押圧要素620および第二のハウジングシェル130に対するその幾何学的向きの変更に基づいて、傾向としてまず、平らな形状の当接が優勢となる。シール要素620の変形の程度に応じて、しかしまた、両方のシール面770、780の少なくとも一部の持ち上がり、または繰り出し(広がり)に至ることもまた可能である。そのような場合に、少なくとも部分的に、しかしまた場合によっては完全に、当該シール面770,780が対応する部材、つまり押圧要素620または第二のハウジングシェルと、線形状のみ接することも可能である。しかし典型的には、常に少なくとも一の線形状の接触領域が存在する。これによって、押圧要素620の移動の場合にも、シール要素360のシール作用が少なくとも部分的に維持されることが可能である。より良好にシール要素360を第二のハウジングシェル130へ固定する為に、これは、更に、移行部分790と反対の側に、一つの部分を有する。この部分は、第二のハウジングシェル130の形状に合わせられており、よって、半径方向においておよび軸方向において、つまり回転軸300に沿って、少なくとも部分的に、形状結合的接続を形成する。形状結合的な接続は、場合によってはシール要素360の組立サポートまたはセンタリングサポートとしてのみ設計されていることもまた可能である。カラー部または縁部とも称されるこの部分は、補足的にまたは代替的に、シール要素360の機械的安定化の為にも設けられることが可能である。よってこられによって場合によっては、押圧要素620が回転軸300に沿って走行した際のシール要素360の周囲方向における変形が、場合によっては幻想され、または完全に防止されることが可能である。よって例えば相応する負荷の際に周囲方向に沿った軸形成が生じることが可能である。場合によっては、上述したシール要素360と第二のハウジングシェル130の形状の適合はは省略されることも可能である。
よってシール要素360は、図1に示されたクラッチ装置100の実施例においては、第一および第二の容積720、740の流体技術的な切り離しを行うのみならず、押圧要素620を、これの操作の前に出発状態に戻し案内するという追加的な機能も満たす。よってクラッチ装置100は、まさにノーマルオープンクラッチ装置である。場合によっては、シール要素620は、補足的さらばね、メンブランばね、リーフばね、またはコイルばねの形式でサポートされることが可能である。
他の実施例においては、シール要素360は、クラッチ装置100が、ノーマルクローズクラッチ装置を意味する力を押圧要素620または他の部材へと及ぼすことが可能である。このノーマルクローズクラッチ装置においては、操作の無いとき、第一および第二の摩擦面230、240の間の摩擦係合が生じる。別の表現をすると、シール薄板とも称されるシール要素360は、図1に示されるように圧力を予付与されるのみならず、張力も予付与されることが可能である。これによって例えばノーマルクローズクラッチが実現されることが可能である。
図1に示されたクラッチ装置100は、3ライン式である。この3ライン式においては、導通穴650は、3つのラインまたはチャネルの一つを意味し、これを使ってピストン圧力室590が流体のメディアでもって、場合によっては他の流体のメディアによっても供給されることが可能である。押圧要素620の移動を可能とするために、第二の容積740は、図1に破線で記載された供給チャネル800を介して流体技術的に接続されている。この供給チャネルは、第二の容積740に対しする供給部810に通じている。ここで供給チャネル800は、図1には図示されていない変速装置入力軸に沿って案内される流入領域820内へと流れ込んでいる。供給チャネル800および供給部810は、このようにして、流体のメディアの流入および流出を押圧要素620の移動の際に可能とする。よって、こられは対応する容積の補償に使用される。
流入領域820は、ここでは、内歯210または変速装置入力軸の対応する外歯内でかけている複数の歯を介して、流体のメディア、つまりオイルまたは変速装置オイルの為の流入部と接続されている。しばしば、図1に示されていない変速装置入力軸の内側210の領域において、および対応する外歯の領域において、一または二またはそれ以上の隣接する歯が、相応するかみ合せの周囲に沿った複数個所において、省略されているので、オイル漏出ラインがこの箇所に形成される。このオイル漏出ラインは、流入領域を変速装置と流体技術的に接続する。正確にいうと、図1において示された実施例においては、当該かみ合せ中の三か所において各二つの隣接する歯が欠けており、オイル漏出ラインを形成している。
流入領域820を介して第二の容積740が流体のメディアによって供給されるのみならず、部分容積730が、流入領域および支承部565内に統合されたオイル案内ラインを介して流体技術的に接続される。他の表現をすると、オイル導通部は、変速装置入力軸の内歯210および対応する外歯を通じて流入領域820および支承部565のオイル案内チャネルを案内している。ピストン圧力室590への導通穴650は、ここでは流入領域820から、同様に図1に示されていないシールによって切り離されている。よって流入領域820は、第二のラインを意味する。
流体のメディアは、支承部550内および流出領域830内の相応するオイル案内部またはオイル案内チャネルを介して去る。流出領域830は、ここでは下方のハブとポンプハブ840の間に形成され、そして基本的にリング形状の断面を有している。ポポンプハブ840は、ここでは下方のハブ200に対してシール要素850によってシールされている。流出領域830内に入る流体のメディアは、その後、オイル排出口とも称される開口部860を介して抜き取られる。図1に示されたクラッチ装置100において、開口部860はここでは、変速装置のオイルパンと接続されるか、またはオイル又は流体のメディアの為の他の容器と接続される。開口部860は、よって流出領域830と共に第三のラインを意味する。
その搬送面330を有する搬送部材340によってハウジング110の内部で循環可能な搬送容積は、多くの場合、ハウジング110に流入領域820および流出領域830を介して供給される、またはこれを介して排出される容積を超え、複数倍である。よって、搬送部材340の搬送面330をつかって、しかし又は他の、流体のメディアの搬送をサポートする構造を使って、ハウジング110の内部にしばしば容積流が発生される。これは、クラッチ100の流入領域820によって提供される流体のメディアの容積の、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、または少なくとも20倍であることが可能であるが、しかしまた、上述した値よりも小さいことも可能である。ここで挙げられた比率は、搬送部材340による最大の搬送量に関する。まさに、強制的な流れを、流体で満たされかつ回転軸の周りを回転する各ハウジング110内に生じる搬送面330は、クラッチ装置100の駆動側および被動側における異なる回転数の影響をまさに利用する、つまり駆動部材150と被動部材190における異なる回転数を利用する。流体のメディアの循環に関して、ハイドロクラッチにおける、または流体力学的トルクコンバーターにおける、ポンプのように、またはタービン翼車のように作用する。
ポンプハブ840は、ハウジング110の第一のハウジングシェル120と溶接によって接続されている。第二のハウジングシェル130も、前方のハブ850と溶接880を介して接続されているので、例えば溶接線によって実施されることが可能であり、かつ両方のハウジングシェル120,130を互いに接続する溶接接続140と関連して、部分容積730と並びに第一および第二の容積720,740と接続される容積を形成する。
対応する溶接870,880、および140は、ここでは溶接線としても溶接点としても実施されることが可能である。これら溶接技術も、場合によっては他の、使用条件に適合されかつ適切な接続技術によって置き換えられることが可能である。
その上、図1は、釣り合い重り890を示している。この釣合い重りは、本件においては第一のハウジングシェル120と溶接されている。これは、構造上のアンバランス、組立上のアンバランス、または引き起こされる他のアンバランスの均衡化の為に使用され、よって車両のドライブトレインのアンバランスは相応して減少される。釣り合い重りの位置は、図1に示されるように、他の実施例においては変化することが可能である。
前方のハブ580の部分として形成されている供給部810とハウジング110との間、正確に言うと、第二のハウジングシェル130との間には、スペーサーディスク900が入れられている。以下に短く説明されるように、これは、ディスクの間の遊びの調整、つまり第一および第二の摩擦面230、240の間の遊びの調整の為に使用される。摩擦面230,240の間の遊びは、一方ではクラッチ装置100の、トルクフローを遮断する能力と、クラッチ装置100のクラッチ連結またはクラッチ切り離しの際のレスポンス特性を定める。
摩擦面230,240の確かな切り離しのためと、これに伴うトルクフローの確かな切り離しの為に、傾向としてより大きな遊びSが示されている一方で、しかしこれは、押圧要素620によってクラッチ連結またはクラッチ切り離しの際に切り抜けられなければならない。これによって、クラッチ装置100のコントロールされた挿入の際に、摩擦が遅れて構築されるということが起こり得る、というのは上述した遊びが押圧要素620によって切り抜けられなければならないからである。ディスクの遊びの調整は、よって場合によっては、一方でクラッチのレスポンス特性と、第一および第二の摩擦面230,240の摩耗、またはクラッチ装置100の分離性能の間の状況を改善する。
この目的の為、クラッチ装置100は実施例に従い、上述したスペーサーディスク900を有している。スペーサーディスク900は、ここでは、(適当な許容できる公差領域内で)内側ディスク270、外側ディスク250、摩擦ライニング260、および場合によっては、ディスクの遊びSに影響を有する存在する別の部材の構造形状に合わせられることが可能である。ここでディスクの遊びは、上述したように測定された構造形状に基づいても、クラッチ装置100の(部分)組立の枠内においても、および回転軸300に沿ったディスクの遊びの適当な決定または測定においても行われることが可能である。
ディスクの遊びSが、上述した形式および方法で定められるとき、相応するスペーサーディスク900、例えば一つのセットから予製造されたスペーサーディスクが使用されることが可能である。これは当然、個別にもカットインされることが可能である。相応するスペーサーディスク900の挿入の後、クラッチ装置100のハウジング110は、組立を終えた後に例えば図1に示された溶接870、880、140でもって閉じられることが可能である。
スペーサーディスク900は、その上、二部品式の解決策としても、または多部品式の解決策としても実装されることが可能である。スペーサーディスク部材の二部品式の解決策または多部品式の解決策において、これは、一つの第一のスペーサーディスク部材および第二のスペーサーディスク部材を含みうる。これらは、その周囲に沿って少なくとも部分的に円形状のプロフィルを有している。これによって、両方のスペーサーディスク部材のお互いに対する回転によって、スペーサーディスクの厚さが回転軸300に沿って、つまり軸方向に沿って、両方の部分のお互いに対する回転によって変更されることが可能である。対応するプロフィルが、場合によっては直接コンポーネントに実装されることが可能であるので、スペーサーディスク900の実装は場合によっては省略されることが可能である。
そのような二部品式のスペーサーディスクまたは多部品式のスペーサーディスクの使用によって、つまり、複数のスペーサーディスク部材を有するスペーサーディスク900の使用によって、図1に示されるような、スペーサーディスク900の組込み位置の場合、第二のハウジングシェル130を前方のハブ580に対する回転によって、摩擦面230,240の間のディスクの遊びSが調整される。
第二のカバーハウジング130は、図1に示されたクラッチ装置100の実施例においては、一つの平らな部分910をハウジング110の外側面に有しており、これに対して、クラッチ装置100の固定の為の、またはハウジング110を、エンジンのまたは他の駆動装置のフレックスプレートへ固定する為の溶接スタッドが固定されている。溶接スタッド160は、この目的の為、溶接920を介してハウジング110の平らな部分910と接続されている。ハウジング110または第二のハウジングシェル130は、しかし、内側容積の方に向けられた内側面220に、この領域において一つの切欠き部930を有しているので、第二のハウジングシェル130は、この領域内で他の領域内においてよりも薄い材料厚さを有している。これによって、外側ディスク250の為のキャリア390を、これが切欠き部930内部まで突入するよう形成することが可能である。これは、外側ディスクも250−1も、平らなディスクとして実施することを可能とし、その際、ハウジング110との振動する運転状況かにおける部分370−1の接触または別の連行面380−1の接触が、恐れられる必要が無い。これによって、外側ディスク250−2に対して同一な外側ディスク250−1が使用されることが可能となり、その際、部分370の領域における特別な対策、または他の構造上の特徴が考慮される必要がない。
ハウジング110における平らな部分910に対向しているそのような切欠き部930は、例えば、第二のハウジングシェル130の領域におけるいわゆるS−ストローク(独語でいうS−Schlag)の形成により形成することが可能である。S−ストロークは、ここでは全周囲に沿って設けられることが可能である。これに対して、部分910を、周囲方向にそって狭い空間領域に制限することが可能である。この空間領域内では、溶接スタッド160との接続が行われるべきである。S−ストロークが第二のハウジングシェル130内に設けられるとき、これを押し込むことによって、形成すべき平らな部分910の領域内にこれが提供されることが可能となる。ここでハウジング110の内部に入り込む材料、つまり第二のハウジングシェル130の内側面220に入り込む材料は、例えばねじひねり、または他の負荷を与える方法によって引き離されることができ、これによって切欠き部930を形成する。
溶接スタッド160またはクラッチ装置を駆動装置に固定するための他のピボット、または他のユニットを収容するための平らな部分910の形成の為の、図1と関連して記載される措置は、例えば、ドライブトレインまたはそのコンポーネントの特別な位置(姿勢)が必要であるクラッチ装置100において意味がある、または必要であることが可能である。よって、図1に示されたクラッチ装置100は、例えばそのような、横置きに対して、つまり車両長手軸に対して横方向の組立の為に定められるものである。そのようなクラッチ装置の実施例は、しかし決してそのようなクラッチ装置に制限されない。むしろ、長手方向に組み込まれたエンジンおよび変速装置ユニットに対しても援用されることが可能である。
単に完全性のためにこの箇所で述べられるべきであるのは、押圧要素620は形状結合的接続を介してハウジング110と連結されていないということである。つまりピストン舌部690および他のコンポーネントによって引き起こされる力結合的接続、または摩擦結合的接続が克服されるとき、押圧要素620は、ハウジング110に対して「自由に」回転可能である。そのような状況は、例えばクラッチ装置100のクラッチ連結を再度行わず突然回転数を変更した際に発生し得る。これに対する例は、高いエンジン回転数から静止状態(被動部材190の静止状態)へ車両のブレーキをかけることである。これは、あくまで例としてのみ挙げられる。押圧要素620の自由な回転可能性は、そのような状況においては場合によってはクラッチ装置100の領域からのノイズ発生に通じる可能性がある。このことは、例えばドライバーにとって鬱陶しいと感じられる可能性がある。
図2は、搬送部材340の三次元図を示す。これは、図1のクラッチ装置100の枠内で使用される。ディスク収容部搬送部材340は、ディスク連行部ともまた称されるが、ここでは基本的に完全なリングとして形成されており、つまりリング形状に形成されている。しかしまた、搬送部セグメントに基づいて実装されることも可能である。ここで搬送部材340は、搬送部材340の周囲に沿って規則的に配置された複数の歯940を有しており、これら歯が、搬送部材340のリングセグメント形状の部分950を超えて持ち上がっている。歯940は、ここで規則的に等間隔で配置されている。
歯の其々は、図2で単にそれらのうち一つだけが参照符号を付されているが、ここでは、基本的に、部分950に対して垂直方向に推移する二つの歯側面部を有している。これら歯側面部は搬送面310を形成する。図2において歯940と称される歯においては、両方の搬送面330−1および330−2が上面960によって互いに接続されている。
図1と関連して上述したように、そこに示された実施例においては搬送部材340はハウジング110、つまりクラッチ装置100のカバーとリベット接続350によって接続されている。リベットを貫通させるために、搬送部材340は部分950のいくつかに対応する開口部970を有している。これら開口部を通して、ハウジング110または第二のハウジングシェル130とのリベット接続が達成される。正確にいうと、図2において示された搬送部材はここでは全部で六つの開口部970を有しており、これら開口部は、規則的に搬送部材340の周囲にわたって分配されている。他の実施れにおいては、異なる数量の開口部970が実装されることもまた可能であることは自明である。これら開口部は規則的にまたは不規則に分配されて配置されることが可能である。
搬送部材340は、ここでは一体式に形成されている。つまりまさに一つのまとまりのある材料片から製造されている。出発材料片および開口部970の形成を除いて、ここでは搬送部材340は薄板状のワークピースの成形加工によって製造されている。これによって、比較的簡単かつコスト面でも安価な製造方法が使用されることができる。
ディスク270、つまり第一の部材280の連行部は、ここでは、図1に示された複数ディスククラッチ装置において蛇行形状の要素、つまり搬送部材340によって実現される。搬送部材340は、図2に示されるように、一部品の解決策として、または、複数セグメントとしても実装されることが可能である。搬送面330は、ここでは、内部のオイル循環を発生するが、しかし同時にディスク連行の為に使用される。
図1に示されるように、ここでは搬送部材340は、エンジン側で、ハウジングのカバーに、つまり第二のハウジングシェル130にリベットでもって、または他の接続技術によって取り付けられていることが可能である。これによってエンジンのトルクをディスク270に伝達する。図1および3に示された実施例は、よってディスク連行部カバー側に取り付けられているクラッチ装置100を表している。ここで、クラッチ装置100は数百ニュートンメートル(Nm)といった高トルクに対しても全然使用することが可能である。しかし、高いが、しかしまた低い最大トルクを伝達可能である実施例に従うクラッチ装置100もまた実装れることが可能である。
図3は、実施例に従うクラッチ装置100の対応する全システムを示す。ここにおいて、搬送部材340はピストン側に固定されている。
よって、クラッチ装置100は実施例に従い、図3に示されているように、更に一つのシール要素360を有しているが、しかし、シール要素360を第二のハウジングシェル130(カバー)と接続する、そのリベット接続350を介して搬送部材340ともはや直接接続されていない。搬送部材340は、むしろリベット接続990を介して押圧要素620と形状結合的に接続されており、よって回転不能に接続されている。よって搬送部材340は、例えば別のリベット接続1000を介して複数のリーフばね要素1010と形状結合的に接続されていることが可能であり、その際、リーフばね要素1010はシール要素360の部分として形成されている。リーフばね要素1010は、ここではシール要素360の材料の押し出し加工によって型加工され、よってこれと一体式に製造される。しかし他の実施例においては、リーフばね要素1010が別体式のコンポーネントとして製造されることも可能であるし、またはシール要素360と一体式の製造の場合には、他の製造方法によって製造されることも可能である。
シール要素360は、リベット接続350を介してカバーと、つまり第二のハウジングシェル130と回転不能に接続されているので、基本的に回転不能である接続が、駆動部150として使用されるハウジング110と押圧要素620の間に生じる。シール要素360は、ここでは接続部材1015としての意味をも有する。これによって押圧要素620は図1に示されたクラッチ装置100に比較して、今や「自由に」回転可能ではなく、基本的にハウジング110と形状結合的に接続されている。クラッチ装置100の再度のクラッチ連結無しの突然の回転数変更の際にも、よって、自由に回転する押圧要素620による相応のノイズ発生が、この実装においては発生しない。
押圧要素620とハウジング110の間の接続は、ここでは基本的にのみ回転不能であるということが可能である。というのは、例えば変形、熱効果に基づいて、またはリーフばね要素1010によって与えられる、押圧要素620の軸方向のスライドの際の形状的状況に基づいて、押圧要素620とハウジング110の間にねじれが生ずる可能性があるからである。しかしこれによらず、ここで示された実施例においては、押圧要素620はハウジングの回転動作に追従する。
図3に示されたバリエーションにおいては、つまり搬送部材340はピストン側に取りつけられており、その際、カバーとして使用される第二のハウジングシェル130に対する接続は、リーフばね要素1010によって行われ、エンジンのトルクを搬送面330を介して内側ディスク270へと伝達する。リーフばねまたはリーフばね要素1010は、よって、搬送部材340をエンジン側の第二のハウジングシェル130へ接続することを行う。リーフばね要素1010は、ここでは、第一の容積720中に挿入されているので、これらは、ハウジング110の回転の際におよびこれに伴う搬送部材340の回転の際に、ハウジング110内で流体のメディアに対して相対的に、同様に流体搬送とこれに伴って流体の流れの形成を行う。よって、リーフばね要素1010もまた、オイル搬送に対して援助的である。
上述したようにリベット接続990,1000,350について話されていたとしても、しかしまた、ハウジング110と搬送部材340の間の基本的に回転不能な適当な接続の形成の為の他の接続技術も使用されることが可能である。よって、適当なリベット接続が個々にまたは共に、他の接続技術、例えば差込み式接続、他の形状結合的接続、力結合的接続、及び/又は材料結合的接続に対して交換される、またはこれらによって補足されることが可能である。
適当な実施例において、リーフばね要素1010の使用もまた、これらが同様に押圧要素620の軸方向の移動、つまり回転軸300に沿っての移動をサポートし、または少なくとも妨げないかぎり、他の部材に対して交換されることが可能である。
図4は、一つの実施例に従うクラッチ装置100の別の実施例を示す。図4のクラッチ装置100は、図3に示されたクラッチ装置とは、いくつかのコンポーネントに関して異なっている。これらについて以下に説明する。他のコンポーネントに関しては、これら両クラッチ装置100は、しかし本質的ない点のみ異なっている。
まず、クラッチ装置100は図4に示されるように、わずかな数量の内側ディスクおよび外側ディスク270,250を有している点が、挙げられる。正確にいうと、クラッチ装置100は、各一つの外側ディスク250および内側ディスク270のみ有している。部材280を意味する内側ディスク270は、ここでもまた、部分310のその連行面320を介して、搬送部材340の搬送面と係合している。相応して、搬送部材340は、回転軸300に沿った、つまり軸方向に沿った広がりに関して、より短く形成されている。
その上、クラッチ装置100は図3に示されたクラッチ装置100とは、更に、被動部材190、つまり下方のハブ200の軸方向ガイドを可能とする両方の支承部565,550が、このクラッチ装置100においては軸方向のニードル支承部として形成されている点において異なっている。他の実施例においては、他の軸方向及び/又は半径方向の転がりまたは滑り支承部または混合形が使用されることが可能であることは自明である。
図4のクラッチ装置は、更に、図3のものから、第二のハウジングシェル130が溶接接続140の領域において第一のハウジングシェル140と重なり合っている、つまりクラッチ装置100またはそのハウジング110を外側に向かって制限している点において異なっている。相応して、釣り合い重り890の位置は、もはや半径方向外側に位置して取り付けられておらず、ハウジング110の、溶接スタッド160と反対の側に設けられている。
その上、図4のクラッチ装置100は、図3のものから、シール要素360の替わりにさらばね1020が第二のハウジングシェル130と押圧要素620の間に設けられている点において異なっている。ここでさらばね1020は、図3のシール要素360のように、圧力をかけられているので、一つの実施例に従うクラッチ装置100は、新たに、スタンダードオープンクラッチ装置である。さらばね1020は、シール要素360と異なって、シール要素を意味しないので、図3に示された第一および第二の容積720,740はここでは共通の容積1030を形成する。他の実施例においては、さらばね1020と異なる他のばね要素が使用されることが可能であるのは自明である。よってこれは、例えばメンブランばね、コイルスプリングの装置、または他のばね要素に置き換えられることが可能である。その上、他の実施例においては、さらばね1020またはさらばね1020に対して置き換えられたばね要素が、テンションをかけられていることも可能である。これに相応して、一つの実施例に従うクラッチ装置100は、スタンダードクローズクラッチ装置である。
搬送部材340に対して基本的に回転不能な接続の形成の為に、この実施レインいおいては接続部材1015が使用される。この接続部材は、リベット接続350を介してカバー、つまり第二のハウジングシェル130と機械的に回転不能に接続されている。しかし他の実施例においては、他の接続技術がこの箇所に使用されることが可能である。
接続部材1015は、複数のリーフばね1010を有している。これらはは、図3と関連して既に説明した方法および方式で、搬送部材340に対する基本的に回転不能の接続を形成する。この目的の為、接続部材1015またはリーフばね1010は、リベット接続1000を介して搬送部材340と機械的に回転不能に接続されている。しかしここでもまた、他の接続技術が使用されることが可能である。
しかしまた、押圧要素620が、図4に示されたクラッチ装置100においては異なるように形成される。押圧要素620は、ここでもまたピストン610を有しているが、しかし追加的に、ばね構造695としての別体式のばね要素1035を有し、その際、ばね要素1035はこの場合、な当接さらばね1040として実装されている。ばね要素1035は、ここでは、これが、摩擦係合の形成の為に必要な力(押圧力)を少なくとも部分的に部材280に対して、正確に言うと、部材280の、第一の摩擦面230と反対の側(裏側)に伝達するよう配置かつ形成されている。部材280はここでは内側ディスクである。
当接さらばね1040は、ここでは基本的にリング形状の構造として形成されている。これは、当接さらばね1040の半径方向外側端部に近い領域で、内側ディスク270、つまり部材280と接触しており、他方でこれは、ピストン610のショルダー部1050において、当接さらばね1040の半径方向内側にある領域に支持されている。ばね構造695と押圧構造715の間の接続部分685は、ここではショルダー部1050を有する。その際ここでは、別体式のばね要素1035としてのばね構造695は、接続部分685を介してピストン部610と形状結合的に接続されている。これによって、第一および第二の、図4には示されていない間隔または間隙S1およびS2が生じる。第一の間隔S1は、ここでは、基本的にばね構造695の予テンションをかけられた状態で延在しており、この状態においてばね構造695は、ばね構造695(ばね要素1035)と部材280の間の接続構造685の高さで、部材280および接続部分685に接触する、つまり後者と形状結合的に接続される。よって、第一の間隔S1は、内側ディスク270に対して、ショルダー部1050の領域の当接さらばね1040の間、つまり半径方向内側にある領域または接続構造685の高さに存在する。
ピストン610のショルダー部1050は、ここでもまた、小さな半径方向の領域にわたってのみ延在している。この領域において、半径方向外側に向かってカラー部構造1060が突出部1070と接続している。突出部1070は、ここではしばしば、カラー部構造1060の、当接さらばね1040の次の点を意味する。押圧要素620の止まり位置では、つまり基本的にばね構造695の基本的に負荷開放された状態では、突出部1070はここでも、軸方向に沿って、つまり回転軸300に沿って当接さらばね1040から最も小さい第二の間隔または間隙S2を有している。この間隔は、間隙S1を超えない。その上、突出部1070は、回転軸300からこれに対して垂直にある間隔を有している。この間隔は、半径方向に沿ったショルダー部1050の広がりよりも大きく、しかし当接さらばね1040の外直径を越えない。
別の表現をすると、間隙2は間隙1を超えず、場合によってはこれより小さくすらあるので、ピストン610は、突出部1070を介して基本的に摩擦半径の高さで当接さらばね1040に当接する。相応するカラー部半径値によって、押圧の箇所が定義されまたは決定されることが可能である。正確にいうと、突出部1070は、ピストン610と、軸方向に沿って先のとがった形状に基づいて押圧線を形成するか、またはばね構造695との線状の接触を形成する。
間隙S2は、間隙S1よりも小さいので、これは、ピストン610が摩擦半径において、または摩擦半径の領域において、当接さらばね1040と当接することを引き起こす。よって、カラー部半径値の適当な形状決めによって、ばね構造695における押圧構造715の押さえつけの箇所が正確に定められる。これによって、場合によっては、第一および第二の摩擦面230,240の押圧の箇所もまた定められることが可能である。よって、この実施例においても摩擦半径の制限が、ライニング要求においても実現可能であり得る。これは、特別なピストン形状によって歴然としている。このため、図1および3と関連してに記載された実施例において、ピストン舌部690を有するピストン形状が使用される。
ここで示された実施例においては、よって、摩擦の形成の為に必要な力(押圧力)は、ピストン610の押圧構造715が、部材280と反対の側においてばね要素1035とダイレクトかつ直接接触することによって、基本的に完全にばね構造695によって部材280と伝達される。
今、押圧要素620が操作されるので、ピストン610は摩擦面230,240の方向へと向かって移動し、当接さらばね1040は、内側ディスク270に及ぼされる力を発生する、または強める。ここで、当接さらばね1040の構造に基づいてこれの変形が生じるので、当接さらばね1040はわずかに変形し、かつ内側ディスク270において「ほどける」。これによって場合によっては、最大の力の作用の間隔の、内側ディスク270への軽度のスライドが生じる可能性がある。ここで、フリクションパッケージ180のこの形態に基づいて、最大の押圧力の点は、およそ、摩擦ライニング260の領域における最も大きな押圧力が生じる半径に一致する。よって、ここでもこの半径は摩擦半径を意味する。
今、ピストン610が更に移動するので、突出部1070は当接さらばね1040と接触するに至り、つまり間隙S2が橋渡されると、回転軸300からの突出部1070の半径方向の間隔は、摩擦半径の状態を定義する。これによって、これが意図的に定義されることができ、このことは場合によってはより少ない摩耗、不均等な摩耗、及び/又は摩擦面を貫流する流体のメディアによるより良好な熱除去に通じる。ここで追加的な部材の数量は、図1および3、4に示される押圧要素620の形態に対してわずかのみ増加する。というのは、今や、追加的に当接さらばね1040が実装されるからである。
他の実施例においては、カラー部構造の異なった形状が突出部1070と実装されることも可能であることは自明である。よって例えば、ばね構造695に対する線形状の接触領域を有する突出部1070の替わりに、面状の接触領域を有する突出部1070を設けることも可能である。同様に、当接さらばね1040の替わりに、メンブランばねがばね要素として使用されることも可能である。
図4は、その上、すでに上述した変速装置入力軸1080を、内歯210内に係合するその外歯1090と共に簡略的に示す。これは、下方のハブ200、つまり被動部材190に対する回転不能な接続を可能としている。すでに上述したとおり、外歯1090はいくつかの欠けた歯を有している。これによって流体のメディアが流入領域820に対して流れることが可能となる。
その上、図4は、シール要素1100を有する一つの溝部を示す。この溝部は、流入領域820とピストン圧力室590の導通穴650の間で変速装置入力軸1080の周りを周囲方向に延在している。これは、上方のハブ580と接触しており、導通穴650からの流入領域820をシールしている。導通穴650およびこれに伴いピストン圧力室590を、流体のメディアでもって供給することができるように、変速装置入力軸1080は、更に導通チャネル1110を有しており、この導通チャネルは対照的にかつ回転軸に沿って方向づけられている。接続孔1120を介して、導通チャネル1110は流体のメディアでもってピストン圧力室590を満たすために供給されることが可能である。
よって、図4に示されたクラッチ装置100の実施例においては、別体式の当接さらばね1040がばね要素1035として、またはばね構造695として使用され、並びに特別なピストンカラー部形状が、当接さらばね104に対する所定の間隔S2を有する押圧構造として使用され、これが一般的に、鋼ディスク(部材280)とショルダー部1050の領域における当接さらばね1040の間の第一の間隔S1よりも小さく、これによって、摩擦ライニング260における摩擦半径の改善を実現する。
図5は、一つの実施レインい従うクラッチ装置の別の実施例を示す。このクラッチ装置においては、既に上述したスペーサーディスク900の他に、更に別のスペーサーディスク900’が統合されている。別のスペーサーディスク900’は、ここでもまた、一部品式の、または多部品式のスペーサーディスクとして実装されることが可能である点は、上述した通りである。スペーサーディスク900’は、ここではピストン圧力室590内、分離壁570とピストン610または押圧要素620の間に設けられている。これによってディスクの遊びSもまた、ピストン610の位置の変化によって変化することが可能である。よって、スペーサーディスク900と共に、ディスクの遊びSが、第二のハウジングシェル130間隔の変更によって、またはピストン610の間隔の変更によって変更されることが可能である。
両方のスペーサーディスク900,900’を同時に実装することは、まったく必要でないことは自明である。ディスクの遊びSの適当な調整は、両方のスペーサーディスク900の一方のみの実装において既に実現可能である。その際、これによってクラッチ装置100い対して必要な空間は増加しない。スペーサーディスク900または900’の一方のみの使用も、スペーサーディスク900,900’の両方の使用も、ディスクの遊びSを調整することを可能とし、その際同時に、クラッチ装置100の軸方向の必要な空間は、従来の解決策に対して減少することを可能とする。
その上、図5に示されたクラッチ装置100の実施例は、図4に示されたものから異ならない。よってこの箇所について、図4の説明を参照されたい。
図6は、最後に、図4に示されたクラッチ装置100の別のバリエーションを示す。このバリエーションは、このクラッチ装置100とは、切欠き部930が実装されている点で異なっている。キャリア390が、軸方向でより短く形成されている結果として、部分370は外側ディスク250の別の連行部380と曲げて形成されている、つまり、回転軸300に対して所定の角度だけ第二のハウジングシェル130から離れるよう曲げられている。
このバリエーションを除いて、図6のクラッチ装置100は、しかしながら図4に示されたクラッチ装置100と違いを有さない。
図7は、一つの実施例に従う別のクラッチ装置100の断面図を示す。このクラッチ装置は、図3に示されたクラッチ装置100とは複数の詳細が異なっている。図7のクラッチ装置は、例えば第二の容積740中への流体のメディアの変更された案内部を有する。よって、供給チャネル800が流入領域820から第二の容積740へと回転軸300に対して斜めに延在している。ピストン圧力室590への導通穴650は、変更されて配置されている。
その上、釣合い重り890も第一のハウジングシェル120上には配置されず、第二のハウジングシェル130上に配置されており、このハウジングシェルが、犯行方向に沿って第一のハウジングシェル120よりもより少なく外側に向かって延在している。よって釣り合い重り890は、溶接接続140に対して、これが基本的に第一のハウジングシェル120一列に並ぶよう配置されている。
同様に、振動ダンパー420の正確な形態も、図3に示された振動ダンパー420と異なっている。その際、しかし異なる両方のクラッチ装置100の両方の振動ダンパー420は、その機能方式に関して互いに異なっていない。部分容積730をピストン圧力室590から分離する分離壁570もまた、両方のクラッチ装置100の間では異なっている。
もちろん、クラッチ装置100の両方の実施例は、内側ディスク270および外側ディスク250の配置および形態に関して互いに異なっていない。同様に、図7に示されたクラッチ装置100はシール要素360を有する。このシール要素は、第一の容積720を第二の容積740から分離する。シール要素360は、ここでもリーフばね要素1010を有している。このリーフばね要素を介して、ハウジングシェル130と一または複数の搬送面330の間の基本的に回転不能の接続が形成される。
ただし、両方のクラッチ装置100は特に押圧要素620の形態に関して異なっている。押圧要素620の形態は、図7に示されたクラッチ装置100の実施例に似ている。押圧要素620のピストン610は、同様に押圧構造715を有しており、この押圧構造が、基本的に回転軸300の周りを完全に取り巻いて延在する突出部1070を有している。これは、その形態に基づいてピストンカラー部とも称される。突出部1070は、ここで押圧要素620の半径方向外側に置かれた領域に配置されており、その際、突出部1070は第一および第二の摩擦面230,240に関して、共通で、面積が大きく、かつ少なくともリングセグメント形状に形成された、両方の摩擦面230,240の接触面の基本的に中央に配置されている。別の表現をすると、突出部1070は半径方向に沿って、上記接触面の少なくとも円弧係合の中央線の高さに存在している。他の実施例においては、押圧要素715またはその突出部1070の位置が相応して異なって実装されることが可能であることは自明である。
図7に示されたクラッチ装置100の実施例においては、押圧要素620は更に、一つの別の部材1130を有している。この部材は、搬送面330もばね構造695も有している。別の部材1130は、図8と関連して詳細に説明されるように、一部品式に形成されている。別の部材1130は、ここではリーフばね要素1010を介して点綴的にはエンジン側に取り付けられた第二のハウジングシェル130と基本的に回転不能に接続されている。別の部材1130は、更に押圧要素620のピストン610と回転不能に、例えば形状結合的及び/又は材料結合的接続によって接続されている。
図7は、その上、シール要素360の変形部を示す。このシール要素は、押圧要素620のピストン610が位置610’と記載された位置へと向かう、位置360’として示された位置へと移行する。クラッチ装置100の別の特徴に関して、この箇所で、上述した実施例、特に図3および4の実施例が参照される。
図8は、別の部材1130および追加的に実装された、しかし図7の断面図には見て取れない搬送部材340のの斜視図を示す。搬送部材340も、別の部材1130も、ここでは其々少なくとも一つの搬送面330を有している。この搬送面を介して第一の容積720内の流体のメディアが、これに対する相対動作によって流れに置き換えられることが可能である。搬送部材340はここで、ここのセグメントから構成された多部品式の追加的部材として実装されている。これは、クラッチ装置100の周囲方向に沿って配置されている。
別の部材1130は、隣接するが、しかし周囲方向に沿って相対する方向のむけられた二つの搬送面330の間に、各一つの上面1140を有している。この上面は、図2の搬送部材340の上面960と似ている。しかし、そこに示された上面960と異なり、別の部材1130の上面1140は一つの開口部1150を有している。これは、第一のハウジングシェル110、つまりクラッチ装置100の変速装置側に向けられており、かつこれを使って別の部材1130が押圧要素620のピストン610に取り付け可能である。相応して、別の部材1130は沿うように、第一のハウジングシェル120、よってエンジンの方の側に、各一つの部分1160−1,1160−2を有しており、これらが同様に一つの開口部1170を有し、これを使って別の部材1130がシール要素360のリーフばね1010とエンジン側で接続可能である。同様に、開口部1170は、別の部材1130を搬送部材340またはそのセグメントと接続することを可能とする。
記載したリベット接続の替わりに、他の接続技術が当該部材の互いの接続のため、または他の部材との接続の為に使用されることが可能であるのは自明である。差込み式接続および他の形状結合的接続技術の他に、よって例えば代替としてまたは補足的に、材料結合的接続も、つまり例えば溶接も使用可能である。
別の部材1130は、更に一または複数の接続部分1180を有する。このうち図8には単にいくつかのみの接続部分1180が示されている。これは、正面1140へと続いており、そしてこれらをさらばね状の構造1190と接続する。これは、図8に示された実施例において正確に言うと、周囲方向に沿って等間隔に分配された三つの接続部分1180を介して、別の部材1130の対応する上面1140と接続されている。接続部分1180はここで、さらばね状の構造1190の位置の固定の為に使用され、よってこれらはセンタリング部分とも称される。さらばね状の構造1190は、ここでは基本的に、クラッチ装置100の全周に沿って、つまり360度角度に沿って閉じられた円として延在している。さらばね状の構造1190は、よってさらばね基本体とも称される。
さらばね状の構造1190は、ここでは、コイルばね構造の一つの実施形を意味する。これは、ばね構造695の一部を意味している。よって、搬送部材340の一または複数のセグメントと共に、別の部材1130の実装によって、搬送構造および連行構造の多部品式の実施形が図られ、同時に、ばね構造695のばね作用も統合可能である。
図9は、別の部材1130の別の実施形の斜視図を示す。これは、図7に断面で示されたクラッチ装置100と関連して使用することができる。別の部材1130は、ここでは、基本的に完全なリング形状の構造として形成されており、この構造は、別の部材1130の周囲に沿った搬送面の規則的連続性を有している。部材280の駆動の為にも使用され、よってすでに上述したかみ合い構造の部分である搬送面330は、ここでは別の部材1130よってクラッチ装置100の周囲方向に対してまたは接線方向に対して基本的に垂直に向けられており、
別の部材1130は、更に一つの、基本的にさらばね状の構造1190を有する。この構造は、別の部材1130の上面1140と接続されており、および半径方向外側に向かって延在している。ここでは、さらばね状の構造1190は、各上面1140と接続されるのではなく、周囲方向に沿って各第二のものと接続されている。他の実施例においては、より多くのまたはより少ないカバー面1140がさらばね状の構造1190と接続されていることが可能である点自明である。
別の部材1130は、ここでは、押圧要素620のばね構造695を形成している。その際、さらばね状の構造1190はこの場合、複数のリング形状に形成されたセグメントを有している。別の部材1130が基本的に完全に周囲方向に沿って延在している形態に基づいて、これらのもと、これらの固定の為の開口部1170の数量を減少することが可能である。図9は、開口部1150に対応する開口部を示しておらず、その際、別の部材1130は、場合によっては溶接接続でもって、または他の接続技術でもって接続されることが可能である。
最後に図10は、別の部材1130の別の形態を示す。この部材は、ここでもまた、ばね構造695を有している。図9に示されたさらばね状の構造1190の替わりに、、別の部材1130はここでは複数のリーフばね状の構造1200を有している。これらは、上面1140から出発して半径方向外側に向かって延在している。
図11は、搬送部材340と協働するばね構造695の別の形態を示している。例えばこれは、図7に示されたクラッチ装置100の枠内でも使用可能である。ここでは、同様にディスク連行部に用いられる搬送部材340は、別の部材1130を置き換えている。よって図11は、一つの実施例を示している。この実施例において、ばね構造695は再びさらばね状の構造1190として形成されており、しかしこの構造においては、ばね構造695のセンタリングの為に、その内直径に多数の舌部1210が配置されており、これらが搬送部材340の側面と接触し、かつそのようにしてばね構造695のセンタリングを可能としている。ばね構造695は、ここでは、当接さらばね1040として実施されている。この当接さればねは、しかし従来の当接さらばねに対して追加的に舌部1210をその内直径に有している。ばね構造695は、よって別体式のばね要素1035として実施されている。
図12は、ばね構造695の別の実装の斜視図を示す。ここでも再び別体式のばね要素1035として一つの当接さらばね1040が使用される。ここで使用される搬送部材340は、多数の舌部1220を有しており、これらが搬送部材340に半径方向外側に向かって配置されている。さらばね1040は、ここでは舌部1220の当接を介してその半径方向の境界面に接しふたたびセンタリングされる。ここでもまた、搬送部材340はディスク連行部、正確言うと内側ディスク270の連行部に用いられる。
クラッチ装置100は、様々なクラッチ適用範囲に対して、つまり例えば、車両の前方の領域に組み込まれた、進行方向に対して横向きに形成された自動変速装置を有する車両に対して設けられることが可能である。よってクラッチ装置100は、一つの実施例に従い発進クラッチとして使用されることが可能であり、しかしまたは、シンクロ式の偏側装置と関連して、または長手方向に組み込まれたエンジンと関連して分離クラッチとして使用されることが可能である。流体のメディアとしては、例えばオイルが使用される。
上述した実施例は、ここでも単に、本発明の基本原理の一つの可視化を意味するのみである。ここで記載した装置と詳細の変形およびバリエーションが他の当業者にとって理解されるものであることは自明である。よって、本発明は単に特許請求の範囲の保護範囲によって特定され、実施例の説明および記載に基づいて提示されるような特定の詳細によって限定されない。