JP2015509134A - チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法 - Google Patents

チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明によるチタン−ニッケル合金薄膜は、同時スパッタリング装置の内部にTiターゲットとNiターゲットを離間させて配置し、異なる電圧を印加して同時にスパッタリングすることにより、基材にTiとNiが混合した状態で蒸着することを特徴とする。
本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法は、TiターゲットとNiターゲット及び基材を準備するターゲット準備ステップと、TiターゲットとNiターゲットを同時スパッタリング装置の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップと、前記同時スパッタリング装置の作業条件をセットする装置セッティングステップと、前記同時スパッタリング装置を動作させて基材にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜を形成する薄膜蒸着ステップとからなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング(Co-Sputtering)法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法に関し、特に、別途に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることにより製造されるチタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合計金箔膜の製造方法に関する。
本発明は、チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法に関し、特に、別途に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることにより基材に合金薄膜を形成し、熱処理及び溶体化処理を施して形状記憶能力を持たせたチタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法に関する。
Ti−Ni系合金は、高強度と軟性を有する実用的な形状記憶合金に適用されるだけでなく、様々なマルテンサイト変態(martensitetransformation)により生じる事前変態(pre-transformation)などの独特の物理的性質を有することから非常に魅力的な機能性材料である。
形状記憶合金とは、加熱すると元の形状に戻る材料である。このような形状記憶合金は、その独特の特徴により、自動車、航空宇宙、薄膜、ロボット工学、医学などの分野で特に有用である。
よって、Ni−Ti合金は様々な方法で製造されており、例えば非特許文献1には、SiO2基材にクロム層とポリイミド層を形成し、ポリイミド層にスパッタリングを用いてNi−Ti層を形成する技術が開示されている。
しかし、前述した従来技術でNi−Ti層を得るためには、KOHでポリイミドを除去し、エッチングによるCr層除去工程を経るので、製造工程が複雑になるという問題がある。
また、Ni−Ti合金の純度が低く、典型的に加工硬化率が高く、軟性を確保するために多くのインプロセス(in-process)熱処理が求められる。
このような複雑な製造過程は汚染物の残留を引き起こし、汚染物の存在は材料の機械的特性、生体適合性(biocompatibility)などに影響を及ぼす。
よって、高純度の形状記憶合金を製造するために様々な蒸着技術が開発されている。
そのうち、プラズマを用いない電子ビーム蒸着法は、高速で蒸着することができるが、蒸着した薄膜の密度などが低く、高性能の品質は保証されない。
これを改善するために、速度は遅くなるが、高品質が得られるように、プラズマを用いたダイオード方式のスパッタリング蒸着法が導入されているが、この方式は蒸着速度が遅く、工程範囲が狭いので、磁場を適用して多少工程範囲を広げ、蒸着速度を向上させたマグネトロンスパッタリング方式が開発、提示されている。
このスパッタリング方式も、ターゲット使用効率が低く、ターゲット表面の汚染によりマイクロアークが発生するなどの問題があるので、この方式を改良したデュアルマグネトロンスパッタリング方式、円筒型マグネトロンスパッタリング方式が開発されている。
また、蒸着する薄膜の品質を向上させるために誘導結合プラズマを用いたスパッタリング技術や、最近では高電流パルス電源を用いた高出力インパルスマグネトロンスパッタリング(HIPIMS)などで蒸着する工程技術が発展している。
韓国では特許文献1により、イオン化した金属を蒸着するための高密度プラズマソースに関する特許が公開されており、公開された特許には、面積を減少させながらも、ターゲットカバレッジが最大となる、低圧プラズマスパッタリング又は持続型セルフスパッタリングに適したマグネトロンに関する技術が開示されている。
また、韓国では特許文献2により、大面積基板用のマグネトロンスパッタリングシステムに関する特許が登録されており、登録された特許には、大面積基板上の蒸着均一性を改善するためにアノード表面を増大させた物理気相蒸着(PVD)チャンバ内で基板の表面を処理する装置及び方法に関する技術が開示されている。
しかし、これらの公開特許には、蒸着速度と蒸着率が低く、ターゲットとなる標的材料の使用効率が低いという欠点があり、局部的な熱の発生により効率性が低下するという欠点がある。
韓国公開特許第2001−0021283号公報 韓国公開特許第2007−0008369号公報
S. Miyazaki and A. Ishida, MSE A, 273(1999) 106
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、別個に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることにより製造されるチタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、別個に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることにより製造されるチタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、基材として単結晶NaClを用い、より簡単な製造工程で製造できるチタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によるチタン−ニッケル合金薄膜は、同時スパッタリング装置の内部にTiターゲットとNiターゲットを離間させて配置し、異なる電圧を印加して同時にスパッタリングすることにより、基材にTiとNiが混合した状態で蒸着することを特徴とする。
本発明は、同時スパッタリング装置の内部にTiターゲットとNiターゲットを離間させて配置し、異なる電圧を印加してTiターゲットとNiターゲットを同時にスパッタリングすることにより、基材にチタン(Ti)とニッケル(Ni)が混合した状態で蒸着して形成されたチタン−ニッケル合金薄膜において、前記チタン−ニッケル合金薄膜は、500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化することを特徴とする。
前記基材は、Si wafer、単結晶NaCl、多結晶NaClのいずれかで形成されることを特徴とする。
前記チタン(Ti)は、チタン−ニッケル合金薄膜の全重量に対して43.2〜44.9重量%の重量で含まれることを特徴とする。
前記TiターゲットにはNiターゲットより3.2〜3.4倍高い電圧が印加されることを特徴とする。
前記チタン−ニッケル合金薄膜は、熱処理後に急冷することによりB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を含むことを特徴とする。
本発明の一実施例による同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法は、TiターゲットとNiターゲット及び基材を準備するターゲット準備ステップと、TiターゲットとNiターゲットを同時スパッタリング装置の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップと、前記同時スパッタリング装置の作業条件をセットする装置セッティングステップと、前記同時スパッタリング装置を動作させて基材にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜を形成する薄膜蒸着ステップとからなることを特徴とする。
本発明の他の実施例による同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法は、TiターゲットとNiターゲット及び基材を準備するターゲット準備ステップと、TiターゲットとNiターゲットを同時スパッタリング装置の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップと、前記同時スパッタリング装置の作業条件をセットする装置セッティングステップと、前記同時スパッタリング装置を動作させて基材にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜を形成する薄膜蒸着ステップと、前記Ti−Ni合金薄膜を500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化する結晶化ステップと、前記結晶化したTi−Ni合金薄膜を急冷してB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を形成する機能付与ステップとからなることを特徴とする。
前記ターゲット準備ステップにおいて、前記基材としてはSi wafer、単結晶NaCl、多結晶NaClのいずれかが用いられることを特徴とする。
前記薄膜蒸着ステップの後に、前記基材が単結晶NaClで形成されている場合は、基材を除去する薄膜分離ステップが行われることを特徴とする。
前記装置セッティングステップにおいて、前記TiターゲットにはNiターゲットより3.2〜3.4倍高い電圧が印加されるように設定されることを特徴とする。
同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法の前記薄膜蒸着ステップにおいて、Tiは、前記Ti−Ni合金薄膜の全体に対して48.53〜54.33の原子比を有することを特徴とする。
本発明においては、別個に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることによりTi−Ni合金薄膜を製造する。
よって、TiとNiの組成比を最適化することができるので、特性が向上するという利点がある。
また、本発明においては、基材としてNaClを選択的に用いることができる。
さらに、Ti−Ni合金薄膜の製造工程が簡単になるので、製造コストを低減できるという利点がある。
それだけでなく、熱処理により組織を結晶化し、急冷により形状記憶機能を付与することができるという利点がある。
本発明によるTi−Ni合金薄膜の構成を示す概要図である。 本発明によるTi−Ni合金薄膜を製造するためのスパッタリング装置の構成を概略的に示す構成図である。 本発明によるTi−Ni合金薄膜を基材に蒸着した状態を示す実物写真である。 本発明によるTi−Ni合金薄膜を基材から分離した状態を示す実物写真である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法を示す工程フローチャートである。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップにおいて、チタンターゲットに印加する電圧は維持し、ニッケルターゲットに印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜に含まれるTiとNiの比率を示す表である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップにおいて、チタンターゲットに印加する電圧は維持し、ニッケルターゲットに印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜に含まれるTiとNiの比率を示す表である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップにおいて、チタンターゲットに印加する電圧は維持し、ニッケルターゲットに印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜に含まれるTiとNiの比率を示す表である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップにおいて、チタンターゲットに印加する電圧は維持し、ニッケルターゲットに印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜に含まれるTiとNiの比率を示す表である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップにおいて、チタンターゲットに印加する電圧は維持し、ニッケルターゲットに印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜に含まれるTiとNiの比率を示す表である。 図6dの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜のうち#1の断面を示すSEM写真である。 図6aの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜のうち#2の断面を示すSEM写真である。 図6eの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜のうち#1の表面を示すTEM写真である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の他の実施例の工程フローチャートである。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法における各ステップの条件及びTi−Ni合金薄膜の組成を示す表である。 本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の一ステップである薄膜蒸着ステップにおいて製造された薄膜の表面及び電子線回折パターンを示す写真である。 比較例1の表面及び電子線回折パターンを示す写真である。 比較例2の表面及び電子線回折パターンを示す写真である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例6の表面及び電子線回折パターンを示す写真である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例8の実物写真である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例8の実物写真である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例9の実物写真である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例60の温度変化による熱流動の結果を示す表である。 同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の機能付与ステップ完了時のTi−Ni合金薄膜のXRDグラフである。
以下、図1を参照して本発明によるTi−Ni合金薄膜の構成について説明する。
図1は本発明によるTi−Ni合金薄膜の構成を示す概要図である。
ただし、本発明の思想は以下で説明する実施例に限定されるものではなく、本発明の思想を理解する当業者であれば、当該技術的思想の範囲に含まれる異なる実施例を容易に提案することができるが、それらも本発明の技術的思想に含まれる。
また、本明細書又は請求の範囲で用いられる用語は、説明の便宜のために選択した概念であり、本発明の技術的内容を把握する上で本発明の技術的思想に該当する意味に適宜解釈されるべきである。
同図に示すように、本発明によるTi−Ni合金薄膜(以下「合金薄膜12」という)は、基材10の外面に同時スパッタリング法を用いて蒸着することにより形成されたものであり、TiとNiが混合した状態を維持する。
基材10はSi wafer又は単結晶NaClのいずれかで形成されるものであり、基材10が単結晶NaClで形成される場合は、選択的に除去されて合金薄膜12のみ残った状態に製造してもよく、基材10と合金薄膜12が付着した状態に製造してもよい。
図2は合金薄膜12を製造するための同時スパッタリング装置1の構成を示す概要図であり、内部にスパッタリングのための空間を備えるチャンバ2と、基材10が載置される電極3と、Tiターゲット16、Niターゲット17がそれぞれ離間した状態で備えられるスパッタガン13と、前記チャンバの内部に不活性ガスを供給するためのガス供給部14と、前記チャンバの内部の気体を外部に排気するためのガス排気部15とを含む。
スパッタガン13は、異なる材質で形成されたターゲットが複数備えられてそれぞれ設置される構成であり、本実施例においては、Tiターゲット16と、Niターゲット17がそれぞれ設置される。
また、前記チャンバの内部はガス供給部からアルゴン(Ar)ガスが供給され、常温(25℃)にて750秒間でTi−Ni合金薄膜12を製造することができる。
さらに、Tiは、Ti−Ni合金薄膜12全体に対して48.53〜54.33の原子比を有する。
本実施例により製造されたTi−Ni合金薄膜12は図3及び図4の通りである。
すなわち、図3は本発明によるTi−Ni合金薄膜を基材に蒸着した状態を示す実物写真であり、図4は本発明によるTi−Ni合金薄膜を基材から分離した状態を示す実物写真である。
より具体的には、図3の(a)は基材10に単結晶NaClが用いられたものであり、図3の(b)は基材10に多結晶NaClが用いられたものである。
また、図4は図3の(b)を基材10から分離したTi−Ni合金薄膜12の実物写真である。
以下、図5を参照して本発明による第1実施例のチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法を説明する。
図5に示すように、前記Ti−Ni合金薄膜の製造方法は、Tiターゲット16とNiターゲット17及び基材10を準備するターゲット準備ステップS100と、Tiターゲット16とNiターゲット17を同時スパッタリング装置1の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップS200と、同時スパッタリング装置1の作業条件をセットする装置セッティングステップS300と、同時スパッタリング装置1を動作させて基材10にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜12を形成する薄膜蒸着ステップS400とからなる。
ターゲット準備ステップS100において、ターゲットは本実施例ではTiターゲット16とNiターゲット17を別個に準備し、基材10はSi wafer又は単結晶NaClのいずれかで形成された基材10を準備した。
前述したように基材10とターゲットが準備されたら、ターゲット設置ステップS200を行う。ターゲット設置ステップS200は、図2に示すように、チャンバの内部にTiターゲット16とNiターゲット17を離間して配置するステップである。
ターゲット設置ステップS200の後に、装置セッティングステップS300が行われる。装置セッティングステップS300は、後述する実験結果に基づいて最適な原子比を有するTi−Ni合金薄膜12を製造できるようにする条件を同時スパッタリング装置1に設定する過程である。
すなわち、Tiターゲット16にはNiターゲット17より3.2〜3.4倍高い電圧が印加されるように設定する。
より具体的には、Tiターゲット16には5000Wの電圧が印加され、Niターゲット17には1500〜1550Wの電圧が印加されるように設定する。
薄膜蒸着ステップS400は、同時スパッタリングを行って基材10の上面にTi−Ni合金薄膜12を形成する過程であり、薄膜蒸着ステップS400が完了したときに、前記Tiは、Ti−Ni合金薄膜12の原子全体に対して48.53〜54.33の原子比を有する。
一方、基材10が単結晶NaClで形成されている場合は、薄膜分離ステップS500を行ってもよい。
薄膜分離ステップS500は、NaClで形成された基材10を除去して基材10からTi−Ni合金薄膜12を分離する過程であり、基材10を除去するための従来の複雑な過程を経ることなく、水に溶解させる簡単な過程で薄膜分離ステップS500を行うことができる。
前述した過程で製造されたTi−Ni合金薄膜12は、図1の状態となる。
以下、図6a〜図6eを参照して本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜製造方法の実施例について説明する。
図6a〜図6eは、本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の薄膜蒸着ステップS400において、Tiターゲット16に印加する電圧は維持し、Niターゲット17に印加する電圧を変更した場合に、Ti−Ni合金薄膜12に含まれるTiとNiの比率を示す表である。
同図に示すように、本実施例において、スパッタリング温度、実施時間、アルゴンガス供給量、圧力は全て同一条件とするが、Tiターゲット16とNiターゲット17に印加される電圧は変更した。
また、前記チャンバの内部空間は、最大10−3〜10−7トル(torr)程度の真空度を維持する環境とする。これは、空気中に含まれる好ましくないガス(例えば、酸素、窒素など)がプラズマ発生時に共にイオン化し、実際にTi−Ni合金薄膜12を蒸着する過程で不要な化合物を形成しないようにするための措置である。
前記チャンバの内部にアルゴンガスなどの不活性ガスを注入してプラズマを発生させるが、その際にプロセス真空度が0.01mTorrに達する。
本実施例においては、約0.6mTorr〜3mTorrの範囲に維持して実験を行った。
また、前記高密度プラズマは、約3×1013cm−3程度の密度を有する。
すなわち、実施例1においては、Tiターゲット16に印加する電圧を2500Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を1800〜2000Wの範囲で変化させて同時スパッタリングを行った。
実施例2においては、Tiターゲット16に印加する電圧を5000Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を500〜1500Wの範囲で変化させて同時スパッタリングを行った。
実施例3においては、Tiターゲット16に印加する電圧を5000Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を1500Wに設定して実施例2の再現性テストを行った。
実施例4においては、Tiターゲット16に印加する電圧を5000Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を1550〜1750Wの範囲で変化させて同時スパッタリングを行った。
実施例5においては、Tiターゲット16に印加する電圧を5000Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を1350〜1500Wの範囲で変化させて同時スパッタリングを行った。
その結果、実施例3の#5と実施例4の#1において、Tiの原子比がTi−Ni合金薄膜12の全体に対して48.53〜54.53の場合に最適な重量比を示すことが確認された。
図7は図6dの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜12のうち#1の断面を示すSEM写真であり、図8は図6aの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜12のうち#2の断面を示すSEM写真であり、これらのSEM観察により薄膜の厚さと組成が分かる。
また、図9は図6eの実験条件で製造されたTi−Ni合金薄膜12のうち#1の表面を示すTEM写真であり、類似した微細組織が繰り返し存在することが確認された。
前述した実験の結果、製造されたTi−Ni合金薄膜12は、図3に示すように単結晶NaClで形成された基材10上に付着した状態となる。
一方、本発明によるチタン−ニッケル合金薄膜は、図10に示すように、他の実施例により製造してもよい。
以下、図10及び図11を参照してTi−Ni合金薄膜12の製造方法について説明する。
図10は本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法を示す工程フローチャートであり、図11は本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法における各ステップの条件及びTi−Ni合金薄膜の組成を示す表である。
まず、図10に示すように、前記Ti−Ni合金薄膜の製造方法は、Tiターゲット16とNiターゲット17及び基材10を準備するターゲット準備ステップS100と、Tiターゲット16とNiターゲット17を同時スパッタリング装置1の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップS200と、同時スパッタリング装置1の作業条件をセットする装置セッティングステップS300と、同時スパッタリング装置1を動作させて基材10にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜12を形成する薄膜蒸着ステップS400と、Ti−Ni合金薄膜12を500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化する結晶化ステップS500と、前記結晶化したTi−Ni合金薄膜12を急冷してB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を形成する機能付与ステップS600とからなる。
ターゲット準備ステップS100において、ターゲットは本実施例ではTiターゲット16とNiターゲット17を別個に準備し、基材10は単結晶NaClを用いた。
前述したように基材10とターゲットが準備されたら、ターゲット設置ステップS200を行う。ターゲット設置ステップS200は、図2に示すように、チャンバの内部にTiターゲット16とNiターゲット17を離間して配置するステップである。
ターゲット設置ステップS200の後に、装置セッティングステップS300が行われる。装置セッティングステップS300は、後述する実験結果に基づいて最適な原子比を有するTi−Ni合金薄膜12を製造できるようにする条件を同時スパッタリング装置1に設定する過程である。
すなわち、Tiターゲット16には、図11に示すように、Niターゲット17より高い電圧が印加されるように設定する。
より具体的には、Tiターゲット16には350Wの電圧が印加され、Niターゲット17には182〜183Wの電圧が印加されるように設定可する。
薄膜蒸着ステップS400は、同時スパッタリングを行って基材10の上面にTi−Ni合金薄膜12を形成する過程であり、薄膜蒸着ステップS400が完了したときに、前記チタン(Ti)はTi−Ni合金薄膜12の全重量に対して43.2〜44.9重量%を占める。
薄膜蒸着ステップS400の後に、薄膜分離ステップS450が行われる。
薄膜分離ステップS450は、NaClで形成された基材10を除去して基材10からTi−Ni合金薄膜12を分離する過程であり、基材10を除去するための従来の複雑な過程を経ることなく、水に溶解させる簡単な過程で薄膜分離ステップS450を行うことができる。
薄膜分離ステップS450の後に、結晶化ステップS500が行われる。結晶化ステップS500は、前記Ti−Ni合金薄膜を500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化させる過程である。
結晶化ステップS500の後に、機能付与ステップS600が行われる。機能付与ステップS600は、Ti−Ni合金薄膜12の組織相を変えて求められる物性や機能を付与するための過程であり、本実施例では結晶化させたTi−Ni合金薄膜12を急冷し、内部にB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を形成することにより形状記憶機能を付与する過程である。
前述した過程で製造されたTi−Ni合金薄膜12は、図1の状態となる。
以下、図12〜図15を参照して結晶化ステップS500の条件変化によるTi−Ni合金薄膜12の表面状態及び電子線回折パターンを比較する。
図12は本発明による同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の一ステップである薄膜蒸着ステップにおいて製造された薄膜の表面及び電子線回折パターンを示す写真であり、図13は比較例1の表面及び電子線回折パターンを示す写真であり、図14は比較例2の表面及び電子線回折パターンを示す写真であり、図15は同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例6の表面及び電子線回折パターンを示す写真である。
同図に示すように、本実施例において、スパッタリング温度、実施時間、アルゴンガス供給量、圧力は全て同一条件とするが、Tiターゲット16とNiターゲット17に印加される電圧は変更した。
また、前記チャンバの内部空間は、最大10−3〜10−7トル(torr)程度の真空度を維持する環境とする。これは、空気中に含まれる好ましくないガス(例えば、酸素、窒素など)がプラズマ発生時に共にイオン化し、実際にTi−Ni合金薄膜12を蒸着する過程で不要な化合物を形成しないようにするための措置である。
前記チャンバの内部にアルゴンガスなどの不活性ガスを注入してプラズマを発生させるが、その際にプロセス真空度が0.01mTorrに達する。
本実施例においては、チャンバの内部の圧力を7mTorrに維持してアルゴン雰囲気で実験を行った。
Tiターゲット16に印加する電圧を350Wとし、Niターゲット17に印加する電圧を182〜183Wの範囲で変化させて同時スパッタリングを行った(図11参照)。
まず、図12に示すように、薄膜蒸着ステップS400が完了したTi−Ni合金薄膜12は非晶質状態である。
しかし、図15に示すように、500℃で30分間結晶化ステップS500を行うと完全に結晶化することが確認された。
ただし、図13及び図14に示すように、結晶化ステップS500で熱処理温度が500℃未満である400℃、450℃の場合は、熱処理時間を同じにしても完全には結晶化しない。
よって、結晶化ステップS500は、500℃以上の温度で30分以上行うことが好ましい。
図16及び図17に示すように、結晶化ステップS500において、500℃の熱処理温度を維持し、熱処理時間を1時間と10時間に延長して製造したTi−Ni合金薄膜12は、熱処理後のTi−Ni合金薄膜12の形状が崩れることなく維持されることが確認された。
また、図16及び図17の実施例と比較して、チタン(Ti)の含有量を多くした図18においても、1000℃で1時間結晶化ステップS500を行った場合に、Ti−Ni合金薄膜12は形状が崩れなかった。
図19は同時スパッタリング法を用いたTi−Ni合金薄膜の製造方法の好ましい実施例60の温度変化による熱流動の結果を示す表であり、500℃で1時間結晶化ステップS500を行い、その後Water quenching(機能付与ステップS600)を行ったTi−Ni合金薄膜12である。
同図に示すように、Ti−Ni合金薄膜12は、加熱中に約33.17度のA*変態温度を示し、冷却中に43.55度(R変態)、19.89度(M変態)の変態温度を示す。
薄膜試料の量が少ないのでpeakの大きさが相対的に小さいが、変態点を確認するには十分であった。このように熱流動測定を行った結果、熱処理により機能を付与した薄膜は形状記憶効果を示すことが確認された。
また、機能付与ステップS600を行ったTi−Ni合金薄膜12は、図20に示すように、形状記憶機能を有するB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を含むことが確認された。
本発明の範囲は前述した実施例に限定されるものではなく、当該技術範囲における通常の技術者であれば、本発明に基づいて様々な変形を行うことができるであろう。
本発明においては、別個に準備したTiターゲットとNiターゲットをチャンバの内部に離間して装入し、異なる条件で同時にスパッタリングすることによりTi−Ni合金薄膜を製造する。
よって、Ti−Ni合金薄膜に求められる特性に応じてTiとNiの組成比を最適化することができるので、様々な分野に幅広く適用することができる。
また、NaClを基材に用いると、Ti−Ni合金薄膜の製造工程が簡単になるので、製造コストを低減することができる。

Claims (12)

  1. 同時スパッタリング装置の内部にTiターゲットとNiターゲットを離間させて配置し、異なる電圧を印加して同時にスパッタリングすることにより、基材にTiとNiが混合した状態で蒸着することを特徴とするチタン−ニッケル合金薄膜。
  2. 同時スパッタリング装置の内部にTiターゲットとNiターゲットを離間させて配置し、異なる電圧を印加してTiターゲットとNiターゲットを同時にスパッタリングすることにより、基材にチタン(Ti)とニッケル(Ni)が混合した状態で蒸着して形成されたチタン−ニッケル合金薄膜において、
    前記チタン−ニッケル合金薄膜は、500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化することを特徴とするチタン−ニッケル合金薄膜。
  3. 前記基材は、Si wafer、単結晶NaCl、多結晶NaClのいずれかで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチタン−ニッケル合金薄膜。
  4. 前記チタン(Ti)は、チタン−ニッケル合金薄膜の全重量に対して43.2〜44.9重量%の重量で含まれることを特徴とする請求項3に記載のチタン−ニッケル合金薄膜。
  5. 前記TiターゲットにはNiターゲットより3.2〜3.4倍高い電圧が印加されることを特徴とする請求項4に記載のチタン−ニッケル合金薄膜。
  6. 前記チタン−ニッケル合金薄膜は、熱処理後に急冷することによりB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を含むことを特徴とする請求項2に記載のチタン−ニッケル合金薄膜。
  7. TiターゲットとNiターゲット及び基材を準備するターゲット準備ステップと、
    TiターゲットとNiターゲットを同時スパッタリング装置の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップと、
    前記同時スパッタリング装置の作業条件をセットする装置セッティングステップと、
    前記同時スパッタリング装置を動作させて基材にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜を形成する薄膜蒸着ステップとからなることを特徴とする同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
  8. TiターゲットとNiターゲット及び基材を準備するターゲット準備ステップと、
    TiターゲットとNiターゲットを同時スパッタリング装置の内部に離間させて配置するターゲット設置ステップと、
    前記同時スパッタリング装置の作業条件をセットする装置セッティングステップと、
    前記同時スパッタリング装置を動作させて基材にTiとNiが混合した状態のTi−Ni合金薄膜を形成する薄膜蒸着ステップと、
    前記Ti−Ni合金薄膜を500℃以上の温度で30分間以上熱処理(Annealing)して結晶化する結晶化ステップと、
    前記結晶化したTi−Ni合金薄膜を急冷してB2及びRhombohedral(Ti3Ni4)相を形成する機能付与ステップとからなることを特徴とする同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
  9. 前記ターゲット準備ステップにおいて、
    前記基材としてはSi wafer、単結晶NaCl、多結晶NaClのいずれかが用いられることを特徴とする請求項7又は8に記載の同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
  10. 前記薄膜蒸着ステップの後に、
    前記基材が単結晶NaClで形成されている場合は、基材を除去する薄膜分離ステップが行われることを特徴とする請求項9に記載の同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
  11. 前記装置セッティングステップにおいて、
    前記TiターゲットにはNiターゲットより3.2〜3.4倍高い電圧が印加されるように設定されることを特徴とする請求項10に記載の同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
  12. 前記薄膜蒸着ステップにおいて、
    Tiは、前記Ti−Ni合金薄膜の全体に対して48.53〜54.33の原子比を有することを特徴とする請求項11に記載の同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法。
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