JP2015508821A - ゲラニルゲラニルアセトンの経皮製剤 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、経皮パッチの形態の少なくとも1種のゲラニルゲラニルアセトンを含む医薬製剤が提供される。本明細書では、前記医薬製剤を投与することによって神経疾患または障害を治療する方法も提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、経皮パッチの形態の少なくとも1種のゲラニルゲラニルアセトンを含む医薬製剤、さらに前記医薬製剤を投与することによって神経疾患または障害を治療する方法に関する。
ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)は式:
Figure 2015508821
を有し、神経保護作用および関連する作用を有することが報告されている。例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT特許出願国際公開第2012/031028号を参照されたい。筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、アルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)などの神経疾患は、長期間患者を苦しめる。多くの場合、患者は、疾患を治療するための医薬品を確実に自己投与することができない。そのため、よく見ても患者コンプライアンスが問題となる。さらに、必要な医薬品をこのような患者に投与するには介護者の使用が必要となり、治療コストが上昇する。適切な療法をこのような患者に必要に応じて長期間投与することができれば、患者および健康管理システムのためになるだろう。そのようになれば、介護者の負担およびそれに関連するコストが削減されるだろう。しかしながら、全ての薬物が、経皮浸透または製剤化に適合性であるわけではないために、徐放に適しているわけではない。具体的には、活性薬物が対応する経皮製剤から皮膚中へのおよび皮膚を通る輸送性を有するように、経皮組成物を製剤化することが必要である。GGA、およびその経皮製剤が、皮膚を介したこのような長期の送達が可能であることが分かった。
(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、経皮技術により徐放および制御放出を受け入れられること、ならびにこれによって(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンによる治療から利益を得る患者に長期間の治療が提供されることが分かった。したがって、本明細書では、いくつかの実施形態で、長期間、無傷の皮膚を通して(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを速度制御経皮投与するための医療用パッチであって、(a)(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンおよび(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを前記長期間、治療上有効速度で送達するのに十分な量の浸透促進剤を含む薬物リザーバーと;(b)薬物不浸透性裏打ちラミネートとを含む医療用パッチが提供される。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、80:20を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。他の実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。具体的な実施形態では、浸透促進剤が、エタノール、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート、グリセリルモノオレエート、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ステアリン酸、tween80またはこれらの組み合わせである。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、神経疾患、障害または状態に罹患している対象の皮膚に接着させるための接着性パッチ、治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン(化合物は前記パッチに分散している)と;前記化合物をパッチから対象の体内に導入するための少なくとも1種の浸透促進剤とを含む、神経疾患、障害または状態を治療するための装置を記載している。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、80:20を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。他の実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。特定の具体的な実施形態では、浸透促進剤が、エタノール、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート、グリセリルモノオレエート、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ステアリン酸、tween80またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、神経疾患または状態が、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症疾患、パーキンソン病または多発性硬化症である。
本明細書では、いくつかの実施形態で、神経疾患、障害または状態を治療する方法であって、前記神経疾患、障害または状態に罹患している対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与される方法も提供される。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、それを必要とする対象の熱ショックタンパク質の発現を誘導する方法であって、対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与される方法を記載している。
本明細書で提供される他の実施形態は、それを必要とする対象の神経系死を阻害する方法であって、対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与される方法を記載している。
いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを本質的に含まないまたは含まない。
図1Aおよび図1Bは、2つのHPLCクトマトグラム(0.05mg/mLの1標準および24時間の時点で採取した1試料)を示す図である。膜中のほとんど全てのGGAがこの特異的溶解設定にしたがって放出された。
本発明の好ましい実施形態を本明細書で示し、説明してきたが、このような実施形態は単なる例として提供されていることが当業者には明らかであるだろう。本発明から逸脱することなく、ここで多数の変形、変更および置換が当業者に思い浮かぶだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の種々の代替を本発明の実施に使用してもよいことを理解すべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにその均等物がこれにより網羅されることを意図している。
特定の定義
特記しない限り、本明細書で使用される専門用語は、当業者により理解される通常の意味を与えられるべきである。
本明細書で使用される場合、「含んでいる」または「含む」という用語は、組成物および方法が、列挙された要素を含むが、他を除外しないことを意味することを意図している。「からなる」が、組成物および方法を定義するために使用される場合、定まった目的のための組み合わせにとって本質的に重要な他の要素を除外することを意味するべきである。したがって、本明細書に定義される要素から本質的になる組成物は、請求されている発明の基本的かつ新規な特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさない他の材料もステップも除外しないだろう。「からなる」は、他の成分の微量元素および実質的な方法ステップ以上のものを除外することを意味するべきである。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、1〜約10個の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する場合により置換された直鎖または場合により置換された分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。例としては、それだけに限らないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−アミルおよびヘキシル、ならびにより長いアルキル基、例えば、ヘプチル、オクチルなどが挙げられる。「C〜Cアルキル」または「C1〜6アルキル」などの数値範囲が本明細書に現れる場合はいつでも、本定義は数値範囲が指定されていない「アルキル」という用語の発生も網羅するが、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子または6個の炭素原子からなり得ることを意味する。
本明細書で使用される「C〜Cアルキル」という用語は、単一水素原子を除去することにより、それぞれ、1〜3個の間、1〜6個の間、および1〜12個の間の炭素原子を含有する炭化水素部分から得られる、飽和、直鎖−または分岐−鎖炭化水素基を指す。C〜Cアルキル基の例としては、それだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチルおよびn−ヘキシルが挙げられる。
アルキル基は、場合によりフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、C1〜4アルコキシカルボニル、C1〜4アルキルアミノカルボニル、ジ−(C1〜4アルキル)−アミノカルボニル、ヒドロキシル、C1〜4アルコキシ、ホルミルオキシ、C1〜4アルキルカルボニルオキシ、C1〜4アルキルチオ、C3〜6シクロアルキルまたはフェニルの1つまたは複数により置換されていてもよい。
本明細書で使用される「アリール」という用語は、単独でまたは組み合わせて、6〜約20個の環炭素原子の場合により置換された芳香族炭化水素基を指し、縮合および非縮合アリール環を含む。縮合アリール環基は、付着環がアリール環である2〜4個の縮合環を含有し、他の個々の環は脂環式、複素環、芳香族、複素芳香環またはこれらの任意の組み合わせであり得る。さらに、アリールという用語は、6〜約12個の環炭素原子を含有する縮合および非縮合環ならびに6〜約10個の環炭素原子を含有するものを含む。単環アリール基の非限定的例としては、フェニルが挙げられ;縮合環アリール基には、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、アズレニルが含まれ;非縮合ビアリール基にはビフェニルが含まれる。
「神経保護」という用語は、変性を受けやすいニューロンが対照と比べて変性から保護される、アッセイにおいてインビトロで測定されるニューロンの毒性低下を指す。神経保護作用は、組織切片内のニューロンをカウントすることによってインビボで評価することもできる。
「ニューロン(複数可)」という用語は、中枢および末梢神経系を構成する全ての電気的興奮性細胞を指す。ニューロンは、動物の体内の細胞であっても動物の体外で培養される細胞であってもよい。「ニューロン(複数可)」という用語はまた、神経細胞由来の樹立もしくは一次組織培養細胞株、またはニューロンに分化させられる組織培養細胞株を指す。「ニューロン(複数可)」はまた、染色体外でまたは染色体内で特定のタンパク質を発現するよう修飾された上記型の細胞のいずれかを指す。「ニューロン(複数可)」はまた、神経芽腫細胞などの形質転換ニューロンおよびグリアなどの脳内の支持細胞を指す。
「タンパク質凝集体」という用語は、部分的にまたは完全にミスフォールドしていてもよいタンパク質の集合を指す。タンパク質凝集体は可溶性であっても不溶性であってもよく、細胞の内側にあっても、細胞間の空間中で細胞の外側にあってもよい。細胞の内側のタンパク質凝集体は、これらが核の内側にある核内であっても、これらが核の外側の空間にあるがまだ細胞膜内の空間にある細胞質にあってもよい。本発明に記載されるタンパク質凝集体は、顆粒タンパク質凝集体である。
本明細書で使用される場合、「タンパク質凝集体阻害量」という用語は、タンパク質凝集体の形成を少なくとも部分的にまたは完全に阻害する化合物の量を指す。特記しない限り、阻害は、細胞の内側または細胞の外側のタンパク質凝集体に向けられ得る。
本明細書で使用される場合、「核内」または「核内に」という用語は、動物細胞の核コンパートメントの内側の空間を指す。
「細胞質」という用語は、動物細胞の核の外側であるが、外側細胞壁内の空間を指す。
本明細書で使用される場合、「病原性タンパク質凝集体」という用語は、疾患状態に関連するタンパク質凝集体を指す。これらの疾患状態には、それだけに限らないが、細胞死または2個以上の細胞間のニューロンシグナル伝達の部分的もしくは完全な喪失が含まれる。病原性タンパク質凝集体は、細胞の内側に位置し得る、例えば、病原性細胞内タンパク質凝集体、または細胞の外側に位置し得る、例えば、病原性細胞外タンパク質凝集体であり得る。
本明細書で使用される場合、「SBMA」という用語は、球脊髄性筋萎縮症という疾患を指す。球脊髄性筋萎縮症は、核内に病原性アンドロゲン受容体タンパク質が蓄積することにより引き起こされる疾患である。
本明細書で使用される場合、「ALS」という用語は、筋萎縮性側索硬化症疾患を指す。
本明細書で使用される場合、「AD」という用語は、アルツハイマー病を指す。
「神経伝達物質」という用語は、シグナルをニューロンから標的細胞に伝達する化学物質を指す。神経伝達物質の例としては、それだけに限らないが、グルタメート、アスパルテート、セリン、y−アミノ酪酸およびグリシンなどのアミノ酸;ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、ヒスタミン、セロトニンおよびメラトニンなどのモノアミン;ならびにアセチルコリン、アデノシン、アナンダミドおよび一酸化窒素などの他の分子が挙げられる。
「シナプス」という用語は、ニューロン間の接合部を指す。これらの接合部によって、化学信号がある細胞から別の細胞に移動することが可能になる。
「Gタンパク質」という用語は、細胞の外側で化学信号を伝達することおよび細胞の内側で変化を引き起こすことに関与するタンパク質のファミリーを指す。Gタンパク質のRhoファミリーは、低分子量Gタンパク質であり、アクチン細胞骨格動態、細胞運動、運動性、転写、細胞生存および細胞成長を制御することに関与する。RHOA、RAC1およびCDC42は、Rhoファミリーの最も研究されているタンパク質である。活性Gタンパク質は細胞膜に局在しており、ここで最大の生物学的効果を及ぼす。
本明細書で使用される「治療する」、「治療すること」または「治療」という用語は、疾患または状態またはその1つもしくは複数の症状を緩和する、軽減するまたは寛解させること、追加の症状を防止すること、症状の根底にある代謝原因を寛解させるまたは防止すること、疾患または状態を阻害すること、例えば、疾患または状態の発達を阻止または抑制すること、疾患または状態を和らげること、疾患または状態の退行をもたらすこと、疾患または状態により引き起こされる状態を和らげること、あるいは疾患または状態の症状を抑制することを含み、予防を含むことを意図している。この用語はまた、疾患または状態を和らげること、例えば、臨床症状の退行をもたらすことも含む。この用語はさらに、治療利益および/または予防利益を達成することを含む。治療利益により、治療されている根底にある障害の根絶または寛解が意味される。また、治療利益は、個体がまだ根底にある障害で苦しんでいるにもかかわらず、個体で改善が観察されるような根底にある障害に関連する生理的状態の1つまたは複数の根絶または寛解により達成される。予防利益のために、その疾患の診断がなされていないが、組成物が、特定の疾患を発症するリスクがある個体、または疾患の生理的症状の1つもしくは複数を報告している個体に投与される。
「予防すること」または「予防」という用語は、疾患または障害を獲得するリスクの軽減(すなわち、疾患の臨床症状の少なくとも1つを、疾患にさらされているまたは疾患の素因となり得るが、疾患の症状をまだ経験しておらず示してもいない対象において発症させないこと)を指す。この用語はさらに、例えば、このような疾患または障害に罹患するリスクがある対象において、臨床症状を発症させず、それによって疾患または障害の発症を実質的に防ぐことを含む。
本明細書で使用される「担体」という用語は、化合物の細胞または組織への取り込みを促進する比較的非毒性の化学化合物または薬剤を指す。
「軸索」という用語は、シナプスを通してシグナルを他の細胞に伝導するニューロンの突起を指す。「軸索成長」という用語は、軸索の先端の成長円錐を介した軸索突起の伸長を指す。
「神経疾患」という用語は、ニューロンの細胞生存率を損なう疾患を指す。神経疾患の病因がニューロンに病原性のタンパク質凝集体の形成を含む神経疾患には、タンパク質凝集体が疾患SBMAに関連せず、核内でないとすれば、それだけに限らないが、ALS、AD、パーキンソン病、多発性硬化症およびプリオン病(クールー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症およびゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群など)が含まれる。これらの神経疾患はまた、ポリグルタミンリピートを含有しないという点でSBMAと異なる。神経疾患は、組織培養細胞においてインビトロで再現することができる。例えば、前凝集13−アミロイドペプチドを細胞に付加することによって、ADをインビトロでモデル化することができる。ALS疾患関連タンパク質、TDP−43を枯渇させることによって、ALSをモデル化することができる。細胞に対する毒性ストレスを提供することによってタンパク質凝集体を形成することにより、神経疾患をインビトロでモデル化することもできる。これを達成することができる1つの方法は、ドーパミンを神経芽腫細胞などのニューロンと混合することによる。これらの神経疾患をマウスモデルにおいてインビボで再現することもできる。変異Sod1タンパク質を発現するトランスジェニックマウスは、ALSのヒトと類似の病理学を有する。同様に、APPを過剰発現しているトランスジェニックマウスは、ADのヒトと類似の病理学を有する。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、それだけに限らないが、化合物の生物活性も特性も抑止せず、比較的非毒性の塩、担体または希釈剤を含む材料を指す、すなわち、望ましくない生物学的効果ももたらさず、それが含有される組成物の構成要素のいずれとも有害に相互作用もすることなく、材料を個体に投与することができる。
本明細書で使用される「シクロデキストリン」という用語は、環形成で少なくとも6〜8個の糖分子からなる環状炭化水素を指す。環の外側部分は水溶性基を含有し、環の中心には、低分子を収容することができる比較的非極性の空洞がある。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、治療している疾患または状態の症状の1つまたは複数をある程度まで和らげる十分な量の投与されている薬剤または化合物を指す。結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因の減少および/または軽減、あるいは生物系の任意の他の所望の変化であり得る。個々の場合の適当な「有効」量は、用量漸増試験などの技術を使用して決定することができる。
「患者」、「対象」または「個体」という用語は互換的に使用される。本明細書で使用される場合、これらの用語は障害などを患っている個体を指し、哺乳動物および非哺乳動物を包含する。これらの用語のいずれも、個体が医療従事者の介護および/または監督下にあることを要しない。哺乳動物は、それだけに限らないが、ヒト、ヒト以外の霊長類(チンパンジーおよびサル種の他の類人猿など);家畜(ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなど);飼育動物(ウサギ、イヌおよびネコなど);げっ歯類(ラット、マウスおよびモルモットなど)を含む実験動物などを含む哺乳類クラスの任意の構成員である。非哺乳動物の例としては、それだけに限らないが、鳥類、魚類などが挙げられる。本明細書で提供される方法および組成物のいくつかの実施形態では、個体が哺乳動物である。好ましい実施形態では、個体がヒトである。
本明細書で使用される「担体」という用語は、化合物の細胞または組織への取り込みを促進する比較的非毒性の化学化合物または薬剤を指す。
「約」という用語は、数値的表示、例えば、温度、時間、量および濃度(範囲を含む)の前に使用されると、(+)もしくは(−)10%、5%または1%異なり得る近似を示す。
「ハロゲン化すること」という用語は、ヒドロキシ基をハロ基に変換することとして定義される。「ハロ」または「ハロ基」という用語は、フルオロ、ブロモおよびヨードを指す。
「立体選択的に」という用語は、新たに形成される二重結合について90%超のある幾何異性体を提供することとして定義される。
「幾何異性体(複数可)」は、1つまたは複数のオレフィン中心の幾何学が異なる化合物を指す。「E」または「(E)」はトランス配向を指し、「Z」または「(Z)」はシス配向を指す。
ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)は、式V:
Figure 2015508821
の化合物を指し、該化合物を含む組成物は、該化合物の幾何異性体の混合物である。ゲラニルゲラニルアセトンの5−トランス異性体は、式III:
Figure 2015508821
の化合物を指し、5位炭素原子は5−トランスまたは5E配置である。5−トランス異性体はまた、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを指す。ゲラニルゲラニルアセトンの5−シス異性体は、式IV:
Figure 2015508821
の化合物を指し、5位の炭素原子は5−シスまたは5Z配置である。5−シス異性体はまた、5Z,9E,13Eゲラニルゲラニルアセトンを指す。
化合物
本発明のいくつかの実施形態は、式I:
Figure 2015508821
(式中、波線は、(Z)もしくは(E)型の配置または2つの配置の混合を有する結合を表す)
の化合物の1種または複数の異性体を含む医薬製剤を記載している。
いくつかの実施形態では、ゲラニルゲラニルアセトンが、式II:
Figure 2015508821
(式中、波線は、(Z)もしくは(E)型の配置または2つの配置の混合を有する結合を表す)
の化合物を含む。
本発明の特定の実施形態による化合物では、二重結合に結合している基が、二重結合の回転が制限されている結果として異なる空間中に固定されていることが当業者に明らかであるだろう。いくつかの実施形態では、本明細書において、全ての立体異性体、ならびに任意の割合のその混合物、ZおよびE異性体ならびにこれらの混合物を含む、式IまたはIIの化合物が提供される。
好ましくは、本発明の特定の実施形態による式IまたはIIの化合物で、5−アルケンがE配置を有する。特定の具体的な実施形態では、式IまたはIIの化合物がGGAの5−トランス異性体である。いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物が(5E,9E,13E)配置を有する。いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物が、式III:
Figure 2015508821
を有する。
いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIIIの化合物が(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンである。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIIIの化合物が、少なくとも80重量%の(5E,9E,13E)配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIIIの化合物が、少なくとも90重量%の(5E,9E,13E)配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIIIの化合物が、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%または少なくとも99.9重量%の(5E,9E,13E)配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。他の実施形態では、製剤が検出可能な量のGGAの5−シス異性体を含まない。他の実施形態では、製剤が検出可能な量の5Z,9E,13E配置を有する式IまたはIIのGGA異性体を含まない。
本明細書で提供される他の実施形態は、GGAの5−シス異性体を含む医薬製剤を記載している。本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、5−アルケンがZ配置を有する式IまたはIIの化合物を含む医薬製剤を記載している。いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物が5Z,9E,13E配置を有する。いくつかの実施形態では、式IまたはIIの化合物が式IV:
Figure 2015508821
を有する。
いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIVの化合物が(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンである。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIVの化合物が少なくとも80重量%の(5E,9E,13E)配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIVの化合物が、少なくとも80重量%の5Z,9E,13E配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIVの化合物が、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%または少なくとも99.9重量%の5Z,9E,13E配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。いくつかの実施形態では、式I、IIまたはIVの化合物が、最大で20重量%、最大で18重量%、最大で15重量%、最大で13重量%、最大で10重量%、最大で8重量%、最大で6重量%、最大で5重量%、最大で4重量%、最大で3重量%、最大で2重量%、最大で1重量%または最大で0.5重量%の5Z,9E,13E配置を有する異性体を含有するGGA異性体の混合物の形態である。特定の実施形態では、製剤が検出可能な量のGGAの5−トランス異性体を含まない。他の実施形態では、製剤が検出可能な量の(5E,9E,13E)配置を有する式I、IIまたはIIIの化合物を含まない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤のいずれも式I、II、IIIまたはIVの化合物を含み、(5E,9E,13E)GGAと(5Z,9E,13E)GGAの異性体混合物が約50:50、60:40、75:25、80:20、85:15、90:10、93:7、95:5、96:4、97:3、98:2または99:1の比である。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、80:20を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、85:15を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、95:5を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。いくつかの実施形態では、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、99:1を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する。
化合物の配置は、キロプティカル分光法および核磁気共鳴分光法などの当業者に既知の方法により決定される。
式I、II、IIIまたはIVの化合物は、以下に記載される代表的な合成にしたがって合成され得る。例えば、式IIIの化合物は、以下のステップ:
Figure 2015508821
(i)ハロゲン化条件下で式VIの化合物を反応させて式VIIの化合物を得るステップ;
Figure 2015508821
(ii)アルキル化条件下で式VIIの化合物とアルキルアセトアセテートと反応させて式VIIIの化合物(不斉中心での立体化学がラセミ、RまたはS配置であり得る)を得るステップ;
Figure 2015508821
(iii)加水分解および脱炭酸条件下で式VIIIの化合物を反応させて式IXの化合物を得るステップ;
Figure 2015508821
(iv)式IXの化合物を式Xの化合物と反応させるステップ;
Figure 2015508821
(式中、Rおよび各Rは独立に、アルキルまたは置換もしくは未置換アリールであり、オレフィン化条件下で、選択的に式XI:
Figure 2015508821
の化合物を提供する);
(v)還元条件下で式XIの化合物を反応させて式XIIの化合物を得るステップ
Figure 2015508821
の1つまたは複数を含む方法にしたがって調製される。
化合物VIを、典型的には不活性溶媒中で少なくとも等モル量のハロゲン化剤と混ぜ合わせる。本出願で使用される場合、「不活性溶媒」は、溶媒として使用される反応条件下で反応しない溶媒である。反応を、典型的には約0℃〜20℃の温度で、反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間行う。適当な溶媒には、単なる例として、ジエチルエーテル、アセトニトリルなどが含まれる。適当なハロゲン化剤には、PBrまたはPPh/CBrが含まれる。反応完了後、得られた生成物である化合物IVを、抽出、沈殿、濾過、クロマトグラフィーなどの従来条件下で回収することができる、あるいは、精製および/または単離なしで反応の次のステップに使用することができる。
化合物VIIを、塩基および不活性溶媒の存在下で少なくとも等モル量のアルキルアセトアセテートと混ぜ合わせる。反応を典型的には最初に0℃で行い、次いで、反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間室温に加温する。適当な溶媒には、単なる例として、種々のアルコール(エタノール、ジオキサンおよびこれらの混合物など)が含まれる。適当な塩基には、単なる例として、ナトリウムエトキシドなどのアルキル金属アルコキシドが含まれる。
化合物VIIIを、等モル量、好ましくは過剰の水性アルカリと反応させる。反応を典型的には約40〜80℃、好ましくは約80℃で反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間行う。適当な溶媒には、単なる例として、メタノール、エタノールなどのアルコールが含まれる。
化合物IXを、不活性溶媒中で、少なくとも等モル量、好ましくは過剰の式Xの化合物および少なくとも等モル量、好ましくは過剰の塩基と混ぜ合わせる。反応を典型的には最初に約−30℃で約1〜2時間、および室温で反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間行う。適当な溶媒には、単なる例として、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが含まれる。適当な塩基には、単なる例として、水酸化ナトリウムまたはカリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、またはカリウムtert−ブトキシド(BuOK)などのアルキル金属水酸化物が含まれる。
化合物XIを、不活性溶媒中で還元剤と混ぜ合わせる。反応を典型的には約0℃で約15分間および室温で反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間行う。適当な還元剤には、限定されないが、LiAlHが含まれる。適当な溶媒には、単なる例として、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが含まれる。
当業者に明らかであるように、反応完了後、得られた生成物を、沈殿、濾過、クロマトグラフィーなどの従来条件下で回収することができる、あるいは、精製および/または単離なしで反応の次のステップに使用することができる。
いくつかの実施形態では、方法は、式XIIの化合物でステップ(i)、(ii)および(iii)を順次繰り返して式Vの化合物を得るステップをさらに含む。
Figure 2015508821
別の実施形態では、合成法が、ステップ(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)を1〜3回順次繰り返すステップを含む。
本明細書では、以下のステップ:
(i)ハロゲン化(例えば、臭素化)条件下で式XII:
Figure 2015508821
の化合物を反応させて式XIII:
Figure 2015508821
の化合物を得るステップ;
(ii)アルキル化条件下で式XIIIの化合物をアルキルアセトアセテートと反応させて化合物XIV(不斉中心での立体化学がラセミであるまたはRもしくはS配置を有する):
Figure 2015508821
(式中、Rアルキルは置換または未置換アルキルである)
の化合物を得るステップ;
(iii)加水分解および脱炭酸条件下で式XIVの化合物を反応させて式III:
Figure 2015508821
(5E,9E,13E)または5−トランスGGA(III)
の化合物を得るステップ
の1つまたは複数を含む合成法も記載される。
式IVの化合物の代表的な合成が本明細書に記載され、該合成法はステップ(i)またはステップ(ii)、またはステップ(i)および(ii)を含む:
(i)アルキル化条件下で式XV:
Figure 2015508821
の化合物をアルキルアセトアセテートと反応させて式XVI(不斉中心での立体化学がラセミであるまたはRもしくはS配置を有する):
Figure 2015508821
(式中、Rアルキルは置換または未置換アルキルである)
の化合物を得るステップ;
(ii)加水分解および脱炭酸条件下で式XVIの化合物を反応させて式IV:
Figure 2015508821
の化合物を得るステップ。
いくつかの実施形態では、加水分解条件下で、式XVII:
Figure 2015508821
(式中、各Rは独立に、C〜Cアルキルである、または2つのR基は結合した酸素原子と一緒に5または6員環を形成し、該環は場合により1〜3個、好ましくは1〜2個のC〜Cアルキル基で置換されている)
のケタール化合物を反応させて式IVの化合物を得ることにより、式IVの化合物を合成する。
ケタールを、不活性溶媒中で、少なくとも触媒量、例えば、1〜20mol%の水性酸、好ましくは水性鉱酸と混ぜ合わせる。反応を典型的には約25℃〜約80℃で反応の実質的完了をもたらすのに十分な期間行う。適当な酸には、限定されないが、HCl、HSOなどが含まれる。適当な溶媒には、アルコール(メタノール、エタノールなど)、テトラヒドロフランなどが含まれる。
本方法がクロマトグラフィー(例えば、Fisherカラムを通した分留)、蒸留(例えば、Kugelrohr蒸留)または結晶化などの方法にしたがって化合物を単離するための分離または精製の日常的ステップをさらに使用することが当業者に明らかであるだろう。
医薬製剤
組成物は、一般的に、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて式I、II、III、IVの化合物、GGAまたはこれらの混合物で構成される。本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、1種または複数の医薬担体、賦形剤、補助剤、結合剤および/または希釈剤をさらに含む医薬組成物を記載している。許容される賦形剤は、非毒性で、投与を助け、本発明の化合物の治療利益に有害な影響を及ぼさない。このような賦形剤は任意の固体、液体、半固体であり得る。本発明による医薬組成物は、当技術分野で既知の方法を使用して従来手段により調製される。
本明細書で開示される組成物は、医薬製剤に一般的に使用されているビヒクルおよび賦形剤、例えば、タルク、アラビアガム、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水性または非水性溶媒、油、パラフィン誘導体、グリコール等のいずれかと併せて使用することができる。溶液は、水または生理学的に適合性の有機溶媒(エタノール、1,2−プロピレングリコール、ポリグリコール、ジメチルスルホキシド、脂肪アルコール、トリグリセリド、グリセリンの部分エステルなど)などを使用して調製することができる。
本明細書に記載されるいずれの組成物も、場合により微量の湿潤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤などの非毒性補助物質、ならびに例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートおよびシクロデキストリンなどの他のこのような薬剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物が、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、pH緩衝剤、抗酸化剤、保存剤、等張化剤またはこれらの組み合わせをさらに含む。場合により使用される薬学的に許容される担体の例としては、それだけに限らないが、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、局所麻酔剤、懸濁化および分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容される物質が挙げられる。
水性懸濁液は、水性懸濁液を製造するのに適した賦形剤との混和で活性材料を含有する。このような賦形剤には、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアガムがあり;分散または湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。水性懸濁液は、1種または複数の保存剤、例えば、エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤、および1種または複数の甘味剤(ショ糖、サッカリンまたはアスパルテームなど)を含有してもよい。
適当な医薬担体には、不活性希釈剤または充填剤、水および種々の有機溶媒が含まれる。
いくつかの実施形態では、有効成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱物油、例えば、流動パラフィンに懸濁することにより、油性懸濁液を製剤化する。特定の実施形態では、油性懸濁液が、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有する。さらなるまたは追加の実施形態では、上に示されるものなどの甘味剤、および香味剤を添加して味の良い経口製剤を得る。他の実施形態では、ブチルヒドロキシアニソールまたはα−トコフェロールなどの抗酸化剤を添加することにより、これらの組成物を保護する。
いくつかの実施形態では、医薬組成物が水中油型乳剤の形態である。いくつかの実施形態では、油相が植物油、例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱物油、例えば、流動パラフィンあるいはこれらの混合物である。適当な乳化剤には、それだけに限らないが、天然ホスファチド、例えば、大豆レシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル、例えば、ソルビタンモノオレエート、および前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが含まれる。さらなるまたは追加の実施形態では、乳剤が甘味剤、香味剤、保存剤および抗酸化剤を含有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物または組成物を、リポソームなどの小胞で送達する。さらなるまたは代替実施形態では、本明細書に記載される化合物および医薬組成物を制御放出システムで送達する、または制御送達システムを治療標的の近くに配置することができる。
特定の実施形態では、医薬組成物を、経皮皮膚パッチを使用して、経皮経路を介して投与する。経皮送達システムの形態で投与するために、投薬投与は投薬レジメンの全体にわたって間欠性よりむしろ連続性であるだろう。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、式I、II、III、IVの化合物、GGA、またはトランス−ゲラニルゲラニルアセトン異性体の濃度が本明細書で提供される医薬組成物中約1重量%〜約99重量%である医薬製剤を記載している。他の実施形態では、本明細書に記載される化合物のいずれか(例えば、ゲラニルゲラニルアセトン)の濃度が、医薬組成物中約重量%〜約75重量%、あるいは、約1重量%〜約、あるいは約1重量%〜約30重量%、あるいは、約1重量%〜約25重量%、あるいは、約重量%〜約20重量%、あるいは約2重量%〜約20重量%、あるいは、約1重量%〜約10重量%、あるいは、約10重量%〜約20重量%、あるいは、約10重量%〜約15重量%である。特定の実施形態では、医薬組成物中の化合物のいずれか(例えば、ゲラニルゲラニルアセトン)の濃度が、約5重量%、あるいは、約10重量%、または約20重量%、または約1重量%、または約2重量%、または約3重量%、または約4重量%、または約6重量%、または約7重量%、または約8重量%、または約9重量%、または約11重量%、または約12重量%、または約14重量%、または約16重量%、または約18重量%、または約22重量%、または約25重量%、または約26重量%、または約28重量%、または約30重量%、または約32重量%、または約34重量%、または約36重量%、または約38重量%、または約40重量%、または約42重量%、または約44重量%、または約46重量%、または約48重量%、または約50重量%、または約52重量%、または約54重量%、または約56重量%、または約58重量%、または約60重量%、または約64重量%、または約68重量%、または約72重量%、または約76重量%、または約80重量%である。
有効量の5−トランスGGAは、インビトロまたはインビボで保護効果をもたらすのに必要とされる量のGGAである。いくつかの実施形態では、インビトロでの有効量が約0.1nM〜約1mMである。いくつかの実施形態では、インビトロでの有効量が約0.1nm〜約0.5nM、または約0.5nM〜約1.0nM、または約1.0nM〜約5.0nM、または約5.0nM〜約10nM、または約10nM〜約50nM、または約50nM〜約100nM、または約100nM〜約500nM、または約500nM〜約1mMである。いくつかの実施形態では、インビボでの効果のための有効量が約0.1mg〜約100mg、好ましくは約1mg〜約50mg、より好ましくは約1mg〜約25mg/kg/日、または約1mg〜約12mg/kg/日である。いくつかの他の実施形態では、インビボでの有効量が約10mg/kg/日〜約100mg/kg/日、約20mg/kg/日〜約90mg/kg/日、約30mg/kg/日〜約80mg/kg/日、約40mg/kg/日〜約70mg/kg/日または約50mg/kg/日〜約60mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、インビボでの有効量が約1mg/kg/日〜約5mg/kg/日である。いくつかの実施形態では、インビボでの有効量が約6mg/kg/日〜約12mg/kg/日である。一実施形態では、インビボでの有効量が約3mg/kg/日である。別の実施形態では、インビボでの有効量が約6mg/kg/日である。別の実施形態では、インビボでの有効量が約12mg/kg/日である。さらにいくつかの他の実施形態では、インビボでの有効量が約100mg/kg/日〜約1000mg/kg/日である。
本発明の化合物および医薬製剤を単独で使用しても他の化合物と組み合わせて使用してもよい。別の薬剤と共に投与する場合、同時投与は、両者の薬理効果が同時に患者において明白となる任意の様式とすることができる。したがって、同時投与は、単一医薬組成物、同じ剤形または同じ投与経路すら本発明の化合物と他の薬剤の両者を投与するために使用することも、2つの薬剤を正確に同時に投与することも必要としない。しかしながら、同時投与は、実質的に同時に同じ剤形および同じ投与経路によって最も好都合に投与されるだろう。両有効成分を本発明による新規な医薬組成物で同時に送達することによってこのような投与が最も有利に進行することが明らかである。
経皮システムまたはパッチ
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、治療上有効量の薬物を、皮膚を介して体循環に送達する経皮システムまたはパッチに関する。いくつかの実施形態では、経皮パッチを通して送達される薬物は独特の利点を有する。利点には、それだけに限らないが、薬物(複数可)の初回通過代謝を回避すること、GI粘膜の刺激を回避すること、薬物レベルの変動を回避すること、予測可能かつ延長した活性の持続期間、望ましくない副作用を最小化すること、短い半減期および狭い治療指数による薬物の安定性、強力な薬物の安定した血漿中濃度を維持すること、複数用量および剤形(経口および全身)の排除によるより大きな患者コンプライアンス、自己投与の適合性、ならびに任意の時点での治療の終了の容易さが含まれる。
いくつかの実施形態では、長期間無傷の皮膚を通して本明細書に記載される化合物のいずれかを速度制御経皮投与するための医療用パッチまたは装置であって、(A)本明細書に記載される任意の化合物を含む薬物リザーバーと;(b)薬物不浸透性裏打ちとを含む医療用パッチまたは装置が提供される。いくつかの実施形態では、医薬パッチは、場合により皮膚浸透促進剤を含む。いくつかの例では、パッチにより神経障害を治療することが可能になり、この治療は本明細書に記載される医療用パッチにより長期間、治療上有効速度で、無傷の皮膚の領域を通して式I、II、IIIまたはIVの化合物を投与することを含む。
本明細書ではいくつかの実施形態で、薬物リザーバーが薬物およびポリマーを共通の溶媒に溶解することにより調製されるマトリックス型経皮システムが提供される。いくつかの実施形態では、不溶性薬物が親水性ポリマーに均質に分散している。他の実施形態では、不溶性薬物が親油性ポリマーに均質に分散している。さらなるまたは追加の実施形態では、マトリックス型経皮システムが、場合により1種または複数の適当な可塑剤および/または浸透促進剤を含有する。いくつかの実施形態では、薬物をリザーバー型経皮パッチに充填する。他の実施形態では、薬物をポリマーマトリックスに充填する。
本明細書で提供される他の実施形態は、薬物リザーバーが浸出不可能な粘性液体媒体中に懸濁した薬物粒子の均質な分散液でできているリザーバー経皮システムを記載している。特定の実施形態では、分散液が放出可能な溶媒中に薬物を含むペースト状懸濁液、ゲルまたは透明溶液を形成する。いくつかの実施形態では、リザーバーが速度制御膜と裏打ちラミネートとの間に挟まれている。
本明細書では、いくつかの実施形態で、膜マトリックスハイブリッド経皮システムまたはパッチも提供される。いくつかの実施形態では、膜マトリックスハイブリッドシステムが修飾リザーバー型経皮システムである。特定の実施形態では、薬物リザーバーの液体製剤が固体ポリマーマトリックスで置換されている。さらなるまたは追加の実施形態では、固体ポリマーマトリックスが速度制御膜と裏打ちラミネートとの間に挟まれている。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、薬物リザーバーが薬物粒子を溶液に懸濁させることにより形成されるマイクロリザーバーを記載している。いくつかの実施形態では、溶液が水溶液である。さらなるまたは追加の実施形態では、水溶液が水混和性薬物可溶化剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、薬物懸濁液を高せん断機械力によって親油性ポリマーに均質に分散させて、数千の浸出不可能な顕微鏡的薬物リザーバー、またはマイクロリザーバーを形成する。いくつかの実施形態では、接着層をパッチの周囲に沿って適用して薬物リザーバーを囲む接着性縁の細片を形成する。いくつかの例では、薬物の放出が、薬物の液体コンパートメントおよびポリマーマトリックスへの溶解度に応じて、パーティション制御またはマトリックス拡散制御プロセスのいずれかに従う。
本明細書で提供される他の実施形態は、接着型システムの薬物を記載している。いくつかの実施形態では、薬物または他の製剤構成要素を有機溶媒系感圧接着剤溶液に直接組み込み、混合し、薄膜として鋳造する。いくつかの実施形態では、薬物および賦形剤を含有する接着マトリックス膜を形成する。いくつかの実施形態では、接着マトリックス中の薬物が剥離ライナーと裏打ち層との間に挟まれている。いくつかの実施形態では、経皮パッチが単層を含有する。他の実施形態では、経皮パッチが二重層を含有する。他の実施形態では、経皮パッチが三層を含有する。さらなる実施形態では、経皮パッチが複数層を含有する。
特定の実施形態では、接着型システムの薬物がポリマーマトリックス勾配制御パッチであって、薬物リザーバーが感圧接着ポリマーの複数ラミネート接着層を含み、薬物および任意の賦形剤および/または浸透促進剤が比例的に分散されて、皮膚接触面から薬物不浸透層に向かって増加する濃度勾配を形成するパッチである。
ポリマーマトリックス/薬物リザーバー
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、薬物リザーバーが固体、懸濁液または溶液形態で存在する医薬経皮製剤を記載している。いくつかの実施形態では、薬物リザーバーが固体ポリマーマトリックスを含む。いくつかの実施形態では、薬物を分散または押出法によってポリマーマトリックスに充填する。さらなる実施形態では、薬物製剤を射出成形、スプレーコーティング、マイクロカプセル化または当技術分野で既知の他の技術によりリザーバーに導入する。
いくつかの実施形態では、ポリマーが装置からの薬物の放出を制御する。いくつかの実施形態では、薬物の放出を充填用量およびポリマーをおおよそ選択することによって制御する。マトリックスまたはリザーバーを形成するために使用されるポリマーの例としては、それだけに限らないが、アミド化ペクチン、カルボマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸セルロース、コポビドン、架橋ポリエチレングリコール、エチルセルロース、オイドラギットE−100、オイドラギットNE−40D、オイドラギットRL100、オイドラギットRL PM、オイドラギットRS100、オイドラギットRS PM、オイドラギットS−100、グアーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、プルロニックレシチンオルガノゲル、ポリカルボフィル、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびキサンタンガムが挙げられる。
速度制御膜
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、経皮パッチが薬物を封入するための不活性膜を含有する。特定の実施形態では、不活性膜が薬物の拡散の速度を制御する。これらの不活性膜を形成するために使用されるポリマーの例としては、それだけに限らないが、アルギン酸アンモニウム、ベントナイト、キトサン、コラーゲン、コポビドン、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、乳酸エチル、エチレン酢酸ビニル、ゼラチン、ヒドロキシピロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)コポリマー、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリメタクリレート、ポリウレタン、シェラックおよびシリコンゴムが挙げられる。
いくつかの実施形態では、速度制御膜が約0.5〜5mm厚さ、好ましくは約1〜3mm厚さである。具体的な実施形態では、速度制御膜がエチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリ酢酸ビニルまたはポリプロピレンを含む。いくつかの例では、充填が約5〜50mg/cmであり、約0.01〜5mg/cmの乾燥充填をもたらす。
浸透促進剤
本明細書に記載されるいずれの経皮製剤も場合により浸透促進剤を含む。いくつかの実施形態では、浸透促進剤が角質層のタンパク質および/または脂質構造を変化させ、それによって薬物の浸透性を増加させる。いくつかの例では、皮膚浸透促進剤が皮膚浸透性の一時的な可逆的増加を誘導する。経皮浸透促進剤の例としては、それだけに限らないが、脂肪酸、このような脂肪酸のモノグリセリドエステル、C8〜18アルキルサッカライド(例えば、n−オクチル−β−D−フルコピラノシド(flucopyranoside)、n−ラウリル−β−D−グリコピラノシド等)、C8〜18アシルカルニチン、C1〜14アルキルメチルスルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド等)、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロパノールデカノエート、1−ブチルピロリドン、1−エチルピロリドン、2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン(SEPA)、2−ピロリドン、アラキドン酸、アネトール、Brij32、50、58、72、97、700、カプリル酸、カプリン酸、カラウェー油、カルダモン油、カルバクロール、シネオール、crovolA40、crovolPK40、デシルアルコール、ジエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジペンテン、d−リモネン、ドデシルアルコール、ドデシルアミン、エタノール、酢酸エチル、エトキシ化トリグリセリド、エチルデカノエート、エチルオレエート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、labrafac、labrafil、labrafil1944、ラウリン酸、ラウロカプラム(アゾンまたは1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)、ラウログリコール、ラウリルアルコール、レモン油、リノール酸、リノレン酸、メントール、メタノール、鉱物油、ミリスチン酸、ミリスチルアルコール、N,N−ジメチルアミノアセテート、N−デシルメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、フェネチルアミン、plurol olieque CC497、プルロニック、p−メンタン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールオレアミン、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンエーテル、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ソルビタンモノラウレート、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリルアミン、チモール、トランスクトール、トリカプリリン、トリエチルアミン、tween80およびβ−シクロデキストリンが挙げられる。
浸透促進剤は、治療される対象の皮膚を損傷しない量で使用する。いくつかの実施形態では、パッチ中の重量/重量比(薬物):(浸透促進剤)が10:1〜10:1に及ぶ。いくつかの実施形態では、パッチ中の重量/重量比(薬物):(浸透促進剤)が約1:1〜約1:5に及ぶ。
感圧接着剤(PSA)
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、経皮パッチが1種または複数の感圧接着剤(PSA)を含有する。いくつかの実施形態では、PSAが、穏やかな圧力の印加により経皮パッチと皮膚表面との間の密着を維持する。感圧接着剤の非限定的例としては、イソプロピルミリステート、メタクリルアミド、メタクリル酸、N−アルコキシアルキルまたはN−アルキル−アクリルアミド、ポリ(エチレン/ブチレン)−ポリスチレン、ポリ(エチレン/ポリプロピレン)−ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリスチレン、シリコーン系接着剤およびスチレン−ブタジエンが挙げられる。いくつかの実施形態では、接着層が薬物適合性、低アレルギー性感圧接着剤ポリマーを含む。特定の実施形態では、接着剤の周辺リングがシステムから皮膚までの経路の外側にある。このような例では、接着剤が薬物適合性である必要はない。
裏打ちラミネート
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、1つまたは複数の裏打ちラミネートをさらに含む医薬経皮パッチを記載している。いくつかの実施形態では、裏打ちラミネートが経皮パッチを支持する。特定の実施形態では、これらの積層体が高い可撓性、優れた酸素透過および/または高い水蒸気透過率を有する。経皮パッチに使用される裏打ちラミネートの例としては、それだけに限らないが、アルミニウム蒸気被覆層およびポリエステルフィルム、エチルセルロース、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルが挙げられる。いくつかの実施形態では、プラスチックラミネート(例えば、ポリエステルフィルムラミネートまたはポリエステル−ポリウレタンフィルム)である。さらなるまたは追加の実施形態では、裏打ちが薬物不浸透性である。
剥離ライナー
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される経皮製剤が剥離ライナーを含む。いくつかの実施形態では、パッチが皮膚に適用されるまで、剥離ライナーがパッチを保護する。経皮パッチに使用される剥離ライナーの例としては、非閉塞性(紙織物)、閉塞性(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル)、シリコーンまたはテフロン(登録商標)、ポリエステル箔および金属化ラミネートが挙げられる。
溶媒
本明細書に記載されるいずれの経皮製剤も、場合により1種または複数の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒を利用して薬物リザーバーを調製する。経皮パッチに使用される溶媒の非限定的例としては、アセトン、ブタノール、ブチレングリコール、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、エチルメチルケトン、エチルオレエート、イソプロパノール、ラウリルアルコール、リノレニルアルコール、メタノール、オクチルドデカノール、1−プロパノール、プロピレングリコール、ゴマ油およびテトラヒドロフランが挙げられる。
可塑剤
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、1種または複数の可塑剤をさらに含む医薬経皮パッチを記載している。いくつかの実施形態では、可塑剤が経皮パッチの可撓性または可塑性を改善する。可塑剤の例としては、それだけに限らないが、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、安息香酸ベンジル、クロロブタノール、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、ミリスチン酸イソプロピル、グリセリン、マンニトール、鉱物油およびラノリンアルコール、ワセリンおよびラノリンアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、トリアセチン、クエン酸トリブチルおよびクエン酸トリエチルが挙げられる。
他の添加剤
上記いずれの適当な薬物リザーバーも、場合によりさらなる成分を含む。パッチ中での細菌、酵母および真菌などの微生物の増殖を防ぐために、保存剤を場合により添加する。適当な保存剤には、それだけに限らないが、安息香酸、ソルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素(=Germall 115(登録商標))およびジアゾリジニル尿素(=Germall II(登録商標))、フェノキセトール、ベンジルアルコール、四級化合物、例えば、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などが挙げられる。保存剤の濃度は0.05%〜1%、具体的には0.1%〜0.5%に及び、最も具体的には約0.2%である。
薬物リザーバーを当技術分野で既知の手順にしたがって滅菌してもよい。薬物リザーバーを、ガンマ線の照射により滅菌してもよい。薬物溶液を無菌濾過し、次いでオートクレーブ処理により滅菌してもよい。
いくつかの実施形態では、パッチが場合により安定剤(EDTA)、抗酸化剤(BHT、BHA)、粘度調整剤、界面活性剤(特に非イオン性)、水和剤(尿素)および/または同様の成分を含む。
一実施形態では、本発明は、有効量の式I、II、IIIまたはIVの化合物(例えば、5E,9E,13Eゲラニルゲラニルアセトン)を含む薬物デポーまたはパッチなどの徐放製剤を提供する。別の実施形態では、パッチが、α−トコフェロールの存在下、アラビアゴムまたはヒドロキシプロピルセルロースを別々にまたは組み合わせてさらに含む。好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースが10000〜100000の平均MWを有する。別の実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースが5000〜50000の平均MWを有する。種々の実施形態では、パッチが、約12時間血漿中で治療上有効量のGGAを維持するのに十分な量のGGA、好ましくはその(5E,9E,13E)異性体を含有する。他の実施形態では、GGAが、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも99%のGGAの(5E,9E,13E)異性体を含む。
経皮パッチを種々の物理化学的インビトロおよびインビボ特性について試験する。薬物充填パッチの厚さを、顕微鏡、ダイアルゲージ、ネジゲージまたはマイクロメータを使用して測定する。通常、測定を異なる点で行う。10個のランダムに選択したパッチを秤量し、平均重量を計算することにより、重量変動を個々に試験する。いくつかの例では、経皮パッチの水分含量を、乾燥法またはカール・フィッシャー滴定で重量損失により測定する。いくつかの例では、パッチを高湿度条件に暴露し、固定の時点後の重量増加を測定することにより、経皮パッチによる水分取り込みを測定する。経皮パッチの平坦度を以下の通り測定する:(i)中心から1つの細片を切り取り、パッチの両側から2つの細片を切り取る;(ii)各細片の長さを測定し、長さの変動を、収縮百分率を決定することにより測定する。0%収縮を100%平坦度とみなす。
膜が破壊するまで、膜を同じ所で繰り返し折ることにより、耐折性を測定する。破壊することなく同じ所でパッチを折ることができる回数が耐折性値である。
引張強さを測定するために、膜の一端を鉄スクリーンの助けを借りて固定しておき、他端を滑車上の自由可動性糸に接続する。糸の吊り下がった端に結合した皿に分銅を徐々に添加する。糸上のポインターを使用して膜の伸長を測定する。膜を破壊するのにちょうど十分な重量を記録する。以下の式:引張強さ=F/a.b(1+L/l)(式中、Fは破壊するのに必要な力であり;aは膜の幅であり;bは膜の厚さであり;Lは膜の長さであり;lは破壊点での膜の伸長である)を使用して引張強さを計算する。
本明細書では、水蒸気透過(WVT)を測定するための試験も提供される。いくつかの例では、塩化カルシウム1gを、等直径を有する予め乾燥した空のバイアルに入れる。ポリマー膜をシリコーン接着剤グリースなどの接着剤の助けを借りてブリム上に貼り、接着剤を5分間硬化させる。バイアルを正確に秤量し、68%RHに維持した湿度室に入れる。1日目、2日目、3日目から最大7連続日後のバイアルの重量の増加を、パッチを透過した水分の定量的尺度とみなす。いくつかの例では、以下の式:WVT=W/ST(式中、Wは異なる時間間隔での重量の増加であり;Sは露出した膜の面積(cm)であり;Tは露出時間である)を使用してWVTを計算する。
走査型電子顕微鏡を使用して膜中の薬物およびポリマーの分布を試験する。各試料の断片を切断し、次いで、両面接着テープを使用してスタブ上にマウントする。次いで、断片を、微塗工イオンスパッタを使用して金パラジウム合金で被覆してこれらを導電性にする。次いで、断片を走査型電子顕微鏡下で調査する。
180°角度で基板に貼られた片面被覆テープを引っ張るのに要する力を測定することによって、経皮パッチの剥離接着特性を試験する。基板上に残留物がなければ試験に合格する。
タック性には、ポリマーがわずかな圧力で基板に接着する能力が含まれる。タックは、ポリマーの分子量および組成ならびにポリマーへの粘着付与樹脂の使用に依存する。タックは、親指タック試験、ローリングボール法、クイックスティック法およびプローブタック法などの異なる手法により測定される。接着剤から親指を離すのに要する力を親指タック法で測定する。ローリングボール法は、ステンレス鋼ボールが接着剤に上向きに移動する距離の測定を含む。接着剤が粘着性でないほど、ボールが遠くに移動する。クイックスティック(剥離タック)法では、12インチ/分の速度で基板をテープから90°で引き離すことにより、接着剤と基板との間の結合を破壊するのに要する剥離力を測定する。プローブタック試験は、一定速度でプローブを接着剤から引き離すのに要する力を測定する。
せん断強度性はまたは耐クリープ性を測定して、接着剤被覆テープをステンレス板から引き離すのにかかる時間を測定することにより決定される接着剤ポリマーの凝集強度を決定する。
正確に秤量した膜の一部を、薬物が可溶性である特定の体積の適当な溶媒に溶解することにより薬物含量を測定し、濾過溶液を適当な分析法(UV、HPLC)により分析する。
含量均一性も測定する。いくつかの例では、約10個のパッチを選択し、適当な分析法(UV、反射率、HPLC)により個々のパッチについて含量を測定する。
本発明による適当なパッチは、長期間にわたって約5〜100cm、約10〜50cmまたは約20cmの無傷の皮膚を通して、および約0.5〜20μg/cm.時間の範囲内の速度または約1〜5μg/cm.時間の範囲内の速度で、式I、II、IIIまたはIVの化合物(例えば、5E,9E,13Eゲラニルゲラニルアセトン)を送達する。このように送達する場合、薬物送達装置の表面積を適切に選択することにより、安全かつ有効な剤形を維持しながら、個々の患者の必要のために十分な滴定の範囲を提供する総薬物投入速度を得ることが可能である。本明細書に記載される実施形態による適当なパッチは、最大で10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、1日、18時間、12時間、10時間または6時間の投与を可能にするのに十分な化合物および任意の順列促進剤を含む。
いくつかの実施形態では、経皮パッチまたはシステムが、数時間〜数日の期間に及ぶ長期間、制御された量の化合物を患者に送達する。いくつかの実施形態では、GGAの全一日量が約5〜約500mg、約5〜約250mg、約5〜約100mg、約5〜約75mg、約100〜約500mg、約100〜約250mg、約25〜約250mg、約25〜約100mg、約25〜約75mgまたは約30〜60mgに及ぶ。いくつかの実施形態では、GGAの全一日量が約2〜約8mgまたは約0.5〜約2mgに及ぶ。いくつかの例では、経皮パッチが連続制御速度での化合物の投与をもたらし、過剰なピークレベルを回避する。いくつかの実施形態では、経皮投与によりマイナスの副作用が緩和される。いくつかの例では、装置が、同時に未使用および枯渇システム中の薬物の量を最小に保ちながら、少なくとも24時間実質的に一定速度で薬物を送達する。いくつかの実施形態では、システム自体が、薬物が皮膚を通して送達される最高速度を制御する。
浸透促進剤の存在下で式I、II、IIIまたはIVの化合物(例えば、5E,9E,13Eゲラニルゲラニルアセトン)を、長期間、治療上有効速度で経皮経路を介して人体に投与する。いくつかの実施形態では、投与速度が長期間の実質的な部分にわたって10〜400μg/時間の範囲にある。いくつかの例では、定常状態投与速度が約10〜300μg/時間または約25〜150μg/時間である。
治療方法
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、神経疾患を治療する方法を記載している。いくつかの例では、神経疾患が神経炎症により特徴づけられる。このような神経疾患の例としては、それだけに限らないが、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、プリオン病(クールー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群など)および脊髄損傷が挙げられる。本明細書では、いくつかの実施形態で、視神経症、緑内障、視神経変性、加齢性黄斑変性(AMD)および眼筋麻痺などの視覚障害を治療する方法も提供される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、てんかん発作中の神経系死を防止する医薬製剤を提供する。上記いずれの医薬製剤および/または化合物も本明細書に記載される方法に有用である。
本明細書では、いくつかの実施形態で、神経系死を阻害するおよび/または神経活性を増加させるために、場合により少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と共に、有効量の好ましくは(5E,9E,13E)配置を有する1種または複数の式I、II、IIIまたはIVの化合物を使用する方法が提供される。いくつかの実施形態では、化合物、式I、II、IIIまたはIVがトランス−GGAまたは合成トランス−GGAである。例えば、限定されないが、本明細書で提供される方法は、1種または複数の式I、II、IIIまたはIVの化合物を使用して神経疾患または損傷の進行を妨げることを記載している。
一態様では、前記ニューロンを医薬組成物と接触させることによってニューロンの軸索成長を増加させる方法が本明細書で提供される。いくつかの場合、神経疾患がニューロン間のシグナル伝達の障害をもたらす。いくつかの場合、この障害が一部は軸索投射の成長の減少によるものである。いくつかの実施形態では、ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、軸索成長が促進される。いくつかの実施形態では、式I、II、III、IVの化合物またはGGAが、神経疾患に苦しむニューロンの軸索成長を回復させる。関連する実施形態では、前接触ニューロンが、軸索成長能力の低下を示す。
本明細書で提供される一実施形態は、神経細胞死を受けやすいニューロンの細胞死を阻害する方法であって、前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法を記載している。神経細胞死を受けやすいニューロンには、神経疾患の特徴を有するものおよび/または損傷もしくは毒性ストレスを受けたものが含まれる。細胞に対する毒性ストレスを作り出す1つの方法は、ドーパミンと神経芽細胞腫細胞などのニューロンを混合することによるものである。毒性ストレスの別の源は酸化ストレスである。酸化ストレスは神経疾患または損傷から生じ得る。MTTアッセイまたは当業者に一般的に知られている他の技術により測定されるように、ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、その死が阻害されると考えられる。
別の態様では、前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させることにより、ニューロンの神経突起成長を増加させる方法が存在する。「神経突起」という用語は、軸索と樹状突起の両方を指す。神経疾患は、ニューロン間のシグナル伝達の障害をもたらすおそれがある。いくつかの場合、この障害が一部は軸索および/または樹上突起投射の成長の減少によるものである。ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、神経突起成長が促進されると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、神経疾患に苦しむニューロン内で成長した神経突起を回復させるとさらに考えられる。関連する実施形態では、前接触ニューロンが、神経突起成長能力の低下を示す。
本発明の一実施形態は、ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させることにより、ニューロンからの1種または複数の神経伝達物質の発現および/または放出を増加させる方法に関する。ニューロンを有効量の式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、1種または複数の神経伝達物質の発現レベルが上昇すると考えられる。ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、ニューロンからの1種または複数の神経伝達物質の放出が増加するとも考えられる。1種または複数の神経伝達物質の放出は、1種または複数の神経伝達物質を含有する分泌小胞が細胞膜に融合し、これにより神経伝達物質がニューロンの外に向けられる開口分泌過程を指す。神経伝達物質の発現および/または放出の増加がニューロンのシグナル伝達強化をもたらし、そうでなければ神経伝達物質の発現または放出のレベルが疾患によって低下すると考えられる。発現および放出の増加は、当業者に一般的に知られている分子技術により測定することができる。
本発明の一実施形態は、ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させることにより、ニューロンのシナプス形成を誘導する方法に関する。シナプスは2つのニューロンの間の接合部である。シナプスは、神経機能に必須であり、あるニューロンから次のニューロンへのシグナルの伝達を可能にする。したがって、神経シナプスの増加は、2つ以上のニューロン間のシグナル伝達の増加をもたらす。ニューロンを有効量の式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、ニューロンのシナプス形成が増加し、そうでなければ神経疾患の結果としてシナプス形成減少を経験すると考えられる。
本発明の別の実施形態は、ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させることにより、ニューロンの電気興奮性を増加させる方法に関する。電気興奮性は、2つ以上のニューロンの間のコミュニケーションの1つの様式である。ニューロンを有効量の式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、ニューロンの電気興奮性が増加し、そうでなければ電気興奮性および神経コミュニケーションの他の様式が神経疾患により損なわれると考えられる。電気興奮性は、当業者に一般的に知られている電気生理学的方法により測定することができる。
上の前の3つの段落のそれぞれで、式I、II、III、IVの化合物またはGGAの投与が、ニューロン間のコミュニケーションを増加させ、したがって、いくらかの認識能力を保持しながら、認知症のリスクがあるまたは初期もしくは部分的認知症に罹患している哺乳動物の認知能力の喪失を阻害する方法を提供する。哺乳動物の初期または部分的認知症は、その哺乳動物がまだいくらかの認識能力を示すが、その能力が失われつつあるおよび/または経時的に低下するものである。方法は、有効量の式I、II、III、IVの化合物またはGGAを前記患者に投与するステップを含む。
別の実施形態では、本発明は、ニューロンの間、外側または内側の病原性タンパク質凝集体の形成またはさらなる形成によるニューロンの死を阻害する方法であって、前記病原性タンパク質凝集体がSBMAに関連しない限り、前記病原性タンパク質凝集体を発達させるリスクがある前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。本発明の一実施形態では、病原性タンパク質凝集体がニューロンの間または外側に形成する。本発明の別の実施形態では、病原性タンパク質凝集体が前記ニューロンの内側に形成する。本発明の一実施形態では、病原性タンパク質凝集体が、細胞に対する毒性ストレスの結果である。細胞に対する毒性ストレスを作り出す1つの方法は、ドーパミンと神経芽細胞腫細胞などのニューロンを混合することによるものである。MTTアッセイまたは当業者に一般的に知られている他の技術により測定されるように、ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、その死が阻害されると考えられる。
本発明の別の実施形態は、病原性細胞外タンパク質凝集体からニューロンを保護する方法であって、前記ニューロンおよび/または前記病原性タンパク質凝集体を本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。本発明の一実施形態では、前記ニューロンおよび/または前記病原性タンパク質凝集体を本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップ。いかなる理論にも限定されないが、ニューロンおよび/または病原性タンパク質凝集体を式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させるステップにより、細胞の間、外側または内側に存在する病原性タンパク質凝集体の少なくとも一部が可溶化されると考えられる。ニューロンおよび/または病原性タンパク質凝集体を式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させるステップにより、病原性タンパク質凝集体が非病原性ではなくなるように変えられるとさらに考えられる。タンパク質凝集体の非病原性形態は、ニューロンの死または機能性の喪失に寄与しないものである。細胞培養または哺乳動物のいずれかでニューロンの保護を測定するための多くのアッセイが当業者に知られている。1つの例は、MTTアッセイによる増加した細胞生存率の測定である。別の例は、例えば、カスパーゼまたはヨウ化プロピジウムなどの細胞死指示分子についてインビトロまたはインビボでニューロンを免疫染色することによるものである。
本発明のさらに別の実施形態は、ニューロンを病原性細胞内タンパク質凝集体から保護する方法であって、前記タンパク質凝集体がSBMAに関連しない限り、前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。この方法は、病原性タンパク質凝集体が核内である神経疾患またはタンパク質凝集体がSBMAに関連する疾患の負の効果を阻害または低減することを意図していない。SBMAは病原性アンドロゲン受容体の蓄積によって引き起こされる疾患である。SBMAの病原性タンパク質凝集体はポリグルタミンを含有し、核内に形成されるので、SBMAは本出願で言及されている神経疾患とは異なる。SBMAはまた、タンパク質凝集体がアンドロゲン受容体タンパク質の蓄積から形成されるので、本出願に記載される神経疾患とは異なる。ニューロンを有効量の式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、病原性タンパク質凝集体が非病原性形態に変化すると考えられる。
本発明の一実施形態は、ニューロン内のGタンパク質の活性を調節する方法であって、前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、細胞下局在化が変化し、したがって細胞内のGタンパク質の活性が変化すると考えられる。本発明の一実施形態では、ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、ニューロン内のGタンパク質の活性が増加する。式I、II、III、IVの化合物またはGGAをニューロンと接触させることにより、Gタンパク質の発現レベルが上昇すると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAをニューロンと接触させることにより、生物活性を及ぼすために存在しなければならない細胞膜への細胞下局在化を変化させることによってGタンパク質の活性が増加するとも考えられる。
本発明の一実施形態は、死のリスクがあるニューロン内のGタンパク質の活性を調節または増加させる方法であって、前記ニューロンを本明細書で提供される医薬組成物と接触させるステップを含む方法に関する。ニューロンは、ALSに関連する遺伝子変化の結果として死のリスクがある場合がある。1つのこのような遺伝子変異には、TDP−43タンパク質の枯渇がある。TDP−43が枯渇したまたはALSに関連する他の遺伝子変異を有するニューロンは、式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触した後に、Gタンパク質の活性の増加または変化を有すると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、生物活性を及ぼすために存在しなければならない細胞膜への細胞下局在化を変化させることによってこれらの細胞内のGタンパク質の活性の増加をもたらすとさらに考えられる。
本発明の別の実施形態は、β−アミロイドペプチドを本明細書で提供される医薬組成物と接触させることにより、β−アミロイドペプチドの神経毒性を阻害する方法に関する。本発明の一実施形態では、β−アミロイドペプチドがニューロンの間または外側にある。本発明のさらに別の実施形態では、β−アミロイドペプチドがβ−アミロイド斑の一部である。ニューロンを式I、II、III、IVの化合物またはGGAと接触させることにより、β−アミロイド斑の少なくとも一部が可溶化され、したがってその神経毒性が低下すると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、β−アミロイドペプチドがもはや細胞に対して毒性でなくなるようにβ−アミロイドペプチドを変化させることによってその毒性を低下させるとさらに考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、ニューロン内の熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導するとも考えられている。HSPは、グリア細胞などの支持細胞で誘導されるとも考えられる。ニューロンまたはグリア細胞内の誘導された熱ショックタンパク質は、細胞外に伝達され、細胞外タンパク質凝集体を溶解するよう作用し得る。細胞生存率は、当業者に既知の標準的アッセイにより測定することができる。細胞生存率を測定するためのアッセイの1つのこのような例にMTTアッセイがある。別の例にMTSアッセイがある。タンパク質凝集体の調節は、当業者に一般的に知られている免疫染色または組織学的染色により可視化することができる。
本発明の一実施形態は、神経疾患に罹患している哺乳動物の神経系死を阻害するおよび神経活性を増加させる方法であって、前記神経疾患の病因がニューロンに病原性のタンパク質凝集体の形成を含み、前記哺乳動物に本明細書で提供される医薬組成物を投与するステップを含む方法に関する。この方法は、病原性タンパク質凝集体が核内である神経疾患またはタンパク質凝集体がSBMAに関連する疾患の神経系死を阻害するおよび神経活性を増加させることを意図していない。
ADおよびALS疾患などの神経疾患は、神経細胞の内側の細胞質または2個以上の神経細胞間の細胞外空間のいずれかのタンパク質凝集体という共通の特性を有する。本発明は、式I、II、III、IVの化合物またはGGAを使用してタンパク質凝集体の形成を阻害するまたは病原性タンパク質凝集体を非病原性形態に変化させる方法に関する。これによりこれらの神経疾患に関連する症状のいくつかが減弱すると考えられる。
一実施形態では、哺乳動物が、神経疾患に苦しむヒトである。本発明の一実施形態では、阻害または低減される神経疾患の負の効果がALSである。ALSは運動ニューロンの機能性の喪失により特徴づけられる。これにより、筋運動を制御することができなくなる。ALSは典型的には核内タンパク質凝集体を示さない神経変性疾患である。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、細胞質であり、核内でなく、SBMAに関連しない、細胞外または細胞内タンパク質凝集体の形成を防止または阻害すると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、病原性タンパク質凝集体を非病原性形態に変化させるとも考えられる。ALSを診断する方法は当業者に一般的に知られている。さらに、ALSを診断する方法を記載している多数の特許が存在する。これらには、両方とも全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5851783号および米国特許第7356521号が含まれる。
本発明の一実施形態では、阻害または低減される神経疾患の負の効果がADである。ADは、典型的には核内タンパク質凝集体を示さない神経変性疾患である。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、細胞外または細胞内タンパク質凝集体の形成を防止または阻害すると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、病原性タンパク質凝集体を非病原性形態に変化させるとも考えられる。ADを診断する方法は当業者に一般的に知られている。さらに、ADを診断する方法を記載している多数の特許が存在する。これらには、両方とも全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6130048号および米国特許第6391553号が含まれる。
別の実施形態では、哺乳動物がマウスなどの実験室研究哺乳動物である。本発明の一実施形態では、神経疾患がALSである。ALSについての1つのこのようなマウスモデルにSod1変異遺伝子を有するトランスジェニックマウスがある。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、変異Sod1遺伝子を有するマウスに投与すると、運動技能および体重を増加させると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAをこのマウスに投与すると、Sod1変異マウスの生存率が上昇するとさらに考えられる。運動技能は、当業者に既知の標準的技術により測定することができる。本発明のさらに別の実施形態では、神経疾患がADである。ADについてのトランスジェニックマウスモデルの1つの例にAPP(アミロイドβ前駆体タンパク質)を過剰発現しているマウスがある。式I、II、III、IVの化合物またはGGAをトランスジェニックADマウスに投与すると、前記マウスの学習および記憶技能が改善されると考えられる。式I、II、III、IVの化合物またはGGAは、ニューロンの内側、間または外側に見られるβ−アミロイドペプチドおよび/または斑の量および/またはサイズを減少させるとさらに考えられる。β−アミロイドペプチドまたは斑は、免疫染色または他の染色技術により組織切片で可視化することができる。
本発明の一実施形態では、式I、II、III、IVの化合物またはGGAを哺乳動物に投与することにより、存在する病原性タンパク質凝集体が非病原性形態に変化する。本発明の別の実施形態では、式I、II、III、IVの化合物またはGGAを哺乳動物に投与することにより、病原性タンパク質凝集体が形成するのを防止する。
本発明の別の態様は、それを必要とする哺乳動物の発作を減少させる方法であって、本明細書で提供される医薬組成物を投与し、それによって発作を減少させるステップを含む方法に関する。発作の減少は、発作の発生率および/または重症度を減少させることを指す。一実施形態では、発作がてんかん発作である。別の実施形態では、本発明の方法がてんかん発作中の神経系死を防止する。発作の重症度は、当業者が測定することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤が、種々の器官、例えば、目、脳および心臓への細胞保護効果を及ぼす(例えば、Ishii Y.ら、Invest Ophthalmol Vis Sci 2003;44;198292;Tanito Mら、J Neurosci 2005;25:2396〜404;Fujiki Mら、J Neurotrauma 2006;23:1164〜78;Yasuda Hら、Brain Res 2005;1032:176〜82;Ooie Tら、Circulation 2001;20;104:1837〜43;およびSuzuki Sら、Kidney Int 2005;67:2210〜20参照)。
特定の態様では、本明細書に記載される方法が、インビトロで式I、II、III、IVの化合物もしくはGGAまたはこれらの異性化合物もしくは組成物を投与することに関する。他の態様では、投与がインイボである。さらに他の態様では、インビボ投与が哺乳動物に対するものである。哺乳動物には、それだけに限らないが、ヒトならびに例えば、マウス、ラット、イヌ、ブタ、ネコおよびウサギなどの一般的な実験室研究動物が含まれる。
本明細書に記載される本発明の化合物、組成物および方法は、両方とも全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際出願番号:国際公開第2012/031028号および2012年2月29日出願の「GERANYLGERANYLACETONE DELIVATIVRS」と題された国際PCT出願中に見られる開示を含む。
実施例
実施例1.経皮製剤
(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン10gおよびオレイン酸50gを攪拌することによって100mlプロピレングリコールに溶解する。この溶液を、混合しながら、水性アクリレート接着剤分散液に添加する。接着性増粘剤を添加し、得られた混合物を均質になるまで攪拌する。次いで、混合物をポリエステル膜ラミネートなどの不浸透性裏打ち上に塗布し、乾燥させる。剥離ライナー(例えば、シリコーン処理したプラスチックシート)を接着層に積層する。最終シートをダイカットして、それぞれ個々にパッケージ化された、約20mgの(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを含む約20cmの経皮装置を形成する。
実施例2.2種の経皮パッチ製剤の開発
GGAの2種の開発製剤への組み込み−厚さ制御
以下のデータは、神経障害を患っている患者で、GGAを長期間投与して本発明によるGGAの経皮投与を達成することができることを示している。GGAを添加する前に、湿潤膜厚さならびにその乾燥膜厚さ、GGA量および残りの賦形剤との関係を計算するためにモデルを確立した。このモデルにより、そこから正確な試料調製のために湿潤膜重量および組成が計算される所望の膜厚さを入力することが可能になる。表1は例を示している。
Figure 2015508821
GGA膜流延
表1に示される計算スキームを使用して、2種のGGA製剤(2gバッチ)を調製した。両製剤は光学的に透明であった。試験番号6の製剤を60℃で9744剥離ライナー上に流延した一方で、番号4を、粘度を調節するためにテトラヒドロフランを使用して周囲温度で流延した。粘着性、剥離、溶解およびHPLC試験のために、同様の製剤の第2のバッチを調製した。さらに、コヨーテの動物試験のために、2種の4cm×7cmパッチ(一方は番号4を使用し、他方は番号6の製剤を使用した)を調製した。
GGA膜(2種の製剤)の粘着性および接着性試験
(a)a.ローリングボール粘着性試験
本発明者らは、21.5°のローリングボールスライダを使用した粘着性試験のUSPガイドラインにしたがって、試験番号4および番号6の製剤の粘着性を試験し、FDA承認接着剤裏打ち(3M 9699)と比較して2種の原型製剤の許容性を定性的に評価した。表2は結果を示している。
Figure 2015508821
90°および180°剥離試験
パッチを、ベンチトップに対して90°および180°の剥離角度でステンレス鋼(番号304)表面に接着した。本発明者らは、標準(3M 9699)に適した適当な分銅をのせることにより、原型製剤の剥離減少を定性的に評価した。表3は結果および本発明者らの評価を示している。
Figure 2015508821
HPLC試験
溶解
3.2cm×3cmパッチを調製し(10mgGGAを含有)、47mm直径のPTFE Pall膜に接着した。次いで、集合体を2つのピンにとめて膜−パッチ集合体を容器の底に沈め、固定位置にとどまらせた。試料を引き出し、GGA濃度を検出するために極性モードに設定したHPLC屈折率検出器で検出し、本発明者らの具体的な溶解条件下で50%の放出を表す0.05mg/mL標準溶液と比較した。
屈折率検出器HPLC試験
図1Aおよび図1Bの2つのクロマトグラム(0.05mg/mLの1標準および24時間の時点で採取した1試料)は、溶解結果を示している。膜中のほとんど全てのGGAがこの特異的溶解設定(すなわち、媒体としてアセトニトリル)にしたがって放出された。
上記データは、GGA経皮パッチ製剤を開発することが、9744剥離ライナーと結合した3Mの9699裏打ちによって技術的に実行可能であることを示している。さらに、オレイン酸は周知のSPEであり、所望のGGA量を含有するDuro Tak系マトリックスシステムと混和性であるように思われる。
実施例3.経皮浸透のインビトロ試験
無毛ラット(Kfa credo)の新たに切除した全厚腹部皮膚をマウントした垂直の、2コンパートメント拡散セル集合体を使用したインビトロモデルをこの試験に使用する。ドナー溶液は、1.5mLの体積を有し、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンの化合物、溶媒および浸透促進剤を含んでいた。全実験の受容体溶液は、アジ化ナトリウムを含むハンクス平衡塩類溶液(Gibco BRL)からなる。皮膚浸透プロファイルに、最大で50時間、受容体溶液のサンプリングおよび薬物濃度のアッセイが続く。
受容体コンパートメント中で検出される累積量と皮膚面積の比(ng/cm)を時間の関数でプロットし、種々の溶媒および皮膚浸透促進剤の存在下で皮膚を通る(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンの流束を、プロットした結果の直線部分から推定する。
実験1:ホウ酸塩緩衝液pH10、0.1M+40mg/mLの(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン
実験2:ホウ酸塩緩衝液pH10、0.1M(900μl/l)+エタノール(95%;100μl/ml)+(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン(100μg ml)
実験3:プロピレングリコール+ユーカリ油(0%、1%、5%)+(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン10mg/ml
実験4:プロピレングリコール+オレイン酸(OA)またはラウリン酸(LA)(0%、5%)+(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン10mg/ml
実施例4.経皮パッチのインビトロ試験
種々のインビトロ法および薬物放出試験、すなわち、パドルオーバーディスク法(paddle over disc method)(USP装置5)、シリンダー修正USPバスケット法(USP装置6)および往復ディスク法(reciprocating disc method)(USP装置7)を使用して経皮パッチからの薬物の放出を測定する。パドルオーバーディスク法(USP装置5)は、経皮システムを32±5℃で媒体を含有する容器の底部に静止しているディスクまたはセルに接着させることを除いて、USPパドル溶解装置と同一である。シリンダー修正USPバスケット法(USP装置6)は、システムを32±5℃で媒体に浸漬した中空シリンダーの表面に接着させることを除いて、USPバスケット型溶解装置と類似である。往復ディスク法(USP装置7)では、ホルダーに接着したパッチを小体積の媒体中で振動させて装置が低濃度の薬物を送達するシステムに有用になるのを可能にする。
Franz拡散セルおよびKeshary−Chienセルなどの特別に設計された拡散セルを使用して、インビトロ浸透試験を行う。経皮パッチを受容体コンパートメントとドナーコンパートメントとの間に配置し、異なる時点で浸透した薬物の量を適当な分析法により測定する。
安定性試験を行って異なる製剤中の薬物含量に対する温度および相対湿度の影響を調査する。経皮製剤をICHガイドラインにより安定性試験に供する。
経皮パッチの皮膚過敏症反応または皮膚刺激を、白アルビノラット、マウスまたは白ウサギモデルで試験する。ホルマリンの0.8%v/v水溶液を標準的刺激剤として使用する。浮腫および紅斑について、ホルマリン処理群を薬物およびブランク処理群と比較する。
実施例5.ラットにおける30mgの式IIIの化合物のGGAを含む経皮パッチ製剤番号4の薬物動態
Sprague−Dawleyラットの背面の毛を除去して大きな禿げた領域を作り出して4cm×7cm経皮パッチ製剤番号4との完全に裸の皮膚接触を可能にした。パッチを貼り、血漿試料を24時間、72時間、120時間および168時間後に回収した。GGAの血漿中濃度を測定し、以下の表4に示す。
Figure 2015508821
経皮パッチ製剤番号4についての7日間にわたる曲線下の面積(AUC0〜168時間)は約1668ng時間/mlであった。
実施例6.ラットにおける30mgの式IIIの化合物のGGAを含む経皮パッチ製剤番号6の薬物動態
Sprague−Dawleyラットの背面の毛を除去して大きな禿げた領域を作り出して4cm×7cm経皮パッチ製剤番号6との完全に裸の皮膚接触を可能にした。パッチを貼り、血漿試料を24時間、72時間、120時間および168時間後に回収した。GGAの血漿中濃度を測定し、以下の表5に示す。
Figure 2015508821
経皮パッチ製剤番号6についての7日間にわたる曲線下の面積(AUC0〜168時間)は約1935ng時間/mlであった。
実施例7.経皮パッチのインビボ試験
インビボ試験を動物またはヒトモデルで行う。使用される最も一般的な動物種はマウス、無毛ラット、無毛イヌ、無毛アカゲザル、ウサギ、モルモットである。
血漿中濃度およびPKパラメータを経皮製剤PK試験で得る。WinNonlinソフトウェアおよび線形/対数台形法を使用してPKパラメータをノンコンパートメント分析(NCA)モデルから計算する。必要であれば、濃度−時点を計算に使用するために手動で選択する。
Figure 2015508821
本発明の組成物を、カイニン酸により誘導される神経変性を緩和する能力についてインビボで試験する。例えば、国際出願番号PCT/US2011/050071、上記を参照されたい。本発明の組成物をSprague−Dawleyラットに投与し、カイニン酸を注射する。発作挙動が観察およびスコア化される(例えば、R.J.Racine、Modification of seizure activity by electrical stimulation:II.Motor seizure,Electroencephalogr.Clin.Neurophysiol.21(1972)281〜294参照)。ラットの脳組織を組織スライド上で切片にし、海馬組織内のニューロンをニッスルで染色する。
第I相試験をヒト対象で行って安全性を決定し、第II相試験を行って患者における短期安定性、および主に有効性を決定する。第III相試験を多数の患者集団で行って安全性および有効性を試験する。第IV相試験または市販後調査試験を行って販売したパッチの有害薬物反応を検出する。

Claims (16)

  1. 神経疾患、障害または状態を治療する方法であって、前記神経疾患、障害または状態に罹患している対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与され、かつ前記(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する方法。
  2. それを必要とする対象の熱ショックタンパク質の発現を誘導する方法であって、前記対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与され、かつ前記(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する方法。
  3. それを必要とする対象の神経系死を阻害する方法であって、前記対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが経皮適用により前記対象に投与され、かつ前記(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する方法。
  4. 前記(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを本質的に含まないまたは含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 長期間、無傷の皮膚を通して(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを速度制御経皮投与するための医療用パッチであって、
    (a)(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンおよび(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを前記長期間、治療上有効速度で送達するのに十分な量の浸透促進剤を含む薬物リザーバーと;
    (b)薬物不浸透性裏打ちラミネートと
    を含む医療用パッチ。
  6. (5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、80:20を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する、請求項5に記載の医療用パッチ。
  7. (5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する、請求項5に記載の医療用パッチ。
  8. 前記浸透促進剤が、エタノール、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート、グリセリルモノオレエート、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ステアリン酸、tween80またはこれらの組み合わせである、請求項5に記載の医療用パッチ。
  9. 神経疾患、障害または状態に罹患している対象の皮膚に接着させるための接着性パッチ、治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン(前記化合物は前記パッチに分散している)と;前記化合物を前記パッチから前記対象の体内に導入するための少なくとも1種の浸透促進剤とを含む、神経疾患、障害または状態を治療するための装置。
  10. (5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、80:20を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する、請求項9に記載の装置。
  11. (5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが、90:10を超える(5E,9E,13E)と(5Z,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトン異性体の比で存在する、請求項5に記載の装置。
  12. 前記浸透促進剤が、エタノール、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート、グリセリルモノオレエート、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、オレイルアルコール、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ステアリン酸、tween80またはこれらの組み合わせである、請求項9から11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記神経疾患、障害または状態が、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症疾患、パーキンソン病または多発性硬化症である、請求項9から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 神経疾患、障害または状態を治療する方法であって、前記神経疾患、障害または状態に罹患している対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが請求項5から8のいずれか一項に記載の医療用パッチまたは請求項9から12のいずれか一項に記載の装置を含む経皮適用により前記対象に投与される方法。
  15. それを必要とする対象の熱ショックタンパク質の発現を誘導する方法であって、前記対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが請求項5から8のいずれか一項に記載の医療用パッチまたは請求項9から12のいずれか一項に記載の装置を含む経皮適用により前記対象に投与される方法。
  16. それを必要とする対象の神経系死を阻害する方法であって、前記対象に治療上有効量の(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンを投与するステップを含み、(5E,9E,13E)ゲラニルゲラニルアセトンが請求項5から8のいずれか一項に記載の医療用パッチまたは請求項9から12のいずれか一項に記載の装置を含む経皮適用により前記対象に投与される方法。
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