JP2015508783A - 内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害における視覚機能を改善するための治療的計画および方法 - Google Patents

内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害における視覚機能を改善するための治療的計画および方法 Download PDF

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Abstract

分割用量として2から7日の期間にわたって、合成レチナール誘導体を投与するステップ、次いで7から28日間の休止期間を提供するステップ、その後、第2用量の合成レチナール誘導体を投与するステップを含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において、視覚機能を改善するための治療計画。好ましい合成レチナール誘導体は、9−または11−シス−レチニルエステルである。内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏に関連する障害は、網膜色素変性症およびレーバー先天黒内障を含む。

Description

関連出願
本願は、2012年3月1日に出願した米国仮特許出願第61/605,729号、2012年5月3日に出願した米国仮特許出願第61/642,212号および2012年5月8日に出願した米国仮特許出願第61/644,360号に対する優先権の利益を主張する。これらの開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
開示の分野
本開示は、合成レチナール誘導体を対象に投与するステップを含む、内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害を有する対象において、視覚機能を改善するための治療的計画および方法を対象とする。
背景
遺伝性網膜疾患(IRD)は、11−シス−レチナールの産生、変換および/または再生を崩壊させる、またはこれに干渉する遺伝子変異によって引き起こされ、重度の視力障害および小児の盲目をもたらす。11−シス−レチナールは、網膜色素上皮(RPE)において、およびこれにより、オールトランスレチノール(食事により摂取されるビタミンA)の異性化および酸化により産生される内因性レチノイドである。11−シス−レチナールは、発色団として機能し、タンパク質のオプシンと共有結合して、イソロドプシンを形成する。視覚は、光量子が11−シス−レチナールにより捕捉され、オールトランスレチナールへの異性化がもたらされ、オプシンから解離すると開始される。視覚は、オールトランスレチナールが11−シス−レチナールに戻ることの循環により維持され、この循環は、レチノイドまたは視覚サイクルにおける、複数の酵素およびタンパク質を伴う複雑な一連の生化学反応により起こる。
視覚サイクルにおいて利用される酵素およびタンパク質をコードする遺伝子の変異により引き起こされるような内因性レチノイド欠乏は、11−シス−レチナールの合成を損なっており、その結果は、11−シス−レチナールの不足または枯渇による視覚障害につながる。
例えば、網膜色素変性症(RP)は遺伝性網膜疾患であり、桿体および錐体の光受容体細胞の変性を特徴とする(Hartong,D.T.ら、Lancet、368、1795−1809(2006))。RPにはさまざまな形態があり、それらはすべて時間と共に視覚性能にさまざまな制限を示し、疾患の過程および進行はかなりの個体差を示す。RPは、通常、夜盲症の初期症状、青年期または成人早期の発症、周辺視野の喪失および疾患の進行として、これが盲目または重度の視力障害につながり得る中心視野の喪失により特徴付けられる。症状の発症年齢は非常にばらつきがあり、幼児期から、成人中期に及ぶ。RPの疾患分類は、発症の年齢により実施することができ、例えば、先天性RP(時としてLCAと称される)、若年発症RP、十代発症RP、成人発症RPおよび後期発症RPである。ERG応答は、RPにおける桿体および錐体機能の喪失の早期指標であり、ERG応答の減退は、症状の出現がかなり後であるとしても、生後数年のうちに明らかになるであろう。
通常RPは、桿体の一次変性および錐体の二次変性として現れ、それ故に桿体−錐体ジストロフィーとして記載され、桿体は錐体より影響を受ける。光受容体が関与するこの連鎖により、一部のRP対象が初期に夜盲症を表し、晩年にのみ、すべての光条件下で視覚に障害をきたす理由が説明される。または、RPを有する対象の約10〜20%が錐体−桿体ジストロフィーを示す。
RPは、多数の異なる遺伝子およびこれらの関連する疾患経路における欠損により引き起こされ得る。現在、原因となる200を超えるRP変異が、100を超える異なる遺伝子において検出されている。
RP遺伝子型は異種性であり、同じ変異を有するRP対象も異なる表現型を示す可能性がある。RPは、遺伝型により、例えば、常染色体優性(ad)RP、常染色体劣性(ar)RP、X連鎖性(XL)または伴性劣性RP、散発性(sporadic)RP(単純RP;大部分は劣性である)または2遺伝子性(Digenic)RPにより分類することができる。RPは、現在少なくとも300,000個体が世界中で侵されていると推定され、そのうちおよそ20%〜30%が常染色体劣性(arRP)である。
近年、LRATおよびRPE65遺伝子の変異が、arRPまたはadRPを有するRP対象において発見されている。これらの特異的変異およびABCA4およびRDH12における変異は、視覚サイクルのレチノイド代謝における欠損と連鎖しており、光受容体変性をもたらし得る。内因性レチノイド欠乏、例えば、視覚サイクルにおいて利用される酵素およびタンパク質をコードする遺伝子の変異により引き起こされる内因性レチノイド欠乏は、11−シス−レチナールの合成を損ない、その結果は、11−シス−レチナールの不足および枯渇による視覚障害につながる。
RPE65遺伝子によりコードされるタンパク質は、レチノール結合タンパク質および11−シス−レチノール脱水素酵素と生化学的会合を有し、11−シス−レチナールの産生に不可欠である(Gollapalli,D.R.ら、Biochemistry.42(19):5809−5818(2003)およびRedmond,T.M.ら、Nat Genet.20(4):344−351(1998))。11−シス−レチナールは、網膜色素上皮(RPE)において、およびこれにより、オールトランスレチノール(食事により摂取されるビタミンA)の異性化および酸化により産生される内因性レチノイドである。11−シス−レチナールは、発色団として機能し、タンパク質のオプシンと共有結合して、ロドプシンを形成する。視覚は、光量子が11−シス−レチナールにより捕捉され、オールトランスレチナールへの異性化がもたらされ、オプシンから解離すると開始される。視覚は、オールトランスレチナールが11−シス−レチナールに戻ることの循環により維持され、この循環は、レチノイドまたは視覚サイクルにおける、複数の酵素およびタンパク質を伴う複雑な一連の生化学反応により引き起こされる。前臨床および臨床情報は、RPE65タンパク質の機能喪失が、ビタミンAエステル化後の膜脂質へのレチノイド処理を遮断し、視覚の喪失をもたらすことを示している。
RPE65変異は、主に、早期発症の重度網膜ジストロフィーに関連し、桿体−錐体変性、眼振および生後数年のうちの重度の視覚喪失に関連する。RPE65の変異によりもたらされる疾患の重症度は、RP対象に存在する変異型からは大きく独立していると思われる。多くのRPE65対象は、若年期の弱いが、有用な視覚機能により特徴付けられる共通の表現型(測定可能な錐体ERG)を共有しているが、この視覚機能は、学童期を通して劇的に低下する。加えて、多くのこれらのRP対象は、大幅に損なわれているが、残存する島状の周辺視野を、生後30年ほどは保有している。
進行性視野(VF)喪失は、RPの顕著な特徴の1つであり、疾患の進行をモニターする手段として一般的に使用される(Groverら、Ophthalmology、105:1069−1075(1998))。大部分のRP対象は、桿体機能の喪失が錐体感受性の低下を超えることによる重度に狭窄された視野のため、40歳までに法律的には盲目であることが観察されている。
視力(VA)障害もまた、RPの過程の間に指摘され得るが、早期発症RPを有するRP対象は、他のRP型より安定したVAを有し、VA障害のレベルがRP対象の間で広範囲に変動する可能性があることが報告されている。例えば、小さい島状の残存する中心VFを有する、RPが進行した一部のRP患者に関して、VAが依然として正常なままであることが報告されている。他のRP患者において、VAの低下はより多く公表され得る。
別の例では、誕生もしくはその後まもなくから小児を侵す遺伝性の小児盲目の原因である、レーバー先天黒内障(LCA)は、例えば、タンパク質の網膜色素上皮タンパク質65(RPE65)をコードするRPE65遺伝子の遺伝性遺伝子変異および/または酵素のレシチン:レチノールアセチルトランスフェラーゼ(LRAT)をコードするLRAT遺伝子の遺伝性遺伝子変異と関連がある。LCAの患者は、11−シス−レチナールを適切な量で産生する能力を欠いており、したがって、出生時の重度の視覚喪失、眼振、瞳孔反射の弱さおよび網膜電位(ERG)の重度の低下を患う。重症度の家族内のばらつきを含む、LCA提示の重症度において有意な臨床的ばらつきが存在する。LCAは、視覚喪失の自然経過、低光量の条件下での挙動および表現型に関与する遺伝的欠損に関して臨床的および遺伝子的な異種性を示す。
白点状網膜炎(Retinitis Punctata Albesciens)(RPA)は、桿体において11−シス−レチナールの不足を示す、RPの別の形態である。近年、LRATにおいてホモ接合性のフレームシフト変異が、特定の対象におけるRPAの原因として同定され、LRATが、白点網膜症(white−dot retinopathy)の原因と思われる、視覚サイクルに関与する第4の遺伝子であることが報告されている(Littinkら、Ophthalmology、119:1899−906(2012))。
先天停止性夜盲(Congenital Stationary Night Blindness)(CSNB)および白点状眼底(Fundus Albipunctatus)は、夜盲症として現れる一群の疾患であるが、RPのように視覚の進行性喪失が存在しない。CSNBのいくつかの形態は、11−シス−レチナールのリサイクルの遅延によるものである。白点状眼底は、近年まで、網膜に数百の白い点が現れる、網膜の外観が異常なCSNBの特殊な事例であると考えられていた。近年、これもまた、RPより非常に緩慢であるが、進行性の疾患であることが示された。白点状眼底は、RPE65のヘテロ接合性変異を含む遺伝子欠損により引き起こされ、11−シス−レチナールの循環の遅延につながる(Schatzら、Ophthalmology、118:888−94(2011))。
脊椎動物の視覚系において、光受容体機能を回復または安定させる方法における、合成レチナール誘導体およびこれらの組成物の使用が、国際公開特許出願番号WO2004/082622、WO2006/002097、WO2009/102418およびWO2011/034551、WO2011/132084,ならびに米国公開出願番号2004/0242704、2008/0221208(米国特許第7,951,841号として発行)および2010/0035986(米国特許第8,324,270号として発行)に開示されている。合成レチナール誘導体である9−シス−レチニルアセテートの毎日および断続的な投薬の効果を、加齢マウスにおいて評価する研究が、Maeda、T.ら、Investigative Ophthalmology & Visual Science (2009)、Vol.50、No.9、pp.4368−4378)に開示されている。
動物モデルは、高度光感受性化合物である合成レチノイドが、眼を覆っていなければ数時間以内に網膜から、光異性化または光により「無色化される」ことを示した。これらの研究は、処置の目的全体を挫折させる、合成レチノイドの光異性化/無色化を最小にするために、動物を、評価期間までの、合成レチノイドで処置する間の特定期間、暗所において飼育した。Batten MLら、「Pharmacological and rAAV Gene Therapy Rescue of Viscual Functions in a Blind Mouse Model of Leber Congenital Amaurosis」PLo−S Medicine vol.2,p.333(2005);Margaron,P.、Castaner, L.およびNarfstrom,K.「Evaluation of Intravitreal cis−Retinoid Replacement Therapy in a Canine Model Of Leber’s Congenital Amaurosis」Invest Ophthalmol Vis Sci 2009;50:E−Abstract 6280;Gearhart PM、Gearhart C、Thompson DA、Petersen−Jones SM.「Improvement of visual performance with intravitreal administration of 9−cis Retinal in Rpe65−mutant dogs」Arch Ophthalmol 2010;128(11):1442−8。
無色化効果を補うための任意のレチノイドの頻繁な投与は、化合物のレチノイドクラスの周知の毒性と関係があるとされる。Teelmann,K 「Retinoids:Toxicity and Teratogenicity to Date,」Pharmac.Ther.、Vol.40、pp29−43(1989);Gerber,LEら「Changes in Lipid Metabolism During Retinoid Administration」J.Amer.Acad.Derm.、Vol.6、pp664−74(1982);Allen LH 「Estimating the Potential for Vit A Toxicity in Women and Young Children」J.Nutr.、Vol.132、pp.2907−19(2002);Silverman,AK「Hypervitaminosis A Syndrome:A Paradigm of Retinoid Side Effects」、J.Am.Acad.Derm.、Vol.16、pp1027−39(1987);Zech LAら「Changes in Plasma Cholesterol and Triglyceride Levels After Treatment with Oral Isotretinoin」Arch.Dermatol.、Vol.119、pp987−93(1983)を参照されたい。レチノイドの慢性投与により引き起こされる毒性は、脂質代謝の変化、肝臓の損傷、吐き気、嘔吐、霧目、骨の損傷、骨の発達への干渉およびいくつかの他の重篤な望ましくない効果を引き起こす可能性がある。
RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象における視覚機能改善に関連して、内因性レチノイド欠乏は、生涯処置を必要とする慢性的な状態であり、これらの毒性効果は非常に重要であり得る。これらの副作用は、若年対象において特に懸念され、彼らの身体発育に関連する、彼らの副作用に対する感受性は、十分に立証されている。
無色化に対応した反復投与の必要性と、反復投与の望ましくない深刻な副作用との組み合わせは、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善するための、合成レチノイドの使用に関する問題を提起する。近年の研究は、これらの障害の処置としてレチノイドの有用性を評価し、レチノイドおよび同様の化合物は、優れた治療候補ではないと結論付けた。Fan J.ら「Light Prevents Exogenous 11−cis Retinal from Maintaining Cone Photoreceptors in Chromophore−deficient Mice」、Invest.Ophthalmol.Vis Sci.2011年、1月12日、10−6437を参照されたい。
国際公開第2004/082622号 国際公開第2006/002097号 国際公開第2009/102418号 国際公開第2011/034551号 国際公開第2011/132084号 米国特許出願公開第2004/0242704号 米国特許出願公開第2008/0221208号 米国特許出願公開第2010/0035986号
本開示は、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される合成レチナール誘導体の特定の投薬計画を提供し、その結果、内因性レチノイド欠乏を有する対象において、1ヵ月未満、例えば7から28日の休止間隔を通して有意義な視野の改善を生み出し、一方、同時に、投薬および休止の反復処置サイクルを通して許容され得る安全性プロファイルを示す。ある実施形態において、許容され得る安全性プロファイルは、後続の投薬サイクルを介した合成レチナール誘導体の頻繁な投与および後続の投与に関連する毒性副作用の重症度を最小化および/または低下させることによって達成され得る。ある実施形態において、内因性レチノイド欠乏は、網膜色素変性症(RP)またはレーバー先天黒内障(LCA)などの対象において、視覚サイクルにおいて利用される酵素およびタンパク質をコードする遺伝子の変異により引き起こされる。したがって、合成レチナール誘導体を対象に投与するステップを含む、RP、LCAまたは内因性11−シス−レチナール欠乏に関連する別の視覚障害を有する対象において、視覚機能を改善するための治療計画および方法を提供する。
ある実施形態において、本開示は、a)第1の治療用量の合成レチナール誘導体を、それを必要とする対象に投与するステップ;b)1ヵ月未満、例えば約7から約28日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、休止期間の終了後に前記対象に投与するステップ、を含む、内因的に産生される11−シス−レチナール(reinal)の欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法を提供する。
ある実施形態において、本開示は、a)第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップ;b)1ヵ月未満、例えば約7から約28日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、休止期間の終了後に前記対象に投与するステップ、を含む、対象において視覚機能を改善する方法を提供する。
ある実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。いくつかの実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
いくつかの実施形態において、対象は、LRAT遺伝子変異を有する。他の実施形態において、対象は、RPE65遺伝子変異を有する。
ある実施形態において、対象は、中等度から重度のRPを有する。他の実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性RPを有する。いくつかの実施形態において、対象は先天性RPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、若年発症RPを有する。他の実施形態において、対象は、十代発症RPを有する。他の実施形態において、対象は、成人発症RPまたは後期発症RPを有する。ある実施形態において、対象は、常染色体劣性RPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、常染色体優性RPを有する。
ある実施形態において、対象はLCAを有する。
いくつかの実施形態において、RPを有する対象を含む、対象において視覚機能を改善する方法は、b)およびc)のステップを1回以上反復するステップをさらに含む。
ある実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として2から7日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として7日の期間にわたって投与される。他の実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として5日の期間にわたって投与される。
いくつかの実施形態において、休止期間は、約7日から約21日である。いくつかの実施形態において、休止期間は約21日である。他の実施形態において、休止期間は約14日である。他の実施形態において、休止期間は約7日である。
ある実施形態において、第1の治療用量は、約280mg/mから約420mg/mである。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は約280mg/mである。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は約420mg/mである。
ある実施形態において、治療用量は経口投与される。
ある実施形態において、第1の治療用量は、約5mg/m/日または約10mg/m/日または約20mg/m/日または約40mg/m/日である。他の実施形態において、第1の治療用量は約60mg/m/日である。
ある実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
ある実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルエステルである。いくつかの実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートである。いくつかの実施形態において、レチニルエステルは11−シス−レチニルアセテートである。
ある実施形態において、視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む。他の実施形態において、視覚機能の改善は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む。他の実施形態において、視覚機能の改善は、ベースラインから、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む。
本開示は、a)第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、第1の治療用量を約40mg/m/日から約60mg/m/日で7日の期間にわたって、それを必要とする対象に投与するステップ;b)約7日から約21日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、を含む、RPなどの内因性レチノイド欠乏、を有する対象において視覚機能を改善する方法をさらに提供する。
ある実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。ある実施形態において、9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
ある実施形態において、対象は、LRAT遺伝子変異を有する。いくつかの実施形態において、対象は、RPE65遺伝子変異を有する。
ある実施形態において、対象は、中等度から重度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性RPを有する。
いくつかの実施形態において、RPを有する対象において視覚機能を改善する方法は、b)およびc)のステップを1回以上反復するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加または両方を含む。
いくつかの実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
いくつかの実施形態において、治療用量は経口投与される。
ある実施形態において、対象はヒト対象である。
本開示は、少なくとも第1のおよび第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与し、第1の用量と第2の用量との間の休止期間が1ヵ月未満、例えば約7から約28日であり、視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加または両方を含む、RPなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象の視覚機能を改善する方法をさらに提供する。
ある実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
いくつかの実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。ある実施形態において、対象は、LRAT遺伝子変異を有する。他の実施形態において、対象は、RPE65遺伝子変異を有する。
いくつかの実施形態において、対象は、中等度から重度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性のRPを有する。
ある実施形態において、対象はLCAを有する。
ある実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として2から7日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として7日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として5日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、分割用量として、6日または4日または3日または2日の期間にわたって投与される。
ある実施形態において、治療用量が投与されない休止期間は、約2日から約21日、約2日から約25日または約2日から約28日である。あるこのような実施形態において、治療用量が投与されない休止期間は、約7日から約21日、約7日から約25日または約7日から約28日である。いくつかの実施形態において、休止期間は、約7日から約21日である。いくつかの実施形態において、休止期間は約21日である。他の実施形態において、休止期間は約14日である。他の実施形態において、休止期間は約7日である。
ある実施形態において、第1の治療用量は、約280mg/mから約420mg/mの合算用量である。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は約280mg/mの合算用量である。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は約420mg/mの合算用量である。
いくつかの実施形態において、治療用量は経口投与される。
ある実施形態において、第1の治療用量は約10mg/m/日である。ある実施形態において、第1の治療用量は約20mg/m/日である。ある実施形態において、第1の治療用量は約40mg/m/日である。他の実施形態において、第1の治療用量は約60mg/m/日である。
いくつかの実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
ある実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルエステルである。いくつかの実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートである。いくつかの実施形態において、レチニルエステルは11−シス−レチニルアセテートである。
本開示は、a)少なくとも第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステル;およびb)第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、休止期間が1ヵ月未満、例えば約7から約28日である使用に関する取扱説明書、を含む、RPなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善するキットをさらに提供する。
いくつかの実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
ある実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。いくつかの実施形態において、対象は、LRAT遺伝子変異を有する。他の実施形態において、対象は、RPE65遺伝子変異を有する。
いくつかの実施形態において、対象は、中等度から重度のRPを有する。他の実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性のRPを有する。
ある実施形態において、取扱説明書は、第1の用量が、分割用量で2から7日の期間にわたって、または2から5日の期間にわたって投与されることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、第1の用量が、分割用量で7日の期間にわたって投与されることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約2日から約21日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約7日から約21日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約21日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約14日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約7日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間が約23日、25日または28日であることを指示する。いくつかの実施形態において、取扱説明書は、休止期間+投薬期間を組み合わせた合算が、投薬計画の各処置期間に関して28日または30日までであることを指示する。
ある実施形態において、第1の治療用量は、約280mg/mから約420mg/mである。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、約280mg/mである。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は、約420mg/mである。
ある実施形態において、治療用量は経口投与される。
ある実施形態において、取扱説明書は、第1の治療用量が約10mg/m/日であることを指示する。ある実施形態において、取扱説明書は、第1の治療用量が約20mg/m/日であることを指示する。ある実施形態において、取扱説明書は、第1の治療用量が約40mg/m/日であることを指示する。ある実施形態において、取扱説明書は、第1の治療用量が約60mg/m/日であることを指示する。
ある実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
ある実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートである。他の実施形態において、レチニルエステルは11−シス−レチニルアセテートである。
ある実施形態において、視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む。いくつかの実施形態において、視覚機能の改善は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む。いくつかの実施形態において、視覚機能の改善は、網膜感受性におけるベースラインからの臨床的に有意な増加を含む。
本開示は、投薬計画が、少なくとも、第1の治療用量、第2の治療用量および第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間を含み、該計画が、a)第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、約2から約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ;b)第1の治療用量と第2の治療用量との間に、1ヵ月未満、例えば約7から約28日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、を含む、RPを有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画をさらに提供する。
ある実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
ある実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。ある実施形態において、対象はLRAT遺伝子変異を有する。他の実施形態において、対象はRPE65遺伝子変異を有する。
ある実施形態において、対象は中等度から重度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性RPを有する。
ある実施形態において、投薬計画は、b)およびc)のステップを1回以上反復するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、第1の用量は、分割用量で7日の期間にわたって投与される。
いくつかの実施形態において、休止期間は、約2日から約28日、例えば約7日から約28日である。いくつかの実施形態において、休止期間は、約7日から約21日である。いくつかの実施形態において、休止期間は約21日である。いくつかの実施形態において、休止期間は約14日である。いくつかの実施形態において、休止期間は約7日である。
ある実施形態において、第1の治療用量は、約280mg/mから約420mg/mである。いくつかの実施形態において、第1の治療用量は約280mg/mである。
ある実施形態において、治療用量は経口投与される。
ある実施形態において、第1の治療用量は約10mg/m/日である。ある実施形態において、第1の治療用量は約20mg/m/日である。ある実施形態において、第1の治療用量は約40mg/m/日である。他の実施形態において、第1の治療用量は約60mg/m/日である。
ある実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
ある実施形態において、レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートである。他の実施形態(embodimenst)において、レチニルエステルは11−シス−レチニルアセテートである。
ある実施形態において、視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む。いくつかの実施形態において、視覚機能の改善は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む。いくつかの実施形態において、視覚機能の改善は、網膜感受性におけるベースラインからの臨床的に有意な増加を含む。
本開示は、投薬計画が、少なくとも、第1の治療用量、第2の治療用量および第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間を含み、該計画が、a)第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与し、第1の治療用量は、約40mg/m/日で約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ;b)約7日から約21日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、休止期間の終了後に対象に投与するステップ、を含む、RPを有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画をさらに提供する。
いくつかの実施形態において、9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。
ある実施形態において、対象は、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している。いくつかの実施形態において、対象はLRAT遺伝子変異を有する。いくつかの実施形態において、対象はRPE65遺伝子変異を有する。
ある実施形態において、対象は中等度から重度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は軽度のRPを有する。いくつかの実施形態において、対象は、早期発症または若年性のRPを有する。
ある実施形態において、投薬計画は、b)およびc)のステップを1回以上反復するステップをさらに含む。
ある実施形態において、第2の治療用量は、第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される。
ある実施形態において、視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加または両方を含む。
ある実施形態において、治療用量は経口投与される。
前述の方法、投薬計画およびキットのいずれかのある実施形態において、対象はヒト対象である。
本開示のこれらの態様の特定の実施形態を、下記により詳細に記載する。
図1は、レチノイドサイクルの略図を提供する。
図2は、投薬初日後7、14および30日目における、RP対象の眼の、インテント・トゥ・トリート(intent to treat)(ITT)(2A)およびパー・プロトコル・サブセット(per protocol subset)(2B)の、ベースラインと比較して改善した眼の割合としてGVF応答を示す。
図3は、VF重症度(ITT;全対象が含まれる)に基づくGVF応答を示す。図3Aは、出発GVFがベースラインにおいて20度を超える(最も軽症)、GVFが20%を超えて改善した眼の割合を示し、図3Bは、出発GVFがベースラインにおいて中心視野だけ、および/または20度未満である、GVFが20%を超えて改善した眼の割合を示す。
図4は、VF重症度(パー・プロトコル分析;3対象が除外される)に基づくGVF応答を示す。図4Aは、出発GVFがベースラインにおいて20度を超える(最も軽症)、GVFが20%を超えて改善した眼の割合を示し、図4Bは、出発GVFがベースラインにおいて中心視野だけ、および/または20度未満である、GVFが20%を超えて改善した眼の割合を示す。
図5は、全対象(ITT)、およびそれらのGVF決定に関する主要な、定義された包含/除外基準に基づき、3対象を除外する評価可能なサブセットに関して計算された平均ベースラインからの網膜面積のパーセント変化の、マルチレベル、混合効果モデル分析における、30日目までのGVFの結果を提供する。
図6は、両目において応答があった、1以上の眼に応答があったGVF応答者のパーセントとして、または応答した眼の割合をGVF応答者のパーセントとしてGVF応答(ITT)を示し、応答者は、1ヶ月までの2回の連続した追跡調査通院において、平均ベースライン値に対して網膜面積が少なくとも20%増加した患者/眼として定義される。
図7は、全対象、およびベースラインVAが0文字であった眼を除外した、評価可能な対象に関して、7日目、14日目または1ヵ月目において改善を示した、ベースラインからの平均VA変化であるETDRS文字スコアとして、VAの結果を示す。
図8は、眼が、ITT(8A)および評価可能な(8B)サブセットの両方において、ベースラインから5文字以上改善したVA応答者の割合としてVA応答を示す。
図9は、両目において応答があった、1以上の眼に応答があったVA応答者のパーセントとして、または応答した眼の割合をVA応答者のパーセントとしてVA応答(ITT)を示し、応答者は、1ヶ月までの2回の連続した追跡調査通院において得られた、ベースラインから5ETDRS文字以上の改善を有するとして定義される、またはベースラインが0である場合、応答者は、ベースラインよりいくらか上であるとして定義される。
図10は、投薬後9日目から8ヶ月目に、ベースラインから視力(VA)が最も良好に変化した(ETDRS文字スコア)全概要を提供し、データは、ベースラインVAカテゴリーに基づきクラスタ化した。
図11は、図6の11の対象に関する、40mg/m2(40mg)または10mg/m2(10mg)いずれかの組成物により処置後の、ETDRS/LogMAR/スネレン等価視力(VA)を示す。データは、対象4および11を除いた、両目に関する平均文字スコアを表し、対象4および11は両方とも、片目だけが測定可能な文字スコアを明示した。
図12は、対象1−9に関するゴールドマン視野(GVF)のAMA低視力グリッド分析を提供し、分析は、14日目以前の小型I4e視標(OD)により観察されたGVFに実施した。
図13は、対象1−9に関するゴールドマン視野(GVF)のAMA低視力グリッド分析を提供し、分析は、14日目以前の大型V4e視標(OD)により観察されたGVFに実施した。
図14は、四分位による、実施例4において定義したRP対象に対するETDRS文字の数のベースラインからのVA変化を示す。
発明の詳細な説明
本開示は、視覚サイクルにおいて利用される酵素およびタンパク質をコードする遺伝子の変異により引き起こされる、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において、視覚機能を改善するための方法、投薬計画およびキットを提供する。視覚機能を改善するための投薬計画、キットおよび後続の方法を使用して、有効性を提供しながら、臨床的に関連のある安全性プロファイルを維持できる。本明細書において、本発明者らは、a)欠乏した内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される第1の治療用量の合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステル(第1の治療用量は所定の期間、例えば約1−7日投与される)、b)第1の治療用量後の、1ヵ月未満、例えば7から28日の休止期間、およびc)第2または後続の治療用量の合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステル、を含む投薬計画を開示する。この投薬計画は、RPまたは対象などの内因性11−シス−レチナール欠乏を有する対象において、視覚機能の臨床的に有効な改善を提供できるが、一方で、合成レチナール誘導体を必要以上の期間患者に提供しない。ある実施形態において、この投薬計画は、合成レチナール誘導体に関連する、公知のクラスエフェクトの安全性への懸念(例えば、慢性レチノイド毒性)を回避する。
一態様において、本開示は、a)第1の治療用量の合成レチノイド誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップ;b)1ヵ月未満、例えば7から28日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の合成レチノイド誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルを、休止期間の終了後に、前記対象に投与するステップ、を含む、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法を対象とする。第1の用量は、通常、単回用量として1日、または分割用量で約2から約10日間経口投与できる。分割用量は、本明細書において、投薬期間の間の日数に分割された全治療用量を指し、用量は、投薬の日ごとにほぼ同じであっても、または分割用量は異なっていてもよい。一実施形態において、治療用量は、約2から約7日の期間にわたって投与される。別の実施形態において、治療用量は、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日または約7日にわたって投与される。一実施形態において、治療用量は、分割用量として約7日(または1週間)にわたって投与される。
休止期間は、治療用量の最終投与後の日に開始し、1ヵ月未満、例えば7から28日の期間である。この開示は、臨床的に関連する安全性プロファイルが、反復投薬および30日未満の休止期間により得られることを提供する。(実施例5を参照されたい)この安全性プロファイルは、第1の治療用量の投与後の一部の対象、例えば特定のRP対象において、約7日目から約30日目の後に視覚機能が低下することと組み合わせて、1ヵ月未満の休止期間が望ましいことを示している。(実施例2および図2−9を参照されたい)一態様において、第1の治療用量後、特定の対象における視覚機能試験は、視覚機能のパラメータにおける応答の抑制または欠落に基づき早期再処置の候補を同定することができる。
一態様において、休止期間は、約2から約21日、約7日から約21日または約14日から約21日である。一態様において、休止期間は、約7から約28日、例えば、約7日から約25日または約7日から約23日である。ある実施形態において、休止期間は、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日、約22日、約23日、約24日、約25日、約26日、約27日または約28日である。別の実施形態において、休止期間は、約7日(または約1週間)または約14日(または約2週間)または約21日(または約3週間)である。休止期間の間、治療用量の合成レチノイド誘導体は、この投薬計画の一部として対象に投与されない。
第2の用量または後続の用量は、休止期間の終了後の任意の時に投与される。一態様において、第2の用量または後続の用量は、合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステル(mg/m)の全投与または投薬持続期間の両方において、第1の治療用量と同じである。別の態様において、第2または後続の用量は、投与される合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルの全量(mg/m)または投薬期間の持続期間のいずれかにおいて、第1の治療用量と異なっている。
休止期間および合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルの第2の投与を必要に応じて反復し、第1の投薬期間の間に達成された、対象の視覚機能の改善を維持することができる。RPおよびLCAなどの内因性レチノイド欠乏が、少なくとも内因性11−シス−レチナールの機能喪失をもたらす遺伝子変異による慢性状態であり、第1の用量を超える追加の投薬、休止期間および第2の用量が、対象の視覚機能の改善を維持するために必要とされ得ることは理解される。治療用量(量および持続期間)と、1ヵ月未満、例えば7から28日の休止期間との組み合わせは、内因性レチノイドに関連する状態に関する臨床的に関連のある視覚機能の改善および臨床的に関連のある安全性および有効性プロファイルを提供する。
治療用量(第1の、第2および後続)の量は、特定の用量の全投与量として、または特定の用量の、一定期間にわたる投与量(例えば、第1の用量または第2の用量)としてのいずれかで指定することができる。例えば、第1の治療用量は、280mg/mの用量として、または40mg/m投与/日を7日間として指定することができる。したがって、一態様において、治療用量は、約280mg/mから約420mg/mである。別の態様において、治療用量は、7日間投与する場合、1日当たり約40mg/mから約60mg/mである。
いくつかの実施形態において、治療用量は、約30〜35mg/m/日、30〜40mg/m/日、40〜45mg/m/日、約40〜50mg/m/日、約45〜50mg/m/日、約45〜55mg/m/日、約50〜60mg/m/日または約55〜60mg/m/日である。
いくつかの実施形態において、治療用量は、約40mg/m/日、約45mg/m/日、約50mg/m/日、約55mg/m/日または約60mg/m/日である。
いくつかの実施形態において、治療用量は、約5〜10mg/m/日、約10〜20mg/m/日、約20〜25mg/m/日、約20〜30mg/m/日または約25〜30mg/m/日である。
一態様において、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象に投与される合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルは、実施例1の組成物中で使用される、9−シス−レチニルアセテートまたは11−シス−レチニルアセテートである。
一実施形態において、本開示は、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において、視覚機能を改善する方法を対象とし、該方法は、a)第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与し、第1の治療用量が約40mg/m/日で7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ;b)約7日から約21日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、を含む。
別の実施形態において、本開示は、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において、視覚機能を改善する方法を対象とし、該方法は、a)第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、第1の治療用量が約10または約20または約40mg/m/日で5日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ;b)約21日から約25日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、を含む。
合成レチノイド誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルを投与される、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象は、視力および視野測定に基づき、軽度、中等度または重度の視力障害を有するとして分類することができる。世界保健機関(WHO)、ICD−9−CMおよびメディケア援助基準に基づき、正常な視覚は、20/25未満の視力および正常な視野を有し、正常な視野は、それぞれの目で鼻側(鼻に向かって、または内側)およそ60度、側頭部に(鼻から離れて、または外側)100度、および水平経線から上方およそ60度および下方75度に広がる視力を有する対象として定義される。軽度視覚喪失は、20/30〜20/65の視力を有する対象として定義される。中等度の視覚喪失は、20/70〜20/190の視力および20度を超える視野を有する対象として定義される。重度の視覚喪失は、20/200〜20/490の視力および20度以下の視野を有する対象として定義される。深刻な視覚喪失は、20/500〜20/1000の視力および10度以下の視野を有する対象として定義される。ほぼ盲目は、20/1100〜20/2000の視力および5度以下の視野として定義される。全盲は、光覚なしの対象として定義される。
一態様において、対象はRPを有し、中等度から重度のRPを有すると分類されている。別の態様において、RP対象は、軽度RPを有するとして分類される。さらに別の態様において、RP対象は、軽度から中等度のRPを有するとして分類されている。
一態様において、対象の視覚機能の改善は、ベースラインの関数として測定される。ベースラインは、各対象に対して決定されるか、または一群の対象に対して決定されることができる。別の態様において、ベースラインは、対象に対して個別に決定することはできないが、同様の群の対象由来のベースラインは、個別の対象に適用することができる。
一実施形態において、対象の視覚機能のベースラインは、合成レチナール誘導体、例えば9−シス−レチニルエステルもしくは11−シス−レチニルエステル、またはその薬学的に許容され得る組成物の第1の治療有効用量の投与前に、対象の視野、視力、生活課題を行う能力、網膜感受性、動的瞳孔反射、眼振、皮質視覚機能、色覚または暗順応の1以上を評価することによって確立される。さらなる実施形態において、対象の視覚機能のベースラインは、対象の視野を評価することによって確立される。別の実施形態において、対象の視覚機能のベースラインは、対象の視力を評価することによって確立される。別の実施形態において、ベースラインは、対象の網膜感受性を評価することによって確立される。別の実施形態において、ベースラインは、対象の視野、視力および網膜感受性を評価することによって確立される。
別の実施形態において、視覚機能の対象のベースラインの確立は、対象の視野、対象の視力、対象の網膜感受性、対象の動的瞳孔反射、対象の眼振、対象の皮質視覚機能、対象の生活課題を行う能力、対象の色覚および対象の暗順応の1以上のベースラインの確立を含む。好ましくは、視覚機能の対象のベースラインの確立は、対象の視野、対象の視力、対象の生活課題を行う能力および対象の網膜感受性のベースラインを、確立試験により確立を含む。
一実施形態において、対象の視覚機能は、第1の治療有効量の合成レチナール誘導体、例えば、9−シス−レチニルエステルまたは11−シス−レチニルエステルを対象に投与する前に確立された対象の視覚機能のベースラインから、投薬期間内に急速に改善する。この開示の目的に関して、「急速な改善」は、第1の投薬期間より短い期間における、対象の視覚機能のベースラインと比較した対象の視覚機能の臨床的に有意義な改善を指す。好ましくは、一実施形態において、対象の視覚機能は、投薬期間開始の1週間以内に、有意に改善される。別の実施形態において、対象の視覚機能は、投薬期間中にベースラインと比較して改善され、第1の投薬期間の完了後、休止期間中も依然としてベースラインより上にあるままである。さらなる実施形態において、第1の投薬期間における対象の視覚機能の改善は、視野のベースラインと比較した対象の視野の拡大、視力のベースラインと比較した対象の視力の改善、および/またはベースラインの網膜感受性と比較した対象の網膜感受性の改善を含む。
一実施形態において、対象の視覚機能の改善は、ベースラインと比較した、1以上の眼の対象の視野の拡大を含む。いくつかの実施形態において、第1の投薬期間の間の対象の視覚機能の改善は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、対象の1以上の眼における、ベースラインから少なくとも30%、25%、20%または15%の視野の増加を含む。いくつかの実施形態において、対象の視覚機能の改善は、ゴールドマン視野分析により測定して、対象の片方の眼における、ベースラインから少なくとも20%の視野の増加を含む。
別の実施形態において、1以上の眼における対象の視覚機能の改善は、ベースラインと比較した、対象の視力の改善を含む。いくつかの実施形態において、対象の視覚機能の改善は、対象の1以上の眼における、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインから5文字以上の視力の増加を含む。
別の実施形態において、第1の投薬期間中の1以上の眼における対象の視覚機能の改善は、ベースラインと比較した、1以上の眼における対象の網膜感受性の改善を含む。
別の実施形態において、休止期間中の対象の視覚機能の改善は、第1の投薬期間の間の対象の網膜感受性の改善と比較した、1以上の眼における対象の網膜感受性の改善を含む。
別の実施形態において、対象の視覚機能の改善は、1以上の眼における、ベースラインからのRP対象の暗順応視野測定の改善を含む。
一態様において、本開示は、少なくとも第1のおよび第2の治療用量の合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与し、第1の用量と第2の用量との間の休止期間が1ヵ月未満、例えば7から28日であり、視覚機能改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインから5文字以上の片目における視力の増加または両方を含むステップ、を含む、RPまたはLCAを有する対象の視覚機能を改善する方法を対象とする。
いくつかの実施形態において、休止期間は、約2日から約25日、約7日から約21日または約14日から約21日である。ある実施形態において、休止期間は、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、約14日、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日、約21日、約22日、約23日、約24日、約25日、約26日、約27日または約28日である。
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、臨床的に関連のある安全性プロファイルと組み合わせて、複数の治療投薬期間と休止期との組み合わせが確立された投薬計画を提供する。いくつかの実施形態において、最高6回、最高5回、最高4回または最高3回の治療用量が、最高6ヶ月、最高5ヶ月、最高4ヶ月または最高3ヶ月まで投与される。いくつかの実施形態において、最高12回、最高11回、最高10回、最高9回、最高8回、最高7回、最高6回、最高5回、最高4回または最高3回の治療用量が、最高12ヶ月、最高11ヶ月、最高10ヶ月、最高9ヶ月、最高8ヶ月、最高7ヶ月、最高6ヶ月、最高5ヶ月、最高4ヶ月、または最高3ヶ月まで対象に投与される。別の実施形態において、最高3回の治療用量が約3ヶ月に投与される。別の実施形態において、最高6回の治療用量が約6ヶ月に投与される。前述の特定の事例において、わずか1回の治療用量が1ヵ月ごとに投与される。
別の実施形態において、第1の用量と第2の用量との間の休止期間は1ヶ月未満、例えば7から28日であり、片目における対象の視野は、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定してベースラインより少なくとも20%上で維持され、対象のトリグリセリドレベルおよび/またはHDLレベル、コレステロールレベルおよびLDLレベルは、ベースラインより50%上を超えない。他の実施形態において、第1の用量と第2の用量との間の休止期間は1ヶ月未満、例えば7から28日であり、対象のトリグリセリドレベルおよび/またはHDLレベル、コレステロールレベルおよびLDLレベルは、ベースラインより40%上を超えないか、またはベースラインより30%もしくは20%もしくは10%上を超えない。他の実施形態において、休止期間は、対象のトリグリセリドレベルおよび/またはHDLレベル、コレステロールレベルおよびLDLレベルが、後続の治療用量の投与前の、臨床的に安全で、許容され得るレベルに戻った後の期間である。
一実施形態において、対象の視覚喪失は、LRATまたはRPE65の遺伝子変異によるものである。好ましい一実施形態において、対象は、1以上のLRAT遺伝子変異を有する。好ましい別の実施形態において、対象は、1以上のRPE65の遺伝子変異を有する。好ましい別の実施形態において、対象は、1以上のヌルまたはミスセンスLRAT変異を有する。別の実施形態において、対象は、1以上のヌルまたはミスセンスRPE65変異を有する。
一実施形態において、対象は、常染色体劣性網膜色素変性症(arRP)を有する。別の実施形態において、対象は、常染色体優性網膜色素変性症(adRP)を有する。別の実施形態において、対象は中等度から重度のRPを有する。さらに別の実施形態において、対象は早期発症RPを有する。さらに別の実施形態において、対象は若年性RPを有する。
別の実施形態において、RP対象は成人である。別の実施形態において、RP対象は小児RP対象、例えば、幼児、小児または青年である。
一実施形態において、第1のおよび任意の後続の治療有効量は、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象に、経口投与される。
一実施形態において、本開示は、投薬計画が、少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間を含む、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画を対象とし、該計画は、a)第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを約1日から約7日の期間、例えば2から7日の期間にわたって、それを必要とする対象に投与するステップ;b)1ヶ月未満、例えば7から28日の、第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、を含む。
一実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルは、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される。別の実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルは、対象に経口投与される。さらに別の実施形態において、投薬計画は、必要に応じて、b)およびc)のステップを1回以上反復するステップをさらに含む。別の実施形態において、投薬計画は、b)およびc)のステップを最高3回まで3ヵ月で反復するステップをさらに含む。別の実施形態において、投薬計画は、b)およびc)のステップを最高6回まで6ヵ月間で反復するステップをさらに含む。別の実施形態において、投薬計画は、b)およびc)のステップを最高12回まで12ヵ月間で反復するステップをさらに含む。前述の特定の事例において、わずか1回の治療用量が1ヵ月ごとに投与される。
別の実施形態において、本開示は、投薬計画が、少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間を含む、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画を提供し、該計画は、a)第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、第1の治療用量が約40mg/m/日で7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ;b)約7日から約21日の休止期間を提供するステップ;およびc)第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、休止期間の終了後に対象に投与するステップ、を含む。
さらに別の態様において、本開示は、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善するためのキットを提供し、該キットは、少なくともa)第1の治療用量の合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステル;およびb)第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、休止期間が1ヵ月未満、例えば7から28日である使用に関する取扱説明書、を含む。
一実施形態において、取扱説明書は、第1の用量が、約1から7日の期間、例えば約2から7日にわたって投与されることを指示する。一態様において、取扱説明書は、第1の用量が、7日の期間にわたって投与されることを指示する。一態様において、取扱説明書は、第1の用量が5日の期間にわたって投与されることを指示する。別の実施形態において、取扱説明書は、休止期間が、約2から約21日または約7から約21日または約7から約25日であることを指示する。さらに別の実施形態において、取扱説明書は、休止期間が、約25日または約23日または約21日、約14日または約7日であることを指示する。別の実施形態において、取扱説明書は、最高3回の用量が3ヶ月の期間に投与されることをさらに指示する。別の実施形態において、取扱説明書は、最高6回の用量が、6ヵ月の期間に投与されることをさらに指示する。別の実施形態において、取扱説明書は、最高12回の用量が、12ヶ月の期間に投与されることをさらに指示する。前述の特定の事例において、わずか1回の治療用量が、1ヵ月ごとに投与される。
一実施形態において、キットに提供される治療用量は、約280mg/mから約420mg/mである。一態様において、取扱説明書は、治療用量が約40mg/m/日から約60mg/m/日で投与されることを指示する。別の態様において、治療用量は、9−または11−シス−レチニルアセテートを含む。
合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルは、RPまたはLCAなどの内因性レチノイド欠乏を有する対象に安定に送達され、投与の際に有効に放出される、任意の薬理学的ビヒクルにより送達され得る。薬学的ビヒクルの技術は、レチノイドの化学的性質およびレチノイドのための薬理学的ビヒクルの製剤に精通している。これらの公知の送達ビヒクルは、物理的特性、化学的特性および合成レチナール誘導体を送達するために適切な放出速度を有するビヒクルを含む。液体送達ビヒクル、例えば植物油(ダイズ、オリーブおよびナタネまたはキャノーラ油を含む)が使用可能である。
一実施形態において、合成レチナール誘導体は11−シス−レチニルエステルであり、11−シス−レチニルアセテート、11−シス−レチニルスクシネート、11−シス−レチニルシトレート、11−シス−レチニルケトグルタレート、11−シス−レチニルフマレート、11−シス−レチニルマレートまたは11−シス−レチニルオキザロアセテートから選択される。好ましくは、合成レチナール誘導体は11−シス−レチニルアセテートである。
別の実施形態において、9−シス−レチニルエステルは、9−シス−レチニルアセテートまたは9−シス−レチニルスクシネートから選択される。一実施形態において、9−シス−レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートである。
他の実施形態において、合成レチナール誘導体は9−シス−レチナール、11−シス−レチナール、9−シス−レチノールまたは11−シス−レチノールである。
ある実施形態において、薬学的に許容され得る組成物は、脂質ビヒクルをさらに含む。
ある実施形態において、薬学的に許容され得る組成物は、合成レチナール誘導体、例えば9−シス−レチニルエステルおよびダイズ油を含む。この態様の別の実施形態は、薬学的に許容され得る組成物が、9−シス−レチニルアセテートおよびダイズ油を含む。この態様のさらに別の実施形態は、薬学的に許容され得る組成物が、9−シス−レチニルアセテートおよびダイズ油(USPグレード)を含む。
ある実施形態において、薬学的組成物は酸化防止剤をさらに含む。この態様の別の実施形態は、薬学的に許容され得る組成物が、9−シス−レチニルアセテート、ダイズ油およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)を含む。この態様のさらに別の実施形態は、薬学的に許容され得る組成物が、9−シス−レチニルアセテート、ダイズ油(USPグレード)およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)を含む。
本明細書において特に定義されない限り、下記の用語および語句は、下記の意味を有する。
本明細書において使用する場合、「視覚障害」は、眼の光受容体、組織または構造の障害を広範囲に指す。視覚障害は、限定するものではないが、網膜変性、網膜ジストロフィー、光受容体機能の喪失、光受容体の細胞死および構造的異常を含む。本開示の視覚障害は、通常、対象における視覚機能の損傷または正常に満たない(完全な喪失を含む)視覚機能により特徴付けられ、これは、例えば、視力低下、網膜感受性の低下または欠落、狭いまたは検出不能な視野などを含む。
「治療有効量」は、内因性レチノイド欠乏を有する対象、好ましくはヒトに投与した場合、臨床的に有意義な治療効果を引き起こすために十分な化合物の量を指す。
本明細書において使用する場合、「治療効果」という用語は、対象の片目または両目における対象の視覚の改善を指し、本開示の治療計画の間の、片目または両目における対象の視覚機能の改善は、片目または両目の対象の視覚機能と、本開示の治療計画の投与前の、片目または両目の対象の視覚機能のベースラインの測定値とを比較することによって、または片目または両目の対象の視覚機能と、治療計画を受けていない、比較可能なヒト視覚系とを比較することによって明示することができる。
レチノイド欠乏を有するRP対象の視覚の喪失は、通常重度であるが、RP対象ごとに多様な程度および形態が存在し得る。対象は、それらの周辺視野を失い、対象は、低度から中等度の光を見るそれらの能力を失い、視力全体が低下し、または他の視覚喪失が起こり得る。この喪失は進行する可能性があり(特に、レチノイド欠乏の成人発症事例において)、最終的にほとんど視覚が無い、または完全な盲目につながる。
喪失の型および範囲は、レチノイド欠乏の程度、侵された細胞型(例えば桿体または錐体)および/または網膜におけるレチノイド欠乏の局在化と大体相関し得る。欠乏効果が網膜の周辺部において最も強い場合、周辺視覚の喪失は、最も早く、最も大きい。欠乏効果が網膜全体にわたってより一般化される場合、視力の全喪失がより一般的に観察される。欠乏が大きいか、または長年にわたる場合、視覚喪失は(いずれの形態でも)より重度であり、良好な改善はより困難であり得る。レチノイド欠乏障害により引き起こされる視覚喪失の特性および程度は、対象ごとに変動するので、視覚の有意義な改善の特性および程度もまた、対象ごとに変動すると思われる。例えば、中等度の光において見る能力を取り戻すことは、一部の対象、例えば一部のRP患者において現れる有意義な改善であり得る。他の対象に関しては、例えば、一部のRP患者において、有意義な改善は、周辺視野の強化または視力の全体的改善であると思われる。ある実施形態において、視覚の進行性喪失は、この開示により停止または逆転させることができる。しかし、診断的および治療的介入が早期に起こる場合、本開示に従った投薬計画の投与は、視覚喪失を簡単に制限する、または進行を遅延させる。
臨床的に有意義な改善は、視力、視野、光感受性、生活課題を行う能力またはこれらのいくつかもしくは全部の組み合わせを含む、この出願において論じたいくつかの公知の臨床的測定値のいずれかにより明示することができる。これらおよび他の測定はすべて、臨床医には周知であり、臨床実践において日常的に使用されている。臨床医は、これらの変化を、RPおよびLCA対象を含む、内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害を有する対象の日常の臨床的評価の一部として、容易に同定および観察することができる。結論として、臨床医は、所与の対象に関連する有意義な視覚の改善を、容易に観察および同定することができる。
内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害
本開示の治療計画および方法は、内因性レチノイド欠乏による視覚機能の喪失を有する対象において、視覚機能を改善するためのものである。いくつかの実施形態において、視覚障害は、11−シス−レチナールの産生、変換および/または再生を崩壊させる、またはこれに干渉する遺伝子変異によって引き起こされる、遺伝性網膜疾患(IRD)であり、視力障害または盲目をもたらす。このような欠乏は1以上の内因性レチノイド、例えば11−シス−レチナールの不在、欠乏または枯渇レベルによって特徴付けられる。したがって、「内因性レチノイド欠乏」は、同じ種の対象の健康な眼において見出されるレベルと比較して、長期に低い内因性レチノイドのレベルを指す。ある場合において、対象の健康な眼は、11−シス−レチナールの一時的不足を経験することがあり、これは、短期の盲目とその後の視覚回復につながるが、内因性レチノイド欠乏を有する対象において、対象は、11−シス−レチナールの内因性レベルを確実または急速に再生するその能力が欠乏しており、これが長期および/または明白な11−シス−レチナール不足につながる。
一実施形態において、本開示の治療計画および方法は、遺伝性網膜障害、例えばRP、LCAおよびこれらのサブタイプを有する対象において、視覚機能を改善するためのものである。他の実施形態において、対象は、白点状網膜炎(Retinitis Punctata Albesciens)または先天停止性夜盲(CSNB)または白点状眼底またはこれらのサブタイプを有する。
内因性レチノイド欠乏は、酵素欠乏を含む視覚サイクルの1以上の欠損および光受容体と網膜色素上皮細胞(RPE)との間の輸送過程が損なわれていることにより引き起こされる可能性がある。図1は、脊椎動物、好ましくはヒトの視覚サイクル(またはレチノイドサイクル)の概要を示しており、この視覚サイクルはRPEと光受容体の外節との間で動作する。11−シス−レチナールは、一連の酵素反応およびRPEとを往復する輸送過程を介して再生され、その後、11−シス−レチナールはオプシンと結合し、光受容体においてロドプシンを形成する。ロドプシンはその後、光により活性化され、メタロドプシンを形成し、これが光伝達カスケードを活性化し、一方、結合したシス−レチノイドは、オールトランスレチナールに異性化される(von Lintig、J.ら、Trends Biochem Sci Feb 24(2010))。
網膜タンパク質をコードする1ダースを超える遺伝子の変異は、視覚サイクル中のいくつかの生化学的経路に参加することが同定されている。例えば、レシチン:レチノイドアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子(LRAT遺伝子)および網膜色素上皮タンパク質65kDa(RPE65遺伝子)の変異は、レチノイドサイクルを崩壊し、11−シス−レチナールの欠乏、遊離オプシンの過剰、レチノイド消耗(例えば分解)産物および/またはオールトランスレチナールのリサイクルにおける中間体の過剰などをもたらす。
対象の眼、例えばRPまたはLCA対象の眼における内因性レチノイドレベルおよびこのようなレベルの欠乏は、例えば米国特許出願公開第2005/0159662号(この開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示された方法に従って決定することができる。脊椎動物の眼における内因性レチノイドレベルおよびこのようなレチノイドの欠乏を決定する他の方法としては、例えば、対象由来の血液試料中のレチノイドの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析が挙げられる。例えば、血液試料は対象から得ることができ、試料中のレチノイドの型およびレベルは、順相高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、HP1100HPLCおよびBeckman、Ultrasphere−Si、4.6mm×250mmカラムを用いて、10%酢酸エチル/90%ヘキサン、流速1.4ml/分を使用)により分離および分析することができる。レチノイドは、例えば325nmにおいてダイオードアレイ検出器およびHP Chemstation A.03.03ソフトウェアを使用する検出により検出することができる。レチノイドの欠乏は、例えば、試料中のレチノイドのプロファイルと、対照対象(例えば、正常対象)由来の試料とを比較することによって決定することができる。
さまざまな条件が、対象が内因性レチノイド欠乏になりやすい、または発症させる原因となり得る。例えば、RPE65遺伝子変異またはLRAT遺伝子変異を有する対象は、遺伝的に内因性レチノイド欠乏および最終的に完全な視覚喪失および重度の網膜ジストロフィーにつながる視力障害になりやすい。特に、RPE65およびLRATの遺伝子変異は、RPおよびLCA対象において見出される。
RPは、今日まで、100を超える異なる遺伝子において検出された、200を超える原因RP変異による、多数の異なる遺伝子における欠損により引き起こされる可能性がある。RPの遺伝子型は異種性であり、同じ変異を有するRP対象が異なる表現型を示し得る。RPは、常染色体優性、常染色体劣性またはX連鎖性の形質により受け継がれると思われる。近年、LRATおよびRPE65遺伝子の変異が、arRPまたはadRPのRP対象に発見されている。これらの特異的変異は、視覚サイクルのレチノイド代謝における欠損と連鎖しており、光受容体の変性をもたらし得る。
本明細書において指摘したように、RPE65遺伝子によりコードされるタンパク質は、レチノール結合タンパク質および11−シス−レチノール脱水素酵素と生化学的会合を有し、11−シス−レチナールの産生にとって不可欠である(Gollapalli,D.R.ら、Biochemistry.42(19):5809−5818(2003)およびRedmond,T.M.ら、Nat Genet. 20(4):344−351(1998))。前臨床および臨床情報は、RPE65タンパク質の機能喪失が、ビタミンAエステル化後の膜脂質へのレチノイド処理を遮断し、視覚の喪失をもたらすことを示している。
RPE65変異は、主に、早期発症の重度網膜ジストロフィーに関連し、桿体−錐体変性、眼振および生後数年のうちの重度の視覚喪失に関連する。RPE65の変異によりもたらされる疾患の重症度は、患者に存在する変異型からは大きく独立していると思われる。多くのRPE65患者は、若年期に弱いが、有用な視覚機能により特徴付けられる共通の表現型(測定可能な錐体ERG)を共有しているが、この視覚機能は、学童期を通して劇的に低下する。加えて、多くのこれらの患者は、大幅に損なわれているが残存する島状の周辺視野を、生後30年ほどは保有している。
進行性視野(VF)喪失は、RPの顕著な特徴の1つであり、疾患の進行をモニターする手段として一般的に使用される。大部分のRP対象は、桿体機能の喪失が錐体感受性の低下を超えることによる重度に狭窄された視野のため、40歳までに法律的には盲目であることが観察されている。
視力(VA)障害もまた、RPの過程の間に指摘されることがあるが、早期発症RPを有するRP対象は、他のRP型より安定したVAを有し、VA障害のレベルがRP対象の間で広範囲に変動する可能性があることが報告されている。例えば、小さい島状の残存する中心VFを有する、RPが進行した一部のRP患者に関して、VAが依然として正常なままであることが報告されている。他のRP患者において、VAの低下はより明白であると思われる。
対象集団
(本明細書において定義の)内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害を有する対象は、本開示の治療計画および方法により処置することができるが、いくつかの実施形態において、治療計画または方法が、視覚機能の低下速度の遅延または視覚機能の改善において、対象にとって最も有効である、生理的な絶好の機会が存在すると思われる。一実施形態において、対象において最も有効である、本開示の治療計画に関する絶好の機会は、視覚機能の喪失と網膜変性、特に光受容体細胞の変性との間の間隔として定義される。特定の年齢群の対象は、本開示の治療計画により特に利益を受けると思われる。より具体的には、網膜/光受容の変性の程度が低いほど、本開示の治療計画により良くまたはより速く応答する傾向がある、および/または後続の投薬期間が必要になる前により長い休止期間を有する可能性がある。例えば、ある実施形態において、LCAまたはRPなどの内因性レチナール欠乏による視覚機能の喪失を有する対象が若いほど、高い百分率の休眠光受容体を保有する可能性がある。このような休眠光受容体は、本発明の治療計画に応答可能である。特に、LCAまたは早期発症RP例えばarRPなどの遺伝性小児盲目から生じる対象における視覚機能の改善において、対象が若いほど、それらの網膜変性の進行が少ないので、視覚機能の大きな回復を期待することができる。したがって、本発明の一実施形態において、対象は、若年、すなわち治療計画の開始時点において15歳未満のヒトである。本発明の他の実施形態において、対象は、ヒト新生児または治療計画の開始時に、1歳未満、18ヶ月未満、24ヶ月未満もしくは36ヶ月未満のヒト幼児である。他の実施形態において、対象は、治療計画開始時に5歳以上のヒトである。さらなる実施形態において、ヒト対象は、治療計画開始時に10歳以上である。
いくつかの事例において、RPは、20歳以降にヒト対象に現れることがある。ヒトにおけるarRPの平均診断年齢は、約36歳である(Tsujikawa M.ら、Arch Ophthalmol 126(3)337−340(2008))。したがって、他の実施形態において、ヒトRP対象は、治療計画開始時に15歳以上である。より詳細な実施形態において、本明細書に記載の計画、方法および組成物の投与の開始時のヒトRP対象は、治療計画開始時に20歳以上、30歳以上、40歳以上、50歳以上、60歳以上または70歳以上である。他の実施形態において、本明細書に記載の計画、方法および組成物の投与の開始時のヒトRP対象は、約20歳以下または約30歳以下、または約40歳以下、または約50歳以下である。
一実施形態において、これらの対象のいずれかに関して、本開示の治療計画および方法は、網膜、特に光受容体のいずれかの変性が、本開示の治療計画が対象における視覚機能の改善において効果がなくなる時点に達しないように、本明細書において定義された視覚障害が診断され次第開始するべきである。
合成レチナール誘導体
本開示は、対象において視覚機能を改善する方法を提供する。合成レチナール誘導体を投与し、視覚機能を改善、および/またはレチノイドレベルの欠乏効果を寛解することができる。視覚機能は、例えば、11−シス−レチノイドの代替および/またはオプシン作動薬として作用可能な合成レチノイドを提供することによって改善することができる。合成レチノイドは、対象の視覚系におけるレチノイド欠乏の効果を寛解することができる。合成レチノイドは、予防的(例えば、内因性レチノイド欠乏を有すると診断された対象に、合成レチノイドを与えられなかった比較可能な対象と比較して、対象の視覚機能の悪化もしくはさらなる悪化を予防、減速または遅延するために)または治療的に対象に投与することができる。
合成レチナール誘導体は、11−シス−レチナールまたは9−シス−レチナールに由来するレチノイドである。ある実施形態において、合成レチナール誘導体は、合成の9−または11−シスレチノイドである。他の実施形態において、合成レチノイドは、11−シス−レチナールまたは9−シス−レチナールの誘導体である。いくつかの実施形態において、合成レチナール誘導体は、例えば、レチノイドの代替品であり、内因性レチノイドのレベルを補うことができる。他の実施形態において、合成レチナール誘導体は、9−または11−シス−レチニルエステルである。他の実施形態において、合成レチナール誘導体は、9−シス−レチノールまたは11−シス−レチノールである。他の実施形態において、合成レチナール誘導体は、9−シス−レチナールまたは11−シス−レチナールである。
いずれの特定の理論にも縛られることを意図するものではないが、本発明のある実施形態において、本開示の治療計画において使用される合成レチナール誘導体は、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供され、その結果、視覚サイクルの鍵となる生化学的成分を回復させる。本開示の治療計画に適切な合成レチナール誘導体は、9−シス−レチナールまたは11−シス−レチナールの誘導体であってよい。11−シス−レチナールと同様に、9−シス−レチナールはオプシンと結合し、光活性のイソロドプシンを形成することができ、光活性イソロドプシンは、無色化された場合、11−シス−レチナールにより再生されたロドプシンと同じ光産物を介して立体構造変化を受ける(Yoshizawa,T.ら、Nature 214,566−571(1967)およびFilipek S.ら、Annu Rev Physiol 65:851−79(2003))。9−シス−レチナールおよびその誘導体は、それらの11−シス−レチナール対応物より、一般的に熱力学的に安定である。
合成レチナール誘導体は、レチナールまたは合成レチナール類似体に、直接または間接的に変換することができる。したがって、いくつかの態様において、本開示に従った化合物はプロドラッグと記載することができ、このプロドラッグは代謝的転換において、9−シス−レチナール、11−シス−レチナールまたはこれらの合成レチナール誘導体に変換される。代謝的転換は、例えば、酸加水分解、エステラーゼ活性、アセチルトランスフェラーゼ活性、脱水素酵素活性などにより起こり得る。例えば、理論に縛られることを望むものではないが、合成9−シス−レチナール誘導体(例えば、9−シス−レチニルエステル、例えば9−シス−レチニルアセテート)は、消化経路において9−シス−レチノールに変換され、血流を介して網膜に輸送され、RPEにおいて9−シス−レチナールに変換される。
一実施形態において、本開示の方法に適切な9−および11−シス−レチニルエステルは、国際特許出願公開第WO2006/002097号および米国特許出願公開第2010/0035986号に記載の9−シス−レチニルエステルまたは11−シス−レチニルエステルであってよく、これらの出願は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明のある実施形態において、合成レチナール誘導体は、直接またはこれらの代謝産物によってオプシンに結合し、オプシン作動薬として機能する。本明細書において使用する場合、「作動薬」という用語は、オプシンに結合し、オプシン/合成レチナール誘導体複合体の光に応答する能力を容易にする合成レチナール誘導体を指す。オプシン作動薬として、合成レチナール誘導体は、遮断されたレチノイドサイクルの薬理学的バイパスを生み出し、したがって内因性レチノイド(例えば11−シス−レチナール)の要求を省くことができる。
ある実施形態において、本発明において使用するための9−または11−シス−レチニルエステルは、眼において正常に見出される天然のレチニルエステルではない。いくつかの実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルは、単離レチニルエステルである。本明細書において使用する場合、「単離」は、その天然環境から離れて存在し、したがって天然の生成物ではない分子を指す。単離分子は、精製された形態で存在しても、または非天然環境に存在してもよい。追加の実施形態において、合成レチナール誘導体は、9−シス−レチノール、9−シス−レチナール、11−シス−レチノールまたは11−シス−レチナールである。
一態様において、9−または11−シス−レチニルエステルは、式I:
(式中、Aは−OC(O)Rであり、
Rは場合により置換されたアルキル基またはアルケニル基である)
の9−シス−レチニルエステルであってよい。
ある実施形態において、Rは、C1からC24の直鎖または分枝型のアルキル基、例えば、C1からC14またはC1からC12の直鎖または分枝型のアルキル基である。他の実施形態において、Rは、C1からC10の直鎖または分枝型のアルキル基、例えば、C1からC8またはC1からC6の直鎖または分枝型のアルキル基であってよい。例示的アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデカニルが挙げられる。
ある実施形態において、Rはメチルである。
ある実施形態において、RはC15のアルキル基である。このようなある実施形態において、式Iの化合物は、9−シス−パルミチン酸レチニルである。
ある実施形態において、RはC17のアルキル基である。このようなある実施形態において、式Iの化合物は、9−シス−ステアリン酸レチニルである。
ある実施形態において、RはC17のアルケニル基である。このようなある実施形態において、式Iの化合物は、9−シス−オレイン酸レチニルである。
ある実施形態において、Rは、置換されたアルキルまたはアルケニル基、例えば、1以上のカルボン酸により置換されたアルキルまたはアルケニル基である。ある実施形態において、1以上のカルボン酸により置換されたアルキルまたはアルケニル基は、1以上のヒドロキシル基によりさらに置換されている。前述のある実施形態において、Aはポリカルボン酸基、例えば、ジ−、トリ−または高次カルボン酸である。例えば、いくつかの実施形態において、Aは、C2−C22、C3−C22、C2−C10、C3−C10、C4−C10、C4−C8、C4−C6またはC4のポリカルボン酸基である。前述のある例示的実施形態は、Aが、シュウ酸(エタン二酸)、マロン酸(プロパン二酸)、コハク酸(ブタン二酸(butadedioic))、フマル酸(ブテン二酸)、リンゴ酸(2−ヒドロキシブテン二酸)、グルタル酸(ペンタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、ピメリン酸(ヘプタン二酸)、スベリン酸(オクタン二酸)、アゼライン酸(ノナン二酸)、セバシン酸(デカン二酸)、クエン酸、オキザロ酢酸またはケトグルタル酸(ketoglutaratic acid)の基などである実施形態を含む。いくつかの実施形態において、ポリカルボン酸基は、酒石酸ではない。(この文脈において、「基」という用語は、式Iのポリエン鎖の末端炭素に共有結合できるラジカルを指す。)
適切な合成9−シス−レチニルエステルの例としては、例えば、9−シス−レチニルアセテート、9−シス−レチニルスクシネート、9−シス−レチニルシトレート、9−シス−レチニルケトグルタレート、9−シス−レチニルフマレート、9−シス−レチニルマレートまたは9−シス−レチニルオキザロアセテートが挙げられる。ある実施形態において、9−シス−レチニルエステルは、9−シス−レチニルアセテートである。
関連する態様において、11−シス−レチニルエステルは、式II:
(式中、Aは−OC(O)Rであり、
Rは、場合により置換されているアルキル基またはアルケニル基である)
の11−シス−レチニルエステルであってよい。
ある実施形態において、Rは、C1からC24直鎖または分枝型のアルキル基、例えば、C1からC14またはC1からC12の直鎖または分枝型のアルキル基である。他の実施形態において、Rは、C1からC10の直鎖または分枝型のアルキル基、例えば、C1からC8またはC1からC6の直鎖または分枝型のアルキル基であってよい。例示的アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデカニルが挙げられる。
ある実施形態において、Rはメチルである。
ある実施形態において、RはC15のアルキル基である。このようなある実施形態において、式IIの化合物は、11−シス−パルミチン酸レチニルである。
ある実施形態において、RはC17のアルキル基である。このようなある実施形態において、式IIの化合物は、11−シス−ステアリン酸レチニルである。
ある実施形態において、RはC17のアルケニル基である。このようなある実施形態において、式IIの化合物は、11−シス−オレイン酸レチニルである。
ある実施形態において、Rは、置換されたアルキルまたはアルケニル基、例えば、1以上のカルボン酸により置換されたアルキルまたはアルケニル基である。ある実施形態において、1以上のカルボン酸により置換されたアルキルまたはアルケニル基は、1以上のヒドロキシル基によりさらに置換されている。前述のある実施形態において、Aはポリカルボン酸基、例えば、ジ−、トリ−または高次カルボン酸である。例えば、いくつかの実施形態において、Aは、C2−C22、C3−C22、C2−C10、C3−C10、C4−C10、C4−C8、C4−C6またはC4のポリカルボン酸基である。前述のある例示的実施形態は、Aが、シュウ酸(エタン二酸)、マロン酸(プロパン二酸)、コハク酸(ブタン二酸(butadedioic))、フマル酸(ブテン二酸)、リンゴ酸(2−ヒドロキシブテン二酸)、グルタル酸(ペンタン二酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、ピメリン酸(ヘプタン二酸)、スベリン酸(オクタン二酸)、アゼライン酸(ノナン二酸)、セバシン酸(デカン二酸)、クエン酸、オキザロ酢酸またはケトグルタル酸(ketoglutaratic acid)の基などである実施形態を含む。いくつかの実施形態において、ポリカルボン酸基は、酒石酸ではない。(この文脈において、「基」という用語は、式IIのポリエン鎖の末端炭素に共有結合できるラジカルを指す。)
適切な合成11−シス−レチニルエステルの例としては、例えば、11−シス−レチニルアセテート、11−シス−レチニルスクシネート、11−シス−レチニルシトレート、11−シス−レチニルケトグルタレート、11−シス−レチニルフマレート、11−シス−レチニルマレートまたは11−シス−レチニルオキザロアセテートが挙げられる。ある好ましい実施形態において、11−シス−レチニルエステルは、11−シス−レチニルアセテート
である。
「アシル」という用語は、当技術分野において承認されており、一般式ヒドロカルビルC(O)−、好ましくはアルキルC(O)−により表される基を指す。
「アシルアミノ」という用語は、当技術分野において承認されており、アシル基により置換されたアミノ基を指し、例えば、式ヒドロカルビルC(O)NH−、好ましくはアルキルC(O)NH−により表わすことができる。
「アシルオキシ」という用語は、当技術分野において承認されており、一般式ヒドロカルビルC(O)O−、好ましくはアルキルC(O)O−により表される基を指す。
本明細書において使用する場合、「脂肪族」という用語は、直鎖、分枝型または環状の炭化水素を含み、これは、完全に飽和した、または1以上の不飽和単位を含有する。脂肪族基は、置換されていても、または非置換であってもよい。
「アルコキシ」という用語は、結合したアルキル基を有する酸素を指す。代表的アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどを含む。
「アルケニル」は、炭素および水素原子のみからなり、少なくとも1つの不飽和(すなわち、C=C)を含有し、2から最高20の炭素原子を有する直鎖または分枝型の炭化水素鎖ラジカルを指す。さまざまな実施形態において、Rは、C12−17アルケニル、C1−8アルケニル、C1−6アルケニルまたはC1−4アルケニルである。本明細書において特に明示しない限り、アルキル基は、1以上の置換基により場合により置換されていてよい。このような置換基は、1以上の二重結合に含まれる、または含まれない1以上の炭素原子上に存在し得る。例示的置換基としては、ハロ(−F、−Br、−Clおよび−Iを含む)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO2)、オキソ(=O)およびヒドロキシル(−OH)が挙げられる。
ある実施形態において、「アルキル」は飽和脂肪族基のラジカルを指し、直鎖アルキル基および分枝鎖のアルキル基を含む。ある実施形態において、アルキルは、12から17の炭素原子を含み得る(「C12−17アルキル」とも称される)。ある実施形態において、アルキルは、12から15の炭素原子を含み得る(「C12−15アルキル」とも称される)。ある実施形態において、アルキルは、1から8の炭素原子を含み得る(「C1−8アルキル」とも称される)。他の実施形態において、アルキルは、1から6の炭素原子を含み得る(「C1−6アルキル」とも称される)。さらなる実施形態において、アルキルは、1から4の炭素原子を含み得る(「C1−4アルキル」とも称される)。アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどである。
さらに、本明細書、実施例および特許請求の範囲を通して使用する場合、「アルキル」(または「低級アルキル」)という用語は、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことが意図され、このうち後者は、炭化水素骨格の1以上の炭素上の水素に置き換わる置換基を有するアルキル部分を指す。このような置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオ酢酸またはチオギ酸)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキルまたはアリールもしくはヘテロアリール部分を含むことができる。ある実施形態において、アルキル基は、下記の置換基:ハロ(−F、−Br、−Clおよび−Iを含む)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO2)、オキソ(=O)およびヒドロキシル(−OH)の1以上により、場合により置換されていてよい。
「Cx−y」という用語は、化学的部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシと併せて使用する場合、xからy個の炭素原子を鎖中に含有する基を含むことを意味する。例えば、「Cx−yアルキル」という用語は、xからy個の炭素原子を鎖中に含有する直鎖アルキルおよび分枝鎖アルキルの基を含む、置換または非置換の飽和炭化水素基を指し、ハロアルキル基、例えばトリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチル(tirfluoroethyl)などを含む。Cアルキルは、基が末端位置にある場合に水素を示し、内部にある場合は結合を示す。「C2−yアルケニル」および「C2−yアルキニル」という用語は、長さおよび置換の可能性が、上記のアルキルと類似であるが、それぞれ、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する、置換または非置換の、不飽和脂肪族基を指す。
本明細書において使用する場合、「アルキルアミノ」という用語は、少なくとも1つのアルキル基により置換されたアミノ基を指す。
本明細書において使用する場合、「アルキルチオ」という用語は、アルキル基により置換され、一般式アルキルS−により表すことができるチオール基を指す。
本明細書において使用する場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を含有する脂肪族基を指し、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の両方を含むことが意図され、このうち後者は、アルキニル基の1以上の炭素上の水素に置き換わる置換基を有するアルキニル部分を指す。このような置換基は、1以上の三重結合に含まれる、または含まれない1以上の炭素原子上に存在し得る。さらに、このような置換基は、安定性が禁制である場合を除いて、上記のように、アルキル基に関して企図されるすべての置換基を含む。例えば、1以上のアルキル、カルボシクリル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が企図される。好ましい実施形態において、アルキニルは、1−12の炭素をその骨格に有し、好ましくは1−8の炭素をその骨格に有し、より好ましくは1−6の炭素をその骨格に有する。例示的アルキニル基としては、プロピニル、ブチニル、3−メチルペンタ−1−イニルなどが挙げられる。
本明細書において使用する場合、「アミド」という用語は、基
(式中、RおよびR10はそれぞれ独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、またはRおよびR10は、これらが結合しているN原子と一緒になって、4から8個の原子を環構造中に有する複素環を完成させる)
を指す。
「アミン」および「アミノ」という用語は、当技術分野において承認されており、非置換および置換両方のアミンならびにこれらの塩、例えば、
(式中、R、R10およびR10’はそれぞれ独立して、水素またはヒドロカルビル基を表すか、またはRおよびR10は、これらが結合しているN原子と一緒になって、4から8個の原子を環構造中に有する複素環を完成させる)
により表すことができる部分を指す。
本明細書において使用する場合、「アミノアルキル」という用語は、アミノ基により置換されたアルキル基を指す。
本明細書において使用する場合、「アラルキル」という用語は、1以上のアリール基により置換されたアルキル基を指す。
本明細書において使用する場合、「アリール」という用語は、各環原子が炭素である、置換または非置換の単環式芳香族基を含む。好ましくは、この環は、5から7員環、より好ましくは6員環である。アリール基は、フェニル、フェノール、アニリンなどを含む。
「カルバメート」という用語は、当技術分野において承認されており、基
(式中、RおよびR10は独立して、水素またはヒドロカルビル基、例えばアルキル基を表す)
を指す。
本明細書において使用する場合、「炭素環(carbocycle)」、「カルボシクリル(carbocyclyl)」および「炭素環式(carbocyclic)」という用語は、各環原子が炭素である、非芳香族の、飽和または不飽和環を指す。好ましくは、炭素環は3から10の原子、より好ましくは5から7の原子を含有する。
本明細書において使用する場合、「カルボシクリルアルキル」という用語は、炭素環基により置換されたアルキル基を指す。
「カーボネート」という用語は、当技術分野において承認されており、基−OCO−R(式中、Rは、ヒドロカルビル基、例えばアルキル基を表す)を指す。
本明細書において使用する場合、「カルボキシ」という用語は、式−COHにより表される基を指す。
本明細書において使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、飽和脂肪族環のラジカルを指す。好ましい実施形態において、シクロアルキルは、それらの環構造中に3−10の炭素原子を有し、より好ましくはそれらの環構造中に5−7の炭素原子を有する。適切なシクロアルキルとしては、シクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピルが挙げられる。
本明細書において使用する場合、「エーテル」という用語は、酸素を介して別のヒドロカルビル基に連結したヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル−O−であってよい。エーテルは、対称的または非対称的のいずれかであってよい。エーテルの例としては、限定するものではないが、複素環−O−複素環およびアリール−O−複素環が挙げられる。エーテルは「アルコキシアルキル」基を含み、これは、一般式アルキル−O−アルキルにより表すことができる。
本明細書において使用する場合、「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含む。
本明細書において使用する場合、「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、O、SまたはR50がHまたは低級アルキルであるようなNR50)を含み、2つのヘテロ原子が隣接しない炭素原子の飽和または不飽和鎖を指す。
本明細書において使用する場合、「ヘタラルキル(hetaralkyl)」および「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘタリール基により置換されたアルキル基を指す。
「ヘテロアリール」および「ヘタリール」という用語は、環構造が少なくとも1つのヘテロ原子(例えばO,NまたはS)、好ましくは1から4または1から3のヘテロ原子、より好ましくは1または2のヘテロ原子を含む、置換または非置換の芳香族単環構造、好ましくは5から7員環、より好ましくは5−6員環を含む。ヘテロアリール環に2以上のヘテロ原子が存在する場合、それらは同じであっても、または異なっていてもよい。「ヘテロアリール」および「ヘタリール」という用語は、2以上の炭素が2つの隣接する環に共通である2以上の環を有し、環の少なくとも1つが芳香族複素環であり、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび/またはヘテロシクリルであってよい、多環式環系をさらに含む。好ましい多環式環系は、環の両方が芳香族である2つの環を有する。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、キノリンおよびピリミジンなどが挙げられる。
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書において使用する場合、炭素または水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましい、ヘテロ原子は、窒素、酸素およびイオウである。
「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」、「複素環(heterocycle)」および「複素環式(heterocyclic)」という用語は、環構造が、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは1から4のヘテロ原子、より好ましくは1または2のヘテロ原子を含む、置換または非置換の非芳香族環構造、好ましくは3から10員環、より好ましくは3から7員環を指す。ヘテロシクリル基としては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどが挙げられる。
本明細書において使用する場合、「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、複素環基により置換されたアルキル基を指す。
本明細書において使用する場合、「ヒドロカルビル」という用語は、=Oまたは=Sの置換基を有さない炭素原子を介して結合され、通常、少なくとも1つの炭素−水素結合および主に炭素骨格を有するが、場合によりヘテロ原子を含んでもよい基を指す。したがって、メチル、エトキシエチル、2−ピリジルおよびトリフルオロメチルなどの基が、本出願の目的のためのヒドロカルビルと考えられるが、アセチル(連結する炭素原子上に=O置換基を有する)およびエトキシ(炭素ではなく酸素を介して連結される)などの置換基は、本出願の目的のためのヒドロカルビルではない。ヒドロカルビル基としては、限定するものではないが、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
化学的部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシと併せて使用する場合、「低級」という用語は、置換基中に10以下の非水素原子、好ましくは6以下の非水素原子が存在する基を含むことを意味する。例えば「低級アルキル」は、10以下の炭素原子、好ましくは6以下の炭素原子を含有するアルキル基を指す。直鎖または分枝鎖の低級アルキルの例としては、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、第3級ブチルなどが挙げられる。ある実施形態において、本明細書において定義されたアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシ置換基は、単独で出現しても、または他の置換基、例えば列挙したアラルキル(この場合、例えばアルキル置換基中の炭素原子を数える場合、アリール基内の原子は数えられない)と併せて出現しても、それぞれ、低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニルまたは低級アルコキシである。
「ポリシクリル(polycyclyl)」、「多環(polycycle)」および「多環式(polycyclic)」という用語は、2以上の原子が2つの隣接する環に共通である、例えば環が「縮合環」である、2以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび/またはヘテロシクリル)を指す。好ましい多環は、2−3の環を有する。多環の各環は、置換されていても、または非置換であってもよい。ある実施形態において、多環の各環は、3から10の原子、好ましくは5−7の原子を環内に含有する。
「置換された」という用語は、骨格の1以上の炭素上の水素に置き換わる置換基を有する部分を指す。「置換」または「と置換された」が、このような置換が、置換された原子および置換基の可能な原子価に従っており、置換が安定な化合物、例えば転位、環化、脱離などにより自然発生的に転換されない化合物をもたらすという暗黙の条件を含むことは、理解されるであろう。本明細書において使用する場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての容認される置換基を含むことが企図される。広範囲の態様において、容認される置換基は、有機化合物の非環式および環式の、分枝および非分枝型の、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族置換基を含む。容認される置換基は、適切な有機化合物に対して、1以上であり、同じであっても、または異なっていてもよい。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載の有機化合物の任意の容認される置換基を有することができる。置換基は、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミルまたはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオ酢酸またはチオギ酸)、アルコキシル、アルキルチオ、アシルオキシ、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキルまたは芳香族もしくは複素環芳香族部分を含み得る。
特に「非置換」であると述べない限り、本明細書における化学的部分に対する言及は、置換された変異形を含むと理解される。例えば、「アリール」基または部分に対する言及は、置換および非置換の両方の変異形を暗黙のうちに含む。
「スルフェート」という用語は、当技術分野において承認されており、基−OSOHまたはこれらの薬学的に許容され得る塩またはエステルを指す。
「スルホンアミド」という用語は、当技術分野において承認されており、一般式
(式中、RおよびR10は独立して、水素またはヒドロカルビル、例えばアルキルを表す)
により表される基を指す。
「スルホキシド」という用語は、当技術分野において承認されており、基−S(O)−Rを指し、式中、Rはヒドロカルビル、例えば、アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表す。
「スルホネート」という用語は、当技術分野において承認されており、基−SOHまたはこれらの薬学的に許容され得る塩またはエステルを指す。
「スルホン」という用語は、当技術分野において承認されており、基−S(O)−Rを指し、式中、Rはヒドロカルビル、例えばアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表す。
本明細書において使用する場合、「チオエステル」という用語は、基−C(O)SRまたは−SC(O)Rを指し、式中、Rはヒドロカルビル、例えばアルキルを表す。
本明細書において使用する場合、「チオエーテル」という用語は、酸素がイオウで置き換えられたエーテルと等価物である。
「尿素」という用語は、当技術分野において承認されており、一般式
(式中、RおよびR10は独立して、水素またはヒドロカルビル、例えばアルキルを表す)
により表すことができる。
本明細書のさまざまな場所において、本開示の化合物の置換基は、群で、または範囲で開示されている。本開示が、このような群および範囲のメンバーのありとあらゆる個別の部分的組み合わせを含むことが特に意図される。例えば、「C−Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルなどを個別に開示することを特に意図している。
ある実施形態において、9−シス−レチニルエステルは、肝臓により代謝的プロドラッグ形態、すなわち脂肪酸9−シス−レチニルエステルに転換されることができ、これは肝臓において肝臓脂質滴中に貯蔵される。脂肪酸9−シス−レチニルエステルおよびレチノールは、肝臓から動員され、循環に進入し、眼およびRPEに移動する。そこで、9−シス−レチニルエステルおよびレチノールは9−シス−レチナールに変換され、最終的に光受容体のオプシンと組み合わされ、活性視覚色素を形成する。
好ましい9−シス−レチニルエステルは、9−シス−レチニルアセテートである。「9−シス−R−Ac」とも称され、9−シス−レチニルアセテートは、肝臓により脂肪酸9−シス−レチニルエステル、例えば、9−シス−パルミチン酸レチニルに代謝される。脂肪酸9−シス−レチニルエステルおよびレチノールはその後、欠乏した発色団、例えば11−シス−レチナールの代替として、眼およびRPEにおいて9−シス−レチナールに変換される。
一実施形態において、9−シス−R−Acはまず、オールトランスレチニルアセテート(Sigma−Aldrich)を、9−シス−レチニルアセテートおよびオールトランスレチニルアセテートの混合物に、パラジウム触媒(例えば、パラジウム塩、酸化パラジウム)の存在下で変換することによって調製することができる。9−シス−レチニルアセテートおよびオールトランスレチニルアセテートの混合物を、次いで加水分解し、9−シス−レチノールおよびオールトランスレチノールの混合物を生成する。純粋な9−シス−レチノールを、選択的再結晶化により単離し、純粋な9−シス−R−Acにさらにエステル化することができる。9−シス−R−Acの調製および精製の過程の詳細な説明は、例えば、英国特許第1452012号に見出すことができる。
ある実施形態において、本明細書に記載の9−シス−レチニルエステルは、9−シス−レチノールから、適切なエステル化剤を使用して、9−シス−R−Acの調製と同様の手法で調製することができ、この方法は、当業者の知見の範囲内である。
ある実施形態において、9−および11−シス−レチニルエステルは、当分野において公知の方法により、例えば、レチノールとカルボン酸の酸触媒によるエステル化により、ハロゲン化アシルとレチノールとの反応により、レチニルエステルとカルボン酸とのエステル転移反応により、第1級ハロゲン化物とレチノイン酸のカルボン酸塩との反応により、無水物とレチノールとの酸触媒による反応などにより、形成することができる。例示的実施形態において、9−および11−シス−レチニルエステルは、レチノールとカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、コハク酸、フマル酸などとの酸触媒によるエステル化により形成することができる。別の例示的実施形態において、レチニルエステルは、ハロゲン化アシルとレチノールとの反応により形成することができる(例えば、Van Hooserら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97:8623−28(2000)参照)。適切なハロゲン化アシルとしては、例えば塩化アセチル、塩化パルミトイルなどが挙げられる。
ある実施形態において、トランス−レチノイドは、UV光に曝露することにより、シス−レチノイドに異性化することができる。例えば、オールトランスレチナール、オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステルまたはオールトランスレチノイン酸は、それぞれ、9−シス−レチナール、9−シス−レチノール、9−シス−レチニルエステルまたは9−シス−レチノイン酸に異性化することができる。トランス−レチノイドは、例えば、波長約365nmを有するとともに本明細書においてさらに記載するように、シス−レチノイドの分解を引き起こすこれより短い波長を実質的に含まないUV光に曝露することにより、9−シス−レチノイドに異性化することができる。
本開示の別の実施形態において、トランス−レチノイドは、UV光に曝露することによりシス−レチノイドに異性化することができる。例えば、オールトランスレチナール、オールトランスレチノール、オールトランスレチニルエステルまたはオールトランスレチノイン酸は、波長約365nmを有するとともに本明細書においてさらに記載するように、シス−レチノイドの分解を引き起こすこれより短い波長を実質的に含まないUV光に曝露することにより、それぞれ、9−シス−レチナール、9−シス−レチノール、9−シス−レチニルエステルまたは9−シスレチノイン酸に異性化することができる。
本開示の合成レチナール誘導体は、他のレチノイドを約5%未満または約1%未満または約0.1%未満含有するという点で、実質的に純粋であり得る。1以上の合成レチナール誘導体は、本開示の治療計画に使用することができる。
本開示の薬学的に許容され得る組成物
9−および11−シス−レチニルエステルを含む本開示の合成レチナール誘導体は、薬学的に許容され得るビヒクルおよび当分野において日常的に使用される技術を使用して経口投与のために製剤化することができる。ある実施形態において、合成レチナール誘導体は、経口投与に適切な製剤に製剤化される。合成レチナール誘導体の大部分は油性物質および親油性であり、したがって、1以上の脂質ビヒクルに容易に混和できる。
9−および11−シス−レチニルエステルを含む本開示の合成レチナール誘導体(例えば、9−シス−レチニルエステル)は、光および酸素に感受性である。したがって、製剤の安定性を維持し、有効性および保存可能期間を最大にすることが望ましい。適切な脂質ビヒクルは、合成レチナール誘導体をその中に懸濁または可溶化した場合に安定化させるその能力に基づいて選択することができる。本明細書において使用する場合、「脂質」または「脂質ビヒクル」は、脂肪酸エステルの1つまたはブレンドを指す。さまざまな実施形態において、脂質ビヒクルは、1以上のトリグリセリドを含み、このトリグリセリドは、単一のグリセロールが3つの脂肪酸によりエステル化された時に形成される。トリグリセリドは、植物油および動物性脂肪の両方を含む。さまざまな実施形態において、脂質ビヒクルは、50w/w%を超える多価不飽和脂肪酸を含み、この多価不飽和脂肪酸はオメガ−6脂肪酸およびオメガ−3脂肪酸を15未満の比率(重量)で含む。
好ましい実施形態において、合成レチナール誘導体、例えば9−または11−シス−レチニルエステルは、レチナール誘導体、例えば、9−または11−シス−レチニルエステルおよび脂質ビヒクルを含む経口製剤に製剤化される。さらなる実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルは9−シス−レチニルアセテートであり、脂質ビヒクルはダイズ油である。さらなる実施形態において、製剤は、酸化防止剤をさらに含む。あるこのような実施形態において、酸化防止剤はブチルヒドロキシアニソール(BHA)である。本発明による使用に適切な追加の脂質ビヒクルおよび製剤の記述は、例えば、QLT Inc.,による国際特許出願PCT/US2009/059126に見出すことができ、この出願の関連する開示はその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、合成レチナール誘導体、好ましくは9−もしくは11−シス−レチニルエステルまたはその薬学的に許容され得る組成物を含有するキットをさらに提供する。キットは、本開示の治療計画および方法における、合成レチナール誘導体の使用に関する取扱説明書をさらに含む。好ましくは、市販のパッケージは、1以上の単位用量の合成レチナール誘導体、例えば1以上の単位用量の9−もしくは11−シス−レチニルエステルまたは本開示の治療計画または方法に使用するためにその薬学的に許容され得る組成物を含有するものである。光および/または空気感受性である合成レチナール誘導体、例えば9−もしくは11−シス−レチニルエステルまたはその薬学的に許容され得る組成物が、特殊なパッケージおよび/または製剤を必要とすることは、当業者には明らかであると思われる。例えば、パッケージは、光を通さない、および/または周囲空気との接触から密閉されている、および/または適切な賦形剤により製剤化されているキットのために使用することができる。
投薬量、投薬頻度および投与様式
本開示の治療計画に使用される、合成レチナール誘導体および合成レチナール誘導体を含む薬学的に許容され得る医薬組成物は、経口用量の形態であってよい。一実施形態において、9−または11−シス−レチニルエステルおよび脂質ビヒクルを含む、本開示の薬学的に許容され得る組成物は、本開示の治療計画の対象に経口投与される。本開示の別の実施形態において、本開示の経口投与される薬学的に許容され得る組成物は、9−シス−レチニルエステルおよびダイズ油を含む。本開示の別の実施形態において、経口投与される薬学的に許容され得る組成物は、9−シス−レチニルアセテートまたは9−シス−レチニルスクシネートおよびダイズ油(USPグレード)を含む。
本開示の合成レチナール誘導体、例えば、9−または11−シス−レチニルエステルの経口投与は、いくつかの潜在的有利性を有し、この有利性は、本開示の治療計画を受ける対象の両目のすべての光受容体の療法への曝露、外科的介入の欠落および任意の時点における投与の中止を含む。他の実施形態において、本開示の治療計画は、対象、例えば、対象における内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害を処置または寛解する方法として、既に遺伝子療法を受けている対象の視覚サイクルに関連する1以上の遺伝子、例えばRPE65またはLRATの置き換えのためのベクター媒介性遺伝子移入療法と組み合わせて使用することができる。
本開示の治療計画は、視覚機能の有意義な改善を生み出し、一方許容され得る安全性プロファイルを示し、したがって、一実施形態において、本開示の治療計画は、長期(慢性)治療計画として適切であり得る。
第1の治療用量と第2の治療用量との間の休止期間の長さは、1ヵ月未満、例えば7から28日であり、場合により、1ヵ月未満の休止期間の間に、本明細書において定義の対象の視覚機能のパラメータの1以上の持続性または増加に基づき選択されてもよい。対象の視覚機能の投薬依存性効果または改善は、個別的に観察および評価することができ、1ヵ月未満の休止期間内に対象の投薬必要条件のカスタマイズが可能になる。または第2の治療用量の投与は、第1の投薬期間および任意の休止期間の間の前回の有効性評価に対する、対象の視覚機能パラメータの1以上の減少に基づくことができる。例えば、対象の投薬の有効性は、第1の治療用量後、例えば、約3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日において評価することができる。評価の任意の時点において、後続治療用量を、任意の休止期間の間の対象の視覚機能パラメータの1以上の後戻りに基づき、投与することができる。
いくつかの実施形態において、臨床的に関連のある安全性プロファイルが、複数の治療投薬期間および休止期間と併せて確立される。いくつかの実施形態において、最高6回、最高5回、最高4回または最高3回の治療用量が、最高6ヶ月、最高5ヶ月、最高4ヶ月または最高3ヶ月に投与される。いくつかの実施形態において、最高12回、最高11回、最高10回、最高9回、最高8回、最高7回、最高6回、最高5回、最高4回または最高3回の治療用量が、最高12ヶ月、最高11ヶ月、最高10ヶ月、最高9ヶ月、最高8ヶ月、最高7ヶ月、最高6ヶ月、最高5ヶ月、最高4ヶ月または最高3ヶ月に、対象に投与される。別の実施形態において、最高3回の治療用量が、約3ヶ月に投与される。別の実施形態において、最高6回の治療用量が、約6ヶ月に投与される。前述のある場合において、わずか1回の治療用量が1ヵ月ごとに投与される。
いくつかの実施形態において、RP対象のために確立された治療計画および方法は、LCA対象にも適用可能である。
組成物の経口投与後、いずれの特定の理論にも縛られることを望むものではないが、薬剤は、肝臓およびRPE(レチノソーム(retinosomes)と呼ばれる)において脂質滴に組み込まれ、そこから動員されると考えられる。Imanishi Y.ら、J Cell Biol 166:447−53(2004)。薬剤は、レチノール結合タンパク質4(RBP4)に結合した肝臓により分泌され、周辺組織に送達され、一方で、眼において、9−シス−レチナールに酸化され、レチノイドサイクルに戻される(図1)。Moise A.R.ら、Biochemistry 46:4449−58(2007)。レチノールは、それらの異性体に関わらず、脂肪細胞においても貯蔵され、必要に応じて循環内に動員される。O’Byrne S.M.ら、J Biol Chem 280:35647−57(2005)。したがって、この発色団類似体の長期効果は、活性薬剤が、周辺の脂肪細胞から緩慢に放出されるという事実に由来すると思われる。
治療効果の評価
本開示の治療計画の、RPもしくはLCAを有する対象または内因性レチノイド欠乏に関連する他の視覚障害を有する対象における視覚機能の改善における有効性は、下記のものを含む視覚機能のいくつかの測定値に基づき評価することができる。
片目または両目における対象の視覚機能の改善は、視野、視力および網膜感受性の検査、ならびに網膜電位図、動的瞳孔反射、眼振、皮質視覚機能、色覚、視覚移動性検査の測定値、ならびに生活の質の患者報告結果/生活課題を行う能力に基づき評価することができる。網膜および光受容体の変性の程度は、ベースラインおよび処置後における光干渉トポグラフィー(optical coherence topography)(OCT)および眼底自発蛍光(FAF)分析によりさらに評価することができる。本開示の治療計画の間の片目または両目における対象の視覚機能の改善は、各眼の対象の視覚機能と、本開示の治療計画の投与前の各眼の対象の視覚機能のベースライン測定値とを比較することにより、または各眼の対象の視覚機能と、治療計画を受けない比較可能なヒト視覚系とを比較することにより、明示することができる。
1.視野
進行性視野喪失は、内因性レチノイド欠乏、例えばRPおよびLCAの顕著な特徴の1つであり、疾患の進行をモニターする手段として一般的に使用される。例えば、大部分のRP対象は、重度に狭窄された視野のため、法律的には盲目であることが報告されている。
視野は、視覚の個別の全範囲であり、各眼の中心および周辺(側方)視覚を含む。正常なヒトの視野は、各眼で鼻側(鼻に向かって、または内側)およそ60度、側頭部に(鼻から離れて、または外側)100度、および水平経線から上方およそ60度および下方75度に広がる。
視野は当技術分野において承認されている技術および基準、例えば、ゴールドマン視野検査(GVF)による動的周辺視野測定法、眼底直視下の視野測定(Fundus Controlled Perimetry)(微小視野検査(Microperimetry)−MP1)またはHumphrey Visual Field Analyzer(HFA)による静的視野測定により検査可能である。GVFは、通常標準較正されたゴールドマン視野計において測定される。視野は、非視認領域から視認領域に刺激(等感度線または視標)を動かすことによって測定され、それによって周辺視野位置のマップが作製される。検査手順の面積測定のゆがみにより、GVFチャートの結果をデジタル化し、網膜表面積に変換して、網膜変性を有する対象において周辺VFの変化を最も正確に捉えることができる。ベースライン測定値を使用して、継時的VF評価のための0.7から2.4log mm範囲の中間点である1.5log mmに最も近いVF log網膜面積を提供する1つのVF等感度線を同定することができる。選択された等感度線サイズのlog網膜面積の変化は、各眼からのlog網膜面積を使用する混合効果モデルを使用して評価することができる。同じ対象の2つの眼の間の相関および相関の範囲が、この分析において説明された。20%を超える視野の改善は、試験−再試験変動性の評価に基づき臨床的に有意な改善として受け入れられる(Bittnerら、IOVS 52:8042−8046(2011))。VFはまた、立体角測定値としてステラジアンで、2以上の等感度線の結果を組み合わせる容量測定値として、または積み重ねられた等感度線の容積を見出すことによる3以上の連続する等感度線に関する近似視覚丘(Hill of Vision)として、計算することができる(Christoforidis,Clin.Ophthalmol.、5:535−541(2011))。任意の方法で計算された視野の変化は、対象のベースライン測定値と比較することによって決定することができる。
本明細書に記載の内因性レチノイド欠乏を有する対象は、検出不可から有意に狭窄した視野にまで広がり得る、さまざまな程度の障害を有し得る。例えば、RP対象におけるVF喪失の、同定可能な独特のパターンが、定義されている(Groverら、Ophthalmology 105:1069−1075(1998))。あまり進行していない定型RPは、V4e視標により検出可能なVF>20度を明示することができる。非定型RPは、V4eによる、>20度の広いVFおよび中心感受性の低下を明示することができる。これらのRP対象は、黄斑/中心窩性においてだけV4eを検出する。進行した変性を有する定型RP対象は、V4eにより<20度の狭いVFを明示するか、またはV4eによる、<20の狭いVFおよび中心感受性の低下を明示し、V4e視標を黄斑/中心窩性においてだけ検出すると思われる。
本発明の治療計画の一実施形態において、対象の視野は、投薬期間の前に得られた対象の視野のベースラインと比較して、投薬期間中に改善する。ある実施形態において、対象の視野は、投薬期間の間の対象の視野の改善と比較して、休止期間に改善し続ける。ある実施形態において、初回投薬期間の間に観察された対象の視野の改善は、休止期間の間に対象のベースライン視野より高いレベルで持続される。別の実施形態において、対象の視野の改善は、投薬期間および/または休止期間の間に改善するが、休止期間の終了までにほぼベースラインに戻る。
本発明のさまざまな実施形態において、例えばLRATまたはRPE65の変異を有する、限定するものではないがarRP患者を含むRP対象に関して、対象の視野は、ベースラインの網膜面積の少なくとも20度拡大する可能性がある。
後続の投薬期間の開始は、初回投薬期間および休止期間の間の対象の視野の改善の評価により開始してよい。例えば、後続投薬期間は、対象の視野が初回投薬期間の前のレベルまたは初回休止期間の間の所定のレベルに戻った場合に開始することができる。一実施形態において、後続投薬期間は、初回投薬期間後、対象の視野のベースラインから<20%の改善の評価により開始してもよい。
2.視力
視力(VA)の低下は、RPまたはLCAを含む内因性レチノイド欠乏に関連する他の視覚障害の過程の間に指摘され得る。早期発症RPを有する対象は、他のRP型より安定したVAを有することが報告されている。小さい島状の残存する中心VFを有する、RPが進行した個体においても、VAは依然として正常なままであり得るが、VAの低下は、一部のRP患者においても観察され得る。
視力は、視覚、特に形態視覚の鋭さまたは鮮明性を指し、これは、眼の中の網膜の焦点の鋭敏さおよび脳の解釈能力の感受性に依存している。視力は、視覚処理系の空間分解能の測定値であり、通常、条件を最適化および標準化する様式で検査される。
LogMARチャート、特に糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)のチャートは、臨床試験においてVAについての処置効果を測定するためのゴールドスタンダードとなっている。プロトコルは、4メートルにおいて20文字未満を読むことができる対象を、1メートルにおいて検査するように、十分確立されている。この方法は、ハイコントラストおよび標準的な室内照明条件下で視覚を測定する。Smith−Kettlewell Institute Low Luminance (SKILL) Chartは、標準的室内照明により実施される試験を通して、低照明をシミュレーションする、ローコントラストの条件下で視覚を評価するために設計された。SKILL Chartは、一方にハイコントラストの近見視力チャート(白い背景に黒い文字)および他方に低輝度ローコントラストチャート(暗い背景に灰色の文字)を有する。カードの暗い側の低反射率は薄暗い環境における検査をシミュレーションする。
本発明のある実施形態において、ベースラインを超える視力の改善の程度は、対象のベースライン視力に依存する可能性がある。視力が非常に低い(光覚または手を振る、ゼロ文字)患者にとって、臨床的に有意義な改善は1〜5のETDRS文字の改善を伴う。ある実施形態において、対象は、第1の治療用量の投与においてVA改善≧5ETDRS文字を有し得る。ある実施形態において、対象は、第1の治療用量の投与においてVA改善≧5から<10を有し得る。ある実施形態において、対象は、第1の治療用量の投与においてVA改善≧10から<15文字を有し得る。ある実施形態において、対象は、第1の治療用量の投与においてVA改善≧15から<20文字を有し得る。ある実施形態において、対象は、第1の治療用量の投与においてVA改善≧20文字を有し得る。したがって、本発明の治療計画の一実施形態において、対象の視力は、初回投薬期間の処置前の対象の視力レベル、すなわち、対象の視力ベースラインと比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の視力は、初回投薬期間の終了において観察された対象の視力レベルにおける改善と比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の視力の改善は、休止期間の間、対象のベースラインレベルより上で持続される。
一実施形態において、後続投与期間は、ベースラインVA>0文字を有する対象に関しては、初回投薬期間後の対象の視力のベースラインから<5文字の改善の評価において開始してもよい。
3.網膜感受性
対象の網膜感受性は、絶対強度閾値、すなわち、視覚を生み出すために必要な検査場所の最低輝度を決定することによって測定できる。網膜感受性は、さまざまなレベルの暗闇および光を調節する、およびコントラストを検出する眼の能力に関連する。
全視野刺激検査(FST)は、市販の機器を使用して、固視不能の患者において暗順応感受性を測定するために開発された。(Roman,A.J.ら、Physiol.Meas.28(8):N51−N56(2007))。この検査は、市販のERGドーム(Diagnosys)において利用可能な全視野(Ganzfeld)白色フラッシュ刺激の提示およびlog輝度(log cd/m2)で表される、絶対閾値の信頼性のある、効率的な精神的、身体的測定値を可能にする利用可能なソフトウェアを使用する。FSTはまた、Colordome Ganzfeld stimulator(Diagnosys LLC、Littleton、MA)により送達される光刺激を使用して実施することもできる。この検査方法において、全視野刺激に対する感受性の反復測定は、白色、赤色および青色のフラッシュによる暗順応状況において得られる。
2色の閾値視野測定は、既に記載されている(Lorenzら、Invest Ophthal Vis Sci.49(12):5235−5242(2008))。桿体媒介性および錐体媒介性機能の空間分布を評価するために、2色閾値視野測定を、暗順応および明順応条件下で実施した。改変されたHumphrey field analyzerまたは同等物を使用することができる。暗順応(scoptopic)閾値は暗順応の後で測定される。感受性喪失は、対象において測定された値と、各検査領域に関する正常対象の10パーセンタイルとの差として計算することができる。明順応閾値は、10cd/mの背景照明により測定される。錐体感受性は、長波長刺激に対する測定された値と、各検査領域に関する正常対象の10パーセンタイルとの差として計算することができる。
暗順応静的視野測定は、対象における暗順応(最高6時間以上の延長された暗順応を含む)閾値感受性を、視野面積にわたったさまざまな個別の領域において測定し、これは、固視不能の対象において特に有用である。この検査は、ゴールドマン視野計または市販のColorDomeにおいて利用可能な全視野刺激提示を利用し、ゴールドマン視野計または市販のColorDomeは、4.5logトロランド−秒程度のフラッシュを提示することができる。
FSTは、制限されたERG応答を有するか、またはERG応答を有さないRPE65欠損LCA患者において、白色、青色および赤色の刺激に対する桿体および錐体の感受性を測定するために、既に示されている(Jacobson,S.G.ら、Invest Ophthalmol Vis Sci.50(5):2368−2375(2009))。暗順応静的視野計測法を使用して、これらの対象の視野の残りの視覚をより正確に同定することができる。RPE65遺伝子変異を有する対象に関連のある網膜感受性評価の最適化が、以前に実施されている(Cideciyan,A.V.ら、Proc Natl Acad Sci USA.105(39):15112−15117)。したがって、本発明の治療計画の一実施形態において、対象の網膜感受性は、初回投薬期間の処置の前の対象の網膜感受性ベースラインと比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の網膜感受性は、初回投薬期間の終了における対象の網膜感受性における改善と比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の網膜感受性の改善は、初回投薬期間の終了における対象の網膜感受性レベルほどで、休止期間の間持続される。ある実施形態において、対象の網膜感受性の改善は、休止期間の間に対象のベースライン網膜感受性より上で持続される。
4.網膜電位図(ERG)
ERG検査は、広く受け入れられている標準検査であり、内因性レチノイド欠乏に関連する視覚障害を含む大部分の遺伝性網膜疾患(IRD)の進行を、診断およびモニターするために日常的に使用されている。IRDを専門にする医師は、ERG応答の有意な、反復可能な改善は、視覚機能の改善を示すことに同意している。例えば、ERG応答は、RPにおける桿体および錐体の機能の喪失の早期指標であり、ERG応答の低下は、症状がかなり後に出現するとしても、生後数年のうちに明らかになる可能性がある。RP患者が、低下した、または検出不能な桿体および錐体の応答を有し、桿体のERG応答の喪失が錐体のERG応答の喪失より通常大きいことが報告されている。
一般的網膜応答を評価する、伝統的な広範囲または全視野ERGの3つの主要な型は、暗順応(暗順応、薄暗いフラッシュ、桿体媒介性ERG)、明順応(明順応、明るいフラッシュ、錐体媒介性ERG)および明滅(明順応、明るいフラッシュ、31−ヘルツの明滅ERG)検査である。暗順応、明るいフラッシュ、桿体/錐体媒介性ERGもまた評価することができる。全視野ERGの限界は、記録が、全網膜から結集された電位であることである。網膜の20%以上が疾患状態に侵されない限り、ERG記録は通常正常である(例えば、黄斑変性、拡大盲点または他の中心暗点を有する法律的に盲目な人々は、正常な広範囲のERGを有する)。早期発症RPは、6歳以前に、桿体−錐体変性に特有である消滅した、または際立って低下したERG応答を明示するとして、一般的に定義される。
本発明の治療計画の一実施形態において、対象のERG応答は、初回投薬期間の間の処置前の対象のERG応答と比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象のERG応答は、初回投薬期間の終了において観察される対象のERG応答の改善と比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象のERG応答の改善は、休止期間の間に対象のベースラインレベルより上で持続される。
5.動的瞳孔反射(瞳孔測定)
瞳孔反射(明るい光刺激に対する応答における瞳孔の収縮)は、本明細書に記載の視覚障害を有する対象において、異常であり得る。動的瞳孔測定は非侵襲的方法であり、処置に対する応答の瞳孔反射を記録し、電位変化をモニターする。瞳孔反応は、RPE65欠損を有するLCA対象において遺伝子療法を受けた後で改善した(Maguire,A.M.ら、New Engl J Med.358:2240−2248(2008))。さまざまな色、強度、刺激期間および刺激間の時間の光刺激の、色瞳孔測定が確立されており(Parkら、Invest Ophthal Vis Sci.52(9):6624−6635(2011))、光は、Colordome Ganzfeld stimulator(Diagnosys LLC、Littleton、MA)または同等物により送達される。桿体荷重記録および内在性光感受性網膜神経節細胞記録に関する試験を、暗順応後に実施した。記録のビデオシグナルは、瞳孔直径をリアルタイムでテキストファイルに記録する処理ボードに伝えることが可能である。相対的な持続的および一時的瞳孔収縮データが、臨床的有意性のために分析される。
したがって、本発明の治療計画の一実施形態において、対象の瞳孔反射は、初回投薬期間の処置の前の対象の瞳孔反射ベースラインと比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の瞳孔反射は、初回投薬期間の終了における対象の瞳孔反射レベルと比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の瞳孔反射の改善は、初回投薬期間の終了における対象の瞳孔反射レベルほどで、休止期間の間持続される。ある実施形態において、対象の瞳孔反射の改善は、休止期間の間に対象のベースライン瞳孔反射より上で持続される。
6.眼振
眼振は、LCAを含む視覚障害に頻繁に付随する不随意眼球運動の形態である。眼振の振幅および頻度は非侵襲的に測定され、処置に対する応答における電位変化を、例えば、対象の周期的変動および斜視の定性的臨床分析のために眼球運動をビデオ撮影することにより、モニターするために使用され得る(Maguire,A.M.ら、New Engl J Med.358:2240−2248(2008))。
したがって本発明の治療計画の一実施形態において、対象は、初回投薬期間の間に眼振の振幅および/または頻度の減少を明示する。別の実施形態において、対象は、休止期間の間に、眼振の振幅および/または頻度が低下し続けることを明示する。
7.視覚皮質機能
本発明の治療計画の治療的有効性は、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)により測定した、皮質視覚機能における対象の視覚の効果を使用してモニターすることができる。機能的スキャンは、コントラスト感受性負荷、運動刺激負荷および高レベルの認知負荷からなる。データは通常、ベースラインからのMRIシグナルの百分率変化として表示される。統計的有意性のマップは、各個体から再構築された皮質表面に表示される。処置前および処置後のスキャンは、活性化の範囲および大きさに関して直接比較される。視覚皮質機能の改善は、視覚皮質および/または頭頂大脳皮質の活性化に基づき定義することができる。
したがって、本発明の治療計画の一実施形態において、対象の皮質視覚機能は、初回投薬期間の間の処置の前の対象の皮質視覚機能ベースラインレベルと比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の皮質視覚機能は、初回投薬期間の終了における対象の皮質視覚機能レベルと比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の皮質視覚機能の改善は、初回投薬期間の終了における対象の皮質視覚機能レベルほどで、休止期間の間持続される。ある実施形態において、対象の視覚皮質機能の改善は、処置後の視覚大脳皮質の活性化により定義される。ある実施形態において、対象の視覚皮質機能の改善は、処置後の頭頂皮質の活性化により定義される。
8.色覚
色覚検査は、異なる色を識別する対象の能力をチェックする。石原式色盲検査表を使用して、色覚の欠損の程度が検出、分類および推定される。色覚検査を使用して、視神経および遺伝性網膜疾患の機能がさらに評価される。
色覚は、当分野において公知の方法により評価することができ、これらの方法は、石原色覚検査(Ishihara Color Test)、ハーディー・ランド・リッター検査(Hardy−Rand−Rittler)またはファーンズワース・マンセル100ヒュー検査(Farnsworth−Munsell 100 Hue test)を含む。この検査は、多数の着色されたプレートからなり、これらはそれぞれ、色およびサイズがランダム化されて現れる点の円を含有する。内部パターンは、正常な色覚には見える数字を形成する点である。
したがって、本発明の治療計画の一実施形態において、対象の色覚は、初回投薬期間の間の処置の前の対象の色覚ベースラインレベルと比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の色覚は、初回投薬期間の終了における対象の色覚レベルと比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の色覚の改善は、初回投薬期間の終了における対象の色覚レベルほどで、休止期間の間持続される。
9.暗順応
暗順応は、明るい光に曝露後の、暗闇における網膜による光感受性の回復として定義される。暗順応速度の障害は、視覚疾患状態の範囲に関連し、多くの場合RP対象の早期症状である。暗順応パラメータは、限定するものではないが、錐体媒介性感受性回復の時定数、桿体媒介性感受性回復の時定数、錐体プラトー、桿体プラトー、桿体−錐体切断、桿体干渉、桿体媒介性回復の第2の成分の勾配および/または時定数、桿体媒介性回復の第3の成分の勾配および/または時定数、第2および第3の桿体媒介性成分の間の移動時間ならびに無色化から最終閾値測定までの期間を含む。
暗順応を測定する方法は当分野において公知であり、米国特許第7,494,222号および米国特許第7,798,646号に定義された方法を含み、これらの特許の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
暗順応速度の改善は、対象のベースライン速度と比較した、処置後の対象の暗順応速度との比較に基づいて決定することができる。暗順応に対する処置効果はまた、主観的な、患者により報告された結果を使用してモニターすることができ、光環境から暗闇環境へ移動した場合、これにより、暗順応に対する対象の視覚の速度に関する日常生活の活動における改善が実証される。
本発明の治療計画の一実施形態において、対象の暗順応速度は、ベースラインにおける対象の暗順応速度と比較して、初回投薬期間の間に改善する。ある実施形態において、対象の暗順応速度は、初回投薬期間の終了における対象の暗順応速度と比較して、休止期間の間に改善し続ける。ある実施形態において、対象の暗順応速度の改善は、初回投薬期間の終了における対象の暗順応速度ほどで、休止期間の間持続される。ある実施形態において、対象の暗順応速度の改善は、休止期間の間に対象のベースライン暗順応速度より上のレベルで持続される。
10.視覚移動性
視覚移動性は、網膜機能の改善の測定値として使用することができる。視覚移動性の改善は当分野において公知の方法により決定することができ、標準化された障害コースおよび迷路を含み、Bainbridgeら、N Engl J Med.358:2231−9(2008)およびMaguire,A.M.ら、New Engl J Med.358:2240−2248(2008)に記載された方法を含む。対象は、コースを通り抜ける時間に基づき、または存在する障害物の総数と比較した、対象が障害物に突き当たる回数もしくはコースを歩き去る回数に基づき評価することができる。
視覚移動性もまた、主観的な、患者により報告される結果に基づきモニターすることができる。移動性の改善の主観的報告を使用して、ベースラインにおいて対象により報告された移動性と比較した、処置後および休止期間の間の対象の報告された移動性の比較を介して処置効果をモニターすることができる。
11.視覚機能の質問票
質問票は、ある研究のための通院において対象に投与し、視覚機能および日常生活の活動に対するその効果を評価することができる。多数の公知のVisual Function Questionnaires(VFQ)が存在し、これらを使用して、対象の視覚機能の改善を評価することができる。このような質問票の1つは、Children’s Visual Function Questionnaire(CVFQ)である(例えば、Birch,E.E.ら、J.AAPOS.11:473−9(2007)を参照されたい)。これは、幼児および低年齢小児の両親による使用のために設計された、視覚特異的な生活の質の評価法である。
Low Luminance Questionnaire(LLQ)は、低照明条件、例えば夜間または暗い部屋における成人の視覚特性を評価するために特別に開発された質問票である(例えば、Owsley,C.ら、Invest Ophthalmol Vis Sci 47:528−535(2006)を参照されたい)。この質問票は、下記の臨床研究に適格であり、暗順応の桿体媒介性パラメータに相関する集団と類似の、高齢のRP対象の集団において検証された。
Impact of Vision Impairment (IVI)質問票およびImpact of Vision Impairment for Children(IVI_C)質問票もまた使用できる。これらの質問票は、低視覚を有する人々の、日常の活動に参加する制限に対する視覚障害の影響を測定するために開発および検証された。
VFQの使用は、視覚機能の主観的改善、特に、ベースラインにおける対象の質問票の結果と比較した処置後および休止期間の間の対象の質問票の結果の比較を介して、本明細書に記載の治療計画による本発明の化合物の投与後の日常生活の活動に関する主観的改善の同定を支援する。
12.スペクトル領域−光干渉断層撮影
光干渉断層撮影(Optical coherence tomography)(OCT)/自己蛍光(FAF)機、例えばHeidelberg Spectralis(Heidelberg Engineering、Germany)を使用して、眼球断層撮影スキャンを実施することができる。スキャンの分析は、光受容体層の視覚化を含む網膜全体の健康、外節および網膜の厚みの測定に関する情報を提供することができ、自己蛍光の有無を評価する。網膜の健康の改善は、対象のベースラインのOCTおよびFAFスキャンと、初回投薬期間後の対象のOCTおよびFAFスキャンとを比較することによって評価することができる。対象のベースラインのOCTおよびFAFスキャンは、初回投薬期間前後の対象の視覚機能と相関すると思われる。
下記の実施例を、単に本開示のさまざまな態様の例示として提供するが、本開示を限定するものとは決して解釈するべきではない。
実施例1
安全性研究
本開示の経口送達される薬学的に許容され得る組成物のオープンラベルの反復用量漸増研究を、二十(20)人の健康なヒトボランティアで実施し、ダイズ油(USP)に溶解した9−シス−レチニルアセテート((2E、4E、6Z、8E)−3,7−ジメチル−9−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)ノナ−2,4,6,8−テトラエン−1−イルアセテート)およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)を含む組成物の、反復1日経口用量の安全性および忍容性を決定した。組成物中の9−シス−レチニルアセテートの濃度は、投与する容量が都合の良いように調製した。研究の投薬範囲に関しては、ダイズ油(USP)中0.10%w/wBHAを含有する、1.25mg/mL、5.0mg/mLおよび20mg/mLの9−シス−レチニルアセテートの組成物を調製した。健康な対象の6つの用量コホートに、1.25mg/mから最高40mg/m、すなわち、1.25、2.5、5、10、20および40mg/mの漸増1日用量の組成物を経口で与えた。
18人の対象に、研究組成物による処置を7日すべて与え、2人の対象には投薬しなかった。対象の平均年齢は、37歳(範囲(23〜59)であった。
最高40mg/mの組成物は、第1相試験センターにおいてモニターされた療法の7日後、忍容性良好であり、深刻な有害事象は無かったことが見出された。最も頻繁に報告された副作用は、頭痛(6対象、12事象)、顔面紅潮(2対象、7事象)および顔面皮膚の灼熱感(2対象、6事象)であり、これらは主に、40mg/m用量群により報告されており、まとめると、43人中25人(58%)を占める有害事象(AE)が報告された。合計で、43のAE中41は、強度が穏やかであった。
一部の対象において、トリグリセリドの中程度の、可逆的上昇がすべての用量を通して存在し、高密度リポタンパク質(HDL)の中程度の、可逆的下降が10〜40mg/m用量において存在した。
実施例2
RP患者における研究
研究プロトコル
研究は、LRATまたはRPE65のいずれかにおける変異により引き起こされるRP(早期発症RPとしても公知)を有するヒトRP対象に経口投与された、実施例1の組成物の有効性を決定するために設計された。17人のRP対象に、1日1回用量の組成物(40mg/m)を経口で7日間与えた。各RP対象の両目は、別々に評価した。視覚機能のプロトコルにより定義された評価は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)を使用する最高矯正視力検査、視野検査、全視野網膜電位図(ERG);網膜感受性(FST)、動的瞳孔測定、眼振検査、OCTおよびFAFならびに対象の質問票を含む。
ベースラインの視覚機能検査を、研究0日目から21日以内に、網膜に生存光受容体が存在するかどうかを決定するために、低光条件下のスペクトル範囲OCTも含めて実施した。0日目に各RP対象に第1の用量の組成物を与えた。処置を、連続する7日(0から6日目、包括的)に投与した。RP対象は、7/8、14/15、30、60日目およびその後2ヶ月に1回、再処置基準を満たすまで追跡調査通院した。すべての視覚機能検査および安全性評価を、7/8日目(最終用量を与えた後24/48時間)およびすべての後続通院において実施した。
2人のRP患者に関する初回および予備有効性評価
実施例1の組成物の有効性は、RPを有する2人のヒト対象において初めに検査した。2人の対象に、1日1回の初回用量の組成物(40mg/m2)を7日間与えた。対象を、外来患者基準で処置したが、研究的処置は、それぞれの日の処置に対して医療管理のもとに研究病院において与えた。研究の間、対象に、激しい身体活動の制限(実験のばらつきを避けるために)、およびこの研究において、安全変数の評価に対するこのような因子の影響を減少させるためにビタミンAの過剰摂取の回避を要求した。
各対象の両目は別々に評価した。プロトコルにより定義された視覚機能の評価は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)検査、続くロー/ハイコントラストSmith−Kettlewell Institute Low Luminance(SKILL)チャートを使用する最高矯正視力検査;ゴールドマン視野測定を使用する視野検査;全視野網膜電位図(ERG);および全視野刺激閾値検査(FST)を含んだ。ベースラインのERG、ETDRSおよびSKILL検査は2回反復した。処置の間およびその後、視覚機能検査を、1、7、9/10および14/15日目に実施した。
対象が、片目または両目に眼帯をする必要はなかった。
対象ID010110は27歳、男性であり、LRAT遺伝子のc.525T>A;p.Ser175ArgにRPホモ接合性変異を有した。彼のベースラインにおけるETDRS視力は、裸眼でOD71文字およびOS60文字(およそ20/40および20/62.5スネレン等価視力)であった。
対象を、40mg/mの組成物Aにより7日間処置した。ETDRS視力のわずかな改善が観察され、最も高い改善は、9日目にベースラインから11.5文字(OD)および1.5ヶ月目にOS14.5文字であった。GVF ODの大きな改善が検出され、周辺視野の改善の主観的報告により裏付けられた。薬剤処置前後の皮質視覚機能の客観的検査を、fMRIを使用して検査し、著しい改善が観察された。錐体または桿体のERGに変化は見られなかった。
対象は、日常生活の活動において有意義な改善を報告した。昼光および蛍光灯に対する感受性が指摘された。暗順応時間もまた改善した。患者を、処置期間の終了後1.5ヵ月間モニターし、ベースラインからの改善が持続した。
対象ID010111は、41歳、男性であり、LRAT遺伝子のc.181T>A3;P.TYR61ASPにホモ接合性変異を有した。彼のベースラインにおけるETDRS視力はOD0文字およびOS1.5文字であった。対象を、40mg/mの組成物Aにより7日間処置した。ETDRS視力の変化が片目において観察され、ベースラインから最も高い改善が、14日目において24.5文字(OD)および変化0(OS)であった。
17人のRP患者に関する30日の暫定的安全性および有効性評価
年齢6から55歳の範囲の平均29歳の、RPE65(12RP対象)またはLRAT(5RP対象)いずれかの変異を有する合計17人のRP対象を、表1に記載のベースラインのVAおよびGVF値により評価した。各RP対象の両目は独立して評価した。視力(VA;ETDRS BCVA)は、左目(OS)が0〜62文字の範囲、平均29.5文字(約20/250)であり、右目(OD)が0〜71の範囲、平均32.1文字(約20/200)であった。視野(GVF)は、左目が0.28〜2.46の範囲、平均log網膜面積が1.7であり、右目が0.48〜2.53の範囲、平均log網膜面積が1.8であった。
ベースラインにおいて、17人のRP対象のうち合計13人が夜盲を報告し、RP対象の大部分が、RPの第1の症状として夜盲を挙げており、5人のRP対象は生後1年以内、3人のRP対象は2〜4歳以内、1人のRP対象は17歳においてであった。視野喪失は、17人のRP対象のうち11人が報告しており、17人のRP対象のうち12人が視力悪化を報告した。
GVF分析を、2つのデータセットにおいて実施した。インテント・トゥ・トリート(ITT)は全ての17人のRP対象を含み、評価可能な(パー・プロトコル)セットは、主要な包含/除外基準を満たすRP対象を含んだ。各RP対象に関して、2つのベースライン測定値を使用して、0.7から2.4log mm範囲の中間点である1.5log mmに最も近いVF log網膜面積を提供する1つのVF指標を同定し、VF変化の継時的評価を可能にした。選択した視標サイズのlog網膜面積の変化を、各眼からのlog網膜面積を使用する混合効果モデルを使用して評価した。同じRP対象の2つの眼の間の相関および相関の範囲を、この分析において説明した。GVF応答者を、それらのベースライン測定値と比較してVFが少なくとも20%改善した眼として定義した。
3つの異なる視野パターンを、この研究の17人のRP対象にわたって観察した。1.定型RP、あまり進行していない(9人のRP対象)が、V4e視標により>20度が検出可能なVFを明示した。このパターンは、LCA対象のVFベースラインと同様であった。平均年齢は、20.9歳(範囲6〜30歳)であった。2.非定型RP(3人のRP対象、同じRPE65変異−c,179;pLeu60Pro ホモ):V4eにより>20度の広いVFおよび中心感受性の低下。これらのRP対象は、黄斑/中心窩においてのみV4eを検出できた。平均年齢は34.5歳(範囲29〜37歳)であった。3.定型RP/進行性変性:V4eにより<20度の狭いVFまたはV4eにより<20の狭いVfおよび中心感受性の低下、黄斑/中心窩においてのみV4e視標を検出。平均年齢は39.2歳(範囲28〜55歳)であった。
図2は、ITTおよびパー・プロトコルセットの両方における、処置に対するGVF応答者の割合を要約している。分析のために選択した等感度線に依存して、ITT群の応答者の割合は、7日目において44.1〜50%、14日目において38.2〜44.1%および30日目において35.5〜41.9%であった。評価可能な(パー・プロトコル)サブセットの応答者の割合もまた、分析のために選択した等感度線に依存して、7日目において51.7〜60.7%、14日目において44.8〜53.6%および30日目において34.6〜40%であった。これらのセットを、さらにベースラインにおけるVF重症度に基づき分類した場合、高い割合の応答者が、ITTおよびパー・プロトコルセットの両方において、最も軽度のサブグループにおいて見出された(図3、全対象を包含、および図4、3対象が除外)。投薬7日後、平均GVF面積は、ベースラインから、7日目において34%(p=0.005)、14日目において29%(p=0.02)の統計的に有意な改善を示し、30日目において23%(p=0.07)の統計的に有意な改善の傾向を、評価可能な(パー・プロトコル)RP対象(n=14)において示した。ITTセット(n=17)において、平均GVF面積は、ベースラインから7日目において22%(p=0.03、統計的に有意)、14日目において16%(p=0.13)および30日目において18%(p=0.096)改善した(図5)。図6は、ITTセットにおける、処置に対するGVF応答者のパーセントを示し、応答者は、網膜面積が、平均ベースライン値に対して、1ヵ月までの2回連続の追跡調査通院において、少なくとも20%増加した患者/眼として定義される。
17人のRP対象のうち9人(53%)は、少なくとも片目において5ETDRS文字以上、ベースラインを超えてBCVAの改善を示した。VA応答を、人口動態によりさらに分類し、処置に対してより感受性であり得る部分集団を評価し、表2に示した。7日目において、27%の眼がVA改善≧5ETDRS文字を有し、15%の眼が、≧5から<10の改善および12%の眼が≧10から<15文字の改善を有した。14日目において、37%の眼が、≧5ETDRS文字のVA改善を有し、28%の眼が≧5から<10改善し、6%の眼が≧10から<15文字改善し、3%の眼が≧20文字改善した。30日目において、34%の眼が、≧5ETDRS文字のVA改善を有し、19%の眼が≧5から<10改善し、15%の眼が≧10から<15文字改善した。遺伝子変異に基づき評価した場合、LRAT変異を有する5人のRP対象は、7日目において40%の眼が≧5改善し、14日目において60%および30日目において50%の眼が≧5改善した。RPE65変異を有する12人のRP対象に関しては、7日目において21%の眼が≧5改善し、14日目において23%、30日目において30%の眼が≧5改善した。図7は、ベースラインからの平均VA変化、ETDRS文字スコアの改善を示す。7日目、14日目および1ヵ月目において、全対象(ITT群)に関する平均VA改善は、それぞれ、3+/−1文字、3.9+/−0.9文字および3.2+/−1.2文字であることが見出された。1人の対象の片目および別の対象の両目の除外として定義された評価可能なサブセットは、すべてが0文字のベースラインVAを有し、それぞれ、3.5+/−1.2文字、4.8+/−1.5文字および3.3+/−1.3文字の平均VA改善を有した。
図8Aは、ベースラインが0である場合に、応答者を、ベースラインよりいくらか上であるとして定義したことを除いて、応答者を、ベースラインから5文字以上の改善として定義した場合の、ITTセットにおけるVA応答者の割合を示す。図8Bは、評価可能なサブセットにてベースラインが0の眼を除外した(すなわち、1人の対象の片目および別の対象の両目は、ベースラインVA=0を有するために除外された)場合の、VA応答者の割合を示す。図9は、ベースラインが0である場合に、応答者を、1ヶ月目までの連続する2回の通院の間にベースライよりいくらか上であるとして定義したことを除いて、応答者を、ベースラインから5文字以上の改善として定義した場合の、ITTセットにおけるVA応答者の百分率を示す。
広範囲の深刻に低下したベースラインBCVA(0〜65文字)およびVF(6〜75度)が示されたベースライン視覚機能は、重度の網膜変性と一致する。RP対象の小型のサブセットにおいて、薄暗い明り(暗視)における光感受性、瞳孔反応、および視覚刺激における電位変化に対する視覚皮質の応答(機能的磁気共鳴画像法、fMRI)のいくつかのパラメータに対する処置の効果を測定した。
本研究のfMRIサブスタディ(n=2)は、処置後、例えば、11日目に測定して、視覚および頭頂の大脳皮質の未だ静かな領域の活性化を示した。
研究にわたるいくらかのRP対象は、暗視の上昇を自己報告した。
安全性評価を全RP対象に実施し、ベースライン(予備処置)および投薬後の測定値を提供した。バイタルサインを、1日目に、処置日の投薬前および投薬後4時間おいて、スクリーニングで評価した。三連のECG記録および臨床検査を、1日目および3および7日目においてスクリーニングで実施した。安全性評価は、14/15日目およびRP対象が、進行中の臨床的に有意な異常な結果を前回の通院において有した場合、後続の各通院において、さらに実施した。実施した臨床検査は、血液学、血清化学(全コレステロール、トリグリセリド、HDLおよびLDLを含む)および尿検査を含んだ。安全性プロファイルの分析は、研究処置が忍容性良好であり、安全性の結果が、健康な成人ボランティア(実施例1を参照されたい)の結果と一致することを示した。脂質代謝に対する効果は、レチノイドに関して認識されるクラス効果が観察された。臨床的に有意な実験室結果は、休止期間の間にベースラインに大きく戻った。他の有害事象は、大部分の対象は7日間の処置期間の終了までに解消される軽度から中等度の頭痛、1日で解消される吐き気および羞明を含んだ。
LRATおよびRPE65における変異による早期発症RPを有するRP対象の予備結果は、処置の7日のクールの後、特定の視覚機能パラメータの急速かつ有意な改善および許容され得る安全性プロファイルを示す。
実施例3
LCA対象に関する安全性および有効性研究
実施例2の研究はまた、LCA(LRATまたはRPE65いずれかの変異により引き起こされる)を有するヒト対象に経口投与される、実施例1の組成物の有効性を決定するために設計された。対象に、1日1回の負荷用量の組成物(40mg/m)を経口で7日間与えた。対象を外来患者基準で処置したが、研究的処置は、それぞれの日の処置に対して医療管理のもとに研究病院において対象に与えた。各対象の両目は別々に評価した。プロトコルにより定義された視覚機能の評価は、糖尿病網膜症の早期治療研究(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)(ETDRS)検査、続くロー/ハイコントラストSmith−Kettlewell Institute Low Luminance (SKILL)チャートを使用する最高矯正視力検査;ゴールドマン視野測定を使用する視野検査;全視野網膜電位図(ERG);および全視野刺激閾値検査(FST)を含んだ。ベースラインのERG、ETDRSおよびSKILL検査は2回反復した。処置の間およびその後、視覚機能検査を、1、7、9/10および14/15日目に実施した。
実施例2の9人のLCA患者および2人のRP患者における予備有効性データの概要
2つの変異型(LRATおよびRPE65)、2つの疾患型(LCAおよびRP)、異なる年齢範囲(6人の対象が6〜および5人の対象が21〜41歳)および広範囲のベースライン視覚機能を含む、合計11人の対象を研究し、表3に示した。4つの異なる範囲のベースラインVAを確立した:手を振るまたは光覚、0〜20文字範囲のVA、20〜50文字範囲のVAおよび50〜70文字範囲のVA。VAにおける改善の最も大きな応答が、中程度のレベルの網膜機能(20〜40文字範囲のVA)を有する患者に観察され、これらは全て40mg/mの組成物により処置された(図10)。最も良好な応答、3列の改善が、若年患者(10〜13歳)において見られた。11人の対象に関するベースラインを超える視力の相対的改善が、投薬後最高14ヶ月までにモニターされ、臨床的に有意義な改善の持続性が明示された(図11)。
処置された最初の9人の患者に関する14日目からのGVFのAMA低視力グリッド分析は、9人の患者のうちの7人が、小型のI4e視標(図12)または大型のV4e視標(図13)のいずれかにより検出される、著しい改善を明示した。
Children’s Visual Function Questionnaire (CVFQ)またはLow Luminance Questionnaire(LLQ)の使用により得られた予備データを、日常生活の活動の改善に関する主観的報告と組み合わせ、視覚機能の急速な改善および組成物による処置の長期治療的利益が裏付けられた。
研究処置は、忍容性良好であった。処置に関する有害事象は、一時的羞明および頭痛、嘔吐、トリグリセリドレベルの中等度の上昇およびすべての対象におけるHDLレベルの減少傾向を含んだ。脂質代謝に対する効果、レチノイドに関して認識されるクラスの効果は、投薬7日目にピークが見出されたが、表4〜7に示すように、処置の完了後4週間以内にベースラインに戻った。脂質代謝に対する効果を含む、全有害事象は、40mg/m2群において、低用量の10mg/m2群と比べて明白である。
実施例4
実施例2および3のRPおよびLCA対象を含む、RPおよびLCA対象における最終有効性評価
合計32人の対象:14人のLCA対象および18人のRP対象を、本研究全体に登録した。すべてのLCAおよびRP対象は、7日の処置期間を完了した。すべてのLCA対象は、少なくとも6ヶ月の追跡を有し、12人のLCA対象(86%)は、少なくとも12ヶ月の追跡を有し、2人のLCA対象(17%)は少なくとも2年の追跡を有した。RP対象の追跡期間は、RP対象は研究への参加が遅い傾向があり、彼らが12ヶ月に達する時点より前に再処置研究(下記の実施例6)への参加する選択肢を有するため、LCA対象より短い傾向がある。すべてのRP対象は、少なくとも2ヶ月の追跡を有し、13人の対象(72%)は8ヶ月の追跡を有した。8ヶ月を超えて通院したRP対象はいなかった。
全研究集団は、平均年齢23.9歳(範囲6〜55)を有し、大部分は女性(56%)および白色人種(56%)であった。LCA対象は、平均してRP対象より若く、平均年齢18歳(範囲6〜38歳)であり、対してRP対象は28歳(範囲6〜55歳)であった。14人のLCA対象のうち9人は18歳以下であり、比べて18人のRP対象のうち18歳以下は2人であった。
LCA集団は圧倒的に女性であり(71%)、一方RP集団はよりバランスが取れていた(44%が女性)。2つの集団の人種構成は同様であり、LCA集団は、50%が白色人種、21%がアジア系、21%がヒスパニック系および7%がその他(シリア系)であり、一方、RP集団は、61%が白色人種であり、33%がアジア系および6%がヒスパニック系であった。
全研究集団において、20人の対象(63%)はRPE65に欠損を有し、比較して、12対象(38%)がLRATに欠損を有した。LCA集団は、同数の各遺伝子変異を有する対象を有し、一方、RP集団はRPE65欠損の発生率がより高かった(13人対象、72%)。10mg/m2用量を与えられた2人のLCA対象は両方とも女性のヒスパニック系十代であり、RPE65欠損を有した。
年齢範囲6から38歳、平均17.9歳の、RPE65(7人の対象)またはLRAT(7人の対象)いずれかの変異を有する14人のLCA対象を、VAおよびGVFレベルによりベースラインにおいて評価した。視力(VA;ETDRS BCVA)は、左目(OS)0〜68文字の範囲、平均30.3文字(約20/250)であり、右目(OD)0〜64文字の範囲、平均30.3文字(約20/250)であった。各対象のために選択された、最適化された一次等感度線に対する視野(GVF)は、左目0.62〜2.81の範囲、平均log網膜面積が2.0であり、右目が0.68〜2.83の範囲、平均log網膜面積が2.0であった
年齢範囲6から55歳、平均28.5歳の、RPE65(13人のRP対象)またはLRAT(5人のRP対象)いずれかの変異を有する18人のRP対象を、図2に記載のVAおよびGVFの結果により評価した。各RP対象の両目は、独立して評価した。視力(VA;ETDRS BCVA)は左目(OS)0〜62文字の範囲、平均30.4文字(約20/250)であり、右目(OD)0〜71文字の範囲、平均30.4文字(約20/250)であった。各対象に関して選択された最適化された、一次等感度線に対する視野(GVF)は、左目が0.40〜2.53の範囲であり、平均log網膜面積が1.8、右目が0.48〜2.53の範囲であり、平均log網膜面積が1.8であった。
すべてのLCAおよびRP対象を含むITT分析において、実質的過半数のLCA対象(14人のうち10人、71%)が、少なくとも1つの眼において少なくとも20%の網膜面積の増加を有し、応答の平均期間は269日(範囲5〜801日)であった。7人のLCA対象(50%)は、両目において少なくとも40%の網膜面積の増加を有し、応答の平均期間は275日(範囲7〜801日)であった。RPE65欠損LCA対象は、LRAT欠損LCA対象より応答が多いと思われるが、応答期間は2つの変異に関して同様であった。
RP対象に関して、18人の対象のうち8人(44%)は、少なくとも1つの眼において少なくとも20%の網膜面積の増加を有し、応答の平均期間は72日(範囲7〜253日)であり、2人の対象(11%)は、両目において少なくとも40%の網膜面積の増加を有し、応答の平均期間は80日(範囲16〜174日)であった。応答速度は2つの遺伝子変異に関して同様であったが、応答期間はLRAT欠損の眼においてRPE65欠損の眼より実質的に長かった(LRAT−およびRPE65欠損の眼に関して少なくとも20%の応答が、それぞれ、123対49日であり、(LRAT−およびRPE65欠損の眼に関して、少なくとも40%の応答が、それぞれ、104対67日であった)。
事後解析を実施して、処置の6ヶ月以内に起こるGVF応答の開始までの時間を決定した。GVF応答の開始までの時間の中央値は、少なくとも20%の応答に関して7日間および少なくとも40%の応答に関して9日間であった。
12人のRP対象(67%)は、少なくとも1つの眼において、ベースラインから少なくとも5文字のVA増加を有し、1人のRP対象(6%)は両目において少なくとも10文字の増加を有した。比較して、6人のLCA対象(43%)が少なくとも1つの眼において、ベースラインから少なくとも5文字のVA増加を有し、3人のLCA対象(25%)が両目において少なくとも10文字の増加を有した。≧5文字および≧10文字両方のVA応答の平均期間は、LCAの眼(≧5文字および≧10文字両方の応答に関して、それぞれ313および316日、範囲5〜801日)において、RPの眼(それぞれ、125日(範囲13〜246日)および112日(範囲13〜206日))においてよりも長かった。VA応答速度は、LRAT欠損RP対象が、RPE65欠損RP対象よりも速かった。視力応答の開始までの時間の中央値は、少なくとも5文字の応答に関して8日、少なくとも10文字の応答に関して7日であった。
10mg/mのQLT091001を与えた2人のLCA対象は、両目において少なくとも40%のGVF網膜面積の増加を有したが、これらの対象はどちらもVA応答を有さなかった。
ベースラインからの変化の平均および中央値は、研究の間を通して正のままであった。LCA対象におけるベースラインからのVAの変化の平均は、時間と共に極めて変動し、0.5と6.6文字との間の範囲である。ベースラインからの変化の中央値は、それらが2から3文字の範囲である場合、特に、2ヶ月目の通院後に一貫性があった。RP対象において、ベースラインから(brome)の平均VA変化は、14日目の通院以降3から4文字の範囲であり、中央値は、1から3.5文字であり、平均および中央値の両方が、時間と共にわずかに低下する傾向を示した(図14)。
主要な包含/除外基準を満たした対象が含まれる、評価可能な分析の結果は、ITT分析と概して同様であった。
他の有効性評価(全視野ERG、全視野感受性および色覚を含む)を一部の対象に実施したが、研究集団に対して結論を表す十分なデータは存在しなかった。
選択的血漿濃度モニタリングを、研究の間、毎日10mg/mの1日用量の処置を受けた2人のLCA対象、40mg/mの1日用量の処置を7日間にわたって受けた6人のLCA対象および18人のRP対象に関して実施した。薬物動態分析は、優勢な代謝産物が、9−シス−オレイン酸レチニルまたは9−シス−パルミチン酸レチニルのいずれか、および13,14−ジヒドロ−9−シス−レチノイン酸であることを示した。投薬4時間後、これらの化合物の濃度は、9−シス−レチニルアセテートおよび9−シス−レチノールの濃度よりも高かった。
小児の視覚に関連する生活の質の質問票の結果は、処置後の一貫性のある改善を示さなかったが、この結果の解釈は、回答者の数が少ないので困難である。成人に投与されたLLQは、LCA対象に関する視覚機能のサブカテゴリのすべてに対して平均スコアの増加を示した。RP対象に関しては変動があるが、極度な照明を除く視覚機能のサブカテゴリに対して一貫性のある傾向はなく、極度な照明に関しては、研究のクールにわたって、わずかな能力低下_があった。
ベースラインのSD−OCT(Spectralis HRA+OCT)パラメータを、ベースラインの視覚機能と比較し、ベースラインのSD−OCTおよび変化を、処置に対する視野応答と比較した。外節(OS)層の平均の厚さ(外節/網膜色素上皮と、内節エリプソイドバンドとの境界から測定)を、コンピュータプログラムにより計算し、手動のセグメンテーションにより支援した。
62の眼のうち39は、ベースラインにおいて、≧20文字(20/400以上)のVAを有した。これらのうち、36(92%)は、中心窩において容易に検出可能なOS(>10μmの厚さ)を有した。LCAを有する28の眼のうち18(64%)およびRPを有する15/34の眼(44%)が、処置に対して応答した(2回の連続する研究通院において、≧20%のGVF網膜面積の増加)。これらの応答者のうち、LCAコホートにおいてOS層(中心20°)の平均ベースライン厚は、14.22μm(正常の平均[32μm]より56%減)であり、RPコホートにおいて8.63μm(正常より73%減)であった。非応答者は、両方のコホートにおいて、5.72μm未満(正常より>82%減)の平均ベースラインOS厚を有した。中心20°におけるOS厚の減少は、LCAコホートにおいて非応答者が、応答者より有意に高いが(p=0.003)、RPコホートにおいて有意な差はなかった(p=0.27)。ベースラインにおいて測定した中心20°におけるOSの厚さは、追跡通院の間に有意に変化しなかった。
最高40mg/mによる7日間の処置は、忍容性良好であった。研究に登録したすべての対象が、処置に関連する少なくとも1つの有害事象(AE)を経験した。最も一般的に伴われるAEは頭痛(88%の対象)、続いて羞明(50%)および血中トリグリセリドの増加(31%)であった。処置は、対象の少数において、多数の実験室パラメータにおいて正常からの短期の逸脱をもたらした。これらのパラメータの大部分は、すべての侵された対象において14日目または1ヶ月目には正常に戻った。コレステロールおよびTGは2ヶ月で正常に戻り、ヘマクリットは4ヶ月で正常に戻った。
実施例5
複数回用量の投与の安全性研究
ランダム化された、オープンラベルのプラセボ対照、平列設計の複数回用量研究を、健康なヒトボランティアにおける実施例1の組成物の複数回用量経口投与の安全性、忍容性および薬物動態を調査するために設計した。35人の対象が登録した。この研究は、4人(プラセボおよび20mg/m群)または6人(40および60mg/m群)の連続28日の投薬/洗い出しサイクル(7日の投薬および21日の洗い出し)を受けた対象で構成された。最終サイクル後、対象を2ヶ月追跡した。各サイクルの間、対象に、1日1回用量の実施例1の組成物(ダイズ油中9−シス−レチニルアセテートおよび0.1%ブチルヒドロキシアニソール(BHA))(USP)、20mg/m、40mg/m、60mg/mで投与)を含む治療用量またはプラセボのいずれかを経口で7日、続いて21日の休止期間を与え、その間対象は処置を受けなかった。対象は、サイクルの間さまざまな有害事象、例えば、頭痛、顔面紅潮および顔面皮膚の灼熱感に関して定期的にモニターされた。対象は、処置に伴う毒性、例えば、トリグリセリドの上昇および高密度リポタンパク質(HDL)の低下に関してもモニターされた。観察された有害事象は、頭痛、羞明、吐き気、ALT増加、トリグリセリドの上昇およびASTの上昇を含んだ。
新しいまたは予期しない有害事象は、研究において観察されなかった。実施例1の組成物を用量20mg/m/日、40mg/m/日および60mg/m/日で7日間、続いて21日の洗い出し期間による、最高6回の反復処置サイクルは、一般的に安全で、忍容性良好であった。反復処置サイクルの安全性プロファイルは、1回の処置サイクルの安全性プロファイルと同様であり、各後続の投薬サイクルによる有害事象の重症度は低下傾向にあった。本研究の安全性の結果は、RPを有する対象における断続的な投薬サイクルにおいて、実施例1の経口組成物を含む、9−または11−シス−レチニルエステルの医薬組成物の反復投薬の使用をさらに裏付けた。
本研究の暫定的薬物動態結果は、規定の時点において研究期間を通して測定した、9−シス−レチニルアセテートおよびその代謝産物の血漿濃度に由来する。この暫定的PK分析の範囲は、処置サイクル1、2および3において得られた、プラセボ(n=2)、40mg/m(n=6)および60mg/m(n=2)用量群を含むコホート1由来の試料を包含する。
血漿試料を、液体クロマトグラフィー−質量分析−質量分析(LC/MS/MS)により、親薬剤および潜在的代謝産物に関して分析した。ノンコンパートメント(NCA)薬物動態(PK)パラメータ、例えばAUCを、WinNonlinソフトウェアおよびCmax、tmaxの観測的決定およびベースラインより上の濃度の期間(TD)を使用して得た。
9−シス−レチニルアセテートの血漿濃度は低く、一時的であり、急速な初回通過代謝および非極性および極性代謝産物へのさらなる代謝を示していた。反復された7日のサイクルにおいて投与された40mg/mで、9−シス−レチノールおよびレチニルエステル代謝産物は、1日目からの予想に従って、複数回投薬において極めて少量から中程度の蓄積および比較的高いAUC値を7日目に示した。長期持続代謝産物は、中程度の蓄積と一致する上昇したCmin値を連日有し、これらのパターンおよび濃度は、サイクル1、2および3を通して同様であり、サイクルからサイクルへの蓄積は観察されなかった。
実施例6
RPE65またはLRATの遺伝性欠損を有する対象における、安全性および視覚結果に対する反復処置の効果
この研究は、最高3回の追加のクールの、1日1回7日間、RPE65またはLRATの遺伝性欠損によるLCAまたはRPを有するヒト対象に経口投与された実施例1の組成物の安全性および有効性に対する反復処置の効果を調査するために設計される。研究はまた、処置の最高3回の追加のクールが、これらの対象において視覚機能を維持または改善し得るかどうかを評価するために設計された。
研究は、RPE65またはLRATの欠損によるLCAまたはRPを有する最高およそ28人の対象を登録する。LCAを有する対象は年齢5〜65歳(包括的)であり、RPを有する対象は、年齢18〜65歳(包括的)である。すべての対象は、以前に7日の処置クールを受けており、実施例2の研究プロトコルによる30日目の通院を完了しているものである。対象は、実施例2の7日の処置クールの開始後、少なくとも1ヵ月、下記の基準の1つを満たしている:a)追跡GVFが、少なくとも片目においてベースラインから≦20%増加した;またはb)追跡GVFが、最も高い前回の応答より>20%低下していた;またはc)視覚機能の他のパラメータにおける応答の後戻りまたは欠落に基づく、再処置の合理的な候補と考えられるが、他の(GVF)基準を満たしていない。
各処置クールに関して、対象は、経口用量の実施例1の組成物を、1日1回、7日間与えられる。経口用量は:40mg/mを追跡GVFが、少なくとも1つの眼において、7日の処置クールの開始後少なくとも1ヶ月増加していない(すなわち、ベースラインから≦20%の増加)(対象は以前に10mg/mの用量で処置されている)対象、または最も高い前回の応答が>20%低下している対象(もともと10または40mg/mで処置された対象)に対して;60mg/mを、追跡GVFが、少なくとも1つの眼において、7日の処置クールの開始後少なくとも1ヶ月増加していない(すなわち、ベースラインから≦20%の増加)対象に対して(もともと40mg/mで処置された対象);または40もしくは60mg/mを、再処置の合理的な候補と考えられる対象に対してである。
対象は、最高3クールの研究処置を受ける。最低3週間が、前回の処置クールの最終日と次回の処置クールの初日の間に要求される。第1および第2の処置クールの開始後30日目(±3日)に、安全性および視覚結果データを、再処置決定のために評価する。対象は、安全性に懸念が無い場合、および:少なくとも1つの眼において追跡GVFが増加しない(すなわち、研究ベースラインから≦20%の増加)、または少なくとも1つの眼において追跡GVFが、この研究の処置の第1のクール後、最も高い前回の応答から>20%減少するか、または対象がGVF基準を満たしていないが、(1)視覚機能の他のパラメータ(例えば、色覚または低光に対する順応の変化の主観的報告)における応答の後戻りもしくは欠落、または(2)GVF応答が持続していた場合、GVFのさらなる改善の可能性、に基づき合理的な再処置候補と考えられる場合、第2の処置クール(実施例1の組成物の1日1回用量を7日間)を、40または60mg/mの用量で受ける。
対象は、安全性に懸念が無い場合、および:少なくとも1つの眼において追跡GVFが、処置の第2のクールの後、最も高い前回の応答から>20%減少する、または対象がGVF基準を満たしていないが、(1)視覚機能の他のパラメータ(例えば、色覚または低光に対する順応の変化の主観的報告)における応答の後戻りもしくは欠落、または(2)GVF応答が持続していた場合、GVFのさらなる改善の可能性、に基づき合理的な再処置候補と考えられる場合、第3の処置クール(実施例1の組成物の1日1回用量を7日間)を、40または60mg/mの用量で受ける。
30日目(±3日)において評価された再処置基準に基づき再処置されない対象は、追跡を続ける。このような対象は、安全性の懸念が無く、対象が処置クール2または処置クール3に関して指定された再処理基準を満たす場合、次回の処置クールを、前回の処置クールの最高12ヶ月までの任意の後続の追跡通院において開始してよい。
ベースラインの視覚機能検査を実施する。0日目に、各対象に、第1の用量の実施例1の組成物を与える。処置は、連続する7日間投与する(0日目から6日目まで、包括的)。研究薬剤および代謝産物の分析用血液試料を、第1および最終用量に関して採取する(すなわち、0日目および6日目の投薬後4時間ならびに1日目および7日目の朝食前)。対象は、各処置クールに対して、7/8、14/15および30日目ならびに2、4、6、8、10および12ヶ月または次回の処置クールの開始まで追跡通院する。プロトコルにより定義された視覚機能の評価は、ETDRSを使用する最高矯正視力検査、視野検査、全視野網膜電位図(ERG)、網膜感受性(FST)、動的瞳孔測定、眼振検査、OCT、FAFおよび対象の質問票を含む。
これまでの実施例は、例示のために提供するが、特許請求の範囲の範囲を限定するものではない。本発明の他の変形は、当業者には容易に明らかであると思われ、これらは特許請求の範囲に包含される。本明細書に引用されたすべての出版物、特許、特許出願および他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
前述の方法、投薬計画およびキットのいずれかのある実施形態において、対象はヒト対象である。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
a.第1の治療用量の合成レチナール誘導体を、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が、分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
c.第2の治療用量の該合成レチナール誘導体を、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
(項目2)
前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記対象が中等度から重度のRPを有する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記対象が軽度のRPを有する、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記合成レチナール誘導体が、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目1から8のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目1から9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、項目1から10のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記休止期間が約7日から約21日である、項目1から11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記休止期間が約21日である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記休止期間が約14日である、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記休止期間が約7日である、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記対象がヒト対象である、項目1から15のいずれかに記載の方法。
(項目17)
a.第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
c.第2の治療用量の該9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
(項目18)
前記対象が網膜色素変性症(RP)を有する、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記対象が中等度から重度のRPを有する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記対象が軽度のRPを有する、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記対象が早期発症または若年性のRPを有する、項目18に記載の方法。
(項目22)
前記対象がレーバー先天黒内障を有する、項目17に記載の方法。
(項目23)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目17に記載の方法。
(項目24)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目17に記載の方法。
(項目25)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目17から24のいずれかに記載の方法。
(項目26)
前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、項目17から25のいずれかに記載の方法。
(項目27)
前記休止期間が約7日から約21日である、項目17から26のいずれかに記載の方法。
(項目28)
前記休止期間が約21日である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記休止期間が約14日である、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記休止期間が約7日である、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記第1の治療用量が、約280mg/m から約420mg/m である、項目17から30のいずれかに記載の方法。
(項目32)
前記第1の治療用量が、約280mg/m である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記第1の治療用量が、約420mg/m である、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記第1の治療用量が、約10mg/m /日である、項目17から30のいずれかに記載の方法。
(項目35)
前記第1の治療用量が、約20mg/m /日である、項目17から30のいずれかに記載の方法。
(項目36)
前記第1の治療用量が、約40mg/m /日である、項目17から32のいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記第1の治療用量が、約60mg/m /日である、項目17から31のいずれかに記載の方法。
(項目38)
前記治療用量が経口投与される、項目17から37のいずれかに記載の方法。
(項目39)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目17から38のいずれかに記載の方法。
(項目40)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、項目17から39のいずれかに記載の方法。
(項目41)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、項目17から39のいずれかに記載の方法。
(項目43)
前記対象がヒト対象である、項目17から42のいずれかに記載の方法。
(項目44)
a.少なくとも第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステル;および
b.該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、該休止期間が約7から約28日であることを指示する、使用のための取扱説明書、
を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善するためのキット。
(項目45)
前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、項目44に記載のキット。
(項目46)
前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、項目44の記載のキット。
(項目47)
少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
a.第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、約2から約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ、
b.該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の、約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
c.該第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後それを必要とする対象に投与するステップ、
を含む、
内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善するための投薬計画。
(項目48)
前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、項目47に記載の投薬計画。
(項目49)
a.第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が、分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
c.第2の治療用量の該9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
を含む、内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
(項目50)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記対象が網膜色素変性症(RP)を有する、項目49または50に記載の方法。
(項目52)
前記対象が、早期発症または若年性RPを有する、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記対象が中等度から重度のRPを有する、項目51に記載の方法。
(項目54)
前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目51に記載の方法。
(項目55)
前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、項目49または50に記載の方法。
(項目56)
前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目49から55のいずれかに記載の方法。
(項目57)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目49または50に記載の方法。
(項目58)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目49または50に記載の方法。
(項目59)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目49から58のいずれかに記載の方法。
(項目60)
前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、項目49から59のいずれかに記載の方法。
(項目61)
前記休止期間が約7日から約21日である、項目49から60のいずれかに記載の方法。
(項目62)
前記休止期間が約21日である、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記休止期間が約14日である、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記休止期間が約7日である、項目61に記載の方法。
(項目65)
前記第1の治療用量が約280mg/m から約420mg/m である、項目49から64のいずれかに記載の方法。
(項目66)
前記第1の治療用量が約280mg/m である、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記第1の治療用量が約420mg/m である、項目65に記載の方法。
(項目68)
前記第1の治療用量が約10mg/m /日である、項目49から64のいずれかに記載の方法。
(項目69)
前記第1の治療用量が約20mg/m /日である、項目49から64のいずれかに記載の方法。
(項目70)
前記第1の治療用量が約40mg/m /日である、項目49から66のいずれかに記
載の方法。
(項目71)
前記第1の治療用量が約60mg/m /日である、項目49から65のいずれかに記載の方法。
(項目72)
前記治療用量が経口投与される、項目49から71のいずれかに記載の方法。
(項目73)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目49から72のいずれかに記載の方法。
(項目74)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、項目49から73のいずれかに記載の方法。
(項目75)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、項目49から73のいずれかに記載の方法。
(項目77)
視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、項目49から76のいずれかに記載の方法。
(項目78)
視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、項目49から77のいずれかに記載の方法。
(項目79)
視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、項目49から78のいずれかに記載の方法。
(項目80)
前記対象がヒト対象である、項目49から79のいずれかに記載の方法。
(項目81)
a.第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、該第1の治療用量が約40mg/m から約60mg/m /日を7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ、
b.約7日から約21日の休止期間を提供するステップ、および
c.第2の治療用量の該9−シス−レチニルアセテートを、該休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、
を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象において視覚機能を改善する方法。
(項目82)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記対象が中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目81または82に記載の方法。
(項目84)
前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目81または82に記載の方法。
(項目85)
前記対象が、早期発症または若年性の網膜色素変性症(RP)を有する、項目81また
は82に記載の方法。
(項目86)
前記9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目81から85のいずれかに記載の方法。
(項目87)
前記対象が、LRAT遺伝子変異を有する、項目81または82に記載の方法。
(項目88)
前記対象が、RPE65遺伝子変異を有する、項目81または82に記載の方法。
(項目89)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目81から88のいずれかに記載の方法。
(項目90)
前記休止期間が約21日である、項目81から89のいずれかに記載の方法。
(項目91)
前記休止期間が約14日である、項目81から89のいずれかに記載の方法。
(項目92)
前記休止期間が約7日である、項目81から89のいずれかに記載の方法。
(項目93)
視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、項目81から92のいずれかに記載の方法。
(項目94)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目81から93のいずれかに記載の方法。
(項目95)
前記治療用量が経口投与される、項目81から94のいずれかに記載の方法。
(項目96)
前記対象がヒト対象である、項目81から95のいずれかに記載の方法。
(項目97)
少なくとも第1のおよび第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップを含み、該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の用量と該第2の用量との間の休止期間が約7から約28日であり、視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、内因性レチノイド欠乏を有する対象の視覚機能を改善する方法。
(項目98)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目97に記載の方法。
(項目99)
前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、項目97または98に記載の方法。
(項目100)
前記対象が中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目98に記載の方法。
(項目101)
前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目98に記載の方法。
(項目102)
前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、項目96または97に記載の方法

(項目103)
前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目96から102のいずれかに記載の方法。
(項目104)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目96または97に記載の方法。
(項目105)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目96または97に記載の方法。
(項目106)
前記第1の用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、項目96から105のいずれかに記載の方法。
(項目107)
前記休止期間が約7日から約21日である、項目96から106のいずれかに記載の方法。
(項目108)
前記休止期間が約21日である、項目107に記載の方法。
(項目109)
前記休止期間が約14日である、項目107に記載の方法。
(項目110)
前記休止期間が約7日である、項目107に記載の方法。
(項目111)
前記第1の治療用量が、約280mg/m から約420mg/m である、項目96から110のいずれかに記載の方法。
(項目112)
前記第1の治療用量が約280mg/m である、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記第1の治療用量が、約10mg/m /日である、項目96から110のいずれかに記載の方法。
(項目114)
前記第1の治療用量が約20mg/m /日である、項目96から110のいずれかに記載の方法。
(項目115)
前記第1の治療用量が40mg/m /日である、項目96から112のいずれかに記載の方法。
(項目116)
前記第1の治療用量が約60mg/m /日である、項目96から111のいずれかに記載の方法。
(項目117)
前記治療用量が経口投与される、項目96から116のいずれかに記載の方法。
(項目118)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目96から117のいずれかに記載の方法。
(項目119)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、項目96から118のいずれかに記載の方法。
(項目120)
前記9−シス−レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、項目119に記載の方法。
(項目121)
前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、項目96から118
のいずれかに記載の方法。
(項目122)
前記対象がヒト対象である、項目96から121のいずれかに記載の方法。
(項目123)
a.少なくとも第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステル;および
b.該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、該休止期間が約7から約28日であることを指示する、使用のための取扱説明書、
を含む、網膜色素変性症(RP)有する対象において視覚機能を改善するためのキット。
(項目124)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目123に記載のキット。
(項目125)
前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、項目123または124に記載の方法。
(項目126)
前記対象が中等度から重度のRPを有する、項目123または124に記載のキット。
(項目127)
前記対象が軽度のRPを有する、項目123または124に記載のキット。
(項目128)
前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目123から127のいずれかに記載のキット。
(項目129)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目123または124に記載のキット。
(項目130)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目123または124に記載のキット。
(項目131)
前記取扱説明書が、前記第1の用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与されることを指示する、項目123から130のいずれかに記載のキット。
(項目132)
前記取扱説明書が、前記休止期間が約7日から約21日であることを指示する、項目123から131のいずれかに記載のキット。
(項目133)
前記取扱説明書が、前記休止期間が約21日であることを指示する、項目132に記載のキット。
(項目134)
前記取扱説明書が、前記休止期間が約14日であることを指示する、項目132に記載のキット。
(項目135)
前記取扱説明書が、前記休止期間が約7日であることを指示する、項目132に記載のキット。
(項目136)
前記第1の治療用量が、約280mg/m から約420mg/m である、項目123から135のいずれかに記載のキット。
(項目137)
前記第1の治療用量が約280mg/m である、項目136に記載のキット。
(項目138)
前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約10mg/m /日であることを指示する、項目123から135のいずれかに記載のキット。
(項目139)
前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約20mg/m /日であることを指示する、項目123から135のいずれかに記載のキット。
(項目140)
前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約40mg/m /日であることを指示する、項目123から137のいずれかに記載のキット。
(項目141)
前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約60mg/m /日であることを指示する、項目123から136のいずれかに記載のキット。
(項目142)
前記治療用量が経口投与される、項目123から141のいずれかに記載のキット。
(項目143)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目123から142のいずれかに記載のキット。
(項目144)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、項目123から143のいずれかに記載のキット。
(項目145)
前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、項目123から143のいずれかに記載のキット。
(項目146)
視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、項目123から145のいずれかに記載のキット。
(項目147)
視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、項目123から146のいずれかに記載のキット。
(項目148)
視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、項目123から147のいずれかに記載のキット。
(項目149)
前記対象がヒト対象である、項目123から148のいずれかに記載のキット。
(項目150)
少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
a.第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、約2から約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ、
b.該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
c.該第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、
を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画。
(項目151)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目150に記載の投薬計画。
(項目152)
前記対象が、早期発症または若年性の網膜色素変性症(RP)を有する、項目150または151に記載の方法。
(項目153)
前記対象が、中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目150または1
51に記載の投薬計画。
(項目154)
前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、項目150または151に記載の投薬計画。
(項目155)
前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目150から154のいずれかに記載の投薬計画。
(項目156)
前記対象が、LRAT遺伝子変異を有する、項目150または151に記載の投薬計画。
(項目157)
前記対象が、RPE65遺伝子変異を有する、項目150または151に記載の投薬計画。
(項目158)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目150から157のいずれかに記載の投薬計画。
(項目159)
前記第1の用量が、分割用量で7日の期間にわたって投与される、項目150から158のいずれかに記載の投薬計画。
(項目160)
前記休止期間が約7日から約21日である、項目150から159のいずれかに記載の投薬計画。
(項目161)
前記休止期間が約21日である、項目160に記載の投薬計画。
(項目162)
前記休止期間が約14日である、項目160に記載の投薬計画。
(項目163)
前記休止期間が約7日である、項目160に記載の投薬計画。
(項目164)
前記第1の治療用量が、約280mg/m から約420mg/m である、項目150から163のいずれかに記載の投薬計画。
(項目165)
前記第1の治療用量が約280mg/m である、項目164に記載の投薬計画。
(項目166)
前記第1の治療用量が約10mg/m /日である、項目150から163のいずれかに記載の投薬計画。
(項目167)
前記第1の治療用量が約20mg/m /日である、項目150から163のいずれかに記載の投薬計画。
(項目168)
前記第1の治療用量が約40mg/m /日である、項目150から165のいずれかに記載の投薬計画。
(項目169)
前記第1の治療用量が約60mg/m /日である、項目150から164のいずれかに記載の投薬計画。
(項目170)
前記治療用量が経口投与される、項目150から169のいずれかに記載の投薬計画。
(項目171)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目150から170のいずれかに記載の投薬計画。
(項目172)
前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、項目150から171のいずれかに記載の投薬計画。
(項目173)
前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、項目150から171のいずれかに記載の投薬計画。
(項目174)
前記視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、項目150から173のいずれかに記載の投薬計画。
(項目175)
前記視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、項目150から174のいずれかに記載の投薬計画。
(項目176)
前記視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、項目150から175のいずれかに記載の投薬計画。
(項目177)
前記対象がヒト対象である、項目150から176のいずれかに記載の投薬計画。
(項目178)
少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
a.該第1の用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、該第1の治療用量が約40mg/m /日で7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ、
b.約7日から約21日の休止期間を提供するステップ、および
c.第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画。
(項目179)
前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、項目178に記載の投薬計画。
(項目180)
前記9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目181)
前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目182)
前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目183)
前記対象が中等度から重度のRPを有する、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目184)
前記対象が軽度のRPを有する、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目185)
前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、項目178または179に記載の投薬計画。
(項目186)
前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、項目1
78から185のいずれかに記載の投薬計画。
(項目187)
前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、項目178から186のいずれかに記載の投薬計画。
(項目188)
視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、項目178から187のいずれかに記載の投薬計画。
(項目189)
前記治療用量が経口投与される、項目178から188のいずれかに記載の投薬計画。
(項目190)
前記対象がヒト対象である、項目178から189のいずれかに記載の投薬計画。

Claims (190)

  1. a.第1の治療用量の合成レチナール誘導体を、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が、分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
    b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
    c.第2の治療用量の該合成レチナール誘導体を、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
    を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
  2. 前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が中等度から重度のRPを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対象が軽度のRPを有する、請求項2に記載の方法。
  5. 前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、請求項2に記載の方法。
  6. 前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記合成レチナール誘導体が、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記休止期間が約7日から約21日である、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記休止期間が約21日である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記休止期間が約14日である、請求項12に記載の方法。
  15. 前記休止期間が約7日である、請求項12に記載の方法。
  16. 前記対象がヒト対象である、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. a.第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
    b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
    c.第2の治療用量の該9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
    を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
  18. 前記対象が網膜色素変性症(RP)を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記対象が中等度から重度のRPを有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記対象が軽度のRPを有する、請求項18に記載の方法。
  21. 前記対象が早期発症または若年性のRPを有する、請求項18に記載の方法。
  22. 前記対象がレーバー先天黒内障を有する、請求項17に記載の方法。
  23. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項17に記載の方法。
  24. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項17に記載の方法。
  25. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項17から24のいずれかに記載の方法。
  26. 前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、請求項17から25のいずれかに記載の方法。
  27. 前記休止期間が約7日から約21日である、請求項17から26のいずれかに記載の方法。
  28. 前記休止期間が約21日である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記休止期間が約14日である、請求項27に記載の方法。
  30. 前記休止期間が約7日である、請求項27に記載の方法。
  31. 前記第1の治療用量が、約280mg/mから約420mg/mである、請求項17から30のいずれかに記載の方法。
  32. 前記第1の治療用量が、約280mg/mである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第1の治療用量が、約420mg/mである、請求項31に記載の方法。
  34. 前記第1の治療用量が、約10mg/m/日である、請求項17から30のいずれかに記載の方法。
  35. 前記第1の治療用量が、約20mg/m/日である、請求項17から30のいずれかに記載の方法。
  36. 前記第1の治療用量が、約40mg/m/日である、請求項17から32のいずれかに記載の方法。
  37. 前記第1の治療用量が、約60mg/m/日である、請求項17から31のいずれかに記載の方法。
  38. 前記治療用量が経口投与される、請求項17から37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項17から38のいずれかに記載の方法。
  40. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、請求項17から39のいずれかに記載の方法。
  41. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、請求項40に記載の方法。
  42. 前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、請求項17から39のいずれかに記載の方法。
  43. 前記対象がヒト対象である、請求項17から42のいずれかに記載の方法。
  44. a.少なくとも第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステル;および
    b.該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、該休止期間が約7から約28日であることを指示する、使用のための取扱説明書、
    を含む、内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善するためのキット。
  45. 前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、請求項44に記載のキット。
  46. 前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、請求項44の記載のキット。
  47. 少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
    a.第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、約2から約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ、
    b.該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の、約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
    c.該第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後それを必要とする対象に投与するステップ、
    を含む、
    内因的に産生される11−シス−レチナールの欠乏を有する対象において視覚機能を改善するための投薬計画。
  48. 前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、請求項47に記載の投薬計画。
  49. a.第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップであって、該第1の治療用量が、分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与されるステップ、
    b.約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
    c.第2の治療用量の該9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
    を含む、内因性レチノイド欠乏を有する対象において視覚機能を改善する方法。
  50. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項49に記載の方法。
  51. 前記対象が網膜色素変性症(RP)を有する、請求項49または50に記載の方法。
  52. 前記対象が、早期発症または若年性RPを有する、請求項51に記載の方法。
  53. 前記対象が中等度から重度のRPを有する、請求項51に記載の方法。
  54. 前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項51に記載の方法。
  55. 前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、請求項49または50に記載の方法。
  56. 前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項49から55のいずれかに記載の方法。
  57. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項49または50に記載の方法。
  58. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項49または50に記載の方法。
  59. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項49から58のいずれかに記載の方法。
  60. 前記第1の治療用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、請求項49から59のいずれかに記載の方法。
  61. 前記休止期間が約7日から約21日である、請求項49から60のいずれかに記載の方法。
  62. 前記休止期間が約21日である、請求項61に記載の方法。
  63. 前記休止期間が約14日である、請求項61に記載の方法。
  64. 前記休止期間が約7日である、請求項61に記載の方法。
  65. 前記第1の治療用量が約280mg/mから約420mg/mである、請求項49から64のいずれかに記載の方法。
  66. 前記第1の治療用量が約280mg/mである、請求項65に記載の方法。
  67. 前記第1の治療用量が約420mg/mである、請求項65に記載の方法。
  68. 前記第1の治療用量が約10mg/m/日である、請求項49から64のいずれかに記載の方法。
  69. 前記第1の治療用量が約20mg/m/日である、請求項49から64のいずれかに記載の方法。
  70. 前記第1の治療用量が約40mg/m/日である、請求項49から66のいずれかに記載の方法。
  71. 前記第1の治療用量が約60mg/m/日である、請求項49から65のいずれかに記載の方法。
  72. 前記治療用量が経口投与される、請求項49から71のいずれかに記載の方法。
  73. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項49から72のいずれかに記載の方法。
  74. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、請求項49から73のいずれかに記載の方法。
  75. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、請求項74に記載の方法。
  76. 前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、請求項49から73のいずれかに記載の方法。
  77. 視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、請求項49から76のいずれかに記載の方法。
  78. 視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、請求項49から77のいずれかに記載の方法。
  79. 視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、請求項49から78のいずれかに記載の方法。
  80. 前記対象がヒト対象である、請求項49から79のいずれかに記載の方法。
  81. a.第1の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、該第1の治療用量が約40mg/mから約60mg/m/日を7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ、
    b.約7日から約21日の休止期間を提供するステップ、および
    c.第2の治療用量の該9−シス−レチニルアセテートを、該休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、
    を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象において視覚機能を改善する方法。
  82. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項81に記載の方法。
  83. 前記対象が中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項81または82に記載の方法。
  84. 前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項81または82に記載の方法。
  85. 前記対象が、早期発症または若年性の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項81または82に記載の方法。
  86. 前記9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項81から85のいずれかに記載の方法。
  87. 前記対象が、LRAT遺伝子変異を有する、請求項81または82に記載の方法。
  88. 前記対象が、RPE65遺伝子変異を有する、請求項81または82に記載の方法。
  89. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項81から88のいずれかに記載の方法。
  90. 前記休止期間が約21日である、請求項81から89のいずれかに記載の方法。
  91. 前記休止期間が約14日である、請求項81から89のいずれかに記載の方法。
  92. 前記休止期間が約7日である、請求項81から89のいずれかに記載の方法。
  93. 視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、請求項81から92のいずれかに記載の方法。
  94. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項81から93のいずれかに記載の方法。
  95. 前記治療用量が経口投与される、請求項81から94のいずれかに記載の方法。
  96. 前記対象がヒト対象である、請求項81から95のいずれかに記載の方法。
  97. 少なくとも第1のおよび第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、それを必要とする対象に投与するステップを含み、該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の用量と該第2の用量との間の休止期間が約7から約28日であり、視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、内因性レチノイド欠乏を有する対象の視覚機能を改善する方法。
  98. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項97に記載の方法。
  99. 前記対象が、網膜色素変性症(RP)を有する、請求項97または98に記載の方法。
  100. 前記対象が中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項98に記載の方法。
  101. 前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項98に記載の方法。
  102. 前記対象がレーバー先天黒内障(LCA)を有する、請求項96または97に記載の方法。
  103. 前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項96から102のいずれかに記載の方法。
  104. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項96または97に記載の方法。
  105. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項96または97に記載の方法。
  106. 前記第1の用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与される、請求項96から105のいずれかに記載の方法。
  107. 前記休止期間が約7日から約21日である、請求項96から106のいずれかに記載の方法。
  108. 前記休止期間が約21日である、請求項107に記載の方法。
  109. 前記休止期間が約14日である、請求項107に記載の方法。
  110. 前記休止期間が約7日である、請求項107に記載の方法。
  111. 前記第1の治療用量が、約280mg/mから約420mg/mである、請求項96から110のいずれかに記載の方法。
  112. 前記第1の治療用量が約280mg/mである、請求項111に記載の方法。
  113. 前記第1の治療用量が、約10mg/m/日である、請求項96から110のいずれかに記載の方法。
  114. 前記第1の治療用量が約20mg/m/日である、請求項96から110のいずれかに記載の方法。
  115. 前記第1の治療用量が40mg/m/日である、請求項96から112のいずれかに記載の方法。
  116. 前記第1の治療用量が約60mg/m/日である、請求項96から111のいずれかに記載の方法。
  117. 前記治療用量が経口投与される、請求項96から116のいずれかに記載の方法。
  118. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項96から117のいずれかに記載の方法。
  119. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルエステルである、請求項96から118のいずれかに記載の方法。
  120. 前記9−シス−レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、請求項119に記載の方法。
  121. 前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、請求項96から118のいずれかに記載の方法。
  122. 前記対象がヒト対象である、請求項96から121のいずれかに記載の方法。
  123. a.少なくとも第1の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステル;および
    b.該第1の治療用量が分割用量として約2から約7日の期間にわたって投与され、該第1の治療用量と第2の用量との間の休止期間を提供し、該休止期間が約7から約28日であることを指示する、使用のための取扱説明書、
    を含む、網膜色素変性症(RP)有する対象において視覚機能を改善するためのキット。
  124. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項123に記載のキット。
  125. 前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、請求項123または124に記載の方法。
  126. 前記対象が中等度から重度のRPを有する、請求項123または124に記載のキット。
  127. 前記対象が軽度のRPを有する、請求項123または124に記載のキット。
  128. 前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項123から127のいずれかに記載のキット。
  129. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項123または124に記載のキット。
  130. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項123または124に記載のキット。
  131. 前記取扱説明書が、前記第1の用量が、分割用量として7日の期間にわたって投与されることを指示する、請求項123から130のいずれかに記載のキット。
  132. 前記取扱説明書が、前記休止期間が約7日から約21日であることを指示する、請求項123から131のいずれかに記載のキット。
  133. 前記取扱説明書が、前記休止期間が約21日であることを指示する、請求項132に記載のキット。
  134. 前記取扱説明書が、前記休止期間が約14日であることを指示する、請求項132に記載のキット。
  135. 前記取扱説明書が、前記休止期間が約7日であることを指示する、請求項132に記載のキット。
  136. 前記第1の治療用量が、約280mg/mから約420mg/mである、請求項123から135のいずれかに記載のキット。
  137. 前記第1の治療用量が約280mg/mである、請求項136に記載のキット。
  138. 前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約10mg/m/日であることを指示する、請求項123から135のいずれかに記載のキット。
  139. 前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約20mg/m/日であることを指示する、請求項123から135のいずれかに記載のキット。
  140. 前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約40mg/m/日であることを指示する、請求項123から137のいずれかに記載のキット。
  141. 前記取扱説明書が、前記第1の治療用量が約60mg/m/日であることを指示する、請求項123から136のいずれかに記載のキット。
  142. 前記治療用量が経口投与される、請求項123から141のいずれかに記載のキット。
  143. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項123から142のいずれかに記載のキット。
  144. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、請求項123から143のいずれかに記載のキット。
  145. 前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、請求項123から143のいずれかに記載のキット。
  146. 視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、請求項123から145のいずれかに記載のキット。
  147. 視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、請求項123から146のいずれかに記載のキット。
  148. 視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、請求項123から147のいずれかに記載のキット。
  149. 前記対象がヒト対象である、請求項123から148のいずれかに記載のキット。
  150. 少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
    a.第1の用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、約2から約7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与するステップ、
    b.該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の約7から約28日の休止期間を提供するステップ、および
    c.該第2の治療用量の9−または11−シス−レチニルエステルを、該休止期間の終了後にそれを必要とする対象に投与するステップ、
    を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画。
  151. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項150に記載の投薬計画。
  152. 前記対象が、早期発症または若年性の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項150または151に記載の方法。
  153. 前記対象が、中等度から重度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項150または151に記載の投薬計画。
  154. 前記対象が軽度の網膜色素変性症(RP)を有する、請求項150または151に記載の投薬計画。
  155. 前記9−または11−シス−レチニルエステルが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項150から154のいずれかに記載の投薬計画。
  156. 前記対象が、LRAT遺伝子変異を有する、請求項150または151に記載の投薬計画。
  157. 前記対象が、RPE65遺伝子変異を有する、請求項150または151に記載の投薬計画。
  158. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項150から157のいずれかに記載の投薬計画。
  159. 前記第1の用量が、分割用量で7日の期間にわたって投与される、請求項150から158のいずれかに記載の投薬計画。
  160. 前記休止期間が約7日から約21日である、請求項150から159のいずれかに記載の投薬計画。
  161. 前記休止期間が約21日である、請求項160に記載の投薬計画。
  162. 前記休止期間が約14日である、請求項160に記載の投薬計画。
  163. 前記休止期間が約7日である、請求項160に記載の投薬計画。
  164. 前記第1の治療用量が、約280mg/mから約420mg/mである、請求項150から163のいずれかに記載の投薬計画。
  165. 前記第1の治療用量が約280mg/mである、請求項164に記載の投薬計画。
  166. 前記第1の治療用量が約10mg/m/日である、請求項150から163のいずれかに記載の投薬計画。
  167. 前記第1の治療用量が約20mg/m/日である、請求項150から163のいずれかに記載の投薬計画。
  168. 前記第1の治療用量が約40mg/m/日である、請求項150から165のいずれかに記載の投薬計画。
  169. 前記第1の治療用量が約60mg/m/日である、請求項150から164のいずれかに記載の投薬計画。
  170. 前記治療用量が経口投与される、請求項150から169のいずれかに記載の投薬計画。
  171. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項150から170のいずれかに記載の投薬計画。
  172. 前記レチニルエステルが9−シス−レチニルアセテートである、請求項150から171のいずれかに記載の投薬計画。
  173. 前記レチニルエステルが11−シス−レチニルアセテートである、請求項150から171のいずれかに記載の投薬計画。
  174. 前記視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加を含む、請求項150から173のいずれかに記載の投薬計画。
  175. 前記視覚機能の改善が、糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加を含む、請求項150から174のいずれかに記載の投薬計画。
  176. 前記視覚機能の改善が、ベースラインからの、網膜感受性の臨床的に有意な増加を含む、請求項150から175のいずれかに記載の投薬計画。
  177. 前記対象がヒト対象である、請求項150から176のいずれかに記載の投薬計画。
  178. 少なくとも第1の治療用量、第2の治療用量および該第1の治療用量と該第2の治療用量との間の休止期間を含み、
    a.該第1の用量の9−シス−レチニルアセテートを投与するステップであって、該第1の治療用量が約40mg/m/日で7日の期間にわたってそれを必要とする対象に投与されるステップ、
    b.約7日から約21日の休止期間を提供するステップ、および
    c.第2の治療用量の9−シス−レチニルアセテートを、該休止期間の終了後に該対象に投与するステップ、
    を含む、網膜色素変性症(RP)を有する対象の視覚機能を改善するための投薬計画。
  179. 前記対象が、内因的に産生される11−シス−レチナールが欠乏している、請求項178に記載の投薬計画。
  180. 前記9−シス−レチニルアセテートが、内因的に産生される11−シス−レチナールの代替として提供される、請求項178または179に記載の投薬計画。
  181. 前記対象がLRAT遺伝子変異を有する、請求項178または179に記載の投薬計画。
  182. 前記対象がRPE65遺伝子変異を有する、請求項178または179に記載の投薬計画。
  183. 前記対象が中等度から重度のRPを有する、請求項178または179に記載の投薬計画。
  184. 前記対象が軽度のRPを有する、請求項178または179に記載の投薬計画。
  185. 前記対象が、早期発症または若年性のRPを有する、請求項178または179に記載の投薬計画。
  186. 前記方法が、bおよびcのステップを1回以上反復するステップをさらに含む、請求項178から185のいずれかに記載の投薬計画。
  187. 前記第2の治療用量が、前記第1の治療用量と実質的に同じ期間および実質的に同じ量で投与される、請求項178から186のいずれかに記載の投薬計画。
  188. 視覚機能の改善が、ゴールドマン視野(GVF)分析により測定して、ベースラインから少なくとも20%の片目における視野の増加もしくは糖尿病網膜症の早期治療研究(ETDRS)のアイチャートを使用して測定して、ベースラインより5文字以上の片目における視力の増加またはその両方を含む、請求項178から187のいずれかに記載の投薬計画。
  189. 前記治療用量が経口投与される、請求項178から188のいずれかに記載の投薬計画。
  190. 前記対象がヒト対象である、請求項178から189のいずれかに記載の投薬計画。
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