JP2015508750A - 経皮ホルモン送達 - Google Patents

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Abstract

経皮ホルモン送達用組成物およびデバイスを開示する。組成物およびデバイスはデソゲストレルを含み、皮膚浸透促進剤を用いることなく、有効量のプロゲスチンを送達可能にする。

Description

発明の分野
本発明はステロイドホルモンの経皮送達の分野にある。
発明の背景
避妊薬は、プロゲスチンを、通常エチニルエストラジオールなどのエストロゲンとともに含む、医薬投与形態により供される。避妊具の市場は非常に大きく、数十億ドルである。これらのホルモンの経口送達は、経皮パッチ、膣リング、子宮内器具およびインプラントもまた開発されているが、90%より多い市場を有する経口送達可能な避妊薬によるものが最も一般的な送達経路である。
経皮送達系は、ホルモンの経皮送達のため、例えば避妊薬およびホルモン補充目的のために設計されている。例えば、Climara Proエストラジオール/レボノルゲストレル経皮系は米国において閉経後の女性における使用について承認され、中程度〜重篤度の一過性熱感を軽減し、骨粗鬆症の発症率を軽減する。Ortho Evraノルエルゲストロミン/エチニルエストラジオール経皮系は米国において避妊薬としての使用について承認されている。
経皮送達系から放出される薬物分子は、皮膚の各層を浸透することができなければならない。薬物分子の浸透速度を増大させるために、プロゲスチンを送達する経皮薬物送達系は一般に、1以上の皮膚浸透促進剤を含んでおり、分子の浸透に最も耐性を示す皮膚の最外層、角質層の浸透性を増大させる。
四つの縮合環からなるプロゲスチンは非常に大きく、剛健であり、疎水性であるため、皮膚の角質層を貫通するのが非常に困難である。プロゲスチン、ノルエルゲストロミンは活性なプロゲスチン、ノルゲスチメートのより皮膚吸収するプロドラッグである。
Ortho Evraパッチはプロゲスチンとしてノルエルゲスタミン(norelgestamin)および皮膚浸透促進剤として乳酸ラウリルを用いる。他のものは非常に強力な化学的促進剤の組み合わせを用いており、プロゲスチンのヒト皮膚を通した浸透を増大する(例えばUS 7045145、US 7384650)。乳酸エチル、乳酸ラウリル、DMSO、カプリン酸、ラウリルサルコシンナトリウムおよびその他などの促進剤の組み合わせが報告されている。複数の促進剤を高レベルで用いたこれらの報告に示される皮膚流動(skin flux)レベルに基づき、ある者は有効量のプロゲスチンの送達に必要なものとして15〜20 cm2のパッチサイズを見積もることができる。促進剤の使用はまた、パッチ製造に伴う問題、製品安定性、皮膚へのパッチ接着およびコストなどの他の困難性にも貢献する。特に上記のように促進剤が揮発性である場合、パッチ組成物は連続的に変化しうるため、透明なパッチを製造することは非常に困難でもある。
発明の概要
本発明は、皮膚浸透促進剤の非存在下におけるデソゲストレルの送達のための経皮送達デバイスおよび系に関する。
実例的な態様において、本発明は、(a)有効量のデソゲストレルおよび(b)担体を含み、皮膚浸透促進剤を含まない、経皮組成物、並びにそのような経皮組成物を含む、例えばパッチなどのデバイス、およびプロゲスチンの送達および避妊に効果のある関連する方法である。
本発明の実例的なデバイスは、皮膚接触表面および皮膚非接触表面を有する、本発明の経皮組成物を含む、デソゲストレルの経皮送達用経皮ホルモン送達デバイスであって、さらに:
経皮組成物の皮膚非接触表面に配置されたバッキング層、および
適宜、経皮組成物の皮膚接触表面に配置された剥離ライナーを含む、デバイスである。
実例的な態様において、適用部位の輪郭に効果的かつ快適に接着し、正常な生活活動に伴う屈曲に耐えるように、パッチ全体が柔軟性である。
実例的な態様において、本発明は、本明細書に記載の経皮ホルモン送達デバイスを患者の皮膚に適用することを特徴とする、プロゲスチンをそれを必要とする患者に送達する方法である。本発明の方法のより具体的な実例的態様において、本発明は、避妊が望ましいとして延長される連続する月経周期の間、女性の皮膚に該経皮送達デバイスを適用し、月経周期の連続四週間のうち三週間の間毎週一回経皮送達デバイスを置き換えることにより、プロゲスチンを送達して女性の避妊に効果をもたらすことを特徴とする、そのような方法である。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の本明細書により完全に記載され、そうでなければ該記載に基づき当業者に明らかなものである。
Figure 1は、四つの皮膚浸透促進剤を含むパッチからのレボノルゲストレル(LNG)のラット皮膚を通した平均流動を示すグラフである(菱形=パイロット研究にて製造したパッチ;四角=より大きな製造ラインにて製造したパッチ)。 Figure 2は、四つの皮膚浸透促進剤を含むパッチからのラット皮膚を通して浸透したLNGの平均累積量を示すグラフである(菱形=パイロット研究にて製造したパッチ;四角=より大きな製造ラインにて製造したパッチ)。 Figure 3は、四つの皮膚浸透促進剤を含むパッチからのヒト皮膚を通したLNGの浸透速度を示すグラフである。三回反復を示す。 Figure 4は、四つの皮膚浸透促進剤を含むパッチからのヒト皮膚を通して浸透したLNGの累積量を示すグラフである。三回反復を示す。
Figure 5は、デソゲストレル(円形;上方の線)およびLNG(菱形;下方の線)の飽和溶液からのラット皮膚を通した平均流動を示すグラフである。 Figure 6は、デソゲストレル(円形;上方の線)およびLNG(菱形;下方の線)の飽和溶液からのラット皮膚を通して送達された累積量を示すグラフである。 Figure 7は、薬物で飽和されたPEG溶液(菱形;上方の線)および最適化されたパッチ(四角;下方の線)からの無毛ラット皮膚を横断して送達されたデソゲストレルについての平均薬物流動プロットを示す。 Figure 8は、薬物で飽和されたPEG溶液(菱形;上方の線)および最適化されたパッチ(四角;下方の線)からの無毛ラット皮膚を横断して送達されたデソゲストレルについての平均累積量プロットを示す。エラーバーは平均標準誤差(SE)を示す。 Figure 9は、以下に記載のPIB+10%鉱油パッチから放出されたデソゲストレルの平均累積量を示す。
発明の詳細な記載
避妊パッチの開発は、適切かつ有効な量のプロゲスチンを送達する能力に基づく。避妊に用いられるエストロゲンは典型的に、エチニルエストラジオールであり、主に所望でない副作用の緩和に用いられる。エチニルエストラジオールは、その経皮送達に関する限り、プロゲスチンより二つの利点を有する。第一に、必要とされる有効用量はプロゲスチンよりも4〜10倍少ない(例えば最も強力なプロゲスチンで100μg/dであるのに対し、一日当たり20マイクログラム)。第二に、その物理化学的特性により、より速い皮膚を通した送達が可能である。
本発明は、プロゲスチンであるデソゲストレルが皮膚を通して予想外に高い浸透を有するという本発明者らの発見から一部わき出る。デソゲストレルの皮膚浸透は他のプロゲスチンのものよりも実質的に高く、例えば一般に避妊に用いられるプロゲスチンであるレボノルゲストレルのものよりもおよそ10倍高いことが見出された。デソゲストレルの皮膚浸透は、他の既知のプロゲスチンのものよりも良いだけでなく、エストロゲン化合物であるエチニルエストラジオールのものよりも高い。デソゲストレルはレボノルゲストレルおよびエチニルエストラジオールと類似の化学構造を有し、そのため皮膚を通してその驚くべき高い浸透が該化合物のいくつかの特別な物理化学的特性に寄与するはずである。
従って、本発明の一態様は、デソゲストレルを含む経皮送達組成物を特徴づける。好ましい態様にて、組成物は皮膚浸透(透過)促進剤を含まない。デソゲストレルは、担体、および例えばエストロゲンおよび他の賦形剤などの他の任意の成分と混合する。担体はポリマーまたはコポリマーであることができ、生物学的に許容される接着性ポリマーマトリクスを形成し、好ましくはデソゲストレルが制御された速度にて通過することができる薄いフィルムまたはコーティングを形成することができる粘着剤(「PSA」)であることができる。適切なポリマーは、デバイスが接触する体液または組織と生物学的および薬学的に両立可能であり、非アレルギー性であり、これに不溶で両立可能である。水溶性ポリマーの使用は一般に、マトリクスの溶解または浸食がデソゲストレルの放出速度並びに投与単位の皮膚上の所定位置にとどまる能力に影響するため、あまり好ましくない。そのため、いくつかの態様にて、ポリマーは水溶性でない。
皮膚浸透促進剤は、皮膚および血流を通したプロゲスチンの通過を改善するために一般に用いられる賦形剤である。これらは主要機能が異なる成分、例えばポリマーマトリクス型組成物に用いられるポリマー、PVPもしくはPVP/VAなどの保湿剤/可塑剤、抗酸化剤、結晶化阻害剤または主要機能が異なる他の物質を含まない。皮膚浸透促進剤としては、エタノール、プロパノール、オクタノール、デカノールまたはn-デシルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール;アルカノン;アミド、および尿素、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンなどの他の窒素化合物;1-置換アザシクロヘプタン-2-オン、特に1-n-ドデシルシクラザシクロヘプタン-2-オン;胆汁塩;コレステロール;シクロデキストリン、およびジメチル-.ベータ.-シクロデキストリン、トリメチル-.ベータ.-シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル-.ベータ.-シクロデキストリンなどの置換シクロデキストリン;ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol.RTM.として市販)およびジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル;ラウリン酸、オレイン酸および吉草酸などの飽和および不飽和脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、プロピオン酸メチルおよびオレイン酸エチルなどの飽和および不飽和脂肪酸エステル;乳酸の脂肪C8-C20アルコールエステルなどの飽和および不飽和脂肪アルコールエステル(例えば乳酸ラウリルまたはプロパン酸2-ヒドロキシ-ドデシルエステル);ラブラフィルおよびトリアセチンなどのグリセリド、およびモノオレイン酸グリセロール、モノリノール酸グリセロールおよびモノラウリン酸グリセロールなどのモノグリセリド;ハロゲン化炭化水素;特にサリチル酸およびサリチル酸塩、クエン酸およびコハク酸などの有機酸;ニコチン酸メチル;ペンタデカラクトン;ポリオール、およびプロピレングリコール、エチレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノラウレートなどのそのエステル;ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルグリセロールおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンなどのリン脂質;ジメチルスルホキシド(DMSO)およびデシルメチルスルホキシドなどのスルホキシド;ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、塩化ベンザルコニウム、ポロキサマー(登録商標)(231、182、184)、Tween(登録商標)(20、40、60、80)などのポリ(オキシエチレン)ソルビタンおよびレシチンなどの界面活性剤;他の有機溶媒;テルペンまたは他のホスファチド誘導体;およびその組み合わせが挙げられる。
具体例として、以下のものを挙げることができる:デカノール、ドデカノール、2-ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸およびオレイン酸、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪酸とメタノール、エタノールまたはイソプロパノールとのエステル、ラウリン酸メチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソプロピル、脂肪アルコールと酢酸または乳酸とのエステル、酢酸エチル、乳酸ラウリル、酢酸オレイル、尿素、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、1,3-ブタンジオール、ジプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール。
揮発性有機溶媒としては、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのC1-C8分枝または非分枝アルコールならびにアゾン(ラウロカプラム:1-ドデシルヘキサヒドロ-2H-アゼピン-2-オン)、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびメチルスルホニルメタンが挙げられる。
本発明の実例的態様にて、経皮組成物は皮膚浸透促進剤を欠いており、すなわち上記賦形剤のいずれかを欠いている。
特定の態様において、経皮デソゲストレル含有組成物としてポリマーマトリクスを形成するために用いられるポリマーは室温以下のガラス転移温度を有する。ポリマーは好ましくは非晶質であるが、必要ならば他の所望の特性の開発のためにある程度の結晶性を有していてもよい。架橋モノマー単位または部位はそのようなポリマーに組み込むことができる。例えばポリアクリレートポリマーに組み込むことができる架橋モノマーとしては、ブチレンジアクリレートおよびジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのポリオールのポリメタクリル酸エステルが挙げられる。そのような部位を供する他のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエートなどが挙げられる。
有用な接着性ポリマー製剤は、一般式(I)のポリアクリレート接着性ポリマーを含む:
Figure 2015508750
[式中、Xは接着性ポリマーにおける所望の特性を供するのに十分な繰り返し単位の数を意味し、RはHまたはエチル、ブチル、2-エチルヘキシル、オクチル、デシルなどの低級(C1-C10)アルキルなどである]。より具体的には、そのような接着性ポリマーマトリクスは、2-エチルヘキシルアクリレートモノマーおよびコモノマーとしておよそ50-60% w/w(すなわち、50〜60 wt%)のビニルアセテートを有するポリアクリレート接着性コポリマーを含んでもよい。本発明に用いる適切なポリアクリレート接着性コポリマーの例としては、これに限定されないが、Henkel Corporation., Bridgewater, N.J.によりDuro Tak(登録商標)87-4098の商標名で販売されるものが挙げられ、一定割合のビニルアセテートコモノマーを含む。
他のPSAとしては、限定されないが、シリコン粘着剤およびポリイソブチレン(PIB)粘着剤が挙げられる。例えば、10%高分子量(例えば200,00〜500,000)PIB(例えばBASF CorporationからのOppanol B-100であり、約250,000の分子量を有する)、50%低分子量(例えば10,000〜50,000)PIB(例えばBASF CorporationからのOppanol B-12であり、約50,000の分子量を有する)および可塑剤として40%ポリブテン(例えばIneosからのIndopol H-1900、2000〜7000センチポアズ(cps))を含むポリイソブチレン粘着剤が本発明の実線に適している。適切なPIB PSAの開発において、考慮の一つは、PIBは架橋しておらず、そのためわずかに流動することである。パッチ内で、そのわずかな流動は、数日間使い古す場合、パッチの回りの見場の悪い環の原因となりうる。PSA製剤中の高含量の高MW PIBは、冷流動を軽減し、この効果を最小限にする。上記Oppanol B-12などのいくつかのPIB製剤におけるポリブテンは可塑剤として機能し、より高MW PIBの組み込みを可能とする。鉱油は同目的で可塑剤として用いることができる。
他の添加剤は、保湿剤および可塑剤として0.1〜30 wt% PVP(すなわちポビドン)などのPIB粘着剤またはPVP/VA(すなわちコポビドン)などのPVPコポリマーに組み込むことができる。PVPは疎水性であるPIBに比べて非常に親水性である。PVPの重要な特性は湿気を吸収する能力である。PVP/VAなどのPVPコポリマーの使用は他のポリマーとの適合性を改善し、水吸収を調節することができる。従って、本発明の特定の態様は、51,000の分子量および110℃のガラス転移温度を有する60:40 PVP:VAコポリマーであるPlasdone 630 PVP/VA(Ashland Chemical)などのPVP/VAコポリマーを利用する。あるいは、Kollidon CL-M PVP(BASF)などの不溶性架橋PVPポリマー(すなわちクロスポビドン)を用いることができる。場合により、可塑剤として5〜15%鉱油を含むことができる。
本発明の実例的態様にて、PIBはDuro-Tak 87-608A(Henkel Corporation)である。このPIB PSAにおけるデソゲストレルの飽和溶解度はおよそ2〜4% w/wである。しかし、デソゲストレルがより高可溶性である他の賦形剤、例えばPVP/VAの包含により、より高濃度のデソゲストレルの使用、例えば経皮組成物、すなわちPSA、PVP/VAおよびホルモンの重量に基づき10%までが可能となる。
典型的に、一週間の治療用に設計された経皮投与単位は、有効量、すなわち妊娠を防ぐのに有効な量である、少なくとも約70μg/日のデソゲストレルを送達すべきである。投与単位はより多くのデソゲストレル、例えば少なくとも約75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130または135μg/日を送達することができる。いくつかの態様にて、投与単位はさらにより多くのデソゲストレル、例えば約140、145または150、155、160、165、170、175、180、185、190、195または200μg/日まで送達することができる。特定の態様において、投与単位は、約70〜約200μg/日のデソゲストレル、より具体的には約80〜190μg/日のデソゲストレル、より具体的には約90〜180μg/日のデソゲストレル、より具体的には約100〜170μg/日のデソゲストレル、より具体的には約110〜160μg/日のデソゲストレル、より具体的には約120-150μg/日のデソゲストレル、より具体的には約130〜140μg/日のデソゲストレル、より具体的には約135μg/日のデソゲストレルを送達する。特定の態様において、経皮的に送達されるデソゲストレルの量は、約1日〜約1週間で15 cm2経皮送達デバイスによって約135μg/日である。
プロゲスチンとエストロゲンとの組み合わせについて、天然エストロゲンまたは他の類似体を用いることができるが、合成ホルモンエチニルエストラジオールが特に適切である。このホルモンはデソゲストレルとともに、両ホルモンについて所望の一日当たりの割合にて経皮送達してもよい。エチニルエストラジオールおよびデソゲストレルは両立可能であり、接着性ポリマー製剤中に溶解または分散することができる。典型的には、一週間の治療用に設計された経皮投与単位はデソゲストレルを上記量にて送達すべきであり、約10〜50μg/日のエチニルエストラジオール(または同等の有効量の別のエストロゲン)を送達すべきである。それらそれぞれの有効量のプロゲスチンおよびエストロゲンは排卵を阻害し、正常な女性の生理および特性を維持するのに適切であると考えられる。
吸収量がエストロゲン成分の必要一日用量に適合し、ホルモン成分が両立可能である場合、生体適合性があり、経皮吸収することができ、好ましくは17β−エストラジオールと生物学的に交換可能である、17β−エストラジオールの誘導体もまた用いてもよい。そのようなエストラジオールの誘導体としては、モノ-またはジ-エステルのいずれかのエステルが挙げられる。モノエステルは3-または17-エステルであることができる。エストラジオールエステルとしては、例としてエストラジオール-3,17-ジアセテート;エストラジオール-3-アセテート;エストラジオール17-アセテート;エストラジオール-3,17-ジバレレート;エストラジオール-3-バレレート;エストラジオール-17-バレレート;3-モノ-、17-モノ-および3,17-ジピバル酸(dipivilate)エステル;3-モノ-、17-モノ-および3,17-ジプロピオン酸エステル;3-モノ-、17-モノ-および3,17-ジシクロペンチル-プロピオン酸エステル;対応するシピオン酸、ヘプタン酸、安息香酸などのエステル;エチニルエストラジオール;エストロン;および他のエストロゲンステロイドおよびその経皮吸収可能な誘導体を挙げることができる。
上記とエストラジオール自体との組み合わせ(例えばエストラジオールとエストラジオール-17-バレレートとの組み合わせ、またはさらにエストラジオール-17-バレレートとエストラジオール-3,17-ジバレレートとの組み合わせ)は有益な結果を伴って用いることができる。例えば、エストロゲンステロイド成分の総重量に基づき15〜80%の各化合物を用いて所望の結果を得ることができる。他の組み合わせもまた用いて、処置された対象の体内の17β−エストラジオールの所望の吸収およびレベルを得ることができる。
任意の賦形剤について、可塑剤/保湿剤を接着性ポリマー製剤中で分散させることができる。保湿剤の製剤への組み入れにより、投与単位が皮膚の表面から水分を吸収することができ、順に皮膚の刺激を軽減し、送達系の接着性ポリマーマトリクスの失敗を防ぐのに役立つ。可塑剤/保湿剤は医薬業界にて用いられる従来の可塑剤、例えばポリビニルピロリドン(PVP)であってもよい。約50,000の分子量を有するものなどのPVP/ビニルアセテート(PVP/VA)コポリマーが本発明において用いるのに適している。PVP/VAは可塑剤として作用してポリマーマトリクスの剛性を制御し、保湿剤として作用してマトリクスの水分含量を調節し、並びに可溶化剤として作用してパッチ中のステロイドの溶解度を増大する。PVP/VAは、例えば51,000の分子量および110℃のガラス転移温度を有する60:40 PVP:VAコポリマーであるPVP/VA S-630(Ashland Corporation)であることができる。保湿剤/可塑剤の量は、パッチが経表皮水分損失を吸収し、水分がパッチ/皮膚接触面に蓄積されるのを防ぐため、直接、パッチの接着期間に関する。
他の任意の賦形剤としては、例えば抗酸化剤が挙げられる。多くの化合物が本発明の経皮組成物にて抗酸化剤として作用することができる。抗酸化剤として作用することが知られている化合物の中には、ビタミンA、C、DおよびE、カロテノイド、フラボノイド、イソフラベノイド ベータ-カロテン、ブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)、グルタチオン、リコペン、没食子酸およびそのエステル、サリチル酸およびそのエステル、亜硫酸、アルコール、アミン、アミド、スルホキシド、界面活性剤などである。特に興味のあるものは、フェノール系抗酸化剤、例えばBHT、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、例えばIrganox 1010およびトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、例えばIrgafos 168である。pHを増大しうる抗酸化剤、例えばメタ重亜硫酸ナトリウムは、好ましくは避けられる。BHTは例えばホルモンの30wt%または60wt%または100wt%または300wt%までの濃度にて存在することができる。いくつかの態様において、BHTはホルモンの10〜500 wt%、20〜200 wt%または50〜150 wt%濃度にて存在する。
他の任意の賦形剤としては、例えば可塑剤/溶解度修飾剤が挙げられる。そのような可塑剤/溶解度修飾剤は、有効成分がポリマー担体中の溶解度に対してより非常に可溶性であり、ポリマーを可塑化し拡散係数を増大する能力を有する賦形剤である。PIB PSA-ベースポリマー担体中で有用な可塑剤/溶解度修飾剤の例は鉱油である。
上記のような本発明の経皮組成物は、典型的に、バッキング層および剥離ライナーを含む経皮送達デバイスに組み込む。剥離ライナーは経皮組成物の皮膚接触表面を保護するために供され、デバイスを皮膚に適用する前に取り除く。バッキング層は、適宜、経皮組成物の外周を超えて拡張してもよく、経皮組成物の外周の回りの皮膚にバッキング層を保持する粘着剤を含み、これにより、使用中、デバイスの皮膚への接着を促進する。
従って、本発明の実例的デバイスは、組成物の非皮膚接触側にバッキング層を、組成物の皮膚接触側に剥離ライナーを、配置した、本発明の経皮組成物を含む。バッキング層はそれ自体、例えば経皮組成物に直接接する不透過性層および接着性ポリマーでコーティングされた上張り(overlay)など複数層を含むことができる。
デバイスの形は重要でない。例えば円形、すなわち円盤であることができ、または多角形、例えば長方形または楕円形であることができる。バッキング層を含む経皮送達デバイスの表面積は、一般に約20 cm2の面積を超えず、例えば10 cm2以下であり、いくつかの態様では約5〜約10 cm2ぐらい小さく、または約2〜約3 cm2ぐらい小さい。そのように小さいサイズのディスクは、ユーザーにとって比較的目立たず、都合がよいなどの理由により有利である。
本発明のデバイスは、担体および他の賦形剤、さらにバッキング層に用いられる材料にも依って、不透明、半透明または透明であることができる。例えば、経皮組成物がデソゲストレル、エチニルエストラジオール、アクリル酸またはPIB PSAおよびPVP/VAからなり、3M Corporation(St Paul, Minnesota)により提供される3M 9732 ScotchPakなどのEVAコーティングを有するポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)からなるバッキング層を用いる、デバイスは、避妊目的に有効であり、小さく、透明であることもできる。
有用な経皮送達デザインとしては、US20100255072およびUS20100292660に記載のものが挙げられる。
以下の実施例は、本発明をより詳細に記載するために供する。これらは本発明を例示するものであって、限定するものではない。実施例1および2は実施例3および4に示される結果と比較するための基礎として挙げられる。
実施例1.レボノルゲストレル(LNG)/エチニルエストラジオールパッチの製造−複数の促進剤との比較実施例
シートを第1表に示される配合で成型し、セ氏60℃にて17分間乾燥した。乾燥後、ポリエステルバッキング膜にラミネートし、各パッチを環状にカットした。パッチの乾燥製剤は第1表の第二欄に示される。
第1表.レボノルゲストレルを含むパッチ製剤
Figure 2015508750
Durotak 87-4098中のレボノルゲストレル(LNG)のおよその溶解度は1.75 mg/グラムであり、PVP/VA S-630中では50 mg/グラムであり、混合溶媒(DMSO + 乳酸エチル + カプリン酸 + 乳酸ラウリル)中では14.7 mg/グラムである。この情報を用い、理想の溶液状態を想定し、パッチをレボノルゲストレルで59.6%飽和とする。パッチはエチニルエストラジオール(EE)でわずか22%飽和である。
上記のように製造したパッチを貯蔵し、実施例2に示される皮膚浸透研究に用いた。
実施例2.LNG/EEパッチからの皮膚浸透研究−複数の促進剤との比較実験
実施例1で製造したパッチからのLNGの送達についての皮膚浸透実験を行った(n=3)。三つの分離したパッチを適当な大きさにカットし、フランツ皮膚拡散セル(暴露表面積0.64 cm2)のレセプター区画の上を覆うようにした。浸透実験前に、無毛ラット皮膚を新鮮に切除した。80 mg/L 硫酸ゲンタマイシンおよび0.5 % Volpoを含むPBS(0.1 X)をレセプター緩衝液(pH 7.2)として用いた。サンプル(0.5 ml)を所定の時点(3時間、6時間、12時間、24時間、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目および7日目)に採取し、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてLNGレベルについて分析した。
4日間の間の無毛ラット皮膚に浸透したLNGの平均流動(Figure 1)および累積量(Figure 2)を決定し、以下に示す。また、実施例1のパイロット・パッチと同じ工程下の製造装置を用いて製造し、全く同じ量および成分を含む、パッチを比較のために用いた。
上記検討はラット皮膚を用いて行い、これは多くの薬物についてヒト皮膚と同様の浸透特性を有することが知られている。ラット皮膚を通して得られた値はヒト皮膚を通して得られるものと実際、同様であることを確かめるために、実施例1で示された同一の製品3ロットを製造装置にて製造し、フランツ拡散セルを用いてヒト皮膚流動研究のために用いた。Figure 1および2のデータをFigure 3および4とそれぞれ比較すると、LNGについてラット皮膚を通した浸透はヒト皮膚を通した浸透と非常に類似することが分かる。
実施例3−デソゲストレルの浸透
レボノルゲストレルおよびデソゲストレルの浸透を比較し、デソゲストレルを用いた粘着性避妊パッチ中の7日経皮薬物を製造し、最適化し、評価した。スライドおよびパッチ結晶化検討の両方を行い、パッチ成分中の薬物の飽和溶解度を測定した。二つのアクリレート粘着剤および一つのポリイソブチレン(PIB)粘着剤を用いて調べた。結晶化を引き起こさないでPIB粘着剤中の薬物充填を増大させるために、共溶媒としての二つの粘着剤、コポビドン(Plasdone(登録商標)S-630)および鉱油を用いてもまた調べた。次いで、最適化されたパッチを用いてインビトロ皮膚浸透研究を行った。
浸透研究用皮膚:無毛ラット皮膚を用いて、PEGに溶解したデソゲストレルおよびレボノルゲストレルの浸透および粘着性パッチ中の最適化薬物からのデソゲストレルの浸透を評価した。Charles River(Wilmington, MA, USA)から得た無毛ラット(雄性、8-10週齢および体重350-400 g)から皮膚を単離した。すべての動物は実験に用いる前少なくとも1週間順応させた。マーサー(Mercer)大学の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee (IACUC))により承認されたプロトコルに従い、すべての研究を行った。無毛ラットを浸透実験前に二酸化炭素窒息により安楽死させ、一対のはさみおよび鉗子を用いて腹部皮膚を注意深く切除した。下層の皮下脂肪を切除した皮膚から取り除き、このようにして得た腹部皮膚(〜1 mm厚)を浸透実験に用いた。
粘着性パッチ製剤中の薬物:粘着性経皮パッチ中の薬物を以下のようにして製造した。所定量の薬物、粘着剤、酢酸エチルおよび/または添加剤(コポビドン/鉱油)を定量して蓋付きガラス容器に入れ、パラフィルムを用いて封をし、有機溶媒の減少を最小限にした。磁気型撹拌機を用いて、製剤を2時間撹拌して均一混合物とした。次いで、ガードナー・フィルム成型ナイフ(BYK-AG-4300シリーズ, Columbia, MD, USA)を用いて剥離ライナー(3ミル フルオロポリマーでコーティングされたポリエステルフィルム、Scotchpak(登録商標)9744 3M製)上で混合物を成型し、60℃のオーブン中17分間、成型シートを乾燥した。その後、バッキング膜(エチレンビニルアセテートコポリマーを用いた2ミルポリエステル, Scotchpak(登録商標)9732 3M製)を用いてシート全体をラミネートし、これを空気が入らないように、ローラーを用いて成型フィルム上に置いた。このシートを、連続9日間および1ヶ月後にまた、目視検査および偏光顕微鏡(Leica DM 750)により結晶化について観察した。結晶化はしばしばパッチ製造直後に起こらないため、この1ヶ月の観察より長い期間が必須であった。それぞれの顕微鏡評価に続き、パッチをBarex pouches(PET/LDPE/AL foil/Barex)(American Packaging Corporation, Rochester, NY, USA)に加熱密封し、室温にて保存した。顕微鏡に備えられたDFC-280カメラを用いて結晶イメージを取った。観察期間(少なくとも1ヶ月)に結晶形成が見られなかったシートを浸透研究に用いた。所望のサイズのパッチを製造したシートから切り出した。
スライド結晶化研究:デソゲストレルまたはレボノルゲストレルをTHFに溶解した。次いで、この溶液一滴をスライドガラス上にピペットを用いて移した。次いで、スライドを室温における空気乾燥のためにフード下に置き、有機溶媒を蒸発させた。このように得られたスライド上の薬物結晶を9日連続および1ヶ月後にもまた偏光顕微鏡(Leica DM 750)で観察した。顕微鏡に備えられたDFC-280カメラを用いて結晶イメージを取った。同様の手順を用いて、添加剤(コポビドンおよび鉱油)中の薬物の飽和溶解度を測定した。これについて、薬物および添加剤を異なるw/w比でTHF中に一緒に混合し、結晶についてスライドを観察した。アクリレートPSA粘着剤(Duro-Tak 87-4098およびDuro-Tak 87-202A)およびPIB PSA粘着剤(Duro-Tak 87-608A)中のデソゲストレルの飽和溶解度について、スライドおよびパッチの両方の結晶化研究を行った。粘着剤を有するスライド結晶化研究について、薬物および粘着剤をいくつかのw/w比で混合し、エタノールで希釈し、スライドガラスにはめ込んだ。結晶が観察されなかった最高濃度を、それぞれの粘着剤中の薬物の飽和溶解度とみなした。パッチ結晶化研究について、パッチを種々の薬物/粘着剤w/w比にて以下に記載の手順を用いて製造し、少なくとも1ヶ月間結晶化について観察した。全く同じ手順を用いて製造したが、薬物を含まない、スライドまたはパッチを対応する対照として供した。
デソゲストレル経皮パッチ製剤について調査した三つの異なる粘着剤は、二つのアクリレート粘着剤、Duro-Tak 87-4098およびDuro-Tak 87-202A、並びに一つのPIB粘着剤、Duro-Tak 87-608Aであった。化学的には、アクリレート粘着剤はアクリル酸、アクリルエステル、およびビニルアセテートなどの機能性モノマーの共重合により形成されるのに対し、PIB粘着剤はイソブチレンのホモポリマーである。これらの粘着剤中のデソゲストレルの飽和溶解度は、先に議論したスライド法並びに完全なパッチ上の結晶化研究を用いて測定した。粘着剤/ポリマー中の薬物の飽和溶解度の測定は、パッチに組み込むことができる薬物の最大量を決定し、長期間の不安定性および結晶化に懸念のない最大薬物送達を確保するため、重要である。
浸透:0.64 cm2(n≧3)の有効拡散表面積を有するインビトロフランツ拡散セル(PermeGear, Inc., Hellertown, PA, USA)を用いて7日浸透研究を行った。レボノルゲストレルおよびデソゲストレルの浸透性を比較するために、各薬物の飽和溶液を別々にPEG-400中で調製した。これらを対応するドナー溶液として供した。レセプター相は硫酸ゲンタマイシン(80 mg/L)を用いたPEG 400からなった。硫酸ゲンタマイシンをレセプター相に加え、7日研究の間微生物の増殖を防いだ。全研究の間、レセプター相は37℃、600 rpmの一定撹拌下に維持した。新鮮に切除し、洗浄した無毛ラットの腹部皮膚を実験日に得た。この単離した皮膚をドナーおよびレセプター区画の間に置いた後、クランプを用いてセットアップ全体を所定の位置に固定した。次いで、ピペットを用いてドナー溶液(0.5 ml)をドナーセルに充填し、パラフィルムおよび銀ホイルを用いて上部を覆った。サンプル(0.5 ml)を所定の時点(24、48、72、96、120、144、168時間)に引き出し、同量の新鮮なレセプター溶液と置き換えた。HPLCを用いて得られたサンプルを薬物含量(レボノルゲストレルまたはデソゲストレル)について分析した。次いで、上記と全く同じプロトコルを用いて、最終最適化デソゲストレルパッチを用いて無毛ラット腹部皮膚を通す浸透実験(n≧4)を行った。唯一の相違は、ドナーとして飽和デソゲストレル溶液を用いたのに代えて、デソゲストレル含有パッチを用いたことであった。レセプター区画の上部を覆うのに十分大きな経皮パッチを成型シートから切り出し、剥離ライナーを除去し、パッチを皮膚上に置き、パッチの粘着側が皮膚の角質層側に面するようにした。次いで、ドナーセルを置き、クランプを用いてセットアップ全体を固定した。得られた全サンプルをHPLCを用いて分析した。
インビトロ薬物放出:インビトロフランツ拡散セルを用いて7日パッチ放出研究を行った(n=6)。製造したパッチシートから1 cm2のパッチを切り出した後、これらのパッチのバッキング膜側をシアノ-アクリレート粘着剤を用いてパラフィルムにのり付けし、パッチを扱いやすくし、フランツ拡散セル上に取り付けた。レセプター区画は硫酸ゲンタマイシン(80 mg/L)を有するPEG 400からなり、600 rpmで一定に撹拌しながら37℃に維持した。剥離ライナーをパッチから取り除き、パッチとレセプター溶液の間に気泡がないように確保して、パッチの活性部分をレセプター区画上に置いた(粘着剤側がレセプター溶液に面する)。次いで、ドナーセルをレセプター区画上に置き、クランプを用いてセットアップ全体を固定した。サンプル(0.5 ml)を所定の時点(1、3、4、6、8、10、12、24、36、48、60、72、84、96、108、120、132、144、156、168時間)で採取し、等量の新鮮なレセプター溶液で置き換えた。HPLCを用いて得られたサンプルをデソゲストレルについて分析した。
最適化パッチの重量および厚さバリエーション:32の各パッチを表面積1 cm2に切り、それらの重量を記録することにより、製造したパッチの重量バリエーションも決定した。次いで正確に同一面積を有するバッキング膜および剥離ライナーの平均重量を各パッチの重量から差し引き、パッチの活性部分における含有物の実際の重量を得た。標準誤差を有する各パッチの平均重量を記録した。Absolute Digimaticキャリパー(Model # CD-6-CS, Mitutoyo, Tokyo, Japan)を用いてパッチの厚さを測定し、記録した。6つの1 cm2パッチをパッチシートから切り出し、各パッチの厚さを測定した。
定量分析:文献に記載のクロマトグラフィー法をわずかに修正して用い、サンプル中の薬物量の分析を行った。フォトダイオード・アレイ検出器(Waters 2996)を備えたAlliance高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム(Waters Corp., MA, USA)を用いた。35℃にセットしたPhenomenex RP C6 Luna 5μカラム(Phenomenex, Torrance, CA)を勾配溶出法に用いた。移動相はメタノールおよび水からなるものであった。勾配法を70:30(メタノール:水)溶液を用いて開始した後、移動相組成を次の7分かけて100%メタノールに変化させた。このメタノール:水(100:0)組成を10分(10th minute)まで維持した後、12分(12th min)に移動相組成を70:30(メタノール:水)の組成にまた変化させた。各注入のラン・タイムは15分であり、注入容積は100μlであった。ランを通じて移動相の流速は1.5 ml/minであった。レボノルゲストレルおよびデソゲストレルの検出に用いた波長はそれぞれ244 nmおよび210 nmであり、二つの薬物の保持時間はそれぞれ約6分および8.5分であった。標準曲線は0.5〜100μgの範囲にかけて直線状であった。
統計分析:グラフに示される結果はすべて少なくともn=3トライアルの平均であり、エラーバーは標準誤差(SE)を示す。分散(ANOVA)の訓練中のt-テストおよび分析を用いて、統計的に有意な差を測定した。本研究に用いたp-値は0.05であった。
結果:
いずれかの薬物(レボノルゲストレルまたはデソゲストレル)で飽和されたPEG-400溶液を用いて得られた平均流動および累積量をそれぞれFigure 5および6に示す。値はレボノルゲストレル(p<0.05)と比べてデソゲストレルについて有意に高かった。デソゲストレルおよびレボノルゲストレルの7日間の終わりにおける平均累積量はそれぞれ389.4 ± 6.2μg/sq.cmおよび1.8 ±0.1μg/sq.cmであることが分かった(Figure 6)。これらの結果は、デソゲストレルが浸透促進剤を用いずに皮膚を受動的に透過することができ、その浸透性はレボノルゲストレルのものよりも有意に高かったことを示す。分配係数(logP)、分子量および融点などの物理化学的性質に基づく皮膚を通る薬物の浸透性を予測する数学アルゴリズムは文献に記載されている。これらのモデルは予測の正確さよりも示唆的である。例えば、アルゴリズムの一つはlogPおよび分子量のみを用いて浸透を予測する。しかし、デソゲストレルおよびレボノルゲストレルのlogPおよび分子量の値は、二つのプロゲスチン間で類似の浸透性を予測するほぼ同一である(logP 4;MW 310.47 Da対logP 3.8;MW 312.45 Da)。融点を含める他のアルゴリズムはデソゲストレルがその低い融点のために高い浸透性を有することを予測する。その実験結果から、経皮避妊パッチの開発のためのデソゲストレルの使用はその高プロゲストゲン性活性および軽減されたアンドロゲン性活性のためだけでなく、レボノルゲストレルのものを超える良好な皮膚浸透プロファイルのために興味深いことが明らかであり、はるかに小さく、洗練されたパッチの開発を可能にする。
Duro-Tak 87-4098におけるデソゲストレルの飽和溶解度は55% w/w未満であることが分かり、38% w/wと解釈された。これは、Duro-Tak 87-4098粘着剤中に55、63および187% w/w薬物を有するスライドが1ヶ月の観察期間内で薬物結晶を成長させたが、38%薬物を含むスライドは結晶化しなかったという観察に基づく。
最終パッチにおける薬物充填を軽減する意図をもって、より低飽和溶解度の粘着剤を同定する試みにおいて、別のアクリレート粘着剤(Duro-Tak 87-202A)を研究した。この粘着剤におけるデソゲストレルの飽和溶解度は、薬物結晶が166% w/w以上の濃度のスライドでは見られたが、125% w/wでは見られなかったため、より高く、すなわち125% w/w〜166% w/wであることが分かった。調査した二つのアクリレート粘着剤の中で、Duro-Tak 87-4098におけるデソゲストレルの飽和溶解度はより低く、薬物のより効率的な使用がパッチにおけるPSAとしてDuro-Tak 87-4098を用いてなされうることを示唆した。
三つ目の調査した粘着剤は、PIB粘着剤(Duro-Tak 87-608A)であった。PIB粘着剤を、2、4、7.5、10および20% w/wなどの異なる薬物濃度比にてスライドおよびパッチにて試験した。
7.5、10および20% w/w濃度にて9日以内に結晶が観察されたが、4% w/w濃度では3週間後にスライド上に結晶が現れた。2% w/wまたは3% w/w濃度では結晶は見られず、PIBにおける薬物の飽和溶解度が3〜4% w/w濃度であることを示した。これらの結果は、スライド/パッチ結晶化研究が粘着剤中薬物製剤の開発に役立ちうることを示す。上記で議論した発見は、PIBがパッチ粘着剤として用いられる場合、パッチにおける飽和が薬物量の軽減とともに達成しうることを示唆する。これは、製造面および環境安全面の両方から有益である。デソゲストレル経皮系についてPIBをより粘性にする他の有益性としては、その不活性性、安定性、柔軟性および7日パッチの開発に必要な長期粘着性が挙げられる。最後の二つの有益性はPIBの非晶質特性および低ガラス転移温度に起因している。PIBの使用は、極性が減少し、低溶解度パラメータプロファイルを有する脂溶性薬物により好ましいことが報告されており、デソゲストレルがこれに当たる。上記有益性を考慮して、PIBを残る研究についてのパッチの製造のために選択した。
PIB粘着剤のみにおける飽和溶解度が低かったため(3〜4% w/w濃度)、薬物充填を増大するための添加剤の導入を試みた。薬物充填におけるある程度の増大は、パッチの7日間使用を超えてパッチ中の薬物濃度をほぼ一定に保つために有益であると考えられた。調査した二つの添加剤はコポビドン(Plasdone(登録商標)S-630)および鉱油であった。スライド結晶化研究を再び行い、コポビドン中の薬物の飽和溶解度を測定した。この実験において、デソゲストレルおよびコポビドンを異なるw/w比にてTHF中に混合し、結晶化についてスライド上で観察した。
結晶の数およびサイズを減少させ、結晶形成の最初の観察時間をコポビドンの量が増えるごとに増大した。例えば、87:13および84:16スライドにて最初の結晶を1ヶ月以内に発見したが、80:20スライドでは最初の結晶は2ヶ月後にしか見られなかった。薬物およびコポビドンを70:30、60:40、50:50および低w/w比にて有するスライドは6ヶ月後であっても結晶は見られなかった。正確な飽和溶解度は決定できなかったが、70〜80% w/w濃度のどこかである。保守的なアプローチを用いて、最も低い割合、すなわち70% w/wをコポビドン中の薬物の飽和溶解度と見なして、最適化パッチにおいて結晶化が起こらないことを確かめた。コポビドンで達成した結晶化の減少は文献にも報告されている。しかし、上記の我々の研究およびレボノルゲストレルでの研究において、結晶化の防止はコポビドン中の各プロゲスチンの溶解性のためである。
コポビドンに加えて、鉱油の可溶化剤としての使用もまた、PIB粘着剤におけるデソゲストレル溶解性を改善するために調査した。特にステロイドは高粘度粘着性マトリクス系では低い拡散係数を有することが知られているため、パッチに鉱油を組み入れる他の意図される有益性は、薬物パッチを柔らかくし、拡散係数値を増大させ、パッチマトリクスにより提供される、これを通る薬物の拡散に対する耐性を軽減させることである。コポビドンと同様に、鉱油中のデソゲストレルの飽和溶解度を測定することは不可欠であった。10%鉱油を含むPIBパッチを製造し、薬物量を3.7、4.4、5、7.5および10% w/w濃度にて変化させた。10ヶ月の観察の後、結晶形成が見られなかったパッチは3.7% w/w薬物を含むもののみであり、デソゲストレルの飽和溶解度は3.7〜4.4% w/wであることが示唆された。
試験されたアクリル性粘着剤はともに、高薬物溶解度を有することが分かり、90%飽和パッチを達成するために高薬物充填が必要であった。PIB中のプロゲスチンの溶解度は低く、PVPおよび鉱油の組み込みにより増大することが分かった。PVPおよび鉱油はともに有用な溶解度修飾剤であり、それにより高薬物濃度にて結晶化を防止する。従って、PIBおよびアクリル性粘着剤はともに、プロゲスチンの使用においてより効率的であるPIBとともに、このプロゲスチンを経皮送達するために用いることができる。
結晶化研究に基づき、試験したものの中から最適パッチとして以下のパッチ製剤(「PIB+10%鉱油」)を選択した。
Figure 2015508750
この最適化パッチについて、各パッチ成分(粘着剤、コポビドンおよび鉱油)について得られた薬物の飽和溶解度の90%に匹敵するデソゲストレルを秤量し、経皮パッチを製造した。100%の代わりにその飽和溶解度に関する薬物の90%を添加する目的は、非理想条件のための偏差を考慮し、これにより薬物結晶化の可能性を最小限にするためであった。一方、高薬物量(90%)はパッチの有用な寿命を通じて皮膚を通した高濃度勾配を確保する。
Figures 7および8は、送達され、次いで最適化パッチ並びに飽和PEG-400溶液から無毛ラット皮膚を通して浸透したデソゲストレルの平均流動および累積量を示す。7日間の終わりにパッチから送達されたデソゲストレルの平均累積量は93.4 ±7.1μg/sq.cm2であることが分かり、平均流動は0.7 ±0.1μg/cm2/日であることがそれぞれ分かった。飽和PEG溶液は、最適化パッチから送達されたものと比較した場合に、送達された薬物の平均累積量並びに流動値が有意に高いことを示した(p<0.05)。これは、PEG-400溶液を通した薬物拡散と比較した場合、パッチの粘着性マトリクスを通した薬物拡散についてより耐性があることを示す。
7日研究の間観察された薬物のインビトロ放出プロファイルはFigure 9に示される。
7日の終わりに放出された平均累積量は519.1 ±20.1μg/cm2であり、パッチに含まれる薬物の62%を示す。薬物の安定かつ連続放出が放物線放出の後に観察され、予想された放出プロファイルであり、薬物がパッチを通して均一に分布したことを示す。
図におけるエラーバーは平均標準誤差(SE)を示す。
含量分析(n=7)もまた、10 mlメタノールを用いて1 cm2パッチから薬物を抽出し、2.5日間400 rpmにて撹拌することにより行った。薬物抽出物のHPLC分析は、3パーセント未満の標準誤差でパッチ中の薬物含量の均一性を示した。
パッチ(n=32)について行った重量バリエーションの試験は、剥離ライナーおよびバッキング膜の重量を除いたパッチ(1 cm2)の平均重量が18.7 ±0.4 mgであったことを示した。各1 cm2面積のバッキングおよび剥離ライナーの平均重量は15.8 ±0.1 mgであった。
厚さバリエーションの試験は、パッチの平均厚さがバッキングおよび剥離ライナーを含め0.3 ±0.0 mmであったことを示した。薬物粘着剤層を除く剥離ライナーおよびバッキング膜の厚さは0.1 ±0.0 mmであることが分かった。上記結果は、最適化パッチが重量および厚さ並びに薬物含量にて均一であったことを示す。
PIB + 10% 鉱油パッチおよび上記データおよび議論に基づき、当業者は、本質的に(a) 70〜95 wt% PIB、(b)(i) 1〜20 wt% 鉱油または0.1〜10 wt% PVPもしくはPVP/VAまたは(ii) 1〜20 wt% 鉱油および0.1〜10 wt% PVPもしくはPVP/VA、および(c) 1〜10 wt% デソゲストレル(皮膚浸透促進剤なし)からなるポリマーマトリクスを含む経皮パッチ組成物に一般化することができる。そのような経皮送達デバイスにおけるポリマーマトリクスは5〜20 cm2の表面積および0.1〜0.6 mmの厚さを有することができる。それゆえ、実例的パッチは、本質的に(a) 80〜90 wt% PIB、(b) 5〜15 wt% 鉱油、(c) 0.1〜5 wt% PVP/VA、および(d) 2〜6 wt% デソゲストレル(総ポリマーPSAマトリクス=100 wt%)からなり、約15 cm2の表面積および0.2〜0.4 mmの厚さを有するポリマーPSAマトリクスを含む。
本発明は、上記および上記例示された態様に限定されず、特許請求の範囲内において改変および変形することができる。本明細書に参照される、特許出願および特許を含むがこれらに限定されない刊行物は、完全に記載されているかのように本明細書に引用される。添付の「プロゲスチンの経皮送達のための粘着性避妊パッチにおける7日薬物の製造、最適化および評価」と題するポスターおよび添付の「結晶化研究を用いたデソゲストレル経皮避妊パッチの製剤化および最適化」と題する原稿もまた本明細書に引用される。

Claims (19)

  1. 女性の避妊に効果をもたらすプロゲスチンの経皮送達用組成物であって、該組成物がPSAおよび有効量のデソゲストレルを含むポリマーPSAマトリクスであり、皮膚浸透促進剤を含まない、組成物。
  2. 担体がPVP、PVP/VAもしくは鉱油またはPVPもしくはPVP/VAおよび鉱油の組み合わせを含む、請求項1記載の組成物。
  3. PSAがPIBまたはアクリレートである、請求項1または2記載の組成物。
  4. PSAがPIBである、請求項3記載の組成物。
  5. PIB PSAが約10%高分子量PIB、約50%低分子量PIBおよび約40%ポリブテンの混合物である、請求項4記載の組成物。
  6. PSAが2-エチルヘキシルアクリレートモノマーおよびコモノマーとしておよそ50〜60% w/wのビニルアセテートを有するポリアクリレート接着性コポリマーである、請求項3記載の組成物。
  7. プロゲスチンがポリマーマトリクスの重量に基づいて1〜10 wt%の量にて存在する、請求項2,3,4,5または6記載の組成物。
  8. (a) 70〜95 wt% PIB、(b)(i) 1〜20 wt% 鉱油もしくは0.1〜10 wt% PVPもしくはPVP/VAまたは(ii) 1〜20 wt% 鉱油および0.1〜10 wt% PVPもしくはPVP/VA、および(c) 1〜10 wt% デソゲストレルを含む、請求項1記載の組成物。
  9. 80〜90 wt% PIB、5〜15 wt% 鉱油、0.1〜5 wt% PVP/VAおよび2〜6 wt% デソゲストレル(総ポリマーPSAマトリクス=100 wt%)を含み、表面積約15 cm2を有する、請求項8記載の組成物。
  10. 表面積5〜20 cm2および厚さ0.1〜0.6 mmを有する、請求項8または9記載の組成物。
  11. 表面積約15 cm2および厚さ0.2〜0.4 mmを有する、請求項10記載の組成物。
  12. エストロゲンも含む、先の請求項のいずれか記載の組成物。
  13. エストロゲンがエチニルエストラジオールである、請求項12記載の組成物。
  14. 皮膚接触表面および皮膚非接触表面を有する、請求項1〜13のいずれか記載の経皮組成物を含む、プロゲスチンの経皮送達用経皮ホルモン送達デバイスであって、さらに経皮組成物の皮膚非接触表面に配置されたバッキング層;および経皮組成物の皮膚接触表面に配置された剥離ライナーを含む、デバイス。
  15. パッチのサイズが20 cm2以下である、請求項14記載のデバイス。
  16. パッチのサイズが15 cm2以下である、請求項14記載のデバイス。
  17. デバイスが透明である、請求項14,15または16記載のデバイス。
  18. プロゲスチンをそれを必要とする患者に送達する方法であって、請求項14,15,16または17記載の経皮ホルモン送達デバイスを患者の皮膚に適用することを特徴とする、方法。
  19. 避妊が望ましいため延長される連続する月経周期の間、女性の皮膚に該経皮送達デバイスを適用し、月経周期の連続四週間のうち三週間の間毎週一回経皮送達デバイスを置き換えることにより、プロゲスチンを送達して女性の避妊に効果をもたらすことを特徴とする、請求項18記載の方法。
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