対応する参照符号は、図面全体を通して、対応する部分を指す。
略語及び定義
以下の定義及び方法は、より十分に、本発明を規定するために、及び本発明の実施において当業者を案内するために提供される。特記しない限り、用語は、関連技術分野の当業者による慣習的用法により理解されたい。
本発明の要素又はその好ましい実施形態を紹介する場合、冠詞(「a」、[an]、「the」)及び「前記」は、1つ又は複数の該要素が存在することを意味すると解釈される。用語「〜を含む(comprising)」、「〜を含む(including)」及び「〜を有する(having)」は、包括的用語であり、列挙した要素以外のさらなる要素も存在できることを意味すると解釈される。
脂肪族:特記しない限り、「脂肪族」又は「脂肪族基」は、置換されていてもよい非芳香族炭化水素部分を意味する。該部分は、例えば、直鎖、分岐、環状(例えば、単環式、又は縮合、架橋もしくはスピロ縮合多環式などの多環式)、又はこれらの組合せであることができる。特記しない限り、脂肪族基は、1〜20個の炭素原子を含む。
アルコキシル化:特記しない限り、本明細書に記載のアルコキシル化基又は部分は、式−OR3(ここで、R3はヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロ、好ましくはアルキルである)に相当するアルコキシペンダント基を含むアルコキシペンダント基又は反復単位である。
アルキル:特記しない限り、本明細書に記載のアルキル基は、好ましくは、主鎖中に1〜8個の炭素原子、最大で20個の炭素原子を含む低級アルキルである。それらは、直鎖、分岐又は環状でよく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルなどが挙げられる。
アミノ:特記しない限り、用語「アミノ」は、本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される場合、部分−NR1R2を意味し、ここで、R1及びR2は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又はヘテロシクロである。
アンモニウム:特記しない限り、用語「アンモニウム」は、本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される場合、部分−N+R1R2R3を意味し、ここで、R1、R2及びR3は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又はヘテロシクロである。
アミド(amide)又はアミド(amido):特記しない限り、「アミド(amide)」又は「アミド(amido)」部分は、式−CONR1R2の基を表し、ここで、R1及びR2は、用語「アミノ」に関して定義した通りである。「置換アミド」は、例えば、そのR1及びR2の少なくとも一方が水素以外である式−CONR1R2の基を指す。「非置換アミド」は、例えば、そのR1及びR2がそれぞれ水素である式−CONR1R2の基を指す。
アニオン性モノマー、アニオン性モノマー単位、又はアニオン性反復単位:特記しない限り、「アニオン性モノマー」、「アニオン性モノマー単位」、又は「アニオン性反復単位」は、アニオン又はその他のアニオン種、例えば、負に帯電した状態で、又は非帯電状態であるが、その非帯電状態が求電子剤(例えば、プロトン(H+)、例えばpH依存的方式で)又は保護基(例えば、カルボン酸エステル)の除去、あるいは求核剤の付加により負に帯電するようになる能力がある状態で存在する基を有するモノマー又はモノマー単位である。特定の例において、基は、ほぼ生理学的pHで実質的に負に帯電しているが、弱酸性pHでプロトン付加を受け入れて実質的に中性になる。このような基の非限定例には、カルボキシル基、バルビツール酸及びその誘導体、キサンチン及びその誘導体、ボロン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルフィン酸、スルホン酸、リン酸塩、及びスルホンアミドが含まれる。
アニオン種又はアニオン部分:特記しない限り、「アニオン種」又は「アニオン部分」は、負に帯電した状態で、又は非帯電状態であるが、その非帯電状態が求電子剤(例えば、プロトン(H+)、例えばpH依存的方式で)又は他の保護基(例えば、カルボン酸エステル)の除去、あるいは求核剤の付加により負に帯電するようになる能力がある存在する基、残基又は分子である。特定の例において、基、残基又は分子は、ほぼ生理学的pHで実質的に負に帯電しているが、弱酸性pHでプロトン付加を受け入れて実質的に中性になる。
抗バイオフィルム活性:特記しない限り、「抗バイオフィルム活性」は、例えば、標準的な連続流動アッセイを使用して定量化することができる。1つのこのようなアッセイでは、試料を50%ウシ胎児血清と共に、120RPM、37℃で18〜20時間プレインキュベートすることができる。プレインキュベーションに続いて、試料を、変法CDC(mCDC)による細菌の継代培養に曝露して、106CFU/mL(1×PBS)の細菌懸濁液を作製する。反応器をバッチ方式で撹拌しながら37℃で2時間運転する。その後、試料を適切な成長培地と共に新たな反応器に移し、そこで、撹拌しながら無菌培地の流れ(8mL/分)を20〜23時間流す。1つの好ましい実施形態において、細菌株は表皮ブドウ球菌(S.epidermidis、ATCC35984)であり、使用する成長培地は、1:10のトリプシン大豆ブロス(TBS)+0.25重量%グルコースである。代わりの好ましい実施形態において、細菌株は、大腸菌(E.coli、ATCC25922)であり、成長培地は、1mM MgSO4、0.2%グルコース、及び0.5%カザミノ酸で補足されたM63培地である。インキュベーションの後、試料を100mLの1×PBSで5回すすぎ洗って、固着していない細菌を除去する。次いで、材料上に蓄積した細菌を、バイオフィルムでの表面被覆度について肉眼的に評価し、新たなPBS溶液中で超音波処理により除去し、細菌細胞の総数を希釈プレーティングにより定量した。参照基体、すなわち非ファウリング性ポリマー層を欠く同一であるか機能的に等価な基体と比較して、好ましくは、細菌計数値の対数で少なくとも1、2、3又は4の低下が、非ファウリング性ポリマー層を備えた物品上で見出される。参照基体と比較して粘着細菌の対数で1の低下を有する物品は、対数で1の抗バイオフィルム活性を有すると言われる。参照基体と比較して粘着細菌の対数で2の低下を有する物品は、対数で2の抗バイオフィルム活性を有するなどと言われる。
抗微生物性:特記しない限り、「抗微生物性」は、細菌、酵母、真菌、マイコプラズマ、ウイルスもしくはウイルス感染細胞、及び/又はプロトゾアをはじめとする微生物を、死滅させる(すなわち、殺微生物性)、それらの成長を阻害する(すなわち、静微生物性)、及び/又はそれらによるファウリングを防止する分子及び/又は組成物を指す。細菌に対する抗微生物活性は、例えば、標準的なアッセイを利用して定量することができる。1つのこのようなアッセイでは、試料を50%ウシ胎児血清と共に、120RPM、37℃で18〜20時間プレインキュベートすることができる。プレインキュベーションに続いて、試料を、1×PBS又は他の適切な培地で希釈された1%トリプトン大豆ブロス(TSB)で一夜培養物から1〜3×105CFU/mLの浮遊濃度に希釈された黄色ブドウ球菌(S.aureus、ATCC25923)中に配置する。試料を細菌と共に、撹拌(120rpm)しながら37℃で24〜26時間インキュベートする。TBS又は他の培地の濃度は、使用される微生物により変更できる。インキュベーションの後、試料を3mLのPBS中に、240RPM、37℃で5分間保持して、材料に固着していない細菌を除去する。次いで、材料上に蓄積した細菌を、新たなPBS溶液中で超音波処理により除去し、細菌細胞の総数を希釈プレーティングにより定量する。好ましくは、参照基体、すなわち非ファウリング性ポリマー層を欠く同一又は機能的に等価な基体上でのコロニー形成と比較して、細菌計数値の対数で少なくとも1、2、3又は4の低下が生じる。参照基体に比べてその上により低い細菌計数値を有する表面は、微生物のコロニー形成を低減していると言うことができる。
抗血栓性:特記しない限り、「抗血栓性」は、組成物が血栓形成を阻止する能力を指す。抗血栓活性は、血栓症の生体外流動ループモデルを利用して評価することができる。簡潔には、最大10リットルの新鮮血液を単一動物(ウシ)から集める。この血液を、ヘパリン処理して凝固を防ぎ、濾過して粒子を除去し、放射能標識化された自己由来血小板を添加する。血液採取後の8時間以内に、コーティングされた及びコーティングされていない物品は、流動ループ回路中に配置され、血液は、ポンプで浴から再びその浴へ物品を覆って戻される。内腔を含む物品のための第2の内部流動ループ回路を、物品の2つの出入口を第2のペリスタポンプを介して接続することによって確立することができる。その中に物品が配置されるチューブの大きさ及び血液流の速さは、試験される物品の大きさに基づいて調整することができる。好ましくは、物品が14〜15.5フレンチの透析カテーテルである場合、それらは、内径がほぼ12.5〜25.4mmのチューブを備えた流動ループ回路中に配置される。血液は、ポンプで外側回路中にほぼ2.5L/分の速度で送られ、一方、内部回路中の血液は、ポンプでほぼ200〜400mL/分の速度で送られる。物品が10フレンチのロッドである場合、それらは内径がほぼ6.4mmの流動ループ回路中に配置され、血液流動速度は、ほぼ200mL/分である。60〜120分後、物品を取り出し、血栓形成について目視検査し、ガンマカウンターを使用して粘着した血小板を定量する。内腔を含まない試料の場合、外側回路のみを使用してデバイスの外側上の血栓を測定することができる。物品の末端のそれぞれを、最大で2cm切り取り、末端の影響を排除してもよい。
アリール:特記しない限り、用語「アリール」又は「アリール基」は、全部で5〜14個の環員を有する置換されていてもよい単環式、二環式及び三環式環系を指し、ここで、系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、系中の各環は3〜7個の環員を含む。用語「アリール」又は「ar」は、本明細書中で単独で又は別の基の部分として使用される場合、置換されていてもよい同素環式芳香族基、環部分に6〜12個の炭素を含む好ましくは単環式又は二環式基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニル又は置換ナフチルを意味する。フェニル及び置換フェニルは、より好ましいアリール基である。
付着:特記しない限り、2つの部分又は化合物は、それらが、例えば、1つ又は複数の共有結合、1つ又は複数の非共有結合性相互作用(例えば、水素結合、イオン結合、静的な力、ファンデルワールス相互作用、これらの組合せなど)、又はこれらの組合せをはじめとする任意の相互作用によって一緒に保持されるなら、「付着」している。
生体適合性:特記しない限り、「生体適合性」は、特定の状況下で、材料が適切な宿主応答を伴って機能する能力である。これは、国際標準ISO10993を利用して評価することができる。本明細書に記載の生体適合性組成物は、好ましくは実質的に無毒性である。
生物学的流体:特記しない限り、「生物学的流体」は、生物体によって産生されタンパク質及び/又は細胞を含む流体、ならびに微生物由来の流体及び排泄物である。これには、限定はされないが、血液、唾液、尿、脳脊髄液、涙、精液、リンパ液、腹水、喀痰、骨髄、関節液、眼房水、耳垢、気管支肺胞洗浄液、前立腺液、カウパー液もしくは射精前液、汗、糞便、嚢胞液、胸膜及び腹膜液、粥状液、乳糜、胆汁、腸内液、膿、皮脂、嘔吐物、粘膜分泌液、糞便水、膵液、洞空洞からの洗浄液、気管支肺吸引液、又はこれらの派生物(例えば、血清、血漿)が含まれる。
ブロックコポリマー:特記しない限り、「ブロックコポリマー」は、共有結合で連結された2種以上のホモポリマー又はコポリマーサブユニットを含む。2種又は3種の別個のブロックを有するブロックコポリマーは、それぞれジブロックコポリマー及びトリブロックコポリマーと呼ばれる。ジブロックコポリマーの概念は、式[AaBbCc・・・]m−[XxYyZz・・・]nで表され、ここで、各大文字は、構成又はモノマー単位を表し、構成単位に対するそれぞれの下付き文字は、個々のブロック中でのその単位のモル分率に相当し、3つの小点は、各ブロック中により多くの(より少ない)構成単位が存在できることを示し、m及びnは、ジブロックコポリマー中の各ブロックの分子量を暗示する。概略式により示唆されるように、一部の事例において、各構成単位の数及び性質は、各ブロックに関して別々に制御される。概略式は、各構成単位の数、又は各ブロックにおける異なる種類の構成単位の数の間のどんな関係をも暗示することを意味せず、そのように解釈すべきでない。概略式は、個々のブロック内の構成単位の任意の個々の数又は配列を記述していることを意味しない。各ブロックにおいて、構成単位は、そうでないことを明白に言及しない限り、純粋にランダムに、交互的にランダムに、規則的に交互に、規則的なブロック又はランダムなブロック配置で配列される。純粋にランダムな配置は、例えば、非限定的形態:X−X−Y−Z−X−Y−Y−Z−Y−Z−Z−Z・・・を有することができる。非限定的で例示的な交互ランダム配置は、非限定的形態:X−Y−Z−X−Y−Z−X−Y−Z・・・を有することができ、例示的な規則的交互配置は、非限定的形態:X−Y−Z−X−Y−Z−X−Y−Z・・・を有することができる。例示的な規則的ブロック配置は、次の非限定的配置:・・・X−X−X−Y−Y−Y−Z−Z−Z−X−X−X・・・を有することができ、一方、例示的なランダムブロック配置は、非限定的配置:・・・X−X−X−Z−Z−X−X−Y−Y−Y−Y−Z−Z−Z−X−X−Z−Z−Z−・・・を有することができる。グラジエントポリマーにおいて、1種又は複数のモノマー単位の含有量は、ポリマーのα端からω端に傾斜した方式で増減する。前記一般例のいずれにおいても、特定の個々の構成単位又はブロックの並置、又はブロック中での構成単位の数、又はブロックの数を意味せず、それらの例は、いかなる方式でも、本明細書に記載のミセルを形成するブロックコポリマーの実際の構造に影響を与える、又はその構造を限定すると解釈すべきでない。本明細書中で使用する場合、構成単位を囲む括弧は、構成単位それ自体がブロックを構成することを意味せず、かつそのように意味すると解釈すべきでない。すなわち、四角括弧内の構成単位は、ブロック、すなわち、純粋ランダム、交互ランダム、規則的交互、規則的ブロック、又はランダムブロック配置内のその他の構成単位と任意の方式で結合することができる。本明細書に記載のブロックコポリマーは、交互、グラジエント、又はランダムブロックコポリマーでよい。一部の実施形態において、ブロックコポリマーは、デンドリマー、星状又はグラフトコポリマーである。
分岐:特記しない限り、「分岐」は、ポリマー鎖が、2つ以上のポリマー鎖に分かれているポリマー構造を指す。
ブラシ/ポリマーブラシ:特記しない限り、「ブラシ」又は「ポリマーブラシ」は、本明細書中で同義的に使用され、グラフト−フロム(graft−from)技術を使用して、一般には単一付着点を通して表面に結合されているポリマー鎖を指す。ポリマーは、末端でグラフトされていても(末端基を介して付着された)、又は側鎖もしくはポリマー鎖中の末端位以外の位置を介して付着されていてもよい。ポリマーは、直鎖でも分岐でもよい。例えば、本明細書に記載のポリマー鎖は、双性イオン基を含む複数の側鎖を含むことができる。側鎖は、単一の非ファウリング性部分又はモノマー、及び/又は非ファウリング性オリゴマー(例えば、2〜10個のモノマー残基)もしくはポリマー(例えば、10個を超えるモノマー残基)からなることができる。
カルボキシアンモニウム:特記しない限り、「カルボキシアンモニウム」部分は、カルボキシレート及びアンモニウム官能基を含む双性イオン部分であり、例えば、カルボキシアンモニウムモノマー、カルボキシアンモニウムオリゴマー、カルボキシアンモニウムポリマー、カルボキシアンモニウム反復単位、及びその他のカルボキシアンモニウム含有材料が挙げられる。カルボキシベタインモノマー、オリゴマー、ポリマー、繰り返し単位、及びその他のカルボキシベタイン材料は、例示的なカルボキシアンモニウム部分である。
カテーテル:は通常、人体の本来的に又は外科的に開けられた空洞又は開口部中に挿入されるチューブ状器具を特定するのに使用される。
カテーテル基体:特記しない限り、「カテーテル基体」は、カテーテル、又はその1つもしくは複数の構成要素、例えば、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、又はコネクターである。
カチオン性モノマー、カチオン性モノマー単位又はカチオン性反復単位:特記しない限り、「カチオン性モノマー」、「カチオン性モノマー単位」又は「カチオン性反復単位」は、カチオン又はその他のカチオン種、例えば、求電子剤(例えば、プロトン(H+)又はアルキルカチオン、例えばpH依存的方式で)の付加又は保護基又は求核剤の除去により正電荷を有する能力のある部分を所持するモノマー、モノマー単位又は反復単位である(用語、「モノマー単位」及び「反復単位」は互換的に使用される)。
カチオン種又はカチオン部分:特記しない限り、「カチオン種」又は「カチオン部分」は、正に帯電した状態で、又は非帯電状態ではあるが、非帯電状態が、例えば、求電子剤(例えば、プロトン(H+)、例えば、pH依存的に)の付加、又は保護基もしくは求核剤の除去により、正に帯電しているようになる能力のある状態で存在する基、残基又は分子である。特定の事例で、該基、残基又は分子は、永久的に帯電し、例えば、第四級窒素原子を含む。
コーティング:特記しない限り、「コーティング」は、表面を処理する又は覆う、任意の一時的、半永久的、又は永久的な層又は層群を指す。コーティングは、下にある基体の化学的修飾でよく、あるいは基体表面への新たな材料の付加を含むことができる。コーティングは、基体に対する厚さの若干の増加を含むか、基体表面の化学組成の変化を含む。
複合培地:特記しない限り、「複合培地」は、タンパク質又は消化物を含む生物学的材料の生物学的流体又は溶液を指す。例には、限定はされないが、カチオン調整ミューラーヒントンブロス、トリプシン大豆ブロス、ブレインハートインフュージョン培地、又は任意のいくつかの複合培地、及び任意の生物学的流体が挙げられる。
共形及び共形性:特記しない限り、「共形」又は「共形性」は、本明細書中でカテーテル構成要素の内腔内表面又は外側表面などの表面上のポリマー層に関連して使用される場合、表面上に、ポリマー層でコーティングされていない、指定面積を超える大きさの特有の領域が存在しないことを意味するものとする。例えば、1mm2のレベルで共形であるカテーテル構成要素は、その構成要素の表面上に、表面修飾を有する表面上の領域によって取り囲まれ、1mm2を超えるポリマー表面修飾のない領域を有さず;例えば、ポリマー層で修飾された内腔内表面又は外側表面を有するカテーテル構成要素は、1mm2のレベルで共形であり、このような表面上でポリマー層を有する「海」によって取り囲まれ、このような表面上に1mm2を超えてポリマー層を欠く「島」を有さない。さらなる例として、1mm2のレベルで共形であるカテーテル本体内腔などのカテーテル構成要素の内腔内表面は、その構成要素の内腔内表面上に、親水性表面修飾を有するその構成要素の内腔内表面で取り囲まれ、親水性表面修飾のない1mm2を超えるどんな領域も有さない。これは、表面修飾ポリマーを染色すること、親水性表面修飾ポリマーに関して十分な解像度を提供するIRプローブもしくはマッピング技術、顕微鏡法、レーザープロフィロメトリー(laser profilometry)、又はその他の視覚的、物理的又は化学的特性決定法を適用することによって測定することができる。
コポリマー:特記しない限り、「コポリマー」は、2、3種、又はそれ以上のモノマー種から誘導されるポリマーを指し、交互コポリマー、周期コポリマー、ランダムコポリマー、統計コポリマー、及びブロックコポリマーを包含する。
システイン:特記しない限り、「システイン」は、アミノ酸システイン又はその合成類似体を指し、ここで、類似体は、遊離のスルフヒドリル基を含む。
分解生成物:特記しない限り、「分解生成物」は、加水分解、酸化、酵素、又はその他の化学過程の結果として形成される、水以外の原子、ラジカル、カチオン、アニオン、又は分子である。
用語「遠位」は、本明細書に記載のカテーテルを使用する臨床医から相対的に最も遠い方向を指す。例えば、患者のカテーテル本体内に配置されるカテーテルの末端は、カテーテルの遠位端とみなされ、一方、カテーテル本体の外に残っているカテーテル末端は、カテーテルの近位端である。
乾燥厚さ:特記しない限り、「乾燥厚さ」は、本明細書中でポリマー層に関連して使用する場合、走査電子顕微鏡(SEM)を使用することによる、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えば、ATR−FTIRの使用を介して分析することによる、ポリマー層の厚さを意味するものとする。SEMを使用して乾燥厚さを測定するには、画像化するために、試料を液体窒素に沈め、次いでウルトラミクロトームブレードで開裂することによって凍結割断する。金属基体の場合には、プライマー又は親水性ポリマーを施す前に、凍結割断をより容易にするため、ノッチでそれらの基体に切欠きを付けることができる。凍結割断は、ポリマー層の基体に垂直な厚さを測定するために、ポリマー修飾表面にほぼ直交する平面で物品を破断すべきである。試料は、スパッタコーターを使用して、金で90秒間スパッタコーティングされ、次いで、電界放出走査電子顕微鏡(SEM)下で、SE2検出器を使用し、高真空下に5kVで画像化される。例示的なミクロトームブレードとしては、Leica Ultracut UCTウルトラミクロトームが挙げられ、例示的なスパッタコーターとしては、Cressington 208HRが挙げられ、例示的なSEMとしては、Supra55VP FESEM(Zeiss製)が挙げられる。
フィブリノーゲン吸着アッセイ:特記しない限り、「フィブリノーゲン吸着アッセイ」は、フィブリノーゲンに対する表面の受入れの能力を評価するのに使用されるアッセイである。該アッセイにおいて、試験試料は、96ウェルの集合体、ミクロ遠心管、又はその他の容器でよい、適切な大きさの容器中に配置される。次の容積は、深型96ウェルプレートに適しているが、試験されるデバイスを完全に覆うような大きさに調整することができる。試料は、70%エタノール溶液で30分間滅菌され、試験群は、試験ごとに3〜4個のnで実行される。試料容器は、1×PBS中、20mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)により、4℃で1時間閉鎖される。続いて1×PBSで3回すすぎ洗った後に、試料を添加する。試料を、70μg/mLの非標識化フィブリノーゲン、1.4μg/mLのI−125放射能標識化ヒトフィブリノーゲン、35〜55μg/mLの水中BSA、任意選択のクエン酸三ナトリウム、及び任意選択の塩化ナトリウムを含む溶液に曝露する。BSAは、放射能標識化フィブリノーゲンと共に共凍結乾燥される一般的な薬剤である。任意選択で、BSA及び放射能標識化フィブリノーゲンを、クエン酸三ナトリウム及び塩化ナトリウムを含む凍結乾燥形態から溶解することができる。内腔の内腔内表面上へのタンパク質吸着を測定するために、内腔をフィブリノーゲン試験溶液で完全に満たし、末端をシールし、タンパク質溶液の空気界面への曝露を回避するように注意する。試料を、150RPMのオービタルシェーカー上、37℃で1時間インキュベートする。次いで、試験溶液を除去し、10mM NaIでの1分間のすすぎ洗いを4回、1×PBSでの1分間のすすぎ洗いを1回実施する。任意選択でより小さな区画に切断された試料を、γカウンターに装填する。カウンターは、各試料に関して、放射能をI−125の1分当たり計数値で測定し、これらのデータを使用して、フィブリノーゲンの絶対吸着、又は参照基体、すなわち、非ファウリング性ポリマー層を欠く同一の基体又はそうでなければ機能的に等価な基体に対する非ファウリング性ポリマー層試料のパーセント低下を計算する。パーセント低下は、(1−非ファウリング性試料CPM/参照基体の平均CMP)×100%に等しい。
平均乾燥厚さ:特記しない限り、「平均乾燥厚さ」は、本明細書中でポリマー層に関連して使用する場合、ポリマー層を有するカテーテル構成要素の部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも3箇所、好ましくは少なくとも5箇所の代表的位置の乾燥厚さを平均することによって計算される平均を意味するものとする。例えば、ポリマー層がカテーテル本体の内腔表面に施される場合、代表的な位置(内腔表面の)は、内腔の長さに沿ってほぼ均等に間隔をあけられる。カテーテル構成要素のポリマー層で覆われた部分の最長寸法にわたる代表的箇所で厚さを測定することが好ましい。平均乾燥厚さの標準偏差は、カテーテル構成要素のポリマー層を有する部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも5箇所、好ましくは少なくとも10箇所の代表的位置にわたる乾燥厚さの標準偏差を計算することによって見出される。
全平均加湿厚さ:特記しない限り、「全平均加湿厚さ」は、本明細書中でポリマー層に関連して使用する場合、ポリマー層を有するカテーテル構成要素の部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも3箇所、好ましくは少なくとも5箇所の代表的位置での加湿厚さを平均することによって計算される平均を意味するものとする。例えば、ポリマー層がカテーテル本体の内腔表面に施される場合、代表的な位置(内腔表面の)は、内腔の長さに沿ってほぼ均等に間隔をあけられる。カテーテル構成要素のポリマー層で覆われた部分の最長寸法にわたる代表的箇所で厚さを測定することが好ましい。全平均加湿厚さの標準偏差は、カテーテル構成要素のポリマー層を有する部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも5箇所、好ましくは少なくとも10箇所の代表的位置にわたる加湿厚さの標準偏差を計算することによって見出される。
全平均Rrms表面粗さ:特記しない限り、「全平均Rrms表面粗さ」は、本明細書中でポリマー層に関連して使用する場合、カテーテル構成要素のポリマー層を有する部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも5箇所、好ましくは少なくとも10箇所の代表的位置のRrms表面粗さを平均することによって計算される平均を意味するものとする。例えば、ポリマー層がカテーテル本体の内腔表面に施される場合、代表的な位置(内腔の表面に)は、内腔の長さに沿ってほぼ均等に間隔をあけられる。カテーテル構成要素のポリマー層で覆われた部分の最長寸法にわたる代表的箇所で厚さを測定することが好ましい。全平均Rrms表面粗さの標準偏差は、カテーテル構成要素のポリマー層を有する部分にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも5箇所、好ましくは少なくとも10箇所の代表的位置の全域のRrms表面粗さの標準偏差を計算することによって見出される。
グラフト:特記しない限り、用語「グラフト」は、本明細書中でポリマーと関連して使用する場合、「グラフト−フロム」、「グラフト−スルー(graft−through)」又は「グラフト−ツー(graft−to)」手法又はこれらの組合せによって、グラフトポリマーを形成するように、材料の表面をポリマーで修飾することを意味する。
グラフト−フロム法:特記しない限り、用語「グラフト−フロム」は、本明細書中で材料をポリマーで修飾するための方法に関連して使用する場合、インサイチュでの重合、及び材料の表面又は材料の内部でのポリマーの成長を意味するものとする。
グラフト−フロムポリマー:特記しない限り、用語「グラフト−フロムポリマー」は、本明細書中で使用する場合、グラフト−フロム法により形成されるポリマーを意味するものとする。
グラフト−スルー法:特記しない限り、用語「グラフト−スルー」は、本明細書中で材料をポリマーで修飾するための方法に関連して使用する場合、材料表面から提供されるビニル官能基を有し、それを介して重合が起こる、材料の近傍でのモノマーのインサイチュでの重合を意味するものとする。例えば、材料は重合が起こる表面から提供されるビニル基を有することができる。
グラフト−スルーポリマー:特記しない限り、用語「グラフト−スルーポリマー」は、本明細書中で使用する場合、グラフト−スルー法により形成されるポリマーを意味するものとする。
グラフト−ツー法:特記しない限り、用語「グラフト−ツー」は、本明細書中で材料をポリマーで修飾する方法に関連して使用する場合、材料の表面を前以て合成したポリマーで修飾することを意味するものとする。
グラフト−ツーポリマー:特記しない限り、用語「グラフト−ツーポリマー」は、本明細書中で使用する場合、グラフト−ツー法によって形成されたグラフトポリマーを意味するものとする。
ヘテロアルキル:特記しない限り、用語「ヘテロアルキル」は、骨格炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置き換えられているアルキル基を意味する。
ヘテロアリール:特記しない限り、用語「ヘテロアリール」は、環員の少なくとも1つが、ヘテロ原子であるアリール基を意味し、好ましくは各環中に5又は6個の原子を有する。ヘテロ芳香族基は、好ましくは、環中に1又は2個の酸素原子、1又は2個の硫黄原子、及び/又は1〜4個の窒素原子を有し、分子の残余部分に炭素又はヘテロ原子を介して結合されていてもよい。例示的なヘテロ芳香族としては、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、又はイソキノリニルなどが挙げられる。例示的な置換基としては、次の基:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト(すなわち、=O)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステル、及びエーテルの1つ又は複数が挙げられる。
ヘテロ原子:特記しない限り、用語「ヘテロ原子」は、水素又は炭素以外の原子、例えば、塩素、ヨウ素、臭素、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素、セレン、又はケイ素原子を意味する。
ヘテロシクロ:特記しない限り:用語「ヘテロシクロ」及び「複素環式」は、本明細書中で単独で又は別の基の部分として使用される場合、置換されていてもよい、完全飽和又は不飽和の、単環式又は二環式の、少なくとも1つの環中に少なくとも1つのヘテロ原子を有し、かつ好ましくは各環中に5又は6個の原子を有する芳香族又は非芳香族基を意味する。ヘテロシクロ基は、好ましくは、環中に1又は2個の酸素原子、1又は2個の硫黄原子、及び/又は1〜4個の窒素原子を有し、分子の残余部分に炭素又はヘテロ原子を介して結合されていてもよい。例示的なヘテロシクロとしては、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニル、又はイソキノリニルなどのヘテロ芳香族が挙げられる。例示的な置換基としては、次の基:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステル、及びエーテルの1つ又は複数が挙げられる。
ヘテロヒドロカルビル:特記しない限り、用語「ヘテロヒドロカルビル」は、鎖形成炭素原子の少なくとも1つがヘテロ原子で置き換えられているヒドロカルビル基を意味する。
加湿厚さ:特記しない限り、「加湿厚さ」は、本明細書中でポリマー層に関連して使用する場合、環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM、ほぼ26%の相対湿度)を使用して測定されたポリマー層の厚さを意味するものとする。加湿厚さを測定するには、試料を、画像化のために、液体窒素中に沈め、次いでウルトラミクロトームブレードで開裂することによって凍結割断する。凍結割断は、基体に対して垂直なポリマー層の厚さを測定するために、ポリマーで修飾された表面に直交する平面でカテーテル構成要素を破断すべきである。割断の後、試料を、水中に少なくとも1時間浸漬し、次いで液体窒素中に沈め、−8℃〜−12℃のコールドステージに固定する。次いで、環境制御型走査電子顕微鏡(E−SEM)と共に、走査電子顕微鏡(SEM)のもとに、VPSE検出器を最高分解湿度(ほぼ26%又は81Pa)で使用して、試料を画像化する。例示的なミクロトームブレードとしては、Leica Ultracut UCT Ultramicrotomeが挙げられ、例示的なSEMとしては、Supra55VP FESEM(Zeiss製)が挙げられ、例示的なE−SEMとしては、Zeiss EVO55が挙げられる。
炭化水素又はヒドロカルビル:特記しない限り、用語「炭化水素」及び「ヒドロカルビル」は、本明細書中で使用する場合、もっぱら炭素及び水素から成る有機化合物又は基を記述する。これらの部分としては、アルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分が挙げられる。これらの部分としては、また、他の脂肪族又は環式炭化水素基で置換されているアルキル、アルケニル、アルキニル、及びアリール部分、例えば、アルカリール、アルケンアリール及びアルキンアリールが挙げられる。特記しない限り、これらの部分は、好ましくは1〜20個の炭素原子を含む。
親水性:特記しない限り、「親水性」は、水に対して親和性を有する溶媒、分子、化合物、ポリマー、混合物、材料、又は官能基を指す。このような材料は、典型的には、1つ又は複数の親水性官能基、例えば、ヒドロキシル、双性イオン、カルボキシ、アミノ、アミド、ホスフェート、スルホニル、水素結合形成、及び/又はエーテル基を含む。
疎水性:特記しない限り、「疎水性」は、水によって撥じかれる溶媒、分子、化合物、ポリマー、混合物、材料、又は官能基を指す。このような材料は、典型的には、非極性官能基を含む。
固定化/固定された:特記しない限り、「固定化」又は「固定化された」は、共有結合で、又は非共有結合で基体に直接又は間接的に付着された材料又は生物活性薬剤を指す。「共固定化」は、2つ以上の薬剤の固定化を指す。
開始剤:特記しない限り、「開始剤」は、比較的温和な条件下でラジカル又はその他の種を生成し、重合反応を促進することのできる物質又は物質の組合せを指す。例えば、本明細書中の別の他の場所で説明されるようなレドックス対は、開始剤であり得る。
加湿厚さ:特記しない限り、「加湿厚さ」は、カテーテル構成要素の断面にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも3箇所、好ましくは少なくとも5箇所の代表的な位置の加湿厚さ測定値を平均することによって計算されるほぼ10〜40μmに及ぶ平均加湿厚さである。加湿厚さの標準偏差は、カテーテル構成要素の断面にわたってほぼ均等に間隔をあけた少なくとも5箇所、好ましくは少なくとも10箇所の代表的な位置でのほぼ10〜40μmに及ぶ加湿厚さの標準偏差を計算することによって求めることができる。
内腔直径:特記しない限り、「内腔直径」は、本明細書中でカテーテルに関連して使用する場合、カテーテル構成要素の内腔と同一の断面積を有する円の直径を意味するものとする。例えば、カテーテルが、1mm2の断面積を有する楕円型内腔を有する場合、内腔直径は、1mm2の断面積を有する円の直径である。
内腔アスペクト比:特記しない限り、「内腔アスペクト比」は、本明細書中でカテーテル構成要素に関連して使用する場合、カテーテル構成要素の内腔の長さを内腔の直径で除算した比率を意味するものとする。
中間点領域:特記しない限り、「中間点領域」は、本明細書中で内腔に関連して使用する場合、内腔の両末端間の距離の40%〜60%の間の距離にある内腔領域を指す。例えば、内腔の両末端間の距離が10cmであるなら、中間点領域は、内腔末端の一方から他の内腔末端の方向に測定して4〜6cmの間の距離にある内腔領域である。
非分解性:特記しない限り、「非分解性」は、生物学的環境内で加水分解的に、還元的に、酵素的に、又は酸化的に有意に反応してより小さな又はより単純な構成要素に開裂することのない材料組成物を指す。
非ファウリング性組成物/非ファウリング性材料/非ファウリン性グポリマー/非ファウリング性ポリマー層:特記しない限り、「非ファウリング性組成物」、「非ファウリング性材料」、「非ファウリング性ポリマー」、又は「非ファウリング性ポリマー層」は、本明細書中で互換的に使用され、組成物が付着された物品表面のタンパク質付着に対する抵抗性を提供又は増強する組成物である。例えば、基体に付着された場合、このような組成物は、参照基体、すなわち該組成物を欠く同様の又は機能的に等価な基体への粘着量と比べて、血液タンパク質、血漿、細胞、組織及び/又は微生物をはじめとするタンパク質の基体への粘着に抵抗することができる。好ましくは、基体表面は、ヒト血液の存在下で実質的に非ファウリング性である。好ましくは、粘着量は、参照基体と比較して、20%、30%、40%、59%、60%、70%、80%、又はそれ以上、例えば、85%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%、又はそれ以上低減される。表面の非ファウリング性又はタンパク質付着抵抗性の1つのとりわけ好ましい尺度は、本明細書に記載のフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて吸着されるフィブリノーゲンの量である。好ましくは、本明細書に記載のフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて吸着されるフィブリノーゲンの量は、<125ng/cm2、<90ng/cm2、<70ng/cm2、<50ng/cm2、<30ng/cm2、<20ng/cm2、<15ng/cm2、<12ng/cm2、<10ng/cm2、<8ng/cm2、<6ng/cm2、<4ng/cm2、<2ng/cm2、<1ng/cm2、<0.5ng/cm2、又は<0.25ng/cm2である。
用語「近位」は、本明細書に記載のカテーテルを使用している臨床医に対して相対的により近い方向を指す。例えば、患者の体内に配置されたカテーテルの末端は、カテーテルの遠位端とみなされ、一方、体外に残っているカテーテル末端はカテーテルの近位端である。
ポリマー:特記しない限り、「ポリマー」は、天然又は合成の、ホモポリマー及び多様な反復単位を含むコポリマーを包含し、特記しない限り、直鎖、分岐、又は樹状であることができる。コポリマーの例には、限定はされないが、ランダムコポリマー及びブロックコポリマー、スマートポリマー、温度応答性ポリマー(例えば、NIPAM)、及びpH応答性ポリマー(例えば、ピリジルをベースにした)が含まれる。
ポリペプチド/ペプチド/オリゴペプチド:特記しない限り、「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「オリゴペプチド」は、天然、合成又はそれらの混合物のいずれにせよ、アミノ酸からペプチド結合によって化学的に一緒に連結されて構成される有機化合物を包含する。ペプチドは、典型的には、3個以上のアミノ酸、好ましくは9個を超え150個未満、より好ましくは100個未満、最も好ましくは9〜51個のアミノ酸を含む。ポリペプチドは、「外因性」又は「異種性」、すなわちその生物体又は細胞にとって生得のものでない、生物体又は細胞内のペプチド産物、例えば、細菌細胞によって産生されたヒトポリペプチドでよい。外因性は、また、細胞によって産生される内因性材料と比較した場合に、細胞にとって生得なものではない、及び細胞に添加された物質を指す。ペプチド結合は、1つのアミノ酸のカルボキシル基(酸素を有する炭素)と第2のアミノ酸のアミノ窒素との間の共有単結合を含む。約10個未満の構成アミノ酸を有する小さなペプチドは、典型的には、オリゴペプチドと呼ばれ、約10個を超えるアミノ酸を有するペプチドは、ポリペプチドと称される。分子量が10,000ダルトンを超える化合物(50〜100個のアミノ酸)は、通常、タンパク質と称される。
第四級窒素:特記しない限り、「第四級窒素」は、本明細書中で使用する場合、第四級アンモニウムカチオンのメンバーである窒素原子を指す。
Rrms表面粗さ:特記しない限り、「Rrms表面粗さ」は、表面の二乗平均表面粗さを指し、実際の表面のその理想的な形態からの垂直的逸脱の尺度となる。粗さは、大規模な表面変動の測定値と異なってもよい表面の微小粗さを指す。好ましくは、これは、原子間力顕微鏡法(MFP−3D、Aslyum)を利用して、ほぼ1〜30μmの範囲にわたって、1〜30μmで、好ましくは20μmの範囲にわたって20μmで測定することができる。試料を、精製水で洗浄して表面の塩を除去し、次いで風乾する。標準的なシリコンカンチレバー(Olympus AC160TS、バネ定数42N/m)を、AC/タッピングモードで測定するのに採用する。Rrms表面粗さは、AFM装置に付属のソフトウェア(IGOR Pro)で計算される。別法として、粗さは、触針式プロフィロメーターを使用して測定することができる。例えば、試料の表面粗さは、60°、2μmダイアモンドチップ触針を備えたTencor P−16+プロフィロメーターで測定することができる。好ましくは、800μmの走査長さが、20μm/秒の走査速度、50Hzの走査振動数、及び2μgの荷重力と共に選択される。同一試料について少なくとも3つの異なる部位で測定され、表面粗さは、少なくとも3つの試料から平均化される。別法として、Rrms表面粗さは、好ましくは非接触法によって、例えば、光学式プロフィロメーターを使用して測定することができる。例えば、試料の表面粗さは、光学式プロフィロメーター(Zeta Z20又はOlympus Lext OLS4000)によって測定される。好ましくは、三次元画像を、光学式プロフィロメーターにより50Xの対物レンズ下で撮影し、次いで、試料の表面粗さを、画像を横切る少なくとも3本の異なる線に沿って測定する。少なくとも3つの異なるスポットを測定し、表面粗さを、少なくとも3つの試料から平均化する。好ましい例において、Olympus LEXT OLS4000三次元レーザー測定顕微鏡が、粗さ測定及び三次元画像化のために採用される。測定には、408nmレーザーでの低波長光学技術を共焦点走査と組み合わせて利用するLEXT顕微鏡を使用することができる。測定すべき試料を、両面テープでスライドガラス上に載せる。デジタル三次元画像を、Olympus LEXT OLS4000レーザー共焦点顕微鏡(「LEXT」)を用い、Olympus MPLAPON 50X対物レンズ下で撮影する。この方式で撮影されたデジタル画像は、256×256μmの視野を有した。このLEXT装置のZ方向再現性は、Olympusによって0.012μm未満であることが保証されている。粗さを測定するには、各試料から少なくとも3つの画像を撮影し、Rrms粗さを、9μmのカットオフ長を使用して計算する。
溶媒抽出が可能な重合開始剤:特記しない限り、「溶媒抽出が可能な重合開始剤」は、物品内に組み込まれ、ラジカル重合を開始する能力があり、開始剤又はその分解生成物のどちらをも、適切な溶媒を使用して物品から抽出することのできる任意の化合物を指す。一般に、抽出には、非極性又は極性溶媒を使用することができる。例えば、水、アセトン又はエタノールなどの抽出溶媒、ならびに/あるいは開始剤及び/又はその分解生成物の溶解度が少なくとも1mg/mLであるその他の抽出溶媒を使用することができる。抽出は、抽出物の濃度変化が1時間当たり5%を超えて増加しないような十分な時間実施すべきである。別法として、抽出は、後に続く抽出において抽出される材料の量が最初の抽出で検出された量の10%未満であるまで、又は検出される累積抽出材料レベルの分析的に有意な増加が存在しなくなるまで、実施することができる。抽出条件には、37℃で72時間、50℃で72時間、70℃で24時間、121℃で1時間が包含される。抽出比率、6cm2/mL(表面積/容積)及び/又は0.2g(試料)/mLが含まれる。一部の事例で、基体の完全溶解が妥当であることもある。抽出媒体中への沈下性を高めるために、抽出前に、材料を小さな小片に切断すべきであり、例えば、ポリマー性基体の場合、ほぼ10mm×50mm又は5mm×25mmの小片が妥当である。使用される装置としては、有機物分析のための高速液体クロマトグラフィー−フォトダイオードアレイ検出−質量分光法(HPLC−PDA−MS)、有機物分析のためのガスクロマトグラフィー−質量分光法(GC−MS)、金属分析のための誘導結合プラズマ−光学発光分光法又は質量分光法(ICP−OES又はICP−MS)、及び時には無機物及びイオン分析のためのイオンクロマトグラフィー(IC)が挙げられる。時には、飛行時間型(TOF)などのより先進的なMS検出器を使用して正確な質量情報が得られる。ヘキサン及びアルコールによる抽出物は、GC−MSを使用して分析される。水及びアルコールによる抽出物はHPLCで分析される。基体又はグラフトされたポリマー中の開始剤又はその分解生成物は、前述の方法により定量及び/又は検出することができる。これらの方法としては、ATR−FTIR、化学分析のための電子分光法(ESCA、X線光電子分光法XPSとも呼ばれる)、二次イオン質量分光法(SIMS)、及び表面増強ラマン分光法(SERS)が挙げられる。例えば、過酸化物は、次の3つの方法のいずれか:ヨウ化物法(塩化第二鉄の存在下での過酸化物によるヨウ化ナトリウムの酸化)、DPPH法(ラジカル捕捉剤1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジルで処理して過酸化物を分解)、又はペルオキシダーゼ法(グルタチオンペルオキシダーゼにより触媒されるグルタチオンでの還元、それに続くグルタチオンレダクターゼの存在下でのNADPHの結合酸化を測定する)を利用して、分光測定的に検出することができる。例えば、Fujimoto et al.,Journal of Polymer Science Part A:Polymer Chemistry,Vol.31,1035〜1043(1993)を参照されたい。
安定な:特記しない限り、「安定な」は、本明細書中で材料に関して使用する場合、該材料が、長期にわたって機能を維持することを意味する。一実施形態において、言及される材料は、タンパク質、培地、又は血清を含む少なくとも1種のリン酸緩衝化生理食塩水中、又はインビボで、言及される活性(又は特性)の少なくとも90%を37℃で少なくとも30日間維持する。一実施形態において、言及される材料は、タンパク質、培地、又は血清を含む少なくとも1種のリン酸緩衝化生理食塩水中、又はインビボで、言及される活性(又は特性)の少なくとも80%を37℃で少なくとも90日間維持する。一実施形態において、言及される材料は、言及される活性(又は特性)の少なくとも90%を37℃で少なくとも30日間、及び言及される活性(又は特性)の少なくとも80%を37℃で少なくとも90日間維持する。言及される活性又は特性としては、表面接触角、非ファウリング性、抗血栓、及び/又は抗微生物活性を挙げることができる。
静的接触角:特記しない限り、「静的接触角」は、水/蒸気の界面が、平衡状態又はその近くで基体表面と接する角度である。接触角は、まず試料を純エタノールに5分間浸漬すること及びPBSで3回洗浄することにより測定される。次いで、試料をPBS(150mM、pH7.4)中に24時間浸漬し、精製水で3回洗浄する。次いで、試験前に、試料を気流中で5分間乾燥する。1滴の精製水(例えば、1μL)を試験表面上に置き、水滴の形状を、ビデオ接触角システム(例えば、VCA2000、AST Inc,)を使用し、CCDカメラを備えた顕微鏡で写真撮影し、次いで接触角を求める(例えば、VCA Optima XEを使用して)。接触角を求めるのに使用される水滴の大きさは、基体の種類及び組成に応じて変えることができる。5フレンチのデバイスでは、例えば、0.1μLの精製水の水滴を使用することができる。
実質的に血液適合性の:特記しない限り、「実質的に血液適合性の」は、組成物が、血栓症、凝固、及びISO10993−4中に記載のような補体活性化のために適切に選択されたアッセイにより試験した場合に、非血栓形成性及び非免疫原性であることに加え、実質的に非溶血性であることを意味する。
実質的に無細胞毒性の:特記しない限り、「実質的に無細胞毒性の」は、組成物の表面に接触する哺乳動物細胞の代謝、増殖、又は生存能力を実質的に変化させない組成物を指す。これらは、抽出試験、直接接触試験及び間接接触試験を含む、材料の細胞毒性を評価するための3つの主な試験を規定している国際標準ISO 10993−5によって定量化することができる。
実質的に非溶血性の表面:特記しない限り、「実質的に非溶血性の表面」は、次のアッセイを適用した場合に:すなわち、10%の洗浄された捕集赤血球原液(Rockland Immmunochemicals Inc、Gilbertsville、ペンシルヴェニア州)を、150mM NaCl及び10mM Trisの溶血緩衝液(pH7.0)で0.25%まで希釈した場合に、組成物が、ヒト赤血球の50%、好ましくは20%、より好ましくは10%、更により好ましくは5%、最も好ましくは1%を溶解しないことを意味する。0.5cm2の抗微生物性試料を、0.75mLの0.25%赤血球懸濁液と共に37℃で1時間インキュベートする。固形試料を除去し、細胞を6000gで回転し、上清液を取り出し、分光光度計でOD414を測定する。全溶血は、10%の洗浄された捕集赤血球を滅菌脱イオン(DI)水で0.25%まで希釈すること、及び37℃で1時間インキュベートすることによって規定され、0%溶血は、固体試料を含まない溶血緩衝液中0.25%赤血球の懸濁液を使用して規定される。
実質的に無毒性の:特記しない限り、「実質的に無毒性の」は、実質的に血液適合性であり、かつ実質的に無細胞毒性である表面を意味する。
置換されている/置換されていてもよい:特記しない限り、用語「置換されている」及び「置換されていてもよい」は、言及される基が、例えば、アセタール、アシル、アシルオキシ、アルケノキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキンオキシ、アミド、アミノ、アリール、アリールオキシ、アリールチオ、アジド、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシル、シアノ、エステル、エーテル、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロアルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロ脂環式、ヘテロアリール、ヒドロキシ、イソシアナト、イソチオシアナト、ケタール、ケト、メルカプト、ニトロ、ペルハロアルキル、シリル、スルファモイル、スルフェート、スルフヒドリリル、スルホンアミド、スルホネート、スルホニル、スルホキシド、チオカルボニル、チオシアナト、チオール、及び/又はこれらの保護された誘導体から個別的かつ独立に選択することのできる1つ又は複数のさらなる適切な基で置換されているか、置換されていてもよいことを意味する。「置換」又は「置換されている」は、このような置換が、置換されている原子及び置換基の許容された原子価と一致していること、及び該置換が、例えば、転移、環化、脱離などによる変換を自発的には受けない安定な化合物をもたらす、という暗黙の条件を包含することが理解される。
基体:特記しない限り、「基体」は、それから親水性ポリマーがグラフトされる材料を指す。
スルホアンモニウム:特記しない限り、「スルホアンモニウム」部分は、スルフェート及びアンモニウム官能基を含む双性イオン部分であり、例えば、スルホアンモニウムモノマー、スルホアンモニウムオリゴマー、スルホアンモニウムポリマー、スルホアンモニウム反復単位、及びその他のスルホアンモニウム含有材料が挙げられる。スルホベタインのモノマー、オリゴマー、ポリマー、反復単位、及びその他のスルホベタイン材料が、例示的なスルホアンモニウム部分である。
係留鎖/係留剤/リンカー:特記しない限り、「係留鎖」、「係留剤」又は「リンカー」は、本明細書中で使用する場合、同義的に使用され、材料上に、1種又は複数の非ファウリング性材料、1種又は複数の生物活性薬剤、又はこれらの組合せを、共有結合又は非共有結合で固定するのに使用される任意の分子、又は分子の組、又はポリマーを指し、ここで、該分子は、最終化学組成物の一部として残留する。係留鎖は、直鎖であるか、生物活性薬剤を固定化するための1つ又は複数の部位で分岐していることができる。係留鎖は、任意の長さでよい。しかし、一実施形態において、係留鎖は、長さが3オングストロームを超える。係留鎖は、非ファウリング性の材料、例えば、モノマー、オリゴマー、又はポリマー、あるいは非ファウリング性非双性イオン材料でよい。係留鎖は、そのどちらも非ファウリング性であることができる、基体又はポリマー上に直接的に固定化することができる。
先端領域:特記しない限り、「先端領域」は、本明細書中で使用する場合、カテーテル本体の遠位端の終端の、長さが10cmのカテーテル本体を意味するものとする。
アンダーコーティング層:特記しない限り、「アンダーコーティング層」は、そこから親水性ポリマーがグラフトされる基体中に組み込まれた任意のコーティング、又はコーティングの組合せを指す。
双性イオン/双性イオン材料:特記しない限り、「双性イオン」又は「双性イオン材料」は、カチオン及びアニオン基の双方を有する巨大分子、材料、又は部分を指す。ほとんどの場合、これらの帯電した基は、電荷が相殺され、正味電荷がゼロである材料をもたらす。
双性イオンポリマー:特記しない限り、「双性イオンポリマー」は、ホモポリマー又はコポリマーでよく、ポリ両性電解質(例えば、異なるモノマー単位上に帯電基を有するポリマー)及びポリベタイン(同一モノマー単位上にアニオン及びカチオン基を有するポリマー)の双方を包含する。例示的な双性イオンポリマーとしては、2種、3種又はそれ以上のモノマーからなる交互コポリマー、統計コポリマー、ランダムコポリマー、及びブロックコポリマーが挙げられる。
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明によれば、人体内部に配置されて、血流に接触するように、又は患者に流体を導入するように、又は患者から流体を抜き取るように設計された、カテーテルの内腔内表面及び外側表面、又は少なくともそれらの内腔内及び外側カテーテル表面を、時には本明細書中で非ファウリング性ポリマーとも呼ばれる親水性ポリマーで修飾して、微生物汚染/バイオフィルム及び血栓付着を低減することができる。特定の種類及び方式のカテーテルが、本明細書中で説明されるが、本発明は、本明細書に記載の任意の特定の種類のカテーテル及び構造及び組合せに限定されるものではなく、単なる例示であると解釈される。本明細書に記載の表面修飾は、任意の種類の既知カテーテルの設計に適用できることを認識されたい。
本発明の一態様により、カテーテル又はその構成要素の表面を、例えば、基体に開始剤をインビビションする(imbibe)こと又はカテーテル基体上に開始剤を含む層を堆積させることによって、1種又は複数の重合開始剤をカテーテル基体中に組み込むこと、及び該カテーテル基体中からポリマーをグラフトすることによって、親水性ポリマー層で修飾できることが見出された。とりわけ好ましい実施形態において、親水性ポリマー材料は、モノマー及び溶媒系を含む重合混合物中でカテーテル基体からグラフトされ、ここで、該カテーテル基体は、溶媒系によって有意には膨潤せず、組み込まれた開始剤は、溶媒系に対して限られた溶解度を有する。換言すれば、カテーテル基体中に組み込まれた開始剤は、溶媒系に比較して、特に親水性に関して逆相特性を有する。なんらか特定の理論の拘束されるものではないが、この方法は、カテーテル基体表面/重合混合物の界面又はその近傍で相対的に高い開始剤局所濃度を提供し、カテーテル基体からのグラフト化及びグラフト化されるポリマーが分岐ポリマーを形成するのに有利であると思われる。
理論に拘泥することなしに、本発明のグラフト化されたポリマーは、好ましくは、カテーテル(又はカテーテルの構成要素)の表面欠陥を均一に覆い、かつ性能を増強する比較的密で分岐した親水性構造を含む。結果として、グラフトされたポリマーで修飾された表面を有するカテーテル又はその1つ又は複数の構成要素は、改善された抗ファウリング、及び/又は抗血栓特性を、特定の実施形態では改善された抗微生物特性を有する。
概して、小さな開始剤分子は、カテーテル基体の表面又はその近傍に集中させることができ、その場所では、溶液中で合成される大きなポリマー分子に比べて、重合は、より容易に開始し、生長する。結果として、及びグラフト−ツー(graft−to)コーティングに比較して、より大きな表面密度を、グラフト−フロム(graft−from)コーティングで達成することができ、それによって、非ファウリング性能を改善する傾向がある。更に、より長いポリマー鎖及び/又は分岐非ファウリング性鎖は、性能を更に改善することができる。
カテーテルは、典型的には、任意の広範な範囲の材料を含む。特定のこれらの材料は、それらの固有の特性のため、タンパク質吸着及び細胞/微生物粘着に対してより大きな抵抗性を提示し、例えば、親水性材料は、疎水性材料に比べて、より小さなタンパク質吸着を示す傾向がある。更に、製造方法は、このような材料の表面特性に大きな影響を及ぼすことがあり、例えば、製造方法は、材料の多孔度、その粗さ(ミクロ粗さ及びマクロ粗さ)、材料表面から突き出る包含異物の組み込み、及び同様の表面特性に影響を及ぼす可能性がある。これらの因子及びその他の因子が、タンパク質の吸着及び/又は細胞/微生物の粘着に対する材料の抵抗性(又はその欠落)の一因となる可能性がある。
なんらか特定の理論に拘泥するものではないが、今のところ、本発明の重合方法は、表面修飾、すなわち、タンパク質の吸着及び/又は細胞/微生物の粘着に不都合である分岐構造を有する親水性ポリマー層を提供し、加えて、細胞、細菌又はその他の微生物の粘着に好都合であるカテーテル基体中の部位を隠蔽又は改変すると考えられる。したがって、例えば、カテーテル(又はその構成要素)の(未修飾)表面に比較して、グラフトされたポリマー層は、カテーテル(又はその構成要素)表面中の引掻き傷、ピンホール、隙間、又はその他の点で潜在的に性能障害の部位となる可能性のある他の欠陥を覆い、又は平らにし、部分的又は完全に埋め合わせることができる。さらなる例として、カテーテル(又はその構成要素)の(未修飾)表面の表面粗さと少なくとも同じような厚さを有し、比較的均一であり、十分に密であり、かつ/又は相当に親水性であるグラフトされたポリマー層は、タンパク質の吸着及び/又は細胞/微生物の粘着に対する材料の抵抗性を有意に増強することができる。
本発明のカテーテル又はカテーテル構成要素の親水性ポリマーを含む修飾表面は、フィブリノーゲン吸着アッセイにおいて低いフィブリノーゲン吸着を示す。一般に、修飾された表面は、試料をヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートし、吸着されたフィブリノーゲン量を好ましくは放射能標識化フィブリノーゲンを使用することによる標準的なプロトコールを利用して測定するフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、125ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一実施形態において、修飾された表面は、試料をヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートし、吸着されたフィブリノーゲン量を好ましくは放射能標識化フィブリノーゲンを使用することによる標準的なプロトコールを利用して測定するフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、90ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一実施形態において、修飾された表面は、試料をヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートし、吸着されたフィブリノーゲン量を好ましくは放射能標識化フィブリノーゲンを使用することによる標準的なプロトコールを利用して測定するフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、70ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一実施形態において、修飾された表面は、試料をヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートし、吸着されたフィブリノーゲン量を好ましくは放射能標識化フィブリノーゲンを使用することによる標準的なプロトコールを利用して測定するフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、50ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。好ましくは、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。より好ましくは、特定の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて20ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。
更により好ましくは、特定の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて15ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて12ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて10ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて8ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて6ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて4ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて2ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて1ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて0.5ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、修飾された表面は、このようなアッセイにおいて0.25ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例及び実施形態のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例及び実施形態のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例及び実施形態のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、双性イオンポリマーであり、かつ該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例及び実施形態のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、かつ該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で列挙した前記例及び実施形態のそれぞれにおけるグラフトされたポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、かつ該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
好ましい実施形態は、また、本発明の親水性ポリマー層を有するカテーテル基体に関して血栓の低減を示す。例えば、修飾されたカテーテル基体、すなわちグラフトされたポリマー層を有するカテーテル基体の血栓低減は、それらの基体を、参照カテーテル基体、すなわち、親水性ポリマー層を欠く、同様であるか機能的に等価な基体と比較して、新たに採取しヘパリン処理したウシ血液に放射能標識化血小板と共に流動ループ中で2時間曝露することによって評価することができる。抗血栓形成能の評価として、試料を、血栓症の生体外流動ループモデル中に配置する。抗血栓形成活性は、血栓症の生体外流動ループモデルを使用して評価することができる。簡潔には、最大10リットルの新鮮血液を単一動物(ウシ)から採集する。この血液を、凝固を防止するためにヘパリンで処理し、微粒子を除去するために濾過し、放射能標識化自己由来血小板を添加する。血液採取後の8時間以内に、コーティングされた及びコーティングされていない物品を、ポンプで血液を浴から物品を覆って再び浴に戻す流動ループ回路中に配置する。内腔を含む基体のための第2の内部流動ループ回路を、基体の2つの出入口を第2のペリスタポンプを介して接続することによって確立することができる。その中に物品が配置されるチューブの大きさ及び血液流の速さは、試験される物品の大きさに基づいて調整することができる。好ましくは、物品が14〜15.5フレンチの透析カテーテルである場合、それらは、内径がほぼ12.5〜25.4mmのチューブを備えた流動ループ回路中に配置される。血液は、ポンプで外側回路中にほぼ2.5L/分の速度で送られ、一方、内部回路中の血液は、ポンプでほぼ200〜400mL/分の速度で送られる。物品が5フレンチのPCCカテーテルの導管である場合、それらは内径がほぼ6.4mmの流動ループ回路中に配置され、血液流動速度は、ほぼ200mL/分である。
内腔は、評価中、溶液、例えば生理食塩水で封鎖される。別法として、評価中、遠位先端を、例えばエポキシでシールすることができる。物品が10フレンチのロッドである場合、それらは、内径がほぼ6.4mmの流動ループ回路中に配置され、血液流速は200mL/分である。60〜120分後、物品を、取り出し、血栓形成について目視検査し、粘着した血小板を、ガンマカウンターを使用して定量化する。内腔を含まない試料の場合、外側回路のみを使用してデバイス外側上の血栓を測定する。このアッセイにおいて、好ましい実施形態は、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも80%の低減、及び血栓のかなりの目に見える低減を示す。例えば、特定の実施形態において、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも90%の低減が存在する。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも98%の低減を示す。別法として、好ましい実施形態において、修飾された基体の血栓形成性は、47%(w/v)クエン酸ナトリウム蒸留水溶液に3日間を超えて曝露した後に、修飾されていない基体に比較して、低減される。実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して血栓の目に見える減少を示す。好ましい実施形態において、修飾された基体は、参照基体に比較して、吸着される血小板中の少なくとも80%の減少、及び血栓のかなりの目に見える低減を示す。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも90%の減少を示す。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して吸着される血小板の少なくとも98%の減少を示す。別法として、好ましい実施形態の血栓形成性は、動物の血清及び/又は血漿に曝露した後に、修飾されていない基体に比較して低下する。例えば、好ましい実施形態の血栓形成性は、クエン酸処理したヒト血漿に37℃で55日間曝露した後に、修飾された基体に関して、参照基体に比較して低下する。実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して血栓の目に見える減少を示す。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも80%の低下、及び血栓のかなりの目に見える減少を示す。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも90%の低下を示す。好ましい実施形態は、修飾された基体に関して、参照基体に比較して、吸着される血小板の少なくとも98%の低下少を示す。
好ましい実施形態は、修飾されたカテーテル基体に関して、対数で少なくとも0.5、1、1.5、2、2.5、2.5、3、又は4の抗バイオフィルム活性を示す。より好ましい実施形態は、PBS、血清、又は血漿製剤への長期曝露の後に、抗バイオフィルム活性を有する。好ましい一実施形態において、対数で1の抗バイオフィルム活性が、37℃のPBS中に30日間貯蔵した後に達成される。さらなる好ましい実施形態において、対数で1の抗バイオフィルム活性が、37℃のPBS中に90日間貯蔵した後に達成される。好ましい一実施形態において、対数で2の抗バイオフィルム活性が、37℃のPBS中に30日間貯蔵した後に達成される。さらなる好ましい実施形態において、対数で2の抗バイオフィルム活性が、37℃のPBS中に90日間貯蔵した後に達成される。好ましい一実施形態において、対数で1の抗バイオフィルム活性が、37℃のクエン酸処理ヒト血漿中に30日間貯蔵した後に達成される。さらなる好ましい実施形態において、対数で1の抗バイオフィルム活性が、37℃のクエン酸処理ヒト血漿中に90日間貯蔵した後に達成される。好ましい一実施形態において、対数で2の抗バイオフィルム活性が、37℃のクエン酸処理ヒト血漿中に30日間貯蔵した後に達成される。さらなる好ましい実施形態において、対数で2の抗バイオフィルム活性が、37℃のクエン酸処理ヒト血漿中に90日間貯蔵した後に達成される。
好ましい実施形態は、PBSへの長期曝露後に、タンパク質吸着に対する抵抗性を示し、このことは、加水分解安定性を指摘している可能性がある。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、125ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、90ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、70ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、50ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、20ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、15ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、12ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、10ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、8ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、6ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、4ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、2ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、1ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、0.5ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに30日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、0.25ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。
好ましい実施形態は、PBSへの長期曝露後にタンパク質吸着に対する抵抗性を示し、このことは、加水分解安定性を指摘している可能性がある。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、125ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、90ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、70ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、50ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、20ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、15ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、12ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、10ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、8ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、6ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、4ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、2ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、1ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、0.5ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。一部の実施形態において、カテーテル基体の修飾された表面は、試料を、37℃のPBSに90日間曝露した後に、ヒト血漿由来の70μg/mLのフィブリノーゲン中、37℃で60分間インキュベートするフィブリノーゲン吸着アッセイにおいて、0.25ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。
一実施形態において、表面修飾、すなわち親水性ポリマーは、カテーテル基体表面の表面粗さに少なくとも同等である厚さを有する。例えば、カテーテル基体の表面が100nmの全平均Rrms表面粗さを有するなら、この実施形態において、親水性ポリマー層は、少なくとも100nmの平均乾燥厚さを有することが好ましい。一部の実施形態において、カテーテル基体の表面は、比較的滑らかであり、例えば、全平均Rrms表面粗さは2nmである。他の実施形態において、カテーテル基体の表面は、かなりより粗く、例えば、全平均Rrms表面粗さは1μmである。他の実施形態において、カテーテル基体の表面は、これらの値の中間の表面粗さを有し、例えば全平均Rrms表面粗さは75〜250nmである。これらの実施形態のそれぞれにおいて、親水性ポリマー層の厚さは、カテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さを超えることが好ましい。したがって、例えば、一実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、カテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である。さらなる例として、平均乾燥厚さは、カテーテル基体表面の全平均Rrms表面厚さの少なくとも200%でよい。よりさらなる例として、平均乾燥厚さは、カテーテル基体表面の全平均Rrms表面厚さの少なくとも500%でよい。よりさらなる例として、平均乾燥厚さは、カテーテル基体表面の全平均Rrms表面厚さの少なくとも1,000%でよい。好ましい実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)を真空下で使用して、又はポリマー層の化学シグナルの強度を、例えば、ATR−FTIRを使用を介して分析することによって測定され、全平均Rrms表面粗さは、原子間力顕微鏡を使用して測定される。親水性ポリマーは、好ましくは、非ファウリング性親水性ポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
一実施形態において、親水性ポリマー層は、表面粗さを有意に増大させない。例えば、一実施形態において、修飾された表面、すなわちカテーテル基体(すなわち、カテーテル又はその1つ又は複数の構成要素)の親水性ポリマーを有する表面は、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さの300%未満である表面粗さ値を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さの250%以下である。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さの200%以下である。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さの150%以下である。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さ以下である。
一実施形態において、とりわけ、比較的大きな表面粗さ値を有する表面を有するカテーテル又はその1つもしくは複数の構成要素に関して、親水性ポリマー層は、表面粗さを低下させる可能性があり、換言すれば、修飾された表面、すなわち親水性ポリマーを有するカテーテル基体表面は、カテーテル基体表面に比べてより小さな表面粗さを有する。例えば、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のない物品の表面の全平均Rrms表面粗さに比べて少なくとも50%小さい。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さに比べて少なくとも25%小さい。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さに比べて少なくとも10%小さい。さらなる例として、このような一実施形態において、修飾された表面の全平均Rrms表面粗さは、親水性ポリマー層のないカテーテル基体表面の全平均Rrms表面粗さに比べて少なくとも5%小さい。
相対的な表面粗さと無関係に、修飾された表面は、比較的小さな表面粗さ値を有することが好ましい。例えば、修飾された表面は、好ましくは、500nm未満の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、修飾された表面は、400nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、300nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、200nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、150nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、100nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、75nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、50nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、25nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、10nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。さらなる例として、修飾された表面は、5nm未満の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、修飾された表面は、2nm未満の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、修飾された表面は、1nm未満の全平均Rrms表面粗さを有する。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて修飾された表面を構成する親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
一実施形態において、親水性ポリマー層は、参照基体、すなわち非ファウリング性ポリマー層を欠く同様の又はそうでなければ機能的に等価なカテーテル基体に比較して、0.1μmを超える大きさを有する目に見える突出部の数を低減することができる。例えば、このような目に見える突出部は、少なくとも25%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも50%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも75%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも90%まで低減することができる。一実施形態において、親水性ポリマー層は、参照基体、すなわち非ファウリング性ポリマー層を欠く同様の又はそうでなければ機能的に等価なカテーテル基体に比較して、0.5μmを超える大きさを有する目に見える突出部の数を低減することができる。例えば、このような目に見える突出部の数は、少なくとも25%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも50%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも75%まで低減することができる。さらなる例として、このような目に見える突出部の数は少なくとも90%まで低減することができる。
表面修飾が施されているカテーテル基体及びその活用環境に応じて、親水性ポリマー層は、任意の広範な範囲の厚さを有することができる。一部の応用に関して、例えば、非ファウリング性ポリマー層は、少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。一部の応用に関して、実質的により厚い親水性ポリマー層が望ましいこともある。例えば、ポリマー層は、50μmの平均乾燥厚さを有することができる。しかし、典型的には、ポリマー層は、より小さな平均厚さを有する。例えば、一部の実施形態において、ポリマー層は、最大で10μmの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約100nm〜約5,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約300nm〜約3,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約500nm〜約2,500nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、最大で1μmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、最大で500nmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約100nm〜約1,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約300nm〜約600nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、ポリマー層は、約200nm〜約400nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。好ましい実施形態において、ポリマー層の平均乾燥厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)を真空下で使用して、又はポリマー層の化学シグナルの強度を、例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定される。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含む該ポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
一般に、カテーテル構成要素のための表面修飾は、比較的均一な厚さを有することが好ましい。例えば、一実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、一般に、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えないことが好ましい。さらなる例として、一実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない。さらなる例として、一実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの20%を超えない。さらなる例として、一実施形態において、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの10%を超えない。厚さの標準偏差は、好ましくは、グラフトされたポリマー層厚さのランダムに間隔をあけた少なくとも5箇所、より好ましくは少なくとも6〜10箇所の測定値を取って求められる。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
一般に、本発明の表面修飾は、比較的親水性である。一般に、カテーテル基体の修飾された表面は、40°未満の静的接触角を示す。例えば、比較的疎水性のポリマー、例えば、シリコーン、炭化水素ラバー、フルオロシリコーン、フルオロポリマー及び少なくとも90°の本来的接触角を有するその他のポリマーからグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を含む物品の修飾された表面は、40°未満の静的接触角を示すことができる。さらなる例として、少なくとも90°の接触角を有する比較的疎水性の基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を含む物品の修飾された表面は、30°未満の静的接触角を示すことができる。さらなる例として、少なくとも90°の接触角を有する比較的疎水性の基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を含む物品の修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示すことができる。さらなる例として、少なくとも90°の接触角を有する比較的疎水性の基体にグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を含む物品の修飾された表面は、20°未満の静的接触角を示すことができる。さらなる例として、少なくとも90°の接触角を有する比較的疎水性の基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を含む物品の修飾された表面は、15°未満の静的接触角を示すことができる。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、親水性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
表面修飾なしで25°を超え90°未満である接触角を有するポリウレタン(脂肪族ポリカーボネート系ポリウレタンを含む)などの疎水性のより小さい基体からグラフトされた親水性ポリマー材料を有するカテーテル又はその構成要素(表面修飾を有する)は、25°未満の静的接触角を示すことができる。例えば、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、24°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、23°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、22°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、21°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、20°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、19°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、18°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、17°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、16°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有する基体からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有するカテーテル構成要素の修飾された表面は、15°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、一実施形態において、少なくとも25°の接触角を有するカテーテル構成要素からグラフトされた本発明の親水性ポリマー材料を有する物品の修飾された表面は、約5〜約15°の静的接触角を示す。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、親水性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
有利には、本発明の方法を、厚さ、厚さの均一性、親水性の度合(接触角)、及び/又はグラフトされたポリマー層の膨潤能、ならびに表面修飾された物品、すなわちカテーテル又はその1つもしくは複数の構成要素の表面粗さの独立的した制御を提供するように調整することができる。したがって、例えば、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの200%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル(又はその構成要素)を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの200%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するようにコントロールすることができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの100%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの50%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの25%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの20%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの25%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの10%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの25%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を有するカテーテル構成要素を提供するように制御することができる。
さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの200%未満である厚さの相違を有するグラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの100%未満である厚さの相違を有するグラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの50%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの25%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの10%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの10%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。
さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの5%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、該方法を、25°未満の静的接触角を示すカテーテル構成要素、ならびに基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均乾燥厚さ、親水性ポリマー層の厚さに関する親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超えない標準偏差、及び標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって又はポリマー層中の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定されるようなグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定されるようなグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間に平均乾燥厚さの5%未満である厚さの相違を有する、グラフトされたポリマー層を提供するように制御することができる。さらなる例として、前記例のそれぞれにおいて、グラフトされたポリマー層は、100nm〜1,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有することができる。さらなる例として、前記例のそれぞれにおいて、ポリマー層は、約100nm〜約5,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有することができる。さらなる例として、前記例のそれぞれにおいて、ポリマー層は、約300nm〜約3,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有することができる。さらなる例として、前記例のそれぞれにおいて、ポリマー層は、約500nm〜約2,500nmの範囲の平均乾燥厚さを有することができる。
一般には、グラフトされたポリマー材料を、EDSマッピング、XPS、又はTOF−SIMSを使用して基体の表面近傍ゾーン中で検出することができる。試料を、液体窒素中で凍結割断して、コーティング/基体の界面を露出することができる。次いで、割断表面を、Au/Ptの薄層で被覆し、元素分析のためのエネルギー分散型X線分析装置(EDAX)を備えた走査電子顕微鏡下で観察することができる。適切な装置としては、FEI/Philips XL30FEG ESEMが挙げられる。ポリマー材料が表面近傍ゾーン中に伸びているかどうかを評価するために、グラフトされたポリマー層を有する物品の部分の全域にほぼ均等に間隔をあけて配置した少なくとも25箇所、好ましくは少なくとも50箇所の代表的位置を分析して、表面近傍ゾーンにおけるポリマー材料の検出可能な増加を確認すべきである。例えば、グラフトされたポリマー層が、カテーテルの留置部分に施されているなら、その代表的な位置は、カテーテルの内留置部分の全域にほぼ均等に間隔をあけて存在する。物品のグラフトされたポリマー層で覆われた部分の最長寸法にわたる代表的箇所で厚さを測定することが好ましい。
本明細書中の別の場所でより詳細に説明するように、基体(すなわち、カテーテル又はその1つもしくは複数の構成要素)中への開始剤の組み込みは、ポリマー材料を基体の表面から、及び基体の表面近傍ゾーンの内部からグラフトすることを可能にする。しかし、一般に、ポリマー材料は、基体中にあまりにも遠くまで伸びないことが好ましく、したがって、一実施形態において、ポリマー材料は、表面近傍ゾーンに存在するが、より大きな深さで、すなわち全体中には存在しない。表面近傍ゾーンが伸びる最大深さは、少なくとも部分的に、開始剤、及び該開始剤を基体中に組み込むのに使用される技術の関数である。しかし、典型的には、表面近傍ゾーンの下部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から20μm以下であることが一般には好ましい。例として、下部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から15μmを超えてはならない。さらなる例として、下部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から10μmを超えてはならない。同様に、表面近傍ゾーンの最小深さ、すなわち、上部境界の基体表面からの距離は、少なくとも部分的に、やはり開始剤、及び該開始剤を基体中に組み込むのに使用される技術の関数である。しかし、典型的には、上部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から少なくとも0.1μmの位置にある。例として、上部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から少なくとも0.2μmの位置にある。さらなる例として、上部境界は、表面に垂直な方向で測定した場合に基体表面から少なくとも0.3μmの位置にある。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による中心静脈カテーテル10は、1つ又は複数の内腔(示さない)を含むカテーテル本体12、カテーテル本体のそれぞれの内腔に接続され、それらの内腔と流体連通の状態にある1つ又は複数の内腔(示さない)を含む接合ハブ14、接合ハブのそれぞれの内腔に接続され、それらの内腔と連通状態にある内腔(示さない)をそれぞれ含む延長ライン16、及び延長ラインのそれぞれの内腔に接続され、それらの内腔と流体連通の状態にある内腔(示さない)を含むコネクター18を含む。流体を患者に投与すること、又は流体を患者から抜き取ることを可能にするために、カテーテルチューブ中の内腔は、接合ハブ、延長ライン及びコネクター中のそれぞれの内腔に直列で接続される
カテーテル本体12は、一般に、1〜6つの内腔、及び対応する数の延長ライン16及びコネクター18を含む。接合ハブ14は、カテーテル本体12に含まれる内腔の数に対応した数のいくつかの内腔を含み、接合ハブの各内腔は、接合ハブ14とカテーテル本体12との間の接合部に遠位端を、接合ハブ14と延長ライン16との間の接合部に近位端を有する。同様に、各延長ライン16は、延長ラインと接合ハブ14との間の接合部に遠位端、延長ラインとコネクター18との間の接合部に近位端を有する内腔を含む。各コネクターは、また、コネクターと延長ライン16との間の接合部に遠位端、及びその反対端に近位端を有する内腔を含む。図1に示すように、延長ライン16の遠位端及びカテーテル本体12の近位端が、接合ハブ14の周りに見えるが、特定の実施形態において、延長ライン16及びカテーテル本体12は、延長ライン16の遠位端及びカテーテル本体12の近位端が接合ハブ14の内部に配置されるように、接合ハブ14中に短い距離で伸びることができる。
カテーテル本体12は、典型的には、1フレンチ(0.3mm)〜16フレンチ(5.4mm)の範囲の外径を有する円形又は楕円形の断面形状を有する。カテーテル本体12内の内腔は、ある範囲の断面幾何形状(例えば、円形、楕円形、半円形、長方形、三角形、台形、又は三日月形)のいずれかを有することができ、典型的には、直径が0.1mm〜5.0mmの円に等価な断面積を有する。内腔は、カテーテル本体の遠位端で、又はカテーテル本体の近位端と遠位端との間のカテーテル本体の長さに沿った種々の箇所で終結することができる。更に、カテーテル本体12は、近位端から遠位端に向かって次第に細くなることができ、近位端での外径は、一般に、遠位端でのカテーテル本体の外径の125%〜300%である。
本発明によれば、人体内に、血流に接触するように、又は患者に流体を導入するように、もしくは患者から流体を抜き取るように配置される予定で設計されるカテーテル10の内腔内表面及び外側表面、又はカテーテル構成要素の少なくとも1つ又は複数の表面は、好ましくは、微生物ファウリング及び血栓付着を低減するために、親水性ポリマーで修飾される。したがって、例えば、図2を参照すると、カテーテル本体12は、外側表面24、及びカテーテル本体の近位端23からカテーテル本体の遠位端25(図1参照)に伸びる内腔28を有する。内腔28は、内腔内表面26を有する(図2参照)。一実施形態において、外側表面24及び内腔内表面26は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、カテーテル本体の遠位端11からカテーテル本体の近位端13まで伸びている(図1参照)。さらなる例として、一実施形態において、接合ハブの外側表面及び接合ハブ内腔(図1又は2には示されていない)の内腔内表面は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、接合ハブの近位端19から接合ハブの遠位端21まで伸びている。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの外側表面又は延長ラインの内腔(図1又は2には示されていない)の内腔内表面は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、接合ハブの近位端15から接合ハブの遠位端17まで伸びている。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの外側表面又は延長ラインの内腔(図1又は2には示されていない)の内腔内表面は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、接合ハブの近位端15から接合ハブの遠位端17まで伸びている。さらなる例として、一実施形態において、コネクター18(例えば、ルアーハブ)の外側表面及びコネクター内腔(図1又は2には示されていない)の内腔内表面は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、延長ラインの近位端11から延長ラインの遠位端13まで伸びている。さらなる例として、一実施形態において、コネクター18(例えば、ルアーハブ)の外側表面及びコネクター内腔(図1又は2には示されていない)の内腔内表面は、親水性ポリマーで修飾され、該表面修飾は、実質的に、延長ラインの近位端11から延長ラインの遠位端13まで伸びている。さらなる例として、好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一般に、親水性ポリマーでの表面修飾は、存在するなら、本明細書中で更に説明するように、好ましくは、比較的厚く、共形でかつ実質的に均一である。
カテーテル本体は、ある範囲の生体適合性ポリマーのいずれかから製作することができる。例えば、特定の実施形態において、カテーテル本体は、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)、熱可塑性ポリウレタン−シリコーン、シリコーン、又はこれらの組合せから構成することができる。例示的なポリウレタンとしては、Lubrizol Tecothane(登録商標)、Lubrizol Carbothane(登録商標)、Lubrizol Tecoflex(登録商標)、Lubrizol Pellethane(登録商標)、Lubrizol Estane(登録商標)、Bayer Desmopan(登録商標)、Bayer Texin(登録商標)、DSM Bionate(登録商標)、DSM Biospan(登録商標)、DSM Bionate(登録商標)II、DSM Elasthane(登録商標)、BASF Elastollan(商標)、Biomerics Quadrathane(商標)、Biomerics Quadraflex(商標)、Biometrics Quadraphilic(商標)、又はこれらのデュロメーターで100A〜80Aの範囲の硬度のブレンドが挙げられる。別法として、例示的なポリウレタンは、70A〜72Dの範囲の硬度を有する。例示的なポリウレタン−シリコーンとしては、AorTech Elast−Eon(商標)、AorTech ECSil(商標)、DSM CarboSil(登録商標)、DSM Pursil(登録商標)、又はこれらのデュロメーターで80A〜60Dの範囲の硬度のブレンドが挙げられる。別法として、例示的なポリウレタン−シリコーンは、70A〜72Dの範囲の硬度を有する。例示的なシリコーンとしては、過酸化物で硬化された及び白金で硬化された、デュロメーターで50A〜60Dの範囲の硬度のシリコーンが挙げられる。別法として、例示的なシリコーンは、50A〜70Dの範囲の硬度を有する。更に、生体適合性ポリマーは、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、タングステン、タンタル、又はこれらの組合せなどの放射線不透過物を含んでいてもよい。含めるなら、放射線不透過物は、典型的には、5重量%〜40重量%で添加される。着色剤も、生体適合性ポリマー中に含めることができ、その場合、カテーテル本体は不透明である。
接合ハブは、患者へのカテーテルの取付けを容易にし、かつカテーテル本体の各内腔を個々の延長ラインへ接続する手段を提供する。接合ハブは、その構造内部に、カテーテル本体の内腔数に対応する数の円形又は楕円形の内腔を含み、接合ハブの大きさ及び形状は、内腔の数、内腔の大きさ、及び延長ラインの外径によって決まる。
延長ラインは、典型的には、円形又は楕円形のチューブであり、1つの内腔は、典型的には、それに接続されるカテーテル本体中の対応する内腔の等価内径(すなわち、内腔断面積に基づいてそれが円であると仮定した内腔の直径)と少なくとも同じ大きさである内径を有する。延長ラインの内径は、それに接続されるカテーテル本体中の対応する内腔の等価内径(すなわち、内腔断面積に基づいて円であると仮定した内腔の直径)に比べて最大で10倍までより大きくてもよい。延長ラインの外径は、典型的には、延長ラインの内径の105%〜300%であり、長さは1cm〜20cmである。
接合ハブ及び延長ラインも、ある範囲の生体適合性ポリマーのいずれかから製作することができる。例えば、特定の実施形態において、それらは、独立に、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン−シリコーン、シリコーン、又はこれらの組合せを含むことができる。例示的なポリウレタンとしては、Lubrizol Tecothane(登録商標)、Lubrizol Carbothane(登録商標)、Lubrizol Tecoflex(登録商標)、Lubrizol Pellethane(登録商標)、Lubrizol Estane(登録商標)、Bayer Desmopan(登録商標)、Bayer Texin(登録商標)、DSM Bionate(登録商標)、DSM Biospan(登録商標)、DSM Bionate(登録商標)II、DSM Elasthane(登録商標)、BASF Elastollan(商標)、Biomerics Quadrathane(商標)、Biomerics Quadraflex(商標)、Biometrics Quadraphilic(商標)、又はこれらのデュロメーターで100A〜80Aの範囲の硬度のブレンドが挙げられる。別法として、例示的なポリウレタンは、デュロメーターで70A〜72Dの範囲の硬度を有する。例示的なポリウレタン−シリコーンとしては、AorTech Elast−Eon(商標)、AorTech ECSil(商標)、DSM CarboSil(登録商標)、DSM Pursil(登録商標)、又はこれらのデュロメーターで80A〜60Dの範囲の硬度のブレンドが挙げられる。別法として、例示的なポリウレタン−シリコーンは、デュロメーターで70A〜72Dの範囲の硬度を有する。例示的なシリコーンとしては、過酸化物で硬化された及び白金で硬化された、デュロメーターで50A〜60Dの範囲の硬度のシリコーンが挙げられる。別法として、例示的なシリコーンは、デュロメーターで50A〜70Dの範囲の硬度を有する。
接合ハブは、透明、半透明、又は不透明でよく、着色剤を添加できる。延長ラインは、典型的には、透明又は半透明であるが、着色剤を添加できる。コネクター、好ましくは、ルアーハブは、ISO594−1及びISO594−2に記載のような標準化されたプレス嵌め又はネジ接合によって、各カテーテル内腔の種々の医療デバイスへの独立した接続を可能にする。ルアーハブの内径は、典型的には、コネクターの最も近位部分を除いて、取り付けられる延長ラインの内径と同一であり、内腔の形状及び大きさはISO594−1及びISO594−2により規定されている。コネクターは、デュロメーターで100A〜75Dの範囲の硬度の硬いエンジニアリング熱可塑性ポリマー、例えば、TPU、ポリ塩化ビニル、及びポリエーテルイミドの1種又は複数の種類/グレードから製作することができる。コネクターは、熱可塑性ポリウレタン、ポリエーテルイミド、又はポリ塩化ビニルから製作することができる。例示的なポリウレタンとしては、Biometrics Quadraplast(商標)、Lubrizol Tecoplast(登録商標)、Librizol Isoplast(登録商標)、Bayer Texin(登録商標)、又はSABIC Ultem(登録商標)、又はこれらのデュロメーターで100A〜75Dの範囲の硬度のブレンドが挙げられる。コネクターは、透明、半透明又は不透明でよく、着色剤を添加できる。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、カテーテルの延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、カテーテルの延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬いPVCから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、カテーテルの延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬いポリエーテルイミド(PEI)から作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体は、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族ポリウレタン(TPU)から作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体は、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬いPVCから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテル本体は、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数のポリエーテルイミドから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタン(TPU)から製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい別の実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテルTPUから製作され、コネクターは、1種又は複数のグレードの硬いPVCから作製される。好ましい別の実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリカーボネートTPUから製作され、延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテルTPUから作製され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから製作される。
好ましい別の実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリカーボネートTPUから製作され、延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテルTPUから作製され、コネクターは、1種又は複数のグレードの硬いPVCから製作される。好ましい別の実施形態において、カテーテル本体及び接合ハブは、1種又は複数の脂肪族ポリカーボネートTPUから製作され、延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテルTPUから作製され、コネクターは、1種又は複数のグレードのポリエーテルイミドから製作される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬いPVCから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体、接合ハブ及び延長ラインは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬いポリエーテルイミドから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体及び接合ハブは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、延長ラインは、1種又は複数の芳香族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体及び接合ハブは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、延長ラインは、1種又は複数の脂肪族ポリカーボネート熱可塑性ポリウレタンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。好ましい一実施形態において、カテーテルのカテーテル本体及び接合ハブは、過酸化物又は白金で硬化させた1種又は複数のシリコーンから製作され、延長ラインは、1種又は複数の脂肪族ポリエーテル熱可塑性ポリウレタンから製作され、コネクターは、1種又は複数の硬い芳香族TPUから作製される。一実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及びTecoflex(登録商標)の接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体、Pellethane(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン、及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVCコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexane(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びQuadraplast(商標)ルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体、接合ハブ、及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体、延長ライン、Quadraflex(登録商標)接合ハブ、及びQuadraplast(商標)ルアーハブコネクターを有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体、Quadraflex(商標)延長ライン及び接合ハブ、ならびにQuadraplast(商標)ルアーハブコネクターを有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及びTecoflex(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体、Pellethane(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVCコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadrathane(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
一実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及びTecoflex(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。一実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体、Pellethane(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVCコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Quadraflex(商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Malrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体、Tecothane(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Carbothane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Texin(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Tecoflex(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体、接合ハブ、及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び延長ライン、Tecothane(登録商標)接合ハブ、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び延長ライン、Tecothane(登録商標)接合ハブ、ならびにポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び延長ライン、Tecothane(登録商標)接合ハブ、ならびにPVC製のルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Pellethane(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体、Tecothane(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体、Tecothane(登録商標)接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、PurSil(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体、Tecothane(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及びTecothane(登録商標)接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Biospan(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体、Tecoflex(登録商標)接合ハブ及び延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及びTecothane(登録商標)接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体、Tecothane(登録商標)接合ハブを、Tecoflex(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、Pellethane(登録商標)延長ライン及びIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びPVC製のルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。別の実施形態において、カテーテルは、Bionate(登録商標)カテーテル本体及び接合ハブを、シリコーン製の延長ライン及びポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターと共に有する。
別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Pellethane(登録商標)延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Pellethane(登録商標)延長ライン、ならびにPVC製のルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Pellethane(登録商標)延長ライン、ならびにポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Tecoflex(登録商標)延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Quadraflex(商標)延長ライン、ならびにIsoplast(登録商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Quadraflex(商標)延長ライン、ならびにQuadraplast(商標)ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Tecoflex(登録商標)延長ライン、ならびにPVC製のルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Quadraflex(商標)延長ライン、ならびにPVC製のルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Tecoflex(登録商標)延長ライン、ならびにポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体及び接合ハブ、Quadaflex(商標)延長ライン、ならびにポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体、接合ハブ、及び延長ライン、ならびにPVC製のルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体、接合ハブ及び延長ライン、ならびにポリエーテルイミド(Ultem(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。別の実施形態において、カテーテルは、シリコーン製のカテーテル本体、接合ハブ及び延長ライン、ならびにポリカーボネート(Lexan(登録商標)、Makrolon(登録商標))ルアーハブコネクターを有する。
先の段落96〜106中で特に言及しない場合、コネクターを製作するのに、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエーテルイミド(PEI)を、硬い芳香族熱可塑性ポリウレタン(Quadaplast(商標)、Isoplast(登録商標)、Tecoplast(登録商標))に代わって使用することができる。
図3を参照しながら、一実施形態による末梢挿入型中心静脈カテーテル(「PICC」)を説明する。図示したように、カテーテル10は、近位端23及び遠位端25を有し、2つの内腔28(図4参照)を画定するカテーテル本体12を含む。接合ハブ近位端19及び接合ハブ遠位端21を有する接合ハブ14は、カテーテル本体の近位端23に接続されて、カテーテル本体12の2つの各内腔を、2つの延長ライン16のそれぞれ1つに相互に接続する。各延長ライン16にはルアーコネクター18が取り付けられる。図3に示すように、延長ライン16の遠位端及びカテーテル本体12の近位端が、接合ハブ14の近くに見えるが、特定の実施形態において、延長ライン16及びカテーテル本体12は、延長ライン16の遠位端及びカテーテル本体12の近位端が、接合ハブ14の内部に位置するように、接合ハブ14中に短い距離で伸びることができる。
ここで図4を参照すると、カテーテル本体12は、カテーテル本体の壁20及び隔壁22を含む。内腔28は、内腔内表面26及び30によって囲まれ、カテーテル本体の近位端23から遠位端25まで伸びている(図3参照)。
カテーテル10及びその構成要素のそれぞれ(例えば、カテーテル本体12、接合ハブ14、延長ライン16、及びルアーコネクター18)は、任意の適切な生体適合性材料から作製することができる。一実施形態において、例えば、構成部分は、独立に、生体適合性ポリマー、例えば、ポリウレタン又はそのコポリマー、ポリエーテル又はそのコポリマー、ポリカーボネート又はそのコポリマー、ポリシリコーン又はそのコポリマーを含むことができる。更に、カテーテル本体12は、硫酸バリウム又はその他の放射線不透過物を含むことができる。典型的には、構成部分のそれぞれは、生体適合性材料を含むが、必ずしも同一材料ではない。したがって、例えば、一実施形態において、カテーテル本体12は、ポリウレタン又はそのコポリマーを含むことができるが、一方、接合ハブ14、延長ライン16及びルアーコネクター18の1つ又は複数は、カテーテル本体12と比較して、一部の実施形態では互いと比較して、異なるポリウレタン(コ)ポリマー、あるいは更には異なる種類のポリマーを含む。
本発明によれば、カテーテル10の内腔内表面及び外側表面、あるいは人体内に配置されて、血流に接触するように、患者に流体を導入するように、又は患者から流体を抜き取るように設計されているカテーテル構成要素の少なくとも1つ又は複数の内腔内表面及び外側表面は、好ましくは、微生物ファウリング及び血栓付着を低減するために親水性ポリマーで修飾される。例えば、一実施形態において、カテーテル本体の壁20の外側表面24及び内腔内表面26、30(図4参照)は、少なくとも約50nmの厚さを有する親水性の好ましくは非ファウリング性のポリマー表面修飾を含み、好ましくは、その厚さは、本明細書中の他の場所で説明するように実質的に均一、かつ共形である。さらなる例として、一実施形態において、カテーテル本体の壁20及び隔壁22は、ポリウレタンポリマー(又はコポリマー)を含み、接合ハブ14、延長ライン16及びルアーコネクター18の1つ又は複数は、カテーテル本体の壁20及び隔壁22と比較して異なるポリマーを含み、これらの構成要素のそれぞれの外側表面及びそれらの中に含まれる内腔は、該構成要素の表面からグラフトされた親水性ポリマーで修飾されている。それぞれのこのような例において、一般に、親水性ポリマーの厚さは、少なくとも約50nmであり、表面修飾は、実質的に共形で、かつ実質的に均一であることが好ましい。さらなる例として、好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマーもしくはコポリマー、シリコーン、フッ素化ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルイミド又はポリカーボネートからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマーもしくはコポリマー、シリコーン、フッ素化ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルイミド又はポリカーボネートからグラフトされている。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマーもしくはコポリマー、シリコーン、フッ素化ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルイミド又はポリカーボネートからグラフトされる。
図3に示したように、カテーテル10は、末梢挿入型中心静脈カテーテル(「PICC」)であるが、本発明によるカテーテルの中の一実施形態であり、患者のカテーテル本体への導管又はその他の進入路を確立するためのその他の種類及び配置のカテーテルも、本開示から利益を得ることができ、したがって、本開示の原理は、本明細書中で明確に示されかつ説明されるものに限定されるべきでない。チューブの形状、カテーテルの材料、及び標準的なカテーテルの特徴に関する変形形態を含めて、開示された好ましい実施形態の様々な形状もあり得ることを認識されたい。例えば、カテーテル本体の遠位先端部分は、様々な形状でよい。更に、カテーテル本体(及び対応する接合ハブ)は、1つの内腔を含むことができ、キンク形成の低減、壁厚の最小化、又は放射線不透過性(異なる放射線不透過性を利用して、例えば、医師がX線下で眺めて動脈及び静脈先端を区別するのを助けることができる)などの物理的特性を改善するために、異なるデュロメーター又は放射線不透過物を含めて製造することができる。更に、カテーテル本体(及び対応する接合ハブ)は、3つ以上の内腔を含むことができ、キンク形成の低減、壁厚の最小化、又は放射線不透過性(異なる放射線不透過性を利用して、例えば、医師がX線下で眺めて動脈及び静脈先端を区別するのを助けることができる)などの物理的特性を改善するために、異なるデュロメーター又は放射線不透過物を含めて製造することができる。
カテーテルを所定の医療手順に合わせるために、カテーテル先端を、加熱すること、曲げること、レーザーで切断することなどを含む加工ステップにかけて、複雑な幾何学的形状、カットアウト、又はその双方を有するカテーテル先端を提供することができる。例えば、図5a〜5fに示した二重内腔カテーテル先端を参照されたい。図示したように、内腔は、隣接しない遠位端(図5a、5c、5d及び5e)を有することができる。内腔の遠位端は、割裂されていてもよい(図5c及び5d)。割裂された内腔の遠位端は、それぞれの内腔が異なる曲率中心を有して湾曲していてもよい(図5c及び5d)。カテーテル本体の壁を、レーザー切断するか、そうでなければ機械加工して、カットアウト又はその他の複雑な幾何学的形状を導入することができる(図5b、5e及び5f)。一部の実施形態において、このような加工ステップは、先端領域に10cm未満の曲率半径を有するカテーテル本体を準備することができる。さらなる例として、一部の実施形態において、このような加工ステップは、先端領域に5cm未満の曲率半径を有するカテーテル本体を準備することができる。さらなる例として、一部の実施形態において、このような加工ステップは、先端領域に2.5cm未満の曲率半径を有するカテーテル本体を準備することができる。さらなる例として、一部の実施形態において、このような加工ステップは、先端領域に1cm未満の曲率半径を有するカテーテル本体を準備することができる。さらなる例として、一部の実施形態において、このような加工ステップは、先端領域に0.5cm未満の曲率半径を有するカテーテル本体を準備することができる。しかし、このようなステップは、カテーテルチューブの他の部分に比べて、カテーテルチューブの先端領域の化学的又は物理的特性を変える可能性があり、結果として、双性イオンポリマーによる表面修飾の程度に影響を及ぼす可能性がある。
その先端領域が図5aで示される先端が段階型のカテーテルにおいて、カテーテル本体の遠位端の1つの内腔のための出口は、1つ又は複数のさらなる内腔のための出口の少なくとも2cm遠位に存在する。図5b及び5cで示されるような先端が割裂型のカテーテルにおいて、2つ以上の内腔は、先端領域内の若干の突端で、共通の壁又は隔壁を共有しないポリマー壁で取り囲まれている。一般に、先端が割裂型のカテーテルは、DDカテーテル本体及び2つの個々のD形単一内腔先端セグメントを別個に押し出すこと、及び熱を利用して2つの先端セグメントを本体に付着させることによって作り出すことができる。その2つの実施形態の先端領域が図5a及び5dで示される先端が湾曲型のカテーテルにおいて、該先端領域は、体内に配置されると、カテーテルの軸方向で0.25〜2インチ(0.6cm〜5cm)の曲率半径を有する成形形状を含む。別法として、体内に配置された場合、先端領域の任意の部分がカテーテル本体の半径中心から半径方向に少なくとも0.75cm伸びるなら、カテーテルを先端湾曲型カテーテルであるとみなすことができる。
好ましい実施形態において、先端領域に関して測定されるような局所平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔長に沿って測定されるような平均乾燥厚さの少なくとも25%である。例えば、このような一実施形態において、先端領域に関して測定されるような局所平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔長に沿って測定されるような平均乾燥厚さの少なくとも50%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域に関して測定されるような局所平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔長に沿って測定されるような平均乾燥厚さの少なくとも80%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域に関して測定されるような局所平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔長に沿って測定されるような平均乾燥厚さの少なくとも90%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域に関して測定されるような局所平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔長に沿って測定されるような平均乾燥厚さの少なくとも95%である。
更に、カテーテルの先端領域は、デバイスの使用中に血管系中への挿入箇所で作り出される可能性のある血流撹乱のため、とりわけ血栓形成の危険がある。したがって、血栓形成の危険を最小にするため、双性イオンポリマーでの表面修飾は、比較的均一かつ共形であるのが好ましい。例えば、一部の実施形態において、先端領域は、0.5mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.25mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.1mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.05mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.01mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.005mm2のレベルで共形である。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域は、0.001mm2のレベルで共形である。
好ましい実施形態において、先端領域の厚さ又は共形性に関する上記仕様は、先端が段階型の血液透析カテーテルに対して達成される。好ましい実施形態において、先端領域の厚さ又は共形性に関する上記仕様は、先端が段階型の血液透析カテーテルに対して達成される。好ましい実施形態において、先端領域の厚さ又は共形性に関する上記仕様は、先端が段階型の血液透析カテーテルに対して達成される。好ましい実施形態において、先端領域の厚さ又は共形性に関する上記仕様は、先端が湾曲型の血液透析カテーテルに対して達成される。
一実施形態によれば、一般に、カテーテル10の外側表面、カテーテル本体12、接合ハブ14、延長ライン16及びコネクター18の内腔表面、ならびに患者に投与される又は患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるカテーテル10の任意のその他の外側表面及び内腔内表面は、少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを好ましくは有するグラフト−フロム型親水性ポリマーで修飾されることが好ましい。一部のカテーテル構成要素では、実質的により厚くグラフトされたポリマー層が望ましいこともある。例えば、グラフトされた親水性ポリマー層は、50μmの平均乾燥厚さを有することができる。しかし、典型的には、グラフトされた親水性ポリマー層は、より小さな平均厚さを有する。例えば、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、10μmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、1μmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、500nmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約100nm〜約1,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約200nm〜約700nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約300nm〜約600nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約100nm〜約5,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約300nm〜約3,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、グラフトされた親水性ポリマー層は、約500nm〜約2,500nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。好ましい実施形態において、グラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)を真空下で使用して、又はポリマー層中の化学シグナルの強度をATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定される。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
ほとんどすべての血液透析カテーテルは、二重内腔設計であり、円形又は楕円形のカテーテル本体の内径は、動脈(入口)用及び静脈(出口)用内腔の間で等しく分割されている。カテーテルの内腔は、並行配置(円形、楕円形又はD形の断面)、又は同軸配置(円形、又は楕円形の断面)で存在できる。2つの内腔の開口部の位置取り及び形状、及びそれらの互いとの位置は、二重内腔カテーテルのためのカテーテル先端設計の主な設計要素である。
一部の血液透析カテーテルは、三重内腔設計であり、円形又は楕円形のカテーテル本体の内径は、2つの等しい大きさの内腔(動脈(入口)及び静脈(出口))ならびにより小さい1つの内腔に分割される。カテーテルの内腔は、並行配置(円形、楕円形又はD形の断面)、又は同軸配置(円形又は楕円形の断面)で存在できる。第3内腔の位置は、2つの大きな内腔の間に存在するか、又は2つのより大きな内腔からはずれていてもよい。3つの内腔の開口部の位置取り及び形状、及びそれらの互いとの位置は、三重内腔カテーテルのためのカテーテル先端設計の主な設計要素である。
カテーテル先端のもう1つの形状/配置が、同軸設計である。動脈用内腔(入口)は、カテーテル本体の遠位先端で、テーパー又は円形輪郭の形態で開口し、先端及び/又はカテーテル本体の側面に1つ又は複数のさらなる開口部を有することができる。静脈用内腔(出口)の開口部は、動脈用内腔の開口部の軸と一致しており、カテーテル本体の側面に1つ又は複数のさらなる開口部を有することができる。静脈用内腔(出口)の開口部は、動脈用内腔の開口部の近位に存在する。動脈用内腔の開口部と静脈用内腔の開口部との間のカテーテル本体の直径は、静脈用内腔の開口部の近位のカテーテル本体の外径に比べてより小さい外径であり、カテーテル本体に対して同軸であり、動脈用内腔のみからなる。
動脈用内腔は、カテーテル本体の中心軸を通って突き出ており、静脈用内腔の開口部は、より小さな動脈用カテーテルの外径が始まる箇所に存在することができ、カテーテル本体の小さな外径の全部又は一部の周囲に存在することができる。同軸先端設計の例が、Covidien HemoStream及びBard Brevia(商標)である。
カテーテル先端のもう1つの形状/配置が、Covidien Palindrome(商標)カテーテルで例示される対称設計である。動脈用内腔(入口)及び静脈用内腔(出口)は、カテーテル本体の遠位先端で、各内腔がカテーテル本体の側面に1つ又は複数のさらなる開口部を有することのできる、角度を付けた又は曲線形状の開口部の形態で開口する。カテーテルの内腔を分離する内部壁は、カテーテルの遠位先端まで完全に伸びており、動脈用及び静脈用内腔の開口部の間の分離を提供する。
三重内腔型血液透析カテーテルの遠位先端の形状/配置の例は、一般に、「テーパー先端」設計と呼ばれる。動脈用内腔(入口)は、テーパー部の遠位先端で開口し、テーパー部及び/又はカテーテル本体の側面に1つ又は複数のさらなる開口部を有することができる。静脈用内腔(出口)の開口部は、カテーテル本体の側面上の1つ又は複数の開口部からなることができ、動脈用内腔の開口部に近接して存在する。第3内腔の開口部は、カテーテル本体の側面上の1つ又は複数の開口部からなることができ、静脈用内腔の開口部に近接して存在する。カテーテル本体のテーパー状先端部分は、カテーテル本体の残り残りの部分と異なるポリマーで作製することができる。この先端設計を有するカテーテルの例が、12フレンチのCovidien Mahurkar(商標)ライン、三重内腔急性血液透析カテーテル、Medcomp T3(商標)、及びMedcomp Tri−Flow(登録商標)である。
テーパー状先端設計三重内腔の修飾形態が、Bard Power−Trialysis(商標)カテーテルによって例示され、該カテーテルは、動脈用及び静脈用内腔の開口部をテーパー型先端の近位部分の反対側であるが平行な側面に有し、第3内腔のための開口部が動脈用及び静脈用内腔の開口部に対して遠位に配置され、及びテーパー部の遠位端に開口部をもたない。
一般に、カテーテル構成要素上の親水性ポリマーの厚さは、比較的均一であるのが好ましい。カテーテル本体に関して、例えば、一般に、外側表面24上の、及び内腔内表面26上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも50nmであるのが好ましい。このような好ましい一実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも100nmである。別のこのような好ましい実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも250nmである。別のこのような好ましい実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも300nmである。別のこのような好ましい実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも400nmである。別のこのような好ましい実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも500nmである。別のこのような好ましい実施形態において、内腔内表面上の乾燥厚さは、近位端23と遠位端25との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも1,000nmである。
特定の実施形態において、また、接合ハブの外側表面及び内腔内表面上の親水性ポリマーの厚さは、比較的均一であるのが好ましい。例えば、一般に、接合ハブの外側表面上の、及び接合ハブの内腔内表面上のグラフトされた双性イオンポリマー層の乾燥厚さは、接合ハブ内腔のそれぞれの近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも50nmであるのが好ましい。このような好ましい一実施形態において、接合ハブの外側表面上の、及び接合ハブの内腔内表面上の乾燥厚さは、接合ハブの内腔のそれぞれの近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも100nmである。別のこのような好ましい実施形態において、接合ハブの外側表面上の、及び接合ハブの内腔内表面上の乾燥厚さは、接合ハブの内腔のそれぞれの近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも250nmである。別のこのような好ましい実施形態において、接合ハブの外側表面上の、及び接合ハブの内腔内表面上の乾燥厚さは、接合ハブの内腔のそれぞれの近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも500nmである。別のこのような好ましい実施形態において、接合ハブの外側表面上の、及び接合ハブの内腔内表面上の乾燥厚さは、接合ハブの内腔のそれぞれの近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも1,000nmである。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
特定の実施形態において、各延長ラインの外側表面及び内腔内表面上の親水性ポリマーの厚さは、比較的均一であることがやはり好ましい。例えば、一般に、各延長ラインの外側表面上の、及び延長ラインの内腔内表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、各延長ライン内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも50nmであることが好ましい。このような好ましい一実施形態において、各延長ラインの外側表面上の、及び延長ラインの内腔内表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、各延長ライン内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも100nmであるのが好ましい。別のこのような好ましい実施形態において、各延長ラインの外側表面上の、及び延長ラインの内腔内表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、各延長ライン内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも250nmであるのが好ましい。別のこのような好ましい実施形態において、各延長ラインの外側表面上の、及び延長ラインの内腔内表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、各延長ライン内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも500nmであるのが好ましい。別のこのような好ましい実施形態において、各延長ラインの外側表面上の、及び延長ラインの内腔内表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さは、各延長ライン内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも1,000nmであるのが好ましい。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされている。一実施形態において、この段落中で挙げられる前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされている。
特定の実施形態において、各コネクターの外側表面及び内腔内表面上の親水性ポリマーの厚さは、比較的均一であることがやはり好ましい。例えば、一般に、各コネクターの外部表面上の、及びコネクターの内腔内表面上のグラフトされた双性イオンポリマー層の乾燥厚さは、各コネクター内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも50nmであるのが好ましい。このような好ましい一実施形態において、各コネクターの外側表面上の、及びコネクターの内腔内表面上の乾燥厚さは、各コネクター内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも100nmであるのが好ましい。別のこのような好ましい実施形態において、各コネクターの外側表面上の、及びコネクターの内腔内表面上の乾燥厚さは、各コネクター内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも250nmである。別のこのような好ましい実施形態において、各コネクターの外側表面上の、及びコネクターの内腔内表面上の乾燥厚さは、各コネクター内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも500nmである。別のこのような好ましい実施形態において、各コネクターの外側表面上の、及びコネクターの内腔内表面上の乾燥厚さは、各コネクター内腔の近位端と遠位端との間の中間点領域に位置する場所で、少なくとも1,000nmである。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含む該ポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
好ましい一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン又はコネクターなどのカテーテル構成要素の内腔内表面の中間点領域に位置する場所での(すなわち、カテーテル構成要素の内腔表面に沿った軸方向の中間点領域に位置する場所での)乾燥厚さは、500μm未満である。例えば、一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、250μm未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、100μm未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、50μm未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、25μm未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、10μm未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、5μm未満である。
一般に、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン又はコネクターなどのカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での親水性ポリマー層の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素のこのような内腔の全長についての親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の近位端から遠位端までの内腔表面上の双性イオンポリマー層の平均乾燥厚さ)の少なくとも50%の厚さである。例えば、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での親水性ポリマー層の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素のこのような内腔の全長についての親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも75%の厚さである。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での親水性ポリマー層の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素のこのような内腔の全長についての親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも80%の厚さである。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での親水性ポリマー層の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素のこのような内腔の全長についての親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも90%の厚さである。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での親水性ポリマー層の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素のこのような内腔の全長についての親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも95%の厚さである。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン又はコネクターなどのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の近位端から遠位端までの内腔表面上の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差)も、好ましくは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の近位端から遠位端までの内腔表面上の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ)の100%未満である。例えば、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの75%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの50%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの25%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの20%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの15%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの10%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの5%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの3%未満である。さらなる例として、このような一実施形態において、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの標準偏差は、そのカテーテルの構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの1%未満である。それぞれのこのような例において、上記カテーテル構成要素の内腔は、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、又は患者に投与される又は患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるその他のカテーテル構成要素の内腔でよい。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
好ましい実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン又はコネクターの内腔など、カテーテル構成要素の内腔上の親水性ポリマー層は、共形である。例えば、一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、500mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、250mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、100mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、50mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、25mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、10mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、5mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、2mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、1mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、0.5mm2のレベルで共形である。さらなる例として、このような一実施形態において、このようなカテーテル構成要素の内腔表面上の親水性ポリマー層は、0.1mm2のレベルで共形である。それぞれのこのような例において、上記のカテーテル構成要素の内腔は、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、又は患者に投与される又は患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるその他のカテーテル構成要素の内腔でよい。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
一部の実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の部分のみを親水性ポリマーで修飾することが望ましいこともある。親水性ポリマーでの内腔表面の修飾が望まれるそれらの領域では、ポリマー層が、共形であり、かつこのような領域で少なくとも50nmの厚さを有することが一般に好ましい。しかし、一般に、このような領域は、少なくとも2cmの(親水性ポリマーで修飾された内腔領域の近位端から遠位端の方向に測定した場合)長さを有する。例えば、このような一実施形態において、少なくとも2cmの長さを有する内腔表面領域の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、少なくとも50nmである。さらなる例として、このような一実施形態において、少なくとも2cmの長さを有する内腔表面領域の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、少なくとも100nmである。さらなる例として、このような一実施形態において、少なくとも2cmの長さを有する内腔表面領域の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、少なくとも250nmである。さらなる例として、このような一実施形態において、少なくとも2cmの長さを有する内腔表面領域の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、少なくとも500nmである。さらなる例として、このような一実施形態において、少なくとも2cmの長さを有する内腔表面領域の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、少なくとも1000nmである。それぞれのこのような例において、上記のカテーテル構成要素の内腔は、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、又は患者に投与される又は患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるその他のカテーテル構成要素の内腔でよい。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン又はコネクターなどのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の近位端から遠位端までの内腔表面上の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ)は、また、好ましくは、カテーテル構成要素の長さに沿って測定した場合のこのような内腔を含むカテーテル構成要素の外側表面上の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の外側表面上の近位端から遠位端までの親水性ポリマー層の平均乾燥厚さ)のかなりの比率である。例えば、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの10%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの25%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの50%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの75%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの85%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの90%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの95%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの97%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの99%を超える。それぞれのこのような例において、上記のカテーテル構成要素の内腔は、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるその他のカテーテル構成要素の内腔でよい。
好ましい実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の近位端から遠位端までの中間点領域に位置する場所での内腔表面上の親水性ポリマー層の乾燥厚さ)は、カテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さ(すなわち、このような内腔を含むカテーテル構成要素の外側表面上の親水性ポリマー層の、その近位端から遠位端までの中間点領域に位置する場所での乾燥厚さ)の10%を超える。例えば、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの25%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの50%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの75%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの85%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの90%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの95%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの97%を超える。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル構成要素の内腔の中間点領域に位置する場所での乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の外側表面の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの99%を超える。それぞれのこのような例において、上記のカテーテル構成要素の内腔は、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触する可能性のあるその他のカテーテル構成要素の内腔でよい。
カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、典型的には、少なくとも3:1の内腔アスペクト比を有する。例えば、特定の実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも5:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも10:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも25:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも50:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも100:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも250:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも500:1の内腔アスペクト比を有することができる。さらなる例として、このような一実施形態において、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、コネクター(例えば、ルアーハブ)、及び/又は患者に投与されるか患者から抜き取られる流体に接触するように設計されたその他のカテーテル構成要素の内腔は、少なくとも1000:1の内腔アスペクト比を有することができる。
好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。更に、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおいて、平均乾燥厚さ、平均乾燥厚さの標準偏差、共形性、乾燥厚さ、フィブリノーゲン吸着アッセイにおけるフィブリノーゲン吸着、接触角、表面粗さ、及び非ファウリング性表面修飾に関して本明細書中で指定されるその他のパラメーターは、本明細書中の他の場所で提供される通りでよい。
カテーテルを所定の医療手順に合わせるために、カテーテル先端を、加熱すること、曲げること、レーザーで切断することなどを含む加工ステップにかけて、複雑な幾何学的形状、カットアウト、又はその双方を有するカテーテル先端を提供することができる。しかし、このようなステップは、カテーテル本体の先端領域の化学的又は物理的特性を、カテーテル本体のその他の部分に比較して変更し、かくして、双性イオンポリマーによる表面修飾の度合に影響を及ぼす可能性がある。しかし、一般に、先端領域について測定した場合の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも25%である。例えば、このような一実施形態において、先端領域上で測定した場合の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも50%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域上で測定した場合の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも80%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域上で測定した場合の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも90%である。さらなる例として、このような一実施形態において、先端領域上で測定した場合の乾燥厚さは、そのカテーテル構成要素の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも95%である。この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれに関する一実施形態において、先端領域上で測定した場合の親水性ポリマーの平均乾燥厚さは、少なくとも約50nmである。一部の先端領域に関して、実質的により厚くグラフトされたポリマー層が望ましいこともある。例えば、先端領域において、親水性ポリマー層は、50μmの平均乾燥厚さを有することができる。しかし、典型的には、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、より薄い平均厚さを有する。例えば、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、10μmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、1μmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、500nmまでの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約100nm〜約1,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。
さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約200nm〜約700nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約300nm〜約600nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約100nm〜約5,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約300nm〜約3,000nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、一部の実施形態において、先端領域のグラフトされた親水性ポリマー層は、約500nm〜約2,500nmの範囲の平均乾燥厚さを有する。好ましい実施形態において、先端領域のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、走査電子顕微鏡(SEM)を真空下で使用して、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定される。好ましい実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、非ファウリング性である。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、中性の親水性ペンダント基、例えばアルコキシル化部分を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、ホスホリルコリン、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウム反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーである。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、双性イオンポリマーであり、該双性イオンポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーであり、該カルボキシアンモニウム又はスルホアンモニウムポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。一実施形態において、この段落中で挙げた前記例及び実施形態のそれぞれにおける親水性ポリマーは、スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーであり、該スルホベタイン又はカルボキシベタイン反復単位を含むポリマーは、ポリウレタンポリマー又はコポリマーからグラフトされる。
更に、カテーテルの先端領域は、デバイスの使用中に、血管系中への挿入箇所で作り出される可能性のある血流に対する撹乱のため、とりわけ、血栓形成の危険が存在する。したがって、血栓形成の危険を最小にするため、双性イオンポリマーによる表面修飾は、比較的均一でかつ共形であるのが好ましい。例えば、一実施形態において、先端領域は、0.01mm2のレベルで共形である。一部の実施形態において、先端領域は、0.05mm2のレベルで共形である。一部の実施形態において、先端領域は、0.1mm2のレベルで共形である。一部の実施形態において、先端領域は、0.25mm2のレベルで共形である。一部の実施形態において、先端領域は、0.5mm2のレベルで共形である。
カテーテル本体が硫酸バリウムなどの放射線不透過剤を含むそれらの実施形態において、とりわけ、レーザー切断又は加熱成形を介する先端成形に際して考え得る1つの結果は、カテーテル本体の残りの部分におけるカテーテル本体の外側表面及び内腔表面に比較して、先端領域のカテーテル本体の外側表面及び内腔表面上に増大したレベルの無機放射線不透過剤を有する先端領域が形成されることである。一部の実施形態において、先端領域又は全カテーテルは、表面修飾を施す前に、放射線不透過剤の一部又は全部を溶解するための溶液に曝露される。このような例示的な一実施形態において、カテーテル本体は、曝露された硫酸バリウム又はその他の放射線不透過剤の粒子を少なくとも部分的に除去するために、酸(例えば、1N塩酸)又は塩基(例えば、1N水酸化ナトリウム)で処理される。別法として、1Nのエチレンジオキシ−ジエチレン−ジニトリロ−四酢酸(EDTA)などのキレート剤溶液をポリウレタン上に適用することができる。酸、塩基、及び/又はキレート剤での処理時間は、1時間〜24時間又はそれ以上の範囲、より好ましくは約2時間である。なんらかの特定の理論に拘泥するものではないが、酸、塩基、及び/又はキレート化剤での処理は、溶液に対するそれらの溶解度を増大させることによって、及び/又は基体への粒子の粘着を減少させることによって、表面から粒子を低減させるか、少なくとも部分的に除去することができる。代表的な酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、乳酸、酢酸、炭酸、ギ酸、クエン酸、シュウ酸、尿酸、カルボン酸、スルホン酸、スルファミン酸、亜塩素酸などが挙げられる。代表的な塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア溶液、亜塩素酸ナトリウムなどが挙げられる。代表的なキレート剤としては、例えば、水、炭水化物(多糖類を含む)、1つを超える配位基をもつ有機酸、脂質、ステロイド、アミノ酸及び関連化合物、ペプチド、ホスフェート、ヌクレオチド、テトラピロール、フェリオキサミン、イオノフォア(グラミシジン、モネンシン、バリノマイシンなど)、フェノール、2,2’−ビピリジル、ジメルカプトプロパノール、エチレンジアミン四酢酸、EDTA、エチレンジオキシ−ジエチレン−ジニトリロ−四酢酸、EGTA、エチレングリコール−ビス−(2−アミノエチル)−N,N,N’,N’−四酢酸、ニトリロ三酢酸、NTA、オルト−フェナントロリン、サリチル酸、トリエタノールアミン、TEA、5−スルホサチリル酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、エチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸、エンテロバクチン、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及び対応する塩などが挙げられる。特定の好ましいキレート剤が、ポリアミノカルボン酸、例えば、グリシン、β−アラニン、イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)などである。
前に言及したように、カテーテル構成要素(例えば、カテーテル本体、接合ハブ、延長ライン、及びルアーハブなどのコネクター)は、異なるポリマー、コポリマー、あるいは更に同一のポリマー又はコポリマーの異なるグレードを含むことができる。このような例において、これらの異なる材料の外側表面及び/又は内腔内表面上に親水性ポリマーによる表面修飾を有することが好ましいことがあるが、表面修飾の厚さは、異なる構成要素に対して相違する可能性がある。例えば、一実施形態において、延長ラインの内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さは、そのカテーテル本体の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも25%である。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さは、そのカテーテル本体の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも50%である。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さは、そのカテーテル本体の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも80%である。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さは、そのカテーテル本体の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも90%である。さらなる例として、一実施形態において、延長ラインの内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さは、そのカテーテル本体の内腔の長さに沿って測定した場合の平均乾燥厚さの少なくとも95%である。さらなる例として、一実施形態において、これらの比率は、カテーテル本体及び内腔が異なる材料から形成される場合に、満たされる。
好ましい実施形態において、アンダーコーティング層及びグラフトされたポリマー層を合わせた厚さに対して若干の考慮が付与される。例えば、一般に、アンダーコーティング層及びグラフトされたポリマーは、デバイスの構成要素の寸法、例えば内腔直径を著しく変えることはないことが好ましい。したがって、一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層を合わせた平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の1%未満である。一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の0.5%未満である。一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の0.25%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の0.1%未満である。特定の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の0.05%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、適用されるカテーテル内腔の直径の0.01%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さは、施されるカテーテル内腔の直径の0.001%未満である。
表面修飾
一般に、親水性、好ましくは非ファウリング性のポリマー材料は、その中に1種又は複数の重合開始剤が組み込まれた基体からグラフトされる。一実施形態において、親水性ポリマー材料は、2種以上の材料の複合材、例えば、その上に異なるポリマー材料のコーティング(例えば、本明細書中の他の場所で説明するようなアンダーコーティング又はプレコーティング)を有する基礎ポリマー材料である基体からグラフトされる。例えば、一実施形態において、親水性ポリマー材料は、ポリマー性アンダーコート層、例えば、ポリウレタンなどのポリマー性バルク材料の上に重なるポリウレタン層からグラフトされる。
好ましくは、基体からグラフトされる親水性ポリマー材料は、連鎖成長型ポリマー(すなわち、付加重合によって形成されるポリマー又はポリマーブロック)又はその組合せを含む。連鎖成長型ポリマーは、例えば、二重結合又は三重結合を組み込んだモノマー、例えばオレフィンから誘導される付加ポリマーでよい。さらなる例として、連鎖成長型ポリマーは、開環重合反応により環状モノマーから誘導される付加ポリマーを含むことができる。したがって、ポリマーは、連鎖成長型ホモポリマー又はコポリマーでよい。好ましい実施形態において、ポリマーは、連鎖成長型付加ホモポリマー、又は2つ以上のモノマー残基を含む連鎖成長型付加コポリマーである。
本発明の一態様によれば、一般に、親水性ポリマー材料は多官能性架橋剤を過度に使用しないで調製されるのが好ましい。例えば、一般に、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の50モル%未満の残留物を含むのが好ましい。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の25モル%未満の残留物を含む。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の10モル%未満の残留物を含む。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の5モル%未満の残留物を含む。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の3モル%未満の残留物を含む。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の0.1モル%未満の残留物を含む。このような一実施形態において、親水性ポリマー材料は、多価架橋剤の残留物を含まない。
グラフト化、逐次成長又は連鎖成長技術を介して、親水性ポリマー材料は、ある範囲のポリマー種のいずれか又はそれらの組合せを含むことができる。ポリマー骨格は、中性であるか(例えば、ポリアルキレン又はポリエーテル)、あるいは永久的に帯電した部分(例えば、環式又は脂環式の第四級窒素原子)又は更には双性イオン骨格(例えばホスホリルコリン骨格)を含むことができる。したがって、一実施形態において、親水性ポリマー材料は、ポリアミド、ポリアミン、ポリアンヒドリド、ポリアジン、ポリ(カーボネート)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリグアニジン、ポリイミド、ポリケタール、ポリ(ケトン)、ポリオレフィン、ポリ(オルトエステル)、ポリホスファジン、多糖、ポリシロキサン、ポリスルホン、ポリ尿素、ポリウレタン、ハロゲン化ポリマー、シリコーン、炭化水素、エーテル−エステル、エーテル−アミド、又はイオン化ポリエチレン、及びこれらの組合せからなる群から選択されるポリマー又はコポリマーを含む。
ポリマーは、また、親水性及び疎水性の、中性、アニオン性、カチオン性、又は混合帯電型の広範な範囲のペンダント(側鎖)基を含むことができる。例えば、ペンダント基は、ヒドロキシ基、オリゴ(エチレングリコール)及び/又はポリ(エチレングリコール)部分などの中性の親水性基を含むことができるか、アニオン部分、カチオン部分、及び双性イオン部分などの帯電基を含むことができる。
双性イオン基
双性イオンは、同一分子内の非隣接原子上に形式的な正電荷及び負電荷を有する分子、求電子剤又は求核剤の付加又は除去によって、あるいは保護基の除去によってイオン化され得る分子である。双性イオン官能基を含む天然及び合成ポリマーは、双方ともタンパク質の付着に抵抗することが示されている。一実施形態において、双性イオンモノマーは、ホスホリルコリン部分、カルボキシアンモニウム部分、スルホアンモニウム部分、これらの誘導体又はこれらの組合せを含む。一実施形態において、双性イオンモノマーは、カルボキシアンモニウム部分、スルホアンモニウム部分、これらの誘導体又はこれらの組合せを含む。一実施形態において、双性イオンモノマーは、スルホベタイン部分又はカルボキシベタイン部分を含む。双性イオンポリマーは、1種又は複数のモノマー、例えば、スルホベタインメタクリレート又はカルボキシベタインメタクリレートモノマーの存在下で、ポリマー基体中に存在するラジカルで重合を開始することによって形成することができる。
ポリスルホアンモニウムポリマー(ポリスルホベタインなど)、ポリカルボキシアンモニウムポリマー(ポリカルボキシベタインなど)ならびにその他の天然及び合成の双性イオン化学物質は、本明細書に記載の生体医療の応用のための非ファウリング性材料を設計するのに使用することができる。非ファウリング性材料に使用できる天然の双性イオン化学物質の若干の例としては、限定はされないが、アミノ酸、ペプチド、小さな天然分子、例えば限定はされないが、N,N,N−トリメチルグリシン(グリシンベタイン)、トリメチルアミンオキシド(TMAO)、ジメチルスルホニオプロピオネートサルコシン、リセルグ酸及びシロシビンが挙げられる。非ファウリング性材料を作り出すのに使用できるさらなる合成双性イオンとしては、限定はされないが、アミノ−カルボン酸(カルボキシベタイン)、アミノ−スルホン酸(スルホベタイン)、コカミドプロピルベタイン、キノノイドをベースにした双性イオン、デカフェニルフェロセン、及び非天然アミノ酸が挙げられる。天然及び合成ポリマーも、ペンダント基上に、主鎖中に、又は末端基に正に帯電した部分及び負に帯電した部分の双方をもつ混合帯電構造を含む。
一実施形態において、親水性ポリマーは、共有結合でポリマー骨格に直接又は間接的に付着された双性イオンペンダント基を含む。双生イオンペンダント基は、例えば、二価のアニオン電荷中心及び一価のカチオン電荷中心、又はその逆を有することによって、あるいは2つのカチオン電荷中心及び1つのアニオン電荷中心、又はその逆を有することによって、全体として正味の電荷を有することができる。しかし、好ましくは、双性イオンは、全体として正味の電荷を有さず、最も好ましくは、一価のカチオン電荷中心及び一価のアニオン電荷中心を有する。更に、カチオン電荷中心は、好ましくは永久的であり、すなわち、それは、好ましくは、第四級窒素、第四級ホスホニウム又は第三級スルホニウム基である。更に、アニオン電荷中心も永久的であり、すなわち、それらは、生理学的pHで完全にイオン化され、好ましくは、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホン酸、ホスホネート、スルフェート、スルフィン酸、又はスルホネートである。
別の実施形態において、ポリマーは、共有結合でポリマー骨格に直接又は間接的に付着された双性イオンペンダント基を含み、双性イオンは、式ZI−3に相当する:
[式中、
T
8は、結合、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロであるか、あるいはT
9、T
10及びそれらが付着している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロ芳香族環を形成し、
T
9及びT
10は、独立に水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又は
ヘテロシクロであるか、あるいはT
9及びT
10は、T
8及びそれらが付着している窒素原子と一緒になって、窒素含有ヘテロ芳香族環を形成し、
T
11は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、エーテル、又はオキシル化アルキレンであり、
Z
3は、カルボキシレート、ホスフェート、ホスホン酸、ホスホネート、スルフェート、スルフィン酸、又はスルホネートであり、かつ
*は、式ZI−3の双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合箇所を意味する]。
ポリマーが、式ZI−3に相当する双性イオンペンダント基を含む特定の好ましい実施形態において、T
8、T
9、T
10及びT
11は、より狭い範囲の置換基から選択され、Z
3は、カルボキシレート又はスルフェートであり、双性イオンは式ZI−4に相当する:
[式中、
*は、式ZI−4の双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合箇所を意味し;T
12は、結合又は(CH
2)
m−(mは、1〜3)であり;T
13及びT
14は、独立に、水素、アルキル、又は置換アルキルであり、;T
15は、置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、エーテル、又はオキシル化アルキレンであり;Z
4は、カルボキシレート又はスルフェートである]。例えば、この実施形態において、T
13及びT
14は、独立に、水素、又は低級アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
13及びT
14は、独立に、水素、又は低級アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
n−(nは1〜8)でよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
2−又は(CH
2)
3−でよく、かつT
13及びT
14は、メチルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
2−又は(CH
2)
3−でよく、T
13及びT
14は、水素又はアルキルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
12は−(CH
2)
2−でよく、T
13及びT
14はメチルでよく、T
15は−(CH
2)
2−でよく、Z
4はカルボキシレートでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
12は−(CH
2)
2−でよく、T
13及びT
14はメチルでよく、T
15は−(CH
2)
3−でよく、Z
4はスルフェートでよい。
ポリマーが式ZI−3に相当する双性イオンペンダント基を含む特定の好ましい実施形態において、T8、T9、T10、及びそれらが付着している窒素原子は、窒素含有ヘテロ芳香族環を形成している。例えば、T8、T9、T10、及びそれらが付着している窒素原子は、第四級窒素原子を含む置換されていてもよい複素環を形成することができる。1つのこのような実施形態は、式ZI−5に相当する:
[式中、
*は、式ZI−5の双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合箇所を意味し;HETは、第四級窒素原子を含む複素環であり;T
15は、置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、エーテル、又はオキシル化アルキレンであり;Z
4は、カルボキシレート又はスルフェートである]。例えば、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
n−(nは1〜8)である。さらなる例として、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
2−又は(CH
2)
3−でよく、かつZ
4は、カルボキシレート又はスルフェートでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は−(CH
2)
3−でよく、かつZ
4はスルフェートでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は−(CH
2)
2−でよく、かつZ
4はカルボキシレートでよい。式ZI−5に相当する例示的な双性イオンとしては、式ZI−6A及びZI−6Bに相当する双性イオンが挙げられる:
[式中、
*は、式ZI−6A及びZI−6Bの双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合箇所を意味し;T
15は、置換されていてもよいアルキレン、フェニレン、又はオキシル化アルキレンであり;Z
4は、カルボキシレート又はスルフェートである]。例えば、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
n−(nは1〜8)でよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は、−(CH
2)
2−又は(CH
2)
3−でよく、かつZ
4は、カルボキシレート又はスルフェートでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は−(CH
2)
3−でよく、かつZ
4は硫酸基でよい。さらなる例として、この実施形態において、T
15は−(CH
2)
2−でよく、かつZ
4はカルボキシレートでよい。
一実施形態において、ポリマーは、ポリマー骨格に共有結合で直接又は間接的に付着された双性イオンペンダント基を含み、該双性イオンは式ZI−7に相当する:
[式中、
T
4、T
5及びT
6は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり;T
12は、結合、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン又はヘテロシクロであり;*は、式ZI−7の双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合箇所を意味する]。
一実施形態において、ポリマーは、ポリマー骨格に共有結合で直接又は間接的に付着された双性イオンペンダント基を含み、該双性イオンは、式ZI−1に相当する:
[式中、
T
1及びT
2は、独立に、酸素、硫黄、NH、又は結合であり、
T
3は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、エーテル、又はオキシル化アルキレンであり、
Z
1は、第四級窒素、ホスホニウム、又はスルホニウムカチオン基を含む部分であり、かつ
*は、式ZI−1の双性イオンのポリマー骨格への直接又は間接的な共有結合の箇所を意味する]。
ポリマーが式ZI−1に相当する双性イオンペンダント基を含む特定の好ましい実施形態において、T
1及びT
2は酸素であり、Z
1は、第四級窒素であり、双性イオンは式ZI−2に相当する:
[式中、
*は、式ZI−2の双性イオンのポリマー骨格への共有結合箇所を意味し;T
3は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、又はオキシル化アルキレンであり;T
4、T
5及びT
6は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、又はヘテロシクロである]。例えば、この実施形態において、T
3は、−(CH
2)
n−(nは1〜8)でよい。さらなる例として、この実施形態において、T
4、T
5及びT
6は、独立に、低級アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
3は、−(CH
2)
n−(nは1〜3)でよく、T
4、T
5及びT
6は、独立に、低級アルキル、例えば、メチル、エチル又はプロピルでよい。さらなる例として、この実施形態において、T
3は、−(CH
2)
n−(nは1〜3)でよく、T
4、T
5及びT
6の1つ又は複数は、置換ヒドロカルビル、例えば、オリゴマー性ホスホリルコリン(例えば、式9)でよい。
一実施形態において、双性イオンポリマーは、また、ポリマー骨格に共有結合で直接又は間接的に付着された中性の親水性ペンダント基を含む。例示的な中性の親水性基としては、ヒドロキシ、チオール、オキシル化アルキル(例えば、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、及び/又はポリプロピレングリコール)、エーテル、チオエーテルなどが挙げられる。このような特定の一実施形態において、ポリマーは、アルコキシル化部分を含む式POA−1に相当するペンダント基を含む:
[式中、
aは1〜3であり;bは1〜8であり;各R
1及びR
2は、水素、ハロゲン、及び置換されていてもよい低級アルキルからなる群から独立に選択され;R
3は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり;*は、式POA−1に相当する部分の、ペンダント基の残部及び骨格への付着箇所を意味する]。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり;nは2又は3である。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり、nは2又は3であり、かつbは3〜5である。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり;nは2又は3であり;bは3〜5であり、かつR
3はアルキルである。一実施形態において、反復単位は、2〜20個のアルキレンオキシド単位を含むマクロモノマーから誘導される。
中性の親水性ペンダント基
一実施形態において、ポリマーは、ポリマー骨格に共有結合で直接又は間接的に付着された中性の親水性ペンダント基を含む。例示的な中性の親水性基としては、ヒドロキシ、チオール、オキシル化アルキル(例えば、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール)、エーテル、チオエーテルなどが挙げられる。このような特定の一実施形態において、ポリマーは、式POA−1に相当するアルコキシル化部分を含むペンダント基を含む:
[式中、
aは1〜3であり;bは1〜8であり;各R
1及びR
2は、水素、ハロゲン、及び置換されていてもよい低級アルキルからなる群から独立に選択され;R
3は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり;*は、式POA−1に相当する部分の、ペンダント基の残部及び骨格への付着箇所を意味する]。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり、nは2又は3である。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり、nは2又は3であり、bは3〜5である。さらなる例として、このような一実施形態において、各R
1及びR
2は水素であり、nは2又は3であり、bは3〜5であり、かつR
3はアルキルである。一実施形態において、反復単位は、2〜20個のアルキレンオキシド単位を含むマクロモノマーから誘導される。
反復単位
一般に、双性イオンペンダント基、中性親水性ペンダント基、カチオンペンダント基及び/又はアニオンペンダント基を含むホモポリマー又はコポリマーは、広範な範囲のモノマーのいずれかを重合させることによって調製することができる。好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、オレフィンモノマーから誘導される反復単位を含むホモポリマー又はコポリマーである。したがって、例えば、一実施形態において、親水性ポリマー材料は、オレフィンモノマーから誘導され、式1に相当する反復単位を含む:
[式中、
X
1及びX
2は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ、又は置換カルボニルであり(但し、X
1及びX
2は、それぞれ、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロ置換カルボニルからなる群から選択されることはない)、
X
3は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
X
4は、−OX
40、−NX
41X
42、−N
+X
41X
42X
43、−SX
40、アリール、ヘテロアリール又はアシルであり、
X
40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ又はアシルであり、
X
41、X
42及びX
43は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロである]。
親水性ポリマー材料が式1に相当する反復単位を含む特定の実施形態において、反復単位の少なくともある比率のX4は、アルコキシル化部分、双性イオン部分、アニオン部分又はカチオン部分を含むことが好ましい。このような実施形態において、例えば、X1及びX2は、水素でよく、ポリマーは、式2に相当する反復単位を含む:
[式中、
X
3は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;X
4は、オキシル化アルキレン部分、双性イオン部分、アニオン部分、又はカチオン部分を含むペンダント基である]。例えば、X
3は、水素又は低級アルキルでよい。さらなる例として、X
4は、式POA−1に相当するオキシル化アルキレン部分を含むペンダント基でよい。さらなる例として、式2の反復単位は、式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、又はZI−7に相当する双性イオン部分を含む双性イオン反復単位でよい。さらなる例として、式2の反復単位はカチオン反復単位でよい。さらなる例として、式2の反復単位はアニオン反復単位でよい。さらなる例として、X
3は水素又はメチルでよく、かつX
4は、式POA−1に相当するオキシル化アルキレン部分、又は式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、又はZI−7に相当する双性イオン部分を含むペンダント基でよい。
この好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、式2に相当する反復単位(ここで、X
4はアシルである)を含み、該反復単位は式3に相当する:
[式中、
X
44は、オキシル化アルキレン部分、双性イオン部分、アニオン部分、又はカチオン部分を含む]。例えば、X
44は、−OX
45、−NX
45X
46又はSX
45でよく、ここで、X
45は、オキシル化アルキレン部分、双性イオン部分、アニオン部分又はカチオン部分を含む置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロ部分であり;X
46は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロである。例えば、X
3は、水素又は低級アルキルでよい。さらなる例として、X
44は、−OX
45又はNHX
45でよい。さらなる例として、X
44は、−OX
45又はNHX
45でよく、ここで、X
45は、式POA−1に相当するオキシル化アルキレン部分を含む。さらなる例として、X
44は、−OX
45又はNHX
45でよく、ここで、X
45は、式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、又はZI−7に相当する双性イオン部分を含む。さらなる例として、式3の反復単位はカチオン反復単位でよい。さらなる例として、式3の反復単位はアニオン反復単位でよい。さらなる例として、X
3は水素又はメチルでよく、かつX
44は、式POA−1に相当するオキシル化アルキレン部分又は式ZI−1、ZI−2、ZI−3、ZI−4、ZI−5、ZI−6A、ZI−6B、又はZI−7に相当する双性イオン部分を含むことができる。とりわけ好ましい一実施形態において、ポリマーは、式3に相当する反復単位を含み、かつX
44は、−O(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
nSO
3 -、−O(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
nCO
2 -、−NH(CH
2)
3N
+(CH
3)2(CH
2)
nCO
2 -、又はNH(CH
2)
3N
+(CH
3)
2(CH
2)
nSO
3 -であり、ここで、nは1〜8である。一実施形態において、ポリマーは、式3に相当する反復単位を含み、かつX
44は、−NH(CH
2)
mN(CH
2)
nCH
3(CH
2)
pSO
3、−NH(CH
2)
mN(CH
2)
nCH
3(CH
2)
pCO
2、−NH(CH
2)
mN
+[(CH
2)
nCH
3]
2(CH
2)
pSO
3、−NH(CH
2)N
+[(CH
2)
nCH
3]
2(CH
2)
pCO
2、−NH(CH
2)
mNシクロ−(CH
2)
pCO
2、又はNH(CH
2)
mNシクロ−(CH
2)
pSO
3(Nシクロは、少なくとも1つの窒素元素を含む複素環構造又は複素環誘導体である)であり、ここで、mは1〜8であり、nは0〜5であり、かつpは1〜8である。一実施形態において、ポリマーは、式3に相当する反復単位を含み、かつX
44は、−O(CH
2)
mN(CH
2)
nCH
3(CH
2)
pSO
3、−O(CH
2)
mN(CH
2)
nCH
3(CH
2)
pCO
2、−O(CH
2)
mN
+[(CH
2)
nCH
3]
2(CH
2)
pSO
3、−O(CH
2)N
+[(CH
2)
nCH
3]
2(CH
2)
pCO
2、−O(CH
2)
mNシクロ−(CH
2)
pCO
2、又はO(CH
2)
mNシクロ−(CH
2)
pSO
3であり、ここで、mは1〜8であり、nは0〜5であり、かつpは1〜8である。一実施形態において、ポリマーは、式3に相当する反復単位を含み、かつX
44は、−O(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
3SO
3、−O(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
2CO
2、−NH(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
3SO
3、−NH(CH
2)
2N
+(CH
3)
2(CH
2)
2CO
2、−NH(CH
2)
3N
+(CH
3)
2(CH
2)
3SO
3、−NH(CH
2)
3N
+(CH
3)
2(CH
2)
2CO
2、−O(CH
2)
2N
+(CH
2CH
3)
2(CH
2)
3SO
3、−O(CH
2)
2N
+(CH
2CH
3)
2(CH
2)
2CO
2、−O(CH
2)
2N
+(CH
2CH
2CH
2CH
3)
2(CH
2)
3SO
3、−O(CH
2)
2N
+(CH
2CH
2CH
2CH
3)
2(CH
2)
2CO
2、又はNH(CH
2)
3Nシクロ−(CH
2)
3SO
3である。
好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、双性イオンポリマー又はコポリマーである。例えば、親水性ポリマー材料は、カルボキシベタイン反復単位及び/又はスルホベタイン反復単位を含むことができる。親水性ポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)反復単位及び/又は中性オレフィン反復単位を含んでもよい。したがって、例えば、好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、式4の反復単位を含む双性イオンポリマー又はコポリマーである:
[式中、
aは0〜1であり;bは0〜1であり;cは0〜1であり;dは0〜1であり;mは1〜20であり;n及びoは独立に0〜11であり;p及びqは独立に0〜11であり;X
3は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;X
4は、−OX
40、−NX
41X
42、−SX
40、アリール、ヘテロアリール又はアシルであり;X
40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ又はアシルであり;X
41及びX
42は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり;X
49は、水素、ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビルであり;但し、a、b、c及びdの合計は0を超え、かつ反復単位DのX
4は、反復単位A、B及びCの対応するペンダント基と異なる]。このような一実施形態において、X
3は、ヒドロキシ置換アルキル、例えば、ヒドロキシプロピルである。
一実施形態において、親水性ポリマー材料は、反復単位A及び/又はCに相当する反復単位を含む式4に相当する双性イオンポリマーである。例えば、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.2である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.3である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.4である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.5である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.6である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.7である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.8である。さらなる例として、一実施形態において、a又はcは少なくとも0.9である。さらなる例として、aとcとの合計は、少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9である。
一実施形態において、親水性ポリマー材料は、反復単位B及び/もしくはDならびに場合によってはA及び/もしくはCに相当する反復単位を含む式4に相当するポリマーである。例えば、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて、aは0でよく、cは0でよく、又はa及びcはそれぞれ0を超えてもよい。
一実施形態において、親水性ポリマー材料は、反復単位A及び/又はCに相当する反復単位を含む双性イオンポリマーであることが好ましい。例えば、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、かつbは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.1であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.2であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.3であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.4であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.5であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.6であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.7であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.8であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。さらなる例として、一実施形態において、aとcとの合計は少なくとも0.9であり、bは少なくとも0.1であり、かつdは少なくとも0.1である。これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて、aは0でよく、cは0でよく、又はa及びcはそれぞれ0より大きい。
好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、式4の反復単位を含む双性イオンポリマー又はコポリマーであり、mは1〜8であり;X3は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;X4は、−OX40、−NX41X42、−SX40、アリール、ヘテロアリール又はアシルであり;X40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ又はアシルであり;X41及びX42は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロであり;X49は、水素、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビルであり、但し、反復単位DのX4は、反復単位A、B又はCの対応するペンダント基と異なり、a、b、c及びdは、組み合わせて、表Iに示す組合せセットの1つから選択される。
一実施形態において、親水性ポリマー材料は、式4の反復単位Dに相当する反復単位を含む高分子両性電解質型双性イオンポリマー又はコポリマーである。すなわち、dは0より大きく、反復単位Dに相当する反復単位の小数部は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位の小数部は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。例えば、このような一実施形態において、dは少なくとも0.1であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.2であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.3であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.4であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.5であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.6であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.7であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.8であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、このような一実施形態において、dは少なくとも0.9であり、反復単位Dに相当する反復単位のほぼ半分は、アニオン反復単位(このような単位に関してX4はアニオンペンダント基である)であり、かつ式4に対応する反復単位のほぼ半分は、カチオン反復単位(このような単位に関してX4はカチオンペンダント基である)である。さらなる例として、この段落中の前記例のそれぞれにおいて、残りの反復単位は、反復単位Aに相当することができる。さらなる例として、この段落中の前記例のそれぞれにおいて、残りの反復単位は、反復単位Bに相当することができる。さらなる例として、この段落中の前記例のそれぞれにおいて、残りの反復単位は、反復単位Cに相当することができる。
より好ましくは、親水性ポリマー材料は、式4の反復単位A及び/又は反復単位Cに相当する反復単位を含む双性イオンポリマー又はコポリマーである。
特定の実施形態において、親水性ポリマー材料は、式5、式6、式7、式8又は式9に相当する反復単位を含むホモポリマー又はコポリマーである:
[式中、
HETは、複素環式構造の一部であり、
X
3は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
X
4は、−OX
40、−NX
41X
42、−SX
40、アリール、ヘテロアリール又はアシルであり、
X
5は、エステル、アンヒドリド、イミド、アミド、エーテル、チオエーテル、チオエステル、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、ウレタン、又は尿素であり、
X
6は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、アンヒドリド、エステル、イミド、チオエステル、ウレタン、又は尿素であり、
X
7は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
X
8は、アニオン部分であり、
X
9は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、アンヒドリド、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、又は尿素であり、
X
10は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
X
11は、カチオン部分であり、
X
12は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、アンヒドリド、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、又は尿素であり、
X
13は、水素、アルキル又は置換アルキルであり、
X
14は、アニオン部分であり、
L
1及びL
2は、独立に、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、アンヒドリド、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン、又は尿素であり、
X
40は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロシクロ、又はアシルであり、
X
41及びX
42は、独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル又はヘテロシクロである]。
一実施形態において、親水性ポリマー材料は、式7に相当する反復単位を含み、ここで、ヘテロシクロ、すなわちHETは、式10、11又は12に相当する:
[式中、
X
6は、ヒドロカルビレン、置換ヒドロカルビレン、ヘテロシクロ、アミド、アンヒドリド、エステル、イミド、チオエステル、チオエーテル、ウレタン又は尿素であり;X
7は、水素、アルキル又は置換アルキルであり;X
8はアニオン部分である]。
適切なコモノマーとしては、限定はされないが、アクリレート、アクリルアミド、ビニル化合物、多官能性分子、例えば、ジ−、トリ−及びテトライソシアネート、ジ−、トリ−及びテトラアミン、ならびにジ−、トリ−及びテトラチオシアネート、;環状モノマー(ラクトン及びラクタムなど)、ならびにこれらの組合せが挙げられる。簡潔性のため、例示的なメタクリレートモノマーを次に挙げる(しかし、類似のアクリレート、アクリルアミド及びメタクリルアミドモノマーも同様に挙げることができ、同様に包含されることを理解されたい):
帯電したメタクリレート、又は第一級、第二級もしくは第三級アミン基を所持するメタクリレート、例えば、メタクリル酸3−スルホプロピルカリウム塩、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルメチルクロリド第四級塩、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイルクロリド、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド、メタクリル酸2−アミノエチル塩酸塩、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル、及びメタクリル酸2−(tert−ブチルアミノ)エチル。
メタクリル酸アルキル又はその他の疎水性メタクリル酸エステル、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸2−ナフチル、メタクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、メタクリル酸1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル、メタクリル酸2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル、メタクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル、及びメタクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル。
反応性又は架橋性メタクリル酸エステル、例えば、メタクリル酸2−(トリメチルシリルオキシ)エチル、メタクリル酸3−(トリクロロシリル)プロピル、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−(ジエトキシメチルシリル)プロピル、メタクリル酸3−(ジメチルクロロシリル)プロピル、メタクリル酸2−イソシアナトエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸グリコール、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、及びフタル酸2−ヒドロキシプロピル2−(メタクリロイルオキシ)エチル。
その他のメタクリル酸エステル、例えば、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリル酸2−ブトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、及びエチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレート。
一実施形態において、親水性材料は、スルホベタイン含有及び/又はカルボキシベタイン含有モノマーから誘導される反復単位を含むポリマーである。モノマーの例としては、メタクリル酸スルホベタイン(SBMA)、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン(CBMA)、カルボキシベタインアクリルアミド、及びカルボキシベタインメタクリルアミドが挙げられる。このようなポリマーの例としては、限定はされないが、ポリ(メタクリル酸カルボキシベタイン)(ポリCBMA)、ポリ(カルボキシベタインアクリルアミド)、ポリ(カルボキシベタインメタクリルアミド)、ポリ(メタクリル酸スルホベタイン)(ポリSBMA)、ポリ(スルホベタインアクリルアミド)、及びポリ(スルホベタインメタクリルアミド)が挙げられる。別の実施形態において、親水性ポリマー材料は、CBMA又はSBMAの残基、及び1種又は複数のさらなるモノマーを含むポリマーである。さらなるモノマーは、双性イオン又は非双性イオンモノマーでよい。
一部の実施形態において、なんらかの理論に拘泥するものではないが、帯電基は水でイオン的に溶媒和されるので、非ファウリング性能を改善できる永久帯電基を有する双性イオンポリマーを使用することが好ましい。双性イオンポリマー中に永久電荷を有することのできる一般に使用される基の存在は、表面上部のほぼ1〜50nmに存在する元素を分析するためのXPSを使用することによって検出することができる。双性イオン中で一般に使用される1つの代表的な基は、第四級アミン基中の窒素である。スルホベタインにおいて、窒素元素シグナルは、硫黄のシグナルにほぼ等しい可能性がある。更に、TOF−SIMSなどの技術は、グラフトされたポリマー層中の双性イオン基を確認するのに使用することができる。一部の好ましい実施形態において、グラフトされたポリマー層は、窒素のXPSシグナルを含み、及び硫黄のXPSシグナルを含んでいてもよい。
一般に、グラフトされたポリマー材料は、式1〜12のいずれかに相当する反復単位を含むことができる。さらなる例として、グラフトされたポリマー材料は、双性イオンポリマーを含むことができる。さらなる例として、ポリマー材料は、式1に相当する反復単位を含むことができる。さらなる例として、ポリマー材料は、式2に相当する反復単位を含むことができる。さらなる例として、ポリマー材料は、式3に相当する反復単位を含むことができる。さらなる例として、ポリマー材料は、式4に相当する反復単位を含むことができる。更に、グラフトされたポリマー材料は、ペンダント基として、本明細書に開示のペンダント基のいずれかを含むことができる。したがって、例えば、グラフトされたポリマー材料は、式ZI−1〜ZI−7又はPOA−1のいずれかに相当するペンダント基を含むことができる。とりわけ好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基を含む。とりわけ好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。特に好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。一般に、グラフトされたポリマー材料の高さ及びなんらかの分岐は、表面の不規則性及び欠陥を克服するのを助けることができ、分岐の増大は、ファウリング性材料が非ファウリング性層に侵入する能力を低減することができる。
一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、親水性モノマーから誘導される反復単位を含むポリマーである。例えば、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料の反復単位の少なくとも30%は、親水性モノマーから誘導される。さらなる例として、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料の反復単位の少なくとも50%は、親水性モノマーから誘導される。さらなる例として、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料の反復単位の少なくとも75%は、親水性モノマーから誘導される。さらなる例として、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料の反復単位の少なくとも90%は、親水性モノマーから誘導される。さらなる例として、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料の反復単位の少なくとも99%は、親水性モノマーから誘導される。親水性モノマーの例としては、アクリル酸、ポリビニルアルコール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(「HEMA」)、ホスホリルコリン、オリゴエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、メタクリル酸スルホベタイン(SBMA)、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン(CBMA)、カルボキシベタインアクリルアミド、及びカルボキシベタインメタクリルアミドが挙げられる。
好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基を含み、表面修飾は、基体表面の表面粗さに少なくとも等しい厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。
好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基及び表面修飾を含み、すなわちグラフトされたポリマー材料は、少なくとも50nmの平均乾燥厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。このような好ましい一実施形態において、ポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーのホモポリマーであり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも50%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。
このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも60%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも70%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも80%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも90%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、真空下にSEMで測定した場合に少なくとも約50nmの平均乾燥厚さを有する。さらなる例として、前記実施形態のそれぞれにおいて、平均乾燥厚さは、更により厚く、例えば少なくとも約200nm、少なくとも約300nm、少なくとも400nm、又は少なくとも約500nmでよい。
好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基及び表面修飾を含み、すなわち、グラフトされたポリマー材料は、比較的均一な厚さを有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。このような好ましい一実施形態において、ポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーのホモポリマーであり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも50%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。
このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも60%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも70%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも80%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも90%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの標準偏差は、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの100%を超えない。さらなる例として、前記実施形態のそれぞれにおいて、厚さの標準偏差は、より小さく、例えば、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも50%未満、グラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも20%未満、又はグラフトされた親水性ポリマー層の平均乾燥厚さの少なくとも10%未満でよい。
好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基を含み、基体表面及びグラフトされたポリマー材料は、組み合わさって、修飾された表面を構成し、該修飾された表面は、40°未満の静的接触角を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。このような好ましい一実施形態において、ポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーのホモポリマーであり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料はコポリマーであり、そのモノマー残基の50%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。
このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料はコポリマーであり、そのモノマー残基の60%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料はコポリマーであり、そのモノマー残基の70%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料はコポリマーであり、そのモノマー残基の80%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料はコポリマーであり、そのモノマー残基の90%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、25°未満の静的接触角を示す。さらなる例として、前記実施形態のそれぞれにおいて、修飾された表面は、更に小さい、例えば、24°未満、23°未満、22°未満、21°未満、20°未満、19°未満、18°未満、17°未満、16°未満、又は15°未満の静的接触角を示す。
好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基を含み、グラフトされたポリマー材料、すなわち、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。このような好ましい一実施形態において、ポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーのホモポリマーであり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。
このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも50%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも60%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも70%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも80%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも90%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、平均乾燥厚さの200%未満である体積膨潤能力を有する。さらなる例として、前記実施形態のそれぞれにおいて、グラフトされたポリマー層は、標準的な走査電子顕微鏡法(SEM)によって、又はポリマー層の化学シグナルの強度を例えばATR−FTIRの使用を介して分析することによって測定した場合のグラフトされたポリマー層の平均乾燥厚さと、環境制御型走査電子顕微鏡法(ESEM)によって測定した場合のグラフトされたポリマー層の全平均加湿厚さとの間の相違度によって測定した場合に、200%未満、例えば、100%未満、50%未満、25%未満、10%未満、5%未満、1%未満、更には0%でよい体積膨潤能力を有する。
好ましい別の実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式1に相当し、双性イオンペンダント基を含み、基体表面及びグラフトされたポリマー材料は、組み合わさって、修飾された表面を構成し、該修飾された表面は、タンパク質に対して比較的低い親和性を示す。例えば、修飾された表面は、フィブリノーゲン吸着アッセイにおいて125ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示すことができる。さらなる例として、一実施形態において、修飾された表面は、フィブリノーゲン吸着アッセイにおいて90ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示すことができる。さらなる例として、一実施形態において、修飾された表面は、フィブリノーゲン吸着アッセイにおいて70ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示すことができる。さらなる例として、修飾された表面は、フィブリノーゲン吸着アッセイにおいて50ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示すことが一般には好ましい。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、式3に相当し、スルホベタイン又はカルボキシベタインペンダント基を含む。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーから誘導される反復単位を含む。このような好ましい一実施形態において、ポリマー材料は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドモノマーのホモポリマーであり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも50%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも60%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。
このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも70%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも80%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。このような好ましい一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、コポリマーであり、そのモノマー残基の少なくとも90%は、メタクリル酸スルホベタイン、アクリル酸スルホベタイン、スルホベタインアクリルアミド、スルホベタインメタクリルアミド、メタクリル酸カルボキシベタイン、アクリル酸カルボキシベタイン、カルボキシベタインアクリルアミド、又はカルボキシベタインメタクリルアミドの残基であり、修飾された表面は、30ng/cm2未満のフィブリノーゲン吸着を示す。さらなる例として、前記実施形態のそれぞれにおいて、修飾された表面は、20ng/cm2未満、例えば、15ng/cm2未満、12ng/cm2未満、10ng/cm2未満、8ng/cm2未満、6ng/cm2未満、4ng/cm2未満、2ng/cm2未満、1ng/cm2未満、0.5ng/cm2未満、又は0.25ng/cm2未満でよいフィブリノーゲン吸着を示す。
重合
本発明のポリマー表面修飾は、限定はされないが、フリーラジカル重合、イオン重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、ニトロキシド介在重合(NMP)、可逆的付加開裂重合(RAFT)、開環メタセシス重合(ROMP)、テルル化物介在重合(TERP)又は非環状ジエンメタセシス重合(ADMET)、及びUV、熱、又はレドックスフリーラジカルで開始される重合をはじめとする、合成手段で形成することができる。好ましい実施形態において、ポリマーは、酸化剤及び還元剤を組み合わせて、すなわちレドックス対を、レドックスフリーラジカル重合における重合開始剤として使用して形成される。
一部の実施形態において、含臭素開始剤及びビピリジンなどの配位子などのATRPにおいてしばしば使用される開始剤及び配位子は、それらが、特定のレベルで非生体適合性である可能性があるので、この方法中では使用しないことが好ましい。さらなる実施形態において、ポリマーで修飾された物品中に、又はポリマーで修飾された物品の水性又は有機抽出物中に、検出し得るレベルのビピリジンを有さないことが好ましい。さらなる実施形態において、ポリマーで修飾された物品中に、又はポリマーで修飾された物品の水性又は有機抽出物中に、検出し得るレベルの臭素を有さないことが好ましい。ビピリジン及び臭素は、HPLC又はUV分析で検出することができる。
本明細書に記載の一般的手順は、必要なら、異なる基体材料、開始剤系、及び/又はモノマー組成に適応するように、かつ基体又はアンダーコーティング層の中及び/又は上に高濃度の開始剤を組み込むように、修正することができる。高い開始剤濃度は、組成物の非ファウリング活性を改善する極めて密にコーティングされた表面をもたらす可能性がある。例えば、極めて密にコーティングされた表面は、ファウリング性分子のコーティング中への侵入を低減するポリマー鎖を含む。なんらかの特定の理論に拘泥するものではないが、今のところ、基体中に組み込まれた開始剤のリザーバーが、親水性ポリマーの基体表面又は表面近傍からの再開始、及び分岐を増強すると理論化される。この再開始は、次いで、親水性ポリマーの厚さ(換言すれば、親水性ポリマーが、基体上で基体表面に垂直な方向に伸びる距離)及び分岐度を増加させることができる。
一般に、かつ本明細書の別の場所でより詳細に説明するように、基体中への開始剤の組み込みは、ポリマー材料を基体表面から、及び基体表面直下の表面近傍ゾーン内からグラフトすることを可能にする。しかし、一般に、グラフトされたポリマー層は、基体中にあまりにも遠くまで伸びないことが好ましく、したがって、一実施形態において、グラフトされたポリマー材料は、表面近傍ゾーン中に存在し、より大きな深さ、すなわち基体バルク中には存在しない。表面近傍ゾーンが伸びている最大深さ、すなわち、基体表面から測定した場合の表面近傍ゾーンの下限の距離は、少なくとも部分的には、開始剤、及び開始剤を基体中に組み込むのに使用される技術の関数である。しかし、典型的には、下限は、基体表面から20μm以下であることが一般には好ましい。例として、下限は、基体表面から15μmを超えてはならない。さらなる例として、下限は、基体表面から10μmを超えてはならない。同様に、表面近傍ゾーンの最小深さ、すなわち表面近傍ゾーンの上限の基体表面からの距離は、少なくとも部分的には、やはり開始剤、及び開始剤を基体中に組み込むのに使用される技術の関数である。しかし、典型的には、上限は、基体表面から少なくとも0.1μmである。さらなる例として、上限は、基体表面から少なくとも0.2μmでよい。さらなる例として、上限は、基体表面から少なくとも0.3μmでよい。
代わりの実施形態において、デバイス中への開始剤のインビビションを必要としないレドックス法が、使用される。例えば、過硫酸カリウムを、親水性モノマーと組み合わせて添加して、モノマーを基体表面からグラフトすることができる。別の実施形態において、フェントン試薬を、親水性モノマーと組み合わせて添加して、モノマーを基体表面からグラフトする。
重合過程で形成される表面修飾の質は、少なくとも部分的には、重合前の基体表面の質によって影響される。例えば、重合前に、表面は、粒子、ワックス、及び製造過程それに続く基体の取扱いの人工産物として、及び/又は意図した基体組成物の部分として基体表面上に残存する可能性のあるその他の組成物で、意図的に又は別の理由でファウリングされる可能性がある。基体表面は、また、かなりの表面粗さ、物理的欠陥(かすり傷、ピンホール又は間隙など)、及び基体内部に部分的にのみ含まれる放射線不透過剤(硫酸バリウム、オキシ塩化ビスマス、次炭酸ビスマス、三酸化ビスマス、酸化ランタン、五酸化タンタル、及び金属質の金、銀、白金、パラジウム、タングステン、及びタンタルなど)の粒子などの化学的欠陥を含む可能性がある。例えば、硫酸バリウムを含む基体は、典型的には、基体内部に部分的に含まれ、部分的に露出されている若干の硫酸バリウム粒子を有し、このような硫酸バリウム粒子の露出された部分は、基体表面から、1μmの大きさの高さまで伸びている可能性がある(SEMを使用して基体表面から測定した場合)。
一実施形態によれば、基体表面(すなわち、カテーテル又はその1つもしくは複数の構成要素)は、好ましくは、重合に先立って前処理される。例えば、基体表面を、水、溶媒、界面活性剤、酵素、又はその他の洗浄用溶液又は気体を使用して洗浄して、基体表面の上又は近傍に存在する可能性のある粒子、ワックス又はその他の外来組成物を除去することができる。代わりに、又は付加的に、基体表面を、機械的に、化学的に、化学機械的に処理して、物理的及び化学的欠陥の発生率及び/又は重症度を低減することができる。
一実施形態において、基体は、重合前に、酸、塩基、キレート剤、あるいは化学的欠陥物として含まれる任意の組成物を溶解し、それらの組成物と反応し、かつそれらの組成物の濃度を低下させる、更には基体を膨潤させて粒子を基体から放出することを可能にする反応試剤などの組成物で処理される。例えば、硫酸バリウム粒子の露出された部分を、無機又は有機酸、及び場合によってはキレート剤を使用して部分的又は完全に溶解することができる。このような例示的な一実施形態では、硫酸バリウムの粒子を含むポリウレタンを、塩酸で処理して、露出された硫酸バリウム粒子を少なくとも部分的に除去することができる。
一実施形態において、基体は、重合前に、基体表面の上又はその近傍に存在する可能性のある粒子、ワックス又はその他の外来組成物を除去するために、界面活性剤で処理される。若干の好ましい界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、例えば、アルキル硫酸塩:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS、別名ではドデシル硫酸ナトリウム);アルキルエーテル硫酸塩:ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)としても知られる)、ミレス硫酸ナトリウム;スルホン酸塩:例えば、ドクサエートすなわちスルホコハク酸ジオクチルナトリウム;フルオロスルホン酸塩系界面活性剤:ペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)、ペルフルオロブタンスルホン酸塩;アルキルベンゼンスルホン酸塩;リン酸塩:例えば、アルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩;カルボン酸塩:例えば、アルキルカルボン酸塩:脂肪酸塩(石鹸):ステアリン酸ナトリウム;ラウロイルサルコシンナトリウム;フルオロカルボン酸塩系界面活性剤:ペルフルオロノナン酸塩、ペルフルオロオクタン酸塩(PFOA又はPFO)などの界面活性剤が挙げられる。若干の好ましい界面活性剤としては、また、カチオン性界面活性剤、例えば、オクテニジン二塩酸塩;アルキルトリメチルアンモニウム塩:セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)(ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドとしても知られる)、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC);セチルピリジニウムクロリド(CPC);ポリエトキシル化獣脂アミン(POEA);塩化ベンザルコニウム(BAC);塩化ベンゼトニウム(BZT);5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド;ジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)が挙げられる。若干の好ましい界面活性剤としては、また、双性イオン(両性)界面活性剤、例えば、CHAPS(3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩);コカミドプロピルヒドロキシスルタイン;アミノ酸;イミノ酸;コカミドプロピルベタイン;レシチンが挙げられる。若干の好ましい界面活性剤としては、また、ノニオン性界面活性剤、例えば、脂肪アルコール:セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール(主としてセチル及びステアリルアルコールからなる)、オレイルアルコール;ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル(Brij):CH3(CH2)10-16(OC2H4)1-25OH:オクタエチレングリコールモノデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノデシルエーテル;ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル:CH3(CH2)10-16(OC3H6)1-25OH;グルコシドアルキルエーテル:CH3(CH2)10-16(O−グルコシド)1-3OH;デシルグルコシド、ラウリルグルコシド;オクチルグルコシド;ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル:C8H17(C6H4)(OC2H4)1-25OH;Triton X−100;ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル:C9H19(C6H4)(OC2H4)1-25OH:ノノキシノール−9;グリセロールアルキルエステル:ラウリン酸グリセリル;ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル:ポリソルベート;ソルビタンアルキルエステル:Span;コカミドMEA、コカミドDEA;ドデシルジメチルアミンオキシド;ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマー:ポロキサマーが挙げられる。
代わりに又は付加的に、基体を、重合前に、化学的、機械的又は化学機械的に研磨して、表面粗さを低減し、カテーテル(又はその構成要素)の表面の亀裂、ピンホール及びその他の構造的欠陥の発生率及び/又は重症度を低減することができる。例えば、基体を、クロロホルム、ジオキサン又はテトラヒドロフランなどの溶媒蒸気に曝露することによって溶媒研磨することができる。研磨後、基体表面は、好ましくは、非研磨基体の全平均Rrms表面粗さ未満の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、一実施形態において、研磨された基体表面は、非研磨基体表面の全平均Rrms表面粗さの90%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、一実施形態において、研磨された基体表面は、非研磨基体表面の全平均Rrms表面粗さの75%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、一実施形態において、研磨された基体表面は、非研磨基体表面の全平均Rrms表面粗さの50%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。
代わりに又は付加的に、一実施形態において、基体は、重合前に、基体表面の物理的欠陥を覆いかつ/又は表面粗さを低減するために、本明細書中でプレコーティング又はアンダーコーティング組成物として認められる組成物のいずれかでプレコーティングされる。一般に、プレコートは、好ましくはコーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さに等しい又はそれを超える平均厚さを有する。例えば、一実施形態において、プレコートは、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均厚さを有する。さらなる例として、一実施形態において、プレコートは、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも200%である平均厚さを有する。さらなる例として、一実施形態において、プレコートは、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも300%である平均厚さを有する。さらなる例として、一実施形態において、プレコートは、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも400%である平均厚さを有する。更に、プレコーティングは、好ましくは、基体表面の全平均Rrms表面粗さを低減する。換言すれば、プレコーティングされた基体表面は、好ましくは、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さに等しい又はそれを超える平均厚さ、及びプレコートを施す前の基体の全平均Rrms表面粗さ未満である全平均Rrms表面粗さを有する。例えば、一実施形態において、プレコーティングされた基体表面は、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均厚さ、及びプレコートを施す前の基体の全平均Rrms表面粗さの90%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、一実施形態において、プレコーティングされた基体表面は、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均厚さ、及びプレコートを施す前の基体の全平均Rrms表面粗さの75%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。さらなる例として、一実施形態において、プレコーティングされた基体表面は、コーティングされていない基体の全平均Rrms表面粗さの少なくとも110%である平均厚さ、及びプレコートを施す前の基体の全平均Rrms表面粗さの50%以下の全平均Rrms表面粗さを有する。
前処理ステップにかかわらず、あるいは前処理ステップを採用しようとするまいと、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、好ましくは、100nm以下の全平均Rrms表面粗さを有する。特定の実施形態において、表面は、より滑らかである。例えば表面は、50nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。一部の実施形態において、表面は、20nm未満の全平均Rrms表面粗さを有することができる。
代わりに又は付加的に、前処理ステップにかかわらず、あるいは前処理ステップを採用しようとするまいと、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、約0.5μmを超える大きさ(すなわち最長寸法)を有する欠陥に関して、0.1欠陥/μm2未満である目視観察可能な表面欠陥密度(すなわち、大きさが20×20μmの範囲上で目視観察可能な数)を有する。例えば、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、約0.5μmを超える大きさを有する欠陥に関して、0.05欠陥/μm2未満である表面欠陥密度を有する可能性がある。さらなる例として、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、約0.5μmを超える大きさを有する欠陥に関して、0.01欠陥/μm2未満である表面欠陥密度を有する可能性がある。さらなる例として、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、約0.5μmを超える大きさを有する欠陥に関して、0.002欠陥/μm2未満である表面欠陥密度を有する可能性がある。さらなる例として、親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、約0.5μmを超える大きさを有する欠陥に関して、0.001欠陥/μm2未満である表面欠陥密度を有する可能性がある。
好ましいこの一実施形態において、基体は、本明細書中の別の場所で説明されるプレコーティング又はアンダーコーティング材料のいずれかでプレコーティングされる。このような一実施形態において、プレコートは、典型的には、少なくとも約100nmの平均厚さを有する。一部の実施形態において、プレコートは、実質的により厚く、例えば、プレコートは、500μmもの平均厚さを有することができる。しかし、一般に、プレコートはより薄い。例えば、プレコートは、約1〜50μmの平均厚さを有することができる。さらなる例として、プレコートは、約10〜30μmの平均厚さを有することができる
一部の例において、基体は、コーティングされる予定の内腔内及び外側表面を有する複雑な形状又は幾何学的外形を有する。例えば、複数内腔型カテーテルは、コーティングすることのできる外側表面及び2つ以上の縦長の内腔を有する。ポリマー性プライマーのコーティングは、同時的に、外側部分をコーティングするために外側部分をポリマー溶液又は分散液中に浸漬すること、及び内腔内部分をコーティングするためにポリマー溶液又は分散液を、内腔内部分を通して流すことによって施すことができる。コーティングを制御するのに利用されるコーティングの施用パラメーターには、溶媒系、固体パーセント及び粘度、硬化温度及び時間が含まれる。ポリマー性プライマー層に適した溶媒としては、限定はされないが、メタノール又はエタノールなどのアルコールが挙げられる。施用及び硬化温度は、例えば、下にある基体、例えばポリウレタン基体の物理的特性に影響を及ぼさないように、周囲温度〜50℃の間で変更できる。固体含有量は、0.5〜10%の間で変更することができ、溶液粘度は、取扱い及び施用の容易さのため12cP以下である。
基体上のポリマー表面修飾又はコーティングの平均厚さは、典型的なポリマー表面材料及び典型的な基体材料の赤外スペクトル及び屈折率を独立的に測定することができ、かつ修飾又はコーティングの厚さの範囲が10nm〜5000nmであるなら、減衰全反射(ATR)赤外分光法を使用して近似することができる。合成赤外吸収スペクトルのマトリックスを、主要構成要素のスペクトル(コーティング材料及び基体材料のスペクトル)及びベールの法則(A=εbC)(ここで、光路長bは、指数的に減衰しかつ波長依存性のATRエバネッセント波の滲み込み深さで置き換えられる)を使用して構築される。次いで、実験的に測定された試料を、マトリックス中のすべての合成スペクトルにわたって比較し、最小n次元余弦統計的距離により求められた最も合致するものが、試料のポリマー表面修飾又はコーティング厚さの1つである。
一実施形態において、例えば、ポリエーテルウレタン+10%〜50%BaSO4基体上のホモポリマーSBMA(N−(3−スルフプロピル)−N−メタクリルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン)ヒドロゲル表面修飾又はコーティングの平均厚さは、修飾又はコーティングの厚さ範囲が10nm〜5000nmの間にあり、かつ基体のBaSO4含有量が、±5%の範囲内で一定であるなら、減衰全反射(ATR)赤外分光法を使用して測定することができる。1309.5cm-1のウレタンピークの吸光度値(1340.0cm-1の吸光度値を控除することによって点ベースラインで補正)で除算された1037.0cm-1のSO3伸縮振動の吸光度値(994.7cm-1の吸光度値を控除することによって点ベースラインで補正)は、存在するSBMAの濃度に関する値に等しい。相対値の自然対数を取ること、0.1641を加えること、次いで500を乗算することは、上記の合成ATR IRマトリックスによって測定された場合のホモポリマーヒドロゲル表面修飾又はコーティングの厚さに相関する値をもたらす。
さらなる例として、ポリウレタン基体上のホモポリマーSBMA(N−(3−スルフプロピル)−N−メタクリルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン)ヒドロゲル表面修飾又はコーティングの平均厚さは、修飾又はコーティングの厚さ範囲が10nm〜5000nmの間にあるなら、減衰全反射(ATR)赤外分光法を使用して測定することができる。1309.5cm-1のウレタンピークの吸光度値(1340.0cm-1の吸光度値を控除することによって点ベースラインで補正)で除算された1037.0cm-1のSO3伸縮振動の吸光度値(994.7cm-1の吸光度値を控除することによって点ベースラインで補正)は、存在するSBMAの濃度に関する値に等しい。相対値の自然対数を取ること、0.9899を加えること、次いで500を乗算することは、上記の合成ATR IRマトリックスによって測定された場合のホモポリマーヒドロゲル表面修飾又はコーティングの厚さに相関する値をもたらす。
好ましい実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた厚さに対して若干の考慮が払われる。例えば、アンダーコーティング及びグラフトされたポリマーは、デバイスの構成要素の寸法、例えば内腔直径を著しく変えないことが一般には好ましい。したがって、一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の1%未満である。一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.5%未満である。一部の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.25%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.1%未満である。特定の実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.05%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.01%未満である。さらなる実施形態において、アンダーコーティング層とグラフトされたポリマー層とを合わせた平均乾燥厚さは、それらが施されたカテーテル内腔の直径の0.001%未満である。
小さな重合開始剤分子を、重合を開始し、生長させる場所である基体表面又はその近傍に集中させるために、基体の表面エネルギーと異なる大きさの表面張力を有する重合用混合溶媒系、及び該重合用混合溶媒系に対して限られた溶解度を有する1種又は複数の重合開始剤を選択する。親水性材料がグラフトされる予定の基体表面は、疎水性又は親水性でよく、重合用混合溶媒系は、水性でよく、極性有機溶媒、極性有機溶媒の水性混合物、又は水性溶液の表面張力を修正するように設計された任意の有機化合物の水性混合物を含む。疎水性基体の場合、疎水性開始剤及び親水性溶媒系、例えば水性媒体が選択されてもよい。好ましくは、基体が親水性であるなら、少なくとも1種の親水性開始剤及び非極性有機溶媒系が選択される。
好ましくは、カテーテル基体(又は重合開始剤が組み込まれるカテーテル基体の少なくとも一部)は、重合混合物によって(例えば、重合用混合溶媒系、重合用モノマー、又はその双方によって)有意に膨潤することはなく、基体中に組み込まれる開始剤は、溶媒系に対して限られた溶解度を有する。結果として、基体表面と重合混合物との間の界面は、開始剤の比較的高い局所濃度を有し、基体表面からの又は近傍での親水性ポリマーの成長を開始し、かつグラフトされた親水性ポリマーからのポリマー成長を(再)開始することができる。なんらかの特定の理論に拘泥するものではないが、今のところ、この手法は、基体からの比較的高度に分岐した親水性ポリマーのグラフト化をもたらすと考えられる。
好ましい実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる基体ポリマーは、重合用混合溶媒系中での平衡状態下で、25℃で30体積%を超えて膨潤することない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる基体ポリマーは、重合用混合溶媒系中での平衡状態下で、25℃で15体積%を超えて膨潤することない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる基体ポリマーは、重合用混合溶媒系中での平衡状態下で、25℃で5体積%を超えて膨潤することない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる基体ポリマーは、重合用混合溶媒系中での平衡状態下で、25℃で、膨潤せず、あるいは収縮する可能性さえある。前に言及したように、基体は、材料複合体でよい、このような例において、重合開始剤が組み込まれる基体の表面近傍領域は、本明細書中で挙げられる膨潤基準を満足することが好ましい。例えば、基体が、金属、セラミック、ガラス又は半金属材料の上にあるプレコート材料からなるコーティングを含むそれらの実施形態において、該プレコート材料からなるコーティングは、重合用混合溶媒系中での平衡条件下で、25℃で30体積%を超えて膨潤しないことが好ましい。
基体中に組み込まれる開始剤は、好ましくは、重合混合物によって構成され、本明細書中で認められたいずれかの開始剤を含む溶媒系に対して限られた溶解度を有する。一般に、組み込まれる開始剤は、25〜175℃の10時間T1/2分解温度を有することが好ましい。特定の一実施形態において、組み込まれる開始剤は、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有する。有利には、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有することが、レドックス反応に由来する境界面での重合開始事象の密度を増大させ、かつ熱的重合開始を効果的に抑える傾向がある。
本明細書の別の場所で説明するように、開始剤は、レドックス対を含み、このような実施形態において、このような対の少なくとも一方のメンバーは、重合用混合溶媒系に対してこのような限られた溶解度を有する。一実施形態において、レドックス対のメンバーは、双方とも重合用混合溶媒系に対して限られた溶解度を有する。代わりの実施形態において、対の一方のメンバーは、重合用混合溶媒系に対して可溶性であるが、他方のメンバーは、重合用混合溶媒系に対して限られた溶解度を有する。なんらかの特定の理論に拘泥するものではないが、今のところ、レドックス対の一方のメンバーが、重合用混合溶媒系に対して可溶性であるが、他方のメンバーが、重合用混合溶媒系に対して限られた溶解度を有する場合、二者は相に分離され、開始は、溶液重合を低減し基体表面又はその近傍でのグラフト化を増加させる傾向のある2相の境界面で増進される。したがって、例えば、レドックス対のいずれかのメンバーは、疎水性でよく、対のいずれかのメンバーは、親水性でよく、但し、メンバーの少なくとも一方は、重合用混合溶媒系に対して限られた溶解度を有する。好ましい一実施形態において、疎水性酸化剤は、親水性還元剤と対にされる。別の好ましい実施形態において、親水性酸化剤は、疎水性還元剤と対にされる。例えば、一実施形態において、レドックス対は、過酸化物及び還元剤を含み、ここで、過酸化物は、重合用溶媒系に対して限られた溶解度を有し、還元剤は、重合用溶媒系に対して高い溶解度を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、疎水性基体及び相に対して3以上のlogP分配係数を有し、親水性基体及び相に対して3未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、疎水性基体及び相に対して5以上のlogP分配係数を有し、親水性基体及び相に対して1未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、疎水性基体及び相に対して7以上のlogP分配係数を有し、親水性基体及び相に対して−1未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、疎水性基体及び相に対して9以上のlogP分配係数を有し、親水性基体及び相に対して−3未満のlogP分配係数を有する。
一実施形態において、開始剤は、基体中に、初めに開始剤前駆体を基体中に組み込むこと、及び開始剤前駆体を活性化して開始剤にすることによって組み込まれる。
本発明の一態様によれば、重合開始剤は、基体の中及び/又は上に種々の技術で組み込むことができる。1つのこのような方法において、基体(前に説明したようなプレコート又はアンダーコートを有する基体を含めて)に重合開始剤がインビビションされる、すなわち、重合開始剤が基体中に吸収される。一実施形態において、開始剤、すなわち1種の開始剤又は異なる開始剤の混合物は、基体表面の中及び/又は上に、物理的吸着によって導入され、ここで、開始剤は、溶媒又は溶媒の組合せ中に溶解され、基体(アンダーコーティング層を有する又は有さない)は、基体による十分な吸収を達成するような時間及び温度で混合物中に沈められる。基体は、膨潤され、最終的には、開始剤が基体中にインビビションされる。一般に、浸漬中に基体中に組み込まれる開始剤の量は、少なくとも部分的には、開始剤の溶媒系への溶解度、開始剤の基体への溶解度、及び浸漬の時間、温度、及び溶液中での開始剤の濃度、ならびに基体及び開始剤の化学組成の関数である。
基体に導入される開始剤の量は、必要に応じて、溶媒溶液中の開始剤濃度を変えることによって、及び/又は1回の開始剤インビビション期間中に基体を開始剤溶液中に浸漬したままにする時間を変えることによって、又は任意の回数の開始剤インビビション期間を反復することによって制御することができる。温度は、厳密に決定的に重要なものではなく、室温から高められた温度までの範囲の温度が典型的である。多段階の開始剤インビビションを利用する場合、次のインビビション段階で使用される開始剤は、前の開始剤インビビション段階中で使用された開始剤と同一であるか、異なるか、又はそれとの混合物でよい。一般に、基体は、重合を開始する前に、開始剤含有溶液中に少なくとも数秒間沈められる。一部の実施形態において、基体は、開始剤含有溶液中により長い時間沈められる。例えば、基体を、開始剤溶液中に少なくとも数分間沈めることができる。さらなる例として、基体を、重合を開始する前に、開始剤含有溶液中に少なくとも約15分間沈めることができる。一部の実施形態において、70〜130℃の10時間T1/2分解温度を有する開始剤の場合、基体は、重合を開始する前に、開始剤含有溶液中に室温又は高められた温度で少なくとも1時間沈められる。さらなる実施形態において、基体は、重合を開始する前に、開始剤含有溶液中に少なくとも2時間沈められる。よりさらなる実施形態において、基体は、重合を開始する前に、開始剤含有溶液中に少なくとも16時間沈められる。時間、温度及び開始剤含有溶液中の開始剤濃度に応じて、基体中に開始剤の濃度勾配を確立することができる。一部の実施形態において、表面により近い基体中に開始剤のより高い濃度を有することが好ましいことがある。言及したように、開始剤は、開始剤含有溶液中にある範囲の濃度で存在することができる。一般に、開始剤含有溶液中の開始剤濃度は、少なくとも0.01重量%である。例えば、一部の実施形態において、開始剤濃度は、一般に、少なくとも0.1重量%である。一部の実施形態において、濃度は、更により大きく、例えば、少なくとも0.5重量%である。一部の実施形態において、濃度は、更により大きく、例えば、少なくとも1重量%である。一部の実施形態において、濃度は、更により大きく、例えば、少なくとも10重量%である。特定の例示的な実施形態において、開始剤含有溶液中の開始剤濃度は、約0.2〜約1重量%の範囲にある。特定の例示的な実施形態において、開始剤含有溶液中の開始剤濃度は、約0.2〜約10重量%の範囲にある。特定の例示的な実施形態において、開始剤含有溶液中の開始剤濃度は、約0.5〜約5重量%の範囲にある。特定の例示的な実施形態において、開始剤含有溶液中の開始剤濃度は、約0.75〜約3重量%の範囲にある。これらの実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、好ましくは、UV、熱、又は本明細書中の別の場所で説明されるレドックス開始剤の中の1種である。
インビビション過程の結果として、インビビションされた基体は、約0.001重量%の開始剤を含むことができる。一部の実施形態において、インビビションされた基体は、より多量の、例えば少なくとも約0.01重量%の開始剤を含む。例えば、一部の実施形態において、浸漬された基体は、少なくとも約0.1重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、インビビションされた基体は、約0.05重量%〜約2重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、インビビションされた基体は、約0.1重量%〜約1重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、インビビションされた基体は、約0.2重量%〜約0.5重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、インビビションされた基体は、約1重量%〜約10重量%の開始剤を含む。しかし、典型的には、インビビションされた基体は、約20重量%未満の開始剤を含む。これらの実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、好ましくは、本明細書の別の場所で説明されるUV、熱又はレドックス開始剤の中の1種である。基体に開始剤をインビビションするのに使用される溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を種々の度合まで膨潤させる能力を有することができる。典型的には、インビビション用溶媒は、室温及び外界圧力で、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を900体積%未満に膨潤させる能力を有する。例えば、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を750体積%未満に膨潤させる能力を有する。さらなる例として、一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を500体積%未満に膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を250体積%未満に膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満に膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満に膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を25体積%未満に膨潤させる能力を有する。
好ましい実施形態において、インビビションされた基体は、好ましくは、溶媒を用いて、その基体を膨潤させる溶媒を用いて洗浄されてもよく、乾燥されてもよい。他の実施形態において、基体は、インビビション用溶媒と同一又は異なってもよい溶媒を用いて洗浄されるか、あるいは基体は、洗浄されなくてもよい。例えば、洗浄溶媒は、基体を膨潤させ、基体を収縮させ、あるいはどちらも起こさない。一実施形態において、基体は、乾燥され、部分的に乾燥され、又は乾燥されない。溶媒交換があってもよい。
代わりの方法において、開始剤は、コーティング、すなわち、基体表面上への本明細書に記載のようなプレコーティング又はアンダーコーティングの構成要素として、開始剤の共堆積によって、基体中に組み込まれる。例えば、ポリマー及び開始剤の薄膜は、基体を開始剤とポリマーとの溶液中に浸漬することによって基体上に堆積される。別法として、開始剤と第2材料(ポリマー材料など)との流動性混合物からなるプレコート層を、基体表面上に堆積させる。
一実施形態において、ポリマーと共に共堆積される開始剤の量は、比較的多い。特定の実施形態において、例えば、共堆積される開始剤とポリマーとの重量比は、少なくとも1:1000である。一部の実施形態において、共堆積される開始剤とポリマーとの重量比は、より大きく、例えば、少なくとも1:100、1:10、1:1、10:1、100:1、又は1000:1である。典型的には、開始剤のポリマーに対する比率は、約1:1〜約20:1の範囲にある。更に、共堆積された層(すなわち、共堆積された開始剤及びポリマーを含む層)は、少なくとも100nmの厚さを有する。例えば、一実施形態において、共堆積された層は、約100nm〜約500μmの厚さを有する。これらの実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、好ましくは、本明細書中の別の場所で説明されるUV、熱又はレドックス開始剤の中の1種である。
好ましい特定の実施形態において、共堆積された層は、共堆積されたポリマーとして、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ゾル−ゲル、又はこれらの組合せを含む。したがって、例えば、一実施形態において、共堆積された層は、約100nm〜約50μmの厚さを有し、共堆積された層中での開始剤のポリマーに対する重量比は、少なくとも1:1000である。特定のより具体的な実施形態において、共堆積された層は、共堆積されたポリマーとしてポリウレタンを含み、約1〜50μmの厚さを有する。さらなる例として、共堆積された層は、約10〜30μmの平均厚さを有する。さらなる例として、これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて、共堆積された層は、約1:1000〜約20:1である開始剤のポリマーに対する重量比を有する。更に、これらの例示的な実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、好ましくは、本明細書中の別の場所で説明されるUV、熱又はレドックス開始剤の中の1種である。
開始剤及びポリマーをプレコートとして共堆積させるのに使用される溶媒及び/又は溶媒混合物は、基体を様々な度合まで膨潤させる能力を有することができる。典型的には、共堆積用溶媒は、室温及び周囲圧力で、基体(開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を900体積%未満まで膨潤させる。例えば、このような一実施形態において、共堆積用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満まで膨潤させる。さらなる例として、このような一実施形態において、共堆積用溶媒は、基体(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満まで膨潤させる。さらなる例として、このような一実施形態において、共堆積用溶媒は、基体(又は基開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を25体積%未満まで膨潤させる。好ましい実施形態において、共堆積された層は、好ましくは、溶媒及び/又は溶媒混合物を使用して、任意選択でその基体を膨潤させる溶媒を用いて洗浄され、任意選択で乾燥される。別法として、共堆積された層は、好ましくは、溶媒及び/又は溶媒混合物を使用して、任意選択で基体の膨潤を制限する溶媒及び/又は溶媒混合物を用いて洗浄され、任意選択で乾燥される。別法として、共堆積された層は、溶媒を使用して洗浄されることはなく、任意選択で乾燥されることもない。
例示的な一実施形態において、1〜5(重量/重量)%のウレタンを含む溶液を、適切な重量のウレタンペレットをテトラヒドロフランなどの適切な有機溶媒に溶解すること、及びその溶液をメタノールなどの第2溶媒で希釈することによって、調製することができる。最終メタノール濃度は、好ましくは、10%〜90%、より好ましくは15%〜85%、最も好ましくは60%である。過酸化ベンゾイル又は過酸化ジクミルなどの1種又は複数の適切な開始剤分子を、ポリマー溶液に典型的には約0.25%〜約10%の濃度で添加する。しかし、0.25%未満及び10%を超える濃度も採用できる。任意の所望の基体をポリマー/開始剤の溶液に、所望のコーティング厚さ及び/又は開始剤表面濃度が達成されるまで、1回又は複数回曝露することができる。基体が複数回曝露されるなら、溶媒は、典型的には、溶液への各曝露の間に、コーティングされた基体から例えば蒸発によって除去される。最終曝露の後に、基体を、重合反応混合物中に配置するに先立って、少なくとも10分間静置させて残留溶媒を蒸発させてもよい。
別の代わりの方法において、開始剤は、エアロゾル堆積法又は噴霧コーティング法によって基体の中及び/又は上に組み込まれる。開始剤は、単独溶媒、共溶媒、又は混合溶媒系と混合され、直接、帯電、又は非帯電エアロゾル堆積法によって、基体表面に施される。例えば、開始剤は、有機溶媒混合物と混合され、圧縮空気式噴霧によるエアロゾルとして基体表面上に堆積される。基体表面の中及び/又は上に物理的に吸着される開始剤の量は、溶媒が蒸発する前に、エアロゾルが基体表面上に留まる時間を変えること、及びこうして基体バルク中に吸収される開始剤の量に影響を及ぼすことによって制御することができる(例えば、表面上での滞留時間が長いほど、より多くの開始剤が基体バルク中に移動することができ、逆もまた同様である)。基体上でのエアロゾルの滞留時間は、エアロゾルの沸点を変えること(溶媒系中の低沸点溶媒と高沸点溶媒との比率を変えることによって行われる)によって制御することができる。更に、基体の上及び/中へ施される開始剤の量は、エアロゾルの流速、エアロゾル用気体混合物、エアロゾル液滴の大きさ、エアロゾルの電荷、基体の電荷、エアロゾルを堆積させる環境(温度、圧力、及び/又は雰囲気)、及び施されるエアロゾルの量を変えることによって制御することができる。エアロゾルの堆積は、金属、セラミック、ガラス、ポリマー、生きている又は死んだ生物学的組織、編み繊維及び不編み繊維、ケイ素などの半金属をはじめとする、本明細書に記載の基体のいずれかに施すことができる。
組み込み方法にかかわらず、開始剤は、基体にインビビションすること、又は基体上に開始剤を含むコーティングを堆積させることによって、基体中に組み込まれる。組み込まれる開始剤は、1種の開始剤種、又は1種を超える開始剤種を含むことができる。例えば、1種又は複数種の紫外線(UV)開始剤、1種又は複数種の熱開始剤、及び/又は1種又は複数種のレドックス開始剤を、基体中に組み込むことができる。より具体的には、目下好ましい一実施形態において、開始剤は、本明細書中の別の場所で説明されるようなその上限と下限との間の表面近傍ゾーン中に組み込まれる。今までの実験的証拠に基づいて、なんらかの特定の理論に拘泥することなしに、組み込まれた開始剤は、表面近傍ゾーン及び基体表面内からのポリマー材料のグラフト化を可能にすると思われる。
各モノマーは、それらの反応性比が、各モノマーを前以て指定した比率で含む交互コポリマー、周期コポリマー、ランダムポリマー、ブロックコポリマー又はホモポリマーを与えるように、選択することができる。各モノマー単位上に2種を超える反応基を含めると、星状ポリマー、デンドリマー、規則的分岐ポリマー、ランダム分岐ポリマー、及びブラシ状ポリマーの形成が可能になる。一般に、モノマーは、本明細書に開示のモノマーのいずれかから選択することができる。したがって、例えば、モノマーは、式ZI−1〜ZI−7に相当するペンダント基のいずれかを含むことができる。さらなる例として、重合により、モノマーは、式1〜12のいずれかに相当する反復単位を有するポリマーを提供することができる。好ましい実施形態において、モノマーは、重合用混合溶媒系と混和性である。
疎水性基体の表面を修飾する方法では、好ましくは、親水性溶媒系が採用される。ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、リン酸イオン、又は酢酸イオンなどのイオン又は緩衝剤を含んでいてもよい水性溶液が、溶媒系として使用される。親水性基体を修飾する方法では、好ましくは、疎水性溶媒系が使用される。このような方法において、好ましい媒体は、有機溶媒、典型的には、非極性有機溶媒、又はこれらの混合物である。例示的な有機溶媒は、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレン、テトラヒドロフラン、及び脂肪族アルコールの少なくとも1種又は複数を含む。好ましい実施形態において、溶媒系は、基体(又はポリマーがグラフトされる基体の少なくともその部分)を、体積で25%を超えるまで膨潤させることはない。例えば、このような一実施形態において、溶媒系は、基体(又はポリマーがグラフトされる基体の少なくともその部分)を、体積で10%を超えるまで膨潤させることはない。好ましい実施形態において、溶媒系は、基体(又はポリマーがグラフトされる基体の少なくともその部分)を、体積で5%を超えるまで膨潤させることはない。一実施形態において、溶媒系は、基体(又はポリマーがグラフトされる基体の少なくともその部分)を収縮させる可能性もある。
とりわけ好ましい一実施形態において、親水性ポリマー材料は、連鎖成長付加重合によって基体からグラフトされる。本明細書に記載の重合条件は、他の重合方法に比較して、一般的には温和であり、したがって、下にある基体の機械的特性、可撓性、又は寸法特性を有意に変更することはない。好ましい一実施形態において、例えば、重合は、60℃を超えない温度で実施される。重合は、比較的広範なpH範囲にわたって、例えば、約0〜10で実施することができる。一実施形態において、重合反応は、約2〜8のpHで実施される。例えば、レドックス対としてDCP及びグルコン酸第1鉄を使用する場合、重合反応は、約6〜8のpHで実施することができる。さらなる例として、レドックス対として過酸化ベンゾイル及びグルコン酸第1鉄を使用する場合、重合反応は、約4〜6のpHで実施することができる。さらなる例として、レドックス対としてモノペルオキシ炭酸O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)(「TBEC」)及びグルコン酸第1鉄を使用する場合、重合反応は、約5〜7のpHで実施することができる。
ラジカル重合法の例としては、限定はされないが、UV、熱及びレドックスで開始される方法が挙げられる。特定の実施形態において、ポリマーは、まず、基体中に紫外(UV)、熱又はレドックス開始剤などの1種又は複数の開始剤を組み込むこと、及び表面から1種又は複数のモノマーの重合を開始させることによって、基体からグラフトされる。好ましくは、開始剤は、基体に開始剤をインビビションすること、又は基体に層、例えば、開始剤を含むアンダーコーティング層(時には、本明細書中で共堆積層と呼ばれる)をコーティングすることによって、基体中に組み込まれる。重合は、典型的には、開始剤をインビビションさせた基体を、重合すべき1種又は複数のモノマーの溶液又は懸濁液に曝露することによって開始される。基体に導入されるポリマーの量は、溶媒溶液中のポリマー濃度、ポリマー溶液の表面張力、重合温度、ポリマー溶液のpH、重合溶液の撹拌又は流動状態を変えることによって、1回の重合段階で基体をポリマー溶液中に存在させる時間を変えることによって、及び/又は要求されるような任意の回数の重合段階を繰り返すことによって制御することができる。複数の重合段階を利用する場合、次の重合段階で使用されるポリマーは、前の重合段階で使用されたポリマーと同一のポリマー、異なるポリマー、又は混合物でよい。
連鎖移動剤をモノマー溶液中に添加して、グラフト−フロム型のラジカル重合反応速度に影響を及ぼすことができる。連鎖移動剤としては、限定はされないが、ハロゲン化炭素を含む分子、チオール、ジチオカルバメート、トリチオカルボナート、ジチオエステル、キサンテート、第一級又は第二級アルコールが挙げられる。連鎖移動剤の例には、ブロモトリクロロメタン、4−メチルベンゼンチオール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセロール、及びイソプロパノールがある。一実施形態において、ラジカル重合によるグラフト化は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を使用して媒介される。一実施形態において、ラジカル重合によるグラフト化は、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)剤を使用して媒介される。RAFT剤の例としては、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロピオン酸、2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエート、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボネート、4−シアノ−4−(フェニルカルボノチオイルチオ)ペンタン酸、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニル)スルファニル]ペンタン酸、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィド、ビス(チオベンゾイル)ジスルフィド、シアノメチルドデシルトリチオカルボネート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモジチオエート、及びそれらの類似体及び誘導体が挙げられる。
モノマー及び溶媒系に加えて、重合混合物は、表面グラフト化を促進するためのフリーラジカル抑制剤を含んでいてもよい。なんらか特定の理論に拘泥するものではないが、今のところ、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェナザチオニウムクロリド、トリエチレンジアミン、t−ブチルカテコール、ブチル化ヒドロキシトルエン、及び4−t−ブチルフェノールをはじめとするフリーラジカル抑制剤のグラフト化溶液への添加は、溶液重合を低下させ、それによって、より多くのモノマーを、基体表面/重合混合物の界面又はその近傍でのグラフト化に利用可能にすると考えられる。
可塑剤を、表面重合中及び/又は表面重合に続く任意の時点で、グラフトされたポリマー中に組み込むことができる。好ましい実施形態では、親水性可塑剤(クエン酸エステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、及び/又はポリエチレングリコール(<2000MW))が、重合後の水洗段階中に、グラフトされたポリマー中に組み込まれる。
i.UV開始剤
一実施形態において、開始剤は、紫外線(UV)開始剤である。基体及び開始剤は、典型的には、双性イオンモノマーを含む脱気された水性溶液中に配置され、UV光に曝露され、ラジカル重合を開始する。例示的な一実施形態において、UV光は、100WのUV灯によって発生した365nmのピーク波長を有する。
UVラジカル開始剤の例としては、限定はされないが、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン、3’−ヒドロキシアセトフェノン、4’−エトキシアセトフェノン、4’−ヒドロキシアセトフェノン、4’−フェノキシアセトフェノン、4’−tert−ブチル−2’,6’−ジメチルアセトフェノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾイン、4,4’−ジメチルベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン、2−メチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス[2−(1−プロペニル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメート、Michlerのケトン、スルホニウム、イオジウム、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、p−トルエンスルホン酸ジフェニルイオジニウム塩、ペルフルオロ−1−ブタンスルホン酸N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシミド、トリフル酸N−ヒドロキシナフタルイミド、2−tert−ブチルアントラキノン、9,10−フェナントレンキノン、アントラキノン−2−スルホン酸ナトリウム塩一水和物、カンファーキノン、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、10−メチルフェノチアジン、チオキサントン、及びIRGRCURE2959が挙げられる。
ii.熱開始剤
別の実施形態では、上記のUV開始剤に代わって熱で活性化される(熱)開始剤が使用され、グラフト−フロム型重合が、モノマーの水性溶液の温度を所望温度まで加熱することによって開始され、所望の重合度が達成されるまでその温度で一定に保持される。
適切な熱開始剤としては、限定はされないが、過安息香酸tert−アミル、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,3−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、tert−ブチルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、過酢酸、過硫酸カリウムが挙げられる。
溶液の加熱温度は、中でも、モノマー及び/又は開始剤、及び/又は基体に依存する。熱ラジカル開始剤の例としては、限定はされないが、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)などのアゾ化合物が挙げられる。好ましいグラフト化温度は、選択された開始剤の10時間T1/2に近い。グラフト−フロム型ラジカル重合反応は、開始剤の半減期を超えて加熱することによって熱的に停止させることができる。
iii.レドックス開始剤
別の実施形態では、レドックス開始剤系を使用して、基体表面からの重合を開始する。レドックス開始剤系は、典型的には、一対の開始剤:酸化剤及び還元剤を含む。本明細書に記載のレドックスの化学を改変して、例えば、双性イオンポリマー材料などの親水性ポリマー材料を調製することができる。レドックスによる開始は、温和な条件下でフリーラジカルを効果的に発生させるための一電子移動反応とみなされる。適切な酸化剤としては、限定はされないが、過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、ペルオキシカーボネート、ペルオキシジスルフェート、ペルオキシジホスフェート、過マンガン酸塩、Mn(III)、Ce(IV)、V(V)、Co(III)、Cr(VI)及びFe(III)などの金属の塩が挙げられる。
適切な還元剤としては、限定はされないが、Fe(II)、Cr(II)、V(II)、Ti(III)、Cu(II)及びAg(I)の塩などの金属塩、ならびに硫黄のオキシ酸、ヒドロキシ酸、アルコール、チオール、ケトン、アルデヒド、アミン及びアミドが挙げられる。例えば、一部の実施形態において、還元剤は、L−アスコルビン酸鉄(II)塩、硫酸第一鉄、酢酸鉄(II)、鉄(II)アセチルアセトネート、エチレンジアンモニウム硫酸鉄(II)、グルコン酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)、又は硫酸鉄(II)などの鉄(II)塩である。
重合は、レドックス反応から直接的に形成されるラジカルによって、及び/又はレドックス反応中に形成される一時的ラジカルによる基体からの水素原子の抜き取りによって形成される巨大ラジカルによって開始することができる。
一実施形態において、基体は、アンダーコーティング被膜でコーティングされ、親水性材料が、レドックス重合によってアンダーコーティング層からグラフトされる。アンダーコーティング被膜は、酸化剤又は還元剤を含む。好ましい実施形態において、アンダーコーティング層は、酸、アルコール、チオール、ケトン、アルデヒド、アミン及びアミドなどの1種又は複数の還元剤を含む。酸化剤は、アンダーコーティング層の1種又は複数の官能基と反応して、グラフト−フロム型重合を開始するラジカルを形成するのに使用される。
特定の実施形態において、アンダーコーティング層は、シラノール及び/又はヒドロキシル基を含む脂肪族鎖のペンダント基を有するコポリマーである。このような材料を使用して、ポリウレタン(PU)などのポリマー基体上にアンダーコーティング層を形成することができる。Ce(IV)の塩などの酸化剤は、アンダーコーティング層中で温和な条件下にヒドロキシル基と反応してヒドロキシルラジカルを形成し、双性イオンポリマーを成長させる。
更に別の実施形態において、一対の過酸化物及び金属塩(Fenton反応中で使用されるFe(II)など)は、レドックス重合において、ポリウレタンなどのポリマーから双性イオンポリマーをグラフトするために使用される。レドックス重合で使用するための過酸化物としては、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ジペルオキシケタール、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、ペルオキシドジカルボネート、及びペルオキシエステルが挙げられる。例示的なジアシルペルオキシドとしては、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、過酸化ベンゾイルが挙げられる。例示的なジアルキルペルオキシドとしては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンの異性体混合物、ジ(t−アミル)ペルオキシド、ジ(t−ブチル)ペルオキシド、及び2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシンが挙げられる。例示的なジペルオキシケタールとしては、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)吉草酸n−ブチル、3,3−ジ(t−アミルペルオキシ)ブタン酸エチル、及び3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)酪酸エチルが挙げられる。例示的なヒドロペルオキシドとしては、クメンヒドロペルオキシド及びt−ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。例示的なケトンペルオキシドとしては、メチルエチルケトンペルオキシド混合物及び2,4−ペンタンジオンペルオキシドが挙げられる。例示的なペルオキシジカルボネートとしては、ジ(n−プロピル)ペルオキシジカルボネート、ジ(sec−ブチル)ペルオキシジカルボネート、及びジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネートが挙げられる。例示的なペルオキシエステルとしては、ペルオキシネオデカン酸3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチル、ペルオキシデカン酸α−クミル、ペルオキシネオデカン酸t−アミル、ペルオキシデカン酸t−ブチル、ペルオキシピバリン酸t−アミル、ペルオキシピバリン酸t−ブチル、2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ペルオキシ−2−エチルヘキサン酸t−アミル、過酢酸t−アミル、過酢酸t−ブチル、過酢酸t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、モノペルオキシ炭酸OO−(t−アミル)−O−(2−エチルヘキシル)、モノペルオキシ炭酸OO−(t−ブチル)−O−イソプロピル、モノペルオキシ炭酸OO−(t−ブチル)−O−(2−エチルヘキシル)、ペルオキシ炭酸ポリエーテルポリ−t−ブチル及びペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサン酸t−ブチルが挙げられる。
一部の実施形態では、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、過酸化水素、又はジクミルペルオキシドなどの前記過酸化物のいずれかをポリウレタンなどのポリマー中に、該ポリマーを過酸化物の有機溶媒溶液中に所定時間浸漬することによってインビビションし、そして乾燥することができる。過酸化物を含むポリマーを、モノマー溶液中に入れる。レドックス重合は、還元剤、例えば、塩化鉄(II)、硫酸鉄(II)、硫酸アンモニウム鉄(II)、又はグルコン酸鉄(II)などのFe(II)の塩をモノマー溶液に室温又は高められた温度で添加することによって開始される。
1つの適切な方法によれば、例えば、Fenton反応を利用して、表面修飾反応を開始する。一実施形態において、鉄(II)種と過酸化水素との混合物による酸化は、水性溶液中、温和な条件、例えば室温下に比較的低濃度(例えば、一部のコンタクトレンズ用市販洗浄液未満の)の過酸化水素中で実施される。Fenton反応によって開始される表面修飾は、迅速かつ単純な一段階反応であり、他の開始剤系と異なり、残留開始剤は、無毒性であり、かつ本明細書中の別の場所で説明されるように容易に抽出される。特定の一実施形態において、鉄(II)種は、反応混合物中に約0.1mM〜約0.5M(例えば、0.5mM、10mM、25mM、50mM、100mM又は250mM)の濃度で存在する。これらの及びその他の実施形態において、過酸化物(例えば、過酸化水素)は、反応混合物中に約0.05%〜約10%の濃度で存在する。反応混合物に適した溶媒及び溶媒系、ならびに反応を実施するための代表的な温度は、本明細書中の別の場所で説明される通りである。
カテーテル構成要素の表面をグラフト重合によって修飾する場合、疎水性−親水性レドックス開始剤の対を使用することが、とりわけ有用であることが見出された。例えば、一実施形態において、疎水性−親水性レドックス開始剤対の疎水性メンバーは、前に説明したような疎水性基体中に組み込まれる。次いで、該基体表面は、モノマー、典型的には親水性モノマー、及びレドックス対の親水性メンバーを含む水性重合混合物で処理される。この方法は、ポリマーが、表面曝露される修飾すべき外側及び内側表面(カテーテル)及び容易には光に曝露することのできない任意の基体を有する構成要素にグラフトされる場合、特定の利点を提供する。更に、このような系は、バルク重合混合物中での重合混合物/基体表面の界面から離れた非グラフト型重合の度合を最小にする傾向がある。
好ましい実施形態において、親水性−疎水性レドックス対は、疎水性酸化剤/親水性還元剤の対であり、ここで、(i)疎水性酸化剤は、過安息香酸tert−アミル、モノペルオキシ炭酸O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)、過酸化ベンゾイル、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ビス(1−(tert−ブチルペルオキシ)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、tert−ブチルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、炭酸tert−ブチルペルオキシイソプロピル、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、又は1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)であり、かつ(ii)親水性還元剤は、Fe2+、Cr2+、V2+、Ti3+、Co2+、Cu+、又はアミン;遷移金属イオンの錯体、例えば、銅(II)アセチルアセトネート、HSO3-、SO3 2-、S2O3 2-又はS2O5 2-である。例示的な組合せとしては、前記過酸化物のいずれかとFe2+が挙げられる。一部の好ましい実施形態において、過酸化ベンゾイル、ジクミルペルオキシド、又はモノペルオキシ炭酸O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)は、Fe2+と組み合わせて使用される。
代わりの実施形態において、親水性−疎水性のレドックス対は、親水性酸化剤/疎水性還元剤の対であり、ここで、(i)親水性酸化剤は、過酢酸、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩、Fe3+、ClO3-、H2O2、Ce4+、V5+、Cr6+又はMn3+、あるいはこれらの組合せであり、かつ(ii)疎水性還元剤は、アルコール、カルボン酸、アミン、又はボロンアルキル、あるいはこれらの組合せである。
1つの適切な方法によれば、例えば、過硫酸カリウムを使用して、上記のFenton反応プロトコールと同様に、表面修飾反応を開始することができる。レドックス対を必要とする多くのレドックス反応と異なり、過硫酸カリウムは、単独で、水性溶液中で一段階反応を効率的に開始することができる。特定の一実施形態において、過硫酸カリウムは、反応混合物中に約0.1mM〜約0.5M(例えば、0.5mM、10mM、25mM、50mM、100mM又は250mM)の濃度で存在する。反応混合物に適した溶媒及び溶媒系、ならびに反応を実施するための代表的な時間及び温度は、本明細書中の別の場所で説明される通りである。
その他の適切なレドックス系としては、(1)アルコールのCe4+、V5+、Cr6+、Mn3+による酸化などの有機−無機のレドックス対;(2)チオスルフェート+アクリルアミド、チオスルフェート+メタクリル酸、及びN,N−ジメチルアニリン+メタクリル酸メチルなど、レドックス対の構成要素として作用できるモノマー;ならびに(3)ボロンアルキル−酸素系が挙げられる。
iv.例示的な開始剤
例示的な開始剤としては、限定はされないが、ジアシルペルオキシド、例えば、過酸化ベンゾイル、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、コハク酸ペルオキシド、ジスクシンペルオキシド、及びジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシドが挙げられる。好ましい実施形態において、ジアシルペルオキシドは、過酸化ベンゾイルなどの芳香族ジアシルペルオキシドである。
その他の例示的な開始剤としては、限定はされないが、ペルオキシジカルボネート、例えば、ペルオキシ二炭酸ジエチル、ペルオキシ二炭酸ジ−n−ブチル、ペルオキシ二炭酸ジイソブチル、ペルオキシ二炭酸ジ−4−tert−ブチルシクロヘキシル、ペルオキシ二炭酸ジ−sec−ブチル、ペルオキシ二炭酸ジ−2−エチルヘキシル、ペルオキシ二炭酸ジ−n−プロピル、及びペルオキシ二炭酸ジイソプロピル;ペルオキシエステル、例えば、過ネオデカン酸t−ブチル、ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル及びt−アミル、ならびに過安息香酸t−ブチル;t−ブチルをベースにしたモノペルオキシカルボネート、及び炭酸t−アミルモノペルオキシ2−エチルヘキシル;過硫酸塩、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸ナトリウム;クメンヒドロキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ジ(tert−アミル)ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、2,4−ペンタンジオンペルオキシド、2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2、5−ジメチル−3−ヘキシン、2−ブタノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、tert−ブチルペルオキシド、過安息香酸tert−ブチル、過炭酸tert−ブチル2−エチルヘキシル、過炭酸tert−ブチルイソプロピル、4−ニトロ過安息香酸t−ブチルエステル、シクロヘキサノンペルオキシド、[(メチルペルオキシ)(ジフェニル)メチル]ベンゼン、ペルオキシ二炭酸ビス(t−ブチルシクロヘキシル)、及び2,4,6−トリフェニルフェノキシル二量体が挙げられる。
内側及び外側の双方の表面上にコーティングを必要とする基体の場合、重合を開始するためにさらなる考慮が必要とされる。熱開始剤を使用できるが、典型的には必要とされる高められた温度は、基体材料に有害な影響を及ぼすことがある。UVをベースにした手法は、それらの方法が材料中に浸透できるか、あるいは、例えば内腔中に織り込まれた繊維状光源から内腔内で適用できるように設計されなければならない。このことは、基体ポリマーによって吸収されないUV波長で不安定である光賦活開始剤を選択することによって達成することができる。一般に、より短波長のUV照射は、より長波長のUVに比べてより少なく吸収され、より容易に浸透する。
対照的に、レドックスの化学は、一般に、重合が光分解的に開始されるものではないため、重合を開始するために光源への直視線を必要とせず、したがって、UV光源に曝露することが困難である1種又は複数の表面を有する基体、例えば、カテーテル内腔をコーティングするのに有利である可能性がある。更に、レドックス重合は、典型的には、低温で、例えば60℃未満、55℃未満、45℃未満、40℃未満、35℃未満、又は30℃未満で行うことができる。
グラフト−フロム型重合は、カチオン又はアニオン反応を介して生長でき、ここで、基体表面は、カチオン又はアニオン開始剤として作用するか、あるいはカチオン又はアニオン開始剤が、基体上に固定化され、モノマーは反応性オレフィンを含む。アニオン重合の例が、ポリカプロラクトン又はポリカプロラクタムを合成する場合のようなアニオン開環であり、ここで、重合は、双性イオンペンダント基を含む環状構造中のラクトン又はラクタム部分を介して進行する。別法として、1つ又は複数の単位の不飽和及び双性イオンペンダント基を含む有機環が重合される。一実施形態において、ペンダントオレフィンは、モノマー単位中に含められ、開環メタセシス重合(ROMP)におけるように、架橋のために使用される。
カテーテルを修飾する際の特定の難題は、修飾するための試薬をデバイスの内腔に、内腔寸法を変えずに、又は内腔の1つに閉塞を起こすことなしに送達することにある。従来のグラフト−ツー手法は、溶液中で作り出され、コーティングのために内腔内に流し込まれるポリマーを必要とする。ポリマーの濃度、分子量、及び溶媒によっては、この溶液の粘度が、内腔中に均一に流すことを困難にする可能性がある。一部の事例において、ポリマーは、内腔中に不均一に堆積し、更には内腔の閉塞をもたらす可能性もある。好ましい手法は、重合反応中にプレポリマー又はポリマーと異なる小さな分子試薬のみを送達すべきである。
好ましい実施形態において、親水性ポリマーは、コーティング溶液を使用してデバイスの内腔内で作り出されるか、内腔に塗布される。好ましい実施形態において、このコーティング溶液は、周期的又は連続的に、より大きなリザーバーによって交換されるか、新しい溶液と取り替えられる。このコーティング溶液を周期的又は連続的に置き換えることは、モノマー又は可溶性開始剤のレベルを補充することを可能にする。コーティング過程中に内腔中の流体を更に置き換えることは、溶液中で形成された遊離ポリマーを、反応中に内腔から除去することを可能にする。最終的に、この溶液を交換することは、また、内腔内部の温度制御を助ける可能性がある。一部の実施形態において、表面を損傷するのに、又は大きな剪断を有することによって共形性を低下させるほど十分な流速を有さないことが望ましい。
好ましい実施形態において、コーティング溶液は、内腔内のコーティング溶液を1時間に少なくとも1回置き換えるのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、30分のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、15分のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、10分のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、5分のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、1分のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、30秒のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。さらなる好ましい実施形態において、コーティング溶液は、15秒のコーティング溶液の内腔内滞留時間を達成するのに十分な速度で流される。
好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、離れた時点で周期的に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも1時間毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも30分毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも15分毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも10分毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも5分毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも1分毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも30秒毎に置き換えられる。好ましい実施形態において、カテーテルの内腔中のコーティング溶液は、少なくとも15秒毎に置き換えられる。
好ましい実施形態において、親水性ポリマーは、重合温度で30cP未満の粘度を有する反応混合物を用いてデバイスの内腔に施される。例えば、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で25cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で20cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で15cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で10cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で7.5cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で5cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で4cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で3cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で2.5cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で2cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で1.5cP未満の粘度を有する。さらなる例として、一実施形態において、反応混合物は、重合温度で1cP未満の粘度を有する。一般に、重合反応は、20〜80℃の範囲の温度で実施される。より典型的には、特定の実施形態において、重合反応は、約60℃未満の温度で実施される。構築される材料、カテーテルの大きさ、溶媒、及びその他の反応条件に応じて、重合反応は、約30〜50℃の範囲の温度で実施することができる。
コーティング溶液中に親水性のファウリング性ポリマーが高濃度で存在すると、内腔中にコーティングの不均一な堆積が生じる可能性があるか、あるいはしっかり結合されていない親水性ポリマーを除去するのに徹底的な洗浄を必要とする可能性がある。高濃度のポリマーを含む溶液を送達するよりも、初めにモノマー及び開始剤のみを含むコーティング溶液を送達することが好ましい可能性がある。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、5mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、2.5mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、1mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、0.5mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、0.25mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、0.1mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、0.05mg/mL未満である。好ましい実施形態において、コーティング溶液中での親水性ポリマー濃度は、0.01mg/mL未満である。ポリマー濃度は、HPLCを含む分離及び分析技術によって測定することができる。
好ましい実施形態において、開始剤のインビビション条件は、通常の反応溶液を親水性層の重合に使用する場合、医療デバイスの多様な材料上に親水性層を作り出すのに十分である。
インビビション過程の結果として、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、約0.001重量%の開始剤を含むことができる。一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた構成要素は、より大きな量の、例えば、少なくとも約0.01重量%の開始剤を含む。例えば、一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、少なくとも約0.1重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、約0.05重量%〜約2重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、少なくとも約0.1重量%〜約1重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、約0.2重量%〜約0.5重量%の開始剤を含む。さらなる例として、一部の実施形態において、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、約1重量%〜約10重量%の開始剤を含む。しかし、典型的には、同一条件下でインビビションされた多様な構成要素は、約20重量%未満の開始剤を含む。これらの実施形態のそれぞれにおいて、開始剤は、好ましくは、本明細書中の別の場所で説明されるようなUV、熱又はレドックス開始剤の中の1種である。
カテーテルの多様な構成要素に開始剤をインビビションするのに使用される溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を種々の度合まで膨潤させる能力を有することができる。典型的には、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を室温及び周囲圧力で900体積%未満まで膨潤させる能力を有する。例えば、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を750体積%未満まで膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を500体積%未満まで膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を250体積%未満まで膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満まで膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を100体積%未満まで膨潤させる能力を有する。さらなる例として、このような一実施形態において、インビビション用溶媒は、カテーテルの多様な構成要素(又は開始剤をインビビションすべき基体の少なくとも一部)を25体積%未満まで膨潤させる能力を有する。
好ましくは、2種以上のカテーテル構成要素は、重合混合物によって(例えば、重合用混合溶媒系、重合モノマー、又は双方によって)有意には膨潤されず、基体中に組み込まれる開始剤は、溶媒系に対して限られた溶解度を有する。
好ましい実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる2種以上のカテーテル構成要素は、重合用混合溶媒系中、25℃での平衡条件下で、30体積%を超えて膨潤することはない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる2種以上のカテーテル構成要素は、重合用混合溶媒系中、25℃での平衡条件下で、15体積%を超えて膨潤することはない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる2種以上のカテーテル構成要素は、重合用混合溶媒系中、25℃での平衡条件下で、5体積%を超えて膨潤することはない。特定の実施形態において、親水性ポリマーがグラフトされる2種以上のカテーテル構成要素は、重合用混合溶媒系中、25℃での平衡条件下で、膨潤することがないか、収縮することさえある。前に言及したように、構成要素の基体は、複合材料でよい。このような例において、重合開始剤が組み込まれる基体の表面近傍領域は、本明細書中に挙げられた膨潤基準を満足することが好ましい。例えば、基体が、金属、セラミック、ガラス、又は半金属材料の上にあるプレコート材料のコーティングを含むそれらの実施形態において、プレコート材料のコーティングは、重合用混合溶媒系中、25℃での平衡条件下で、30体積%を超えて膨潤しないことが好ましい。
本明細書中の別場所で説明するように、開始剤は、レドックス対を含むことができ、このような実施形態において、このような対の少なくとも一方のメンバーは、重合用混合溶媒系に対してこのような限られた溶解度を有する。一実施形態において、レドックス対は、過酸化物及び還元剤を含み、ここで、過酸化物は、重合用溶媒系に対して限られた溶解度を有し、還元剤は、重合用溶媒系に対して高い溶解度を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、2種以上の疎水性構成要素に対して3以上のlogP分配係数を、親水性基体及び相に対して3未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、2種以上の疎水性構成要素に対して5以上のlogP分配係数を、親水性基体及び相に対して1未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、2種以上の疎水性構成要素に対して7以上のlogP分配係数を、親水性基体及び相に対して−1未満のlogP分配係数を有する。さらなる例として、特定の実施形態において、過酸化物は、2種以上の疎水性構成要素に対して9以上のlogP分配係数を、親水性基体及び相に対して−3未満のlogP分配係数を有する。
本発明を詳細に説明したので、添付の特許請求の範囲中で規定される本発明の範囲から逸脱することなしに、修正形態及び変形形態が可能であることが、明白であろう。更に、本開示中のすべての例は、非限定的例として提供されることを認識されたい。
以下の非限定的例は、本発明を更に例示するために提供される。当業者は、以下の例中で開示される技術は、本発明者らが本発明の実施において十分に機能することを見出した手法に相当し、したがってその実施方式の例を構成すると考えることができることを認識されたい。しかし、当業者は、本開示に照らして、多くの変更を、開示されている具体的実施形態においてなし得ること、及び本発明の精神及び範囲から逸脱することなしに、同様又は類似の結果をやはり達成できることを認識されたい。
(例1)
PICCカテーテルの表面修飾
ポリウレタン(Tecothane(登録商標))−30%BaSO4−5フレンチのDD内腔カテーテル本体、ポリウレタン(Pellethane(登録商標))接合ハブ、及びポリウレタン(Pellethane(登録商標))延長ラインを含むPICCカテーテルを、表面修飾した。PICC本体の内腔は、ほぼ500:1のアスペクト比を有した。まず、カテーテル全体に、モノペルオキシ炭酸O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)(「TBEC」)をインビビションした。次に、カテーテルをSBMAモノマー+Fe(II)の反応溶液で修飾した。インビビション溶液及び反応溶液は、ポンプ送液システムを使用してカテーテルの内腔を通して流した。修飾された試料を洗浄し乾燥した。この例で、SBMAは、重合反応中に導入された唯一のモノマーであった。
(例2)
PICCカテーテルの表面修飾−本体内腔
例1で修飾した3本のPICCカテーテルを本体の軸長に沿って間隔をあけて11区画に切断した。3本のそれぞれに由来する対応セグメントからのデータを平均した。親水性表面修飾は、PICC本体の軸長の全域で、内腔壁、外側、及び隔壁に関して200nmを超える平均乾燥厚さを有した。親水性表面修飾は、PICC本体の軸長全域での厚さに関し、内腔壁、外側、及び隔壁に対応する表面の平均乾燥厚さの25%未満の標準偏差を有した。
(例3)
PICCカテーテルの表面修飾−本体内腔の中間点領域
例1で修飾した3本のPICCカテーテルを本体の軸長に沿って間隔をあけて11区画に切断した。3本のそれぞれに由来する対応セグメントからのデータを平均した。親水性表面修飾は、本体内腔壁の中間点領域で200nmを超える乾燥厚さを有した。本体内腔の中間点領域での乾燥厚さは、本体内腔の軸長全域での平均乾燥厚さの80%を超えていた。
(例4)
PICCカテーテルの表面修飾−本体の共形性
例1のように修飾されたPICC本体を、共焦点レーザープロフィロメトリーで、表面の修飾領域を未修飾部分から識別する条件下で調べた。カテーテル本体の内腔壁は、0.01mm2のレベルで共形(共形)であることが見出された。
(例5)
PICCカテーテルの表面修飾−延長ライン
17本のPICCカテーテルを例1のように修飾し、IR分析のために、延長ラインを切開して内腔壁を露出させた。17本のそれぞれに由来する対応セグメントからのデータを平均した。親水性表面修飾は、延長ラインの軸長全域の内腔壁及び外側上で200nmを超える平均乾燥厚さを有した。更に、親水性表面修飾は、延長ラインの外側壁、延長ラインの内腔壁、カテーテル本体の外側壁、カテーテル本体の内腔壁、及びカテーテル本体の隔壁上で200nmを超える平均乾燥厚さを有した。更に、親水性表面修飾は、延長ラインの内腔壁、カテーテル本体の内腔壁、及びカテーテル本体の隔壁上で1000nm未満の平均乾燥厚さを有した。
(例6)
PICCカテーテルの表面修飾−延長ラインの均一性
17本のPICCカテーテルを例1のように修飾し、IR分析のために、延長ラインを切開して内腔壁を露出させた。17本のそれぞれに由来する対応セグメントからのデータを平均した。親水性表面修飾は、延長ラインの軸長全域での厚さに関し、内腔壁又は外側の対応表面の平均乾燥厚さの25%未満の標準偏差を有した。
(例7)
PICCカテーテルの表面修飾−延長ラインの共形性
例1で修飾したPICC延長ラインの内腔を、共焦点レーザープロフィロメトリーで、表面の修飾領域を未修飾領域から識別する条件下で調べた。延長ラインの内腔表面は、0.01mm2のレベルで共形であることが見出された。
(例8)
PICCカテーテルの表面修飾−接合ハブ
PICCカテーテルを例1のように修飾し、IR分析のために、接合ハブを切開して内腔壁を露出させた。親水性表面修飾は、接合ハブの内腔上で200nmを超える平均乾燥厚さを有した。同一方法で作られたカテーテルも、カテーテル本体及び延長ラインの内腔表面上で200nmを超える平均乾燥厚さを有した。
(例9)
本発明の方法のPICCカテーテルに対する機械的及び寸法的影響
例1で修飾したPICCカテーテルを、機械的特性に関して、個々のカテーテル構成要素又は2つの構成要素の交差接合の破壊強度を測定するためのInstronテスターを使用し、未修飾デバイスと比較して評価した。修飾されたPICCは、未修飾PICCと比較して、カテーテル本体の破壊力、カテーテル本体の破断前伸び、延長ラインの破壊力、本体/接合ハブの破壊力、延長ライン/接合ハブの破壊力、又は延長ライン/ルアーハブの破壊力において低下を示さなかった。
(例10)
MARTECH(登録商標)血液透析カテーテルの表面修飾
Martech(登録商標)14.5フレンチ×55cm MOREFLOW CARBO−BLUEカテーテルを表面修飾した。まず、カテーテル全体に、ジクミルペルオキシド(「DCP」)をインビビションした。次に、カテーテルを、SBMAモノマー+Fe(II)の反応溶液で静的に修飾した。修飾した試料を洗浄し乾燥した。
(例11)
MARTECH(登録商標)血液透析カテーテルの表面修飾
Martech(登録商標)14.5フレンチ×55cm MOREFLOW CARBO−BLUEカテーテルを表面修飾した。まず、カテーテル全体に、モノペルオキシ炭酸O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)(「TBEC」)をインビビションした。次に、カテーテルを、SBMAモノマー+Fe(II)の反応溶液で静的に修飾した。修飾した試料を洗浄し乾燥した。
(例12)
MARTECH(登録商標)カテーテルの表面修飾−先端の均一性
例10で修飾したMartech(登録商標)カテーテルの先端を、本体の軸長から切断した。親水性表面修飾は、走査電子顕微鏡法で記録された22枚の画像から0.01mm2のレベルで共形であることが見出された。
(例13)
MARTECH(登録商標)カテーテルの表面修飾−先端の均一性
例10で修飾したMartech(登録商標)カテーテルの先端を、本体の軸長から切断した。親水性表面修飾は、走査電子顕微鏡法で記録された22枚の画像から0.01mm2のレベルで共形であることが見出された。
(例14)
MARTECH(登録商標)カテーテルの表面修飾−先端(MWS1−2492)の厚さ
例10で修飾したMartech(登録商標)カテーテルの先端を、本体の軸長から切断した。親水性ポリマー表面は、ほぼ3μmの乾燥厚さを有した。