JP2015506708A - 低木成長習性を有する三倍体スイカ植物 - Google Patents

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Abstract

本出願は、植物育種の分野、特にスイカ育種に関する。低木型三倍体スイカ植物(およびこれらの植物が成長しうる種子)およびこれらの植物から産生される種無しスイカ果実を提供する。また、低木型花粉供与植物および低木型四倍体植物、ならびに低木成長型を有する三倍体雑種の生産方法、ならびに高品質の種無しスイカ果実の生産方法を提供する。

Description

本発明は植物育種および植物改良の分野に関する。成長習性において「低木(bush)」(「b」で示される劣性「低木遺伝子」を含む)であり、染色体構成において三倍体(2n=3×=33)である新規雑種スイカ植物、およびそのような植物が成長しうる種子を提供する。これらの三倍体雑種植物が正常二倍体(2n=2×=22)花粉(花粉供与植物から入手可能)で受粉された場合、これらの植物は高品質の三倍体種無し果実を産生する。該三倍体雑種植物は、短い最長蔓(150cm以下、より好ましくは140cm以下、特に100cm以下)および短い節間長を有する低木成長習性を有するため、この植物は、圃場において、通常の非低木三倍体スイカ雑種の場合より高い密度で栽培可能であり、正常成長習性(200cmを超える又は300cmを超える平均最長蔓長を有する)を有する三倍体雑種の場合より高い、ヘクタール当たりの果実収量を与えうる。本発明の三倍体低木植物の平均植物直径は300cm以下、好ましくは280cm以下、特に200cm以下であり、一方、葉サイズおよび果実サイズのような他の特性は正常成長型の三倍体スイカ植物の場合に類似している。また、近交二倍体低木スイカ植物(bb)および近交四倍体(2n=4×=44)低木スイカ植物(bbbb)をも提供し、これらは、本発明の三倍体低木雑種スイカ植物(bbb)を生産するために、それぞれ、雄および雌親として使用される。また、本発明の三倍体低木植物から入手可能な三倍体種無し果実を、該三倍体低木雑種植物が成長しうる種子と同様に、提供する。更に、三倍体低木雑種の育種方法および三倍体低木雑種の栽培方法を提供する。
種無しスイカ(Citrullus lanatus(Thunb.)Matsum.And Nak.)は、四倍体母親植物の花を受精させるために二倍体雄親植物からの花粉を使用することにより生産される。二倍体花粉での該四倍体花の受粉は、三倍体である雑種F1種子を与える(Kihara,1951,Proceedings of American Society for Horticultural Science 58:217−230;Eigsti 1971,Hort Science 6:1−2)。これらのF1種子から成長した三倍体雑種植物は、染色体不均衡ゆえに不稔性花粉を産生するため、自家不稔性である(Fehr,1987)。したがって、該三倍体雑種は、スイカ果実を産生するためには二倍体花粉供与体により受粉される必要がある。したがって、三倍体植物は果実産生のための花粉供与植物と共に間植される。該三倍体雑種植物上で受粉後に産生される「種無し」果実は本当に種無しというわけではなく、しばしば、幾つかの未発達の小さな淡い可食性種子を含有する。
最適な実止まりのためには、十分な生存可能な花粉が必要である。植物は、一般に、2〜4個の三倍体植物当たり1個の花粉供与体の比で植付けられる。三倍体植物および花粉供与体は別々の列に植付けられ(例えば、1列に花粉供与体が、そして2〜4列に三倍体が植付けられる)、あるいは列内で間植され(例えば、同じ列内で2〜3個の三倍体植物の間に1個の花粉供与植物が植付けられる)、あるいは三倍体の列の間の狭い列内で間植される(US 2006/0168701 表2を参照されたい)。花粉供与植物上で産生される果実は、好ましくは、該三倍体雑種上の果実とは異なる外皮模様を有し、したがって、これらは容易に区別されうる。
種無しスイカの生産では、四倍体母系統(実生のコルヒチン処理により倍加する染色体)の生産、二倍体花粉供与体と四倍体母植物との間の和合性を見出すことのような幾つかの課題が未解決のままであり、三倍体種子は、しばしば、より厚い種皮を有し、このことはそれらの活力および発芽を低減する。前記要件による三倍体種子の高い生産コストと同様に、果実の質および均一性も問題となることが多い。
所望の形質を有する安定な四倍体近交母系統の作製は簡単ではなく、良好な二倍体を選択し、例えばコルヒチン処理を用いて染色体を倍加させることほど簡単ではない。倍加染色体を有する幾つかの細胞が得られ、植物が再生した後、該四倍体を安定化(固定)させ、望ましくない染色体異常を排除するために、幾つかの世代の自家受粉(近交)が必要とされる。
正常(非矮性)雑種三倍体雌親において種無し実止まりを誘導し、および/または花粉供与植物自体において種子含有果実を産生させるためには、より短い蔓および/またはより短い節間を有する小型(または矮性)二倍体花粉供与植物がしばしば使用される。例えば、正常雑種三倍体(種無し)のための花粉供与体として、および/または花粉供与果実産生(種有り)のために、品種サイドキック(Side Kick)(Harris Morin)が使用される。サイドキックは、ホモ接合形態の劣性対立遺伝子hmbn(US 7,314,979 B2)を含む二倍体花粉供与体であり、該劣性対立遺伝子は、より分枝状(多分枝状)であることにより、より「小型」の二倍体花粉供与植物を与える。また、ホモ接合hmbn hmbn植物の二倍体花粉供与果実は正常果実より小さい(正常二倍体の8.98kgに比較して1.6kgである)。一方、正常雑種三倍体がサイドキックのような花粉供与体で受粉した場合に産生される三倍体種無し果実は13〜21ポンド(5.8〜9.5kg)の大きな種無し果実である。HMBN小型(hmbn hmbn)は公知二倍体矮性突然変異体(dw−1 dw−1、例えば品種Bush Jubilee、またはdw−2 dw−2、例えば品種J86)ほど小型ではないが、標準的な二倍体型(例えば、Allsweed)より小型である。US 7,314,979の表1およびUS 8,034,999の表1を参照されたい。HMBN小型(hmbn hmbn)は正常二倍体の場合(平均14.7個)または公知矮性二倍体の場合(平均19.3および7.3個)より多数の分枝(平均44.9個)を有し、一方、節間長は公知矮性二倍体の場合(平均3.4および4.1cm)より長い(平均4.4cm)が、正常型二倍体の場合(平均7.2cm)より短い。
US 7,164,059は、短い蔓の二倍体花粉供与体、および正常成長習性(正常成長型)の三倍体雑種に受粉させるためのその使用を記載している。該短蔓花粉供与体は3インチ未満(7.6cm未満)の平均節間長および/または1.8メートル未満の植物直径を有すると記載されている。正常習性の三倍体と共に短蔓花粉供与体を使用することにより、エーカー当たり33%〜50%多い三倍体が植付けられうると記載されている(エーカー当たり約2000個の三倍体およびエーカー当たり400〜1200個の二倍体花粉供与体;これはヘクタール当たり約4942個の三倍体およびヘクタール当たり988〜2965個の二倍体花粉供与体に相当する)。
US 7,115,800は、5.4kg未満(3.6〜4.0kg)の平均重量を有する種無しスイカ果実の生産を記載している。該三倍体スイカ植物は、「小さな」近交四倍体および「小さな」近交二倍体親系統を使用して生産され、ここで、「小さな」は、植物サイズではなく果実サイズを意味する。小さな果実を産生する該三倍体雑種植物は正常成長型を有し、320cm以上の蔓長および8cm以上の節間長を有する。
US 2008/0005814およびUS 2008163388は、小さな種無し果実を有する三倍体雑種生産における雌親として適している四倍体スイカ植物の発生を記載している。該四倍体植物は正常栄養成長習性を有する。二倍体花粉供与体で受粉した場合、小さな果実(1.5〜2.5kg)が産生される。US2008/0244764は、二倍体カルスイート(Calsweet)から発生した正常成長型の四倍体スイカ系統を記載している。
US 2006/0168701およびUS 2003/0172414は、三倍体植物を受粉させて三倍体種無し果実の実止まりを開始させるのに有用である二倍体花粉供与体(「超花粉供与体(Super Pollenizers)」)を記載している。該花粉供与体は典型的な二倍体花粉供与体(例えば、Sangria)の表面積の5〜12倍小さな葉を有し、正常型三倍体雑種に接近して成長可能である。該花粉供与体は著しく分枝しており(レースのような蔓または開いた蔓)、必要な空間、栄養および光を減らして、より多くの空間、栄養および光を該三倍体雑種植物に残す。該特許出願によれば、この花粉供与体を使用して、エーカー当たり25%〜33%多い種無しスイカが生産される。
US 6,355,865 B1は、(a)顕著な果実表現型、(b)多数の雄花、(c)継続的開花、(d)早期開花および/または(e)より細い蔓を有する成長習性のような修飾された植物形態学から選択される特徴の少なくとも2つを有する花粉供与植物を記載している。該二倍体花粉供与体はより細く、より多数の花を生成するため、それは、通常の1:2の比ではなく1:3〜1:5(花粉供与体:三倍体雑種)の比で植付けられうる。
前記のhmbn(多分枝)突然変異のほかに、突然変異対立遺伝子がホモ接合形態で存在する場合に二倍体スイカにおいて矮性/小型植物習性につながる4つの他の遺伝子も記載されている。これらはdw−1、dw−1(dw−1に対する対立遺伝子)、dw−2およびdw−3と称される(GunerおよびWehner 2004,Hort Science 39(6):1175−1182)。これらの突然変異体の幾つかは、矮性または短蔓二倍体花粉供与体、例えばブッシュ・ジュビリー(Bush Jubilee)を得るために使用されている。
しかし、現在のところ、高品質の種無し果実を産生しうる三倍体低木雑種植物を生産することは不可能である。
低木成長習性を有し、高品質の種無し果実を産生する三倍体雑種を提供することが本発明の1つの目的である。そのような三倍体雑種植物および/または三倍体果実の生産方法を提供することも本発明の目的である。
低木三倍体植物は、ボストン(Boston)F1またはファッション(Fashion)F1のような正常型三倍体と比較して、圃場においてそれほど多くの空間を必要とせず、互いに接近して及び/又は花粉供与体に接近して成長可能である。ボストン(Boston)F1またはファッション(Fashion)F1のような非低木(正常成長習性)スイカ三倍体雑種と比較して、ヘクタール当たり少なくとも1.5倍、1.7倍、2倍、2.5倍または更には3倍多くの低木三倍体植物が成長可能である。該低木三倍体植物は、葉サイズにも果実サイズにも影響を及ぼすことなく、小さな植物直径を有するため、ヘクタール当たり、より高い三倍体果実収量が得られうる。本発明の三倍体低木雑種を使用して、正常型三倍体雑種と比較してヘクタール当たり少なくとも約1.25倍、好ましくは少なくとも約1.5倍多くの果実が生産されうる。
また、1つの実施形態においては、商業的種無し果実生産における、低木三倍体スイカ植物(bbb)の育種方法および低木三倍体スイカ植物の栽培方法を提供する。
また、三倍体雑種低木植物が成長しうる種子も、植物部分、インビトロ繁殖、細胞または組織培養物、収穫果実などと共に本発明に含まれる。
もう1つの実施形態においては、四倍体低木植物、およびそのような四倍体低木植物が成長しうる種子を、植物部分(細胞、花粉、葯、胚珠、花など)およびそのような植物のインビトロ繁殖と共に本発明において提供する。
一般的定義
「含む」なる動詞およびその活用型は、その非限定的な意味において、該語の後の事項が含まれるが、具体的に挙げられていない事項が除外されないことを意味するものとして用いられる。また、単数形の要素に対する言及は、1つの及び唯一の該要素が存在することを文脈が明らかに要求していない限り、該要素の2以上の可能性を除外しない。したがって、単数形は、通常、「少なくとも1つ」を意味し、例えば、「植物」は数個の細胞植物をも意味する、などである、同様に、「果実」または「植物」は複数の果実および植物をも意味する。
本明細書中で用いる「植物」なる語は、全植物またはそのいずれかの部分もしくは誘導体(好ましくは、それが得られた植物と同じ遺伝的構成を有するもの)、例えば、植物器官(例えば、収穫または未収穫果実、葉、花、葯など)、植物細胞、植物プロトプラスト、全植物が再生しうる植物細胞組織培養物、植物カルス、植物細胞凝塊、植物移植片、実生、植物における無傷の植物細胞、植物クローンもしくはマイクロプロパゲーション、または植物の一部分、例えば植物挿し木、胚、花粉、葯、胚珠、果実(例えば、収穫組織または器官)、花、葉、種子、クローン繁殖植物、根、茎、根端、接ぎ木(穂木および/または根株)などを含む。また、任意の発育段階、例えば実生、発根の前または後の挿し木などが含まれる。
本明細書中で用いる「品種」または「栽培品種」なる語は、与えられた遺伝子型または遺伝子型の組合せから生じる特性の発現により定義されうる、知られている最も低い階級の単一植物学的分類群内の植物群を意味する。
「対立遺伝子」なる語は、特定の遺伝子座における遺伝子の、1以上の代替的形態のいずれかを意味し、それらの対立遺伝子の全ては特定の遺伝子座における1つの形質または特性に関連したものである。生物の二倍体細胞においては、与えられた遺伝子の対立遺伝子は染色体上の特定の位置または遺伝子座に位置する。1つの対立遺伝子は相同染色体のペアの各染色体上に存在する。二倍体植物種は特定の遺伝子座に多数の異なる対立遺伝子を含みうる。これらは遺伝子の同一対立遺伝子(ホモ接合)または2つの異なる対立遺伝子(ヘテロ接合)でありうる。
「遺伝子座」なる語は、例えば遺伝子または遺伝的マーカーが見出される、染色体上の特定の場所または部位を意味する。
「二倍体植物」は、本明細書においては2nとして示される2組の染色体を有する植物、栄養植物部分、または二倍体植物が成長しうる種子を意味する。
「三倍体植物」は、本明細書においては3nとして示される3組の染色体を有する植物、栄養植物部分、または三倍体植物が成長しうる種子を意味する。
「四倍体植物」は、本明細書においては4nとして示される4組の染色体を有する植物、栄養植物部分、または四倍体植物が成長しうる種子を意味する。
「花粉供与植物」または「花粉供与体」は、三倍体植物上の実止まりを誘導するための花粉供与体として適した(近交または雑種)二倍体植物またはその一部分(例えば、その花粉または穂木)を意味する。したがって、花粉供与植物は、適当な時期に適当な期間にわたって適当な量の花粉を産生することにより、三倍体植物の良好な実止まり(および良好な三倍体果実収量)をもたらしうる。
「雄親」は、F1雑種三倍体種子を与える、四倍体雌親上での実止まり及び種子産生を誘導するための雄親として使用される花粉供与植物を意味する。雄親および雌親は共に近交系であり、したがって、各親はほぼホモ接合であり、安定である。
「雌親」または「四倍体親」は、三倍体種子を含有する果実の産生をもたらす、雄親の花粉で受粉される植物を意味する。雌親は近交系であり、したがって、それはほぼホモ接合であり、安定である。
「雑種三倍体植物」または「F1三倍体」は、雄二倍体親を雌四倍体親で他家受精させることにより得られた雑種三倍体種子から成長した三倍体植物である。
「種無し果実」は、成熟種子を含有しない三倍体果実である。該果実は1以上の小さな可食性白色胚珠を含有しうる。
「間植」は、同一圃場に播種または移植された2以上の型の種子および/または移植片の組合せ、特に、三倍体雑種植物と同じ圃場における花粉供与体の播種および/または移植(三倍体植物における種無し果実生産および該花粉供与植物における二倍体果実生産のためのもの)を意味する。例えば、該花粉供与体は別の列において植付けら、あるいは三倍体植物と共に同じ列において(例えば、各列内の畝において)間植されうる。花粉供与体は三倍体の列の間にも植付けられうる。また、花粉供与体および三倍体雑種の種子は播種前に混合されて、無作為播種をもたらしうる。該三倍体雑種植物および/または花粉供与体植物の移植片はまた、異なる植物の台木を含みうる。適当な台木は当技術分野で公知である。異なる台木を有するスイカ植物は「接ぎ木」と称される。
「植付け」または「植付けられる」は機械または手作業による圃場への播種(直接的播種)または実生(小植物)の移植を意味する。
「栄養繁殖」は、例えばインビトロ繁殖または接ぎ木法(穂木を使用するもの)による、栄養組織からの植物の繁殖を意味する。インビトロ繁殖はインビトロ細胞または組織培養物、および該インビトロ培養物からの全植物の再生を含む。接ぎ木は、台木上への接ぎ木により元の植物を繁殖させることを含む。したがって、元の植物のクローン(すなわち、遺伝的に同一の栄養繁殖体)はインビトロ培養または接ぎ木により作製されうる。
「劣性」は、機能的優性対立遺伝子がゲノム内に存在しない場合にその表現型を発現する対立遺伝子を意味する。本明細書に記載されているNCIMBアクセッション番号において見出される(およびそれから入手可能である)本発明の劣性低木(bush)対立遺伝子(b)は、二倍体植物において2コピー(bb)で、四倍体植物において4コピー(bbbb)で、または三倍体植物において3コピー(bbb)で存在する場合であって、これらの植物に機能的優性低木(Bush)対立遺伝子(B)が存在しない場合に、低木(bush)成長習性をもたらす。したがって、B対立遺伝子は、突然変異b対立遺伝子を欠く植物に見出される実質的に野生型の非突然変異対立遺伝子である。
「低木(Bush)型」または「低木(bush)成長型」または「低木(bush)成長習性」または「低木(bush)習性」は、約7cm以下(しかし少なくとも約4.7cm、好ましくは少なくとも約5.0cm)の平均節間長および約150cm以下、約140cm以下、約130cm以下、好ましくは約100cm以下(しかし少なくとも約70cm)の平均最長蔓長を有する、成熟時の植物系統または品種の遺伝可能(低木対立遺伝子により遺伝的に決定される)な栄養成長習性を意味する。また、平均葉サイズは低木対立遺伝子によっては減少せず、少なくとも長さ約11cmおよび/または幅15cmあるいはそれより大きい。「非低木」成長型は、(B対立遺伝子を有する)いずれかの他の型、例えば、100cmより有意に長い、例えば一般に200cm以上または300cm以上の平均最長蔓を産生する正常三倍体成長型(例えば、ファッション(Fashion)F1またはボストン(Boston)F1)である(実施例も参照されたい)。
「最長蔓長」または「平均最長蔓長」は、スイカ系統または品種の複数植物の、これらが完全に成長した場合(成熟時)の最長蔓の平均長を意味する。本明細書においては最長蔓は茎とも称されうる(したがって、「茎」および「最長蔓」は本明細書においては互換的に用いられる)。
「植物直径」は、スイカ系統または品種の複数植物の、完全成長時の平均直径、すなわち、該植物の一方の側の最長蔓の先端から該植物の他方の側の最長蔓の先端までの直径を意味する。
「節間長」は特定の系統または品種の複数植物の蔓の節間の平均長を意味する。
「節間数」は、蔓上、例えば最長蔓上の節間の平均数を意味する。
「戻し交雑」は、雑種後代、例えばF1雑種が該雑種の親の1つに反復的に戻して交雑される方法である。戻し交雑は1つのバックグラウンドからもう1つのバックグラウンドへと1個または数個の単一遺伝子座変換を導入するために用いられうる。
本明細書の全体における「平均」および「平均値」は互換的に用いられ、算術平均を意味する。
「単一遺伝子変換」または「単一遺伝子変換される」は、戻し交雑により発生した植物に関するものであり、ここで、戻し交雑または遺伝的操作により植物内に導入された単一遺伝子に加えて、植物(例えば、近交系)の所望の形態学的および生理的特性の実質的に全てが保有されている。
「収量」は、特定の系統または品種の収穫された全てのスイカ果実のヘクタール当たりの全重量を意味する。
「販売可能収量」は、全ての販売可能なスイカ果実の全重量を意味し、特に、良好な香り(無異臭)、少なくとも10%の糖度および肉色特性を有し、中心空洞のような欠損を有さない、特定の系統または品種、すなわち、新鮮な消費のために販売されるのに適した果実の、ヘクタール当たりで収穫された、少なくとも2.5kgの種無し三倍体果実の全重量を意味する。
「対立性検定」は、2つの植物において見られる2つの表現型が同一遺伝子により決定されるのか別々の遺伝子により決定されるのかが試験されうる遺伝的試験を意味する。例えば、ホモ接合二倍体低木植物(bb)を、異なる遺伝子座における異なる劣性遺伝子に関してホモ接合である別のスイカ植物(例えば、多分枝を決定するhmbn対立遺伝子)と交雑させた場合、F1植物は低木成長型を有さず、多分枝表現型を有さず、F2世代は、9:3:3:1、すなわち、9(非低木/非多分枝):3(低木/非多分枝):3(非低木/多分枝):1(低木/多分枝)の比で、独立して、それらの2つの表現型(低木および多分枝)に関して分離するであろう。
詳細な説明
本発明の1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)植物(の種子)を提供し、ここで、該植物は三倍体であり、低木成長習性(本明細書に定義されているとおり)を有する。該植物は、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の3コピーを含み、該対立遺伝子を含有する種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41907(ならびに/またはNCIMB 41905およびNCIMB 41906)として寄託されている。倍数性は染色体計数またはフローサイトメトリーまたは他の公知方法により容易に決定されうる(Sariら,1999,Scientia Horticulturae 82:265−277(これを参照により本明細書に組み入れることとする))。
該三倍体低木雑種は、劣性低木対立遺伝子「b」の存在(および優性B対立遺伝子の非存在)により、約150cm以下、好ましくは約140cm以下、より好ましくは約100cm以下の最長蔓長を有し、それにより、平均植物直径は約300cm以下、280cm以下または200cm以下であり、最長蔓上の平均節間長は約7cm以下であるが、少なくとも約4.7cm、好ましくは少なくとも約5.0、5.5、6.0、6.5または7.0cmである。特に、6.0cmもしくは7.0cmまたは6.0〜7.0cmの平均節間長を有する植物が含まれる。劣性低木対立遺伝子は葉サイズには影響を及ぼさず、したがって、本発明の植物は、正常成長型三倍体雑種(例えば、ボストンF1)において見出されるものに類似した(平均)サイズの葉、すなわち、少なくとも約11、12、13、14または15cmの長さおよび/または少なくとも約15cmの幅の葉(少なくとも約11、12、13、14、15、16または17cmの平均葉長および/または少なくとも約15、16、17、18または19cmの平均葉幅を含む)を含む。1つの実施形態においては、平均葉長に平均葉幅を掛け算した積は、好ましくは、少なくとも約140または150、例えば、少なくとも約160、170、180、190または200、あるいは更には少なくとも約225、250、300またはそれ以上である。
1つの実施形態においては、最長蔓上の節間の(平均)数に対する(平均)最長蔓長の比は7以下である。もう1つの態様においては、該三倍体低木雑種は最長蔓上で(平均で)15個以下の節間を有する。特に、最長蔓上の節間の数は、ボストンF1またはファッションF1において見出される数の約50%である。
また、最長蔓の中央部において測定された(平均)茎直径はボストンF1のような正常三倍体雑種におけるものより大きく、例えば、平均茎直径は少なくとも約8mm、好ましくは少なくとも約9mmであり、更には、少なくとも約10mm、11mmまたは12mmでありうる。したがって、本発明の三倍体低木雑種の平均茎直径は、好ましくは、B対立遺伝子を含む非低木(正常成長型)三倍体雑種の平均茎直径の少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍または1.6倍である。
該劣性低木対立遺伝子は、寄託種子から成長した植物と交雑させることにより、あるいは種子が寄託されている植物の組織または細胞培養物から植物を再生させ、そのような再生植物と交雑させることにより、あるいは低木対立遺伝子を含む二倍体スイカ植物(例えば、B対立遺伝子をも含有するために低木成長型を示しえない植物)を特定することにより、いずれかの他のスイカ植物内に導入されうる。したがって、b対立遺伝子が導入可能なその他のスイカ植物は、例えば、劣性b対立遺伝子を欠く植物である。したがって、低木対立遺伝子を導入するために、低木対立遺伝子を含むスイカ植物を、例えばb対立遺伝子を欠く別のスイカ植物と交雑させ、F1を自家受精させてF2または更なる世代を得る。二倍体においてホモ接合形態で(あるいは三倍体または四倍体において3または4コピーで)低木対立遺伝子を含有するF2または更なる世代後代は低木成長習性を示し、したがって、容易に特定されうる。
別のスイカ植物が低木対立遺伝子を有するか否かを試験するためには、対立性検定が行われうる。
前記の低木成長特性を有する植物系統を決定し、および/または選択するために(例えば、劣性低木対立遺伝子を欠く他のスイカ植物に低木対立遺伝子を導入する場合)、幾つかの系統植物は、適当な対照品種または系統を含め、同一環境条件下、1以上の位置において栽培され、平均値を計算できるようにするために、複数の系統植物(少なくとも3個、好ましくは少なくとも5個または10個またはそれ以上の植物)に関して測定が行われると理解される。
果実特性は低木対立遺伝子の3コピーの存在(B対立遺伝子の非存在)により影響されず、したがって、低木対立遺伝子を、異なる果実特性を有する遺伝的バックグラウンド内に交雑することにより、任意の果実サイズ、任意の果実形状、色および果実外皮模様を有する三倍体雑種が生産されうる。該低木対立遺伝子は、例えば、本明細書に記載されているとおり、本発明において寄託された種子を低木対立遺伝子源として使用することにより、異なる遺伝的バックグラウンド内に戻し交雑されうる。あるいは、種々の果実特性を決定する遺伝子は、低木成長型を含む植物内に戻し交雑されうる。したがって、該低木成長型を含む三倍体雑種の平均果実重量は少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13または14kgでありうる。もう1つの実施形態においては、該低木成長型を含む三倍体雑種の平均果実重量は5kg未満、例えば、4、3、2、1.5または1kgでありうる。そのような小さな果実を有する雑種三倍体を生産するために、例えば、リリプット(Liliput)、エクスタジー(Extazy)またはファンタジー(Fantazy)(Hazera)あるいはバルドリア(Valdoria)F1、バネッサ(Vanessa)F1、ピクシー(Pixie)F1またはボニー(Bonny)F1(Nunhems)のような品種内に低木対立遺伝子を導入することが可能であり、あるいは逆に、小さな果実サイズを決定する遺伝子を、低木成長型を有する本発明において寄託された植物内に戻し交雑させることが可能である。
同様に、いずれかの他の果実特性が、育種により、低木成長型と組合されうる。記載されているとおり、例えば、果実形状(例えば、細長い、楕円形、ごつごつした、球状または円形)、果実表面(筋状、平滑)、肉色(スカーレットレッド、コーラルレッド、オレンジ、鮭肉色、黄色、カナリア色または白色)、外皮色(例えば、薄緑色;濃緑色;狭い、中度または広い縞を有する緑色;灰色型;斑点を有する又は有さない;金黄色)、外皮厚、外皮強度、外皮模様(例えば、縞有り、縞無し、網状)、糖度(全可溶性固体)、肉構造/肉の堅固さ、より高いリコペンおよび/またはビタミン含量、種々の糖:酸の比、非常に良好な果実香味などが育種により修飾されうる。GunerおよびWehner 2004,Hort Science 39(6):1175−1182、特に、果実特性の遺伝子を記載している1180〜1181ページを参照されたい。一般に重要な育種目的は早期成熟、高い果実収量、高い内部果実品質(良好な均一な色、高い糖度、適当な糖:酸の比、良好な香味、高いビタミンおよびリコペン含量、堅固な肉テクスチャー、非繊維状肉テクスチャー、中心空洞、外皮壊死、尻腐れ又はクロスステッチのような欠損を有さない、良好な外皮特性ならびに亀裂耐性)である。
本発明の1つの実施形態においては、該果実はまた、好ましくは、WO03/075641の13および14ページに記載されているとおり、「脆い外皮」および/または「破裂性外皮」を有さず、すなわち、該果実は90〜140g/mmの範囲の圧力下で破壊しない。
該低木対立遺伝子は、公知育種法を用いて、低木対立遺伝子を欠く他のスイカ植物内に導入されうる。公知育種法は、単独で、または例えば循環選抜法、系統育種、戻し交雑育種、近交発生、雑種検定、マーカー利用育種など(これらに限定されるものではない)と組合せて用いられうる。ついで、表現型により容易に特定されうる、低木成長習性を保有する後代が選択される。したがって、低木成長習性を有する後代植物の選択は、低木成長習性特性の表現型選択により、および低木成長習性特性を有さない植物、例えば、本発明の低木植物より長い主蔓、より長い節間およびより小さい葉を有する植物を廃棄することにより行われうる。
したがって、1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物を提供し、該植物は三倍体であり、低木成長習性を有し、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の3コピーを含み、該低木対立遺伝子は、種子が受託番号NCIMB41906またはNCIMB41905として寄託されているスイカ植物またはこれらの植物のいずれかの後代(例えば、自家受粉および/または交雑により得られるものであり、該後代は低木対立遺伝子および/または低木成長習性を保有する)を別のスイカ植物と交雑させることにより入手可能である(得られうる)。
1つの態様においては、低木成長習性を有する三倍体植物は、二倍体低木スイカ植物を四倍体低木スイカ植物を交雑させることにより入手可能であり、該低木対立遺伝子は、種子が受託番号NCIMB41906またはNCIMB41905として寄託されているスイカ植物またはこれらの植物のいずれかの後代(例えば、自家受粉および/または交雑により得られるものであり、該後代は低木対立遺伝子および/または低木成長習性を保有する)を別のスイカ植物と交雑させることにより入手可能である(得られうる)。
1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物を提供し、該植物は三倍体であり、低木成長習性を有し、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の3コピーを含み、該植物は、種子が受託番号NCIMB41907として寄託されているスイカ植物の植物細胞または植物組織の栄養繁殖により入手可能である(得られうる)。
b対立遺伝子は劣性であるため、低木(bush)成長習性は、優性B対立遺伝子が存在しない場合にのみ見られる。b対立遺伝子を本発明における二倍体種子寄託物(例えば、NCIMB41906またはその後代)から、劣性b対立遺伝子を含有しない別のスイカ植物に導入すると、F1はヘテロ接合となり、低木成長習性を示さず、育種家は、まず、低木成長習性を含む含む植物を特定するためにF1を自家受粉させる必要がある。同様に、b対立遺伝子を四倍体スイカ植物(bbbb)(例えば、NCIMB41905またはその後代の種子から成長したもの)から、劣性b対立遺伝子を含まない別の四倍体スイカ植物に導入すると、F1はヘテロ接合となり、低木成長習性を示さず、この場合もまた、低木表現型はF2世代においてのみ見られるであろう。二倍体低木植物は、四倍体低木植物の半数体細胞からも再生されることが可能であり(例えば、花粉または葯培養および植物の再生)、ついで、誘導された二倍体低木植物は、更なる育種において、および低木成長習性を有するスイカ植物を作製するのに使用されうる。これは、低木成長習性を有する半数体体四倍体植物と称されうる。そのような植物は本発明に含まれる。
あるいは、b対立遺伝子に連関した分子マーカーが開発されることが可能であり、ついで、該連関分子マーカーを有する植物を選択することにより低木成長習性の選択が行われうる。連関マーカーは、一連の技術、例えばバルクセグメント分析(Bulk Segregant Analysis)、および一連のマーカー、例えばAFLPマーカー、RFLPマーカー、SNPマーカー、ミニ−またはマイクロ−サテライトマーカーなどを用いて開発されうる。マーカー開発のために、例えば、低木成長型(例えば、二倍体bb)を有する植物を、正常成長型(例えば、二倍体BB)を有する植物と交雑させ、それから分離集団(例えば、F2もしくはF3集団または戻し交雑集団)を得ることにより、分離集団を作製すべきである。ついで、低木成長習性および低木対立遺伝子と密接に関連(連関)した、すなわち、b対立遺伝子と同時分離したマーカーが特定されうる。例えば、Wolukauら(HortScience February 2009 vol.44 no.1 32−34)the use of Bulk Segregant Analysis in melon to identify markers linked to a resistance geneを参照されたい。分子マーカーは、B対立遺伝子の付近で見出されるDNA配列またはSNPとは異なる、b対立遺伝子の付近(例えば、5cM以下の遺伝的距離)で染色体上で見出されるDNA配列または一塩基多型(SNP)である。したがって、1つの実施形態においては、b対立遺伝子は、b対立遺伝子に密接に連関した分子マーカーを使用して、マーカー利用育種法により、b対立遺伝子を欠く他のスイカ植物内に導入されうる。
種無し果実生産のために、本発明の三倍体低木雑種は、適当な二倍体花粉供与体、例えばジェニー(Jenny)F1(Nunhems)またはポリマックス(Polimax)F1(Nunhems)、あるいは他の花粉供与体、例えばSP−1、SP−2、SP−3、SP−4もしくはSP−5(Syngenta)またはサイドキック(Sidekick)と共に間植されうる。ついで本発明の三倍体植物から果実が収穫される。該三倍体植物はより小さい植物直径を有するため、正常成長型三倍体(例えば、200、250または300cmを超える主蔓長を有する植物)の場合より高い播種または植付け密度が可能である。それにより、より高い、ヘクタール当たりの三倍体果実収量も達成される。
1つの実施形態においては、
a)三倍体雑種低木植物および二倍体花粉供与植物を間植し(ここで、該三倍体植物は、正常成長型三倍体雑種植物の植付け密度の少なくとも1.5倍の密度で存在する)、
b)該三倍体低木植物上の雌花の受粉を生じさせ、
c)該三倍体雑種低木植物から果実を収穫すること
を含む、種無し三倍体果実の生産方法が提供される。
工程a)における三倍体低木植物の密度は、該植物が温室内で栽培されるのか又は露地(屋外圃場)で栽培されるのか、および該三倍体が台木上に接ぎ木されるのか否かに左右される。したがって、温室内の三倍体低木植物の密度は、好ましくは、少なくとも約7500植物/ヘクタール(接ぎ木三倍体)または15000植物/ヘクタール(非接ぎ木三倍体)である。露地における三倍体低木植物の密度は、好ましくは、少なくとも約6000、7000または8000植物/ヘクタール(接ぎ木三倍体)、あるいは少なくとも約12000、13000、14000または15000植物/ヘクタール(非接ぎ木三倍体)である。
工程c)における三倍体果実収量は、正常成長型三倍体、例えばボストン(Boston)F1またはファション(Fashion)F1の三倍体果実収量の少なくとも1.25倍である。したがって、露地(非接ぎ木)においては、ヘクタール当たり少なくとも約75トン、好ましくは更には、ヘクタール当たり少なくとも約80、85または90トンの三倍体種無し果実(b対立遺伝子の3コピーを含む)が工程c)において収穫される。したがって、1つの実施形態においては、該方法は、ヘクタール当たり少なくとも75トンの三倍体果実を収穫する工程d)を含む。ついで、これらは選別され、容器内などに包装されうる。b対立遺伝子を含む三倍体果実、好ましくは、販売可能果実を含む又はそれらからなる容器も本発明の実施形態の1つである。
また、低木成長型を有する三倍体雑種植物が成長しうる種子も本発明において提供する。したがって、1つの実施形態においては、前記の三倍体低木植物が成長しうるスイカ種子を提供する。該種子はb対立遺伝子の3コピーを含有する。1つの実施形態においては、種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41907として寄託されている。1つの実施形態においては、該成熟種子は小さく、長さ5mm以下の平均種子サイズを有する。複数のそのような種子を含む包装(パッケージ)(袋、容器など)が本発明に含まれる。
また、低木成長型を有する三倍体雑種植物の実生、穂木および台木、ならびに細胞および組織、ならびに細胞培養物および組織培養物、ならびに栄養繁殖体も本発明に含まれる。したがって、植物へと再生され、同一環境条件下で栽培された場合に、本発明の低木成長型を保有する三倍体雑種植物の実生、穂木および台木、ならびに細胞および組織、細胞培養物および組織培養物、ならびに栄養繁殖体から得られる全植物を本発明において提供する。
同様に、本発明の三倍体低木植物から収穫された種無し三倍体果実(bbb)も本発明に含まれる。該果実は新鮮な消費のために又は加工のために収穫されうる。複数のそのような果実を含む又はそれらからなる容器は本発明のもう1つの実施形態である。好ましくは、該容器は販売可能果実を含む。
低木成長型(bbb)を有する三倍体雑種植物は、低木成長習性を有する二倍体近交雄親系統と、低木成長習性を有する四倍体近交親系統との間の交雑から生じたF1−雑種である(図1を参照されたい)。したがって、低木成長型(bbb)を有する三倍体雑種植物の種子を生産するためには、該三倍体雑種植物を栄養繁殖させることが可能であり、あるいは、近交低木二倍体(bb)および近交四倍体低木(bbbb)親系統を生産することが可能である。したがって、当業者は、まず、本明細書に記載の低木成長型を保有しながらも、種々の特性を有する雄および雌親を作製することにより、種々の特性(例えば、種々の果実サイズなど)を三倍体低木雑種に導入することが可能である。
低木成長習性を有する栄養繁殖三倍体雑種も本発明の実施形態の1つである。1つの態様においては、該スイカ植物は、NCIMB41907、NCIMB41906またはNCIMB41905として寄託されている種子において見出される低木対立遺伝子を有する。1つの態様においては、該栄養繁殖雑種はNCIMB 41907の植物組織から得られる(入手可能である)。
前記のとおり、b対立遺伝子は、本発明で提供される種子寄託物から他のスイカ植物内へ導入されることが可能であり、それにより、他の近交低木二倍体および/または他の近交低木四倍体が生産されうる。1つの実施形態においては、受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906および/またはNCIMB 41907として寄託されている種子において見出されるb対立遺伝子を含む近交二倍体低木植物および/または近交四倍体低木植物を提供する。
低木成長習性を有する二倍体または四倍体スイカ植物に言及している場合、該三倍体低木雑種に関して前記で記載されているのと同じ低木成長習性特性に言及されていると理解され、すなわち、該二倍体または四倍体低木植物は、2または4コピーの劣性低木対立遺伝子「b」の存在(および優性B対立遺伝子の非存在)により、約150cm、140cmまたは100cm以下の最長蔓長を有し、それにより、平均植物直径は約300cm、280cmまたは200cmまたはそれ未満であり、最長蔓上の平均節間長は約7cm以下であるが、少なくとも約4.7cm、好ましくは少なくとも約5.0、5.5、6.0または6.5cmである。劣性低木対立遺伝子は葉サイズには影響を及ぼさず、したがって、本発明の植物は、正常成長型二倍体(例えば、品種ミラディ(Milady))または正常成長型四倍体において見出されるものに類似したサイズの葉、すなわち、少なくとも約11cmの長さおよび/または少なくとも約15cmの幅の葉(少なくとも約11、12、13、14、15、16または17cmの葉長および/または少なくとも約15、16、17、18または19cmの葉幅を含む)を含む。同様に、最長蔓上の節間の(平均)数に対する(平均)最長蔓長の比は7以下である。もう1つの態様においては、該二倍体低木または四倍体低木は最長蔓上で(平均で)25、21または15個以下の節間を有する。また、最長蔓の中央部において測定された(平均)茎直径は、1つの態様においては、正常成長型二倍体または四倍体におけるものより大きく、例えば、該茎直径は少なくとも約8mm、好ましくは少なくとも約9mmであり、更には、少なくとも約10mm、11mmまたは12mmでありうる。したがって、本発明の二倍体または四倍体低木植物の平均茎直径は、好ましくは、B対立遺伝子を含む非低木二倍体または四倍体の平均茎直径の少なくとも1.2倍、1.3倍、1.4倍、1.5倍または1.6倍である。果実特性(例えば、平均果実サイズ、重量など)は、1つの実施形態においては、正常成長型二倍体または四倍体と異ならない。
1つの実施形態においては、例えば、受託番号NCIMB 41906として寄託されている種子寄託物から、あるいはその後代、例えば、NCIMB 41906の自家受粉および/またはそれと別のスイカ植物との交雑により得られる後代から低木対立遺伝子(b)が誘導可能である、二倍体低木近交系が生産されうる。これは、例えば、NCIMB 41906またはその後代と育種させ、低木成長型に関して後代世代において選択し、一方、低木成長型を有さない植物を廃棄することにより行われうる。低木対立遺伝子は、低木対立遺伝子を含む他の植物または植物部分、例えば、NCIMB 41905として寄託されている種子のような四倍体低木植物の花粉または子房からも誘導されうる。
あるいは、低木対立遺伝子を含みうる二倍体品種または系統を、それらが(優性B対立遺伝子が存在するために)低木成長型を有さない可能性がある場合であっても特定することにより、新規二倍体低木近交系が生産されうる。例えば、b対立遺伝子を含有しうると疑われる二倍体が使用されうる。劣性低木対立遺伝子が存在するかどうかを決定するために、対立性検定が行われうる。好ましくは、該二倍体を1以上の世代にわたって自家受粉させ、ホモ接合形態の低木対立遺伝子により決定される低木成長型を有する後代植物を選択することにより、低木対立遺伝子に関してホモ接合である二倍体を特定する。好適でありうる品種としては、ガーデン・ベビー(Garden Baby)、ブッシュ・チャールストン・グレイ(Bush Charleston Gray)およびブッシュ・シュガー・ベビー(Bush Sugar Babyまたはシュガー・ブッシュ(Sugar Bush)が挙げられる。
1つの実施形態においては、例えば、受託番号NCIMB 41905またはNCIMB 41906として寄託されている種子寄託物から、あるいはこれらのいずれか後代から低木対立遺伝子が誘導可能である、四倍体低木近交系が生産されうる。これは、例えば、NCIMB 41905および/もしくはNCIMB 41906またはこれらの後代と育種させ、低木成長型に関して後代世代において選択し、一方、低木成長型を有さない植物を廃棄することにより行われうる。NCIMB 41906またはその後代を使用する場合、四倍体を作製するために染色体倍加技術を用い、ついで該四倍体における、および選択された四倍体の自家受粉により得られる該四倍体の後代における低木成長習性の選択、ならびに更なる世代における低木成長習性の安定化を行うこと可能である。
あるいは、前記の新規二倍体低木植物から出発し、該植物を数世代にわたって近交させながら、本明細書中で定められている低木成長型を選択し、選択された近交低木二倍体系統の染色体を倍加させて四倍体低木系統を得ることにより、新規四倍体低木近交系が生産されうる。ついで該四倍体系統を更に数世代にわたって近交させ、本明細書に記載されている低木成長型を選択する。
1つの態様においては、本発明はまた、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物(または種子)を提供し、該植物は四倍体であり、低木成長習性を有する。該低木成長習性はb対立遺伝子の存在によるものであり、したがって、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の4コピーを含む、低木成長習性を有する四倍体植物を提供し、ここで、該b対立遺伝子を含有する種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41905として寄託されている。また、四倍体低木植物の任意の植物部分および後代、例えば、栄養繁殖体、種子繁殖体(例えば、自家受粉体)、そしてまた、インビトロ細胞または組織培養物、ならびに花粉、子房なども本発明に含まれる。したがって、1つの実施形態においては、該四倍体低木植物、または該植物が成長しうる種子、または該植物の組織もしくは部分(花粉、葯、子房)は、NCIMB 41905において見出されるb対立遺伝子を含む。
したがって、1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物を提供し、該植物は四倍体であり、低木成長習性を有し、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の4コピーを含み、該低木対立遺伝子は、種子が受託番号NCIMB41906もしくはNCIMB41905として寄託されているスイカ植物または(例えば、自家受粉および/または交雑により得られる)これらの植物のいずれかの後代を別のスイカ植物と交雑させることにより入手可能である(得られうる)。
もう1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物を提供し、該植物は四倍体であり、低木成長習性を有し、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の4コピーを含み、該植物は、種子の代表的サンプルが受託番号NCIMB 41905として寄託されている四倍体植物を自家受粉させることにより得られる。
低木成長習性を有する栄養繁殖四倍体スイカ植物も本発明の実施形態の1つである。1つの態様においては、該スイカ植物は、NCIMB41907、NCIMB41906またはNCIMB41905として寄託されている種子において見出される低木対立遺伝子を有する。1つの態様においては、該栄養繁殖スイカ植物はNCIMB 41907の植物細胞または植物組織から得られる(入手可能である)。
1つの態様においては、種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物を提供し、該植物は四倍体であり、低木成長習性を有し、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の4コピーを含み、該植物は、種子が受託番号NCIMB41905として寄託されているスイカ植物の植物細胞または組織の栄養繁殖により入手可能である(得られうる)。
もう1つの実施形態においては、該四倍体低木植物は、受託番号NCIMB 41906として寄託されている種子において見出される又は前記の他の二倍体源から特定されたb対立遺伝子を含む。
低木成長型を有する四倍体近交系植物の生産方法を提供し、該方法は、
a)b対立遺伝子を含む二倍体植物を準備し、
b)該二倍体植物を数世代にわたって自家受粉させて、低木成長型を有する近交系を得、
c)該近交系の染色体を倍加させて、四倍体系統を得、
d)該四倍体系統を数世代にわたって自家受粉させる工程を含む。
したがって、工程a)において、該二倍体は、NCIMB 41906として寄託されている種子から誘導された植物またはその後代であることが可能であり、あるいは、種子寄託物NCIMB 41906からのb対立遺伝子が交雑および低木成長型の選択により導入されている二倍体植物でありうる。該二倍体はまた、例えば、対立性検定を用いることにより、および/またはb対立遺伝子を含みうる二倍体を特定し、該植物を1以上の世代にわたって自家受粉させ、低木成長型を有する後代植物を表現型選択することによりb対立遺伝子が特定されている新規二倍体植物でありうる。あるいは、該二倍体は、NCIMB 41905として寄託されている種子から得られた半数体植物でありうる。
また、雄または雌親としての本発明の四倍体植物の使用を提供し、ここで、該四倍体低木植物を別のスイカ植物と交雑させ、または自家受粉させて後代を得る。1つの実施形態においては、該四倍体低木植物は、b対立遺伝子の4コピーの存在により、低木成長型を含み、ここで、該低木植物(および/またはb対立遺伝子)は、NCIMB 41905として寄託されている種子またはその後代から入手可能である。
更に、雌親としての、特に、雑種三倍体スイカ種子生産(すなわち、F1種子生産)における雌親としての、該四倍体低木植物の使用を提供する。したがって、1つの態様においては、該四倍体低木植物の雌花を別のスイカ植物の花粉で受粉させる(または受粉可能にする)。前記の別のスイカ植物は、任意のスイカ植物、例えば二倍体または四倍体スイカ植物でありうる。特定の実施形態においては、前記の別のスイカ植物は、二倍体植物、好ましくは、低木成長型を含む二倍体植物である。低木成長型を含む二倍体スイカ植物は、前記の任意の二倍体低木植物、またはNCIMB 41906として寄託されている種子またはその後代から入手可能な植物でありうる。
また、三倍体雑種スイカ種子の生産方法を提供し、該種子から成長する植物は低木成長習性を有し、該方法は、
(a)低木成長習性を有する二倍体スイカ植物、および低木成長習性を有する四倍体植物を準備し、
(b)該四倍体低木植物の雌花を該二倍体低木植物の花粉で受粉させ、
(c)該四倍体低木植物の果実において産生された種子を収穫し、所望により、
(d)該収穫種子を乾燥させることを含む。
所望により、ついで、前記の乾燥され収穫されたF1種子は包装される。それらは包装前に処理されることも可能である。したがって、前記方法により得られた種子を含む又はそれからなる包装(パッケージ)または容器が本発明に含まれる。
この方法は図1にも例示されている。該四倍体低木植物および該二倍体低木植物は、本明細書に記載されているとおりに提供されうる。それらは、受粉が生じるように間植されうる。したがって、工程a)において、両植物の種子または実生を、互いに接近させて植付けし、成長させる。該二倍体低木植物および四倍体低木植物が同時に開花しない場合には、後で開花する植物をより早く植付け又は播種して、開花がほぼ同時となるようにすることが可能である。該二倍体植物および四倍体植物は共に低木成長習性を有するため、正常成長型四倍体を含む三倍体雑種種子生産より多くの植物をヘクタール当たりに播種または植付けすることが可能である。
受粉は隔離ブロック内で昆虫(例えば、ミツバチ)により又は手作業により行われうる。該雄二倍体での該四倍体雌花の受粉を確実にするために、種々の方法が用いられうる。例えば、雄花を手作業で集め、雌花を手作業で受粉させ、ついで該受粉花を覆うことが可能である。あるいは、該二倍体低木植物の二倍体花粉での該四倍体低木植物上の雌花の受粉を確実にするために、該四倍体植物上で生じた全ての雄花を除去することが可能である。該四倍体植物上の果実が成熟したら、それらを収穫し、三倍体F1雑種種子(他家受粉により生じたもの)を集める。ついでこれらを(例えば、サイズにより)選別し、乾燥させ、所望により、処理し、販売用に包装することが可能である。1つの実施形態においては、該四倍体低木雌親(および/またはb対立遺伝子)は、NCIMB 41905として寄託されている種子またはその後代もしくは栄養繁殖体から入手可能である。もう1つの実施形態においては、該二倍体低木雄親(および/またはb対立遺伝子)は、NCIMB 41906として寄託されている種子またはその後代もしくは栄養繁殖体から入手可能である。
したがって、前記方法により得られる種子、すなわち、成長したら、低木成長習性を有する三倍体植物を与えるF1−雑種の種子も提供する。そのような種子は袋、容器などの中に包装されうる。
1つの実施形態においては、F1種子はWH3451の種子であり、これは、受託番号NCIMB 41907として寄託されている代表的サンプルである。もう1つの実施形態においては、該三倍体低木雑種(および/またはb対立遺伝子)は、NCIMB 41907として寄託されている種子またはその後代もしくはその栄養繁殖体から入手可能である。
前記方法において使用される四倍体低木植物はそのゲノム内に低木対立遺伝子(bbbb)の4コピーを含み、150cm以下、好ましくは140cm以下、135cm以下、または100cm以下の最長蔓長、7cm以下かつ少なくとも4.5cmの、最長蔓上の平均節間長という特性を有し、少なくとも11cmの長さおよび/または少なくとも15cmの幅の葉を産生する。
また、a)本発明の四倍体低木スイカ植物を成長させ、b)該四倍体スイカ植物の自己受粉を可能にし、c)工程b)の植物から果実を得、d)該果実から四倍体種子を取り出すことを含む、四倍体低木スイカ種子の生産方法を提供する。好ましくは、該方法は更に、該種子を洗浄し、乾燥させることを含む。1つの実施形態においては、工程a)の四倍体スイカ植物は、本明細書に記載されている低木成長型を含む植物である。該植物は、1つの実施形態においては、受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906またはNCIMB 41907として寄託されている種子から入手可能な低木対立遺伝子を含みうる。工程a)の植物は、寄託番号NCIMB 41905から成長した植物から、または植物部分から入手可能でありうる。
同様に前記で更に詳しく記載されているとおり、
1.低木成長習性を含む三倍体雑種(F1)スイカ植物を準備し、
2.該三倍体雑種植物を二倍体花粉供与植物と共に間植し、
3.(a)の三倍体植物上で産生された種無しスイカ果実を収穫することを含む、種無し三倍体スイカ果実の生産方法を提供することも、実施形態の1つである。
工程1の三倍体雑種植物は、好ましくは、異なる台木上に接ぎ木されない。該方法は、好ましくは、露地で行われる。
工程b)における二倍体花粉供与体は、いずれかの二倍体花粉供与体、例えば正常成長型(非低木)花粉供与体、市販花粉供与体、例えばジェニー(Jenny)またはポリマックス(Polimax)、あるいはスパー花粉供与体(Super−pollenizer)(SP−1、SP−2、SP−3、SP−4、SP−5)、サイドキック(Sidekick)、エスコート(Escort)−4、コンパニオン(Companion)などでありうる。所望により、該花粉供与体は、WO2012/069539 A1に記載されている二重目的花粉供与体でありうる。該二倍体花粉供与体は、三倍体雑種における実止まりを誘導するために、適切な時期に、適当な期間にわたって、十分な花粉を産生しなければならない。該花粉供与植物は雑種二倍体(F1二倍体)または自然受粉(OP)花粉供与体でありうる。
この方法においては、正常(非低木)成長習性を含む三倍体雑種植物、例えばボストンF1が使用された場合より、ヘクタール当たりで少なくとも1.5倍、好ましくは少なくとも2倍、2.5倍または3倍多くの三倍体低木植物が栽培されうる。正常成長習性を含む三倍体雑種植物、例えばボストンF1が使用された場合より、ヘクタール当たりで少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%または50%多くの市販可能三倍体果実が生産される。該三倍体低木雑種植物から収穫される全種無し果実収量は、好ましくは、少なくとも約75トン/ヘクタール(t/ha)、好ましくは少なくとも80t/ha、より好ましくは少なくとも90t/haである。
1つの圃場における間植は該花粉供与体および三倍体の播種または移植により行われうる。当技術分野で公知の種々の間植法が用いられることが可能であり、花粉供与体:三倍体雑種の種々の比が用いられうる。花粉供与植物の1列は、例えば、三倍体の少なくとも2列ごと、少なくとも3列ごと、または少なくとも4列ごとに存在しうるが、他の間植法も用いられうる。
受粉(授粉)は、通常、ハチ(ミツバチ)により行われ、十分な野生ハチが天然に存在しない限り、ハチの巣箱が圃場に設置されうる。受粉(授粉)は手作業または機械的手段によっても行われうる。成熟時の収穫は手作業または機械的手段により行われうる。
収穫された三倍体果実は生鮮市場用または加工用に包装されうる。前記方法により入手可能な3個のb対立遺伝子を含む果実は本発明に含まれる。これらの果実は、それらが、本発明の低木成長型を有する植物を産生する能力を有する点で、正常三倍体雑種の果実から区別されうる。すなわち、それらは、低木成長型の原因となる遺伝的決定因子(b対立遺伝子)を有する。前記のとおり、b対立遺伝子に連関した分子マーカーが開発されれば、マーカー分析はそのような果実を容易に識別しうる。あるいは、そのような果実からの(またはそれらが収穫された植物の他の部分からの)細胞または組織は栄養培養され、全植物へと再生されることが可能であり、該再生植物は低木成長習性を有する。したがって、1つの実施形態においては、収穫された三倍体果実(bbb)、例えば、包装(パッケージ)された全果実もしくは果実部分、および/または加工された果実もしくは果実部分が提供される。
本発明のもう1つの態様においては、低木成長習性を有する又は低木対立遺伝子を含む植物(全て前記のとおり)の再生可能細胞の細胞培養物または組織培養物を提供する。細胞培養物または組織培養物は、胚、分裂組織、子葉、花粉、葉、葯、根、根端、雌しべ、花、種子、茎からなる群から選択される、低木対立遺伝子を含む植物(例えば、低木四倍体、低木二倍体または低木四倍体植物;全て本明細書に記載されているとおり)の植物部分からの細胞またはプロトプラストまたは植物組織を含む。該植物部分は穂木、果実、花粉、胚珠、茎、子葉、葉、細胞胚、分裂組織、葯、根、根端、雌しべ、花、種子から選択されうる。また、そのような細胞培養物または組織培養物から再生されたスイカ植物を提供し、ここで、該再生植物(またはその後代、例えば、自家受粉後に得られるもの)は低木成長習性を含む。したがって、1つの態様においては、受託番号NCIMB 41907、NCIMB 41906またはNCIMB 41905として寄託されている種子から成長した植物または該種子の植物組織から得られた栄養繁殖スイカ植物が本発明に含まれる。
本明細書に記載されている低木二倍体、三倍体または四倍体植物が成長しうる種子を提供することも本発明の目的であると理解される。また、該低木二倍体、三倍体または四倍体植物の実生、穂木および台木ならびに細胞および組織も本発明に含まれる。そのような植物部分は、本発明の低木植物を生産するための遺伝的決定因子を含む。したがって、該低木三倍体または四倍体植物の実生、穂木および台木から並びに細胞および組織から得られる全植物は、同一環境条件下で成長した場合に本発明の低木三倍体または四倍体植物の生理的および形態学的特徴の全てを保有する。
また、本発明の植物のいずれかの後代も本発明において提供し、例えば、本明細書に記載されている低木対立遺伝子を含む(およびB対立遺伝子を欠く)植物を別のスイカ植物と交雑させ、および/または本発明の植物を自家受粉させて、F1種子および更なる世代の後代(F2、F3など)を得ることにより入手可能な種子を提供する。該後代における低木対立遺伝子の存在は低木成長型(例えば、近交系におけるもの)および/またはマーカー分析により決定されうる。
1つの実施形態においては、低木成長習性を有する四倍体スイカ植物(およびそのような植物が成長しうる種子)を提供し、ここで、該低木成長習性のための遺伝的要素を含有する(すなわち、b対立遺伝子を4コピーで含有し、B対立遺伝子を含有しない)種子の代表的サンプルを提供し、ここで、種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41905として寄託されている。
1つの実施形態においては、低木成長習性を有する三倍体スイカ植物(およびそのような植物が成長しうる種子)を提供し、ここで、該低木成長習性のための遺伝的要素を含有する(すなわち、b対立遺伝子を3コピーで含有し、B対立遺伝子を含有しない)種子の代表的サンプルを提供し、ここで、種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41907として寄託されている。
1つの実施形態においては、低木成長習性を有する二倍体スイカ植物(およびそのような植物が成長しうる種子)を提供し、ここで、該低木成長習性のための遺伝的要素を含有する(すなわち、b対立遺伝子を2コピーで含有し、B対立遺伝子を含有しない)種子の代表的サンプルを提供し、ここで、種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41906として寄託されている。
「低木(bush)」と称される劣性対立遺伝子を含有するスイカ種子を提供し、ここで、該「低木」対立遺伝子を含有する種子の代表的サンプルは受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906またはNCIMB 41907として寄託されている。1つの実施形態においては、該種子は、親系統の1つとして近交系WHAAOXまたは近交系WHAAPDを含む系統を有する。また、該種子を成長させることにより生産されるスイカ植物を提供する。また、該種子を成長させることにより生産される花粉および胚珠も提供する。
本発明の植物から(例えば、低木成長習性を含む、および/または低木成長習性を付与する遺伝的決定因子b対立遺伝子を含む植物から)得られる(誘導される)または入手可能(誘導可能)なスイカ植物には、自家受粉、交雑、戻し交雑、循環選抜法、倍加半数体生産、マーカー利用選択、クローン繁殖、形質転換などのような育種方法により得られる植物が含まれ、ここで、該誘導植物は、低木成長習性、および/または(B対立遺伝子が存在しない場合に)本発明の低木成長習性を付与する遺伝的決定因子(b対立遺伝子)を含む。
1つの態様においては、代表的な数の種子が受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906およびNCIMB 41907として寄託されている植物、または例えば交雑および/もしくは自家受粉により得られる、いずれかのそのような植物の後代を提供する。1つの態様においては、代表的な数の種子が受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906およびNCIMB 41907として寄託されているスイカ種子を提供する。
また、これらの植物から又はその後代から得られる花粉、胚珠、細胞、組織、栄養繁殖体も提供する。1つの態様においては、後代は、種子が受託番号NCIMB 41905、NCIMB 41906およびNCIMB 41907として寄託されている植物の低木対立遺伝子および低木成長習性を保有する。
また、スイカ植物の果実を提供し、ここで、該果実は該植物の自家受粉により生産される。また、三倍体種無し果実を提供し、ここで、該果実は、代表的な数の種子が受託番号NCIMB 41907として寄託されているスイカ植物から成長した植物の受粉により得られる。
また、代表的な数の種子が受託番号NCIMB 41906として寄託されている二倍体スイカ植物を、代表的な数の種子が受託番号NCIMB 41905として寄託されている四倍体スイカ植物と交雑させることにより得られる三倍体雑種種子を提供する。
また、代表的な種子が受託番号NCIMB 41907として寄託されている三倍体低木スイカ植物または本発明の別の低木三倍体の種子を二倍体花粉供与植物と共に間植して、該二倍体花粉供与植物の花粉による該三倍体スイカ植物の受粉を可能にして、該三倍体植物上で三倍体種無し果実を得ることを含む、三倍体種無しスイカ果実の生産方法を提供する。
また、a)二倍体低木近交スイカ系統を準備し、b)四倍体低木近交スイカ系統を準備し、c)該二倍体および四倍体低木系統を交雑させ、該交雑からの三倍体種子を集めることを含む、低木成長型を有する三倍体スイカ品種の生産方法を提供する。1つの態様においては、該二倍体低木近交スイカ系統は、代表的な種子が受託番号NCIMB 41906として寄託されている植物またはその後代またはその栄養繁殖体である。もう1つの態様においては、四倍体低木近交スイカ系統は、代表的な種子が受託番号NCIMB 41905として寄託されている植物またはその後代またはその栄養繁殖体である。
本発明の方法および植物/果実の概要図。低木雄(bb)と低木雌(bbbb)とを交雑させて三倍体低木雑種(bbb)の種子を得る。これらのF1種子はいずれかの二倍体花粉供与体と共に(列内または列間に)間植されて、三倍体雑種低木植物上に三倍体種無し果実を産生しうる。
以下の非限定的な実施例は本発明の三倍体低木雑種の生産を記載する。実施例中に特に示されていない限り、例えばMaynard 2001,Watermelons−Characteristics,Production and Marketing,ASHS Press;Mohr H.C.Watermelon Breeding in Mark J.Bassett(編)1986 Breeding Vegetable Crops,AVI Publishing Companyに記載されているような、通常のスイカ育種のための方法が用いられる。
寄託情報
本出願人は雑種WH3451を2011年12月1日付けでNCIMBに受託番号NCIMB 41907として寄託している。WHAAPDおよびWHAAOXの種子はNunhems B.V.により2011年12月1日付けでNCIMBにそれぞれ受託番号NCIMB 41905およびNCIMB 41906として寄託された。該寄託物の利用は、要求に応じて特許商標庁長官(Commissioner of Patent and Trademarks)によりその権利を有すると決定された者に対して本出願の係属中に可能となる。
37 C.F.R. § 1.808(b)に従い、1以上の寄託物の公への利用可能性に関して寄託者により課される全ての制限は、特許の付与に際して、NCIMB Ltd.,Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB21 9YA,UKにおける少なくとも2500個の種子の寄託に対するアクセスが可能となることにより、取り消し不可能な様態で解除される。該寄託物は、30年間、または最も近い要求の後の5年間、または特許の存続期間のうちの最も長い期間にわたって維持され、その期間中に全く生存不能となった場合には交換される。本出願人は、本出願に関する特許に基づいて又はPlant Variety Protection Act(7 USC 2321以下)に基づいて付与されるいずれの権利をも放棄しない。
実施例
実施例1:三倍体低木雑種(bbb)の作製
家庭菜園の二倍体スイカが、興味深い成長型を有することが観察された。この観察から出発して、この成長型の遺伝可能性を決定するために、およびこの成長型を有する三倍体雑種が作製されうるように該成長型を固定するために、育種計画を作成した。該成長型は劣性形質として遺伝可能であることが判明し、「低木(bush)対立遺伝子」(b)と命名された。それは蔓長には影響を及ぼすが、葉サイズにも果実サイズにも影響を及ぼさないことが判明した。
三倍体低木雑種を作製するために、まず、近交二倍体低木雄親系統および近交四倍体低木雌親系統を作製した(図1を参照されたい)。
該近交低木雄親の作製は、観察された成長型を有する二倍体を選択し、該二倍体および独占所有系統(proprietary line)との多数の交雑を行い、誘導された二倍体低木系統を9世代にわたって育種して、二倍体系統における低木特性を固定することにより行った。
該四倍体雌低木近交系の作製は、観察された成長型を有する二倍体スイカを選択し、該二倍体および独占所有系統との多数の交雑を行い、誘導された系統を10世代以上にわたって自家受粉させて均一な(近交)二倍体低木系統を得ることにより、二倍体低木系統を作製することにより行った。ついで、作製された近交二倍体低木系統を、染色体倍加のために、コルヒチンで処理した。コルヒチン処理後、四倍体系統を選択し、該系統を数世代にわたって自家受粉させて、該四倍体系統における低木特性を固定した。種子の各世代において、フローサイトメトリーを用いて四倍体系統の倍数性レベルの増加を調べた。
WHAAPDと称される四倍体近交雌低木体(bbbb)およびWHAAOXと称される二倍体近交雄低木体(bb)を他家受粉させて、WH3451と称される三倍体種子(bbb)を有する果実を産生させた。三倍体雑種WH3451の種子を該果実から収穫した。それはNunhems B.V.により2011年12月1日付けでNCIMBに受託番号NCIMB 41907として寄託された。WHAAPDおよびWHAAOXの種子はNunhems B.V.により2011年12月1日付けでNCIMBにそれぞれ受託番号NCIMB 41905およびNCIMB 41906として寄託された。
三倍体低木雑種WH3451の生理的および形態学的特性を、以下の実施例において分析した。
実施例2−三倍体低木雑種WH3451と先行技術における雑種との比較
2.1−材料および方法
イタリア(Sant’Agata Bolognese−BO)において圃場試験を行った。種子を2010年4月7日に播き、2010年5月20日に圃場に移植した(列内で100cm、列間で250cm)。該試験区は系統当たりに10個の植物を含んでいた。
倍数性レベルをフローサイトメトリーにより決定した。
以下の特性に関して平均値を決定した。
・系統当たりに3個の植物の1個の葉に関して、葉長および葉幅を測定した。
・開花日に、系統当たり3個の植物に関して、雄花の数を数えた。3個の植物の平均数を計算した。
・3個の植物に関して主茎の中央部の平均茎直径を測定し、平均を計算した。
・成熟度:該試験区の植物の50%が少なくとも1個の雌花を示した日、そしてその後に、該試験区の植物の50%が収穫可能な果実をつけた日を記録することにより、開花から成熟までの日数を決定した。
・茎:平均節間数:系統当たり3個の植物において測定された最長蔓上の節間の平均数。
・茎:平均節間長(cm):系統当たり3個の植物における最長蔓上の測定平均節間長(cm)。
・茎:最長蔓の平均長(cm):系統当たり3個の植物において測定された最長蔓の平均長(cm)。
・平均果実重量(kg):成熟時の3個の植物から無作為に収穫された、系統当たり3個の重量の平均。
・平均果実長(cm):3個の果実の長さの平均。
・中央断面における平均果実直径(cm):3個の果実の直径の平均。
・果実:花の末端における外皮の厚さ(cm)および果実の側面の外皮の厚さを3個の果実に関して測定した。外皮の厚さは果実の外端から白色中果皮と有色内果皮との間の境界までとして測定される。
・果実:糖度:値は、中心部と果実外皮との間で集められた3個の果実に関する1回の読取りの平均である;K71901可搬性屈折計Mod.RLC ATC 0−18%(OPTECH)を使用して糖度(°)で表される。
・5個の種子の測定値の播種種子サイズ長(mm)および幅(mm)平均。
・色:Royal Horticultural Societyの簡易色彩表(mini colour chart)(http://www.rhs.org.uk/Plants/RHS−Publications/RHS−colour−charts)を使用して評価。
2.1−結果
Figure 2015506708
Figure 2015506708
雄(bb)および雌(bbbb)低木親は、前記表1に三倍体雑種WH3451に関して示されているのと実質的に同じ低木成長型特性を有する。
実施例3−三倍体低木雑種の間隔の減少
該三倍体低木雑種は果実サイズおよびヘクタール当たりの果実収量の減少ならびに葉サイズ(すなわち、光合成組織)の減少を伴わない小さい植物であるため、これらの植物は、ファッション(Fashion)F1およびボストン(Boston)F1のような正常型三倍体雑種と比較して少なくとも約1.5倍、好ましくは少なくとも約2倍または2.5倍、好ましくは更には約3倍多くの三倍体植物をヘクタール当たりで栽培するために使用可能であり、したがって、ヘクタール当たりの販売可能果実収量を増加させうる。したがって、ヘクタール当たりの三倍体果実収量は、本発明の三倍体低木植物を使用した場合には、有意に増加しうる。すなわち、三倍体低木植物からの果実収量は正常型三倍体生産圃場の収量の少なくとも約1.25倍または少なくとも約1.5倍でありうる。
以下の表2は、WH3451のような本発明の三倍体低木植物と比較された、正常成長型三倍体品種ファッション(Fashion)F1およびボストン(Boston)F1に関する、ヘクタール当たりの植物の数を示す。
Figure 2015506708
露地におけるファッション(Fashion)F1およびボストン(Boston)F1の果実収量は約60トン/ヘクタール(t/ha)であり、一方、該三倍体低木雑種の果実収量は約75〜90t/haである。
実施例3
2012年に雄(bb)および雌(bbbb)低木親の栄養成長型を決定した。その結果を表3に示す。
Figure 2015506708

Claims (23)

  1. 種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物であって、該植物が三倍体であり、低木(bush)成長習性を有する、植物。
  2. 該植物が、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の3コピーを含み、該対立遺伝子を含有する種子の代表的サンプルが受託番号NCIMB 41907として寄託されている、請求項1記載の植物。
  3. 該植物が、低木成長習性を有する二倍体近交雄親系統と、低木成長習性を有する四倍体近交親系統との間の交雑により生産されたF1雑種である、請求項1または2記載の植物。
  4. 該植物が100cm以下の最長蔓長を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物。
  5. 該植物が最長蔓上に15個以下の節間を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物。
  6. 該植物が、7cm以下かつ少なくとも4.7cmの、最長蔓上の平均節間長を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の植物。
  7. 最長蔓長:最長蔓上の節間数 の比が7以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の植物。
  8. 該植物が少なくとも8mmの茎直径を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 該植物が少なくとも10cmの長さ及び少なくとも15cmの幅の葉を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の植物。
  10. 該植物が、二倍体花粉での受粉後に少なくとも5kgの平均果実重量を有する果実を産生する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の植物。
  11. 請求項1〜10に記載の植物が成長しうる種子。
  12. 種シトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)の植物または種子であって、該植物が四倍体であり、低木成長習性を有する、植物または種子。
  13. 該植物が、低木(bush)と称される劣性対立遺伝子の4コピーを含み、該対立遺伝子を含有する種子の代表的サンプルが受託番号NCIMB 41905として寄託されている、請求項12に記載の植物。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の植物の再生可能な細胞の組織培養物。
  15. 胚、分裂組織、子葉、花粉、胚珠、葉、葯、根、根端、雌しべ、花、種子、茎からなる群から選択される植物部分からの細胞またはプロトプラストまたは植物組織を含む、請求項14に記載の組織培養物。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の植物の植物部分であって、該部分が、穂木、果実、花粉、胚珠、茎、子葉、葉、細胞胚、分裂組織、葯、根、根端、雌しべ、花、種子から選択される、植物部分。
  17. 請求項14に記載の組織培養物から再生されるスイカ植物であって、該再生植物が三倍体または四倍体であり、低木成長習性を含む、スイカ植物。
  18. 三倍体雑種スイカ種子の生産方法であって、該種子から成長する植物が低木成長習性を有し、該方法が、
    a)低木成長習性を有する二倍体スイカ植物、および低木成長習性を有する四倍体植物を準備し、
    b)該四倍体低木植物の花を該二倍体低木植物の花粉で受粉させ、
    c)該四倍体低木植物の果実において産生された種子を収穫することを含む、生産方法。
  19. 該四倍体植物がそのゲノム内に低木対立遺伝子(bbbb)の4コピーを含む、請求項18に記載の生産方法。
  20. 該四倍体植物が、100cm以下の最長茎長、7cm以下かつ少なくとも4.7cmの、最長蔓上の平均節間長という特性を有し、少なくとも10cmの長さ及び少なくとも15cmの幅の葉を産生する、請求項18に記載の生産方法。
  21. 種無し三倍体スイカ果実の生産方法であって、該方法が、
    (a)低木成長習性を含む三倍体雑種スイカ植物を準備し、
    (b)該三倍体雑種植物を二倍体花粉供与植物と共に間植し、
    (c)(a)の三倍体植物上で産生された種無しスイカ果実を収穫すること
    を含む、生産方法。
  22. ボストン(Boston)F1のような正常成長習性を含む三倍体雑種植物を使用した場合より少なくとも1.5倍多くの三倍体低木植物がヘクタール当たりで成長する、請求項21に記載の生産方法。
  23. ボストン(Boston)F1のような正常成長習性を含む三倍体雑種植物を使用した場合より少なくとも15%多くの三倍体果実がヘクタール当たりで生産される、請求項21または22に記載の生産方法。
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