JP2015503338A - 組換えタンパク質の分解を低減させる方法および材料 - Google Patents

組換えタンパク質の分解を低減させる方法および材料 Download PDF

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Abstract

Yarrowiaなどの真菌細胞における組換えタンパク質の分解を低減させる方法および材料が、本明細書に記載される。別の態様では、本願は、実質的な数のYarrowia lipolytica細胞が、pYPS1活性における欠損およびpYPS2活性における欠損を含むように遺伝子操作されている、Yarrowia lipolytica細胞の実質的に純粋な培養物を特徴とする。本願は、Yarrowiaにおいて産生される標的タンパク質の分解を低減させる方法も特徴とする。この方法は、本明細書に記載されるYarrowia細胞において、標的タンパク質をコードする核酸を発現させるステップを含む。

Description

関連出願への相互参照
本願は、2011年12月30日に出願された米国仮特許出願第61/581,859号への優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
技術分野
本発明は、真菌細胞における組換えタンパク質の分解を低減させる方法および材料、ならびにより具体的には、2つの異なるヤプシンペプチダーゼ活性における欠損を有する遺伝子操作されたYarrowia細胞に関する。
背景
高性能の発現系が、現在開発下にある殆どの生物医薬品(例えば、組換えタンパク質)を生成するために必要である。酵母ベースの発現系は、遺伝子操作の容易さならびにタンパク質を分泌および改変する能力を有する微生物の発酵を組み合わせる。しかし、組換えタンパク質は、細胞内プロテアーゼならびに細胞外プロテアーゼによって分解されることが多い。したがって、組換えタンパク質の低減された分解を有する酵母ベースの発現系が必要とされている。
要旨
本願は、2つの異なるヤプシンペプチダーゼ活性、YPS1タンパク質(pYPS1)およびYPS2タンパク質(pYPS2)における欠損を有するYarrowia細胞において、組換えタンパク質の分解が低減されるという発見に、少なくとも一部基づく。本明細書に記載される遺伝子操作されたYarrowia株は、未分解の組換えタンパク質(例えば抗体)を産生するのに有用である。
一態様では、本願は、pYPS1活性における欠損およびpYPS2活性における欠損を含むように遺伝子操作された、単離されたYarrowia細胞(例えば、Yarrowia lipolytica細胞)を特徴とする。いくつかの実施形態では、この細胞は、検出可能なレベルの機能的pYPS1も機能的pYPS2も産生しない。いくつかの実施形態では、この細胞は、機能的pYPS1をコードする検出可能なmRNA分子および機能的pYPS2をコードする検出可能なmRNA分子を産生しない。いくつかの実施形態では、YPS1遺伝子およびYPS2遺伝子は、この細胞において破壊されている。いくつかの実施形態では、YPS1およびYPS2のオープンリーディングフレームは、欠失している。
別の態様では、本願は、実質的な数のYarrowia lipolytica細胞が、pYPS1活性における欠損およびpYPS2活性における欠損を含むように遺伝子操作されている、Yarrowia lipolytica細胞の実質的に純粋な培養物を特徴とする。
本願は、Yarrowiaにおいて産生される標的タンパク質の分解を低減させる方法も特徴とする。この方法は、本明細書に記載されるYarrowia細胞において、標的タンパク質をコードする核酸を発現させるステップを含む。
別の態様では、本願は、標的タンパク質を産生する方法を特徴とする。この方法は、pYPS1活性における欠損、pYPS2活性における欠損、および標的タンパク質をコードする核酸を含むように遺伝子操作されたYarrowia細胞を提供するステップ;ならびにb)該細胞が標的タンパク質を産生するような条件下で該細胞を培養するステップを含む。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、OCH1活性がさらに欠損していてもよい。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、アルファ−1,2マンノシダーゼをコードする核酸をさらに含み得る。このアルファ−1,2マンノシダーゼは、アルファ−1,2マンノシダーゼを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、ALG3活性がさらに欠損していてもよい。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、アルファ−1,3−グルコシルトランスフェラーゼをコードする核酸をさらに含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、グルコシダーゼのアルファサブユニットおよびベータサブユニットをコードする核酸をさらに含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、GlcNAc−トランスフェラーゼIをコードする核酸をさらに含み得る。このGlcNAc−トランスフェラーゼIは、GlcNAc−トランスフェラーゼIを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、GlcNAc−トランスフェラーゼIIをコードする核酸をさらに含み得る。このGlcNAc−トランスフェラーゼIIは、GlcNAc−トランスフェラーゼIIを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、ガラクトシルトランスフェラーゼをコードする核酸をさらに含み得る。このガラクトシルトランスフェラーゼは、ガラクトシルトランスフェラーゼをゴルジ体に向かわせるための標的化配列を含み得る。
本明細書に記載される細胞のいずれかは、標的タンパク質(例えば、リソソームタンパク質、病原体タンパク質、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、抗体もしくはその抗原結合性断片の1つもしくは2つのポリペプチド鎖、または融合タンパク質)をコードする核酸をさらに含み得る。この抗体は、血管内皮増殖因子(VEGF)に結合する抗体、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合する抗体、CD3に結合する抗体、腫瘍壊死因子(TNF)に結合する抗体、TNF受容体に結合する抗体、CD20に結合する抗体、糖タンパク質IIa/IIb受容体に結合する抗体、IL2受容体に結合する抗体、CD52に結合する抗体、CD11aに結合する抗体およびHER2に結合する抗体からなる群から選択され得る。この抗原結合性断片は、Fab断片、F(ab’)2断片、Fv断片および単鎖Fv(scFv)断片からなる群から選択され得る。
本願は、(i)pYPS1活性における欠損および(ii)pYPS2活性における欠損と;(iii)ALG3活性における欠損、(iv)OCH1活性における欠損、(v)アルファ−1,2マンノシダーゼをコードする核酸、(vi)GlcNAc−トランスフェラーゼIをコードする核酸、(vii)GlcNAc−トランスフェラーゼIIをコードする核酸、(viii)マンノシダーゼIIをコードする核酸、(ix)α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼをコードする核酸、(x)ガラクトシルトランスフェラーゼをコードする核酸ならびに(xi)グルコシダーゼのαサブユニットおよびβサブユニットをコードする核酸、のうち1つまたは複数とを含むように遺伝子操作された、単離されたYarrowia細胞も特徴とする。例えば、かかる細胞は、(i)pYPS1活性における欠損;(ii)pYPS2活性における欠損;(iii)ALG3活性における欠損;(iv)OCH1活性における欠損;(v)アルファ−1,2マンノシダーゼをコードする核酸;(vi)GlcNAc−トランスフェラーゼIをコードする核酸;(vii)GlcNAc−トランスフェラーゼIIをコードする核酸;(viii)マンノシダーゼIIをコードする核酸;(ix)α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼをコードする核酸;(x)ガラクトシルトランスフェラーゼをコードする核酸;ならびに(xi)グルコシダーゼのαサブユニットおよびβサブユニットをコードする核酸を含み得る。かかる細胞は、本明細書に記載される標的タンパク質をコードする核酸をさらに含み得る。
特に規定しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または等価な方法および材料が、本発明の実施および試験において使用され得るが、例示的な方法および材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、Genbank(登録商標)受託番号および他の参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本出願が支配する。材料、方法および実施例は例示に過ぎず、限定することを意図しない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および特許請求の範囲から明らかである。
図1Aは、軽鎖発現構築物(配列番号1)および重鎖発現構築物(配列番号2)のヌクレオチド配列の表示を示す図である。
図1Bは、pYPS1タンパク質(配列番号3)およびpYPS2タンパク質(配列番号4)のアミノ酸配列の表示を示す図である。
図1Cは、抗HER2抗体の軽鎖(LC)をコードするヌクレオチド配列(配列番号5)の表示、およびLCのアミノ酸配列(配列番号6)の表示を示す図であり、LIP2プレプロリーダー配列には下線が付され 、Vドメイン配列には2本線で下線が付され
;CKドメインには破線で下線が付される
図1Dは、抗HER2抗体の重鎖(HC)をコードするヌクレオチド配列(配列番号7)の表示、およびHCのアミノ酸配列(配列番号8)の表示を示す図であり、LIP2プレプロリーダー配列には下線が付され 、Vドメイン配列には2本線で下線が付され
;CHドメインには破線で下線が付され
;ヤプシン切断部位には「/」が付される。
図2は、アルファHER2重鎖およびアルファHER2軽鎖に単一の標的化コピーを組込んで構築した株の系図の概略図を示す図である。
図3は、Yarrowia lipolytica株Po1dにおいて発現した抗HER2抗体のウエスタンブロットの写真を示す図である。軽鎖および重鎖を別々に検出した。軽鎖は、25kDaの正確な分子量で存在したが、二量体化する傾向を示した。重鎖もまた、50kDaの正確な分子量で検出されたが、その大部分は、およそ32kDaの分子量を有する分解産物として存在した。
図4は、YPS遺伝子の破壊のための構築物の概略図を示す図である。
図5は、単一ヤプシン欠失株の培養上清から取得された重鎖の2つのウエスタンブロットの写真を示す図である。上のパネルにおいて、重鎖は、Δyps2欠失株、Δyps3欠失株、Δyps5欠失株、Δyps7欠失株およびΔypsx欠失株、ならびに対照株(ctrl、ヤプシン非欠失)について、2つの時点(48時間および96時間)で検出された。下のパネルにおいて、重鎖は、各々がΔyps1欠失およびΔyps4欠失株である2つのクローンならびに対照株について96時間の時点で検出された。
図6は、Δyps1欠失株、URA栄養要求性Δyps1欠失株、Δyps1Δyps2二重欠失株、Δyps1Δyps3二重欠失株、Δyps1Δyps4二重欠失株および対照株(ヤプシン非欠失)の培養上清から取得された重鎖のウエスタンブロットの写真を示す図である。
図7は、Δyps1Δyps2株および野生型(ctrl)株において発現した組換え抗HER2抗体の、銀染色されたドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)ゲルの写真を示す図である。還元(左側)条件および非還元(右側)条件が示される。重鎖由来の分解産物に星印を付す。非還元条件下では、重鎖のタンパク質分解産物は、対照株において単量体および二量体の両方として存在していた。還元条件下では、グリコシル化バージョンの重鎖および非グリコシル化バージョンの重鎖の両方が認められた。H2L2:完全にアセンブルしたAb;HC:重鎖;LC:軽鎖。
詳細な説明
一般に、本願は、2つの異なるヤプシンペプチダーゼ、YPS1タンパク質(pYPS1)およびYPS2タンパク質(pYPS2)において欠損を有する遺伝子操作された細胞を使用して、Yarrowia(例えば、Y.lipolytica)または他の関連の種の二相性酵母などの真菌細胞における組換えタンパク質の分解を低減する方法および材料を提供する。ヤプシンは、限定された基質特異性を有し、細胞表面上に局在化している、グリコホスファチジルイノシトール(GPI)結合アスパラギン酸エンドペプチダーゼである。ヤプシンは、対になった塩基性残基(例えば、リシン−アルギニンおよびアルギニン−アルギニン)に対してC末端側で;リシンよりアルギニンを優先することなしに、単塩基部位に対してC末端側で;および塩基性残基間を、切断できる。例えば、Gagnon−Arsenaultら、FEMS Yeast Res 6巻:966〜978頁(2006年)を参照のこと。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、組換え標的タンパク質を産生するために使用され得る。いくつかの実施形態では、この組換え標的タンパク質は、Yarrowia lipolytica(または他の関連の種の二相性酵母)の分泌経路の1つまたは複数のステップを介して輸送されることが可能であり、その結果として宿主細胞機構によるそれらのN−グリコシル化が生じる。
組換え産生され得る適切な標的タンパク質には、病原体タンパク質、リソソームタンパク質(例えば、グルコセレブロシダーゼ、セレブロシダーゼまたはガラクトセレブロシダーゼ)、インスリン、グルカゴン、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、Fc受容体に結合することが可能なタンパク質、抗体もしくはその断片、または抗体もしくは抗体の断片に対する任意のタンパク質の融合物(例えば、タンパク質−Fc)が挙げられる。病原体タンパク質の非限定的な例には、破傷風トキソイド;ジフテリアトキソイド;およびウイルス表面タンパク質(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)糖タンパク質B、HおよびgCIII;ヒト免疫不全ウイルス1(HIV−1)エンベロープ糖タンパク質;ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンベロープ糖タンパク質;単純ヘルペスウイルス(HSV)エンベロープ糖タンパク質;エプスタイン・バーウイルス(EBV)エンベロープ糖タンパク質;水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)エンベロープ糖タンパク質;ヒトパピローマウイルス(HPV)エンベロープ糖タンパク質;インフルエンザウイルス糖タンパク質;ならびに肝炎ファミリー表面抗原)が挙げられる。増殖因子には、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、骨形態形成タンパク質(BMP)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、神経増殖因子(NGF);ニューロトロフィン、血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、ミオスタチン(GDF−8)、増殖分化因子−9(GDF9)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF2)、上皮増殖因子(EGF)、肝細胞増殖因子(HGF)が挙げられる。サイトカインには、インターロイキン(例えば、IL−1〜IL−33、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13またはIL−15)およびインターフェロン(例えば、インターフェロンβまたはインターフェロンγ)が挙げられる。ケモカインには、例えば、I−309、TCA−3、MCP−1、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、C10、MRP−2、MARC、MCP−3、MCP−2、MRP−2、CCF18、MIP−1γ、エオタキシン、MCP−5、MCP−4、NCC−1、Ckβ10、HCC−1、ロイコタクチン−1(Leukotactin−1)、LEC、NCC−4、TARC、PARCまたはエオタキシン−2が挙げられる。腫瘍糖タンパク質(例えば、腫瘍関連抗原)、例えば、がん胎児性抗原(CEA)、ヒトムチン、HER−2/neuおよび前立腺特異的抗原(PSA)もまた挙げられる[HendersonおよびFinn、Adv in Immunology、62巻、217〜56頁(1996年)]。
いくつかの実施形態では、この標的タンパク質は、リソソーム貯蔵障害(LSD)と関連する。LSDと関連する標的タンパク質の非限定的な例には、例えば、アルファ−L−イズロニダーゼ、ベータ−D−ガラクトシダーゼ、ベータ−グルコシダーゼ、ベータ−ヘキソサミニダーゼ、ベータ−D−マンノシダーゼ、アルファ−L−フコシダーゼ、アリールスルファターゼB、アリールスルファターゼA、アルファ−N−アセチルガラクトサミニダーゼ、アスパルチルグルコサミニダーゼ、イズロン酸−2−スルファターゼ、アルファ−グルコサミニド−N−アセチルトランスフェラーゼ、ベータ−D−グルクロニダーゼ(glucoronidase)、ヒアルロニダーゼ、アルファ−L−マンノシダーゼ、アルファ−ノイラミニダーゼ、ホスホトランスフェラーゼ、酸性リパーゼ、酸性セラミダーゼ、スフィンゴミエリナーゼ、チオエステラーゼ、カテプシンKおよびリポタンパク質リパーゼが挙げられる。
いくつかの実施形態では、この標的タンパク質は抗体である。この抗体は任意の抗体であり得るが、抗体の非限定的な例には、CD3に結合する抗体、例えば、OKT3、テプリズマブもしくはオテリキシズマブ;腫瘍壊死因子(TNF)に結合する抗体、例えば、アダリムマブ(Humira(登録商標))もしくはインフリキシマブ(Remicade(登録商標));TNF受容体に結合する抗体、例えばエタネルセプト(Enbrel(登録商標));CD20に結合する抗体、例えば、イブリツモマブチウキセタン(Zevalin(登録商標))もしくはリツキシマブ(Mabthera(登録商標));糖タンパク質IIa/IIb受容体(GPIIa/IIb−R)に結合する抗体、例えばアブシキシマブ(Abeiximab)(Reopro(登録商標));IL2受容体に結合する抗体、例えばバシリキシマブ(Simulect(登録商標))もしくはダクリズマブ(Zenapax(登録商標))、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合する抗体、例えばセツキシマブ(Erbitux(登録商標));CD52に結合する抗体、例えばアレムツズマブ(Alemtuzamab)(Campath(登録商標));CD11aに結合する抗体、例えばエファリズマブ(Raptiva(登録商標));血管内皮増殖因子(VEGF)に結合する抗体、例えばベバシズマブ(Avastin(登録商標))、またはHER2に結合する抗体、例えばトラスツズマブ(Trastuzamab)(Herceptin(登録商標))が挙げられる。
標的タンパク質は、融合タンパク質であってもよい。融合タンパク質には、例えば、(i)本明細書に記載される任意のタンパク質またはその断片と、(ii)抗体またはその断片との融合物が挙げられる。融合タンパク質は、(i)と、種々の異種タンパク質、例えば、無関係のタンパク質由来のシグナル配列、免疫グロブリン重鎖定常領域もしくはかかる領域の一部、タグアミノ酸配列(例えば、蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質またはそのバリアント)または親和性精製に有用な配列(例えば、ポリヒスチジン、例えばヘキサヒスチジン、FLAGタグまたはエラスチン様ポリペプチド(ELP))のいずれかとの融合物でもあり得る。
抗体断片(抗原結合性抗体断片を含む)もまた対象とされる。かかる断片は、本願に開示される抗体のいずれかの断片であり得る。本明細書で使用する場合、用語「抗体断片」とは、(a)抗原結合性断片または(b)Fc受容体と相互作用できる抗体のFc部分を指す。抗原結合性断片は、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、Fv断片および単鎖Fv(scFv)断片であり得る。scFv断片は、そのscFvが誘導される抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方を含む単一のポリペプチド鎖である。さらに、二重特異性抗体[Poljak(1994年)Structure 2巻(12号):1121〜1123頁;Hudsonら(1999年)J. Immunol. Methods 23巻(1〜2号):177〜189頁]および細胞内抗体(intrabody)[Hustonら(2001年)Hum. Antibodies 10巻(3〜4号):127〜142頁;Wheelerら(2003年)Mol. Ther. 8巻(3号):355〜366頁;Stocks(2004年)Drug Discov. Today 9巻(22号):960〜966頁]は、産生され得る組換えタンパク質の例である。
標的タンパク質は、必要に応じて標的タンパク質の1つまたは複数のポリペプチド鎖をコードする1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、4つまたは5つの)発現ベクター中の、1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、4つまたは5つの)核酸によってコードされ得る。したがって、例えば、抗体または抗体の抗原結合性断片の両方の鎖(例えば、軽鎖および重鎖またはその一方もしくは両方の断片)は、単一の発現ベクター中の単一のオープンリーディングフレーム(ORF)によって、または単一の発現ベクターもしくは2つの別々の発現ベクターのいずれか中の2つのORFによって発現され得る。したがって、抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含有する抗体scFVは、単一のORFによって一般にコードされる。その一方、IgG抗体全体、Fab断片またはF(ab’)2断片の軽鎖および重鎖は、各々一般に(必ずとは限らない)別々の発現ベクター中にある2つの別々の核酸内の別々のORFによって最も一般に(これも必ずとは限らない)発現される。抗体および抗体の抗原結合性断片について上記した同じ原理が、1つまたは複数の(例えば、2つ、3つ、4つまたは5つの)非同一ポリペプチド鎖から構成される他のタンパク質にあてはまると理解される。
標的タンパク質はまた、ポリマー、キャリア、アジュバント、免疫毒素または検出可能な(例えば、蛍光、発光もしくは放射性)部分のうち1つまたは複数に連結され得る。例えば、組換えタンパク質は、小さいタンパク質の分子量を増加させるためおよび/または循環滞留時間を増加させるために使用され得る、ポリエチレングリコールに連結され得る。
遺伝子操作された細胞
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞(例えば、Yarrowia細胞)は、pYPS1活性およびpYPS2活性における欠損を含有する。例えば、かかる遺伝子操作された細胞は、検出可能なレベルの機能的pYPS1および/または機能的pYPS2を産生しない場合がある。かかる欠損は、例えば、少なくとも2つの内因性ヤプシン遺伝子、例えば、それぞれpYPS1およびpYPS2をコードするYPS1(Genolevures参照番号YALI0E10175g;遺伝子ID:2912589)およびYPS2(Genolevures参照番号YALI0E22374g;遺伝子ID:2912981)を欠失または破壊することによって、Yarrowia細胞において生成され得る。pYPS1およびpYPS2のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号3および配列番号4に示される(図1Bを参照のこと)。それぞれ、GenBank受託番号XP_503768.1、GI:50552716およびXP_504265.1、GI:50553708もまた参照のこと。
相同組換えは、内因性遺伝子を破壊するために使用され得る。例えば、「遺伝子置換」ベクターは、選択可能なマーカー遺伝子を含むように、構築され得る。この選択可能なマーカー遺伝子は、5’末端および3’末端の両方において、相同組換えを媒介するのに十分な長さの遺伝子の一部分に作動可能に連結され得る。この選択可能なマーカーは、URA3、LEU2およびHIS3遺伝子を含む、宿主細胞の栄養要求性を補完するか、または抗生物質耐性を提供するかのいずれかである、任意の数の遺伝子のうち1つであり得る。他の適切な選択可能なマーカーには、酵母細胞にクロラムフェニコール耐性を付与するCAT遺伝子、またはβ−ガラクトシダーゼの発現に起因する青色コロニーを生じるlacZ遺伝子が挙げられる。次いで、遺伝子置換ベクターの線形化されたDNA断片が、当該分野で周知の方法を使用して細胞中に導入される(以下を参照のこと)。ゲノム中への線状断片の組込みおよび遺伝子の破壊は、選択マーカーに基づいて決定され得、例えばサザンブロット分析によって検証され得る。いくつかの実施形態では、遺伝子の破壊は、機能的pYPS1をコードする検出可能なレベルのmRNA分子および機能的pYPS2をコードする検出可能なレベルのmRNA分子を産生しない、遺伝子操作された株を生じる。
選択におけるその使用に続いて、選択可能なマーカーは、例えばCre−loxP系によって、宿主細胞のゲノムから除去され得る(例えば、Gossenら(2002年)Ann. Rev. Genetics 36巻:153〜173頁および米国特許出願公開第20060014264号を参照のこと)。マーカー除去のプロセスは、「キュアリング(curing)」と呼ばれる。
あるいは、遺伝子置換ベクターは、破壊される遺伝子の一部分を含むように構築され得、この一部分は、任意の内因性遺伝子プロモーター配列を欠いており、遺伝子のコード配列をコードしないか、または遺伝子のコード配列の不活性な断片をコードする。「不活性な断片」は、その遺伝子の全長コード配列から産生されるタンパク質の活性の、例えば約10%未満(例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満または0%)を有するタンパク質をコードする、遺伝子の断片である。遺伝子のかかる一部分は、既知のプロモーター配列が遺伝子配列に作動可能に連結されないが、終止コドンおよび転写終結配列がその遺伝子配列のこの一部分に作動可能に連結されるように、ベクター中に挿入される。このベクターは、引き続いて、その遺伝子配列のこの一部分において線形化され得、細胞中に形質転換され得る。次いで、単一の相同組換えによって、この線形化されたベクターは、この遺伝子の内因性同等物中に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、pYPS1活性および/またはpYPS2活性を有するタンパク質の機能的発現に干渉するRNA分子が、導入または発現され得る。RNA分子には、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピンRNA(shRNA)、アンチセンスRNAまたはマイクロRNA(miRNA)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、pYPS1活性および/またはpYPS2活性を有するタンパク質をコードする1つまたは複数の内因性遺伝子のプロモーターエレメントまたはエンハンサーエレメントは、それらがコードするタンパク質の発現が変更されるように、変更され得る。
遺伝子操作に適した細胞には、Y.lipolytica細胞などのYarrowia細胞および他の関連の二相性酵母細胞が挙げられる。かかる細胞は、本明細書で特定した遺伝子操作の前に、例えばAmerican Type Culture Collection(ATCC)(Manassas、VA)などの、種々の商業的供給源および研究資源施設から取得され得る。一実施形態では、po1d株のY.lipolyticaが使用される。このpo1d株は、受託番号139の下で、Centre International de Ressources Microbienne、CLIBカルチャーコレクションにおいて入手可能である。このpo1d株では、分泌されたアルカリ性細胞外プロテアーゼAEP(遺伝子XPR2)は欠失されており、酸性細胞外プロテアーゼAXP1(遺伝子AXP)は、遺伝子破壊および標的遺伝子の挿入によって欠失され得るか、または発酵培地のpHによって制御され得る。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、他のアスパラギン酸プロテアーゼ、例えば、プロテイナーゼA(PEP4遺伝子によってコードされる)などの、EC3.4.23の下に分類されるアスパラギン酸プロテアーゼにおける欠損をさらに含み得る。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、標的タンパク質(例えば、抗体などの上記標的タンパク質)をコードする核酸をさらに含み得る。用語「核酸」および「ポリヌクレオチド」は、本明細書で相互交換可能に使用され、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAおよびDNA(またはRNA)含有核酸アナログを含む、RNAおよびDNAの両方を指す。核酸は、任意の3次元構造を有し得る。核酸は、二本鎖または一本鎖(すなわち、センス鎖またはアンチセンス鎖)であり得る。核酸の非限定的な例には、遺伝子、遺伝子断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボゾームRNA、siRNA、マイクロRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブおよびプライマー、ならびに核酸アナログが挙げられる。「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書で相互交換可能に使用され、長さまたは翻訳後修飾にかかわらず、任意のペプチド結合したアミノ酸の鎖を意味する。
「単離された核酸」とは、天然に存在するゲノム(例えば酵母ゲノム)中のその核酸の一方の側または両側に通常は隣接している核酸を含む、天然に存在するゲノム中に存在する他の核酸分子から分離された核酸を指す。用語「単離された」は、核酸に関して本明細書で使用する場合、任意の天然に存在しない核酸配列もまた含むが、これは、かかる天然に存在しない配列が、天然には見出されず、天然に存在するゲノムにおいて直接接続する配列(immediately contiguous sequence)を有さないからである。
単離された核酸は例えばDNA分子であり得、但し、それは天然に存在するゲノム中のそのDNA分子に直接隣接していることが通常は見出される核酸配列の1つが除去されているか存在しないことを条件とする。したがって、単離された核酸には、他の配列とは独立して別々の分子として存在するDNA分子(例えば、化学合成された核酸、あるいはcDNAまたはPCRもしくは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されるゲノムDNA断片)、ならびにベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、任意のパラミクソウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルスまたはヘルペスウイルス)中に組み込まれたDNA、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み込まれたDNAが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、単離された核酸には、ハイブリッドまたは融合核酸の一部であるDNA分子などの、操作された核酸を挙げることができる。例えば、cDNAライブラリーもしくはゲノムライブラリー、またはゲノムDNA制限消化物を含有するゲル(例えば、電気泳動ゲル)スライス内の、数百〜数百万の他の核酸のうちに存在する核酸は、単離された核酸とはみなされない。
用語「外因性」とは、核酸および特定の宿主細胞に関して本明細書で使用する場合、天然に見出されるその特定の細胞中に存在しない(およびその特定の細胞から取得され得ない)任意の核酸を指す。したがって、天然に存在しない核酸は、宿主細胞中に一旦導入されると、その宿主細胞にとって外因性とみなされる。天然に存在しない核酸は、その核酸が全体として天然に存在しないことを条件として、天然に見出される核酸部分配列または核酸配列の断片を含有し得ることに留意することが重要である。例えば、発現ベクター内の、ゲノムDNA配列を含有する核酸分子は、天然に存在しない核酸であり、したがって、宿主細胞中に一旦導入されると、その宿主細胞にとって外因性であるが、これは、その核酸分子が全体として(ゲノムDNA+ベクターDNA)、天然に存在しないからである。したがって、全体として天然に存在しない任意のベクター、自己複製プラスミドまたはウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルスまたはヘルペスウイルス)は、天然に存在しない核酸とみなされる。とすると、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されるゲノムDNA断片、ならびにcDNAは、天然に存在しない核酸とみなされるが、これは、これらが、天然に見出されない別々の分子として存在するからである。とすると、天然に見出されない配置の、プロモーター配列およびポリペプチドコード配列を含有する任意の核酸(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)もまた、天然に存在しない核酸である。天然に存在する核酸は、特定の細胞にとって外因性であり得る。例えば、酵母xの細胞から単離された染色体全体は、その染色体が酵母yの細胞中に一旦導入されると、酵母yの細胞に関して外因性核酸である。
組換え核酸は、スフェロプラスト技術またはホールセル塩化リチウム酵母形質転換法などの種々の方法を使用して、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミドまたはウイルス粒子などの発現ベクターの形態で、細胞中に導入され得る。細胞中へのプラスミドまたは線状核酸ベクターの形質転換に有用な他の方法は、例えば、米国特許第4,929,555号;Hinnenら(1978年)Proc. Nat. Acad. Sci. USA 75巻:1929頁;Itoら(1983年)J. Bacteriol. 153巻:163頁;米国特許第4,879,231号;およびSreekrishnaら(1987年)Gene 59巻:115頁に記載されている。エレクトロポレーションおよびPEG1000ホールセル形質転換手順もまた、CreggおよびRussel、Methods in Molecular Biology: Pichia Protocols、第3章、Humana Press、Totowa、N.J.、27〜39頁(1998年)によって記載されるように使用され得る。
形質転換された酵母細胞は、必要とされる生化学的産物(細胞の栄養要求性に起因する)の非存在下で形質転換後の栄養要求性細胞を培養すること、新たな表現型についての選択および新たな表現型の検出、または形質転換体に含有される耐性遺伝子の非存在下で、酵母に対して毒性の抗生物質の存在下で培養することが含まれるがこれらに限定されない技術を使用して、選択され得る。形質転換体は、例えば、サザンブロットまたはPCR分析によって評価され得る、ゲノム中への発現カセットの組込みによっても選択および/または検証され得る。
Yarrowia細胞などの細胞中にベクターを導入する前に、これらのベクターは、Escherichia coli(E.coli)などの細菌細胞において増殖(例えば増幅)され得る。ベクターDNAは、細菌環境からのベクターDNAの精製を生じる当該分野で公知の方法のいずれかによって、細菌細胞から単離され得る。精製されたベクターDNAは、プラスミドDNA調製物中にE.coliタンパク質が存在しないことを確実にするために、フェノール、クロロホルムおよびエーテルによって広範に抽出され得る。
組込みベクターは、例えば、米国特許第4,882,279号中に開示されている。組込みベクターは一般に、少なくとも第1の挿入可能なDNA断片、選択可能なマーカー遺伝子および第2の挿入可能なDNA断片の、連続的に配置された配列を含む。第1および第2の挿入可能なDNA断片は、それぞれ、約200(例えば、約250、約300、約350、約400、約450、約500または約1000もしくはそれより長い)ヌクレオチド長であり、形質転換される種のゲノムDNAの一部分に対して相同なヌクレオチド配列を有する。発現のための対象の遺伝子(例えば、標的タンパク質をコードする遺伝子)を含有するヌクレオチド配列は、マーカー遺伝子の前であれ後ろであれ、第1の挿入可能なDNA断片と第2の挿入可能なDNA断片との間で、このベクター中に挿入される。組込みベクターは、宿主細胞ゲノム中への対象のヌクレオチド配列の組込みを容易にするために、酵母形質転換の前に線形化され得る。
発現ベクターは、酵母において組換え核酸が発現されるのを可能にする酵母(例えば、Yarrowia lipolytica、Arxula adeninivoransまたは他の関連の二相性酵母種)プロモーターの制御下の、組換え核酸を特徴とし得る。適切な酵母プロモーターには、TEF1、HP4D、GAP、POX2、ADC1、TPI1、ADH2、POXおよびGal10プロモーター(promter)が挙げられる。例えば、Madzakら、(2000年)J. Mol. Microbiol. Biotechnol. 2巻:207〜216頁;Guarenteら(1982年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79巻(23号):7410頁を参照のこと。さらなる適切なプロモーターは、例えば、ZhuおよびZhang(1999年)Bioinformatics 15巻(7〜8号):608〜611頁ならびに米国特許第6,265,185号に記載されている。
プロモーターは、構成的または誘導性(条件的)であり得る。構成的プロモーターは、その発現が標準的な培養条件下で一定または実質的に一定であるプロモーターであると理解される。誘導性プロモーターは、1つまたは複数の誘導キューに対して応答性のプロモーターである。例えば、誘導性プロモーターは、化学的に調節され得る(例えば、その転写活性が、化学誘導剤、例えば、アルコール、テトラサイクリン、ステロイド、金属または他の低分子の存在または非存在によって調節されるプロモーター)か、または物理的に調節され得る(例えば、その転写活性が、光または高温もしくは低温などの物理的誘導因子の存在または非存在によって調節されるプロモーター)。誘導性プロモーターはまた、化学的キューまたは物理的キューによってそれ自体が直接調節される1つまたは複数の転写因子によって、間接的に調節され得る。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、細胞が標的タンパク質上に所望のN−グリカンを産生するような、1つまたは複数のさらなる改変をさらに含み得る。このさらなる改変には、(i)N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする内因性遺伝子の欠失または破壊;(ii)N−グリコシル化活性を有するタンパク質(例えば、内因性または外因性タンパク質)の変異体形態をコードする(すなわち、N−グリコシル化活性を有する変異体タンパク質を発現する)組換え核酸の導入;(iii)N−グリコシル化活性を有するタンパク質の機能的発現を干渉するRNA分子の導入または発現;(iv)N−グリコシル化活性を有する野生型(例えば、内因性または外因性)タンパク質をコードする(すなわち、N−グリコシル化活性を有するタンパク質を発現する)組換え核酸の導入;ならびに(v)N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする1つまたは複数の内因性遺伝子のプロモーターエレメントまたはエンハンサーエレメントを変更し、したがって、コードされたタンパク質の発現を変更すること、のうち1つまたは複数を挙げることができる。項目(ii)には、例えば、そうして置き換えられる内因性遺伝子と比較してより高いN−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする遺伝子による、内因性遺伝子の置き換えが含まれると理解される。遺伝子操作には、付加(例えば、異種配列)、欠失または置換(例えば、点変異などの変異;保存的または非保存的変異)を有するタンパク質を産生するために、N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする内因性遺伝子を変更することもまた挙げられる。変異は、特異的に導入され得る(例えば、部位特異的変異誘発または相同組換え)か、またはランダムに導入され得る(例えば、細胞は、例えばNewmanおよびFerro−Novick(1987年)J. Cell Biol. 105巻(4号):1587頁に記載されるように、化学的に変異誘発され得る)。改変には、例えばWO 2011/061629号およびWO 2011/039634号に記載される改変を挙げることができる。
かかるさらなる遺伝子改変は、(i)遺伝子改変された細胞における1つもしくは複数のN−グリコシル化活性の増加、(ii)遺伝子改変された細胞における1つもしくは複数のN−グリコシル化活性の減少、(iii)遺伝子改変された細胞における1つもしくは複数のN−グリコシル化活性の局在化もしくは細胞内分布の変化、または(iv)遺伝子改変された細胞における1つもしくは複数のN−グリコシル化活性の比率の変化、のうち1つまたは複数を生じ得る。N−グリコシル化活性の量の増加は、N−グリコシル化活性を有する1つもしくは複数のタンパク質の過剰発現、内因性遺伝子のコピー数の増加(例えば、遺伝子重複)、またはその遺伝子によってコードされるタンパク質の発現の増加を刺激する内因性遺伝子のプロモーターもしくはエンハンサーにおける変更に起因し得ることが、理解される。1つまたは複数のN−グリコシル化活性の減少は、N−グリコシル化を変更する活性を有する1つもしくは複数のタンパク質の変異体形態(例えば、ドミナントネガティブ形態)の過剰発現、N−グリコシル化活性を有する1つもしくは複数のタンパク質の発現を低減する1つもしくは複数の干渉RNA分子の導入もしくは発現、またはN−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする1つもしくは複数の内因性遺伝子の欠失もしくは破壊に起因し得る。
遺伝子操作された改変は、条件的であり得ることが理解される。例えば、遺伝子は、例えば、Cre−loxP系などの部位特異的DNAリコンビナーゼを使用して、条件的に欠失され得る(例えば、Gossenら(2002年)Ann. Rev. Genetics 36巻:153〜173頁および米国特許出願公開第20060014264号を参照のこと)。
N−グリコシル化活性を有するタンパク質には、例えば、外鎖伸長(Outer CHain elongation)(OCH1)タンパク質、α−1,2−マンノシダーゼ、アスパラギン結合グリコシル化(Asparagine Linked Glycosylation)3(ALG3)タンパク質、α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼ、グルコシダーゼ、マンノシダーゼII、GlcNAc−トランスフェラーゼI(GnT I)、GlcNAc−トランスフェラーゼII(GnT II)またはガラクトシルトランスフェラーゼ(Gal T)が挙げられる。
分泌されたタンパク質上の所望のN−グリカンは、例えば、ManGlcNAc構造またはManGlcNAc構造のいずれかに基づき得る。例えば、ManGlcNAcベース構造を生成するために、Yarrowia細胞は、α−1,2−マンノシダーゼ活性が細胞内区画において増加し、OCH1活性が減少するように、操作され得る。ManGlcNAcベース構造を生成するために、ALG3の活性、およびいくつかの実施形態ではOCH1の活性を減少させ、α−1,2−マンノシダーゼの活性、およびいくつかの実施形態ではα−1,3−グルコシルトランスフェラーゼの活性を増加させる。かかる酵母細胞において産生されるタンパク質のN−グリカンプロファイルは、以下の活性のうち1つまたは複数を含有するように細胞をさらに操作することによって、変更され得る:GlcNAcトランスフェラーゼI(GnT I)活性、マンノシダーゼII(Man II)活性、GlcNAcトランスフェラーゼII(GnT II)活性、グルコシダーゼII活性およびガラクトシルトランスフェラーゼ(Gal T)活性。例えば、ManGlcNAcまたはManGlcNAc N−グリカンを産生するYarrowia細胞においてGnT Iを発現させることにより、ManGlcNAcまたはManGlcNAc N−グリカンへのGlcNAc部分の転移が生じ、その結果、それぞれGlcNAcManGlcNAcまたはGlcNAcManGlcNAc N−グリカンが産生される。GlcNAcManGlcNAc N−グリカンを産生する細胞では、マンノシダーゼIIを発現させることにより、GlcNAcManGlcNAc N−グリカンからの2つのマンノース残基の除去が生じ、GlcNAcManGlcNAc N−グリカンが産生される。GlcNAcManGlcNAc N−グリカンを産生する細胞では、GnT IIを発現させることにより、GlcNAcManGlcNAc N−グリカンへの別のGlcNAc部分の転移が生じ、GlcNAcManGlcNAc2 N−グリカンが産生される。GlcNAcManGlcNAcまたはGlcNAcManGlcNAc N−グリカンを産生する細胞においてGal Tを発現させることにより、GlcNAcManGlcNAcまたはGlcNAcManGlcNAc N−グリカンへのガラクトースの転移が生じ、GalGlcNAcManGlcNAcまたはGalGlcNAcManGlcNAc N−グリカンが産生される。いくつかの実施形態では、グルコシダーゼ(例えば、αおよびβサブユニットを発現させることによる)が、ManGlcNAcベース構造の生成を増加させるために発現され得る。
N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする遺伝子は、かかる遺伝子を含有する任意の種に由来し得る。N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が取得され得る例示的な真菌種には、Pichia anomala、Pichia bovis、Pichia canadensis、Pichia carsonii、Pichia farinose、Pichia fermentans、Pichia fluxuum、Pichia membranaefaciens、Pichia membranaefaciens、Candida valida、Candida albicans、Candida ascalaphidarum、Candida amphixiae、Candida Antarctica、Candida atlantica、Candida atmosphaerica、Candida blattae、Candida carpophila、Candida cerambycidarum、Candida chauliodes、Candida corydalis、Candida dosseyi、Candida dubliniensis、Candida ergatensis、Candida fructus、Candida glabrata、Candida fermentati、Candida guilliermondii、Candida haemulonii、Candida insectamens、Candida insectorum、Candida intermedia、Candida jeffresii、Candida kefyr、Candida krusei、Candida lusitaniae、Candida lyxosophila、Candida maltosa、Candida membranifaciens、Candida milleri、Candida oleophila、Candida oregonensis、Candida parapsilosis、Candida quercitrusa、Candida shehatea、Candida temnochilae、Candida tenuis、Candida tropicalis、Candida tsuchiyae、Candida sinolaborantium、Candida sojae、Candida viswanathii、Candida utilis、 Pichia membranaefaciens、Pichia silvestris、Pichia membranaefaciens、Pichia chodati、Pichia membranaefaciens、Pichia menbranaefaciens、Pichia minuscule、Pichia pastoris、Pichia pseudopolymorpha、Pichia quercuum、Pichia robertsii、Pichia saitoi、Pichia silvestrisi、Pichia strasburgensis、Pichia terricola、Pichia vanriji、Pseudozyma Antarctica、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces momdshuricus、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces bisporus、Saccharomyces chevalieri、Saccharomyces delbrueckii、Saccharomyces exiguous、Saccharomyces fermentati、Saccharomyces fragilis、Saccharomyces marxianus、Saccharomyces mellis、Saccharomyces rosei、Saccharomyces rouxii、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces willianus、Saccharomycodes ludwigii、Saccharomycopsis capsularis、Saccharomycopsis fibuligera、Saccharomycopsis fibuligera、Endomyces hordei、Endomycopsis fobuligera、Saturnispora saitoi、Schizosaccharomyces octosporus、Schizosaccharomyces pombe、Schwanniomyces occidentalis、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora delbrueckii、Saccharomyces dairensis、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora fermentati、Saccharomyces fermentati、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora rosei、Saccharomyces rosei,Torulaspora delbrueckii、Saccharomyces rosei、Torulaspora delbrueckii、Saccharomyces delbrueckii、Torulaspora delbrueckii、Saccharomyces delbrueckii、Zygosaccharomyces mongolicus、Dorulaspora globosa、Debaryomyces globosus、Torulopsis globosa、Trichosporon cutaneum、Trigonopsis variabilis、Williopsis californica、Williopsis saturnus、Zygosaccharomyces bisporus、Zygosaccharomyces bisporus、Debaryomyces disporua、Saccharomyces bisporas、Zygosaccharomyces bisporus、Saccharomyces bisporus、Zygosaccharomyces mellis、Zygosaccharomyces priorianus、Zygosaccharomyces rouxiim、Zygosaccharomyces rouxii、Zygosaccharomyces barkeri、Saccharomyces rouxii、Zygosaccharomyces rouxii、Zygosaccharomyces major、Saccharomyces rousii、Pichia anomala、Pichia bovis、Pichia Canadensis、Pichia carsonii、Pichia farinose、Pichia fermentans、Pichia fluxuum、Pichia membranaefaciens、Pichia pseudopolymorpha、Pichia quercuum、Pichia robertsii、Pseudozyma Antarctica、Rhodosporidium toruloides、Rhodosporidium toruloides、Rhodotorula glutinis、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces bisporus、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces chevalieri、Saccharomyces delbrueckii、Saccharomyces fermentati、Saccharomyces fragilis、Saccharomycodes ludwigii、Schizosaccharomyces pombe、Schwanniomyces occidentalis、Torulaspora delbrueckii、Torulaspora globosa、Trigonopsis variabilis、Williopsis californica、Williopsis saturnus、Zygosaccharomyces bisporus、Zygosaccharomyces mellis、Zygosaccharomyces rouxii、または当該分野で公知のもしくは本明細書に記載される任意の他の真菌(例えば、酵母)が挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な下等真核生物には、Aspergillus caesiellus、Aspergillus candidus、Aspergillus carneus、Aspergillus clavatus、Aspergillus deflectus、Aspergillus flavus、Aspergillus fumigatus、Aspergillus glaucus、Aspergillus nidulans、Aspergillus niger、Aspergillus ochraceus、Aspergillus oryzae、Aspergillus parasiticus、Aspergillus penicilloides、 Aspergillus restrictus、Aspergillus sojae、Aspergillus sydowi、Aspergillus tamari、Aspergillus terreus、Aspergillus ustus、またはAspergillus versicolorが挙げられるがこれらに限定されないAspergillusの種々の種もまた挙げられる。
N−グリコシル化活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が取得され得る例示的な原生動物属には、Blastocrithidia、Crithidia、Endotrypanum、Herpetomonas、Leishmania、Leptomonas、Phytomonas、Trypanosoma(例えば、T.bruceii、T.gambiense、T.rhodesiense、およびT.cruzi)、ならびにWallaceinaが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、GnT Iをコードする遺伝子は、ヒト(Swiss Protein受託番号P26572)、ラット、Arabidopsis、マウスまたはDrosophilaから取得され得;GntIIをコードする遺伝子は、ヒト、ラット(Swiss Protein受託番号Q09326)、Arabidopsisまたはマウスから取得され得;Man IIをコードする遺伝子は、ヒト、ラット、Arabidopsis、マウス、Drosophila(Swiss Protein受託番号Q24451)から取得され得;GalTをコードする遺伝子は、ヒト(Swiss Protein受託番号P15291)、ラット、マウスまたはウシから取得され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、pYPS1活性およびpYPS2活性における欠損を有することに加えて、以下の改変のうち1つまたは複数を含み得る。例えば、遺伝子操作された細胞は、OCH1(GenBank受託番号:AJ563920)遺伝子またはその遺伝子産物(mRNAまたはタンパク質)をさらに欠き得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、ALG3(Genbank(登録商標)受託番号:XM_503488、Genolevures参照:YALI0E03190g)遺伝子またはその遺伝子産物(mRNAまたはタンパク質)をさらに欠き得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼ(例えば、ALG6、Genbank(登録商標)受託番号:XM_502922、Genolevures参照:YALI0D17028g)タンパク質をさらに発現(例えば、過剰発現)する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、α−1,2−マンノシダーゼ(例えば、Genbank受託番号:AF212153)タンパク質をさらに発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、GlcNAc−トランスフェラーゼI(例えば、Swiss Prot.受託番号P26572)タンパク質をさらに発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、マンノシダーゼIIタンパク質またはその触媒ドメイン(例えば、Swiss Prot.受託番号Q24451)をさらに発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、ガラクトシルトランスフェラーゼIタンパク質またはその触媒ドメイン(例えば、Swiss Prot.受託番号P15291)をさらに発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、GlcNAc−トランスフェラーゼIIタンパク質またはその触媒ドメイン(例えば、Swiss Prot.受託番号Q09326)をさらに発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、Yarrowia lipolytica、Trypanosoma bruceiまたはAspergillus nigerのグルコシダーゼIIなどのグルコシダーゼIIのアルファサブユニットまたはベータサブユニット(またはアルファサブユニットおよびベータサブユニットの両方)をさらに発現する。遺伝子操作された細胞は、これらの改変の任意の組合せを有し得る。
例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、OCH1遺伝子を欠き得、α−1,2−マンノシダーゼ、GlcNAc−トランスフェラーゼI、マンノシダーゼIIおよびガラクトシルトランスフェラーゼIを発現し得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞は、ALG3遺伝子を欠き得、α−1,2−マンノシダーゼ、GlcNAc−トランスフェラーゼI、GlcNAc−トランスフェラーゼIおよびガラクトシルトランスフェラーゼIを発現し得る。かかる遺伝子操作された細胞はさらに、α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼを発現し得、ならびに/またはグルコシダーゼIIのアルファサブユニットおよびベータサブユニットを発現し得、ならびに/またはOCH1遺伝子を欠き得る。
かかるタンパク質の1つまたは複数(one of more)は、異種標的化配列を含有する融合タンパク質であり得る。例えば、α−1,2−マンノシダーゼは、HDEL小胞体(ER)保有アミノ酸配列を有し得る。N−グリコシル化活性を有する任意のタンパク質は、HDEL配列を含む融合タンパク質へと操作され得ると理解される。他のタンパク質は、そのタンパク質をゴルジ体に向かわせる異種配列を有し得る。例えば、酵母Kre2p遺伝子によってコードされる最初の100個のN末端アミノ酸、S.cerevisiae Mnn2遺伝子によってコードされる最初の36個のN末端アミノ酸(Swiss Prot.受託番号P38069)、またはS.cerevisiae Mnn2p遺伝子によってコードされる最初の46個のN末端アミノ酸が、タンパク質をゴルジに向かわせるために使用され得る。このように、真菌細胞において発現されるタンパク質をコードする核酸は、コードされたタンパク質を細胞内区画に向かわせるための標的化配列をコードするヌクレオチド配列を含み得る。例えば、α−1,2−マンノシダーゼは、ERに向かわせ得るが、GnT I、GnT II、マンノシダーゼおよびGal Tは、ゴルジに標的化され得る。
標的タンパク質またはN−グリコシル化活性を有するタンパク質が、そのタンパク質が発現される細胞とは異なる型の(例えば、異なる種の)細胞である細胞から誘導される実施形態では、このタンパク質をコードする核酸は、対象の特定の細胞における発現のためにコドン最適化され得る。例えば、Trypanosoma brucei由来の、N−グリコシル化を有するタンパク質をコードする核酸は、Y.lipolyticaなどの酵母細胞における発現のためにコドン最適化され得る。かかるコドン最適化は、対象の細胞におけるタンパク質の発現を増加させるのに有用であり得る。タンパク質をコードする核酸をコドン最適化する方法は、当該分野で公知であり、例えば、Gaoら(Biotechnol. Prog.(2004年)20巻(2号):443〜448頁)、Kotulaら(Nat. Biotechn.(1991年)9巻、1386〜1389頁)およびBennetzenら(J. Biol. Chem.(1982年)257巻(6号):2036〜3031頁)に記載されている。表1は、Yarrowia lipolyticaのためのコドン使用頻度を示す。データは、5,967個のコード配列中に存在する2,945,919個のコドンから導出した。表1の内容は、kazusa.or.jp/codon/cgi−bin/showcodon.cgi?species=284591のワールドワイドウェブで見出され得るCodon Usage Databaseから取得した。
表1
Yarrowia lipolyticaのコドン使用頻度表
表のフィールドは、[トリプレット][頻度:千個当たり]([数])として示される。
いくつかの実施形態では、ヒト標的タンパク質が細胞中に導入され得、N−グリコシル化活性を有する1つまたは複数の内因性酵母タンパク質が抑制され得る(例えば、欠失または変異され得る)。真菌グリコシル化経路を「ヒト化する」技術は、例えば、Choiら(2003年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100巻(9号):5022〜5027頁;Verveckenら(2004年)Appl. Environ. Microb. 70巻(5号):2639〜2646頁;およびGerngross(2004年)Nature Biotech. 22巻(11号):1410〜1414頁に記載されている。
遺伝子操作が、例えば、タンパク質の発現または外因性タンパク質(内因性タンパク質の変異体形態を含む)の発現の変化を含む場合、遺伝子操作された細胞がそのタンパク質を発現するかどうかを決定するために、種々の技術が使用され得る。例えば、タンパク質をコードするmRNAまたはタンパク質自体の存在は、それぞれ、例えば、ノーザンブロットもしくはRT−PCR分析またはウエスタンブロット分析を使用して検出され得る。N−グリコシル化活性を有するタンパク質の細胞内局在化は、細胞成分分画および免疫蛍光を含む種々の技術を使用することによって分析され得る。
標的タンパク質のグリコシル化を検出する方法には、DNAシーケンサー支援(DNA sequencer−assisted)(DSA)、蛍光標識糖質電気泳動法(fluorophore−assisted carbohydrate electrophoresis)(FACE)または表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(SELDI−TOF MS)が挙げられる。例えば、分析は、例えば、糖タンパク質が変性され、次に例えば膜上に固定化される、DSA−FACEを利用し得る。次いで、これらの糖タンパク質は、ジチオスレイトール(DTT)またはβ−メルカプトエタノールなどの適切な還元剤を用いて還元され得る。タンパク質のスルフヒドリル基は、ヨード酢酸などの酸を使用してカルボキシル化され得る。次に、N−グリカンは、N−グリコシダーゼFなどの酵素を使用して、タンパク質から遊離され得る。N−グリカンは、必要に応じて、還元的アミノ化によって再構成および誘導体化され得る。次いで、誘導体化されたN−グリカンは、濃縮され得る。N−グリカン分析に適した機器には、例えば、ABI PRISM(登録商標)377 DNAシーケンサー(Applied Biosystems)が挙げられる。データ分析は、例えば、GENESCAN(登録商標)3.1ソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して実施され得る。必要に応じて、単離されたマンノプロテインは、そのN−グリカン状態を確認するために、1つまたは複数の酵素でさらに処理され得る。N−グリカン分析のさらなる方法には、例えば、質量分析法(例えば、MALDI−TOF−MS)、順相、逆相およびイオン交換クロマトグラフィーでの高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、グリカンが標識されていない場合にはパルス電流滴定法を用い、グリカンが適切に標識されている場合にはUV吸光度または蛍光を用いる)が挙げられる。Callewaertら(2001年)Glycobiology 11巻(4号):275〜281頁およびFreireら(2006年)Bioconjug. Chem. 17巻(2号):559〜564頁もまた参照のこと。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞の遺伝子改変のいずれかが、誘導キュー(例えば、化学的キューまたは物理的キュー)の存在に対して誘導性または条件的である場合、この遺伝子操作された細胞は、必要に応じて、核酸の導入の前、その間、またはそれに引き続いて、誘導剤の存在下で培養され得る。例えば、標的タンパク質をコードする核酸の導入後、細胞は、N−グリコシル化活性を有する1つまたは複数のタンパク質の発現を促進することが可能な化学的誘導剤に曝露され得る。複数の誘導キューが、N−グリコシル化活性を有する1つまたは複数のタンパク質の条件的発現を誘導する場合、細胞は、複数の誘導剤と接触させられ得る。
所望のN−グリカンを含むように改変された標的タンパク質は、遺伝子操作された細胞から単離され得る。改変された標的タンパク質は、酵母細胞内で維持され得、細胞溶解の際に放出され得るか、または改変された標的タンパク質は、細胞からのタンパク質の分泌を指示するコード配列(外因性核酸にとってネイティブであるかまたは発現ベクターへと操作されているかのいずれかである)によって提供される機構を介して、培養培地中に分泌され得る。細胞溶解物または培養培地中の改変された標的タンパク質の存在は、そのタンパク質の存在を検出するための種々の標準的なプロトコールによって検証され得る。かかるプロトコールには、変更された標的タンパク質(または標的タンパク質自体)に対して特異的な抗体を用いたイムノブロッティングもしくは放射性免疫沈降、変更された標的タンパク質(または標的タンパク質自体)に対して特異的なリガンドの結合、または改変された標的タンパク質(または標的タンパク質自体)の特異的酵素活性についての試験を挙げることができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細胞から単離された標的タンパク質の少なくとも約25%が、所望のN−グリカンを含有する。例えば、遺伝子操作された細胞から単離された標的タンパク質の少なくとも約27%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%または少なくとも約95%または少なくとも約99%が、所望のN−グリカンを含有し得る。
いくつかの実施形態では、単離された改変された標的タンパク質は、凍結、凍結乾燥または固定化され得、例えば変更された標的タンパク質が生物学的活性を保持するのを可能にする適切な条件下で保存され得る。
操作された細胞の培養物
本願は、本明細書に記載される遺伝子操作された細胞のいずれかの、実質的に純粋な培養物もまた提供する。本明細書で使用する場合、遺伝子操作された細胞の「実質的に純粋な培養物」は、培養物中の生存細胞の総数の約40%未満(すなわち、約35%未満;約30%未満;約25%未満;約20%未満;約15%未満;約10%未満;約5%未満;約2%未満;約1%未満;約0.5%未満;約0.25%未満;約0.1%未満;約0.01%未満;約0.001%未満;約0.0001%未満;またはさらに少ない)が、遺伝子操作された細胞以外の、例えば細菌細胞、真菌(酵母を含む)細胞、マイコプラズマ細胞または原生動物細胞以外の生存細胞である、細胞の培養物である。この文脈において、用語「約」は、関連する百分率が、特定した百分率を上回るまたは下回る、特定した百分率の15%パーセントであり得ることを意味する。したがって、例えば、約20%は、17%〜23%であり得る。遺伝子操作された細胞のかかる培養物は、細胞と、増殖培地、保存培地または輸送培地とを含む。培地は、液体、半固体(例えば、ゼラチン質培地)または凍結であり得る。培養物は、液体培地中もしくは半固体培地中/上で増殖している細胞、または凍結保存培地もしくは凍結輸送培地を含む保存培地もしくは輸送培地中で保存もしくは輸送されている細胞を含む。これらの培養物は、培養容器または保存容器または基材(例えば、培養皿、フラスコもしくはチューブまたは保存バイアルもしくは保存チューブ)中に存在する。
本明細書に記載される遺伝子操作された細胞は、例えば、例えばグリセロールまたはスクロースなどの凍結保護剤を含有する緩衝液中での凍結細胞懸濁物として、凍結乾燥細胞として、保存され得る。あるいは、これらの細胞は、例えば、例えば流動床乾燥もしくは噴霧乾燥または任意の他の適切な乾燥方法によって取得された乾燥細胞調製物として、保存され得る。
以下は、本発明の実施の例である。これらは、本発明の範囲を限定すると決して解釈されない。
(実施例1)
Yarrowia lipolyticaへの抗体遺伝子の導入
抗HER2抗体重鎖および軽鎖のアミノ酸配列は、Carterら、Proc Natl Acad Sci USA、89巻(10号):4285〜4289頁(1992年);およびWardら、Appl Environ Microbiol.、70巻(5号):2567〜2576頁(2004年)から得た。関連するアミノ酸配列は、逆翻訳し、Yarrowia lipolyticaのためにコドン最適化し、GenArt、Regensburg Germanyが合成した。非常に高い(>80%)または非常に低い(<30%)GC含量の領域を、可能な場合回避した。最適化プロセスの間に、以下のシス作用性配列モチーフもまた回避した:内部TATAボックス、カイ部位およびリボゾーム進入部位、ATリッチまたはGCリッチな配列ストレッチ、反復配列およびRNA二次構造ならびに(潜在性の)スプライスドナー部位およびアクセプター部位。
タンパク質の分泌を可能にするために、Lip2タンパク質「プレプロ」シグナルのコード配列(ペプチドリンカー「GGG」のコード配列が後に続く)を、軽鎖および重鎖の各々についてコード配列の5’領域に付加した。CACAエンハンサーエレメントもまた、軽鎖および重鎖のコード配列の各々について、開始コドン(ATG)に対して5’側に付加した。軽鎖をコードする得られた構築物は、769ヌクレオチド長であり、5’から3’へと構築した以下のドメインを含有した:cacaATGプレプロシグナル、可変領域(V)および定常領域(C)。軽鎖(LC)構築物のヌクレオチド配列を図1A(配列番号1)に示す。コードされたLCタンパク質は、251アミノ酸長でおよそ25kDaである。図1Cは、LCのアミノ酸配列を示し、LIP2プレプロリーダー配列には下線が付され、Vドメイン配列には2本線で下線が付され
;Ck1ドメインには破線で下線が付される
重鎖(HC)をコードする得られた構築物は、1482ヌクレオチド長であり、5’から3’へと構築した以下のドメインを含有した:cacaATGプレプロシグナル、可変領域(V)および3つの定常領域(C1〜3)。「ヒンジ」領域は、C1およびC2にまたがっていた。重鎖構築物のヌクレオチド配列を図1A(配列番号2)に示す。コードされた重鎖タンパク質は、486アミノ酸長で、およそ55kDaである。図1Dは、HCのアミノ酸配列を示し、LIP2プレプロリーダー配列には下線が付され、Vドメイン配列には2本線で下線が付され
;CHドメインには破線で下線が付される
HER2軽鎖をコードする構築物およびHE2重鎖をコードする構築物をそれぞれ、Y.lipolyticaゲノムへの標的化組込み(targeted integration)のためにURA3遺伝子座またはLIP2遺伝子座を利用して、BamHI/AvrII断片として、pJMEベクターへとクローニングし、それをpJME927PTLipUra3exPOX2プレプロHerHCまたはpJME923PTUraLeu2ExPOX2プレプロHerLCと呼んだ。トランスポゾンエレメントは使用しなかった。このpJMEプラスミドは、E.coliまたはY.lipolyticaのいずれかにおいて複製が可能なシャトルベクターであり、細菌特異的配列およびY.lipolytica特異的配列の両方を含有する。プラスミドの細菌部分は、プラスミドpHSS6に由来し、細菌複製起点(ori)と、カナマイシンへの耐性を付与するカナマイシン耐性遺伝子(KanR)とを含む。プラスミドの組込みカセット部分は、選択可能なマーカー遺伝子(例えば、LEU2またはURA3)を含有し、発現カセットは、hp4dプロモーターまたはPOX2プロモーターと、LIP2遺伝子のターミネーターとインフレームでαHER2軽鎖または重鎖コード配列を挿入するための多重クローニング部位(MCS)とから構成された。これらのプラスミドをNotIで消化して、Y.lipolytica細胞の形質転換前に組込みカセットを放出させた。
NotI消化した重鎖発現プラスミドを、Y.lipolytica株Po1d((MatA ura3−302 leu2−270 xpr2−322)に導入した。URA3遺伝子座への重鎖発現カセットの組込みを、サザン分析によって検証した。抗体全体を発現する株を構築するために、NotI消化した軽鎖を、重鎖発現株へと導入した。再度、LIP2遺伝子座への軽鎖発現カセットの組込みを、サザン分析によって検証した。図2は株の系図を示す。
(実施例2)
抗体の切断部位の同定
重鎖プラスミドおよび軽鎖プラスミドの両方について陽性の形質転換体を、SuperTリッチ培地中で96時間培養した。4つの異なるクローンの培養物由来の上清を収集し、ウエスタンブロット分析に供した。軽鎖は、マウスにおいて産生されたモノクローナル抗ヒトカッパフリー軽鎖抗体(4C11)(製品番号1939、abcam(登録商標))を使用して検出した。重鎖は、マウスにおいて産生されたモノクローナル抗ヒトIgG(ガンマ鎖特異的)抗体(Sigmaの製品番号I5885)を使用して検出した。軽鎖は、正確な分子量(25kDa)で存在したが、二量体化する傾向を示した。重鎖もまた、正確な分子量(50kDa)で検出されたが、その大部分は、およそ32kDaの分子量を有する分解産物として存在した。図3を参照のこと。
Y.lipolytica Po1d細胞によって産生された重鎖の分解部位を同定するために、重鎖産物を、プロテインGクロマトグラフィーを使用して精製し、N末端ペプチド配列決定に供した。これにより、主な抗体切断が、C1ヒンジ領域中のLys−Lys結合において生じることが明らかになった。
(実施例3)
Yarrowia lipolyticaの単一ヤプシンノックアウト株の構築
ヤプシンプロテアーゼが重鎖の分解を担うかどうかを決定するために、単一ヤプシンノックアウトY.lipolytica株を生成した。Y.lipolytica(Yl)の以下のヤプシン3様遺伝子の配列は、National Center for Biotechnologyデータベース(.ncbi.nlm.nih.govのワールドワイドウェブ)から取得した:
YPS1:YALI0E10175g 遺伝子ID:2912589、pYPS1をコードする
YPS2:YALI0E22374g 遺伝子ID:2912981、pYPS2をコードする
YPS3:YALI0E20823g 遺伝子ID:2911836、pYPS3をコードする
YPS4:YALI0D10835g 遺伝子ID:2910442、pYPS4をコードする
YPS5:YALI0A16819g 遺伝子ID:2906333、pYPS5をコードする
YPSX:YALI0C10135g 遺伝子ID:7009445、pYPSXをコードする
YPS7:YALI0E24981g 遺伝子ID:2912672、pYPS7をコードする
YPSXp:YALI0E34331g 遺伝子ID:2912367、pYPSXpをコードする
各ヤプシンオープンリーディングフレーム(ORF)標的配列に隣接するプロモーター(「P」)領域およびターミネーター(「T」)領域を、プライマーの対を使用して増幅して、P断片およびT断片を取得した。次いで、このP断片およびT断片を、独自のクローニング(制限)部位(ISce1およびICeu1)を含み、引き続くPCRの間にP断片とT断片とが融合されるのを可能にするプライマー対を使用して増幅し、次いで、OXYPプラスミドのNotI E.coli部分へとクローニングした。こうして、各最終破壊構築物(カセット)は、各末端にNotI制限部位を含有し、P断片とT断片との融合領域は、上記の2つのクローニング(制限)部位を含み、1つのクローニング部位はY.lipolyticaマーカーの挿入のため、および1つのクローニング部位は、対象の遺伝子に作動可能に連結したプロモーターの挿入のためであり、その結果、これらの破壊構築物は、標的化組込み構築物としても使用できた。この破壊構築物を、図4に図式的に示す。
各ヤプシン破壊カセットを、上記Y.lipolytica po1d抗体発現株へと独立して形質転換した。遺伝子座の破壊を、サザンブロットまたはPCR分析によって検証した。単一ヤプシン欠失株を、yps1、yps2、yps3、yps4、yps5およびyps7について取得した。
個々の破壊株を示す独自のクローンならびに非ヤプシン欠失対照株(ctrl)を、振盪フラスコ中のSuperTリッチ培地中で別々に増殖させた。培養上清試料を、接種の48時間後および96時間後に採取し、ウエスタンブロット分析に供して、マウスにおいて産生されたガンマ鎖特異的抗ヒトIgG抗体(Sigma、I5885、モノクローナル抗ヒトIgG)を使用して重鎖分解を評価した。交差反応性は軽鎖では観察されなかった。Δyps2、Δyps3、Δyps5、Δyps7およびΔypsx欠失株について、対照と比較した、タンパク質分解性分解における低減は、48時間目にも96時間目にも観察されなかった。図5の上のパネルを参照のこと。
Δyps1欠失株およびΔyps4欠失株について、各株の2つのクローンを、振盪フラスコ中のSuperT培地中で増殖させ、培養上清試料を、接種の96時間後に採取し、対照株と比較して重鎖分解について評価した。Δyps1株について、Δyps4および対照株の両方と比較して低減した量の32kDaの分解産物が検出されたが、広範な分解は依然として存在した。図5の下のパネルを参照のこと。
Δyps1欠失株における分解をさらに評価するために、この株を、superT培地中で増殖させ、培養上清試料を、接種の24時間後、40時間後、48時間後、60時間後、72時間後および96時間後に採取し、対照株と比較して重鎖分解を評価した。全ての時点について、32kDaのタンパク質分解産物の低減が、対照株と比較して観察された。より後の時点では、より多くの分解産物が検出されたが、対照株において観察された分解よりも依然として低いレベルのままであった。これらの結果は、Δyps1株においてタンパク質分解活性の部分的低減が存在したことを示している。
2つのヤプシン遺伝子の破壊がタンパク質分解をさらに低減し得るかどうかを決定するために、第2のヤプシン遺伝子を、Δyps1背景において破壊した。以下の4つの株を生成した:Δyps1Δyps2、Δyps1Δyps3、Δyps1Δyps4およびΔyps1Δyps7。遺伝子の正確な破壊を、サザン分析によって検証した。
Δyps1Δyps2、Δyps1Δyps3およびΔyps1Δyps4株ならびに対照株(非ヤプシン欠失、Δyps1、およびΔyps1 URA栄養要求性)を培養した。上清試料を、接種の96時間後に採取し、ウエスタンブロッティングに供した。図6に示すように、重鎖分解産物は、Δyps3.1Δyps3.2株では観察されなかった。しかし、全長重鎖産物(50kDa)の量における全体的な増加は観察されなかった。Δyps1Δyps3、Δyps1Δyps4および対照株において、重鎖分解産物が検出された。
活性な分泌された抗体の量を、ELISAを介して、Δyps1Δyps2株において決定し、非破壊株の量と比較した。分泌された機能的産物の総量の増加は検出されなかった。
Δyps1Δyps2株から誘導した、プロテインG精製された抗体は、銀染色されたSDS−PAGEゲル上で、重鎖分解産物の完全な非存在を示した。図7を参照のこと。
他の実施形態
本発明を、その詳細な説明と併せて記載してきたが、上記の説明は例示を意図し、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定しない。他の態様、利点および改変は、以下の特許請求の範囲内である。

Claims (27)

  1. pYPS1(YPS1タンパク質)活性における欠損およびpYPS2(YPS2タンパク質)活性における欠損を含むように遺伝子操作された、単離されたYarrowia細胞。
  2. Yarrowia lipolytica細胞である、請求項1に記載の細胞。
  3. 標的タンパク質をコードする核酸をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の細胞。
  4. 前記標的タンパク質が、リソソームタンパク質、病原体タンパク質、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、抗体もしくはその抗原結合性断片の1つもしくは2つのポリペプチド鎖、または融合タンパク質である、請求項3に記載の細胞。
  5. 前記抗体が、血管内皮増殖因子(VEGF)に結合する抗体、上皮増殖因子受容体(EGFR)に結合する抗体、CD3に結合する抗体、腫瘍壊死因子(TNF)に結合する抗体、TNF受容体に結合する抗体、CD20に結合する抗体、糖タンパク質IIa/IIb受容体に結合する抗体、IL2受容体に結合する抗体、CD52に結合する抗体、CD11aに結合する抗体およびHER2に結合する抗体からなる群から選択される、請求項4に記載の細胞。
  6. 前記抗原結合性断片が、Fab断片、F(ab’)断片、Fv断片および単鎖Fv(scFv)断片からなる群から選択される、請求項4に記載の細胞。
  7. OCH1活性がさらに欠損している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の細胞。
  8. アルファ−1,2マンノシダーゼをコードする核酸を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の細胞。
  9. 前記アルファ−1,2マンノシダーゼが、該アルファ−1,2マンノシダーゼを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含む、請求項8に記載の細胞。
  10. ALG3活性がさらに欠損している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の細胞。
  11. アルファ−1,3−グルコシルトランスフェラーゼをコードする核酸をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の細胞。
  12. グルコシダーゼのアルファサブユニットおよびベータサブユニットをコードする核酸をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の細胞。
  13. GlcNAc−トランスフェラーゼIをコードする核酸を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の細胞。
  14. 前記GlcNAc−トランスフェラーゼIが、該GlcNAc−トランスフェラーゼIを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含む、請求項13に記載の細胞。
  15. GlcNAc−トランスフェラーゼIIをコードする核酸を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の細胞。
  16. 前記GlcNAc−トランスフェラーゼIIが、該GlcNAc−トランスフェラーゼIIを細胞内区画に向かわせるための標的化配列を含む、請求項15に記載の細胞。
  17. ガラクトシルトランスフェラーゼをコードする核酸をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の細胞。
  18. 前記ガラクトシルトランスフェラーゼが、該ガラクトシルトランスフェラーゼをゴルジ体に向かわせるための標的化配列を含む、請求項17に記載の細胞。
  19. 検出可能なレベルの機能的pYPS1も機能的pYPS2も産生しない、請求項1〜18のいずれか一項に記載の細胞。
  20. 機能的pYPS1をコードする検出可能なmRNA分子および機能的pYPS2をコードする検出可能なmRNA分子を産生しない、請求項1〜19のいずれか一項に記載の細胞。
  21. YPS1遺伝子およびYPS2遺伝子が、前記細胞において破壊されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の細胞。
  22. YPS1およびYPS2のオープンリーディングフレームが欠失されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の細胞。
  23. 実質的な数のYarrowia lipolytica細胞が、pYPS1活性における欠損およびpYPS2活性における欠損を含むように遺伝子操作されている、Yarrowia lipolytica細胞の実質的に純粋な培養物。
  24. (i)pYPS1活性における欠損および(ii)pYPS2活性における欠損と、(iii)ALG3活性における欠損、(iv)OCH1活性における欠損、(v)アルファ−1,2マンノシダーゼをコードする核酸、(vi)GlcNAc−トランスフェラーゼIをコードする核酸、(vii)GlcNAc−トランスフェラーゼIIをコードする核酸、(viii)マンノシダーゼIIをコードする核酸、(ix)α−1,3−グルコシルトランスフェラーゼをコードする核酸、(x)ガラクトシルトランスフェラーゼをコードする核酸ならびに(xi)グルコシダーゼのαサブユニットおよびβサブユニットをコードする核酸のうち1つまたは複数とを含むように遺伝子操作された、単離されたYarrowia細胞。
  25. 標的タンパク質をコードする核酸をさらに含む、請求項24に記載の細胞。
  26. Yarrowiaにおいて産生される標的タンパク質の分解を低減させる方法であって、請求項1〜25のいずれか一項に記載のYarrowia細胞において、該標的タンパク質をコードする核酸を発現させるステップを含む方法。
  27. 標的タンパク質を産生する方法であって、a)pYPS1活性における欠損、pYPS2活性における欠損、および該標的タンパク質をコードする核酸を含むように遺伝子操作されたYarrowia細胞を提供するステップ;ならびにb)該細胞が該標的タンパク質を産生するような条件下で該細胞を培養するステップを含む方法。
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